プリント基板の製造方法
【課題】先行技術は、加工時間の増加によりスループットが低くなることがあり、さらには、ビアおよび配線生成工程を多数利用する必要が出てきて、それら工程が複合的アライメント誤りを生じ得るので、特に目下のアライメント予算内では役に立たないであることがある。
【解決手段】基板に金属パネルをレーザ投影パターニングすることと、金属パネル上に誘電体層をラミネートすることと、基板の複数のビアを形成すべく基板をレーザ照射することと、基板のシードコートをレーザ活性化することと、基板のパターニングされていない部分からシードコートを洗浄することと、基板に、パターニングされたビルドアップ層を形成することと、複数の金属突起を形成すべく金属めっきをエッチングで除去することによりプリント回路を形成する。
【解決手段】基板に金属パネルをレーザ投影パターニングすることと、金属パネル上に誘電体層をラミネートすることと、基板の複数のビアを形成すべく基板をレーザ照射することと、基板のシードコートをレーザ活性化することと、基板のパターニングされていない部分からシードコートを洗浄することと、基板に、パターニングされたビルドアップ層を形成することと、複数の金属突起を形成すべく金属めっきをエッチングで除去することによりプリント回路を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態はマイクロエレクトロニクス構造に関しており、より具体的には、レーザ支援活性化およびパターニングを利用して形成されるマイクロエレクトロニクス構造に関している。
【背景技術】
【0002】
最新技術によって、プリント回路基板製造技術がたくさん提供されている。出発材料は、典型的には例えばABF層(層間絶縁材料)などの誘電体基板であるマイクロエレクトロニクス基板であり、これらがその後上述の幾多もの技術のいずれかにより加工されてプリント回路が提供され得る。
【0003】
このような技術のひとつに、誘電体層を提供し、その後ビア開口をレーザ掘削して誘電体層を形成する、というものがある。その後、この誘電体層は粗くされ、無電解めっき法などの化学銅めっきにかけられ、ビア開口の壁上を含む全誘電体層上に銅の薄膜層が形成される。ドライフィルムレジスト(DFR)はその後銅の薄膜層上にラミネートされ、DFRはその後、回路仕様の要件に則った回路設計パターンを形成すべく露光・現像工程にかけられる。露光領域を洗浄すべくDFRを現像液に浸した後、誘電体層‐銅の薄膜層‐パターニングされたDFRの組み合わせは、電解銅めっきにかけられて、前述の銅の薄膜層よりもずっと厚い銅の層(今後は、「銅の薄膜層」と称す)が、パターニングされたDFRに覆われていない銅の薄膜層領域の上(これは誘電体層上に導電配線を提供する目的からである)、およびさらにはビア開口内に形成される。故に、さらに銅の薄膜層をめっきしてエッチングから保護した後、パターニングされたDFRはこの組み合わせから剥がされ、銅の薄膜層で覆われていない銅の薄膜層が露呈される。このように露呈した銅の薄膜層は、今度は完全に誘電体層までエッチングで除去され、これによりプリント回路基板が残る。
【0004】
プリント回路基板を提供する別の公知技術は、AFB層などの誘電体層を用意して、その後ABF層にビア開口を設けるレーザ掘削工程がある。その後、DFRは誘電体層状にラミネートされ、DFRはその後、回路仕様の要件に則った回路設計パターンを形成すべく露光・現像工程にかけられる。露光領域を洗浄すべくDFRを現像液に浸した後、誘電体層‐銅の薄膜層‐パターニングされたDFRの組み合わせは、パターニングされたDFRに覆われていない誘電体層の所定の厚みをアブレーションすべくエッチング工程にかけられ、これにより誘電体層上に提供される導電配線の位置に対応して誘電体層内にリセスが提供される。パターニングされたDFRはその後誘電体層から剥がされる。その後、誘電体層は無電解銅めっきにかけられ、ビア開口の壁上および配線の位置に形成されたリセス内部を含む全誘電体層を覆うように銅の薄膜層が形成される。銅の薄膜層はその後電解めっきにより銅の薄膜層上に形成され、このようにして形成された組み合わせがバックエッチング、研削、あるいはCMPのいずれかにかけられて、プリント回路基板が出来上がる。
【0005】
配線を先行技術により提供する別の公知技術に、典型的に「レーザ埋め込み技術」、あるいはLETと称されるものがある。LETにおいては、レーザアブレーションを利用してABF層などの誘電体層にビア開口を形成する。その後、これもレーザ照射を利用して配線の位置がアブレーションされ、誘電体層上にリセス配線位置が提供される。その後、このようにアブレーションされた誘電体層に対して、その後、無電解めっきを形成し、さらにその後、銅を利用した電解めっきを形成する。上述の銅めっきにより導電体層の活性表面上に銅の層が形成され、銅の層はリセス配線位置を充填し、且つその上にも延びる。その後、化学機械研磨などの工程を利用してリセス配線位置を越えている銅の層の余分な銅が除去され、このようにして誘電体層の活性表面上に配線が形成される。
【0006】
しかし、上述のような先行技術は、加工時間の増加によりスループットが低くなることがあり、さらには、ビアおよび配線生成工程を多数利用する必要が出てきて、それら工程が複合的アライメント誤りを生じ得るので、特に目下のアライメント予算内では役に立たないであることがある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態を、同様の参照番号が同様の部材を示す付随する図面内の、限定的ではない例により示す。
【0008】
【図1】マイクロエレクトニクス基板、あるいはパネルの断面図である。
【0009】
【図2】一実施形態により、ビア開口を形成してビア画定基板が形成された図1の基板の断面図を示す。
【0010】
【図3】一実施形態により、レーザ活性化可能膜を形成して膜と基板の組み合わせが形成された図2の基板の断面図を示す。
【0011】
【図4a】一実施形態により、レーザ照射に曝して所定の配線パターンに基づき膜の部分を選択的に活性化させて、選択的活性膜‐基板の組み合わせが生成された、図3の組み合わせの膜を示す断面図である。
【0012】
【図4b】一実施形態により、レーザ照射に曝して所定の配線パターンに基づき膜の部分を選択的に活性化させて、選択的活性膜‐基板の組み合わせが生成された、図3の組み合わせの膜を示す平面図である。
【0013】
【図5a】一実施形態により、そこから膜の非活性部を除去されて、パターニングされたf−ビルドアップ層‐基板の組み合わせが生成された、図4aおよび図4bの組み合わせを示す断面平面図である。
【0014】
【図5b】一実施形態により、そこから膜の非活性部を除去されて、パターニングされたf−ビルドアップ層‐基板の組み合わせが生成された、図4aおよび図4bの組み合わせを示す平面図である。
【0015】
【図6a】一実施形態により、無電解堆積された等角的な第一導電層が形成され、無電解めっきされた基板が形成された、図5aおよび図5bの組み合わせを示す断面図である。
【0016】
【図6b】一実施形態により、無電解堆積された等角的な第一導電層が形成され、無電解めっきされた基板が形成された、図5aおよび図5bの組み合わせを示す平面図である。
【0017】
【図7a】一実施形態により、電解堆積された第二の導電層が形成され、電解めっきされた基板が形成された、図6aおよび図6bの無電解めっき基板を示す断面図である。
【0018】
【図7b】一実施形態により、電解堆積された第二の導電層が形成され、電解めっきされた基板が形成された、図6aおよび図6bの無電解めっき基板を示す平面図である。
【0019】
【図8】タイバーが除去され、パターニングされた基板あるいはプリント回路基板が形成された、図7aおよび図7bの電解めっき基板を示す平面図である。
【0020】
【図9】一実施形態により、プリント回路基板を組み込んだシステムの概略図である。
【0021】
【図10】ラミネートされたマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0022】
【図11A−11B】レーザ投射マシニング/パターニングを利用してパターニングされた後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0023】
【図12A−12B】誘電体層ラミネート工程後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0024】
【図13】有機材料ビルドアップ工程後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0025】
【図14】レーザビア掘削後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0026】
【図15】浸漬被覆後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0027】
【図16】レーザ活性化後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0028】
【図17】洗浄後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0029】
【図18】選択的電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0030】
【図19】後続する誘電体ビルドアップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0031】
【図20】レーザビア掘削後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0032】
【図21】浸漬被覆後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0033】
【図22A】図21に示す基板表面をレーザ活性化した後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0034】
【図22B】図21に示す基板表面をレーザ活性化した後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す平面図である。
【0035】
【図23A】洗浄後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0036】
【図23B】洗浄後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す平面図である。
【0037】
【図24A】誘電体層ビルドアップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0038】
【図24B】誘電体層ビルドアップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す平面図である。
【0039】
【図25】ビア掘削後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0040】
【図26】制御コラプスチップ接続(C4)はんだくずおよび第一レベル配線(FLI)バンプ後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0041】
【図27】犠牲金属層をエッチングで除去して金属突起を形成した後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0042】
【図28】無電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0043】
【図29】ビア充填および/または電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0044】
【図30】ドライフィルムレジスト(DFR)ラミネート後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0045】
