プリンタードライバー
【課題】 画像において画素の色を調整する範囲をコンピューターの利用者に指定させることができるプリンタードライバーを提供する。
【解決手段】 プリンタードライバーは、画像における基準点22gの指定を受け付けるステップと、基準点22gを画像において囲む範囲である画像上第1範囲22hの指定を受け付けるステップと、画像上第1範囲22hを画像において囲む範囲であって画像上第1範囲22hを除く範囲である画像上第2範囲22iの指定を受け付けるステップと、画像における画素の色を調整する画素色調整ステップとをPCに実行させ、画素色調整ステップは、画像上第1範囲22h内の画素の色を基準色から候補色への色の調整量によって調整し、画像上第2範囲22i内の画素の色を、画像上第1範囲22h側から画像上第1範囲22hとは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とする。
【解決手段】 プリンタードライバーは、画像における基準点22gの指定を受け付けるステップと、基準点22gを画像において囲む範囲である画像上第1範囲22hの指定を受け付けるステップと、画像上第1範囲22hを画像において囲む範囲であって画像上第1範囲22hを除く範囲である画像上第2範囲22iの指定を受け付けるステップと、画像における画素の色を調整する画素色調整ステップとをPCに実行させ、画素色調整ステップは、画像上第1範囲22h内の画素の色を基準色から候補色への色の調整量によって調整し、画像上第2範囲22i内の画素の色を、画像上第1範囲22h側から画像上第1範囲22hとは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を制御するためのプリンタードライバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像における画素の色を調整する技術として、利用者の指示に応じて色空間上の色を調整することによって、画像における画素の色を調整する技術が知られている(例えば特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−143077号公報
【特許文献2】特許第4438741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、画像において利用者が意図していない範囲の画素の色まで調整されてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、画像において画素の色を調整する範囲をコンピューターの利用者に指定させることができるプリンタードライバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリンタードライバーは、調整対象の基準色の指定を受け付ける基準色受付ステップと、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色に対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の前記基準色の候補である候補色を画像形成装置に複数種類印刷させる候補色印刷ステップと、前記候補色印刷ステップによって印刷された複数種類の前記候補色から1つの候補色の指定を受け付ける候補色受付ステップと、前記画像における基準点の指定を受け付ける基準点受付ステップと、前記基準点受付ステップによって受け付けられた前記基準点を前記画像において囲む範囲である画像上第1範囲の指定を受け付ける画像上第1範囲受付ステップと、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲を前記画像において囲む範囲であって前記画像上第1範囲を除く範囲である画像上第2範囲の指定を受け付ける画像上第2範囲受付ステップと、前記画像における画素の色を調整する画素色調整ステップとをコンピューターに実行させ、前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、画像上第1範囲および画像上第2範囲の指定を受け付けて、画像上第1範囲内および画像上第2範囲内の画素の色を調整するので、画像において画素の色を調整する範囲を利用者に指定させることができる。特に、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、基準色から候補色への色の調整量によって画素の色を調整する画像上第1範囲の指定を受け付けるだけではなく、画像上第1範囲側から画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように画素の色を調整する画像上第2範囲の指定も受け付けるので、画像における範囲であって基準色から候補色への色の調整量によって画素の色を調整する範囲のみの指定を受け付ける構成と比較して、画素の色を調整する範囲の内外で画像における色が不自然に変化する可能性を抑えることができる。
【0008】
また、本発明のプリンタードライバーは、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色を色空間において囲む範囲である色空間上範囲の指定を受け付ける色空間上範囲受付ステップを前記コンピューターに実行させ、前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであっても良い。
【0009】
この構成により、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、画像における範囲だけでなく、色空間における範囲によっても、色を調整する画素を指定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のプリンタードライバーは、画像において画素の色を調整する範囲をコンピューターの利用者に指定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
【図2】図1に示すPCのブロック図である。
【図3】図2に示す基準色および色空間上範囲の説明図である。
【図4】図2に示す基準点、画像上第1範囲および画像上第2範囲の説明図である。
【図5】図1に示すMFPのブロック図である。
【図6】部分色調整を実行する場合の図1に示すPCの動作のフローチャートである
【図7】図6に示す初期処理のフローチャートである。
【図8】図6に示す部分色調整第1画面表示処理のフローチャートである。
【図9】図2に示す表示部に表示される部分色調整第1画面を示す図である。
【図10】図6に示す基準色受付処理のフローチャートである。
【図11】図6に示す色空間上範囲受付処理のフローチャートである。
【図12】図6に示す基準点受付処理のフローチャートである。
【図13】図6に示す画像上第1範囲受付処理のフローチャートである。
【図14】図6に示す画像上第2範囲受付処理のフローチャートである。
【図15】図6に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図16】図15に示す部分色調整第2画面表示処理のフローチャートである。
【図17】図2に示す表示部に表示される部分色調整第2画面を示す図である。
【図18】図15に示すテスト印刷処理のフローチャートである。
【図19】(a)色相、彩度および明度のうち1つのパラメーターで候補色が生成された場合の図1に示すMFPによって印刷されるパッチの例を示す図である。(b)色相、彩度および明度のうち2つのパラメーターで候補色が生成された場合の図1に示すMFPによって印刷されるパッチの例を示す図である。
【図20】図15に示す追加パラメーターテスト印刷処理のフローチャートである。
【図21】図15に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理のフローチャートである。
【図22】図15に示す色調整処理のフローチャートである。
【図23】図22に示す色調整処理において算出される画素毎調整量の説明のための図である。
【図24】図22に示す色調整処理において画素に適用される調整量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成システム10は、コンピューターとしてのPC(Personal Computer)20と、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)40とを備えている。PC20およびMFP40は、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11経由で互いに通信可能に接続されている。
【0016】
図2は、PC20のブロック図である。
【0017】
図2に示すように、PC20は、PC20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるキーボード、マウスなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、ネットワーク11経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部25とを備えている。
【0018】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0019】
記憶部22は、MFP40を制御するためのプリンタードライバー22aを記憶している。また、記憶部22は、画像の各画素の座標データ22bと、その画像の各画素のRGBデータ22cとを含んでいる画像データ22dが記憶されることが可能である。また、記憶部22は、調整対象の基準色22eと、基準色22eをLab色空間において囲む範囲である色空間上範囲22fと、画像における基準点22gと、基準点22gを画像において囲む範囲である画像上第1範囲22hと、画像上第1範囲22hを画像において囲む範囲であって画像上第1範囲22hを除く範囲である画像上第2範囲22iと、RGBデータ22cのRGB値をLab値に変換したLabデータ22jと、基準色22eに対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色のパッチの印刷のための情報である第1パッチ情報22kおよび第2パッチ情報22lとが記憶されることが可能である。座標データ22b、基準点22g、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iは、画像上の座標によって表されている。RGBデータ22cは、RGB値で表されている。基準色22e、色空間上範囲22fおよびLabデータ22jは、Lab値で表されている。
【0020】
プリンタードライバー22aは、PC20の製造段階でPC20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク11上からPC20に追加でインストールされても良い。
【0021】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプリンタードライバー22aを実行することによって、調整対象の基準色の指定を受け付ける基準色受付部21a、基準色受付部21aによって受け付けられた基準色に対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色をMFP40に複数種類印刷させる候補色印刷部21b、候補色印刷部21bによって印刷された複数種類の候補色から1つの候補色の指定を受け付ける候補色受付部21c、画像における基準点の指定を受け付ける基準点受付部21d、基準点受付部21dによって受け付けられた基準点を画像において囲む範囲である画像上第1範囲の指定を受け付ける画像上第1範囲受付部21e、画像上第1範囲受付部21eによって受け付けられた画像上第1範囲を画像において囲む範囲であって画像上第1範囲を除く範囲である画像上第2範囲の指定を受け付ける画像上第2範囲受付部21f、画像における画素の色を調整する画素色調整部21g、および、基準色受付部21aによって受け付けられた基準色をLab色空間において囲む範囲である色空間上範囲の指定を受け付ける色空間上範囲受付部21hとして機能する。
【0022】
図3は、基準色22eおよび色空間上範囲22fの説明図である。
【0023】
図3に示すように、色空間上範囲22fは、Lab色空間において基準色22eを含む範囲である。色空間上範囲22fは、次の数1で示すことができる。数1において、ΔEは、後述する色空間上範囲指定スライダー54eによって指定されることができる色差である。L1、C1、H1は、それぞれLab色空間における基準色22eの明度、彩度、色相である。L2、C2、H2は、それぞれLab色空間における色空間上範囲22fの境界を形成する画素の明度、彩度、色相である。
【数1】
【0024】
図4は、基準点22g、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iの説明図である。
【0025】
図4に示すように、画像上第1範囲22hは、画像において、半径が所定の距離であって基準点22gを中心とした円によって囲まれた範囲である。画像上第2範囲22iは、画像において、半径が画像上第1範囲22hの半径より長い所定の距離であって基準点22gを中心とした円によって囲まれた範囲のうち、画像上第1範囲22hを除いた範囲である。画像上第1範囲22hは、次の数2で示すことができる。数2において、lは、後述する画像上第1範囲指定スライダー55bによって指定されることができる値であり、画像において画像上第1範囲22hの境界を形成する円の半径である。x1、y1は、それぞれ画像のxy平面上における基準点22gのx座標、y座標である。x2、y2は、それぞれ画像のxy平面上における画像上第1範囲22hの境界を形成する画素のx座標、y座標である。画像上第1範囲22hについて説明したが、画像上第2範囲22iについても同様である。
【数2】
【0026】
図5は、MFP40のブロック図である。
【0027】
図5に示すように、MFP40は、MFP40全体を制御する制御部41と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDDなどの記憶デバイスである記憶部42と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部43と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部44と、用紙に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター45と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー46と、公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部47と、ネットワーク11経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部48とを備えている。
【0028】
制御部41は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部42に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0029】
次に、PC20の動作について説明する。
【0030】
