説明

プリンティングシステム

本発明は、コンピュータ装置と、前記コンピュータ装置とデータを送受信する大型インクジェットプリンタを含むプリンティングシステムにおいて、前記大型インクジェットプリンタは、被印刷物にインクをジェッティングするプリンタヘッドと;前記プリンタヘッドにインクを供給するインクポンプと;前記プリンタヘッドの動作を制御するヘッド制御部と;前記プリンタヘッドが装着されたキャリッジと;前記キャリッジを少なくとも一方向に移動させるキャリッジ駆動部と;前記コンピュータ装置からデータを受信し分析して前記プリンタヘッドの作動を制御する制御信号を前記ヘッド制御部に伝送するデータパスボードと;前記インクポンプの作動を制御するインク供給制御ボードと;前記コンピュータ装置、前記データパスボード、及び前記インク供給制御ボードからのデータを受信、分析、及び伝送処理するI/Oコントローラボードと;を含み、前記コンピュータ装置は、イメージ/テキスト信号を印刷するためのイメージ/テキストラスター(ビットマップ)画像データに切り換えるRIP(Raster Image Process)プログラムと;前記大型インクジェットプリンタの前記キャリッジ駆動部の動作を制御するキャリッジ駆動部制御プログラムとを含むことを特徴とするプリンティングシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型インクジェットプリンタに関し、より具体的には、主に産業用途に用いられるプリンタのプリンティングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは、プリンタヘッドの制御された動作によって、ヘッドノズルを通じてインクが噴射されて印刷されるプリンタを言う。
【0003】
主に家庭用や事務用に多く使われている小型インクジェットプリンタは、大部分規格化された白色印刷紙を使うので、カラーを具現するために黒色インクK及び3色のカラーインク(C、M、Y)を使う。
【0004】
しかし、産業用インクジェットプリンタは、紙材はもちろん布地や、合成樹脂、硝子など各種材質の被印刷物に用いられ、大型印刷物の製作に容易で、産業全般に広く使われており、一般家庭用インクジェットプリンタとは異なって被印刷物の特性、環境及び用途などによって、カラーを表現するためのインクだけでなく、前/後処理液、ベースインク(通常の白色インク)など多様な溶液がインクジェット方式に噴射される一方、高価の装備の効率的な管理のために一般的にプリンタノズル部の洗浄機能などが追加されている。
【0005】
インク経路に関連して産業用インクジェットプリンタの主要構成は、まず大容量のインクが貯蔵される各色の主インク筒と、プリンタヘッドの上部に位置して主インク筒から伝達されたインクをプリンタヘッドに吐出する前に臨時的に貯蔵する大きさの小さい補助インク筒を含む。
【0006】
本明細書においては、主インク筒と表示しているが、本発明において、主インク筒という用語は、必要によっては補助インク筒及びプリンタヘッドを掃除するための洗浄液筒になることができ、カラー印刷の前後に被印刷物にそれぞれに処理すべき前処理液(Primer)または後処理液(通常のコーティング液)を保管する貯蔵筒であることもでき、有彩色の被印刷物の印刷後に発生することができる色の歪曲を防止するために、カラー印刷前に白い下地を敷く白色インクが貯蔵されたインク筒を含むことができる。このように大型プリンタでは、色彩を具現するためにC、M、Y、K4種の主インク筒の外にも各用途による多数の溶液筒が要求され、これらの主インク筒のインクは小型プリンタとは異なって、これらのそれぞれに設置されたインクポンプを通じて精密にプリンタヘッドの方に移送される。
【0007】
従って、インクカートリッジからプリンタヘッドに連結される簡単な小型インクジェットプリンタとは異なって、大型インクジェットプリンタは非常に多くのインク筒及びそのポンプを制御しなければならないので、これを制御するために多くのデータ処理が必要である。
【0008】
また、一般的な小型プリンタは、ICCプロファイルを用い、RGBデータをプリンタ出力のためのCMYKデータに変換してプリンタヘッド部でこれを認識して出力するが、大型プリンタにおいては、一般的にベクトル図形またはテキストをラスター(ビットマップ)画像に変化するためのソフトウェアであるRIP(Raster Image Processor)をさらに含む。このようなRIPは単に出力のみをするためのものでなく、色相設定、出力個体の変形、また作業管理など様々な機能を複合的に使って最上の出力物を得るために使われるソフトウェアであって、このようなRIPの運用には多くのメモリとデータ処理が所要される。また、大型プリンタは小型に比べて非常に多くのデータの伝送が行われるが、このような高速イメージデータの伝送のために別途のデータポンプシステムが使われている。
【0009】
また、プリンタヘッド部もまた非常に複雑な構造からなっており、これを制御して統合管理するために多くのデータ処理能力が要求される。
【0010】
また、プリンタヘッドが装着されたキャリッジは、サーボモータを通じて非常に精密に制御され、通常X、Y、Z軸の3軸移の動が行われるので、このような制御にもまた非常に多くのデータ処理能力が要求される。
