説明

プリント基板

【課題】 本発明はプリント基板に係り、半導体素子のリード位置の変更があった場合に、パターン変更やリード加工することなく半導体素子を実装可能なプリント基板を提供することを目的とする。
【解決手段】 請求項1に係る発明は、半導体素子の複数のリード端子に合わせてスルーホールを形成したプリント基板に於て、前記スルーホールを長孔状に形成し、該スルーホールに、半導体素子のリード位置の変更に対応可能なスペーサを装着することを特徴とする。そして、請求項2に係る発明は、半導体素子の複数のリード端子に合わせてスルーホールを形成したプリント基板に於て、前記スルーホールをリード端子よりも大径な円形状に形成し、該スルーホールに、半導体素子のリード位置の変更に対応可能なスペーサを装着することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を取り付けるプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1または図22に示すように、従来、半導体素子1は、合成樹脂製の素子本体3の下側に3本の直線状のリード端子5が同一ピッチPで並設されている。そして、プリント基板7への半導体素子3の取付けは、リード端子5のピッチPに合わせてプリント基板7にスルーホール9を設け、該スルーホール9にリード端子5を差し込んでプリント基板7の裏側から各リード端子5を半田付けしていた。
【特許文献1】特開平8−46106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この種の半導体素子は、仕様に応じリード端子の位置が前後方向または左右方向に異なる。このため、半導体素子の部品変更によってリード位置が変更された場合、従来、プリント基板のスルーホールの位置を変更するため、パターン変更を行っている。
【0004】
しかし、プリント基板は金型による成形品で、プリント基板の作り直しには再設計費用,パターン変更費,ネガ代等、多大な費用と工数が発生しているのが実情であった。
【0005】
また、プリント基板のスルーホールに合わせて半導体素子のリード端子を治具で曲げ加工(以下、「リード加工」という)する方法も採られているが、リード加工することでリード端子にストレスが加わる虞があり、また、生産量が多い場合、加工による製造負担が大きくなってしまう等の不具合が指摘されていた。
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、半導体素子のリード位置の変更があった場合に、パターン変更やリード加工することなく半導体素子を実装可能なプリント基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、半導体素子の複数のリード端子に合わせてスルーホールを形成したプリント基板に於て、前記スルーホールを長孔状に形成し、該スルーホールに、半導体素子のリード位置の変更に対応可能なスペーサを装着することを特徴とする。
【0008】
そして、請求項2に係る発明は、半導体素子の複数のリード端子に合わせてスルーホールを形成したプリント基板に於て、前記スルーホールをリード端子よりも大径な円形状に形成し、該スルーホールに、半導体素子のリード位置の変更に対応可能なスペーサを装着することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のプリント基板に於て、前記スペーサは、スルーホールの長手方向に沿ってスライド可能なスライド金具で、該スライド金具は、スルーホールの対向する周縁部に係止する係止片と、両係止片間に形成され、前記スルーホール内に挿入される挿入部とからなり、該挿入部にリード端子の挿通孔が用いられていることを特徴とし、請求項4に係る発明は、請求項1に記載のプリント基板に於て、前記スペーサは、スルーホールの長手方向に沿ってスライド可能なスライド金具で、該スライド金具は、スルーホールの対向する周縁部に係止する環状の係止片と、前記スルーホール内に挿入される筒状部とでハトメ状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のプリント基板に於て、前記スペーサは、スルーホールに挿着され、該スルーホール上に金属線材を円錐状に巻回した巻回部が変形可能に突出するバネ状の取付金具であることを特徴とし、請求項6に係る発明は、請求項5に記載のプリント基板に於て、前記巻回部は、前記リード端子よりも強度が弱いことを特徴とする。
【0011】
