プリントシステム、画像形成装置および印刷方法
【課題】直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を早期に且つ容易に得ることが可能な認証印刷技術を提供する。
【解決手段】プリントシステムは、各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、特定のユーザからの複数の認証印刷ジョブJB1,JB2,JB3のうち、最新ジョブJB3を含む少なくとも1つのジョブ(JB2,JB3)を「優先印刷ジョブ」として決定する決定手段と、当該優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段とを備える。決定手段は、複数の認証印刷ジョブJB1,JB2,JB3の中に、連続性判定用の基準時間(たとえば5分)よりも小さな時間間隔で最新ジョブJB3に至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含むジョブJB2,JB3を「優先印刷ジョブ」として決定する。
【解決手段】プリントシステムは、各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、特定のユーザからの複数の認証印刷ジョブJB1,JB2,JB3のうち、最新ジョブJB3を含む少なくとも1つのジョブ(JB2,JB3)を「優先印刷ジョブ」として決定する決定手段と、当該優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段とを備える。決定手段は、複数の認証印刷ジョブJB1,JB2,JB3の中に、連続性判定用の基準時間(たとえば5分)よりも小さな時間間隔で最新ジョブJB3に至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含むジョブJB2,JB3を「優先印刷ジョブ」として決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントシステムおよびそれに関連する技術に関し、特に認証印刷技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリントシステムにおいては、次のような認証印刷技術が存在する。具体的には、まず、プリントシステムのユーザがクライアントコンピュータにおいて認証印刷指示を付与して、プリントサーバ等のジョブ記憶部に印刷ジョブ(プリントジョブ)を認証情報とともにスプール(蓄積)する。その後、当該ユーザは、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))において認証情報を入力して、蓄積された印刷データを当該MFPにより印刷出力させる。
【0003】
このような認証印刷においては、クライアントコンピュータで認証印刷指示を実行しても、MFP側で印刷出力操作が実行されるまでは、印刷ジョブは印刷出力されずに記憶部に格納されたまま維持される。
【0004】
ところで、このようなシステムにおいては、或るユーザは、種々の理由(たとえば、印刷出力操作を失念していたなど)によって、各認証印刷ジョブの指示直後に各認証印刷ジョブの印刷出力操作を行わないこともある。そのような場合には、複数の認証印刷ジョブがスプールされていることもある。
【0005】
そのような状況で、新たな認証印刷ジョブに関する認証印刷指示を行う場合において、MFPにおいて印刷出力操作を行うと、MFPは、通常、スプールされていた複数の認証印刷ジョブを含めて古い認証印刷ジョブから順に印刷出力する。そのため、最も新しい認証印刷ジョブが印刷出力されるまでに時間を要することがある。
【0006】
複数の新たな認証印刷ジョブに関する印刷指示を連続的に行う場合においても同様である。
【0007】
これに対して、特許文献1においては、スプールされた認証印刷ジョブの一覧を表示し、当該一覧から選択されたジョブを印刷出力する技術が記載されている(特許文献1の図6等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−303008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、ユーザは、スプールされた認証印刷ジョブの一覧から所望の認証印刷ジョブを選択する選択操作等を求められるため、ユーザの操作負担が増大する。
【0010】
そこで、この発明の課題は、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を早期に且つ容易に得ることが可能な認証印刷技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、プリントシステムであって、ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、ユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、を備え、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るプリントシステムにおいて、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するとともに、その1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係るプリントシステムにおいて、前記決定手段は、前記前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには、前記前順位ジョブを非優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1の発明に係るプリントシステムにおいて、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定する第1の動作と、判定対象ジョブを指定する第2の動作と、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定する第3の動作と、を実行し、前記第2の動作においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを最初に前記判定対象ジョブとして指定し、前記第3の動作において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを新たな前記判定対象ジョブとして更新指定した後に、再び前記第3の動作を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係るプリントシステムにおいて、前記印刷制御手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち前記非優先印刷ジョブを印刷出力するか否かを選択する選択指示を受け付けることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、画像形成装置であって、ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、ユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、を備え、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、印刷方法であって、a)ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付けるステップと、b)前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶するステップと、c)ユーザ認証を行うステップと、d)前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定し、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力するステップと、を備え、前記ステップd)においては、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、請求項7の発明に係る印刷方法において、前記ステップd)は、d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、d−2)前記最新ジョブの受付時刻とその1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻との時間差を算出するステップと、d−3)前記時間差が基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、請求項7の発明に係る印刷方法において、前記ステップd)は、d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、d−2)判定対象ジョブを指定するステップと、d−3)前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定するステップと、を有し、前記ステップd−2)においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが最初に前記判定対象ジョブとして指定され、前記ステップd−3)において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが新たな前記判定対象ジョブとして更新指定された後に、再び前記ステップd−3)が実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1ないし請求項9に記載の発明によれば、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を早期に且つ容易に得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係るプリントシステムを示す概略図である。
【図2】MFPの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】連続性判定用の基準時間等を設定する設定画面を示す図である。
【図4】基準時間等に関する設定データテーブルを示す図である。
【図5】認証印刷ジョブ受付時のMFPの動作等を示すフローチャートである。
【図6】或る動作例に係るタイミングチャートである。
【図7】或る時点におけるデータテーブルを示す図である。
【図8】別の時点におけるデータテーブルを示す図である。
【図9】さらに別の時点におけるデータテーブルを示す図である。
【図10】認証印刷ジョブの出力動作等を示すフローチャートである。
【図11】図10の一部(ステップS30)の動作を示すフローチャートである。
【図12】「古いジョブ」に関する選択画面を示す図である。
【図13】データテーブルの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<1.概要>
図1は、この実施形態に係るプリントシステム1(1A)を示す概略図である。この実施形態においては、プリントシステムとして、認証印刷を行うことが可能な認証プリントシステムを例示する。
【0024】
図1に示すように、プリントシステム1Aは、画像形成装置10と複数のコンピュータ70(70a,70b,...)とを備える。ここでは、画像形成装置(印刷装置)として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))が例示される。
【0025】
MFP10と複数のコンピュータ70とは、ネットワークNWを介して互いに接続されており、ネットワーク通信を実行することが可能である。なお、ネットワークNWは、LAN、WAN、インターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWへの接続形態は、有線接続であってもよく或いは無線接続であってもよい。
【0026】
プリントシステム1Aは、次のような「認証印刷」が可能なプリントシステムである。具体的には、このプリントシステム1Aのユーザは、コンピュータ70において認証印刷操作を実行して、MFP10に印刷ジョブ(プリントジョブ)を認証情報ともにスプール(蓄積)する。その後、当該ユーザは、MFP10による認証動作を経て、MFP10に蓄積された印刷データを当該MFP10により印刷出力させる。
【0027】
また、このプリントシステム1Aにおいては、特定のユーザによりスプールされた複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブ(最新ジョブ)を含む少なくとも1つのジョブが優先印刷ジョブとして決定され、優先的に印刷出力される。より詳細には、当該複数の認証印刷ジョブの中に、基準時間TS(後述)よりも小さな時間間隔で最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブ(「連続ジョブ」)が存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む複数のジョブが優先印刷ジョブとして決定される。このように、最新の単一の認証印刷ジョブのみ、あるいは直近にて連続的に印刷指示された認証印刷ジョブ(最新の認証印刷ジョブを含む)が「優先印刷ジョブ」として決定され得る。
【0028】
<2.コンピュータ70の構成>
コンピュータ70は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムとして構成される。
【0029】
コンピュータ70には所定のOS(オペレーティングシステム)がインストールされており、複数のソフトウエアプログラムを当該OS上で実行することが可能である。これらの複数のソフトウエアプログラムの中には、比較的上位階層のアプリケーションソフトウエア(たとえば、ワードプロセッサ)などが含まれる。
【0030】
そして、当該アプリケーションソフトウエア(たとえば、ワードプロセッサ)などにおいて、プリンタドライバが呼び出され、ユーザによる印刷操作が実行される。これにより、認証印刷等が実行され得る。
【0031】
<3.MFPの構成>
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0032】
図2の機能ブロック図に示すように、このMFP10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10は、印刷出力装置などとも表現される。
