プリントサーバー、プリントデータ送信方法およびプリントデータ送信プログラム
【課題】 適切な順番でプリントデータを送信すること。
【解決手段】 プリントサーバーは、プリントデータをユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するスプール部253と、指示装置から認証情報を受信し、認証する認証部255と、指示装置から出力指示を受信する出力指示受信部257と、出力指示により指定された画像形成装置に、認証情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信部259と、第1の出力指示に基づいて、第1の認証情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、第2の認証情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択する選択部261と、を備える。
【解決手段】 プリントサーバーは、プリントデータをユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するスプール部253と、指示装置から認証情報を受信し、認証する認証部255と、指示装置から出力指示を受信する出力指示受信部257と、出力指示により指定された画像形成装置に、認証情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信部259と、第1の出力指示に基づいて、第1の認証情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、第2の認証情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択する選択部261と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリントサーバー、プリントデータ送信方法およびプリントデータ送信プログラムに関し、特に、複数のプリントデータを記憶し、要求に応じて複数のプリントデータを送信するプリントサーバー、そのプリントサーバーで実行されるプリントデータ送信方法およびプリントデータ送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)から送信したプリントデータを、複合機で代表される画像形成装置に直ちにプリントさせるのではなく、プリントサーバーに一時記憶しておき、ユーザーからの要求に応じて画像形成装置にプリントデータを送信してプリントさせるプリントシステムが知られている。このプリントシステムによれば、複数の画像形成装置が存在する場合に、任意の画像形成装置にプリントさせることができるというメリットがある。このプリントシステムにおいて、1台の画像形成装置にプリントさせる複数の要求が入力される場合に、複数の要求それぞれが入力される順にプリントデータを画像形成装置に送信し、プリントさせることが一般的である。
【0003】
しかしながら、複数の要求のうちに、それより先の要求よりも優先することが望まれる場合がある。特開2005−189459号公報には、プリントサーバーを用いるものではないが、複数の要求の優先順位を定める技術が開示されている。具体的には、写真感光材料に対してプリント処理を行う画像露光部を有する写真処理装置と、プリント処理をすべき画像データの入力を行う画像入力部を有する端末処理装置と、1台又は複数台の写真処理装置と複数台の端末処理装置とをネットワークにより接続可能に構成したプリント処理システムであって、写真処理装置と端末処理装置の少なくとも一方に、ネットワークに接続される複数台の端末処理装置に関して、プリント処理をすべきプリント作成用データを写真処理装置が取得するに際して、優先的にプリント処理をすべき端末処理装置の順位を設定可能な優先順位設定部が設けられていることを特徴とするプリント処理システムが記載されている。
【0004】
しかしながら、従来のプリント処理システムにおいては、優先的にプリント処理をすべき端末処理装置の順位を、ユーザーが設定しなければないといった問題がある。
【特許文献1】特開2005−189459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントサーバーを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、プリントサーバーは、外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するプリントデータ受信手段と、受信されるプリントデータを、ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するスプール手段と、指示装置から認証情報を受信し、認証する認証手段と、認証手段による認証が成功してから開始するログイン期間に、認証された認証情報を送信してきた指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信手段と、出力指示により指定された画像形成装置に記憶されたプリントデータのうち受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信手段と、を備え、出力指示受信手段は、認証手段による第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信手段と、認証手段による第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信手段と、を含み、プリントデータ送信手段は、第1の出力指示に基づいて、記憶されたプリントデータのうち第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、記憶されたプリントデータのうち第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択する選択手段を含む。
【0009】
この局面に従えば、ユーザーが認証され、出力指示が受信されると出力指示に含まれる装置識別情報で特定される画像形成装置にプリントデータが送信される。先に認証されたユーザーが指示した第1の出力指示と、後に認証されたユーザーが指示した第2の出力指示とが同一の画像形成装置へのプリントデータの送信を指示する場合、第1および第2の出力指示をそれぞれ送信してきた第1および第2指示装置が同一か否かに基づいて、第1および第2の出力指示のいずれか一方が選択される。このため、複数のユーザーが認証される場合に、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントサーバーを提供することができる。
【0010】
好ましくは、選択手段は、第1の指示装置と第2の指示装置とが同じ場合、第2プリントデータを選択し、プリントデータ送信手段は、選択手段により選択された第2プリントデータを第2の出力指示手段に基づいて送信する。
【0011】
この局面に従えば、第1の指示装置と第2の指示装置とが同じ場合、第2の出力指示が優先される。第1の指示装置と第2の指示装置とが同じ場合は、先に認証されたユーザーと後に認証されたユーザーとが、同じ指示装置を操作している。このため、先に認証されたユーザーは、後に認証されたユーザーに指示装置を操作する権利を譲っているので、第1の出力指示よりも第2の出力指示を優先させることにより、後に認証されたユーザーの待ち時間を短くすることができる。
【0012】
好ましくは、プリントデータ送信手段は、第2プリントデータの送信が完了した時点から所定の期間内に、認証手段により第1の認証情報に基づく認証が成功する場合、第1の出力指示に基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信を再開する再開手段をさらに含む。
【0013】
この局面に従えば、先に認証されたユーザーが、後に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が終了した後の所定の期間内に認証されると、先に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が再開される。このため、先に認証されたユーザーは新たに出力指示をするための操作を省略することができ、操作を簡略にすることができる。
【0014】
好ましくは、選択手段は、第1の指示装置と第2の指示装置とが異なる場合、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを選択し、プリントデータ送信手段は、選択された複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを第1の出力指示に基づいて送信する。
【0015】
この局面に従えば、第1の指示装置と第2の指示装置とが異なる場合、第1の出力指示が優先される。第1の指示装置と第2の指示装置とが異なる場合は、先に認証されたユーザーと、後に認証されたユーザーとは、異なる指示装置を操作している。このため、先に認証されたユーザーは、後に認証されたユーザーが認証されたことを知らないので、第1の出力指示を第2の出力指示よりも優先させる。その結果、先に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信を継続して、先に認証されたユーザーに待ち時間が発生するのを防止することができる。
【0016】
好ましくは、プリントデータ送信手段は、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した時点が第2のログイン期間内であれば、第2の出力指示に基づいて第2プリントデータを送信する期間内開始手段を含む。
【0017】
この局面に従えば、先に認証されたユーザのためのプリントデータの送信が終了した後に、直ちに、後に認証されたユーザのためのプリントデータが送信されるので、後に認証されたユーザの待ち時間をできるだけ短くすることができる。
【0018】
好ましくは、プリントデータ送信手段は、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した完了時点が第2のログイン期間内でなければ、完了時点から所定の期間内に、認証手段により第2の認証情報に基づく認証が成功することに応じて、第2の出力指示に基づいて第2プリントデータを送信する期間外開始手段を含む。
【0019】
この局面に従えば、後に認証されたユーザーが、先に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が終了した後の所定の期間内に認証されると、後に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が開始される。このため、後に認証されたユーザーは新たに出力指示をするための操作を省略することができ、操作を簡略にすることができる。
【0020】
この発明の他の局面によれば、プリントデータ送信方法は、プリントサーバーによって実行されるプリントデータ送信方法であって、外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、受信されるプリントデータを、ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、認証された認証情報を送信してきた指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、出力指示により指定された画像形成装置に記憶されたプリントデータのうち受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、出力指示受信ステップは、認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、を含み、プリントデータ送信ステップは、第1の出力指示に基づいて、記憶されたプリントデータのうち第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、記憶されたプリントデータのうち第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む。
【0021】
この局面に従えば、複数のユーザーが認証される場合に、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信方法を提供することができる。
【0022】
この発明のさらに他の局面によれば、プリントデータ送信プログラムは、外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、受信されるプリントデータを、ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、認証された認証情報を送信してきた指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、出力指示により指定された画像形成装置に記憶されたプリントデータのうち受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、出力指示受信ステップは、認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、をコンピュータに実行させ、プリントデータ送信ステップは、第1の出力指示に基づいて、記憶されたプリントデータのうち第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、記憶されたプリントデータのうち第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む。
【0023】
この局面に従えば、複数のユーザーが認証される場合に、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。
【図2】プリントサーバーのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】MFPの外観を示す斜視図である。
【図4】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図6】プリントサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【図7】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【図8】携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【図9】スプール処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】出力指示実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第1プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】第2プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】プリントシステムで実行されるプリントデータの流れの一例を示す第1の図である。
【図17】プリントシステムで実行されるプリントデータの流れの一例を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、それぞれがネットワーク3に接続された複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、プリントサーバー200と、認証サーバー300と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)400〜402と、携帯情報装置510と、無線局500を含む。
【0027】
なお、図ではネットワーク3に、画像形成装置として3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。
【0028】
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されている。このため、MFP100,100A,100C、プリントサーバー200、認証サーバー300およびPC400〜402各々は、ネットワーク3を介して互いに通信可能であり、インターネットに接続されたコンピュー多と通信可能である。
【0029】
携帯情報装置510は、一般的なPDAである。ここでは、携帯情報装置510を、スマートホンとする場合を例に説明する。携帯情報装置510は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。また、携帯情報装置510は、無線LAN機能を備えている。
【0030】
ネットワーク3には無線局500がさらに接続される。無線局500は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた携帯情報装置510と通信して、携帯情報装置510をネットワーク3に接続する。このため、携帯情報装置510は、ネットワーク3に接続された、MFP100,100A,100B、プリントサーバー200、認証サーバー300およびPC400〜402とデータの送受信が可能である。
【0031】
PC400〜402、プリントサーバー200および認証サーバー300は、一般的なコンピュータである。認証サーバー300は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510各々を使用するユーザーを認証する処理を実行する。認証サーバー300は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含むユーザーレコードを含むユーザーデータを記憶しており、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから、ユーザーによりそれに入力された認証情報とを受信すると、受信された認証情報と予め記憶されているユーザーデータに含まれるユーザーレコードと比較する。認証サーバー300は、認証情報と一致するユーザーレコードがユーザーデータに含まれていれば認証成功を示す認証結果を返信するが、そうでなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。なお、MFP100,100A,100Bを操作するユーザーの認証を、プリントサーバー200において実行する場合があり、この場合には、MFP100,100A,100Bに入力される認証情報がプリントサーバー200を経由して認証サーバー300に送信される。
【0032】
ここでは、認証情報としてユーザー識別情報とパスワードとの組とする場合を例に示すが、ユーザーの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報を認証情報として認証するようにしてもよい。この場合、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510には、生体情報を読み取るための読取装置が接続され、認証サーバー300に記憶されるユーザーデータは、ユーザー識別情報と生体情報とを含む。そして、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510それぞれは、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510それぞれは、読取装置から入力される生体情報を認証サーバー300に送信し、認証サーバー300に認証させる。
【0033】
なお、プリントサーバー200が認証サーバー300を兼ねる場合があり、この場合には認証サーバー300は不要である。また、PC400〜402、MFP100,100A,100Bが、認証サーバー300を兼ねるようにしてもよい。
【0034】
PC400〜402各々は、ユーザーにより使用され、アプリケーションプログラムを実行することにより、種々の処理を実行する。種々の処理は、使用するユーザーを認証するログイン処理、プリントデータを生成し、MFP100,100A,100Bのいずれかにプリントさせるプリント処理を含む。
【0035】
本実施の形態におけるプリントシステム1においては、PC400〜402各々には、プルプリント用ドライバプログラムがインストールされている。PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムを実行することにより、プリントデータを、プリントサーバー200に一時的に記憶させる。PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムをインストールする際に、プリントデータの送信先としてプリントサーバー200が登録される。例えば、プリントサーバー200のネットワークアドレスを設定することにより、プリントサーバー200が登録される。
【0036】
PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムを実行することにより、MFP100,100A,100Bのいずれかにプリントデータをプリントさせる。具体的には、例えば、PC400において、ユーザーAがユーザー識別情報「taro1」でログインし、ユーザーAが指定したデータと、送信先としてプリントサーバー200を指示する場合、プルプリント用ドライバプログラムは、プルプリントデータをプリントサーバー200に送信する。プルプリントデータは、ユーザーにより指定されたデータをプリント用のフォーマットに変換したプリントデータと、ユーザー識別情報「taro1」とを含む。
【0037】
プリントサーバー200は、PC400〜402のいずれかからユーザー識別情報とプリントデータとの組からなるプルプリントデータを受信すると、それらを関連付けて一時記憶する。その後、MFP100,100A,100Bまたは携帯情報装置510のいずれかから、出力指示が入力されると、出力指示に従って、プルプリントデータをMFP100,100A,100Bのいずれかに出力する。出力指示は、プリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報と、出力先を指定する装置識別情報とを含む。出力先を指定する装置識別情報は、MFP100,100A,100Bいずれかを識別するための情報であり、例えば、MFP100,100A,100Bに予め割り当てられた名称、またはネットワーク3において割り当てられたネットワークアドレスである。
【0038】
出力指示は、MFP100,100A,100Bのうちユーザーが操作するMFPから受信される直接出力指示と、ユーザーが操作する携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示とを含む。
【0039】
MFP100,100A,100Bのいずれか、例えばMFP100にユーザーがログインすると、プリントサーバー200は、プルプリントデータのうちからログインしたユーザーのユーザー識別情報を含むプルプリントデータを抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含むスプール情報を送信する。スプール情報を受信するMFP100は、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のうちから少なくとも1つを選択する指示をユーザーから受け付け、選択されたプリントデータ識別情報と、MFP100の装置識別情報とを含む直接出力指示をプリントサーバー200に送信する。その後、プリントサーバー200は、MFP100から直接出力指示に含まれるプリントデータ識別情報を含む取得要求を受信することに応じて、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを、MFP100に送信する。これにより、MFP100によって、プリントサーバー200に記憶されたプリントデータの画像が形成される。
【0040】
一方、携帯情報装置510にユーザーがログインすると、プリントサーバー200は、プルプリントデータのうちからログインしたユーザーのユーザー識別情報を含むプルプリントデータを抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含むスプール情報を送信する。スプール情報を受信する携帯情報装置510は、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のうちから少なくとも1つを選択する指示と、MFP100,100A,100Bのうちから出力先を選択する指示と、をユーザーから受け付け、選択されたプリントデータ識別情報と、MFP100,100A,100Bのうちから選択された装置の装置識別情報とを含む遠隔出力指示をプリントサーバー200に送信する。遠隔出力指示を受信するプリントサーバー200は、遠隔出力指示に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを、MFP100,100A,100Bのうち遠隔出力指示に含まれる装置識別情報で特定される装置に送信する。これにより、MFP100,100A,100Bのうち遠隔出力指示に含まれる装置出力情報で特定される装置によって、プリントサーバー200に記憶されたプリントデータの画像が形成される。
【0041】
なお、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のうちから出力対象とするプリントデータ識別情報を選択するユーザーによる操作を省略するようにしてもよい。この場合、ユーザーがログインしたMFP100は、スプール情報を受信すると、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100の装置識別情報とを含む直接出力指示をプリントサーバー200に送信し、その後、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のすべてを順に選択し、取得要求をプリントサーバー200に送信する。また、ユーザーがログインした携帯情報装置510は、スプール情報を受信すると、MFP100,100A,100Bのうちから出力先を選択する指示をユーザーから受け付け、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100,100A,100Bのうちから選択された装置の装置識別情報とを含む遠隔出力指示をプリントサーバー200に送信する。
【0042】
プリントサーバー200は、MFP100,100A,100Bのいずれかから直接出力指示を受信し、携帯情報装置510から遠隔出力指示を受信する。ここで、プリントサーバー200が直接出力指示を受信し、直接出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれに対応する1以上のプリントデータを、取得要求を受信することに応じて順に送信する処理を、直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理という。また、プリントサーバー200が遠隔出力指示を受信し、遠隔出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれに対応する1以上のプリントデータを、遠隔出力指示に含まれる装置識別情報で特定される装置に送信する処理を、遠隔出力指示に基づくプリントデータの送信処理という。
【0043】
プリントサーバー200が受信する直接出力指示が複数のプリントデータ識別情報を含む場合、プリントサーバー200が、直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理にある程度の時間を要する場合がある。このため、プリントサーバー200が直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、直接出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む遠隔出力指示または直接出力指示を受信する場合がある。したがって、出力指示は、第1出力指示と、プリントサーバー200が第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に受信される第2出力指示と、を含む。
【0044】
まず、プリントサーバー200が直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、直接出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む遠隔出力指示を受信する場合について説明する。例えば、ユーザーAがMFP100にログインした後に、ユーザーBが携帯情報装置510にログインし、出力先にMFP100を選択する場合である。具体的には、ユーザーAがMFP100にログインし、MFP100がユーザーAのための直接出力指示を送信すると、プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。ユーザーBが携帯情報装置510にログインし、ユーザーBが出力先にMFP100を選択する場合であって、プリントサーバー200が携帯情報装置510からユーザーBのための遠隔出力指示を受信する時点が、プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中の場合である。この場合、ユーザーAのための直接出力指示が第1出力指示であり、ユーザーBのための遠隔出力指示が第2出力指示である。
【0045】
次に、プリントサーバー200が直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、直接出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む別の直接出力指示を受信する場合について説明する。例えば、ユーザーAがMFP100にログインした後に、ユーザーCがMFP100にログインする場合である。具体的には、ユーザーAがMFP100にログインし、MFP100がユーザーAのための直接出力指示を送信すると、プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、ユーザーAがMFP100に取得要求の送信を中断する指示として、例えば割り込み指示を入力し、その後、ユーザーCがMFP100にログインし、MFP100がユーザーCのための直接出力指示を送信する場合である。この場合、ユーザーAのための直接出力指示が第1出力指示であり、ユーザーCのための直接出力指示が第2出力指示である。なお、プリントサーバー200は、ユーザーAのための直接出力指示に基づきプリントデータの送信処理を実行している最中に、ユーザーAがMFP100に割り込み指示を入力したことを検出することができない。
【0046】
プリントサーバー200は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を途中まで実行しているが、第1出力指示よりも後から受信される第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理よりも優先させるか否かを、第1出力指示を送信してきた装置と、第2出力指示を送信してきた装置とが同一か否かにより選択し、選択した処理を優先して実行する。具体的には、第1出力指示を送信してきた装置と第2出力指示を送信してきた装置とが同一の場合は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を優先し、第1出力指示を送信してきた装置と第2出力指示を送信してきた装置とが異なる場合は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を優先する。
【0047】
なお、プリントデータとともに、複写枚数、用紙のサイズ、カラーとモノクロの別、印刷レイアウト等のプリント条件が送信される場合がある。このプリント条件は、PC400〜402が、ユーザーから受け付けられた値に基づいて定まる。また、PC400〜402において、プリントデータとともにプリント条件を送信することなく、プリントデータのみを送信して、プリント条件を、MFP100,100A,100BのうちユーザーがログインしたMFPで、ユーザーがログインした後に指定するようにしてもよい。
【0048】
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有している場合を例に説明する。
【0049】
図2は、プリントサーバーのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、プリントサーバー200は、それぞれがバス208に接続され、プリントサーバー200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、プリントサーバー200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置209と、を含む。
【0050】
外部記憶装置209は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)209Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置209を介してCD−ROM209Aに記憶されたプログラムをRAM203にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリ等でもよい。また、HDD205に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、プリントサーバー200が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD205に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0051】
図3は、MFPの外観を示す斜視図である。図3を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50と、を含む。
【0052】
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ12上に排出する。画像読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部30に出力する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0053】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、外部から受信された画像データ、または、画像読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データ、または外部から受信されるプリントデータに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。
【0054】
後処理部50は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部50は、複数の排紙トレイを有し、画像が形成された用紙をソートして排紙することが可能である。また、後処理部50は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、排紙された用紙にパンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。また、MFP100は、その上面にユーザーとのユーザーインターフェースとしての操作パネル9を備えている。
【0055】
図4は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ファクシミリ部122と、通信制御部123と、を含む。メイン回路101は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50とに接続されている。
【0056】
メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、外部記憶装置118と、を含む。
