説明

プリペイドカードシステム

【課題】オンラインショッピングにおいて、個人情報の漏洩を心配せずに安心して利用でき、且つ1利用者が複数枚のカードを保持できる使い切り型バーチャルプリペイドカードシステムを提供する。
【解決手段】新規プリペイドカードを発行するための指示を受け付けるカード発行指示受付手段と、ユーザのIDに関連付けて新規プリペイドカードを発行するカード発行手段と、前記ユーザが1若しくは複数の既存のプリペイドカードを有する場合に、選択される1つのプリペイドカードの残高を前記新規プリペイドカードに合算させるか否かを選択させる合算指示受付手段と、前記合算指示があった場合に、プリペイドカードの残高と、発行金額とを確認するカード金額確認手段と、前記合算指示があった場合に、選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを合算する残高合算手段と、を有するプリペイドカードシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーチャルでのプリペイドカードシステム、具体的には公衆通信回線を利用した電子商取引において利用できる使い切り型のバーチャルプリペイドカードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを利用したオンラインショッピング等の電子商取引が普及している。このような電子商取引においては様々な決済方法が利用されており、コンビニエンスストアや玄関口での現金決済に加え、その利便性の面からインターネット上でのクレジットカードやデビットカード等のカード決済を選択する利用者が増えている。
【0003】
ところで、このクレジットカードやデビットカードについては、クレジットカードでは与信審査を経る必要があり、基本的に1つのクレジットカード会社につき1枚のクレジットカードしか作ることができず、またデビットカードでは、銀行口座に紐付けられたカードという特殊性から、1つの銀行につき1利用者が1口座しか作れないこともあり、複数枚のカードを保持することができない。そのため、オンラインショッピングにおいてこのようなカード決済を利用する場合には、その購入商品の種類・目的(日用品、趣味、医療費、食費など)に応じてカードを使い分けることが困難である。
【0004】
一方で、オンラインショッピングを利用する利用者の間では、インターネット上でカード番号や暗証番号などの個人情報を入力することに抵抗感を覚える利用者も数多く存在し、このようなオンラインショッピング利用者には、その安全性の面から、カード購入の際に個人情報の登録が不要な使い切り型のプリペイドカード(オンライン電子マネーを含む。以下同様)でのカード決済が好まれている。
【0005】
オンラインショッピングにおいて使い切り型のプリペイドカードを利用する場合には、複数枚のプリペイドカードを利用することにより、オンラインショッピングでの購入商品の種類・目的に応じて使い分けることも可能である。しかし、プリペイドカードの残高が10円や1円などの端数になってしまうと、利用するオンラインショッピングサイトにおいてその端数のデジタルコンテンツが存在しない場合には、その端数残高を使い切ることができなくなってしまう。
【0006】
また、リチャージ型のプリペイドカードを利用することもできるが、リチャージ型のプリペイドカードを購入する際には、個人情報を登録することが義務付けられており、個人情報の登録を避けたいという利用者のニーズに沿わない。
【0007】
さらに、プリペイドカードの購入前後に不正使用をされる可能性があるため、不正使用できないようなプリペイドカードシステムが提案されている(特許文献1を参照)。しかし、このプリペイドカードシステムでは、カード販売前後の不正使用を回避することはできるものの、使い切り型の場合には端数残高の問題が、リチャージ型の場合には個人情報の登録の問題が解決できないままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−165115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、オンラインショッピングにおいて、個人情報の漏洩を心配せずに安心して利用でき、且つ1利用者が複数枚のカードを保持できる使い切り型バーチャルプリペイドカードシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の主要な観点によれば、クライアント端末と、当該クライアント端末と情報ネットワークを介して接続するサーバとで構成され、ユーザを特定するための識別番号に基づいて電子マネーを決済するプリペイドカードシステムであって、前記クライアント端末から新規プリペイドカードを発行するための指示を受け付けるカード発行指示受付手段と、前記クライアント端末から受け付けたカード発行指示に基づいて、ユーザのIDに関連付けて新規プリペイドカードを発行するカード発行手段と、前記ユーザが1若しくは複数の既存のプリペイドカードを有する場合に、前記1若しくは複数の既存のプリペイドカードから選択される1つのプリペイドカードの残高を前記新規プリペイドカードに合算させるか否かを、前記ユーザに選択させる合算指示受付手段と、前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを確認するカード金額確認手段と、前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの識別番号を抹消し、且つ前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを合算する残高合算手段と、を有するものであることを特徴とする、プリペイドカードシステム、が提供される。