【0033】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0034】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0035】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。また、MFP10は、この通信部4を用いて、電子メールの送受信を行うことも可能である。
【0036】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。格納部5は、印刷ジョブ(認証印刷ジョブ等)を記憶するジョブ記憶部5bを有している。ジョブ記憶部5bにおいては、各認証印刷ジョブがそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶される(図9等参照)。なお、上述したように、認証印刷ジョブは、コンピュータ70からの受付時点で直ちに出力されるのではなく、その後、MFP10に対するユーザの認証動作(ログイン動作等)を経て、当該MFP10により印刷出力される。
【0037】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP10には操作パネル6c(図1参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)6cは、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。
【0038】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG1を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0039】
図2に示すように、コントローラ9は、入力制御部11と表示制御部12と印刷ジョブ受信部15と認証処理部16と優先ジョブ決定部17と印刷出力制御部18とを含む各種の処理部を実現する。
【0040】
入力制御部11は、操作入力部6a等と協働して、MFP10に対する入力を受け付ける処理部である。
【0041】
表示制御部12は、表示部6b等における表示出力動作等を制御する処理部である。
【0042】
印刷ジョブ受信部15は、ネットワークを介して各コンピュータ70からの各プリントジョブ(認証印刷ジョブ等)、詳細には、プリントジョブデータ(認証印刷ジョブデータ等)を受け付ける処理部(受付処理部)である。
【0043】
認証処理部16は、MFP10におけるユーザ認証処理等を実行する処理部である。
【0044】
優先ジョブ決定部17は、ユーザごとの複数の認証印刷ジョブの中から「優先印刷ジョブ」を決定する処理部である。「優先印刷ジョブ」は、当該複数の認証印刷ジョブのうち、優先印刷ジョブ以外のジョブ(「非優先印刷ジョブ」)よりも優先的に印刷出力される。優先ジョブ決定部17は、特定のユーザからの複数の認証印刷ジョブのうち、最新ジョブ(最も新しい受付時刻を有するジョブ)を含む1又は複数のジョブ(少なくとも1つのジョブ)を優先印刷ジョブとして決定する。特に、優先ジョブ決定部17は、当該複数の認証印刷ジョブの中に、基準時間TSよりも小さな時間間隔で最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブ(「連続ジョブ」)が存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む複数のジョブを「優先印刷ジョブ」として決定する。これにより、最新の認証印刷ジョブのみ、あるいは直近にて連続的に印刷指示されたジョブ(最新の認証印刷ジョブを含む)が「優先印刷ジョブ」として決定され得る。また、基準時間TSは、認証印刷ジョブに関する連続性を判定するための閾値(連続性判定用の値)であるとも表現される。
【0045】
印刷出力制御部18は、優先ジョブ決定部17等と協働して、印刷出力処理(認証印刷処理等)を制御する処理部である。印刷出力制御部18は、認証処理部16によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブのうち、優先ジョブ決定部17によって決定された優先印刷ジョブを、その他のジョブよりも優先的に印刷出力する。
【0046】
ここでは、連続性判定用の基準時間TSは、ユーザごとに設定される。具体的には、MFP10に表示された画面GA1(図3)の時間指定欄R1に所望の時間を入力すること等によって、基準時間TSが決定される。図3においては、「5分」が基準時間TSとして指定されている。このままOKボタンBN1が押下されることによって、「5分」が基準時間TSとして決定(設定)される。そして、決定された内容は、基準時間TS等に関する設定データテーブルDT1において記憶される。図4においては、ユーザUAの基準時間TSとして「5分」が設定されている様子が示されている。図4においては、さらに、ユーザUBの基準時間TSとして「3分」が設定されており且つユーザUCの基準時間TSとして「10分」が設定されている様子が示されている。
【0047】
図3の設定画面GA1においては、古いジョブの出力に関する所定のフラグFLの設定も行われる。この実施形態においては、複数の認証印刷ジョブのうち、比較的新しい優先印刷ジョブが優先的に出力され、その後に古いジョブも印刷出力することが可能である。当該所定フラグFLは、古いジョブを優先印刷ジョブに引き続いて印刷するか否か(より詳細には、古いジョブの印刷の有無を問い合わせる選択画面GA2(図12参照)を優先印刷ジョブの実行直後に表示させるか否か)を指定するフラグFLである。図3のチェック欄R2におけるチェック印の有無が当該フラグFLの値「1」(選択画面GA2を表示させる)、「0」(選択画面GA2を表示させない)にそれぞれ対応する。また、このフラグFLもユーザごとに設定される(図4参照)。図4では、ユーザUA,UCに対しては「1」が設定されており、ユーザUBに対しては「0」が設定されている。
【0048】
なお、ここでは、設定画面GA1がMFP10に表示される場合が例示されているが、これに限定されず、プリンタドライバを介して、コンピュータ70の表示部に表示されるようにしてもよい。また、当該画面GA1による指示内容は、プリンタドライバを介して、コンピュータ70からMFP10へと送信されるようにしてもよい。
【0049】
<4.認証印刷ジョブの受付動作等>
<4−1.詳細動作>
つぎに、認証印刷ジョブの受付動作等について図5等を参照しながら説明する。図5は、認証印刷ジョブ受付時のMFP10の動作(ステップS10)等を示すフローチャートである。なお、図5の動作に先立って、上述の設定画面GA1等を用いた設定動作(基準時間TS等に関する設定動作)が予め行われているものとする(図6参照)。
【0050】
この実施形態においては、図5に示すように、認証印刷ジョブ受付時において連続ジョブフラグFGの設定動作(換言すれば、「優先印刷ジョブ」決定の準備動作)が行われる。後述するように、MFP10における印刷出力操作時(図10のステップS20参照)においては、その連続ジョブフラグFGとして「1」が付された認証印刷ジョブは、「優先印刷ジョブ」であると判定される。連続ジョブフラグFGは、優先印刷ジョブ判定用フラグ等とも表現される。
【0051】
まず、特定のユーザ(例えばユーザUA)は、コンピュータ70(70a)を用いて認証印刷指示を実行する。この認証印刷指示に応答して、コンピュータ70にて生成された認証印刷出力用データ(プリントジョブデータあるいは単にプリントジョブとも称する)が、コンピュータ70からMFP10へと送信される。
【0052】
ステップS11において、MFP10は、受信したプリントジョブをジョブ記憶部5bにスプール(記憶)する。また、ジョブ記憶部5b内のデータテーブルTB(図7〜図9等参照)において、当該プリントジョブ(印刷ジョブとも称する)に関するデータが、そのジョブ番号、そのユーザID、その受信時刻等とともに記憶される。
【0053】
ステップS12において、MFP10は、受信したプリントジョブ(受信ジョブとも称する)の2つの項目(「差分値」および「連続ジョブフラグ」)に初期値をそれぞれ設定する。具体的には、MFP10は、「差分値」に初期値「0」を設定し、「連続ジョブフラグ」に初期値「1」を設定する。
【0054】
次のステップS13においては、MFP10は、受信ジョブの受信時刻と、同一認証ユーザによる直前の印刷ジョブ(直前ジョブ)の受信時刻との差分値DFを算出して、当該算出値DFを直前ジョブデータの「差分値」に記憶する。
【0055】
そして、ステップS14では、MFP10は、値DFと当該認証ユーザの基準時間TS(図4)との比較結果に応じて、直前ジョブの「連続ジョブフラグ」の値を設定する。具体的には、値DFが基準時間TSよりも大きいときには、直前ジョブの「連続ジョブフラグ」の値が「0」に変更される。一方、値DFが基準時間TS以下であるときには、直前ジョブの「連続ジョブフラグ」の値が引き続き「1」に維持される。
【0056】
このような動作が、各認証印刷ジョブの受信時において実行される。
【0057】
<4−2.動作例>
以下では、図6のような状況を想定して、図5の動作についてさらに詳細に説明する。図6では、簡単化のため、或るユーザUAによる3つのプリントジョブ(認証印刷ジョブ)が順次に蓄積される状況を想定する。具体的には、「No.1」のプリントジョブJB1が受付時刻「11:00」に受信され、「No.2」のプリントジョブJB2が受付時刻「12:00」に受信され、「No.3」のプリントジョブJB3が受付時刻「12:02」に受信される。
【0058】
<プリントジョブJB1の受信時>
「No.1」のプリントジョブJB1が受付時刻「11:00」に受信されると、ステップS10において次のような動作が実行される。
【0059】
まず、ステップS11において、受信ジョブであるプリントジョブJB1がジョブ記憶部5bに記憶される。また、プリントジョブJB1の番号「1」と、プリントジョブJB1の要求元ユーザ「UA」(詳細にはそのユーザID等)と、プリントジョブJB1の受信時刻「11:00」とが、プリントジョブJB1に関連付けて記憶される(図7参照)。
【0060】
また、ステップS12において、MFP10は、受信ジョブJB1の「差分値」に「0」を設定し、受信ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」に「1」を設定(初期設定)する。これにより、たとえば、ジョブ記憶部5bにおいて、図7のようなデータテーブルTBが作成される。
【0061】
プリントジョブJB1に関しては、受信ジョブJB1の直前のジョブが存在しないので、ステップS13〜S15の処理は行われることなく、ステップS13の終了後、そのままステップS10の処理は一旦終了する。
【0062】
<プリントジョブJB2の受信時>
次に、「No.2」のプリントジョブJB2が受付時刻「12:00」に受信されると、ステップS10において次のような動作が実行される。
【0063】
まず、ステップS11において、受信ジョブであるプリントジョブJB2がジョブ記憶部5bに記憶される。また、プリントジョブJB2の番号「2」と、プリントジョブJB2の要求元ユーザ「UA」(詳細にはそのユーザID等)と、プリントジョブJB2の受信時刻「12:00」とが、プリントジョブJB2に関連付けて記憶される(図8参照)。
【0064】
また、ステップS12において、MFP10は、受信ジョブJB2の「差分値」に「0」を設定し、受信ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」に「1」を設定(初期設定)する。これにより、たとえば、図8に示すように、データテーブルTBにおいて、「No.2」のプリントジョブJB2に関するデータが追加される。
【0065】
さらに、ステップS13においては、受信ジョブJB2の受信時刻(「12:00」)と、同一認証ユーザによる直前の印刷ジョブ(直前ジョブ)JB1の受信時刻(「11:00」)との差分値DFを算出して、当該算出値DF(=60分)を直前ジョブJB1の「差分値」に記憶する。
【0066】
また、ステップS14では、値DF(=60分)と当該認証ユーザの基準時間TS(=5分)との比較結果に応じて、直前ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」の値が設定される。具体的には、値DFが基準時間TSよりも大きいと判定され、ステップS15において直前ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」の値が「0」に変更される。
【0067】
後述するように、ステップS20(図10)においては、「連続ジョブフラグ」が「1」であるプリントジョブが、「優先印刷ジョブ」として決定される。図8の状態でステップS30が実行される場合には、複数のプリントジョブJB1,JB2のうち、最も新しいプリントジョブ(最新の受付時刻に対応するプリントジョブ)JB2のみが「優先印刷ジョブ」として決定される。ここにおいて、プリントジョブJB2は、直前のプリントジョブJB1の受付時刻から基準時間よりも大きな時間が経過した後に受け付けられている。これに基づいて、プリントジョブJB2の直前のプリントジョブJB1に関しては、「連続ジョブフラグ」に「0」が設定されている。換言すれば、プリントジョブJB1は、直後のプリントジョブJB2の受付時刻よりも相当時間前に受け付けられていることに基づいて、「連続ジョブフラグ」に「0」が設定されている。なお、ステップS20(図10)においては、「連続ジョブフラグ」に「0」が設定されているプリントジョブ(認証印刷ジョブ)は、「優先印刷ジョブ」ではないジョブ(「非優先印刷ジョブ」)として判定される。
【0068】
<プリントジョブJB3の受信時>
次に、「No.3」のプリントジョブJB3が受付時刻「12:02」に受信されると、ステップS10において次のような動作が実行される。
【0069】
まず、ステップS11において、受信ジョブであるプリントジョブJB3がジョブ記憶部5bに記憶される。また、プリントジョブJB3の番号「3」と、プリントジョブJB3の要求元ユーザ「UA」(詳細にはそのユーザID等)と、プリントジョブJB3の受信時刻「12:02」とが、プリントジョブJB3に関連付けて記憶される(図9参照)。
【0070】
また、ステップS12において、MFP10は、受信ジョブJB3の「差分値」に「0」を設定し、受信ジョブJB3の「連続ジョブフラグ」に「1」を設定(初期設定)する。これにより、たとえば、図9に示すように、データテーブルTBにおいて、「No.3」のプリントジョブJB3に関するデータが追加される。
【0071】
