説明

プリンタ及びプリンタの制御装置

【課題】本発明は、キャリッジの位置検出及び印字可能位置を検出するための検出器を1個にして簡略にするとともに、制御用回路を容易にしたプリンタを提供することにある。
【解決手段】本発明はキャリッジに単一の検出器を搭載し、キャリッジ移動の反転部近傍に検出器の波形を異なるよう被検出物を左右に設置し、キャリッジに回動可能に取り付けた検出板をキャリッジの動きに比例して回転させて検出器より波形を出力し、波形を判定する手段によりキャリッジの位置及び印字可能位置を特定し効率よく制御可能に構成したプリンタである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷装置に係わり、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させてドット印字を行うシリアルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のプリンタの技術は、主に次の2方式が一般的であった。
【0003】(1)図8、図9、図10に示すようにキャリッジ32に固定された印字ヘッド31は、キャリッジ32左右反転部近傍に固定された2個のリセット検出器33ー1、33ー2と、キャリッジ32に形成された被検出部35により形成された前記検出器33−1の信号rp1により左側からの印字の開始位置の検出をし、前記検出器33−2の信号rp2により、右側からの印字の開始位置の検出をしてホームポジションを認識し、図示されていないモータ軸又は動力伝達列に固定されたT検出板とフレーム本体に固定されたタイミング検出器より形成されたタイミング信号tpにより印字可能ポジションを認識し文字構成として必要な位置にドットを印字することにより印字を行っていた。
【0004】(2)キャリッジ上に固定されたリニアエンコーダと本体フレーム側に固定された被検出部により形成されたタイミング信号によって印字可能ポジションを認識し、文字構成として必要な位置にドットを印字することにより印字を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記方式には次のような課題があった。
【0006】(1)の構成では、タイミング検出機構が印字位置を決めるキャリッジ上にないために、タイミング信号と印字位置は部品の係合ガタ・形状バラツキによりずれが発生し、精度よく罫線等を印字できなかった。また、検出器を3個使用しなければならず、検出器及び信号を受ける回路を含め、コストアップになるという欠点があった。
【0007】(2)の構成では、被検出部の検出穴がドット数と同数必要で、0.1mm程度の間隔で必要であり、加工上高度の技術が必要となり、またコストアップになっていた。
【0008】本発明の目的は、キャリッジの位置検出及び印字位置検出を簡略にするとともに、印字品質を改善するプリンタ及びプリンタの制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプリンタは、印刷ヘッドを搭載したキャリッジを左右方向に往復運動させ、前記キャリッジの位置を検出して印刷の基準信号とし、前記キャリッジの動きに同期して発生するタイミング信号により印字可能位置とするごときシリアル型のプリンタに於て、前記キャリッジに固定された検出器と、前記キャリッジの双方の反転部近傍に配置され前記検出器と係わり所定の信号を発生させる検出波形が互いに異なる少なくとも2個の被検出物と、前記キャリッジに回動可能に取付られ前記キャリッジの移動量に比例して回転し前記検出器と係わり所定の信号を発生させる検出板からなることを特徴とする。
【0010】又、本発明は一方の被検出物はキャリッジの片側の反転部付近で、該キャリッジが反転する間に検出器が前記被検出物を往路と復路で各1回づつ検出するように構成し、他方の被検出物は、反転部付近で一回のみ検出する様構成したことを特徴とする。
【0011】又、本発明は往復運動するキャリッジをガイドするガイド部材に、すくなくとも一方の被検出物を設け、前記検出板に前記キャリッジの回動軸と同軸上に円筒部材を設け、該円筒部材が前記ガイド部材と係合したことを特徴とする。
