説明

プリフォーム検査装置

【課題】スターホイールによって円形軌道上を搬送されるプリフォームの搬送速度と同一の速度のベルトによりプリフォームを吸着カップに押し付けてプリフォームの真空吸着を行うことにより、プリフォームに傷をつけることなくプリフォームの高速搬送を可能とするプリフォーム検査装置を提供する。
【解決手段】プリフォーム1の胴部1bを真空吸着する複数の吸着カップ29と、吸着カップ29によりプリフォーム1を保持して円形軌道上を搬送するスターホイール30と、プリフォーム1をスターホイール30に受け渡す際に、プリフォーム1に係合してプリフォーム1の胴部1bを吸着カップ29に押し付けるベルトを有したベルト押付け機構50とを備え、ベルト押付け機構50は、ベルトの搬送速度をスターホイール30によるプリフォーム1の搬送速度と同期させるベルト搬送機構部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトルの予備成形品であるプリフォームの外観をカメラで撮影して検査するプリフォーム検査装置に係り、特にプリフォームの胴部を吸着カップで真空吸着する際に、ベルトによりプリフォームの胴部を吸着カップに押し付けてプリフォームの真空吸着を行うことによりプリフォームの高速搬送を可能とするプリフォーム検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペットボトルはプリフォームと呼ばれるものに予備成形され、プリフォームが加熱されてボトルに成形される。プリフォームは試験管状の、即ち、口部が平坦で底部が球面の形をしており、首部にリング状のネックリングをもっている。
従来のプリフォーム検査装置は、プリフォームをメインロータにより円形軌道上を搬送しながらプリフォームの口部を吸着ヘッドで真空吸着してプリフォームを自転させ、自転するプリフォームをカメラで撮影してプリフォームの胴部や口部側面を検査した後に、プリフォームをスターホイールに受け渡し、プリフォームを吸着カップで真空吸着してスターホイールにより円形軌道上を搬送しながらプリフォームをカメラで撮影してプリフォームの口部天面や底部を検査している。
【0003】
プリフォームの口部天面や底部を検査するためにメインロータからスターホイールに受け渡す際には、スターホイールに設けられた吸着カップによりプリフォームの胴部を真空吸着する。吸着カップによる確実な真空吸着を確保するためには、プリフォームの胴部を吸着カップに押し付ける必要がある。
【0004】
従来、プリフォームの胴部をスターホイールの吸着カップに押し付けるための押付け機構として、以下の方式がある。
(1)ガイド案内方式
1)平板ガイド
平板状のガイドをスターホイールの円形軌道に沿って設け、プリフォームを平板状のガイドによって案内する。ガイドはバネにより可動になっている。
2)丸棒ガイド
R形状の径の細い鋼製のガイドをスターホイールの円形軌道に沿って設け、プリフォームを丸棒ガイドによって案内する。ガイドがR形状であるため、プリフォームとの接触抵抗を減らすことができる。
(2)ベルト案内方式
1)無駆動方式
駆動機構を持たない回転自由なプーリによって支持されたベルトをスターホイールの円形軌道に沿って設け、ベルトをガイドとして使用する。
2)駆動方式
モータによって強制的に回転駆動されるベルトをスターホイールの円形軌道に沿って設け、ベルトをガイドとして使用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の押付け機構には、以下の問題点がある。
(1)共通の事項
上記ガイド案内方式およびベルト案内方式ともに、プリフォームとガイドとの間にすべりが発生すると、摩擦によりプリフォームに傷がついてしまうという問題点がある。これは、成型直後のプリフォームを検査する場合には、プリフォーム自体が柔らかいためであり、また、成型後に硬度が安定するまでの十分な時間を経過した場合であっても、プリフォームの表面は傷つきやすいためである。また、プリフォームの搬送速度の高速化に伴い、プリフォームを押さえるガイドやベルトと、プリフォームとの間で抵抗が増してしまうという問題点がある。
【0006】
(2)個別事項
1)平板ガイド方式
プリフォームとガイドとの接触面が大きいため、摩擦力が発生し、プリフォームが回転(自転)してしまうことにより、プリフォームが傷ついてしまう。
2)丸棒ガイド方式
上記平板状のガイドと比較して接触面積が減るため、結果として摩擦抵抗を減らすことは可能であるが、プリフォーム外周面の傷等を多少軽減するに留まり、摩擦による問題から搬送速度の高速化を達成することはできない。
3)無駆動ベルト方式
