説明

プリントトラックの堆積設備のための印刷基板の支持および搬送ユニット、ならびに相対堆積法

【課題】導電材料または非導電材料でできているプリントトラックを堆積させるための設備(11)のための、印刷基板(12)を支持および搬送するユニットであって、印刷基板(12)が、印刷基板(12)の第1の面(55)と第2の面(56)の間に延在する孔(57)を備えるユニットを提供すること。
【解決手段】支持ユニットは、基板(12)を支持ユニットの支持面(113)に付着させたままとするための第1の吸引状態を生成するのに適した第1の流体力学的回路(32)、および第1の流体力学的回路(32)と別個であり少なくとも部分的に独立であって、孔(57)を導電材料または非導電材料で制御して充填することを可能にできる、第2の制御された吸引状態を生成するのに適した第2の流体力学的回路(33)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般に基板上に印刷材料を堆積させるためのための、方法およびデバイスに関する。本明細書に提示するいくつかの実施形態は、例えば、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザ印刷または他の技術における、プリントトラックを堆積させるための設備のための印刷基板の支持および搬送ユニットに関する。実施形態は、例えば、ウエハ、箔シート、またはシリコンベースの対象物などの、基板、板または同様の要素上に、多層パターンを備える導電性トラックを印刷することにより、光起電セルを作るために使用することができる。実施形態は、印刷動作が施される他の分野からの印刷支持要素とともに使用することもできる。
【背景技術】
【0002】
印刷機は、太陽電池、光起電セルまたは同様の半導体装置の製造用に知られており、シルクスクリーン印刷法を使用して、好適な導電材料、または導電ペースト、または接触ペーストからなる電子回路およびセルとの接点を作る。
【0003】
一般にそのような方法で使用される印刷機は、適当な作業台を備え、セルのそれぞれは、印刷ネストとも呼ばれる支持ユニット上で、直線状コンベヤベルトまたは回転作業台を備える機械と関連して、作業台との間で移動する。印刷ネストは、それぞれの場合に作業される基板が載せられる、作業面または作業平面を有する。
【0004】
より具体的には、印刷ネストは、互いに相互接続する複数のチャネルを有する流体力学的回路を備える支持面を備え、チャネルは、セルを製造するために基板が配設される面に向かって開口する。流体力学的回路は吸引デバイスと関連し、吸引デバイスは基板が印刷ネストとの付着を保ち、基板が正しい印刷位置から移動することを防止するために、吸引(または周囲の圧力よりも低い圧力)および/または基板上の部分的な真空の状態を決定することができる。シガレットペーパーなど、蒸散可能な材料の層が印刷ネストの面と基板の間に配設され、印刷ネストの面がセルの印刷の期間に汚れることを防止し、基板が基板の下面に損傷を受けることを防止する。
【0005】
1つの方法は、基板を印刷ネスト上に配置し、次に基板を印刷動作のための台に持って行くことである。印刷動作の期間に、印刷機に面する基板の面上に導電性トラックが作られ、(基板を貫通する)孔が金属化される。金属化プロセスの期間、孔は完全にまたは部分的に金属ペースト(例えば、銀をベースとする金属ペースト)で充填され、金属ペーストは、セルの表面(接続部が直接繋がれ得る)と背面の間で導電機能および/または接点機能を有する。
【0006】
印刷動作の期間、吸引回路を活性化することには、基板に存在する孔を導電ペーストで正しく充填する機能がある。このことによって、印刷される材料の流体特性を活用することが可能となる。
【0007】
したがって、印刷ネストが提供される流体力学的回路は、印刷動作の期間に印刷される基板を保持する機能および基板を移動させる機能の両方、ならびに印刷ステップにおいて、孔が正しくかつ完全に充たされることを実現する機能も実施する。
【0008】
しかし、この動作の期間、導電ペーストが基板から漏れ、蒸散可能な材料の層を汚すことがしばしば起こり、やむを得ず蒸散可能な材料の層を交換または修復しなければならない。この目的のために、印刷ネストは、通常蒸散可能な材料の層をロードするためのローダを備え、ローダは、移動手段に関連する、供給リールおよび収集リールを備える。
【0009】
印刷機の高い生産性を考慮すると、不完全な印刷の原因となる可能性があり、後続のウエハを汚す可能性がある、後続のウエハが載る堆積されたペーストが不要な厚さを成すことを防止するため、蒸散可能な材料の層を頻繁に交換する必要がある場合がある。したがって、蒸散可能な材料を頻繁に交換することが、望ましくない導電状態および低品質の印刷の原因になり得る。
【0010】
蒸散可能な材料を頻繁に交換することによって、ベルト交換のための頻繁な停止時間ならびに交換されるベルトに起因するコストの増加も引き起こす。さらに、蒸散可能な材料を頻繁に交換することによって、後続のウエハを配置し製造する際に、誤りが発生する可能性を生じさせる場合がある。
【0011】
さらに、流体力学的回路は、基板が印刷ネストとの付着を保つ機能とともに、基板の孔を充填することを可能にする機能の両方を実施することを考慮すると、両方の作用が異なる動作圧力を必要とするので、両方の作用を適切に制御するのは可能ではない。このことは、多くの場合、基板の孔の充填が制御できず、セルの後ろからペーストが漏れる望ましくない結果をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願第12/257,159号(米国特許出願公開第2009/0314201号として公開)
【特許文献2】米国特許出願第12/256,707号(米国特許出願公開第2009/0265926号として公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、導電ペーストが望ましくないやり方で漏れることを解消する、プリントトラックを堆積させるための設備内で印刷基板を支持および搬送するための、デバイスおよび方法を提供する必要がある。さらに、前のステップで使用された印刷ペーストが後続の印刷動作を偶発的に損なう可能性を、実質的になくす必要がある。
【0014】
ベルトの交換に起因する停止時間およびコストとともに、印刷支持体がベルト上で誤って配置されることに起因する印刷誤りの可能性を、最小限に抑えることを可能にする、デバイスおよび方法を提供する別の必要がある。
【0015】
孔内部のレベルを金属で調整することが可能であり、レベルは同一平面であるかまたは部分的に突出するかのいずれかであるように、基板の孔の充填レベルを好適に制御することにより、印刷ペーストの浪費を減少するさらなる必要がある。
