プリント基板及びその製造方法
【課題】回路層の分離を最小化するとともにリードタイムを減らし、製造コストを節減することができるプリント基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁部材130の一面に含浸された回路パターン150;回路パターン150と連結されるように絶縁部材130に形成され、絶縁部材130の外部に突出するように形成されたバンプパッド152;絶縁部材130の一面に積層されたビルドアップ絶縁層162に回路パターン150と連結されるビアを含む回路層164が形成されたビルドアップ層;及びビルドアップ層に積層されたソルダレジスト層170;を含む。
【解決手段】絶縁部材130の一面に含浸された回路パターン150;回路パターン150と連結されるように絶縁部材130に形成され、絶縁部材130の外部に突出するように形成されたバンプパッド152;絶縁部材130の一面に積層されたビルドアップ絶縁層162に回路パターン150と連結されるビアを含む回路層164が形成されたビルドアップ層;及びビルドアップ層に積層されたソルダレジスト層170;を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの高密度化及び信号伝達速度の高速化に対応するための技術とし、半導体チップをプリント基板に直接実装する技術に対する要求が増大している。これに応じて、半導体チップの高密度化に対応することが可能な高密度及び高信頼性のプリント基板の開発が要求されている。
【0003】
高密度及び高信頼性のプリント基板に対する要求仕様は半導体チップの仕様に密接に関連しているが、回路の微細化、高度な電気特性、高速信号伝達構造、高信頼性、高機能性などの多大な課題がある。このような要求仕様に対応した微細回路パターン及びマイクロビアホールを形成することができるプリント基板製造技術が要求されている。
【0004】
通常、プリント基板の回路パターンを形成する方法は、サブトラクティブ法(subractive process)、フールアディティブ法(full additive process)、及びセミアディティブ法(semi−additive process)などがある。このような方法のうち、回路パターンの微細化が可能なセミアディティブ法が現在注目を浴びている。
【0005】
図1〜図6は、従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターンの形成方法を説明すれば次のようである。
【0006】
まず、図1に示すように、一面に金属層14が形成された絶縁層12にビアホール16を加工する。
【0007】
ついで、図2に示すように、ビアホール16の内壁を含み絶縁層12上に無電解メッキ層18を形成する。この際、無電解メッキ層18は以後に行われる電解メッキ工程の前処理工程の役目をする。電解メッキ層24を形成するためには、一定厚さ以上(例えば、1μm以上)の無電解メッキ層18を形成しなければならない。
【0008】
ついで、図3に示すように、ドライフィルム20を積層し、回路パターン形成領域を露出させる開口部22を持つようにパターニングする。
【0009】
ついで、図4に示すように、ビアホール16を含み開口部22に電解メッキ層24を形成する。
【0010】
ついで、図5に示すように、ドライフィルム20を除去する。
【0011】
最後に、図6に示すように、フラッシュエッチング(flash etching)、クィックエッチング(quick etching)などによって、電解メッキ層24が形成されない無電解メッキ層18を除去することで、ビア26を含む回路パターン28を形成する。
【0012】
しかしながら、従来のセミアディティブ法で形成された回路パターン28は、絶縁層12上に陽刻部の形状に形成されているから、絶縁層12から分離される問題点があった。特に、次第に回路パターン28が微細化していくにつれて絶縁層12と回路パターン28間の接着面積が減少して接着力が弱化し、回路パターン28の分離が酷くなり、多層構造を有するプリント基板において、最外層に形成された回路パターン28の分離はプリント基板の信頼性を格段に低下させる問題点があった。
【0013】
近年には、このような限界を克服するために新工法が提案されている。その一つとして、絶縁層上にレーザーでトレンチ(trench)を形成し、メッキ、研磨、エッチングの工程によって回路パターンを製造するLPP法(Laser Patterning Process)が注目を浴びている。
【0014】
図7〜図10は、従来の他の例によるLPP法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターン形成方法を説明すれば次のようである。
【0015】
まず、図7に示すように、一面に金属層54が形成された絶縁層52に回路パターン用トレンチ56a及びビア用トレンチ56bを含むトレンチ56をレーザーで加工する。
【0016】
ついで、図8に示すように、トレンチ56の内壁を含み絶縁層52上に無電解メッキ層58を形成する。
【0017】
ついで、図9に示すように、無電解メッキ層58上に電解メッキ層60を形成する。
【0018】
最後に、図10に示すように、エッチング工程またはグラインディング工程によって、絶縁層52の上部に突出した無電解メッキ層58及び電解メッキ層60を除去してビア62を含む埋込型回路パターン64を形成する。
【0019】
しかしながら、LPP工法でプリント基板を製作する場合、回路パターン64が埋め込まれた構造を持つので分離される問題を予防することができる利点はあるが、トレンチ56が形成される領域とそうではない領域の間で発生するメッキ偏差を減らすために付加の研磨工程を行わなければならなく、層別にトレンチ加工工程及び研磨工程を行わなければならないため、リードタイム(lead time)が長くなる問題点があった。また、トレンチ加工に使用する装備が高価なものであるから、製造コストが増加する問題点があった。よって、多層プリント基板の製作においてLPP工法を全面的に適用するのには困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ビルドアップ工法を適用するに際して、最外層の回路層は製造工程の単純なインプリンティング工法によって含浸構造を持つように形成することにより、回路層の分離を最小化するとともにリードタイムを減らし、製造コストを節減することができるプリント基板及びその製造方法を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、微細なピッチを持ち、均一な直径及び高さを持つバンプパッドを備えたプリント基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、絶縁部材の一面に含浸された回路パターン;前記回路パターンと連結されるように前記絶縁部材に形成され、前記絶縁部材の外部に突出するように形成されたバンプパッド;前記絶縁部材の一面に積層されたビルドアップ絶縁層に前記回路パターンと連結されるビアを含む回路層が形成されたビルドアップ層;及び前記ビルドアップ層に積層されたソルダレジスト層;を含むことを特徴とするプリント基板が提供される。