【0012】又、本発明は前記円筒部材の径が、前記回動軸から前記検出板の前記検出器と係わり所定の信号を発生させる位置までの距離より小さくしたことを特徴とする。
【0013】又、本発明は往復運動するキャリッジをガイドするガイド部材に、すくなくとも一方の被検出物を設け、前記検出板が前記キャリッジの移動により回転力を受けるように前記ガイド部材と係合したことを特徴とする。
【0014】又、本発明は前記検出器がフォトセンサとフォトダイオードとを有することを特徴とする。
【0015】本発明のプリンタの制御装置は、印刷ヘッドを搭載したキャリッジと該キャリッジを左右方向に往復運動させるモータと、前記キャリッジに固定された検出器と、該検出器と係わり所定の信号を発生させる被検出物と、前記キャリッジに回動可能に取り付けられ前記キャリッジの移動量に比例して回転し前記検出器と係わり所定の信号を発生させる検出板と、前記印刷ヘッド、モータ等のメカニズムを制御するプリンタの制御装置に於いて、前記キャリッジの左右の反転部近傍に各々配置し前記検出器の信号の検出波形が互いに異なるごとく構成した2つの前記被検出物と、印字可能位置を示す検出波形を構成する前記検出板と、前記検出器の検出波形を解析しキャリッジが左右どちらの位置にあるか判定するリセット位置判定手段と、印字可能位置を判定するタイミング判定手段を有し、前記リセット位置判定手段により前記キャリッジの位置を検出し印刷動作の基準信号とし、前記タイミング判定手段により前記印刷ヘッド印字可能信号とし、前記印刷ヘッド、モータを制御することを特徴とする。
【0016】
【作用】以上のように構成されたプリンタにおいて、キャリッジが往復運動をすることにより、キャリッジ上に固定された検出器が前記キャリッジの両反転部付近に設けられた形状の異なる被検出物を検出し、検出板による印字可能位置も検出し、検出器からの信号波形を解析することで、キャリッジの位置ひいては印字開始位置を特定することが可能となるとともに、キャリッジに回動可能に取り付けられキャリッジの移動に比例して回転する検出板を検出することにより印字位置を示すタイミング信号として使用可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明のプリンタの実施例を図面にもとづいて説明する。
【0018】図1、図2、図3、図4は本発明のプリンタの実施例の略図であり、図1はプリンタ機構部の上面略図、図2は側面略図、図3はプリンタの検出器回路図、図4(a)は検出器の出力信号波形図、図4(b)は検出器出力信号の積分フィルタ通過後の波形図、図4(c)は積分フィルタ通過の波形を整形した波形図である。
【0019】1は印刷ヘッド、2は該印刷ヘッド1を搭載したキャリッジ、3は該キャリッジ2に固定された光センサである検出器、4は前記キャリッジ2をガイドするガイド軸、5は駆動プーリ、6は従動プーリ、7は前記駆動プーリ5及び前記従動プーリ6に張架されたタイミングベルトであるキャリッジ駆動ベルト、8は該キャリッジ駆動ベルト7に固定され前記キャリッジ2に係合するキャリッジ駆動ピン、9は被検出部9a・9bを配し前記キャリッジ2をガイドするガイド板、10は前記キャリッジ2に回動可能に取付られ前記ガイド板9の1つの面に接触した円筒部10aを同軸上に配し円周方向に複数の検出穴を有する検出板、11は検出器3の出力信号を積分する積分フィルタである。
【0020】この構成によれば、図示されていないモータにより駆動プーリ5が回転しキャリッジ駆動ベルト7が駆動されると、キャリッジ2がガイド軸4とガイド板9に沿い反転部間を往復運動し始める。同時に、検出板10はガイド板9に接触しているために摩擦力によりキャリッジ2の移動に比例して回転する。ここで、検出板10の円筒部10aの径と比較して、検出板10の検出穴の検出位置は径方向で大きくなっているため、キャリッジ2の移動量と比較して検出穴の移動量は大きくなり、0.1mm程度の印字間隔でも検出穴間隔は大きく設定でき、製造上容易となる効果がある。検出器3が検出板10の検出穴を検出し、キャリッジ2が反転部を通る時には、検出器3がガイド板9の被検出部9a・9bを検出することにより、図3のタイミング信号として図4R>4(a)(横軸:時間、縦軸:電圧を示す)に示すような波形を出力する。図1の右側の反転部において、キャリッジ3は被検出物9aを一旦検出した後、反転中は再度非検出の状態となり、反転後に再度被検出物9aを検出する。また他方の反転部においては、キャリッジ3は被検出物9bを一旦検出すると、反転終了後まで検出状態のままである。
