プリンター、制御方法、およびプログラム
【課題】 既存のクラウドプリントのプロトコルを変更することなく、クラウドプリントにおいてもセキュアプリントを実現できるようにする。
【解決手段】 有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する。入力されたピンコードを基に、クラウドプリントサーバーから取得するセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御する。
【解決手段】 有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する。入力されたピンコードを基に、クラウドプリントサーバーから取得するセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドプリントサービスに対応するプリンター、制御方法、およびプログラム。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、親展プリントあるいはセキュアプリントと呼ばれる機能を有するものが知られている。この機能は、機密性の高い書類の印刷を行う際、自分の目の届かない場所で印刷が始まって第三者に情報が漏洩するのを防ぐため、認証が成功した後に印刷を行うものである。これを実現するために、印刷データに暗証番号を付加しておき、暗証番号が付加された印刷データは画像形成装置に溜め置くものが良く知られている。これには大容量の記憶手段を必要とするため、特許文献1のように少ないメモリで実現する方法も提案されている。
その一方、近年クラウドプリントサービスが使われ始めている。タブレット端末などから、プリンタドライバを使うことなく印刷を行うことができるため、注目を集めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−370407
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在のクラウドプリントサービスにおいてセキュアプリントが行えるシステムは実現されていない。例えば、何らかの手段を使って印刷データに暗証番号を付加できるように構成したとしても、暗証番号が付加された印刷データは画像形成装置に溜め置くような良く知られた構成では、ハードディスクなどを持たずメモリの少ない装置では実現が難しい。
特許文献1の方法を応用したとしても、複数のジョブのジョブ番号と暗証番号と1ページ目のデータとを記憶しなければならない。これでは、やはりハードディスクなどを持たない装置では実現が困難である。また、1ページ目だけ先行して記憶するには、クラウドプリントサービスのプロトコルを変更しなければならない。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、目的のひとつは、既存のクラウドプリントのプロトコルを変更することなく、クラウドプリントにおいてもセキュアプリントを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明のプリンターは、プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターであって、前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得手段と、取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定する判定手段と、前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にするフラグ有効化手段と、前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する要求手段と、前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得するセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、既存のクラウドプリントのプロトコルを変更することなく、クラウドプリントにおいてもセキュアプリントを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施例における画像形成装置(MFP)の利用環境を示す概略図である。
【図2】図1記載のMFP200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】一般的なクラウドプリントのシーケンスの一例を示した図である。
【図4】クラウドプリントにおいてセキュアジョブの印刷を実現するシーケンスの一例を示した図である。
【図5】本実施例における印刷制御の処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】本実施例において、印刷要求時にユーザーに対して表示されるPDA端末の画面の一例を示した図である。
【図7】本実施例におけるPINコードの入力画面の一例を示した図である。
【図8】本実施例におけるPINコードの入力を促す画面の一例を示した図である。
【図9】ステップS5−002で取得かつ一時記憶したJOB IDリストが減少した一例を示した図である。
【図10】図1記載のMFP200のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0009】
図1は、本実施例における画像形成装置(MFP)の利用環境を示す概略図である。
【0010】
クラウドプリントサーバー100、MFP200、無線ネットワークルーター400などが、ネットワーク500に接続されている。また、PDA端末300は、無線ネットワークルーター400を介して、ネットワーク500に接続されている。
【0011】
PDA端末300は、ユーザーによる印刷指示に応じて、予め定められたプロトコルによってクラウドプリントサーバー100と通信し、印刷の要求を伝える。クラウドプリントサーバー100は、PDA端末300から印刷の要求を受けて、MFP200に対して印刷ジョブが届いたことを通知する。MFP200は、クラウドプリントサーバー100からの通知に従って、予め定められたプロトコルでクラウドプリントサーバー100から印刷ジョブを受信し印刷を実行する。なお、該プロトコルの概要については、後述する。このように、MFP200とクラウドプリントサーバー100が連携することでWeb印刷が実現される。
【0012】
図2は、図1記載のMFP200のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、MFP200は、CPU201、ROM202、RAM203、ネットワークインタフェースカード(NIC)204、外部入力コントローラ(PANELC)205、各種ボタン或いはタッチパネル(PANEL)206を備えている。また、MFP200は、ディスプレイコントローラ(DISPC)207、ディスプレイ(DISPLAY)208を備える。MFP200は、さらに、プリンター部(PRINTER)211、スキャナ部(SCANNER)212を備えている。
【0013】
CPU201は、システムバス(System BUS)213に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、ROM202に記憶されたファームウェアモジュールを実行する。なお、ファームウェアモジュールは少なくとも2つ以上のモジュールから構成され、ファームウェアモジュールの更新はそれぞれのモジュールごとに行うことが可能である。また、CPU201は、制御プログラムとしてのファームウェアモジュールに基づき後述の各フローチャートに示す処理、即ち、プリンターを制御するための制御方法を実行する。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリアの他に、画像の記憶場所として機能する。
【0014】
PANELC205は、MFPに装備されたPANEL206からの指示入力を制御する。DISPC207は、DISPLAY208に対する描画を制御する。NIC204は、LAN214を介して、ファイルサーバ(不図示)、図1記載のクラウドプリントサーバー100などと双方向にデータのやり取りを行う。PRINTER211は、電子写真方式で記録紙に画像形成を行う。SCANNER212は、記録紙に印刷されている画像の読み取りを行う。SCANNER212には、オプションとしてオートドキュメントフィーダ(不図示)が装着されており、複数枚の原稿を自動的に読み取ることができる。