【0023】
前記絶縁部材は、厚さ方向の一部に形成されたパターン用トレンチを含み、前記回路パターンは前記パターン用トレンチの内部に形成されることができる。
【0024】
前記バンプパッドは、下側が前記絶縁部材の内部に含浸された状態で、上側が前記絶縁部材から突出するように形成されることができる。
【0025】
前記バンプパッドは、メッキ層であってもよい。
【0026】
前記絶縁部材の外部に突出した前記バンプパッドの表面には、表面処理層が形成されることができる。
【0027】
前記ソルダレジスト層には、前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部が形成されることができる。
【0028】
また、本発明によれば、(A)キャリアに離型層及び絶縁部材を順次積層し、インプリンティング工法によって前記絶縁部材にパターン用トレンチを加工し、前記絶縁部材と前記離型層を貫通するバンプパッド用トレンチを加工する段階;(B)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチにメッキ工程を施して回路パターン及びバンプパッドを形成する段階;(C)前記絶縁部材にビルドアップ絶縁層を積層し、層間連結のためのビアを含む回路層を形成する段階;及び(D)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成し、前記キャリアと前記離型層を除去する段階;を含むプリント基板の製造方法が提供される。
【0029】
前記(A)段階で、前記パターン用トレンチは厚方向の絶縁部材の一部に形成されることができる。
【0030】
前記(A)段階で、前記離型層及び前記絶縁部材は前記キャリアの一面または両面に塗布されることができる。
【0031】
前記離型層は、樹脂材質で形成されることができる。
【0032】
前記(B)段階は、(B1)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内壁とともに前記絶縁部材の表面に無電解メッキ層を形成する段階;(B2)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内部に電解メッキ層を形成する段階;及び(B3)前記絶縁部材の上部に形成された前記無電解メッキ層及び前記電解メッキ層を除去する段階;を含むことができる。
【0033】
前記(D)段階は、(D1)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成する段階;(D2)前記ソルダレジスト層に前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部を加工する段階;(D3)前記キャリアを除去する段階;(D4)前記バンプパッドの露出面に表面処理層を形成する段階;及び(D5)前記離型層を除去する段階;を含むことができる。
【0034】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0035】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ビルドアップ工法を適用するに際し、最外層の回路層は製造工程の単純なインプリンティング工法によって含浸構造を持つように形成することで、回路層の分離を最小化するとともにリードタイムを減らして製造コストを節減することができることになる。一方、ビルドアップ工法とインプリンティング工法を一緒に適用することでインプリンティング工法の全面的適用による層間不整合問題を防止することができる。
【0037】
また、本発明によれば、電気伝達特性に優れた柱状のバンプパッドを含むので、プリント基板に実装される電子部品との電気的な接続が良好になり、バンプパッドが一定の直径を持つので、微細ピッチの具現が可能になる。
【0038】
更に、本発明によれば、離型層にトレンチを加工し、その内部にメッキ層を形成した後、離型層を除去する簡単な方法によって、絶縁部材の外部に突出する柱状のバンプパッドを具現することができる。この際、離型層の厚さ調節によって所望高さのバンプパッドを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(1)を示す工程断面図である。
【図2】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(2)を示す工程断面図である。
【図3】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(3)を示す工程断面図である。
【図4】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(4)を示す工程断面図である。
【図5】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(5)を示す工程断面図である。
【図6】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(6)を示す工程断面図である。
【図7】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(1)を示す工程断面図である。
【図8】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(2)を示す工程断面図である。
【図9】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(3)を示す工程断面図である。
【図10】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(4)を示す工程断面図である。
【図11】本発明の好適な実施例によるプリント基板の断面図である。
【図12】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(1)を示す工程断面図である。
【図13】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(2)を示す工程断面図である。