【0011】
このような構成によれば、使い切り型のプリペイドカードにおいて、その残高を新規購入したプリペイドカードに合算することができ、個人情報等の漏洩を防ぎやすくなる安全なバーチャルプリペイドカードシステムを提供することができる。また、このような構成によれば、予算目的別に複数枚のプリペイドカードを使い分けることができ、使いすぎ等の問題を回避することができるプリペイドカードシステムを提供することができる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、上記のシステムにおいて、前記カード発行手段は、前記新規プリペイドカードに新たな識別番号を付与するものである。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、上記のシステムにおいて、このシステムは、さらに、前記ユーザ、前記識別番号、及びカード発行日の情報を紐付けて格納するデータベースを有するものであり、前記識別番号は、前記カード発行日から所定の日数が経過した場合に抹消されるものである。
【0014】
この場合、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とが合算された場合、前記新規プリペイドカードの識別番号は、当該新規プリペイドカードのカード発行日から所定の日数が経過した場合に抹消されるものであっても良い。
【0015】
また、このようなシステムの場合は、前記データベースは、さらに、カード名称を前記識別番号に紐付けて格納するものであっても良い。
【0016】
また、このようなシステムの場合は、前記カード発行指示受付手段は、前記カード発行指示と共に、前記クライアント端末から、当該新規プリペイドカードの任意の発行金額を受け付け、当該受け付けた発行金額を、当該新規プリペイドカードの識別番号に紐付けて前記データベースに格納するものであっても良い。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、上記のシステムにおいて、前記カード金額確認手段は、前記カード発行手段が新規プリペイドカードを発行する場合であって、且つ前記ユーザが所定枚数の既存のプリペイドカードを有する場合に、前記既存のプリペイドカードの1つを前記ユーザに選択させ、当該選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを確認するものであり、前記残高合算手段は、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの識別番号を抹消し、且つ前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを合算するものである。
【0018】
本発明の更なる他の実施形態によれば、上記のシステムにおいて、このシステムは、さらに、前記ユーザが有する1若しくは複数の既存のプリペイドカードの一部若しくは全部について、当該1若しくは複数の既存のプリペイドカードの使用を禁止するための指示を前記クライアント端末から受け付けるセキュリティ設定手段を有するものであり、前記セキュリティ設定手段は、前記禁止の指示を受け付けた場合に、当該禁止の指示に係る1若しくは複数の既存のプリペイドカードの使用を禁止させるものである。
【0019】
この場合、前記セキュリティ設定手段は、前記ユーザが有する既存のプリペイドカードの1つを前記クライアント端末の表示手段に表示させ、当該表示に係るプリペイドカードの識別番号の少なくとも一部をマスキングするものであっても良い。
【0020】
本発明の第二の主要な観点によれば、クライアント端末と、当該クライアント端末と情報ネットワークを介して接続するサーバとで構成され、カード利用者を特定するための識別番号に基づいて電子マネーを決済するプリペイドカードシステムによって実行される方法であって、前記クライアント端末から新規プリペイドカードを発行するための指示を受け付ける工程と、前記クライアント端末から受け付けたカード発行指示に基づいて、ユーザのIDに関連付けて新規プリペイドカードを発行する工程と、前記ユーザが1若しくは複数の既存のプリペイドカードを有する場合に、前記1若しくは複数の既存のプリペイドカードから選択される1つのプリペイドカードの残高を前記新規プリペイドカードに合算させるか否かを、前記ユーザに選択させる工程と、前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを確認する工程と、前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードのカード番号を抹消し、且つ前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを合算する工程と、を有するものであることを特徴とする、方法が提供される。
