説明

プリント回路基板用絶縁性樹脂組成物及びそれを含むプリント回路基板

【課題】本発明は、プリント回路基板用絶縁性樹脂組成物及びそれを含むプリント回路基板に関する。
【解決手段】本発明は、化学式1で表される液晶オリゴマー40〜70重量%と、エポキシ樹脂10〜30重量%と、シアネート系樹脂10〜30重量%と、硬化触媒0.1〜0.5重量%と、を含むプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物及びそれを含むプリント回路基板に関する。本発明の一実施形態によると、プリント回路基板が低重量化、薄層化及び小型化しても、プリント回路基板の電気的、熱的、機械的安定性が確保される。また、既存の基板工程でも安定した駆動特性を示し、低い誘電率を示すとともに接着強度、耐薬品性及び反り特性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板用絶縁性樹脂組成物及びそれを含むプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の発展に伴い、プリント回路基板の低重量化、薄板化、小型化がますます進んでいる。このような要求を満たすためには、基板において求められる電気的、熱的、機械的安定性がさらに重要な要素として作用される。
【0003】
プリント回路基板は回路が形成される銅箔と層間絶縁機能をするポリマー樹脂とで構成されており、プリント回路基板に用いられるプリプレグ(Prepreg)と銅箔積層板(CCL:Copper Clad Laminate)の絶縁厚さをより薄く製作しなければならない。回路基板が薄型化するほど基板自体の剛性が低くなるため、高温で部品を実装する場合、反り現象による不良が生じる可能性がある。このため、熱硬化性ポリマー樹脂の耐熱性及び熱膨張特性が重要な要素として作用するようになるが、熱硬化時、ポリマー構造及び基板組成物を構成するポリマー樹脂鎖間のネットワーク及び硬化密度が密接に影響する。
前記基板組成物に含まれるポリマー樹脂は、主に液晶オリゴマーとエポキシ系樹脂である。前記液晶オリゴマーは、両末端にヒドロキシ基のような官能性基を含み、エポキシ樹脂も多官能性基を有する。従って、前記液晶オリゴマーとエポキシ系樹脂を熱硬化させると、多官能性エポキシ樹脂を反応させて生成されるヒドロキシ基とエポキシ系樹脂の分子鎖の柔軟性(flexibility)のために回路基板の材料特性において重要な熱膨張率(Coefficient of thermal expansion、CTE)を低める側面では有利でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−2002−0087287号
【特許文献2】韓国特許出願公開第10−2010−0005208号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、従来のプリント回路基板の絶縁層組成物が有する様々な問題を解決するためのものであり、特に熱膨張率を効果的に低めることができるプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物を提供することをその目的とする。
【0006】
また、本発明の他の目的は、前記絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層を含む銅箔積層板を提供することにある。
【0007】
また、本発明のさらに他の目的は、前記絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層を含むプリント回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための一実施形態によるプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物は、下記化学式1の構造単位及び下記化学式2の構造単位を含み、少なくとも一つの末端に下記化学式Eの官能基を有する液晶オリゴマー40〜70重量%と、エポキシ樹脂10〜30重量%と、シアネート系樹脂10〜30重量%と、硬化触媒0.1〜0.5重量%と、を含むことをその特徴とする。
【0009】
【化1】

【0010】
【化2】

【0011】
【化E】

【0012】
前記化学式1、2及び化学式E中、
前記X〜Xは、互いに同一または異なって、それぞれC(=O)O、O、C(=O)NR、NR´、またはCOであり(ここで、R及びR´は、互いに同一または異なって、水素、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリール基である)、
前記Z〜Zは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基;置換または非置換のC〜C30の脂環族基;置換または非置換のC〜C30のヘテロ原子含有脂環族基であり、
前記n〜nは、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、n+n+nは1以上であることができ、
前記化学式1中、Aは下記化学式4−1〜4−7で表される官能基のうち一つであり、
【0013】
【化3−1】

【0014】
【化3−2】

【0015】
【化3−3】

【0016】
【化3−4】

【0017】
【化3−5】

【0018】
【化3−6】

【0019】
【化3−7】

【0020】
前記化学式4−1〜化学式4−7中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)で置換されていてもよく、
前記化学式4−7中、Lは2価の有機官能基であり、
前記化学式2中、Aは下記化学式5−1〜5−6で表される官能基のうち一つまたは下記化学式6の官能基を有するC〜C20のアルキレン基であり、
【0021】
【化4−1】

【0022】
前記化学式5−1中、Y〜Yは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、但し、Y〜Yのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、pは0〜4の整数であり、m及びmは、互いに同一または異なって、0〜3の整数であり、p、m及びmは同時に0ではなく、R及びR´は水素またはC〜C10のアルキル基であり、
【0023】
【化4−2】

【0024】
前記化学式5−2中、Y及びYは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y及びYのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは、0〜3の整数であり、同時に0ではなく、
【0025】
【化4−3】

【0026】
前記化学式5−3中、Y〜Yは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y〜Yのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは0〜3の整数であり、pは0〜2の整数であり、p、p及びpは同時に0ではなく、
【0027】
【化4−4】

【0028】
前記化学式5−4中、Y及びY10は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y及びY10のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは0〜2の整数であり、同時に0ではなく、
【0029】
【化4−5】

【0030】
前記化学式5−5中、Y11及びY12は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y11及びY12のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びp10は、0〜4の整数であり、同時に0ではなく、
【0031】
【化4−6】