【図14】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(3)を示す工程断面図である。
【図15】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(4)を示す工程断面図である。
【図16】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(5)を示す工程断面図である。
【図17】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(6)を示す工程断面図である。
【図18】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(7)を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の目的、利点及び特徴は添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例からもっと明らかになろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際して、同じ構成要素には、たとえ異なる図面に表示されていても、できるだけ同一符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0041】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0042】
(プリント基板の構造)
図11は、本発明の好適な実施例によるプリント基板の断面図である。以下、同図を参照して本実施例によるプリント基板100について説明する。
【0043】
図11に示すように、本実施例によるプリント基板100は、絶縁部材130の一面に含浸された回路パターン150、前記回路パターン150と連結されて絶縁部材130の外部に突出するように前記絶縁部材130に形成されたバンプパッド152、ビルドアップ層160、及びソルダレジスト層170を含んでなるものである。
【0044】
ここで、回路パターン150は、絶縁部材130の一面に含浸された構造、つまり絶縁部材130の一面と同一の表面高さを持つように埋め込まれた構造を持つ。この際、回路パターン150は、絶縁部材130の一面から厚さ方向の一部分にだけ形成されたパターン用トレンチ122の内部にメッキ工程によって形成される。
【0045】
バンプパッド152は、回路パターン150と連結されて前記絶縁部材130の外部に突出するように前記絶縁部材130に形成される。ここで、バンプパッド152は、下側が前記絶縁部材130の内部に含浸された状態にあり、上側が前記絶縁部材130から突出するように形成された状態を持つ。すなわち、バンプパッド152は、同一高さのポスト構造を持つことになる。この際、バンプパッド152は、メッキ層で形成される。一方、絶縁部材130の外部に突出したバンプパッド152の表面には、酸化/腐食防止と外部接続端子との接着力向上のために、表面処理層154が形成されることが好ましい。
【0046】
ビルドアップ層160は、回路パターン150が含浸された絶縁部材130の一面にビルドアップ絶縁層162が積層され、前記ビルドアップ絶縁層162に層間連結のためのビアを含む回路層164が形成された構造を持つ。ここで、回路層164はビルドアップ層160の表面から突出する構造を持つことになる。
【0047】
ソルダレジスト層170は、最外層ビルドアップ絶縁層162に形成された回路層164を外部から保護するためのもので、ビルドアップ絶縁層162の上部に積層される。この際、ソルダレジスト層170には、最外層の回路層164中のパッド部を露出させるオープン部172が形成される。
【0048】
(プリント基板の製造方法)
図12〜図18は、図11に示すプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。以下、これを参照して本実施例によるプリント基板の製造方法について説明する。
【0049】
まず、図12に示すように、製造過程中にプリント基板が歪むことを防止するための支持体機能をするキャリア110に離型層120及び絶縁部材130を順次積層する。
【0050】
ここで、離型層120は、その上部に積層される絶縁部材130からの分離が容易な材質で形成され、後続のインプリンティング工程によってトレンチ加工できるように樹脂材質で形成される。
【0051】
本実施例において、離型層120及び絶縁部材130は、形成しようとするバンプパッド152の高さを考慮して所定厚さに積層される。
【0052】
一方、離型層120及び絶縁部材130は、キャリア110の一面または両面に積層できる。以下では、一例として、キャリア110の両面に絶縁部材130が積層され、追加の工程が進むものを図示及び説明する。
【0053】
ついで、図13に示すように、絶縁部材130にパターン用トレンチ140を加工し、絶縁部材130と離型層120にこれらを貫通するバンプパッド用トレンチ142を加工する。
【0054】
この際、パターン用トレンチ140は、回路パターン150が形成されるサイズ及び厚さを考慮して、厚さ方向に絶縁部材130の一部分を除去することで形成され、バンプパッド用トレンチ142は絶縁部材130と離型層120を貫通するように形成される。
【0055】
ここで、パターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142は、加工時間及び加工費用を節減するために、インプリンティング工法によって形成される。すなわち、トレンチ状に対応する形状を持つインプリントモールド(imprint mold)で絶縁部材130、または絶縁部材130と離型層120をインプリントすることで形成される。
【0056】
ついで、図14に示すように、パターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142の内部にメッキ工程を施して回路パターン150及びバンプパッド152を形成する。この際、回路パターン150及びバンプパッド152は、パターン用トレンチ及びバンプパッド用トレンチ142の内壁とともに絶縁部材130の表面に無電解メッキ層を形成した後、前記無電解メッキ層のうちパターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142の内部に電解メッキ層を形成することで形成される。ここで、パターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142の内部にメッキ層を形成する過程で、絶縁部材130の上部に形成される無電解メッキ層及び電解メッキ層は、回路パターン150が絶縁部材130の一面と同一の表面高さを持つように(含浸構造)、機械的及び/または化学的研磨工程によって除去されることが好ましい。
