説明

プリント用絵柄データ作成装置及びプログラム

【課題】布帛等のシート材の所定のプリント領域の形状に合わせて絵柄を変形させる際に、絵柄全体のイメージを崩すことなく絵柄を変形することができるプリント用絵柄データ作成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明のプリント用絵柄データ作成装置は、PC10を中心に、プリント用データに基づいて布帛にプリントを実行するインクジェットプリンタ20、布帛の表面画像の読み取りを行なう読取装置30が接続されて構成されている。PC10は、CPU11にオペレーティングシステム(OS)を記憶したROM12、各種のデータを一時的に記憶するRAM13、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス14が接続されて構成されいる。I/Oインタフェイス14には、画像等を表示する表示手段であるディスプレイ15と、入力手段であるキーボード16及びマウス17、ハードディスク装置18、前記インクジェットプリンタ20、読取装置30が接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛や紙、樹脂製シート等のシート材の所定のプリント領域に絵柄をプリントするためのプリント用絵柄データを作成するプリント用絵柄データ作成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、織りの技術を用いて布帛上に様々な絵柄や模様を表現することが行われている。織技術による絵柄の表現手法では、糸の色や織物組織を利用して布帛を作る段階で絵柄が布帛上に表現される。織物組織の種類によっては絵柄に立体感が生まれるため、布帛全体の織上がりの風合も含めた表現が可能である。しかしながら、織技術による絵柄の手法では、絵柄の精細さは織物の糸密度に依存し、表現可能な色は絵柄部分に使用される糸の数に依存する。
【0003】
一方、プリント等の染めの技術による絵柄の表現手法では、糸の数や織物組織の糸密度に関係なく多様な色で且つ精細な絵柄を表現することができる。そこで、織りの技術と染めの技術の双方の特徴を活かして布帛上に絵柄を表現することが提案されている。
【0004】
ところが、織技術により絵柄等が表現された布帛上に、染めの技術を用いて絵柄を表現する場合、染色領域の正確な位置合わせが必要となる。さらに、織技術によって布帛上に形成された絵柄等は、織縮みによって形状が変化する場合がある。織縮みは、特性の異なる糸(例えば炭素繊維と絹など)を用いた場合に特に顕著に表れる。また、同じ素材や織機を用いてつくられた織物であっても、糸の状態や織り環境(気温、湿度等)などの影響から、織物毎に絵柄の形状に多少の違いが発生してしまうことがある。
【0005】
このような問題は、染色された布帛上の所定の染色領域に、さらに絵柄を染色する場合にも生じる。つまり、先に行われた染色加工の際に布帛が伸び縮みした場合にも、染色領域の形状に多少の違いが発生する。そのため、織技術により柄が表現された布帛や先に染色された布帛上にさらに染め技術で絵柄を表現する場合、当該布帛上に既に形成されている柄の形状、大きさ等に限定される。
【0006】
このような布帛の伸び縮みに起因する問題を解決するため、例えば特許文献1には、布帛の伸縮率に合わせて布帛にプリントする絵柄のサイズを変更する方法が提案されている。特許文献1に記載の方法では、プリント時の布帛密度と最終製品の布帛密度から布帛伸縮率を求め、この布帛伸縮率に基づきプリント時の絵柄サイズを計算してプリント時の絵柄サイズに一致するように絵柄データが拡大・縮小される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-290882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
布帛上に表現したい絵柄が比較的単純な模様や形状のみの場合は、布帛の伸縮率に応じて絵柄全体を一律に変形させても問題はない。しかし、動物や植物といった複雑な絵柄の場合、或いは複雑な絵柄と単純な絵柄の組み合わせから成る絵柄の場合、絵柄全体を一律に変形させると絵柄のイメージが崩れるおそれがある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、布帛や紙、樹脂製シート等のシート材の所定のプリント領域の形状に合わせて絵柄を変形させる際に、絵柄全体のイメージを崩すことなく絵柄を変形することができるプリント用絵柄データ作成装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明は、
シート材に絵柄のプリントを行うためのプリント用絵柄データを作成するプリント用絵柄データ作成装置において、
a)絵柄データを記憶する絵柄データ記憶手段と、
b)シート材の画像データを記憶するシート材画像データ記憶手段と、
c)前記絵柄データに基づき絵柄を表示する絵柄表示手段と、