【0057】
CPU111は、RAM112、ROM113、表示部114、操作部115、HDD116、データ通信制御部117および外部記憶装置118とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部122、通信制御部123、ADF10、画像読取部20、画像形成部30、給紙部40、後処理部50と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0058】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。
【0059】
データ通信制御部117は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、データ通信制御部117を介して、プリントサーバー200、認証サーバー300、PC400〜402、携帯情報装置510、およびMFP100A,100Bとの間で通信し、データを送受信する。通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続された他のコンピュータと通信し、データを送受信可能である。
【0060】
外部記憶装置118は、CD−ROM118Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置118を介してCD−ROM118Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置118に装表されたCD−ROM118Aに記録されたプログラムをRAM112にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0061】
通信制御部123は、CPU111をPSTN7に接続するためのモデムである。MFP100には、PSTN7における電話番号が予め割り当てられており、PSTN7に接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると、通信制御部123がその発呼を検出する。通信制御部123は、発呼を検出すると通話を確立し、ファクシミリ部122に通信させる。
【0062】
ファクシミリ部122は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部122は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶するとともに、画像形成部30でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部30に出力する。これにより、画像形成部30は、ファクシミリ部122により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部122は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0063】
図5は、携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。図5を参照して、携帯情報装置510は、携帯情報装置510の全体を制御するためのCPU511と、カメラ512と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ513と、通話部515と接続された無線通信部514と、情報を表示する表示部516と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部517と、無線LANI/F518とを含む。
【0064】
無線通信部514は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部514は、携帯情報装置510を電話通信網に接続し、通話部515を用いた通話を可能とする。無線通信部514は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部515に出力する。また、無線通信部514は、通話部515から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部515は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部514から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部514に出力する。さらに、無線通信部514は、CPU511により制御され、携帯電話用基地局を介してデータを送受信し、例えば、携帯情報装置510をインターネットに接続する。
【0065】
カメラ512は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサに結像し、CMOSセンサは受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。
【0066】
表示部516は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや,外部から受信されたデータ等を表示する。操作部207は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。また、操作部207は、表示部516に重畳して設けられたタッチパネルを含む。
【0067】
無線LANI/F518は、無線局500と通信し、携帯情報装置510をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置510に、予めプリントサーバー200のIP(Internet Protocol)アドレスが登録される。携帯情報装置510は、無線LANI/F518を介してプリントサーバー200と通信することができ、データの送受信が可能となる。
【0068】
図6は、プリントサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図6に示すプリントサーバー200が備えるCPU201の機能は、CPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。
【0069】
図6を参照して、プリントサーバー200が備えるCPU201は、外部からプルプリントデータを受信するプリントデータ受信部251と、プルプリントデータを一時記憶するスプール部253と、ユーザーを認証するサーバー側認証部255と、出力指示を受信する出力指示受信部257と、プリントデータを送信するプリントデータ送信部259と、を含む。出力指示受信部257は、第1出力指示受信部271と、第2出力指示受信部273と、を含む。プリントデータ送信部259は、第1プリントデータ送信部275と、第2プリントデータ送信部281と、出力指示を送信してきた装置を比較する指示装置比較部263と、送信対象となるプリントデータを選択する選択部261と、を含む。
【0070】
プリントデータ受信部251は、ネットワークI/F204を制御し、PC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザー識別情報とを含むプルプリントデータを受信する。プリントデータ受信部251は、プルプリントデータを受信すると、受信されたプルプリントデータをスプール部253に出力する。
【0071】
スプール部253は、プリントデータ受信部251からプルプリントデータが入力されると、プルプリントデータをHDD205に記憶する。これにより、HDD205にプルプリントデータ291が記憶される。プルプリントデータ291は、プリントデータとユーザー識別情報とを含み、プリントデータをユーザー識別情報と関連付ける。
【0072】
サーバー側認証部255は、ネットワークI/F204を制御して、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから認証情報を受信すると、認証情報に基づいて、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置を操作するユーザーを認証する。認証情報は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含む。サーバー側認証部255は、受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報とパスワードとをネットワークI/F204を介して認証サーバー300に送信し、認証サーバー300に認証させる。認証サーバー300は、ユーザー識別情報とパスワードとを受信すると、そのユーザー識別情報とパスワードとを予め記憶されているユーザーデータと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、ユーザーデータは、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含む。
【0073】
サーバー側認証部255は、ネットワークI/F204が認証サーバー300から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。サーバー側認証部255は、認証結果を、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置に送信する。サーバー側認証部255は、認証結果が認証成功を示す場合、認証されたユーザーのユーザー識別情報と、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置の装置識別情報とを、出力指示受信部257およびプリントデータ送信部の259に出力する。
【0074】
サーバー側認証部255は、認証サーバー300から認証成功を示す認証結果を受信する場合、その後にネットワークI/F204が認証情報を送信してきた装置から受信する情報は、ログアウト要求を受信するまでのログイン期間に、認証したユーザーのために送信された情報として取り扱う。例えば、MFP100から認証情報を受信する場合、サーバー側認証部255は、認証サーバー300から認証成功を示す認証結果を受信してから、その後にMFP100からログアウト要求を受信するまでのログイン期間内に、MFP100から受信する情報を有効として取り扱うが、ログアウト要求を受信した後のログイン期間外に、MFP100から受信する情報を有効としない。サーバー側認証部255は、認証サーバー300から認証成功を示す認証結果を受信する場合、認証されたユーザーのユーザー識別情報と装置識別情報とを、出力指示受信部257およびプリントデータ送信部259に出力した後、ログアウト要求を受信すると、ログアウトしたことを示すログアウト通知を、出力指示受信部257およびプリントデータ送信部259に出力する。ログアウト通知は、認証されたユーザーのユーザー識別情報を含む。これにより、出力指示受信部257は、認証されたユーザーがログインしているログイン期間を検出する。
【0075】
出力指示受信部257は、サーバー側認証部255からユーザー識別情報と装置識別情報とが入力されると、ログアウト通知を受信する前のログイン期間に、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうち装置識別情報で特定される装置から出力指示を受信する。
【0076】
具体的には、出力指示受信部257は、サーバー側認証部255からユーザー識別情報と装置識別情報とが入力されることに応じて、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちから、サーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291を、抽出する。出力指示受信部257は、サーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291を抽出する場合、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうちサーバー側認証部255から入力される装置識別情報で特定される装置にネットワークI/F204を介して、スプール情報を送信する。スプール情報は、HDD205に記憶されたプルプリントデータ291のうちサーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291に含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。出力指示受信部257は、ユーザー識別情報を含む複数のプルプリントデータ291を抽出する場合、抽出された複数のプルプリントデータ291それぞれに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報のすべてを含むスプール情報を送信する。
【0077】
ここでは、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうちスプール情報を受信する装置を指示装置という。指示装置の詳細は後述するが、指示装置は、出力指示を返信する。出力指示は、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから選択された1以上のプリントデータ識別情報と、出力先を特定する情報として、MFP100,100A,100Bのいずれかの装置識別情報とを含む。ここでは、出力指示に含まれ、出力先を特定する装置識別情報で特定される装置を、出力装置という。出力指示受信部257は、指示装置から送信される出力指示を受信し、受信された出力指示をプリントデータ送信部259に出力する。
【0078】
出力指示は、MFP100,100A,100Bのいずれかが送信する直接出力指示と、携帯情報装置510が送信する遠隔出力指示とを含む。直接出力指示は、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから選択された1以上のプリントデータ識別情報と、MFP100,100A,100Bのうち出力装置の装置識別情報とを含む。なお、直接出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報は、指示装置の装置識別情報と同じである。このため、直接出力指示は、装置識別情報を含まないようにしてもよい。
【0079】
遠隔出力指示は、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちからユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報と、MFP100,100A,100Bのうちから選択された出力装置の装置識別情報とを含む。遠隔出力指示は、指示装置が携帯情報装置510であり、その遠隔出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報は、指示装置の装置識別情報と異なる。
【0080】
出力指示受信部257は、MFP100,100A,100Bのいずれかから直接出力指示を受信し、携帯情報装置510から遠隔出力指示を受信するが、直接出力指示または遠隔出力指示それぞれに含まれる出力装置の識別情報が同一の直接出力指示または遠隔出力指示を、第1出力指示または第2出力指示のいずれかに設定し、プリントデータ送信部259に出力する。したがって、出力指示受信部257は、出力装置となりうるMFP100,100A,100Bごとに、1つの第1出力指示と1つの第2出力指示とをプリントデータ送信部259に出力する。
【0081】
ここでは、説明のために、出力指示受信部257は、MFP100から直接出力指示を受信し、その後に、MFP100の装置識別情報を含む直接出力指示または遠隔出力指示を受信する場合を例に説明する。
【0082】
出力指示受信部257は、第1出力指示受信部271と、第2出力指示受信部273と、を含む。第1出力指示受信部271は、サーバー側認証部255から入力される装置識別情報で特定される指示装置がMFP100の場合に、直接出力指示を受信し、サーバー側認証部255から入力される装置識別情報で特定される指示装置が携帯情報装置510の場合に、遠隔出力指示を受信する。
【0083】
第1出力指示受信部271は、後述するプリントデータ送信部259が所定の状態の場合、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示を第1出力指示に設定し、サーバー側認証部255から入力される指示装置の装置識別情報とともに、プリントデータ送信部259に出力するとともに、第1出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報を指示装置比較部263に出力する。
【0084】
プリントデータ送信部259が所定の状態とは、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行していない状態である。プリントデータ送信部259が所定の状態か否かは、後述する第1プリントデータ送信部275が出力する実行中信号が入力されているか否かにより判断する。
【0085】
また、第1出力指示受信部271は、後述するプリントデータ送信部259が所定の状態でない場合であっても、換言すれば、プリントデータ送信部275がMFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行している場合であっても、第1出力指示が遠隔出力指示の場合には、その第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理が終了した後に、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示を第1出力指示に設定し、サーバー側認証部255から入力される指示装置の装置識別情報とともに、プリントデータ送信部259に出力するとともに、第1出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報を指示装置比較部263に出力する。
【0086】
第2出力指示受信部273は、第1出力指示が直接出力指示の場合に、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示を第2出力指示に設定し、サーバー側認証部255から入力される指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報とともにプリントデータ送信部275に出力するとともに、指示装置の装置識別情報を指示装置比較部263に出力する。
【0087】
第2出力指示受信部273は、プリントデータ送信部275がMFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行しているか否かを、後述する第1プリントデータ送信部275が出力する実行中信号が入力されているか否かにより判断する。
【0088】
第1出力指示は、第2出力指示が受信される前に受信される直接出力指示または遠隔出力指示である。また、第2出力指示は、プリントデータ送信部259により直接出力指示である第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理が実行されている最中に受信される直接出力指示または遠隔出力指示である。
【0089】
プリントデータ送信部275は、出力指示受信部257から出力指示が入力されると、入力される出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。具体的には、プリントデータ送信部275は、出力指示に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを、MFP100,100A,100Bのうち出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置に送信する。ここでは、出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置をMFP100としているので、プリントデータ送信部275は、出力指示に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを、MFP100に送信する。
【0090】
プリントデータ送信部259は、第1プリントデータ送信部275と、第2プリントデータ送信部281と、指示装置比較部263と、選択部261と、を含む。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から第1出力指示、第1出力指示を送信した指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報が入力される。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から第1出力指示が入力される場合、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。具体的には、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から入力される第1出力指示が直接出力指示の場合、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示が入力されると、ネットワークI/F204を制御して、指示装置であるMFP100から取得要求を受信する。取得要求は、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれか1つのプリントデータ識別情報を含む。MFP100,100A,100Bの動作の詳細は後述するが、MFP100,100A,100Bそれぞれは、直接出力指示を送信した後、直接出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから1つを順に選択し、選択されたプリントデータ識別情報を含む取得要求を送信する。
【0091】
第1プリントデータ送信部275は、取得要求を受信すると、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータをHDD205に記憶されたプルプリントデータ291のうちから読み出し、読み出したプリントデータを、第1出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、ここではMFP100に、ネットワークI/F204を介して送信する。
【0092】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報をそれぞれ含む1以上の取得要求のすべてを受信し、1以上の取得要求それぞれ含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを送信すると、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。
【0093】
また、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から入力される第1出力指示が遠隔出力指示の場合、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示が入力されると、ネットワークI/F204を制御して、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを、第1出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、ここではMFP100に送信する。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを送信すると、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。
【0094】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示が入力されてから第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了するまでの間、第2出力指示受信部273に実行中信号を出力し、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第2プリントデータ送信部281に第1完了信号を出力する。
【0095】
指示装置比較部263は、第1出力指示受信部271から第1出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力され、第2出力指示受信部273から第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力される。指示装置比較部263は、第2出力指示受信部273から第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力される場合は、第1出力指示受信部271から第1出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力されている。このため、指示装置比較部263は、第2出力指示受信部273から第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力されることに応じて、第1出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報と、第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報とを比較し、両者が同一か否かを判断する。指示装置比較部263は、両者が同一ならば同一であることを示す同一信号を選択部261に出力し、両者が同一でなければ同一出ないことを示す相違信号を選択部261に出力する。
【0096】
選択部261は、指示装置比較部263から同一信号が入力される場合、第1プリントデータ送信部275に中断信号を出力し、第2プリントデータ送信部281に実行信号を出力する。また、選択部261は、指示装置比較部263から相違信号が入力される場合、第1プリントデータ送信部275に継続信号を出力し、第2プリントデータ送信部281に待機信号を出力する。
【0097】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、選択部261から中断信号が入力される場合、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断する。第1出力指示が遠隔出力指示の場合には、選択部261から中断信号は入力されないので、第1プリントデータ送信部275が、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断する場合は、第1出力指示が直接出力指示の場合である。
【0098】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断する場合、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうち未だ送信していない未送信プリントデータのプリントデータ識別情報を、第1出力指示受信部271から第1出力指示とともに入力される指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報と関連付けて、RAM203に一時記憶する。後述する第2プリントデータ送信部281により第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理が実行されるためである。
【0099】
第1プリントデータ送信部275は、再開部277を含む。再開部277は、サーバー側認証部255から認証されたユーザーのユーザー識別情報と、そのユーザーが操作する装置の装置識別情報とが入力され、第2プリントデータ送信部281から第2完了信号が入力される。第2完了信号は、第2プリントデータ送信部281が、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を完了し、その後送信する信号である。再開部277は、第2プリントデータ送信部281から第2完了信号が入力されてから所定期間内に、サーバー側認証部255から認証されたユーザーのユーザー識別情報と装置識別情報とが入力され、かつ、サーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報と関連付けられた未送信プリントデータのプリントデータ識別情報がRAM203に記憶されている場合、未送信プリントデータのプリントデータ識別情報に基づいて、中断した第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を再開する。
【0100】
第1出力指示を指示したユーザーは、ログイン操作をすれば、先に指示した第1出力指示に基づいてプリントデータの画像が形成されるので、改めて第1出力指示のための操作をする必要がなく、操作を容易にすることができる。なお、再開部277は、第2プリントデータ送信部281から第2完了信号が入力されてから所定期間内に、未送信プリントデータのプリントデータ識別情報に関連付けてRAM203に記憶されているユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報が、サーバー側認証部255から入力されない場合、未送信プリントデータのプリントデータ識別情報を、RAM203から消去する。
【0101】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、選択部261から継続信号が入力される場合、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断することなく、継続する。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、選択部261から継続信号が入力された後、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第2プリントデータ送信部281に第1完了信号を出力する。
【0102】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示受信部273から第2出力指示、指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報が入力され、選択部261から待機信号または実行信号のいずれかが入力される。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が入力され、かつ、選択部261から実行信号が入力される場合、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。選択部261が待機信号を出力するのは、第1出力指示を送信してきた指示装置と第2出力指示を送信してきた指示装置とが同じ場合である。この場合における第2出力指示は直接出力指示である場合と、遠隔出力指示である場合とがある。
【0103】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が直接出力指示の場合、ネットワークI/F204を制御して、MFP100,100,100Bのうち第2出力指示を送信してきた装置、ここではMFP100から取得要求を受信する。取得要求は、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれか1つのプリントデータ識別情報を含む。第2プリントデータ送信部281は、取得要求を受信すると、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータをHDD205に記憶されたプルプリントデータ291のうちから読出し、読み出したプリントデータを、第2出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、換言すれば、第2出力指示を送信してきた指示装置MFP100に、ネットワークI/F204を介して送信する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報をそれぞれ含む1以上の取得要求のすべてを受信し、1以上の取得要求それぞれ含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを送信すると、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第1プリントデータ送信部275に第2完了信号を出力する。
【0104】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が遠隔出力指示の場合、ネットワークI/F204を制御して、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを、MFP100,100,100Bのうち第2出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、ここではMFP100に送信する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを送信すると、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第1プリントデータ送信部275に第2完了信号を出力する。
【0105】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が入力され、かつ、選択部261から待機信号が入力される場合、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を実行することなく、待機状態となる。選択部261が待機信号を出力するのは、第1出力指示を送信してきた指示装置と第2出力指示を送信してきた指示装置とが異なる場合であり、この場合における第2出力指示は、遠隔出力指示である。
【0106】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を待機する場合、第2出力指示を、第2出力指示受信部273から第2出力指示とともに入力される指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報と関連付けて、RAM203に一時記憶する。第1プリントデータ送信部275により第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理が実行されるためである。
【0107】
第2プリントデータ送信部281は、期間内開始部283と、期間外開始部285とを含む。期間内開始部283は、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力される場合であって、かつ、RAM203に第2出力指示が記憶されている場合、第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報のユーザーがログインしているログイン期間内か否かを判断する。第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報を含むログアウト通知がサーバー側認証部255から入力されていなければ、ログインしているログイン期間内と判断するが、そのようなログアウト通知がサーバー側認証部255から入力されていれば、ログインしていないログイン期間外と判断する。期間内開始部283は、ログイン期間内と判断する場合、RAM203に記憶されている第2出力指示を読み出し、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を開始する。第2出力指示を指示したユーザーは、ログアウトしなければ、先に指示した第2出力指示に基づいてプリントデータの画像が形成されるので、操作を容易にすることができる。
【0108】