さらに、ステップS13においては、受信ジョブJB3の受信時刻(「12:02」)と、同一認証ユーザによる直前の印刷ジョブ(直前ジョブ)JB2の受信時刻(「12:00」)との差分値DFを算出して、当該算出値DF(=2分)を直前ジョブJB2の「差分値」に記憶する。
【0072】
また、ステップS14では、値DF(=2分)と当該認証ユーザの基準時間TS(=5分)との比較結果に応じて、直前ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」の値が設定される。具体的には、値DFが基準時間TS以下であると判定され、直前ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」の値は「1」のまま維持される。
【0073】
図9の状態でステップS30が実行される場合には、複数のプリントジョブJB1,JB2、JB3のうち、最も新しいプリントジョブ(最新の受付時刻に対応するプリントジョブ)JB3が「優先印刷ジョブ」として決定される。また、その次(最新のジョブJB3の次)に新しいジョブである前順位ジョブJB2の受付時刻と最新のジョブJB3の受付時刻との時間差DFが基準時間TS以下であると判定され、前順位ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される。なお、前順位ジョブJB2は、ジョブJB3の1つ前のジョブである、とも表現される。
【0074】
ここにおいて、プリントジョブJB3は、直前のプリントジョブJB2の受付時点から、基準時間TSよりも大きな時間が経過する前に(換言すれば、直前のプリントジョブJB2の受付時点の短時間の後に)受け付けられている。これに基づいて、プリントジョブJB3の直前のプリントジョブJB2に関しては、「連続ジョブフラグ」に「1」が設定されている。換言すれば、プリントジョブJB2は、直後のプリントジョブJB3の受付時刻の直後に(いわば「連続的に」)受け付けられていることに基づいて、「連続ジョブフラグ」に「1」が設定されている。
【0075】
以上のようなステップS10の処理(ジョブ受信時における「連続ジョブフラグ」の決定処理等)は、特定の認証ユーザによって蓄積された複数の認証印刷ジョブのうち「優先印刷ジョブ」をステップS20で決定するための準備処理であるとも表現される。その「連続ジョブフラグ」に「1」が設定された認証印刷ジョブは、後述するステップS20において、「優先印刷ジョブ」として決定される。
【0076】
<5.認証印刷ジョブの出力動作等>
<5−1.動作概要>
認証印刷においては、各ユーザがMFP10を用いて認証印刷出力操作(プルプリント操作)を行うまでは、印刷出力はなされない。
【0077】
たとえば、図6に示すように、プリントジョブJB1,JB2,JB3の複数回(3回)の認証印刷指示動作(図5)の後、或るタイミングで、ユーザUAは、MFP10の載置場所へと移動し、MFP10を用いてプルプリント操作(認証印刷出力操作)を実行する。
【0078】
以下では、図10および図11を参照しながら、認証印刷ジョブの出力動作等について説明する。図10は、認証印刷ジョブの出力動作等を示すフローチャートであり、図11は、図10の一部の動作を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS21において、ユーザUAは認証操作等を行い、認証印刷出力操作を開始する。詳細には、ユーザUAは、MFP10の操作パネル6cを用いて、認証印刷出力メニューを選択するとともに、認証情報Da2(認証IDおよびパスワード)を入力して認証操作を実行する。
【0080】
MFP10(認証処理部16)は、入力された認証情報Da2(認証IDおよびパスワード)と正規の認証情報Da1(認証IDおよびパスワード)とを照合して、認証処理を実行する。MFP10には、正規の認証情報Da1(認証IDおよびパスワード)が予め格納されている。入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致すると判定されるときには、認証が成功し、次のステップS22に進む。なお、入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致しないと判定されるときには、再度、認証情報Da2の入力が要求される。
【0081】
ステップS22では、初期化処理が実行される。具体的には、値nを蓄積ジョブ数Nxに設定する処理等が実行される。たとえば、10個(=Nx)のジョブがジョブ記憶部5bに記憶されている場合には、値nは、「10」(=蓄積ジョブ数Nx)に初期設定される。
【0082】
ステップS23では、第nの認証印刷ジョブが「対象ジョブ」(判定対象ジョブ)として設定される。なお、最初は、n=Nx、であり、データテーブルTB内で最も新しい受付ジョブが、「対象ジョブ」として設定される。
【0083】
また、ステップS24では、第nの認証印刷ジョブの要求元ユーザが認証ユーザ(ステップS21で認証されたユーザ(例えばユーザUA))と同一であるか否かが判定される第nの認証印刷ジョブの要求元ユーザが認証ユーザと同一である場合には、ステップS25に進む。一方、第nの認証印刷ジョブの要求元ユーザが認証ユーザとは異なる場合には、ステップS27に進む。
【0084】
ステップS25では、第nの認証印刷ジョブの「連続ジョブフラグ」(FG)が「1」であるか否かが判定される。
【0085】
第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)の連続ジョブフラグFGが「0」であると判定されるときには、対象ジョブは優先印刷ジョブではないことが判定され、ステップS25からステップS30に進む。ステップS30については後に説明する。
【0086】
一方、第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)の連続ジョブフラグFGが「1」であると判定されるときには、当該対象ジョブは「優先印刷ジョブ」であると判定(最終的に決定)され、ステップS26に進む。
【0087】
ステップS26では、第nの認証印刷ジョブが印刷出力されるとともに、当該印刷出力が完了すると、当該第nの認証印刷ジョブがデータテーブルTBから削除される。
【0088】
そして、ステップS27において、値nが1デクリメントされる。そして、ステップS28で、値nが「0」になっていないこと、換言すれば、処理対象にされていないデータが未だ残存していることが確認されると、再びステップS23に戻り、値nが再設定される。これにより、たとえば、値nは、元の「10」から、「1」低減された値「9」へと変更される。すなわち、「No.10」の認証印刷ジョブの次に新しい認証印刷ジョブ(「No.9」の認証印刷ジョブ)が「対象ジョブ」に設定される。
【0089】
以降、同様の動作が繰り返し実行される。これにより、順次に更新される各対象ジョブの「連続ジョブフラグ」が「1」であるときには、当該各対象ジョブが順次に印刷出力される。特定のユーザ(認証ユーザ)による複数の認証印刷ジョブのうち、少なくとも1つのジョブが優先印刷ジョブとして印刷出力される(ステップS24〜S28)。
【0090】
<5−2.ステップS30>
上述したように、ステップS25において、対象ジョブの「連続ジョブフラグ」が「0」であると判定されると、ステップS30に進む。
【0091】
図11は、ステップS30の詳細動作を示すフローチャートである。
【0092】
まず、ステップS31において、認証ユーザの「古いジョブに関する設定フラグ」FL(図4参照)が「1」であるか否かが判定される。当該フラグFLが「1」である場合には、ステップS32に進み、当該フラグFLが「0」である場合には、ステップS35に進む。ステップS35については後に説明する。
【0093】
ステップS32では、認証ユーザに関する「非優先印刷ジョブ」(端的に言えば、「古いジョブ」)を印刷出力するか否かを選択する選択画面GA2が表示される。当該選択画面GA2を用いることにより、「非優先印刷ジョブ」の印刷出力の是非に関する選択指示が受け付けられる。なお、選択画面GA2は、印刷出力制御部18および表示制御部12等による制御下において表示される。
【0094】
たとえば、図12に示すような画面GA2がMFP10の操作パネル6c(図1)に表示される。図12の画面GA2においては、「引き続いて古いジョブを印刷しますか?」の文字とともに、認証ユーザに関する「非優先印刷ジョブ(古いジョブ)」(たとえばジョブJB1)の印刷ジョブ名「××会議資料.doc」もが表示されている。ユーザは、優先印刷ジョブではないジョブ(非優先印刷ジョブ)を印刷するか否かをボタンBN3,BN4を用いてMFP10に指示する。なお、ここでは、認証ユーザに関する単一の非優先印刷ジョブのジョブ名が表示されているが、認証ユーザに関して複数の非優先印刷ジョブ(古いジョブ)が存在する場合には、全ての非優先印刷ジョブが抽出され当該全ての非優先印刷ジョブのジョブ名が列挙されることが好ましい。
【0095】
「はい」ボタンBN3が押下されると、古いジョブ(たとえばジョブJB1)も印刷すべき旨の印刷指示がMFP10に付与される。そして、ステップS33で当該古いジョブに対する印刷出力が選択されたことが判定され、ステップS34に進む。ステップS34では、認証ユーザに関する全ての古いジョブが印刷出力されるとともに、データテーブルTBから当該古いジョブが削除される。
【0096】
「いいえ」ボタンBN4が押下されると、古いジョブ(たとえばジョブJB1)を印刷すべき旨の印刷指示はMFP10に付与されない。そして、ステップS33で当該古いジョブに対する印刷出力が選択されなったことが判定され、ステップS35に進む。
【0097】
ステップS35では、対象ジョブ(第nの認証印刷ジョブ)の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更される。これにより、次回の認証印刷出力操作時においては当該対象ジョブが「優先印刷ジョブ」として扱われる。たとえば、今回の認証印刷出力操作時における優先印刷ジョブJB2,JB3の印刷出力後においては、当該優先印刷ジョブJB2,JB3が削除され、この第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)JB1は、その受付時刻が最も新しいジョブである。そして、次回の認証印刷出力操作時においては、この第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)JB1が、最も新しいジョブであり「優先印刷ジョブ」として扱われる。
【0098】
<5−3.動作例等>
上述のように、図10に示す動作においては、順次に更新される各対象ジョブの「連続ジョブフラグ」が「1」であるときには、当該各対象ジョブが順次に印刷出力される。詳細には、特定のユーザ(認証ユーザ)による複数の認証印刷ジョブのうち、少なくとも1つのジョブが優先印刷ジョブとして決定され印刷出力される(ステップS24〜S28)。
【0099】
より詳細には、特定のユーザに関する複数の認証印刷ジョブ(第1のジョブ〜第mのジョブ)のうち最も新しいジョブである第mのジョブ(最新ジョブ)を「優先印刷ジョブ」として決定する第1の動作等がまず実行される(ステップS23〜S26等)。
【0100】
また、判定対象ジョブを指定(設定)する第2の動作(ステップS23,S24)、および判定対象ジョブを優先印刷ジョブあるいは非優先印刷ジョブとして決定する第3の動作(ステップS25)もが実行される。第3の動作においては、判定対象ジョブの受付時刻と当該判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである「参照ジョブ」の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも小さいと判定されるときには、判定対象ジョブも「優先印刷ジョブ」として決定される。一方、判定対象ジョブの受付時刻と参照ジョブの受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも大きいときには判定対象ジョブは「非優先印刷ジョブ」として決定される。詳細には、第2の動作においては、最初に、そのユーザに関する複数のジョブのうち、最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブ(前順位ジョブ)が判定対象ジョブに指定される(ステップS22,S23)。そして、第3の動作において、判定対象ジョブが優先印刷ジョブとして決定された場合には、当該判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが新たな判定対象ジョブとして更新指定(ステップS27,S23,S24)された後に、再び第3の動作(ステップS25)が実行される。
【0101】
以下では、図10の動作について、動作例を用いてさらに詳細に説明する。
【0102】
まず、データテーブルTBにおいて図9のような内容が格納されている状況を想定する。
【0103】
このような状況においては、ユーザ(認証ユーザ)UAによる3つの認証印刷ジョブJB1,JB2,JB3のうち、最も新しいジョブJB3(受付時刻「12:02」)が優先印刷ジョブとして印刷出力されるとともに、その1つ前に受け付けられたジョブJB2(受付時刻「12:02」)もが優先印刷ジョブとして印刷出力される。ただし、ジョブJB2のさらに1つ前に受け付けられたジョブJB1は、「優先印刷ジョブ」ではないため、原則としては印刷出力されない。ただし、ステップS30で印刷出力指示が付与された場合には例外的に印刷出力される。ここにおいて、ジョブJB2,JB3は、基準時間TS(=5分)よりも小さな時間間隔DF(=2分)で最新ジョブJB3に至るまで連続的に受け付けられた連続ジョブであるとも表現される。なお、両ジョブJB1,JB2の受付時刻の時間間隔は「60分」であり、ジョブJB1,JB2は、基準時間TS(=5分)よりも小さな時間間隔で連続的に受け付けられたジョブではない。
【0104】
具体的には、第1の動作、より詳細には特定のユーザUAの最新ジョブJB3に関するステップS23〜S28の処理において、判定対象データでもある最新ジョブJB3の「連続ジョブフラグ」が「1」である(図9参照)ことが確認され、当該最新ジョブJB3が「優先印刷ジョブ」として決定される。
【0105】
そして、第2の動作においては、最初に、ユーザUAによる認証印刷ジョブのうち、最新ジョブJB3の1つ前に受け付けられた前順次ジョブJB2が判定対象ジョブに指定される(ステップS23,S24)。
【0106】