d)前記シート材画像データに基づきシート材画像を表示するシート材画像表示手段と、
e)前記シート材画像表示手段に表示されたシート材画像から所定の基準でプリント領域を抽出するプリント領域抽出手段と、
f)前記絵柄表示手段に表示された絵柄を複数の領域に分割する領域分割手段と、
g)各分割領域の変形度合いを表すパラメータを設定させる変形度合い設定手段と、
h)前記絵柄の外形線を抽出する絵柄外形線抽出手段と、
i)前記絵柄外形線が抽出された前記プリント領域の外形に一致するように前記絵柄外形線を変形した変形絵柄外形線を作成する変形絵柄外形線作成手段と、
j)前記変形絵柄外形線と各分割領域の変形度合いに基づいて、絵柄データを修正した変形絵柄データを作成する変形絵柄データ作成手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記発明においては、さらに、分割領域に基本メッシュパターンを設定する基本メッシュパターン設定手段と、
変形絵柄外形線と前記変形度合いに基づいて、各分割領域の基本メッシュパターンを変形した変形メッシュパターンを作成するメッシュパターン変形手段とを備え、
前記変形絵柄データ作成手段が、前記変形メッシュパターンに基づいて変形絵柄データを作成することが好ましい。
【0012】
この場合、さらに、前記基本メッシュパターン設定手段が、有限要素法の要素と節点を示す基本メッシュパターンを分割領域に設定し、
前記変形度合い設定手段が、各分割領域の要素の変形しにくさを表すパラメータを設定させ、
前記変形絵柄データ作成手段が、前記パラメータを用い有限要素法で剛性方程式を求め、前記剛性方程式により基本メッシュパターンの各節点の変位を求めて変形メッシュパターンを作成することが好ましい。
【0013】
また、上記課題を解決するために成された本発明は、
シート材に絵柄のプリントを行うためのプリント用絵柄データを作成するプリント用絵柄データ作成プログラムにおいて、コンピュータを、
a)絵柄データを記憶する絵柄データ記憶手段と、
b)シート材の画像データを記憶するシート材画像データ記憶手段と、
c)前記絵柄データに基づき絵柄を表示する絵柄表示手段と、
d)前記シート材画像データに基づきシート材画像を表示するシート材画像表示手段と、
e)前記シート材画像表示手段に表示されたシート材画像から所定の基準でプリント領域を抽出するプリント領域抽出手段と、
f)前記絵柄表示手段に表示された絵柄を複数の領域に分割する領域分割手段と、
g)各分割領域の変形度合いを表すパラメータを設定させる変形度合い設定手段と、
h)前記絵柄の外形線を抽出する絵柄外形線抽出手段と、
i)前記絵柄外形線が抽出された前記プリント領域の外形に一致するように前記絵柄外形線を変形した変形絵柄外形線を作成する変形絵柄外形線作成手段と、
j)前記変形絵柄外形線と各分割領域の変形度合いに基づいて、絵柄データを修正した変形絵柄データを作成する変形絵柄データ作成手段と
として機能させることを特徴とする。
【0014】
上記発明においては、さらに、コンピュータを、分割領域に基本メッシュパターンを設定する基本メッシュパターン設定手段と、変形絵柄外形線と前記変形度合いに基づいて、各分割領域の基本メッシュパターンを変形した変形メッシュパターンを作成するメッシュパターン変形手段として機能させ、前記変形絵柄データ作成手段が、前記変形メッシュパターンに基づいて変形絵柄データを作成することを特徴とする。
【0015】
この場合、さらに、前記基本メッシュパターン設定手段が、有限要素法の要素と節点を示す基本メッシュパターンを分割領域に設定し、
前記変形度合い設定手段が、各分割領域の要素の変形しにくさを表すパラメータを設定させ、
前記変形絵柄データ作成手段が、前記パラメータを用い有限要素法で剛性方程式を求め、前記剛性方程式により基本メッシュパターンの各節点の変位を求めて変形メッシュパターンを作成することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、シート材にプリントする絵柄を複数の領域に分割し、分割領域毎に適宜の変形度合いを設定し、この変形度合いに基づき絵柄データを変形するようにしたものである。これにより、布帛のプリント領域に合わせて絵柄全体を一律に変形するのではなく、絵柄の一部だけを変形したり、絵柄を構成する複数の部分毎に異なる収縮率や拡大率で変形したりすることができる。従って、例えば絵柄の印象に影響を及ぼす部分とそうではない部分に絵柄を分割し、絵柄の印象に影響を及ぼす部分が、そうではない部分よりも変形しないように変形度合いを表すパラメータを設定すれば、布帛の特定のプリント領域の形状に合わせて絵柄を変形しても、変形後の絵柄の印象が元の絵柄と大きく異なることがない。
【0017】
ここで、シート材には、衣服やかばん等に用いる布帛や紙、樹脂製シート等が含まれる。また、本発明で「プリント」とは、染色や印刷を含む広い概念を表す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例に係るプリント用絵柄データ作成装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】RAMの構造を示す模式図。
