説明

プリント装置、プリント方法及びプログラム

【課題】 撮影画像に適した縮尺を自動的に選択して地図をプリントすること。
【解決手段】 撮影画像及び当該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得する画像取得部11と、地図画像を撮影画像とともに所定のプリント媒体にプリントするプリント部22と、地図画像の縮尺を撮影位置情報に基づいて決定する縮尺決定部19と、決定した縮尺の地図画像を撮影画像とともにプリント部22にプリントさせる制御部10とを備える構成にした。例えば、撮影位置から所定の基準位置までの距離、撮影位置が特定の国の内外いずれであるか、あるいは、取得した複数の撮影画像間の撮影位置の差に基づいて縮尺を決定する。撮影画像を撮影したときの被写体距離に基づいて縮尺を決定するようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント装置、プリント方法及びプログラムに係り、特に被写体を撮影した撮影画像とともに撮影画像の撮影位置に対応した地図をプリントするプリント装置、プリント方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影画像と撮影位置情報とを取得し、撮影位置情報に基づいて地図を検索し、検索した地図を撮影画像とともにプリントするようにしたものが知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
例えば、ユーザが撮影画像を選択し、「地図プリント」の実行を選択して、縮尺を指定する。そうすると、ユーザが選択した撮影画像とともにその撮影画像に関連する地図が指定した縮尺でプリントされる。
【特許文献1】特開2001−8140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、様々な場所で撮影した各撮影画像ごとに地図の縮尺を指定するのは煩雑である。例えば、ユーザが国内でウォーキングを楽しみながら撮影した場合と、ユーザが海外旅行を楽しみながら撮影した場合とでは、プリントするのに適当な地図の縮尺は異なるので、いちいち縮尺を指定しなければならない。一方で、煩雑な縮尺の指定操作を省略するために縮尺を固定にしてしまうと、撮影経路によっては不適当な縮尺の地図がプリントされてしまうことになる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮影画像に適した縮尺を自動的に選択して地図を撮影画像とともにプリントすることができるプリント装置、プリント方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得する取得手段と、前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記撮影位置情報に基づいて決定する縮尺決定手段と、決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせる制御手段とを備えた構成となっている。
【0007】
この構成によって、被写体が撮影された撮影画像及び撮影画像に関連付けられた撮影位置情報が取得され、撮影画像とともにプリントされる地図画像の縮尺が撮影位置情報に基づいて決定されて、縮尺を指定しなくても、適当な縮尺の地図画像が撮影画像とともにプリントされることになる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記縮尺決定手段は、撮影位置から所定の基準位置までの距離に基づいて縮尺を決定する構成となっている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の発明において、前記縮尺決定手段は、撮影位置が特定の国の内外いずれであるかに基づいて縮尺を決定する構成となっている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記取得手段は、複数の撮影画像を取得し、前記縮尺決定手段は、取得した複数の撮影画像間の撮影位置の差に基づいて縮尺を決定する構成となっている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた被写体距離情報を取得する取得手段と、前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記被写体距離情報に基づいて決定する縮尺決定手段と、決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせる制御手段とを備えた構成となっている。
【0012】