【0015】
図10は、図1記載のMFP200のソフトウェア構成を示すブロック図である。本実施例におけるソフトウェア2000は、ユーザーインターフェース(UI)2001、ジョブ制御(Job Controller)2002、オペレーティングシステム(OS)2006といったモジュールからなる。また、プロトコルスタック(Protocol Stack)2004のモジュールを備える。OS2006には、他のモジュールやタスクと、PRINTER211をはじめとする図2記載のハードウェアとのやりとりを仲介するデバイスドライバ(Device Driver)2005が組み合わされている。さらに、Job controller2002は、クラウドプリント(Cloud Print)2003のタスクを含んでいる。それぞれのモジュールやタスクは、図2記載のROM202に保存されたプログラムから構成されており、それらプログラムがCPU201で実行されることで実現される。
【0016】
OS2006は、各モジュールやタスクが図2記載のCPU201を占有するスケジュールを調整し、ソフトウェア2000全体の動作を管理する。UI2001は、DISPC207を介してDISPLAY206に対する画面描画や、PANELC205を介してPANEL206からの入力を受け付ける。Job Controller2002は、コピーやプリントといった要求を受け付け、要求に基づいた動作をするように、他モジュールと協調してMFP200を制御する。Protocol Stack2004は、TCP/IPをはじめ、XMPPやHTTPといったネットワークプロトコルの制御を行い、クラウドネットワーク500を介したMFP200とクラウドプリントサーバー100などとの通信を実現する。Cloud Print2003は、後述する印刷制御処理などを含むタスクである。NIC204を介して受け取ったJOB通知に応じて、後述するクラウドプリントのシーケンスを実行し、PRINTER211で印刷を行う。
【0017】
図3は、本発明が想定しているクラウドプリントのシーケンスの一例を示した図である。特に、実施例1は、Google(登録商標)が公開しているGoogle Cloud Printをベースにクラウドプリントのシーケンスを説明する。また、図4は、クラウドプリントにおいてセキュアジョブの印刷を実現するシーケンスの一例を示した図である。即ち、実施例1は、Google Cloud Printが想定していないセキュアプリントを実現するために、Google Cloud Printの仕様を変更することなく、あくまでその仕様に則ってセキュアプリントを実現するものである。
【0018】
さらに、図5は、本実施例における印刷制御の処理の流れを示したフローチャートである。同図の処理は、図10記載のCloud Print2003を構成するプログラムをCPUが実行することで実現される各種ユニットが実行する処理である。本願発明では、Job Controller2002により実行されることを想定している。以下、図3、図4、および、図5を用いて、本実施例の印刷の流れについて詳しく説明する。
【0019】
本発明が想定しているクラウドプリントでは、クラウドプリントサーバー100にプリンターの能力を事前に登録しなければならない。本実施例のMFP200は、ユーザーによる図10記載のUI2001の画面操作に従い、クラウドプリントサーバー100に対してプリンターの能力が記述されたデータを送る(図3の3001の処理)。プリンターの能力は、Extensible Markup Language(以下、XML)フォーマットで記述されている。プリンターの個々の能力を表すキーワードが予め定められており、そのキーワードを使って、サポートする用紙サイズ、両面印刷の有無、Nup機能の有無といった能力を登録することができる。加えて、プライベートなキーワードを定義することもできる。本実施例のMFP200は、PINコードを表すキーワードを定義し、PINコードを解釈する能力があることをクラウドプリントサーバー100に事前に登録する。ピンコードはPINコードに相当し、必ずしも数字列とは限らず、文字列や記号列、それらの組み合わせであっても良い。これにより、クラウドプリントサーバー100が提供する印刷設定画面にピンコードの項目が増えることになり、ピンコードをプリンター情報として登録させることが本願発明の特徴の1つと言える。
【0020】
ユーザーは、事前に登録されたプリンターに対して印刷を要求(図3記載の3002)することができる。印刷要求時に、ユーザーに対して表示されるPDA端末の画面の一例を図6に示す。通常の印刷要求ならば、ユーザーは、同図記載の6001で無効なPINコードとして、0を指定する。要求を受けたクラウドプリントサーバー100は、登録されたプリンターであるMFP200に対してJOBが投入されたことをXMPPで通知する(3003)。XMPPとは、Extensible Messaging and Presence Protocolのことである。JOBの通知は、図10記載のProtocol Stack2004を経由して、図5記載のステップS5−001で検出される。ステップS5−001でジョブ通知を検出するとステップS5−002に進む。なお、「セキュア印刷を有効にする」という項目を別途設け、その項目にチェックが入った時にピンコードを入力させる形態であっても良い。その場合、有効ピンコードであるか否かは、「セキュア印刷を有効にする」項目がチェックされたか否かの情報を基に判断しても良い。
【0021】
ステップS5−002では、JOB IDのリスト、即ちジョブリストのfetchが実行される。Fetchとは、ジョブリストをクラウドプリントサーバーから取得することを指す。このジョブリストには、少なくともジョブIDが含まれている。なお、ジョブリストにはジョブIDの他にも各ジョブのジョブデータ、およびジョブチケットの保存場所となるURLの情報も含まれており、このような情報をジョブ情報と呼ぶ。
【0022】
MFP200からクラウドプリントサーバー100に対してJOBのfetch要求が送信される(3004)。これを受けたクラウドプリントサーバー100は、n個のジョブIDを含むJOB IDのリスト、即ちジョブリストをMFP200に返す(3005)。通常、ひとつのジョブの印刷が要求された直後のJOB IDのリストには、3001で通知されたJOBのIDがひとつ(n=1)リストされる。後述するJOBの印刷処理中や、JOBの保留中に別のジョブの印刷が要求されたならば、JOB IDがひとつ以上(n>1)になることもある。ステップS5−002では、取得したJOB IDのリスト、即ちジョブリストが図2記載のRAM203に一時記憶される。
【0023】
ステップS5−003では、記憶したJOB IDリストが空か否かが判定される。もし空であればステップS5−001に戻る。逆に、記憶したJOB IDリストにひとつ以上のIDがリストされているならば、ステップS5−004に進む。ステップS5−004では、保留中のJOBがあるか否かが判定される。通常の印刷要求の直後であれば保留になっているJOBがまだひとつもないので、ステップS5−005に進む。
【0024】
ステップS5−005ではRAM203に記憶されているJOBの保留フラグがリセットされ、ステップS5−006ではインデックスiに1がセットされる。続けて、ステップS5−007では一時記憶したJOB IDリストに含まれているi番目のJOB IDのticketが取得される。ここで、MFP200はクラウドプリントサーバー100に対してi番目のJOB IDのticket要求をジョブリスト内のジョブチケットのURLを基に発行し(3006)、これに対してクラウドプリントサーバー100は指示されたJOB IDのticketを返す(3007)。ticketは、プリンターの能力と同様にXMLで記述されていて、キーワードもプリンターの能力と共通である。図6記載の6001で入力されたPINコードは、プライベートで定義されたキーワードを使って渡される。
【0025】