【図3】編集画面の一例を示す図。
【図4】布帛画像表示ウィンドウ及び絵柄表示ウィンドウに布帛画像及び絵柄イメージ画像がそれぞれ表示された編集画面の一例を示す図。
【図5】絵柄表示ウィンドウに表示された絵柄イメージ画像の拡大図。
【図6】絵柄表示ウィンドウに表示された絵柄イメージ画像の絵柄領域を確定した後の編集画面の一例を示す図。
【図7】メッシュ作成画面の一例を示す図。
【図8】内部領域の抽出処理が行われた後のメッシュ作成画面の一例を示す一部拡大図。
【図9】内部領域を確定した後のメッシュ作成画面の一例を示す一部拡大図。
【図10】内部領域の輪郭線を分割した後のメッシュ作成画面の一例を示す図。
【図11】内部領域の分割処理画行われた後のメッシュ作成画面の一例を示す図。
【図12】背景領域の輪郭線を分割した後のメッシュ作成画面の一例を示す図。
【図13】背景領域の分割処理画行われた後のメッシュ作成画面の一例を示す図。
【図14】プリント領域の抽出処理を行う際の編集画面の一例を示す図。
【図15】プリント領域の抽出処理を説明するための図。
【図16】選択柄の輪郭メッシュを布帛画像表示ウィンドウに表示させた状態を示す編集画面の一例を示す図。
【図17】選択柄の輪郭メッシュをプリント領域の外形に一致させる処理を説明するための図。
【図18】布帛画像表示ウィンドウに変形後の絵柄イメージ画像が表示された編集画面の一例を示す図。
【図19】弾性率を説明するための図。
【図20】弾性率が異なる場合の変形後の絵柄を示す図。
【図21】弾性率が異なる場合の変形後の絵柄の一部拡大図。
【図22】弾性率が異なる場合の背景領域と内部領域の各要素のひずみを示す表。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本実施例に係るプリント用絵柄データ作成装置の概略構成を示すブロック図である。プリント用絵柄データ作成装置は、周知のパーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する)10を中心に、プリント用データに基づいてシート材としての布帛にプリントを実行するインクジェットプリンタ20、布帛の表面画像の読み取りを行なう読取装置30が接続されて構成されている。
PC10は、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)11にオペレーティングシステム(OS)を記憶したROM12、各種のデータを一時的に記憶するRAM13、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス14が接続されて構成されいる。I/Oインタフェイス14には、画像等を表示する表示手段であるディスプレイ15と、入力手段であるキーボード16及びマウス17、ハードディスク装置18、前記インクジェットプリンタ20、前記読取装置30が接続されている。本実施例では、RAM13が絵柄データ記憶手段、シート材画像データ記憶手段として機能する。
【0021】
ハードディスク装置18には、CPU11で実行される制御プログラムやカラー変換テーブルが記憶されている。カラー変換テーブルは、画像データの画素毎のRGBでのカラー値(RBG値)を、インクジェットプリンタ20での出力に使用するCMYKでのカラー値(CMYK値)に変換するためのものである。後述するように、CPU11で実行される制御プログラムは、PC10を絵柄表示手段、シート材画像表示手段、プリント領域抽出手段、領域分割手段、変形度合い設定手段、絵柄外形線抽出手段、変形絵柄外形線作成手段、変形絵柄データ作成手段として機能させる。
【0022】
図2に示すように、RAM13には、生成されたプリント用データを一時的に記憶するプリント用データ記憶エリア131と、ユーザにより予め用意された任意の絵柄のイメージデータを記憶する絵柄データ記憶エリア132、読取装置30により読み取られた布帛画像を画像データとして記憶する読取画像データ記憶エリア133、画像データの指定領域に対して指定されたインク吐出量を一時的に記憶する吐出量記憶エリア134等、各種の記憶エリアが設けられている。
【0023】
読取装置30は布帛画像を読み取るためのものであり、イメージスキャナやCCDカメラ等から構成される。布帛の画像を読み取った後、当該布帛を移動させると布帛の状態(皺の出来具合や伸縮具合等)が変化するため、インクジェットプリンタ20と読取装置30が一体的に構成されているものが好ましい。このような例として、プリントヘッド部にCCDカメラが設けられた株式会社島精機製作所製のインクジェットプリンタ(SIP-100F、SIP-160F)が挙げられる。
【0024】
次に、本実施例のプリント用絵柄データ作成装置におけるプリント用絵柄データ作成処理について図3〜図22を参照して説明する。プリント用絵柄データ作成処理は、大きく分けて絵柄データの編集処理と、プリント領域の抽出処理とからなる。