そして、第3の動作において、判定対象ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」が「1」である(図9参照)と判定され、判定対象ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される。すなわち、判定対象ジョブJB2の受付時刻と当該判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブJB3の受付時刻との時間差DF(=2分)が基準時間TS(=5分)よりも小さいと判定され、判定対象ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される(ステップS25)。換言すれば、最新ジョブJB3の受付時刻とその次に新しい前順位ジョブJB2の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも小さいと判定され、前順位ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される。なお、仮に、前順位ジョブJB2の受付時刻と最新ジョブJB3の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも大きいときには、前順位ジョブJB2は「非優先印刷ジョブ」として決定される。
【0107】
判定対象ジョブJB2の受付時刻と参照ジョブJB3の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも小さいと判定されるときには、ステップS26に進む。そして、当該判定対象ジョブJB2の1つ前に受け付けられた前順位ジョブJB1が第2の動作において新たな判定対象ジョブとして更新指定(ステップS27,S23,S24)された後に、再び第3の動作(ステップS25)が実行される。
【0108】
当該再実行時の第3の動作においては、判定対象ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」が「0」である(図9参照)と判定され、、判定対象ジョブJB1は「非優先印刷ジョブ」として決定される。すなわち、判定対象ジョブJB1の受付時刻と当該判定対象ジョブJB1の次に受け付けられたジョブである参照ジョブJB2の受付時刻との時間差DF(=60分)が基準時間TS(=5分)よりも大きいと判定され、判定対象ジョブJB1は「非優先印刷ジョブ」として決定される。
【0109】
そして、当該第3の動作において判定対象ジョブJB1が非優先印刷ジョブとして決定さると、第3の動作の再実行は行われずに、上述のステップS30が実行される。
【0110】
ステップS30において「古い」ジョブJB1が印刷出力されない場合には、ステップS35においてジョブJB1の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更され、次回の認証印刷出力操作時における印刷出力対象の筆頭として設定される。
【0111】
なお、上記においては、ユーザUAによる認証印刷を主に例示しているが、同様に、他のユーザによる認証印刷指示も付与され得る。たとえば、ユーザUBによる認証印刷指示が実行され、コンピュータ70bにて生成された認証印刷出力用データ(プリントジョブデータ)JBbが、コンピュータ70bからMFP10へと送信され、MFP10内のジョブ記憶部5bにスプールされる。ユーザUCについても同様である。そして、このような認証印刷指示に応じて、各プリントジョブJBおよびそれに関連するデータテーブルTBがジョブ記憶部5bに記憶される。図13は、他のデータ蓄積例を示す図である。なお、図13においては、ユーザUB,UCに関するデータが蓄積される場合が例示されているが、これに限定されず、ユーザUA,UB,UCに関するデータが蓄積されるようにしてもよい。
【0112】
図13に示すような認証印刷ジョブが蓄積されている場合においてユーザUCが認証ユーザとしてログインした際には、ユーザ(認証ユーザ)UCによる3つの認証印刷ジョブJB2,JB3,JB6のうち、最も新しいジョブJB6(受付時刻「13:10」)のみが優先印刷ジョブとして印刷出力される。一方、最新ジョブJB6の次に新しいジョブJB3(受付時刻「12:02」)は、ジョブJB6の「68分」(基準時間TS(=10分)よりも大きな時間)前に受け付けられているため、「優先印刷ジョブ」ではなく、原則としては印刷出力されない。ただし、ステップS30で印刷出力指示が出された場合には例外的に印刷出力される。また、「古い」ジョブJB3が印刷出力されない場合には、ステップS35においてジョブJB3の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更され、ジョブJB3が、次回の認証印刷出力操作時における印刷出力対象の筆頭ジョブとして設定される。なお、ユーザUCの認証印刷ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」は既に「1」であるため、ユーザUCによる次回の認証印刷出力操作時においては、ジョブJB3,JB2が「優先印刷ジョブ」として印刷出力される。
【0113】
同様に、図13に示すような認証印刷ジョブが蓄積されている場合においてユーザUBが認証ユーザとしてログインした際には、ユーザ(認証ユーザ)UBによる3つの認証印刷ジョブJB1,JB4,JB5のうち、最も新しいジョブJB5(受付時刻「13:00」)が優先印刷ジョブとして印刷出力されるとともに、最新ジョブJB5の次に新しいジョブJB4(受付時刻「12:59」)も優先印刷ジョブとして印刷出力される。ジョブJB4は、ジョブJB5の「1分」前に受け付けられており、ジョブJB4,JB5は、基準時間TS(=3分)よりも小さな時間間隔で最新ジョブJB5に至るまで連続的に受け付けられた連続ジョブである。一方、ジョブJB4の次に新しいジョブJB1(受付時刻「12:00」)は、直前のジョブJB4の「59分」(基準時間TS(=3分)よりも大きな時間)前に受け付けられているため、「優先印刷ジョブ」ではなく、原則としては印刷出力されない。ただし、ステップS30で印刷出力指示が出された場合には例外的に印刷出力される。また、「古い」ジョブJB1が印刷出力されない場合には、ステップS35においてジョブJB1の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更され、ジョブJB1は、次回の認証印刷出力操作時における印刷出力対象の筆頭ジョブとして設定される。
【0114】
以上のような動作によれば、認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブのうち、最新ジョブを含む優先印刷ジョブ(連続ジョブ)が優先的に印刷出力されるので、古い印刷物の出力完了を待つことなく、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を早期に取得できる。また、上記特許文献1に記載の技術と比較して、印刷出力操作時において、印刷出力すべきジョブを指定する指定操作を要しないため、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を容易に取得できる。
【0115】
特に、複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間TSよりも小さな時間間隔で最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブ(連続ジョブ)が存在する場合には、当該条件を満たすジョブもが優先印刷ジョブとして決定され、優先的に印刷出力される。したがって、直近に連続的に出力指示した複数の認証印刷出力を、古いジョブの印刷出力完了を待つことなく早期に、且つ、容易に取得できる。
【0116】
<6.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0117】
たとえば、上記実施形態においては、或るジョブの受付時刻とその次に新しいジョブ(1つ前に受け付けられた直前ジョブ)の受付時刻との時間差DFが基準時間TSと同一であるときには、直前ジョブの連続ジョブフラグFGが「1」に設定(維持)され(ステップS14(図5)で「No」)、直前ジョブも「優先印刷ジョブ」として判定される場合が例示されているが、これに限定されない。当該時間差DFが基準時間TSと同一であるときには、逆に、直前ジョブの連続ジョブフラグFGが「0」に設定(変更)され、直前ジョブが「非優先印刷ジョブ」として判定されるようにしてもよい。
【0118】
また、上記実施形態においては、複数の優先印刷ジョブが存在する場合に、最も新しい優先印刷ジョブから最も古い優先印刷ジョブへと向かう順序で(例えばJB3,JB2の順で)、当該複数の優先印刷ジョブが順次に印刷出力される技術が例示されているが、これに限定されない。たとえば、逆に、最も古い優先印刷ジョブから最も新しい優先印刷ジョブ(第mの認証印刷ジョブ)へと向かう順序で、当該複数の優先印刷ジョブが順次に印刷出力されるようにしてもよい。より詳細には、複数の優先印刷ジョブJB3,JB2のうち、最初にジョブJB2が印刷出力され、次に最新のジョブJB3が印刷出力されるようにしてもよい。
【0119】
また、上記実施形態においては、認証印刷ジョブがMFP10内に蓄積される場合が例示されているが、これに限定されない。たとえば、プリントサーバ等を更に備えるプリントシステム1(1B)において、認証印刷ジョブが、MFP10とコンピュータ70とにネットワークを介して接続されたプリントサーバに、蓄積されるようにしてもよい。また、上述の諸動作の一部(たとえばステップS10等)が、当該プリントサーバにおいて実行されるようにしてもよい。その場合には、MFP10およびプリントサーバ等が連携して上記と同様の動作を実行すればよい。
【0120】
また、ユーザ認証動作は、MFP10内部で実行されることに限定されない。たとえば、MFP10にネットワークを介して接続された認証用サーバを用いて、認証用サーバとMFP10との連携により実行されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 プリントシステム
6c 操作パネル
9 コントローラ
10 MFP(画像形成装置)
70 コンピュータ
DF 時間差
DT1 設定データテーブル
FG 連続ジョブフラグ
GA1 設定画面
GA2 選択画面
JB1〜JB6 プリントジョブ(認証印刷ジョブ)
TB データテーブル
TS 基準時間
UA,UB,UC ユーザ
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントシステムおよびそれに関連する技術に関し、特に認証印刷技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリントシステムにおいては、次のような認証印刷技術が存在する。具体的には、まず、プリントシステムのユーザがクライアントコンピュータにおいて認証印刷指示を付与して、プリントサーバ等のジョブ記憶部に印刷ジョブ(プリントジョブ)を認証情報とともにスプール(蓄積)する。その後、当該ユーザは、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))において認証情報を入力して、蓄積された印刷データを当該MFPにより印刷出力させる。
【0003】
このような認証印刷においては、クライアントコンピュータで認証印刷指示を実行しても、MFP側で印刷出力操作が実行されるまでは、印刷ジョブは印刷出力されずに記憶部に格納されたまま維持される。
【0004】
ところで、このようなシステムにおいては、或るユーザは、種々の理由(たとえば、印刷出力操作を失念していたなど)によって、各認証印刷ジョブの指示直後に各認証印刷ジョブの印刷出力操作を行わないこともある。そのような場合には、複数の認証印刷ジョブがスプールされていることもある。
【0005】
そのような状況で、新たな認証印刷ジョブに関する認証印刷指示を行う場合において、MFPにおいて印刷出力操作を行うと、MFPは、通常、スプールされていた複数の認証印刷ジョブを含めて古い認証印刷ジョブから順に印刷出力する。そのため、最も新しい認証印刷ジョブが印刷出力されるまでに時間を要することがある。
【0006】
複数の新たな認証印刷ジョブに関する印刷指示を連続的に行う場合においても同様である。
【0007】
これに対して、特許文献1においては、スプールされた認証印刷ジョブの一覧を表示し、当該一覧から選択されたジョブを印刷出力する技術が記載されている(特許文献1の図6等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−303008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、ユーザは、スプールされた認証印刷ジョブの一覧から所望の認証印刷ジョブを選択する選択操作等を求められるため、ユーザの操作負担が増大する。
【0010】