【0021】
なお、上記した以外の本発明の特徴及び顕著な作用・効果は、以下の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るネットワーク構成図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードシステムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るカード情報の例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの購入画面の例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態における購入後のバーチャルプリペイドカードの例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードシステムを用いたプリペイドカードの発行・管理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願発明の一実施形態および実施例を、添付図面を参照して説明する。
【0024】
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワーク構成図である。本図において符号1で示すプリペイドカードシステム1は、図示しないプリペイドカード発行業者等に設置されたホストコンピュータで構成される。このプリペイドカードシステム1は、公衆通信回線等の通信ネットワーク2を介して、本願発明に係るバーチャルプリペイドカードを購入し、且つ当該バーチャルプリペイドカードを用いてオンラインショッピングサイトにおいて特定の商品を購入し又は特定のサービスを受ける可能性のある世界中の利用者(ユーザ)のコンピュータ端末3と接続可能である。また、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードシステム1は、公衆通信回線等の通信ネットワーク2を介して、オンラインショッピング業者4と接続可能であり、このオンラインショッピング業者4は、本システム1によって発行・管理されるプリペイドカードを利用できるオンラインショッピングサイトを展開している。ここで、「利用者(ユーザ)」とは、本発明に係るシステムを介して発行されるバーチャルプリペイドカードを利用し、又は利用する可能性のあるすべてのユーザであって、通信ネットワーク2上に開設されたオンラインショッピングサイトを利用し、又は利用する可能性のあるすべてのネットユーザの総称である。なお、利用者(ユーザ)のコンピュータ端末3は、通信機能や入力機能、ブラウザ等を備えた汎用のコンピュータである。また、本図において、プリペイドカードシステム1に係る全機能は同一のサーバに存在するように描かれているが、各機能が個別に別サーバにあっても良い。例えば、バーチャルプリペイドカードを発行するするカード発行機能や当該カードに記録される金額を確認するカード残高確認機能を、1または複数の別サーバが備えている構成としてもよく、この場合、各サーバは、社内の専用回線や公衆通信回線等の通信ネットワークを介して接続可能である。
【0025】
また、プリペイドカードシステム1は、新規なバーチャルプリペイドカードの発行機能、当該プリペイドカードに記録される金額の確認機能、当該プリペイドカードの残高を合算する機能、合算された既存のプリペイドカードのカード番号を抹消・消滅させる機能、カード毎のセキュリティロック設定機能などの種々の機能を奏することで、オンラインショッピングにおいて安全に使用できるバーチャルプリペイドカードを発行し、更には、カード利用者に対して、オンラインショッピングに付随するカード情報等の個人情報の漏洩防止、及び目的予算別での複数枚のプリペイドカードの発行という利点を提供することができる新規なワークフローを実現するものである。
【0026】
すなわち、本実施形態に係るプリペイドカード1は、新規なカード番号を有するバーチャルプリペイドカードを1利用者に対して1枚若しくは複数枚発行し(カード発行機能)、その発行されたプリペイドカードに関連付けられて記録された金額を確認し(カード残高確認機能)、2枚目以降のプリペイドカードを発行する場合であって且つカード残高を合算する場合に、新規なカード番号を有するプリペイドカードの金額に既存のプリペイドカードの残高を合算させ(カード残高合算機能)、さらに、カード残高を合算させた場合に、又はプリペイドカードの残高がゼロになった場合に当該既存のプリペイドカードのカード番号を抹消させる(カード番号抹消機能)点に特徴を有する。
【0027】
(システムの概略構成)