【0057】
ついで、図15に示すように、回路パターン150が形成された絶縁部材130にビルドアップ絶縁層162を積層し、層間連結のためのビアを含む回路層164を形成する。すなわち、ビルドアップ工程によってビルドアップ層160を形成する。この際、回路層164は、例えばビルドアップ絶縁層162にビアホールを加工し、前記ビアホールの内部とともに前記ビルドアップ絶縁層162の上部にメッキ層を形成した後、前記メッキ層をパターニングすることで形成される。この際、絶縁部材130の直上に積層されるビルドアップ絶縁層162に形成される回路層164はビアを介して回路パターン150と連結される。
【0058】
ついで、図16に示すように、ビルドアップ絶縁層162にソルダレジスト層170を形成し、前記ビルドアップ絶縁層の最外層の回路層164中のパッド部を露出させるオープン部172を加工した後、キャリア110を除去する。ここで、ソルダレジスト層170はビルドアップ絶縁層162の最外層に形成された回路層164を保護するために最外層ビルドアップ絶縁層162に形成され、外部との連結端子の役目をするパッド部は、例えばレーザーダイレクトアブレーション(laser direct ablation;LDA)工程によってソルダレジスト層170に形成されたオープン部172を通じて外部に露出される。
【0059】
ついで、図17に示すように、バンプパッド152の露出面に表面処理層154を形成する。この際、表面処理層154は露出されたバンプパッド152の腐食/酸化を防止し、外部接続端子との接着力を増大させるためのもので、必要によって選択的に形成可能である。例えば、表面処理層154はニッケル(Ni)メッキ層またはニッケル合金メッキ層で形成されるか、または前記ニッケルメッキ層または前記ニッケル合金メッキ層上にパラジウム(Pd)メッキ層または金(Au)メッキ層が形成されるか、あるいは前記パラジウムメッキ層及び前記金メッキ層が順次形成された構造を持ち、薄く形成される。
【0060】
最後に、図18に示すように、離型層120を除去する。この際、離型層120を除去すれば、バンプパッド152の少なくとも一部が絶縁部材130の外部に突出することになる。
【0061】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明によるプリント基板及びその製造方法はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、半導体チップの高密度化に対応することが可能な高密度及び高信頼性のプリント基板に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
110 キャリア
120 離型層
130 絶縁部材
140 パターン用トレンチ
142 バンプパッド用トレンチ
150 回路パターン
152 バンプパッド
154 表面処理層
162 ビルドアップ絶縁層
164 回路層
170 ソルダレジスト層
172 オープン部
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの高密度化及び信号伝達速度の高速化に対応するための技術とし、半導体チップをプリント基板に直接実装する技術に対する要求が増大している。これに応じて、半導体チップの高密度化に対応することが可能な高密度及び高信頼性のプリント基板の開発が要求されている。
【0003】
高密度及び高信頼性のプリント基板に対する要求仕様は半導体チップの仕様に密接に関連しているが、回路の微細化、高度な電気特性、高速信号伝達構造、高信頼性、高機能性などの多大な課題がある。このような要求仕様に対応した微細回路パターン及びマイクロビアホールを形成することができるプリント基板製造技術が要求されている。
【0004】
通常、プリント基板の回路パターンを形成する方法は、サブトラクティブ法(subractive process)、フールアディティブ法(full additive process)、及びセミアディティブ法(semi−additive process)などがある。このような方法のうち、回路パターンの微細化が可能なセミアディティブ法が現在注目を浴びている。
【0005】
図1〜図6は、従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターンの形成方法を説明すれば次のようである。
【0006】
まず、図1に示すように、一面に金属層14が形成された絶縁層12にビアホール16を加工する。
【0007】
ついで、図2に示すように、ビアホール16の内壁を含み絶縁層12上に無電解メッキ層18を形成する。この際、無電解メッキ層18は以後に行われる電解メッキ工程の前処理工程の役目をする。電解メッキ層24を形成するためには、一定厚さ以上(例えば、1μm以上)の無電解メッキ層18を形成しなければならない。
【0008】
ついで、図3に示すように、ドライフィルム20を積層し、回路パターン形成領域を露出させる開口部22を持つようにパターニングする。
【0009】
ついで、図4に示すように、ビアホール16を含み開口部22に電解メッキ層24を形成する。
【0010】
ついで、図5に示すように、ドライフィルム20を除去する。
【0011】
最後に、図6に示すように、フラッシュエッチング(flash etching)、クィックエッチング(quick etching)などによって、電解メッキ層24が形成されない無電解メッキ層18を除去することで、ビア26を含む回路パターン28を形成する。
【0012】
しかしながら、従来のセミアディティブ法で形成された回路パターン28は、絶縁層12上に陽刻部の形状に形成されているから、絶縁層12から分離される問題点があった。特に、次第に回路パターン28が微細化していくにつれて絶縁層12と回路パターン28間の接着面積が減少して接着力が弱化し、回路パターン28の分離が酷くなり、多層構造を有するプリント基板において、最外層に形成された回路パターン28の分離はプリント基板の信頼性を格段に低下させる問題点があった。
【0013】
近年には、このような限界を克服するために新工法が提案されている。その一つとして、絶縁層上にレーザーでトレンチ(trench)を形成し、メッキ、研磨、エッチングの工程によって回路パターンを製造するLPP法(Laser Patterning Process)が注目を浴びている。
【0014】
図7〜図10は、従来の他の例によるLPP法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターン形成方法を説明すれば次のようである。
【0015】