【0032】
前記化学式5−6中、Y13及びY14は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y13及びY14のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p11及びp12は0〜4の整数であり、Lはエーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基、少なくとも一つの下記化学式6の官能基で置換されているかまたは置換されていない2価の有機官能基または下記化学式7−1〜7−3の2価の有機官能基であり、Lが下記化学式6の官能基で置換されていない場合、p11及びp12は全て0ではなく、
前記化学式5−1〜5−6中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、化学式1における定義と同じである)で置換されていてもよく、
【0033】
【化5】

【0034】
前記化学式6中、Ar及びArは、C〜C30の置換または非置換の芳香族環基であり、R及びR´は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C20のアルキル基またはC〜C30のアリール基であり、mは0〜3の整数であり、
【0035】
【化6−1】

【0036】
前記化学式7−1中、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基であり、
【0037】
【化6−2】

【0038】
前記化学式 7−2中、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基である。
【0039】
【化6−3】

【0040】
本発明の一実施形態によると、前記液晶オリゴマーの数平均分子量は500〜10,000g/molであることが好ましい。
【0041】
本発明の一実施形態によると、前記化学式1の構造単位は液晶オリゴマーの総量中5〜60モール%で含まれ、前記化学式2の構造単位は液晶オリゴマーの総量中40〜95モール%で含まれることが好ましい。
【0042】
本発明の一実施形態によると、前記化学式4−7のLは、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基であることができる。
【0043】
本発明の一実施形態によると、前記化学式5−6のLは、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基、少なくとも一つの前記化学式6の官能基で置換されているかまたは置換されていない2価の有機官能基または前記化学式7−1〜7−3の2価の有機官能基であることができる。
【0044】
また、本発明の一実施形態によると、前記化学式6は、下記化学式11で表されるものであることができる。
【0045】
【化7】

【0046】
前記化学式11中、R及びRは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基、またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)であり、p及びpは0〜4の整数であり、R及びR´は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C20のアルキル基またはC〜C30のアリール基であり、mは0〜3の整数である。
【0047】
また、本発明の好ましい一実施形態によると、前記液晶オリゴマーは、下記化学式12で表されるものであることができる。
【0048】
【化8】

【0049】
前記化学式12中、a、b、c、d及びeは構造単位のモル比を意味し、前記液晶オリゴマーの数平均分子量内で決定されることができる。
【0050】
前記化学式12で表される液晶オリゴマーの数平均分子量は、2,000〜5,000g/molであることが好ましい。
【0051】
また、本発明に含まれる前記エポキシ樹脂は、フェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゾピラン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、及びテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一つ以上であることができる。
【0052】
また、本発明に含まれる前記シアネート系樹脂は、下記化学式13で表されるものであることができる。
【0053】
【化9】

【0054】
前記化学式13中、nは2〜7であることが好ましい。
【0055】
また、本発明によると、前記絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、前記絶縁層の上面または下面のうち少なくとも一面に形成される銅箔と、を含む銅箔積層板が提供される。
【0056】
前記絶縁層は補強材をさらに含むことができる。
【0057】
また、本発明によると、前記絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、前記絶縁層に形成される回路パターンと、を含むプリント回路基板が提供される。
【0058】
前記絶縁層は補強材をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によるプリント回路基板用樹脂組成物は、プリプレグの熱膨張係数及び熱特性(ガラス転移温度及び熱分解温度)を改善して、薄型の高密度回路基板において耐熱性及び線膨張特性に優れたプリント回路基板を提供することができる。
【0060】
本発明の一実施形態によると、既存のプリント回路基板に求められていた電気的、熱的、機械的特性と同等あるいはより高い水準を実現しながらも、プリント回路基板の低重量化、小型化、薄層化が可能である。
【0061】
また、プリント回路基板の絶縁層が薄層化しながらも、機械的特性に優れるため、既存の基板工程での駆動安定性を確保することができる。
【0062】
本発明の一実施形態によると、プリント回路基板の絶縁層が薄層化しても、反り(warpage)特性が低下せず、アルカリまたは酸性の薬品での耐薬品性に優れる。そのため、プリント回路基板に形成された回路が細くなったり損失することがなく、積層工程時にボイド(void)及び剥離(delamination)などの不良が発生しない。また、設備故障及び液の汚染を防止することができ、生産性が向上される。
【0063】
本発明の一実施形態によると、優れた耐熱性及び機械的強度を有し、低い誘電率及び吸湿性が確保される。また、優れた接着強度を示し、パターンの埋込性、半田耐熱性、耐湿性を満たすことができ、電気的特性、寸法安定性、耐薬品性、機械特性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による銅箔積層板を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0066】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明するために用いられ、本発明を限定しようとするものではない。本明細書に用いられたように、単数型は文脈上異なる場合を明白に指摘するものでない限り、複数型を含むことができる。また、本明細書で用いられる「含む(comprise)」及び/または「含んでいる(comprising)」は言及された形状、数字、段階、動作、部材、要素、及び/またはこれらの組み合わせが存在することを特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素、及び/またはこれらの組み合わせの存在または付加を排除するものではない。
【0067】
本明細書において特別に言及しない限り、「置換」とは、化合物または官能基中の水素原子がハロゲン(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸またはその塩、C〜C20のアルキル基、C〜C16のアルキニル基、C〜C20のアリール基、C〜C13のアリールアルキル基、C〜Cのオキシアルキル基、C〜C20のヘテロアルキル基、C〜C20のヘテロアリールアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C15のシクロアルケニル基、C〜C15のシクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキル基、またはこれらの組み合わせの置換基で置換されたことを意味する。
【0068】
本明細書において特別に言及しない限り、「ヘテロ」とは、環内にN、O、S、SiまたはPのヘテロ原子が1〜3個存在することを意味する。
【0069】
本明細書において特別に言及しない限り、「脂環族基」とは、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のシクロアルケニル基、C〜C30のシクロアルキニル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルケニル基、C〜C30のヘテロシクロアルキニル基などを意味する。
【0070】
本明細書において特別に言及しない限り、「芳香族環基」とは、不飽和結合(unsaturated bonds)、非共有電子対(lone pairs)などが混合された環構造を有し、電子が非局在化(delocalization)または共鳴(resonance)構造になる形態の官能基のことであり、C〜C30のアリール基、C〜C30のヘテロアリール基及びC〜C30のヘテロシクロアルケニル基を意味する。
【0071】
本発明は、低熱膨張性及び耐熱性の向上のためのプリント回路基板用絶縁層樹脂組成物に関するものであって、前記組成物は、液晶オリゴマー、シアネート系樹脂、エポキシ樹脂、及び硬化触媒を含む。
【0072】
本発明による前記液晶オリゴマーは、組成物内でシアネート系樹脂またはエポキシ樹脂と硬化反応を行うものであり、下記化学式1の構造単位及び下記化学式2の構造単位を含み、少なくとも一つの末端に下記化学式Eの官能基を有することが好ましい。
【0073】
【化10】