【図31】配線アブレーションおよび支援メタライゼーション後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0046】
【図32】配線無電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0047】
【図33】配線電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0048】
【図34】DFRストリップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
ここに記載する実施形態は、大まかに言って、レーザ支援メタライゼーションおよびパターニングを利用する方法、プリント回路基板およびシステムに関している。図面を参照しながら例示的実施形態を記載する。例示的実施形態は実施形態を示すために提供されており、実施形態の範囲を限定する目的では解釈されるべきではない。
【0050】
最大限本発明の理解の助けとなるよう、様々な動作を多数の別個の動作として記載する。しかし、記載に順序があるからといって、これら動作が必ずしも順序に依存していると示唆しているとみなされるべきではない。特に、これら動作は提示される順序で行われる必要はない。記載された動作は記載された実施形態とは異なる順序で行われてもよい。
【0051】
例として図1を参照すると、本発明の実施形態は、導電層101上に形成される基板100などのマイクロエレクトロニクス基板あるいはパネルの用意を含む(図2参照)。基板は、ABFなどの、プラスチックあるいは繊維ガラスなどの非導電材料、あるいはプリント回路基板用の基板として適した任意の他の誘電体を含んでよい。導電層101は、例としては、銅を含んでよく、またさらに、その下の基板上の導電配線を表してよい(不図示)。
【0052】
例として図2から分かるように、本発明の実施形態は、開口110などのビア開口を、基板110などの基板に形成して、基板120などのビア画定基板を用意することを含む。好ましい実施形態において、開口110などのビア開口は、当技術分野でよく知られた高強度レーザ掘削などのレーザ掘削あるいはレーザ投影マシニングを利用して設けられてよい。しかし、開口110などのビア開口は、当業者であれば容易に理解しうる任意の公知の方法によって提供されてもよい。
【0053】
例として図3を参照すると、本発明の実施形態は、ビア画定基板上にレーザ活性化可能材料を含む例えば膜130などのレーザ活性化可能膜を形成することを含む。一実施形態において、レーザ活性化可能膜は約3から約5ミクロンの間のサブミクロン範囲の厚みを持ってよい。本明細書の文脈において「レーザ活性化可能材料」は、レーザ照射に曝されると活性化されて銅などの導電材料のビルドアップ層を提供するよう適合された材料のことを示す。本発明の文脈において「ビルドアップ層」は、シード層、つまりパターンによりその上に導電材料が選択的に形成されるよう適合された層のことを示す。一実施形態において、レーザ活性化可能材料は酢酸パラジウムあるいは(CH3CO2)2Pdを含んでよい。一実施形態において、図3に示す膜130のようなレーザ活性化可能膜の形成は、例えば酢酸パラジウムシード溶液のようなレーザ活性化可能材料中の浸漬被覆ビア画定基板120により行われてよい。実施形態によるレーザ活性化可能膜を形成するほうかの方法は、例として、スパッタリング、化学気相堆積法、物理気相堆積法が挙げられる。図3から分かるように、膜130などのレーザ活性化可能膜は、基板120などのビア画定基板の活性表面を覆い、それぞれビア開口110などのビア開口の壁および底部を覆う部分135および136などのビア部を含む。本発明の文脈において「活性表面」は、配線パターンによりビアおよび配線などの配線が設けられるのに適合した基板の表面のことを示す。ビア画定基板の活性表面へのレーザ活性化可能膜の形成により、図3の膜‐基板の組み合わせ140のような膜‐基板の組み合わせが生成される。
【0054】
例として図4a‐8を参照すると、本発明の実施形態は、レーザ支援メタライゼーションを利用してビア画定基板に所定の配線パターンで配線形成することを含む。レーザ支援メタライゼーションを、図4a‐8の実施形態を利用して以下でさらに詳述する。
【0055】
例として図4a‐4bを参照すると、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、所定の配線パターンによりレーザ活性化可能膜の部分を選択的に活性化すべく、レーザ活性化可能膜のレーザ活性化可能材料をレーザ照射することを含み、オプションとして、図4aおよび図4bのコンビネーション150のような選択的活性膜‐基板の組み合わせ、あるいはSATFP組み合わせを生じるべく所定のタイバーパターンにかけることを含む。本明細書の文脈における「所定の配線パターン」は、基板の活性表面に形成すべき所定の配線および/またはビアに対応するパターンのことである。本明細書の文脈における「所定のタイバーパターン」は、基板の活性表面に形成すべき所定のタイバーに対応するパターンのことである。故に、図4aおよび4bの実施形態から分かるように、SATFP組み合わせ150は、上述のように図1の基板100から形成される基板部102、およびさらに、図4bから一番よくわかるように、基板部102を覆い、パターン152を画定する膜152を含んでよい。膜152に対応するパターン154は、膜152のレーザ活性部130'、135'、136'、膜152の非活性部130、およびレーザ活性タイバー領域144で画定されるが、これを以下にさらに詳述する。レーザ活性部はさらに、選択的に導電材料がその上に形成できるようなビルドアップ層を提供するのに適合した材料を含むことができる。例えば、レーザ活性部はグラファイトの豊富な導電シード材料を含んでもよい。一実施形態においては、レーザ活性化可能膜が酢酸パラジウムを含む場合、膜のレーザ活性部は、パラジウムの豊富な変性有機材料ビルドアップ表面を含むパラジウムシードビルドアップ層を含む。特に、酢酸パラジウム材料のレーザ活性化により、材料中の酢酸が選択的にアブレーションされ、その結果残るのは、上述のようにパラジウムの豊富な変性有機材料である。
【0056】
ビア開口のレーザ掘削およびレーザ活性化可能材料の活性化両方のためのレーザ光源は、レーザビームを生じる任意の適切な光源であってよい。レーザ光源の例には、Nd:YAGレーザツールあるいはパルス紫外線(UV)励起レーザが含まれ、後者が実施形態においては好まれる。波長は、ネオジムがドープされたイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG、1064nm)、フッ化キセノン(XeF、351nm)、塩化キセノン(XeCl,308nm)、臭化キセノン(XeBr、282nm)、フッ化クリプトン(KrF,248nm)、フッ化アルゴン(ArF、193nm)、フッ化ダイマー(F2、157nm)を含む、用途に適した任意の適切な波長であってよく、紫外線あるいは遠紫外線範囲の波長範囲が実施形態においては好まれる。例としては、レーザ活性化可能膜をレーザ照射で活性化するには、一実施形態においては、193nmあるいは308nmなどを含む波長に設定されたレーザ光源の約20nsから約50nsなど、レーザパルス期間が先ず選択されてよい。ひとたびパルス期間が設定されると、供給すべきパルスの数は、レーザ活性化可能膜の厚みの関数として決定することができる。供給すべきパルスの数を決定する概算は、1パルスにつき活性化すべき厚みに基いてよい。例えば酢酸パラジウムなどの有機膜に対しては、パルス率単位で活性化する厚みは、193nm、248nm、あるいは308nmのレーザ光源について、約1ミクロンであってよい。「活性化」されたか否かの判定は、例えば対応するレーザ照射線量によって得られる各レーザ活性部の導電性の計測を伴う試験工程などの、幾らかの方法で行うことができる。そうすると、金属あるいは金属に類した導電体に匹敵する導電性を持つレーザ活性部は、実施形態における「活性化された」ものとして捉えられることができる、あるいは、そのレーザ照射線量を任意のレーザ活性化可能膜厚およびレーザ活性化可能材料について供給すべきものとして設定することができる。その代わりに、あるいは上述の試験工程とともに、導電性および活性化を確かなものとすべく各レーザ活性部の組成を決定してもよい。
【0057】
パターン154のレーザ活性部130'、135'、136'および非活性部130'を形成すべく、図3の膜‐基板140を所定の配線パターンによる選択的レーザ照射にかけてもよい。好ましい実施形態において、所定の配線パターンによる選択的レーザ照射は、例えばそのパターンが所定の配線パターンに対応するマスクによる膜‐基板の組み合わせの膜のレーザ照射により実行されてよい。その代わりに、選択的照射は、計算機援用設計(CAD)駆動レーザディレクトライト(laser direct write)により実行されてもよい。所定の配線パターンによるレーザ活性化可能膜の選択的レーザ照射は、基板の活性表面、に形成すべき配線の所定のパターンに対応する部分130'のような、およびビア開口110によるビアの所定のパターンに対応する部分135'、136'のような、膜のレーザ活性部を生じる。オプションとしては、レーザ活性タイバー領域144を形成すべく、図3の膜‐基板140は、実施形態において、所定のタイバーパターンによるレーザ照射にかけられてよい。当業者であれば理解するように、活性タイバー領域はビルドアップ層上の電解めっきが考慮される領域に形成されてよい。活性タイバー領域はこのようにして、その上にタイバーの形成を可能とし、これにより今度は電解めっき中に必要な電気配線を形成することができるが、これを以下にさらに詳述する。好ましい実施形態においては、所定のタイバーパターンによる選択的照射は、例えば、CAD駆動レーザディレクトライトなどの膜‐基板の組み合わせの膜に対するレーザディレクトライトを利用して実行されてよい。所定のタイバーパターンによるレーザ活性化可能膜の選択的レーザ照射は、所定の配線パターンによるレーザ活性膜の選択的レーザ照射と同時に行われてよく、これにより、図4bに示す領域144のような、膜のレーザ活性タイバー領域が生じる。
【0058】
次に例として図5aおよび5bを参照すると、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせを生じるべく、部分的活性膜の非活性部を除去することを含む。図5aおよび5bの実施形態に示すように、非活性部130'の除去により、示されているように、露出表面104、活性タイバー領域144を持つ基板部102を含み、さらに活性部130'、135'、136'および活性タイバー領域を含むパターンビルドアップ層162を含む、パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせ161が生じる。好ましい実施形態において、除去には、部分的活性膜を洗浄にかけることが含まれる。例えば、パターニングされたビルドアップ層の材料が、酢酸パラジウム層活性化可能膜のレーザ活性化により得られる、パラジウムの豊富な変性有機材料を含む場合、洗浄には水洗浄が含まれてよい。
【0059】
次に例として図6a‐8を参照すると、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、プリント回路基板を提供すべく、パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせ上に所定の配線パターンによる配線を形成することを含む。本発明の文脈の「配線」は、所定の配線パターンによる導電線およびビアの組み合わせのことである。例えば、図8からわかるように、プリント回路基板190は、基板部102および基板部102上に配線192を持ち、配線は、所定の配線パターンにより示される配線189およびビア187を含む。配線はビルドアップ層162をシード層として利用する任意の公知の方法により形成されてよい。例えば、配線は、もっぱら無電解めっきを利用して、つまりさらなるメタライゼーションをなんら伴わない無電解めっきを利用して、あるいは無電解めっきおよび電解めっきの組み合わせを利用して形成されてよい。上述の無電解めっきと電解めっきの組み合わせを利用する配線形成を、図6a‐8の好ましい実施形態の例との関連で以下にさらに詳述する。