【0016】
本出願人は、従来技術の欠点を克服し、これらおよび他の目的および利点を得るため、実施形態を考案し試験した。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、独立請求項において記載され特徴付けられており、従属請求項は、本発明の他の特徴または主な発明の概念に対する変形形態を述べている。
【0018】
1つの実施形態において、プリントトラックを堆積させるための、基板を支持および搬送するための装置が提供され、装置は、基板を支持するために好適な支持面を有する支持板と、支持板の支持面の1つまたは複数の第1の領域内に第1の吸引状態を生成するように構成され、基板が支持面と付着することを維持する、第1の流体力学的回路と、支持板の支持面の1つまたは複数の第2の領域内に第2の吸引状態を生成するように構成される、第2の流体力学的回路とを備え、基板が支持面上に載せられるとき、1つまたは複数の第2の領域が、基板の1つまたは複数の孔と流体連結するように配置される。
【0019】
さらなる実施形態において、基板内の1つまたは複数の孔を導電材料で制御して充填することを可能にするため、第2の吸引状態が制御されるように構成される。別の実施形態において、支持面は、複数の第1の孔および複数の第2の孔をさらに含み、複数の第1の孔が第1の流体力学的回路と流体連結し、複数の第2の孔が第2の流体力学的回路と流体連結し、第1の孔および第2の孔が少なくとも部分的に支持面に向かって開口する。さらに別の実施形態において、基板が支持面上に載るとき、第2の孔のうちの少なくともいくつかが、基板の孔と位置合わせされるように配置される。さらに、第2の孔のうちの少なくともいくつかが、支持面の近くで終端する張出し部を有することができる。さらに、被覆要素が複数の第2の孔のうちの少なくとも1つの内部に、少なくとも部分的に配設されてもよく、少なくとも1つの第2の孔を少なくとも部分的に覆うように、被覆要素が支持面から後退している。被覆要素は、張出し部を有する複数の第2の孔のうちの少なくとも1つの内部に、少なくとも部分的に配設されてもよく、少なくとも1つの第2の孔を少なくとも部分的に覆うように、被覆要素が支持面から後退しており、被覆要素が第2の孔の張出し部の内部に配設される。
【0020】
別の実施形態において、装置は、第2の流体力学的回路内で、少なくとも第1のレベルの吸引圧力および第2のレベルの吸引圧力を制御するように構成され、異なる時点に、既定の時間間隔の間作用する制御ユニットをさらに備える。
【0021】
さらなる実施形態において、装置は、第1の吸引状態を生成するための第1の吸引手段、および第2の吸引状態を生成するための第2の吸引手段を備えることができる。別の実施形態において、装置は、第1の流体力学的回路と流体連結する第1の吸引ユニット、および第2の流体力学的回路と流体連結し、第1の吸引ユニットから独立である、第2の吸引ユニットを備えることができる。
【0022】
さらに別の実施形態において、第1の流体力学的回路が第2の流体力学的回路から少なくとも部分的に独立であってもよく、第1の気体接続部および第2の気体接続部と連結される基部要素と、基部要素の上方に配設される支持プラットフォームと、支持プラットフォームの上方に配設される拡散要素とをさらに備え、支持板が拡散要素の上方に配設される。さらに、装置は、支持プラットフォームと基部要素の間に形成される1つまたは複数のコンジット、および1つまたは複数のコンジットと流体連結し、かつ支持面内の第1の孔と流体連結する、支持プラットフォーム内の1つまたは複数の孔を備えることができる。
【0023】
加えて、装置は、第2の気体接続部と流体連結する、基部要素内の空洞と、支持プラットフォームと拡散要素の間に形成され、基部要素内の空洞と流体連結する第1の隙間と、および拡散要素と支持板の間に形成される第2の隙間であって、拡散要素内の複数の孔および空気拡散要素の周辺端面と支持プラットフォームの間の間隙のいずれかまたは両方を介して、第1の隙間と流体連結するように構成され、支持板の支持面内の第2の孔と流体連結する第2の隙間とをさらに備えることができる。
【0024】
他の実施形態において、印刷基板上に導電材料または非導電材料を堆積させるためのための方法が提供され、方法は、基板の第1の面が支持および搬送ユニットの支持面上に配設されるように印刷基板を配置するステップと、基板の第2の面上に導電材料または非導電材料を堆積させるためのため印刷ヘッドを使用するステップであって、基板が第1の面と第2の面(56)の間に延在する孔を有するステップと、支持および搬送ユニットと関連する第1の流体力学的回路を使用して、基板を支持面に付着させるのに適した、基板上に吸引圧力を生成するステップと、支持および搬送ユニットと関連する第2の流体力学的回路を使用して、孔に導電材料または非導電材料を制御して充填することを実施可能にする第2の吸引圧力を生成するステップであって、第2の流体力学的回路が第1の流体力学的回路と少なくとも部分的に別個であり独立であるステップとを含む。
【0025】
さらなる実施形態において、第2の流体力学的回路を使用するステップが、異なる時点に、既定の時間間隔の間、少なくとも第1のレベルの吸引圧力および第2のレベルの吸引圧力を印加するステップをさらに含む。他の実施形態は、印刷基板を配置するステップが、基板内のそれぞれの孔を、第2の流体力学的回路と流体連結する支持面内の孔と流体連結して配設するように、基板を支持面上に配置するステップをさらに含むことを提供する。さらに他の実施形態は、導電材料または非導電材料が、インク、ペースト、ドーパントゲル、およびエッチングゲルを含む群から選択される導電材料であることを提供する。さらなる実施形態において、導電材料は、ガラス繊維をさらに含有する、金属をベースとするペーストである。追加の実施形態において、金属をベースとするペーストは、さらに樹脂を含有する。また別の実施形態において、金属をベースとするペーストは、銀をベースとするペーストであって良い。他の実施形態において、金属をベースとするペーストは、銅をベースとする、またはモリブデンをベースとする、または金属ベースの混合物であって良い。別法としてまたは加えて、導電材料または非導電材料は、インク、ペースト、誘電体ペースト、ドーパントゲル、およびエッチングゲルを含む群から選択される非導電材料であって良い。
【0026】