ステップS5−008では、取得したticketにセキュアプリントが行われる対象のジョブであることを示す有効なPINコードが含まれるか否かが判定される。通常の印刷ならば、無効なPINコードである0が指定されており、後述する保留フラグを有効化せずにステップS5−009へ進む。有効なPINコード、即ち有効ピンコードは図7が示す様な暗証コードであり、無効ピンコードを示す“0”ではない。なお、無効なピンコードを示す情報は必ずしも“0”である必要はない。また、有効ピンコードは、「セキュア印刷を有効にさせる」項目にチェックを入れたことでジョブチケットに含まれる情報も有効ピンコードの一種と言える。
【0026】
ステップS5−009は印刷処理のサブルーチンで、ステップS5−024、S5−025、S5−026が実行される。ステップS5−024では、MFP200はクラウドプリントサーバー100に対して、該JOB IDのJOBデータのdownloadが要求される(3008)。これを受けたクラウドプリントサーバー100は、MFP200にJOBデータを返す(3009)。ステップS5−025では、受信したJOBデータが印刷される(3010)。印刷が終了したらステップS5−026に進み、印刷が終了したJOBのdelete、即ちジョブの削除の指示がクラウドプリントサーバー100に要求され(3011)、印刷処理のサブルーチンが終了する。サブルーチンの処理が終了したら、ステップS5−011に進み、インデックスiが1つ加算されて、ステップS5−012に進む。S5−026でジョブを削除することで、これ以降に取得したジョブリストには削除したジョブが含まれないことになる。
【0027】
S5−012では、ステップS5−002で一時記憶したJOB IDリストに確認していないIDがあるか否かが判定される。もし、複数のJOB IDがリストされているならば、すべてのJOB IDの確認が完了するまで、ステップS5−007からステップS5−011までを繰り返し実行する。すべてのJOB IDの確認が完了したならば、ステップS5−002に戻る。もしひとつ(n=1)しかジョブがなかったならば、ステップS5−002に戻ることになり、再びジョブリストの取得が行われる。そして、新たな印刷要求がされていなければ、ステップS5−002では空のJOB IDリストが取得されるため、ステップS5−003を経て、ステップS5−001に戻る。
【0028】
一方、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在し、セキュアプリントが行われる場合、ユーザーは、同図記載の6001で0以外の有効なPINコードを指定する(4001)。図6は、PINコードに「1234」を入力した例を示している。要求を受けたクラウドプリントサーバー100は、図3記載の3003と同様に、登録されたプリンターであるMFP200に対してJOBが投入されたことを通知する(4002)。
【0029】
以降の一部の処理は、上述した処理と同様であり、ジョブの通知が図5記載のステップS5−001で検出された後ステップS5−002からステップS5−007まで実行される。これによって、JOB IDリストのfetch要求(4003)、JOB IDリストの返送(4004)、ticket要求(4005)、指示されたJOBのticketの返送(4006)が実行される。
【0030】
次に、ステップS5−008に進む。図6記載の6001のようにPINコードに「1234」が入力されていれば、取得したticketにはPINコードとして有効な「1234」が含まれているので、S5−010に進む。ステップS5−010では、JOB Controller2002は、RAM203に用意したJOBの保留フラグをセットしフラグ有効化を行い(4007)、前述と同様にステップS5−011およびステップS5−012を実行して、ステップS5−002に戻る。この時点で、保留フラグは有効となる。
【0031】
ステップS5−002では、保留したJOBがPDA端末等から削除されない限り、少なくとも保留にしたJOBのIDをひとつ含むJOB IDリストが取得かつ一時記憶される。よって、ステップS5−004まで進む。ここで、S5−002からS5−012が実行された後にS5−002に戻ってくることがお分かり頂けると思う。つまり、ジョブリストに含まれる各ジョブのピンコードの情報が検証された後、即ち、ジョブリストが取得されてから一定時間経過した後に再度ジョブリストの取得が行われる構成である。本願発明は、クラウドプリントサーバーの仕様を変えることなくセキュアプリントを実現するわけだが、一定間隔でジョブリストの取得が行われるので、取得が行われる各時点での最新のジョブ状況を把握し適正なセキュアプリントが実現できる。
【0032】
例えば、3つの保留ジョブがクラウドプリントサーバーで生成された後、1つの保留ジョブにキャンセル指示が出たとする。プリンターは保留フラグを有効にした後に再度ジョブリストを取得するであろう。このとき、保留フラグを基にセキュアプリントの処理に移るわけだが、最新のジョブリストを基に後述するピンコードの入力画面が表示されるのでジョブの最新状況に併せたセキュアプリントが実現されているのが本願発明の特徴である。また、先述した特徴の他にも、本願発明のプリンターは各ジョブのピンコードを記憶するのではなく、ジョブの保留フラグのみを記憶するのでメモリの使用量の削減も実現しているのも特徴である。即ち、両方の特徴を同時に実現できる有効な発明である。
【0033】
ステップS5−004では、ステップS5−010でセットされたJOBの保留フラグが検出され、ステップS5−013に遷移する。ステップS5−013では、Job Controller2002は、PINコードの入力を促す画面をDISPLAY208に表示する(4008)ように図10記載のUI2001に依頼する。本実施例におけるPINコードの入力を促す画面の一例を図8に示す。次に、ステップS5−014において、Job Controller2002は、ユーザーによってMFP200のPANEL206が操作されて、UI2001を経由してPINコードが入力されたか否かを確認する。もし入力されているならばステップS5−015に進み、そうでなければステップS5−005に戻る。本実施例におけるPINコードの入力画面の一例を図7に示す。
【0034】
ステップS5−015からステップS5−017は、ステップS5−005からステップS5−007までと同じ処理である。続いてステップS5−018において、Job Controller2002は、要求に応じて入力されたPINコードと、ステップS5−017で取得したj番目のJOB IDのticketに含まれる有効ピンコードであるPINコードとを比較する。もし、取得したticketに有効なPINコードが含まれないならば、ステップS5−021にスキップする。即ち、クラウドプリントサーバーからジョブを取得することなく、印刷を行わないように制御される。もし、2つのPINコードが一致するならば、ステップS5−019に進み、j番目のJOBの印刷処理を実行するためクラウドプリントサーバーからジョブを取得する。ジョブの取得の際は、取得ジョブに関連するジョブデータのURLをジョブリスト内から特定し、特定されたジョブデータのURLを基に取得が行われる。もし、2つのPINコードが一致しないならば、ステップS5−020に進み、RAM203に用意したJOBの保留フラグをセットする。
【0035】
ステップS5−021では、Job Controller2002はインデックスjを1加算して、ステップS5−022に進む。S5−022では、ステップS5−012と全く同じ処理が実行される。すなわち、ステップS5−022の判定処理により、すべてのJOB IDの確認が完了するまで、ステップS5−017からステップS5−021が繰り返し実行される。これによって、入力されたPINコードと同じPINコードをticketに含むJOBは、ステップS5−019ですべて印刷されることになる。すべてのJOB IDの確認が完了したら、ステップS5−023に進む。ステップS5−023では、Job Controller2002は入力されたPINコードが不要になるのでこれを破棄し、ステップS5−002に戻る。
【0036】
