説明

プリンタドライバ及び印字装置のインストール方法

【課題】プリンタのドライバソフトウェア及び印字装置のファームソフトウェアを同時にインストールするための方法。
【解決手段】デバイス情報を持つインターフェイスを持ち、初期状態に置いては記憶装置として認識され、その記憶装置内のプログラムを実行することによりドライバソフトは上位装置にアップロードされ、また印字装置のファームソフトウェアは一旦アップロードされその後上位装置からダウンロードされプリンタ駆動ソフトウェアとして使用可能状態になる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印字装置に印字データを転送するためのプリンタドライバのインストール作業の操作性を向上させると同時に印字装置のコスト削減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリンタドライバのインストールは接続されているプリンタに対して専用に用意された、CDROM又はフロッピィディスクを使用してインストール作業を行なっていた。又、印字装置側のソフトは上位装置と接続すると直に使用できるように工場出荷時から記憶素子に格納されていた。
【0003】
従来のプリンタは購入時プリンタ本体だけでなく、インストールに必要なソフトウェア、取り扱い説明書、その他のユーティリチィが同梱された状態で出荷されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の欠点を除去するものであり、その目的とするところは従来のプリンタドライバのインストール作業より操作性に優れたインストール作業を提供するだけでなく、プリンタのインストールに必要なソフトウェアを除去することによりプリンタのトータルコストを削減し、安価で操作性に優れた印字装置及びインストール方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の印字装置は上記課題を解決するために、上位装置と印字装置を接続してプリンタドライバをインストールする方法であって上位装置と印字装置間を双方向通信可能なインターフェイスを持ち、初回の接続時には記憶装置として認識され、印字装置内に格納されているプログラムを起動することによりプリンタドライバのインストールとプリンタ内部のプログラムをダウンロードすることをその概要とする。
【0006】
(作用)
上述したようにプリンタ本体にプリンタドライバを格納するため従来のプリンタで行なっていたプリンタドライバの標準添付にかかる費用を削減できるだけでなく、ユーザーが購入後、直にプリンタを接続するだけでインストール作業を開始することができ、従来のようにCD−ROMを挿入するといった煩わしい作業を行なわずにインストール作業を行なうことができ、このことにより従来のプリンタより安価でインストール操作性の高い商品を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
図1は本発明を好適に説明可能なプリンタである。101CPUはプリンタ装置の印字データの作成、印字制御のためのモータ駆動、印字ヘッド吐出制御、上位装置から転送されたコマンドの解析、パネルからの入力による各種設定などを行う演算装置である。
【0008】
102ROMはプリンタを駆動するための制御プログラム、各種固定値データ(モータの駆動テーブル等)、印字データに使用するフォントデータ等が格納されている。
【0009】
102ROMは101CPUによって読み出されプログラムとして実行される。
【0010】
製品によりROMの種類は沢山あるが、本実施例ではダウンロード、アップロード機能が必要な為書き換え可能なフラッシュROMを使用している。各種固定値データはそのまま初期値として使用されるものと、103RAMに展開され101CPUにより加工され使用される。フォントデータは必要に応じて指定されたフォントデータを101CPUによって読み出され103RAMに展開され印字データとして生成される。
【0011】
このフォントデータは機種により搭載個数、搭載文字種類が異なる為、その容量もことなる。本実施例のプリンタにおいては、明朝体1フォントとなっている。
【0012】
103RAMは上述したフォントデータを指定された修飾方法にて修飾された結果を展開し印字データとして使用する。イメージデータの場合も同様に101CPUによって読み込まれたイメージデータを指定された印字位置と対応する103RAM上に展開され印字データとして使用する。更に103RAMはプログラム実行に必要なワークメモリ、104I/Fから入力データの一時格納場所としての受信バッファとしても使用している。104I/Fは不図示のホスト装置と接続され、スキャナデータの送信、印字データ、プリント指示コマンド等のデータを受信するためのものである。
【0013】
本実施例のI/FはIUSBの規格に準拠した電気的仕様となっており、ホストからのデータだけでなく、プリンタの状態をホストに転送するため、双方向の通信が可能なI/Fとなっている。105EEPROMはプリンタの設定状態を保管しておくだけでなく、その他、印刷枚数、インク残量なども格納されている。プリンタの状態としては、フォント種別、対応用紙、自動電源ON/OFFなどの機能項目、として格納されている。106モータコントローラは本実施例のプリンタにおいては、主走査方向に印字ヘッドを走査させて印字を行なうプリンタ、印字ヘッドを1回、又は複数回走査させて印字を行なうために使用する。106モータコントローラへの制御は101CPUが行い印字はモータの等速域を使用して印字が行われる。106モータコントローラのもう一つの制御は紙を進行方向へ移動させるためのモータであるラインフィードモータコントローラである。このモータはヘッド走査用のモータとは独立で動作可能であり、通常印刷においては、ヘッド走査用モータが1回または複数回走査後、ラインフィードモータコントローラが所定量紙を送る制御を行なう。109バスラインはデータを転送するためのデータ及びアドレスバスである。101CPUが109バスラインを使用し、各102から107までの各ユニットを制御する。111は各ユニットへの電源供給ラインである。
【0014】
通常使用状態の場合は上述したような構成となっているが、本実施例の出荷時の設定では102ROMの構成が異なる。
【0015】
インストール以前の102ROMの構成は圧縮された上位装置用のインストールプログラムと同じく圧縮されたプリンタ駆動用プログラムが格納されている。
【0016】
出荷後一回目の電源ON時には102ROMにあるUSB通信プログラムとROMプログラムのダウンロード、アップロード用プログラムがROM上に展開され上位装置との通信を行なう。
【0017】
図2は本実施例で使用するROMとRAMの構造を示した図である。200は201、202の各プログラムをRAM上に展開し実行するためのプログラムである。
【0018】
201はUSB通信プログラムで初期化時は記憶デバイスとして通信を開始する。
【0019】
このプログラムは204のRAMエリアに展開され起動される202のダウンロード、アップロード用プログラムも同様に205RAMエリアに展開され、201USBプログラムの指示に従い実行される。
【0020】
初期状態では上位装置にアップロードするソフトが実行される。
【0021】
203はホスト用のインストールソフトでホスト上から起動されると202のダウンロード、アップロード用プログラムが実行され203のプログラムが一旦RAM上の206に展開され転送可能状態になった後、ホスト上に圧縮されたプログラムがダウンロードされ、更にそのプログラムの自己解凍が実行され、その後プログラムがホスト上で実行される。このことによりインストールが開始されプリンタドライバがインストールされる。207は204、205のプラグラムが使用するスタックエリアである。
【0022】
次にホスト上のインストールが終了すると203の圧縮プログラムの内、プリンタ駆動用ソフトをホスト上にダウンロードし、その後データの伸長処理を行い再度プリンタに転送することにより208プリンタ駆動用プログラムがアップロードされる。その後、NVRAMの情報を書き換え立ち上げのモードを通常のプリンタモードに変更し、プリンタのリセット処理が行なわれるとRAM空間は図209〜211の用に初期化され、通常のプリンタと同様な構成となる。
【0023】
この動作により、プリンタのインストール作業は終了する。
【0024】
アンインストール時はインストールの逆の方法で実行される。まずホストからNVRAMの情報を書き換え初期化モードに設定し、プリンタのリセット動作を行い立ち上げ時と同様に記憶装置での接続を行い、ホスト上にプリンタ駆動用プログラムをダウンロードしその後圧縮処理を行い、再度プリンタに圧縮されたプリンタ駆動用プログラムをアップロードする。その後、自身のプリンタドライバプログラムとインストールプログラムを圧縮し、プリンタ上に同様にアップロードし、その後は通常のアンインストール作業を継続し、最終的にホスト上のプログラムを消去し終了する。
【0025】
(その他)
本実施においては、USBインターフェイスを用いてのインストールについて記載したが、本発明は双方向通信が可能で記憶装置、プリンタが切り替え認識可能なインターフェイス例えばIEEE−1394などのインターフェイスを使用してもその効果に変わりはない。
【0026】
【発明の効果】
本実施例においては、プリンタ内部にホスト上にインストールすべきプログラムを格納し初回の立ち上げ時にはハードディスクと同等な記憶装置としてホストに認識させ、プリンタ内部のプログラムを起動させることによりインストール作業を行なうことができる。
【0027】
このことはホスト上にプリンタドライバがプリインストールされている状況と同じであり操作するユーザーにとってCD−ROM挿入アプリケーションの検索等の煩雑な作業を行なうことなく簡単な操作でインストールすることができる。
【0028】
又、CD−ROM等の添付するメディアを省くことによりコストより削減することができる。
【0029】
更に、プリンタ駆動用プログラムをダウンロードする機能があるため、最新のプログラムをダウンロードし使用することができるため、常に最新のプログラムで印刷環境を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の第1の実施例を示す要部ブロック図
【図2】本実施例の第1の実施例のROM、RAM構成