この構成によって、被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた被写体距離情報が取得され、撮影画像とともにプリントされる地図画像の縮尺が被写体距離情報に基づいて決定されて、縮尺を指定しなくても、適当な縮尺の地図画像が撮影画像とともにプリントされることになる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記縮尺決定手段によって縮尺を自動的に決定するか否かを設定するとともに、前記縮尺を自動的に決定しない設定をした場合又は自動的に決定した縮尺を訂正する場合に縮尺の指定を入力する操作手段を備えた構成となっている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得する取得手段と、前記撮影位置情報に対応する第1の地図画像と前記撮影位置情報に対応する第2の地図画像であって前記第1の地図画像の縮尺よりも小さな縮尺の第2の地図画像とを前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせる制御手段とを備えた構成となっている。
【0015】
この構成によって、被写体が撮影された撮影画像及び撮影画像に関連付けられた撮影位置情報が取得され、撮影位置情報に対応する第1の地図画像と撮影位置情報に対応する第2の地図画像であって第1の地図画像の縮尺よりも小さな縮尺の第2の地図画像とが、縮尺を指定しなくても、撮影画像とともにプリントされることになり、縮尺の大きな第1の地図画像による撮影位置の大まかな把握と縮尺の小さな第2の地図画像による撮影位置の詳細な把握とが可能になる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得するステップと、前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記撮影位置情報に基づいて決定するステップと、決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントするステップとを含むプリント方法である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた被写体距離情報を取得するステップと、前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記被写体距離情報に基づいて決定するステップと、決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントするステップとを含むプリント方法である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得するステップと、前記撮影位置情報に対応する第1の地図画像と前記撮影位置情報に対応する第2の地図画像であって前記第1の地図画像の縮尺よりも小さな縮尺の第2の地図画像とを前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせるステップとを含むプリント方法である。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項8乃至10のいずれかに記載のプリント方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、撮影画像に適した縮尺を自動的に選択して地図を撮影画像とともにプリントすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明を適用したプリント装置1の概略構成を示すブロック図である。プリント装置1は、主として、制御部10、画像取得部11、撮影位置情報取得部12、撮影日時情報取得部13、被写体距離情報取得部14、表示部16、操作部17、グループ処理部18、縮尺決定部19、地図情報検索部20、地図情報データベース(DB)21、及び、プリント部22によって構成されている。
【0023】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)からなり、プリント装置1の各部を統括して制御する。
【0024】
画像取得部11は、被写体が撮影された複数の撮影画像を取得する。撮影画像の取得態様は、特には限定されないが、例えば、第1に、撮影装置4によって画像が記録されたメモリカードその他の着脱可能な外部の記録媒体から撮影画像を読み出す態様、第2に、パーソナルコンピュータ(「PC」ともいう)等からインターネットその他のネットワークを介して撮影画像を受信する態様、第3に、撮影装置4と直接的に無線又は有線で通信して撮影画像を取得する態様がある。以下の説明では、着脱可能な外部の記録媒体から撮影画像を読み出す態様を例に説明する。
【0025】
また、撮影画像の取得は、例えば、図2に示すような画像300にヘッダ310を付加した画像ファイル30を取得することにより行う。この画像ファイル30は、Exif(Exchangeable image file format)というファイル形式で形成されており、ヘッダ310には、撮影位置情報311、撮影日時情報312、及び、被写体距離情報313が記述されている。撮影位置情報311は、撮影装置4がGPS(Global Positioning System)を利用して得た位置情報やUWB(Ultra Wide Band)無線システムを利用して得た位置情報である。撮影日時情報312は、撮影装置4が画像を撮影した年月日及び時分秒である。被写体距離情報313は、画像300を撮影したときの被写体距離を示す。
【0026】