先にも触れたように、JOBの印刷処理中や、JOBの保留中に別のジョブの印刷が要求されたならば、fetchによって取得されるJOB IDリストのIDが増加することがある。逆に、保留中のJOBがPDA端末からキャンセルされて、fetchによって取得されるJOB IDリストのIDが減少することもある。しかし、JOB IDリストのIDが増減しても、本実施例ではステップS5−002を定期的に実行するように構成しているため、クラウドプリントサーバー100とMFP200との間の相違が解消される。ステップS5−002で取得かつ一時記憶したJOB IDリストが減少した一例を図9に示す。9001は、4つのJOB IDのJOBが保留になって一時記憶されている例である。これに対して、9002は、IDが「263539286」のJOBがキャンセルされ、一時記憶から消滅した例を示している。
【0037】
以上のように構成することによって、本実施例のMFP200は、本願発明が想定するプリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーのプロトコルを変更することなく、クラウドプリントにおいてもセキュアプリントを実現することが可能になる。また、JOB IDを一時記憶するだけなので、先行技術に比べて少ないメモリでセキュアプリントを実現することができる。
【0038】
[その他の実施の形態]
第1の実施形態では、画像形成装置としてMFP200を例に説明した。しかしながら、本発明はMFPに限定されるものではない。図2記載のSCANNER212を持たないいわゆるSFPであっても同様な効果が得られる。プリンターとは、これらの装置の何れか1つに相当する。
【0039】
また、第1の実施形態では、ステップS5−008で、無条件にticketを取得するように構成した。このままでも、所期の目的は達成できる。しかし、ticketを取得するためのネットワークトラフィックを鑑みると、取得の回数を減らすステップがあるほうが望ましい。例えば、ステップS5−002で、直前に一時記憶したJOB IDリストと、取得したJOB IDリストとを比較し、2つが一致するか否かを保持しておく。その後、ステップS5−005の直前で、2つが一致したときだけステップS5−006に進み、そうでなければステップS5−002に戻るように構成すれば、ネットワークトラフィックを減らすことが可能である。
【0040】
また、第1の実施形態では、ステップS5−018において、取得したticketに有効なPINコードが含まれないならば、ステップS5−021にスキップするように構成した。このように構成することによって、PINコードが入力されたときは、PINコードが一致したJOBだけが印刷されるようになる。しかしながら、印刷結果にセキュアプリントが指示されていないものが混在する可能性は生まれるが、有効なPINコードが含まれないときにステップS5−019を実行するように構成しても、所期の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0041】
100 クラウドプリントサーバー
200 MFP
300 PDA端末
400 無線ネットワークルーター
500 クラウドネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドプリントサービスに対応するプリンター、制御方法、およびプログラム。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、親展プリントあるいはセキュアプリントと呼ばれる機能を有するものが知られている。この機能は、機密性の高い書類の印刷を行う際、自分の目の届かない場所で印刷が始まって第三者に情報が漏洩するのを防ぐため、認証が成功した後に印刷を行うものである。これを実現するために、印刷データに暗証番号を付加しておき、暗証番号が付加された印刷データは画像形成装置に溜め置くものが良く知られている。これには大容量の記憶手段を必要とするため、特許文献1のように少ないメモリで実現する方法も提案されている。
その一方、近年クラウドプリントサービスが使われ始めている。タブレット端末などから、プリンタドライバを使うことなく印刷を行うことができるため、注目を集めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−370407
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在のクラウドプリントサービスにおいてセキュアプリントが行えるシステムは実現されていない。例えば、何らかの手段を使って印刷データに暗証番号を付加できるように構成したとしても、暗証番号が付加された印刷データは画像形成装置に溜め置くような良く知られた構成では、ハードディスクなどを持たずメモリの少ない装置では実現が難しい。
特許文献1の方法を応用したとしても、複数のジョブのジョブ番号と暗証番号と1ページ目のデータとを記憶しなければならない。これでは、やはりハードディスクなどを持たない装置では実現が困難である。また、1ページ目だけ先行して記憶するには、クラウドプリントサービスのプロトコルを変更しなければならない。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、目的のひとつは、既存のクラウドプリントのプロトコルを変更することなく、クラウドプリントにおいてもセキュアプリントを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明のプリンターは、プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターであって、前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得手段と、取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定する判定手段と、前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にするフラグ有効化手段と、前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する要求手段と、前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得するセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、既存のクラウドプリントのプロトコルを変更することなく、クラウドプリントにおいてもセキュアプリントを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施例における画像形成装置(MFP)の利用環境を示す概略図である。
【図2】図1記載のMFP200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】一般的なクラウドプリントのシーケンスの一例を示した図である。
【図4】クラウドプリントにおいてセキュアジョブの印刷を実現するシーケンスの一例を示した図である。
【図5】本実施例における印刷制御の処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】本実施例において、印刷要求時にユーザーに対して表示されるPDA端末の画面の一例を示した図である。
【図7】本実施例におけるPINコードの入力画面の一例を示した図である。
【図8】本実施例におけるPINコードの入力を促す画面の一例を示した図である。
【図9】ステップS5−002で取得かつ一時記憶したJOB IDリストが減少した一例を示した図である。
【図10】図1記載のMFP200のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0009】
図1は、本実施例における画像形成装置(MFP)の利用環境を示す概略図である。
【0010】
クラウドプリントサーバー100、MFP200、無線ネットワークルーター400などが、ネットワーク500に接続されている。また、PDA端末300は、無線ネットワークルーター400を介して、ネットワーク500に接続されている。
【0011】
PDA端末300は、ユーザーによる印刷指示に応じて、予め定められたプロトコルによってクラウドプリントサーバー100と通信し、印刷の要求を伝える。クラウドプリントサーバー100は、PDA端末300から印刷の要求を受けて、MFP200に対して印刷ジョブが届いたことを通知する。MFP200は、クラウドプリントサーバー100からの通知に従って、予め定められたプロトコルでクラウドプリントサーバー100から印刷ジョブを受信し印刷を実行する。なお、該プロトコルの概要については、後述する。このように、MFP200とクラウドプリントサーバー100が連携することでWeb印刷が実現される。