PC20の制御部21は、プリンタードライバー22aを実行することによって、利用者からの指示に応じて画像をMFP40に印刷させることができる。そして、MFP40によって用紙に印刷された画像を見た利用者は、例えば、画像の少なくとも一部分の色を変更して再度画像をMFP40に印刷させることを希望する場合がある。制御部21は、画像の少なくとも一部分の色の調整(以下「部分色調整」という。)の指示が操作部23から入力されると、プリンタードライバー22aを実行することによって、図6に示す処理を開始する。なお、部分色調整の指示には、部分色調整の対象の画像データとして、記憶部22上の画像データ22dの指定も含まれている。
【0031】
図6は、部分色調整を実行する場合のPC20の動作のフローチャートである。
【0032】
図6に示すように、PC20の制御部21は、図7に示す初期処理を実行する(S101)。
【0033】
図7は、図6に示す初期処理のフローチャートである。
【0034】
図7に示すように、制御部21は、デフォルトの基準色、色空間上範囲、基準点、画像上第1範囲および画像上第2範囲を、基準色22e、色空間上範囲22f、基準点22g、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iとしてそれぞれ記憶部22に書き込む(S121)。
【0035】
次いで、制御部21は、部分色調整の対象の画像データとして指定された画像データ22dのRGBデータ22cのRGB値をLab値に変換したLabデータを生成する(S122)。
【0036】
次いで、制御部21は、S122において生成したLabデータをLabデータ22jとして記憶部22に書き込む(S123)。
【0037】
制御部21は、S123の処理を終了すると、図7に示す初期処理を終了する。
【0038】
図6に示すように、制御部21は、S101の初期処理を終了すると、図8に示す部分色調整第1画面表示処理を実行する(S102)。
【0039】
図8は、図6に示す部分色調整第1画面表示処理のフローチャートである。
【0040】
図8に示すように、制御部21は、部分色調整を実行するための画面である図9に示す部分色調整第1画面50を表示部24に表示させる(S141)。
【0041】
図9は、表示部24に表示される部分色調整第1画面50を示す図である。
【0042】
図9において、部分色調整第1画面50は、色の調整対象の画像を色の調整前の状態で表示するための調整前画像プレビュー領域51と、色の調整対象の画像のうち色の調整対象の画素を表示するための調整対象画素表示領域52と、調整対象の基準色を表示するための基準色表示領域53と、調整対象の色を指定するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する調整対象色指定GUI領域54と、色の調整対象の画像のうち色の調整対象の範囲を指定するためのGUIを表示する調整対象範囲指定GUI領域55と、色の調整対象の画素の指定を了承するためのボタンである次へボタン56と、部分色調整の実行を中止するためのボタンであるキャンセルボタン57とを含んでいる。
【0043】
調整対象色指定GUI領域54は、調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で調整対象の基準色を直接指定するためのカーソルである基準色指定カーソルを出現させるためのアイコンである基準色指定カーソル用アイコン54aと、R値の直接の入力によって調整対象の基準色のR値を指定するためのスピンボックスであるR値スピンボックス54bと、G値の直接の入力によって調整対象の基準色のG値を指定するためのスピンボックスであるG値スピンボックス54cと、B値の直接の入力によって調整対象の基準色のB値を指定するためのスピンボックスであるB値スピンボックス54dと、調整対象の色の範囲である色空間上範囲を指定するためのスライダーである色空間上範囲指定スライダー54eとを含んでいる。色空間上範囲指定スライダー54eは、Lab空間において色空間上範囲の境界を決める色差ΔEを指定するためのGUIである。
【0044】
調整対象範囲指定GUI領域55は、調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で基準点を直接指定するためのカーソルである基準点指定カーソルを出現させるためのアイコンである基準点指定カーソル用アイコン55aと、画像上第1範囲を指定するためのスライダーである画像上第1範囲指定スライダー55bと、画像上第2範囲を指定するためのスライダーである画像上第2範囲指定スライダー55cとを含んでいる。画像上第1範囲指定スライダー55bは、画像において画像上第1範囲22h(図4参照。)の境界を形成する円の半径を指定するためのGUIである。画像上第2範囲指定スライダー55cは、画像において画像上第2範囲22i(図4参照。)の境界のうち画像上第1範囲22hの境界とは異なる境界を形成する円の半径を指定するためのGUIである。
【0045】
図8に示すように、制御部21は、S141を実行した後、画像データ22dに基づいて、調整前画像プレビュー領域51および調整対象画素表示領域52への表示用のプレビュー画像を生成する(S142)。
【0046】
次いで、制御部21は、S142において生成したプレビュー画像を調整前画像プレビュー領域51および調整対象画素表示領域52の両方に表示する(S143)。
【0047】
次いで、制御部21は、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iを調整対象画素表示領域52に表示する(S144)。なお、図9に示す調整対象画素表示領域52においては、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iは、画像上第1範囲22hの境界を形成する円と、画像上第2範囲22iの境界のうち画像上第1範囲22hの境界とは異なる境界を形成する円とが破線で示されることによって表示されている。
【0048】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S145)。ここで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち色空間上範囲22f内の画素を、Labデータ22jおよび色空間上範囲22fに基づいて検出することができる。また、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち画像上第1範囲22h内の画素を、画像データ22dの座標データ22bと、画像上第1範囲22hとに基づいて検出することができる。また、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち画像上第2範囲22i内の画素を、座標データ22bと、画像上第2範囲22iとに基づいて検出することができる。
【0049】
次いで、制御部21は、S145において検出した画素を調整対象画素表示領域52に表示する(S146)。なお、図9に示す調整対象画素表示領域52においては、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素は、ハッチングで示されている。
【0050】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている基準色22eで基準色表示領域53を塗り潰すことによって、基準色表示領域53に基準色22eを表示する(S147)。
【0051】
次いで、制御部21は、基準色22eに基づいて、R値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dの表示を変更する(S148)。
【0052】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22fに基づいて、色空間上範囲指定スライダー54eの表示を変更する(S149)。
【0053】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hに基づいて、画像上第1範囲指定スライダー55bの表示を変更する(S150)。
【0054】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている画像上第2範囲22iに基づいて、画像上第2範囲指定スライダー55cの表示を変更する(S151)。
【0055】
制御部21は、S151の処理を終了すると、図8に示す部分色調整第1画面表示処理を終了する。
【0056】
図6に示すように、制御部21は、S102の部分色調整第1画面表示処理を終了すると、操作部23を介して基準色の変更が指示されたか否かを判断する(S103)。ここで、基準色の変更の方法は、基準色指定カーソル用アイコン54aが押されることによって出現された基準色指定カーソルによって調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で画素が指定されることによって、その画素の色が基準色として指定される方法と、R値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dに基準色のRGB値が直接入力されることによって、基準色が指定される方法とがある。なお、制御部21は、基準色指定カーソルによって基準色が指定された場合、基準色指定カーソルによって指定された基準色のRGB値をR値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dに入力する。
【0057】
制御部21は、操作部23を介して基準色の変更が指示されたとS103において判断すると、図10に示す基準色受付処理を実行する(S104)。
【0058】
図10は、図6に示す基準色受付処理のフローチャートである。
【0059】
図10に示すように、制御部21の基準色受付部21aは、基準色指定カーソルと、R値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dとの何れかによる変更の指示によって指定された基準色のRGB値をLab値に変換する(S161)。
【0060】
次いで、基準色受付部21aは、Lab値に変換した基準色を、新たな基準色22eとして記憶部22に書き込む(S162)。
【0061】
次いで、制御部21の色空間上範囲受付部21hは、基準色22eと、色空間上範囲指定スライダー54eによって現在指定されているLab空間上の距離とに基づいて、新たな色空間上範囲を算出する(S163)。
【0062】
次いで、色空間上範囲受付部21hは、S163において算出した色空間上範囲を、新たな色空間上範囲22fとして記憶部22に書き込む(S164)。
【0063】
次いで、制御部21は、基準色表示領域53を基準色22eで塗り潰すことによって、基準色表示領域53に基準色22eを表示する(S165)。
【0064】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S166)。
【0065】
次いで、制御部21は、S166において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S167)。
【0066】
制御部21は、S167の処理を終了すると、図10に示す基準色受付処理を終了する。
【0067】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して基準色の変更が指示されていないとS103において判断するか、S104の基準色受付処理を終了すると、操作部23を介して色空間上範囲の変更が指示されたか否かを判断する(S105)。ここで、色空間上範囲の変更は、色空間上範囲指定スライダー54eが操作されることによって実行される。
【0068】
制御部21は、操作部23を介して色空間上範囲の変更が指示されたとS105において判断すると、図11に示す色空間上範囲受付処理を実行する(S106)。
【0069】
図11は、図6に示す色空間上範囲受付処理のフローチャートである。
【0070】
図11に示すように、制御部21の色空間上範囲受付部21hは、記憶部22に記憶されている基準色22eと、色空間上範囲指定スライダー54eによって現在指定されているLab空間上の距離とに基づいて、新たな色空間上範囲を算出する(S181)。
【0071】
次いで、色空間上範囲受付部21hは、S181において算出した色空間上範囲を、新たな色空間上範囲22fとして記憶部22に書き込む(S182)。
【0072】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S183)。
【0073】
次いで、制御部21は、S183において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S184)。
【0074】
制御部21は、S184の処理を終了すると、図11に示す色空間上範囲受付処理を終了する。
【0075】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して色空間上範囲の変更が指示されていないとS105において判断するか、S106の色空間上範囲受付処理を終了すると、操作部23を介して基準点の変更が指示されたか否かを判断する(S107)。ここで、基準点の変更は、基準点指定カーソル用アイコン55aが押されることによって出現された基準点指定カーソルによって、調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で基準点が指定されることによって実行される。
【0076】
制御部21は、操作部23を介して基準点の変更が指示されたとS107において判断すると、図12に示す基準点受付処理を実行する(S108)。
【0077】
図12は、図6に示す基準点受付処理のフローチャートである。
【0078】
図12に示すように、制御部21の基準点受付部21dは、基準点指定カーソルによる変更の指示によって指定された基準点を、新たな基準点22gとして記憶部22に書き込む(S201)。
【0079】
次いで、制御部21の画像上第1範囲受付部21eは、基準点22gと、画像上第1範囲指定スライダー55bによって現在指定されている画像上の距離とに基づいて、新たな画像上第1範囲を算出する(S202)。
【0080】
次いで、画像上第1範囲受付部21eは、S202において算出した画像上第1範囲を、新たな画像上第1範囲22hとして記憶部22に書き込む(S203)。
【0081】
次いで、制御部21の画像上第2範囲受付部21fは、基準点22gと、画像上第2範囲指定スライダー55cによって現在指定されている画像上の距離とに基づいて、新たな画像上第2範囲を算出する(S204)。
【0082】
次いで、画像上第2範囲受付部21fは、S204において算出した画像上第2範囲を、新たな画像上第2範囲22iとして記憶部22に書き込む(S205)。
【0083】
次いで、制御部21は、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iをS144の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S206)。
【0084】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S207)。
【0085】
次いで、制御部21は、S207において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S208)。
【0086】
制御部21は、S208の処理を終了すると、図12に示す基準点受付処理を終了する。
【0087】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して基準点の変更が指示されていないとS107において判断するか、S108の基準点受付処理を終了すると、操作部23を介して画像上第1範囲の変更が指示されたか否かを判断する(S109)。ここで、画像上第1範囲の変更は、画像上第1範囲指定スライダー55bが操作されることによって実行される。