まず、プリンタ用データ作成プログラムを起動すると、ディスプレイ15の画面上に図3に示す編集画面151が表示される。この編集画面151上でマウス17を操作して、「布帛画像読み込み」ボタン152をクリックすると、RAM13の読取画像データ記憶エリア133に記憶された画像データが読み込まれ、布帛画像表示ウィンドウ153に表示される。画像データは、予めスキャナやCCDカメラなどの読取装置30で読み取られた布帛の表面画像のデータであり、例えばJPEGやBGM、GIF等のファイル形式で記憶されている。
【0025】
続いて、マウス17を操作して編集画面151の「絵柄読み込み」ボタン154をクリックすると、RAM13の絵柄データ記憶エリア132に記憶されている絵柄データが読み込まれ、絵柄表示ウィンドウ155に表示される。図4は、読み込まれた布帛画像及び絵柄がそれぞれ布帛画像表示ウィンドウ153及び絵柄表示ウィンドウ155に表示された状態の編集画面151を示している。
【0026】
このように布帛画像データ及び絵柄データを読み込んだ状態で、絵柄データの編集処理を行う。本実施例では、絵柄データは、白い布帛上に絵柄が表現されたJPEGやBGM、GIF等のイメージデータから構成されている。そのため、図4に示すように、絵柄表示ウィンドウ155には絵柄と矩形状の白い領域(非絵柄領域)からなる画像(以下では「絵柄イメージ画像」という)が表示される。そこで、絵柄データの編集処理では、まず、絵柄イメージ画像から絵柄領域を抽出する作業を行う。具体的には、編集画面151上の「絵柄以外の領域選択」ボタン156をクリックし、続いて絵柄表示ウィンドウ155に表示されている絵柄イメージ画像のうち非絵柄領域上の任意の点(例えば図4に矢印157で示す点)をクリックする。すると、クリックした点(ピクセル、画素)を基準点として、その基準点のRGB値と基準点以外の全ての点のRGB値が比較され、両者の差が許容値(Tolerance)以下であるか否かが判定される。そして、許容値以下であると判定された点は、非絵柄領域として抽出され、これと同時に、非絵柄領域とその他の領域(絵柄領域)との境界に点線DLが表示され(図5参照)、絵柄領域及び非絵柄領域が画定される。絵柄領域及び非絵柄領域が画定されると、編集画面151のリストボックス159に絵柄領域番号が表示される(図5では領域番号「1」と表示されている)。
【0027】
なお、許容値は、編集画面151上の許容値設定ボックス158でユーザが設定する。図4に示す例では、絵柄以外の領域(非絵柄領域)は全て白色であるため、「0」と設定しているが、適宜の値に設定することが可能である。また、絵柄データが絵柄のみのイメージデータから成る場合は絵柄領域の抽出作業が不要であるため、例えば、絵柄データを読み込むと自動的に絵柄領域が画定されるように構成しても良い。
【0028】
絵柄領域が画定されると、続いて絵柄領域の分割処理を行う。具体的には、図6に示すように、ユーザがマウス17を操作してリストボックス159内の領域番号を選択し、「選択柄のメッシュ作成画面を開く」ボタン160をクリックする。これにより、ディスプレイ15の画面上に図7に示すメッシュ作成画面161が表示される。
【0029】
絵柄領域の分割処理では、絵柄領域全体を均等に分割する処理の他、絵柄領域内を内部領域と背景領域に分け、それぞれの領域について分割する処理を行うことができる。ここでは、絵柄領域内を内部領域と背景領域に分けて分割する処理について説明する。
まず、メッシュ作成画面161上で、許容値設定ボックス162の許容値を設定した後、「柄内部に領域を作成」ボタン163をクリックすると共に絵柄表示ウィンドウ164に表示されている絵柄イメージ画像の絵柄領域内の任意の点をクリックする。すると、クリックした点(ピクセル、画素)を基準点として、その基準点のRGB値と基準点以外の絵柄領域内の全ての点のRGB値が比較され、両者の差が許容値(Tolerance)以下であるか否かが判定される。そして、許容値以下であると判定された点は絵柄領域内の内部領域として抽出され、例えば黒く塗りつぶされることでその他の絵柄領域と区別される。
【0030】
例えば図8は、絵柄の右側に位置する3個の梅の花について上述の内部領域抽出処理を順に繰り返すことで1個の内部領域が抽出された様子を示している。これら3個の梅の花は互いに異なる色であるが、各梅の花はいずれも同一色からなるため、各梅の花について許容値を「0」と設定して柄内部抽出処理を連続的に実行すると、3個の梅の花が順に内部領域として抽出される。3個の梅の花がそれぞれ内部領域として抽出された後、メッシュ作成画面161上の追加ボタン165をクリックすると、前記3個の内部領域は1個の内部領域として画定される。このように画定された1個の内部領域は、その他の絵柄領域との境界(輪郭)に実線L(以下、「輪郭線L」という)が表示されるため(図9参照)、ユーザは輪郭線Lを見て内部領域の画定を確認することができる。このように内部領域が画定されると、メッシュ作成画面161のリストボックス166にその内部領域番号が表示される。なお、絵柄領域内の1又は複数の内部領域について上述の内部領域抽出処理を行った場合は、処理を行った順に内部領域番号が付されてリストボックス166に表示される。また、内部領域として画定された以外の絵柄領域は「背景領域」として画定され、リストボックス166に表示される。