そして、請求項7に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のプリント基板に於て、前記スペーサは、スルーホールに取り付き、編祖線でプレート状に形成された取付金具であることを特徴とし、請求項8に係る発明は、請求項7に記載のプリント基板に於て、前記スルーホールの周縁部近傍に、前記取付金具の一部を圧入させる圧入孔を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1,請求項3乃至請求項8に係る発明によれば、部品変更により生じる前後方向または左右方向へのリード位置の変更に対して、パターン変更やリード加工することなく対応が可能であると共に、ラフな精度でプリント基板の設計を行うことができる。
【0013】
また、請求項2,請求項5乃至請求項8に係る発明によれば、リード位置があらゆる方向へ変更されても、パターン変更やリード加工することなく対応が可能であると共に、ラフな精度でプリント基板の設計を行うことができる。
【0014】
そして、請求項6に係る発明によれば、スルーホールにリード端子を差し込む際に、巻回部全体が容易に変形してリード端子の差し込みに支障を来すことがないため、取付金具へのリード端子の挿入が容易である。
【0015】
また、請求項8に係る発明によれば、治具を用いて取付金具の一部を圧入孔内に圧下させて取付金具をプリント基板に固定させることができるため、半導体素子の取付けの際に取付金具ががたつくことがない利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1乃至図4は請求項1及び請求項3に係るプリント基板の第一実施形態を示し、図1に於て、11は図22の半導体素子1と同様、合成樹脂で形成された素子本体13の下側に3本の直線状のリード端子15が同一ピッチで並設された半導体素子で、図3に示すように半導体素子1は、プリント基板17に実装された放熱フィン19にネジ21で固定されて放熱対策が図られている。
【0018】
そして、従来のプリント基板と同様、本実施形態に係るプリント基板17も半導体素子11を取り付けるスルーホール23が設けられているが、スルーホール23は、同一ピッチで形成された前記リード端子15のピッチに合わせて並列する3個の長孔状に形成されており、各スルーホール23の周縁部にスルーホールラウンド25が取り付けられている。そして、各スルーホール23に、半導体素子11のリード位置の変更に対応可能なスペーサとしてのスライド金具27が、スルーホール23の長手方向に沿ってスライド可能に配置されている。
【0019】
図2はスライド金具27の詳細を示し、図示するようにスライド金具27は一枚のリン青銅やステンレス等の板材を折曲して形成したもので、スルーホール23(スルーホールラウンド25)の対向する周縁部に係止する断面L字状の係止片29と、両係止片29間に形成されてスルーホール23(スルーホールラウンド25)内に挿入される断面コ字状の挿入部31とで構成されている。そして、該挿入部31から両係止片29に亘って挿通孔33がスルーホール23の短径方向に設けられており、挿入部31に開口する挿通孔33に半導体素子11のリード端子15が挿通するようになっている。
【0020】
本実施形態はこのように構成されており、前記スライド金具27を用いたプリント基板17への半導体素子11の取付けは、図1乃至図3に示すように、先ず、各スルーホール23内にスライド金具27の挿入部31を挿入し、半導体素子11のリード位置に合わせて各スライド金具27をスルーホール23の長手方向(図1中、矢印方向)へスライドさせる。
【0021】
そして、リード位置に合わせてスライド金具27を位置決めした処で、リード端子15を夫々のスライド金具27の挿通孔33に差し込み、プリント基板17の裏側からリード端子15を夫々半田付けすれば、毛細管現象によりスライド金具27全体に半田が上がって、各リード端子15(半導体素子11)がスライド金具27を介してプリント基板17に取り付くこととなる。
【0022】
一方、部品変更があって、例えば前記半導体素子11のリード端子15とピッチ幅を同じくし乍ら、リード端子15の位置が前方(図4中、矢印方向)へずれた図4の半導体素子11-1を取り付ける場合も、プリント基板17を変更することなく、同様に各スルーホール23内にスライド金具27の挿入部31を挿入し、半導体素子11-1のリード位置に合わせて各スライド金具27を矢印方向へスライドさせて、スライド金具27を位置決めした処でリード端子15を各スライド金具27の挿通孔33に差し込み、プリント基板17の裏側からリード端子15を夫々半田付けすれば、スライド金具27全体に半田が上がって、各リード端子15(半導体素子11-1)がスライド金具27を介してプリント基板17に取り付くこととなる。
【0023】