【0021】図4(a)の検出器3の出力信号を積分フィルタ11を通すことにより図4(b)の出力波形が得られる。この出力波形をスレシュレベル12にて波形を整形することにより図4(c)に示す波形が得られ、これをリセット信号として用いる。この波形で解るように片側の反転部では反転部を対称に2つのパルス波形ができ(R2=R2a+R2b)、他方の反転部では反転領域に大きな1つのパルス波形(R1)ができる。
【0022】故に印刷ヘッド1のキャリッジ2(検出器3)が、被検出物9aを通過した直後から、反転後被検出物9aを再度検出するまでの間(図4(c) DT4)、または、キャリッジ2(検出器3)が、被検出物9bを検出後から、被検出物9bを通過終了するまでの間(図4(c) DT1)に停止するようにすれば、停止時もしくは起動時の信号のレベルがHIGHかLOWかを検出することにより、印刷ヘッド1のキャリッジ2(検出器3)がどちらの反転部にいるのかを判断でき、かつ、起動直後の信号の立ち下がりの位置が印字開始位置となる。
【0023】この方法によれば、前記キャリッジ2(検出器3)が停止中においても、どちらの反転部にいるのかを判断できる利点がある。
【0024】図5は本発明の全体構成を示すブロック図である。70は上記に説明した本発明のプリンタの機構部であり、1は印刷ヘッド1を示す概略図、83はキャリッジ駆動ベルト7を駆動するモータを示す。72はCPUであり、印刷ヘッド制御回路75ならびにモータ制御回路76に接続されている。71はインターフェイス、73はROM、74はRAMである。77は印刷ヘッド制御回路75への印刷ヘッド制御信号、78はモータ制御回路76へのモータ制御信号である。79は図3のタイミング信号を波形整形するタイミングパルス整形回路を示し、検出器3と検出板10に構成される図4(a)のタイミング信号をCPU72に送る。80はリセットパルス整形回路を示し、85の概略図にて示す前記検出器3と被検出物9a・9bにより構成される図4(c)のリセット信号を波形整形し、前記キャリッジ2の位置を判断するリセットパルスをCPU72へ送る。
【0025】81は印刷ヘッド1を駆動させる為の印刷ヘッド駆動信号、82はモータ83を駆動させる為のモータ駆動信号である。
【0026】印字データがインターフェイス71から入力されるとRAM74内にいったん取り込まれ、CPUはこのデータを解読し、データコードに対応した文字フォントのデータをROM73から読み出し、リセットパルス、タイミングパルスにより、印刷ヘッド制御回路75、モータ制御回路76を介して、プリンタを制御して印刷を実行する。タイミングパルスはCPU72の割り込み端子INTに入力され、リセットパルスはCPU72のI/Oポートの端子I/Oー1に入力されている。
【0027】以下に、本発明のプリンタのキャリッジの初期設定(イニシャライズ)について詳述する。
【0028】キャリッジの初期設定行程は図6、図7に示すフローチャートに示す手順で実行される。
【0029】フローチャート中、TPはタイミングパルス、(TC)はタイミングカウンタ、リセットパルスは前記検出器3の信号を示す。タイミングカウンタ(TC)は、図5のRAM74の所定のエリアを用いてROMに格納されたプログラムにより形成される物である。
【0030】タイミングカウンタ(TC)はタイミングパルスの立ち上がりエッジによる割り込み処理ルーチン内で、前記タイミングパルスの立ち上がり毎に一つづつ加算されるカウンタである。
【0031】検出器3の出力信号であるリセットパルスを図4(c)のタイミングチャートであるリセットパルスチャートに示すようにDT1〜DT6の区間に分け、初期設定の説明をする。ここで、DT2、DT6はキャリッジの直線運動する直線領域であり印刷行程に使用される。又、DT1、(DT3+DT4+DT5)はキャリッジが反転運動をする非直線運動をする領域であり、主に、記録紙の移送などに使われる領域である。