撮影位置情報取得部12は、画像ファイル30のヘッダ310から撮影位置情報311を取得する。また、撮影日時情報取得部13は、画像ファイル30のヘッダ310から撮影日時情報312を取得する。また、被写体距離情報取得部14は、画像ファイル30のヘッダ310から被写体距離情報313を取得する。
【0027】
なお、本発明は、図2に示すような画像300にヘッダ310を付加した画像ファイル30を画像取得部11が取得する場合に特に限定しない。例えば、画像30を含む画像ファイルと、この画像ファイルと関連付けられた別のファイルであって撮影位置情報311、撮影日時情報312及び被写体距離情報313を含む撮影情報ファイル(図示を省略)を取得するようにしてもよい。このような場合、撮影位置情報取得部12、撮影日時情報取得部13及び被写体距離情報取得部14は、それぞれ撮影位置情報311、撮影日時情報312及び被写体距離情報313を、撮影情報ファイルから取得する。
【0028】
表示部16は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)からなり、撮影画像の一覧表示やメッセージの表示などの各種の表示を行う。
【0029】
操作部17は、例えばキーボードからなり、複数の撮影画像の中からプリント対象の画像を選択する操作、複数の撮影画像を自動的にグループ化するか否かを設定する操作、自動的にグループ化しない設定をした場合あるいは自動的にグループ化された結果を訂正する場合にグループの指定を入力する操作、地図画像の縮尺を自動的に決定するか否かを設定する操作、自動的に縮尺を決定しない設定をした場合あるいは自動的に決定した縮尺を訂正する場合に縮尺の指定を入力する操作、その他の操作を行うものである。
【0030】
グループ処理部18は、複数の撮影画像を自動的にグループ化する処理を行う。撮影画像のグループ化の態様には各種あり、第1に、撮影位置情報に基づいてグループ化する態様、第2に、撮影日時情報に基づいてグループ化する態様、第3に、撮影画像同士の類似度を算出してグループ化する態様、及び、これらを組み合わせた態様がある。
【0031】
縮尺決定部19は、プリント対象の撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を決定する。なお、地図画像は、地図情報DB21に各種の縮尺(例えば、1/21000、1/75000、1/15万、1/30万、1/90万)で記憶されている。縮尺決定部19は、地図情報DB21から検索可能な地図情報の縮尺(例えば、1/21000、1/75000、1/15万、1/30万、1/90万)の中から、撮影画像に適した縮尺を決定する。ここで、「縮尺」は、地図画像の寸法を地上での実際の寸法で除した値(縮小比)である。
【0032】
縮尺を決定する態様(縮尺決定態様)には以下のように各種ある。
【0033】
第1に、撮影位置から所定の基準位置までの距離の大小に基づいて縮尺を決定する態様がある。具体的には、撮影位置から基準位置までの距離が大きいほど、より小さな縮尺(例えば1/30万)の地図画像を用い、撮影位置から基準位置までの距離が小さいほど、より大きな縮尺(例えば1/75000)の地図画像を用いる。ここで、基準位置は、例えば、写真プリントを注文したユーザの住所や、ユーザが指定した特定の地点である。基準位置の指定は、ユーザが撮影装置4に予め登録しておき、写真プリントの注文時にプリント装置1が撮影装置4から外部記録媒体を介して取得する場合や、写真プリントの注文時にプリント装置1の操作部17を用いて入力する場合がある。
【0034】
第2に、撮影位置が特定の国の内外いずれであるかに基づいて縮尺を決定する態様がある。例えば、日本の在内者がイタリアを旅行して撮影した撮影画像をプリントする場合には、日本の在内者が日本で撮影した撮影画像をプリントする場合と比較して、縮尺をより小さくする。あるいは、日本の在内者がイタリアを旅行して撮影した撮影画像をプリントする場合にはイタリア全図を選択する一方で、日本の在内者が日本で撮影した撮影画像をプリントする場合には日本全図ではなくて撮影位置が属する一地域を示す地図画像を選択する。
【0035】
第3に、複数の撮影画像間の撮影位置の差に基づいて縮尺を決定する態様がある。例えば、図3に示すように、撮影装置4が生成した第1の撮影画像300a、第2の撮影画像300b及び第3の撮影画像300cをそれぞれ含む3つの画像ファイル30a、30b、30cを取得し、第1の画像ファイル30aのヘッダ310aから抽出した撮影位置情報311、第2の画像ファイル30bのヘッダ310bから抽出した撮影位置情報311、及び、第3の画像ファイル30cのヘッダ310cから抽出した撮影位置情報311の互いの差に基づいて地図画像211の縮尺を決定する。
【0036】
第4に、撮影画像の被写体距離情報313に基づいて縮尺を決定する態様がある。
【0037】
地図情報検索部20は、プリント対象の画像の撮影位置情報311に対応する地図画像211を、地図情報DB21から検索する。
【0038】
地図情報DB21は、例えば光ディスクからなり、国内外の地図情報を記憶する。地図情報には、地図画像、地図画像と経緯度との対応関係を示す情報、及び、ランドマークの位置情報が含まれる。また、複数の縮尺の地図画像を互いに関連付けて管理している。
