説明

プリアプライド用封止樹脂組成物、半導体チップおよび半導体装置

【課題】スピンコート法により半導体ウェハー表面に塗布した場合において、厚みが均一な塗布膜を形成可能な、ウェハレベルアンダーフィル工法に用いられるプリアプライド用封止樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物は、半導体チップと基板との間隙を封止する封止樹脂層を得るために用いられる。当該封止樹脂層は、半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布しB−ステージ化し、当該半導体ウェハーを個片化することにより得られる塗布膜付き半導体チップを、半田バンプを介して基板にフリップチップ実装することにより該塗布膜から形成される。当該プリアプライド用封止樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)無機充填剤と、(D)溶剤と、を含んでなり、粘度a/粘度bで表されるチキソ比が1.5以下である。
粘度a:ブルックフィールド型粘度計を用い、0.5rpm、25℃で測定。
粘度b:ブルックフィールド型粘度計を用い、2.5rpm、25℃で測定。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハレベルアンダーフィル工法に用いられるプリアプライド用封止樹脂組成物、該組成物から得られる塗布膜付き半導体チップ、および該半導体チップが実装されてなる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来のリードフレーム接合に代わり、半導体チップと回路基板とを、半導体チップの回路面に直接形成された突起電極を介して接合するエリア実装方式が主流になりつつある。このエリア実装方式の代表的なものとして、フリップチップ実装がある。フリップチップ実装においては、接合部分の補強や信頼性向上等を目的として、半導体チップと回路基板の間隙を樹脂組成物で封止することが一般的である。
【0003】
樹脂封止方法としては、一般にキャビラリーアンダーフィル方式が挙げられる。この方法は、チップを搭載後、チップの側辺に液状封止樹脂組成物を塗布し毛細管現象を利用して樹脂組成物を回路基板とチップの間隙に流れ込ませることによって行う。しかし、キャビラリーアンダーフィル方式では、フラックスを用いて半導体チップと回路基板を接合させる工程および、フラックス洗浄工程が必要になるため、工程が長くなる。さらに、洗浄廃液の処理問題等環境管理を厳しくしなければならない。また、封止を毛細管現象で行うため封止時間が長くなり、生産性に問題があった。
【0004】
前記の課題を解決するにあたり、ノンフローアンダーフィル方式の樹脂封止方法(No-flow Underfill Application)が提案されている。この方法は、回路基板に直接樹脂組成物を塗布し、その上から半田電極を持った半導体チップを搭載し、金属結合を形成すると同時に封止を行うものである(特許文献2)。金属結合と樹脂封止を同時に行うために、キャビラリーアンダーフィル方式に比べ、工程の短縮が可能になり、また、フラックスを使用しないために、廃液処理問題も心配の必要がなくなった。
【0005】
さらに実装工程の短縮化という観点から、フリップチップ実装用の半田バンプを備えた半導体ウェハー表面にスピンコート等の方法により樹脂組成物を塗布し、次いでこの半導体ウェハーをダイシング等によって個片化することによりアンダーフィル付きの半導体チップを製造し、これを回路基板に搭載し、接合するプリアプライド型ノンフローアンダーフィル封止工法(またはウェハレベルアンダーフィル工法:Wafer Level Underfill Application)が検討されてきている(特許文献1)。この工法により、個々の回路基板に樹脂組成物を供給する工程およびアンダーフィル工程を省略することが可能となる。
【0006】
この方法に用いられる封止樹脂組成物(プリアプライド型封止樹脂組成物)としては、主にエポキシ樹脂、無機充填剤、溶剤等を含む組成物が提案されている(特許文献1〜9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−212964号公報
【特許文献2】特表2005−519168号公報
【特許文献3】特表2007−504321号公報
【特許文献4】特表2007−504684号公報
【特許文献5】特開2006−335817号公報
【特許文献6】特開2007−9188号公報
【特許文献7】国際公開2006/129630号パンフレット
【特許文献8】特開2007−116079号公報
【特許文献9】特開2008−303283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プリアプライド型封止樹脂組成物に対しては、半導体チップの製品信頼性の観点から、得られる封止樹脂層の熱膨張率が小さく、強度が高いことが要求される。この要求を満たすために、封止樹脂組成物には、無機充填剤が添加されている。
【0009】
しかしながら、本発明者は、無機充填剤含む従来の封止樹脂組成物をスピンコート法により半導体ウェハー表面に塗布した場合、形成された塗布膜は、その厚みが不均一になることを見出した。そのため、個片化された半導体チップ毎に塗布膜の膜厚が一定とならず、半導体チップの製品信頼性が低下することがあった。
一方、溶剤を多く入れると粘度が低下するものの硬化工程において溶剤が抜け難くボイドが発生することもあるため、上記課題を解決する手段として採用することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は鋭意研究したところ、封止樹脂組成物が無機充填剤を含んでいても、所定のチキソ比を一定数値以下とすることにより上記課題を解決することができることを見出し、本願発明を完成させた。
本願発明は以下に示すことができる。
【0011】