期間外開始部285は、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力される場合であって、かつ、RAM203に第2出力指示が記憶されている場合、第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報のユーザーがログインしているログイン期間外か否かを判断する。期間外開始部285は、ログイン期間外と判断する場合、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力されてから所定期間内に、RAM203に第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報がサーバー側認証部255から入力される場合、RAM203に記憶されている第2出力指示を読み出し、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を開始する。第2出力指示を指示したユーザーは、同じ装置でログイン操作をすれば、先に指示した第2出力指示に基づいてプリントデータの画像が形成されるので、改めで第2出力指示のための操作をする必要がなく、操作を容易にすることができる。
【0109】
なお、期間外開始部285は、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力されてから所定期間内に、第2出力指示に関連付けてRAM203に記憶されているユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報が、サーバー側認証部255から入力されない場合、第2出力指示を、RAM203から消去する。
【0110】
図7は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。ここでは、MFP100が備えるCPU111の機能を例に説明する。
【0111】
図7を参照して、MFP100が備えるCPU111は、MFP100を操作するユーザーを認証するための認証部51と、出力指示を送信する出力指示送信部53と、取得要求を送信する取得要求送信部55と、プリントデータ受信部57と、プリントジョブを管理するジョブ管理部59と、画像形成部30を制御する画像形成制御部61と、ユーザーによる割り込み操作を受け付ける割込受付部63と、認証されたユーザーのログインを解消するログアウト部65と、を含む。
【0112】
認証部51は、MFP100を操作するユーザーを認証する。具体的には、認証部51は、ログイン画面を表示部114に表示する。ログイン画面は、ユーザー識別情報を入力する領域と、パスワードを入力する領域とを含む。ユーザーが操作部115にユーザー識別情報とパスワードとを入力すると、操作部115からユーザー識別情報とパスワードとを受け付け、受け付けたユーザー識別情報とパスワードとを含む認証情報を、データ通信制御部117を介してプリントサーバー200に送信し、プリントサーバー200に認証させる。認証情報の送信先の情報、具体的には、プリントサーバー200の装置識別情報は、ユーザーにより予めMFP100に入力され、HDD116に記憶される。
【0113】
認証部51は、データ通信制御部117がプリントサーバー200から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。認証部51は、認証結果が認証成功を示す場合、ログインユーザーのユーザー識別情報を出力指示送信部53およびログアウト部65に出力する。認証部51は、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部114に表示する。認証部51は、認証結果が認証成功を示す場合、その後にログアウト指示が入力されるまで、また、後述するログアウト部65によりログインが解消されるまで、操作部115に入力される操作は、認証されてログインが許可されたユーザーによる操作として受け付ける。
【0114】
出力指示送信部53は、データ通信制御部117がプリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報を取得する。出力指示送信部53は、取得されたスプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報の一覧を選択可能に表示する選択画面を生成し、選択画面を表示部114に表示する。出力指示送信部53は、ユーザーが選択画面に表示されたプリントデータ識別情報のうちから1以上を選択する操作を入力すると、ユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報を受け付ける。出力指示送信部53は、スプール情報に含まれるユーザー識別情報のうちユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100の装置識別情報とを含む出力指示を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信するとともに、出力指示を取得要求送信部55に出力する。
【0115】
なお、ユーザーによる選択操作を省略する場合、出力指示送信部53は、プリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100の装置識別情報とを含む出力指示を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信するとともに、出力指示を取得要求送信部55に出力する。
【0116】
取得要求送信部55は、出力指示送信部53から出力指示が入力され、出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから1つを選択し、選択された1つのプリントデータ識別情報を含む取得要求を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信する。取得要求送信部55は、取得要求を送信すると、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報を、プリントデータ受信部57に出力する。取得要求送信部55は、出力指示に複数のプリントデータ識別情報が含まれる場合、後述するプリントデータ受信部57によりプリントデータが受信され、画像形成制御部61によりプリントデータの画像が形成された後、次の取得要求をプリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信する。
【0117】
上述したように、プリントサーバー200は、MFP100から取得要求を受信すると、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちに、受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報を含むプルプリントデータが記憶されていれば、そのプルプリントデータに含まれるプリントデータを返信する。
【0118】
プリントデータ受信部57は、データ通信制御部117がプリントサーバー200からプリントデータを受信すると、プリントデータを取得し、プリントデータをジョブ管理部59に出力する。データ通信制御部117がプリントサーバー200から受信するプリントデータは、取得要求送信部55から入力されるプリントデータ識別情報により特定されるプリントデータを含む。また、データ通信制御部117がプリントサーバー200から受信するプリントデータは、プリントサーバーが、MFP100を出力装置に指定する遠隔出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行することにより、MFP100に送信するプリントデータを含む。
【0119】
ジョブ管理部59は、プリントデータ受信部57からプリントデータを受信すると、プリントデータを含むプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブを画像形成制御部61に出力する。画像形成制御部61は、ジョブ管理部59からプリントジョブが入力されると、プリントジョブに含まれるプリントデータをプリントする。具体的には、画像形成部30にプリントデータを出力し、画像形成部30にプリントデータの画像を形成させる。画像形成制御部61は、プリントデータのプリントが終了すると、プリントデータのプリントデータ識別情報をジョブ管理部59に出力する。
【0120】
ログアウト部65は、ユーザーが操作部115にログアウトする操作を入力すると、認証部51から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーのログインを解消する。ログアウト部65は、ログインを解消する場合、ログアウト要求を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信する。ログアウト要求は、認証部51から入力されるユーザー識別情報を含む。
【0121】
図8は、携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図8に示す機能は、携帯情報装置510が備えるCPU511が、フラッシュメモリ513に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU511に形成される機能である。図8を参照して、携帯情報装置510が備えるCPU511は、携帯情報装置510を操作するユーザーを認証するための認証部531と、スプール情報を受信するスプール情報受信部533と、出力装置を指定する出力装置指定部535と、出力指示を送信する出力指示送信部537と、を含む。
【0122】
認証部531は、携帯情報装置510を操作するユーザーを認証する。具体的には、認証部531は、ログイン画面を516に表示する。ログイン画面は、ユーザー識別情報を入力する領域と、パスワードを入力する領域とを含む。ユーザーが操作部115にユーザー識別情報とパスワードとを入力すると、操作部517からユーザー識別情報とパスワードとを受け付け、受け付けたユーザー識別情報とパスワードとを含む認証情報を、無線LANI/F518を介してプリントサーバー200に送信し、プリントサーバー200に認証させる。認証情報の送信先の情報、具体的には、プリントサーバー200の装置識別情報は、ユーザーにより予め携帯情報装置510に入力され、フラッシュメモリ513に記憶される。
【0123】
認証部531は、無線LANI/F518がプリントサーバー200から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。認証部531は、認証結果が認証成功を示す場合、ログインユーザーのユーザー識別情報をスプール情報受信部533に出力する。認証部531は、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部516に表示する。認証部531は、認証結果が認証成功を示す場合、その後にログアウト指示が入力されるまで、操作部517に入力される操作は、認証されてログインが許可されたユーザーによる操作として受け付ける。
【0124】
スプール情報受信部533は、無線LANI/F518がプリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報を取得する。スプール情報受信部533は、取得されたスプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報の一覧を選択可能に表示する選択画面を生成し、選択画面を表示部516に表示する。スプール情報受信部533は、ユーザーが選択画面に表示されたプリントデータ識別情報のうちから1以上を選択する操作を入力すると、ユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報を受け付ける。スプール情報受信部533は、スプール情報に含まれるユーザー識別情報のうちユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報のすべてを、出力指示送信部537に出力する。
【0125】
なお、ユーザーによる選択操作を省略する場合、スプール情報受信部533は、プリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のすべてを出力指示送信部537に出力する。
【0126】
出力装置指定部535は、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報の一覧を選択可能に表示する装置選択画面を生成し、装置選択画面を表示部516に表示する。出力装置指定部535は、ユーザーが装置選択画面に表示された装置識別情報のうちから1つを出力装置として指定する操作を入力すると、ユーザーにより指定された装置識別情報を受け付ける。出力装置指定部535は、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報のうちユーザーにより出力装置に指定された装置識別情報を、出力指示送信部537に出力する。MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報は、ユーザーにより携帯情報装置510に予め登録され、フラッシュメモリ513に記憶されている。また、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報を、プリントサーバー200から受信するようにしてもよい。
【0127】
出力指示送信部537は、スプール情報受信部533から1以上のプリントデータ識別情報が入力され、出力装置指定部535から出力装置の装置識別情報が入力される。出力指示送信部537は、スプール情報受信部533から入力される1以上のプリントデータ識別情報のすべてと、出力装置指定部535から入力される出力装置の装置識別情報とを含む出力指示を生成し、生成された出力指示を無線LANI/F518を介して、プリントサーバー200に送信する。
【0128】
図9は、スプール処理の流れの一例を示すフローチャートである。スプール処理は、プリントサーバー200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0129】
図9を参照して、CPU201は、プリントデータとユーザー識別情報とを受信したか否かを判断する(ステップS51)。ネットワークI/F204がPC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザー識別情報とを受信したか否かを判断する。プリントデータとユーザー識別情報とを受信するまで待機状態となり(ステップS51でNO)、プリントデータとユーザー識別情報とを受信したならば処理をステップS52に進める。換言すれば、スプール処理は、ネットワークI/F204がPC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザー識別情報とを受信することを条件に実行される処理である。ステップS52においては、プリントデータとユーザー識別情報とを含むプルプリントデータ291をHDD205に記憶し、処理をステップS51に戻す。
【0130】
図10は、認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。認証処理は、プリントサーバー200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0131】
図10を参照して、CPU201は、認証情報を受信したか否かを判断する(ステップS61)。ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから認証情報を受信したか否かを判断する。認証情報を受信するまで待機状態となり(ステップS61でNO)、認証情報を受信したならば処理をステップS62に進める。換言すれば、認証処理は、ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから認証情報を受信することを条件に実行される処理である。認証情報は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含む。
【0132】
ステップS62においては、受信された認証情報に基づいて認証し、認証が成功したか否かを判断する。認証が成功したならば処理をステップS63に進めるが、そうでなければ処理をステップS68に進める。具体的には、認証情報に含まれるユーザー識別情報とパスワードとをデータ通信制御部117を介して認証サーバー300に送信し、認証サーバー300に認証させる。認証サーバー300は、認証に成功すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、認証に失敗すれば認証失敗を示す認証結果を返信する。ステップS68においては、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置にエラー信号を送信し、処理をステップS61に戻す。
【0133】
ステップS63においては、スプール情報を送信する。上述したスプール処理が実行されることにより、HDD205にプリプリントデータ291が記憶されている。HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちからステップS62において認証されたユーザーのユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータ291に含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含むスプール情報を生成する。そして、生成されたスプール情報を、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置にネットワークI/F204を介して送信する。
【0134】
ステップS64においては、出力指示を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置から出力指示を受信したか否かを判断する。出力指示を受信したならば処理をステップS65に進めるが、そうでなければステップS65をスキップして、処理をステップS66に進める。
【0135】
ステップS65においては、出力指示実行処理を開始する。出力指示実行処理の詳細は後述するが、出力指示を第1出力指示と第2出力指示のいずれかに設定し、設定された第1出力指示または第2出力指示を処理対象としてプリントデータ送信処理を実行する処理である。より具体的には、MFP100,100A,100Bのうち出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報で特定される装置に、出力指示に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを送信し、プリントデータの画像を形成させる処理である。
【0136】
ステップS63以降の処理は、認証情報に基づく認証が成功することを条件に実行される。このため、プリントサーバー200は、1つの認証情報に基づく認証が成功し、認証されたログインユーザーがログアウトする前のログイン期間に、別の認証情報に基づき認証が成功し、別のログインユーザーが認証される場合がある。このため、ステップS65は、複数の認証情報に基づく認証が成功した場合に、CPU201に複数の出力指示実行処理をそれぞれ実行する複数の出力指示実行タスクが発生する場合がある。CPU201において同時に複数の出力指示実行タスクが形成される場合、複数の出力指示実行タスクは、処理対象とする出力指示によって区別される。
【0137】
以下、出力指示実行タスクが出力指示を第1出力指示に設定し、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行するタスクを第1プリントデータ送信タスクといい、出力指示実行タスクが出力指示を第2出力指示に設定し、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行するタスクを第2プリントデータ送信タスクという、
次のステップS66においては、ログアウト要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置からログアウト要求を受信したか否かを判断する。ログアウト要求は、ユーザー識別情報を含む。ステップS61において受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と同じユーザー識別情報を含むログアウト要求を受信したならば処理をステップS67に進め、そうでなければ処理をステップS64に戻す。ステップS67においては、ログアウト要求に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーのログインを解消し、処理を終了する。
【0138】
ユーザーが認証されてからログアウト要求を受信するまでのユーザーがログインしている期間をログイン期間という。また、ステップS65において開始されたプリントデータ送信タスクは、ログイン期間とは関係なく実行される。例えば、ログアウト要求を受信した後でも出力指示実行タスクが実行される場合がある。
【0139】
図11は、出力指示実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。出力指示実行処理は、プリントサーバー200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することによりCPU201により実行される処理である。出力指示実行処理は、図10のステップS65において開始されて、CPU201により実行される処理であり、ステップS64において、ネットワークI/F204により受信された出力指示を処理対象とする。また、ネットワークI/F204がMFP100,100,100Bから受信する出力指示は直接出力指示であり、ネットワークI/F204が携帯情報装置510から受信する出力指示は遠隔出力指示である。図11に示す出力指示実行タスクは、処理対象とする出力指示が直接出力指示の場合と遠隔出力指示の場合とがある。
【0140】
図11を参照して、CPU201は、処理対象とする出力指示と出力装置が同じ第1プリントデータ送信タスクが存在するか否かを判断する(ステップS71)。第1プリントデータ送信タスクは、ステップS76において起動されるタスクであり、その詳細は後述するが、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行するタスクである。ステップS71においては、処理対象とする出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む他の出力指示を処理対象とする第1プリントデータ送信タスクが存在するか否かを判断する。処理対象とする出力指示と出力装置が同じ第1出力指示を処理対象とする第1プリントデータ送信タスクが存在するならば処理をステップS72に進めるが、そうでなければ処理をステップS75に進める。
【0141】
ステップS72においては、ステップS71において存在することが検出された第1プリントデータ送信タスクが処理対象とする出力指示が遠隔出力指示か否かを判断する。第1プリントデータ送信タスクが処理対象とする出力指示を送信してきた指示装置が携帯情報装置510ならば遠隔出力指示と判断する。第1プリントデータ送信タスクが処理対象とする出力指示が遠隔出力指示ならば処理をステップS73に進め、そうでなければ処理をステップS77に進める。
【0142】
ステップS73においては、次のステップS74において第1プリントデータ送信タスクが終了したと判断されるまで、待機状態となる。次のステップS74においては、ステップS71において検出された第1プリントデータ送信タスクが終了したか否かを判断する。ステップS71において検出された第1プリントデータ送信タスクが終了したならば処理をステップS75に進めるが、そうでなければ処理をステップS73に戻す。
【0143】
ステップS75においては、処理対象とする出力指示を第1出力指示に設定する。そして、第1プリントデータ送信処理を実行し(ステップS76)、処理を終了する。第1プリントデータ送信処理の詳細は後述するが、ステップS75において第1出力指示に設定された出力指示を処理対象とする出力指示に基づくプリントデータ送信処理である。CPU201が第1プリントデータ送信処理を実行するタスクが、第1プリントデータ送信タスクである。
【0144】
一方、ステップS77においては、処理対象とする出力指示を第2出力指示に設定する。そして、第2プリントデータ送信処理を実行し(ステップS78)、処理を終了する。第2プリントデータ送信処理の詳細は後述するが、ステップS77において第2出力指示に設定された出力指示を処理対象とする出力指示に基づくプリントデータ送信処理である。CPU201が第2プリントデータ送信処理を実行するタスクが、第2プリントデータ送信タスクである。
【0145】
図12は、第1プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1プリントデータ送信処理は、図11のステップS76において実行される処理であり、第1出力指示を処理対象とする。図12を参照して、第1出力指示が直接出力指示か否かを判断する(ステップS81)。第1出力指示を送信してきた指示装置と第1出力指示に含まれる出力装置とが同じならば第1出力指示が直接出力指示と判断し、そうでなければ第1出力指示が遠隔出力指示と判断する。第1出力指示が直接出力指示ならば処理をステップS82に進めるが、第1出力指示が遠隔出力指示ならば処理をステップS95に進める。
【0146】
処理がステップS95に進む場合、第1出力指示は遠隔出力指示である。ステップS95においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちから第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを、第1プリントデータとして第1出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置に送信する。そして、送信した第1プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS96)。
【0147】
次のステップS97においては、未送信の第1プリントデータが存在するか否かを判断する。第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第1プリントデータが存在するならば処理をステップS95に戻すが、存在しなければ処理を出力指示実行処理に戻す。
【0148】
処理がステップS82に進む場合、第1出力指示が直接出力指示の場合である。ステップS82においては、取得要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、第1出力指示を送信してきた指示装置から取得要求を受信したか否かを判断する。取得要求を受信したならば処理をステップS83に進めるが、そうでなければ処理をステップS87に進める。
【0149】
ステップS83においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちからステップS82において受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを、第1プリントデータとして取得要求を送信してきた指示装置に送信する。そして、送信した第1プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS84)。
【0150】
次のステップS85においては、未送信の第1プリントデータが存在するか否かを判断する。第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第1プリントデータが存在するならば処理をステップS82に戻すが、存在しなければ処理をステップS86に進める。ステップS86においては、第1完了信号を第2プリントデータ送信タスクに出力し、処理を出力指示実行処理に戻す。
【0151】
ステップS87においては、第2プリントデータ送信タスクが開始したか否かを判断する。第2プリントデータ送信タスクは、第1出力指示とは別の出力指示を処理対象として図11に示した出力指示実行処理を実行する出力指示実行タスクが、ステップS78において実行する第2プリントデータ送信処理である。第2プリントデータ送信タスクが開始したならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理をステップS82に戻す。換言すれば、処理がステップS88に進むのは、第1出力指示が直接出力指示の場合であって、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)を実行している最中に、第1出力指示とは別の第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)が実行される場合である。
【0152】
ステップS88においては、第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じか否かを判断する。第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じならば処理をステップS88に進めるが、同じでなければ処理をステップS82に戻す。第1出力指示と第2出力指示の指示装置が異なる場合、第1プリントデータ送信処理のステップS82〜ステップS85が継続して実行される。
【0153】
第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じならば、ステップS89において、待機する。具体的には、第1出力指示をRAM203に記憶し、処理をステップS90に進める。ステップS90においては、第2プリントデータ送信タスクから第2完了信号が入力されたか否かを判断する。第2完了信号が入力されたならば処理をステップS91に進め、第2完了信号が入力されなければ処理をステップS89に戻す。第2完了信号は、第2プリントデータ送信タスクが、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)が終了したときに出力する信号である。
【0154】
ステップS91においてはタイマーをスタートする。タイマーは、第2完了信号が入力されてから経過する時間、換言すれば、ステップS87において開始したことが検出された第2プリントデータ送信タスクが第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)が終了してからの時間を計時する。
【0155】
ステップS92においては、第1認証情報を受信したか否かを判断する。第1認証情報は、第1出力指示を送信してきた指示装置から受信される認証情報であって、第1出力指示が受信されるログイン期間に認証されていたユーザーのユーザー識別情報とパスワードとを含む。第1認証情報を受信したならば処理をステップS94に進めるが、そうでなければ処理をステップS93に進める。ステップS93においては、タイマー値がしきい値T以上か否かを判断する。タイマー値がしきい値T以上ならば処理を出力指示実行処理に戻すが、そうでなければ処理をステップS92に戻す。処理を出力指示実行処理に戻す場合、ステップS89においてRAM203に記憶した第1出力指示を消去する。ステップS94においては、第1認証情報に基づく認証が成功したか否かを判断する。認証が成功したならば処理をステップS82に戻すが、そうでなければ処理をステップS92に戻す。
【0156】
第2プリントデータ送信タスクが開始されると、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)が中断されるが、第2プリントデータ送信タスクが第2プリントデータ送信処理を終了してから所定の時間(しきい値T)以内に、同じ指示装置を操作してログインすれば、中断していた第1プリントデータ送信処理が再開される。このため、出力指示を送信するための操作を省略することができ、操作が容易となる。
【0157】
図13は、第2プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2プリントデータ送信処理は、図11のステップS78において実行される処理であり、第2出力指示を処理対象とする。また、ステップS78が実行される前に、ステップS71およびステップS72が実行されており、処理がステップS78に進む場合は、第2出力指示と出力装置が同じ第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)を実行する第1プリントデータ送信タスクが存在し、第1出力指示が直接出力指示の場合である。
【0158】
図13を参照して、第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じか否かを判断する。第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じならば処理をステップS102に進めるが、異なれば処理をステップS107に進める。処理がステップS102に進む場合、第2出力指示は、第1出力指示と出力装置および指示装置が同じ場合であり、直接出力指示である。
【0159】
ステップS102においては、取得要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、第2出力指示を送信してきた指示装置から取得要求を受信したか否かを判断する。取得要求を受信するまで待機状態となり(ステップS102でNO)、取得要求を受信したならば処理をステップS103に進める。
【0160】
ステップS103においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちからステップS102において受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを、第2プリントデータとして取得要求を送信してきた指示装置に送信する。そして、送信した第2プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS104)。
【0161】
次のステップS105においては、未送信の第2プリントデータが存在するか否かを判断する。第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第2プリントデータが存在するならば処理をステップS102に戻すが、存在しなければ処理をステップS106に進める。ステップS106においては第2完了信号を第1プリントデータ送信タスクに出力し、処理を出力指示実行処理に戻す。
【0162】
処理がステップS107に進む場合は、第1出力指示と第2出力指示とで、出力装置が同じで指示装置が異なる場合である。ステップS107においては、第2プリントデータ送信処理の実行を、一時待機する。具体的には、第2出力指示をRAM203に記憶し、処理をステップS108に進める。ステップS108においては、第1プリントデータ送信タスクから第1完了信号が入力されたか否かを判断する。第1完了信号が入力されたならば処理をステップS109に進め、第1完了信号が入力されなければ処理をステップS107に戻す。第1完了信号は、第1プリントデータ送信タスクが、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)が終了したときに出力する信号である。
【0163】
ステップS109においてはタイマーをスタートする。タイマーは、第1完了信号が入力されてから経過する時間、換言すれば、第1プリントデータ送信タスクが実行する第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)が終了してからの時間を計時する。
【0164】
ステップS110においては、第2ログイン期間内か否かを判断する。第2ログイン期間は、第2出力指示の送信を指示したユーザーがログインしている期間である。第2ログイン期間内ならば処理をステップS114に進めるが、そうでなければ処理をステップS111に進める。
【0165】