そこで、この発明の課題は、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を早期に且つ容易に得ることが可能な認証印刷技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、プリントシステムであって、ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、ユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、を備え、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るプリントシステムにおいて、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するとともに、その1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係るプリントシステムにおいて、前記決定手段は、前記前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには、前記前順位ジョブを非優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1の発明に係るプリントシステムにおいて、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定する第1の動作と、判定対象ジョブを指定する第2の動作と、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定する第3の動作と、を実行し、前記第2の動作においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを最初に前記判定対象ジョブとして指定し、前記第3の動作において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを新たな前記判定対象ジョブとして更新指定した後に、再び前記第3の動作を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係るプリントシステムにおいて、前記印刷制御手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち前記非優先印刷ジョブを印刷出力するか否かを選択する選択指示を受け付けることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、画像形成装置であって、ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、ユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、を備え、前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、印刷方法であって、a)ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付けるステップと、b)前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶するステップと、c)ユーザ認証を行うステップと、d)前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定し、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力するステップと、を備え、前記ステップd)においては、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、請求項7の発明に係る印刷方法において、前記ステップd)は、d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、d−2)前記最新ジョブの受付時刻とその1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻との時間差を算出するステップと、d−3)前記時間差が基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、請求項7の発明に係る印刷方法において、前記ステップd)は、d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、d−2)判定対象ジョブを指定するステップと、d−3)前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定するステップと、を有し、前記ステップd−2)においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが最初に前記判定対象ジョブとして指定され、前記ステップd−3)において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが新たな前記判定対象ジョブとして更新指定された後に、再び前記ステップd−3)が実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1ないし請求項9に記載の発明によれば、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を早期に且つ容易に得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係るプリントシステムを示す概略図である。
【図2】MFPの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】連続性判定用の基準時間等を設定する設定画面を示す図である。
【図4】基準時間等に関する設定データテーブルを示す図である。
【図5】認証印刷ジョブ受付時のMFPの動作等を示すフローチャートである。
【図6】或る動作例に係るタイミングチャートである。
【図7】或る時点におけるデータテーブルを示す図である。
【図8】別の時点におけるデータテーブルを示す図である。
【図9】さらに別の時点におけるデータテーブルを示す図である。
【図10】認証印刷ジョブの出力動作等を示すフローチャートである。
【図11】図10の一部(ステップS30)の動作を示すフローチャートである。
【図12】「古いジョブ」に関する選択画面を示す図である。
【図13】データテーブルの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<1.概要>
図1は、この実施形態に係るプリントシステム1(1A)を示す概略図である。この実施形態においては、プリントシステムとして、認証印刷を行うことが可能な認証プリントシステムを例示する。
【0024】
図1に示すように、プリントシステム1Aは、画像形成装置10と複数のコンピュータ70(70a,70b,...)とを備える。ここでは、画像形成装置(印刷装置)として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))が例示される。
【0025】
MFP10と複数のコンピュータ70とは、ネットワークNWを介して互いに接続されており、ネットワーク通信を実行することが可能である。なお、ネットワークNWは、LAN、WAN、インターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWへの接続形態は、有線接続であってもよく或いは無線接続であってもよい。
【0026】
プリントシステム1Aは、次のような「認証印刷」が可能なプリントシステムである。具体的には、このプリントシステム1Aのユーザは、コンピュータ70において認証印刷操作を実行して、MFP10に印刷ジョブ(プリントジョブ)を認証情報ともにスプール(蓄積)する。その後、当該ユーザは、MFP10による認証動作を経て、MFP10に蓄積された印刷データを当該MFP10により印刷出力させる。
【0027】
また、このプリントシステム1Aにおいては、特定のユーザによりスプールされた複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブ(最新ジョブ)を含む少なくとも1つのジョブが優先印刷ジョブとして決定され、優先的に印刷出力される。より詳細には、当該複数の認証印刷ジョブの中に、基準時間TS(後述)よりも小さな時間間隔で最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブ(「連続ジョブ」)が存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む複数のジョブが優先印刷ジョブとして決定される。このように、最新の単一の認証印刷ジョブのみ、あるいは直近にて連続的に印刷指示された認証印刷ジョブ(最新の認証印刷ジョブを含む)が「優先印刷ジョブ」として決定され得る。
【0028】
<2.コンピュータ70の構成>
コンピュータ70は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムとして構成される。
【0029】
コンピュータ70には所定のOS(オペレーティングシステム)がインストールされており、複数のソフトウエアプログラムを当該OS上で実行することが可能である。これらの複数のソフトウエアプログラムの中には、比較的上位階層のアプリケーションソフトウエア(たとえば、ワードプロセッサ)などが含まれる。
【0030】
そして、当該アプリケーションソフトウエア(たとえば、ワードプロセッサ)などにおいて、プリンタドライバが呼び出され、ユーザによる印刷操作が実行される。これにより、認証印刷等が実行され得る。
【0031】
<3.MFPの構成>
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0032】
図2の機能ブロック図に示すように、このMFP10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10は、印刷出力装置などとも表現される。
【0033】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0034】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0035】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。また、MFP10は、この通信部4を用いて、電子メールの送受信を行うことも可能である。
【0036】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。格納部5は、印刷ジョブ(認証印刷ジョブ等)を記憶するジョブ記憶部5bを有している。ジョブ記憶部5bにおいては、各認証印刷ジョブがそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶される(図9等参照)。なお、上述したように、認証印刷ジョブは、コンピュータ70からの受付時点で直ちに出力されるのではなく、その後、MFP10に対するユーザの認証動作(ログイン動作等)を経て、当該MFP10により印刷出力される。
【0037】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP10には操作パネル6c(図1参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)6cは、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。
【0038】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG1を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0039】
図2に示すように、コントローラ9は、入力制御部11と表示制御部12と印刷ジョブ受信部15と認証処理部16と優先ジョブ決定部17と印刷出力制御部18とを含む各種の処理部を実現する。
【0040】
入力制御部11は、操作入力部6a等と協働して、MFP10に対する入力を受け付ける処理部である。
【0041】
表示制御部12は、表示部6b等における表示出力動作等を制御する処理部である。
【0042】
印刷ジョブ受信部15は、ネットワークを介して各コンピュータ70からの各プリントジョブ(認証印刷ジョブ等)、詳細には、プリントジョブデータ(認証印刷ジョブデータ等)を受け付ける処理部(受付処理部)である。
【0043】
認証処理部16は、MFP10におけるユーザ認証処理等を実行する処理部である。
【0044】
優先ジョブ決定部17は、ユーザごとの複数の認証印刷ジョブの中から「優先印刷ジョブ」を決定する処理部である。「優先印刷ジョブ」は、当該複数の認証印刷ジョブのうち、優先印刷ジョブ以外のジョブ(「非優先印刷ジョブ」)よりも優先的に印刷出力される。優先ジョブ決定部17は、特定のユーザからの複数の認証印刷ジョブのうち、最新ジョブ(最も新しい受付時刻を有するジョブ)を含む1又は複数のジョブ(少なくとも1つのジョブ)を優先印刷ジョブとして決定する。特に、優先ジョブ決定部17は、当該複数の認証印刷ジョブの中に、基準時間TSよりも小さな時間間隔で最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブ(「連続ジョブ」)が存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む複数のジョブを「優先印刷ジョブ」として決定する。これにより、最新の認証印刷ジョブのみ、あるいは直近にて連続的に印刷指示されたジョブ(最新の認証印刷ジョブを含む)が「優先印刷ジョブ」として決定され得る。また、基準時間TSは、認証印刷ジョブに関する連続性を判定するための閾値(連続性判定用の値)であるとも表現される。
【0045】
印刷出力制御部18は、優先ジョブ決定部17等と協働して、印刷出力処理(認証印刷処理等)を制御する処理部である。印刷出力制御部18は、認証処理部16によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブのうち、優先ジョブ決定部17によって決定された優先印刷ジョブを、その他のジョブよりも優先的に印刷出力する。
【0046】
ここでは、連続性判定用の基準時間TSは、ユーザごとに設定される。具体的には、MFP10に表示された画面GA1(図3)の時間指定欄R1に所望の時間を入力すること等によって、基準時間TSが決定される。図3においては、「5分」が基準時間TSとして指定されている。このままOKボタンBN1が押下されることによって、「5分」が基準時間TSとして決定(設定)される。そして、決定された内容は、基準時間TS等に関する設定データテーブルDT1において記憶される。図4においては、ユーザUAの基準時間TSとして「5分」が設定されている様子が示されている。図4においては、さらに、ユーザUBの基準時間TSとして「3分」が設定されており且つユーザUCの基準時間TSとして「10分」が設定されている様子が示されている。
【0047】
図3の設定画面GA1においては、古いジョブの出力に関する所定のフラグFLの設定も行われる。この実施形態においては、複数の認証印刷ジョブのうち、比較的新しい優先印刷ジョブが優先的に出力され、その後に古いジョブも印刷出力することが可能である。当該所定フラグFLは、古いジョブを優先印刷ジョブに引き続いて印刷するか否か(より詳細には、古いジョブの印刷の有無を問い合わせる選択画面GA2(図12参照)を優先印刷ジョブの実行直後に表示させるか否か)を指定するフラグFLである。図3のチェック欄R2におけるチェック印の有無が当該フラグFLの値「1」(選択画面GA2を表示させる)、「0」(選択画面GA2を表示させない)にそれぞれ対応する。また、このフラグFLもユーザごとに設定される(図4参照)。図4では、ユーザUA,UCに対しては「1」が設定されており、ユーザUBに対しては「0」が設定されている。
【0048】
なお、ここでは、設定画面GA1がMFP10に表示される場合が例示されているが、これに限定されず、プリンタドライバを介して、コンピュータ70の表示部に表示されるようにしてもよい。また、当該画面GA1による指示内容は、プリンタドライバを介して、コンピュータ70からMFP10へと送信されるようにしてもよい。
【0049】
<4.認証印刷ジョブの受付動作等>