【0011】
しかし、現在まで製作市販されている大型インクジェットプリンタは、小型プリンタを大型化する方式に製作された。即ち、上述したように大型プリンタの製作には非常に多様で、且つ、高いデータ処理容量を要求する部品、モジュールなどが使われることにもかかわらず、従来にはこれらがコンピュータ装置及び大型プリンタのいずれか一方に集中されて備えられていることによって、このすべての部品、モジュールを運用し、制御することにおいてメモリにオーバーフローが発生することがあり、コンピュータ装置及び大型プリンタのいずれか一方が事々にすべての部品、モジュールなどを統制するので、その処理能力が低下してプリンティング速度、正確性などが低下する問題が発生した。これは製作しようとするスペックによる最適化された設計が必要であるが、このような製作に多くの費用と時間が所要されるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、コンピュータ装置及び大型プリンタのいずれか一方に集中されて行われた制御システムを各構成部を担当する別途の制御モジュール(ボード)に分配させることによって、Pデータ処理の負担を減少させて、迅速で且つ円滑なプリンティングが可能なプリンティングシステムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、コンピュータ装置と;前記コンピュータ装置とデータを送受信する大型インクジェットプリンタを含むプリンティングシステムにおいて、前記大型インクジェットプリンタは、被印刷物にインクをジェッティングするプリンタヘッドと;前記プリンタヘッドにインクを供給するインクポンプと;前記プリンタヘッドの動作を制御するヘッド制御部と;前記プリンタヘッドが装着されたキャリッジと;前記キャリッジを少なくとも一方向に移動させるキャリッジ駆動部と;前記コンピュータ装置からデータを受信し分析して前記プリンタヘッドの作動を制御する制御信号を前記ヘッド制御部に伝送するデータパスボードと;前記インクポンプの作動を制御するインク供給制御ボードと;前記コンピュータ装置、前記データパスボード、及び前記インク供給制御ボードからのデータを受信、分析、及び伝送処理するI/Oコントローラボードとを含み、前記コンピュータ装置は、イメージ/テキスト信号を印刷するためのイメージ/テキストラスター(ビットマップ)画像データに切り換えるRIP(Raster Image Process)プログラムと;前記大型インクジェットプリンタの前記キャリッジ駆動部の動作を制御するキャリッジ駆動部制御プログラムとを含むことを特徴とするプリンティングシステムを提供する。
【0014】
ここで、前記コンピュータ装置は、前記コンピュータ装置に設けられ、前記RIPプログラムのデータを前記データパスボードに伝送するデータポンプインターフェイス(data pump interface)と;前記コンピュータ装置に設けられ、前記キャリッジ駆動部制御プログラムの信号を前記I/Oコントローラボードに伝送するキャリッジ駆動部コントローラインターフェイス(motion controller interface)とをさらに含むことができる。
【0015】
前記大型インクジェットプリンタは、前記インクポンプによって、インクがポンピングされる少なくとも一つの主インク筒と;前記主インク筒内にインクレベルを感知し、前記インク供給制御ボードとデータを送受信できるように、前記インク供給制御ボードと連結された主インク筒レベルセンサと;前記インクポンプによって、前記主インク筒でポンピングされたインクが注入され、前記プリンタヘッドと連結されている少なくとも一つの補助インク筒と;前記補助インク筒内にインクレベルを感知し、前記データパスボードとデータを送受信できるように、前記データパスボードと連結された補助インク筒レベルセンサをさらに含むことができる。
【0016】
前記大型インクジェットプリンタは、前記補助インク筒に選択的に空圧を提供するか、また負圧がかかるようにし、前記データパスボードとデータを送受信できるように、前記データパスボードと連結された空圧/負圧選択バルブとをさらに含むことができる。
【0017】
前記キャリッジ駆動部は、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように、前記I/Oコントローラボードと連結されており、前記キャリッジ駆動部は、駆動モータとリニアスケール(linear scale)とを含むことができる。
【0018】
前記大型インクジェットプリンタの前記プリンタヘッドでジェッティングされるインクはUVインクであり、前記大型インクジェットプリンタは、前記UVインクを硬化させるUVランプと;前記UVランプの動作を制御し、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように、前記I/Oコントローラボードと連結されている前記UVランプ制御部とをさらに含むことができる。
【0019】