また、プリント基板17に半導体素子11が取り付いた状態で半導体素子11-1への部品交換が発生した場合には、リード端子15を固定している半田を半田ゴテ等で溶かし、各スルーホール23から半導体素子11とスライド金具27を取り外した後、半導体素子11-1のリード位置に合わせて新たなスライド金具27をスライドさせた後、上述した手順で半導体素子11-1を取り付ければよい。
【0024】
このように本実施形態によれば、部品変更により生じる前後方向へのリード位置の変更に対して、パターン変更やリード加工することなく対応が可能であると共に、ラフな精度でプリント基板17の設計を行うことができる。
【0025】
図5は請求項1及び請求項3の第二実施形態を示し、本実施形態に係るプリント基板17-1は、リード位置が横方向へずれた部品変更に対応可能としたもので、半導体素子11の中央のリード端子15に対応してプリント基板17-1に従来例と同様の円形状のスルーホール23-1を設けると共に、該スルーホール23-1を挟む左右のスルーホール23-2を横方向へ長孔状に形成して、該スルーホール23-2に前記スライド金具27を装着したものである。
【0026】
而して、本実施形態によれば、部品変更により生じる横方向へのリード位置の変更に対して、パターン変更やリード加工することなく対応が可能となる。
【0027】
また、スペーサとしてのスライド金具は前記スライド金具27の形状に限定されず、例えば図6の如く挿入部31-1を断面V字状に形成したスライド金具27-2を用いてもよい。
【0028】
図7乃至図10は請求項1及び請求項4に係るプリント基板の第一実施形態を示し、本実施形態は、前記スライド金具27に代え、半導体素子11のリード位置の変更に対応可能なスペーサとしてリン青銅やステンレス等で形成されたハトメ形状のスライド金具35を用いたもので、図8に示すようにスライド金具35は、スルーホール23(スルーホールラウンド25)の対向する周縁部に係止する環状の係止片37と、該係止片37に連設された筒状の筒状部39とでハトメ状に形成されており、スルーホール23(スルーホールラウンド25)内に筒状部39がスライド可能に挿入され、そして、該筒状部39にリード端子15が上方から挿通するようになっている。
【0029】
尚、その他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0030】
本実施形態はこのように構成されており、前記スライド金具35を用いたプリント基板17への半導体素子11の取付けは、図7及び図9に示すように、先ず、各スルーホール23内にスライド金具35の筒状部39を挿入し、半導体素子11のリード位置に合わせて各スライド金具35をスルーホール23の長手方向(図7中、矢印方向)へスライドさせればよい。
【0031】
そして、リード位置に合わせてスライド金具35を位置決めした処で、リード端子15を夫々のスライド金具35の筒状部39に挿通させて、プリント基板17の裏側からリード端子15を夫々半田付けすれば、毛細管現象によりスライド金具35全体に半田が上がって、各リード端子15(半導体素子11)がスライド金具35を介してプリント基板17に半田付けされることとなる。
【0032】
一方、部品変更があって、例えば前記半導体素子11のリード端子15とピッチ幅を同じくし乍ら、リード端子15の位置が前方(図10中、矢印方向)へずれた図10の半導体素子11-1を取り付ける場合も、プリント基板17を変更することなく、同様に各スルーホール23内にスライド金具35の筒状部39を挿入し、半導体素子11-1のリード位置に合わせて各スライド金具35を矢印方向へスライドさせて、スライド金具35を位置決めした処でリード端子15を上方から筒状部39に差し込み、プリント基板17の裏側からリード端子15を夫々半田付けすれば、スライド金具35全体に半田が上がって、各リード端子15(半導体素子11-1)がスライド金具35を介してプリント基板17に取り付くこととなる。
【0033】
また、プリント基板17に半導体素子11が取り付いた状態で半導体素子11-1への部品交換が発生した場合には、リード端子15を固定している半田を半田ゴテ等で溶かし、各スルーホール23から半導体素子11とスライド金具35を取り外した後、半導体素子11-1のリード位置に合わせて新たなスライド金具35をスライドさせた後、上述した手順で半導体素子11-1を取り付ければよい。
【0034】
このように本実施形態によっても、部品変更により生じる前後方向へのリード位置の変更に対して、パターン変更やリード加工することなく対応が可能であると共に、ラフな精度でプリント基板17の設計を行うことができる。
【0035】