【0032】初期設定では、まず直線領域を確実に検出し、直線領域が終る直後でモータによる駆動を停止し、リセットパルスチャート上の区間DT1、DT4にキャリッジ2(検出器3)を止めることを目的とする。キャリッジが停止したこの位置をホームポジションと言う。
【0033】まず、CPUはTPの割り込みを許可し(ステップ101)、モータを駆動する(ステップ102)。次にリセットパルスの立ち下がりエッジをタイミングパルスのスタートであるT0とするため、リセットパルスのレベルをみる(ステップ103、ステップ104)。このとき、異常検出のために、TPカウントという図7に示すサブルーチンを設定している。
【0034】図7のTPカウント内のN3は、キャリッジ駆動ピン8が直線領域(DT2又はDT6)の移動する間に発生するタイミングパルス数+α(α=1〜10程度)として、キャリッジ2がモータにより駆動されていないことを検出しエラー検知をする。
【0035】リセットパルスの立ち下がりを検出すると(TC)を0にリセットする(ステップ105)。この時、リセットパルス上ではキャリッジはDT2、DT4、DT6のいずれかの区間にあることが判定される。次にリセットパルスの立ち上がりを検出するまで、タイミングパルスを一づづ加算する(ステップ106)。
【0036】ここで、N1はリセットパルスのDT4の区間において発生するタイミングパルス数である。リセットパルスの立ち上がりを検出した時(ステップ107)、(TC)がN1以下であるかを判断する(ステップ108)。(TC)がN1以下であれば、タイミングパルスの数がN1以下でHIGHになるのはリセットパルスではDT5の区間でしかないため、(TC)を0とした区間はDT4であったことが判断できる。そのため、(TC)がN1以下であれば、再度リセットパルスの立ち下がりを検出し(ステップ109)、(TC)を0にリセットする(ステップ110)。この時、キャリッジはリセットパルスチャート上のDT6の区間にある。(TC)がN1以上であれば、リセットパルス上のDT2、DT6の区間にある。
【0037】印字のための直線領域のリセットパルス上の区間DT2、DT6を検出できたため、キャリッジ2の慣性による移動を考慮して、時間がN2になったとき(ステップ111、ステップ112)にモータを止め(ステップ113)、キャリッジ1(検出器3)をリセットパルスチャート上のDT1、DT4の区間に止め、初期設定を終了する。通常このような初期設定は、印刷装置の電源投入後等に実行される。120は停止位置の判定作業ルーチンを示している。モータを再起動かけて(ステップ114)N4時間後(タイミングパルスが安定状態になる時間:ステップ116)にリセットパルスのレベルを検出し(ステップ117)、HIGHならばDT1の区間であり(ステップ118)、LOWならばDT4の区間である(ステップ119)と判定される。
【0038】このホームポジションからキャリッジを起動し、リセットパルスの最初の立ち下がり位置が印字開始の基準位置となる。複数行の印刷データがある場合、印刷開始後はタイミングパルスのカウントと同期し、この基準位置を確認しながら連続的にモータを回転し、印字ヘッドを止めることなく印刷データの終了まで印刷動作を続行する。
【0039】次に、印刷中の異常動作の検出方法について以下に述べる。
【0040】初期設定後何かの理由で、(例えば作業者が印刷装置のカバーを開け、印刷機構部の輪列を移動したりした場合等)印刷ヘッド1のキャリッジ2の停止区間が、反転部以外などの異常区間にあった場合でも、前述の初期設定に用いたと同様のコントロールにより、異常の検出から復帰までの時間ロスを次のように抑えることができる。
【0041】図4(c)のリセットパルスR2においては、キャリッジ2はリセットパルスチャート上のDT4の区間に停止しているが、リセットパルスR1においてはキャリッジ12はリセットパルスR1の立ち上がりからセットパルスR2aに相当する領域以降、またリセットパルスR1の立ち下がりよりリセットパルスR2bに相当する領域以前に停止している。このため、以下2つの条件が成り立つ。