他の実施形態において、支持および搬送ユニットは、印刷ネストとしても知られており、プリントトラックを堆積させるための設備と協働して、印刷基板を支持および搬送するために使用することができる。この設備は(実質的に既知の種類であってもよく)、印刷基板上に、所定のパターンにしたがい、少なくともプリントトラックを堆積させるためののに適した、少なくとも印刷ヘッドを備える。基板は、支持および搬送ユニットの支持面上に載せられる第1の面と、印刷ステップの期間に、その上にトラックが作られる、印刷ヘッドに向かって面する第2の面と、第1の面と第2の面の間に延在し、印刷ステップの期間に、基板の第1の面と第2の面の間で、電気接続または絶縁接続を達成するように、導電材料および/または非導電材料で少なくとも部分的に充填される孔とを備える。
【0027】
1つの実施形態によれば、支持および搬送ユニットは、基板が支持および搬送ユニットの支持面との付着を保つための、第1の吸着状態を生成するのに適した第1の流体力学的回路、および第1の流体力学的回路と別個であり少なくとも部分的に独立であって、孔が導電材料または非導電材料で充填されることを可能とするための、基板の孔を介する制御された吸着の第2の状態を生成するのに適した第2の流体力学的回路を備える。
【0028】
第1の流体力学的回路は、基板面の連続ゾーン、すなわち孔がない場所の近傍の基板面上で作用することができ、第2の流体力学的回路は、主に、充填される基板の孔と対応して、または充填される基板の孔の近傍で作用する。
【0029】
したがって、第1および第2の吸引状態を好適に制御することによって、第1の流体力学的回路を用いて、印刷動作の期間ならびに搬送動作の期間の両方で、支持および搬送ユニットの支持面の面上の固定位置に、基板がとどまることが実現可能となり、その結果非常に精密なトラックが得られ、第2の流体力学的回路を用いて、孔が正しく充填され、このため基板の第1の面と第2の面との間で接触の達成が実現されるとともに、材料の一部が、印刷ユニットの支持面と接触することが防止されるため、孔を介して材料の吸引のレベルを好適に制御することが可能となる。
【0030】
したがって、第1の流体力学的回路および第2の流体力学的回路は、同時に、または必要に応じて異なる時点にお互いからは別個に、活性化することができる。
【0031】
さらに、このやり方では、少なくとも第2の流体力学的回路の吸引の強度を正確に制御することのおかげで、支持および搬送ユニット、すなわち印刷ネストを、基板の全ての動作サイクルで修復されなければならない蒸散可能な材料の層と関連付ける必要がない。ただし、本発明の実施形態は、蒸散可能な材料の層を介して伝達される、吸引、低圧または圧力差も使用し得ることに留意されたい。したがって、蒸散可能な材料を使用するように構成される印刷ネストは、本発明の範囲から除外されない。様々な印刷ネスト構成および印刷ネストを使用する装置は、その全体が本明細書に完全に記載される場合と同様に、それぞれ参照により組み込まれる、Bacciniの米国特許出願第12/257,159号(米国特許出願公開第2009/0314201号として公開)および第12/256,707号(米国特許出願公開第2009/0265926号として公開)にさらに記載されている。これらの出願において記載される実施形態は、本明細書の教示にしたがって使用され得ることを理解されたい。例えば、蒸散可能な材料に関する特徴は、必要でないまたは所望でない場合、除去するまたは利用しないことができる。別法として、吸引制御または圧力制御は、蒸散可能な材料を介して適用することができる。
【0032】
1つの実施形態によれば、支持および搬送ユニットは、複数の第1の孔、および第1の流体力学的回路および第2の流体力学的回路とそれぞれ流体連結する第2の孔がその厚みの中に作られる、支持板を備える。
【0033】
第1の孔および第2の孔は、基板が堆積される支持面に向かって少なくとも部分的に開口し、それぞれ基板内の吸引状態を規定し、基板を付着させ、基板の孔の中における材料の充填を制御する。
【0034】
いくつかの実施形態において、第2の流体力学的回路の第2の孔のうちの少なくともいくつかは、基板が支持面上に載っているとき、基板の孔のうちの少なくともいくつかと対応して、支持面に向かって開口する。すなわち、支持面に向かう第2の孔の開口は、支持面上に作られた孔の配置と適合して作られる。
【0035】
さらに他の実施形態において、第2の孔のうちの少なくともいくつかは、基板内に作られる孔の平面のサイズよりも大きい平面のサイズを有する張出し部をもって、上部で終端する。このやり方では、印刷ステップの期間に導電材料が導入される孔から導電材料が少しでも突出するとき、支持面が導電材料によって汚されることを防止することができる。
【0036】
別の実施形態によれば、少なくとも被覆要素は、少なくとも部分的に第2の孔を閉じように、かつ印刷され取り込まれた材料が、第2の流体力学的回路を介して導入され、基板の孔を介して吸入状態を変化させることを防止するように、第2の孔のうちの少なくとも1つの内側に少なくとも部分的に配設されるのに適しており、支持面から後退している。
【0037】
変形形態によれば、支持板内に作られた第2の孔が張出し部を備える場合、被覆要素は、少なくとも部分的に張出し部内に配設される。
【0038】
実施形態の他の形態において、支持および搬送ユニットは、少なくとも第2の流体力学的回路内で、異なる時点に、既定の時間間隔の間作用する少なくとも第1のレベルの吸引および第2のレベルの吸引(または圧力差)を決定するように設けられる制御ユニットを備える。この解決策により、孔が導電材料で充填され、支持面への損傷の問題を防止するやり方を、所望の形で制御することが可能になる。
【0039】
実施形態の他の形態において、第1の流体力学的回路および第2の流体力学的回路は、第1の吸引状態および第2の吸引状態を生成するのに適した吸引手段と関連する。吸引手段が、第1の流体力学的回路および第2の流体力学的回路内で独立に吸引状態を決定することを可能にする切替手段、バルブまたは他のものと関連することを実現することは、有利である。
【0040】
実施形態の他の形態において、吸引手段は、第1の流体力学的回路に関連する第1の吸引ユニット、および第1の吸引ユニットから独立し、第2の流体力学的回路に関連する第2の吸引ユニットを備える。
【0041】
本発明は、上に記載した種類の支持および搬送ユニット上に堆積される、印刷基板上の導電材料を堆積させるためのための方法にも関する。
【0042】
上記の特徴を詳細に理解することが可能なように、図面を参照することによって、様々な実施形態をより具体的に説明することができる。添付の図面は代表的な実施形態のみを図示しており、したがって原寸に比例せずに描かれ、特許請求の範囲を限定しないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】いくつかの実施形態にしたがう支持および搬送ユニットが設けられる、印刷基板上にプリントトラックを堆積させるための設備のレイアウトを概略的に示す図である。