図11は請求項1及び請求項4の第二実施形態を示し、図5の実施形態と同様、本実施形態に係るプリント基板17-1は、リード位置が横方向へずれた部品変更に対応可能としたもので、半導体素子11の中央のリード端子15に対応してプリント基板17-1に従来例と同様の円形状のスルーホール23-1を設けると共に、該スルーホール23-1を挟む左右のスルーホール23-2を横方向へ長孔状に形成して、該スルーホール23-2に前記スライド金具35を装着したものである。
【0036】
而して、本実施形態によれば、図5の実施形態と同様、部品変更により生じる横方向へのリード位置の変更に対して、パターン変更やリード加工することなく対応が可能となる。
【0037】
図12乃至図15は請求項2,請求項5及び請求項6に係るプリント基板の一実施形態を示し、図12に於て、41は半導体素子11のリード端子15に対応してプリント基板43に設けた3個のスルーホールで、図12乃至図14に示すように各スルーホール41は、リード端子15よりも大径な円形状に形成されて、リード位置の変更でリード端子15がどの位置へきても、スルーホール41にリード端子15が挿入できるようになっている。そして、各スルーホール41の周縁部にスルーホールラウンド45が取り付き、各スルーホール41に、リード位置の変更に対応可能なスペーサとしての取付金具47が装着されている。
【0038】
図14は取付金具47の詳細を示し、図示するように取付金具47は、バネ性を有する一本のリン青銅からなる金属線材49を巻回して形成したもので、該取付金具47は、スルーホール41上に金属線材49を円錐状に巻回した円錐コイルバネからなる巻回部51が突出し、そして、スルーホール41には、該スルーホール41の内径に合わせて金属線材49を逆方向へ円錐状に巻回した円錐コイルバネからなる取付金具47の取付部53が挿着されている。そして、金属線材49はリード端子15よりも強度が弱く、スルーホール41にリード端子15を差し込む際にリード端子15が金属線材49に当接すると、取付金具47全体が容易に変形して金属線材49がリード端子15の差し込みに支障を来すことがないようになっている。
【0039】
そして、巻回部51(取付金具47)はバネ性を有しているため、図15に示すようにリード位置がどの位置に変更されても、あらゆる方向へ変形して360°対応できるようになっている。
【0040】
本実施形態はこのように構成されており、前記取付金具47を用いた半導体素子11のプリント基板43への取付けは、図13及び図14に示すように各スルーホール41内に取付金具47の取付部53を挿着した後、巻回部49と取付部53の中央にリード端子15を挿通させて、プリント基板43の裏側からリード端子15を夫々半田付けすれば、毛細管現象により取付部53全体に半田が上がって、各リード端子15(半導体素子11)が取付金具47を介してプリント基板43に取り付くこととなる。
【0041】
そして、金属線材49はリード端子15よりも強度が弱く、スルーホール41にリード端子15を差し込む際にリード端子15が金属線材49に当接すると、巻回部51全体が容易に変形して金属線材49がリード端子15の差し込みに支障を来すことがない。
【0042】
一方、部品変更があってリード位置がどの位置に変更されても、既述したように各スルーホール41はリード端子15よりも大径な円形状に形成されて、リード位置の変更でリード端子15がどの位置へきてもスルーホール41にリード端子15が挿入でき、而も、巻回部51(取付金具47)は図15の如くあらゆる方向へ変形して360°対応可能である。
【0043】
従って、本実施形態によれば、リード位置があらゆる方向へ変更されても、パターン変更やリード加工することなく対応が可能であると共に、ラフな精度でプリント基板43の設計を行うことができる。
【0044】
また、既述したように金属線材49はリード端子15よりも強度が弱く、スルーホール41にリード端子15を差し込む際にリード端子15が金属線材49に当接すると、巻回部51全体が容易に変形して金属線材49がリード端子15の差し込みに支障を来すことがないことも相俟って、巻回部51へのリード端子15の挿入が容易である。
【0045】
尚、前記実施形態は、スルーホール41をリード端子15よりも大径な円形状に形成して該スルーホール41に取付金具47を挿着したが、図16に示す請求項1,請求項5及び請求項6の一実施形態のように、プリント基板43-1のスルーホール55をリード端子15のピッチに合わせて並列する3個の長孔状に形成して、各スルーホール55に前記取付金具47を挿着してもよいし、また、図示しないが図5の如くスルーホールを横方向へ長孔状に形成して、該スルーホールに前記取付金具47を挿着してもよい。
【0046】
