説明

プリンター

【課題】簡素な機構によりロール紙ユニットを高精度に位置決めして製造コストの高騰を来たすことなく斜行の発生を防止する。
【解決手段】ロール紙1000とフランジ1002を有する一対のロール紙ホルダー1001とから成るロール紙ユニット2000の一対のロール紙ホルダーが支持されるロール紙トレイ4と、第1の基準軸44と第2の基準軸45が設けられた機器本体3とを設け、ロール紙トレイは引出位置と機器本体にロール紙ユニットを収納する収納位置との間で移動可能とされ、ロール紙トレイに、付勢バネによって一対のフランジの外周面に接する方向へ付勢された付勢軸31が設けられ、ロール紙トレイが引出位置から収納位置に移動されるときに、一対のロール紙ホルダーに第1の基準軸と第2の基準軸が接すると共に付勢バネによって付勢軸が押し付けられてロール紙ユニットが軸方向に直交する方向において位置決めされるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンターについての技術分野に関する。詳しくは、ロール紙トレイの引出位置から収納位置への移動時にロール紙ユニットを機器本体の二つの基準軸とロール紙トレイの付勢軸とによって位置決めして位置決め精度の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンター等のプリンターには、画像情報が記録される記録紙として円筒状に巻き付けられて形成されたロール紙が用いられるものがある。
【0003】
記録紙としてロール紙を用いるプリンターにあっては、ロール紙とロール紙を搬送する搬送ローラーとの間の位置精度が悪いと、ロール紙が適正な方向に対して斜めに搬送される所謂斜行が発生し、ロール紙の端部の折れや画像のずれ等の画質の低下を引き起こしてしまう。
【0004】
そこで、ロール紙に対して記録を行う記録部の背後にロール紙を装填し、記録部とロール紙の距離を近付けることにより斜行によるロール紙のずれ量を小さくすることが可能であるが、ロール紙が大きい場合にはロール紙の重量が大きくなるためにロール紙の交換が困難になってしまう。この場合に、ロール紙をプリンターの前面側に装填することにより、ロール紙の交換を比較的容易に行うことが可能になる。
【0005】
ところが、ロール紙をプリンターの前面側に装填すると、記録部までのロール紙の搬送パスが長くなり、斜行によるロール紙のずれ量が大きくなってしまうため、ロール紙とロール紙を搬送する搬送ローラーの位置に関して高い精度が要求される。
【0006】
ロール紙を前面側に装填するプリンターにおいて、設置スペースを小さくするためやロール紙への塵埃の付着を防止するために、機器本体に対して出し入れ可能(移動可能)なロール紙トレイを設けたものが存在する。機器本体に対して移動可能なロール紙トレイは、例えば、直線的に移動されるスライド移動タイプや回動される回動タイプ等があり、機器本体の側面板にロール紙トレイが移動自在又は回動自在に支持されている。
【0007】
ところで、プリンターにおいては、給紙ローラー等の搬送ローラーが機器本体の側面板の支持孔に軸受等を介して回転自在に支持される。支持孔は機械加工によって高い精度で形成された金型を用いるかレーザー加工機を用いることにより、高い位置精度で側面板に形成することができる。従って、給紙ローラー等の各種の搬送ローラーを同一の側面板内に支持する場合には、これらの各搬送ローラーの位置に関しては高い精度を確保することができる。
【0008】
一方、ロール紙には軸方向における両端部にそれぞれロール紙ホルダーが取り付けられる場合がある。ロール紙ホルダーにはロール紙の最大外径より径の大きなフランジが設けられており、ロール紙の両端部にそれぞれロール紙ホルダーが取り付けられることによりロール紙ユニットが構成される。
【0009】
このようなロール紙ホルダーを有するロール紙ユニットが用いられる場合には、ロール紙ホルダーの回転負荷を低減するために、ロール紙トレイの側面部又は底面部にロール紙ホルダーを支持する樹脂製の受け部材(支持部)が取り付けられる。従って、ロール紙とロール紙トレイの側面部又は底面部との間には、少なくともロール紙ホルダーと受け部材が介在する。
【0010】
また、機器本体の側面板とロール紙トレイの間には、ロール紙トレイを機器本体に対して閉じる際にロール紙トレイを所定の位置に保持するためのロック機構が介在し、さらにはロール紙トレイが移動するためのスライドレールが介在する。
【0011】
さらに、ロール紙トレイの機器本体に対する円滑な移動動作を確保するためには、一定のクリアランスが必要である。
【0012】
このように、ロール紙と給紙ローラー等の搬送ローラーとの間には多くの部品が介在しそれぞれの部品の精度のばらつきや組立のばらつき等により、また、部品間の必要なクリアランスを確保する必要があることにより、ロール紙と搬送ローラーとの間の位置精度が低下してしまう。従って、ロール紙トレイに装填されたロール紙の高い位置決め精度を確保する必要がある。
【0013】
そこで、従来のプリンターには、一対の第1アームと一対の第2アームを有し、一対の第1アームと一対の第2アームによってロール紙をその回転軸を挟んだ180°反対側から支持することにより、ロール紙の位置決めを行う位置決め機構が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
特許文献1に記載されたプリンターにあっては、四つのアームによってロール紙が保持されるため、ロール紙の高い位置決め精度を確保することが可能である。
【0015】
【特許文献1】特開2004−231310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところが、特許文献1に記載されたプリンターにあっては、一対の第1アームと一対の第2アームによってロール紙をその回転軸を挟んだ180°反対側から四つのアームによって支持する構成とされている。
【0017】
また、第1アームと第2アームによってロール紙を両側から挟持して持ち上げるため、第1アームと第2アームを上下方向へ移動させるための駆動機構や第1のアームと第2のアームに対して駆動力を付与するモーター等が必要になる。
【0018】
従って、機構の大型化や複雑化を来たし製造コストが高騰してしまうと言う不具合を生じてしまう。
【0019】
そこで、本発明プリンターは、上記した問題点を克服し、簡素な機構によりロール紙ユニットを高精度に位置決めして製造コストの高騰を来たすことなく斜行の発生を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
プリンターは、上記した課題を解決するために、画像情報が記録される円筒状に巻き付けられて形成されたロール紙と前記ロール紙の軸方向における両端部にそれぞれ取り付けられ前記ロール紙の最大外径より径の大きなフランジをそれぞれ有する一対のロール紙ホルダーとから成るロール紙ユニットの前記一対のロール紙ホルダーがそれぞれ支持される一対の支持部が設けられたロール紙トレイと、前記ロール紙の軸方向へそれぞれ延びる第1の基準軸と第2の基準軸が設けられた機器本体とを備え、前記ロール紙トレイは前記機器本体に対して前記機器本体から引き出される引出位置と前記機器本体に前記ロール紙ユニットを収納する収納位置との間で少なくとも移動可能とされ、前記ロール紙トレイに、前記軸方向へ延び前記支持部に支持された前記ロール紙ユニットにおける前記一対のフランジの外周面に対して離接する方向へ移動自在に支持され付勢バネによって前記一対のフランジの外周面に接する方向へ付勢された付勢軸が設けられ、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記一対のロール紙ホルダーに前記第1の基準軸と前記第2の基準軸が接すると共に前記一対のロール紙ホルダーに前記付勢バネによって前記付勢軸が押し付けられて前記ロール紙ユニットが前記軸方向に直交する方向において位置決めされるようにしたものである。
【0021】