【0074】
【化11】

【0075】
【化E】

【0076】
前記化学式1、2及び化学式E中、
前記X〜Xは、互いに同一または異なって、それぞれC(=O)O、O、C(=O)NR、NR´、またはCOであり(ここで、R及びR´は、互いに同一または異なって、水素、置換または非置換のC〜C20のアルキル基または置換または非置換のC〜C30のアリール基である)、
前記Z〜Zは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基;置換または非置換のC〜C30の脂環族基;置換または非置換のC〜C30のヘテロ原子含有脂環族基であり、
前記n〜nは、それぞれ独立して0〜3の整数であり、n+n+nは1以上であることができ、
前記化学式1中、Aは下記化学式4−1〜4−7で表される官能基のうち一つであり、
【0077】
【化12−1】

【0078】
【化12−2】

【0079】
【化12−3】

【0080】
【化12−4】

【0081】
【化12−5】

【0082】
【化12−6】

【0083】
【化12−7】

【0084】
前記化学式4−1〜化学式4−7中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)で置換されていてもよく、
前記化学式4−7中、Lは2価の有機官能基であり、
前記化学式2中Aは、下記化学式5−1〜5−6で表される官能基のうち一つまたは下記化学式6の官能基を有するC〜C20のアルキレン基である。
【0085】
【化13−1】

【0086】
前記化学式5−1中、Y〜Yは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、但し、Y〜Yのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、pは0〜4の整数であり、m及びmは、互いに同一または異なって、0〜3の整数であり、p、m及びmは同時に0ではなく、R及びR´は水素またはC〜C10のアルキル基である。
【0087】
【化13−2】

【0088】
前記化学式5−2中、Y及びYは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y及びYのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは、0〜3の整数であり、同時に0ではなく、
【0089】
【化13−3】

【0090】
前記化学式5−3中、Y〜Yは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y〜Yのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは0〜3の整数であり、pは0〜2の整数であり、p、p及びpは同時に0ではなく、
【0091】
【化13−4】

【0092】
前記化学式5−4中、Y及びY10は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y及びY10のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは、0〜2の整数であり、同時に0ではなく、
【0093】
【化13−5】

【0094】
前記化学式5−5中、Y11及びY12は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y11及びY12のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びp10は、0〜4の整数であり、同時に0ではなく、
【0095】
【化13−6】

【0096】
前記化学式5−6中、Y13及びY14は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y13及びY14のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p11及びp12は0〜4の整数であり、Lは、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基、少なくとも一つの下記化学式6の官能基で置換されているかまたは置換されていない2価の有機官能基または下記化学式7−1〜7−3の2価の有機官能基であり、Lが下記化学式6の官能基で置換されていない場合、p11及びp12は全て0ではなく、
前記化学式5−1〜5−6中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、化学式1における定義と同じである)で置換されていてもよく、
【0097】
【化14】

【0098】
前記化学式6中、Ar及びArは、C〜C30の置換または非置換の芳香族環基であり、R及びR´は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C20のアルキル基またはC〜C30のアリール基であり、mは0〜3の整数であり、
【0099】
【化15−1】

【0100】
前記化学式7−1中、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基であり、
【0101】
【化15−2】

【0102】
前記化学式7−2中、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基である。
【0103】
【化15−3】

【0104】
本発明の一実施形態によると、前記化学式4−7のLは、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基であることができる。Lの具体的な例としては、下記化学式9−1〜9−10の何れか一つであることができる。
【0105】
【化16−1】

【0106】
【化16−2】

【0107】
前記化学式9−2中、Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、C〜Cのハロアルキル基またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)であることができる。
【0108】
【化16−3】

【0109】
【化16−4】

【0110】
【化16−5】

【0111】
前記化学式9−5中、Raは、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、C〜Cのハロアルキル基またはZ(Zは、化学式1における定義と同じである)である。
【0112】
【化16−6】

【0113】
前記化学式9−6中、Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、C〜Cのハロアルキル基、またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)である。
【0114】
【化16−7】

【0115】
前記化学式9−7中、Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、C〜Cのハロアルキル基またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)である。
【0116】
【化16−8】

【0117】
前記化学式9−8中、E及びEは、互いに同一または異なって、単結合、エーテル基、エステル基、ケトン基、スルフィド基、スルホキシド及びスルホン基からなる群から選択される連結基である。
【0118】
【化16−9】