【0042】条件1:リセットパルスR1からキャリッジ2が動き始めてから、リセットパルスが立ち下がるまでには、区間DT5の時間がかかり、区間DT1に相当する時間以下である。
【0043】条件2:リセットパルスR2からキャリッジ12が動き始めてから、DT5の区間の立ち上がりまでの時間は、DT4の時間以下である。
【0044】キャリッジ2の位置として、異常であるのは、リセットパルスチャート上のDT1、DT4区間以外、つまりDT2、DT3、DT5、DT6の区間である。
【0045】リセットパルスチャート上のDT3、DT5区間の異常位置にキャリッジ2がある場合は、条件1により、リセットパルスが立ち下がるまでの時間がDT5区間に相当する時間以下であることで、それを知ることが出来る。
【0046】また、リセットパルスチャート上の区間DT6にキャリッジ2が停止している場合は、条件1により、リセットパルスが立ち上がってから、立ち下がるまで時間が区間DT1に相当するだけかかるために、リセットパルスの最初の立ち下がりが印字開始の基準位置と判断できる。
【0047】R2aの立ち上がりより、区間DT4に相当する時間以前の位置をP1時点として、区間DT2の中で上記P1時点より以前の異常位置にキャリッジ2がある場合は、上記条件2により異常と判断でき、区間DT2の中でP1時点以降であれば、R2aの立ち下がりにより、誤動作の印字を開始してしてしまうが、DT4区間を経過した後リセットパルスR2bが立ち上がるために、誤動作であることを検知できる。
【0048】すなわち、このようなチェック機能を印刷行程のプログラムの中に盛り込んで置けば、印刷中にもしも記録紙などがジャミングなどでヘッドにからまって、印刷ヘッドの位置が異常状態となっても直ちに異常と検知することができる。
【0049】以上詳述したように、上記実施例によれば、検出器1つでヘッドの印刷開始位置である2カ所のホームポジションを検知することにより、プリンタのスループットが上昇し、高速駆動に大きく貢献することが可能となった。又、高価なフォトセンサを2個配置する必要もなく、制御回路も簡略化できコストダウンに寄与する。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下の効果がある。
【0051】(1)キャリッジ上に検出板を配置しているために、キャリッジの移動に同期して印字可能位置を示すタイミング信号が出力され、常に同一の位置に印字可能で罫線等の印字精度を向上できる。
【0052】(2)1個の検出器でキャリッジのホームポジションであるリセット信号と、タイミング信号を出力できるため、部品点数の削減が実現でき、同時にコスト低減も可能である。
【0053】(3)検出器を1個にできるために、制御用回路を簡素化でき、同時にコスト低減が実現可能である。
【0054】(4)印字間隔に対し検出板の検出穴の間隔を大きくできるために、検出板加工において一般的な技術で可能である。
【0055】(5)被検出物がプレス加工等の加工により非常に精度良く得られるため、組立時の調整も必要なくなり、コスト的にもさらに効果は非常に大きい。
【0056】以上のように、本発明の効果は非常に大きいと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリンタの実施例の上面略図。
【図2】本発明のプリンタの実施例の側面略図。
【図3】本発明のプリンタの検出器回路図。
【図4】図3に示す本発明のプリンタの検出器回路のタイミングチャートであり、(a)は本発明のプリンタの検出器の出力波形図、(b)は本発明のプリンタの検出器出力信号の積分フィルタ通過後の波形図、(c)は本発明のプリンタの積分フィルタ通過の波形を整形した波形図。
【図5】本発明のプリンタの全体構成を示すブロック図。
【図6】本発明のプリンタのキャリッジ初期設定行程を示すフローチャート。
【図7】本発明のプリンタのキャリッジ初期設定行程中のサブルーチンのフローチャート。
【図8】従来のキャリッジ駆動機構の側面略図。
【図9】従来のキャリッジ駆動機構の位置検出器の出力信号波形図。