【0039】
プリント部22は、プリント対象の画像とともにその撮影位置を示す地図画像211を所定のプリント媒体にプリントする。
【0040】
制御部10は、縮尺決定部19によって決定した縮尺の地図画像に撮影位置を示すポインタを埋め込んで撮影画像とともにプリント部22によりプリントさせる。
【0041】
図4(a)は、第1の縮尺(例えば1/75000)の地図画像211が裏面にプリントされた写真プリント221のその裏面を示す。図4(b)は第1の縮尺よりも小さな第2の縮尺(例えば1/30万)の地図画像212が裏面にプリントされた写真プリント222のその裏面を示す。これらの写真プリント221、222の表面には撮影画像がプリントされている。
【0042】
図4(a)に示す写真プリント221の地図画像211は、表面にプリントした撮影画像の撮影位置を示すポインタ1212と、同一グループに属する他の撮影画像の撮影位置を示すポインタ1211、1213とが埋め込まれている。同様に、図4(b)に示す写真プリント222の地図画像212は、表面にプリントした撮影画像の撮影位置を示すポインタ1222と、同一グループに属する他の撮影画像の撮影位置を示すポインタ1221、1223とが埋め込まれてプリントされている。図4(b)の写真プリント222は、図4(a)の写真プリント221と比較して、同一グループに属する3つの撮影画像の撮影位置の差が大きいので、図4(a)の写真プリント221の地図画像211の縮尺(例えば1/75000)よりも小さな縮尺(例えば1/30万)が選択されて、その地図画像212がプリントされている。
【0043】
地図画像211、212に埋め込まれたポインタ1211乃至1213と1221乃至1223は、それぞれ番号付きであり、番号によりグループ内での撮影順を示している。このような番号付きのポインタにより、撮影した経路を知ることができる。例えば、旅行の経路や、ウォーキングの経路などを一望できる。また、表面にプリントされた画像の撮影位置を示すポインタ1212(白抜き数字表示)と他の画像の撮影位置を示すポインタ1211、1213(黒数字表示)とは異なる形態でプリントされている。このようにポインタの形態により経路上での撮影位置の位置関係を的確に把握することができる。
【0044】
なお、図4(a)及び(b)では、1枚の写真プリントにそれぞれ1つの地図画像をプリントした場合を示したが、互いに縮尺が異なる複数の地図画像を1枚の写真プリントにプリントするようにしてもよい。
【0045】
図5(a)は、日本国内に居住するユーザが日本国内を移動しながら被写体を撮影した場合の写真プリント223を示し、図5(b)は、日本国内に居住するユーザが外国で移動しながら被写体を撮影した場合の写真プリント224を示す。具体的には、図5(a)の写真プリント223では、日本国内の詳細地図画像213aと広域地図画像213bとが裏面にプリントされており、図5(b)の写真プリント223では、イタリア国内の詳細地図画像214aとイタリア全土を示す広域地図画像214bとがプリントされている。図5(a)において、詳細地図画像213a及び広域地図画像213bに埋め込まれたポインタ1211乃至1213、1232は、それぞれ番号付きであり、番号によりグループ内での撮影順を示している。同様に、図5(b)において、詳細地図画像214a及び広域地図画像214bに埋め込まれたポインタ1241乃至1245、1254は、それぞれ番号付きであり、番号によりグループ内での撮影順を示している。これらの番号付きのポインタにより、撮影した経路を一望できる。また、表面にプリントされた画像の撮影位置を示すポインタ(白抜きで数字表示)と他の画像の撮影位置を示すポインタ(黒数字表示)とは異なる形態でプリントされている。このようにポインタの形態により経路上での撮影位置の位置関係を的確に把握することができる。
【0046】
本実施形態のプリント装置1におけるプリント制御処理を実施例1乃至3に分けて説明する。なお、以下では、図3に示すように、撮影装置4によって撮影された撮影画像(第1の撮影画像300a、第2の撮影画像300b、第3の撮影画像300c)にそれぞれヘッダ310a、310b、310cを付加した、3つの画像ファイル30a、30b、30cを取得したものとして説明する。
【0047】
まず、プリント制御処理の実施例1の流れを図6のフローチャートを用いて説明する。図6に示す各ステップは制御部10によってプログラムに従い実行される。
【0048】
図6において、被写体が撮影された複数の撮影画像を取得する(S2)。具体的には、撮影装置4が生成した3つの画像ファイル(図3の30a、30b、30c)を取得する。取得した複数の撮影画像を表示部16に一覧表示し、操作部17によるグループ指定とプリント対象画像の選択を受け付ける(S4)。ここで、3つの撮影画像300a、300b、300cがひとつのグループとして指定されるとともに、第2の撮影画像300bがプリント対象の画像として選択されたものとする。
【0049】