【0088】
制御部21は、操作部23を介して画像上第1範囲の変更が指示されたとS109において判断すると、図13に示す画像上第1範囲受付処理を実行する(S110)。
【0089】
図13は、図6に示す画像上第1範囲受付処理のフローチャートである。
【0090】
図13に示すように、制御部21の画像上第1範囲受付部21eは、記憶部22に記憶されている基準点22gと、画像上第1範囲指定スライダー55bによって現在指定されている画像上の距離とに基づいて、新たな画像上第1範囲を算出する(S221)。
【0091】
次いで、画像上第1範囲受付部21eは、S221において算出した画像上第1範囲を、新たな画像上第1範囲22hとして記憶部22に書き込む(S222)。
【0092】
次いで、制御部21は、画像上第1範囲22hをS144の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S223)。
【0093】
制御部21は、S223の処理を終了すると、図13に示す画像上第1範囲受付処理を終了する。
【0094】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して画像上第1範囲の変更が指示されていないとS109において判断するか、S110の画像上第1範囲受付処理を終了すると、操作部23を介して画像上第2範囲の変更が指示されたか否かを判断する(S111)。ここで、画像上第2範囲の変更は、画像上第2範囲指定スライダー55cが操作されることによって実行される。
【0095】
制御部21は、操作部23を介して画像上第2範囲の変更が指示されたとS111において判断すると、図14に示す画像上第2範囲受付処理を実行する(S112)。
【0096】
図14は、図6に示す画像上第2範囲受付処理のフローチャートである。
【0097】
図14に示すように、制御部21の画像上第2範囲受付部21fは、記憶部22に記憶されている基準点22gと、画像上第2範囲指定スライダー55cによって現在指定されている画像上の距離と、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hとに基づいて、新たな画像上第2範囲を算出する(S241)。
【0098】
次いで、画像上第2範囲受付部21fは、S241において算出した画像上第2範囲を、新たな画像上第2範囲22iとして記憶部22に書き込む(S242)。
【0099】
次いで、制御部21は、画像上第2範囲22iをS144の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S243)。
【0100】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S244)。
【0101】
次いで、制御部21は、S244において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S245)。
【0102】
制御部21は、S245の処理を終了すると、図14に示す画像上第2範囲受付処理を終了する。
【0103】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して画像上第2範囲の変更が指示されていないとS111において判断するか、S112の画像上第2範囲受付処理を終了すると、操作部23を介して次へボタン56が押されたか否かを判断する(S113)。
【0104】
制御部21は、操作部23を介して次へボタン56が押されていないとS113において判断すると、操作部23を介してキャンセルボタン57が押されたか否かを判断する(S114)。
【0105】
制御部21は、操作部23を介してキャンセルボタン57が押されていないとS114において判断すると、再びS103の処理に戻る。
【0106】
一方、制御部21は、操作部23を介してキャンセルボタン57が押されたとS114において判断すると、表示部24における部分色調整第1画面50の表示を終了する(S115)。
【0107】
次いで、制御部21は、不要な情報を記憶部22から削除する(S116)。ここで、不要な情報には、基準色22e、色空間上範囲22f、基準点22g、画像上第1範囲22h、画像上第2範囲22iおよびLabデータ22jが含まれる。
【0108】
制御部21は、S116の処理を終了すると、図6に示す処理を終了する。
【0109】
制御部21は、操作部23を介して次へボタン56が押されたとS113において判断すると、表示部24における部分色調整第1画面50の表示を終了する(S117)。
【0110】
図15は、図6に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0111】
制御部21は、図6に示すS117の処理を終了すると、図15に示すように、図16に示す部分色調整第2画面表示処理を実行する(S261)。
【0112】
図16は、図15に示す部分色調整第2画面表示処理のフローチャートである。
【0113】
図16に示すように、制御部21は、部分色調整を実行するための画面である図17に示す部分色調整第2画面60を表示部24に表示させる(S281)。
【0114】
図17は、表示部24に表示される部分色調整第2画面60を示す図である。
【0115】
図17において、部分色調整第2画面60は、色の調整後の基準色の候補である候補色を指定するためのGUIを表示する候補色指定GUI第1領域61と、追加のパラメーターによって生成された候補色を指定するためのGUIを表示する候補色指定GUI第2領域62と、部分色調整第1画面50に戻るためのボタンである戻るボタン63と、部分色調整を実行するためのボタンである調整実行ボタン64とを含んでいる。
【0116】
候補色指定GUI第1領域61は、色の調整用のパラメーターとして色相を指定するためのチェックボックスである色相チェックボックス61aと、色の調整用のパラメーターとして彩度を指定するためのチェックボックスである彩度チェックボックス61bと、色の調整用のパラメーターとして明度を指定するためのチェックボックスである明度チェックボックス61cと、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて指定されたパラメーター(以下「選択パラメーター」という。)によって生成された候補色のパッチ(以下「選択パラメーターパッチ」という。)を印刷するためのボタンであるテスト印刷ボタン61dと、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて指定されなかったパラメーター(以下「追加パラメーター」という。)によって生成された候補色のパッチ(以下「追加パラメーターパッチ」という。)を印刷するためのボタンである追加パラメーターテスト印刷ボタン61eと、選択パラメーターパッチのうち所望の候補色の縦の位置を指定するためのスピンボックスである選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fと、選択パラメーターパッチのうち所望の候補色の横の位置を指定するためのスピンボックスである選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gとを含んでいる。なお、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cは、全てのチェックボックスの選択が解除されることと、全てのチェックボックスが選択されることとができないようになっている。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cは、何れか1つのみ、または、何れか2つのみが選択されている状態のみを採ることができる。
【0117】
候補色指定GUI第2領域62は、追加パラメーターによって生成された候補色の指定を中止するためのボタンであるキャンセルボタン62aと、追加パラメーターパッチのうち所望の候補色の縦の位置を指定するためのスピンボックスである追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62bと、追加パラメーターパッチのうち所望の候補色の横の位置を指定するためのスピンボックスである追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62cとを含んでいる。
【0118】
図16に示すように、制御部21は、S281の処理を終了すると、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61g、候補色指定GUI第2領域62のGUIおよび調整実行ボタン64をグレーアウトして操作不可能にする(S282)。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61b、明度チェックボックス61c、テスト印刷ボタン61dおよび戻るボタン63のみが操作可能な状態になっている。
【0119】
次いで、制御部21は、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cのうち、例えば色相チェックボックス61aのみを選択された状態にする(S283)。なお、制御部21は、S283において、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cのうち、何れか1つのみ、または、何れか2つのみを選択された状態にするようになっていれば良い。
【0120】
なお、制御部21は、以後、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cが操作可能な状態である場合、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cの選択を操作部23からの指示に応じて変更することができる。
【0121】
制御部21は、S283の処理を終了すると、図16に示す部分色調整第2画面表示処理を終了する。
【0122】
図15に示すように、制御部21は、S261の部分色調整第2画面表示処理を終了すると、テスト印刷ボタン61dが押されたか否かを判断する(S262)。
【0123】
制御部21は、テスト印刷ボタン61dが押されたとS262において判断すると、図18に示すテスト印刷処理を実行する(S263)。
【0124】
図18は、図15に示すテスト印刷処理のフローチャートである。
【0125】
図18に示すように、制御部21の候補色印刷部21bは、記憶部22に記憶されている基準色22eと、色相、彩度および明度のうち色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて選択されているパラメーターとに基づいて、第1パッチ情報を生成する(S301)。ここで、第1パッチ情報とは、基準色22eに対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色を複数種類集めた情報であり、複数種類の候補色がパッチとして用紙に印刷された場合の候補色毎の用紙上での印刷位置も含んでいる情報である。なお、候補色印刷部21bは、候補色の生成の際に使用する調整量を、予め利用者に設定させておくことも可能である。
【0126】
次いで、候補色印刷部21bは、S301において生成した第1パッチ情報を第1パッチ情報22kとして記憶部22に書き込む(S302)。
【0127】
次いで、候補色印刷部21bは、第1パッチ情報22kに基づいてパッチを印刷する(S303)。つまり、候補色印刷部21bは、パッチの印刷データをMFP40に送信して、MFP40にパッチを印刷させる。
【0128】
図19(a)は、色相、彩度および明度のうち1つのパラメーターで候補色が生成された場合のMFP40によって印刷されるパッチの例を示す図である。図19(b)は、色相、彩度および明度のうち2つのパラメーターで候補色が生成された場合のMFP40によって印刷されるパッチの例を示す図である。
【0129】
候補色印刷部21bは、色相、彩度および明度のうち1つのパラメーターで候補色を生成する場合、図19(a)に示すように、複数種類の候補色をパラメーターの量順に一列に並べたパッチを生成する。図19(a)において、中央の候補色、すなわち、縦の位置がAであって横の位置が6である候補色は、基準色22eである。候補色印刷部21bは、色相、彩度および明度のうち2つのパラメーターで候補色を生成する場合、図19(b)に示すように、複数種類の候補色を1つ目のパラメーターの量順に縦列に並べて2つ目のパラメーターの量順に横列に並べたパッチを生成する。図19(b)において、中央の候補色、すなわち、縦の位置がFであって横の位置が6である候補色は、基準色22eである。
【0130】
図18に示すように、制御部21は、S303の処理を終了すると、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gおよび調整実行ボタン64を操作可能にする(S304)。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61b、明度チェックボックス61c、テスト印刷ボタン61d、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61g、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0131】
次いで、制御部21は、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fおよび選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gの値を基準色22eの値にする(S305)。
【0132】
制御部21は、S305の処理を終了すると、図18に示すテスト印刷処理を終了する。
【0133】
図15に示すように、制御部21は、テスト印刷ボタン61dが押されていないとS262において判断するか、S263のテスト印刷処理を終了すると、追加パラメーターテスト印刷ボタン61eが押されたか否かを判断する(S264)。
【0134】
制御部21は、追加パラメーターテスト印刷ボタン61eが押されたとS264において判断すると、図20に示す追加パラメーターテスト印刷処理を実行する(S265)。
【0135】
図20は、図15に示す追加パラメーターテスト印刷処理のフローチャートである。
【0136】
図20に示すように、制御部21の候補色印刷部21bは、記憶部22に記憶されている第1パッチ情報22kと、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fおよび選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gにおいて指定されている位置とに基づいて、第1パッチ情報22kに含まれている複数種類の候補色のうち指定されている候補色を特定する(S321)。
【0137】
次いで、候補色印刷部21bは、S321において特定した候補色と、色相、彩度および明度のうち色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて選択されていないパラメーターとに基づいて、第2パッチ情報を生成する(S322)。ここで、第2パッチ情報とは、S321において特定した候補色に対して更に色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色を複数種類集めた情報であり、複数種類の候補色がパッチとして用紙に印刷された場合の候補色毎の用紙上での印刷位置も含んでいる情報である。なお、候補色印刷部21bは、候補色の生成の際に使用する調整量を、予め利用者に設定させておくことも可能である。