【0031】
なお、図8及び図9に示すように、内部領域No.1は3個の梅の花から成るが、これら梅の花の内部にはおしべや各梅の花の間の隙間といった微小部分が存在する。これら微小部分は、梅の花の色とは異なるため、内部領域として抽出されない、つまり、内部領域を構成しない。そこで、本実施例では、このような微小部分を内部領域に含ませることができるようになっている。具体的には、メッシュ作成画面161上の幅(ピクセル)値設定ボックス167で幅値を設定し、「微小な部分を領域に含ませる」ボタン168をクリックする。すると、選択された内部領域内に位置する微小領域の幅が設定された幅値以下であるか否かが判定され、設定幅値以下のときは、当該微小領域も内部領域No.1として抽出される。
【0032】
内部領域及び背景領域が画定されると、次に、各領域についてそれぞれ分割する処理を行う。例えば内部領域について分割処理を行う場合は、まず、メッシュ作成画面161のリストボックス166で内部領域番号を選択した後、分割数設定ボックス169にて分割数を設定する。図10の例では、分割数が「60」に設定されている。その後、「選択領域の輪郭を分割」ボタン170をクリックすると、選択した内部領域の輪郭線Lの長さ寸法と分割数に基づき輪郭線Lが等分割され、各分割位置に黒い節点が設定される。後述の基本メッシュパターンは節点を基準に形成される。そのため、節点の位置によっては、基本メッシュパターンの外形と内部領域の外形とずれる場合がある。そのため、本実施例では、ユーザがマウス17を操作して節点を自由に移動させることができるようになっており、これにより、内部領域に対して適正な基本メッシュパターンを設定できる。
【0033】
続いて、メッシュ作成画面161上の「領域のメッシュ生成」ボタン171をクリックすると共に弾性率設定ボックス172で弾性率を設定し、確定ボタン173をクリックする。すると、内部領域に所定の基本メッシュパターンが設定される(図11参照)。ここでは、基本メッシュパターンは、分割領域の輪郭線Lに設定された節点に基づき分割領域内に三角メッシュを生成することで得られる。三角メッシュ生成法は、デローニ法が知られている。
【0034】
詳しい説明は省略するが、背景領域についても、内部領域と同様の方法で分割処理が行われる。図12及び図13は、背景領域の輪郭を80分割した後、背景領域に基本メッシュパターンが設定された例を示している。
【0035】
次に、プリント領域の抽出処理を行う。まず、メッシュ作成画面161上のOKボタン174をクリックして絵柄データの編集処理を終了する。これにより、ディスプレイ15の画面上の表示がメッシュ作成画面161から編集画面151に切り替わる。この編集画面151上の許容値設定ボックス181で許容値を設定した後、「プリント領域の抽出」ボタン182をクリックし、続いて布帛画像表示ウィンドウ153に表示されている布帛画像上のプリント領域の任意の点をクリックする。すると、絵柄領域や内部領域の抽出処理と同様の処理が行われ、プリント領域が抽出される。
なお、図14に示す例では、布帛画像内の大きな白い円形部分がプリント領域であり、その他の領域(非プリント領域)とは全く色が異なるが、ここでは、許容値を「60」と設定している。
【0036】
抽出されたプリント領域は図15に示すように黒く塗りつぶされるため、プリント領域が正しく抽出されたか否かを確認することができる。図15の(a)は、プリント領域の一部が抽出されなかった状態を示している。このように、一部のプリント領域が抽出されなかった場合は、その非抽出領域の任意を点をクリックして、「抽出領域内の小領域削除」ボタン183をクリックすることにより、非抽出領域をプリント領域として抽出することができる。この処理は、上述した、微小部分を内部領域に含ませる処理とほぼ同様である。図15の(b)及び(c)に示すように、抽出領域内の小領域削除処理を繰り返し行うことで、プリント領域の全てを抽出することができる。
【0037】
次に、リストボックス159内に表示されている領域番号を選択し、「選択柄の輪郭メッシュを背景に配置」ボタン184をクリックする。すると、図16に示すように、選択された領域番号の絵柄領域の輪郭メッシュ(分割された輪郭線)L2が布帛画像表示ウィンドウ153に表示される。この状態で、輪郭メッシュL2内の中心(重心)をマウス17でクリックして、前記輪郭メッシュL2の中心(重心)がプリント領域の中心(図17(a)に示す矢印の先端位置)に来るように移動させる(図17(b))。ここでは、マウスポインタを輪郭メッシュL2の重心に位置させると輪郭メッシュL2を移動できるようになっている。なお、「選択柄の輪郭メッシュを背景に配置」ボタン184をクリックすると、選択柄の輪郭メッシュL2及びプリント領域の重心位置のそれぞれ矢印等の印が表示されるように構成しても良い。また、自動的に、輪郭メッシュL2の重心がプリント領域の重心の上に位置するように輪郭メッシュL2が移動されるようにすることも可能である。