従って、プリンターにあっては、ロール紙ユニットのロール紙ホルダーに第1の基準軸と第2の基準軸と付勢軸が外周側から接してロール紙が軸方向に直交する方向において位置決めされる。
【0022】
上記したプリンターにおいては、前記第1の基準軸に軸回り方向へ延びる位置決め溝を形成し、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記ロール紙ホルダーのフランジが前記位置決め溝に挿入されて前記ロール紙ユニットが前記軸方向において位置決めされるようにすることが望ましい。
【0023】
ロール紙トレイが引出位置から収納位置に移動されるときに、ロール紙ホルダーのフランジが位置決め溝に挿入されてロール紙ユニットが軸方向において位置決めされることにより、ロール紙トレイの移動に伴ってロール紙ユニット2000が軸方向において位置決めされる。
【0024】
上記したプリンターにおいては、前記第1の基準軸と前記第2の基準軸と前記付勢軸がそれぞれ軸回り方向へ回転可能とされることが望ましい。
【0025】
第1の基準軸と第2の基準軸と付勢軸がそれぞれ軸回り方向へ回転可能とされることにより、ロール紙ユニットの回転に伴って第1の基準軸、第2の基準軸及び付勢軸が回転される。
【0026】
上記したプリンターにおいては、前記ロール紙トレイに前記軸方向に直交する面内において回動可能とされ前記ロール紙の外周面に近付く方向へ付勢された回動ガイドが設けられ、前記ロール紙ユニットが位置決めされた状態において前記回動ガイドが前記ロール紙の外周面に押し付けられるようにすることが望ましい。
【0027】
ロール紙ユニットが位置決めされた状態において回動ガイドがロール紙の外周面に押し付けられるようにすることにより、ロール紙ユニットの回転時にロール紙の外周面に回動ガイドが接触される。
【0028】
上記したプリンターにおいては、前記回動ガイドの先端部に押さえローラーが回転自在に支持され、前記押さえローラーが前記ロール紙の外周面に押し付けられるようにすることが望ましい。
【0029】
押さえローラーがロール紙の外周面に押し付けられるようにすることにより、ロール紙ユニットの回転に伴って押さえローラーが回転される。
【0030】
上記したプリンターにおいては、前記機器本体に前記ロール紙の搬送経路となる搬送用ガイドと前記ロール紙を搬送用ガイドに案内するピックアップガイドとが設けられ、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記ロール紙が前記ピックアップガイドに摺動されて案内され前記搬送用ガイドに導かれるようにすることが望ましい。
【0031】
ロール紙トレイが引出位置から収納位置に移動されるときに、ロール紙がピックアップガイドに摺動されて案内され搬送用ガイドに導かれるようにすることにより、ロール紙が搬送経路に導かれる。
【0032】
上記したプリンターにおいては、前記ロール紙トレイにロック用突部を有し回動可能とされたロックレバーが設けられ、前記機器本体に前記ロックレバーのロック用突部が挿入されて係止されるロック孔が形成され、前記ロール紙トレイは前記引出位置から前記収納位置へ向かう方向へ押圧されることにより前記引出位置から前記収納位置へ向けて移動され、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに前記ロックレバーのロック用突部が前記ロック孔に挿入され、前記ロール紙トレイに対する前記引出位置から前記収納位置へ向かう方向への押圧が解除されることにより、前記ロール紙トレイが前記付勢バネの付勢力によって前記引出位置へ向けて移動され前記ロック用突部が前記ロック孔に係止されるようにすることが望ましい。
【0033】
ロール紙トレイに対する押圧が解除されることにより、ロール紙トレイが付勢バネの付勢力によって引出位置へ向けて移動されロック用突部がロック孔に係止されるようにすることにより、ロック用突部をロック孔に係止するための専用のバネを必要としない。
【発明の効果】
【0034】
本発明プリンターは、画像情報が記録される円筒状に巻き付けられて形成されたロール紙と前記ロール紙の軸方向における両端部にそれぞれ取り付けられ前記ロール紙の最大外径より径の大きなフランジをそれぞれ有する一対のロール紙ホルダーとから成るロール紙ユニットの前記一対のロール紙ホルダーがそれぞれ支持される一対の支持部が設けられたロール紙トレイと、前記ロール紙の軸方向へそれぞれ延びる第1の基準軸と第2の基準軸が設けられた機器本体とを備え、前記ロール紙トレイは前記機器本体に対して前記機器本体から引き出される引出位置と前記機器本体に前記ロール紙ユニットを収納する収納位置との間で少なくとも移動可能とされ、前記ロール紙トレイに、前記軸方向へ延び前記支持部に支持された前記ロール紙ユニットにおける前記一対のフランジの外周面に対して離接する方向へ移動自在に支持され付勢バネによって前記一対のフランジの外周面に接する方向へ付勢された付勢軸が設けられ、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記一対のロール紙ホルダーに前記第1の基準軸と前記第2の基準軸が接すると共に前記一対のロール紙ホルダーに前記付勢バネによって前記付勢軸が押し付けられて前記ロール紙ユニットが前記軸方向に直交する方向において位置決めされるようにしている。
【0035】
従って、簡素な機構によりロール紙ユニットを高精度に軸方向に直交する方向において位置決めすることができ、製造コストの高騰を来たすことなくロール紙の斜行の発生を防止することができる。
【0036】
請求項2に記載した発明にあっては、前記第1の基準軸に軸回り方向へ延びる位置決め溝を形成し、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記ロール紙ホルダーのフランジが前記位置決め溝に挿入されて前記ロール紙ユニットが前記軸方向において位置決めされるようにしている。
【0037】
従って、ロール紙ユニットの軸方向における位置決めが簡単かつ確実に行われるため、簡素な機構によりロール紙ユニットを高精度に位置決めすることができ、製造コストの高騰を来たすことなく斜行の発生を防止することができる。
【0038】
請求項3に記載した発明にあっては、前記第1の基準軸と前記第2の基準軸と前記付勢軸がそれぞれ軸回り方向へ回転可能とされている。
【0039】
従って、ロール紙ユニットの回転に対する負荷が低減され、ロール紙の円滑な搬送動作を確保することができる。
【0040】
請求項4に記載した発明にあっては、前記ロール紙トレイに前記軸方向に直交する面内において回動可能とされ前記ロール紙の外周面に近付く方向へ付勢された回動ガイドが設けられ、前記ロール紙ユニットが位置決めされた状態において前記回動ガイドが前記ロール紙の外周面に押し付けられるようにしている。
【0041】
従って、回動ガイドがロール紙の外周面に圧着され、ロール紙の巻解れを防止することができる。
【0042】
請求項5に記載した発明にあっては、前記回動ガイドの先端部に押さえローラーが回転自在に支持され、前記押さえローラーが前記ロール紙の外周面に押し付けられるようにしている。
【0043】
従って、ロール紙ユニットの回転に対する負荷が低減され、ロール紙の円滑な搬送動作を確保することができる。
【0044】
請求項6に記載した発明にあっては、前記機器本体に前記ロール紙の搬送経路となる搬送用ガイドと前記ロール紙を搬送用ガイドに案内するピックアップガイドとが設けられ、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記ロール紙が前記ピックアップガイドに摺動されて案内され前記搬送用ガイドに導かれるようにしている。
【0045】
従って、ロール紙を確実に搬送経路において搬送することができる。
【0046】