【0138】
次いで、候補色印刷部21bは、S322において生成した第2パッチ情報を第2パッチ情報22lとして記憶部22に書き込む(S323)。
【0139】
次いで、候補色印刷部21bは、第2パッチ情報22lに基づいてパッチを印刷する(S324)。つまり、候補色印刷部21bは、パッチの印刷データをMFP40に送信して、MFP40にパッチを印刷させる。なお、S324において印刷されるパッチは、図19に示すパッチと同様である。ただし、パッチの中央の候補色は、S321において特定した候補色である。
【0140】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第1領域61のGUIをグレーアウトして操作不可能にする(S325)。すなわち、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0141】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第2領域62のGUIを操作可能にする(S326)。すなわち、キャンセルボタン62a、追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62b、追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62c、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0142】
次いで、制御部21は、追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62bおよび追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62cの値を、S321において特定した候補色の値にする(S327)。
【0143】
制御部21は、S327の処理を終了すると、図20に示す追加パラメーターテスト印刷処理を終了する。
【0144】
図15に示すように、制御部21は、追加パラメーターテスト印刷ボタン61eが押されていないとS264において判断するか、S265の追加パラメーターテスト印刷処理を終了すると、キャンセルボタン62aが押されたか否かを判断する(S266)。
【0145】
制御部21は、キャンセルボタン62aが押されたとS266において判断すると、図21に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理を実行する(S267)。
【0146】
図21は、図15に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理のフローチャートである。
【0147】
図21に示すように、制御部21は、第2パッチ情報22lを記憶部22から削除する(S341)。
【0148】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第2領域62のGUIをグレーアウトして操作不可能にする(S342)。すなわち、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0149】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第1領域61のGUIを操作可能にする(S343)。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61b、明度チェックボックス61c、テスト印刷ボタン61d、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61g、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0150】
制御部21は、S343の処理を終了すると、図21に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理を終了する。
【0151】
図15に示すように、制御部21は、キャンセルボタン62aが押されていないとS266において判断するか、S267の追加パラメーターパッチキャンセル処理を終了すると、戻るボタン63が押されたか否かを判断する(S268)。
【0152】
制御部21は、戻るボタン63が押されたとS268において判断すると、表示部24における部分色調整第2画面60の表示を終了する(S269)。
【0153】
次いで、制御部21は、第1パッチ情報22kを記憶部22から削除し、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されている場合には更に第2パッチ情報22lも記憶部22から削除する(S270)。
【0154】
制御部21は、S270の処理を終了すると、図6に示すS102の処理に戻る。
【0155】
制御部21は、戻るボタン63が押されていないとS268において判断すると、調整実行ボタン64が押されたか否かを判断する(S271)。
【0156】
制御部21は、調整実行ボタン64が押されていないとS271において判断すると、再びS262の処理に戻る。
【0157】
一方、制御部21は、調整実行ボタン64が押されたとS271において判断すると、図22に示す色調整処理を実行する(S272)。
【0158】
図22は、図15に示す色調整処理のフローチャートである。
【0159】
図22に示すように、制御部21の候補色受付部21cは、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されているか否かを判断する(S361)。
【0160】
候補色受付部21cは、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されていないとS361において判断すると、記憶部22に記憶されている第1パッチ情報22kと、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fおよび選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gにおいて指定されている位置とに基づいて、第1パッチ情報22kに含まれている複数種類の候補色のうち指定されている候補色を特定する(S362)。
【0161】
一方、候補色受付部21cは、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されているとS361において判断すると、記憶部22に記憶されている第2パッチ情報22lと、追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62bおよび追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62cにおいて指定されている位置とに基づいて、第2パッチ情報22lに含まれている複数種類の候補色のうち指定されている候補色を特定する(S363)。
【0162】
制御部21の画素色調整部21gは、S362またはS363の処理が終了すると、記憶部22に記憶されている基準色22eから、S362またはS363において特定した候補色への調整量を算出する(S364)。
【0163】
次いで、画素色調整部21gは、記憶部22に記憶されている画像データ22dのうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22h内である画素の色を、S364において算出した調整量に基づいて調整する(S365)。ここで、画素色調整部21gは、S364において算出した調整量で、画像データ22dのうち色空間上範囲22f内であって画像上第1範囲22h内である全ての画素の色を一律に調整する。すなわち、画素色調整部21gは、調整対象の画素の色を、Lab色空間上で、S364において算出した調整量の明度成分に応じて明度方向に平行移動させ、S364において算出した調整量の彩度成分に応じて彩度方向に平行移動させ、S364において算出した調整量の色相成分に応じて色相方向に回転移動させる。
【0164】
次いで、画素色調整部21gは、記憶部22に記憶されている画像データ22dのうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第2範囲22i内である画素の色を、S364において算出した調整量に基づいて調整する(S366)。ここで、画素色調整部21gは、S364において算出した調整量を調整対象の画素の画像上の位置に応じて変更した調整量(以下「画素毎調整量」という。)で、画像データ22dのうち色空間上範囲22f内であって画像上第2範囲22i内である全ての画素の色を調整する。すなわち、画素色調整部21gは、調整対象の画素の色を、Lab色空間上で、画素毎調整量の明度成分に応じて明度方向に平行移動させ、画素毎調整量の彩度成分に応じて彩度方向に平行移動させ、画素毎調整量の色相成分に応じて色相方向に回転移動させる。
【0165】
画素色調整部21gは、以下の数3に示す式によって画素毎調整量を算出することができる。数3において、Yは、画像データ22dのうち色空間上範囲22f内であって画像上第2範囲22i内である画素に対する画素毎調整量である。yは、S364において算出した調整量である。l1は、図23に示すように画像において画像上第1範囲22hの境界を形成する円の半径である。l2は、図23に示すように画像において画像上第2範囲22iの境界のうち画像上第1範囲22hの境界とは異なる境界を形成する円の半径である。lxは、図23に示すように画像において基準点22gから調整対象の画素までの距離である。
【数3】
【0166】
なお、S365およびS366において画素に適用される調整量は、画像における基準点22gから画素までの距離に応じて図24に示すようになる。すなわち、S365の処理は、画像上第1範囲22h内の画素の色のうち色空間上範囲22f内の色を、基準色22eから候補色への色の調整量によって調整する処理であり、S366の処理は、画像上第2範囲22i内の画素の色のうち色空間上範囲22f内の色を、画像上第1範囲22h側から画像上第1範囲22hとは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整する処理である。
【0167】
図22に示すように、制御部21は、S366の処理を終了すると、図22に示す色調整処理を終了する。
【0168】
図15に示すように、制御部21は、S272の色調整処理を終了すると、制御部21は、S365またはS366において調整できない画素があったか否かを判断する(S273)。ここで、制御部21は、S365またはS366において調整後の画素が1つでもLab空間外に出ている場合、調整できない画素があったと判断する。一方、制御部21は、S365またはS366において調整後の画素が全てLab空間内に入っている場合、調整できない画素がなかったと判断する。
【0169】
制御部21は、調整できない画素があったとS273において判断すると、例えば「色の調整に失敗しました。設定を変更してやり直してください。」という旨の警告を表示部24に表示して(S274)、S262の処理に戻る。
【0170】
一方、制御部21は、調整できない画素がなかったとS273において判断すると、S365またはS366における色の調整後の画像データを画像データ22dとして記憶部22に上書きする(S275)。
【0171】
次いで、制御部21は、表示部24における部分色調整第2画面60の表示を終了する(S276)。
【0172】
次いで、制御部21は、不要な情報を記憶部22から削除する(S277)。ここで、不要な情報には、基準色22e、色空間上範囲22f、基準点22g、画像上第1範囲22h、画像上第2範囲22i、Labデータ22jおよび第1パッチ情報22kが含まれる他、記憶部22に第2パッチ情報22lが記憶されている場合には第2パッチ情報22lも含まれる。
【0173】
制御部21は、S277の処理を終了すると、図6に示す処理を終了する。
【0174】
以上に説明したように、プリンタードライバー22aを実行するPC20は、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iの指定を受け付けて(S107でYES、S109でYES、S111でYES)、画像上第1範囲22h内および画像上第2範囲22i内の画素の色を調整する(S365、S366)ので、画像において画素の色を調整する範囲を利用者に指定させることができる。
【0175】
特に、プリンタードライバー22aを実行するPC20は、基準色22eから候補色への色の調整量によって画素の色を調整する(S365)画像上第1範囲22hの指定を受け付ける(S107でYES、S109でYES)だけではなく、画像上第1範囲22h側から画像上第1範囲22hとは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように画素の色を調整する(S366)画像上第2範囲22iの指定も受け付ける(S107でYES、S109でYES、S111でYES)ので、画像における範囲であって基準色22eから候補色への色の調整量によって画素の色を調整する範囲のみの指定を受け付ける構成と比較して、画素の色を調整する範囲の内外で画像における色が不自然に変化する可能性を抑えることができる。
【0176】
また、プリンタードライバー22aを実行するPC20は、色空間上範囲22fの指定を受け付けて(S103でYES、S105でYES)、画像上第1範囲22h内または画像上第2範囲22i内の画素の色のうち色空間上範囲22f内の色を調整する(S365、S366)ので、画像における範囲だけでなく、色空間における範囲によっても、色を調整する画素を指定することができる。
【0177】
なお、PC20は、色の調整を行う画像上の範囲として本実施の形態において画像上第1範囲および画像上第2範囲という2つの範囲を使用しているが、色の調整を行う画像上の範囲として3つ以上の範囲を使用するようになっていても良い。
【0178】
本発明のコンピューターは、本実施の形態においてPCであるが、PC以外のコンピューターであっても良い。
【0179】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0180】
20 PC(コンピューター)
22a プリンタードライバー
22e 基準色
22f 色空間上範囲
22g 基準点
22h 画像上第1範囲
22i 画像上第2範囲
40 MFP(画像形成装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を制御するためのプリンタードライバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像における画素の色を調整する技術として、利用者の指示に応じて色空間上の色を調整することによって、画像における画素の色を調整する技術が知られている(例えば特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−143077号公報