【図10】従来のキャリッジの駆動機構を示す部分詳細図。
【符号の説明】
1‥‥印刷ヘッド
2‥‥キャリッジ
3‥‥検出器
4‥‥ガイド軸
5‥‥駆動プーリ
6‥‥従動プーリ
7‥‥タイミングベルト
8‥‥キャリッジ駆動ピン
9‥‥ガイド板
9a、9b‥‥ガイド板の被検出部
10‥‥検出板
10a‥‥円筒部
11‥‥積分フィルタ
70‥‥プリンタ機構部
72‥‥CPU
73‥‥ROM
74‥‥RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】 印刷ヘッドを搭載したキャリッジを左右方向に往復運動させ、前記キャリッジの位置を検出して印刷の基準信号とし、前記キャリッジの動きに同期して発生するタイミング信号により印字可能位置とするごときシリアル型のプリンタに於て、前記キャリッジに固定された検出器と、前記キャリッジの双方の反転部近傍に配置され前記検出器と係わり所定の信号を発生させる検出波形が互いに異なる少なくとも2個の被検出物と、前記キャリッジに回動可能に取付られ前記キャリッジの移動量に比例して回転し前記検出器と係わり所定の信号を発生させる検出板からなることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】 一方の被検出物はキャリッジの片側の反転部付近で、該キャリッジが反転する間に検出器が前記被検出物を往路と復路で各1回づつ検出するように構成し、他方の被検出物は、反転部付近で一回のみ検出する様構成したことを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】 往復運動するキャリッジをガイドするガイド部材に、すくなくとも一方の被検出物を設け、前記検出板に前記キャリッジの回動軸と同軸上に円筒部材を設け、該円筒部材が前記ガイド部材と係合したことを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項4】 前記円筒部材の径が、前記回動軸から前記検出板の前記検出器と係わり所定の信号を発生させる位置までの距離より小さくしたことを特徴とする請求項3記載のプリンタ。
【請求項5】 前記検出器がフォトセンサとフォトダイオードとを有することを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項6】 印刷ヘッドを搭載したキャリッジと該キャリッジを左右方向に往復運動させるモータと、前記キャリッジに固定された検出器と、該検出器と係わり所定の信号を発生させる被検出物と、前記キャリッジに回動可能に取り付けられ前記キャリッジの移動量に比例して回転し前記検出器と係わり所定の信号を発生させる検出板と、前記印刷ヘッド、モータ等のメカニズムを制御するプリンタの制御装置に於いて、前記キャリッジの左右の反転部近傍に各々配置し前記検出器の信号の検出波形が互いに異なるごとく構成した2つの前記被検出物と、印字可能位置を示す検出波形を構成する前記検出板と、前記検出器の検出波形を解析しキャリッジが左右どちらの位置にあるか判定するリセット位置判定手段と、印字可能位置を判定するタイミング判定手段を有し、前記リセット位置判定手段により前記キャリッジの位置を検出し印刷動作の基準信号とし、前記タイミング判定手段により前記印刷ヘッド印字可能信号とし、前記印刷ヘッド、モータを制御することを特徴とするプリンタの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図10】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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【公開番号】特開平9−141961
【公開日】平成9年(1997)6月3日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−301719
【出願日】平成7年(1995)11月20日
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)