前記大型インクジェットプリンタは、前記被印刷物が積置され、吸入孔が形成されたフラットベッドと;前記フラットベッドに真空圧をかけ、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように、前記I/Oコントローラボードと連結されている前記フラットベッド真空ポンプと;前記フラットベッド真空ポンプによる前記フラットベッドの真空圧をセンシングし、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように、前記I/Oコントローラボードと連結されているフラットベッド圧力センサとを含むことができる。
【0020】
前記大型インクジェットプリンタは、印刷の時に被印刷物を移送するための第1ロールと;前記第1ロールを駆動させ、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように、前記I/Oコントローラボードと連結されている第1ロール駆動モータとをさらに含むことができる。
【0021】
前記大型インクジェットプリンタは、前記第1ロールの被印刷物のテンション(tension)を保持させる第2ロールと;前記第2ロールを駆動させ、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように、前記I/Oコントローラボードと連結されている第2ロール駆動モータとをさらに含むことができる。
【0022】
前記インクポンプは、前記インク供給制御ボードとデータを送受信できるように、前記インク供給制御ボードと連結されていることができる。
【0023】
前記ヘッド制御部は、前記データパスボードとデータを送受信できるように、前記データパスボードと連結されていることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、コンピュータ装置及び大型プリンタの中のいずれか一方で駆動部、ヘッド部、インク供給部などを制御していた従来方式とは異なって、駆動部、ヘッド部、インク供給部をそれぞれ別途のMCUが搭載されたボードに設計し、これを通信を通じてI/Oコントローラボードで統合管理して、コンピュータ装置に情報を伝達し、一方、コンピュータ装置から受信された情報をそれぞれのボード及び連結装置に伝達することによって、データ処理の負担を減少させて、より迅速で且つ正確なプリンティングが可能であり、より効率的なプリンタ運用を可能にする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による大型インクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】図1の大型インクジェットプリンタとPCを含むプリンティングシステムの通信関係を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、図面を参照して本発明について詳しく説明する。しかし、図面に示した例に本発明が限定されるものではない。
【0027】
図1に示すように、大型インクジェットプリンタ10は、産業用インクジェットプリンタであって、プリンタ本体20と;プリンタ本体20の上側で移動可能に設けられたキャリッジ30と;キャリッジ30の移動を案内するキャリッジガイド40を含む。
【0028】
キャリッジ30には、インクジェットプリンティング用モジュール31及びインクジェットプリンティング用モジュール31と連結された補助インク筒ユニット32が装着されている。
【0029】
補助インク筒ユニット32には、補助インク筒(図示省略)及び補助インク筒(図示省略)と連結されたプリンタヘッド(図示省略)が備えられている。
【0030】
図2に示すように、図1の大型インクジェットプリンタ10を含むプリンティングシステム1は、ユーザ入出力装置(図示省略)と連結されたコンピュータ装置であって、PC100(personal computer)と;PC100とデータを送受信する大型インクジェットプリンタ10を含む。
【0031】
ユーザ入出力装置(図示省略)は、図2に示していないが、データを送受信できるように、PC100と連結されている。例えば、ユーザ入出力装置は、ユーザがPC100に命令を入力することができるキーボード(図示省略)と、PC100から受信されるデータをディスプレイするモニタ(図示省略)で構成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0032】
PC100は、ユーザ入出力装置から伝送されたイメージ/テキスト信号を、印刷のためのイメージ/テキストラスター(ビットマップ)画像データに切り換えるRIP(Raster Image Process)プログラム;及び大型インクジェットプリンタ10の後述するキャリッジ駆動部210の動作を制御するキャリッジ駆動部制御プログラムを含む。
【0033】
PC100の内部スロットには、PC100でRIP(Raster Image Process)変換処理されたイメージデータを大容量及び高速に大型インクジェットプリンタ10の後述するデータパスボード300に伝送するデータポンプインターフェイス110が装着されている。ここで、データポンプインターフェイス110に伝送されたデータは、データポンプインターフェイス110でプリンタヘッドを制御するヘッド制御部310に伝送される。