ステップS111においては、第2認証情報を受信したか否かを判断する。第2認証情報は、第2出力指示を送信してきた指示装置から受信された認証情報と同じ認証情報である。第2認証情報を受信したならば処理をステップS112に進めるが、そうでなければ処理をステップS113に進める。ステップS112においては、第2認証情報に基づく認証が成功したか否かを判断する。認証が成功したならば処理をステップS114に進めるが、そうでなければ処理をステップS111に戻す。ステップS113においては、タイマー値がしきい値T以上か否かを判断する。タイマー値がしきい値T以上ならば処理を出力指示実行処理に戻すが、そうでなければ処理をステップS111に戻す。処理を出力指示実行処理に戻す場合、ステップS107においてRAM203に記憶した第2出力指示を消去する。
【0166】
ステップS114においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちから第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを第2プリントデータとして、第2出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置に送信する。そして、送信した第2プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS115)。
【0167】
次のステップS116においては、未送信の第2プリントデータが存在するか否かを判断する。第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第2プリントデータが存在するならば処理をステップS114に戻すが、存在しなければ処理を出力指示実行処理に戻す。
【0168】
第2プリントデータ送信タスクが、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)を実行することなく、待機状態になるが、第1プリントデータ送信処理が終了した時点で、ユーザーがログインしている場合、またはログアウトした場合であっても第1プリントデータ送信処理が終了してから所定の時間(しきい値T)以内に、同じ指示装置を操作してログインすれば、待機状態とされた第2プリントデータ送信処理が実行される。このため、出力指示を送信するための操作を省略することができ、操作が容易となる。
【0169】
図14は、プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。プルプリント処理は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶されたプルプリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP100が備えるCPU111が実行するプルプリント処理について説明する。
【0170】
図14を参照して、CPU111は、認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。表示部114に認証画面を表示し、MFP100を操作するユーザーが入力する認証情報を受け付ける。認証情報は、ユーザー識別情報とパスワードとを含む。認証情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、認証情報を受け付けたならば処理をステップS02に進める。
【0171】
ステップS02においては、ステップS01において受け付けられた認証情報をプリントサーバー200に送信する。そして、プリントサーバー200から返信される認証結果に基づいて、認証に成功したか否かを判断する。認証結果が認証成功を示す場合、処理をステップS04に進め、認証結果が認証失敗を示す場合、処理をステップS01に戻す。
【0172】
ステップS04においては、取得要求がRAM112に記憶されているか否かを判断する。取得要求は、後述するステップS18においてRAM112に記憶される。取得要求がRAM112に記憶されているならば処理をステップS19に進めるが、記憶されていなければ処理をステップS05に進める。
【0173】
ステップS05においては、スプール情報を受信したか否かを判断する。プリントサーバー200からスプール情報を受信したならば処理をステップS06に進め、受信しなければ処理をステップS14に進める。スプール情報は、プリントサーバー200において記憶されたプリントデータであって、ステップS01において受け付けられたユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。
【0174】
ステップS06においては、スプール情報からプリントアウトの対象となるプリントデータのプリントデータ識別情報を特定する。具体的には、プリントアウトの対象となるプリントデータのプリントデータ識別情報の一覧を、表示部114に表示し、表示されたプリントデータ識別情報のうちから、ユーザーが操作部115に入力する操作により選択されるプリントデータ識別情報を特定する。
【0175】
次のステップS07においては、出力指示を生成する。ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報と、自装置の装置識別情報とを含む出力指示を生成する。次のステップS08においは、生成された出力指示をデータ通信制御部117を介してプリントサーバー200に送信し、処理をステップS09に進める。
【0176】
ステップS09においては、取得要求をプリントサーバー200に送信する。取得要求は、ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報を含む。そして次のステップS10においては、プリントサーバー200からプリントデータを受信するまで待機状態となり、プリントデータを受信すると処理をステップS11に進める。ステップS11においては、受信されたプリントデータのプリントを開始し、次のステップS12においては、プリントが終了したか否かを判断する。プリントが終了したならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。
【0177】
ステップS17においては、割り込み指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが操作部115に予め設けられた割り込みキーを押下すると、割り込み指示を受け付ける。割り込み指示を受け付けたならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に戻す。ステップS18においては、取得要求を一時記憶し、処理をステップS16に進める。一時記憶する取得要求は、ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報のうち取得要求として未だ送信されていないプリントデータ識別情報を含む取得要求である。
【0178】
一方、ステップS13においては、取得要求の送信が完了したか否かを判断する。ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報のすべてが、取得要求として送信されたならば取得要求の送信が完了したと判断する。取得要求の送信が完了したならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に戻す。
【0179】
ステップS14においては、通常処理を実行し、処理をステップS15に進める。通常処理は、MFP100が有する機能を実行させる処理であり、例えば、複写機能、ファクシミリ送受信機能、HDD116に記憶された画像データの画像を形成するプリント機能等である。
【0180】
ステップS15においては、ログアウト指示を受け付けたか否かを判断する。操作部115に予め設けられたキーを押下する場合、ログアウト指示を受け付けたと判断する。ログアウト指示を受け付けたならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS14に戻す。ステップS16においては、ステップS03において認証したユーザーのユーザー識別情報を含むログアウト要求を、プリントサーバー200に送信し、処理を終了する。
【0181】
図15は、遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作処理は、携帯情報装置510が備えるCPU511がフラッシュメモリ513に記憶されたプルプリントプログラムを実行することにより、CPU511により実行される処理である。図15を参照して、CPU511は、認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS31)。表示部516に認証画面を表示し、携帯情報装置510を操作するユーザーが入力する認証情報を受け付ける。認証情報は、ユーザー識別情報とパスワードとを含む。認証情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS31でNO)、認証情報を受け付けたならば処理をステップS32に進める。
【0182】
ステップS32においては、ステップS31において受け付けられた認証情報をプリントサーバー200に送信する。そして、プリントサーバー200から返信される認証結果に基づいて、認証に成功したか否かを判断する(ステップS33)。認証結果が認証成功を示す場合、処理をステップS34に進め、認証結果が認証失敗を示す場合、処理をステップS31に戻す。
【0183】
ステップS34においては、スプール情報を受信したか否かを判断する。プリントサーバー200からスプール情報を受信したならば処理をステップS35に進め、受信しなければ処理をステップS39に進める。スプール情報は、プリントサーバー200において記憶されたプリントデータであって、ステップS31において受け付けられたユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。ステップS35においては、スプール情報からプリントアウトの対象となるプリントデータを特定する。具体的には、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報の一覧を、表示部114に表示し、表示されたプリントデータ識別情報のうちから、ユーザーが操作部115に入力する操作により選択されるプリントデータ識別情報を特定する。
【0184】
次のステップS36においては、出力装置を特定する。具体的には、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報の一覧を選択可能に表示する装置選択画面を生成し、装置選択画面を表示部516に表示する。そして、ユーザーが装置選択画面に表示された装置識別情報のうちから1つを出力装置として指定する操作を入力すると、ユーザーにより指定された装置識別情報を受け付ける。
【0185】
次のステップS37においては、出力指示を生成する。ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報と、ステップS36において特定された出力装置の装置識別情報とを含む出力指示を生成する。次のステップS38においは、生成された出力指示を無線LANI/F518を介してプリントサーバー200に送信し、処理をステップS39に進める。
【0186】
ステップS39においては、ログアウト指示を受け付けたか否かを判断する。操作部517に予め設けられたキーを押下する場合、ログアウト指示を受け付けたと判断する。ログアウト指示を受け付けたならば処理をステップS40に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。ステップS40においては、ステップS33において認証したユーザーのユーザー識別情報を含むログアウト要求を、プリントサーバー200に送信し、処理を終了する。
【0187】
図16および図17は、プリントシステムで実行されるプリントデータの流れの一例を示す図である。図16および図17を参照して、それぞれが上から下方向に時間の流れを示す左、中および右の3本の縦方向の軸を示している。図17は、図16に続く後の時間の流れを示している。図16および図17それぞれにおいて、左の軸は、MFP100で実行される処理のタイミングを示し、中央の軸は、携帯情報装置510で実行される処理のタイミングを示し、右の軸は、プリントサーバー200で実行される処理のタイミングを示している。
【0188】
ここでは、ユーザーAとユーザーCとがMFP100を操作し、順にログインする一方、ユーザーBが携帯情報装置510を操作し、ログインする場合を示している。左の軸の左側にユーザーAの操作およびユーザーAの操作に基づくMFP100の処理を示し、左の軸の右側にユーザーCの操作およびユーザーCの操作に基づくMFP100の処理を示す。
【0189】
まず、ユーザーAがMFP100を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200からMFP100に送信される。ここで、「OK」の文字は、プリントサーバー200においてユーザーAの認証情報に基づく認証に成功したことを示している。
【0190】
次に、MFP100は、4つのプリントデータ識別情報を含む出力指示Aをプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は出力指示Aの受信確認「受付」をMFP100に返信する。プリントサーバー200においては、出力指示Aを第1出力指示に設定し、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行する。
【0191】
次にMFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうちから選択された1つを含む取得要求A1をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A1に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA1は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0192】
次にMFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうち未送信の3つのプリントデータ識別情報のうちから選択された1つを含む取得要求A2をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A2に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA2は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0193】
期間TA2の間に、ユーザーBが携帯情報装置510を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200から携帯情報装置510に送信される。
【0194】
次に携帯情報装置510は、1つのプリントデータ識別情報を含む出力指示Bをプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、出力指示Bを受信するが、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行中であり、出力指示Aと出力指示Bとで、出力装置が同じで、指示装置が異なる。このため、プリントサーバー200は、出力指示Bを第2出力指示に設定し、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理の実行を待機させ、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を継続する。
【0195】
次にMFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうち未送信の2つのプリントデータ識別情報のうちから選択された1つを含む取得要求A3をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A3に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA3は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0196】
期間TA3の間に、ユーザーAが、ユーザーCからの依頼を受け、MFP100に割り込み指示を入力し、ログアウトすると、MFP100はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーAのログイン状態を解消し、ユーザーAのログイン期間が終了する。この段階において、MFP100は、期間TA3において実行している取得要求A3に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータの画像形成処理を継続する。
【0197】
期間TA3において、ユーザーCがMFP100を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200からMFP100に送信される。ここで、「OK」の文字は、プリントサーバー200においてユーザーCの認証情報に基づく認証に成功したことを示している。
【0198】
次に、MFP100は、1つのプリントデータ識別情報を含む出力指示Cをプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は出力指示Cの受信確認がMFP100に返信される。プリントサーバー200は出力指示Cを受信するが、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行中であり、出力指示Aと出力指示Cとで、出力装置および指示装置がともに同じである。このため、プリントサーバー200は、出力指示Bを第2出力指示に設定し、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を中断し、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理の実行を開始する。
【0199】
その後、MFP100は、出力指示Cに含まれる1つのプリントデータ識別情報を含む取得要求C1をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求C1に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TC1は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0200】
次にユーザーCが、MFP100からログアウトすると、MFP100はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーCのログイン状態を解消し、ユーザーCのログイン期間が終了する。この段階において、MFP100は、期間TC1において実行している取得要求C1に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータの画像形成処理を継続する。
【0201】
その後、ユーザーAがMFP100を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200からMFP100に送信される。ここで、「OK」の文字は、プリントサーバー200においてユーザーCの認証情報に基づく認証に成功したことを示している。
【0202】
次に、MFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうち未送信の1つのプリントデータ識別情報を含む取得要求A4をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A4に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA4は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。この段階で、プリントサーバー200のおいては、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理の実行を完了する。プリントサーバー200は、ユーザーBがログイン期間中なので、待機していた第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理を開始するために、問い合わせ「開始?」を携帯情報装置510に送信する。問合せを受信する携帯情報装置510は、出力指示Bに基づくプリントデータの開始を要求する信号「要求」をプリントサーバー200に送信する。開始を要求する信号「要求」を受信するプリントサーバー200は、出力指示Bである第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行し、出力指示Bに含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを、出力指示Bに含まれる装置識別情報で特定される出力装置MFP100に、送信する。MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TB1は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0203】
その後、ユーザーBが、携帯情報装置510からログアウトすると、携帯情報装置510はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーBのログイン状態を解消し、ユーザーBのログイン期間が終了する。さらに、ユーザーAが、MFP100からログアウトすると、MFP100はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーAのログイン状態を解消し、ユーザーAのログイン期間が終了する。
【0204】
以上説明したように、本実施の形態におけるプリントサーバー200は、ユーザーが認証され、直接出力指示または遠隔出力指示が受信されると、MFP100,100A,100Bのうち直接出力指示または遠隔出力指示それぞれに含まれる装置識別情報で特定される装置、例えばMFP100にプリントデータを送信する。ユーザーAがMFP100,100A,100Bのうち例えばMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第1の出力指示)と、ユーザーCがMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第2の出力指示)とは、同一のMFP100にプリントデータを送信する指示である。この場合、ユーザーCがMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第2の出力指示)が優先される。ユーザーAとユーザーCとは、同じMFP100をともに操作しているので、ユーザーAは、ユーザーCにMFP100を操作する権利を譲っている。このため、ユーザーAはMFP100がユーザーCのための処理として、プリントデータの画像を形成したとしても、不満はない。一方、ユーザーCは、MFP100がユーザーAのための処理としてプリントデータの画像が形成されるまで待つ必要がないので、待ち時間が短くなる。
【0205】
また、ユーザーAは、MFP100がユーザーCのための処理としてプリントデータの画像が形成された後の所定の期間内に認証されると、MFP100は、ユーザーAのため処理として中断していたプリントデータの画像形成が再開される。このため、ユーザーAは新たに出力指示を入力する必要がなく、操作を簡略にすることができる。
【0206】
また、ユーザーAがMFP100,100A,100Bのうち例えばMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第1の出力指示)はMFP100にプリントデータを送信する指示であり、ユーザーBが携帯情報装置510にログインする場合に受信される遠隔出力指示(第2の出力指示)がMFP100にプリントデータを送信する指示の場合、ユーザーAがMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第1の出力指示)が優先される。ユーザーAが操作するMFP100と、ユーザーBが操作する携帯情報装置510とは、異なる。このため、ユーザーAは、ユーザーBが認証されたことを知らないので、MFP100がユーザーAのための処理として実行しているプリントデータの画像形成処理が中断されるのを防止することができる。
【0207】
また、MFP100がユーザーAのための処理として実行しているプリントデータの画像形成処理を終了した後に、ユーザーBがログインしていれば、MFP100にユーザーBのためのプリントデータが送信されるので、MFP100がユーザーBのための処理としてプリントデータの画像形成処理が直ちに開始される。このため、ユーザーBの待ち時間をできるだけ短くすることができる。
【0208】
また、ユーザーBがログアウトしている場合であっても、MFP100がユーザーAのための処理として実行しているプリントデータの画像形成処理を終了した後の所定の期間内に、ユーザーBが認証されると、MFP100にユーザーBのためのプリントデータが送信されるので、MFP100がユーザーBのための処理としてプリントデータの画像形成処理が直ちに開始される。このため、ユーザーBは新たに出力指示をするための操作をする必要がなく、操作を簡略にすることができる。
【0209】
なお、上述した実施の形態においては、プリントシステム1について説明したが、図9〜図13に示した処理をプリントサーバー200に実行させ、図14に示した処理をMFP100,100A、100Bに実行させ、図15に示した処理を携帯情報装置510に実行させるプリントデータ送信方法として発明を捉えることができるのは言うまでもない。さらに、図9〜図13に示した処理をプリントサーバー200のCPU201に実行させ、図14に示した処理をMFP100,100A、100BそれぞれのCPU111に実行させ、図15に示した処理を携帯情報装置510のCPU511に実行させるプリントデータ送信プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0210】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0211】
1 プリントシステム、3 ネットワーク、10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 後処理部、51 認証部、53 出力指示送信部、55 取得要求送信部、57 プリントデータ受信部、59 ジョブ管理部、61 画像形成制御部、63 割込受付部、65 ログアウト部、100,100A,100B MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 ROM、114 表示部、115 操作部、116 HDD、117 データ通信制御部、122 ファクシミリ部、123 通信制御部、200 プリントサーバー、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、208 バス、209 外部記憶装置、251 プリントデータ受信部、253 スプール部、255 サーバー側認証部、257 出力指示受信部、259 プリントデータ送信部、261 選択部、263 指示装置比較部、271 第1出力指示受信部、273 第2出力指示受信部、275 第1プリントデータ送信部、277 再開部、281 第2プリントデータ送信部、283 期間内開始部、285 期間外開始部、291 プルプリントデータ、300 認証サーバー、500 無線局、510 携帯情報装置、511 CPU、512 カメラ、513 フラッシュメモリ、514 無線通信部、515 通話部、516 表示部、517 操作部、518 無線LANI/F、531 認証部、533 スプール情報受信部、535 出力装置指定部、537 出力指示送信部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリントサーバー、プリントデータ送信方法およびプリントデータ送信プログラムに関し、特に、複数のプリントデータを記憶し、要求に応じて複数のプリントデータを送信するプリントサーバー、そのプリントサーバーで実行されるプリントデータ送信方法およびプリントデータ送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)から送信したプリントデータを、複合機で代表される画像形成装置に直ちにプリントさせるのではなく、プリントサーバーに一時記憶しておき、ユーザーからの要求に応じて画像形成装置にプリントデータを送信してプリントさせるプリントシステムが知られている。このプリントシステムによれば、複数の画像形成装置が存在する場合に、任意の画像形成装置にプリントさせることができるというメリットがある。このプリントシステムにおいて、1台の画像形成装置にプリントさせる複数の要求が入力される場合に、複数の要求それぞれが入力される順にプリントデータを画像形成装置に送信し、プリントさせることが一般的である。
【0003】
しかしながら、複数の要求のうちに、それより先の要求よりも優先することが望まれる場合がある。特開2005−189459号公報には、プリントサーバーを用いるものではないが、複数の要求の優先順位を定める技術が開示されている。具体的には、写真感光材料に対してプリント処理を行う画像露光部を有する写真処理装置と、プリント処理をすべき画像データの入力を行う画像入力部を有する端末処理装置と、1台又は複数台の写真処理装置と複数台の端末処理装置とをネットワークにより接続可能に構成したプリント処理システムであって、写真処理装置と端末処理装置の少なくとも一方に、ネットワークに接続される複数台の端末処理装置に関して、プリント処理をすべきプリント作成用データを写真処理装置が取得するに際して、優先的にプリント処理をすべき端末処理装置の順位を設定可能な優先順位設定部が設けられていることを特徴とするプリント処理システムが記載されている。
【0004】
しかしながら、従来のプリント処理システムにおいては、優先的にプリント処理をすべき端末処理装置の順位を、ユーザーが設定しなければないといった問題がある。
【特許文献1】特開2005−189459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントサーバーを提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、プリントサーバーは、外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するプリントデータ受信手段と、受信されるプリントデータを、ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するスプール手段と、指示装置から認証情報を受信し、認証する認証手段と、認証手段による認証が成功してから開始するログイン期間に、認証された認証情報を送信してきた指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信手段と、出力指示により指定された画像形成装置に記憶されたプリントデータのうち受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信手段と、を備え、出力指示受信手段は、認証手段による第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信手段と、認証手段による第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信手段と、を含み、プリントデータ送信手段は、第1の出力指示に基づいて、記憶されたプリントデータのうち第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、記憶されたプリントデータのうち第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択する選択手段を含む。
【0009】
この局面に従えば、ユーザーが認証され、出力指示が受信されると出力指示に含まれる装置識別情報で特定される画像形成装置にプリントデータが送信される。先に認証されたユーザーが指示した第1の出力指示と、後に認証されたユーザーが指示した第2の出力指示とが同一の画像形成装置へのプリントデータの送信を指示する場合、第1および第2の出力指示をそれぞれ送信してきた第1および第2指示装置が同一か否かに基づいて、第1および第2の出力指示のいずれか一方が選択される。このため、複数のユーザーが認証される場合に、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントサーバーを提供することができる。
【0010】
好ましくは、選択手段は、第1の指示装置と第2の指示装置とが同じ場合、第2プリントデータを選択し、プリントデータ送信手段は、選択手段により選択された第2プリントデータを第2の出力指示手段に基づいて送信する。
【0011】
この局面に従えば、第1の指示装置と第2の指示装置とが同じ場合、第2の出力指示が優先される。第1の指示装置と第2の指示装置とが同じ場合は、先に認証されたユーザーと後に認証されたユーザーとが、同じ指示装置を操作している。このため、先に認証されたユーザーは、後に認証されたユーザーに指示装置を操作する権利を譲っているので、第1の出力指示よりも第2の出力指示を優先させることにより、後に認証されたユーザーの待ち時間を短くすることができる。
【0012】
好ましくは、プリントデータ送信手段は、第2プリントデータの送信が完了した時点から所定の期間内に、認証手段により第1の認証情報に基づく認証が成功する場合、第1の出力指示に基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信を再開する再開手段をさらに含む。
【0013】
この局面に従えば、先に認証されたユーザーが、後に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が終了した後の所定の期間内に認証されると、先に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が再開される。このため、先に認証されたユーザーは新たに出力指示をするための操作を省略することができ、操作を簡略にすることができる。
【0014】
好ましくは、選択手段は、第1の指示装置と第2の指示装置とが異なる場合、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを選択し、プリントデータ送信手段は、選択された複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを第1の出力指示に基づいて送信する。
【0015】
この局面に従えば、第1の指示装置と第2の指示装置とが異なる場合、第1の出力指示が優先される。第1の指示装置と第2の指示装置とが異なる場合は、先に認証されたユーザーと、後に認証されたユーザーとは、異なる指示装置を操作している。このため、先に認証されたユーザーは、後に認証されたユーザーが認証されたことを知らないので、第1の出力指示を第2の出力指示よりも優先させる。その結果、先に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信を継続して、先に認証されたユーザーに待ち時間が発生するのを防止することができる。
【0016】
好ましくは、プリントデータ送信手段は、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した時点が第2のログイン期間内であれば、第2の出力指示に基づいて第2プリントデータを送信する期間内開始手段を含む。
【0017】
この局面に従えば、先に認証されたユーザのためのプリントデータの送信が終了した後に、直ちに、後に認証されたユーザのためのプリントデータが送信されるので、後に認証されたユーザの待ち時間をできるだけ短くすることができる。
【0018】