而して、これらの実施形態によれば、前後方向または左右方向へのリード位置の変更に対して、パターン変更やリード加工することなく対応が可能となる。
【0047】
図17乃至図20は請求項2,請求項7及び請求項8に係るプリント基板の一実施形態を示し、本実施形態も、半導体素子11の各リード端子15に対応してプリント基板57に、各リード端子15よりも大径な前記スルーホール41を設けて、各スルーホール41に、リード位置の変更に対応可能なスペーサとしての取付金具59を装着したものである。
【0048】
図18は取付金具59の詳細を示し、該取付金具59は金属線材を編んで成形した編祖線61でプレート状に形成されており、スルーホール41よりも大径な平面視円形形状に形成されている。そして、その底部に、スルーホール41内に挿入可能な位置決め部63が一体的に突設されている。
【0049】
一方、図19に示すようにプリント基板57には、スルーホール41の周縁部近傍に、該スルーホール41よりも小径な圧入孔65が180°の間隔を空けて2箇所に設けられており、図19及び図20の如くスルーホール41内に前記位置決め部63を挿入してスルーホール41上に取付金具59を配置した後、治具67を用いて上方から取付金具59の一部を該圧入孔65内に圧下させることで、取付金具59がプリント基板57に固定されるようになっている。尚、本実施形態はスルーホールラウンドに代え、編祖線61に予めフラックスを浸透させてある。
【0050】
本実施形態はこのように構成されており、前記取付金具59を用いたプリント基板57への半導体素子11の取付けは、図19に示すように、先ず、スルーホール41内に取付金具59の位置決め部63を挿入してスルーホール41上に取付金具59を配置し、次いで、治具67で上方から取付金具59の一部を圧入孔65内に圧下させて、取付金具59をプリント基板57に固定する。
【0051】
そして、取付金具59にリード端子15を差し込めば、取付金具59は編祖線61で形成されているから、リード端子15はスムーズに取付金具59を挿通する。この後、プリント基板57の裏側からリード端子15を夫々半田付けすれば、毛細管現象により取付部59全体に半田が上がって、各リード端子15(半導体素子11)が取付金具59を介してプリント基板57に半田付けされることとなる。
【0052】
一方、部品変更があってリード位置がどの位置に変更されても、既述したように各スルーホール41はリード端子15よりも大径な円形状に形成されて、リード位置の変更でリード端子15がどの位置へきてもスルーホール41にリード端子15が挿入でき、而も、
取付金具59は編祖線61で形成されてリード端子11が容易に挿通可能であるため、どの位置でもリード端子15を取付金具59とスルーホール41に挿入させることができる。
【0053】
従って、本実施形態によっても、リード位置がどの位置に変更されても、パターン変更やリード加工することなく対応が可能である。
【0054】
また、本実施形態は、図19及び図20に示すように治具67を用いて取付金具59の一部を該圧入孔65内に圧下させて取付金具59をプリント基板57に固定させるため、半導体素子11の取付けの際に取付金具59ががたつくことがない利点を有する。
【0055】
尚、前記実施形態は、スルーホール41をリード端子15よりも大径な円形状に形成して該スルーホール41に前記取付金具59を固定したが、図21に示す請求項1,請求項7及び請求項8の一実施形態のように、プリント基板57-1のスルーホール69をリード端子15のピッチに合わせて並列する3個の長孔状に形成して、各スルーホール69に前記取付金具59と同様、編祖線61で形成した平面視長孔形状の取付金具71を取り付けてもよいし、また、図示しないが図5の如くスルーホールを横方向へ長孔状に形成して、該スルーホールに前記取付金具73を取り付けてもよい。
【0056】
而して、これらの実施形態によっても、前後方向または左右方向へのリード位置の変更に対して、パターン変更やリード加工することなく対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】請求項1及び請求項3の第一実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図2】スライド金具の斜視図である。
【図3】半導体素子の取付構造の断面図である。
【図4】リード位置の変更があった場合の半導体素子の取付構造の断面図である。
【図5】請求項1及び請求項3の第二実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図6】スライド金具の変形例の斜視図である。
【図7】請求項1及び請求項4の第一実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図8】スライド金具の斜視図である。