【0012】
図2は、図1記載のMFP200のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、MFP200は、CPU201、ROM202、RAM203、ネットワークインタフェースカード(NIC)204、外部入力コントローラ(PANELC)205、各種ボタン或いはタッチパネル(PANEL)206を備えている。また、MFP200は、ディスプレイコントローラ(DISPC)207、ディスプレイ(DISPLAY)208を備える。MFP200は、さらに、プリンター部(PRINTER)211、スキャナ部(SCANNER)212を備えている。
【0013】
CPU201は、システムバス(System BUS)213に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、ROM202に記憶されたファームウェアモジュールを実行する。なお、ファームウェアモジュールは少なくとも2つ以上のモジュールから構成され、ファームウェアモジュールの更新はそれぞれのモジュールごとに行うことが可能である。また、CPU201は、制御プログラムとしてのファームウェアモジュールに基づき後述の各フローチャートに示す処理、即ち、プリンターを制御するための制御方法を実行する。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリアの他に、画像の記憶場所として機能する。
【0014】
PANELC205は、MFPに装備されたPANEL206からの指示入力を制御する。DISPC207は、DISPLAY208に対する描画を制御する。NIC204は、LAN214を介して、ファイルサーバ(不図示)、図1記載のクラウドプリントサーバー100などと双方向にデータのやり取りを行う。PRINTER211は、電子写真方式で記録紙に画像形成を行う。SCANNER212は、記録紙に印刷されている画像の読み取りを行う。SCANNER212には、オプションとしてオートドキュメントフィーダ(不図示)が装着されており、複数枚の原稿を自動的に読み取ることができる。
【0015】
図10は、図1記載のMFP200のソフトウェア構成を示すブロック図である。本実施例におけるソフトウェア2000は、ユーザーインターフェース(UI)2001、ジョブ制御(Job Controller)2002、オペレーティングシステム(OS)2006といったモジュールからなる。また、プロトコルスタック(Protocol Stack)2004のモジュールを備える。OS2006には、他のモジュールやタスクと、PRINTER211をはじめとする図2記載のハードウェアとのやりとりを仲介するデバイスドライバ(Device Driver)2005が組み合わされている。さらに、Job controller2002は、クラウドプリント(Cloud Print)2003のタスクを含んでいる。それぞれのモジュールやタスクは、図2記載のROM202に保存されたプログラムから構成されており、それらプログラムがCPU201で実行されることで実現される。
【0016】
OS2006は、各モジュールやタスクが図2記載のCPU201を占有するスケジュールを調整し、ソフトウェア2000全体の動作を管理する。UI2001は、DISPC207を介してDISPLAY206に対する画面描画や、PANELC205を介してPANEL206からの入力を受け付ける。Job Controller2002は、コピーやプリントといった要求を受け付け、要求に基づいた動作をするように、他モジュールと協調してMFP200を制御する。Protocol Stack2004は、TCP/IPをはじめ、XMPPやHTTPといったネットワークプロトコルの制御を行い、クラウドネットワーク500を介したMFP200とクラウドプリントサーバー100などとの通信を実現する。Cloud Print2003は、後述する印刷制御処理などを含むタスクである。NIC204を介して受け取ったJOB通知に応じて、後述するクラウドプリントのシーケンスを実行し、PRINTER211で印刷を行う。
【0017】
図3は、本発明が想定しているクラウドプリントのシーケンスの一例を示した図である。特に、実施例1は、Google(登録商標)が公開しているGoogle Cloud Printをベースにクラウドプリントのシーケンスを説明する。また、図4は、クラウドプリントにおいてセキュアジョブの印刷を実現するシーケンスの一例を示した図である。即ち、実施例1は、Google Cloud Printが想定していないセキュアプリントを実現するために、Google Cloud Printの仕様を変更することなく、あくまでその仕様に則ってセキュアプリントを実現するものである。
【0018】
さらに、図5は、本実施例における印刷制御の処理の流れを示したフローチャートである。同図の処理は、図10記載のCloud Print2003を構成するプログラムをCPUが実行することで実現される各種ユニットが実行する処理である。本願発明では、Job Controller2002により実行されることを想定している。以下、図3、図4、および、図5を用いて、本実施例の印刷の流れについて詳しく説明する。
【0019】
本発明が想定しているクラウドプリントでは、クラウドプリントサーバー100にプリンターの能力を事前に登録しなければならない。本実施例のMFP200は、ユーザーによる図10記載のUI2001の画面操作に従い、クラウドプリントサーバー100に対してプリンターの能力が記述されたデータを送る(図3の3001の処理)。プリンターの能力は、Extensible Markup Language(以下、XML)フォーマットで記述されている。プリンターの個々の能力を表すキーワードが予め定められており、そのキーワードを使って、サポートする用紙サイズ、両面印刷の有無、Nup機能の有無といった能力を登録することができる。加えて、プライベートなキーワードを定義することもできる。本実施例のMFP200は、PINコードを表すキーワードを定義し、PINコードを解釈する能力があることをクラウドプリントサーバー100に事前に登録する。ピンコードはPINコードに相当し、必ずしも数字列とは限らず、文字列や記号列、それらの組み合わせであっても良い。これにより、クラウドプリントサーバー100が提供する印刷設定画面にピンコードの項目が増えることになり、ピンコードをプリンター情報として登録させることが本願発明の特徴の1つと言える。
【0020】
ユーザーは、事前に登録されたプリンターに対して印刷を要求(図3記載の3002)することができる。印刷要求時に、ユーザーに対して表示されるPDA端末の画面の一例を図6に示す。通常の印刷要求ならば、ユーザーは、同図記載の6001で無効なPINコードとして、0を指定する。要求を受けたクラウドプリントサーバー100は、登録されたプリンターであるMFP200に対してJOBが投入されたことをXMPPで通知する(3003)。XMPPとは、Extensible Messaging and Presence Protocolのことである。JOBの通知は、図10記載のProtocol Stack2004を経由して、図5記載のステップS5−001で検出される。ステップS5−001でジョブ通知を検出するとステップS5−002に進む。なお、「セキュア印刷を有効にする」という項目を別途設け、その項目にチェックが入った時にピンコードを入力させる形態であっても良い。その場合、有効ピンコードであるか否かは、「セキュア印刷を有効にする」項目がチェックされたか否かの情報を基に判断しても良い。
【0021】
ステップS5−002では、JOB IDのリスト、即ちジョブリストのfetchが実行される。Fetchとは、ジョブリストをクラウドプリントサーバーから取得することを指す。このジョブリストには、少なくともジョブIDが含まれている。なお、ジョブリストにはジョブIDの他にも各ジョブのジョブデータ、およびジョブチケットの保存場所となるURLの情報も含まれており、このような情報をジョブ情報と呼ぶ。
【0022】