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置と印字装置を接続してプリンタドライバをインストールする方法であって上位装置と印字装置間を双方向通信可能なインターフェイスを持ち、初回の接続時には記憶装置として認識され、印字装置内に格納されているプログラムを起動することによりプリンタドライバのインストールとプリンタ内部のプログラムをダウンロードすることを特徴とするプリンタドライバ及び印字装置のインストール方法。
【請求項2】
請求項1のプリンタドライバのインストール方法に於いて、上位装置と印字装置間を接続するインターフェイスは初回のみ書き換え可能な記憶装置として認識され、インストール終了後はプリンタとして認識されることを特徴する印字装置。
【請求項3】
請求項1のプリンタドライバのインストール方法に於いて、初期状態で印字装置内部に格納されているデータは上位装置用のインストールプログラムと印字装置を駆動するための印字装置駆動用プログラムが圧縮されたデータとして格納されていることを特徴とするプリンタドライバ及び印字装置インストール方法。
【請求項4】
請求項1のプリンタドライバのインストール方法に於いて、上位装置に格納されているプリンタドライバの消去を行なう場合には、上位装置のプログラムと印字装置に格納されている印字装置駆動用プログラムを圧縮し、印字装置に転送し、上位装置と接続用のインターフェイスのモードを印字装置から書き換え可能な記憶装置に変更しアンインストール作業を終了することを特徴とするプリンタドライバ及び印字装置のインストール方法。
【請求項5】
請求項2の印字装置に於いて、初期のインストールプログラムと印字装置駆動用プログラムの格納は書き換え可能な記憶素子を用いる事を特徴とする印字装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2004−164510(P2004−164510A)
【公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−332327(P2002−332327)
【出願日】平成14年11月15日(2002.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】