【0038】
続いて、「抽出領域外形の最も近い位置へ」ボタン185をクリックする。すると、輪郭メッシュL2全体がプリント領域の外形(輪郭)上に位置するように、節点が移動される。具体的には、プリント領域の外形上に位置しない輪郭メッシュL2上の節点がプリント領域の外形上の最も近い点に移動され、輪郭メッシュL2が変形される(図17(c))。
【0039】
プリント領域の外形上に輪郭メッシュL2を重ね合わせる処理を行った後、「選択柄を変形」ボタン186をクリックする。すると、変形後の輪郭メッシュL2’と予め設定された弾性率に基づき、各分割領域に設定されたメッシュパターンの変形処理が実行される。続いて、変形後のメッシュパターンに基づき絵柄データを変形した変形絵柄データが作成され、この変形絵柄データに基づき変形後の絵柄が布帛画像表示ウィンドウ153に表示される(図18参照)。
【0040】
メッシュパターンの変形処理では、物質の構造解析に用いられる有限要素法という手法が用いられる。特に本実施例では、複合材料から成る物質の構造解析に用いられる手法が利用されている。有限要素法では、まず、基本メッシュパターンの各要素(3個の節点で構成される三角形状の部分)について以下の剛性方程式(1)を立て、背景領域及び内部領域内の全ての要素についての剛性方程式(構造全体の剛性方程式)、即ち連立方程式を解くことにより各節点の変位を求める手法である。連立方程式を解く手法には例えばスカイライン法が用いられる。
【数1】

式(1)において、Fは各節点のX,Y方向の力成分(下付きのx,yは方向,数字は要素を構成する節点の番号を示す)を示し、u,vは節点のX,Y方向変位成分(下付きの数字は要素を構成する節点の番号を示す)を示し、[Ke](下付きのeは「要素」であることを示す)は要素剛性マトリクスを示す。また、要素剛性マトリクス[Ke]は、要素形状(例えば三角形要素,四角形要素など)、材質(弾性率(弾性係数)、ポアソン比)を含む要素の剛性(変形しにくさ、変形しやすさ)を表し、変位とひずみの関係式と応力とひずみ(歪)の関係式を用い、更に要素内の変形状態を表す形状関数を導入することによって求められる。
【0041】
この関係式を各要素について作成し、求められた要素ごとの剛性方程式を絵柄全体の剛性方程式に足し込み処理を行う。即ち、各要素の剛性マトリクスから絵柄全体の挙動を表す構造全体の剛性方程式の剛性マトリクスを求める。この全体の剛性方程式の剛性マトリクスは、N個の節点がある場合は2N×2N次のマトリクスとなる。
【0042】
本実施例では、内部領域の各要素について要素剛性マトリクス[Ke]を求める際の弾性率を領域毎に設定する。このとき、設定のしやすさを考慮して、背景領域の弾性率を1とし、内部領域の弾性率をその倍数(整数)で設定するようにしている。一般的に用いられる弾性率は変形しにくさを表す物性値であるが、本実施例の弾性率は、絵柄データに基づきディスプレイ15に表示される絵柄の内部領域や背景領域といった仮想の物質の変形しにくさを表す、いわば「仮想の弾性率」である。一般的な弾性率と同様、本実施例でも、大きい値の弾性率が設定された領域ほど変形しにくく、メッシュパターンの各要素(三角形状の部分)の変形量(変形率)は小さい。つまり、本実施例で用いる「弾性率」が、本発明の「変形度合い」や「変形しにくさを表すパラメータ」に相当する。
【0043】
例えば、図19に示すように、1個の図形200を背景領域Aと内部領域Bに分割し、各領域に基本メッシュパターンを設定した場合を考える。背景領域Aには低い弾性率を設定し、内部領域Bには高い弾性率を設定した場合、図形200の変形の多くは背景領域Aが受け持ち、内部領域Bは背景領域Aに比べるとほとんど変形しない。ただし、内部領域Bの輪郭線は背景領域Aと接しているため、背景領域Aの変形の影響を受けて内部領域Bも多少変形することになる。
【0044】
具体的に、上記実施例で示した円形の絵柄を楕円形に変形した結果を図20〜図22に示す。図20及び図21は、上記したように、円形の絵柄を内部領域と背景領域に分け、内部領域に分割数を「60」として基本メッシュパターンを設定し、背景領域に分割数を「80」として基本メッシュパターンを設定したときの、弾性率の違いによる変形後の絵柄の違いを示している。図20の(a)は元の絵柄を、図20の(b)〜(g)は、それぞれ内部領域の弾性率を1倍,5倍,10倍,15倍,20倍,25倍とした場合の変形後の絵柄を示している。また、図21の(a)〜(g)は図20の(a)〜(g)に示す各絵柄の内部領域(梅の花の部分)の拡大図を示している。図20及び図21から、内部領域の弾性率を1倍にした場合、即ち背景領域と内部領域の弾性率を同じにした場合に比べると、弾性率を5〜25倍に設定した場合の方が内部領域の変形量(ひずみ)が小さいことが分かる。