好ましくは、プリントデータ送信手段は、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した完了時点が第2のログイン期間内でなければ、完了時点から所定の期間内に、認証手段により第2の認証情報に基づく認証が成功することに応じて、第2の出力指示に基づいて第2プリントデータを送信する期間外開始手段を含む。
【0019】
この局面に従えば、後に認証されたユーザーが、先に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が終了した後の所定の期間内に認証されると、後に認証されたユーザーのためのプリントデータの送信が開始される。このため、後に認証されたユーザーは新たに出力指示をするための操作を省略することができ、操作を簡略にすることができる。
【0020】
この発明の他の局面によれば、プリントデータ送信方法は、プリントサーバーによって実行されるプリントデータ送信方法であって、外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、受信されるプリントデータを、ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、認証された認証情報を送信してきた指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、出力指示により指定された画像形成装置に記憶されたプリントデータのうち受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、出力指示受信ステップは、認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、を含み、プリントデータ送信ステップは、第1の出力指示に基づいて、記憶されたプリントデータのうち第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、記憶されたプリントデータのうち第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む。
【0021】
この局面に従えば、複数のユーザーが認証される場合に、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信方法を提供することができる。
【0022】
この発明のさらに他の局面によれば、プリントデータ送信プログラムは、外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、受信されるプリントデータを、ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、認証された認証情報を送信してきた指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、出力指示により指定された画像形成装置に記憶されたプリントデータのうち受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、出力指示受信ステップは、認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、をコンピュータに実行させ、プリントデータ送信ステップは、第1の出力指示に基づいて、記憶されたプリントデータのうち第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、第2の出力指示が受信される場合、第1の指示装置と第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、記憶されたプリントデータのうち第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む。
【0023】
この局面に従えば、複数のユーザーが認証される場合に、適切な順番でプリントデータを送信することが可能なプリントデータ送信プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。
【図2】プリントサーバーのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】MFPの外観を示す斜視図である。
【図4】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図6】プリントサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【図7】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【図8】携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【図9】スプール処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】出力指示実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第1プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】第2プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】プリントシステムで実行されるプリントデータの流れの一例を示す第1の図である。
【図17】プリントシステムで実行されるプリントデータの流れの一例を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステム1は、それぞれがネットワーク3に接続された複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、プリントサーバー200と、認証サーバー300と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)400〜402と、携帯情報装置510と、無線局500を含む。
【0027】
なお、図ではネットワーク3に、画像形成装置として3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。
【0028】
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されている。このため、MFP100,100A,100C、プリントサーバー200、認証サーバー300およびPC400〜402各々は、ネットワーク3を介して互いに通信可能であり、インターネットに接続されたコンピュー多と通信可能である。
【0029】
携帯情報装置510は、一般的なPDAである。ここでは、携帯情報装置510を、スマートホンとする場合を例に説明する。携帯情報装置510は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。また、携帯情報装置510は、無線LAN機能を備えている。
【0030】
ネットワーク3には無線局500がさらに接続される。無線局500は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた携帯情報装置510と通信して、携帯情報装置510をネットワーク3に接続する。このため、携帯情報装置510は、ネットワーク3に接続された、MFP100,100A,100B、プリントサーバー200、認証サーバー300およびPC400〜402とデータの送受信が可能である。
【0031】
PC400〜402、プリントサーバー200および認証サーバー300は、一般的なコンピュータである。認証サーバー300は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510各々を使用するユーザーを認証する処理を実行する。認証サーバー300は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含むユーザーレコードを含むユーザーデータを記憶しており、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから、ユーザーによりそれに入力された認証情報とを受信すると、受信された認証情報と予め記憶されているユーザーデータに含まれるユーザーレコードと比較する。認証サーバー300は、認証情報と一致するユーザーレコードがユーザーデータに含まれていれば認証成功を示す認証結果を返信するが、そうでなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。なお、MFP100,100A,100Bを操作するユーザーの認証を、プリントサーバー200において実行する場合があり、この場合には、MFP100,100A,100Bに入力される認証情報がプリントサーバー200を経由して認証サーバー300に送信される。
【0032】
ここでは、認証情報としてユーザー識別情報とパスワードとの組とする場合を例に示すが、ユーザーの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報を認証情報として認証するようにしてもよい。この場合、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510には、生体情報を読み取るための読取装置が接続され、認証サーバー300に記憶されるユーザーデータは、ユーザー識別情報と生体情報とを含む。そして、PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510それぞれは、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。PC400〜402、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510それぞれは、読取装置から入力される生体情報を認証サーバー300に送信し、認証サーバー300に認証させる。
【0033】
なお、プリントサーバー200が認証サーバー300を兼ねる場合があり、この場合には認証サーバー300は不要である。また、PC400〜402、MFP100,100A,100Bが、認証サーバー300を兼ねるようにしてもよい。
【0034】
PC400〜402各々は、ユーザーにより使用され、アプリケーションプログラムを実行することにより、種々の処理を実行する。種々の処理は、使用するユーザーを認証するログイン処理、プリントデータを生成し、MFP100,100A,100Bのいずれかにプリントさせるプリント処理を含む。
【0035】
本実施の形態におけるプリントシステム1においては、PC400〜402各々には、プルプリント用ドライバプログラムがインストールされている。PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムを実行することにより、プリントデータを、プリントサーバー200に一時的に記憶させる。PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムをインストールする際に、プリントデータの送信先としてプリントサーバー200が登録される。例えば、プリントサーバー200のネットワークアドレスを設定することにより、プリントサーバー200が登録される。
【0036】
PC400〜402各々は、プルプリント用ドライバプログラムを実行することにより、MFP100,100A,100Bのいずれかにプリントデータをプリントさせる。具体的には、例えば、PC400において、ユーザーAがユーザー識別情報「taro1」でログインし、ユーザーAが指定したデータと、送信先としてプリントサーバー200を指示する場合、プルプリント用ドライバプログラムは、プルプリントデータをプリントサーバー200に送信する。プルプリントデータは、ユーザーにより指定されたデータをプリント用のフォーマットに変換したプリントデータと、ユーザー識別情報「taro1」とを含む。
【0037】
プリントサーバー200は、PC400〜402のいずれかからユーザー識別情報とプリントデータとの組からなるプルプリントデータを受信すると、それらを関連付けて一時記憶する。その後、MFP100,100A,100Bまたは携帯情報装置510のいずれかから、出力指示が入力されると、出力指示に従って、プルプリントデータをMFP100,100A,100Bのいずれかに出力する。出力指示は、プリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報と、出力先を指定する装置識別情報とを含む。出力先を指定する装置識別情報は、MFP100,100A,100Bいずれかを識別するための情報であり、例えば、MFP100,100A,100Bに予め割り当てられた名称、またはネットワーク3において割り当てられたネットワークアドレスである。
【0038】
出力指示は、MFP100,100A,100Bのうちユーザーが操作するMFPから受信される直接出力指示と、ユーザーが操作する携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示とを含む。
【0039】
MFP100,100A,100Bのいずれか、例えばMFP100にユーザーがログインすると、プリントサーバー200は、プルプリントデータのうちからログインしたユーザーのユーザー識別情報を含むプルプリントデータを抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含むスプール情報を送信する。スプール情報を受信するMFP100は、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のうちから少なくとも1つを選択する指示をユーザーから受け付け、選択されたプリントデータ識別情報と、MFP100の装置識別情報とを含む直接出力指示をプリントサーバー200に送信する。その後、プリントサーバー200は、MFP100から直接出力指示に含まれるプリントデータ識別情報を含む取得要求を受信することに応じて、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを、MFP100に送信する。これにより、MFP100によって、プリントサーバー200に記憶されたプリントデータの画像が形成される。
【0040】
一方、携帯情報装置510にユーザーがログインすると、プリントサーバー200は、プルプリントデータのうちからログインしたユーザーのユーザー識別情報を含むプルプリントデータを抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含むスプール情報を送信する。スプール情報を受信する携帯情報装置510は、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のうちから少なくとも1つを選択する指示と、MFP100,100A,100Bのうちから出力先を選択する指示と、をユーザーから受け付け、選択されたプリントデータ識別情報と、MFP100,100A,100Bのうちから選択された装置の装置識別情報とを含む遠隔出力指示をプリントサーバー200に送信する。遠隔出力指示を受信するプリントサーバー200は、遠隔出力指示に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを、MFP100,100A,100Bのうち遠隔出力指示に含まれる装置識別情報で特定される装置に送信する。これにより、MFP100,100A,100Bのうち遠隔出力指示に含まれる装置出力情報で特定される装置によって、プリントサーバー200に記憶されたプリントデータの画像が形成される。
【0041】
なお、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のうちから出力対象とするプリントデータ識別情報を選択するユーザーによる操作を省略するようにしてもよい。この場合、ユーザーがログインしたMFP100は、スプール情報を受信すると、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100の装置識別情報とを含む直接出力指示をプリントサーバー200に送信し、その後、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のすべてを順に選択し、取得要求をプリントサーバー200に送信する。また、ユーザーがログインした携帯情報装置510は、スプール情報を受信すると、MFP100,100A,100Bのうちから出力先を選択する指示をユーザーから受け付け、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100,100A,100Bのうちから選択された装置の装置識別情報とを含む遠隔出力指示をプリントサーバー200に送信する。
【0042】
プリントサーバー200は、MFP100,100A,100Bのいずれかから直接出力指示を受信し、携帯情報装置510から遠隔出力指示を受信する。ここで、プリントサーバー200が直接出力指示を受信し、直接出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれに対応する1以上のプリントデータを、取得要求を受信することに応じて順に送信する処理を、直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理という。また、プリントサーバー200が遠隔出力指示を受信し、遠隔出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれに対応する1以上のプリントデータを、遠隔出力指示に含まれる装置識別情報で特定される装置に送信する処理を、遠隔出力指示に基づくプリントデータの送信処理という。
【0043】
プリントサーバー200が受信する直接出力指示が複数のプリントデータ識別情報を含む場合、プリントサーバー200が、直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理にある程度の時間を要する場合がある。このため、プリントサーバー200が直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、直接出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む遠隔出力指示または直接出力指示を受信する場合がある。したがって、出力指示は、第1出力指示と、プリントサーバー200が第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に受信される第2出力指示と、を含む。
【0044】
まず、プリントサーバー200が直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、直接出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む遠隔出力指示を受信する場合について説明する。例えば、ユーザーAがMFP100にログインした後に、ユーザーBが携帯情報装置510にログインし、出力先にMFP100を選択する場合である。具体的には、ユーザーAがMFP100にログインし、MFP100がユーザーAのための直接出力指示を送信すると、プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。ユーザーBが携帯情報装置510にログインし、ユーザーBが出力先にMFP100を選択する場合であって、プリントサーバー200が携帯情報装置510からユーザーBのための遠隔出力指示を受信する時点が、プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中の場合である。この場合、ユーザーAのための直接出力指示が第1出力指示であり、ユーザーBのための遠隔出力指示が第2出力指示である。
【0045】
次に、プリントサーバー200が直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、直接出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む別の直接出力指示を受信する場合について説明する。例えば、ユーザーAがMFP100にログインした後に、ユーザーCがMFP100にログインする場合である。具体的には、ユーザーAがMFP100にログインし、MFP100がユーザーAのための直接出力指示を送信すると、プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。プリントサーバー200が、ユーザーAのための直接出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、ユーザーAがMFP100に取得要求の送信を中断する指示として、例えば割り込み指示を入力し、その後、ユーザーCがMFP100にログインし、MFP100がユーザーCのための直接出力指示を送信する場合である。この場合、ユーザーAのための直接出力指示が第1出力指示であり、ユーザーCのための直接出力指示が第2出力指示である。なお、プリントサーバー200は、ユーザーAのための直接出力指示に基づきプリントデータの送信処理を実行している最中に、ユーザーAがMFP100に割り込み指示を入力したことを検出することができない。
【0046】
プリントサーバー200は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を途中まで実行しているが、第1出力指示よりも後から受信される第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理よりも優先させるか否かを、第1出力指示を送信してきた装置と、第2出力指示を送信してきた装置とが同一か否かにより選択し、選択した処理を優先して実行する。具体的には、第1出力指示を送信してきた装置と第2出力指示を送信してきた装置とが同一の場合は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を優先し、第1出力指示を送信してきた装置と第2出力指示を送信してきた装置とが異なる場合は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を優先する。
【0047】
なお、プリントデータとともに、複写枚数、用紙のサイズ、カラーとモノクロの別、印刷レイアウト等のプリント条件が送信される場合がある。このプリント条件は、PC400〜402が、ユーザーから受け付けられた値に基づいて定まる。また、PC400〜402において、プリントデータとともにプリント条件を送信することなく、プリントデータのみを送信して、プリント条件を、MFP100,100A,100BのうちユーザーがログインしたMFPで、ユーザーがログインした後に指定するようにしてもよい。
【0048】
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有している場合を例に説明する。
【0049】
図2は、プリントサーバーのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、プリントサーバー200は、それぞれがバス208に接続され、プリントサーバー200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、プリントサーバー200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置209と、を含む。
【0050】
外部記憶装置209は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)209Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置209を介してCD−ROM209Aに記憶されたプログラムをRAM203にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリ等でもよい。また、HDD205に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、プリントサーバー200が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD205に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0051】
図3は、MFPの外観を示す斜視図である。図3を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50と、を含む。
【0052】
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ12上に排出する。画像読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部30に出力する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0053】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、外部から受信された画像データ、または、画像読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データ、または外部から受信されるプリントデータに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。
【0054】
後処理部50は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部50は、複数の排紙トレイを有し、画像が形成された用紙をソートして排紙することが可能である。また、後処理部50は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、排紙された用紙にパンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。また、MFP100は、その上面にユーザーとのユーザーインターフェースとしての操作パネル9を備えている。
【0055】
図4は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ファクシミリ部122と、通信制御部123と、を含む。メイン回路101は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50とに接続されている。
【0056】
メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、外部記憶装置118と、を含む。
【0057】
CPU111は、RAM112、ROM113、表示部114、操作部115、HDD116、データ通信制御部117および外部記憶装置118とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部122、通信制御部123、ADF10、画像読取部20、画像形成部30、給紙部40、後処理部50と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0058】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。
【0059】
データ通信制御部117は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、データ通信制御部117を介して、プリントサーバー200、認証サーバー300、PC400〜402、携帯情報装置510、およびMFP100A,100Bとの間で通信し、データを送受信する。通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続された他のコンピュータと通信し、データを送受信可能である。
【0060】
外部記憶装置118は、CD−ROM118Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置118を介してCD−ROM118Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置118に装表されたCD−ROM118Aに記録されたプログラムをRAM112にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0061】
通信制御部123は、CPU111をPSTN7に接続するためのモデムである。MFP100には、PSTN7における電話番号が予め割り当てられており、PSTN7に接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると、通信制御部123がその発呼を検出する。通信制御部123は、発呼を検出すると通話を確立し、ファクシミリ部122に通信させる。
【0062】
ファクシミリ部122は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部122は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶するとともに、画像形成部30でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部30に出力する。これにより、画像形成部30は、ファクシミリ部122により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部122は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0063】
図5は、携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。図5を参照して、携帯情報装置510は、携帯情報装置510の全体を制御するためのCPU511と、カメラ512と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ513と、通話部515と接続された無線通信部514と、情報を表示する表示部516と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部517と、無線LANI/F518とを含む。
【0064】
無線通信部514は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部514は、携帯情報装置510を電話通信網に接続し、通話部515を用いた通話を可能とする。無線通信部514は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部515に出力する。また、無線通信部514は、通話部515から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部515は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部514から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部514に出力する。さらに、無線通信部514は、CPU511により制御され、携帯電話用基地局を介してデータを送受信し、例えば、携帯情報装置510をインターネットに接続する。
【0065】
カメラ512は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサに結像し、CMOSセンサは受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。
【0066】
表示部516は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや,外部から受信されたデータ等を表示する。操作部207は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。また、操作部207は、表示部516に重畳して設けられたタッチパネルを含む。
【0067】
無線LANI/F518は、無線局500と通信し、携帯情報装置510をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置510に、予めプリントサーバー200のIP(Internet Protocol)アドレスが登録される。携帯情報装置510は、無線LANI/F518を介してプリントサーバー200と通信することができ、データの送受信が可能となる。
【0068】
図6は、プリントサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図6に示すプリントサーバー200が備えるCPU201の機能は、CPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。
【0069】
図6を参照して、プリントサーバー200が備えるCPU201は、外部からプルプリントデータを受信するプリントデータ受信部251と、プルプリントデータを一時記憶するスプール部253と、ユーザーを認証するサーバー側認証部255と、出力指示を受信する出力指示受信部257と、プリントデータを送信するプリントデータ送信部259と、を含む。出力指示受信部257は、第1出力指示受信部271と、第2出力指示受信部273と、を含む。プリントデータ送信部259は、第1プリントデータ送信部275と、第2プリントデータ送信部281と、出力指示を送信してきた装置を比較する指示装置比較部263と、送信対象となるプリントデータを選択する選択部261と、を含む。
【0070】
プリントデータ受信部251は、ネットワークI/F204を制御し、PC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザー識別情報とを含むプルプリントデータを受信する。プリントデータ受信部251は、プルプリントデータを受信すると、受信されたプルプリントデータをスプール部253に出力する。
【0071】
スプール部253は、プリントデータ受信部251からプルプリントデータが入力されると、プルプリントデータをHDD205に記憶する。これにより、HDD205にプルプリントデータ291が記憶される。プルプリントデータ291は、プリントデータとユーザー識別情報とを含み、プリントデータをユーザー識別情報と関連付ける。
【0072】
サーバー側認証部255は、ネットワークI/F204を制御して、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから認証情報を受信すると、認証情報に基づいて、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置を操作するユーザーを認証する。認証情報は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含む。サーバー側認証部255は、受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報とパスワードとをネットワークI/F204を介して認証サーバー300に送信し、認証サーバー300に認証させる。認証サーバー300は、ユーザー識別情報とパスワードとを受信すると、そのユーザー識別情報とパスワードとを予め記憶されているユーザーデータと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、ユーザーデータは、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含む。
【0073】
サーバー側認証部255は、ネットワークI/F204が認証サーバー300から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。サーバー側認証部255は、認証結果を、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置に送信する。サーバー側認証部255は、認証結果が認証成功を示す場合、認証されたユーザーのユーザー識別情報と、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置の装置識別情報とを、出力指示受信部257およびプリントデータ送信部の259に出力する。