【0060】
例として図6a‐6bから分かるように、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、無電解めっきによりパターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせのビルドアップ層上に第一導電層を生成することを含み、第一導電層は、ビルドアップ層のパターンに対応するパターンを持つシード層を画定することで、図6a‐6bの無電解めっき層164のような無電解めっき層を形成する。公知のように、ビルドアップ層162をさらなる無電解めっき導電層のシードとして利用する範囲において、ビルドアップ層は無電解めっき導電層の原子核生成のサイトとなり、その結果、「層」固有のものは存在せず、その原子は無電解めっき後に分散してしまっている。その結果、図6a‐8にはビルドアップ層が示されていない。しかし、ビルドアップ層を原子核生成のサイトとして利用する範囲において、ビルドアップ層の原子が少なくとも無電解めっき銅層内に残留するということには注意されたい。図6a、6bからわかるように、無電解めっき基板164は、露出領域104を持つ基板部分102、ビルドアップ層162、および等角導電シード層168が選択的にビルドアップ層162に形成された無電解めっきされた第一導電層を含む。示される実施形態において、シード層168は、各々ビア開口110の壁および底面に対応する領域を占有するシード層部165、166、各々配線に対応する領域を占有するシード層部160、およびタイバーシード層部174を含む。
【0061】
次に例として図7a、7bを参照すると、実施形態におけるレーザ支援メタライゼーションは、第二導電層が、第一導電層およびビルドアップ層のパターンに対応するパターンを画定するように、電解めっきにより無電解めっき基板の第一導電層上に第二導電層を形成して、これにより図6a、6bの電解めっき基板164などの電解めっき基板を形成する。図6a、6bから分かるように、電解めっき基板180は、露出領域104を持つ基板部102、ビルドアップ層162、ビルドアップ層162上に選択的に形成された等角導電シード層168を含む電解めっきされた第一導電層、および電解めっきされた第二導電層182を含む。示される実施形態において第二導電層は、ビア187を画定する第二導電層部185、配線189を画定する第二導電層部188、およびタイバー184を画定するタイバー部183を持つ。
【0062】
次に例として図8を参照すると、本発明の実施形態はさらに、プリント回路基板190のようなプリント回路基板を形成すべく、タイバーを除去することを含む。故に、図8から分かるように、プリント回路基板は、所定の配線パターンによる配線189、ビア187を含む。好ましい実施形態において、タイバーの除去は、タイバーのレーザアブレーションを含んでよい。本発明の文脈において「除去」は、当業者であれば理解するように、略完全な除去およびトリミングの両方を包括する。図1−8の例示的実施形態で述べたように、本発明の実施形態は、レーザ支援メタライゼーションおよびパターニング(LAMP)の、レーザに基く新規な基板製造工程のプロセスフローを提案している。LAMP技術は、上述のように、掘削などのレーザ照射を利用することで、ビア開口を形成してよく、ビルドアップ層の有機材料を選択的にメタライズして必要な設計回路パターン、あるいは所定の配線パターンを、なんらリソグラフィ処理を必要とすることなく、形成してもよい。レーザは、レーザ投影マシニング、レーザ支援メタライゼーションおよびレーザディレクトライトとして利用されてよい。レーザ投影マシニングを利用して、レーザアブレーションによりビア開口を公知の方法で形成してよい。レーザ支援メタライゼーションは、実施形態においては、所定の配線パターンにより基板の表面上のレーザ活性化可能材料を活性化するのに利用されてよい。レーザ活性化可能材料の活性化およびレーザ活性化材料の非活性部の除去により、銅シード層のようなパラジウムの豊富な変性有機材料のような、導電材料シード部材を含む基板にパターニングされたビルドアップ層が形成される。レーザディレクトライトをオプションとして利用して、電解めっきが考慮される場所に電解めっきが必要とするタイバー構造を生成してよい。方法の実施形態により得られるプリント回路基板は、内部にビア開口を画定するマイクロエレクトロニクス基板を含むビア画定基板、および所定の配線パターンによりビア画定基板上に形成される配線を含み、ここで配線は、所定の配線パターンに対応するパターンを持つ導電層を含み、導電層はさらに第一材料から実質的に形成されており、導電層はさらに、第一材料とは異なる第二材料を含み、第二材料はメタリックシード材料を含み配線に対応するビア画定基板上の領域のみに存在する。
【0063】
本発明の実施形態の利点は、誘電体表面にしっかり取り付けられた電気回路、および電子部材に伝記接続され、それを受けるのに適したビアを持つプリント回路基板を提供することである。本発明の実施形態は、高解像度、マルチステップリソグラフィプロセス、向上したアライメント能力、およびデスメア(de-smearing)削除を提供する。特に、LAMPによる本発明の実施形態は、ビア開口形成、さらには、望ましい(所定の)配線パターンに対応するパターンを持つパターニングされたビルドアップ層の提供の両方のためにレーザ照射を利用して、配線形成に対するリソグラフィの利用の必要性をなくす。実施形態におけるLAMP利用の利点は、(1)リソグラフィプロセスおよび関連プロセスの削除、(2)デスメアプロセスの必要の削除、(3)例えばUV波長範囲など、利用されるレーザ光源の波長範囲により統括されるナノメートル範囲のフィーチャ寸法のパターニングおよびメタライゼーションを可能とする高解像度パターニングおよびメタライゼーションの提供、(4)ビアおよび配線パターニングおよびメタライゼーションの両方に対して向上したアライメント能力の提供、である、というのも(a)ビア開口生成目的のレーザ照射および配線パターン生成目的のリソグラフィ両方を利用する複合効果が削除され、(b)リソグラフィのコンタクトマスクプロセスに関連する、より高い撮像アライメントが提供され、(c)UVレーザがレーザ光源として利用される場合に、レーザビア掘削のための先行技術プロセスで利用されるIR CO2レーザに比べると、アライメントが良好であるからである。
【0064】
上記の背景技術で記載したLFTプロセスに関して、本発明の実施形態が提供する利点は、記載したように二つの時点において基板をアブレーションする必要がなくなり、ビア開口を提供する必要がなくなり、また上述のリセス配線位置の提供の必要がなくなることである。さらには、本発明の実施形態の提供する利点は、基板に配線パターンを提供すべく基板をエッチングする必要がなくなるので、スループットが著しく向上し、同時に既知の非LET配線と同等の配線を生成する、つまり、埋め込み配線ではなくて基板表面に実質的に配置される配線を生成することである。さらに、本発明の実施形態の提供する利点は、研削あるいは化学機械研磨などのなんらかの手段により配線および/またはビア位置から余分な導電材料を除去する必要がなくなることである。本発明の実施形態が提供する利点により、所定の配線パターンに対応する領域においてのみ導電材料シードが導入されることである。さらに、一実施形態において配線形成される箇所においては無電解めっきのみが関与している、つまり電解めっきを行わない無電解めっきのみが関与している。これにより、コストおよびスループットにおいて有為な利点を達成することができる。
【0065】
図9を参照すると、本発明の実施形態を利用しうる多くのシステムのうちの一つが図示されている。示されているシステム90は例えば図8のプリント回路基板190のようなプリント回路基板を含む電子アセンブリ1000を含む。他の実施形態においては、電子アセンブリ1000は特定用途向けIC(ASIC)を含んでもよい。チップセットに含まれる集積回路が(例えばグラフィックス、音声、および制御チップセット)、本発明の実施形態によってパッケージされてもよい。
【0066】
図9に示す実施形態においては、システム90はさらに、示されているようにバス1010経由でお互い連結された主メモリ1002、グラフィックプロセッサ1004、大容量記憶デバイス1006、および/または入力/出力モジュール1008を含んでよい。メモリ1002の例としては、それらに限定はされないが、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)が含まれる。大容量記憶デバイス1006の例には、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ(CD)、デジタルバーサタイルディスクドライブ(DVD)などが含まれる。入力/出力モジュール1008の例としては、それらに限定はされないが、キーボード、カーソル制御アレンジメント、ディスプレイ、ネットワークインタフェースなどが含まれる。バス1010の例としては、それらに限定はされないが、周辺制御インタフェース(PCI)バスおよび業界標準アーキテクチャ(ISA)バスなどが含まれる。様々な実施形態においては、システム90は無線携帯電話、携帯型情報機(PDA)、ポケットPC、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップコンピュータ、セットトップボックス、メディアセンタPC,DVDプレーヤ、およびサーバであってよい。
【0067】
別の実施形態は2工程の銅めっきを省略することができる。つまり、プリント回路基板の基板製造における無電解銅めっきの省略である。図10−27は、無電解めっきを利用せずにLAMPを利用してコアなし基板を作成する実施形態を示す。
【0068】
図10は銅パネル1000のラミネートを示す。図11A−11Bは、レーザ投影パターニング(マシニング)を利用して銅パネル1000の銅パネル両方へのパターニングを示す。レーザパターニングの結果パターン1110が生じる。
【0069】
図12A−12Bは、誘電体層1200の両面ラミネートを示す。誘電体層1200は、ABF、あるいはプリント回路基板の基板に適した任意の他の誘電体などの、プラスチックあるいは繊維ガラスであってよい。図13は銅パネル上の有機材料1310ビルドアップラミネートを示す。図13−27は銅パネルのうちの一枚へのプロセスを示しているが、両方の銅パネルに対して同じプロセスを行ってよい。
【0070】
図14は複数のビア1400を形成する、有機ビルドアップ材料のレーザ掘削を示す。図15は図14に示す基板を、パラジウム溶液で浸漬被覆して、シードコート1510を形成した結果を示す。図16から先、図15に示す基板は、レーザ支援メタライゼーションにより活性化されたパラジウムシードコート層を持つ。示すように、参照番号1610は、活性化された表面部分であり、参照番号1620は非活性部である。シードコートが酢酸パラジウムである一実施形態においては、膜(ABF)のレーザ支援部1610は、パラジウムの豊富な変性有機材料ビルドアップ表面を含むパラジウムシードビルドアップ層を含んでよい。特に、酢酸パラジウム材料のレーザ活性化は、材料内の酢酸を選択的にアブレーションして、上述のパラジウムの豊富な変性有機材料を残留させる。一実施形態においては、表面のレーザ活性化が両ラインのパターン後に行われ、マイクロビアがマスク投影マシニングにより、あるいはCAD駆動レーザディレクトライトにより行われる。
【0071】
図17は、図16に示す基板のパターニングされていない部分1620から酢酸パラジウムシードコートを洗浄して、シードコートが部分1710から除去された状態を示す。例えば、パターニングされたビルドアップ層の材料が、酢酸パラジウムレーザ活性化可能膜のレーザ活性化により得られる、パラジウムの豊富な変性有機材料を含む場合、洗浄には水洗浄が含まれてよい。
【0072】