[1]半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布しB−ステージ化させた後、当該半導体ウェハーを個片化することにより得られる塗布膜付き半導体チップを、半田バンプを介して基板にフリップチップ実装することにより該塗布膜から形成される、該半導体チップと該基板との間隙を封止する封止樹脂層を得るためのプリアプライド用封止樹脂組成物であって、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)無機充填剤と、
(D)溶剤と、を含んでなり、
粘度a/粘度bで表されるチキソ比が1.5以下であることを特徴とするプリアプライド用封止樹脂組成物。
粘度a:ブルックフィールド型粘度計を用い、0.5rpm、25℃で測定。
粘度b:ブルックフィールド型粘度計を用い、2.5rpm、25℃で測定。
【0012】
[2]チキソ比が1.3以下であることを特徴とする[1]に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0013】
[3]無機充填剤(C)は、プリアプライド用封止樹脂組成物の固形分100重量%中に30重量%以上含まれることを特徴とする[1]または[2]に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0014】
[4]溶剤(D)の前記半導体ウェハーに対する25℃における接触角は50°以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0015】
[5]溶剤(D)の沸点は60℃以上であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0016】
[6]さらにシランカップリング剤(E)を含んでなることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0017】
[7]シランカップリング剤(E)はアミノ基を含有することを特徴とする[6]に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0018】
[8]無機充填剤(C)は球状であり、その平均粒径が、10nm〜800nmであることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0019】
[9]前記基板が、配線基板または半導体チップであることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【0020】
[10]下記条件で前記プリアプライド用封止樹脂組成物をB−ステージ化することで得られた塗布膜は、下記測定法で算出される膜厚のばらつきが10%以下であることを特徴とする[1]乃至[9]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物;
条件:25℃の温度条件下、プリアプライド用封止樹脂組成物を6インチウェハー上に滴下し、スピンコーターを用いて、回転条件500rpm/10秒、次いで1000rpm/20秒とし、塗布膜を作成する。次いで、90℃に設定したオーブンに90分入れ、加熱乾燥しB−ステージ化する。
測定法:塗布膜を測定箇所において取り除き、接触型表面粗さ計を用いて塗布膜表面とウェハー表面との差を読み取り、測定箇所における膜厚とした。測定箇所は、ウェハーの中心点を通る直線上の5点(中心点(1点)、エッジ部(2点)、中心点とエッジ部との中央点(2点))とし、5点の測定データから得られる標準偏差が平均値の何%であるかを算出する。
【0021】
[11][1]乃至[10]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物を、半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布し、B−ステージ化させた後、当該半導体ウェハーを個片化することにより得られる塗布膜付き半導体チップ。
【0022】
[12][1]乃至[10]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物を、半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布する工程と、
塗布されたプリアプライド用封止樹脂組成物をB−ステージ化する工程と、
前記半導体ウェハーを個片化する工程と、
を含む塗布膜付き半導体チップの製造方法。
【0023】
[13][11]に記載の塗布膜付き半導体チップを、前記半田バンプを介して基板にフリップチップ実装することにより前記塗布膜から形成された該半導体チップと該基板との間隙を封止する封止樹脂層を備える半導体装置。
【0024】
[14][1]乃至[10]のいずれかに記載のプリアプライド用封止樹脂組成物を、半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布する工程と、
塗布されたプリアプライド用封止樹脂組成物をB−ステージ化する工程と、
前記半導体ウェハーを個片化することにより、塗布膜付き半導体チップを得る工程と、
前記塗布膜付き半導体チップを前記半田バンプを介して基板にフリップチップ実装するとともに、該塗布膜から該半導体チップと該基板との間隙を封止する封止樹脂層を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0025】
本願発明のプリアプライド用封止樹脂組成物によれば、スピンコート法により半導体ウェハー表面に塗布した場合において、形成された塗布膜は、その厚みが均一であるため、半導体チップの製品信頼性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るプリアプライド用封止樹脂組成物について説明する。
【0027】
<プリアプライド用封止樹脂組成物>