【図9】半導体素子の取付構造の断面図である。
【図10】リード位置の変更があった場合の半導体素子の取付構造の断面図である。
【図11】請求項1及び請求項4の第二実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図12】請求項2,請求項5及び請求項6の一実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図13】取付金具の斜視図である。
【図14】取付金具の斜視図である。
【図15】取付金具の変形状態の説明図である。
【図16】請求項1,請求項5及び請求項6の一実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図17】請求項2,請求項7及び請求項8の一実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図18】取付金具の側面図である。
【図19】取付金具の取付方法の説明図である。
【図20】半導体素子の取付構造の断面図である。
【図21】請求項1,請求項7及び請求項8の一実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【図22】従来の半導体素子の取付方法の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
11,11-1 半導体素子
15 リード端子
17,17-1,43,43-1,57,57-1 プリント基板
19 放熱フィン
23,23-1,23-2,41,55,69 スルーホール
27,27-2,35 スライド金具
29 係止片
31,31-1 挿入部
33 挿通孔
37 環状の係止片
39 筒状部
47,59,71 取付金具
49 巻回部
51 金属線材
53 取付部
61 編祖線
63 位置決め部
65 圧入孔
67 治具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子の複数のリード端子に合わせてスルーホールを形成したプリント基板に於て、
前記スルーホールを長孔状に形成し、該スルーホールに、半導体素子のリード位置の変更に対応可能なスペーサを装着することを特徴とするプリント基板。
【請求項2】
半導体素子の複数のリード端子に合わせてスルーホールを形成したプリント基板に於て、
前記スルーホールをリード端子よりも大径な円形状に形成し、該スルーホールに、半導体素子のリード位置の変更に対応可能なスペーサを装着することを特徴とするプリント基板。
【請求項3】
前記スペーサは、スルーホールの長手方向に沿ってスライド可能なスライド金具で、該スライド金具は、スルーホールの対向する周縁部に係止する係止片と、両係止片間に形成され、前記スルーホール内に挿入される挿入部とからなり、該挿入部にリード端子の挿通孔が用いられていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項4】
前記スペーサは、スルーホールの長手方向に沿ってスライド可能なスライド金具で、該スライド金具は、スルーホールの対向する周縁部に係止する環状の係止片と、前記スルーホール内に挿入される筒状部とでハトメ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項5】
前記スペーサは、スルーホールに挿着され、該スルーホール上に金属線材を円錐状に巻回した巻回部が変形可能に突出するバネ状の取付金具であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリント基板。
【請求項6】
前記巻回部は、前記リード端子よりも強度が弱いことを特徴とする請求項5に記載のプリント基板。
【請求項7】
前記スペーサは、スルーホールに取り付き、編祖線でプレート状に形成された取付金具であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリント基板。
【請求項8】
前記スルーホールの周縁部近傍に、前記取付金具の一部を圧入させる圧入孔を設けたことを特徴とする請求項7に記載のプリント基板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−302289(P2009−302289A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155131(P2008−155131)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】