<4−1.詳細動作>
つぎに、認証印刷ジョブの受付動作等について図5等を参照しながら説明する。図5は、認証印刷ジョブ受付時のMFP10の動作(ステップS10)等を示すフローチャートである。なお、図5の動作に先立って、上述の設定画面GA1等を用いた設定動作(基準時間TS等に関する設定動作)が予め行われているものとする(図6参照)。
【0050】
この実施形態においては、図5に示すように、認証印刷ジョブ受付時において連続ジョブフラグFGの設定動作(換言すれば、「優先印刷ジョブ」決定の準備動作)が行われる。後述するように、MFP10における印刷出力操作時(図10のステップS20参照)においては、その連続ジョブフラグFGとして「1」が付された認証印刷ジョブは、「優先印刷ジョブ」であると判定される。連続ジョブフラグFGは、優先印刷ジョブ判定用フラグ等とも表現される。
【0051】
まず、特定のユーザ(例えばユーザUA)は、コンピュータ70(70a)を用いて認証印刷指示を実行する。この認証印刷指示に応答して、コンピュータ70にて生成された認証印刷出力用データ(プリントジョブデータあるいは単にプリントジョブとも称する)が、コンピュータ70からMFP10へと送信される。
【0052】
ステップS11において、MFP10は、受信したプリントジョブをジョブ記憶部5bにスプール(記憶)する。また、ジョブ記憶部5b内のデータテーブルTB(図7〜図9等参照)において、当該プリントジョブ(印刷ジョブとも称する)に関するデータが、そのジョブ番号、そのユーザID、その受信時刻等とともに記憶される。
【0053】
ステップS12において、MFP10は、受信したプリントジョブ(受信ジョブとも称する)の2つの項目(「差分値」および「連続ジョブフラグ」)に初期値をそれぞれ設定する。具体的には、MFP10は、「差分値」に初期値「0」を設定し、「連続ジョブフラグ」に初期値「1」を設定する。
【0054】
次のステップS13においては、MFP10は、受信ジョブの受信時刻と、同一認証ユーザによる直前の印刷ジョブ(直前ジョブ)の受信時刻との差分値DFを算出して、当該算出値DFを直前ジョブデータの「差分値」に記憶する。
【0055】
そして、ステップS14では、MFP10は、値DFと当該認証ユーザの基準時間TS(図4)との比較結果に応じて、直前ジョブの「連続ジョブフラグ」の値を設定する。具体的には、値DFが基準時間TSよりも大きいときには、直前ジョブの「連続ジョブフラグ」の値が「0」に変更される。一方、値DFが基準時間TS以下であるときには、直前ジョブの「連続ジョブフラグ」の値が引き続き「1」に維持される。
【0056】
このような動作が、各認証印刷ジョブの受信時において実行される。
【0057】
<4−2.動作例>
以下では、図6のような状況を想定して、図5の動作についてさらに詳細に説明する。図6では、簡単化のため、或るユーザUAによる3つのプリントジョブ(認証印刷ジョブ)が順次に蓄積される状況を想定する。具体的には、「No.1」のプリントジョブJB1が受付時刻「11:00」に受信され、「No.2」のプリントジョブJB2が受付時刻「12:00」に受信され、「No.3」のプリントジョブJB3が受付時刻「12:02」に受信される。
【0058】
<プリントジョブJB1の受信時>
「No.1」のプリントジョブJB1が受付時刻「11:00」に受信されると、ステップS10において次のような動作が実行される。
【0059】
まず、ステップS11において、受信ジョブであるプリントジョブJB1がジョブ記憶部5bに記憶される。また、プリントジョブJB1の番号「1」と、プリントジョブJB1の要求元ユーザ「UA」(詳細にはそのユーザID等)と、プリントジョブJB1の受信時刻「11:00」とが、プリントジョブJB1に関連付けて記憶される(図7参照)。
【0060】
また、ステップS12において、MFP10は、受信ジョブJB1の「差分値」に「0」を設定し、受信ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」に「1」を設定(初期設定)する。これにより、たとえば、ジョブ記憶部5bにおいて、図7のようなデータテーブルTBが作成される。
【0061】
プリントジョブJB1に関しては、受信ジョブJB1の直前のジョブが存在しないので、ステップS13〜S15の処理は行われることなく、ステップS13の終了後、そのままステップS10の処理は一旦終了する。
【0062】
<プリントジョブJB2の受信時>
次に、「No.2」のプリントジョブJB2が受付時刻「12:00」に受信されると、ステップS10において次のような動作が実行される。
【0063】
まず、ステップS11において、受信ジョブであるプリントジョブJB2がジョブ記憶部5bに記憶される。また、プリントジョブJB2の番号「2」と、プリントジョブJB2の要求元ユーザ「UA」(詳細にはそのユーザID等)と、プリントジョブJB2の受信時刻「12:00」とが、プリントジョブJB2に関連付けて記憶される(図8参照)。
【0064】
また、ステップS12において、MFP10は、受信ジョブJB2の「差分値」に「0」を設定し、受信ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」に「1」を設定(初期設定)する。これにより、たとえば、図8に示すように、データテーブルTBにおいて、「No.2」のプリントジョブJB2に関するデータが追加される。
【0065】
さらに、ステップS13においては、受信ジョブJB2の受信時刻(「12:00」)と、同一認証ユーザによる直前の印刷ジョブ(直前ジョブ)JB1の受信時刻(「11:00」)との差分値DFを算出して、当該算出値DF(=60分)を直前ジョブJB1の「差分値」に記憶する。
【0066】
また、ステップS14では、値DF(=60分)と当該認証ユーザの基準時間TS(=5分)との比較結果に応じて、直前ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」の値が設定される。具体的には、値DFが基準時間TSよりも大きいと判定され、ステップS15において直前ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」の値が「0」に変更される。
【0067】
後述するように、ステップS20(図10)においては、「連続ジョブフラグ」が「1」であるプリントジョブが、「優先印刷ジョブ」として決定される。図8の状態でステップS30が実行される場合には、複数のプリントジョブJB1,JB2のうち、最も新しいプリントジョブ(最新の受付時刻に対応するプリントジョブ)JB2のみが「優先印刷ジョブ」として決定される。ここにおいて、プリントジョブJB2は、直前のプリントジョブJB1の受付時刻から基準時間よりも大きな時間が経過した後に受け付けられている。これに基づいて、プリントジョブJB2の直前のプリントジョブJB1に関しては、「連続ジョブフラグ」に「0」が設定されている。換言すれば、プリントジョブJB1は、直後のプリントジョブJB2の受付時刻よりも相当時間前に受け付けられていることに基づいて、「連続ジョブフラグ」に「0」が設定されている。なお、ステップS20(図10)においては、「連続ジョブフラグ」に「0」が設定されているプリントジョブ(認証印刷ジョブ)は、「優先印刷ジョブ」ではないジョブ(「非優先印刷ジョブ」)として判定される。
【0068】
<プリントジョブJB3の受信時>
次に、「No.3」のプリントジョブJB3が受付時刻「12:02」に受信されると、ステップS10において次のような動作が実行される。
【0069】
まず、ステップS11において、受信ジョブであるプリントジョブJB3がジョブ記憶部5bに記憶される。また、プリントジョブJB3の番号「3」と、プリントジョブJB3の要求元ユーザ「UA」(詳細にはそのユーザID等)と、プリントジョブJB3の受信時刻「12:02」とが、プリントジョブJB3に関連付けて記憶される(図9参照)。
【0070】
また、ステップS12において、MFP10は、受信ジョブJB3の「差分値」に「0」を設定し、受信ジョブJB3の「連続ジョブフラグ」に「1」を設定(初期設定)する。これにより、たとえば、図9に示すように、データテーブルTBにおいて、「No.3」のプリントジョブJB3に関するデータが追加される。
【0071】
さらに、ステップS13においては、受信ジョブJB3の受信時刻(「12:02」)と、同一認証ユーザによる直前の印刷ジョブ(直前ジョブ)JB2の受信時刻(「12:00」)との差分値DFを算出して、当該算出値DF(=2分)を直前ジョブJB2の「差分値」に記憶する。
【0072】
また、ステップS14では、値DF(=2分)と当該認証ユーザの基準時間TS(=5分)との比較結果に応じて、直前ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」の値が設定される。具体的には、値DFが基準時間TS以下であると判定され、直前ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」の値は「1」のまま維持される。
【0073】
図9の状態でステップS30が実行される場合には、複数のプリントジョブJB1,JB2、JB3のうち、最も新しいプリントジョブ(最新の受付時刻に対応するプリントジョブ)JB3が「優先印刷ジョブ」として決定される。また、その次(最新のジョブJB3の次)に新しいジョブである前順位ジョブJB2の受付時刻と最新のジョブJB3の受付時刻との時間差DFが基準時間TS以下であると判定され、前順位ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される。なお、前順位ジョブJB2は、ジョブJB3の1つ前のジョブである、とも表現される。
【0074】
ここにおいて、プリントジョブJB3は、直前のプリントジョブJB2の受付時点から、基準時間TSよりも大きな時間が経過する前に(換言すれば、直前のプリントジョブJB2の受付時点の短時間の後に)受け付けられている。これに基づいて、プリントジョブJB3の直前のプリントジョブJB2に関しては、「連続ジョブフラグ」に「1」が設定されている。換言すれば、プリントジョブJB2は、直後のプリントジョブJB3の受付時刻の直後に(いわば「連続的に」)受け付けられていることに基づいて、「連続ジョブフラグ」に「1」が設定されている。
【0075】
以上のようなステップS10の処理(ジョブ受信時における「連続ジョブフラグ」の決定処理等)は、特定の認証ユーザによって蓄積された複数の認証印刷ジョブのうち「優先印刷ジョブ」をステップS20で決定するための準備処理であるとも表現される。その「連続ジョブフラグ」に「1」が設定された認証印刷ジョブは、後述するステップS20において、「優先印刷ジョブ」として決定される。
【0076】
<5.認証印刷ジョブの出力動作等>
<5−1.動作概要>
認証印刷においては、各ユーザがMFP10を用いて認証印刷出力操作(プルプリント操作)を行うまでは、印刷出力はなされない。
【0077】
たとえば、図6に示すように、プリントジョブJB1,JB2,JB3の複数回(3回)の認証印刷指示動作(図5)の後、或るタイミングで、ユーザUAは、MFP10の載置場所へと移動し、MFP10を用いてプルプリント操作(認証印刷出力操作)を実行する。
【0078】
以下では、図10および図11を参照しながら、認証印刷ジョブの出力動作等について説明する。図10は、認証印刷ジョブの出力動作等を示すフローチャートであり、図11は、図10の一部の動作を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS21において、ユーザUAは認証操作等を行い、認証印刷出力操作を開始する。詳細には、ユーザUAは、MFP10の操作パネル6cを用いて、認証印刷出力メニューを選択するとともに、認証情報Da2(認証IDおよびパスワード)を入力して認証操作を実行する。
【0080】
MFP10(認証処理部16)は、入力された認証情報Da2(認証IDおよびパスワード)と正規の認証情報Da1(認証IDおよびパスワード)とを照合して、認証処理を実行する。MFP10には、正規の認証情報Da1(認証IDおよびパスワード)が予め格納されている。入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致すると判定されるときには、認証が成功し、次のステップS22に進む。なお、入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致しないと判定されるときには、再度、認証情報Da2の入力が要求される。
【0081】
ステップS22では、初期化処理が実行される。具体的には、値nを蓄積ジョブ数Nxに設定する処理等が実行される。たとえば、10個(=Nx)のジョブがジョブ記憶部5bに記憶されている場合には、値nは、「10」(=蓄積ジョブ数Nx)に初期設定される。
【0082】
ステップS23では、第nの認証印刷ジョブが「対象ジョブ」(判定対象ジョブ)として設定される。なお、最初は、n=Nx、であり、データテーブルTB内で最も新しい受付ジョブが、「対象ジョブ」として設定される。
【0083】
また、ステップS24では、第nの認証印刷ジョブの要求元ユーザが認証ユーザ(ステップS21で認証されたユーザ(例えばユーザUA))と同一であるか否かが判定される第nの認証印刷ジョブの要求元ユーザが認証ユーザと同一である場合には、ステップS25に進む。一方、第nの認証印刷ジョブの要求元ユーザが認証ユーザとは異なる場合には、ステップS27に進む。
【0084】
ステップS25では、第nの認証印刷ジョブの「連続ジョブフラグ」(FG)が「1」であるか否かが判定される。
【0085】
第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)の連続ジョブフラグFGが「0」であると判定されるときには、対象ジョブは優先印刷ジョブではないことが判定され、ステップS25からステップS30に進む。ステップS30については後に説明する。
【0086】
一方、第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)の連続ジョブフラグFGが「1」であると判定されるときには、当該対象ジョブは「優先印刷ジョブ」であると判定(最終的に決定)され、ステップS26に進む。
【0087】
ステップS26では、第nの認証印刷ジョブが印刷出力されるとともに、当該印刷出力が完了すると、当該第nの認証印刷ジョブがデータテーブルTBから削除される。
【0088】
