説明

プリント画信号処理方法

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1枚の原画情報を複数の画像エリアに分割し、この分割によって得られたプリント画像を各々つなぎ合わせることによって1枚の大画面のプリントシートを得るプリント画信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタの最大プリント用紙サイズを超えたプリント画像が必要な場合に、分割した複数枚のプリント画像をつなぎ合わせて1枚の大画面プリントを作成する事が知られている。
【0003】この様な大画面のプリント作成においては原画像をスキャナで読取った信号や、コンピュータグラフィクス等の手法で作成した画信号が原画情報として好適に適用される。この様に電気信号の形態となっている画信号は信号に各種の画像処理を施す事によって、利用時に好都合な変換を自在に行う事ができる。
【0004】複数枚のプリント画像をつなぎ合わせて大画面のプリントを作成する時に生ずる課題のひとつに、つなぎ合わせ部にすき間ができた場合にその部分につなぎがある事が目立ってしまう欠点がある。すき間が出ない様にする為には接合の作業がむつかしく、又、大画面のプリントシートにおいてはプリントシート自体の伸び縮みがある為にすき間をなくす事が不可能な場合も往々にしてある。例えば、図8は2枚のプリントシート1,1′をつなぎ合わせて1枚の大きなプリントシートに仕上げた場合を示している。
【0005】同図において、原画像が分割された分割線にまたがって、画像部2,2′があるものとする。2枚のプリントシート1,1′をつなぎ合わせた時に両シートの接合部に寸法tのすき間が残ってしまった状態が示されている。プリントシートはプリントの余白部同志を接着してはり合わせるとすると、上記スキ間の部分はプリント用紙の白色部であって、画像部2,2′の真中に白色のラインが存在する状態で仕上り、2枚のプリントシートをはり合わせたものである事が明確にわかるのできわめて見苦しいものとなる。
【0006】この様な欠点を除去する為に、プリントを接合する境界線部分が重複する様に原画情報を重複分割した画像情報に基いて分割プリントシートを作成する事が特開昭62−230261号公報等に於て知られている。図9は上記公開公報から引用した図であって、多数枚のプリントシートをつなぎ合わせて1枚の大画面のプリントを作成する場合のつなぎ方を示している。
【0007】同図に於て3は分割画像をプリントしたプリントシートで、主走査、副走査方向に複数枚のプリントシートをつなぎ合わせて1枚の大画面プリントを作る。つなぎ合わせる時にすき間ができても見苦しくならない様に、各プリントの境界部でプリント画像が重複する様にしてある。すなわち各プリントシートは分割したプリントエリアの外側に若干の巾で隣のエリアの画情報をとり込んでプリントが作られている。従って各プリント画を重複部分を重ね合わせ接着すれば、相互の位置が多少開いてしまってもつなぎ合わせのすき間には画像がプリントされているからつぎ目が目立つ事はない。
【0008】なおその様に重複させたプリント画像をつなぎ合わせる時に、つなぎ合わせ場所が判別しにくいので指票を書込んでおく提案が特開平1−192264号公報で公知となっている。図10は上記公報から引用した説明図である。プリント原画4は拡大プリント作成の為に図示する様に4個のエリアに分割してプリントされるものとする。
【0009】つなぎ合わせ部分にすき間を生じた時に異和感を生じない様に分割境界部を少しこえた領域の画像情報を含めて各プリントシート51〜54がプリントされる。この時につなぎ合わせ部分をさがし出し易い様に標線61〜64がプリント画面上にプリントアウトされる。従って、つなぎ合わせる時には標線61〜64に隣りのプリントシートのエッジを重ね合わせてはり合わせれば良い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この様に、分割プリントシートをプリントする時に正規の分割領域の外側にプリント領域を広げてプリントする事ができる。しかしながら、この方法は原稿ないしは原画像が連続して大きな寸法を有している場合は良いが、予め原画が切り離されている様な場合には適用する事が出来ない。