【0045】
図22は、内部領域の弾性率を1倍,5倍,10倍,15倍,20倍,25倍とした場合の背景領域の要素(メッシュパターンの三角形状の部分)と内部領域の要素のX方向及びY方向のひずみを数値で表した表である。ここで「ひずみ」とは、元の要素形状からどれだけその方向に変形したかを表している。図22では、内部領域内及び背景領域内の全要素のひずみの平均値を示している。
【0046】
図22から、弾性率が上がるに従い内部領域のひずみが小さくなり、背景領域のひずみが増加することが分かる。また、弾性率が10倍以上では、内部領域のひずみはほとんど変化しないことが分かる。これは、弾性率が上がって内部領域のひずみが小さくなると、内部領域と接する背景領域の要素が、内部領域が変形しないことの影響を受けるため、背景領域の弾性率が変化しなくてもひずみが大きくなるからだと思われる。つまり、内部領域の周りの背景領域要素がクッションの役目をしているものと考えることができ、このような現象は、柔らかいもの(背景領域)で硬いもの(内部領域)をくるんでいる状態で外部から全体を変形させようとしても、中の硬いものは変形しないことからも理解できる。
【0047】
このように、本実施例によれば、ユーザが絵柄を内部領域と背景領域に自由に分割して前記内部領域毎に弾性率を設定できるため、プリント領域の形状に合わせて絵柄を変形しても絵柄全体のイメージを崩すことがない。
特に、本実施例では、構造力学の分野で広く用いられている手法である有限要素法の要素と節点を示す基本メッシュパターンを内部領域及び背景領域に対して設定した。そして、内部領域及び背景領域に対して仮想の弾性率を設定し、有限要素法を用いて基本メッシュパターンを変形するように構成した。そのため、内部領域や背景領域が複雑な形状であっても、内部領域や背景領域の絵柄全体のイメージに及ぼす影響といった特性に応じて、内部領域や背景領域の基本メッシュパターンを適切に変形することができる。
【0048】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
絵柄をプリントするシート材は布帛に限らず、紙や樹脂製のシート、布帛に塩化ビニル等がコーティングされたシート等のシート材でも良い。
上記実施例では、分割領域の抽出処理やプリント領域の抽出処理は、ユーザが許容値を設定した上で、任意の点をマウスでクリックすることで行うようにしたが、許容値を設定するだけで絵柄データや布帛画像データに基づき自動的に行われるようにしても良い。また、ユーザがマウスを操作して、ディスプレイに表示された布帛画像や絵柄上の任意の領域をカーソルで囲むだけで、分割領域やプリント領域が抽出されるように構成することも可能である。
【0049】
上記実施例では、分割領域に対して三角メッシュを生成して基本メッシュシートを得たが、格子状のメッシュ(四角メッシュ)を生成して基本メッシュシートを得るようにしても良い。
上記実施例では、内部領域や背景領域といった全ての分割領域に基本メッシュパターンを設定したが、例えば複雑な模様等からなる分割領域にのみ基本メッシュパターンを設定しても良い。また、全ての分割領域に対して基本メッシュパターンを設定せずに分割領域毎の変形度合いに基づいて絵柄データを変形するようにしても良い。例えば、分割領域の形状が円形状や多角形状といった比較的単純な形状の場合は、設定された変形度合い、例えば拡大率や縮小率に基づいて各分割領域を均等に拡大、縮小しても変形後の分割領域の形状が崩れることがない。従って、このような場合には分割領域に対して基本メッシュパターンを設定せずに絵柄データを修正するようにしても良い。
【0050】
上記実施例では、背景領域の弾性率を1とし、その倍数で内部領域の弾性率を設定するようにしたが、背景領域及び内部領域の両方の弾性率を任意に設定できるようにしても良い。
変形度合いを表すパラメータは、弾性率といった変形しにくさを表すパラメータの他、縮小率や拡大率といった変形しやすさを表すパラメータとすることができる。

【符号の説明】
【0051】
10…パーソナルコンピュータ(PC)
12…ROM
13…RAM
14…I/Oインタフェイス
15…ディスプレイ
16…キーボード
17…マウス
18…ハードディスク装置
20…インクジェットプリンタ
30…読取装置
151…編集画面
155…絵柄表示ウィンドウ
161…メッシュ作成画面
162…メッシュ作成絵柄表示ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材に絵柄のプリントを行うためのプリント用絵柄データを作成するプリント用絵柄データ作成装置において、
a)絵柄データを記憶する絵柄データ記憶手段と、
b)シート材の画像データを記憶するシート材画像データ記憶手段と、
c)前記絵柄データに基づき絵柄を表示する絵柄表示手段と、
d)前記シート材画像データに基づきシート材画像を表示するシート材画像表示手段と、