まず、図7に示すように、一面に金属層54が形成された絶縁層52に回路パターン用トレンチ56a及びビア用トレンチ56bを含むトレンチ56をレーザーで加工する。
【0016】
ついで、図8に示すように、トレンチ56の内壁を含み絶縁層52上に無電解メッキ層58を形成する。
【0017】
ついで、図9に示すように、無電解メッキ層58上に電解メッキ層60を形成する。
【0018】
最後に、図10に示すように、エッチング工程またはグラインディング工程によって、絶縁層52の上部に突出した無電解メッキ層58及び電解メッキ層60を除去してビア62を含む埋込型回路パターン64を形成する。
【0019】
しかしながら、LPP工法でプリント基板を製作する場合、回路パターン64が埋め込まれた構造を持つので分離される問題を予防することができる利点はあるが、トレンチ56が形成される領域とそうではない領域の間で発生するメッキ偏差を減らすために付加の研磨工程を行わなければならなく、層別にトレンチ加工工程及び研磨工程を行わなければならないため、リードタイム(lead time)が長くなる問題点があった。また、トレンチ加工に使用する装備が高価なものであるから、製造コストが増加する問題点があった。よって、多層プリント基板の製作においてLPP工法を全面的に適用するのには困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ビルドアップ工法を適用するに際して、最外層の回路層は製造工程の単純なインプリンティング工法によって含浸構造を持つように形成することにより、回路層の分離を最小化するとともにリードタイムを減らし、製造コストを節減することができるプリント基板及びその製造方法を提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、微細なピッチを持ち、均一な直径及び高さを持つバンプパッドを備えたプリント基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、絶縁部材の一面に含浸された回路パターン;前記回路パターンと連結されるように前記絶縁部材に形成され、前記絶縁部材の外部に突出するように形成されたバンプパッド;前記絶縁部材の一面に積層されたビルドアップ絶縁層に前記回路パターンと連結されるビアを含む回路層が形成されたビルドアップ層;及び前記ビルドアップ層に積層されたソルダレジスト層;を含むことを特徴とするプリント基板が提供される。
【0023】
前記絶縁部材は、厚さ方向の一部に形成されたパターン用トレンチを含み、前記回路パターンは前記パターン用トレンチの内部に形成されることができる。
【0024】
前記バンプパッドは、下側が前記絶縁部材の内部に含浸された状態で、上側が前記絶縁部材から突出するように形成されることができる。
【0025】
前記バンプパッドは、メッキ層であってもよい。
【0026】
前記絶縁部材の外部に突出した前記バンプパッドの表面には、表面処理層が形成されることができる。
【0027】
前記ソルダレジスト層には、前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部が形成されることができる。
【0028】
また、本発明によれば、(A)キャリアに離型層及び絶縁部材を順次積層し、インプリンティング工法によって前記絶縁部材にパターン用トレンチを加工し、前記絶縁部材と前記離型層を貫通するバンプパッド用トレンチを加工する段階;(B)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチにメッキ工程を施して回路パターン及びバンプパッドを形成する段階;(C)前記絶縁部材にビルドアップ絶縁層を積層し、層間連結のためのビアを含む回路層を形成する段階;及び(D)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成し、前記キャリアと前記離型層を除去する段階;を含むプリント基板の製造方法が提供される。
【0029】
前記(A)段階で、前記パターン用トレンチは厚方向の絶縁部材の一部に形成されることができる。
【0030】
前記(A)段階で、前記離型層及び前記絶縁部材は前記キャリアの一面または両面に塗布されることができる。
【0031】
前記離型層は、樹脂材質で形成されることができる。
【0032】
前記(B)段階は、(B1)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内壁とともに前記絶縁部材の表面に無電解メッキ層を形成する段階;(B2)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内部に電解メッキ層を形成する段階;及び(B3)前記絶縁部材の上部に形成された前記無電解メッキ層及び前記電解メッキ層を除去する段階;を含むことができる。
【0033】
前記(D)段階は、(D1)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成する段階;(D2)前記ソルダレジスト層に前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部を加工する段階;(D3)前記キャリアを除去する段階;(D4)前記バンプパッドの露出面に表面処理層を形成する段階;及び(D5)前記離型層を除去する段階;を含むことができる。
【0034】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0035】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ビルドアップ工法を適用するに際し、最外層の回路層は製造工程の単純なインプリンティング工法によって含浸構造を持つように形成することで、回路層の分離を最小化するとともにリードタイムを減らして製造コストを節減することができることになる。一方、ビルドアップ工法とインプリンティング工法を一緒に適用することでインプリンティング工法の全面的適用による層間不整合問題を防止することができる。
【0037】
また、本発明によれば、電気伝達特性に優れた柱状のバンプパッドを含むので、プリント基板に実装される電子部品との電気的な接続が良好になり、バンプパッドが一定の直径を持つので、微細ピッチの具現が可能になる。
【0038】
更に、本発明によれば、離型層にトレンチを加工し、その内部にメッキ層を形成した後、離型層を除去する簡単な方法によって、絶縁部材の外部に突出する柱状のバンプパッドを具現することができる。この際、離型層の厚さ調節によって所望高さのバンプパッドを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(1)を示す工程断面図である。