【0011】又、スキャナの最大読取サイズより大きな原稿から、複数回に分けて原稿を読む場合にはスキャナに若干の読取領域の余裕がないと分割領域をこえて原稿を読みきれない場合が出てくる。例えば、最大読取領域がA4のスキャナでA3の文書を2回に分けて読取るとすると、スキャナがA4よりもやゝ広い読取領域を有する事が必要となる。
【0012】又、つなぎ合わせの為に標線を書込む場合その標線が目立つ存在となって見苦しい画面となる欠点がある。又、境界部の絵柄によっては標線が見えないので、標線の色や濃度を変えて見易くする等のわずらわしい操作が必要となる。
【0013】本発明のプリント画信号処理方法はこのような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、分割した領域の画像情報のみを用い、境界部をこえて画像を重複させてプリントしなくともはり合わせ画像の境界部の異和感が生じないプリントを作成することの可能なプリント画信号処理方法を提供することにある。
【0014】又、本発明の他の目的は、標線を入れることによる境界部分の異和感を増大させずに複数の画像の接合位置を容易に探すことが可能なプリント画信号処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、第1の発明に係るプリント画信号処理方法は、1枚の原画情報を複数の画像エリアに分割し、この分割されたプリント画像がそれぞれ記録された複数のプリントシートをつなぎ合わせることによって1枚の大画面のプリントシートを得るプリント画信号処理方法において、分割した画像エリアの境界部分に続けて、接合境界部上の画像信号に基づく、ダミーの補助画像信号を所定量付加する工程を含む。また、第2の発明は、第1の発明に係るプリント画信号処理方法において、分割した画像エリア毎の主走査ラインの始端及び/又は終端部に続けて、始端及び/又は終端の画像データのコピーデータを所定ドット加えてプリントの為の主走査ラインを形成する工程を含む。また、第3の発明は、第1の発明に係るプリント画信号処理方法において、分割したエリア毎の副走査方向の始端及び/又は終端部に続けて、始端及び/又は終端の画像、データのコピーデータを所定ライン加えてプリントの為の画信号とする工程を含む。また、第4の発明に係るプリント画信号処理方法は、1枚の多階調の原画情報を複数の画像エリアに分割し、この分割されたプリント画像がそれぞれ記録された複数のプリントシートをつなぎ合わせることによって1枚の大画面のプリントシートを得るプリント画信号処理方法において、分割した画像エリアの境界部分の画像信号に続けて、接合境界部上の画像信号に基づく、ダミーの補助階調画像信号を所定量付加する工程と、前記ダミーの補助階調画像信号を含む画像エリアの画像信号を擬似多階調変換し、2値化画像信号を得る工程とを具備する。
【0016】
【作用】すなわち、第1の発明では、1枚の原画情報を分割して得られる画像エリアの境界部分に続けて、接合境界部上の画像信号に基づく、ダミーの補助画像信号を所定量付加する。また、第2の発明では、第1の発明において、分割した画像エリア毎の主走査ラインの始端及び/又は終端部に続けて、始端及び/又は終端の画像データのコピーデータを所定ドット加えてプリントの為の主走査ラインを形成する。また、第3の発明では、第1の発明において、分割したエリア毎の副走査方向の始端及び/又は終端部に続けて、始端及び/又は終端の画像、データのコピーデータを所定ライン加えてプリントの為の画信号とする。また、第4の発明では、1枚の多階調の原画情報を分割して得られる画像エリアの境界部分の画像信号に続けて、接合境界部上の画像信号に基づく、ダミーの補助階調画像信号を所定量付加し、前記ダミーの補助階調画像信号を含む画像エリアの画像信号を擬似多階調変換し、2値化画像信号を得る。
【0017】
【実施例】図1,2は本発明の第1実施例を示す図である。図1(a)はプリント原画情報、図1(b)は本発明によって処理された画信号によるプリント画像を各々示しており、図2は本発明による画信号の流れの説明図である。図2に於て10はスキャナ、11はCG画信号発生部、12は画像メモリ、13は画信号処理回路ボード、14はプリンタ、15はCPUである。
【0018】原画情報は原稿をスキャナ10で走査読取りして作成される。あるいはコンピュータグラフィクス装置によって作成された画像をCG画信号発生部11から供給してもよい。あるいはスキャナによって読取った画像に文字情報を加えたり、パターンジェネレーターから発生したパターンを合成したり、編集する事はもちろん可能である。画像メモリ12はスキャナ10で読取った画像を一旦蓄えたり、上記文字、パターンを合成する場合に合成した画像を蓄える為にも使用する。