【特許文献2】特許第4438741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、画像において利用者が意図していない範囲の画素の色まで調整されてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、画像において画素の色を調整する範囲をコンピューターの利用者に指定させることができるプリンタードライバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリンタードライバーは、調整対象の基準色の指定を受け付ける基準色受付ステップと、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色に対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の前記基準色の候補である候補色を画像形成装置に複数種類印刷させる候補色印刷ステップと、前記候補色印刷ステップによって印刷された複数種類の前記候補色から1つの候補色の指定を受け付ける候補色受付ステップと、前記画像における基準点の指定を受け付ける基準点受付ステップと、前記基準点受付ステップによって受け付けられた前記基準点を前記画像において囲む範囲である画像上第1範囲の指定を受け付ける画像上第1範囲受付ステップと、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲を前記画像において囲む範囲であって前記画像上第1範囲を除く範囲である画像上第2範囲の指定を受け付ける画像上第2範囲受付ステップと、前記画像における画素の色を調整する画素色調整ステップとをコンピューターに実行させ、前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、画像上第1範囲および画像上第2範囲の指定を受け付けて、画像上第1範囲内および画像上第2範囲内の画素の色を調整するので、画像において画素の色を調整する範囲を利用者に指定させることができる。特に、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、基準色から候補色への色の調整量によって画素の色を調整する画像上第1範囲の指定を受け付けるだけではなく、画像上第1範囲側から画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように画素の色を調整する画像上第2範囲の指定も受け付けるので、画像における範囲であって基準色から候補色への色の調整量によって画素の色を調整する範囲のみの指定を受け付ける構成と比較して、画素の色を調整する範囲の内外で画像における色が不自然に変化する可能性を抑えることができる。
【0008】
また、本発明のプリンタードライバーは、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色を色空間において囲む範囲である色空間上範囲の指定を受け付ける色空間上範囲受付ステップを前記コンピューターに実行させ、前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであっても良い。
【0009】
この構成により、本発明のプリンタードライバーを実行するコンピューターは、画像における範囲だけでなく、色空間における範囲によっても、色を調整する画素を指定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のプリンタードライバーは、画像において画素の色を調整する範囲をコンピューターの利用者に指定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
【図2】図1に示すPCのブロック図である。
【図3】図2に示す基準色および色空間上範囲の説明図である。
【図4】図2に示す基準点、画像上第1範囲および画像上第2範囲の説明図である。
【図5】図1に示すMFPのブロック図である。
【図6】部分色調整を実行する場合の図1に示すPCの動作のフローチャートである
【図7】図6に示す初期処理のフローチャートである。
【図8】図6に示す部分色調整第1画面表示処理のフローチャートである。
【図9】図2に示す表示部に表示される部分色調整第1画面を示す図である。
【図10】図6に示す基準色受付処理のフローチャートである。
【図11】図6に示す色空間上範囲受付処理のフローチャートである。
【図12】図6に示す基準点受付処理のフローチャートである。
【図13】図6に示す画像上第1範囲受付処理のフローチャートである。
【図14】図6に示す画像上第2範囲受付処理のフローチャートである。
【図15】図6に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図16】図15に示す部分色調整第2画面表示処理のフローチャートである。
【図17】図2に示す表示部に表示される部分色調整第2画面を示す図である。
【図18】図15に示すテスト印刷処理のフローチャートである。
【図19】(a)色相、彩度および明度のうち1つのパラメーターで候補色が生成された場合の図1に示すMFPによって印刷されるパッチの例を示す図である。(b)色相、彩度および明度のうち2つのパラメーターで候補色が生成された場合の図1に示すMFPによって印刷されるパッチの例を示す図である。
【図20】図15に示す追加パラメーターテスト印刷処理のフローチャートである。
【図21】図15に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理のフローチャートである。
【図22】図15に示す色調整処理のフローチャートである。
【図23】図22に示す色調整処理において算出される画素毎調整量の説明のための図である。
【図24】図22に示す色調整処理において画素に適用される調整量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成システム10は、コンピューターとしてのPC(Personal Computer)20と、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)40とを備えている。PC20およびMFP40は、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11経由で互いに通信可能に接続されている。
【0016】
図2は、PC20のブロック図である。
【0017】
図2に示すように、PC20は、PC20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるキーボード、マウスなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、ネットワーク11経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部25とを備えている。
【0018】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0019】
記憶部22は、MFP40を制御するためのプリンタードライバー22aを記憶している。また、記憶部22は、画像の各画素の座標データ22bと、その画像の各画素のRGBデータ22cとを含んでいる画像データ22dが記憶されることが可能である。また、記憶部22は、調整対象の基準色22eと、基準色22eをLab色空間において囲む範囲である色空間上範囲22fと、画像における基準点22gと、基準点22gを画像において囲む範囲である画像上第1範囲22hと、画像上第1範囲22hを画像において囲む範囲であって画像上第1範囲22hを除く範囲である画像上第2範囲22iと、RGBデータ22cのRGB値をLab値に変換したLabデータ22jと、基準色22eに対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色のパッチの印刷のための情報である第1パッチ情報22kおよび第2パッチ情報22lとが記憶されることが可能である。座標データ22b、基準点22g、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iは、画像上の座標によって表されている。RGBデータ22cは、RGB値で表されている。基準色22e、色空間上範囲22fおよびLabデータ22jは、Lab値で表されている。
【0020】
プリンタードライバー22aは、PC20の製造段階でPC20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク11上からPC20に追加でインストールされても良い。
【0021】
制御部21は、記憶部22に記憶されているプリンタードライバー22aを実行することによって、調整対象の基準色の指定を受け付ける基準色受付部21a、基準色受付部21aによって受け付けられた基準色に対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色をMFP40に複数種類印刷させる候補色印刷部21b、候補色印刷部21bによって印刷された複数種類の候補色から1つの候補色の指定を受け付ける候補色受付部21c、画像における基準点の指定を受け付ける基準点受付部21d、基準点受付部21dによって受け付けられた基準点を画像において囲む範囲である画像上第1範囲の指定を受け付ける画像上第1範囲受付部21e、画像上第1範囲受付部21eによって受け付けられた画像上第1範囲を画像において囲む範囲であって画像上第1範囲を除く範囲である画像上第2範囲の指定を受け付ける画像上第2範囲受付部21f、画像における画素の色を調整する画素色調整部21g、および、基準色受付部21aによって受け付けられた基準色をLab色空間において囲む範囲である色空間上範囲の指定を受け付ける色空間上範囲受付部21hとして機能する。
【0022】
図3は、基準色22eおよび色空間上範囲22fの説明図である。
【0023】
図3に示すように、色空間上範囲22fは、Lab色空間において基準色22eを含む範囲である。色空間上範囲22fは、次の数1で示すことができる。数1において、ΔEは、後述する色空間上範囲指定スライダー54eによって指定されることができる色差である。L1、C1、H1は、それぞれLab色空間における基準色22eの明度、彩度、色相である。L2、C2、H2は、それぞれLab色空間における色空間上範囲22fの境界を形成する画素の明度、彩度、色相である。
【数1】
【0024】
図4は、基準点22g、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iの説明図である。
【0025】
図4に示すように、画像上第1範囲22hは、画像において、半径が所定の距離であって基準点22gを中心とした円によって囲まれた範囲である。画像上第2範囲22iは、画像において、半径が画像上第1範囲22hの半径より長い所定の距離であって基準点22gを中心とした円によって囲まれた範囲のうち、画像上第1範囲22hを除いた範囲である。画像上第1範囲22hは、次の数2で示すことができる。数2において、lは、後述する画像上第1範囲指定スライダー55bによって指定されることができる値であり、画像において画像上第1範囲22hの境界を形成する円の半径である。x1、y1は、それぞれ画像のxy平面上における基準点22gのx座標、y座標である。x2、y2は、それぞれ画像のxy平面上における画像上第1範囲22hの境界を形成する画素のx座標、y座標である。画像上第1範囲22hについて説明したが、画像上第2範囲22iについても同様である。
【数2】
【0026】
図5は、MFP40のブロック図である。
【0027】
図5に示すように、MFP40は、MFP40全体を制御する制御部41と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDDなどの記憶デバイスである記憶部42と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部43と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部44と、用紙に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター45と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー46と、公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部47と、ネットワーク11経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部48とを備えている。
【0028】
制御部41は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部42に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0029】
次に、PC20の動作について説明する。
【0030】
PC20の制御部21は、プリンタードライバー22aを実行することによって、利用者からの指示に応じて画像をMFP40に印刷させることができる。そして、MFP40によって用紙に印刷された画像を見た利用者は、例えば、画像の少なくとも一部分の色を変更して再度画像をMFP40に印刷させることを希望する場合がある。制御部21は、画像の少なくとも一部分の色の調整(以下「部分色調整」という。)の指示が操作部23から入力されると、プリンタードライバー22aを実行することによって、図6に示す処理を開始する。なお、部分色調整の指示には、部分色調整の対象の画像データとして、記憶部22上の画像データ22dの指定も含まれている。
【0031】
図6は、部分色調整を実行する場合のPC20の動作のフローチャートである。
【0032】
図6に示すように、PC20の制御部21は、図7に示す初期処理を実行する(S101)。
【0033】
図7は、図6に示す初期処理のフローチャートである。
【0034】
図7に示すように、制御部21は、デフォルトの基準色、色空間上範囲、基準点、画像上第1範囲および画像上第2範囲を、基準色22e、色空間上範囲22f、基準点22g、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iとしてそれぞれ記憶部22に書き込む(S121)。
【0035】
次いで、制御部21は、部分色調整の対象の画像データとして指定された画像データ22dのRGBデータ22cのRGB値をLab値に変換したLabデータを生成する(S122)。
【0036】
次いで、制御部21は、S122において生成したLabデータをLabデータ22jとして記憶部22に書き込む(S123)。
【0037】
制御部21は、S123の処理を終了すると、図7に示す初期処理を終了する。
【0038】
図6に示すように、制御部21は、S101の初期処理を終了すると、図8に示す部分色調整第1画面表示処理を実行する(S102)。
【0039】
図8は、図6に示す部分色調整第1画面表示処理のフローチャートである。
【0040】
図8に示すように、制御部21は、部分色調整を実行するための画面である図9に示す部分色調整第1画面50を表示部24に表示させる(S141)。
【0041】
図9は、表示部24に表示される部分色調整第1画面50を示す図である。
【0042】
図9において、部分色調整第1画面50は、色の調整対象の画像を色の調整前の状態で表示するための調整前画像プレビュー領域51と、色の調整対象の画像のうち色の調整対象の画素を表示するための調整対象画素表示領域52と、調整対象の基準色を表示するための基準色表示領域53と、調整対象の色を指定するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する調整対象色指定GUI領域54と、色の調整対象の画像のうち色の調整対象の範囲を指定するためのGUIを表示する調整対象範囲指定GUI領域55と、色の調整対象の画素の指定を了承するためのボタンである次へボタン56と、部分色調整の実行を中止するためのボタンであるキャンセルボタン57とを含んでいる。
【0043】
