説明

プリント配線基板、基板積層体、平面コイルおよび平面トランス

【課題】同一仕様の小型のプリント配線基板を1枚または複数枚用いて基板積層体とすることによって、高いインダクタンス値を有する小型の平面コイルおよび平面トランスを提供する。
【解決手段】同一仕様の複数枚のプリント配線基板1を交互に裏返し、その第1外層面1aどうしを、或いは第2外層面1cどうしを当接させて順次重ね合わせて基板積層体Sを構築し、第1および第2選択接続部41,42間、第3および第4選択接続部43、44間に適宜接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着すると共に、これらのプリント配線基板Pにおける第1導体部11間を、また第6導体部16間を順に接続していくことで、簡易に所望とするターン数の平面コイルを実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線基板、基板積層体、平面コイルおよび平面トランスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の小型化に応えるべく、例えば絶縁基板の両面に導体パターンをそれぞれループ状に形成したプリント配線基板を用いて平面コイル(誘導素子)を構築する技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。また上記と同様な構成のプリント配線基板を複数枚積層して平面コイルや平面トランス等の誘導素子を構築する技術が知られている(例えば特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−294085号公報
【特許文献2】特開2009−259922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1,2に紹介される従来の技術においては、同一層に複数の巻き回数を設定している。ここで、導体の抵抗成分を小さくして、損失エネルギーを抑えるために、一定のパターン幅を確保しながら巻き回数を増やすと、平面コイルや平面トランスに要する面積が大きくなり、これらを用いた装置の小型化を妨げる虞がある。
また、仕様の異なる誘導素子を実現するに際して、例えばコイル部をなす導体パターンや基板間接続部の形状・位置等が異なる、複数種類のプリント配線基板を準備する必要がある。この為、複数種類のコイル部を含むプリント配線基板の設計工数や、複数種類のプリント配線基板を用いることによって製造コストが増大するという課題があった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、単独でまたは所定枚数積層して用いられて、仕様の異なる誘導素子を簡易に実現する上での基盤となるすべての設計仕様を統一した小型のプリント配線基板を提供することにある。また、同一仕様の小型のプリント配線基板を1枚または複数枚用いて基板積層体とすることによって、高いインダクタンス値を有する小型の平面コイルおよび平面トランスを提供することにある。
即ち、本発明は同一仕様のプリント配線基板を1枚または複数枚積層して用いることで、平面コイルや平面トランスなどの誘導素子の設計自由度を高めるとともに、コイル部を含むプリント配線基板の設計工数や製造コストの低減と製造品質の向上とを実現できる小型のプリント配線基板とそれを積層した基板積層体、並びに上記プリント配線基板または基板積層体を備えた高いインダクタンス値を有する小型の平面コイルおよび平面トランスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するべく本発明に係るプリント配線基板は、複数の絶縁基板を積層した積層基板の両面をなす第1外層面および第2外層面と、前記絶縁基板どうしが当接する内層面とにそれぞれ導体部を備え、且つ複数枚積層して形成される基板積層体の構成要素をなすことのできるプリント配線基板であって、前記第1外層面の予め定めた第1領域を囲むループを形成して前記第1外層面に設けた第1導体部と、前記第1領域に重ねて前記内層面に定めた第2領域を囲むループを形成して前記内層面に設けた第3導体部と、前記第1領域に重ねて前記第2外層面に定めた第3領域を囲むループを形成して前記第2外層面に設けた第6導体部と、前記第1導体部から離反して前記第1外層面に設けた第2、第4および第8導体部と、前記第3導体部から離反して前記内層面に設けた第7導体部と、前記第6導体部から離反して前記第2外層面に設けた第5導体部と、前記絶縁基板の両外層面および内層面間に跨って設けられて、前記第2導体部と前記第3導体部とを接続した第1層間接続部と、前記第4導体部と前記第3導体部および前記第5導