【図2】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(2)を示す工程断面図である。
【図3】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(3)を示す工程断面図である。
【図4】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(4)を示す工程断面図である。
【図5】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(5)を示す工程断面図である。
【図6】従来の一例によるセミアディティブ法によって回路パターンを形成する方法の工程(6)を示す工程断面図である。
【図7】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(1)を示す工程断面図である。
【図8】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(2)を示す工程断面図である。
【図9】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(3)を示す工程断面図である。
【図10】従来の他の例によるLPP工法によって回路パターンを形成する方法の工程(4)を示す工程断面図である。
【図11】本発明の好適な実施例によるプリント基板の断面図である。
【図12】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(1)を示す工程断面図である。
【図13】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(2)を示す工程断面図である。
【図14】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(3)を示す工程断面図である。
【図15】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(4)を示す工程断面図である。
【図16】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(5)を示す工程断面図である。
【図17】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(6)を示す工程断面図である。
【図18】図11に示すプリント基板の製造方法の工程(7)を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の目的、利点及び特徴は添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例からもっと明らかになろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際して、同じ構成要素には、たとえ異なる図面に表示されていても、できるだけ同一符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0041】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0042】
(プリント基板の構造)
図11は、本発明の好適な実施例によるプリント基板の断面図である。以下、同図を参照して本実施例によるプリント基板100について説明する。
【0043】
図11に示すように、本実施例によるプリント基板100は、絶縁部材130の一面に含浸された回路パターン150、前記回路パターン150と連結されて絶縁部材130の外部に突出するように前記絶縁部材130に形成されたバンプパッド152、ビルドアップ層160、及びソルダレジスト層170を含んでなるものである。
【0044】
ここで、回路パターン150は、絶縁部材130の一面に含浸された構造、つまり絶縁部材130の一面と同一の表面高さを持つように埋め込まれた構造を持つ。この際、回路パターン150は、絶縁部材130の一面から厚さ方向の一部分にだけ形成されたパターン用トレンチ122の内部にメッキ工程によって形成される。
【0045】
バンプパッド152は、回路パターン150と連結されて前記絶縁部材130の外部に突出するように前記絶縁部材130に形成される。ここで、バンプパッド152は、下側が前記絶縁部材130の内部に含浸された状態にあり、上側が前記絶縁部材130から突出するように形成された状態を持つ。すなわち、バンプパッド152は、同一高さのポスト構造を持つことになる。この際、バンプパッド152は、メッキ層で形成される。一方、絶縁部材130の外部に突出したバンプパッド152の表面には、酸化/腐食防止と外部接続端子との接着力向上のために、表面処理層154が形成されることが好ましい。
【0046】
ビルドアップ層160は、回路パターン150が含浸された絶縁部材130の一面にビルドアップ絶縁層162が積層され、前記ビルドアップ絶縁層162に層間連結のためのビアを含む回路層164が形成された構造を持つ。ここで、回路層164はビルドアップ層160の表面から突出する構造を持つことになる。
【0047】
ソルダレジスト層170は、最外層ビルドアップ絶縁層162に形成された回路層164を外部から保護するためのもので、ビルドアップ絶縁層162の上部に積層される。この際、ソルダレジスト層170には、最外層の回路層164中のパッド部を露出させるオープン部172が形成される。
【0048】
(プリント基板の製造方法)
図12〜図18は、図11に示すプリント基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。以下、これを参照して本実施例によるプリント基板の製造方法について説明する。
【0049】
まず、図12に示すように、製造過程中にプリント基板が歪むことを防止するための支持体機能をするキャリア110に離型層120及び絶縁部材130を順次積層する。
【0050】
ここで、離型層120は、その上部に積層される絶縁部材130からの分離が容易な材質で形成され、後続のインプリンティング工程によってトレンチ加工できるように樹脂材質で形成される。
【0051】
本実施例において、離型層120及び絶縁部材130は、形成しようとするバンプパッド152の高さを考慮して所定厚さに積層される。
【0052】
一方、離型層120及び絶縁部材130は、キャリア110の一面または両面に積層できる。以下では、一例として、キャリア110の両面に絶縁部材130が積層され、追加の工程が進むものを図示及び説明する。
【0053】
ついで、図13に示すように、絶縁部材130にパターン用トレンチ140を加工し、絶縁部材130と離型層120にこれらを貫通するバンプパッド用トレンチ142を加工する。