【0119】
前記化学式9−9中、Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、C〜Cのハロアルキル基またはZ(Zは、化学式1における定義と同じである)であり、E及びEは、互いに同一または異なって、単結合、エーテル基、エステル基、ケトン基、スルフィド基、スルホキシド及びスルホン基からなる群から選択される連結基である。
【0120】
【化16−10】

【0121】
前記化学式9−10中、E及びEは、それぞれ独立して、単結合、エーテル基、エステル基、ケトン基、スルフィド基、スルホキシド及びスルホン基からなる群から選択される連結基である。
【0122】
前記化学式9−8〜9−10中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、化学式1における定義と同じである)で置換されていてもよい。
【0123】
本発明の一実施形態によると、前記化学式5−6のLは、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基、少なくとも一つの前記化学式6の官能基で置換されているかまたは置換されていない2価の有機官能基または前記化学式7−1〜7−3の2価の有機官能基であることができる。
【0124】
前記Lの具体的な例としては、前記化学式9−1〜9−10の何れか一つであることができる。前記化学式9−2、9−5、9−6、9−7及び9−9中、Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C〜Cのアルキル基、C〜Cのハロアルキル基、Z(Zは、前記化学式1における定義と同じである)または前記化学式6の官能基であり、前記化学式9−8〜9−10中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基、Z(Zは、前記化学式1における定義と同じである)または前記化学式6の官能基で置換されていてもよい。
【0125】
また、本発明の一実施形態によると、前記化学式6は、下記化学式11で表されるものであることができる。
【0126】
【化17】

【0127】
前記化学式11中、R及びRは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)であり、p及びpは0〜4の整数であり、R及びR´は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C20のアルキル基またはC〜C30のアリール基であり、mは0〜3の整数である。
【0128】
本発明の一実施形態によると、前記液晶オリゴマーは、側鎖または末端のうち一つ以上にヒドロキシ基を有することができる。また、液晶オリゴマーは、主鎖または側鎖にリンを含む官能基を有することができる。本発明の一実施形態によると、液晶オリゴマーは側鎖または末端のうち一つ以上にヒドロキシ基を有し、液晶オリゴマー間の架橋反応に代えて、液晶オリゴマーとエポキシ樹脂との架橋反応によって絶縁性樹脂組成物が硬化されることができる。また、液晶オリゴマーの主鎖または側鎖にリンを含む官能基を有する場合、絶縁性樹脂組成物の難燃性をより向上させることができる。
【0129】
本発明の一実施形態によると、前記液晶オリゴマーの数平均分子量は500〜10,000g/molであることが好ましい。前記液晶オリゴマーが前記範囲の数平均分子量を有する場合、適切な架橋密度を有し、溶媒に対する溶解度の特性に優れるため、プリプレグの製造のために網目状構造に含浸する際に固形分の含量が十分になることにより、優れた物性を確保することができる。
【0130】
本発明の一実施形態によると、前記化学式1の構造単位は液晶オリゴマーの総量中5〜60モール%で含まれ、前記化学式2の構造単位は液晶オリゴマーの総量中40〜95モール%で含まれることが好ましい。前記化学式1の構造単位と化学式2の構造単位が前記範囲で含まれる場合、液晶オリゴマーの溶解度を向上させることができる。また、液晶オリゴマー内の架橋反応なしに絶縁性樹脂組成物が硬化されることができるため、機械的物性を向上させることができる。
【0131】
また、本発明の好ましい一実施形態によると、前記液晶オリゴマーは、下記化学式12で表されるものであることができる。
【0132】
【化18】

【0133】
前記化学式12中、a、b、c、d及びeは構造単位のモル比を意味し、前記液晶オリゴマーの数平均分子量内で決定されることができる。
【0134】
前記化学式12で表される液晶オリゴマーは両末端にヒドロキシ基を有し、側鎖にリンを含む官能基を有する。
【0135】
本発明の一実施形態によると、前記化学式12で表される液晶オリゴマーを含むことにより、溶解度を向上させることができる。また、液晶オリゴマー間の架橋反応に代えて、液晶オリゴマーとエポキシ樹脂との架橋反応によって絶縁性樹脂組成物が硬化されることができるため、機械的物性を向上させることができる。
【0136】
前記化学式12で表される液晶オリゴマーの数平均分子量は2,000〜5,000g/molであることが、可溶性を維持し、架橋密度を確保する側面で好ましい。
【0137】
前記化学式1で表される液晶オリゴマーは、全体回路基板用組成物中40〜70重量%で含まれることが好ましい。前記液晶オリゴマーの含量が40重量%未満であると熱特性が低下する恐れがあり、70重量%を超過すると耐薬品性が低下する恐れがあるため好ましくない。
【0138】
また、本発明のプリント回路基板の絶縁層樹脂組成物は、接着力を付与するためにエポキシ樹脂を含む。前記エポキシ樹脂は、特に制限されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂などのフェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン骨格を有するナフタレン型エポキシ樹脂;ジヒドロキシベンゾピラン型エポキシ樹脂;ジアミノフェニルメタンなどのポリアミンを原料としたグリシジルアミン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0139】
より具体的には、前記エポキシ樹脂は、N,N,N´,N´−テトラグリシジル−4,4´−メチレンビスベンゼンアミン(N,N,N´,N´−Tetraglycidyl−4,4´−methylenebisbenzenamine)、グリシジルエーテル型o−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック(Polyglycidyl ether of o−cresol−formaldehyde novolac)またはこれらの混合物であることができる。
【0140】
前記エポキシ樹脂は、プリント回路基板の絶縁層樹脂組成物中10〜30重量%で含まれることが好ましい。前記範囲内で含まれる場合、絶縁性組成物と銅などの金属との接着力が向上し、耐薬品性、熱特性及び寸法安定性を向上させることができる。
【0141】
また、本発明に含まれる前記シアネート系樹脂は、下記化学式13で表されるものであることができる。
【0142】
【化19】