本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)無機充填剤と、(D)溶剤と、を含んでなる。
粘度a/粘度bで表されるチキソ比は、1.5以下、好ましくは1.3以下である。下限値は、高せん断時に粘度が上がってしまい作業性が著しく悪くなるという観点から、0.5以上、好ましくは0.7以上である。
粘度a:ブルックフィールド型粘度計を用い、0.5rpm、25℃で測定した。
粘度b:ブルックフィールド型粘度計を用い、2.5rpm、25℃で測定した。
【0028】
本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物は、チキソ比が上記範囲にあることにより、B−ステージ化されることにより得られる塗布膜の厚みが均一となり、半導体チップの製品信頼性が向上する。
【0029】
[(A)エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂(A)としては、1分子中にエポキシ基が2個以上であるものを使用することができる。
【0030】
具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ、o−アリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、3,3',5,5'−テトラメチル4,4'−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、4,4'−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ、ビスフェノールDジグリシジルエーテル型エポキシ,1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。また、信頼性の優れたプリアプライド用封止樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa+、Cl-等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
【0031】
本発明に係るプリアプライド用封止樹脂組成物は、該組成物の固形分を100重量%とした場合に、エポキシ樹脂(A)を10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%含むことができる。
【0032】
[(B)硬化剤]
硬化剤(B)としては、重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、縮合型の硬化剤、フラックス活性を有する硬化剤等が挙げられる。
【0033】
前記重付加型の硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマーなどのポリフェノール化合物、ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物、イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物、カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。
【0034】
前記触媒型の硬化剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)などのイミダゾール化合物、BF3錯体などのルイス酸などが挙げられる。
【0035】
前記縮合型の硬化剤としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂、メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂等が挙げられる。これらの硬化剤を、用いるエポキシ樹脂の種類や目的とする硬化物の物性により、単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
【0036】
前記フラックス活性を有する硬化剤としては、例えばカルボン酸類、酸無水物が挙げられ、さらに1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基と、芳香族に直接結合したカルボキシル基とを1分子中に少なくとも1個含む化合物が好ましい。フラックス活性を有する硬化剤は、半導体チップに設けられたはんだ電極表面の酸化膜を、基板と電気的に接合できる程度に還元する作用を示し、かつ、エポキシ樹脂と反応する官能基を有する化合物である。
【0037】
具体例としては、ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フェノールフタリン等のカルボキシル基を有するフェノール化合物、ジフェノール酸、セバシン酸等が挙げられる。これらの化合物は何れも吸湿し易くボイドの原因となるため製造する際は前もって乾燥を行うことが好ましい。
【0038】
硬化剤(B)の中でも、フラックス活性を有する化合物が特に好ましい。これにより、フラックス活性を有する硬化剤が熱硬化性樹脂と反応性を有するため、アウトガスが少なく電子部品を汚染しないことや、イオン性不純物として作用することが無いため、導電部材が腐食されるのを防止することができる。
【0039】
本発明において用いられるフラックス活性を有する硬化剤の添加量は、エポキシ樹脂(A)に対して10〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。フラックス活性を有する硬化剤の添加量が下限値以上であると、主にフラックス活性不足が改善され、上限値以下であると硬化剤過多が解消され、硬化性が改善される。
【0040】
[(C)無機充填剤]
無機充填剤(C)としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、窒化アルミ等が挙げられる。用途によりこれらを複数混合してもよいが、純度、信頼性、コストの点でシリカが好ましい。プリアプライド用封止樹脂組成物の固形分を100重量%とした場合に、30重量%以上、好ましくは50重量%以上含まれる。上限値は、硬化物性と、封止樹脂層の膜厚の均一性とのバランスの観点から、80重量%以下、好ましくは70重量%以下の量で含まれる。