MFP200からクラウドプリントサーバー100に対してJOBのfetch要求が送信される(3004)。これを受けたクラウドプリントサーバー100は、n個のジョブIDを含むJOB IDのリスト、即ちジョブリストをMFP200に返す(3005)。通常、ひとつのジョブの印刷が要求された直後のJOB IDのリストには、3001で通知されたJOBのIDがひとつ(n=1)リストされる。後述するJOBの印刷処理中や、JOBの保留中に別のジョブの印刷が要求されたならば、JOB IDがひとつ以上(n>1)になることもある。ステップS5−002では、取得したJOB IDのリスト、即ちジョブリストが図2記載のRAM203に一時記憶される。
【0023】
ステップS5−003では、記憶したJOB IDリストが空か否かが判定される。もし空であればステップS5−001に戻る。逆に、記憶したJOB IDリストにひとつ以上のIDがリストされているならば、ステップS5−004に進む。ステップS5−004では、保留中のJOBがあるか否かが判定される。通常の印刷要求の直後であれば保留になっているJOBがまだひとつもないので、ステップS5−005に進む。
【0024】
ステップS5−005ではRAM203に記憶されているJOBの保留フラグがリセットされ、ステップS5−006ではインデックスiに1がセットされる。続けて、ステップS5−007では一時記憶したJOB IDリストに含まれているi番目のJOB IDのticketが取得される。ここで、MFP200はクラウドプリントサーバー100に対してi番目のJOB IDのticket要求をジョブリスト内のジョブチケットのURLを基に発行し(3006)、これに対してクラウドプリントサーバー100は指示されたJOB IDのticketを返す(3007)。ticketは、プリンターの能力と同様にXMLで記述されていて、キーワードもプリンターの能力と共通である。図6記載の6001で入力されたPINコードは、プライベートで定義されたキーワードを使って渡される。
【0025】
ステップS5−008では、取得したticketにセキュアプリントが行われる対象のジョブであることを示す有効なPINコードが含まれるか否かが判定される。通常の印刷ならば、無効なPINコードである0が指定されており、後述する保留フラグを有効化せずにステップS5−009へ進む。有効なPINコード、即ち有効ピンコードは図7が示す様な暗証コードであり、無効ピンコードを示す“0”ではない。なお、無効なピンコードを示す情報は必ずしも“0”である必要はない。また、有効ピンコードは、「セキュア印刷を有効にさせる」項目にチェックを入れたことでジョブチケットに含まれる情報も有効ピンコードの一種と言える。
【0026】
ステップS5−009は印刷処理のサブルーチンで、ステップS5−024、S5−025、S5−026が実行される。ステップS5−024では、MFP200はクラウドプリントサーバー100に対して、該JOB IDのJOBデータのdownloadが要求される(3008)。これを受けたクラウドプリントサーバー100は、MFP200にJOBデータを返す(3009)。ステップS5−025では、受信したJOBデータが印刷される(3010)。印刷が終了したらステップS5−026に進み、印刷が終了したJOBのdelete、即ちジョブの削除の指示がクラウドプリントサーバー100に要求され(3011)、印刷処理のサブルーチンが終了する。サブルーチンの処理が終了したら、ステップS5−011に進み、インデックスiが1つ加算されて、ステップS5−012に進む。S5−026でジョブを削除することで、これ以降に取得したジョブリストには削除したジョブが含まれないことになる。
【0027】
S5−012では、ステップS5−002で一時記憶したJOB IDリストに確認していないIDがあるか否かが判定される。もし、複数のJOB IDがリストされているならば、すべてのJOB IDの確認が完了するまで、ステップS5−007からステップS5−011までを繰り返し実行する。すべてのJOB IDの確認が完了したならば、ステップS5−002に戻る。もしひとつ(n=1)しかジョブがなかったならば、ステップS5−002に戻ることになり、再びジョブリストの取得が行われる。そして、新たな印刷要求がされていなければ、ステップS5−002では空のJOB IDリストが取得されるため、ステップS5−003を経て、ステップS5−001に戻る。
【0028】
一方、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在し、セキュアプリントが行われる場合、ユーザーは、同図記載の6001で0以外の有効なPINコードを指定する(4001)。図6は、PINコードに「1234」を入力した例を示している。要求を受けたクラウドプリントサーバー100は、図3記載の3003と同様に、登録されたプリンターであるMFP200に対してJOBが投入されたことを通知する(4002)。
【0029】
以降の一部の処理は、上述した処理と同様であり、ジョブの通知が図5記載のステップS5−001で検出された後ステップS5−002からステップS5−007まで実行される。これによって、JOB IDリストのfetch要求(4003)、JOB IDリストの返送(4004)、ticket要求(4005)、指示されたJOBのticketの返送(4006)が実行される。
【0030】
次に、ステップS5−008に進む。図6記載の6001のようにPINコードに「1234」が入力されていれば、取得したticketにはPINコードとして有効な「1234」が含まれているので、S5−010に進む。ステップS5−010では、JOB Controller2002は、RAM203に用意したJOBの保留フラグをセットしフラグ有効化を行い(4007)、前述と同様にステップS5−011およびステップS5−012を実行して、ステップS5−002に戻る。この時点で、保留フラグは有効となる。
【0031】
ステップS5−002では、保留したJOBがPDA端末等から削除されない限り、少なくとも保留にしたJOBのIDをひとつ含むJOB IDリストが取得かつ一時記憶される。よって、ステップS5−004まで進む。ここで、S5−002からS5−012が実行された後にS5−002に戻ってくることがお分かり頂けると思う。つまり、ジョブリストに含まれる各ジョブのピンコードの情報が検証された後、即ち、ジョブリストが取得されてから一定時間経過した後に再度ジョブリストの取得が行われる構成である。本願発明は、クラウドプリントサーバーの仕様を変えることなくセキュアプリントを実現するわけだが、一定間隔でジョブリストの取得が行われるので、取得が行われる各時点での最新のジョブ状況を把握し適正なセキュアプリントが実現できる。
【0032】
例えば、3つの保留ジョブがクラウドプリントサーバーで生成された後、1つの保留ジョブにキャンセル指示が出たとする。プリンターは保留フラグを有効にした後に再度ジョブリストを取得するであろう。このとき、保留フラグを基にセキュアプリントの処理に移るわけだが、最新のジョブリストを基に後述するピンコードの入力画面が表示されるのでジョブの最新状況に併せたセキュアプリントが実現されているのが本願発明の特徴である。また、先述した特徴の他にも、本願発明のプリンターは各ジョブのピンコードを記憶するのではなく、ジョブの保留フラグのみを記憶するのでメモリの使用量の削減も実現しているのも特徴である。即ち、両方の特徴を同時に実現できる有効な発明である。
【0033】
ステップS5−004では、ステップS5−010でセットされたJOBの保留フラグが検出され、ステップS5−013に遷移する。ステップS5−013では、Job Controller2002は、PINコードの入力を促す画面をDISPLAY208に表示する(4008)ように図10記載のUI2001に依頼する。本実施例におけるPINコードの入力を促す画面の一例を図8に示す。次に、ステップS5−014において、Job Controller2002は、ユーザーによってMFP200のPANEL206が操作されて、UI2001を経由してPINコードが入力されたか否かを確認する。もし入力されているならばステップS5−015に進み、そうでなければステップS5−005に戻る。本実施例におけるPINコードの入力画面の一例を図7に示す。
【0034】