【0143】
前記化学式13中、nは2〜7が好ましい。
【0144】
前記シアネート樹脂は、回路基板用組成物に含まれ、熱硬化反応時にシアネート官能基同士の反応によって環状構造を形成するようになり、低熱膨張率と高耐熱性を発現する。
【0145】
また、シアネート樹脂のシアネート官能基は、前記液晶オリゴマーのヒドロキシ基またはエポキシ樹脂のエポキシド基とともに反応して、液晶オリゴマー/エポキシ樹脂/シアネート樹脂が互いに連結されたネットワーク構造を形成するのに寄与する。
【0146】
このようなシアネート樹脂は、全体回路基板用組成物中10〜30重量%で含まれることが好ましい。前記シアネート樹脂の含量が10重量%未満である場合は耐熱性が低下する可能性があり、また前記シアネート樹脂の含量が30重量%を超過する場合は架橋密度と接着力が低下する可能性があるため好ましくない。
【0147】
本発明の一実施形態によるプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物は硬化触媒を含むことができる。
【0148】
前記硬化触媒の具体的な例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−フェニルイミダゾール、ビス(2−エチル−4−メチルイミダゾール)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、トリアジン付加型イミダゾール、無水メチルナジック酸、ジシアンジアミド(Dicyandiamide)、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルブチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヒドロフタル酸無水物、トリメチル酸無水物、ピロメタル酸無水物またはベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられ、これらを混合して用いることができ、これに制限されるものではない。
【0149】
前記硬化触媒の含量は、全体組成物中0.1〜0.5重量%で含まれることができる。前記硬化触媒の含量が0.1重量%未満であると架橋反応が低下し、0.5重量%を超過すると耐熱性が低下する可能性がある。
【0150】
本発明の一実施形態によるプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物は溶媒をさらに含むことができる。
【0151】
前記溶媒は、非プロトン性極性溶媒を用いることができ、例えば、1−クロロブタン、クロロベンゼン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒;メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのアセテート系溶媒;酢酸エチルなどのエステル系溶媒;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒;トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン系溶媒;アセトニトリルなどのニトリル系溶媒;N,N´−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N´−ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ系溶媒;ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどのスルフィド系溶媒;ヘキサメチルリン酸アミド、トリ−n−ブチルリン酸などのリン酸系溶媒;またはこれらの組み合わせを用いることができ、これに限定されるものではない。
【0152】
また、本発明の一実施形態によるプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物は、充填剤、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃補助剤、潤滑剤、静電気防止剤、着色剤、熱安定剤、光安定剤、UV吸収剤、カップリング剤、または沈降防止剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0153】
前記充填剤は、有機充填剤または無機充填剤を用いることができる。前記有機充填剤の例としては、これに制限されるものではないが、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、スチレン樹脂などが挙げられる。前記無機充填剤の例としては、これに制限されるものではないが、天然シリカ、溶融シリカ(fused silica)、非晶質シリカ、中空シリカ(hollow silica)、水酸化アルミニウム、ベーマイト(boehmite)、水酸化マグネシウム、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛(zinc borate)、スズ酸亜鉛(zinc stannate)、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、炭化ケイ素、酸化亜鉛、窒化ケイ素、酸化ケイ素、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、酸化アルミニウム、アルミナ、クレイ、カオリン、タルク、焼成(calcined)クレイ、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維などが挙げられる。前記有機充填剤及び無機充填剤を単独または二つ以上混合して用いることができる。
【0154】
前記可塑剤の例としては、これに制限されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアミド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、液状パラフィン、ポリエチレンワックス、シリコンオイルなどが挙げられる。これらは、単独または二つ以上を混合して用いることができる。
【0155】
前記酸化防止剤は、これに制限されるものではないが、リン含有酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤などがある。これらは、単独または二つ以上を混合して用いることができる。
【0156】
本発明の一実施形態によるプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物は、前記構成成分を常温混合、溶融混合などの多様な方法で混合して製造することができる。
【0157】
上述したように、プリント回路基板の絶縁層は、本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物で形成されることができる。これに制限されるものではないが、具体的には、基材上に絶縁性樹脂組成物層をキャストして薄膜を形成し、溶媒を除去することにより、基材上に絶縁層を形成することができる。前記基材としては、銅箔、アルミニウム箔、金箔、銀箔などの金属箔や、ガラス基板、PETフィルムなどが挙げられる。
【0158】
図1は本発明の一実施形態によるプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
【0159】
図1を参照すると、本実施形態によるプリント回路基板は、絶縁層11、12、13と、前記絶縁層の片面または両面に形成された回路パターン21、22と、を含むことができる。より具体的には、第1絶縁層11と第1絶縁層11の上面及び下面にそれぞれ第2絶縁層12及び第3絶縁層13が積層されて基板本体を形成することができる。また、第1〜第3絶縁層11、12、13には水平配線21が形成され、前記水平配線を連結するビア電極22が形成されることができる。