容器の外周面が硬いガラス壜の場合や、ベルトの回転に必要なトルクが大きくとれる胴径を有する容器(例えばビール瓶や清涼飲料等の容器)の場合には、有効な案内方式であるが、プリフォームでは、ベルトを回転させるだけの力を出すことができずに、プリフォーム自体が回されたり、ベルトが駆動(回転)せずに結果的に平板状のガイド方式と同様にプリフォームが擦れて傷がついてしまうという問題がある。
4)駆動ベルト方式
スターホイールによるプリフォーム搬送速度(公転速度)とベルトの搬送速度とを同一にすることは困難であり、少なからず速度差が生じてしまう。そうすると、プリフォームが回転(自転)したり、プリフォームがベルトと擦れてしまうことにより、プリフォームの外周面に傷がついてしまうという問題がある。
【0007】
また、上述した従来の押付け機構の問題点に加えて、プリフォーム検査装置の稼働状況からの問題点もある。
すなわち、プリフォーム検査装置の稼動状況の特徴は、運転、停止、加減速が頻繁に起こることである。このような運転状況においては、従来の無駆動ベルト方式でプリフォームに傷をつけずにベルトを連れ回すのはなおさら困難である。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、プリフォームを吸着カップで真空吸着する際に、スターホイールによって円形軌道上を搬送されるプリフォームの搬送速度と同一の速度のベルトによりプリフォームを吸着カップに押し付けてプリフォームの真空吸着を行うことにより、プリフォームに傷をつけることなくプリフォームの高速搬送を可能とするプリフォーム検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明は、プリフォームの胴部を真空吸着する複数の吸着カップと、前記吸着カップによりプリフォームを保持して円形軌道上を搬送するスターホイールとを備え、搬送されるプリフォームをカメラで撮影して検査するプリフォーム検査装置において、プリフォームを前記スターホイールに受け渡す際に、プリフォームに係合して該プリフォームの胴部を前記吸着カップに押し付けるベルトを有したベルト押付け機構を備え、前記ベルト押付け機構は、前記ベルトの搬送速度を前記スターホイールによるプリフォームの搬送速度と同期させるベルト搬送機構部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、プリフォームの胴部を吸着カップに押し付けるベルトに駆動をかけることにより、プリフォームによるベルトを連れ回すためのトルクを非常に小さくすることができ、プリフォームの傷を大幅に低減することが可能である。
【0010】
本発明の1態様によれば、前記ベルト搬送機構部は、モータにより駆動される軸の外周に予圧機能を持ったベアリング装置を組み込み、前記ベアリング装置の外周部に前記ベルトを駆動する駆動プーリを組み込んだことを特徴とする。
本発明によれば、ベアリング装置に予圧を与えることにより、駆動プーリの回転速度はモータより遅くなる。そうすると、駆動プーリに掛けられたベルトに、プリフォームのような外形が小さく、軽いものであっても、僅かな外力が加わると、ベルトがプリフォームの搬送速度に追従するように簡単に回転する。
【0011】
本発明の1態様によれば、前記ベアリング装置に予圧を与えることにより、前記モータにより駆動される軸と前記駆動プーリとの間に、すべりを与えつつ動力伝達を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
1)従来、スターホイールの吸着カップに吸着した胴径の小さいプリフォームではトルク不足によりベルトが追従回転せずに、ベルトとプリフォームの間に滑りが生じてしまい、プリフォームに傷をつけてしまう場合があったが、本発明によれば、ベルトに駆動をかけることにより、プリフォームによるベルトを連れ回すためのトルクを非常に小さくすることができ、プリフォームの傷を大幅に低減することが可能である。
2)プリフォームに自転力を生じさせるよりも、小さなトルクによってベルトを連れ回すことができるので、プリフォーム自身の自転を防ぐことができ、その結果、吸着の安定性向上とプリフォームの傷を大幅に低減することが可能である。
3)ベルト押し付け機構により、一定の押し付け力を維持したまま、プリフォームと同一搬送速度のベルトによりプリフォームを吸着カップに所定時間押し付けることができるので、スターホイールの吸着カップの真空度を確実に上げることができる。したがって、吸着カップに必要な吸着力が確保でき、プリフォーム検査装置が運転、停止、加減速を繰返したとしても、搬送始めや搬送途中においてプリフォームが吸着カップから落下する問題を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るプリフォーム検査装置の実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。