指定されたグループに属する画像ファイル30a、30b、30cからそれぞれ撮影位置情報311を取得し(S6)、取得した撮影位置情報311に基づいて地図画像の縮尺を決定する(S8)。例えば、地図情報DB21が、1/21000、1/75000、1/15万、1/30万及び1/90万の各縮尺の地図画像を記憶している場合、これらの地図画像の中から3つの撮影画像300a、300b、300cの間の撮影位置情報311の差に基づいて、3つの撮影位置を包含する最適な縮尺の地図画像が選択される。
【0050】
次に、プリント対象画像の撮影位置に対応する地図画像であって、決定した縮尺で形成された地図画像を地図情報DB21から検索し(S10)、検出した地図画像に撮影位置を埋め込んで(S12)、選択された撮影画像をプリント媒体の表面にプリントするとともに、地図画像をプリント媒体の裏面にプリントする(S14)。
【0051】
例えば、図3に示す写真プリント221のように、表面2211には第2の撮影画像300bがプリントされるとともに、裏面2212には第2の撮影画像300bの撮影位置を示すポインタ1212と他の撮影画像300a、300cの撮影位置を示すポインタ1211、1213が埋め込まれた地図画像211がプリントされる。図5(a)に示すように詳細地図画像213aと広域地図画像213bとを裏面にプリントするようにしてもよい。
【0052】
次に、プリント制御処理の実施例2の流れを図7のフローチャートを用いて説明する。図7に示す各ステップは制御部10によってプログラムに従い実行される。
【0053】
実施例1では操作部17によるグループ指定を受け付ける場合を説明したが、実施例2ではプリント装置1側で撮影画像のグループ化(グループ処理)を行う。すなわち、複数の画像を取得すると(S2)、取得した複数の画像をグループ化する(S24)。なお、図3に示すように画像にヘッダを付加した3つの画像ファイル30a、30b、30cを取得した場合、撮影位置の差が所定の閾値以内であり撮影年月日が同じであれば同一のグループに分類する。以降のステップS6乃至S14は実施例1と同様であり、実施例1において説明したので、説明を省略する。
【0054】
次に、プリント制御処理の実施例3の流れを図8のフローチャートを用いて説明する。図8に示す各ステップは制御部10によってプログラムに従い実行される。
【0055】
実施例1では撮影位置情報に基づいて地図画像の縮尺を決定する場合を説明したが、実施例3では被写体距離情報に基づいて地図画像の縮尺を決定する。すなわち、画像ファイルを取得することにより複数の撮影画像を取得し(S2)、プリント対象画像が選択されると(S32)、選択された撮影画像300を含む画像ファイル30のヘッダ310から撮影位置情報311とともに被写体距離情報313を取得し(S36)、この被写体距離情報313に基づいて地図画像の縮尺を決定する(S38)。被写体距離が大きいほど縮尺を小さくする。風景画像のように被写体距離が無限遠の場合には、撮影領域が広いので、地図画像の縮尺が小さい方が撮影場所を大局的に理解できることになる。
【0056】
ステップS10乃至S14は実施例1と同様であり、実施例1において説明したので、説明を省略する。
【0057】
なお、実施例1乃至3では、図2に示すような画像300にヘッダ310を付加した画像ファイル30を取得する場合を例に説明したが、本発明はこのような場合に限定されるものではなく、画像300を含む画像ファイル(図示を省略)と関連付けられた別のファイルであって、撮影位置情報311、撮影日時情報312及び被写体距離情報313を含む撮影情報ファイル(図示を省略)を画像ファイルとともに画像取得部11が取得するようにしてもよい。このような場合、撮影日時情報取得部13、撮影位置情報取得部12及び被写体距離情報取得部14は、それぞれ撮影位置情報311、撮影日時情報312及び被写体距離情報313を撮影情報ファイルから取得する。
【0058】
また、以上の説明では、写真プリントの表面に撮影画像をプリントして裏面に地図画像をプリントする場合を例に説明したが、写真プリントの一方の面に撮影画像と地図画像とをプリントするようにしてもよい。
【0059】
また、撮影位置情報311は、GPS以外に、UWB(Ultra Wide Band)無線システムを用いて得てもよい。すなわち、UWB無線システムによってユーザの位置を高精度に測位した情報を用いて、地図プリントする。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明を適用したプリント装置の概略構成を示すブロック図
【図2】撮影装置が生成した画像ファイルとそのヘッダの説明に用いる説明図
【図3】画像ファイル、地図画像及び写真プリントの関係の説明に用いる説明図
【図4】第1の縮尺の地図画像をプリントした写真プリントと第2の縮尺の地図画像をプリントした写真プリントの例を示す図
【図5】詳細地図画像及び広域地図画像の両方をプリントした写真プリントの例を示す図
【図6】プリント制御処理の実施例1の流れを示すフローチャート
【図7】プリント制御処理の実施例2の流れを示すフローチャート
【図8】プリント制御処理の実施例3の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0061】