図18は、図17に示した基板1000電解銅めっき1810の結果を示す。銅めっきは選択的に銅配線、ビア壁およびタイバーを覆う。選択的銅めっきにより、DFRおよびリソパターニングが不要になる。本実施形態においては、このプロセスは二ステップ銅めっき(無電解の後に電解)の削除において効を奏す。本実施形態においては、電解銅めっきは、ビルドアップ層内のレーザ活性化ビルドアップ表面に直接行われる。これは、全ての銅フィーチャがビルドアップビルド工程中に利用される犠牲銅パネルに電気接続されるという事実により可能とされる。
【0073】
図19は、図18に示す基板に行われる、次の誘電体ビルドアップ工程を示す。誘電体ビルドアップ層1910が完成した後、図20はビルドアップ層をレーザビア掘削して複数のビア2010を形成した結果を示す。図21は、図20に示す基板を、基板表面2110をシードするパラジウム溶液で浸漬被覆した結果を示す。図22Aは、図21に示す基板の表面をレーザ活性化した結果を示す。図示されるように、参照番号2210は活性化されたビア壁を示し、参照番号2230は活性化されたビア底部を示す。参照番号2220は非活性部を示す。故に、パターニングされた活性化により、シードコートの部分が選択的に活性化されたことが分かる。図22Bは図22Aに図示された基板の平面図を示す。
【0074】
図23Aは、図22Aに示す基板のパターニングされていない部分2310からパラジウム溶液シードコートを洗浄した結果を示す。図23Bは、図23Aに示す基板の平面図を示す。
【0075】
図24Aは図23Aに示す基板に行われる後続の誘電体ビルドアッププロセスを示す。誘電体ビルドアップ層2410の完成後、図25に示すビルドアップ層の配線2510が形成された箇所に対してレーザ配線アブレーションが行われる。示されるように、複数の図26が、制御コラプスチップ接続(C4)はんだくず(例えば2610)および第一レベル配線(FLI)(例えば2710)バンプの結果を示す。
【0076】
図27は、犠牲銅めっきがエッチングで除去されて銅突起2800を形成する、図26の基板を示す。
【0077】
別の実施形態においては、誘電体ビルドアップ後(図13)、配線およびタイバー形成目的のレーザアブレーション(それが望ましい場合)、レーザビア掘削/アブレーション(図14参照)、および浸漬被覆(図15参照)、基板のレーザ支援メタライゼーション(図4A−B参照)が行われる。同じ投影マスクを利用して(つまりポリマー表面にめっきシードを埋め込む目的で)、レーザ支援メタライゼーションにより有機材料を選択的に活性化した後、基板は図17に示すように洗浄される。本実施形態においては、基板が洗浄された後、無電解めっきが基板に行われる。図28は洗浄後基板に無電解めっき2810を行った結果を示す。
【0078】
図29は、銅2910を利用して基板にビア充填および/または電解めっきを行った結果を示す。本実施形態においては化学機械研磨(CMP)の必要はない、というのも銅めっきは、選択的にメタライゼーションされた領域のうちのレーザ照射が当たった箇所にのみ行われるからである。
【0079】
別の実施形態においては、誘電体ビルドアップの後(図13参照)、レーザマイクロビア掘削/アブレーション(図14参照)、浸漬被覆(図15参照)、基板のレーザ支援メタライゼーション、無電解めっき(図28参照)、およびビア充填/めっき(図29)の後、パラジウムDFRラミネート3010が基板に行われる。結果が図30に示されている。本実施形態においては、基板配線のパラジウムDFRラミネートの後、レーザアブレーションおよびレーザ支援メタライゼーションが基板に行われる。結果を、配線3110およびレーザ支援メタライゼーション層3120を示す図31に示す。
【0080】
図32は、図31に示す基板上に銅3210の配線無電解めっきを行った結果を示す。配線無電解めっきの後に、本実施形態の配線電解めっき3310が基板に行われる。結果を図33に示す。基板は、図34に結果を示すように、その後DFRストリップされる。本実施形態にはCMPステップの必要がない、というのもレーザがアブレーションおよびタイバーめっきに利用されるのと同じパターンに続きビルドアップ層の選択的メタライゼーションに利用されるからである。
【0081】
上述され、図10‐34に図示された実施形態はさらに、上述され、図9に図示されたシステム90のように、システムのプリント回路基板として配置することもできる。
【0082】
幾らかの実施形態はさらにデバイスあるいは機械読み取り可能な媒体に記憶することができ、命令実行目的で機械から読み出すことができる。機械読み取り可能な媒体は、機械(例えば、コンピュータ、PDA、セルラー式電話など)読み取り可能な形態で情報を提供する、つまり記憶および/または送信する、任意の機構を含む。例えば、機械読み取り可能な媒体は、読出し専用記憶素子(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、生物学的、電気的、機械的システム、電気的、光学的、音響的、あるいは他の形式の伝播信号(運搬波、赤外線信号、デジタル信号など)を含む。デバイスあるいは機械読み取り媒体は、マイクロマシン技術(MEMS)、ナノテクノロジーデバイス、有機、ホログラフィー、固体メモリデバイス、および/または回転磁気あるいは光学ディスクを含んでよい。コンピュータの配線間、あるいは異なる仮想マシン間などの異なる機械に命令のパーティションが分離されると、デバイスあるいは機械読み取り可能な媒体が分配される。
【0083】
幾らかの例示的実施形態を記載、および付随の図面に示したが、当業者であれば様々な他の変形例を思いつくであろうから、上述の実施形態は単に例示目的であり、幅広い発明を限定するものではなく、本発明は示され且つ記載された特定の構成およびアレンジメントに限定されるものではないことは理解されるべきである。
【0084】
明細書で、「一実施形態("an embodiment", "one embodiment")」、「幾らかの実施形態」、「他の実施形態」という言及があるが、これらは、実施形態との関連で記載された特定のフィーチャ、構造、あるいは特徴が、少なくとも幾らかの実施形態に含まれるが、全ての実施形態に含まれる必要はないことを意味している。「一実施形態("an embodiment", "one embodiment")」、「幾らかの実施形態」という言及は、その全てが同じ実施形態のことを言及している必要はない。明細書には、部材、フィーチャ、構造、あるいは特徴が、「してもよい」「しうる」「できる」("may", "might", "could")という表現が含まれているが、その特定の部材、フィーチャ、構造、あるいは特徴が含まれることが必須ではない。明細書あるいは請求項では、一つの要素のことを言及していても、その要素が一つだけあることを意味してはいない。明細書あるいは請求項が、「さらなる」「追加的な」要素(an additional element)について言及していても、その追加的な要素が一を超える数ある場合を排除しない。
【技術分野】
【0001】
実施形態はマイクロエレクトロニクス構造に関しており、より具体的には、レーザ支援活性化およびパターニングを利用して形成されるマイクロエレクトロニクス構造に関している。
【背景技術】
【0002】
最新技術によって、プリント回路基板製造技術がたくさん提供されている。出発材料は、典型的には例えばABF層(層間絶縁材料)などの誘電体基板であるマイクロエレクトロニクス基板であり、これらがその後上述の幾多もの技術のいずれかにより加工されてプリント回路が提供され得る。
【0003】
このような技術のひとつに、誘電体層を提供し、その後ビア開口をレーザ掘削して誘電体層を形成する、というものがある。その後、この誘電体層は粗くされ、無電解めっき法などの化学銅めっきにかけられ、ビア開口の壁上を含む全誘電体層上に銅の薄膜層が形成される。ドライフィルムレジスト(DFR)はその後銅の薄膜層上にラミネートされ、DFRはその後、回路仕様の要件に則った回路設計パターンを形成すべく露光・現像工程にかけられる。露光領域を洗浄すべくDFRを現像液に浸した後、誘電体層‐銅の薄膜層‐パターニングされたDFRの組み合わせは、電解銅めっきにかけられて、前述の銅の薄膜層よりもずっと厚い銅の層(今後は、「銅の薄膜層」と称す)が、パターニングされたDFRに覆われていない銅の薄膜層領域の上(これは誘電体層上に導電配線を提供する目的からである)、およびさらにはビア開口内に形成される。故に、さらに銅の薄膜層をめっきしてエッチングから保護した後、パターニングされたDFRはこの組み合わせから剥がされ、銅の薄膜層で覆われていない銅の薄膜層が露呈される。このように露呈した銅の薄膜層は、今度は完全に誘電体層までエッチングで除去され、これによりプリント回路基板が残る。
【0004】
プリント回路基板を提供する別の公知技術は、AFB層などの誘電体層を用意して、その後ABF層にビア開口を設けるレーザ掘削工程がある。その後、DFRは誘電体層状にラミネートされ、DFRはその後、回路仕様の要件に則った回路設計パターンを形成すべく露光・現像工程にかけられる。露光領域を洗浄すべくDFRを現像液に浸した後、誘電体層‐銅の薄膜層‐パターニングされたDFRの組み合わせは、パターニングされたDFRに覆われていない誘電体層の所定の厚みをアブレーションすべくエッチング工程にかけられ、これにより誘電体層上に提供される導電配線の位置に対応して誘電体層内にリセスが提供される。パターニングされたDFRはその後誘電体層から剥がされる。その後、誘電体層は無電解銅めっきにかけられ、ビア開口の壁上および配線の位置に形成されたリセス内部を含む全誘電体層を覆うように銅の薄膜層が形成される。銅の薄膜層はその後電解めっきにより銅の薄膜層上に形成され、このようにして形成された組み合わせがバックエッチング、研削、あるいはCMPのいずれかにかけられて、プリント回路基板が出来上がる。
【0005】
配線を先行技術により提供する別の公知技術に、典型的に「レーザ埋め込み技術」、あるいはLETと称されるものがある。LETにおいては、レーザアブレーションを利用してABF層などの誘電体層にビア開口を形成する。その後、これもレーザ照射を利用して配線の位置がアブレーションされ、誘電体層上にリセス配線位置が提供される。その後、このようにアブレーションされた誘電体層に対して、その後、無電解めっきを形成し、さらにその後、銅を利用した電解めっきを形成する。上述の銅めっきにより導電体層の活性表面上に銅の層が形成され、銅の層はリセス配線位置を充填し、且つその上にも延びる。その後、化学機械研磨などの工程を利用してリセス配線位置を越えている銅の層の余分な銅が除去され、このようにして誘電体層の活性表面上に配線が形成される。
【0006】
しかし、上述のような先行技術は、加工時間の増加によりスループットが低くなることがあり、さらには、ビアおよび配線生成工程を多数利用する必要が出てきて、それら工程が複合的アライメント誤りを生じ得るので、特に目下のアライメント予算内では役に立たないであることがある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態を、同様の参照番号が同様の部材を示す付随する図面内の、限定的ではない例により示す。
【0008】
【図1】マイクロエレクトニクス基板、あるいはパネルの断面図である。
【0009】
【図2】一実施形態により、ビア開口を形成してビア画定基板が形成された図1の基板の断面図を示す。
【0010】
【図3】一実施形態により、レーザ活性化可能膜を形成して膜と基板の組み合わせが形成された図2の基板の断面図を示す。
【0011】
【図4a】一実施形態により、レーザ照射に曝して所定の配線パターンに基づき膜の部分を選択的に活性化させて、選択的活性膜‐基板の組み合わせが生成された、図3の組み合わせの膜を示す断面図である。
【0012】
【図4b】一実施形態により、レーザ照射に曝して所定の配線パターンに基づき膜の部分を選択的に活性化させて、選択的活性膜‐基板の組み合わせが生成された、図3の組み合わせの膜を示す平面図である。
【0013】
【図5a】一実施形態により、そこから膜の非活性部を除去されて、パターニングされたf−ビルドアップ層‐基板の組み合わせが生成された、図4aおよび図4bの組み合わせを示す断面平面図である。
【0014】
【図5b】一実施形態により、そこから膜の非活性部を除去されて、パターニングされたf−ビルドアップ層‐基板の組み合わせが生成された、図4aおよび図4bの組み合わせを示す平面図である。