請求項7に記載した発明にあっては、前記ロール紙トレイにロック用突部を有し回動可能とされたロックレバーが設けられ、前記機器本体に前記ロックレバーのロック用突部が挿入されて係止されるロック孔が形成され、前記ロール紙トレイは前記引出位置から前記収納位置へ向かう方向へ押圧されることにより前記引出位置から前記収納位置へ向けて移動され、前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに前記ロックレバーのロック用突部が前記ロック孔に挿入され、前記ロール紙トレイに対する前記引出位置から前記収納位置へ向かう方向への押圧が解除されることにより、前記ロール紙トレイが前記付勢バネの付勢力によって前記引出位置へ向けて移動され前記ロック用突部が前記ロック孔に係止されるようにしている。
【0047】
従って、ロック用突部をロック孔に係止するための専用のバネを必要とせず、部品点数の削減及び機構の簡素化により、プリンターの小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下に、本発明プリンターの実施の形態を添付図面に従って説明する。尚、以下に示した実施の形態は、記録部として、記録シートの全幅をカバーする長さの固定された液体吐出ヘッドを有し、ロール紙の搬送方向のみにおいて記録を行う所謂ラインヘッド型のプリンターに適用したものである。
【0049】
[プリンターの構成]
先ず、プリンターの構成について説明する(図1参照)。
【0050】
プリンター1は外筐2の内外に所要の各部が配置されて成り、機器本体3と機器本体3に対して出し入れ可能(移動可能)とされたロール紙トレイ4とを備えている。
【0051】
プリンター1は、給紙部100と搬送部200と記録部300とプラテン400と吸引部500とキャッピング部600と保湿液供給部700とカッター800と排紙部900を備えている。
【0052】
給紙部100はロール紙1000を供給する。給紙部100はロール紙トレイ4と機器本体3に設けられた給紙ローラー5及び給紙ピンチローラー6とを有している。
【0053】
搬送部200は下部ターンローラー7、下部ターンピンチローラー8、上部ターンローラー9、上部ターンピンチローラー10、10、エッジセンサー11、搬送ローラー12、ピンチローラー13、搬送ローラー14及びピンチローラー15を有している。
【0054】
下部ターンローラー7、下部ターンピンチローラー8、上部ターンローラー9、上部ターンピンチローラー10、10、エッジセンサー11、搬送ローラー12及びピンチローラー13は、給紙部100と記録部300の間において順に給紙部100側から配置されている。
【0055】
下部ターンローラー7、上部ターンローラー9、搬送ローラー12及び搬送ローラー14はそれぞれ図示しない駆動モーターによって回転される。
【0056】
下部ターンローラー7と下部ターンピンチローラー8はロール紙1000を挟んで圧着された状態で回転され、上部ターンローラー9と上部ターンピンチローラー10、10はロール紙1000を挟んで圧着された状態で回転され、搬送ローラー12とピンチローラー13はロール紙1000を挟んで圧着された状態で回転される。
【0057】
搬送ローラー12には図示しないエンコーダーとエンコーダーセンサーが取り付けられている。エンコーダーとエンコーダーセンサーによってロール紙1000の搬送速度が検出され、検出された搬送速度に基づいて記録部300から吐出されるインクの吐出タイミングがロール紙1000の搬送速度に同期するようにされている。
【0058】
搬送ローラー14とピンチローラー15は、記録部300とカッター800の間に配置され、ロール紙1000を挟んで圧着された状態で回転される。
【0059】
記録部300は給紙されて搬送されるロール紙1000に画像を記録する機能を有している。
【0060】
記録部300は、ロール紙1000の幅より稍幅が広いラインヘッド型の液体吐出ヘッド16を有している。
【0061】
液体吐出ヘッド16は、例えば、5色の異なる液体(インク)をそれぞれ吐出するモジュールヘッド17、17、・・・が副走査方向(ロール紙1000の搬送方向)に隣接して配置された構成とされている。
【0062】
液体吐出ヘッド16の下面はプラテン400の上面に対向する液体吐出面16aとして形成されている。液体吐出面16aには複数の図示しないヘッドチップが千鳥状に配列されており、ヘッドチップにはそれぞれインクを吐出する液体吐出ノズルの微細な複数のノズル口が配列されている。
【0063】
液体吐出ヘッド16には複数の電気熱変換素子が設けられており、画像情報に基づいて電気熱変換素子が選択的に駆動され、電気熱変換素子の発熱によりインク中に生じた膜沸騰の圧力によって各ノズル口からインクが吐出される。
【0064】
プラテン400は記録部300の下方に対向して配置され、ロール紙1000を保持する機能を有している。
【0065】
プラテン400の上面は搬送されるロール紙1000を保持する保持面18として形成されている。
【0066】
吸引部500はロール紙1000をプラテン400において吸着するための吸引力を発生する機能を有する。吸引部500には吸引ファン19とエアー吸引路20が設けられている。
【0067】
吸引ファン19が回転されると、エアー吸引路20を介してプラテン400からエアーが吸引され、ロール紙1000がプラテン400において吸着されて保持面18に保持される。このときロール紙1000は搬送に支障がない吸引力によってプラテン400の保持面18に吸着される。
【0068】
キャッピング部600は記録部300の液体吐出面16aとプラテン400の保持面18との間に形成される空間の密閉性を向上し、記録部300から吐出されるインクの乾き等を防止する機能を有する。
【0069】
保湿液供給部700はキャッピング部600によって密閉された記録部300の液体吐出面16aとプラテン400の保持面18との間の空間を湿潤状態にするために保湿液を供給する機能を有する。
【0070】
保湿液供給部700は保湿液が貯蔵された保湿液貯蔵部21と保湿液貯蔵部21からプラテン400までの保湿液の供給路になる保湿液供給管22と保湿液供給管22の中間部に配置された保湿液供給ポンプ23とを有している。
【0071】
保湿液貯蔵部21に貯蔵されている保湿液は保湿液供給ポンプ23の駆動により保湿液供給管22からプラテン400の内部に設けられた図示しない吸収体に送られ、記録部300の液体吐出面16aとプラテン400の保持面18との間の空間が湿潤状態に保持される。
【0072】
カッター800はロール紙1000を切断する機能を有し、排紙部900は記録部300によって画像が記録されたロール紙1000が排出される部分である。
【0073】
[ロール紙ユニットの構成]
次に、ロール紙ユニットの構成について説明する(図2及び図3参照)。
【0074】
ロール紙1000は厚手のロール芯に記録紙が巻き付けられて円筒状に形成されている。
【0075】
ロール紙1000の軸方向における両端部にはそれぞれロール紙ホルダー1001、1001が取り付けられ、ロール紙1000にロール紙ホルダー1001、1001が取り付けられることによりロール紙ユニット2000が構成される(図2参照)。
【0076】
ロール紙ホルダー1001は、図2及び図3に示すように、ロール紙1000の最大外径より径の大きな円板状のフランジ1002とフランジ1002から外方へ突出された円環状の被支持筒1003とフランジ1002の中心部から内方へ突出された略円筒状の取付ボス1004とを有している。
【0077】
被支持筒1003は外径がフランジ1002の外径より小さくされている。一方の被支持筒1003の先端部の外面にはギヤ部1003aが形成されている。フランジ1002の中心と被支持筒1003の中心とは一致されている。
【0078】
取付ボス1004には周方向に等間隔に離隔して先端側に開口されたスリット1004a、1004a、・・・が形成されている。取付ボス1004にはスリット1004a、1004a、・・・によって周方向に離隔した四つの圧入部1004b、1004b、・・・が設けられ、圧入部1004b、1004b、・・・の先端部は外径がロール紙1000の内径より稍大きくなるように外面側へ突出されている。圧入部1004b、1004b、・・・はそれぞれスリット1004a、1004a、・・・によってフランジ1002の半径方向へ弾性変形可能とされている。