【0054】
この際、パターン用トレンチ140は、回路パターン150が形成されるサイズ及び厚さを考慮して、厚さ方向に絶縁部材130の一部分を除去することで形成され、バンプパッド用トレンチ142は絶縁部材130と離型層120を貫通するように形成される。
【0055】
ここで、パターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142は、加工時間及び加工費用を節減するために、インプリンティング工法によって形成される。すなわち、トレンチ状に対応する形状を持つインプリントモールド(imprint mold)で絶縁部材130、または絶縁部材130と離型層120をインプリントすることで形成される。
【0056】
ついで、図14に示すように、パターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142の内部にメッキ工程を施して回路パターン150及びバンプパッド152を形成する。この際、回路パターン150及びバンプパッド152は、パターン用トレンチ及びバンプパッド用トレンチ142の内壁とともに絶縁部材130の表面に無電解メッキ層を形成した後、前記無電解メッキ層のうちパターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142の内部に電解メッキ層を形成することで形成される。ここで、パターン用トレンチ140及びバンプパッド用トレンチ142の内部にメッキ層を形成する過程で、絶縁部材130の上部に形成される無電解メッキ層及び電解メッキ層は、回路パターン150が絶縁部材130の一面と同一の表面高さを持つように(含浸構造)、機械的及び/または化学的研磨工程によって除去されることが好ましい。
【0057】
ついで、図15に示すように、回路パターン150が形成された絶縁部材130にビルドアップ絶縁層162を積層し、層間連結のためのビアを含む回路層164を形成する。すなわち、ビルドアップ工程によってビルドアップ層160を形成する。この際、回路層164は、例えばビルドアップ絶縁層162にビアホールを加工し、前記ビアホールの内部とともに前記ビルドアップ絶縁層162の上部にメッキ層を形成した後、前記メッキ層をパターニングすることで形成される。この際、絶縁部材130の直上に積層されるビルドアップ絶縁層162に形成される回路層164はビアを介して回路パターン150と連結される。
【0058】
ついで、図16に示すように、ビルドアップ絶縁層162にソルダレジスト層170を形成し、前記ビルドアップ絶縁層の最外層の回路層164中のパッド部を露出させるオープン部172を加工した後、キャリア110を除去する。ここで、ソルダレジスト層170はビルドアップ絶縁層162の最外層に形成された回路層164を保護するために最外層ビルドアップ絶縁層162に形成され、外部との連結端子の役目をするパッド部は、例えばレーザーダイレクトアブレーション(laser direct ablation;LDA)工程によってソルダレジスト層170に形成されたオープン部172を通じて外部に露出される。
【0059】
ついで、図17に示すように、バンプパッド152の露出面に表面処理層154を形成する。この際、表面処理層154は露出されたバンプパッド152の腐食/酸化を防止し、外部接続端子との接着力を増大させるためのもので、必要によって選択的に形成可能である。例えば、表面処理層154はニッケル(Ni)メッキ層またはニッケル合金メッキ層で形成されるか、または前記ニッケルメッキ層または前記ニッケル合金メッキ層上にパラジウム(Pd)メッキ層または金(Au)メッキ層が形成されるか、あるいは前記パラジウムメッキ層及び前記金メッキ層が順次形成された構造を持ち、薄く形成される。
【0060】
最後に、図18に示すように、離型層120を除去する。この際、離型層120を除去すれば、バンプパッド152の少なくとも一部が絶縁部材130の外部に突出することになる。
【0061】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明によるプリント基板及びその製造方法はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、半導体チップの高密度化に対応することが可能な高密度及び高信頼性のプリント基板に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
110 キャリア
120 離型層
130 絶縁部材
140 パターン用トレンチ
142 バンプパッド用トレンチ
150 回路パターン
152 バンプパッド
154 表面処理層
162 ビルドアップ絶縁層
164 回路層
170 ソルダレジスト層
172 オープン部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁部材の一面に含浸された回路パターン;
前記回路パターンと連結されるように前記絶縁部材に形成され、前記絶縁部材の外部に突出するように形成されたバンプパッド;
前記絶縁部材の一面に積層されたビルドアップ絶縁層に前記回路パターンと連結されるビアを含む回路層が形成されたビルドアップ層;及び
前記ビルドアップ層に積層されたソルダレジスト層;
を含むことを特徴とするプリント基板。
【請求項2】
前記絶縁部材が、厚さ方向の一部に形成されたパターン用トレンチを含み、前記回路パターンは前記パターン用トレンチの内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項3】
前記バンプパッドが、下側が前記絶縁部材の内部に含浸された状態で、上側が前記絶縁部材から突出するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項4】
前記バンプパッドが、メッキ層であることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項5】
前記絶縁部材の外部に突出した前記バンプパッドの表面には、表面処理層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項6】
前記ソルダレジスト層には、前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項7】
(A)キャリアに離型層及び絶縁部材を順次積層し、インプリンティング工法によって前記絶縁部材にパターン用トレンチを加工し、前記絶縁部材と前記離型層を貫通するバンプパッド用トレンチを加工する段階;
(B)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチにメッキ工程を施して回路パターン及びバンプパッドを形成する段階;