【0034】
PC100の内部の他のスロットには、PC100のキャリッジ駆動部制御プログラムの信号を、即ち、プリンタヘッドが装着された図1のキャリッジ30を駆動させるキャリッジ駆動部210の制御信号を、大型インクジェットプリンタ10の後述するI/Oコントローラボード200に伝送するキャリッジ駆動部コントローラインターフェイス120が装着されている。ここで、I/Oコントローラボード200に伝送されたキャリッジ駆動部210の制御信号は、I/Oコントローラボード200でキャリッジ駆動部210に伝送される。
【0035】
このように、キャリッジ駆動部コントローラインターフェイス120は、I/Oコントローラボード200とデータ伝送可能に連結されており、I/Oコントローラボード200はキャリッジ駆動部コントローラインターフェイス120から受信されたキャリッジ駆動部210の制御信号をキャリッジ駆動部210に伝達することによって、正確な駆動制御ができる。
【0036】
PC100は、大型インクジェットプリンタ10のプリンタヘッドの状態をモニタリングすることができる。ここで、プリンタヘッドを制御するヘッド制御部310がデータ送受信可能にデータパスボード300と連結されており、データパスボード300がデータ送受信可能にI/Oコントローラボード200と連結されており、I/Oコントローラボード200がPC100とデータ送受信可能に連結されているので可能である。
【0037】
図1及び図2に示すように、大型インクジェットプリンタ10は、一例として、プリンタ本体20、フラットベッド21、キャリッジ30、インクジェットプリンティング用モジュール31、プリンタヘッド(図示省略)、補助インク筒ユニット32、キャリッジガイド40、I/Oコントローラボード200、駆動モータ及びリニアスケール(linear scale)を含むキャリッジ駆動部210、第1ロール(図示省略)、第1ロール駆動モータ220、第2ロール(図示省略)、第2ロール駆動モータ230、フラットベッド真空ポンプ240、フラットベッド圧力センサ250、UVランプ(図示省略)、UVランプ制御部260、データパスボード300、ヘッド制御部310、補助インク筒(図示省略)、補助インク筒レベルセンサ320、空圧/負圧選択バルブ330、インク供給制御ボード400、インクポンプ410、主インク筒(図示省略)、主インク筒レベルセンサ420を含む。しかし、これは大型インクジェットプリンタ10構成の一例であって、これに限定されるものではない。
【0038】
主インク筒は1つ以上に備えられることができ、例えば主インク筒は色相の具現のために4つ(C、M、Y、K)の主インク筒を含むことができ、必要によって洗浄液、前処理液、後処理液、白色インク(ベースインク)のためのそれぞれの主インク筒を含むことができる。
【0039】
各主インク筒のインクは、上段にそれぞれ設置されたインクポンプ410を通じてキャリッジ30の補助インク筒に供給される。
【0040】
各主インク筒内部には、インクの水位を感知する主インク筒レベルセンサ420が備えられている。
【0041】
インク供給制御ボード400は、I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように連結されており、インクポンプ410及び主インク筒レベルセンサ420のそれぞれとデータを送受信できるように連結されている。
【0042】
インク供給制御ボード400は、補助インク筒レベルセンサ320でデータパスボード300及びI/Oコントローラボード200を通じて伝送されたデータによって、主インク筒のインクが補助インク筒に供給されるようにインクポンプ410を制御する。また、このようなインクの供給ができるように供給ラインに備えられたバルブをそれによって連動することができる。
【0043】
主インク筒レベルセンサ410は、主インク筒のインクの残量を感知してインクの不足の時にはインク供給制御ボード400にインク不足信号を伝送し、インク供給制御ボード400に受信されたインク不足信号は、インク供給制御ボード400及びI/Oコントローラボード200を通じてPC100に伝送される。ここで、PC100はユーザがインクの不足が分かるように、この信号をユーザ入出力装置に伝送し、ユーザはユーザ入出力装置のモニタを通じてインクの不足を確認することができる。
【0044】
データパスボード300は、PC100のデータポンプインターフェイス110と直接に連結されており、データポンプインターフェイス110を通じてPC100のデータを受信する。従って、大容量のデータが高速に伝送されることによって、中間過程なしに連結することができる。
【0045】
データパスボード300は、プリンタヘッドを制御するヘッド制御部310、補助インク筒レベルセンサ320、空圧/負圧選択バルブ330、及びI/Oコントローラボード200のそれぞれとデータを送受信できるように連結されている。
【0046】
データパスボード300には、MCU(microcontroller unit)が備えられている。
【0047】
よって、データパスボード300は、空圧/負圧選択バルブ330の作動を制御することができ、補助インク筒からプリンタヘッドへのインクの流入を制御することができる。