上記した種々の機能を奏するため、本実施形態のシステム1は、図2に示すような構成を備えている。
具体的には、このプリペイドカードシステム1は、図2(A)に示すように、ホストコンピュータに内蔵されたCPU5にシステムバス6を介してRAM7、ROMやHDD、半導体ディスクなどの外部記憶装置8、及び入出力インタフェース(I/F)9が接続されている。入出力I/F9には、ディスプレイなどの出力装置10、キーボードやマウスなどの入力装置11、NICなどの通信デバイス12及びCD−ROMやDVD−ROMなどのリムーバブル記録媒体13用のドライブ14が夫々接続されている。外部記憶装置8は、データ格納部8aとプログラム格納部8bとを備えている。何れも、記憶装置内に確保された一定の記憶領域である。
【0028】
このようなハードウェア構成において、入力装置11等から入力された各種の指令を受信することで、この外部記憶装置8にインストールされたソフトウェアプログラムがCPU5によってRAM7上に呼び出されて実行されることで、OS(オペレーションシステム)と協働してこの発明の機能を奏するようになっている。
【0029】
データ格納部8aは、図2(B)に示すように、本願発明に係るバーチャルプリペイドカードを利用する利用者の情報を利用者毎に格納する利用者情報格納部20と、前記利用者が有するプリペイドカードの情報を、利用者IDに関連付けて、利用者毎に格納するカード情報格納部21とを備えている。何れの格納部20〜21も、前記外部記憶装置8内に確保された一定の記憶領域であり、後述するソフトウェアによって演算された結果や、通信デバイス12等を介して通信ネットワーク2におけるwebページ等から取得した情報が随時記述・更新される。
【0030】
前記利用者情報格納部20は、本願発明に係るバーチャルプリペイドカードを利用するすべての利用者の情報を当該利用者(利用者ID)毎に格納する。ここで、利用者情報とは、利用者の氏名、ニックネーム、性別、年齢、住所、メールアドレス、システムログイン用パスワード、システムログイン用ID、システムログイン用パスワード/IDを確認する際の秘密のキー等を含む。また、これらの利用者情報の全部又は一部については、必要に応じて、本願発明に係るプリペイドカードを利用する際、又は本システムに登録する際に必須の情報とすることもできる。
【0031】
前記カード情報格納部21は、前記利用者が有するプリペイドカードの情報を、利用者(利用者ID)毎に、当該利用者(利用者ID)に関連付けて格納する。ここで、カード情報とは、金額、識別番号(カード番号、セキュリティコードを含む)、発行日、カード期限日、カード名称等を含むが、これらに限られるものではない。
【0032】
前記ソフトウェアプログラムは、主として、カード発行指示受付手段27、カード発行手段28、合算指示受付手段29、カード金額確認手段30、残高合算手段31、及びセキュリティ設定手段32を備えている。何れの手段も、独立したプログラム、そのモジュール、ルーチン、若しくはサブルーチンなどである。
【0033】
前記カード発行指示受付手段27は、利用者(ユーザ)が使用するクライアント端末から、新規のプリペイドカードを発行する旨の指示を受け付ける。この際、例えば、前記カード発行指示受付手段27は、前記クライアント端末のモニタ等の表示手段に、新規のプリペイドカードを購入するための画面を表示させ、前記利用者が当該画面上においてカード購入を選択することで、新規のプリペイドカードを発行する旨の指示を受け付けることができる。また、利用者がプリペイドカードを購入する際に、新規プリペイドカード発行の指示と共に、当該新規プリペイドカードの額面・金額をいくらにするのかを当該利用者に選択させることもできる。例えば、前記カード発行指示受付手段27は、前記表示手段に、3,000円、5,000円、10,000円、20,000円、30,000円等のように設定したラジオボタンを表示させ、当該ラジオボタンを利用者が選択することにより、新規プリペイドカードの発行指示と共に、当該プリペイドカードの設定金額の指示を受け付ける構成としても良い。
【0034】
また、前記カード発行指示受付手段27は、新規プリペイドカード発行の際に、当該プリペイドカードのカードデザインをどのようにするのかを当該利用者に選択させることもできる。例えば、前記カード発行指示受付手段27は、前記表示手段に、予め用意された数種類の画像を表示させ、当該画像を利用者が選択することにより、新規プリペイドカードの発行指示と共に、当該プリペイドカードのカードデザインの指示を受け付ける構成としても良い。なお、カードデザインの指示を受け付ける際には、利用者のクライアント端末に格納された任意の画像をアップロードさせる等して、利用者が当該任意の画像をカードデザインとして選択することにより、カードデザインの指示を受け付けることもできる。
【0035】
また、前記カード発行指示受付手段27は、新規プリペイドカード発行の際に、当該プリペイドカードのカード名称をどのようにするのかを当該利用者に選択させることもできる。例えば、前記カード発行指示受付手段27は、前記表示手段に、カード名称を入力さえる入力欄を表示させ、利用者が任意のカード名称を入力することにより、新規プリペイドカードの発行指示と共に、当該プリペイドカードのカード名称の指示を受け付ける構成としても良い。また、この際、当該カード名称入力欄には、所定のカード名称(例えば、1枚目のプリペイドカードであれば「CARD001」等)をデフォルトで設定しておくこともできる。