【0041】
また本発明に用いる無機充填剤の形状は球状であることが好ましく、その平均粒径は、10nm〜800nmが好ましい。この範囲内であれば、得られる封止樹脂層は可視光に対する視認性が確保されるので、半導体ウェハーをダイシング等によって個片化する際の作業性に優れる。上記平均粒径であると封止樹脂組成物の粘性が高くなり、スピンコート法により形成される塗布膜にムラが生じる傾向あるが、本発明においてはチキソ比を所定の範囲に調整しているため、上記平均粒径を有する球状の無機充填剤を用いても塗布膜の厚みのばらつきが抑制される。
【0042】
[(D)溶剤]
溶剤(D)としては、封止樹脂組成物が塗布される半導体ウェハーに対する25℃における接触角が50°以下である溶剤を用いることができる。半導体ウェハー表面にはポリイミド樹脂層を有する。ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂は、ジアミノジフェニルエーテルとプロメリット酸無水物の重合体である。
これにより、本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物の半導体ウェハーに対する濡れ性に優れるため、得られる塗布膜の厚みの均一性がより向上するとともに作業性にも優れる。
【0043】
また、溶剤(D)としては、沸点(bp)が60℃以上の溶剤を用いることができる。これにより、プリアプライド用封止樹脂組成物の保存安定性およびウェハレベルアンダーフィル工法における取り扱い性に優れる。
【0044】
このような溶剤(D)としては、具体的に、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(bp145℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート(bp56℃)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(bp156℃)、エチレングリコールモノエチルベンゾエート、エチレングリコールモノエチルイソブチレート(bp85℃)、エチレングリコールモノエチルメタクリレート(bp93℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(bp192℃)、エチレングリコールモノイソブチルエーテルベンゾエート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルベンゾエート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルアクリレート、1-アセトキシ-2-エトキシエタン、4-(2-アセトキシエトキシ)トルエン、4'-(2-アセトキシエトキシ)アセトフェノン、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0045】
本発明において用いられる溶剤の好ましい添加量は、エポキシ樹脂(A)に対して10〜70重量%、好ましくは25〜45重量%である。成分の添加量が下限値以上であると、常態での粘性特性,特に作業性が改善され、上限値以下であるとウェハー上への塗布後のハンドリング性(樹脂だれ抑制)が改善される。
【0046】
[(E)シランカップリング剤]
本発明のプリアプライド封止用樹脂組成物は、さらに、シランカップリング剤(E)を含むことができる。シランカップリング剤(E)を用いることにより、アンダーフィルの膜厚をより均一にすることができる。
【0047】
シランカップリング剤(E)としては、具体的には、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等の第1級アミノ基含有シランカップリング剤;N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の第2級アミノ基含有シランカップリング剤;3(又は2)−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンの加水分解縮合物等の第3級アミノ基含有シランカップリング剤;などが挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0048】
これらの中でも、第2級アミノ基または第3級アミノ基含有シランカップリング剤が好ましく、貯蔵安定性等の観点から第2級アミノ基含有シランカップリング剤がより好ましい。
シランカップリング剤(E)の添加量は、無機充填剤(C)に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0049】
本発明のプリアプライド封止用樹脂組成物には、必要に応じて、その他の成分として硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、一般的にエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いられるものであれば種々用いることが可能であるが、具体的にはイミダゾール類、リン化合物、ジアゾ化合物、第三級アミン等が挙げられる。さらに必要に応じて、低応力材、反応性希釈材、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤等の他の成分を添加することもできる。
【0050】
本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、(D)溶剤、必要に応じて(E)シランカップリング剤、上記その他の成分を混合し、真空脱泡することにより製造することができる。これらの添加剤は何れもボイドの要因になってはならないため、耐熱性、揮発性、基材への濡れ性等確認の上添加することが好ましい。また、(C)無機充填剤を(E)シランカップリング剤で前処理して用いることもできる。