【0048】
よって、データパスボード300は、データポンプインターフェイス110を通じてPC100から伝送されたRIPデータを分析した後、このうちプリンタヘッドに関するデータをヘッド制御部310に伝送し、このデータを受信したヘッド制御部310はヘッドノズル(図示省略)を動作させてインクが被印刷物に吐出されるようにできる。
【0049】
補助インク筒レベルセンサ320は、データパスボード300とデータの送受信ができるように連結されている。
【0050】
補助インク筒レベルセンサ320は、補助インク筒のインクの残量を感知してインクの不足の時にはデータパスボード300にインク不足信号を伝送し、データパスボード300に受信されたこの信号は、I/Oコントローラボード200を通じてインク供給制御ボード400に伝送される。この際にインク供給制御ボード400はこのようにデータパスボード300からI/Oコントローラボード200を通じて受信された信号に基づいて主インク筒のインクが補助インク筒に供給されるようにインクポンプ410を制御する。また、このようなインクの供給ができるように、供給ラインに備えられたバルブがそれによって連動できる。
【0051】
空圧/負圧選択バルブ330は、データパスボード300とデータの送受信ができるように連結されている。
【0052】
空圧/負圧選択バルブ330は、データパスボード300によって制御され、空圧/負圧選択バルブ330は、空圧ポンプ(図示省略)で発生された空圧である陽圧を補助インク筒に供給したり、空圧ポンプと連結されたエジェクタを備えて補助インク筒に陰圧である負圧がかかるようにすることができる。陰圧はインクが重力方向に任意に落下しないように支える役割を果たす。
【0053】
ここで、空圧/負圧選択バルブ330が、データパスボード300によって制御されるので、データパスボード300と連結されたヘッド制御部310のプリンタヘッドと連動されて運用することができる。
【0054】
第1ロール駆動モータ220は、被印刷物を移送するための第1ロールを駆動させ、I/Oコントローラボード200とデータを送受信できるように連結されている。
【0055】
第2ロール駆動モータ230は、第1ロールの被印刷物のテンション(tension)を保持させる第2ロールを駆動させ、I/Oコントローラボード200とデータを送受信できるように連結されている。
【0056】
また、第1ロールと第2ロールとの間の被印刷物の位置を感知する感知センサが備えられていることができる。
【0057】
キャリッジ駆動部210は、駆動モータ、及びリニアスケール(linear scale)を含むことができ、駆動誤作動を感知することができるセンサ(図示省略)をさらに含むことができる。
【0058】
このようなキャリッジ駆動部210は、プリンタヘッドが装着されたキャリッジ30をX、Y、Z軸にそれぞれ移動させることができる。具体的にキャリッジ30の駆動は各軸の駆動モータであるサーボモータに駆動されることができ、各軸の各末端には前記センサが備えられることができる。
【0059】
UVランプ制御部260は、I/Oコントローラボード200とデータを送受信できるように連結されており、印刷の直後にUVインクを硬化することができるようにUVランプを制御することができる。
【0060】
フラットベッド真空ポンプ240は、I/Oコントローラボード200とデータを送受信できるように連結されており、このようなフラットベッド真空ポンプ240は、I/Oコントローラボード200によって制御される。
【0061】
フラットベッド真空ポンプ240は、被印刷物が積置され、吸入孔が形成されたフラットベッドに真空圧をかける役割を果たす。従って、フレキシブルであったり、固定が容易ではない被印刷物をフラットベッドに容易に固定することができる。
【0062】
フラットベッド圧力センサ250は、I/Oコントローラボード200とデータを送受信できるように連結されており、このようなフラットベッド圧力センサ250は、I/Oコントローラボード200によって制御される。
【0063】
フラットベッド圧力センサ250は、フラットベッド真空ポンプ240によるフラットベッドの真空圧をセンシングする。
【0064】
具体的には、フラットベッド真空センサ250は、フラットベッドに加えられた真空圧をセンシングした後、センシングされたデータをI/Oコントローラボード200に伝送し、このように受信されたデータに基づいて、I/Oコントローラボード200では適正な値に計算した後、これに基づいてフラットベッド真空ポンプ240を制御することによって、適正な圧力が形成されるようにすることができる。
【0065】
I/Oコントローラボード200は、PC100、データパスボード300、インク供給制御ボード400、第1ロール駆動モータ220、第2ロール駆動モータ230、キャリッジ駆動部210、UVランプ制御部260、フラットベッド真空ポンプ240、及びフラットベッド圧力センサ250のそれぞれとデータを送受信できるように連結されている。また、キャリッジ駆動部コントローラインターフェイス120とはキャリッジ駆動部コントローラインターフェイス120からデータ受信できるように連結されている。