【0019】画信号処理回路ボード13は複数部分に分割した原画像情報の境界部分に、つなぎ合わせの異和感を減少させる為の補助画像を加える為の回路である。処理の内容によっては専用の処理回路を設けずにCPU15のソフトウエアで処理しても良い。14はプリンタで、画像処理した画信号に基いてプリントアウトする。原画像の分割は走査読取した全画像を画像メモリ12に格納し、メモリ12から読出す段階で分割した領域の信号を抽出する様にするか、スキャナで読取る時に分割したエリアを指定して、その部分の画信号のみを抽出する様にするか、あるいは原稿を切断分割しておいて、別々に読取ってもよい。
【0020】CPU15は上記各要素を制御して画信号の流れを作り出すが、パーソナルコンピュータを用いて各端末を接続して画像処理するシステムとする事も可能である。
【0021】あるいは上記各要素を一体化した装置としてデジタルカラーコピーマシンの様にひとつの箱の中に収容し、操作パネルで操作する事もできる。後者の場合にはCPUはマイクロコンピュータボードであり、画像メモリは画像処理の為の小容量のラインメモリとして、スキャナで読取った画像はリアルタイムで画像処理してプリンタ部に送り込んで、リアルタイムでプリントアウトしてしまう構成が好適となる。図1(a)は原画像情報16を示している。拡大プリントの為に原画像情報はラインcを境界にして左右に2分割する例を示した。
【0022】図1(b)図は本発明に従ったプリント画像処理を加えた後に作成したプリント画像を示している。16′aは分割された1方のプリント画像を示し、16′bは他方のプリント画像を示している。
【0023】画像16′aについては分割ラインc′の左側の画像が分割によって分けられた正規の画像である。c′の右側の画像17Pはつなぎ合わせ部分の異和感を減ずる為に境界部に付加した補助画像を示している。17は補助画像エリア、17Pは補助画像の画像部を示している。
【0024】補助画像17Pは境界線c′上、あるいはこの近傍の画データを基にして作成する様にする。最も簡単にはラインc′上の画データをそのまゝ右側の領域17へコピーして延長すれば良い。
【0025】他方の画像16′bについても同様にして補助画像をエリア17′に作成する。また、2つの画像16′a,16′bをつなぎ合わせるには正規の画像の境界線c′,c″同志の部分が重なる様にして重ね、境界ライン部をカッターにて切り離せばよい。つなぎ合わせが理想的に行われゝば補助画像は過不足なく切離されて除去されてなんの作用も及ぼさない。
【0026】ところがc′とc″が少しはなれた状態でつなぎ合わされたとすると、正規の画像の間を補助画像がブリッジ状に橋渡しする。補助画像は境界線の画像に基いて作られているからブリッジ部分は全く異和感なく連続した画像として目視される。
【0027】補助画像17Pは、後述するように境界c′,c″にそった画素のコピーデータであっても良く、又この近傍の画素情報に基いて抽出、又は演算して得たものであっても良い。
【0028】原画像が領域単位に予め切り離されたプリントシートの様な場合、切断端面には往々にしてキズがある。このキズをさける為にエッジからやや内側でデータの読取りを終了させて補助画像を補う様に画信号を作成することが実用的に好ましい。
【0029】ロール状記録紙を用いるプリンタの場合、副走査方向に対してはプリント長の制約が除かれるので、画像の分割とつなぎ合わせは主走査方向に対して行われる必要がある。この場合には補助画像は主走査ライン毎に形成付加される。
【0030】図3,4は本発明の第2実施例の説明図である。図3は補助画像の形成を含む画像処理プリント装置の構成例を示している。同図に於て21はスキャナ、22はロール紙プリンタ、23はメモリ装置、24は画像処理ボード、25はコンピュータ、26はデータバスを各々示している。
【0031】スキャナ21で読取られた画信号は、後述する様に主走査ラインの始端および又は終端の画データのコピーデータを所定個数加えてプリント用の走査画信号に変換されてメモリ23に格納される。画像処理ボード24はこの演算の為に設ける。パーソナルコンピュータ25の指令によって画像の読取と演算変換を行って、次いでプリンタ22によってプリントアウトする。