【0051】
本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物は、下記調製条件で該組成物をB−ステージ化することにより得られる塗布膜において、下記測定方法より算出される膜厚のばらつきを10%以下、好ましくは7%以下とすることができる。
このように、本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物からスピンコート法により得られる塗布膜は、そのばらつきが抑制されているので、個片化された半導体チップ毎の塗布膜の差は許容されるレベルとなり、半導体チップの製品信頼性が向上する。
【0052】
調製条件:25℃の温度条件下、プリアプライド用封止樹脂組成物を6インチウェハー上に滴下し、スピンコーターを用いて、回転条件500rpm/10秒、次いで1000rpm/20秒とし、塗布膜を作成する。次いで、90℃に設定したオーブンに90分入れ、加熱乾燥しプリアプライド用封止樹脂組成物をB−ステージ化する。
測定方法:B−ステージ化された封止樹脂組成物からなる塗布膜を測定箇所において取り除き、接触型表面粗さ計を用いて塗布膜表面とウェハー表面との差を読み取り、測定箇所における膜厚とした。測定箇所は、ウェハーの中心点を通る直線上の5点(中心点(1点)、エッジ部(2点)、中心点とエッジ部との中央点(2点))とし、5点の測定データから得られる標準偏差が平均値の何%であるかを算出する。
【0053】
<半導体装置の製造方法>
以下に本発明における半導体装置の製造方法について説明する。以下の本実施形態においては、基板として配線基板を用いた例によって説明する。
まず、本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物をフリップチップ実装用の半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上に塗布する。
【0054】
ウェハー上に塗布する方法としては、メタルマスクやメッシュマスクを用いた印刷法、スピンコート法、またはリリースフィルム上にシート化したものを貼り付ける方法などが挙げられるが、本方式では一般的には印刷法またはスピンコート法が用いられる。本発明のプリアプライド用封止樹脂組成物は、スピンコート法において好適に用いることができる。
【0055】
次いで、半導体ウェハーに塗布された封止樹脂組成物をB−ステージ化する。
B−ステージ化する方法としては、一般的に乾燥工程が必要であり、乾燥オーブン内で一定時間静置させるか、インラインオーブン、コンベア式加熱炉などでも代替できる。必要に応じて、ステップ加熱、定常昇温、定常降温などが設定される。
【0056】
そして、B−ステージ状態の封止樹脂組成物からなる塗布膜付き半導体ウェハーを、ダイシングにより個片化し、半導体チップを得る。当該工程においては、一般的なダイシング装置を使用し、乾式又は湿式ダイシングを行うことによって個片化することが可能である。
【0057】
そして、個片化された半導体チップを、B−ステージ状態の封止樹脂組成物からなる塗布膜を備える面を配線基板に対向させて該配線基板上に位置決めし、半田バンプを溶融して当該配線基板に接続する。これにより、半田バンプを介して半導体チップが配線基板に電気的に接続され、そしてB−ステージ状態の封止樹脂組成物が硬化して封止樹脂層を形成されることで、半導体チップと配線基板との間隙が封止される。
【0058】
上記工程は、一般的には、フリップチップボンダーを用いて半導体チップの半田バンプを配線基板上のパッド等に位置合わせをした後、そのまま加熱圧着する方法、または位置合わせ、仮搭載が終わったものをリフロー炉などで加熱接続させる方法等により行うことができる。その際、パッケージや封止法に適した熱プロファイルが用いられる。また、チップ搭載にはフリップチップボンダーのみならず、ダイボンダーなど位置合わせが可能なもので代替することもできる。
【0059】
他の実施形態として、基板として半導体チップを用いて本発明の半導体装置を製造することもできる。具体的には、配線基板等に実装された半導体チップ上に半導体チップがフリップチップ実装されたチップ・オン・チップ構造の半導体装置を製造することもできる。
【0060】
まず、配線基板に第1の半導体チップを実装する。実装方法はワイヤーボンディングでもフリップチップのいずれの実装方法でもよい。なお、第1の半導体チップの実装面の反対側の面(上面)には、本発明の個片化された半導体チップを実装するためのパッド等を備える。
【0061】
次いで、個片化された半導体チップ(以後、第2の半導体チップ)を、B−ステージ状態の封止樹脂組成物からなる塗布膜を備える面を第1の半導体チップの上面に対向させて該基板上に位置決めし、半田バンプを溶融して第1の半導体チップに接続する。なお、第2の半導体チップは、上記の実施形態において得られたものを用いることができる。当該工程は、上記の実施形態と同様に行うことができる。
これにより、半田バンプおよび第1の半導体チップを介して第2の半導体チップが配線基板に電気的に接続される。さらに、B−ステージ状態の封止樹脂組成物が硬化して封止樹脂層を形成されることで、半導体チップと配線基板との間隙が封止される。
【実施例】
【0062】