【0066】
ここで、I/Oコントローラボード200、データパスボード300、及びインク供給制御ボード400は、RS485などのような並列通信が行われることが好ましい。RS485は、従来のRS232、RS422の拡張バージョンであり、ホームネットワークを支援する一種のシリアル通信プロトコルの標準規格であり、伝送速度が遅く伝送距離が短いRS232を補完するためにRS422通信方式が採択された。RS485はすべての装置が同じラインでデータの伝送及び受信をすることができ、本発明の具現において有利な方式である。
【0067】
I/Oコントローラボード200には、MCU(microcontroller unit)が備えられている。
【0068】
そこで、I/Oコントローラボード200は、フラットベッド真空センサ250、真空ポンプ240及びUVランプを制御するUVランプ制御部260を制御することができる。
【0069】
また、I/Oコントローラボード200は、キャリッジ駆動部コントローラインターフェイス120から受信されたキャリッジ駆動部210の制御信号をキャリッジ駆動部210に伝達することによって、正確な駆動制御を可能にすることができる。
【0070】
よって、I/Oコントローラボード200は、通信可能に連結された上述するボードやインターフェイスからデータを受信し、受信されたデータを分析し、分析結果によって該ボードやインターフェイスにデータを伝送する役目ができる。
【0071】
このように本発明のプリンティングシステム1によると、PC100及び大型インクジェットプリンタ10のいずれか一方のみでプリンタヘッドの動作及び補助インク筒のバルブ制御、また、インクの供給及びフラットベッド装置などの制御を直接行わず、I/Oコントローラボード200も一部の構成のみに対して動作し、別途に設けられたデータパスボード300及びインク供給制御ボード400を通じて一部の必要な情報のみを収集し、これを分析して再び前記ボードに適当な信号を伝送したり、またPC100に現在の状況を伝達することによって、各ボードにデータ処理容量が適切に配分されるので、大型インクジェットプリンタ10のいずれか一方に集中してデータの過負荷がかからず、従来のプリンティングシステムより安定的で、迅速で、正確なデータ伝送及び各動作が行われることができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は大型インクジェットプリンタに関し、より具体的には、主に産業用途に用いられるプリンタのプリンティングシステムに関する。
【符号の説明】
【0073】
100:PC
110:データポンプインターフェイス
120:キャリッジ駆動部コントローラインターフェイス
200:I/Oコントローラボード
210:キャリッジ駆動部
220:第1ロール駆動モータ
230:第2ロール駆動モータ
240:フラットベッド真空ポンプ
250:フラットベッド圧力センサ
260:UVランプ制御部
300:データパスボード
310:ヘッド制御部
320:補助インク筒レベルセンサ
330:空圧/負圧選択バルブ
400:インク供給制御ボード
410:インクポンプ
420:主インク筒レベルセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置及び前記コンピュータ装置とデータを送受信する大型インクジェットプリンタを含むプリンティングシステムにおいて、
前記大型インクジェットプリンタは、
被印刷物にインクをジェッティングするプリンタヘッドと;
前記プリンタヘッドにインクを供給するインクポンプと;
前記プリンタヘッドの動作を制御するヘッド制御部と;
前記プリンタヘッドが装着されたキャリッジと;
前記キャリッジを少なくとも一方向に移動させるキャリッジ駆動部と;
前記コンピュータ装置からデータを受信し分析して前記プリンタヘッドの作動を制御する制御信号を前記ヘッド制御部に伝送するデータパスボードと;
前記インクポンプの作動を制御するインク供給制御ボードと;
前記コンピュータ装置、前記データパスボード、及び前記インク供給制御ボードからのデータを受信、分析、及び伝送処理するI/Oコントローラボードと;を含み、
前記コンピュータ装置は、
イメージ/テキスト信号を印刷するためのイメージ/テキストラスター(ビットマップ)画像データに切り換えるRIP(Raster Image Process)プログラムと;
前記大型インクジェットプリンタの前記キャリッジ駆動部の動作を制御するキャリッジ駆動部制御プログラムと;を含むことを特徴とするプリンティングシステム。
【請求項2】
前記コンピュータ装置は、
前記コンピュータ装置に設けられ、前記RIPプログラムのデータを前記データパスボードに伝送するデータポンプインターフェイス(data pump interface)と;
前記コンピュータ装置に設けられ、前記キャリッジ駆動部制御プログラムの信号を前記I/Oコントローラボードに伝送するキャリッジ駆動部コントローラインターフェイス(motion controller interface)と;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。