【0036】
前記カード発行手段28は、前記クライアント端末から受け付けたカード発行指示に基づいて、前記利用者のIDに関連付けて新規プリペイドカードを発行する。例えば、前記カード発行手段28は、前記利用者のクライアント端末から受け付けた、設定金額、カードデザイン等を含む新規プリペイドカード発行の指示に基づいて、当該新規プリペイドカードを、前記利用者情報格納部20に格納される利用者IDに関連付けて、前記カード情報格納部21に格納することができる。この場合、前記新規プリペイドカードには、設定金額、カードデザイン、カード発行日(カード購入日)、カード期限日等を関連付けしても良い。
【0037】
前記合算指示受付手段29は、カード発行を指示した利用者が、既に1若しくは複数の既存のプリペイドカードを有する場合に、当該1若しくは複数の既存のプリペイドカードから選択される1つのプリペイドカードの残高を新たに発行するプリペイドカードに合算させるか否かを、前記ユーザに選択させる。
【0038】
また、前記合算指示受付手段29は、利用者が既に所定枚数のプリペイドカードを有する場合には、自動的に、当該所有されるプリペイドカードのうちのいずれか1枚を選択させ、当該選択されたプリペイドカードの残高を新たに発行するプリペイドカードに合算させるような構成としても良い。前記所定枚数としては、3枚、5枚、7枚、10枚など任意の枚数を設定することができ、例えば、前記合算指示受付手段29は、利用者が既に5枚のプリペイドカードを有している場合には、5枚のプリペイドカードのうち1枚を選択させて、当該選択されたプリペイドカードの残高を、新たに発行されるプリペイドカードの金額に合算することができる。
【0039】
前記カード金額確認手段30は、前記合算指示受付手段29が前記クライアント端末から合算指示を受け付けた場合に、前記選択された1枚の既存のプリペイドカードの残高と、新たに発行するプリペイドカードの発行金額とを確認する。例えば、前記カード金額確認手段30は、前記選択された1枚の既存のプリペイドカードの残高を確認する場合には、前記カード情報格納部21に格納される当該選択に係るカードの残高を確認する。また、前記カード金額確認手段30は、新たに発行するプリペイドカードの発行金額を確認する場合には、前記カード発行指示受付手段27が受け付けた新規プリペイドカードの設定金額を確認する。
【0040】
前記残高合算手段31は、前記カード金額確認手段30が確認した、前記選択された1枚の既存のプリペイドカードの残高と、前記カード発行指示受付手段27が受け付けた新規プリペイドカードの設定金額とを合算し、その合算に係る金額を当該新規プリペイドカードの金額として、当該新規プリペイドカードのカード番号と関連付けて前記カード情報格納部21に格納する。また、この合算処理が済み次第、前記残高合算手段31は、前記選択された1枚の既存のプリペイドカードのカード番号を抹消することができる。
【0041】
前記セキュリティ設定手段32は、利用者が有する1若しくは複数の既存のプリペイドカードの一部若しくは全部について、当該1若しくは複数の既存のプリペイドカードの使用(課金、決済を含む)を禁止するための指示を、当該利用者のクライアント端末から受け付ける。このセキュリティ設定手段32は、このようなプリペイドカードの使用禁止の指示を受け付けた場合に、その禁止を指示された1若しくは複数の既存のプリペイドカードの使用を禁止させることができる。
【0042】
また、前記セキュリティ設定手段32は、利用者が有する既存のプリペイドカードの1つを、バーチャルな画像として、当該利用者のクライアント端末のモニタ等の表示手段に表示させることができる。この際、前記セキュリティ設定手段32は、その表示しているバーチャルプリペイドカードの識別番号(カード番号、セキュリティコードを含む)の少なくとも一部(例えばカード番号16桁のうち8桁等)をマスキング等により視認できないようにする構成を採用できる。
【0043】
このように、本システム1は、バーチャルでの使い切り型のプリペイドカードを提供することができるシステムとして機能する。さらには、予算目的別に複数枚のプリペイドカードを使い分けることができ、使いすぎ等の問題を回避することができる。また、特定のカードの金額を増額させたい場合には、新規プリペイドカードを発行して新規の識別番号を付与し、その新規カードに当該特定のカードの残高を合算させ、さらに既存の当該特定のカードを抹消するようにすれば、カード情報の漏洩機会を減少させることができ、使い勝手がよい。
【0044】
(本システムを用いたバーチャルプリペイドカードの発行・管理工程)