以下、実施例において、本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA−830LVP、DIC社製、エポキシ当量165)25重量部、ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:NC−3000、日本化薬社製、エポキシ当量272)75重量部、溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(東京化成工業製、沸点192℃)40重量部、という配合量になるように事前に予備混合させた。この予備混合物に、硬化剤としてゲンチジン酸(融点202℃)30重量部、カップリング剤として第2級アミン系シランカップリング剤(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、商品名:KBM−573、信越化学工業社製)1重量部、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(商品名:2P4MZ、四国化成工業社製)0.1重量部、フィラーとしてシリカ(商品名:SO25H、アドマテックス社製、平均粒径0.7μm)を秤量して加え、3本ロールにて分散混練し、真空下脱泡処理をして封止樹脂組成物を得た。
【0063】
得られた封止樹脂組成物を、25℃の温度条件下、6インチウェハー上に滴下し、スピンコーターを用いて、回転条件500rpm/10秒、次いで1000rpm/20秒とし、塗布膜を作成した。次いで、90℃に設定したオーブンに90分入れ、加熱乾燥することで塗布膜をB−ステージ化させた。
上記の方法により得られた封止樹脂組成物、および封止樹脂組成物をB−ステージ化させて得られた塗布膜付きウェハーを下記方法にしたがい評価した。組成および評価結果を表−1に示す。
【0064】
(1)25℃粘度
ブルックフィールド型粘度計を用いて、2.5rpm、25℃における粘度を読み取った。
(2)チキソ比
上記ブルックフィールド型粘度計で、0.5rpm、25℃における粘度aと、2.5rpm、25℃における粘度bを測定し、粘度a/粘度bからチキソ比を算出した。
【0065】
(3)塗布膜厚ばらつき
封止樹脂組成物をB−ステージ化させて得られた塗布膜を測定箇所において取り除き、接触型表面粗さ計を用いて塗布膜表面とウェハー表面との差を読み取り、測定箇所における膜厚とした。測定箇所は、ウェハーの中心点を通る直線上の5点(中心点(1点)、エッジ部(2点)、中心点とエッジ部との中央点(2点))とし、5点の測定データから得られる標準偏差が平均値の何%であるかを算出し、塗布膜厚ばらつきとした。
(4)溶剤の接触角
25℃において、ポリイミド樹脂(ジアミノジフェニルエーテルとプロメリット酸無水物の重合体)層を有するSiチップ(6x6mm)上に、被測定体である溶剤を滴下接触させ、その時に形成される接触角を、接触角計(協和界面科学社製、Dropmaster500)を用い、θ/2法にて測定した。
【0066】
[実施例2]
シランカップリング剤を第3級アミン系シランカップリング剤(3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンの加水分解縮合物、商品名:KBE−9103、信越化学工業社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0067】
[実施例3]
エポキシ樹脂をビスフェノールF型エポキシ樹脂からジアリール型ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:RE−810NM、日本化薬製、エポキシ当量210)に変えた以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0068】
[実施例4]
エポキシ樹脂をビスフェノールF型エポキシ樹脂からジアリール型ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬製、エポキシ当量210)に変え、さらに溶剤をエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからプロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(沸点145℃)に変えた以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0069】
[実施例5]
エポキシ樹脂をビスフェノールF型エポキシ樹脂からジアリール型ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬製、エポキシ当量210)に変え、シランカップリング剤をN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランから3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−903、信越化学工業社製)に変え、溶剤をエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからプロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテートに変えた以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0070】
[比較例1]
シランカップリング剤を用いない以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0071】
[比較例2]
シランカップリング剤および無機フィラーを用いない以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0072】
[比較例3]
シランカップリング剤をN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランから3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0073】
[比較例4]
シランカップリング剤をN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランからメチルトリエトキシシラン(商品名:Z−6383、東レ・ダウコーニング社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして封止樹脂組成物および塗布膜付きウェハーを得た。組成および評価結果を表−1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