(C)前記絶縁部材にビルドアップ絶縁層を積層し、層間連結のためのビアを含む回路層を形成する段階;及び
(D)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成し、前記キャリアと前記離型層を除去する段階;
を含むことを特徴とするプリント基板の製造方法。
【請求項8】
前記(A)段階で、前記パターン用トレンチが、厚方向の絶縁部材の一部に形成されることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項9】
前記(A)段階で、前記離型層及び前記絶縁部材が、前記キャリアの一面または両面に塗布されることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項10】
前記離型層が、樹脂材質で形成されることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記(B)段階が、
(B1)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内壁とともに前記絶縁部材の表面に無電解メッキ層を形成する段階;
(B2)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内部に電解メッキ層を形成する段階;及び
(B3)前記絶縁部材の上部に形成された前記無電解メッキ層及び前記電解メッキ層を除去する段階;
を含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項12】
前記(D)段階が、
(D1)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成する段階;
(D2)前記ソルダレジスト層に前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部を加工する段階;
(D3)前記キャリアを除去する段階;
(D4)前記バンプパッドの露出面に表面処理層を形成する段階;及び
(D5)前記離型層を除去する段階;
を含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項1】
絶縁部材の一面に含浸された回路パターン;
前記回路パターンと連結されるように前記絶縁部材に形成され、前記絶縁部材の外部に突出するように形成されたバンプパッド;
前記絶縁部材の一面に積層されたビルドアップ絶縁層に前記回路パターンと連結されるビアを含む回路層が形成されたビルドアップ層;及び
前記ビルドアップ層に積層されたソルダレジスト層;
を含むことを特徴とするプリント基板。
【請求項2】
前記絶縁部材が、厚さ方向の一部に形成されたパターン用トレンチを含み、前記回路パターンは前記パターン用トレンチの内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項3】
前記バンプパッドが、下側が前記絶縁部材の内部に含浸された状態で、上側が前記絶縁部材から突出するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項4】
前記バンプパッドが、メッキ層であることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項5】
前記絶縁部材の外部に突出した前記バンプパッドの表面には、表面処理層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項6】
前記ソルダレジスト層には、前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項7】
(A)キャリアに離型層及び絶縁部材を順次積層し、インプリンティング工法によって前記絶縁部材にパターン用トレンチを加工し、前記絶縁部材と前記離型層を貫通するバンプパッド用トレンチを加工する段階;
(B)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチにメッキ工程を施して回路パターン及びバンプパッドを形成する段階;
(C)前記絶縁部材にビルドアップ絶縁層を積層し、層間連結のためのビアを含む回路層を形成する段階;及び
(D)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成し、前記キャリアと前記離型層を除去する段階;
を含むことを特徴とするプリント基板の製造方法。
【請求項8】
前記(A)段階で、前記パターン用トレンチが、厚方向の絶縁部材の一部に形成されることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項9】
前記(A)段階で、前記離型層及び前記絶縁部材が、前記キャリアの一面または両面に塗布されることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項10】
前記離型層が、樹脂材質で形成されることを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記(B)段階が、
(B1)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内壁とともに前記絶縁部材の表面に無電解メッキ層を形成する段階;
(B2)前記パターン用トレンチ及び前記バンプパッド用トレンチの内部に電解メッキ層を形成する段階;及び
(B3)前記絶縁部材の上部に形成された前記無電解メッキ層及び前記電解メッキ層を除去する段階;
を含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項12】
前記(D)段階が、
(D1)前記ビルドアップ絶縁層にソルダレジスト層を形成する段階;
(D2)前記ソルダレジスト層に前記回路層中のパッド部を露出させるオープン部を加工する段階;
(D3)前記キャリアを除去する段階;
(D4)前記バンプパッドの露出面に表面処理層を形成する段階;及び
(D5)前記離型層を除去する段階;
を含むことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−35359(P2011−35359A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213190(P2009−213190)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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