次に、図3の本実施形態に係るカード情報の例、図4の本実施形態に係るバーチャルプリペイドカードの購入画面の例、及び図6のフローチャートを参照して、本システムを用いたバーチャルプリペイドカードの発行・管理工程を以下に説明する。なお、以下の各処理は、カード発行指示受付手段27、カード発行手段28、合算指示受付手段29、カード金額確認手段30、及び残高合算手段31によって実行される。また、図中の各符号S1〜S7は、以下の説明中の各ステップS1〜ステップS7に対応するものである。
【0045】
まずステップS1において、前記カード発行指示受付手段27が、利用者(ユーザ)が使用するクライアント端末から、新規プリペイドカードを発行する旨の指示を受け付ける。この際、前記カード発行指示受付手段27は、カード発行指示と併せて、設定金額、カードデザイン、カード名称についての指示も受け付ける。例えば、図4においては、符号40で示す金額選択項目において、3,000円、5,000円、10,000円、20,000円、30,000円を選択させて受け付けることができる。なお、設定金額はこれらの金額に限定されることはなく、任意の金額を設定可能である。また同図の符号41で示すカードデザイン選択項目において、任意のカードデザインを選択させて受け付けることができる。本図において示す例では、選択に係る図面が、他の図面よりも大きくなって上部に表示されている。さらに、同図の符号42で示すカード名称設定項目において、任意のカード名称を入力させることができる。この例においては、「V-Star8」と設定している。
【0046】
以上のカード発行指示を受け付けた後、ステップS2において、カード発行手段28が新規カードを発行する。例えば、図3においては、利用者「A10B111」及び「A10B222」はそれぞれ3枚のプリペイドカードを所有し、それぞれのカードにおいて金額や有効期限等が設定されている。なお、発行日はホストコンピュータの日付機能を用いて自動的に設定することができ、当該設定された発行日から自動的に有効期限を定めることができる。その後、ステップS3において、カード発行手段28が、当該利用者が既に所有するプリペイドカードの枚数を確認し、所定の限度枚数に達しているか否かを確認する。ここで、限度枚数に達していない場合には、合算指示受付手段29が、利用者が使用するクライアント端末から、当該利用者が所有する1若しくは複数の既存のプリペイドカードから選択される1つのプリペイドカードの残高を、前記カード発行手段によって新たに発行されるプリペイドカードに合算させるか否かの指示を受け付ける。図4の例では、符号43で示す残高合算選択項目において、その要否を受け付けている。
【0047】
合算指示受付手段29が受け付けた合算指示が合算不要であった場合、カード発行手段28が、上述で得たカード情報について、カードを発行すると同時にカード情報格納部21に格納して、本フローは終了する。また、合算指示受付手段29が受け付けた合算指示が合算を要するものであった場合、ステップS5において、カード金額確認手段30が、当該合算を要するカードの金額と、ステップS1において設定された新規プリペイドカードの設定金額とを確認する。例えば、図4においては、符号44で示すように、加算するカードが選択されており、カード金額確認手段30は、係るカードの残金420円と、符号40において選択されている新規プリペイドカードの設定金額5,000円とを確認する。
【0048】
カード金額確認手段30による金額確認工程が終了した後、ステップS6において、残高合算手段31が、その確認された両者の金額を合算し、その合算に係る金額を新たに発行するプリペイドカードの金額として、当該新規プリペイドカードのカード番号と関連付けて前記カード情報格納部21に格納する。
【0049】
一方、ステップS3においてカード発行手段28が確認した、当該利用者が既に所有するプリペイドカードの枚数が限度枚数を超えていた場合、合算指示を受け付けたものとして、カード金額確認手段30は、合算を要するカードを受け付け、当該合算を要するカードの金額と、ステップS1において設定された新規プリペイドカードの設定金額とを確認する。なお、かかる場合のカード金額合算のフローについても、上述のステップS5及びS6の説明と同様である。
【0050】
ステップS6においてカード金額の合算が終了した後、残高合算手段31は、ステップS7において、合算を要するカードとして選択された1枚の既存のプリペイドカードのカード番号を抹消する。
【0051】
以上のフローにより、プリペイドカード発行・管理処理が終了する。続いて、図3の本実施形態に係るカード情報の例、および図5の本実施形態に係る購入後のバーチャルプリペイドカードの例を参照して、本システムを用いて発行されたバーチャルプリペイドカードのセキュリティ機能を以下に説明する。なお、以下の各処理はセキュリティ設定手段32によって実行される。
【0052】