【0074】
サーバー側認証部255は、認証サーバー300から認証成功を示す認証結果を受信する場合、その後にネットワークI/F204が認証情報を送信してきた装置から受信する情報は、ログアウト要求を受信するまでのログイン期間に、認証したユーザーのために送信された情報として取り扱う。例えば、MFP100から認証情報を受信する場合、サーバー側認証部255は、認証サーバー300から認証成功を示す認証結果を受信してから、その後にMFP100からログアウト要求を受信するまでのログイン期間内に、MFP100から受信する情報を有効として取り扱うが、ログアウト要求を受信した後のログイン期間外に、MFP100から受信する情報を有効としない。サーバー側認証部255は、認証サーバー300から認証成功を示す認証結果を受信する場合、認証されたユーザーのユーザー識別情報と装置識別情報とを、出力指示受信部257およびプリントデータ送信部259に出力した後、ログアウト要求を受信すると、ログアウトしたことを示すログアウト通知を、出力指示受信部257およびプリントデータ送信部259に出力する。ログアウト通知は、認証されたユーザーのユーザー識別情報を含む。これにより、出力指示受信部257は、認証されたユーザーがログインしているログイン期間を検出する。
【0075】
出力指示受信部257は、サーバー側認証部255からユーザー識別情報と装置識別情報とが入力されると、ログアウト通知を受信する前のログイン期間に、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうち装置識別情報で特定される装置から出力指示を受信する。
【0076】
具体的には、出力指示受信部257は、サーバー側認証部255からユーザー識別情報と装置識別情報とが入力されることに応じて、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちから、サーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291を、抽出する。出力指示受信部257は、サーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291を抽出する場合、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうちサーバー側認証部255から入力される装置識別情報で特定される装置にネットワークI/F204を介して、スプール情報を送信する。スプール情報は、HDD205に記憶されたプルプリントデータ291のうちサーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291に含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。出力指示受信部257は、ユーザー識別情報を含む複数のプルプリントデータ291を抽出する場合、抽出された複数のプルプリントデータ291それぞれに含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報のすべてを含むスプール情報を送信する。
【0077】
ここでは、MFP100,100A,100Bおよび携帯情報装置510のうちスプール情報を受信する装置を指示装置という。指示装置の詳細は後述するが、指示装置は、出力指示を返信する。出力指示は、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから選択された1以上のプリントデータ識別情報と、出力先を特定する情報として、MFP100,100A,100Bのいずれかの装置識別情報とを含む。ここでは、出力指示に含まれ、出力先を特定する装置識別情報で特定される装置を、出力装置という。出力指示受信部257は、指示装置から送信される出力指示を受信し、受信された出力指示をプリントデータ送信部259に出力する。
【0078】
出力指示は、MFP100,100A,100Bのいずれかが送信する直接出力指示と、携帯情報装置510が送信する遠隔出力指示とを含む。直接出力指示は、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから選択された1以上のプリントデータ識別情報と、MFP100,100A,100Bのうち出力装置の装置識別情報とを含む。なお、直接出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報は、指示装置の装置識別情報と同じである。このため、直接出力指示は、装置識別情報を含まないようにしてもよい。
【0079】
遠隔出力指示は、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちからユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報と、MFP100,100A,100Bのうちから選択された出力装置の装置識別情報とを含む。遠隔出力指示は、指示装置が携帯情報装置510であり、その遠隔出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報は、指示装置の装置識別情報と異なる。
【0080】
出力指示受信部257は、MFP100,100A,100Bのいずれかから直接出力指示を受信し、携帯情報装置510から遠隔出力指示を受信するが、直接出力指示または遠隔出力指示それぞれに含まれる出力装置の識別情報が同一の直接出力指示または遠隔出力指示を、第1出力指示または第2出力指示のいずれかに設定し、プリントデータ送信部259に出力する。したがって、出力指示受信部257は、出力装置となりうるMFP100,100A,100Bごとに、1つの第1出力指示と1つの第2出力指示とをプリントデータ送信部259に出力する。
【0081】
ここでは、説明のために、出力指示受信部257は、MFP100から直接出力指示を受信し、その後に、MFP100の装置識別情報を含む直接出力指示または遠隔出力指示を受信する場合を例に説明する。
【0082】
出力指示受信部257は、第1出力指示受信部271と、第2出力指示受信部273と、を含む。第1出力指示受信部271は、サーバー側認証部255から入力される装置識別情報で特定される指示装置がMFP100の場合に、直接出力指示を受信し、サーバー側認証部255から入力される装置識別情報で特定される指示装置が携帯情報装置510の場合に、遠隔出力指示を受信する。
【0083】
第1出力指示受信部271は、後述するプリントデータ送信部259が所定の状態の場合、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示を第1出力指示に設定し、サーバー側認証部255から入力される指示装置の装置識別情報とともに、プリントデータ送信部259に出力するとともに、第1出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報を指示装置比較部263に出力する。
【0084】
プリントデータ送信部259が所定の状態とは、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行していない状態である。プリントデータ送信部259が所定の状態か否かは、後述する第1プリントデータ送信部275が出力する実行中信号が入力されているか否かにより判断する。
【0085】
また、第1出力指示受信部271は、後述するプリントデータ送信部259が所定の状態でない場合であっても、換言すれば、プリントデータ送信部275がMFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行している場合であっても、第1出力指示が遠隔出力指示の場合には、その第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理が終了した後に、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示を第1出力指示に設定し、サーバー側認証部255から入力される指示装置の装置識別情報とともに、プリントデータ送信部259に出力するとともに、第1出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報を指示装置比較部263に出力する。
【0086】
第2出力指示受信部273は、第1出力指示が直接出力指示の場合に、MFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示を第2出力指示に設定し、サーバー側認証部255から入力される指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報とともにプリントデータ送信部275に出力するとともに、指示装置の装置識別情報を指示装置比較部263に出力する。
【0087】
第2出力指示受信部273は、プリントデータ送信部275がMFP100から受信される直接出力指示または携帯情報装置510から受信される遠隔出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行しているか否かを、後述する第1プリントデータ送信部275が出力する実行中信号が入力されているか否かにより判断する。
【0088】
第1出力指示は、第2出力指示が受信される前に受信される直接出力指示または遠隔出力指示である。また、第2出力指示は、プリントデータ送信部259により直接出力指示である第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理が実行されている最中に受信される直接出力指示または遠隔出力指示である。
【0089】
プリントデータ送信部275は、出力指示受信部257から出力指示が入力されると、入力される出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。具体的には、プリントデータ送信部275は、出力指示に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを、MFP100,100A,100Bのうち出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置に送信する。ここでは、出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置をMFP100としているので、プリントデータ送信部275は、出力指示に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを、MFP100に送信する。
【0090】
プリントデータ送信部259は、第1プリントデータ送信部275と、第2プリントデータ送信部281と、指示装置比較部263と、選択部261と、を含む。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から第1出力指示、第1出力指示を送信した指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報が入力される。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から第1出力指示が入力される場合、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。具体的には、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から入力される第1出力指示が直接出力指示の場合、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示が入力されると、ネットワークI/F204を制御して、指示装置であるMFP100から取得要求を受信する。取得要求は、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれか1つのプリントデータ識別情報を含む。MFP100,100A,100Bの動作の詳細は後述するが、MFP100,100A,100Bそれぞれは、直接出力指示を送信した後、直接出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから1つを順に選択し、選択されたプリントデータ識別情報を含む取得要求を送信する。
【0091】
第1プリントデータ送信部275は、取得要求を受信すると、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータをHDD205に記憶されたプルプリントデータ291のうちから読み出し、読み出したプリントデータを、第1出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、ここではMFP100に、ネットワークI/F204を介して送信する。
【0092】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報をそれぞれ含む1以上の取得要求のすべてを受信し、1以上の取得要求それぞれ含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを送信すると、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。
【0093】
また、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示受信部271から入力される第1出力指示が遠隔出力指示の場合、第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示が入力されると、ネットワークI/F204を制御して、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを、第1出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、ここではMFP100に送信する。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを送信すると、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。
【0094】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示が入力されてから第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了するまでの間、第2出力指示受信部273に実行中信号を出力し、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第2プリントデータ送信部281に第1完了信号を出力する。
【0095】
指示装置比較部263は、第1出力指示受信部271から第1出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力され、第2出力指示受信部273から第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力される。指示装置比較部263は、第2出力指示受信部273から第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力される場合は、第1出力指示受信部271から第1出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力されている。このため、指示装置比較部263は、第2出力指示受信部273から第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報が入力されることに応じて、第1出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報と、第2出力指示を送信してきた指示装置の装置識別情報とを比較し、両者が同一か否かを判断する。指示装置比較部263は、両者が同一ならば同一であることを示す同一信号を選択部261に出力し、両者が同一でなければ同一出ないことを示す相違信号を選択部261に出力する。
【0096】
選択部261は、指示装置比較部263から同一信号が入力される場合、第1プリントデータ送信部275に中断信号を出力し、第2プリントデータ送信部281に実行信号を出力する。また、選択部261は、指示装置比較部263から相違信号が入力される場合、第1プリントデータ送信部275に継続信号を出力し、第2プリントデータ送信部281に待機信号を出力する。
【0097】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、選択部261から中断信号が入力される場合、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断する。第1出力指示が遠隔出力指示の場合には、選択部261から中断信号は入力されないので、第1プリントデータ送信部275が、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断する場合は、第1出力指示が直接出力指示の場合である。
【0098】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断する場合、第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうち未だ送信していない未送信プリントデータのプリントデータ識別情報を、第1出力指示受信部271から第1出力指示とともに入力される指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報と関連付けて、RAM203に一時記憶する。後述する第2プリントデータ送信部281により第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理が実行されるためである。
【0099】
第1プリントデータ送信部275は、再開部277を含む。再開部277は、サーバー側認証部255から認証されたユーザーのユーザー識別情報と、そのユーザーが操作する装置の装置識別情報とが入力され、第2プリントデータ送信部281から第2完了信号が入力される。第2完了信号は、第2プリントデータ送信部281が、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を完了し、その後送信する信号である。再開部277は、第2プリントデータ送信部281から第2完了信号が入力されてから所定期間内に、サーバー側認証部255から認証されたユーザーのユーザー識別情報と装置識別情報とが入力され、かつ、サーバー側認証部255から入力されるユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報と関連付けられた未送信プリントデータのプリントデータ識別情報がRAM203に記憶されている場合、未送信プリントデータのプリントデータ識別情報に基づいて、中断した第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を再開する。
【0100】
第1出力指示を指示したユーザーは、ログイン操作をすれば、先に指示した第1出力指示に基づいてプリントデータの画像が形成されるので、改めて第1出力指示のための操作をする必要がなく、操作を容易にすることができる。なお、再開部277は、第2プリントデータ送信部281から第2完了信号が入力されてから所定期間内に、未送信プリントデータのプリントデータ識別情報に関連付けてRAM203に記憶されているユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報が、サーバー側認証部255から入力されない場合、未送信プリントデータのプリントデータ識別情報を、RAM203から消去する。
【0101】
第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、選択部261から継続信号が入力される場合、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を中断することなく、継続する。第1プリントデータ送信部275は、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行している最中に、選択部261から継続信号が入力された後、第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第2プリントデータ送信部281に第1完了信号を出力する。
【0102】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示受信部273から第2出力指示、指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報が入力され、選択部261から待機信号または実行信号のいずれかが入力される。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が入力され、かつ、選択部261から実行信号が入力される場合、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行する。選択部261が待機信号を出力するのは、第1出力指示を送信してきた指示装置と第2出力指示を送信してきた指示装置とが同じ場合である。この場合における第2出力指示は直接出力指示である場合と、遠隔出力指示である場合とがある。
【0103】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が直接出力指示の場合、ネットワークI/F204を制御して、MFP100,100,100Bのうち第2出力指示を送信してきた装置、ここではMFP100から取得要求を受信する。取得要求は、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれか1つのプリントデータ識別情報を含む。第2プリントデータ送信部281は、取得要求を受信すると、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータをHDD205に記憶されたプルプリントデータ291のうちから読出し、読み出したプリントデータを、第2出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、換言すれば、第2出力指示を送信してきた指示装置MFP100に、ネットワークI/F204を介して送信する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報をそれぞれ含む1以上の取得要求のすべてを受信し、1以上の取得要求それぞれ含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを送信すると、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第1プリントデータ送信部275に第2完了信号を出力する。
【0104】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が遠隔出力指示の場合、ネットワークI/F204を制御して、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを、MFP100,100,100Bのうち第2出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置、ここではMFP100に送信する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報それぞれのプリントデータを送信すると、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了する。第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理を完了すると、第1プリントデータ送信部275に第2完了信号を出力する。
【0105】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示が入力され、かつ、選択部261から待機信号が入力される場合、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を実行することなく、待機状態となる。選択部261が待機信号を出力するのは、第1出力指示を送信してきた指示装置と第2出力指示を送信してきた指示装置とが異なる場合であり、この場合における第2出力指示は、遠隔出力指示である。
【0106】
第2プリントデータ送信部281は、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を待機する場合、第2出力指示を、第2出力指示受信部273から第2出力指示とともに入力される指示装置の装置識別情報およびユーザー識別情報と関連付けて、RAM203に一時記憶する。第1プリントデータ送信部275により第1出力指示に基づくプリントデータの送信処理が実行されるためである。
【0107】
第2プリントデータ送信部281は、期間内開始部283と、期間外開始部285とを含む。期間内開始部283は、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力される場合であって、かつ、RAM203に第2出力指示が記憶されている場合、第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報のユーザーがログインしているログイン期間内か否かを判断する。第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報を含むログアウト通知がサーバー側認証部255から入力されていなければ、ログインしているログイン期間内と判断するが、そのようなログアウト通知がサーバー側認証部255から入力されていれば、ログインしていないログイン期間外と判断する。期間内開始部283は、ログイン期間内と判断する場合、RAM203に記憶されている第2出力指示を読み出し、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を開始する。第2出力指示を指示したユーザーは、ログアウトしなければ、先に指示した第2出力指示に基づいてプリントデータの画像が形成されるので、操作を容易にすることができる。
【0108】
期間外開始部285は、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力される場合であって、かつ、RAM203に第2出力指示が記憶されている場合、第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報のユーザーがログインしているログイン期間外か否かを判断する。期間外開始部285は、ログイン期間外と判断する場合、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力されてから所定期間内に、RAM203に第2出力指示とともに記憶されるユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報がサーバー側認証部255から入力される場合、RAM203に記憶されている第2出力指示を読み出し、第2出力指示に基づくプリントデータの送信処理の実行を開始する。第2出力指示を指示したユーザーは、同じ装置でログイン操作をすれば、先に指示した第2出力指示に基づいてプリントデータの画像が形成されるので、改めで第2出力指示のための操作をする必要がなく、操作を容易にすることができる。
【0109】
なお、期間外開始部285は、第1プリントデータ送信部275から第1完了信号が入力されてから所定期間内に、第2出力指示に関連付けてRAM203に記憶されているユーザー識別情報および装置識別情報と同じユーザー識別情報および装置識別情報が、サーバー側認証部255から入力されない場合、第2出力指示を、RAM203から消去する。
【0110】
図7は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111が、ROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。ここでは、MFP100が備えるCPU111の機能を例に説明する。
【0111】
図7を参照して、MFP100が備えるCPU111は、MFP100を操作するユーザーを認証するための認証部51と、出力指示を送信する出力指示送信部53と、取得要求を送信する取得要求送信部55と、プリントデータ受信部57と、プリントジョブを管理するジョブ管理部59と、画像形成部30を制御する画像形成制御部61と、ユーザーによる割り込み操作を受け付ける割込受付部63と、認証されたユーザーのログインを解消するログアウト部65と、を含む。
【0112】
認証部51は、MFP100を操作するユーザーを認証する。具体的には、認証部51は、ログイン画面を表示部114に表示する。ログイン画面は、ユーザー識別情報を入力する領域と、パスワードを入力する領域とを含む。ユーザーが操作部115にユーザー識別情報とパスワードとを入力すると、操作部115からユーザー識別情報とパスワードとを受け付け、受け付けたユーザー識別情報とパスワードとを含む認証情報を、データ通信制御部117を介してプリントサーバー200に送信し、プリントサーバー200に認証させる。認証情報の送信先の情報、具体的には、プリントサーバー200の装置識別情報は、ユーザーにより予めMFP100に入力され、HDD116に記憶される。
【0113】
認証部51は、データ通信制御部117がプリントサーバー200から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。認証部51は、認証結果が認証成功を示す場合、ログインユーザーのユーザー識別情報を出力指示送信部53およびログアウト部65に出力する。認証部51は、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部114に表示する。認証部51は、認証結果が認証成功を示す場合、その後にログアウト指示が入力されるまで、また、後述するログアウト部65によりログインが解消されるまで、操作部115に入力される操作は、認証されてログインが許可されたユーザーによる操作として受け付ける。
【0114】
出力指示送信部53は、データ通信制御部117がプリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報を取得する。出力指示送信部53は、取得されたスプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報の一覧を選択可能に表示する選択画面を生成し、選択画面を表示部114に表示する。出力指示送信部53は、ユーザーが選択画面に表示されたプリントデータ識別情報のうちから1以上を選択する操作を入力すると、ユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報を受け付ける。出力指示送信部53は、スプール情報に含まれるユーザー識別情報のうちユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100の装置識別情報とを含む出力指示を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信するとともに、出力指示を取得要求送信部55に出力する。
【0115】
なお、ユーザーによる選択操作を省略する場合、出力指示送信部53は、プリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のすべてと、MFP100の装置識別情報とを含む出力指示を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信するとともに、出力指示を取得要求送信部55に出力する。
【0116】
取得要求送信部55は、出力指示送信部53から出力指示が入力され、出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のうちから1つを選択し、選択された1つのプリントデータ識別情報を含む取得要求を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信する。取得要求送信部55は、取得要求を送信すると、取得要求に含まれるプリントデータ識別情報を、プリントデータ受信部57に出力する。取得要求送信部55は、出力指示に複数のプリントデータ識別情報が含まれる場合、後述するプリントデータ受信部57によりプリントデータが受信され、画像形成制御部61によりプリントデータの画像が形成された後、次の取得要求をプリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信する。
【0117】
上述したように、プリントサーバー200は、MFP100から取得要求を受信すると、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちに、受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報を含むプルプリントデータが記憶されていれば、そのプルプリントデータに含まれるプリントデータを返信する。
【0118】
プリントデータ受信部57は、データ通信制御部117がプリントサーバー200からプリントデータを受信すると、プリントデータを取得し、プリントデータをジョブ管理部59に出力する。データ通信制御部117がプリントサーバー200から受信するプリントデータは、取得要求送信部55から入力されるプリントデータ識別情報により特定されるプリントデータを含む。また、データ通信制御部117がプリントサーバー200から受信するプリントデータは、プリントサーバーが、MFP100を出力装置に指定する遠隔出力指示に基づくプリントデータの送信処理を実行することにより、MFP100に送信するプリントデータを含む。
【0119】
ジョブ管理部59は、プリントデータ受信部57からプリントデータを受信すると、プリントデータを含むプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブを画像形成制御部61に出力する。画像形成制御部61は、ジョブ管理部59からプリントジョブが入力されると、プリントジョブに含まれるプリントデータをプリントする。具体的には、画像形成部30にプリントデータを出力し、画像形成部30にプリントデータの画像を形成させる。画像形成制御部61は、プリントデータのプリントが終了すると、プリントデータのプリントデータ識別情報をジョブ管理部59に出力する。
【0120】
ログアウト部65は、ユーザーが操作部115にログアウトする操作を入力すると、認証部51から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーのログインを解消する。ログアウト部65は、ログインを解消する場合、ログアウト要求を、プリントサーバー200にデータ通信制御部117を介して送信する。ログアウト要求は、認証部51から入力されるユーザー識別情報を含む。
【0121】
図8は、携帯情報装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図8に示す機能は、携帯情報装置510が備えるCPU511が、フラッシュメモリ513に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU511に形成される機能である。図8を参照して、携帯情報装置510が備えるCPU511は、携帯情報装置510を操作するユーザーを認証するための認証部531と、スプール情報を受信するスプール情報受信部533と、出力装置を指定する出力装置指定部535と、出力指示を送信する出力指示送信部537と、を含む。
【0122】