表−1の結果から、実施例の封止樹脂組成物は塗布膜厚ばらつきが比較例に対して低いことから、個片化された半導体チップ毎に塗布膜の膜厚のばらつきが抑制されており、半導体チップの製品信頼性が向上することが推定された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布しB−ステージ化させた後、当該半導体ウェハーを個片化することにより得られる塗布膜付き半導体チップを、半田バンプを介して基板にフリップチップ実装することにより該塗布膜から形成される、該半導体チップと該基板との間隙を封止する封止樹脂層を得るためのプリアプライド用封止樹脂組成物であって、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)無機充填剤と、
(D)溶剤と、を含んでなり、
粘度a/粘度bで表されるチキソ比が1.5以下であることを特徴とするプリアプライド用封止樹脂組成物。
粘度a:ブルックフィールド型粘度計を用い、0.5rpm、25℃で測定。
粘度b:ブルックフィールド型粘度計を用い、2.5rpm、25℃で測定。
【請求項2】
チキソ比が1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項3】
無機充填剤(C)は、プリアプライド用封止樹脂組成物の固形分100重量%中に30重量%以上含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項4】
溶剤(D)の前記半導体ウェハーに対する25℃における接触角は50°以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項5】
溶剤(D)の沸点は60℃以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項6】
さらにシランカップリング剤(E)を含んでなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項7】
シランカップリング剤(E)はアミノ基を含有することを特徴とする請求項6に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項8】
無機充填剤(C)は球状であり、その平均粒径が、10nm〜800nmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項9】
前記基板が、配線基板または半導体チップであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物。
【請求項10】
下記条件で前記プリアプライド用封止樹脂組成物をB−ステージ化することで得られた塗布膜は、下記測定法で算出される膜厚のばらつきが10%以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物;
条件:25℃の温度条件下、プリアプライド用封止樹脂組成物を6インチウェハー上に滴下し、スピンコーターを用いて、回転条件500rpm/10秒、次いで1000rpm/20秒とし、塗布膜を作成する。次いで、90℃に設定したオーブンに90分入れ、加熱乾燥しB−ステージ化する。
測定法:塗布膜を測定箇所において取り除き、接触型表面粗さ計を用いて塗布膜表面とウェハー表面との差を読み取り、測定箇所における膜厚とした。測定箇所は、ウェハーの中心点を通る直線上の5点(中心点(1点)、エッジ部(2点)、中心点とエッジ部との中央点(2点))とし、5点の測定データから得られる標準偏差が平均値の何%であるかを算出する。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物を、半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布し、B−ステージ化させた後、当該半導体ウェハーを個片化することにより得られる塗布膜付き半導体チップ。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物を、半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布する工程と、
塗布された前記プリアプライド用封止樹脂組成物をB−ステージ化する工程と、
前記半導体ウェハーを個片化する工程と、
を含む塗布膜付き半導体チップの製造方法。
【請求項13】
請求項11に記載の塗布膜付き半導体チップを、前記半田バンプを介して基板にフリップチップ実装することにより前記塗布膜から形成された該半導体チップと該基板との間隙を封止する封止樹脂層を備える半導体装置。
【請求項14】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプリアプライド用封止樹脂組成物を、半田バンプを備えた半導体ウェハーの該半田バンプを備えた表面上にスピンコート法により塗布する工程と、
塗布された前記プリアプライド用封止樹脂組成物をB−ステージ化する工程と、
前記半導体ウェハーを個片化することにより、塗布膜付き半導体チップを得る工程と、
前記塗布膜付き半導体チップを前記半田バンプを介して基板にフリップチップ実装するとともに、該塗布膜から該半導体チップと該基板との間隙を封止する封止樹脂層を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。

【公開番号】特開2012−167137(P2012−167137A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26697(P2011−26697)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】