【図2】図1の変形形態を概略的に示す図である。
【図3】実施形態にしたがう支持および搬送ユニットの分解図である。
【図4】図3における支持および搬送ユニットの、組み立てられた状態の平面図である。
【図5】図4におけるV−Vに沿った断面図である。
【図6】図4におけるVI−VIに沿った断面図である。
【図7】図4におけるVII−VIIに沿った断面図である。
【図8】図4におけるVIII−VIIIに沿った断面図である。
【図9】第1の変形形態にしたがう、図8を拡大した詳細図である。
【図10】第2の変形形態にしたがう、図8を拡大した詳細図である。
【図11】図9の変形形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
これらおよび他の特性は、優先的な実施形態の、以下の記載によって例示され、添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられる。理解を容易にするために、可能な場合は、図面内の共通な要素を特定するため、同一の参照番号が使用されている。1つの実施形態の要素および特性が、さらなる明確化なしに、他の形態の実施形態に好都合に組み込まれ得ることを理解されたい。したがって、1つの実施形態の要素および特徴が、さらなる記述なしに、他の実施形態に有利に組み込まれ得る。
【0045】
図1を参照すると、典型的には、印刷支持体または基板12上にプリントトラックを堆積させるためのために使用される、設備11のレイアウトが示される。ここで示される実施形態において、設備11は、一般に入り口コンベヤ15、ロータリアクチュエータユニット16、スクリーン印刷ヘッド19および出口コンベヤ20を装備する処理ユニット13を備える。入り口15および出口コンベヤ20は、基板12を矢印Fにより示される移動方向に、ロータリアクチュエータユニット16に向かって、およびロータリアクチュエータユニット16から外に、それぞれ移動させるのに適している。
【0046】
ロータリアクチュエータユニット16は、印刷ネストとしても知られ、互いに角度をずらして配設された4つの支持および搬送ユニット10を備え、支持および搬送ユニット10のそれぞれは、入り口コンベヤ15から基板12を受け取る第1の位置「1」と、シルクスクリーン印刷ヘッド19内部の位置「2」と、作業済みの基板12を出口コンベヤ20に移送するための第3の位置「3」と、位置「1」と「3」の間の中間ステージである第4の位置「4」との間で移動することができる。
【0047】
供給コンベヤ15および出口コンベヤ20は、基板12を作業方向Fに移動させること、またはどんな場合でも基板を好適な動作位置に対応させることが可能なコンベヤベルト21を備える。
【0048】
図示しない変形形態によれば、コンベヤベルト21を使用することを実施するかわりに、コンベヤ15および20が機械的および/または電磁石レールを備え、基板12が機械的および/または電磁石レール上で、例えば印刷ネスト10により支持され、案内されるやり方で摺動することができ、次いで基板12は、ロータリアクチュエータユニット16により4つの位置の間で移動することになる。
【0049】
図2に示す実施形態によれば、コンベヤベルト21を備える単一のコンベヤ25が提供され、コンベヤベルト21は、基板12を、基板12が印刷ヘッド19の中に導入される第1の位置「1」と、印刷ヘッド19内部の位置「2」と、および作業済みの基板12が印刷ヘッド19から排出され、他の動作台に向けて運ばれる第3の位置「3」との間で搬送する。この実施形態では、ロータリアクチュエータユニット16は設けられない。
【0050】
図示しない変形形態によれば、単一のコンベヤベルト25のかわりに、機械的および/または電磁石レールが設けられ、基板12が機械的および/または電磁石レール上で、例えば印刷ネスト10により直接支持され、案内されるやり方で摺動することができる。
【0051】
図3は、各印刷ネスト10がパネルとしても知られる支持プラットフォーム80を備え、支持プラットフォーム80と基部要素81が下部で、および反対側では支持板82で結合する実施形態を示す。支持板82と支持プラットフォーム80の間に、空気拡散要素83が挿置され、空気拡散要素83の機能は、以降で記述することとする。
【0052】
支持プラットフォーム80は、実質的にフレームと一致する第1の空洞、および第1の空洞に対して内側にあり、実質的に正方形で、内部基本面87を画定する第2の空洞を備える。第1の空洞85と第2の空洞86の間に、当接面88が画定され、当接面88上に、使用期間、支持板82が付着して配設される。第1の空洞85には、支持プラットフォーム80の厚み全体を貫通して延在する複数の孔89が当接面88上に位置して作られる。第2の空洞86を画定する対向する側部のうちの2つは複数の中空94を備え、中空94は、拡散要素83を支持プラットフォーム80から取り除くためのアクセスに使用するのに好適な器具が通される空間を画定する。
【0053】
基本面87は、複数の第1のセンタリングピン90および第2のセンタリングピン91を備えることができる。第2のセンタリングピンは、第1のピン90よりも大きいサイズであって良い。具体的には、第1のピン90と第2のピン91の両方は、拡散要素83を第2の空洞86内の既定の位置に保つのに適しており、支持プラットフォーム80とともに第1の隙間92を画定し、支持板82とともに第2の隙間93を画定するように、基本面87から距離をおく(図5および図8)。第2のセンタリングピン91(図3)は、それぞれ孔95を備え、孔95の機能は、以降で記載することとする。基本面87には、その内部の位置に、空洞84も作られる。
【0054】
支持プラットフォーム80は、実質的に正方形であり、第1の空洞85および第2の空洞86が作られる側と反対側に作られる、第3の空洞96(図7)も備える。第3の空洞96は、基部要素81を収容するのに適したサイズである。
【0055】
基部要素81(例えば図3を参照)は、実質的に板と一致することができ、複数の溝97が、基部要素81上に作られて良い。複数の溝97のうちの少なくともいくつかは、基部要素81のエッジにまで周辺で延在することができ、その結果、基部要素81が支持プラットフォーム80と結合するとき、(支持プラットフォーム80の)孔89が、直接溝97と向かい合う。
【0056】
他の溝97は、基部要素81の内側に向かって延在し、溝97の底面に対して突出部99を画定する。具体的には、溝97のうちの1つの近傍に第1の孔100が作られ、突出部99のうちの1つの近傍に第2の孔101が作られる。第1の孔100の近傍に第1の気体接続部103が、第1のフランジ102を用いて結合され、溝97に向かって開口する。