ステップS5−015からステップS5−017は、ステップS5−005からステップS5−007までと同じ処理である。続いてステップS5−018において、Job Controller2002は、要求に応じて入力されたPINコードと、ステップS5−017で取得したj番目のJOB IDのticketに含まれる有効ピンコードであるPINコードとを比較する。もし、取得したticketに有効なPINコードが含まれないならば、ステップS5−021にスキップする。即ち、クラウドプリントサーバーからジョブを取得することなく、印刷を行わないように制御される。もし、2つのPINコードが一致するならば、ステップS5−019に進み、j番目のJOBの印刷処理を実行するためクラウドプリントサーバーからジョブを取得する。ジョブの取得の際は、取得ジョブに関連するジョブデータのURLをジョブリスト内から特定し、特定されたジョブデータのURLを基に取得が行われる。もし、2つのPINコードが一致しないならば、ステップS5−020に進み、RAM203に用意したJOBの保留フラグをセットする。
【0035】
ステップS5−021では、Job Controller2002はインデックスjを1加算して、ステップS5−022に進む。S5−022では、ステップS5−012と全く同じ処理が実行される。すなわち、ステップS5−022の判定処理により、すべてのJOB IDの確認が完了するまで、ステップS5−017からステップS5−021が繰り返し実行される。これによって、入力されたPINコードと同じPINコードをticketに含むJOBは、ステップS5−019ですべて印刷されることになる。すべてのJOB IDの確認が完了したら、ステップS5−023に進む。ステップS5−023では、Job Controller2002は入力されたPINコードが不要になるのでこれを破棄し、ステップS5−002に戻る。
【0036】
先にも触れたように、JOBの印刷処理中や、JOBの保留中に別のジョブの印刷が要求されたならば、fetchによって取得されるJOB IDリストのIDが増加することがある。逆に、保留中のJOBがPDA端末からキャンセルされて、fetchによって取得されるJOB IDリストのIDが減少することもある。しかし、JOB IDリストのIDが増減しても、本実施例ではステップS5−002を定期的に実行するように構成しているため、クラウドプリントサーバー100とMFP200との間の相違が解消される。ステップS5−002で取得かつ一時記憶したJOB IDリストが減少した一例を図9に示す。9001は、4つのJOB IDのJOBが保留になって一時記憶されている例である。これに対して、9002は、IDが「263539286」のJOBがキャンセルされ、一時記憶から消滅した例を示している。
【0037】
以上のように構成することによって、本実施例のMFP200は、本願発明が想定するプリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーのプロトコルを変更することなく、クラウドプリントにおいてもセキュアプリントを実現することが可能になる。また、JOB IDを一時記憶するだけなので、先行技術に比べて少ないメモリでセキュアプリントを実現することができる。
【0038】
[その他の実施の形態]
第1の実施形態では、画像形成装置としてMFP200を例に説明した。しかしながら、本発明はMFPに限定されるものではない。図2記載のSCANNER212を持たないいわゆるSFPであっても同様な効果が得られる。プリンターとは、これらの装置の何れか1つに相当する。
【0039】
また、第1の実施形態では、ステップS5−008で、無条件にticketを取得するように構成した。このままでも、所期の目的は達成できる。しかし、ticketを取得するためのネットワークトラフィックを鑑みると、取得の回数を減らすステップがあるほうが望ましい。例えば、ステップS5−002で、直前に一時記憶したJOB IDリストと、取得したJOB IDリストとを比較し、2つが一致するか否かを保持しておく。その後、ステップS5−005の直前で、2つが一致したときだけステップS5−006に進み、そうでなければステップS5−002に戻るように構成すれば、ネットワークトラフィックを減らすことが可能である。
【0040】
また、第1の実施形態では、ステップS5−018において、取得したticketに有効なPINコードが含まれないならば、ステップS5−021にスキップするように構成した。このように構成することによって、PINコードが入力されたときは、PINコードが一致したJOBだけが印刷されるようになる。しかしながら、印刷結果にセキュアプリントが指示されていないものが混在する可能性は生まれるが、有効なPINコードが含まれないときにステップS5−019を実行するように構成しても、所期の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0041】
100 クラウドプリントサーバー
200 MFP
300 PDA端末
400 無線ネットワークルーター
500 クラウドネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターであって、
前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得手段と、
取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にするフラグ有効化手段と、
前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する要求手段と、
前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得するセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御する制御手段と、を有するプリンター。
【請求項2】
前記制御手段は、前記要求に応じて入力されたピンコードと、前記有効ピンコードとが一致する場合は、前記クラウドプリントサーバーからジョブを取得し印刷し、一致しない場合は、前記クラウドプリントサーバーからジョブを取得せず印刷を行わないように制御することを特徴とする請求項1に記載のプリンター。
【請求項3】
前記取得手段によりジョブリストが取得された後に、ユーザーが前記クラウドプリントサーバーにセキュアプリントの対象となるジョブに対し削除の指示を出し、該ジョブが削除された場合であって、
前記ジョブリストが再び取得された際にセキュアプリントの対象となるジョブのジョブ情報が含まれていないジョブリストが取得され、前記フラグ有効化手段により保留フラグが有効とされている場合には、前記要求手段はピンコードの入力を要求せず、前記制御手段はジョブの印刷を行うことなく、前記判定手段による判定処理を再び行うことを特徴とする請求項1または2に記載のプリンター。
【請求項4】
前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、前記クラウドプリントサーバーから前記ジョブリストに含まれるジョブ情報に関連するジョブを取得し、前記ピンコードの入力を要求することなく取得されたジョブの印刷を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプリンター。
【請求項5】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターであって、
プリンター情報としてピンコードの項目が登録された前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得し、取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基にジョブチケットと、ジョブデータとを取得する取得手段と、
取得された前記ジョブチケットにセキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効なピンコードが含まれているか否かを判定する判定手段と、
判定の結果、前記ジョブチケットにセキュアプリントの対象となるジョブであることを示す情報が含まれていないと判定された場合はピンコードの入力を要求することなく前記ジョブデータの印刷を行い、前記ジョブチケットにセキュアプリントの対象となるジョブであることを示す情報が含まれていると判定された場合はピンコードの入力を要求し、入力されたピンコードに応じて前記ジョブデータの印刷を行う制御手段と、を有するプリンター