【0079】
ロール紙ホルダー1001、1001はそれぞれ取付ボス1004、1004がロール紙1000の軸方向における両側からロール芯に挿入されることによりロール紙1000に取り付けられる。取付ボス1004、1004がロール芯に挿入された状態においては、取付ボス1004、1004が弾性変形されてロール芯の内面に内側から押し付けられて圧入状態とされるため、ロール紙ホルダー1001、1001のロール紙1000からの脱落が防止される。
【0080】
[プリンターにおけるロール紙の搬送動作]
次に、プリンター1におけるロール紙1000の給紙から排紙までの動作について説明する(図1参照)。
【0081】
ロール紙1000は給紙部100から排紙部900まで搬送パスAにおいて搬送される。
【0082】
ロール紙1000が装填されたロール紙トレイ4から給紙ローラー5と給紙ピンチローラー6によってロール紙1000が給紙される。尚、ロール紙1000のロール紙トレイ4への装填はロール紙ホルダー1001、1001が取り付けられてロール紙ユニット2000として構成された状態で行われる。
【0083】
給紙されたロール紙1000は搬送部200へ向けて搬送され、下部ターンローラー7と下部ターンピンチローラー8によって搬送方向が変更され、続いて、上部ターンローラー9と上部ターンピンチローラー10、10によって搬送され搬送方向が略90°変更される。
【0084】
搬送されるロール紙1000はエッジセンサー11によって検出され、搬送ローラー12とピンチローラー13によって記録部300とプラテン400の間へ向けてさらに搬送される。
【0085】
ロール紙1000が搬送ローラー12とピンチローラー13によって搬送されるときには、キャッピング部600が動作され記録部300とプラテン400の間の搬送パスAが開放される。このとき吸引部500の吸引ファン19が回転される。ロール紙1000は、吸引部500の吸引力によってプラテン400の保持面18に吸着されて保持される。
【0086】
エッジセンサー11がロール紙1000の先端を検出した時点からの上部ターンローラー9による搬送量と搬送ローラー12による搬送量との合計した搬送量が所定値に達すると、記録部300によるロール紙1000に対する記録動作が開始される。
【0087】
ロール紙1000は搬送ローラー12とピンチローラー13を通過すると、搬送ローラー12と同期して回転されている搬送ローラー14とピンチローラー15によってさらに排紙部900へ向けて搬送される。
【0088】
ロール紙1000に対する記録が終了すると、吸引ファン19の動作が停止される。ロール紙1000はカッター800によってカットされた後に排紙部900まで搬送される。
【0089】
カッター800によってカットされたロール紙1000が排紙部900に搬送されると、搬送ローラー12が逆回転され、ロール紙ユニット2000側のロール紙1000がカッター800側から記録部300側へ搬送される。従って、ロール紙ユニット2000にはロール紙1000の一部が巻き戻される。ロール紙ユニット2000にロール紙1000の一部が巻き戻されることによりロール紙1000の搬送動作が終了する。
【0090】
ロール紙1000の搬送動作が終了すると、キャッピング部600が再び動作されて記録部300とプラテン400の間の空間が閉塞されて密閉される。
【0091】
[ロール紙トレイ等の具体的な構成]
次いで、ロール紙トレイ4及び機器本体3の給紙側の部分の具体的な構成について説明する(図4乃至図10参照)。
【0092】
ロール紙トレイ4は機器本体3に対して機器本体3から引き出される引出位置(図4及び図7参照)と機器本体3にロール紙ユニット2000を収納する収納位置(図5、図6、図8及び図10参照)との間で少なくとも移動可能とされている。
【0093】
ロール紙トレイ4は底面部24と前面部25と側面部26、26を有している(図4乃至図8参照)。
【0094】
底面部24の前端部には後述するロック機構が設けられ、ロック機構の前端部は前面部25の下端部に形成された配置孔25aに配置されている。底面部24には上方へ突出された給紙ガイド27、27が左右に離隔して設けられている(図6及び図10参照)。
【0095】
側面部26、26は底面部24の前端部における左右両端寄りの位置からそれぞれ上方へ突出されて設けられている(図4乃至図8参照)。側面部26、26の外面側にはそれぞれ揺動アーム28、28が回動自在に支持されている。側面部26、26の下端寄りの位置にはそれぞれ支点軸29、29が設けられている。
【0096】
揺動アーム28、28は下端部が支点軸29、29に連結され、支点軸29、29を支点として回動される。揺動アーム28、28の上端部はそれぞれ被ストッパー突部28a、28aとして設けられている。揺動アーム28、28の上端寄りの位置と側面部26、26の間にはそれぞれ付勢バネ30、30が支持され、揺動アーム28、28はそれぞれ上端部が略後方へ移動される回動方向へ付勢されている。
【0097】
側面部26、26間には付勢軸31が架け渡され、付勢軸31は両端部がそれぞれ軸受32、32を介して揺動アーム28、28の上端側に連結されている。従って、付勢軸31は揺動アーム28、28を介して付勢バネ30、30の付勢力によって略後方へ移動される方向へ付勢されている。付勢軸31は側面部26、26に対して回転可能とされている。
【0098】
側面部26、26の外面側にはそれぞれストッパー33、33が取り付けられている。ストッパー33、33にはそれぞれ揺動アーム28、28の被ストッパー突部28a、28aが係合可能とされ、ストッパー33、33にそれぞれ被ストッパー突部28a、28aが係合されることにより、揺動アーム28、28の付勢された方向への回動が規制される。
【0099】
側面部26、26間には付勢軸31の下側に第1の支持軸34が架け渡されている。第1の支持軸34の軸方向における両端部にはそれぞれ第1の回動ガイド35、35が支持され(図6及び図10参照)、第1の回動ガイド35、35の先端部にはそれぞれ押さえローラー35a、35aが回転自在に支持されている。第1の回動ガイド35、35は第1の支持軸34を支点として回動され、押さえローラー35a、35aが支持軸34より下方側に位置され、図示しないバネによって押さえローラー35a、35aが略上方へ移動する方向へ付勢されている。
【0100】
底面部24の左右両端部にはそれぞれ支持部36、36が設けられている(図6乃至図8参照)。支持部36、36は前端部がそれぞれ側面部26、26に取り付けられている。
【0101】
支持部36には上方に開口された略半円弧状の受け面36aが形成されている。受け面36aの曲率はロール紙ユニット2000のロール紙ホルダー1001に設けられた被支持筒1003の曲率より稍大きくされている。従って、後述するように、受け面36a、36aにはそれぞれロール紙ユニット2000の被支持筒1003、1003が載置されて支持されるが、このときロール紙ユニット2000は受け面36a、36aに対して被支持筒1003、1003が転動可能とされ略前後方向へ移動可能とされる。
【0102】
支持部36、36の後端部にはそれぞれ支持板37、37が取り付けられている。支持板37、37の上端部間には第2の支持軸38が架け渡されている。第2の支持軸38には軸方向に離隔して複数の第2の回動ガイド39、39、・・・が支持され(図6及び図10参照)、第2の回動ガイド39、39、・・・の先端部にはそれぞれ押さえローラー39a、39a、・・・が回転自在に支持されている。第2の回動ガイド39、39、・・・は第2の支持軸38を支点として回動され、押さえローラー39a、39a、・・・が第2の支持軸38より下方側に位置され、図示しないバネによって押さえローラー39a、39a、・・・が略上方へ移動する方向へ付勢されている。
【0103】