【0015】
【図6a】一実施形態により、無電解堆積された等角的な第一導電層が形成され、無電解めっきされた基板が形成された、図5aおよび図5bの組み合わせを示す断面図である。
【0016】
【図6b】一実施形態により、無電解堆積された等角的な第一導電層が形成され、無電解めっきされた基板が形成された、図5aおよび図5bの組み合わせを示す平面図である。
【0017】
【図7a】一実施形態により、電解堆積された第二の導電層が形成され、電解めっきされた基板が形成された、図6aおよび図6bの無電解めっき基板を示す断面図である。
【0018】
【図7b】一実施形態により、電解堆積された第二の導電層が形成され、電解めっきされた基板が形成された、図6aおよび図6bの無電解めっき基板を示す平面図である。
【0019】
【図8】タイバーが除去され、パターニングされた基板あるいはプリント回路基板が形成された、図7aおよび図7bの電解めっき基板を示す平面図である。
【0020】
【図9】一実施形態により、プリント回路基板を組み込んだシステムの概略図である。
【0021】
【図10】ラミネートされたマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0022】
【図11A−11B】レーザ投射マシニング/パターニングを利用してパターニングされた後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0023】
【図12A−12B】誘電体層ラミネート工程後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0024】
【図13】有機材料ビルドアップ工程後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0025】
【図14】レーザビア掘削後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0026】
【図15】浸漬被覆後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0027】
【図16】レーザ活性化後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0028】
【図17】洗浄後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0029】
【図18】選択的電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0030】
【図19】後続する誘電体ビルドアップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0031】
【図20】レーザビア掘削後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0032】
【図21】浸漬被覆後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0033】
【図22A】図21に示す基板表面をレーザ活性化した後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0034】
【図22B】図21に示す基板表面をレーザ活性化した後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す平面図である。
【0035】
【図23A】洗浄後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0036】
【図23B】洗浄後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す平面図である。
【0037】
【図24A】誘電体層ビルドアップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0038】
【図24B】誘電体層ビルドアップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す平面図である。
【0039】
【図25】ビア掘削後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0040】
【図26】制御コラプスチップ接続(C4)はんだくずおよび第一レベル配線(FLI)バンプ後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0041】
【図27】犠牲金属層をエッチングで除去して金属突起を形成した後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0042】
【図28】無電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0043】
【図29】ビア充填および/または電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0044】
【図30】ドライフィルムレジスト(DFR)ラミネート後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0045】
【図31】配線アブレーションおよび支援メタライゼーション後の、マイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0046】
【図32】配線無電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0047】
【図33】配線電解めっき後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【0048】
【図34】DFRストリップ後のマイクロエレクトロニクス基板、あるいはパネルの一実施形態の結果を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
ここに記載する実施形態は、大まかに言って、レーザ支援メタライゼーションおよびパターニングを利用する方法、プリント回路基板およびシステムに関している。図面を参照しながら例示的実施形態を記載する。例示的実施形態は実施形態を示すために提供されており、実施形態の範囲を限定する目的では解釈されるべきではない。
【0050】
最大限本発明の理解の助けとなるよう、様々な動作を多数の別個の動作として記載する。しかし、記載に順序があるからといって、これら動作が必ずしも順序に依存していると示唆しているとみなされるべきではない。特に、これら動作は提示される順序で行われる必要はない。記載された動作は記載された実施形態とは異なる順序で行われてもよい。
【0051】
例として図1を参照すると、本発明の実施形態は、導電層101上に形成される基板100などのマイクロエレクトロニクス基板あるいはパネルの用意を含む(図2参照)。基板は、ABFなどの、プラスチックあるいは繊維ガラスなどの非導電材料、あるいはプリント回路基板用の基板として適した任意の他の誘電体を含んでよい。導電層101は、例としては、銅を含んでよく、またさらに、その下の基板上の導電配線を表してよい(不図示)。
【0052】
例として図2から分かるように、本発明の実施形態は、開口110などのビア開口を、基板110などの基板に形成して、基板120などのビア画定基板を用意することを含む。好ましい実施形態において、開口110などのビア開口は、当技術分野でよく知られた高強度レーザ掘削などのレーザ掘削あるいはレーザ投影マシニングを利用して設けられてよい。しかし、開口110などのビア開口は、当業者であれば容易に理解しうる任意の公知の方法によって提供されてもよい。
【0053】
例として図3を参照すると、本発明の実施形態は、ビア画定基板上にレーザ活性化可能材料を含む例えば膜130などのレーザ活性化可能膜を形成することを含む。一実施形態において、レーザ活性化可能膜は約3から約5ミクロンの間のサブミクロン範囲の厚みを持ってよい。本明細書の文脈において「レーザ活性化可能材料」は、レーザ照射に曝されると活性化されて銅などの導電材料のビルドアップ層を提供するよう適合された材料のことを示す。本発明の文脈において「ビルドアップ層」は、シード層、つまりパターンによりその上に導電材料が選択的に形成されるよう適合された層のことを示す。一実施形態において、レーザ活性化可能材料は酢酸パラジウムあるいは(CH3CO2)2Pdを含んでよい。一実施形態において、図3に示す膜130のようなレーザ活性化可能膜の形成は、例えば酢酸パラジウムシード溶液のようなレーザ活性化可能材料中の浸漬被覆ビア画定基板120により行われてよい。実施形態によるレーザ活性化可能膜を形成するほうかの方法は、例として、スパッタリング、化学気相堆積法、物理気相堆積法が挙げられる。図3から分かるように、膜130などのレーザ活性化可能膜は、基板120などのビア画定基板の活性表面を覆い、それぞれビア開口110などのビア開口の壁および底部を覆う部分135および136などのビア部を含む。本発明の文脈において「活性表面」は、配線パターンによりビアおよび配線などの配線が設けられるのに適合した基板の表面のことを示す。ビア画定基板の活性表面へのレーザ活性化可能膜の形成により、図3の膜‐基板の組み合わせ140のような膜‐基板の組み合わせが生成される。
【0054】
例として図4a‐8を参照すると、本発明の実施形態は、レーザ支援メタライゼーションを利用してビア画定基板に所定の配線パターンで配線形成することを含む。レーザ支援メタライゼーションを、図4a‐8の実施形態を利用して以下でさらに詳述する。
【0055】
例として図4a‐4bを参照すると、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、所定の配線パターンによりレーザ活性化可能膜の部分を選択的に活性化すべく、レーザ活性化可能膜のレーザ活性化可能材料をレーザ照射することを含み、オプションとして、図4aおよび図4bのコンビネーション150のような選択的活性膜‐基板の組み合わせ、あるいはSATFP組み合わせを生じるべく所定のタイバーパターンにかけることを含む。本明細書の文脈における「所定の配線パターン」は、基板の活性表面に形成すべき所定の配線および/またはビアに対応するパターンのことである。本明細書の文脈における「所定のタイバーパターン」は、基板の活性表面に形成すべき所定のタイバーに対応するパターンのことである。故に、図4aおよび4bの実施形態から分かるように、SATFP組み合わせ150は、上述のように図1の基板100から形成される基板部102、およびさらに、図4bから一番よくわかるように、基板部102を覆い、パターン152を画定する膜152を含んでよい。膜152に対応するパターン154は、膜152のレーザ活性部130'、135'、136'、膜152の非活性部130、およびレーザ活性タイバー領域144で画定されるが、これを以下にさらに詳述する。レーザ活性部はさらに、選択的に導電材料がその上に形成できるようなビルドアップ層を提供するのに適合した材料を含むことができる。例えば、レーザ活性部はグラファイトの豊富な導電シード材料を含んでもよい。一実施形態においては、レーザ活性化可能膜が酢酸パラジウムを含む場合、膜のレーザ活性部は、パラジウムの豊富な変性有機材料ビルドアップ表面を含むパラジウムシードビルドアップ層を含む。特に、酢酸パラジウム材料のレーザ活性化により、材料中の酢酸が選択的にアブレーションされ、その結果残るのは、上述のようにパラジウムの豊富な変性有機材料である。
【0056】