そして、ステップS27において、値nが1デクリメントされる。そして、ステップS28で、値nが「0」になっていないこと、換言すれば、処理対象にされていないデータが未だ残存していることが確認されると、再びステップS23に戻り、値nが再設定される。これにより、たとえば、値nは、元の「10」から、「1」低減された値「9」へと変更される。すなわち、「No.10」の認証印刷ジョブの次に新しい認証印刷ジョブ(「No.9」の認証印刷ジョブ)が「対象ジョブ」に設定される。
【0089】
以降、同様の動作が繰り返し実行される。これにより、順次に更新される各対象ジョブの「連続ジョブフラグ」が「1」であるときには、当該各対象ジョブが順次に印刷出力される。特定のユーザ(認証ユーザ)による複数の認証印刷ジョブのうち、少なくとも1つのジョブが優先印刷ジョブとして印刷出力される(ステップS24〜S28)。
【0090】
<5−2.ステップS30>
上述したように、ステップS25において、対象ジョブの「連続ジョブフラグ」が「0」であると判定されると、ステップS30に進む。
【0091】
図11は、ステップS30の詳細動作を示すフローチャートである。
【0092】
まず、ステップS31において、認証ユーザの「古いジョブに関する設定フラグ」FL(図4参照)が「1」であるか否かが判定される。当該フラグFLが「1」である場合には、ステップS32に進み、当該フラグFLが「0」である場合には、ステップS35に進む。ステップS35については後に説明する。
【0093】
ステップS32では、認証ユーザに関する「非優先印刷ジョブ」(端的に言えば、「古いジョブ」)を印刷出力するか否かを選択する選択画面GA2が表示される。当該選択画面GA2を用いることにより、「非優先印刷ジョブ」の印刷出力の是非に関する選択指示が受け付けられる。なお、選択画面GA2は、印刷出力制御部18および表示制御部12等による制御下において表示される。
【0094】
たとえば、図12に示すような画面GA2がMFP10の操作パネル6c(図1)に表示される。図12の画面GA2においては、「引き続いて古いジョブを印刷しますか?」の文字とともに、認証ユーザに関する「非優先印刷ジョブ(古いジョブ)」(たとえばジョブJB1)の印刷ジョブ名「××会議資料.doc」もが表示されている。ユーザは、優先印刷ジョブではないジョブ(非優先印刷ジョブ)を印刷するか否かをボタンBN3,BN4を用いてMFP10に指示する。なお、ここでは、認証ユーザに関する単一の非優先印刷ジョブのジョブ名が表示されているが、認証ユーザに関して複数の非優先印刷ジョブ(古いジョブ)が存在する場合には、全ての非優先印刷ジョブが抽出され当該全ての非優先印刷ジョブのジョブ名が列挙されることが好ましい。
【0095】
「はい」ボタンBN3が押下されると、古いジョブ(たとえばジョブJB1)も印刷すべき旨の印刷指示がMFP10に付与される。そして、ステップS33で当該古いジョブに対する印刷出力が選択されたことが判定され、ステップS34に進む。ステップS34では、認証ユーザに関する全ての古いジョブが印刷出力されるとともに、データテーブルTBから当該古いジョブが削除される。
【0096】
「いいえ」ボタンBN4が押下されると、古いジョブ(たとえばジョブJB1)を印刷すべき旨の印刷指示はMFP10に付与されない。そして、ステップS33で当該古いジョブに対する印刷出力が選択されなったことが判定され、ステップS35に進む。
【0097】
ステップS35では、対象ジョブ(第nの認証印刷ジョブ)の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更される。これにより、次回の認証印刷出力操作時においては当該対象ジョブが「優先印刷ジョブ」として扱われる。たとえば、今回の認証印刷出力操作時における優先印刷ジョブJB2,JB3の印刷出力後においては、当該優先印刷ジョブJB2,JB3が削除され、この第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)JB1は、その受付時刻が最も新しいジョブである。そして、次回の認証印刷出力操作時においては、この第nの認証印刷ジョブ(対象ジョブ)JB1が、最も新しいジョブであり「優先印刷ジョブ」として扱われる。
【0098】
<5−3.動作例等>
上述のように、図10に示す動作においては、順次に更新される各対象ジョブの「連続ジョブフラグ」が「1」であるときには、当該各対象ジョブが順次に印刷出力される。詳細には、特定のユーザ(認証ユーザ)による複数の認証印刷ジョブのうち、少なくとも1つのジョブが優先印刷ジョブとして決定され印刷出力される(ステップS24〜S28)。
【0099】
より詳細には、特定のユーザに関する複数の認証印刷ジョブ(第1のジョブ〜第mのジョブ)のうち最も新しいジョブである第mのジョブ(最新ジョブ)を「優先印刷ジョブ」として決定する第1の動作等がまず実行される(ステップS23〜S26等)。
【0100】
また、判定対象ジョブを指定(設定)する第2の動作(ステップS23,S24)、および判定対象ジョブを優先印刷ジョブあるいは非優先印刷ジョブとして決定する第3の動作(ステップS25)もが実行される。第3の動作においては、判定対象ジョブの受付時刻と当該判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである「参照ジョブ」の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも小さいと判定されるときには、判定対象ジョブも「優先印刷ジョブ」として決定される。一方、判定対象ジョブの受付時刻と参照ジョブの受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも大きいときには判定対象ジョブは「非優先印刷ジョブ」として決定される。詳細には、第2の動作においては、最初に、そのユーザに関する複数のジョブのうち、最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブ(前順位ジョブ)が判定対象ジョブに指定される(ステップS22,S23)。そして、第3の動作において、判定対象ジョブが優先印刷ジョブとして決定された場合には、当該判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが新たな判定対象ジョブとして更新指定(ステップS27,S23,S24)された後に、再び第3の動作(ステップS25)が実行される。
【0101】
以下では、図10の動作について、動作例を用いてさらに詳細に説明する。
【0102】
まず、データテーブルTBにおいて図9のような内容が格納されている状況を想定する。
【0103】
このような状況においては、ユーザ(認証ユーザ)UAによる3つの認証印刷ジョブJB1,JB2,JB3のうち、最も新しいジョブJB3(受付時刻「12:02」)が優先印刷ジョブとして印刷出力されるとともに、その1つ前に受け付けられたジョブJB2(受付時刻「12:02」)もが優先印刷ジョブとして印刷出力される。ただし、ジョブJB2のさらに1つ前に受け付けられたジョブJB1は、「優先印刷ジョブ」ではないため、原則としては印刷出力されない。ただし、ステップS30で印刷出力指示が付与された場合には例外的に印刷出力される。ここにおいて、ジョブJB2,JB3は、基準時間TS(=5分)よりも小さな時間間隔DF(=2分)で最新ジョブJB3に至るまで連続的に受け付けられた連続ジョブであるとも表現される。なお、両ジョブJB1,JB2の受付時刻の時間間隔は「60分」であり、ジョブJB1,JB2は、基準時間TS(=5分)よりも小さな時間間隔で連続的に受け付けられたジョブではない。
【0104】
具体的には、第1の動作、より詳細には特定のユーザUAの最新ジョブJB3に関するステップS23〜S28の処理において、判定対象データでもある最新ジョブJB3の「連続ジョブフラグ」が「1」である(図9参照)ことが確認され、当該最新ジョブJB3が「優先印刷ジョブ」として決定される。
【0105】
そして、第2の動作においては、最初に、ユーザUAによる認証印刷ジョブのうち、最新ジョブJB3の1つ前に受け付けられた前順次ジョブJB2が判定対象ジョブに指定される(ステップS23,S24)。
【0106】
そして、第3の動作において、判定対象ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」が「1」である(図9参照)と判定され、判定対象ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される。すなわち、判定対象ジョブJB2の受付時刻と当該判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブJB3の受付時刻との時間差DF(=2分)が基準時間TS(=5分)よりも小さいと判定され、判定対象ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される(ステップS25)。換言すれば、最新ジョブJB3の受付時刻とその次に新しい前順位ジョブJB2の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも小さいと判定され、前順位ジョブJB2も「優先印刷ジョブ」として決定される。なお、仮に、前順位ジョブJB2の受付時刻と最新ジョブJB3の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも大きいときには、前順位ジョブJB2は「非優先印刷ジョブ」として決定される。
【0107】
判定対象ジョブJB2の受付時刻と参照ジョブJB3の受付時刻との時間差DFが基準時間TSよりも小さいと判定されるときには、ステップS26に進む。そして、当該判定対象ジョブJB2の1つ前に受け付けられた前順位ジョブJB1が第2の動作において新たな判定対象ジョブとして更新指定(ステップS27,S23,S24)された後に、再び第3の動作(ステップS25)が実行される。
【0108】
当該再実行時の第3の動作においては、判定対象ジョブJB1の「連続ジョブフラグ」が「0」である(図9参照)と判定され、、判定対象ジョブJB1は「非優先印刷ジョブ」として決定される。すなわち、判定対象ジョブJB1の受付時刻と当該判定対象ジョブJB1の次に受け付けられたジョブである参照ジョブJB2の受付時刻との時間差DF(=60分)が基準時間TS(=5分)よりも大きいと判定され、判定対象ジョブJB1は「非優先印刷ジョブ」として決定される。
【0109】
そして、当該第3の動作において判定対象ジョブJB1が非優先印刷ジョブとして決定さると、第3の動作の再実行は行われずに、上述のステップS30が実行される。
【0110】
ステップS30において「古い」ジョブJB1が印刷出力されない場合には、ステップS35においてジョブJB1の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更され、次回の認証印刷出力操作時における印刷出力対象の筆頭として設定される。
【0111】
なお、上記においては、ユーザUAによる認証印刷を主に例示しているが、同様に、他のユーザによる認証印刷指示も付与され得る。たとえば、ユーザUBによる認証印刷指示が実行され、コンピュータ70bにて生成された認証印刷出力用データ(プリントジョブデータ)JBbが、コンピュータ70bからMFP10へと送信され、MFP10内のジョブ記憶部5bにスプールされる。ユーザUCについても同様である。そして、このような認証印刷指示に応じて、各プリントジョブJBおよびそれに関連するデータテーブルTBがジョブ記憶部5bに記憶される。図13は、他のデータ蓄積例を示す図である。なお、図13においては、ユーザUB,UCに関するデータが蓄積される場合が例示されているが、これに限定されず、ユーザUA,UB,UCに関するデータが蓄積されるようにしてもよい。
【0112】
図13に示すような認証印刷ジョブが蓄積されている場合においてユーザUCが認証ユーザとしてログインした際には、ユーザ(認証ユーザ)UCによる3つの認証印刷ジョブJB2,JB3,JB6のうち、最も新しいジョブJB6(受付時刻「13:10」)のみが優先印刷ジョブとして印刷出力される。一方、最新ジョブJB6の次に新しいジョブJB3(受付時刻「12:02」)は、ジョブJB6の「68分」(基準時間TS(=10分)よりも大きな時間)前に受け付けられているため、「優先印刷ジョブ」ではなく、原則としては印刷出力されない。ただし、ステップS30で印刷出力指示が出された場合には例外的に印刷出力される。また、「古い」ジョブJB3が印刷出力されない場合には、ステップS35においてジョブJB3の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更され、ジョブJB3が、次回の認証印刷出力操作時における印刷出力対象の筆頭ジョブとして設定される。なお、ユーザUCの認証印刷ジョブJB2の「連続ジョブフラグ」は既に「1」であるため、ユーザUCによる次回の認証印刷出力操作時においては、ジョブJB3,JB2が「優先印刷ジョブ」として印刷出力される。
【0113】
同様に、図13に示すような認証印刷ジョブが蓄積されている場合においてユーザUBが認証ユーザとしてログインした際には、ユーザ(認証ユーザ)UBによる3つの認証印刷ジョブJB1,JB4,JB5のうち、最も新しいジョブJB5(受付時刻「13:00」)が優先印刷ジョブとして印刷出力されるとともに、最新ジョブJB5の次に新しいジョブJB4(受付時刻「12:59」)も優先印刷ジョブとして印刷出力される。ジョブJB4は、ジョブJB5の「1分」前に受け付けられており、ジョブJB4,JB5は、基準時間TS(=3分)よりも小さな時間間隔で最新ジョブJB5に至るまで連続的に受け付けられた連続ジョブである。一方、ジョブJB4の次に新しいジョブJB1(受付時刻「12:00」)は、直前のジョブJB4の「59分」(基準時間TS(=3分)よりも大きな時間)前に受け付けられているため、「優先印刷ジョブ」ではなく、原則としては印刷出力されない。ただし、ステップS30で印刷出力指示が出された場合には例外的に印刷出力される。また、「古い」ジョブJB1が印刷出力されない場合には、ステップS35においてジョブJB1の「連続ジョブフラグ」が「1」に変更され、ジョブJB1は、次回の認証印刷出力操作時における印刷出力対象の筆頭ジョブとして設定される。
【0114】
以上のような動作によれば、認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブのうち、最新ジョブを含む優先印刷ジョブ(連続ジョブ)が優先的に印刷出力されるので、古い印刷物の出力完了を待つことなく、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を早期に取得できる。また、上記特許文献1に記載の技術と比較して、印刷出力操作時において、印刷出力すべきジョブを指定する指定操作を要しないため、直近の認証印刷指示に係る印刷出力物を容易に取得できる。