ロール紙トレイ4の側面における下端部にはそれぞれ前後方向に延びる被ガイドレール40、40が取り付けられている。
【0104】
機器本体3には底面板41と側面板42、42が設けられている(図4乃至図8参照)。
【0105】
底面板41には左右に離隔してピックアップガイド43、43、・・・が取り付けられている(図6及び図10参照)。ピックアップガイド43は略三角形状に形成され、後方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜されたガイド面43aを有している。ガイド面43aの前端は底面板41の上面に連続されている。
【0106】
側面板42、42間にはそれぞれ第1の基準軸44と第2の基準軸45が架け渡され、第1の基準軸44と第2の基準軸45は上下に離隔して位置されている。第1の基準軸44と第2の基準軸45はそれぞれ側面板42、42に対して回転可能とされている。
【0107】
第1の基準軸44の軸方向における一端寄りの位置には周方向に延びる位置決め溝44aが形成されている(図9及び図10参照)。位置決め溝44aは底面の溝幅が最小とされ開口面の溝幅が最大となるように底面側から開口側へ行くに従って溝幅が広がるように形成されている。
【0108】
第2の基準軸45はピックアップガイド43、43、・・・の後面に接近して位置されている(図10参照)。
【0109】
側面板42、42間には第1の基準軸44と第2の基準軸45の後側に、図4、図5、図8及び図10に示すように、上記した給紙ローラー5と給紙ピンチローラー6がそれぞれ架け渡され、給紙ローラー5と給紙ピンチローラー6の後側に下部ターンローラー7と下部ターンピンチローラー8がそれぞれ架け渡されている。
【0110】
側面板42、42間には第1の搬送用ガイド46と第2の搬送用ガイド47がそれぞれ架け渡されている。第1の搬送用ガイド46は第2の搬送用ガイド47の上方に位置され、前端部以外の部分が第2の搬送用ガイド47と平行な状態で接近して位置されている。第1の搬送用ガイド46の前端部は前方へ行くに従って第2の搬送用ガイド47から離隔するように傾斜された導入部46aとして設けられている。第2の搬送用ガイド47は前端部がピックアップガイド43、43、・・・の直ぐ後側に位置されている(図10参照)。
【0111】
第1の搬送用ガイド46と第2の搬送用ガイド47はロール紙1000の搬送経路を形成し、ロール紙1000は第1の搬送用ガイド46と第2の搬送用ガイド47の間を搬送されていく。
【0112】
一方の側面板42には送り機構48が配置されている(図8及び図9参照)。送り機構48はモーター49とプーリー50とタイミングベルト51とギヤプーリー52と伝達ギヤ53とを有している。
【0113】
モーター49は側面板42の内面側に取り付けられ、モーター軸が側面板42の外面側に突出されている。プーリー50はモーター49のモーター軸に固定され、プーリー50とギヤプーリー52の間にタイミングベルト51が巻き付けられている。ギヤプーリー52と伝達ギヤ53は噛合されている。
【0114】
伝達ギヤ53はロール紙ユニット2000が装填されたロール紙トレイ4が収納位置に移動されたときに、ロール紙ユニット2000のロール紙ホルダー1001に設けられた被支持筒1003のギヤ部1003aと噛合される。従って、モーター49が回転されると、モーター49の駆動力が順にプーリー50、タイミングベルト51、ギヤプーリー52及び伝達ギヤ53を介してロール紙ホルダー1001に伝達され、モーター49の回転方向に応じた方向へロール紙ユニット2000が回転される。ロール紙ユニット2000の回転に伴ってロール紙1000が引き出され又は巻き戻される。
【0115】
側面板42、42の下端部にはそれぞれ前後方向に延びるガイドレール54、54が取り付けられている。ガイドレール54、54にはロール紙トレイ4の被ガイドレール40、40がそれぞれ摺動自在に支持され、ロール紙トレイ4は被ガイドレール40、40がそれぞれガイドレール54、54に案内されて前後方向へ移動される。
【0116】
[ロック機構の構成]
次に、ロール紙トレイ4の前端部に設けられたロック機構60について説明する(図11参照)。
【0117】
ロール紙トレイ4の底面部24の前端寄りの位置には挿通孔24aが形成されている。底面部24には前後に離隔してそれぞれ上方へ突出されたバネ支持部24bとレバー支持部24cが設けられている。
【0118】
機器本体3の底面板41の前端寄りの位置にはロック孔41aが形成されている。
【0119】
ロック機構60はロックレバー61と引張コイルバネ62を有している。
【0120】
ロックレバー61はレバー本体63とレバー本体63の前端に連続された把持アーム64とから成る。
【0121】
レバー本体63の前端部には下方へ突出されたロック用突部65が設けられている。ロック用突部65は前面が係止面65aとして形成され、下面が摺動面65bとして形成されている。摺動面65bは後方へ行くに従って上方へ緩やかに変位するように傾斜されている。
【0122】
レバー本体63にはロック用突部65の後側の位置に下方へ突出されたストッパー部63aが設けられている。レバー本体63の後端部には上方へ突出された支持突部63bが設けられている。
【0123】
把持アーム64は縦断面形状において下方に開口されたコ字状に形成され、前端部が把持部64aとして設けられている。
【0124】
ロックレバー61はレバー本体63の後端部が底面部24のレバー支持部24cに回動自在に支持されている。
【0125】
引張コイルバネ62は両端部がそれぞれ底面部24のバネ支持部24bとレバー本体63の支持突部63bとに支持されている。ロックレバー61が上方側へ回動されると、引張コイルバネ62によってロックレバー61に下方側への回動力が付与される。
【0126】
[ロール紙ユニットの装填時における動作]
以下に、ロール紙ユニット2000の装填時における動作について説明する(図12乃至図16参照)。
【0127】
ロール紙トレイ4が機器本体3から引き出されて引出位置に移動されると、ロール紙トレイ4に対するロール紙ユニット2000の装填が行われる。ロール紙トレイ4の機器本体3からの引出はロック機構60の把持アーム64の把持部64aを把持して上方へ引き上げロックレバー61を上方側へ回動させ、ロール紙トレイ4を前方へ移動させることにより行うことができる。
【0128】
ロール紙ユニット2000はロール紙トレイ4の支持部36、36に装填され、ロール紙ユニット2000が装填された状態においてはロール紙ホルダー1001、1001の被支持筒1003、1003がそれぞれ支持部36、36の受け面36a、36aに載置されて支持される(図12参照)。
【0129】
ロール紙ユニット2000が支持部36、36に装填されると、ロール紙1000の外周面がそれぞれ第1の回動ガイド35、35の押さえローラー35a、35aと第2の回動ガイド39、39、・・・の押さえローラー39a、39a、・・・とによって外側から押さえられる。第1の回動ガイド35、35と第2の回動ガイド39、39、・・・はそれぞれバネによってロール紙1000の外周面に近付く方向へ付勢されているため、押さえローラー35a、35aと押さえローラー39a、39a、・・・はロール紙1000の外周面に圧着される。従って、ロール紙1000の巻解れを防止することができる。
【0130】
このときロール紙1000の先端部1000aは底面部24に設けられた給紙ガイド27、27に載置される。
【0131】
ロール紙ユニット2000が支持部36、36に装填された状態においては、付勢軸31がロール紙ホルダー1001、1001のフランジ1002、1002に前方から接触される。このとき付勢軸31は付勢された方向における移動端に位置されており、フランジ1002、1002には付勢バネ30の付勢力が付与されていない状態で付勢軸31が接触される。
【0132】