体部とを接続した第2層間接続部と、前記第1導体部と前記第7導体部とを接続した第3層間接続部と、前記第7導体部と前記第8導体部とを接続した第4層間接続部と、前記第1領域を通る基準線を中心として区分される前記第1外層面の一側の領域において前記第1導体部および前記第2導体部にそれぞれ連なって設けられて前記第1導体部と前記第2導体部との選択接続に供される第1および第2選択接続部と、前記第1外層面の一側の領域に重なる前記第2外層面の一側の領域において前記第5導体部および前記第6導体部にそれぞれ連なって設けられて前記第5導体部と前記第6導体部との選択接続に供される第3および第4選択接続部と、前記基準線を中心として区分される前記第1外層面の他側の領域において前記第1および第2選択接続部の形成領域と線対称となる領域と前記第1外層面の他側の領域に重なる前記第3外層面の他側の領域において前記第3および第4選択接続部の形成領域と線対称となる領域とを導体部の非形成領域としたことを特徴としている。
【0007】
好ましくは、前記第1、第2、第3領域は、前記絶縁基板に穿たれたホールの開口領域として規定される。また前記基準線を中心として前記第1および第2選択接続部、並びに前記第3および第4選択接続部の形成領域と線対称となる導体部の非形成領域についても、前記絶縁基板に穿いたホールの開口領域としておくことが望ましい。
【0008】
また、本発明に係るプリント配線基板は、前記第1導体部に連なって前記第1外層面に設けられて、別のプリント配線基板における前記第8導体部との接続に用いられる第1および第2基板間接続部と、前記第6導体部に連なって前記第2外層面に設けられて別のプリント配線基板における第6導体部との接続に用いられる第3および第4基板間接続部とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係るプリント配線基板は、複数の前記絶縁基板どうしが当接し、前記導体部を有する内層面を複数備えることを特徴としている。
【0010】
更に本発明に係る基板積層体は、同一仕様の上述した複数枚のプリント配線基板を積層したものであって、前記複数枚のプリント配線基板は、前記第1外層面どうしを、または前記第2外層面どうしを当接させ、且つ前記第1領域、第2および第3領域を相互に重ね合わせて積層し、前記第1および第2基板間接続部または前記第3および第4基板間接続部を介して基板間接続したことを特徴としている。
【0011】
そして本発明に係る平面コイルは、前述したプリント配線基板、若しくは基板積層体を備えたことを特徴とし、また本発明に係る平面トランスは、前述した複数の基板積層体を備え、該複数の基板積層体がそれぞれ備える平面コイルを互いに電磁結合させて積層したことを特徴としている。
この平面コイルの電磁結合は、例えば複数の基板積層体間に跨って、前記第1領域および第2領域を形成したホールに挿通させたコア体を介して行われる。
【発明の効果】
【0012】
上述した構成のプリント配線基板によれば、同一仕様の複数枚のプリント配線基板を交互に裏返し、その第1外層面どうしを、或いは第2外層面どうしを当接させて順次重ね合わせて基板積層体を構築し、第1および第2選択接続部間、第3および第4選択接続部間に適宜接続部品で接続すると共に、これらのプリント配線基板における第1導体部間を、また第6導体部間を順に接続していくことで、簡易に所望とするターン数の平面コイルを実現することができる。
【0013】
しかも前述した第2導体部と第4導体部と第5導体部と第7導体部と第8導体部とを利用し、隣り合って積層されるプリント配線基板の導体部間を接続するだけなので、前述した特許文献1,2等に紹介される従来技術と異なって、プリント配線基板毎にコイル部をなす導体パターンや、その接続部の位置等を変える必要がない。換言すれば形状や大きさ、更には導体パターン等を統一した同一仕様のプリント配線基板を1枚または複数枚積層して用いることで、所望とするターン数の平面コイルや平面トランス等の誘導素子を自由に設計することができ、その設計自由度が高い。また同一仕様のプリント配線基板を統一的に用いるだけなので、基となるプリント配線基板の設計工数の低減ができるとともに、平面コイルや平面トランス等の誘導素子を構成する上での製造コストを低減でき、製造品質の向上を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリント配線基板の概略構成を示す図で、(a)は概略的な外観斜視図、(b)は第1外層面、第2外層面および内層面における導体部等の積層イメージ図。
【図2】(a)は第1外層面における構成図、図2(b)は内層面における構成図、図2(c)は第2外層面における構成図。