【0160】
本実施形態では4層構造のプリント回路基板を図示しているが、これに制限されず、積層される絶縁層の数及び形成される回路パターンによって単層または2層以上の多層配線基板であることができる。
【0161】
前記絶縁層11、12、13上にメッキなどによって回路パターン21、22を形成した後積層することによりプリント回路基板を形成することができる。
【0162】
また、プリント回路基板の絶縁層11、12、13は、前記絶縁性樹脂組成物及び補強材を含むプリプレグ(prepreg)であることができる。
【0163】
前記プリプレグは、絶縁性樹脂組成物と補強材とを混合して形成することができる。より具体的には、補強材に前記絶縁性樹脂組成物を塗布または含浸させた後硬化し、溶媒を除去することにより製造することができる。これに制限されるものではないが、前記含浸方法の例としては、ディップコーティング法、ロールコーティング法などが挙げられる。
【0164】
前記補強材の例としては、ガラス繊維織布(glass cloth)、アルミナガラス繊維織布、ガラス繊維不織布、セルロース不織布、炭素繊維織布、ポリマー織布などが挙げられる。また、ガラス繊維、シリカガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、アスベスト、ロックウール、ミネラルウール、石膏ウィスカー、これらの織布または不織布繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、液晶ポリエステル、ポリエステル繊維、フッ素繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、ポリアミド繊維を含むガラス繊維、炭素繊維を含むガラス繊維、ポリイミド繊維を含むガラス繊維、芳香族ポリエステルを含むガラス繊維、ガラス紙、マイカ紙、アルミナ紙、クラフト紙、コットン紙、ペーパーガラス結合紙などが挙げられる。これらは一つ以上を混合して用いられることができる。
【0165】
前記ガラス繊維の直径は5〜200μmであることができる。
【0166】
前記絶縁性樹脂組成物は、前記補強材100重量部に対して約40〜300重量部で含浸されることができる。前記範囲内で含浸される場合、プリプレグの機械的強度及び寸法安定性が向上されることができる。また、プリプレグの接着性が向上され、他のプリプレグとの密着性が向上されることができる。
【0167】
図2は本発明の一実施形態による銅箔積層板を概略的に示す断面図である。
【0168】
本発明の一実施形態によるプリント回路基板は、銅箔積層板(copper clad laminate、CCL)が積層されて形成されることができる。
【0169】
図2を参照すると、前記銅箔積層板は、絶縁層10と、前記絶縁層の両面に形成された銅箔20と、を含むことができる。また、図示されていないが、前記銅箔は絶縁層の片面にのみ形成されることができる。
【0170】
前記絶縁層10は上述のように、本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物で形成されるか、または絶縁性樹脂組成物及び補強材を含むプリプレグ(prepreg)であることができる。
【0171】
前記絶縁層10上に銅箔20を形成し、熱処理することにより銅箔積層板を形成することができる。前記銅箔積層板の銅箔20をパターニングして回路パターンを形成することができる。
【0172】
電子機器の発展に伴い、プリント回路基板が低重量化、薄板化、小型化し、プリント回路基板の配線がより複雑化、高密度化している。また、電子器機の安定性及び信頼性のために、プリント回路基板の電気的、熱的、機械的安定性がさらに重要な要素となっている。
【0173】
即ち、既存にプリント回路基板に求められていた電気的、熱的、機械的特性と同等あるいはより高い水準を実現しながらも、プリント回路基板の絶縁層をより薄く形成することが求められている。また、絶縁層が薄層化しながらも、既存の基板工程での駆動安定性が確保される必要がある。
【0174】
一般的に、絶縁層が薄層化すると、基板工程の駆動時に薄い厚さによって反り(Warpage)が発生し、アルカリまたは酸性の薬品での耐薬品性が顕著に低下する可能性がある。この場合、製品の不良だけでなく、設備故障及び液の汚染まで招くため、莫大な損失をもたらす。
【0175】
プリント回路基板の耐薬品性が低下すると、プリント回路基板に形成された回路が細くなったり損失する可能性があり、積層工程時にボイド(void)及び剥離(delamination)などの不良が発生する可能性がある。
【0176】
また、プリント回路基板の機械的特性が確保されないと、基板工程の駆動時に角に反りが発生する可能性がある。反り特性が確保されないと、単位工程毎に手作業補正が必要となり、リードタイムが増加するため、生産性が低下する可能性がある。また、基板のめくれが生じる場合、コンベヤロールに損傷を与え、以後に投入される基板に不良が生じ続ける可能性がある。
【0177】
しかし、本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物は、構成成分の種類及び含量を最適化して、優れた耐熱性及び機械的強度を有し、低い誘電率及び吸湿性を確保することができる。これにより、既存の基板の製造工程をそのまま行っても駆動安定性が確保され、反り(Warpage)特性及び耐薬品性が確保される。
【0178】
また、本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物で形成される絶縁層は接着力が向上されることができる。従って、200℃以下の熱処理温度で良好な接着強度を示し、パターンの埋込性、半田耐熱性、耐湿性を満たすことができる。また、電気的特性、寸法安定性、耐薬品性、機械特性に優れる。
【0179】
以下、本発明の理解を容易にするために、実施例を取って説明する。本発明の実施例は当技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、下記実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。むしろ、これら実施例は本開示をより充実且つ完全にさせ、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0180】
実施例1:プリプレグの製造
下記化学式12−1で表される液晶オリゴマー(数平均分子量は3900g/mol)60wt%、N,N,N´,N´−テトラグリシジル−4,4´−メチレンビスベンゼンアミン(N,N,N´,N´−Tetraglycidyl−4,4´−methylenebisbenzenamine)20wt%、フェノールノボラックシアネートエステル(phenol novolac cyanate ester)樹脂20wt%、及び硬化触媒ジシアンジアミド(Dicyandiamide)0.2wt%を、固形分が55wt%になるようにN,N´−ジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して、絶縁性樹脂組成物の混合溶液(vanish)を製造した。
【0181】
前記混合溶液を用いて、ガラス繊維(Baotek社製1078、Asahi社製1037)を均一に含浸させた。前記混合溶液に含浸されたガラス繊維は200℃の熱処理区間(heating zone)を通過して半硬化され、プリプレグ(Prepreg)が得られた。
【0182】
この際、プリプレグ全体重量に対するポリマー重量は54〜56wt%であった。
【0183】
【化20−1】