【0057】
第2の孔101は、第2の気体接続部106と第2のフランジ105を用いて結合され、支持プラットフォーム80が基部要素81と結合するとき、支持プラットフォーム80の基本面87に向かって開口する。
【0058】
基部要素81の突出部99は、孔107を備え、基部要素81が支持プラットフォーム80と結合するとき、孔107は、第2のセンタリングピン91内に作られた孔95と実質的に位置合わせされる。
【0059】
基部要素81が支持プラットフォーム80と組み立てられた状態において、突出部99は、支持プラットフォーム80の第3の空洞96の下面と当接して付着し、溝97は、閉じたコンジット98のネットワークを画定するように、上部において閉じられる(図5〜図8)。
【0060】
図3に示すように、拡散要素83は、実質的に平坦で正方形であり、第2の空洞86の平面サイズよりも少し小さい平面サイズを有する。拡散要素83は、行列構成で配設され、単に例を示すと、0.1mmと3mmの間からなる直径サイズを有する複数の第1の孔110を備える。拡散要素83は、拡散要素83が支持プラットフォーム80と結合するときに、第1のセンタリングピン90の内側で、かつ支持プラットフォーム80のそれぞれの第2のセンタリングピン91の内側に配置されることを可能にするのに適しているサイズを有し、かつ既定の位置に作られた、第2の孔111および第3の孔112も備える。
【0061】
支持板82は、使用期間に、基板12を金属化または印刷することが可能なように、基板12を配設する支持面113を備える。支持板82は、複数の第1の孔117および複数の第2の孔116を備える。第1の孔117は、支持板82が支持プラットフォーム80と結合するとき、第1の孔117が、当接面88に作られる孔89と実質的に同軸であるような位置でかつ、支持板82の周辺に作られる。第2の孔116は、基板12の特性にしたがい、所定のパターンにしたがって、この場合行列構成にしたがって、すなわち、ラインとカラムの間の交差点に配設され、単に例を示すと、0.1mmと3mmの間からなるサイズを有する。
【0062】
さらに、支持板82の周辺縁部の近傍に、複数のチャネル119が作られ、上部で開口し、複数のチャネル119のそれぞれが、第1の孔117のうちの1つを取り囲み、支持板82の周辺端面の近傍で外側に向かって、厚さ方向に開口するように、延在する。具体的には、チャネル119は、支持板82の周辺縁部に向かって、凹面形状にしたがって延在し、チャネル119が第2の孔116が作られるゾーンに影響しないように、支持板113の既定の周辺バンド内に制限された状態を維持する。
【0063】
支持板82は、この場合4つである第3の孔118も備え、支持板82が支持プラットフォーム80と結合するとき、第3の孔118は、第2のセンタリングピン91の孔95および基部要素81の孔107と実質的に位置合わせされて同軸となる。
【0064】
印刷ネスト10が組み立てられた状態において、別個の、第1の流体力学的回路32および第2の流体力学的回路33が画定され、第1の32および第2の流体力学的回路33において、吸引または圧力差の、明確で異なる状態を確立することが可能である。
【0065】
具体的には、第1の流体力学的回路32は第1の気体接続部103によって画定し、気体接続部103は、支持プラットフォーム80の当接面88に作られる孔89と流体連結するコンジット98に流体連結し、気体接続部103は、支持板82の第1の孔117と位置合わせされて同軸となり、支持板82の支持面113に向かって開口する。
【0066】
第2の流体力学的回路33は、第2の気体接続部106によって画定され、第2の気体接続部106は、空洞84を介して、支持プラットフォーム80の基本面87と直接流体連結し、したがって支持プラットフォーム80と拡散要素83の間に画定される第1の隙間92と流体連結する。
【0067】
第1の隙間92と第2の隙間93の間の流体連結は、第1の孔110よって、かつ拡散要素83の周辺端面と第2の空洞86の間に生成される間隙によって実現される。
【0068】
第2の隙間93は、支持板82内に作られ、かつ支持板82の支持面113に向かって開口する、第2の孔116と流体連結する。
【0069】
第1の流体力学的回路32および第2の流体力学的回路33において、印刷動作の期間に、第1の孔117および第2の孔116でそれぞれ別個に作動する、第1の吸引状態および第2の吸引状態がそれぞれ設定される。
【0070】
拡散要素83は、第1の隙間92内で生成される第2の吸引状態を、第2の隙間93内で均等に分散させるのに適しており、その結果、支持板82の第2の孔116のそれぞれが、同じ値の吸引または圧力差にさらされる。
【0071】
第1の流体力学的回路32および第2の流体力学的回路33は、それぞれ第1の気体接続部103および第2の気体接続部106と連結し、流体力学的回路32、33内部の制御される吸引の作用を、お互いから独立に決定する、第1の吸引ユニット41および第2の吸引ユニット42もそれぞれ備える。
【0072】
実施形態の(図8に提供されるなどの)いくつかの優先的な形態において、支持板82の第2の孔116は、対応する孔の直径より大きい直径を有する張出し部45を備え、支持面113に向かって、上部で終端する。
【0073】
図9に図示される1つのそのような実施形態において、張出し部45は、側面46によって、および底面47によって画定される。図9において、側面46は、実質的に円筒形であり、底面47に直交して配置される。
【0074】
各第2の孔116の末端部は、側面46に対して実質的に平行に延在する第1のセグメント50、および第1のセグメント50の上方に位置し、底面47に実質的に平行である第2のセグメント51を備える、被覆要素49により上部を覆われる。第1のセグメント50および第2のセグメント51のサイズは、被覆要素49が張出し部45の内部に後退し、支持面113と第2のセグメント51の間に隙間を画定するようなサイズである。第1のセグメント50は、第2の孔116と張出し部45の間に流体連結を可能にする、貫通台座52を備える。
【0075】
いくつかの実施形態において、第1のセグメント50は、第2の孔116の直径よりも大きい直径を有する実質的に円筒形の本体を備えることができ、第1のセグメント50は、第2の孔116と実質的に同軸に配設することができる。
【0076】
さらなる実施形態において、被覆要素49は、洗浄または保守のために求められる場合など、被覆要素49を交換可能にできる、脱着可能な種類であって良い。この場合、被覆要素49および張出し部45は、ねじ接続、同一形状接続、スナップイン接続または他の機械的接続など、被覆要素49および張出し部45の相互接続を実現する取付け要素を備えることができる。図9は、張出し部45が支持板82内に作られる実施形態も図示する。