セキュリティ設定手段32は、利用者が有する1若しくは複数の既存のプリペイドカードの一部若しくは全部について、当該1若しくは複数の既存のプリペイドカードの使用(課金、決済を含む)を禁止するための指示を、当該利用者のクライアント端末から受け付ける。例えば、図3においては、「使用の可否」の欄において、記号として「0」又は「1」が識別番号等と紐付けられて格納されている。そして、新規プリペイドカードが作成された際にはデフォルトで「0」としておき、この項目が「0」の場合には、当該プリペイドカードを使用できる。一方で、前記セキュリティ設定手段32が上述のカード使用禁止の指示を受け付けた場合には、セキュリティ設定手段32は、カード情報格納部21に格納されているカード情報のうち、「使用の可否」の欄を「1」に書き換え、これにより、当該カードの使用を禁止させることとしても良い。なお、本発明に係るプリペイドカードを使用する際には、通常のカード(クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードを含む)を使用するための決済システムによりカード利用の可否が判断され、利用できない場合には(例えば、上述の「使用の可否」の欄が「1」である場合など)、当該カードは利用できない旨が店舗等の決済者に伝えられる。
【0053】
また、セキュリティ設定手段32は、利用者が有する既存のプリペイドカードの1つを、バーチャルな画像として、当該利用者のクライアント端末のモニタ等の表示手段に表示させることができ、この際、その表示しているバーチャルプリペイドカードの識別番号(カード番号、セキュリティコードを含む)の少なくとも一部(例えばカード番号16桁のうち8桁等)をマスキング等により視認できないようにする構成を採用できる。例えば、図5においては、カード購入日等と共に、前記カード発行指示受付手段27が受け付けたカードデザインを有するバーチャルのカード画面が表示されている。このカード画面において、符号45で示すように、識別番号の一部がマスキングされている。なお、このマスキングは、常時行うようにしても良いし、又はクライアント端末のモニタ上における当該カード画面の識別番号上にカーソルを合わせることにより行われるようにしても良い。このようにすることにより、画面上での覗き見などによるカード情報漏洩を防ぐことができる。
【0054】
その他、本発明は、さまざまに変形可能であることは言うまでもなく、上述した一実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0055】
例えば、本実施形態においては、利用者情報格納部20とカード情報格納部21とを異なるデータベースとして区画して記載したが、上記2つの格納部は1つの格納部とすることができ、利用者情報やカード情報等を一括して管理することも可能である。
【0056】
また、上述した一実施形態においては、ステップS2に続いてステップS3が実行されるように説明したが、カード発行指示受付手段27がカード発行指示を受け付けた段階で、ステップS2とステップS3とが並行して実行され、ステップS7が終了した段階で、正式なカードが発行されるような構成としても良い。
【0057】
その他、本発明は、さまざまに変形可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
1…プリペイドカードシステム
2…通信ネットワーク
3…利用者(ユーザ)のコンピュータ端末
4…オンラインショッピング業者
5…CPU
6…システムバス
7…RAM
8…外部記憶装置
8a…データ格納部
8b…プログラム格納部
9…入出力インタフェース(I/F)
10…出力装置
11…入力装置
12…通信デバイス
13…リムーバブル記録媒体
14…ドライブ
20…利用者情報格納部
21…カード情報格納部
27…カード発行指示受付手段
28…カード発行手段
29…合算指示受付手段
30…カード金額確認手段
31…残高合算手段
32…セキュリティ設定手段
40…金額選択項目
41…カードデザイン選択項目
42…カード名称設定項目
43…残高合算選択項目
44…加算対象カード
45…マスキング部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末と、当該クライアント端末と情報ネットワークを介して接続するサーバとで構成され、ユーザを特定するための識別番号に基づいて電子マネーを決済するプリペイドカードシステムであって、
前記クライアント端末から新規プリペイドカードを発行するための指示を受け付けるカード発行指示受付手段と、
前記クライアント端末から受け付けたカード発行指示に基づいて、ユーザのIDに関連付けて新規プリペイドカードを発行するカード発行手段と、
前記ユーザが1若しくは複数の既存のプリペイドカードを有する場合に、前記1若しくは複数の既存のプリペイドカードから選択される1つのプリペイドカードの残高を前記新規プリペイドカードに合算させるか否かを、前記ユーザに選択させる合算指示受付手段と、
前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを確認するカード金額確認手段と、
前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの識別番号を抹消し、且つ前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを合算する残高合算手段と、