図1はプリフォーム検査装置の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、プリフォーム検査装置は、検査すべきプリフォーム1を搬入する入口スターホイール3と、プリフォーム1を円形軌道上を搬送しつつプリフォーム1の胴部及び口部側面の検査を行うメインロータ20と、メインロータ20から受け渡されたプリフォーム1を円形軌道上を搬送しつつプリフォーム1の口部天面及び底部の検査を行うスターホイール30とを備えている。
【0014】
図1に示すように、入口スターホイール3のピッチ円に沿って、プリフォーム1のネックリングを支持するガイドレール6,6が設置されている。そして、ガイドレール6,6に接続して入口側ガイドレール8,8が設置されており、入口側ガイドレール8,8は進行方向に下り勾配になっている。
【0015】
またスターホイール30のピッチ円に沿って、プリフォーム1のネックリングを支持するガイドレール7,7が設置されている。またスターホイール30に隣接して出口側ガイドレール9,9が設置されており、出口側ガイドレール9,9は、進行方向に下り勾配になっている。スターホイール30は、プリフォーム1の胴部を真空吸着する吸着カップ(後述する)を備えている。またスターホイール30の吸着カップがプリフォーム1を真空吸着する際に、プリフォーム1の胴部を吸着カップに押し付けるためのベルト53を有したベルト押し付け機構50がスターホイール30の円形軌道に沿って設置されている。
【0016】
前記メインロータ20のピッチ円を挟んで、内側に1台の照明10が設置され、外側に2台の撮影カメラユニット11,12が設置されている。照明10はメインロータ20のピッチ円に沿った円弧状の前面を有している。撮影カメラユニット11および12は、それぞれミラー13とCCDカメラ14とからなっており、プリフォーム1の胴部および口部側面を撮影して検査するようになっている。
【0017】
またメインロータ20のピッチ円の外側には、プリフォーム1を自転させるための自転用タイミングベルト15が配置されている。そして、自転用タイミングベルト15の下流側には、プリフォーム1の自転を停止させるためのブレーキ用ベルト16が配置されている。
【0018】
図2は、図1のII−II線断面図であり、スターホイール30およびその周辺部を示す図である。図2に示すように、プリフォーム1は概略試験管状をなし、口部1aが平坦、胴部1bが円筒状、底部1cが球面をなし、首部にネックリング1dを有している。スターホイール30は、モータ(図示せず)に連結された主軸31と、プリフォーム1がはまり込むポケット32aが円周上に複数あるスターホイール本体32と、各ポケット32aに設けられプリフォーム1の側面(胴部)を吸着する吸着カップ29と、主軸31の上端部に固定されるとともにスターホイール本体32の下面を支持する支持部材33と、各吸着カップ29と真空源とを接続するロータリ弁40とを備えている。
【0019】
前記支持部材33には、切替弁取付用の環状部材34が固定されており、環状部材34の外周部には吸着カップ29と同数設けられるとともに真空源または圧空源に連通可能な切替弁35が取り付けられている。環状部材34には、円周方向に所定間隔をおいてポケット32aと同数の連絡路34a,34bが形成されており、連絡路34aは環状部材の上面に開口するとともに外周面に開口し、連絡路34bは環状部材34の内周面に開口するとともに外周面に開口している。そして、前記切替弁35は、連絡路34a,34b間を開閉可能に接続するようになっている。
【0020】
各吸着カップ29は配管36を介して環状部材34の連絡路34aに接続されている。一方、環状部材34の連絡路34bはロータリ弁40に接続されている。また連絡路34cは大気に連通している。連絡路34aと連絡路34bとが連通すると、吸着カップ29は真空源に連通可能になる。また連絡路34aと連絡路34cとが連通すると、吸着カップ29は大気圧に連通される。
【0021】
ロータリ弁40は、ハウジング39に固定された環状の固定側部材42と、環状部材34に固定された円板状の回転側部材45とを備えている。固定側部材42と回転側部材45とは、互いに摺接しながら回転する摺接面48を有している。固定側部材42の摺接面48には円弧状溝49が形成され、回転側部材45の摺接面48には、円弧状溝49に対向する位置で開口する複数の連通孔が同一円周上に形成されている。固定側部材42の円弧状溝49は、図示しない真空源(真空ポンプ)に接続されている。
【0022】
上述のように構成されたロータリ弁40によれば、回転側部材45が固定側部材42に摺接しながら回転すると、回転側部材45に形成された連通孔(図示せず)が、固定側部材42に形成された円弧状溝49に対向した位置にある間は、真空源からの負圧が吸着カップ29に供給され、プリフォーム1が吸着カップ29により吸着保持される。また、回転側部材45の連通孔が円弧状溝49からずれると、真空源からの負圧が遮断されて吸着カップ29によるプリフォーム1の吸着保持が解除される。