【0077】
図10は、被覆要素49が拡散要素83と結合するまたは単一の部品に作られる、別の実施形態を図示する。被覆要素49が少なくとも部分的に第2の孔116の内部に収容されるように、被覆要素49は、さらに第2の孔116と協調して配置される。
【0078】
第2の孔116のそれぞれが外側に向かって張り出して終端する、別の実施形態が図11に図示される。いくつかのさらなる実施形態において、挿入される被覆要素が除外されて良い。かわりに、被覆要素が備えられて良い。
【0079】
図8を参照すると、基板を配置するための実施形態が、議論されて良い。印刷動作の期間、基板12は、第1の面55が支持板82の支持面113に面して載る状態で配設される。基板の第2の面56が印刷ヘッド19に向かって面し、したがって第2の面56は、基板の第1の面55の反対側に配置される。基板12の支持板82上への正しい配置、および印刷動作および移動の期間に、基板12を所定の位置に維持することが、第1の流体力学的回路32によって実現される。第1の吸引ユニット41が活性化されるとき、第1の流体力学的回路32内部に吸引(またはより低い圧力)を発生することができ、このことによって基板12を支持面113に付着させる。
【0080】
基板12は、導電材料で充填されると、例えばフィンガおよびバスバーが作られる(図示せず)第2の面56と第1の面55の間に電気接続を実現する、複数の孔57を、既知のやり方で備える。
【0081】
印刷動作の期間、および印刷動作が始まる前に、各孔57は、支持板82の第2の孔116のそれぞれの末端部に対応して配設される。実際、第2の孔116が作られる位置は、基板12が支持板82上に配設されるときに基板12が想定しなければならないことになる位置、および孔57が基板12の中に作られる位置と関係して画定される。
【0082】
印刷動作の期間、孔57は、導電材料で充填されることにより金属化される。孔57の正しい充填は、第2の流体力学的回路33により実現される。実際、第2の吸引ユニット42が駆動されると、基板12の面上に印刷ステップの期間に分布された充填材料を、調整可能なやり方で高精度に取り込む結果となる、吸引(または、周囲の圧力よりもより低い圧力)が生成される。
【0083】
第2の吸引ユニット42の吸引圧力の値を好適に制御することにより、孔57が所望のレベルに均一に充填され、取り込まれる材料が支持板82の支持面113を汚さないことを実現することができる。そうでない場合、洗浄のための介入ステップが必要になるか、そうでなければ、印刷される次の基板12を汚さないように、蒸散可能な材料の層が必要になる。さらに、被覆要素49が存在することにより、取り込まれた残留材料が、第2の隙間93内に導入されることを防ぎ、第2の孔116を介して吸引状態を損なうか、または変化させることを防ぐことができる。
【0084】
印刷ネスト10が組み立てられると、基部要素81の孔107、第2のセンタリングピン91の孔95、支持板82の第3の孔118は、実質的にお互いに位置合わせされて同軸であり、基部要素81の孔107、第2のセンタリングピン91の孔95、支持板82の第3の孔118を通って、リフト用ピンが導入され得る(図示せず)。基板12が支持面113上に載ると、リフト用ピンが面113から基板12を持ち上げ、その結果、好適な除去デバイスが基板12を印刷ネスト10から取り上げ、後続の作業ステップに基板12を送ることができる。
【0085】
基板12は、微小結晶シリコンのベースを有することができる。1つの例において、基板は、太陽電池を作成するために使用される種類であって良い。他の例において、グリーンテープセラミック基板を作るために使用される基板の種類が提供され得る。
【0086】
1つの実施形態において、各印刷ネスト10は、基板12が検査システムによってより容易に検査を受けることが可能なように、印刷ネスト10上に配置される基板12を照明するための、ランプまたは他の同様の光学的放射デバイスを備えることができる。
【0087】
設備11内で使用される印刷ヘッド19(図8に図示)は、Applied Materials Italia S.R.Lから入手可能な、従来型のシルクスクリーン印刷ヘッドであって良い。
【0088】
印刷ヘッド19は、プリントマスクまたはネット61(図8に概略的に示される)の位置および/または角度方向を調整するのに適したシステムコントローラ60と通信することがさらに可能な、図示しない複数のアクチュエータ(例えば、ステップモータまたはサーボモータ)を備えることができる。
【0089】
プリントマスク61は、基板12上に得られるパターンのトラックと同じように一致する、複数の孔または亀裂または他の開口を備える、金属箔またはシートであって良い。
【0090】
印刷ヘッド19と関連するブレード62は、既知のやり方で、プリントマスク61上に導電材料または非導電性材料を分布することができ、導電材料または非導電性材料は、次いで基板12上にトラックのパターンを画定することになる。
【0091】
導電材料または非導電材料は、インク、ペースト、ドーパントゲル、切断ゲル、またはマスキング材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、孔は、金属ペーストなどの導電材料で充填されて良い。1つのそのような導電ペーストは、粘度および導電特性が、孔を十分に充填することを可能にするように、選択または利用することができる、銀(Ag)ベースのペーストである。導電ペーストは、剪断速度(換言すれば、ペーストが配置されたテスト「プレート」の速度)に応じて、約10と約1000Pa・sの間の粘度を有することができる。銀ペーストは、低抵抗(数mOhm/平方単位面積)の特性も有する場合がある。他の材料は、Cu−Al−Zn−SnベースのペーストまたはMbベースのペーストまたはその混合物であって良い。導電ペーストは、セル表面とペーストの間に接点を作り出すことが可能な、ガラス繊維(フリット)も含有することができる。また、導電ペーストは樹脂を(すなわち追加または代替として)含有することができる。樹脂は、焼結炉で焼結された後、ペーストが脱凝集することから保護する役にたつ場合がある。
【0092】
基板12の面上に堆積される必要があるパターンは、例えば印刷ヘッド19の上流および下流に配設される相対TVカメラにより検出される情報を処理するコントローラ60により受信される情報にしたがって、プリントマスク61を配向することにより、自動的に基板と位置合わせされて良い。
【0093】