調整対象色指定GUI領域54は、調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で調整対象の基準色を直接指定するためのカーソルである基準色指定カーソルを出現させるためのアイコンである基準色指定カーソル用アイコン54aと、R値の直接の入力によって調整対象の基準色のR値を指定するためのスピンボックスであるR値スピンボックス54bと、G値の直接の入力によって調整対象の基準色のG値を指定するためのスピンボックスであるG値スピンボックス54cと、B値の直接の入力によって調整対象の基準色のB値を指定するためのスピンボックスであるB値スピンボックス54dと、調整対象の色の範囲である色空間上範囲を指定するためのスライダーである色空間上範囲指定スライダー54eとを含んでいる。色空間上範囲指定スライダー54eは、Lab空間において色空間上範囲の境界を決める色差ΔEを指定するためのGUIである。
【0044】
調整対象範囲指定GUI領域55は、調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で基準点を直接指定するためのカーソルである基準点指定カーソルを出現させるためのアイコンである基準点指定カーソル用アイコン55aと、画像上第1範囲を指定するためのスライダーである画像上第1範囲指定スライダー55bと、画像上第2範囲を指定するためのスライダーである画像上第2範囲指定スライダー55cとを含んでいる。画像上第1範囲指定スライダー55bは、画像において画像上第1範囲22h(図4参照。)の境界を形成する円の半径を指定するためのGUIである。画像上第2範囲指定スライダー55cは、画像において画像上第2範囲22i(図4参照。)の境界のうち画像上第1範囲22hの境界とは異なる境界を形成する円の半径を指定するためのGUIである。
【0045】
図8に示すように、制御部21は、S141を実行した後、画像データ22dに基づいて、調整前画像プレビュー領域51および調整対象画素表示領域52への表示用のプレビュー画像を生成する(S142)。
【0046】
次いで、制御部21は、S142において生成したプレビュー画像を調整前画像プレビュー領域51および調整対象画素表示領域52の両方に表示する(S143)。
【0047】
次いで、制御部21は、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iを調整対象画素表示領域52に表示する(S144)。なお、図9に示す調整対象画素表示領域52においては、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iは、画像上第1範囲22hの境界を形成する円と、画像上第2範囲22iの境界のうち画像上第1範囲22hの境界とは異なる境界を形成する円とが破線で示されることによって表示されている。
【0048】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S145)。ここで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち色空間上範囲22f内の画素を、Labデータ22jおよび色空間上範囲22fに基づいて検出することができる。また、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち画像上第1範囲22h内の画素を、画像データ22dの座標データ22bと、画像上第1範囲22hとに基づいて検出することができる。また、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち画像上第2範囲22i内の画素を、座標データ22bと、画像上第2範囲22iとに基づいて検出することができる。
【0049】
次いで、制御部21は、S145において検出した画素を調整対象画素表示領域52に表示する(S146)。なお、図9に示す調整対象画素表示領域52においては、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素は、ハッチングで示されている。
【0050】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている基準色22eで基準色表示領域53を塗り潰すことによって、基準色表示領域53に基準色22eを表示する(S147)。
【0051】
次いで、制御部21は、基準色22eに基づいて、R値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dの表示を変更する(S148)。
【0052】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22fに基づいて、色空間上範囲指定スライダー54eの表示を変更する(S149)。
【0053】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hに基づいて、画像上第1範囲指定スライダー55bの表示を変更する(S150)。
【0054】
次いで、制御部21は、記憶部22に記憶されている画像上第2範囲22iに基づいて、画像上第2範囲指定スライダー55cの表示を変更する(S151)。
【0055】
制御部21は、S151の処理を終了すると、図8に示す部分色調整第1画面表示処理を終了する。
【0056】
図6に示すように、制御部21は、S102の部分色調整第1画面表示処理を終了すると、操作部23を介して基準色の変更が指示されたか否かを判断する(S103)。ここで、基準色の変更の方法は、基準色指定カーソル用アイコン54aが押されることによって出現された基準色指定カーソルによって調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で画素が指定されることによって、その画素の色が基準色として指定される方法と、R値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dに基準色のRGB値が直接入力されることによって、基準色が指定される方法とがある。なお、制御部21は、基準色指定カーソルによって基準色が指定された場合、基準色指定カーソルによって指定された基準色のRGB値をR値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dに入力する。
【0057】
制御部21は、操作部23を介して基準色の変更が指示されたとS103において判断すると、図10に示す基準色受付処理を実行する(S104)。
【0058】
図10は、図6に示す基準色受付処理のフローチャートである。
【0059】
図10に示すように、制御部21の基準色受付部21aは、基準色指定カーソルと、R値スピンボックス54b、G値スピンボックス54cおよびB値スピンボックス54dとの何れかによる変更の指示によって指定された基準色のRGB値をLab値に変換する(S161)。
【0060】
次いで、基準色受付部21aは、Lab値に変換した基準色を、新たな基準色22eとして記憶部22に書き込む(S162)。
【0061】
次いで、制御部21の色空間上範囲受付部21hは、基準色22eと、色空間上範囲指定スライダー54eによって現在指定されているLab空間上の距離とに基づいて、新たな色空間上範囲を算出する(S163)。
【0062】
次いで、色空間上範囲受付部21hは、S163において算出した色空間上範囲を、新たな色空間上範囲22fとして記憶部22に書き込む(S164)。
【0063】
次いで、制御部21は、基準色表示領域53を基準色22eで塗り潰すことによって、基準色表示領域53に基準色22eを表示する(S165)。
【0064】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S166)。
【0065】
次いで、制御部21は、S166において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S167)。
【0066】
制御部21は、S167の処理を終了すると、図10に示す基準色受付処理を終了する。
【0067】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して基準色の変更が指示されていないとS103において判断するか、S104の基準色受付処理を終了すると、操作部23を介して色空間上範囲の変更が指示されたか否かを判断する(S105)。ここで、色空間上範囲の変更は、色空間上範囲指定スライダー54eが操作されることによって実行される。
【0068】
制御部21は、操作部23を介して色空間上範囲の変更が指示されたとS105において判断すると、図11に示す色空間上範囲受付処理を実行する(S106)。
【0069】
図11は、図6に示す色空間上範囲受付処理のフローチャートである。
【0070】
図11に示すように、制御部21の色空間上範囲受付部21hは、記憶部22に記憶されている基準色22eと、色空間上範囲指定スライダー54eによって現在指定されているLab空間上の距離とに基づいて、新たな色空間上範囲を算出する(S181)。
【0071】
次いで、色空間上範囲受付部21hは、S181において算出した色空間上範囲を、新たな色空間上範囲22fとして記憶部22に書き込む(S182)。
【0072】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S183)。
【0073】
次いで、制御部21は、S183において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S184)。
【0074】
制御部21は、S184の処理を終了すると、図11に示す色空間上範囲受付処理を終了する。
【0075】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して色空間上範囲の変更が指示されていないとS105において判断するか、S106の色空間上範囲受付処理を終了すると、操作部23を介して基準点の変更が指示されたか否かを判断する(S107)。ここで、基準点の変更は、基準点指定カーソル用アイコン55aが押されることによって出現された基準点指定カーソルによって、調整前画像プレビュー領域51に表示されている画像上で基準点が指定されることによって実行される。
【0076】
制御部21は、操作部23を介して基準点の変更が指示されたとS107において判断すると、図12に示す基準点受付処理を実行する(S108)。
【0077】
図12は、図6に示す基準点受付処理のフローチャートである。
【0078】
図12に示すように、制御部21の基準点受付部21dは、基準点指定カーソルによる変更の指示によって指定された基準点を、新たな基準点22gとして記憶部22に書き込む(S201)。
【0079】
次いで、制御部21の画像上第1範囲受付部21eは、基準点22gと、画像上第1範囲指定スライダー55bによって現在指定されている画像上の距離とに基づいて、新たな画像上第1範囲を算出する(S202)。
【0080】
次いで、画像上第1範囲受付部21eは、S202において算出した画像上第1範囲を、新たな画像上第1範囲22hとして記憶部22に書き込む(S203)。
【0081】
次いで、制御部21の画像上第2範囲受付部21fは、基準点22gと、画像上第2範囲指定スライダー55cによって現在指定されている画像上の距離とに基づいて、新たな画像上第2範囲を算出する(S204)。
【0082】
次いで、画像上第2範囲受付部21fは、S204において算出した画像上第2範囲を、新たな画像上第2範囲22iとして記憶部22に書き込む(S205)。
【0083】
次いで、制御部21は、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iをS144の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S206)。
【0084】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S207)。
【0085】
次いで、制御部21は、S207において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S208)。
【0086】
制御部21は、S208の処理を終了すると、図12に示す基準点受付処理を終了する。
【0087】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して基準点の変更が指示されていないとS107において判断するか、S108の基準点受付処理を終了すると、操作部23を介して画像上第1範囲の変更が指示されたか否かを判断する(S109)。ここで、画像上第1範囲の変更は、画像上第1範囲指定スライダー55bが操作されることによって実行される。
【0088】
制御部21は、操作部23を介して画像上第1範囲の変更が指示されたとS109において判断すると、図13に示す画像上第1範囲受付処理を実行する(S110)。
【0089】
図13は、図6に示す画像上第1範囲受付処理のフローチャートである。
【0090】
図13に示すように、制御部21の画像上第1範囲受付部21eは、記憶部22に記憶されている基準点22gと、画像上第1範囲指定スライダー55bによって現在指定されている画像上の距離とに基づいて、新たな画像上第1範囲を算出する(S221)。
【0091】
次いで、画像上第1範囲受付部21eは、S221において算出した画像上第1範囲を、新たな画像上第1範囲22hとして記憶部22に書き込む(S222)。
【0092】
次いで、制御部21は、画像上第1範囲22hをS144の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S223)。
【0093】
制御部21は、S223の処理を終了すると、図13に示す画像上第1範囲受付処理を終了する。
【0094】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して画像上第1範囲の変更が指示されていないとS109において判断するか、S110の画像上第1範囲受付処理を終了すると、操作部23を介して画像上第2範囲の変更が指示されたか否かを判断する(S111)。ここで、画像上第2範囲の変更は、画像上第2範囲指定スライダー55cが操作されることによって実行される。
【0095】
制御部21は、操作部23を介して画像上第2範囲の変更が指示されたとS111において判断すると、図14に示す画像上第2範囲受付処理を実行する(S112)。
【0096】
図14は、図6に示す画像上第2範囲受付処理のフローチャートである。
【0097】
図14に示すように、制御部21の画像上第2範囲受付部21fは、記憶部22に記憶されている基準点22gと、画像上第2範囲指定スライダー55cによって現在指定されている画像上の距離と、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hとに基づいて、新たな画像上第2範囲を算出する(S241)。
【0098】
次いで、画像上第2範囲受付部21fは、S241において算出した画像上第2範囲を、新たな画像上第2範囲22iとして記憶部22に書き込む(S242)。
【0099】
次いで、制御部21は、画像上第2範囲22iをS144の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S243)。
【0100】
次いで、制御部21は、画像データ22dによって表される画像のうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22hまたは画像上第2範囲22i内である画素を検出する(S244)。
【0101】
次いで、制御部21は、S244において検出した画素をS146の処理と同様に調整対象画素表示領域52に表示する(S245)。