を有するものであることを特徴とする、プリペイドカードシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記カード発行手段は、前記新規プリペイドカードに新たな識別番号を付与するものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、このシステムは、さらに、
前記ユーザ、前記識別番号、及びカード発行日の情報を紐付けて格納するデータベースを有するものであり、
前記識別番号は、前記カード発行日から所定の日数が経過した場合に抹消されるものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とが合算された場合、前記新規プリペイドカードの識別番号は、当該新規プリペイドカードのカード発行日から所定の日数が経過した場合に抹消されるものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項5】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記データベースは、さらに、カード名称を前記識別番号に紐付けて格納するものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項6】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記カード発行指示受付手段は、前記カード発行指示と共に、前記クライアント端末から、当該新規プリペイドカードの任意の発行金額を受け付け、当該受け付けた発行金額を、当該新規プリペイドカードの識別番号に紐付けて前記データベースに格納するものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記カード金額確認手段は、前記カード発行手段が新規プリペイドカードを発行する場合であって、且つ前記ユーザが所定枚数の既存のプリペイドカードを有する場合に、前記既存のプリペイドカードの1つを前記ユーザに選択させ、当該選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを確認するものであり、
前記残高合算手段は、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの識別番号を抹消し、且つ前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを合算するものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムにおいて、このシステムは、さらに、
前記ユーザが有する1若しくは複数の既存のプリペイドカードの一部若しくは全部について、当該1若しくは複数の既存のプリペイドカードの使用を禁止するための指示を前記クライアント端末から受け付けるセキュリティ設定手段を有するものであり、
前記セキュリティ設定手段は、前記禁止の指示を受け付けた場合に、当該禁止の指示に係る1若しくは複数の既存のプリペイドカードの使用を禁止させるものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項9】
請求項8記載のシステムにおいて、
前記セキュリティ設定手段は、前記ユーザが有する既存のプリペイドカードの1つを前記クライアント端末の表示手段に表示させ、当該表示に係るプリペイドカードの識別番号の少なくとも一部をマスキングするものである、
ことを特徴とする、システム。
【請求項10】
クライアント端末と、当該クライアント端末と情報ネットワークを介して接続するサーバとで構成され、カード利用者を特定するための識別番号に基づいて電子マネーを決済するプリペイドカードシステムによって実行される方法であって、
前記クライアント端末から新規プリペイドカードを発行するための指示を受け付ける工程と、
前記クライアント端末から受け付けたカード発行指示に基づいて、ユーザのIDに関連付けて新規プリペイドカードを発行する工程と、
前記ユーザが1若しくは複数の既存のプリペイドカードを有する場合に、前記1若しくは複数の既存のプリペイドカードから選択される1つのプリペイドカードの残高を前記新規プリペイドカードに合算させるか否かを、前記ユーザに選択させる工程と、
前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを確認する工程と、
前記合算指示があった場合に、前記選択された1つの既存のプリペイドカードのカード番号を抹消し、且つ前記選択された1つの既存のプリペイドカードの残高と、前記新規プリペイドカードの発行金額とを合算する工程と、
を有するものであることを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−89128(P2013−89128A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230975(P2011−230975)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(399062924)株式会社アイエスアイ (3)