【0184】
前記化学式12−1中、a、b、c、d及びeは、繰り返し単位のモル比を意味し、出発物質の含量によって決定されることができる。
【0185】
実施例2:プリプレグの製造
前記化学式12−1で表される液晶オリゴマー(数平均分子量は4100g/mol)を用いて、エポキシ樹脂としてo−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック(Polyglycidyl ether of o−cresol−formaldehyde novolac、YDCN−500P−1P(Kukdo化学社製))を用いることを除き、前記実施例1と同様の方法により固形分含量53wt%の絶縁性樹脂組成物の混合溶液(vanish)を製造した。
【0186】
前記混合溶液を用いてガラス繊維 (Baotek社製1078、Asahi社製1037)を均一に含浸させた。前記混合溶液に含浸されたガラス繊維は200℃の熱処理区間(heating zone)を通過して半硬化され、プリプレグ(Prepreg)が得られた。
【0187】
この際、プリプレグ全体重量に対するポリマー重量は56wt%であった。
【0188】
実施例3:プリプレグの製造
前記実施例1で用いられた化学式12−1で表される液晶オリゴマー60wt%、YDF−170(Kukdo化学社製、フェノール(phenol)のホルムアルデヒド(formaldehyde)オリゴマー反応生成物)20wt%、フェノールノボラックシアネートエステル(phenol novolac cyanate ester)樹脂20wt%及び硬化触媒ジシアンジイミド(Dicyandiamide)0.2wt%を、固形分が58wt%になるようにN,N´−ジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して絶縁性樹脂組成物の混合溶液(vanish)を製造した。
【0189】
前記混合溶液を用いてガラス繊維 (Baotek社製1078、Asahi社製1037)を均一に含浸させた。前記混合溶液に含浸されたガラス繊維は200℃の熱処理区間(heating zone)を通過して半硬化され、プリプレグ(Prepreg)が得られた。
【0190】
この際、プリプレグ全体重量に対するポリマー重量は55wt%であった。
【0191】
比較例1:プリプレグの製造
シアネート系樹脂であるフェノールノボラックシアネートエステル(phenol novolac cyanate ester)樹脂を含まず、N,N,N´,N´−テトラグリシジル−4,4´−メチレンビスベンゼンアミン(N,N,N´,N´−Tetraglycidyl−4,4´−methylenebisbenzenamine)40wt%を添加することを除き、前記実施例1と同様の方法により固形分含量55wt%の絶縁性樹脂組成物の混合溶液(vanish)を製造した。
【0192】
前記混合溶液を用いてガラス繊維(Baotek社製1078、Asahi社製1037)を均一に含浸させた。前記混合溶液に含浸されたガラス繊維は200℃の熱処理区間(heating zone)を通過して半硬化され、プリプレグ(Prepreg)が得られた。
【0193】
この際、プリプレグ全体重量に対するポリマー重量は54〜56wt%であった。
【0194】
実験例1:プリプレグの熱特性の評価
前記実施例1〜3及び比較例1により製造されたプリプレグ試験片のガラス転移温度(T)は動的機械分析器(DMA:Dynamic Mechanical Analyzer、TA Instruments社製、DMA Q800)を利用して測定し、熱分解温度 (T)は熱中量分析器(TGA:Thermogravimetric Analyzer、TA Instruments社製、TGA DTA Q600)を利用して測定し、熱膨張係数(CTE、Coefficient of Thermal Expansion)は熱分析器(TMA:Thermomechanical Analyzer、TA Instruments社製、TMA Q400)を利用して窒素雰囲気で温度を10℃/minで昇温して測定し、その結果を下記表1に示した。
【0195】
実験例2:プリプレグの銅箔剥離強度(Peel Strength)特性の評価
銅箔積層板の表面から幅1cmの銅箔を剥し、引張強度測定器(Universal Testing Machine、UTM)を利用して銅箔の絶縁層との剥離強度を測定し、その結果を下記表1に示した(90° Peel Test、Crosshead Speed:50mm/min)。
【0196】
【表1】