e)前記シート材画像表示手段に表示されたシート材画像から所定の基準でプリント領域を抽出するプリント領域抽出手段と、
f)前記絵柄表示手段に表示された絵柄を複数の領域に分割する領域分割手段と、
g)各分割領域の変形度合いを表すパラメータを設定させる変形度合い設定手段と、
h)前記絵柄の外形線を抽出する絵柄外形線抽出手段と、
i)前記絵柄外形線が抽出された前記プリント領域の外形に一致するように前記絵柄外形線を変形した変形絵柄外形線を作成する変形絵柄外形線作成手段と、
j)前記変形絵柄外形線と各分割領域の変形度合いに基づいて、絵柄データを修正した変形絵柄データを作成する変形絵柄データ作成手段と、
を備えることを特徴とするプリント用絵柄データ作成装置。
【請求項2】
分割領域に基本メッシュパターンを設定する基本メッシュパターン設定手段と、
変形絵柄外形線と前記変形度合いに基づいて、各分割領域の基本メッシュパターンを変形した変形メッシュパターンを作成するメッシュパターン変形手段とを備え、
前記変形絵柄データ作成手段が、前記変形メッシュパターンに基づいて変形絵柄データを作成することを特徴とする請求項1に記載のプリント用絵柄データ作成装置。
【請求項3】
前記基本メッシュパターン設定手段が、有限要素法の要素と節点を示す基本メッシュパターンを分割領域に設定し、
前記変形度合い設定手段が、各分割領域の要素の変形しにくさを表すパラメータを設定させ、
前記変形絵柄データ作成手段が、前記パラメータを用い有限要素法で剛性方程式を求め、前記剛性方程式により基本メッシュパターンの各節点の変位を求めて変形メッシュパターンを作成することを特徴とする請求項2に記載のプリント用絵柄データ作成装置。
【請求項4】
シート材に絵柄のプリントを行うためのプリント用絵柄データを作成するプリント用絵柄データ作成プログラムにおいて、コンピュータを、
a)絵柄データを記憶する絵柄データ記憶手段と、
b)シート材の画像データを記憶するシート材画像データ記憶手段と、
c)前記絵柄データに基づき絵柄を表示する絵柄表示手段と、
d)前記シート材画像データに基づきシート材画像を表示するシート材画像表示手段と、
e)前記シート材画像表示手段に表示されたシート材画像から所定の基準でプリント領域を抽出するプリント領域抽出手段と、
f)前記絵柄表示手段に表示された絵柄を複数の領域に分割する領域分割手段と、
g)各分割領域の変形度合いを表すパラメータを設定させる変形度合い設定手段と、
h)前記絵柄の外形線を抽出する絵柄外形線抽出手段と、
i)前記絵柄外形線が抽出された前記プリント領域の外形に一致するように前記絵柄外形線を変形した変形絵柄外形線を作成する変形絵柄外形線作成手段と、
j)前記変形絵柄外形線と各分割領域の変形度合いに基づいて、絵柄データを修正した変形絵柄データを作成する変形絵柄データ作成手段と
として機能させることを特徴とするプリント用絵柄データ作成プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプリント用絵柄データ作成プログラムにおいて、
さらに、コンピュータを、
分割領域に基本メッシュパターンを設定する基本メッシュパターン設定手段と、
変形絵柄外形線と前記変形度合いに基づいて、各分割領域の基本メッシュパターンを変形した変形メッシュパターンを作成するメッシュパターン変形手段として機能させ、
前記変形絵柄データ作成手段が、前記変形メッシュパターンに基づいて変形絵柄データを作成することを特徴とするプリント用絵柄データ作成プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプリント用絵柄データ作成プログラムにおいて、
前記基本メッシュパターン設定手段が、有限要素法の要素と節点を示す基本メッシュパターンを分割領域に設定し、
前記変形度合い設定手段が、各分割領域の要素の変形しにくさを表すパラメータを設定させ、
前記変形絵柄データ作成手段が、前記パラメータを用い有限要素法で剛性方程式を求め、前記剛性方程式により基本メッシュパターンの各節点の変位を求めて変形メッシュパターンを作成することを特徴とする請求項5に記載のプリント用絵柄データ作成プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図22】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2011−201069(P2011−201069A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68550(P2010−68550)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(596053068)京都市 (26)
【出願人】(510014124)
【出願人】(510081229)
【出願人】(510014135)
【出願人】(502206740)有限会社ジャパンスタイルシステム (1)
【Fターム(参考)】