【請求項6】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターを制御する制御方法であって、
取得手段は、前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得し、
判定手段は、取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定し、
フラグ有効化手段は、前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にし、
要求手段は、前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求し、
制御手段は、前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得したセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターを制御するためのプログラムであって、
前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得工程と、
取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定する判定工程と、
前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にするフラグ有効化工程と、
前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得工程においてジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する要求工程と、
前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得したセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御する制御工程と、を有するプリンターを制御するためのプログラム。
【請求項1】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターであって、
前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得手段と、
取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にするフラグ有効化手段と、
前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する要求手段と、
前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得するセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御する制御手段と、を有するプリンター。
【請求項2】
前記制御手段は、前記要求に応じて入力されたピンコードと、前記有効ピンコードとが一致する場合は、前記クラウドプリントサーバーからジョブを取得し印刷し、一致しない場合は、前記クラウドプリントサーバーからジョブを取得せず印刷を行わないように制御することを特徴とする請求項1に記載のプリンター。
【請求項3】
前記取得手段によりジョブリストが取得された後に、ユーザーが前記クラウドプリントサーバーにセキュアプリントの対象となるジョブに対し削除の指示を出し、該ジョブが削除された場合であって、
前記ジョブリストが再び取得された際にセキュアプリントの対象となるジョブのジョブ情報が含まれていないジョブリストが取得され、前記フラグ有効化手段により保留フラグが有効とされている場合には、前記要求手段はピンコードの入力を要求せず、前記制御手段はジョブの印刷を行うことなく、前記判定手段による判定処理を再び行うことを特徴とする請求項1または2に記載のプリンター。
【請求項4】
前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、前記クラウドプリントサーバーから前記ジョブリストに含まれるジョブ情報に関連するジョブを取得し、前記ピンコードの入力を要求することなく取得されたジョブの印刷を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプリンター。
【請求項5】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターであって、
プリンター情報としてピンコードの項目が登録された前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得し、取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基にジョブチケットと、ジョブデータとを取得する取得手段と、
取得された前記ジョブチケットにセキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効なピンコードが含まれているか否かを判定する判定手段と、
判定の結果、前記ジョブチケットにセキュアプリントの対象となるジョブであることを示す情報が含まれていないと判定された場合はピンコードの入力を要求することなく前記ジョブデータの印刷を行い、前記ジョブチケットにセキュアプリントの対象となるジョブであることを示す情報が含まれていると判定された場合はピンコードの入力を要求し、入力されたピンコードに応じて前記ジョブデータの印刷を行う制御手段と、を有するプリンター
【請求項6】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターを制御する制御方法であって、
取得手段は、前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得し、
判定手段は、取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定し、
フラグ有効化手段は、前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にし、
要求手段は、前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得手段によりジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求し、
制御手段は、前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得したセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
プリントサービスを提供するクラウドプリントサーバーと連携し印刷を行うことが可能なプリンターを制御するためのプログラムであって、
前記クラウドプリントサーバーからジョブリストを取得する取得工程と、
取得された前記ジョブリストに含まれるジョブ情報を基に、セキュアプリントの対象となるジョブであることを示す有効ピンコードを含むジョブが存在する否かを判定する判定工程と、
前記判定の結果、存在しないと判定された場合は保留フラグを有効とせず、存在すると判定された場合は保留フラグを有効にするフラグ有効化工程と、
前記有効ピンコードを含むジョブが存在するか否かの判定が行われた後で前記取得工程においてジョブリストが再び取得された際に、前記保留フラグが有効とされている場合には、ピンコードの入力を要求する要求工程と、
前記要求に応じて入力されたピンコードを基に、前記クラウドプリントサーバーから取得したセキュアプリントの対象となるジョブの印刷を制御する制御工程と、を有するプリンターを制御するためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−92886(P2013−92886A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234199(P2011−234199)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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