それぞれの孔57が金属化されることを可能にするために、それぞれの孔57を第2の孔116の張出し部45に対応して配設され、支持板82の第1の孔117の終端位置が、かわりに、基板12の実質的に連続な面のゾーンの近傍に配設され、すなわち、基板12を支持板82の支持面113上に吸引(つまり周囲の圧力よりも低い圧力)によって保持するための、より効果的な作用を可能にするように、支持および搬送ユニット10または印刷ネストが、基板12を支持板82の支持面113上に配設するのに適した配置デバイスによって管理されることを実現するのは、有利である。
【0094】
支持面113上のチャネル119および支持板82が存在することによって、第1の流体力学的回路32により作用させられる低圧ゾーンを、第1の孔117を囲むゾーンのみに制限するまたは分離することが可能となり、吸引が、第2の孔116を囲むゾーンにも影響を及ぼすこと、したがって基板12の孔57の中の吸引状態を変えることを防止する。
【0095】
図示しない実施形態の他の形態において、基板12上に配設された材料を処理するため、乾燥オーブンも、印刷ヘッド19と関連する。
【0096】
別の実施形態において、設備11がインクジェット印刷設備であり、印刷ヘッド19が、基板12上にパターンを画定するトラックの層を堆積させるためのように構成される、インクジェット印刷構成要素を含む。
【0097】
コントローラ60は、設備11全ての制御および自動化を容易にし、印刷プロセス、コンベヤ、検出器、モータ、流体供給デバイス、吸引ユニットおよび他のものを制御するのに適している。
【0098】
堆積方法は、入り口コンベヤ15によって供給される基板12を、印刷ネスト10の支持面113上に配置する第1のステップを含むことができる。
【0099】
次いで、第1の吸引ユニット41が活性化され、第1の流体力学的回路32を介するこの作用が、基板12を支持面113に付着させ、基板が偶発的に移動することを防止する。
【0100】
単に例を示すと、第1の吸引ユニット41は、基板12上に、1mbarと1barの間からなる吸引(またはより低い圧力)の作用を及ぼす。
【0101】
このステップの期間に、印刷ヘッド19の上流に位置するTVカメラが、配置デバイスによって、導電材料の正しい堆積を制御し調整するために、基板12の位置を検出することを可能にする。
【0102】
基板12は、第1の面55が支持板82の支持面113上に載り、およびそれぞれの孔57が第2の流体力学的回路33の第2の孔116と実質的に位置合わせされ同軸とされた状態で配設される。第1の流体力学的回路32の第1の孔117は、基板12の第1の面55に直接面し、孔57の第1の面55に面さない位置にある。
【0103】
第2のステップは、基板12の第2の面56上に導電材料を堆積させるためのことを実現する。具体的には、ブレード62が導電材料の均一な層をプリントマスク61上に均一に分布することを可能にし、導電材料の均一な層は、プリントマスク61の台座および亀裂を充填し、第2の面56上に所望のパターンを画定する。
【0104】
次いで、第2の吸引ユニット42が活性化され、第2の孔116を介して吸引を発生する。この吸引状態によって、前に堆積された導電材料が孔57を均一に充填すること、このため、第1の面55と第2の面56の間の電気接続状態を規定することが可能になる。吸引圧力値を適正に制御することにより、導電材料が支持面113または被覆要素49の第2のセグメント51を汚染することを防止することが可能である。
【0105】
異なる時点に作用する2つのレベルの圧力を、第2の流体力学的回路33内で、制御して印加することを実現するのは、有利である。2つのレベルの圧力を印加するこのステップは、コントローラ60により好適に制御される。
【0106】
具体的には、導電材料の堆積期間に、第2の流体力学的回路33は、導電材料が孔57を部分的に、例えば孔57の体積の約半分充填することを実現する、少なくとも第1の圧力値にさらされ、この堆積動作が終了するとすぐに、材料が基板12の第1の面55に到達するか、または少なくとも材料が孔57の充填の既定のレベルにだけ到達することを実現する、少なくとも第2の圧力値が印加されることが実現される。
【0107】
実施形態の他の形態において、例えば、孔57の表面充填のみ、すなわち、孔の中に間隙を残すように、孔57の周囲壁のみの表面充填を可能にするように、第2の圧力値を好適に制御することも可能である。例えば、孔の中心に依然として開口が残るように、間隙は、孔を完全に貫通して良い。
【0108】
プロセス期間に設定される少なくとも第1の圧力値および少なくとも第2の圧力値は、使用される導電材料の密度/粘稠度、粘度、表面張力の関数である。単に例を示すと、図11は、異なる時点における、導電材料のレベルを概略的に示し、具体的には、第1のレベル70は、材料がプリントマスク61を介してちょうど堆積されたことに対応し、第2のレベル71は、第1の圧力値により与えられる吸引作用の結果として生じ、第3のレベル72は、第2の圧力値に起因する吸引作用の結果として生じる。
【0109】
これらの吸引(またはより低い圧力)値は、例えば0.1秒と2秒の間からなる期間といった、既定の時間期間、適用される。
【0110】
このステップが終了するとすぐに、基板12は、後続の動作のために、排出状態(第3の位置「3」に対応)にされる。
【0111】
本発明の分野および範囲から逸脱することなく、これまで記載されたような、基板12のための支持および搬送ユニット10および相対堆積法に、部品および/またはステップの修正および/または追加が可能であることは、明らかである。
【0112】
上記は、本発明の実施形態を対象とするが、本発明の他のさらなる実施形態を、本発明の基本範囲から逸脱することなく考案することができ、本発明の範囲は、別紙の特許請求の範囲により決定される。
【符号の説明】
【0113】
10 支持および搬送ユニット、印刷ネスト
11 設備
12 印刷支持体、基板、印刷基板
13 処理ユニット
15 入り口コンベヤ、供給コンベヤ、
16 ロータリアクチュエータユニット
19 スクリーン印刷ヘッド、印刷ヘッド
20 出口コンベヤ
21 コンベヤベルト
25 コンベヤ、コンベヤベルト
32 第1の流体力学的回路
33 第2の流体力学的回路
41 第1の吸引ユニット
42 第2の吸引ユニット
45 張出し部
46 側面
47 底面
49 被覆要素
50 第1のセグメント
51 第2のセグメント
52 貫通台座
55 第1の面
56 第2の面
57 孔
60 システムコントローラ、コントローラ
61 プリントマスク、ネット
62 ブレード
70 第1のレベル
71 第2のレベル
72 第3のレベル
80 支持プラットフォーム
81 基部要素
82 支持板