【0102】
制御部21は、S245の処理を終了すると、図14に示す画像上第2範囲受付処理を終了する。
【0103】
図6に示すように、制御部21は、操作部23を介して画像上第2範囲の変更が指示されていないとS111において判断するか、S112の画像上第2範囲受付処理を終了すると、操作部23を介して次へボタン56が押されたか否かを判断する(S113)。
【0104】
制御部21は、操作部23を介して次へボタン56が押されていないとS113において判断すると、操作部23を介してキャンセルボタン57が押されたか否かを判断する(S114)。
【0105】
制御部21は、操作部23を介してキャンセルボタン57が押されていないとS114において判断すると、再びS103の処理に戻る。
【0106】
一方、制御部21は、操作部23を介してキャンセルボタン57が押されたとS114において判断すると、表示部24における部分色調整第1画面50の表示を終了する(S115)。
【0107】
次いで、制御部21は、不要な情報を記憶部22から削除する(S116)。ここで、不要な情報には、基準色22e、色空間上範囲22f、基準点22g、画像上第1範囲22h、画像上第2範囲22iおよびLabデータ22jが含まれる。
【0108】
制御部21は、S116の処理を終了すると、図6に示す処理を終了する。
【0109】
制御部21は、操作部23を介して次へボタン56が押されたとS113において判断すると、表示部24における部分色調整第1画面50の表示を終了する(S117)。
【0110】
図15は、図6に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0111】
制御部21は、図6に示すS117の処理を終了すると、図15に示すように、図16に示す部分色調整第2画面表示処理を実行する(S261)。
【0112】
図16は、図15に示す部分色調整第2画面表示処理のフローチャートである。
【0113】
図16に示すように、制御部21は、部分色調整を実行するための画面である図17に示す部分色調整第2画面60を表示部24に表示させる(S281)。
【0114】
図17は、表示部24に表示される部分色調整第2画面60を示す図である。
【0115】
図17において、部分色調整第2画面60は、色の調整後の基準色の候補である候補色を指定するためのGUIを表示する候補色指定GUI第1領域61と、追加のパラメーターによって生成された候補色を指定するためのGUIを表示する候補色指定GUI第2領域62と、部分色調整第1画面50に戻るためのボタンである戻るボタン63と、部分色調整を実行するためのボタンである調整実行ボタン64とを含んでいる。
【0116】
候補色指定GUI第1領域61は、色の調整用のパラメーターとして色相を指定するためのチェックボックスである色相チェックボックス61aと、色の調整用のパラメーターとして彩度を指定するためのチェックボックスである彩度チェックボックス61bと、色の調整用のパラメーターとして明度を指定するためのチェックボックスである明度チェックボックス61cと、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて指定されたパラメーター(以下「選択パラメーター」という。)によって生成された候補色のパッチ(以下「選択パラメーターパッチ」という。)を印刷するためのボタンであるテスト印刷ボタン61dと、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて指定されなかったパラメーター(以下「追加パラメーター」という。)によって生成された候補色のパッチ(以下「追加パラメーターパッチ」という。)を印刷するためのボタンである追加パラメーターテスト印刷ボタン61eと、選択パラメーターパッチのうち所望の候補色の縦の位置を指定するためのスピンボックスである選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fと、選択パラメーターパッチのうち所望の候補色の横の位置を指定するためのスピンボックスである選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gとを含んでいる。なお、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cは、全てのチェックボックスの選択が解除されることと、全てのチェックボックスが選択されることとができないようになっている。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cは、何れか1つのみ、または、何れか2つのみが選択されている状態のみを採ることができる。
【0117】
候補色指定GUI第2領域62は、追加パラメーターによって生成された候補色の指定を中止するためのボタンであるキャンセルボタン62aと、追加パラメーターパッチのうち所望の候補色の縦の位置を指定するためのスピンボックスである追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62bと、追加パラメーターパッチのうち所望の候補色の横の位置を指定するためのスピンボックスである追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62cとを含んでいる。
【0118】
図16に示すように、制御部21は、S281の処理を終了すると、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61g、候補色指定GUI第2領域62のGUIおよび調整実行ボタン64をグレーアウトして操作不可能にする(S282)。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61b、明度チェックボックス61c、テスト印刷ボタン61dおよび戻るボタン63のみが操作可能な状態になっている。
【0119】
次いで、制御部21は、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cのうち、例えば色相チェックボックス61aのみを選択された状態にする(S283)。なお、制御部21は、S283において、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cのうち、何れか1つのみ、または、何れか2つのみを選択された状態にするようになっていれば良い。
【0120】
なお、制御部21は、以後、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cが操作可能な状態である場合、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cの選択を操作部23からの指示に応じて変更することができる。
【0121】
制御部21は、S283の処理を終了すると、図16に示す部分色調整第2画面表示処理を終了する。
【0122】
図15に示すように、制御部21は、S261の部分色調整第2画面表示処理を終了すると、テスト印刷ボタン61dが押されたか否かを判断する(S262)。
【0123】
制御部21は、テスト印刷ボタン61dが押されたとS262において判断すると、図18に示すテスト印刷処理を実行する(S263)。
【0124】
図18は、図15に示すテスト印刷処理のフローチャートである。
【0125】
図18に示すように、制御部21の候補色印刷部21bは、記憶部22に記憶されている基準色22eと、色相、彩度および明度のうち色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて選択されているパラメーターとに基づいて、第1パッチ情報を生成する(S301)。ここで、第1パッチ情報とは、基準色22eに対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色を複数種類集めた情報であり、複数種類の候補色がパッチとして用紙に印刷された場合の候補色毎の用紙上での印刷位置も含んでいる情報である。なお、候補色印刷部21bは、候補色の生成の際に使用する調整量を、予め利用者に設定させておくことも可能である。
【0126】
次いで、候補色印刷部21bは、S301において生成した第1パッチ情報を第1パッチ情報22kとして記憶部22に書き込む(S302)。
【0127】
次いで、候補色印刷部21bは、第1パッチ情報22kに基づいてパッチを印刷する(S303)。つまり、候補色印刷部21bは、パッチの印刷データをMFP40に送信して、MFP40にパッチを印刷させる。
【0128】
図19(a)は、色相、彩度および明度のうち1つのパラメーターで候補色が生成された場合のMFP40によって印刷されるパッチの例を示す図である。図19(b)は、色相、彩度および明度のうち2つのパラメーターで候補色が生成された場合のMFP40によって印刷されるパッチの例を示す図である。
【0129】
候補色印刷部21bは、色相、彩度および明度のうち1つのパラメーターで候補色を生成する場合、図19(a)に示すように、複数種類の候補色をパラメーターの量順に一列に並べたパッチを生成する。図19(a)において、中央の候補色、すなわち、縦の位置がAであって横の位置が6である候補色は、基準色22eである。候補色印刷部21bは、色相、彩度および明度のうち2つのパラメーターで候補色を生成する場合、図19(b)に示すように、複数種類の候補色を1つ目のパラメーターの量順に縦列に並べて2つ目のパラメーターの量順に横列に並べたパッチを生成する。図19(b)において、中央の候補色、すなわち、縦の位置がFであって横の位置が6である候補色は、基準色22eである。
【0130】
図18に示すように、制御部21は、S303の処理を終了すると、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gおよび調整実行ボタン64を操作可能にする(S304)。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61b、明度チェックボックス61c、テスト印刷ボタン61d、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61g、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0131】
次いで、制御部21は、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fおよび選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gの値を基準色22eの値にする(S305)。
【0132】
制御部21は、S305の処理を終了すると、図18に示すテスト印刷処理を終了する。
【0133】
図15に示すように、制御部21は、テスト印刷ボタン61dが押されていないとS262において判断するか、S263のテスト印刷処理を終了すると、追加パラメーターテスト印刷ボタン61eが押されたか否かを判断する(S264)。
【0134】
制御部21は、追加パラメーターテスト印刷ボタン61eが押されたとS264において判断すると、図20に示す追加パラメーターテスト印刷処理を実行する(S265)。
【0135】
図20は、図15に示す追加パラメーターテスト印刷処理のフローチャートである。
【0136】
図20に示すように、制御部21の候補色印刷部21bは、記憶部22に記憶されている第1パッチ情報22kと、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fおよび選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gにおいて指定されている位置とに基づいて、第1パッチ情報22kに含まれている複数種類の候補色のうち指定されている候補色を特定する(S321)。
【0137】
次いで、候補色印刷部21bは、S321において特定した候補色と、色相、彩度および明度のうち色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61bおよび明度チェックボックス61cにおいて選択されていないパラメーターとに基づいて、第2パッチ情報を生成する(S322)。ここで、第2パッチ情報とは、S321において特定した候補色に対して更に色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の基準色の候補である候補色を複数種類集めた情報であり、複数種類の候補色がパッチとして用紙に印刷された場合の候補色毎の用紙上での印刷位置も含んでいる情報である。なお、候補色印刷部21bは、候補色の生成の際に使用する調整量を、予め利用者に設定させておくことも可能である。
【0138】
次いで、候補色印刷部21bは、S322において生成した第2パッチ情報を第2パッチ情報22lとして記憶部22に書き込む(S323)。
【0139】
次いで、候補色印刷部21bは、第2パッチ情報22lに基づいてパッチを印刷する(S324)。つまり、候補色印刷部21bは、パッチの印刷データをMFP40に送信して、MFP40にパッチを印刷させる。なお、S324において印刷されるパッチは、図19に示すパッチと同様である。ただし、パッチの中央の候補色は、S321において特定した候補色である。
【0140】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第1領域61のGUIをグレーアウトして操作不可能にする(S325)。すなわち、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0141】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第2領域62のGUIを操作可能にする(S326)。すなわち、キャンセルボタン62a、追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62b、追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62c、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0142】
次いで、制御部21は、追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62bおよび追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62cの値を、S321において特定した候補色の値にする(S327)。
【0143】
制御部21は、S327の処理を終了すると、図20に示す追加パラメーターテスト印刷処理を終了する。
【0144】
図15に示すように、制御部21は、追加パラメーターテスト印刷ボタン61eが押されていないとS264において判断するか、S265の追加パラメーターテスト印刷処理を終了すると、キャンセルボタン62aが押されたか否かを判断する(S266)。
【0145】
制御部21は、キャンセルボタン62aが押されたとS266において判断すると、図21に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理を実行する(S267)。
【0146】
図21は、図15に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理のフローチャートである。
【0147】
図21に示すように、制御部21は、第2パッチ情報22lを記憶部22から削除する(S341)。