【請求項3】
前記大型インクジェットプリンタは、
前記インクポンプによってインクがポンピングされる少なくとも一つの主インク筒と;
前記主インク筒内にインクレベルを感知し、前記インク供給制御ボードとデータを送受信できるように、前記インク供給制御ボードと連結された主インク筒レベルセンサと;
前記インクポンプによって、前記主インク筒でポンピングされたインクが注入され、前記プリンタヘッドと連結されている少なくとも一つの補助インク筒と;
前記補助インク筒内にインクレベルを感知し、前記データパスボードとデータを送受信できるように、前記データパスボードと連結された補助インク筒レベルセンサと;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。
【請求項4】
前記大型インクジェットプリンタは、
前記補助インク筒に選択的に空圧を提供したり、負圧がかかるようにし、前記データパスボードとデータを送受信できるように前記データパスボードと連結された空圧/負圧選択バルブをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のプリンティングシステム。
【請求項5】
前記キャリッジ駆動部は、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように前記I/Oコントローラボードと連結されており、
前記キャリッジ駆動部は、駆動モータ、及びリニアスケール(linear scale)を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。
【請求項6】
前記大型インクジェットプリンタの前記プリンタヘッドでジェッティングされるインクはUVインクであり、
前記大型インクジェットプリンタは、
前記UVインクを硬化させるUVランプと;
前記UVランプの動作を制御し、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように前記I/Oコントローラボードと連結されている前記UVランプ制御部と;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。
【請求項7】
前記大型インクジェットプリンタは、
前記被印刷物が積置され、吸入孔が形成されたフラットベッドと;
前記フラットベッドに真空圧をかけ、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように前記I/Oコントローラボードと連結されている前記フラットベッド真空ポンプと;
前記フラットベッド真空ポンプによる前記フラットベッドの真空圧をセンシングし、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように前記I/Oコントローラボードと連結されているフラットベッド圧力センサと;を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。
【請求項8】
前記大型インクジェットプリンタは、
印刷の時被印刷物を移送するための第1ロールと;
前記第1ロールを駆動させ、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように前記I/Oコントローラボードと連結されている第1ロール駆動モータと;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。
【請求項9】
前記大型インクジェットプリンタは、
前記第1ロールの被印刷物のテンション(tension)を保持させる第2ロールと;
前記第2ロールを駆動させ、前記I/Oコントローラボードとデータを送受信できるように前記I/Oコントローラボードと連結されている第2ロール駆動モータと;をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のプリンティングシステム。
【請求項10】
前記インクポンプは、前記インク供給制御ボードとデータを送受信できるように前記インク供給制御ボードと連結されていることを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。
【請求項11】
前記ヘッド制御部は前記データパスボードとデータを送受信できるように前記データパスボードと連結されていることを特徴とする請求項1に記載のプリンティングシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−505768(P2012−505768A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530964(P2011−530964)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005917
【国際公開番号】WO2010/044608
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(505335441)インクテック カンパニー リミテッド (19)
【Fターム(参考)】