前面部25が後方へ押圧されてロール紙トレイ4が引出位置から収納位置へ向けて移動されると、図13に示すように、ロール紙1000の先端部1000aが機器本体3のピックアップガイド43、43、・・・のガイド面43a、43a、・・・に乗り上げ摺動されて案内されガイド面43a、43a、・・・から後方へ突出され、第2の搬送用ガイド47の上面側に導かれる。
【0133】
このときロール紙ユニット2000のフランジ1002、1002には付勢軸31が接触された状態が保持され、第1の基準軸44及び第2の基準軸45がそれぞれフランジ1002、1002に近接して位置される。
【0134】
さらに前面部25が後方へ押圧されてロール紙トレイ4が収納位置へ向けて移動されると、フランジ1002、1002が第2の基準軸45に接する(図14参照)。従って、付勢軸31と第2の基準軸45がフランジ1002、1002に接触される。
【0135】
前面部25がさらに後方へ押圧されてロール紙トレイ4が収納位置へ向けて移動されると、フランジ1002、1002が第2の基準軸45に押し付けられる(図15参照)。従って、ロール紙ユニット2000は被支持筒1003、1003がそれぞれ支持部36、36の受け面36a、36a上を転動され、支持部36、36に対して前方へ移動される。ロール紙ユニット2000が前方へ移動されることにより、付勢軸31が付勢バネ30の付勢力に抗して前方へ移動され、付勢軸31がフランジ1002、1002に押し付けられる。
【0136】
このときロール紙ユニット2000はフランジ1002、1002が第2の基準軸45に乗り上げる方向へも移動されるため僅かに上方へ移動され、被支持筒1003、1003がそれぞれ支持部36、36の受け面36a、36aから僅かに上方に離隔して位置される。
【0137】
引き続き前面部25が後方へ押圧されてロール紙トレイ4が後方へ移動されると、ロール紙トレイ4は収納位置に至る(図16参照)。収納位置においてはフランジ1002、1002が第2の基準軸45に押し付けられ、支持部36、36に対して前方へ移動される。また、このときロール紙ユニット2000はフランジ1002、1002が第2の基準軸45に乗り上げる方向へもさらに移動されるためさらに上方へ移動され、フランジ1002、1002の外周面が第1の基準軸44にも接触される。
【0138】
上記のように、収納位置においては、フランジ1002、1002の外周面が第1の基準軸44と第2の基準軸45に押し付けられ付勢軸31が付勢バネ30の付勢力によってフランジ1002、1002の外周面に押し付けられた状態とされる。従って、ロール紙ユニット2000は第1の基準軸44と第2の基準軸45と付勢軸31によって保持されてロール紙1000の軸方向に直交する方向において位置決めされる。
【0139】
ロール紙トレイ4が後方へ移動されて収納位置に移動されるときには、一方のフランジ1002が第1の基準軸44の一端部に形成された位置決め溝44aに挿入される(図16及び図17参照)。位置決め溝44aは、上記したように、底面側から開口側へ行くに従って溝幅が広がるように形成されているため、フランジ1002は位置決め溝44aに円滑に挿入される。
【0140】
このようにフランジ1002が位置決め溝44aに挿入されることにより、ロール紙ユニット2000はロール紙1000の軸方向において位置決めされる。
【0141】
ロール紙トレイ4が収納位置に移動されると、送り機構48のモーター49が回転されてロール紙ユニット2000が回転され、ロール紙1000が第1の搬送用ガイド46と第2の搬送用ガイド47の間に挿入され排紙部900へ向けて搬送されていく。
【0142】
このときフランジ1002、1002が回転されるが、フランジ1002、1002に接している第1の基準軸44、第2の基準軸45及び付勢軸31は何れも軸回り方向へ回転可能とされているため、フランジ1002、1002の回転に伴って第1の基準軸44、第2の基準軸45及び付勢軸31が回転される。
【0143】
このようにフランジ1002、1002に接触されている第1の基準軸44、第2の基準軸45及び付勢軸31が回転されるため、ロール紙ユニット2000の回転に対する負荷が低減され、ロール紙1000の円滑な搬送動作を確保することができる。従って、送り機構48のモーター49に対する負荷を軽減することができる。
【0144】
また、上記したように、第1の搬送用ガイド46には前方へ行くに従って第2の搬送用ガイド47から離隔するように傾斜された導入部46aが設けられているため、ロール紙1000が搬送されるときに先端部1000aが導入部46aによって案内されて第1の搬送用ガイド46と第2の搬送用ガイド47の間に円滑に挿入されていく。従って、ロール紙1000を給紙部100から排紙部900へ向けて確実に搬送することができる。
【0145】
ロール紙1000が給紙部100から排紙部900へ向けて搬送されていくと、ロール紙ユニット2000におけるロール紙1000の巻径が搬送量に伴って小さくなっていく(図18参照)。このときロール紙1000の外周面にはそれぞれ第1の回動ガイド35、35の押さえローラー35a、35aと第2の回動ガイド39、39、・・・の押さえローラー39a、39a、・・・とがバネによる付勢力によって圧着されている。従って、第1の回動ガイド35、35と第2の回動ガイド39、39、・・・はロール紙1000の巻径の変化に伴ってバネによる付勢方向へ回動されていき、常に、押さえローラー35a、35aと押さえローラー39a、39a、・・・がロール紙1000の外周面に圧着され、ロール紙1000の巻解れが防止される。
【0146】
また、ロール紙1000の外周面には回転可能な押さえローラー35a、35aと押さえローラー39a、39a、・・・が接しているため、ロール紙ユニット2000の回転に伴ってローラー35a、35aと押さえローラー39a、39a、・・・が回転され、ロール紙ユニット2000の回転に対する負荷が低減される。従って、送り機構48のモーター49に対する負荷を軽減することができる。
【0147】
送り機構48の動作が停止されロール紙1000の搬送動作が終了すると、ロール紙トレイ4を収納位置から引出位置へ向けて移動させることが可能となる。
【0148】
[ロック機構の動作]
次に、ロック機構60の動作について説明する(図19乃至図25参照)。
【0149】
ロール紙トレイ4の引出位置から収納位置へ向けての移動が開始されたときには、ロックレバー61のロック用突部65がロール紙トレイ4の底面部24の挿通孔24aに挿入され、ロックレバー61はストッパー部63aが底面部24の上面に接触されて水平な状態とされている(図19参照)。
【0150】
ロール紙トレイ4がさらに収納位置へ向けて移動されていくと、ロックレバー61のロック用突部65における摺動面65bの後端部が機器本体3の底面板41の前縁に接する(図20参照)。
【0151】
さらにロール紙トレイ4が収納位置へ向けて移動されていくと、ロック用突部65の摺動面65bが底面板41に乗り上げてロックレバー61が引張コイルバネ62の付勢力に抗して回動されていく(図21参照)。
【0152】
引き続きロール紙トレイ4が収納位置へ向けて移動されていくと、ロック用突部65の摺動面65bが底面板41の前縁に摺動されてさらにロックレバー61が引張コイルバネ62の付勢力に抗して回動され、摺動面65bの前端が底面板41に乗り上げる(図22参照)。
【0153】
ロール紙トレイ4がさらに収納位置へ向けて移動されていくと、ロック用突部65の摺動面65bが底面板41の上面に摺動される(図23参照)。
【0154】
さらにロール紙トレイ4が収納位置へ向けて移動されていくと、ロック用突部65の前端が底面板41のロック孔41aの前端より後方に位置され、ロックレバー61が引張コイルバネ62の付勢力によって回動されてロック用突部65がロック孔41aに挿入されてストッパー部63aが底面板41の上面に接触される(図24参照)。このときロール紙トレイ4は収納位置より僅かに後方まで移動されており、これ以上後方へ移動することができない状態とされている。ロール紙トレイ4が収納位置より僅かに後方まで移動されロック用突部65がロック孔41aに挿入された状態においては、ロック用突部65の前端がロック孔41aの前端より後方に位置され、ロック用突部65の係止面65aとロック孔41aの前端との間に隙間66が形成されている。