【0032】画像を読取り、演算の対象となる原画信号は、主走査方向に原画像を複数領域に分割した走査画信号である。図4(a)に於てa1は処理の対象となる画信号で、27は1本の主走査ライン画信号を示すものとする。27Sは走査の始点の画信号、27eは走査の終点の画信号を示している。
【0033】a2は本発明に従って画信号処理した走査ラインを示すものとする。a2に於ては、走査の始点側に於て、始点の画信号27Sのコピーデータを所定個数加える。図示例ではコピーデータは27S′で示され個数は3としてある。同様に走査の終点側に於て、終点の画信号27eのコピーデータを所定数加える。図示例ではコピーデータは27e′で示され、個数は3としてある。
【0034】図4(b)はこの様に演算処理した画信号に基いて作成したプリントを示している。c′,c″は原画像を主走査方向に分割した分割線を示し、28a′,28b′は各分割された画像を示している。全体のプリントは29A及び29Bで示され、プリント29Aの主走査方向の終端につなげて、所定ドット数の補正画像27e′が加えられている。又プリント29Bの主走査方向の始端につなげて、所定ドット数の補正画像27S′が加えられている。
【0035】プリント画像29A,Bを分割ラインc′,c″を重ねる様にして重ね合わせ、重ね合わせ部分にカッターを通すと両シートはすき間なく接合される。しかもこの分割ラインc′,c″が離間する様な事があっても補正画像がある為につなぎ合わせたプリントは異和感なく一体のものとして目視される。
【0036】プリンタがカットシートを用いるものである場合、原画像を副走査方向に分割し、プリントシートを副走査方向につなぎ合わせる必要が生じてくる。この場合には分割した走査画像の副走査方向の先端および又は終端に於て主走査ラインのコピーデータ等境界の画像情報に基く補助画像を作成して付加し、プリント画信号とする。図5,6は本発明の第3の実施例の説明図である。図5は画像処理をしてプリントを作成する時の画信号の流れを説明する図である。
【0037】同図に於て、30はスキャナ及びプリンタを一体化したデジタルカラーコピー機、31はスキャナ部、32はプリンタ部、33はメモリ装置、34は画像処理部、35はコンピュータ、36はデータバスを示している。
【0038】デシタルカラーコピー機30のプリンタ部32はカットシートにプリントを行う様になっている。スキャナ部31で読取った画信号をコンピュータ35の制御によって一旦外部のメモリ装置33に取出して格納する。この画信号の副走査方向の先頭及び終端に後述する様に補助画像を加えるが、その画像処理は画像処理部34によって行う。処理を加えたプリント画信号は再びカラーコピー機30のプリンタ部へ送り込まれて補助画像つきのプリントが作成される。この補助画像は後述する様につなぎ合わせ部の異和感を除く様に作用する。図6R>6(a)は補助画像形成の画像処理工程を示している。
【0039】a1は副走査方向に複数の領域に分割した原画像のひとつの副走査方向端部を示している。Snが端部境界の主走査ラインで、Sn−1,Sn−2はそれに隣接する主走査ラインを各々示している。
【0040】a2は本発明に従って処理を行ったプリント画信号を示している。図示例では、境界部の主走査ラインSnの情報をそのまゝコピーしたラインSncを付加した。付加するライン数は複数ラインであって、図示例では3ラインが示されているが、実際には画像をつなぎ合わせる時に生ずる画像位置のずれ量を十分にカバーするものとして、プリント画面上で数ミリ〜十数ミリの巾をもたせておく事が好ましい。
【0041】図6(b)は2枚のプリント画像39A,39Bをつなぎ合わせる状況を説明する図である。c′,c″は原画像を分割した時の分割線に対応するラインであり、原画像は38a′,38b′で示される様に分割してプリントアウトされている。ラインc′,c″を境界部として副走査方向に複数ライン分の補助画像Sncを演算付加してある。
【0042】ラインc′,c″を重ね合わせて重ね合わせ部分をカッターにて切り離すと両プリントシートはすき間なくつなぎ合わされる。ラインc′,c″がずれて離間したとしても、つなぎ部分は補助画像によって異和感なく接続される。プリントの為の画信号はプリンタのプリント方式によって様々な形態をとり、プリントドットも2値のドットの場合と、ドットに濃淡を有する場合がある。