認証部531は、携帯情報装置510を操作するユーザーを認証する。具体的には、認証部531は、ログイン画面を516に表示する。ログイン画面は、ユーザー識別情報を入力する領域と、パスワードを入力する領域とを含む。ユーザーが操作部115にユーザー識別情報とパスワードとを入力すると、操作部517からユーザー識別情報とパスワードとを受け付け、受け付けたユーザー識別情報とパスワードとを含む認証情報を、無線LANI/F518を介してプリントサーバー200に送信し、プリントサーバー200に認証させる。認証情報の送信先の情報、具体的には、プリントサーバー200の装置識別情報は、ユーザーにより予め携帯情報装置510に入力され、フラッシュメモリ513に記憶される。
【0123】
認証部531は、無線LANI/F518がプリントサーバー200から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。認証部531は、認証結果が認証成功を示す場合、ログインユーザーのユーザー識別情報をスプール情報受信部533に出力する。認証部531は、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部516に表示する。認証部531は、認証結果が認証成功を示す場合、その後にログアウト指示が入力されるまで、操作部517に入力される操作は、認証されてログインが許可されたユーザーによる操作として受け付ける。
【0124】
スプール情報受信部533は、無線LANI/F518がプリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報を取得する。スプール情報受信部533は、取得されたスプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報の一覧を選択可能に表示する選択画面を生成し、選択画面を表示部516に表示する。スプール情報受信部533は、ユーザーが選択画面に表示されたプリントデータ識別情報のうちから1以上を選択する操作を入力すると、ユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報を受け付ける。スプール情報受信部533は、スプール情報に含まれるユーザー識別情報のうちユーザーにより選択された1以上のプリントデータ識別情報のすべてを、出力指示送信部537に出力する。
【0125】
なお、ユーザーによる選択操作を省略する場合、スプール情報受信部533は、プリントサーバー200からスプール情報を受信すると、スプール情報に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のすべてを出力指示送信部537に出力する。
【0126】
出力装置指定部535は、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報の一覧を選択可能に表示する装置選択画面を生成し、装置選択画面を表示部516に表示する。出力装置指定部535は、ユーザーが装置選択画面に表示された装置識別情報のうちから1つを出力装置として指定する操作を入力すると、ユーザーにより指定された装置識別情報を受け付ける。出力装置指定部535は、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報のうちユーザーにより出力装置に指定された装置識別情報を、出力指示送信部537に出力する。MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報は、ユーザーにより携帯情報装置510に予め登録され、フラッシュメモリ513に記憶されている。また、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報を、プリントサーバー200から受信するようにしてもよい。
【0127】
出力指示送信部537は、スプール情報受信部533から1以上のプリントデータ識別情報が入力され、出力装置指定部535から出力装置の装置識別情報が入力される。出力指示送信部537は、スプール情報受信部533から入力される1以上のプリントデータ識別情報のすべてと、出力装置指定部535から入力される出力装置の装置識別情報とを含む出力指示を生成し、生成された出力指示を無線LANI/F518を介して、プリントサーバー200に送信する。
【0128】
図9は、スプール処理の流れの一例を示すフローチャートである。スプール処理は、プリントサーバー200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0129】
図9を参照して、CPU201は、プリントデータとユーザー識別情報とを受信したか否かを判断する(ステップS51)。ネットワークI/F204がPC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザー識別情報とを受信したか否かを判断する。プリントデータとユーザー識別情報とを受信するまで待機状態となり(ステップS51でNO)、プリントデータとユーザー識別情報とを受信したならば処理をステップS52に進める。換言すれば、スプール処理は、ネットワークI/F204がPC400〜402のいずれかからプリントデータとユーザー識別情報とを受信することを条件に実行される処理である。ステップS52においては、プリントデータとユーザー識別情報とを含むプルプリントデータ291をHDD205に記憶し、処理をステップS51に戻す。
【0130】
図10は、認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。認証処理は、プリントサーバー200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0131】
図10を参照して、CPU201は、認証情報を受信したか否かを判断する(ステップS61)。ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから認証情報を受信したか否かを判断する。認証情報を受信するまで待機状態となり(ステップS61でNO)、認証情報を受信したならば処理をステップS62に進める。換言すれば、認証処理は、ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のいずれかから認証情報を受信することを条件に実行される処理である。認証情報は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とパスワードとを含む。
【0132】
ステップS62においては、受信された認証情報に基づいて認証し、認証が成功したか否かを判断する。認証が成功したならば処理をステップS63に進めるが、そうでなければ処理をステップS68に進める。具体的には、認証情報に含まれるユーザー識別情報とパスワードとをデータ通信制御部117を介して認証サーバー300に送信し、認証サーバー300に認証させる。認証サーバー300は、認証に成功すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、認証に失敗すれば認証失敗を示す認証結果を返信する。ステップS68においては、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置にエラー信号を送信し、処理をステップS61に戻す。
【0133】
ステップS63においては、スプール情報を送信する。上述したスプール処理が実行されることにより、HDD205にプリプリントデータ291が記憶されている。HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちからステップS62において認証されたユーザーのユーザー識別情報を含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータ291に含まれるプリントデータのプリントデータ識別情報を含むスプール情報を生成する。そして、生成されたスプール情報を、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置にネットワークI/F204を介して送信する。
【0134】
ステップS64においては、出力指示を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置から出力指示を受信したか否かを判断する。出力指示を受信したならば処理をステップS65に進めるが、そうでなければステップS65をスキップして、処理をステップS66に進める。
【0135】
ステップS65においては、出力指示実行処理を開始する。出力指示実行処理の詳細は後述するが、出力指示を第1出力指示と第2出力指示のいずれかに設定し、設定された第1出力指示または第2出力指示を処理対象としてプリントデータ送信処理を実行する処理である。より具体的には、MFP100,100A,100Bのうち出力指示に含まれる出力装置の装置識別情報で特定される装置に、出力指示に含まれるプリントデータ識別情報で特定されるプリントデータを送信し、プリントデータの画像を形成させる処理である。
【0136】
ステップS63以降の処理は、認証情報に基づく認証が成功することを条件に実行される。このため、プリントサーバー200は、1つの認証情報に基づく認証が成功し、認証されたログインユーザーがログアウトする前のログイン期間に、別の認証情報に基づき認証が成功し、別のログインユーザーが認証される場合がある。このため、ステップS65は、複数の認証情報に基づく認証が成功した場合に、CPU201に複数の出力指示実行処理をそれぞれ実行する複数の出力指示実行タスクが発生する場合がある。CPU201において同時に複数の出力指示実行タスクが形成される場合、複数の出力指示実行タスクは、処理対象とする出力指示によって区別される。
【0137】
以下、出力指示実行タスクが出力指示を第1出力指示に設定し、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行するタスクを第1プリントデータ送信タスクといい、出力指示実行タスクが出力指示を第2出力指示に設定し、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行するタスクを第2プリントデータ送信タスクという、
次のステップS66においては、ログアウト要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、MFP100,100,100Bおよび携帯情報装置510のうち認証情報を送信してきた装置からログアウト要求を受信したか否かを判断する。ログアウト要求は、ユーザー識別情報を含む。ステップS61において受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と同じユーザー識別情報を含むログアウト要求を受信したならば処理をステップS67に進め、そうでなければ処理をステップS64に戻す。ステップS67においては、ログアウト要求に含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーのログインを解消し、処理を終了する。
【0138】
ユーザーが認証されてからログアウト要求を受信するまでのユーザーがログインしている期間をログイン期間という。また、ステップS65において開始されたプリントデータ送信タスクは、ログイン期間とは関係なく実行される。例えば、ログアウト要求を受信した後でも出力指示実行タスクが実行される場合がある。
【0139】
図11は、出力指示実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。出力指示実行処理は、プリントサーバー200が備えるCPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ送信プログラムを実行することによりCPU201により実行される処理である。出力指示実行処理は、図10のステップS65において開始されて、CPU201により実行される処理であり、ステップS64において、ネットワークI/F204により受信された出力指示を処理対象とする。また、ネットワークI/F204がMFP100,100,100Bから受信する出力指示は直接出力指示であり、ネットワークI/F204が携帯情報装置510から受信する出力指示は遠隔出力指示である。図11に示す出力指示実行タスクは、処理対象とする出力指示が直接出力指示の場合と遠隔出力指示の場合とがある。
【0140】
図11を参照して、CPU201は、処理対象とする出力指示と出力装置が同じ第1プリントデータ送信タスクが存在するか否かを判断する(ステップS71)。第1プリントデータ送信タスクは、ステップS76において起動されるタスクであり、その詳細は後述するが、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行するタスクである。ステップS71においては、処理対象とする出力指示に含まれる装置識別情報と同じ装置識別情報を含む他の出力指示を処理対象とする第1プリントデータ送信タスクが存在するか否かを判断する。処理対象とする出力指示と出力装置が同じ第1出力指示を処理対象とする第1プリントデータ送信タスクが存在するならば処理をステップS72に進めるが、そうでなければ処理をステップS75に進める。
【0141】
ステップS72においては、ステップS71において存在することが検出された第1プリントデータ送信タスクが処理対象とする出力指示が遠隔出力指示か否かを判断する。第1プリントデータ送信タスクが処理対象とする出力指示を送信してきた指示装置が携帯情報装置510ならば遠隔出力指示と判断する。第1プリントデータ送信タスクが処理対象とする出力指示が遠隔出力指示ならば処理をステップS73に進め、そうでなければ処理をステップS77に進める。
【0142】
ステップS73においては、次のステップS74において第1プリントデータ送信タスクが終了したと判断されるまで、待機状態となる。次のステップS74においては、ステップS71において検出された第1プリントデータ送信タスクが終了したか否かを判断する。ステップS71において検出された第1プリントデータ送信タスクが終了したならば処理をステップS75に進めるが、そうでなければ処理をステップS73に戻す。
【0143】
ステップS75においては、処理対象とする出力指示を第1出力指示に設定する。そして、第1プリントデータ送信処理を実行し(ステップS76)、処理を終了する。第1プリントデータ送信処理の詳細は後述するが、ステップS75において第1出力指示に設定された出力指示を処理対象とする出力指示に基づくプリントデータ送信処理である。CPU201が第1プリントデータ送信処理を実行するタスクが、第1プリントデータ送信タスクである。
【0144】
一方、ステップS77においては、処理対象とする出力指示を第2出力指示に設定する。そして、第2プリントデータ送信処理を実行し(ステップS78)、処理を終了する。第2プリントデータ送信処理の詳細は後述するが、ステップS77において第2出力指示に設定された出力指示を処理対象とする出力指示に基づくプリントデータ送信処理である。CPU201が第2プリントデータ送信処理を実行するタスクが、第2プリントデータ送信タスクである。
【0145】
図12は、第1プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1プリントデータ送信処理は、図11のステップS76において実行される処理であり、第1出力指示を処理対象とする。図12を参照して、第1出力指示が直接出力指示か否かを判断する(ステップS81)。第1出力指示を送信してきた指示装置と第1出力指示に含まれる出力装置とが同じならば第1出力指示が直接出力指示と判断し、そうでなければ第1出力指示が遠隔出力指示と判断する。第1出力指示が直接出力指示ならば処理をステップS82に進めるが、第1出力指示が遠隔出力指示ならば処理をステップS95に進める。
【0146】
処理がステップS95に進む場合、第1出力指示は遠隔出力指示である。ステップS95においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちから第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを、第1プリントデータとして第1出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置に送信する。そして、送信した第1プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS96)。
【0147】
次のステップS97においては、未送信の第1プリントデータが存在するか否かを判断する。第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第1プリントデータが存在するならば処理をステップS95に戻すが、存在しなければ処理を出力指示実行処理に戻す。
【0148】
処理がステップS82に進む場合、第1出力指示が直接出力指示の場合である。ステップS82においては、取得要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、第1出力指示を送信してきた指示装置から取得要求を受信したか否かを判断する。取得要求を受信したならば処理をステップS83に進めるが、そうでなければ処理をステップS87に進める。
【0149】
ステップS83においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちからステップS82において受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを、第1プリントデータとして取得要求を送信してきた指示装置に送信する。そして、送信した第1プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS84)。
【0150】
次のステップS85においては、未送信の第1プリントデータが存在するか否かを判断する。第1出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第1プリントデータが存在するならば処理をステップS82に戻すが、存在しなければ処理をステップS86に進める。ステップS86においては、第1完了信号を第2プリントデータ送信タスクに出力し、処理を出力指示実行処理に戻す。
【0151】
ステップS87においては、第2プリントデータ送信タスクが開始したか否かを判断する。第2プリントデータ送信タスクは、第1出力指示とは別の出力指示を処理対象として図11に示した出力指示実行処理を実行する出力指示実行タスクが、ステップS78において実行する第2プリントデータ送信処理である。第2プリントデータ送信タスクが開始したならば処理をステップS88に進めるが、そうでなければ処理をステップS82に戻す。換言すれば、処理がステップS88に進むのは、第1出力指示が直接出力指示の場合であって、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)を実行している最中に、第1出力指示とは別の第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)が実行される場合である。
【0152】
ステップS88においては、第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じか否かを判断する。第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じならば処理をステップS88に進めるが、同じでなければ処理をステップS82に戻す。第1出力指示と第2出力指示の指示装置が異なる場合、第1プリントデータ送信処理のステップS82〜ステップS85が継続して実行される。
【0153】
第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じならば、ステップS89において、待機する。具体的には、第1出力指示をRAM203に記憶し、処理をステップS90に進める。ステップS90においては、第2プリントデータ送信タスクから第2完了信号が入力されたか否かを判断する。第2完了信号が入力されたならば処理をステップS91に進め、第2完了信号が入力されなければ処理をステップS89に戻す。第2完了信号は、第2プリントデータ送信タスクが、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)が終了したときに出力する信号である。
【0154】
ステップS91においてはタイマーをスタートする。タイマーは、第2完了信号が入力されてから経過する時間、換言すれば、ステップS87において開始したことが検出された第2プリントデータ送信タスクが第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)が終了してからの時間を計時する。
【0155】
ステップS92においては、第1認証情報を受信したか否かを判断する。第1認証情報は、第1出力指示を送信してきた指示装置から受信される認証情報であって、第1出力指示が受信されるログイン期間に認証されていたユーザーのユーザー識別情報とパスワードとを含む。第1認証情報を受信したならば処理をステップS94に進めるが、そうでなければ処理をステップS93に進める。ステップS93においては、タイマー値がしきい値T以上か否かを判断する。タイマー値がしきい値T以上ならば処理を出力指示実行処理に戻すが、そうでなければ処理をステップS92に戻す。処理を出力指示実行処理に戻す場合、ステップS89においてRAM203に記憶した第1出力指示を消去する。ステップS94においては、第1認証情報に基づく認証が成功したか否かを判断する。認証が成功したならば処理をステップS82に戻すが、そうでなければ処理をステップS92に戻す。
【0156】
第2プリントデータ送信タスクが開始されると、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)が中断されるが、第2プリントデータ送信タスクが第2プリントデータ送信処理を終了してから所定の時間(しきい値T)以内に、同じ指示装置を操作してログインすれば、中断していた第1プリントデータ送信処理が再開される。このため、出力指示を送信するための操作を省略することができ、操作が容易となる。
【0157】
図13は、第2プリントデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2プリントデータ送信処理は、図11のステップS78において実行される処理であり、第2出力指示を処理対象とする。また、ステップS78が実行される前に、ステップS71およびステップS72が実行されており、処理がステップS78に進む場合は、第2出力指示と出力装置が同じ第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)を実行する第1プリントデータ送信タスクが存在し、第1出力指示が直接出力指示の場合である。
【0158】
図13を参照して、第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じか否かを判断する。第1出力指示と第2出力指示の指示装置が同じならば処理をステップS102に進めるが、異なれば処理をステップS107に進める。処理がステップS102に進む場合、第2出力指示は、第1出力指示と出力装置および指示装置が同じ場合であり、直接出力指示である。
【0159】
ステップS102においては、取得要求を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F204が、第2出力指示を送信してきた指示装置から取得要求を受信したか否かを判断する。取得要求を受信するまで待機状態となり(ステップS102でNO)、取得要求を受信したならば処理をステップS103に進める。
【0160】
ステップS103においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちからステップS102において受信された取得要求に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを、第2プリントデータとして取得要求を送信してきた指示装置に送信する。そして、送信した第2プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS104)。
【0161】
次のステップS105においては、未送信の第2プリントデータが存在するか否かを判断する。第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第2プリントデータが存在するならば処理をステップS102に戻すが、存在しなければ処理をステップS106に進める。ステップS106においては第2完了信号を第1プリントデータ送信タスクに出力し、処理を出力指示実行処理に戻す。
【0162】
処理がステップS107に進む場合は、第1出力指示と第2出力指示とで、出力装置が同じで指示装置が異なる場合である。ステップS107においては、第2プリントデータ送信処理の実行を、一時待機する。具体的には、第2出力指示をRAM203に記憶し、処理をステップS108に進める。ステップS108においては、第1プリントデータ送信タスクから第1完了信号が入力されたか否かを判断する。第1完了信号が入力されたならば処理をステップS109に進め、第1完了信号が入力されなければ処理をステップS107に戻す。第1完了信号は、第1プリントデータ送信タスクが、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)が終了したときに出力する信号である。
【0163】
ステップS109においてはタイマーをスタートする。タイマーは、第1完了信号が入力されてから経過する時間、換言すれば、第1プリントデータ送信タスクが実行する第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第1プリントデータ送信処理)が終了してからの時間を計時する。
【0164】
ステップS110においては、第2ログイン期間内か否かを判断する。第2ログイン期間は、第2出力指示の送信を指示したユーザーがログインしている期間である。第2ログイン期間内ならば処理をステップS114に進めるが、そうでなければ処理をステップS111に進める。
【0165】
ステップS111においては、第2認証情報を受信したか否かを判断する。第2認証情報は、第2出力指示を送信してきた指示装置から受信された認証情報と同じ認証情報である。第2認証情報を受信したならば処理をステップS112に進めるが、そうでなければ処理をステップS113に進める。ステップS112においては、第2認証情報に基づく認証が成功したか否かを判断する。認証が成功したならば処理をステップS114に進めるが、そうでなければ処理をステップS111に戻す。ステップS113においては、タイマー値がしきい値T以上か否かを判断する。タイマー値がしきい値T以上ならば処理を出力指示実行処理に戻すが、そうでなければ処理をステップS111に戻す。処理を出力指示実行処理に戻す場合、ステップS107においてRAM203に記憶した第2出力指示を消去する。
【0166】
ステップS114においては、HDD205に記憶されているプルプリントデータ291のうちから第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のプリントデータを含むプルプリントデータ291を抽出し、抽出されたプルプリントデータに含まれるプリントデータを第2プリントデータとして、第2出力指示に含まれる装置識別情報で特定される出力装置に送信する。そして、送信した第2プリントデータを含むプルプリントデータ291を、HDD205から消去する(ステップS115)。
【0167】
次のステップS116においては、未送信の第2プリントデータが存在するか否かを判断する。第2出力指示に含まれる1以上のプリントデータ識別情報のいずれかのプリントデータを含むプルプリントデータ291が、HDD205に記憶されているか否かを判断する。未送信の第2プリントデータが存在するならば処理をステップS114に戻すが、存在しなければ処理を出力指示実行処理に戻す。
【0168】
第2プリントデータ送信タスクが、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理(第2プリントデータ送信処理)を実行することなく、待機状態になるが、第1プリントデータ送信処理が終了した時点で、ユーザーがログインしている場合、またはログアウトした場合であっても第1プリントデータ送信処理が終了してから所定の時間(しきい値T)以内に、同じ指示装置を操作してログインすれば、待機状態とされた第2プリントデータ送信処理が実行される。このため、出力指示を送信するための操作を省略することができ、操作が容易となる。
【0169】
図14は、プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。プルプリント処理は、MFP100,100A,100Bそれぞれが備えるCPU111がROM113、HDD116またはメモリカード119Aに記憶されたプルプリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP100が備えるCPU111が実行するプルプリント処理について説明する。
【0170】
図14を参照して、CPU111は、認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。表示部114に認証画面を表示し、MFP100を操作するユーザーが入力する認証情報を受け付ける。認証情報は、ユーザー識別情報とパスワードとを含む。認証情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、認証情報を受け付けたならば処理をステップS02に進める。
【0171】
ステップS02においては、ステップS01において受け付けられた認証情報をプリントサーバー200に送信する。そして、プリントサーバー200から返信される認証結果に基づいて、認証に成功したか否かを判断する。認証結果が認証成功を示す場合、処理をステップS04に進め、認証結果が認証失敗を示す場合、処理をステップS01に戻す。
【0172】
ステップS04においては、取得要求がRAM112に記憶されているか否かを判断する。取得要求は、後述するステップS18においてRAM112に記憶される。取得要求がRAM112に記憶されているならば処理をステップS19に進めるが、記憶されていなければ処理をステップS05に進める。
【0173】
ステップS05においては、スプール情報を受信したか否かを判断する。プリントサーバー200からスプール情報を受信したならば処理をステップS06に進め、受信しなければ処理をステップS14に進める。スプール情報は、プリントサーバー200において記憶されたプリントデータであって、ステップS01において受け付けられたユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。
【0174】
ステップS06においては、スプール情報からプリントアウトの対象となるプリントデータのプリントデータ識別情報を特定する。具体的には、プリントアウトの対象となるプリントデータのプリントデータ識別情報の一覧を、表示部114に表示し、表示されたプリントデータ識別情報のうちから、ユーザーが操作部115に入力する操作により選択されるプリントデータ識別情報を特定する。
【0175】
次のステップS07においては、出力指示を生成する。ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報と、自装置の装置識別情報とを含む出力指示を生成する。次のステップS08においは、生成された出力指示をデータ通信制御部117を介してプリントサーバー200に送信し、処理をステップS09に進める。
【0176】
ステップS09においては、取得要求をプリントサーバー200に送信する。取得要求は、ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報を含む。そして次のステップS10においては、プリントサーバー200からプリントデータを受信するまで待機状態となり、プリントデータを受信すると処理をステップS11に進める。ステップS11においては、受信されたプリントデータのプリントを開始し、次のステップS12においては、プリントが終了したか否かを判断する。プリントが終了したならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。
【0177】
ステップS17においては、割り込み指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが操作部115に予め設けられた割り込みキーを押下すると、割り込み指示を受け付ける。割り込み指示を受け付けたならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に戻す。ステップS18においては、取得要求を一時記憶し、処理をステップS16に進める。一時記憶する取得要求は、ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報のうち取得要求として未だ送信されていないプリントデータ識別情報を含む取得要求である。
【0178】
一方、ステップS13においては、取得要求の送信が完了したか否かを判断する。ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報のすべてが、取得要求として送信されたならば取得要求の送信が完了したと判断する。取得要求の送信が完了したならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に戻す。
【0179】
ステップS14においては、通常処理を実行し、処理をステップS15に進める。通常処理は、MFP100が有する機能を実行させる処理であり、例えば、複写機能、ファクシミリ送受信機能、HDD116に記憶された画像データの画像を形成するプリント機能等である。
【0180】
ステップS15においては、ログアウト指示を受け付けたか否かを判断する。操作部115に予め設けられたキーを押下する場合、ログアウト指示を受け付けたと判断する。ログアウト指示を受け付けたならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS14に戻す。ステップS16においては、ステップS03において認証したユーザーのユーザー識別情報を含むログアウト要求を、プリントサーバー200に送信し、処理を終了する。
【0181】
図15は、遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作処理は、携帯情報装置510が備えるCPU511がフラッシュメモリ513に記憶されたプルプリントプログラムを実行することにより、CPU511により実行される処理である。図15を参照して、CPU511は、認証情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS31)。表示部516に認証画面を表示し、携帯情報装置510を操作するユーザーが入力する認証情報を受け付ける。認証情報は、ユーザー識別情報とパスワードとを含む。認証情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS31でNO)、認証情報を受け付けたならば処理をステップS32に進める。
【0182】
ステップS32においては、ステップS31において受け付けられた認証情報をプリントサーバー200に送信する。そして、プリントサーバー200から返信される認証結果に基づいて、認証に成功したか否かを判断する(ステップS33)。認証結果が認証成功を示す場合、処理をステップS34に進め、認証結果が認証失敗を示す場合、処理をステップS31に戻す。
【0183】
ステップS34においては、スプール情報を受信したか否かを判断する。プリントサーバー200からスプール情報を受信したならば処理をステップS35に進め、受信しなければ処理をステップS39に進める。スプール情報は、プリントサーバー200において記憶されたプリントデータであって、ステップS31において受け付けられたユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータのプリントデータ識別情報を含む。ステップS35においては、スプール情報からプリントアウトの対象となるプリントデータを特定する。具体的には、スプール情報に含まれるプリントデータ識別情報の一覧を、表示部114に表示し、表示されたプリントデータ識別情報のうちから、ユーザーが操作部115に入力する操作により選択されるプリントデータ識別情報を特定する。