ビア開口のレーザ掘削およびレーザ活性化可能材料の活性化両方のためのレーザ光源は、レーザビームを生じる任意の適切な光源であってよい。レーザ光源の例には、Nd:YAGレーザツールあるいはパルス紫外線(UV)励起レーザが含まれ、後者が実施形態においては好まれる。波長は、ネオジムがドープされたイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG、1064nm)、フッ化キセノン(XeF、351nm)、塩化キセノン(XeCl,308nm)、臭化キセノン(XeBr、282nm)、フッ化クリプトン(KrF,248nm)、フッ化アルゴン(ArF、193nm)、フッ化ダイマー(F2、157nm)を含む、用途に適した任意の適切な波長であってよく、紫外線あるいは遠紫外線範囲の波長範囲が実施形態においては好まれる。例としては、レーザ活性化可能膜をレーザ照射で活性化するには、一実施形態においては、193nmあるいは308nmなどを含む波長に設定されたレーザ光源の約20nsから約50nsなど、レーザパルス期間が先ず選択されてよい。ひとたびパルス期間が設定されると、供給すべきパルスの数は、レーザ活性化可能膜の厚みの関数として決定することができる。供給すべきパルスの数を決定する概算は、1パルスにつき活性化すべき厚みに基いてよい。例えば酢酸パラジウムなどの有機膜に対しては、パルス率単位で活性化する厚みは、193nm、248nm、あるいは308nmのレーザ光源について、約1ミクロンであってよい。「活性化」されたか否かの判定は、例えば対応するレーザ照射線量によって得られる各レーザ活性部の導電性の計測を伴う試験工程などの、幾らかの方法で行うことができる。そうすると、金属あるいは金属に類した導電体に匹敵する導電性を持つレーザ活性部は、実施形態における「活性化された」ものとして捉えられることができる、あるいは、そのレーザ照射線量を任意のレーザ活性化可能膜厚およびレーザ活性化可能材料について供給すべきものとして設定することができる。その代わりに、あるいは上述の試験工程とともに、導電性および活性化を確かなものとすべく各レーザ活性部の組成を決定してもよい。
【0057】
パターン154のレーザ活性部130'、135'、136'および非活性部130'を形成すべく、図3の膜‐基板140を所定の配線パターンによる選択的レーザ照射にかけてもよい。好ましい実施形態において、所定の配線パターンによる選択的レーザ照射は、例えばそのパターンが所定の配線パターンに対応するマスクによる膜‐基板の組み合わせの膜のレーザ照射により実行されてよい。その代わりに、選択的照射は、計算機援用設計(CAD)駆動レーザディレクトライト(laser direct write)により実行されてもよい。所定の配線パターンによるレーザ活性化可能膜の選択的レーザ照射は、基板の活性表面、に形成すべき配線の所定のパターンに対応する部分130'のような、およびビア開口110によるビアの所定のパターンに対応する部分135'、136'のような、膜のレーザ活性部を生じる。オプションとしては、レーザ活性タイバー領域144を形成すべく、図3の膜‐基板140は、実施形態において、所定のタイバーパターンによるレーザ照射にかけられてよい。当業者であれば理解するように、活性タイバー領域はビルドアップ層上の電解めっきが考慮される領域に形成されてよい。活性タイバー領域はこのようにして、その上にタイバーの形成を可能とし、これにより今度は電解めっき中に必要な電気配線を形成することができるが、これを以下にさらに詳述する。好ましい実施形態においては、所定のタイバーパターンによる選択的照射は、例えば、CAD駆動レーザディレクトライトなどの膜‐基板の組み合わせの膜に対するレーザディレクトライトを利用して実行されてよい。所定のタイバーパターンによるレーザ活性化可能膜の選択的レーザ照射は、所定の配線パターンによるレーザ活性膜の選択的レーザ照射と同時に行われてよく、これにより、図4bに示す領域144のような、膜のレーザ活性タイバー領域が生じる。
【0058】
次に例として図5aおよび5bを参照すると、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせを生じるべく、部分的活性膜の非活性部を除去することを含む。図5aおよび5bの実施形態に示すように、非活性部130'の除去により、示されているように、露出表面104、活性タイバー領域144を持つ基板部102を含み、さらに活性部130'、135'、136'および活性タイバー領域を含むパターンビルドアップ層162を含む、パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせ161が生じる。好ましい実施形態において、除去には、部分的活性膜を洗浄にかけることが含まれる。例えば、パターニングされたビルドアップ層の材料が、酢酸パラジウム層活性化可能膜のレーザ活性化により得られる、パラジウムの豊富な変性有機材料を含む場合、洗浄には水洗浄が含まれてよい。
【0059】
次に例として図6a‐8を参照すると、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、プリント回路基板を提供すべく、パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせ上に所定の配線パターンによる配線を形成することを含む。本発明の文脈の「配線」は、所定の配線パターンによる導電線およびビアの組み合わせのことである。例えば、図8からわかるように、プリント回路基板190は、基板部102および基板部102上に配線192を持ち、配線は、所定の配線パターンにより示される配線189およびビア187を含む。配線はビルドアップ層162をシード層として利用する任意の公知の方法により形成されてよい。例えば、配線は、もっぱら無電解めっきを利用して、つまりさらなるメタライゼーションをなんら伴わない無電解めっきを利用して、あるいは無電解めっきおよび電解めっきの組み合わせを利用して形成されてよい。上述の無電解めっきと電解めっきの組み合わせを利用する配線形成を、図6a‐8の好ましい実施形態の例との関連で以下にさらに詳述する。
【0060】
例として図6a‐6bから分かるように、実施形態によるレーザ支援メタライゼーションは、無電解めっきによりパターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせのビルドアップ層上に第一導電層を生成することを含み、第一導電層は、ビルドアップ層のパターンに対応するパターンを持つシード層を画定することで、図6a‐6bの無電解めっき層164のような無電解めっき層を形成する。公知のように、ビルドアップ層162をさらなる無電解めっき導電層のシードとして利用する範囲において、ビルドアップ層は無電解めっき導電層の原子核生成のサイトとなり、その結果、「層」固有のものは存在せず、その原子は無電解めっき後に分散してしまっている。その結果、図6a‐8にはビルドアップ層が示されていない。しかし、ビルドアップ層を原子核生成のサイトとして利用する範囲において、ビルドアップ層の原子が少なくとも無電解めっき銅層内に残留するということには注意されたい。図6a、6bからわかるように、無電解めっき基板164は、露出領域104を持つ基板部分102、ビルドアップ層162、および等角導電シード層168が選択的にビルドアップ層162に形成された無電解めっきされた第一導電層を含む。示される実施形態において、シード層168は、各々ビア開口110の壁および底面に対応する領域を占有するシード層部165、166、各々配線に対応する領域を占有するシード層部160、およびタイバーシード層部174を含む。
【0061】
次に例として図7a、7bを参照すると、実施形態におけるレーザ支援メタライゼーションは、第二導電層が、第一導電層およびビルドアップ層のパターンに対応するパターンを画定するように、電解めっきにより無電解めっき基板の第一導電層上に第二導電層を形成して、これにより図6a、6bの電解めっき基板164などの電解めっき基板を形成する。図6a、6bから分かるように、電解めっき基板180は、露出領域104を持つ基板部102、ビルドアップ層162、ビルドアップ層162上に選択的に形成された等角導電シード層168を含む電解めっきされた第一導電層、および電解めっきされた第二導電層182を含む。示される実施形態において第二導電層は、ビア187を画定する第二導電層部185、配線189を画定する第二導電層部188、およびタイバー184を画定するタイバー部183を持つ。
【0062】
次に例として図8を参照すると、本発明の実施形態はさらに、プリント回路基板190のようなプリント回路基板を形成すべく、タイバーを除去することを含む。故に、図8から分かるように、プリント回路基板は、所定の配線パターンによる配線189、ビア187を含む。好ましい実施形態において、タイバーの除去は、タイバーのレーザアブレーションを含んでよい。本発明の文脈において「除去」は、当業者であれば理解するように、略完全な除去およびトリミングの両方を包括する。図1−8の例示的実施形態で述べたように、本発明の実施形態は、レーザ支援メタライゼーションおよびパターニング(LAMP)の、レーザに基く新規な基板製造工程のプロセスフローを提案している。LAMP技術は、上述のように、掘削などのレーザ照射を利用することで、ビア開口を形成してよく、ビルドアップ層の有機材料を選択的にメタライズして必要な設計回路パターン、あるいは所定の配線パターンを、なんらリソグラフィ処理を必要とすることなく、形成してもよい。レーザは、レーザ投影マシニング、レーザ支援メタライゼーションおよびレーザディレクトライトとして利用されてよい。レーザ投影マシニングを利用して、レーザアブレーションによりビア開口を公知の方法で形成してよい。レーザ支援メタライゼーションは、実施形態においては、所定の配線パターンにより基板の表面上のレーザ活性化可能材料を活性化するのに利用されてよい。レーザ活性化可能材料の活性化およびレーザ活性化材料の非活性部の除去により、銅シード層のようなパラジウムの豊富な変性有機材料のような、導電材料シード部材を含む基板にパターニングされたビルドアップ層が形成される。レーザディレクトライトをオプションとして利用して、電解めっきが考慮される場所に電解めっきが必要とするタイバー構造を生成してよい。方法の実施形態により得られるプリント回路基板は、内部にビア開口を画定するマイクロエレクトロニクス基板を含むビア画定基板、および所定の配線パターンによりビア画定基板上に形成される配線を含み、ここで配線は、所定の配線パターンに対応するパターンを持つ導電層を含み、導電層はさらに第一材料から実質的に形成されており、導電層はさらに、第一材料とは異なる第二材料を含み、第二材料はメタリックシード材料を含み配線に対応するビア画定基板上の領域のみに存在する。
【0063】
本発明の実施形態の利点は、誘電体表面にしっかり取り付けられた電気回路、および電子部材に伝記接続され、それを受けるのに適したビアを持つプリント回路基板を提供することである。本発明の実施形態は、高解像度、マルチステップリソグラフィプロセス、向上したアライメント能力、およびデスメア(de-smearing)削除を提供する。特に、LAMPによる本発明の実施形態は、ビア開口形成、さらには、望ましい(所定の)配線パターンに対応するパターンを持つパターニングされたビルドアップ層の提供の両方のためにレーザ照射を利用して、配線形成に対するリソグラフィの利用の必要性をなくす。実施形態におけるLAMP利用の利点は、(1)リソグラフィプロセスおよび関連プロセスの削除、(2)デスメアプロセスの必要の削除、(3)例えばUV波長範囲など、利用されるレーザ光源の波長範囲により統括されるナノメートル範囲のフィーチャ寸法のパターニングおよびメタライゼーションを可能とする高解像度パターニングおよびメタライゼーションの提供、(4)ビアおよび配線パターニングおよびメタライゼーションの両方に対して向上したアライメント能力の提供、である、というのも(a)ビア開口生成目的のレーザ照射および配線パターン生成目的のリソグラフィ両方を利用する複合効果が削除され、(b)リソグラフィのコンタクトマスクプロセスに関連する、より高い撮像アライメントが提供され、(c)UVレーザがレーザ光源として利用される場合に、レーザビア掘削のための先行技術プロセスで利用されるIR CO2レーザに比べると、アライメントが良好であるからである。
【0064】