【0043】多階調の原画情報を、プリントドットが濃淡・変化するプリンタでプリントアウトする場合には図1R>1〜図6で説明した様に境界のラインのデータをコピーして補助画像を作ってプリント信号とすればあまり不都合はない。
【0044】ところが階調画像情報を凝似多階調変換して2値化して2値プリンタでプリントアウトする場合には、2値化後の境界部の画データをそのままコピーして補助画像としたのではいく分異和感の残った画像となってしまう。この状況と対応方法を図7によって説明する。
【0045】図7(a)は二値化変換した画情報から、コピーによって補助画像を作る状況を示す。a1は多階調の原画情報を示し、上が高濃度、下が低濃度である事を示している。
【0046】a2はディザ変換、誤差拡散法による変換等の凝似多階調変換によって濃度情報をドット分布密度に変換したプリントを示す。このプリントに於てつなぎ合わせ境界部分に補助画像を加えた状況をa3に示す。正規の画像部の情報は2値化変換によって、砂目状又は網目状のドット分布に変換されるが、補助画像部は線密度で濃度表現された凝似多階調プリントが得られる。従って平均濃度的には補助画像部を設けた役割ははたしているが、線状構造が目立つ点で異和感を減少させる効果が減殺される欠点がある。そこで本発明に於ては、凝似多階調変換する前に補助画像部分を階調データとして加え、しかる後に凝似多階調変換する。
【0047】図7(b)は上記画像処理の実施例説明図である。同図b1は原画像へ補助画像を加える第1工程を示す図である。図のラインCから左が原画情報であって、各画素は画素毎に階調情報を含んでいて、図示例は上が高濃度、下が低濃度であるパターンを示している。
【0048】本実施例に於ては画素毎に階調情報を持たせた原画像の状態で、境界部のデータをコピーして補助画像を作り出す。b1に於てSn−1,Snは原画像のラインでありSncはSnをコピーして作り出した補助画像である。
【0049】画像b1を作成した後に凝似多階調変換を行って二値化画像信号とするが、b2はこの様な二値化変換の後に作ったプリント画像を示す。c′のラインの左側が原画像領域、右側が補助画像領域に対応するが、補助画像部分も砂目状あるいは網目状に変換されているので原画像領域に対する異和感は全くない。
【0050】以上、上記のことから明らかなように、本発明においては、原画情報を複数のエリアに分割する時に、境界部をこえて画像情報をオーバーラップさせる事なしに、補助プリント画像を相互に隣接するエリアよりも外側へ拡大させた画像とすることによってつなぎ合わせの異和感を減ずる様に作用させる事ができる。しかも正規の分割エリアの画像の外側に追加した画像は、付加画像の境界部分を識別する事が可能な程度の異和感を与えてつなぎ合わせの作業をやり易くし、しかもつなぎ合わせた画像全体を見る時には気にならない程度に異和感を減ずる様に作用する。
【0051】又、主走査方向に複数のエリアに分割したプリント画像をつなぎ合わせる場合に、つなぎ部分に異和感を与えない為の境界部の補助画像を簡単な画像処理によって付与する事ができる。さらに、副走査方向に複数のエリアに分割したプリント画像をつなぎ合わせる場合に、つなぎ部分に異和感を与えない為の境界部の補助画像を簡易な手段によって付与する事ができる。
【0052】さらに、多階調画信号を凝似多階調変換によって2値化してプリントする場合に、複数のエリアに分割したプリント画像をつなぎ合わせる場面で、つなぎ部分の異和感を減少させるべく追加付与する補助画像部分の異和感を大巾に緩和する様に作用させる事ができる。
【0053】
【発明の効果】以上、本発明においては、1枚の原画情報を複数の領域に分割して、プリントアウトし、切離されたプリント画像をつなぎ合わせて1枚の大きな画面のプリント画像とする場合に、つなぎ合わせの境界部の異和感の発生を防止する効果を生ずる。さらに、本発明においては、特に階調原画情報を凝似多階調変換して2値記録方式のプリンタにてプリントアウトする場合に、プリントのつなぎ合わせ部分の異和感を減少させる為に付加する補助画像部分の画質を、原画像領域の画質と同じ画質として異和感の発生を防止する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は第1実施例におけるプリント原画情報を示す図であり、図1(b)は本発明の方法によって処理された画信号によるプリント画像を示す図。