【0155】
収納位置より僅かに後方まで移動された状態においては、揺動アーム28、28と側面部26、26の間にそれぞれ支持された付勢バネ30、30によって付勢された付勢軸31がロール紙ユニット2000のフランジ1002、1002に前方から押し付けられている(図16参照)。従って、ロール紙トレイ4には付勢バネ30の付勢力によって前方への移動力が付与されている。
【0156】
このときロール紙トレイ4の前面部25に対する押圧が解除されると、付勢バネ30から付与された移動力によってロール紙トレイ4が前方へ移動される(図25参照)。ロール紙トレイ4が前方へ移動されると、ロックレバー61のロック用突部65の係止面65aがロック孔41aの前端に係止される。ロック用突部65の係止面65aがロック孔41aの前端に係止されることによりロール紙トレイ4の前方への移動が停止され、ロール紙トレイ4がロック機構60によって機器本体3に対してロックされる。ロール紙トレイ4がロック機構60によって機器本体3に対してロックされたときにロール紙トレイ4は収納位置に保持される。
【0157】
尚、ロール紙トレイ4が収納位置から僅かに後方まで移動された状態から収納位置まで移動されると、付勢バネ30、30が僅かに伸長されるが、付勢軸31には依然として付勢バネ30、30による付勢力が付与された状態である。従って、ロール紙ユニット2000のフランジ1002、フランジ1002の外周面が第1の基準軸44と第2の基準軸45に押し付けられ付勢軸31が付勢バネ30の付勢力によってフランジ1002、1002の外周面に押し付けられた状態が保持される。
【0158】
ロール紙トレイ4が機器本体3にロックされた状態において、把持アーム64の把持部64aを把持して上方へ引き上げロックレバー61を引張コイルバネ62の付勢力に抗して上方側へ回動させると、ロック用突部65の係止面65aとロック孔41aとの係止状態が解除され、ロール紙トレイ4の機器本体3に対するロックが解除される。従って、把持アーム64の把持部64aを把持した状態でロール紙トレイ4を機器本体3から引き出すことにより、ロール紙トレイ4を引出位置まで移動させることができる。
【0159】
上記したように、プリンター1にあっては、ロール紙トレイ4が付勢バネ30の付勢力によって引出位置へ向けて移動されロック用突部65がロック孔41aに係止されるため、ロック用突部65をロック孔41aに係止するための専用のバネを必要としない。従って、部品点数の削減及び機構の簡素化により、プリンター1の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0160】
また、ロック用突部65の係止面65aがロック孔41aの前端より後方へ位置された後にロール紙トレイ4が引出位置へ向けて移動されロール紙トレイ4の機器本体3に対するロックが行われるため、ロック用突部65がロック孔41aに確実に挿入され、ロック機構60による動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0161】
[プリンターの効果等]
以上に記載した通り、プリンター1にあっては、機器本体3に設けられた第1の基準軸44と第2の基準軸45がフランジ1002、1002に接触され付勢バネ30によって付勢されロール紙トレイ4に設けられた付勢軸31がフランジ1002、1002に押し付けられてロール紙ユニット2000が軸方向に直交する方向において位置決めされる。
【0162】
従って、簡素な機構によりロール紙ユニット2000を高精度に位置決めすることができ、製造コストの高騰を来たすことなくロール紙1000の斜行の発生を防止することができる。
【0163】
特に、第1の基準軸44と第2の基準軸45は機器本体3の側面板42、42に支持されているが、第1の基準軸44や第2の基準軸45を支持する支持孔は機械加工により高い精度で形成された金型やレーザー加工機によって高い位置精度で形成されるため、第1の基準軸44と第2の基準軸45に接して位置決めされるロール紙ユニット2000の第1の基準軸44及び第2の基準軸45に対する良好な位置決め精度を確保することができる。
【0164】
また、ロール紙トレイ4が引出位置から収納位置に移動されるときに、フランジ1002が第1の基準軸44の位置決め溝44aに挿入されてロール紙ユニット2000が軸方向において位置決めされる。
【0165】
従って、ロール紙ユニット2000の軸方向における位置決めが簡単かつ確実に行われるため、簡素な機構によりロール紙ユニット2000を高精度に位置決めすることができ、製造コストの高騰を来たすことなく斜行の発生を防止することができる。
【0166】
また、位置決め溝44aがロール紙ユニット2000を軸方向に直交する方向において位置決めするための第1の基準軸44に形成されているため、ロール紙ユニット2000の軸方向における位置決めを行う専用の部品を設ける必要がない。従って、部品点数の削減により製造コストを低減した上で高精度な位置決めを行うことができる。
【0167】
さらに、プリンター1にあっては、ロール紙トレイ4が引出位置から収納位置へ向けて移動されたときにロール紙1000の先端部1000aが機器本体3のピックアップガイド43、43、・・・のガイド面43a、43a、・・・に乗り上げて案内され、ロール紙1000が第2の搬送用ガイド47に導かれる。
【0168】
従って、ロール紙1000を確実に搬送パスAにおいて搬送することができる。
【0169】
また、ロール紙トレイ4が収納位置へ向けて移動されることによりロール紙1000の先端部1000aが案内されるため、ロール紙1000の先端部1000aを案内するための特別な動力を必要とせず、機構の簡素化及び部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【0170】
尚、ロール紙ユニット2000を位置決めするための第1の基準軸44、第2の基準軸45及び付勢軸31はロール紙ユニット2000の最大外径に対して小さな径の軸を使用することが望ましい。第1の基準軸44、第2の基準軸45及び付勢軸31の径を小さくすることにより、ロール紙ユニット2000の外側における第1の基準軸44、第2の基準軸45及び付勢軸31の配置スペースが小さくて済み、プリンター1の小型化を図ることができる。
【0171】
上記には、ロール紙トレイ4が機器本体3に対して直線的に移動される例を示したが、ロール紙トレイ4は、例えば、引出位置と収納位置との間で回動可能とされていてもよく、また、リンク機構等によって開閉可能とされていてもよい。
【0172】
また、プリンター1のロール紙1000に対する記録の方式は上記したラインヘッドを用いた記録方式の他に、例えば、シリアルヘッドを用いた記録方式、電子写真方式、昇華型熱転写方式、感熱型熱転写方式等の各種の方式を用いることが可能である。
【0173】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】図2乃至図25と共に本発明プリンターの実施の形態を示すものであり、本図は、プリンターの概略側面図である。
【図2】ロール紙ユニットの斜視図である。
【図3】ロール紙ホルダーの拡大斜視図である。
【図4】ロール紙トレイと機器本体の一部とをロール紙トレイが引出位置にありロール紙ユニットが装填された状態で示す斜視図である。
【図5】ロール紙トレイと機器本体の一部とをロール紙トレイが収納位置にありロール紙ユニットが装填された状態で示す斜視図である。
【図6】ロール紙トレイと機器本体の一部とをロール紙トレイが収納位置にある状態を前面部を省略して示す斜視図である。
【図7】ロール紙トレイと機器本体の一部とをロール紙トレイが引出位置にありロール紙ユニットが装填された状態で示す側面図である。