1…プリント装置、10…制御部、11…画像取得部、12…撮影位置情報取得部、13…撮影日時情報取得部、14…被写体距離情報取得部、16…表示部、17…操作部、18…グループ処理部、19…縮尺決定部、20…地図情報検索部、21…地図情報データベース、22…プリント部、30(30a、30b、30c)…画像ファイル、300(300a、300b、300c)…撮影画像、310(310a、310b、310c)…撮影画像に付加されたヘッダ、221、222、223、224…写真プリント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得する取得手段と、
前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記撮影位置情報に基づいて決定する縮尺決定手段と、
決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせる制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記縮尺決定手段は、撮影位置から所定の基準位置までの距離に基づいて縮尺を決定することを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記縮尺決定手段は、撮影位置が特定の国の内外いずれであるかに基づいて縮尺を決定することを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項4】
前記取得手段は、複数の撮影画像を取得し、
前記縮尺決定手段は、取得した複数の撮影画像間の撮影位置の差に基づいて縮尺を決定することを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項5】
被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた被写体距離情報を取得する取得手段と、
前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記被写体距離情報に基づいて決定する縮尺決定手段と、
決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせる制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項6】
前記縮尺決定手段によって縮尺を自動的に決定するか否かを設定するとともに、前記縮尺を自動的に決定しない設定をした場合又は自動的に決定した縮尺を訂正する場合に縮尺の指定を入力する操作手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項7】
被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得する取得手段と、
前記撮影位置情報に対応する第1の地図画像と前記撮影位置情報に対応する第2の地図画像であって前記第1の地図画像の縮尺よりも小さな縮尺の第2の地図画像とを前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせる制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項8】
被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得するステップと、
前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記撮影位置情報に基づいて決定するステップと、
決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントするステップと、
を含むことを特徴とするプリント方法。
【請求項9】
被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた被写体距離情報を取得するステップと、
前記撮影画像とともにプリントする地図画像の縮尺を前記被写体距離情報に基づいて決定するステップと、
決定した縮尺の地図画像を前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントするステップと、
を含むことを特徴とするプリント方法。
【請求項10】
被写体が撮影された撮影画像及び該撮影画像に関連付けられた撮影位置情報を取得するステップと、
前記撮影位置情報に対応する第1の地図画像と前記撮影位置情報に対応する第2の地図画像であって前記第1の地図画像の縮尺よりも小さな縮尺の第2の地図画像とを前記撮影画像とともに所定のプリント手段により所定のプリント媒体にプリントさせるステップと、
を含むことを特徴とするプリント方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれかに記載のプリント方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−33274(P2006−33274A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207496(P2004−207496)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】