【図2】本発明の第1実施例における画像信号の流れの説明図。
【図3】本発明の第2実施例に係る画像処理プリント装置の構成を示す図。
【図4】図4(a)は第1実施例におけるプリント原画情報を示す図であり、図4(b)は処理された画信号によるプリント画像を示す図。
【図5】本発明の第3実施例に係る画像処理プリント装置の構成を示す図。
【図6】図6(a)は補助画像形成の画像処理工程を示す図であり、図6(b)は2枚のプリント画像をつなぎ合わせる状況を説明するための図。
【図7】図7(a)は2値化変換した画情報からコピ−によって補助画像を作成する状況を示す図であり、図7(b)は図7(a)の画像処理を説明するための図。
【図8】従来のプリント画信号処理方法の欠点を説明するための図。
【図9】図8に示す方法の欠点を克服するための1方法を示す図。
【図10】図9に示す方法をさらに改善した例を示す図。
【符号の説明】
10…スキャナ−、11…CG画信号発生部、12…画像メモリ、13…処理回路、14…プリンタ、16…原画像情報、17…補助画像エリア、17P…補助画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 1枚の原画情報を複数の画像エリアに分割し、この分割されたプリント画像がそれぞれ記録された複数のプリントシートをつなぎ合わせることによって1枚の大画面のプリントシートを得るプリント画信号処理方法において、分割した画像エリアの境界部分に続けて、接合境界部上の画像信号に基づく、ダミーの補助画像信号を所定量付加する工程を含むことを特徴とするプリント画信号処理方法。
【請求項2】 分割した画像エリア毎の主走査ラインの始端及び/又は終端部に続けて、始端及び/又は終端の画像データのコピーデータを所定ドット加えてプリントの為の主走査ラインを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のプリント画信号処理方法。
【請求項3】 分割したエリア毎の副走査方向の始端及び/又は終端部に続けて、始端及び/又は終端の画像、データのコピーデータを所定ライン加えてプリントの為の画信号とする工程を含むことを特徴とする請求項1記載のプリント画信号処理方法。
【請求項4】 1枚の多階調の原画情報を複数の画像エリアに分割し、この分割されたプリント画像がそれぞれ記録された複数のプリントシートをつなぎ合わせることによって1枚の大画面のプリントシートを得るプリント画信号処理方法において、分割した画像エリアの境界部分の画像信号に続けて、接合境界部上の画像信号に基づく、ダミーの補助階調画像信号を所定量付加する工程と、前記ダミーの補助階調画像信号を含む画像エリアの画像信号を擬似多階調変換し、2値化画像信号を得る工程と、を具備することを特徴とするプリント画信号処理方法。

【図1】
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【図3】
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【図8】
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【図5】
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【図4】
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【図2】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【特許番号】特許第3174092号(P3174092)
【登録日】平成13年3月30日(2001.3.30)
【発行日】平成13年6月11日(2001.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−167033
【出願日】平成3年7月8日(1991.7.8)
【公開番号】特開平5−37767
【公開日】平成5年2月12日(1993.2.12)
【審査請求日】平成10年7月8日(1998.7.8)
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【参考文献】
【文献】特開 平3−38966(JP,A)
【文献】特開 平1−229559(JP,A)
【文献】特開 昭63−310270(JP,A)