【図8】ロール紙トレイと機器本体の一部とをロール紙トレイが収納位置にありロール紙ユニットが装填された状態で示す側面図である。
【図9】ロール紙トレイと機器本体の一部とをロール紙トレイが機器本体から引き出されロール紙ユニットが装填された状態で示す斜視図である。
【図10】ロール紙トレイと機器本体の一部とをロール紙トレイが収納位置にありロール紙ユニットが装填された状態で示す断面図である。
【図11】ロック機構等を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図12】図13乃至図16と共にロール紙ユニットがロール紙トレイに装填されたときの動作を示すものであり、本図は、ロール紙トレイが引出位置にある状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図13】ロール紙トレイが引出位置から収納位置へ向けて移動された直後の状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図14】図13に引き続きロール紙トレイが収納位置へ向けて移動された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図15】図14に引き続きロール紙トレイが収納位置へ向けて移動された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図16】ロール紙トレイが収納位置に移動された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図17】ロール紙トレイが収納位置に移動されロール紙ユニットが軸方向において位置決めされた状態を示す斜視図である。
【図18】ロール紙が搬送されてロール紙の巻径が小さくなった状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図19】図20乃至図25と共にロック機構の動作を示すものであり、本図は、ロックレバーのロック用突部が機器本体の底面部の前方に位置されている状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図20】ロックレバーのロック用突部が機器本体の底面部の前縁に接した状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図21】ロックレバーのロック用突部が機器本体の底面部の前縁に摺動されている状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図22】ロックレバーのロック用突部の全体が機器本体の底面部の上面に乗り上げた状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図23】ロックレバーのロック用突部が機器本体の底面部の上面に摺動されている状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図24】ロックレバーのロック用突部が機器本体の底面部のロック孔に挿入された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図25】ロックレバーのロック用突部が機器本体の底面部のロック孔に係止された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0175】
1…プリンター、3…機器本体、4…ロール紙トレイ、1000…ロール紙、1001…ロール紙ホルダー、1002…フランジ、2000…ロール紙ユニット、30…付勢バネ、31…付勢軸、35…第1の回動ガイド、36…支持部、39…第2の回動ガイド、41a…ロック孔、44…第1の基準軸、44a…位置決め溝、45…第2の基準軸、46…第1の搬送用ガイド、47…第2の搬送用ガイド、61…ロックレバー、65…ロック用突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報が記録される円筒状に巻き付けられて形成されたロール紙と前記ロール紙の軸方向における両端部にそれぞれ取り付けられ前記ロール紙の最大外径より径の大きなフランジをそれぞれ有する一対のロール紙ホルダーとから成るロール紙ユニットの前記一対のロール紙ホルダーがそれぞれ支持される一対の支持部が設けられたロール紙トレイと、
前記ロール紙の軸方向へそれぞれ延びる第1の基準軸と第2の基準軸が設けられた機器本体とを備え、
前記ロール紙トレイは前記機器本体に対して前記機器本体から引き出される引出位置と前記機器本体に前記ロール紙ユニットを収納する収納位置との間で少なくとも移動可能とされ、
前記ロール紙トレイに、前記軸方向へ延び前記支持部に支持された前記ロール紙ユニットにおける前記一対のフランジの外周面に対して離接する方向へ移動自在に支持され付勢バネによって前記一対のフランジの外周面に接する方向へ付勢された付勢軸が設けられ、
前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記一対のロール紙ホルダーに前記第1の基準軸と前記第2の基準軸が接すると共に前記一対のロール紙ホルダーに前記付勢バネによって前記付勢軸が押し付けられて前記ロール紙ユニットが前記軸方向に直交する方向において位置決めされるようにした
プリンター。
【請求項2】
前記第1の基準軸に軸回り方向へ延びる位置決め溝を形成し、
前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記ロール紙ホルダーのフランジが前記位置決め溝に挿入されて前記ロール紙ユニットが前記軸方向において位置決めされるようにした
請求項1に記載のプリンター。
【請求項3】
前記第1の基準軸と前記第2の基準軸と前記付勢軸がそれぞれ軸回り方向へ回転可能とされた
請求項1に記載のプリンター。
【請求項4】
前記ロール紙トレイに前記軸方向に直交する面内において回動可能とされ前記ロール紙の外周面に近付く方向へ付勢された回動ガイドが設けられ、
前記ロール紙ユニットが位置決めされた状態において前記回動ガイドが前記ロール紙の外周面に押し付けられるようにした
請求項1に記載のプリンター。
【請求項5】
前記回動ガイドの先端部に押さえローラーが回転自在に支持され、
前記押さえローラーが前記ロール紙の外周面に押し付けられるようにした
請求項4に記載のプリンター。
【請求項6】
前記機器本体に前記ロール紙の搬送経路となる搬送用ガイドと前記ロール紙を搬送用ガイドに案内するピックアップガイドとが設けられ、
前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに、前記ロール紙が前記ピックアップガイドに摺動されて案内され前記搬送用ガイドに導かれるようにした
請求項1に記載のプリンター。
【請求項7】
前記ロール紙トレイにロック用突部を有し回動可能とされたロックレバーが設けられ、
前記機器本体に前記ロックレバーのロック用突部が挿入されて係止されるロック孔が形成され、
前記ロール紙トレイは前記引出位置から前記収納位置へ向かう方向へ押圧されることにより前記引出位置から前記収納位置へ向けて移動され、
前記ロール紙トレイが前記引出位置から前記収納位置に移動されるときに前記ロックレバーのロック用突部が前記ロック孔に挿入され、
前記ロール紙トレイに対する前記引出位置から前記収納位置へ向かう方向への押圧が解除されることにより、前記ロール紙トレイが前記付勢バネの付勢力によって前記引出位置へ向けて移動され前記ロック用突部が前記ロック孔に係止されるようにした
請求項1に記載のプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−62191(P2012−62191A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210152(P2010−210152)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】