【0184】
次のステップS36においては、出力装置を特定する。具体的には、MFP100,100A,100Bそれぞれの装置識別情報の一覧を選択可能に表示する装置選択画面を生成し、装置選択画面を表示部516に表示する。そして、ユーザーが装置選択画面に表示された装置識別情報のうちから1つを出力装置として指定する操作を入力すると、ユーザーにより指定された装置識別情報を受け付ける。
【0185】
次のステップS37においては、出力指示を生成する。ステップS06において特定されたプリントデータ識別情報と、ステップS36において特定された出力装置の装置識別情報とを含む出力指示を生成する。次のステップS38においは、生成された出力指示を無線LANI/F518を介してプリントサーバー200に送信し、処理をステップS39に進める。
【0186】
ステップS39においては、ログアウト指示を受け付けたか否かを判断する。操作部517に予め設けられたキーを押下する場合、ログアウト指示を受け付けたと判断する。ログアウト指示を受け付けたならば処理をステップS40に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。ステップS40においては、ステップS33において認証したユーザーのユーザー識別情報を含むログアウト要求を、プリントサーバー200に送信し、処理を終了する。
【0187】
図16および図17は、プリントシステムで実行されるプリントデータの流れの一例を示す図である。図16および図17を参照して、それぞれが上から下方向に時間の流れを示す左、中および右の3本の縦方向の軸を示している。図17は、図16に続く後の時間の流れを示している。図16および図17それぞれにおいて、左の軸は、MFP100で実行される処理のタイミングを示し、中央の軸は、携帯情報装置510で実行される処理のタイミングを示し、右の軸は、プリントサーバー200で実行される処理のタイミングを示している。
【0188】
ここでは、ユーザーAとユーザーCとがMFP100を操作し、順にログインする一方、ユーザーBが携帯情報装置510を操作し、ログインする場合を示している。左の軸の左側にユーザーAの操作およびユーザーAの操作に基づくMFP100の処理を示し、左の軸の右側にユーザーCの操作およびユーザーCの操作に基づくMFP100の処理を示す。
【0189】
まず、ユーザーAがMFP100を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200からMFP100に送信される。ここで、「OK」の文字は、プリントサーバー200においてユーザーAの認証情報に基づく認証に成功したことを示している。
【0190】
次に、MFP100は、4つのプリントデータ識別情報を含む出力指示Aをプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は出力指示Aの受信確認「受付」をMFP100に返信する。プリントサーバー200においては、出力指示Aを第1出力指示に設定し、第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行する。
【0191】
次にMFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうちから選択された1つを含む取得要求A1をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A1に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA1は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0192】
次にMFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうち未送信の3つのプリントデータ識別情報のうちから選択された1つを含む取得要求A2をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A2に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA2は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0193】
期間TA2の間に、ユーザーBが携帯情報装置510を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200から携帯情報装置510に送信される。
【0194】
次に携帯情報装置510は、1つのプリントデータ識別情報を含む出力指示Bをプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、出力指示Bを受信するが、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行中であり、出力指示Aと出力指示Bとで、出力装置が同じで、指示装置が異なる。このため、プリントサーバー200は、出力指示Bを第2出力指示に設定し、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理の実行を待機させ、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を継続する。
【0195】
次にMFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうち未送信の2つのプリントデータ識別情報のうちから選択された1つを含む取得要求A3をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A3に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA3は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0196】
期間TA3の間に、ユーザーAが、ユーザーCからの依頼を受け、MFP100に割り込み指示を入力し、ログアウトすると、MFP100はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーAのログイン状態を解消し、ユーザーAのログイン期間が終了する。この段階において、MFP100は、期間TA3において実行している取得要求A3に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータの画像形成処理を継続する。
【0197】
期間TA3において、ユーザーCがMFP100を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200からMFP100に送信される。ここで、「OK」の文字は、プリントサーバー200においてユーザーCの認証情報に基づく認証に成功したことを示している。
【0198】
次に、MFP100は、1つのプリントデータ識別情報を含む出力指示Cをプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は出力指示Cの受信確認がMFP100に返信される。プリントサーバー200は出力指示Cを受信するが、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行中であり、出力指示Aと出力指示Cとで、出力装置および指示装置がともに同じである。このため、プリントサーバー200は、出力指示Bを第2出力指示に設定し、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理を中断し、第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理の実行を開始する。
【0199】
その後、MFP100は、出力指示Cに含まれる1つのプリントデータ識別情報を含む取得要求C1をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求C1に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TC1は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0200】
次にユーザーCが、MFP100からログアウトすると、MFP100はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーCのログイン状態を解消し、ユーザーCのログイン期間が終了する。この段階において、MFP100は、期間TC1において実行している取得要求C1に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータの画像形成処理を継続する。
【0201】
その後、ユーザーAがMFP100を操作してログインすると、認証情報がプリントサーバー200に送信され、認証結果がプリントサーバー200からMFP100に送信される。ここで、「OK」の文字は、プリントサーバー200においてユーザーCの認証情報に基づく認証に成功したことを示している。
【0202】
次に、MFP100は、出力指示Aに含まれる4つのプリントデータ識別情報のうち未送信の1つのプリントデータ識別情報を含む取得要求A4をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、取得要求A4に含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを返信するので、MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TA4は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。この段階で、プリントサーバー200のおいては、出力指示Aである第1出力指示に基づくプリントデータ送信処理の実行を完了する。プリントサーバー200は、ユーザーBがログイン期間中なので、待機していた第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理を開始するために、問い合わせ「開始?」を携帯情報装置510に送信する。問合せを受信する携帯情報装置510は、出力指示Bに基づくプリントデータの開始を要求する信号「要求」をプリントサーバー200に送信する。開始を要求する信号「要求」を受信するプリントサーバー200は、出力指示Bである第2出力指示に基づくプリントデータ送信処理を実行し、出力指示Bに含まれるプリントデータ識別情報のプリントデータを、出力指示Bに含まれる装置識別情報で特定される出力装置MFP100に、送信する。MFP100はプリントサーバー200から受信されるプリントデータの画像を形成する。TB1は、MFP100がプリント処理を実行している期間を示す。
【0203】
その後、ユーザーBが、携帯情報装置510からログアウトすると、携帯情報装置510はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーBのログイン状態を解消し、ユーザーBのログイン期間が終了する。さらに、ユーザーAが、MFP100からログアウトすると、MFP100はログアウト要求をプリントサーバー200に送信する。プリントサーバー200は、ログアウト要求を受信すると、ユーザーAのログイン状態を解消し、ユーザーAのログイン期間が終了する。
【0204】
以上説明したように、本実施の形態におけるプリントサーバー200は、ユーザーが認証され、直接出力指示または遠隔出力指示が受信されると、MFP100,100A,100Bのうち直接出力指示または遠隔出力指示それぞれに含まれる装置識別情報で特定される装置、例えばMFP100にプリントデータを送信する。ユーザーAがMFP100,100A,100Bのうち例えばMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第1の出力指示)と、ユーザーCがMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第2の出力指示)とは、同一のMFP100にプリントデータを送信する指示である。この場合、ユーザーCがMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第2の出力指示)が優先される。ユーザーAとユーザーCとは、同じMFP100をともに操作しているので、ユーザーAは、ユーザーCにMFP100を操作する権利を譲っている。このため、ユーザーAはMFP100がユーザーCのための処理として、プリントデータの画像を形成したとしても、不満はない。一方、ユーザーCは、MFP100がユーザーAのための処理としてプリントデータの画像が形成されるまで待つ必要がないので、待ち時間が短くなる。
【0205】
また、ユーザーAは、MFP100がユーザーCのための処理としてプリントデータの画像が形成された後の所定の期間内に認証されると、MFP100は、ユーザーAのため処理として中断していたプリントデータの画像形成が再開される。このため、ユーザーAは新たに出力指示を入力する必要がなく、操作を簡略にすることができる。
【0206】
また、ユーザーAがMFP100,100A,100Bのうち例えばMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第1の出力指示)はMFP100にプリントデータを送信する指示であり、ユーザーBが携帯情報装置510にログインする場合に受信される遠隔出力指示(第2の出力指示)がMFP100にプリントデータを送信する指示の場合、ユーザーAがMFP100にログインする場合に受信される直接出力指示(第1の出力指示)が優先される。ユーザーAが操作するMFP100と、ユーザーBが操作する携帯情報装置510とは、異なる。このため、ユーザーAは、ユーザーBが認証されたことを知らないので、MFP100がユーザーAのための処理として実行しているプリントデータの画像形成処理が中断されるのを防止することができる。
【0207】
また、MFP100がユーザーAのための処理として実行しているプリントデータの画像形成処理を終了した後に、ユーザーBがログインしていれば、MFP100にユーザーBのためのプリントデータが送信されるので、MFP100がユーザーBのための処理としてプリントデータの画像形成処理が直ちに開始される。このため、ユーザーBの待ち時間をできるだけ短くすることができる。
【0208】
また、ユーザーBがログアウトしている場合であっても、MFP100がユーザーAのための処理として実行しているプリントデータの画像形成処理を終了した後の所定の期間内に、ユーザーBが認証されると、MFP100にユーザーBのためのプリントデータが送信されるので、MFP100がユーザーBのための処理としてプリントデータの画像形成処理が直ちに開始される。このため、ユーザーBは新たに出力指示をするための操作をする必要がなく、操作を簡略にすることができる。
【0209】
なお、上述した実施の形態においては、プリントシステム1について説明したが、図9〜図13に示した処理をプリントサーバー200に実行させ、図14に示した処理をMFP100,100A、100Bに実行させ、図15に示した処理を携帯情報装置510に実行させるプリントデータ送信方法として発明を捉えることができるのは言うまでもない。さらに、図9〜図13に示した処理をプリントサーバー200のCPU201に実行させ、図14に示した処理をMFP100,100A、100BそれぞれのCPU111に実行させ、図15に示した処理を携帯情報装置510のCPU511に実行させるプリントデータ送信プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0210】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0211】
1 プリントシステム、3 ネットワーク、10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 後処理部、51 認証部、53 出力指示送信部、55 取得要求送信部、57 プリントデータ受信部、59 ジョブ管理部、61 画像形成制御部、63 割込受付部、65 ログアウト部、100,100A,100B MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 ROM、114 表示部、115 操作部、116 HDD、117 データ通信制御部、122 ファクシミリ部、123 通信制御部、200 プリントサーバー、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、208 バス、209 外部記憶装置、251 プリントデータ受信部、253 スプール部、255 サーバー側認証部、257 出力指示受信部、259 プリントデータ送信部、261 選択部、263 指示装置比較部、271 第1出力指示受信部、273 第2出力指示受信部、275 第1プリントデータ送信部、277 再開部、281 第2プリントデータ送信部、283 期間内開始部、285 期間外開始部、291 プルプリントデータ、300 認証サーバー、500 無線局、510 携帯情報装置、511 CPU、512 カメラ、513 フラッシュメモリ、514 無線通信部、515 通話部、516 表示部、517 操作部、518 無線LANI/F、531 認証部、533 スプール情報受信部、535 出力装置指定部、537 出力指示送信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するプリントデータ受信手段と、
前記受信されるプリントデータを、前記ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するスプール手段と、
指示装置から認証情報を受信し、認証する認証手段と、
前記認証手段による認証が成功してから開始するログイン期間に、前記認証された認証情報を送信してきた前記指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信手段と、
前記出力指示により指定された画像形成装置に前記記憶されたプリントデータのうち前記受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信手段と、を備え、
前記出力指示受信手段は、前記認証手段による第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に前記第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信手段と、
前記認証手段による第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、前記第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から前記第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信手段と、を含み、
前記プリントデータ送信手段は、前記第1の出力指示に基づいて、前記記憶されたプリントデータのうち前記第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、前記第2の出力指示が受信される場合、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、前記記憶されたプリントデータのうち前記第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択する選択手段を含む、プリントサーバー。
【請求項2】
前記選択手段は、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同じ場合、前記第2プリントデータを選択し、
前記プリントデータ送信手段は、前記選択手段により選択された前記第2プリントデータを前記第2の出力指示手段に基づいて送信する、請求項1に記載のプリントサーバー。
【請求項3】
前記プリントデータ送信手段は、前記第2プリントデータの送信が完了した時点から所定の期間内に、前記認証手段により前記第1の認証情報に基づく認証が成功する場合、前記第1の出力指示に基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信を再開する再開手段をさらに含む、請求項2に記載のプリントサーバー。
【請求項4】
前記選択手段は、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが異なる場合、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを選択し、
前記プリントデータ送信手段は、前記選択された前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを前記第1の出力指示に基づいて送信する、請求項1〜3のいずれかに記載のプリントサーバー。
【請求項5】
前記プリントデータ送信手段は、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した時点が前記第2のログイン期間内であれば、前記第2の出力指示に基づいて前記第2プリントデータを送信する期間内開始手段を含む、請求項4に記載のプリントサーバー。
【請求項6】
前記プリントデータ送信手段は、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した完了時点が前記第2のログイン期間内でなければ、前記完了時点から所定の期間内に、前記認証手段により第2の認証情報に基づく認証が成功することに応じて、前記第2の出力指示に基づいて前記第2プリントデータを送信する期間外開始手段を含む、請求項4または5に記載のプリントサーバー。
【請求項7】
プリントサーバーによって実行されるプリントデータ送信方法であって、
外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、
前記受信されるプリントデータを、前記ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、
指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、
前記認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、前記認証された認証情報を送信してきた前記指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、
前記出力指示により指定された画像形成装置に前記記憶されたプリントデータのうち前記受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、
前記出力指示受信ステップは、前記認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に前記第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、
前記認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、前記第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から前記第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、を含み、
前記プリントデータ送信ステップは、前記第1の出力指示に基づいて、前記記憶されたプリントデータのうち前記第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、前記第2の出力指示が受信される場合、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、前記記憶されたプリントデータのうち前記第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む、プリントデータ送信方法。
【請求項8】
外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、
前記受信されるプリントデータを、前記ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、
指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、
前記認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、前記認証された認証情報を送信してきた前記指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、
前記出力指示により指定された画像形成装置に前記記憶されたプリントデータのうち前記受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、
前記出力指示受信ステップは、前記認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に前記第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、
前記認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、前記第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から前記第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記プリントデータ送信ステップは、前記第1の出力指示に基づいて、前記記憶されたプリントデータのうち前記第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、前記第2の出力指示が受信される場合、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、前記記憶されたプリントデータのうち前記第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む、プリントデータ送信プログラム。
【請求項1】
外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するプリントデータ受信手段と、
前記受信されるプリントデータを、前記ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するスプール手段と、
指示装置から認証情報を受信し、認証する認証手段と、
前記認証手段による認証が成功してから開始するログイン期間に、前記認証された認証情報を送信してきた前記指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信手段と、
前記出力指示により指定された画像形成装置に前記記憶されたプリントデータのうち前記受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信手段と、を備え、
前記出力指示受信手段は、前記認証手段による第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に前記第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信手段と、
前記認証手段による第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、前記第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から前記第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信手段と、を含み、
前記プリントデータ送信手段は、前記第1の出力指示に基づいて、前記記憶されたプリントデータのうち前記第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、前記第2の出力指示が受信される場合、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、前記記憶されたプリントデータのうち前記第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択する選択手段を含む、プリントサーバー。
【請求項2】
前記選択手段は、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同じ場合、前記第2プリントデータを選択し、
前記プリントデータ送信手段は、前記選択手段により選択された前記第2プリントデータを前記第2の出力指示手段に基づいて送信する、請求項1に記載のプリントサーバー。
【請求項3】
前記プリントデータ送信手段は、前記第2プリントデータの送信が完了した時点から所定の期間内に、前記認証手段により前記第1の認証情報に基づく認証が成功する場合、前記第1の出力指示に基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信を再開する再開手段をさらに含む、請求項2に記載のプリントサーバー。
【請求項4】
前記選択手段は、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが異なる場合、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを選択し、
前記プリントデータ送信手段は、前記選択された前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータを前記第1の出力指示に基づいて送信する、請求項1〜3のいずれかに記載のプリントサーバー。
【請求項5】
前記プリントデータ送信手段は、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した時点が前記第2のログイン期間内であれば、前記第2の出力指示に基づいて前記第2プリントデータを送信する期間内開始手段を含む、請求項4に記載のプリントサーバー。
【請求項6】
前記プリントデータ送信手段は、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータの送信が完了した完了時点が前記第2のログイン期間内でなければ、前記完了時点から所定の期間内に、前記認証手段により第2の認証情報に基づく認証が成功することに応じて、前記第2の出力指示に基づいて前記第2プリントデータを送信する期間外開始手段を含む、請求項4または5に記載のプリントサーバー。
【請求項7】
プリントサーバーによって実行されるプリントデータ送信方法であって、
外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、
前記受信されるプリントデータを、前記ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、
指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、
前記認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、前記認証された認証情報を送信してきた前記指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、
前記出力指示により指定された画像形成装置に前記記憶されたプリントデータのうち前記受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、
前記出力指示受信ステップは、前記認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に前記第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、
前記認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、前記第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から前記第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、を含み、
前記プリントデータ送信ステップは、前記第1の出力指示に基づいて、前記記憶されたプリントデータのうち前記第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、前記第2の出力指示が受信される場合、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、前記記憶されたプリントデータのうち前記第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む、プリントデータ送信方法。
【請求項8】
外部からプリントデータとユーザー識別情報とを受信するステップと、
前記受信されるプリントデータを、前記ユーザー識別情報と関連付けて一時記憶するステップと、
指示装置から認証情報を受信し、認証するステップと、
前記認証するステップにおいて認証が成功してから開始するログイン期間に、前記認証された認証情報を送信してきた前記指示装置から出力先の画像形成装置を指定した出力指示を受信する出力指示受信ステップと、
前記出力指示により指定された画像形成装置に前記記憶されたプリントデータのうち前記受信された認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられたプリントデータを送信するプリントデータ送信ステップと、を含み、
前記出力指示受信ステップは、前記認証するステップにおける第1の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第1のログイン期間に前記第1認証情報を送信してきた第1の指示装置から出力先の画像形成装置を指定した第1の出力指示を受信する第1出力指示受信ステップと、
前記認証するステップにおいて第2の認証情報に基づく認証が成功してから開始する第2のログイン期間に、前記第2認証情報を送信してきた第2の出力指示から前記第1の出力指示が指定する画像形成装置と同一の画像形成装置を指定した第2の出力指示を受信する第2出力指示受信ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記プリントデータ送信ステップは、前記第1の出力指示に基づいて、前記記憶されたプリントデータのうち前記第1の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた複数の第1プリントデータを順に送信している期間に、前記第2の出力指示が受信される場合、前記第1の指示装置と前記第2の指示装置とが同一か否かに基づいて、前記複数の第1プリントデータのうち未送信のプリントデータと、前記記憶されたプリントデータのうち前記第2の認証情報に含まれるユーザー識別情報と関連付けられた第2プリントデータと、のいずれか一方を選択するステップを含む、プリントデータ送信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−41554(P2013−41554A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180001(P2011−180001)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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