83 空気拡散要素、拡散要素
84 空洞
85 第1の空洞
86 第2の空洞
87 内部基本面、基本面
88 当接面
89 孔
90 第1のセンタリングピン、第1のピン
91 第2のセンタリングピン、第2のピン
92 第1の隙間
93 第2の隙間
94 中空
95 孔
96 第3の空洞
97 溝
98 コンジット
99 突出部
100 第1の孔
101 第2の孔
103 第1の気体接続部、気体接続部
106 第2の気体接続部
107 孔
110 第1の孔
111 第2の孔
112 第3の孔
113 支持面、支持板
116 第2の孔
117 第1の孔
118 第3の孔
119 チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントトラックを堆積させるための基板を支持および搬送するための装置であって、
基板を支持するために好適な支持面を有する支持板と、
支持板の支持面の1つまたは複数の第1の領域内に第1の吸引状態を生成することにより、基板が支持面と付着することを維持する第1の流体力学的回路と、
支持板の支持面の1つまたは複数の第2の領域内に第2の吸引状態を生成する第2の流体力学的回路と
を備え、基板が支持面上に載せられるとき、1つまたは複数の第2の領域が、基板内の1つまたは複数の孔と流体連結する装置。
【請求項2】
基板内の1つまたは複数の孔を導電材料で制御して充填することを可能にするため、第2の吸引状態が制御される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
支持面が、複数の第1の孔および複数の第2の孔をさらに有し、複数の第1の孔が第1の流体力学的回路と流体連結し、複数の第2の孔が第2の流体力学的回路と流体連結し、第1の孔および第2の孔が少なくとも部分的に支持面に向かって開口する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
基板が支持面上に載るとき、第2の孔のうちの少なくともいくつかが、基板の孔と位置合わせされる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第2の孔のうちの少なくともいくつかが、支持面の近くで終端する張出し部を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
複数の第2の孔のうちの少なくとも1つの内部に少なくとも部分的に配置される被覆要素をさらに備え、被覆要素が、少なくとも1つの第2の孔を少なくとも部分的に覆うように支持面から後退している、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
張出し部を有する複数の第2の孔のうちの少なくとも1つの内部に少なくとも部分的に配置される被覆要素をさらに備え、被覆要素が、少なくとも1つの第2の孔を少なくとも部分的に覆うように支持面から後退しており、第2の孔の張出し部の内部に配置される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
第2の流体力学的回路内で、少なくとも第1のレベルの吸引圧力および第2のレベルの吸引圧力を制御する制御ユニットであって、異なる時点に、既定の時間間隔の間作用する制御ユニットをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
第1の吸引状態を生成するための第1の吸引手段と、
第2の吸引状態を生成するための第2の吸引手段と
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
第1の流体力学的回路と流体連結する第1の吸引ユニットと、
第2の流体力学的回路と流体連結し、第1の吸引ユニットから独立である、第2の吸引ユニットと
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1の流体力学的回路が第2の流体力学的回路から少なくとも部分的に独立であって、
第1の気体接続部および第2の気体接続部と連結される基部要素と、
基部要素の上方に配置される支持プラットフォームと、
支持プラットフォームの上方に配置される拡散要素と
をさらに備え、支持板が拡散要素の上方に配置されている、
請求項3に記載の装置。
【請求項12】
支持プラットフォームと基部要素の間に形成される1つまたは複数のコンジットと、
1つまたは複数のコンジットと流体連結し、支持面内の第1の孔と流体連結する、支持プラットフォーム内の1つまたは複数の孔と
をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第2の気体接続部と流体連結する、基部要素内の空洞と、
支持プラットフォームと拡散要素の間に形成され、基部要素内の空洞と流体連結する第1の隙間と、
拡散要素と支持板の間に形成される第2の隙間であって、拡散要素内の複数の孔および空気拡散要素の周辺端面と支持プラットフォームの間の間隙のいずれかまたは両方を介して第1の隙間と流体連結し、支持板の支持面内の第2の孔と流体連結する第2の隙間と
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
印刷基板上に導電材料または非導電材料を堆積させるための方法であって、
基板の第1の面が支持および搬送ユニットの支持面上に配置されるように印刷基板を配置するステップと、
基板の第2の面上に導電材料または非導電材料を堆積させるためのため印刷ヘッドを使用して、基板が第1の面と第2の面の間に延在する孔を有するステップと、
支持および搬送ユニットと関連する第1の流体力学的回路を使用して、基板を支持面に付着させるのに適した、基板上の吸引圧力を生成するステップと、
支持および搬送ユニットと関連する第2の流体力学的回路を使用して、孔に導電材料または非導電材料を制御して充填することを実施可能にする第2の吸引圧力を生成するステップであって、第2の流体力学的回路が第1流体力学的回路と少なくとも部分的に別であり独立であるステップと
を含む方法。
【請求項15】
第2の流体力学的回路を使用するステップが、異なる時点に、既定の時間間隔の間、少なくとも第1のレベルの吸引圧力および第2のレベルの吸引圧力を印加するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−253355(P2012−253355A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−127954(P2012−127954)
【出願日】平成24年6月5日(2012.6.5)
【出願人】(510060497)
【Fターム(参考)】