【0148】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第2領域62のGUIをグレーアウトして操作不可能にする(S342)。すなわち、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0149】
次いで、制御部21は、候補色指定GUI第1領域61のGUIを操作可能にする(S343)。すなわち、色相チェックボックス61a、彩度チェックボックス61b、明度チェックボックス61c、テスト印刷ボタン61d、追加パラメーターテスト印刷ボタン61e、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61f、選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61g、戻るボタン63および調整実行ボタン64のみが操作可能な状態になっている。
【0150】
制御部21は、S343の処理を終了すると、図21に示す追加パラメーターパッチキャンセル処理を終了する。
【0151】
図15に示すように、制御部21は、キャンセルボタン62aが押されていないとS266において判断するか、S267の追加パラメーターパッチキャンセル処理を終了すると、戻るボタン63が押されたか否かを判断する(S268)。
【0152】
制御部21は、戻るボタン63が押されたとS268において判断すると、表示部24における部分色調整第2画面60の表示を終了する(S269)。
【0153】
次いで、制御部21は、第1パッチ情報22kを記憶部22から削除し、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されている場合には更に第2パッチ情報22lも記憶部22から削除する(S270)。
【0154】
制御部21は、S270の処理を終了すると、図6に示すS102の処理に戻る。
【0155】
制御部21は、戻るボタン63が押されていないとS268において判断すると、調整実行ボタン64が押されたか否かを判断する(S271)。
【0156】
制御部21は、調整実行ボタン64が押されていないとS271において判断すると、再びS262の処理に戻る。
【0157】
一方、制御部21は、調整実行ボタン64が押されたとS271において判断すると、図22に示す色調整処理を実行する(S272)。
【0158】
図22は、図15に示す色調整処理のフローチャートである。
【0159】
図22に示すように、制御部21の候補色受付部21cは、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されているか否かを判断する(S361)。
【0160】
候補色受付部21cは、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されていないとS361において判断すると、記憶部22に記憶されている第1パッチ情報22kと、選択パラメーターパッチ縦位置スピンボックス61fおよび選択パラメーターパッチ横位置スピンボックス61gにおいて指定されている位置とに基づいて、第1パッチ情報22kに含まれている複数種類の候補色のうち指定されている候補色を特定する(S362)。
【0161】
一方、候補色受付部21cは、第2パッチ情報22lが記憶部22に記憶されているとS361において判断すると、記憶部22に記憶されている第2パッチ情報22lと、追加パラメーターパッチ縦位置スピンボックス62bおよび追加パラメーターパッチ横位置スピンボックス62cにおいて指定されている位置とに基づいて、第2パッチ情報22lに含まれている複数種類の候補色のうち指定されている候補色を特定する(S363)。
【0162】
制御部21の画素色調整部21gは、S362またはS363の処理が終了すると、記憶部22に記憶されている基準色22eから、S362またはS363において特定した候補色への調整量を算出する(S364)。
【0163】
次いで、画素色調整部21gは、記憶部22に記憶されている画像データ22dのうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第1範囲22h内である画素の色を、S364において算出した調整量に基づいて調整する(S365)。ここで、画素色調整部21gは、S364において算出した調整量で、画像データ22dのうち色空間上範囲22f内であって画像上第1範囲22h内である全ての画素の色を一律に調整する。すなわち、画素色調整部21gは、調整対象の画素の色を、Lab色空間上で、S364において算出した調整量の明度成分に応じて明度方向に平行移動させ、S364において算出した調整量の彩度成分に応じて彩度方向に平行移動させ、S364において算出した調整量の色相成分に応じて色相方向に回転移動させる。
【0164】
次いで、画素色調整部21gは、記憶部22に記憶されている画像データ22dのうち、記憶部22に記憶されている色空間上範囲22f内であって、記憶部22に記憶されている画像上第2範囲22i内である画素の色を、S364において算出した調整量に基づいて調整する(S366)。ここで、画素色調整部21gは、S364において算出した調整量を調整対象の画素の画像上の位置に応じて変更した調整量(以下「画素毎調整量」という。)で、画像データ22dのうち色空間上範囲22f内であって画像上第2範囲22i内である全ての画素の色を調整する。すなわち、画素色調整部21gは、調整対象の画素の色を、Lab色空間上で、画素毎調整量の明度成分に応じて明度方向に平行移動させ、画素毎調整量の彩度成分に応じて彩度方向に平行移動させ、画素毎調整量の色相成分に応じて色相方向に回転移動させる。
【0165】
画素色調整部21gは、以下の数3に示す式によって画素毎調整量を算出することができる。数3において、Yは、画像データ22dのうち色空間上範囲22f内であって画像上第2範囲22i内である画素に対する画素毎調整量である。yは、S364において算出した調整量である。l1は、図23に示すように画像において画像上第1範囲22hの境界を形成する円の半径である。l2は、図23に示すように画像において画像上第2範囲22iの境界のうち画像上第1範囲22hの境界とは異なる境界を形成する円の半径である。lxは、図23に示すように画像において基準点22gから調整対象の画素までの距離である。
【数3】
【0166】
なお、S365およびS366において画素に適用される調整量は、画像における基準点22gから画素までの距離に応じて図24に示すようになる。すなわち、S365の処理は、画像上第1範囲22h内の画素の色のうち色空間上範囲22f内の色を、基準色22eから候補色への色の調整量によって調整する処理であり、S366の処理は、画像上第2範囲22i内の画素の色のうち色空間上範囲22f内の色を、画像上第1範囲22h側から画像上第1範囲22hとは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整する処理である。
【0167】
図22に示すように、制御部21は、S366の処理を終了すると、図22に示す色調整処理を終了する。
【0168】
図15に示すように、制御部21は、S272の色調整処理を終了すると、制御部21は、S365またはS366において調整できない画素があったか否かを判断する(S273)。ここで、制御部21は、S365またはS366において調整後の画素が1つでもLab空間外に出ている場合、調整できない画素があったと判断する。一方、制御部21は、S365またはS366において調整後の画素が全てLab空間内に入っている場合、調整できない画素がなかったと判断する。
【0169】
制御部21は、調整できない画素があったとS273において判断すると、例えば「色の調整に失敗しました。設定を変更してやり直してください。」という旨の警告を表示部24に表示して(S274)、S262の処理に戻る。
【0170】
一方、制御部21は、調整できない画素がなかったとS273において判断すると、S365またはS366における色の調整後の画像データを画像データ22dとして記憶部22に上書きする(S275)。
【0171】
次いで、制御部21は、表示部24における部分色調整第2画面60の表示を終了する(S276)。
【0172】
次いで、制御部21は、不要な情報を記憶部22から削除する(S277)。ここで、不要な情報には、基準色22e、色空間上範囲22f、基準点22g、画像上第1範囲22h、画像上第2範囲22i、Labデータ22jおよび第1パッチ情報22kが含まれる他、記憶部22に第2パッチ情報22lが記憶されている場合には第2パッチ情報22lも含まれる。
【0173】
制御部21は、S277の処理を終了すると、図6に示す処理を終了する。
【0174】
以上に説明したように、プリンタードライバー22aを実行するPC20は、画像上第1範囲22hおよび画像上第2範囲22iの指定を受け付けて(S107でYES、S109でYES、S111でYES)、画像上第1範囲22h内および画像上第2範囲22i内の画素の色を調整する(S365、S366)ので、画像において画素の色を調整する範囲を利用者に指定させることができる。
【0175】
特に、プリンタードライバー22aを実行するPC20は、基準色22eから候補色への色の調整量によって画素の色を調整する(S365)画像上第1範囲22hの指定を受け付ける(S107でYES、S109でYES)だけではなく、画像上第1範囲22h側から画像上第1範囲22hとは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように画素の色を調整する(S366)画像上第2範囲22iの指定も受け付ける(S107でYES、S109でYES、S111でYES)ので、画像における範囲であって基準色22eから候補色への色の調整量によって画素の色を調整する範囲のみの指定を受け付ける構成と比較して、画素の色を調整する範囲の内外で画像における色が不自然に変化する可能性を抑えることができる。
【0176】
また、プリンタードライバー22aを実行するPC20は、色空間上範囲22fの指定を受け付けて(S103でYES、S105でYES)、画像上第1範囲22h内または画像上第2範囲22i内の画素の色のうち色空間上範囲22f内の色を調整する(S365、S366)ので、画像における範囲だけでなく、色空間における範囲によっても、色を調整する画素を指定することができる。
【0177】
なお、PC20は、色の調整を行う画像上の範囲として本実施の形態において画像上第1範囲および画像上第2範囲という2つの範囲を使用しているが、色の調整を行う画像上の範囲として3つ以上の範囲を使用するようになっていても良い。
【0178】
本発明のコンピューターは、本実施の形態においてPCであるが、PC以外のコンピューターであっても良い。
【0179】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0180】
20 PC(コンピューター)
22a プリンタードライバー
22e 基準色
22f 色空間上範囲
22g 基準点
22h 画像上第1範囲
22i 画像上第2範囲
40 MFP(画像形成装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整対象の基準色の指定を受け付ける基準色受付ステップと、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色に対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の前記基準色の候補である候補色を画像形成装置に複数種類印刷させる候補色印刷ステップと、前記候補色印刷ステップによって印刷された複数種類の前記候補色から1つの候補色の指定を受け付ける候補色受付ステップと、前記画像における基準点の指定を受け付ける基準点受付ステップと、前記基準点受付ステップによって受け付けられた前記基準点を前記画像において囲む範囲である画像上第1範囲の指定を受け付ける画像上第1範囲受付ステップと、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲を前記画像において囲む範囲であって前記画像上第1範囲を除く範囲である画像上第2範囲の指定を受け付ける画像上第2範囲受付ステップと、前記画像における画素の色を調整する画素色調整ステップとをコンピューターに実行させ、
前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項2】
前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色を色空間において囲む範囲である色空間上範囲の指定を受け付ける色空間上範囲受付ステップを前記コンピューターに実行させ、
前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とする請求項1に記載のプリンタードライバー。
【請求項1】
調整対象の基準色の指定を受け付ける基準色受付ステップと、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色に対して色の調整が実行されたと仮定した場合の色の調整後の前記基準色の候補である候補色を画像形成装置に複数種類印刷させる候補色印刷ステップと、前記候補色印刷ステップによって印刷された複数種類の前記候補色から1つの候補色の指定を受け付ける候補色受付ステップと、前記画像における基準点の指定を受け付ける基準点受付ステップと、前記基準点受付ステップによって受け付けられた前記基準点を前記画像において囲む範囲である画像上第1範囲の指定を受け付ける画像上第1範囲受付ステップと、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲を前記画像において囲む範囲であって前記画像上第1範囲を除く範囲である画像上第2範囲の指定を受け付ける画像上第2範囲受付ステップと、前記画像における画素の色を調整する画素色調整ステップとをコンピューターに実行させ、
前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項2】
前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色を色空間において囲む範囲である色空間上範囲の指定を受け付ける色空間上範囲受付ステップを前記コンピューターに実行させ、
前記画素色調整ステップは、前記画像上第1範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第1範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記基準色受付ステップによって受け付けられた前記基準色から前記候補色受付ステップによって受け付けられた前記候補色への色の調整量によって調整し、前記画像上第2範囲受付ステップによって受け付けられた前記画像上第2範囲内の前記画素の色のうち、前記色空間上範囲受付ステップによって受け付けられた前記色空間上範囲内の色を、前記画像上第1範囲側から前記画像上第1範囲とは反対側に向けて色の調整量が徐々に減少するように調整するステップであることを特徴とする請求項1に記載のプリンタードライバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図19】
【公開番号】特開2013−89119(P2013−89119A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230883(P2011−230883)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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