【0197】
前記表1を参照すると、液晶オリゴマー、エポキシ樹脂、シアネート系樹脂及び硬化触媒を全て含む本発明の実施例1〜3による絶縁層樹脂組成物で製造されたプリプレグは、シアネート系樹脂を含まない比較例1による絶縁層樹脂組成物で製造されたプリプレグに比べ、熱分解温度が上昇する効果を有することが確認された。
【0198】
特に、実施例1によるエポキシ樹脂とシアネート系樹脂との組み合わせは、熱膨張係数の改善が著しいことが分かる。
【0199】
従って、本発明の実施例1〜3によるプリプレグは、耐熱性、長期信頼性、及び反り特性に優れるため、超高密度のプリント回路基板に適用されることができる。
【0200】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求範囲により限定される。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更が出来るということは当技術分野の通常の知識を有する者には明白であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0201】
10、11、12、13 絶縁層
20 銅箔
21、22 回路パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の構造単位及び下記化学式2の構造単位を含み、少なくとも一つの末端に下記化学式Eの官能基を有する液晶オリゴマー40〜70重量%と、
エポキシ樹脂10〜30重量%と、
シアネート系樹脂10〜30重量%と、
硬化触媒0.1〜0.5重量%と、
を含むプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【化1】

【化2】

【化E】

前記化学式1、2及び化学式E中、
前記X〜Xは、互いに同一または異なって、それぞれC(=O)O、O、C(=O)NR、NR´、またはCOであり(ここで、R及びR´は、互いに同一または異なって、水素、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリール基である)、
前記Z〜Zは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基;置換または非置換のC〜C30の脂環族基;置換または非置換のC〜C30のヘテロ原子含有脂環族基であり、
前記n〜nは、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、n+n+nは1以上であることができ、
前記化学式1中、Aは下記化学式4−1〜4−7で表される官能基のうち一つであり、
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

【化3−4】

【化3−5】

【化3−6】

【化3−7】

前記化学式4−1〜化学式4−7中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)で置換されていてもよく、
前記化学式4−7中、Lは2価の有機官能基であり、
前記化学式2中、Aは下記化学式5−1〜5−6で表される官能基のうち一つまたは下記化学式6の官能基を有するC〜C20のアルキレン基であり、
【化4−1】

前記化学式5−1中、Y〜Yは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、但し、Y〜Yのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、pは0〜4の整数であり、m及びmは、互いに同一または異なって、0〜3の整数であり、p、m及びmは同時に0ではなく、R及びR´は水素またはC〜C10のアルキル基であり、
【化4−2】

前記化学式5−2中、Y及びYは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y及びYのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは、0〜3の整数であり、同時に0ではなく、
【化4−3】

前記化学式5−3中、Y〜Yは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y〜Yのうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは0〜3の整数であり、pは0〜2の整数であり、p、p及びpは同時に0ではなく、
【化4−4】

前記化学式5−4中、Y及びY10は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y及びY10のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びpは0〜2の整数であり、同時に0ではなく、
【化4−5】

前記化学式5−5中、Y11及びY12は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y11及びY12のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p及びp10は、0〜4の整数であり、同時に0ではなく、
【化4−6】

前記化学式5−6中、Y13及びY14は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C10のアルキル基または下記化学式6の官能基であり、Y13及びY14のうち少なくとも一つは下記化学式6の官能基であり、p11及びp12は0〜4の整数であり、Lはエーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基、少なくとも一つの下記化学式6の官能基で置換されているかまたは置換されていない2価の有機官能基または下記化学式7−1〜7−3の2価の有機官能基であり、Lが下記化学式6の官能基で置換されていない場合、p11及びp12は全て0ではなく、
前記化学式5−1〜5−6中、それぞれの芳香族環の少なくとも一つの水素は、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、化学式1における定義と同じである)で置換されていてもよく、
【化5】

前記化学式6中、Ar及びArは、C〜C30の置換または非置換の芳香族環基であり、R及びR´は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C20のアルキル基またはC〜C30のアリール基であり、mは0〜3の整数であり、
【化6−1】

前記化学式 7−1中、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基であり、
【化6−2】

前記化学式7−2中、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、または置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基である。
【化6−3】

【請求項2】
前記液晶オリゴマーの数平均分子量は500〜10,000g/molである請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項3】
前記化学式1の構造単位は液晶オリゴマーの総量中5〜60モール%で含まれ、前記化学式2の構造単位は液晶オリゴマーの総量中40〜95モール%で含まれる請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項4】
前記化学式4−7のLは、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基である請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項5】
前記化学式5−6のLは、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換または非置換のC〜C20のアルキレン基、置換または非置換のC〜C20のアルケニレン基、置換または非置換のC〜C30のアリーレン基、少なくとも一つの前記化学式6の官能基で置換されているかまたは置換されていない2価の有機官能基または前記化学式7−1〜7−3の2価の有機官能基である請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項6】
前記化学式6は下記化学式11で表されるものである請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【化7】

前記化学式11中、R及びRは、互いに同一または異なって、それぞれ水素、ハロゲン、置換または非置換のC〜C20のアルキル基、置換または非置換のC〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC〜C20のシクロアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリール基、置換または非置換のC〜C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC〜C30のアリールオキシ基またはZ(Zは、前記化学式1における定義と同じである)であり、p及びpは0〜4の整数であり、R及びR´は、互いに同一または異なって、それぞれ水素、C〜C20のアルキル基またはC〜C30のアリール基であり、mは0〜3の整数である。
【請求項7】
前記液晶オリゴマーは、下記化学式12で表されるものである請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【化8】

前記化学式12中、a、b、c、d及びeは構造単位のモル比を意味し、前記液晶オリゴマーの数平均分子量内で決定されることができる。
【請求項8】
前記液晶オリゴマーの数平均分子量は、2,000〜5,000g/molである請求項7に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項9】
前記エポキシ樹脂は、フェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゾピラン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、及びテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一つ以上である請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項10】
前記シアネート系樹脂は、下記化学式13で表されるものである請求項1に記載のプリント回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【化9】

前記化学式13中、nは2〜7である。
【請求項11】
請求項1に記載の絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、
前記絶縁層の上面または下面のうち少なくとも一面に形成される銅箔と、
を含む銅箔積層板。
【請求項12】
前記絶縁層は補強材をさらに含む請求項11に記載の銅箔積層板。
【請求項13】
請求項1に記載の絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、
前記絶縁層に形成される回路パターンと、
を含むプリント回路基板。
【請求項14】
前記絶縁層は補強材をさらに含む請求項13に記載のプリント回路基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−95920(P2013−95920A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233518(P2012−233518)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【出願人】(512255804)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (21)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electro−Mechanics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】150, Maeyeong−ro, Yeongtong−gu, Suwon−si, Gyeonggi−do, Republic of Korea
【Fターム(参考)】