【0023】
図3は、スターホイール30の吸着カップ29がプリフォーム1を真空吸着する際にプリフォーム1を吸着カップ29に押し付けるためのベルト押し付け機構50を示す平面図である。なお、図3においては、メインロータ20およびスターホイール30は一点鎖線を用いて模式的に示している。図3に示すように、ベルト押し付け機構50は、スターホイール30の円形軌道に沿うように配置されており、駆動プーリ51と、4個の従動プーリ52と、駆動プーリ51および従動プーリ52に巻回された押し付けベルト53とを備えている。押し付けベルト53は、駆動プーリ51を回転駆動することにより矢印A方向に搬送可能となっている。
【0024】
図4は図3のIV-IV線矢視図であり、図5は図3のV-V線矢視図である。図4に示すように、駆動プーリ51と、駆動プーリ51を駆動する駆動軸55との間には、予圧構造を持つベアリング装置56が設けられている。駆動軸55の下部には、モータ駆動従動プーリ57が固定されている。駆動軸55およびモータ駆動従動プーリ57から離間して、図5に示すように、モータ58が設けられており、モータ58の出力軸にはモータ駆動プーリ59が固定されている。そして、モータ駆動プーリ59とモータ駆動従動プーリ57との間に、図3に示すようにタイミングベルト60が設けられている。
【0025】
次に、図3乃至図5に示すベルト押し付け機構50に用いられているベアリング装置56について説明する。
一般に、軸受は運転状態でわずかな内部すきまを与えて使用するが、用途によってはあらかじめ荷重を加えて、軸受の内部すきまを負の状態にして用いることがある。このような軸受の使い方を予圧法という。
軸受に予圧を与える一般的な方法は、対向する軸受の間にアキシアル方向の荷重を与えて、軸受の内輪と外輪をアキシアル方向に相対的に変位させることによって行われる。
本実施形態においては、上述した予圧法を用いて、アキシアル方向の荷重を与えて、軸受の内輪と外輪をアキシアル方向に相対的に変位させることにより、軸受の内輪と外輪との間ですべりを起こしつつも動力伝達を行うようにしたものである。すなわち、駆動軸55の回転をベアリング装置56を介して駆動プーリ51に伝達することにより、ベアリング装置56によるすべりを利用して駆動プーリ51を駆動軸55よりゆっくり回転させるようにしたものである。
【0026】
すなわち、図3乃至図5に示すベルト押し付け機構50においては、モータ58を駆動することにより、モータ駆動プーリ59が回転し、モータ駆動プーリ59の回転はタイミングベルト60を介してモータ駆動従動プーリ57に伝達され、駆動軸55が回転する。そして、駆動軸55の回転はベアリング装置56を介して駆動プーリ51に伝達されるため、駆動プーリ51は、ベアリング装置56のすべりを有した動力伝達作用により、モータ58により回転駆動される駆動軸55よりゆっくり回転する。
【0027】
このように、ベアリング装置56に予圧を与えることにより、駆動プーリ51の回転速度はモータ58より遅くなる。そうすると、駆動プーリ51に掛けられた押し付けベルト53に、プリフォームのような外形が小さく、軽いものであっても、僅かな外力が加わると、押し付けベルト53がプリフォーム1の搬送速度に追従するように簡単に回転する。換言すれば、モータ58から伝達された動力は駆動軸55に伝わり、ベアリング装置56の外周部に装着された駆動プーリ51にモータ駆動力の一部が伝達される。これにより、強制的にモータ58により押し付けベルト53を回転(駆動)させてはいるものの、搬送されるプリフォーム1からの僅かな外力で押し付けベルト53の回転速度(搬送速度)を変化させ、押し付けベルト53に接触しているプリフォーム1の搬送速度と同速度で押し付けベルト53を連れまわすことが可能となる。駆動プーリ51、駆動軸55およびベアリング装置56はベルト搬送機構部を構成している。
【0028】
従来、スターホイール4の吸着カップ29に吸着した胴径の小さいプリフォーム1ではトルク不足によりベルトが追従回転せずに、ベルトとプリフォーム1の間に滑りが生じてしまい、プリフォーム1に傷をつけてしまう場合があったが、本発明によれば、押し付けベルト53に駆動をかけることにより、プリフォーム1による押し付けベルト53を連れ回すためのトルクを非常に小さくすることができ、プリフォーム1の傷を大幅に低減することが可能である。
ベルト押し付け機構50により、一定の押し付け力を維持したままプリフォーム1を吸着カップ29に所定時間押し付けることができるので、スターホイール30の吸着カップ29の真空度を確実に上げることができる。したがって、吸着カップ29に必要な吸着力が確保でき、搬送始めや搬送途中においてプリフォーム1が吸着カップ29から落下する問題を解消できる。