上記の背景技術で記載したLFTプロセスに関して、本発明の実施形態が提供する利点は、記載したように二つの時点において基板をアブレーションする必要がなくなり、ビア開口を提供する必要がなくなり、また上述のリセス配線位置の提供の必要がなくなることである。さらには、本発明の実施形態の提供する利点は、基板に配線パターンを提供すべく基板をエッチングする必要がなくなるので、スループットが著しく向上し、同時に既知の非LET配線と同等の配線を生成する、つまり、埋め込み配線ではなくて基板表面に実質的に配置される配線を生成することである。さらに、本発明の実施形態の提供する利点は、研削あるいは化学機械研磨などのなんらかの手段により配線および/またはビア位置から余分な導電材料を除去する必要がなくなることである。本発明の実施形態が提供する利点により、所定の配線パターンに対応する領域においてのみ導電材料シードが導入されることである。さらに、一実施形態において配線形成される箇所においては無電解めっきのみが関与している、つまり電解めっきを行わない無電解めっきのみが関与している。これにより、コストおよびスループットにおいて有為な利点を達成することができる。
【0065】
図9を参照すると、本発明の実施形態を利用しうる多くのシステムのうちの一つが図示されている。示されているシステム90は例えば図8のプリント回路基板190のようなプリント回路基板を含む電子アセンブリ1000を含む。他の実施形態においては、電子アセンブリ1000は特定用途向けIC(ASIC)を含んでもよい。チップセットに含まれる集積回路が(例えばグラフィックス、音声、および制御チップセット)、本発明の実施形態によってパッケージされてもよい。
【0066】
図9に示す実施形態においては、システム90はさらに、示されているようにバス1010経由でお互い連結された主メモリ1002、グラフィックプロセッサ1004、大容量記憶デバイス1006、および/または入力/出力モジュール1008を含んでよい。メモリ1002の例としては、それらに限定はされないが、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)が含まれる。大容量記憶デバイス1006の例には、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ(CD)、デジタルバーサタイルディスクドライブ(DVD)などが含まれる。入力/出力モジュール1008の例としては、それらに限定はされないが、キーボード、カーソル制御アレンジメント、ディスプレイ、ネットワークインタフェースなどが含まれる。バス1010の例としては、それらに限定はされないが、周辺制御インタフェース(PCI)バスおよび業界標準アーキテクチャ(ISA)バスなどが含まれる。様々な実施形態においては、システム90は無線携帯電話、携帯型情報機(PDA)、ポケットPC、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップコンピュータ、セットトップボックス、メディアセンタPC,DVDプレーヤ、およびサーバであってよい。
【0067】
別の実施形態は2工程の銅めっきを省略することができる。つまり、プリント回路基板の基板製造における無電解銅めっきの省略である。図10−27は、無電解めっきを利用せずにLAMPを利用してコアなし基板を作成する実施形態を示す。
【0068】
図10は銅パネル1000のラミネートを示す。図11A−11Bは、レーザ投影パターニング(マシニング)を利用して銅パネル1000の銅パネル両方へのパターニングを示す。レーザパターニングの結果パターン1110が生じる。
【0069】
図12A−12Bは、誘電体層1200の両面ラミネートを示す。誘電体層1200は、ABF、あるいはプリント回路基板の基板に適した任意の他の誘電体などの、プラスチックあるいは繊維ガラスであってよい。図13は銅パネル上の有機材料1310ビルドアップラミネートを示す。図13−27は銅パネルのうちの一枚へのプロセスを示しているが、両方の銅パネルに対して同じプロセスを行ってよい。
【0070】
図14は複数のビア1400を形成する、有機ビルドアップ材料のレーザ掘削を示す。図15は図14に示す基板を、パラジウム溶液で浸漬被覆して、シードコート1510を形成した結果を示す。図16から先、図15に示す基板は、レーザ支援メタライゼーションにより活性化されたパラジウムシードコート層を持つ。示すように、参照番号1610は、活性化された表面部分であり、参照番号1620は非活性部である。シードコートが酢酸パラジウムである一実施形態においては、膜(ABF)のレーザ支援部1610は、パラジウムの豊富な変性有機材料ビルドアップ表面を含むパラジウムシードビルドアップ層を含んでよい。特に、酢酸パラジウム材料のレーザ活性化は、材料内の酢酸を選択的にアブレーションして、上述のパラジウムの豊富な変性有機材料を残留させる。一実施形態においては、表面のレーザ活性化が両ラインのパターン後に行われ、マイクロビアがマスク投影マシニングにより、あるいはCAD駆動レーザディレクトライトにより行われる。
【0071】
図17は、図16に示す基板のパターニングされていない部分1620から酢酸パラジウムシードコートを洗浄して、シードコートが部分1710から除去された状態を示す。例えば、パターニングされたビルドアップ層の材料が、酢酸パラジウムレーザ活性化可能膜のレーザ活性化により得られる、パラジウムの豊富な変性有機材料を含む場合、洗浄には水洗浄が含まれてよい。
【0072】
図18は、図17に示した基板1000電解銅めっき1810の結果を示す。銅めっきは選択的に銅配線、ビア壁およびタイバーを覆う。選択的銅めっきにより、DFRおよびリソパターニングが不要になる。本実施形態においては、このプロセスは二ステップ銅めっき(無電解の後に電解)の削除において効を奏す。本実施形態においては、電解銅めっきは、ビルドアップ層内のレーザ活性化ビルドアップ表面に直接行われる。これは、全ての銅フィーチャがビルドアップビルド工程中に利用される犠牲銅パネルに電気接続されるという事実により可能とされる。
【0073】
図19は、図18に示す基板に行われる、次の誘電体ビルドアップ工程を示す。誘電体ビルドアップ層1910が完成した後、図20はビルドアップ層をレーザビア掘削して複数のビア2010を形成した結果を示す。図21は、図20に示す基板を、基板表面2110をシードするパラジウム溶液で浸漬被覆した結果を示す。図22Aは、図21に示す基板の表面をレーザ活性化した結果を示す。図示されるように、参照番号2210は活性化されたビア壁を示し、参照番号2230は活性化されたビア底部を示す。参照番号2220は非活性部を示す。故に、パターニングされた活性化により、シードコートの部分が選択的に活性化されたことが分かる。図22Bは図22Aに図示された基板の平面図を示す。
【0074】
図23Aは、図22Aに示す基板のパターニングされていない部分2310からパラジウム溶液シードコートを洗浄した結果を示す。図23Bは、図23Aに示す基板の平面図を示す。
【0075】
図24Aは図23Aに示す基板に行われる後続の誘電体ビルドアッププロセスを示す。誘電体ビルドアップ層2410の完成後、図25に示すビルドアップ層の配線2510が形成された箇所に対してレーザ配線アブレーションが行われる。示されるように、複数の図26が、制御コラプスチップ接続(C4)はんだくず(例えば2610)および第一レベル配線(FLI)(例えば2710)バンプの結果を示す。
【0076】
図27は、犠牲銅めっきがエッチングで除去されて銅突起2800を形成する、図26の基板を示す。
【0077】
別の実施形態においては、誘電体ビルドアップ後(図13)、配線およびタイバー形成目的のレーザアブレーション(それが望ましい場合)、レーザビア掘削/アブレーション(図14参照)、および浸漬被覆(図15参照)、基板のレーザ支援メタライゼーション(図4A−B参照)が行われる。同じ投影マスクを利用して(つまりポリマー表面にめっきシードを埋め込む目的で)、レーザ支援メタライゼーションにより有機材料を選択的に活性化した後、基板は図17に示すように洗浄される。本実施形態においては、基板が洗浄された後、無電解めっきが基板に行われる。図28は洗浄後基板に無電解めっき2810を行った結果を示す。
【0078】
図29は、銅2910を利用して基板にビア充填および/または電解めっきを行った結果を示す。本実施形態においては化学機械研磨(CMP)の必要はない、というのも銅めっきは、選択的にメタライゼーションされた領域のうちのレーザ照射が当たった箇所にのみ行われるからである。
【0079】
別の実施形態においては、誘電体ビルドアップの後(図13参照)、レーザマイクロビア掘削/アブレーション(図14参照)、浸漬被覆(図15参照)、基板のレーザ支援メタライゼーション、無電解めっき(図28参照)、およびビア充填/めっき(図29)の後、パラジウムDFRラミネート3010が基板に行われる。結果が図30に示されている。本実施形態においては、基板配線のパラジウムDFRラミネートの後、レーザアブレーションおよびレーザ支援メタライゼーションが基板に行われる。結果を、配線3110およびレーザ支援メタライゼーション層3120を示す図31に示す。
【0080】
図32は、図31に示す基板上に銅3210の配線無電解めっきを行った結果を示す。配線無電解めっきの後に、本実施形態の配線電解めっき3310が基板に行われる。結果を図33に示す。基板は、図34に結果を示すように、その後DFRストリップされる。本実施形態にはCMPステップの必要がない、というのもレーザがアブレーションおよびタイバーめっきに利用されるのと同じパターンに続きビルドアップ層の選択的メタライゼーションに利用されるからである。
【0081】
上述され、図10‐34に図示された実施形態はさらに、上述され、図9に図示されたシステム90のように、システムのプリント回路基板として配置することもできる。
【0082】
幾らかの実施形態はさらにデバイスあるいは機械読み取り可能な媒体に記憶することができ、命令実行目的で機械から読み出すことができる。機械読み取り可能な媒体は、機械(例えば、コンピュータ、PDA、セルラー式電話など)読み取り可能な形態で情報を提供する、つまり記憶および/または送信する、任意の機構を含む。例えば、機械読み取り可能な媒体は、読出し専用記憶素子(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、生物学的、電気的、機械的システム、電気的、光学的、音響的、あるいは他の形式の伝播信号(運搬波、赤外線信号、デジタル信号など)を含む。デバイスあるいは機械読み取り媒体は、マイクロマシン技術(MEMS)、ナノテクノロジーデバイス、有機、ホログラフィー、固体メモリデバイス、および/または回転磁気あるいは光学ディスクを含んでよい。コンピュータの配線間、あるいは異なる仮想マシン間などの異なる機械に命令のパーティションが分離されると、デバイスあるいは機械読み取り可能な媒体が分配される。
【0083】
幾らかの例示的実施形態を記載、および付随の図面に示したが、当業者であれば様々な他の変形例を思いつくであろうから、上述の実施形態は単に例示目的であり、幅広い発明を限定するものではなく、本発明は示され且つ記載された特定の構成およびアレンジメントに限定されるものではないことは理解されるべきである。
【0084】
明細書で、「一実施形態("an embodiment", "one embodiment")」、「幾らかの実施形態」、「他の実施形態」という言及があるが、これらは、実施形態との関連で記載された特定のフィーチャ、構造、あるいは特徴が、少なくとも幾らかの実施形態に含まれるが、全ての実施形態に含まれる必要はないことを意味している。「一実施形態("an embodiment", "one embodiment")」、「幾らかの実施形態」という言及は、その全てが同じ実施形態のことを言及している必要はない。明細書には、部材、フィーチャ、構造、あるいは特徴が、「してもよい」「しうる」「できる」("may", "might", "could")という表現が含まれているが、その特定の部材、フィーチャ、構造、あるいは特徴が含まれることが必須ではない。明細書あるいは請求項では、一つの要素のことを言及していても、その要素が一つだけあることを意味してはいない。明細書あるいは請求項が、「さらなる」「追加的な」要素(an additional element)について言及していても、その追加的な要素が一を超える数ある場合を排除しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の金属パネルをレーザ投影パターニングすることと、