【0115】
特に、複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間TSよりも小さな時間間隔で最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブ(連続ジョブ)が存在する場合には、当該条件を満たすジョブもが優先印刷ジョブとして決定され、優先的に印刷出力される。したがって、直近に連続的に出力指示した複数の認証印刷出力を、古いジョブの印刷出力完了を待つことなく早期に、且つ、容易に取得できる。
【0116】
<6.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0117】
たとえば、上記実施形態においては、或るジョブの受付時刻とその次に新しいジョブ(1つ前に受け付けられた直前ジョブ)の受付時刻との時間差DFが基準時間TSと同一であるときには、直前ジョブの連続ジョブフラグFGが「1」に設定(維持)され(ステップS14(図5)で「No」)、直前ジョブも「優先印刷ジョブ」として判定される場合が例示されているが、これに限定されない。当該時間差DFが基準時間TSと同一であるときには、逆に、直前ジョブの連続ジョブフラグFGが「0」に設定(変更)され、直前ジョブが「非優先印刷ジョブ」として判定されるようにしてもよい。
【0118】
また、上記実施形態においては、複数の優先印刷ジョブが存在する場合に、最も新しい優先印刷ジョブから最も古い優先印刷ジョブへと向かう順序で(例えばJB3,JB2の順で)、当該複数の優先印刷ジョブが順次に印刷出力される技術が例示されているが、これに限定されない。たとえば、逆に、最も古い優先印刷ジョブから最も新しい優先印刷ジョブ(第mの認証印刷ジョブ)へと向かう順序で、当該複数の優先印刷ジョブが順次に印刷出力されるようにしてもよい。より詳細には、複数の優先印刷ジョブJB3,JB2のうち、最初にジョブJB2が印刷出力され、次に最新のジョブJB3が印刷出力されるようにしてもよい。
【0119】
また、上記実施形態においては、認証印刷ジョブがMFP10内に蓄積される場合が例示されているが、これに限定されない。たとえば、プリントサーバ等を更に備えるプリントシステム1(1B)において、認証印刷ジョブが、MFP10とコンピュータ70とにネットワークを介して接続されたプリントサーバに、蓄積されるようにしてもよい。また、上述の諸動作の一部(たとえばステップS10等)が、当該プリントサーバにおいて実行されるようにしてもよい。その場合には、MFP10およびプリントサーバ等が連携して上記と同様の動作を実行すればよい。
【0120】
また、ユーザ認証動作は、MFP10内部で実行されることに限定されない。たとえば、MFP10にネットワークを介して接続された認証用サーバを用いて、認証用サーバとMFP10との連携により実行されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 プリントシステム
6c 操作パネル
9 コントローラ
10 MFP(画像形成装置)
70 コンピュータ
DF 時間差
DT1 設定データテーブル
FG 連続ジョブフラグ
GA1 設定画面
GA2 選択画面
JB1〜JB6 プリントジョブ(認証印刷ジョブ)
TB データテーブル
TS 基準時間
UA,UB,UC ユーザ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントシステムであって、
ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、
ユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、
前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプリントシステムにおいて、
前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するとともに、その1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプリントシステムにおいて、
前記決定手段は、前記前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには、前記前順位ジョブを非優先印刷ジョブとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のプリントシステムにおいて、
前記決定手段は、
前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定する第1の動作と、
判定対象ジョブを指定する第2の動作と、
前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定する第3の動作と、
を実行し、
前記第2の動作においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを最初に前記判定対象ジョブとして指定し、
前記第3の動作において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを新たな前記判定対象ジョブとして更新指定した後に、再び前記第3の動作を実行することを特徴とするプリントシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のプリントシステムにおいて、
前記印刷制御手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち前記非優先印刷ジョブを印刷出力するか否かを選択する選択指示を受け付けることを特徴とするプリントシステム。
【請求項6】
画像形成装置であって、
ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、
ユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、
前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
印刷方法であって、
a)ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付けるステップと、
b)前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶するステップと、
c)ユーザ認証を行うステップと、
d)前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定し、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力するステップと、
を備え、
前記ステップd)においては、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷方法において、
前記ステップd)は、
d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、
d−2)前記最新ジョブの受付時刻とその1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻との時間差を算出するステップと、
d−3)前記時間差が基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
請求項7に記載の印刷方法において、
前記ステップd)は、
d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、
d−2)判定対象ジョブを指定するステップと、
d−3)前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定するステップと、
を有し、
前記ステップd−2)においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが最初に前記判定対象ジョブとして指定され、
前記ステップd−3)において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが新たな前記判定対象ジョブとして更新指定された後に、再び前記ステップd−3)が実行されることを特徴とする印刷方法。
【請求項1】
プリントシステムであって、
ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、
ユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、
前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプリントシステムにおいて、
前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するとともに、その1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプリントシステムにおいて、
前記決定手段は、前記前順位ジョブの受付時刻と前記最新ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには、前記前順位ジョブを非優先印刷ジョブとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のプリントシステムにおいて、
前記決定手段は、
前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定する第1の動作と、
判定対象ジョブを指定する第2の動作と、
前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定する第3の動作と、
を実行し、
前記第2の動作においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを最初に前記判定対象ジョブとして指定し、
前記第3の動作において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブを新たな前記判定対象ジョブとして更新指定した後に、再び前記第3の動作を実行することを特徴とするプリントシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のプリントシステムにおいて、
前記印刷制御手段は、前記複数の認証印刷ジョブのうち前記非優先印刷ジョブを印刷出力するか否かを選択する選択指示を受け付けることを特徴とするプリントシステム。
【請求項6】
画像形成装置であって、
ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶する記憶手段と、
ユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定する決定手段と、
前記複数の認証印刷ジョブのうち、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力する印刷制御手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
印刷方法であって、
a)ネットワークを介して各認証印刷ジョブを受け付けるステップと、
b)前記各認証印刷ジョブをそれぞれの受付時刻に関連付けて記憶するステップと、
c)ユーザ認証を行うステップと、
d)前記認証手段によって認証されたユーザである認証ユーザに関する複数の認証印刷ジョブであって前記記憶手段に記憶された複数の認証印刷ジョブのうち、最も新しいジョブである最新ジョブを含む少なくとも1つのジョブを、優先印刷ジョブとして決定し、前記優先印刷ジョブを優先的に印刷出力するステップと、
を備え、
前記ステップd)においては、前記複数の認証印刷ジョブの中に、連続性判定用の基準時間よりも小さな時間間隔で前記最新ジョブに至るまで連続的に受け付けられた旨の条件を満たすジョブが存在する場合には、当該条件を満たすジョブを含む前記少なくとも1つのジョブを前記優先印刷ジョブとして決定することを特徴とする印刷方法。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷方法において、
前記ステップd)は、
d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、
d−2)前記最新ジョブの受付時刻とその1つ前に受け付けられたジョブである前順位ジョブの受付時刻との時間差を算出するステップと、
d−3)前記時間差が基準時間よりも小さいときには、前記前順位ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
請求項7に記載の印刷方法において、
前記ステップd)は、
d−1)前記複数の認証印刷ジョブのうち前記最新ジョブを前記優先印刷ジョブとして決定するステップと、
d−2)判定対象ジョブを指定するステップと、
d−3)前記判定対象ジョブの受付時刻と前記判定対象ジョブの次に受け付けられたジョブである参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも小さいときには前記判定対象ジョブをも前記優先印刷ジョブとして決定し、前記判定対象ジョブの受付時刻と前記参照ジョブの受付時刻との時間差が前記基準時間よりも大きいときには前記判定対象ジョブを非優先印刷ジョブとして決定するステップと、
を有し、
前記ステップd−2)においては、前記最新ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが最初に前記判定対象ジョブとして指定され、
前記ステップd−3)において前記判定対象ジョブが前記優先印刷ジョブとして決定された場合には、前記判定対象ジョブの1つ前に受け付けられたジョブが新たな前記判定対象ジョブとして更新指定された後に、再び前記ステップd−3)が実行されることを特徴とする印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−248012(P2012−248012A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119452(P2011−119452)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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