【0029】
ベルト押し付け機構50により補助されて吸着カップ29によるプリフォーム1の吸着が完了すると、プリフォーム1は、スターホイール30により搬送されている間に口天面検査位置S1および底部検査位置S2において口天面及び底部の検査が行われる。
図6は、口天面検査位置S1においてプリフォーム1の口天面の検査を行う状態を模式的に示す図である。図6に示すように、吸着カップ29により吸着されて搬送されるプリフォーム1の上方にCCDカメラ61が配置されており、搬送されるプリフォーム1の口天面をCCDカメラ61により撮影して検査するようになっている。なお、底部検査位置S2においても、図6と同様に、搬送されるプリフォーム1の上方に配置されたCCDカメラ(図示せず)によりプリフォーム1の底部を撮影して検査するようになっている。
【0030】
上述の検査の後に、正常なプリフォーム1はスターホイール30によって出口側ガイドレール9,9に搬送され、出口側ガイドレール9,9によって次工程に搬送される。不良なプリフォーム1は、不良品排出シュート70の位置でスターホイール30による吸着支持が解除され、不良品排出シュート70に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1はプリフォーム検査装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線断面図であり、スターホイールおよびその周辺部を示す図である。
【図3】図3は、スターホイールの吸着カップがプリフォームを真空吸着する際にプリフォームを吸着カップに押し付けるためのベルト押し付け機構を示す平面図である。
【図4】図4は図3のIV-IV線矢視図である。
【図5】図5は図3のV-V線矢視図である。
【図6】図6は、口天面検査位置においてプリフォームの口天面の検査を行う状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1 プリフォーム
1a 口部
1b 胴部
1c 底部
1d ネックリング
3 入口スターホイール
4 スターホイール
6,6 ガイドレール
7,7 ガイドレール
8,8 入口側ガイドレール
9,9 出口側ガイドレール
10 照明
11,12 撮影カメラユニット
13 ミラー
14 CCDカメラ
15 自転用タイミングベルト
16 ブレーキ用ベルト
20 メインロータ
25 吸着ヘッド
29 吸着カップ
30 スターホイール
31 主軸
32 スターホイール本体
32a ポケット
33 支持部材
34 環状部材
34a,34b 連絡路
35 切替弁
37 配管
39 ハウジング
40 ロータリ弁
42 固定側部材
45 回転側部材
48 摺接面
49 円弧状溝
50 ベルト押し付け機構
51 駆動プーリ
55 駆動軸
56 ベアリング装置
57 モータ駆動従動プーリ
59 モータ駆動プーリ
60 タイミングベルト
61 CCDカメラ
70 不良品排出シュート
S1 口天面検査位置
S2 底部検査位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリフォームの胴部を真空吸着する複数の吸着カップと、前記吸着カップによりプリフォームを保持して円形軌道上を搬送するスターホイールとを備え、搬送されるプリフォームをカメラで撮影して検査するプリフォーム検査装置において、
プリフォームを前記スターホイールに受け渡す際に、プリフォームに係合して該プリフォームの胴部を前記吸着カップに押し付けるベルトを有したベルト押付け機構を備え、
前記ベルト押付け機構は、前記ベルトの搬送速度を前記スターホイールによるプリフォームの搬送速度と同期させるベルト搬送機構部を備えることを特徴とするプリフォーム検査装置。
【請求項2】
前記ベルト搬送機構部は、モータにより駆動される軸の外周に予圧機能を持ったベアリング装置を組み込み、前記ベアリング装置の外周部に前記ベルトを駆動する駆動プーリを組み込んだことを特徴とする請求項1記載のプリフォーム検査装置。
【請求項3】
前記ベアリング装置に予圧を与えることにより、前記モータにより駆動される軸と前記駆動プーリとの間に、すべりを与えつつ動力伝達を行うことを特徴とする請求項2記載のプリフォーム検査装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−126138(P2009−126138A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305817(P2007−305817)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】