前記金属パネル上に誘電体層をラミネートすることと、
前記基板に複数のビアを形成すべく前記基板をレーザ照射することと、
前記基板のシードコートをレーザ活性化することと、
前記基板のパターニングされていない部分から前記シードコートを洗浄することと、
前記基板に、パターニングされたビルドアップ層を形成することと、
複数の金属突起を形成すべく金属めっきをエッチングで除去することと、を含む方法。
【請求項2】
前記シードコートを形成すべく、前記基板をシード溶液内で浸漬被覆することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
配線形成すべく、所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層の複数の配線および前記複数のビアに対して選択的に金属を電解めっきすることをさらに含み、犠牲銅めっきを利用して前記電解めっきに電気接続が提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シードコートを洗浄することの前に、レーザ支援メタライゼーションを行うことと、
前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせを無電解めっきして無電解めっき基板を生成することで、前記所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせ上にパターニングされた導電層を形成することと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パターニングされたビルドアップ層を形成することは、前記シードコートの複数の非活性部を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の配線を電解金属めっきすることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
パラジウムドライフィルムレジストラミネートすることと、
前記基板をドライフィルムレジストストリップすることと、をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記シードコートは酢酸パラジウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ビルドアップ層は、パラジウムシード有機ビルドアップ層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
レーザ投影パターニングすることは、複数のマイクロビアを掘削することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
金属パネルを含む基板と、
前記基板に連結されたシードコートと、
前記金属パネルに連結されたラミネート誘電体層と、
前記基板に設けられた複数のビアと、
前記基板に連結されたパターニングされたビルドアップ層と、
前記基板に連結された複数の金属突起と、を含むプリント回路基板。
【請求項12】
前記シードコートは前記基板に浸漬被覆される、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
配線形成すべく、所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層の複数の配線および前記複数のビアに対して選択的に連結される金属層をさらに含み、犠牲銅めっきにより前記金属層の電気接続が提供される、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせを無電解めっきして無電解めっき基板を生成することで、所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせに連結されるパターニングされた導電層をさらに含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記シードコートは酢酸パラジウムを含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
プリント回路基板と、
前記プリント回路基板に連結されたメモリデバイスと、を含むシステムであって、
前記プリント回路基板は、
金属パネルを含む基板と、
前記基板に連結されたシードコートと、
前記金属パネルに連結されたラミネート誘電体層と、
前記基板に設けられた複数のビアと、
前記基板に連結されたパターニングされたビルドアップ層と、
前記基板に連結された複数の金属突起と、を含むシステム。
【請求項17】
前記パターニングされたビルドアップ層の複数の配線および前記複数のビアに選択的に連結される金属層をさらに含み、犠牲銅めっきにより前記金属層の電気接続が提供される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせに連結され無電解めっきされた、パターニングされた導電層をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記シードコートは酢酸パラジウムを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記シードコートは前記基板に浸漬被覆される、請求項16に記載のシステム。
【請求項1】
基板の金属パネルをレーザ投影パターニングすることと、
前記金属パネル上に誘電体層をラミネートすることと、
前記基板に複数のビアを形成すべく前記基板をレーザ照射することと、
前記基板のシードコートをレーザ活性化することと、
前記基板のパターニングされていない部分から前記シードコートを洗浄することと、
前記基板に、パターニングされたビルドアップ層を形成することと、
複数の金属突起を形成すべく金属めっきをエッチングで除去することと、を含む方法。
【請求項2】
前記シードコートを形成すべく、前記基板をシード溶液内で浸漬被覆することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
配線形成すべく、所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層の複数の配線および前記複数のビアに対して選択的に金属を電解めっきすることをさらに含み、犠牲銅めっきを利用して前記電解めっきに電気接続が提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シードコートを洗浄することの前に、レーザ支援メタライゼーションを行うことと、
前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせを無電解めっきして無電解めっき基板を生成することで、前記所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせ上にパターニングされた導電層を形成することと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パターニングされたビルドアップ層を形成することは、前記シードコートの複数の非活性部を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の配線を電解金属めっきすることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
パラジウムドライフィルムレジストラミネートすることと、
前記基板をドライフィルムレジストストリップすることと、をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記シードコートは酢酸パラジウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ビルドアップ層は、パラジウムシード有機ビルドアップ層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
レーザ投影パターニングすることは、複数のマイクロビアを掘削することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
金属パネルを含む基板と、
前記基板に連結されたシードコートと、
前記金属パネルに連結されたラミネート誘電体層と、
前記基板に設けられた複数のビアと、
前記基板に連結されたパターニングされたビルドアップ層と、
前記基板に連結された複数の金属突起と、を含むプリント回路基板。
【請求項12】
前記シードコートは前記基板に浸漬被覆される、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
配線形成すべく、所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層の複数の配線および前記複数のビアに対して選択的に連結される金属層をさらに含み、犠牲銅めっきにより前記金属層の電気接続が提供される、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせを無電解めっきして無電解めっき基板を生成することで、所定の配線パターンにより、前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせに連結されるパターニングされた導電層をさらに含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記シードコートは酢酸パラジウムを含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
プリント回路基板と、
前記プリント回路基板に連結されたメモリデバイスと、を含むシステムであって、
前記プリント回路基板は、
金属パネルを含む基板と、
前記基板に連結されたシードコートと、
前記金属パネルに連結されたラミネート誘電体層と、
前記基板に設けられた複数のビアと、
前記基板に連結されたパターニングされたビルドアップ層と、
前記基板に連結された複数の金属突起と、を含むシステム。
【請求項17】
前記パターニングされたビルドアップ層の複数の配線および前記複数のビアに選択的に連結される金属層をさらに含み、犠牲銅めっきにより前記金属層の電気接続が提供される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記パターニングされたビルドアップ層‐基板の組み合わせに連結され無電解めっきされた、パターニングされた導電層をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記シードコートは酢酸パラジウムを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記シードコートは前記基板に浸漬被覆される、請求項16に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2012−89874(P2012−89874A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−273536(P2011−273536)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【分割の表示】特願2008−541441(P2008−541441)の分割
【原出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273536(P2011−273536)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【分割の表示】特願2008−541441(P2008−541441)の分割
【原出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
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