【図3】1枚のプリント配線基板を用いて1ターン、2ターンおよび3ターンの平面コイルを形成する導体間接続例を示す図。
【図4】積層した2枚のプリント配線基板を用いて4ターン、5ターンおよび6ターンの平面コイルを形成する導体間接続例を示す図。
【図5】積層した2枚のプリント配線基板間の接続構造例を示す図。
【図6】積層した3枚のプリント配線基板を用いて7ターン、8ターンおよび9ターンの平面コイルを形成する導体間接続例を示す図。
【図7】3枚のプリント配線基板の積層構造例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプリント配線基板1(後にプリント配線基板P1ともいう)の概略構成を示す図であり、(a)はプリント配線基板1の概略的な外観斜視図である。
プリント配線基板1は、2枚の所定厚みの絶縁基板を積層した積層基板である。プリント配線基板1は、第1外層面1aおよび第2外層面1cを備えている。また、2枚の絶縁基板どうしが当接する内層面1bを備えている。さらに、第1外層面1a、第2外層面1cおよび内層面1bはそれぞれ印刷配線により形成した導体部等を備えており、図1(b)には、第1外層面1a、第2外層面1cおよび内層面1bにおける導体部等の積層イメージ図を示した。
このプリント配線基板1は、単独で用いられて、或いは複数枚積層して構成される基板積層体の構成要素となるものである。
なお、プリント配線基板1は、3枚以上の所定厚みの絶縁基板を積層した積層基板であってもよい。この場合、内層面が複数形成され、ループの数を増やすことができる等設計の自由度が向上する。
【0016】
図2に、図1(a)に示した斜視図のView方向から見た、第1外層面1a、内層面1bおよび第2外層面1cにおける構成図を示した。図2(a)は第1外層面1aにおける構成図、図2(b)は内層面1bにおける構成図、図2(c)は第2外層面1cにおける構成図である。
図2に示すように、プリント配線基板1を構成する絶縁基板は、全体的には基準線Xを中心として略対称な凸型の形状を有し、その凸部には前記基準線Xを中心とする矩形状のホール(開口部)3が穿たれている。このホール3により、平面コイルの形成領域を規定する為の矩形状の第1領域3aが第1外層面1aに設定され、同時に内層面1bには第1領域3aと重なる第2領域3bが、第2外層面1cには第1領域3aと重なる矩形状の第3領域3cが設定されている。
【0017】
第1外層面1a、内層面1bおよび第2外層面1cにそれぞれ印刷配線により形成される導体部は、基本的には第1領域3a(ホール3)を囲むループを形成して第1外層面1aに設けた第1導体部11と、第2領域3b(ホール3)を囲むループを形成して内層面1bに設けた第3導体部13、第3領域3c(ホール3)を囲むループを形成して第2外層面1cに設けた第6導体部16とからなる。
さらに、第1導体部11から離反して第1外層面1aに設けた第2導体部12、第4導体部14および第8導体部18と、第3導体部13から離反して内層面1bに設けた第7導体部17と、第6導体部16から離反して第2外層面1cに設けた第5導体部15とからなる。
なお、ここではホール3の周囲にそれぞれ1ターンの導体ループを形成した例について説明するが、複数ターンの導体ループを形成した第1導体部11、第3導体部13および第6導体部16を設けることも勿論可能である。
【0018】
具体的には第1導体部11は、図2(a)に示すように第1外層面1aにおいて、凸型の絶縁基板の底辺部一端側から凸部にかけて延在し、第1領域3aの周囲を略一周(1ターン)した後、絶縁基板の底辺部他端側に延びる導体パターンからなる。ここで、第1導体部11の一部は、底辺部一端側で枝分かれし、底辺部一端側から底辺部中央部にかけて設けられている。
また、第3導体部13は、図2(b)に示すように内層面1bにおいて、第2領域3bの近傍から第2領域3bの周囲を略一周(1ターン)する導体パターンからなる。
また、第6導体部16は、図2(c)に示すように第2外層面1cにおいて、凸型の絶縁基板の底辺部一端側と底辺部中央部との間から凸部にかけて延在し、第3領域3cの周囲を略一周(1ターン)した後、絶縁基板の底辺部中央部に延びる導体パターンからなる。ここで、第6導体部16の一部は、底辺部一端側と底辺部中央部との間から凸部にかけて向かう途中で枝分かれして第3領域3cの周囲に形成され、第3領域3cの周囲を略一周する第6導体部16の近くまで形成されている。
【0019】
第1導体部11に加えて、第1外層面1aには図2(a)に示すように、第1領域3aの近傍から凸型の絶縁基板の底辺部他端側と底辺部中央部との間に掛けて第1導体部11と平行に第2導体部12が設けられ、第1領域3aの近傍から凸型の絶縁基板の底辺部中央に掛けて第1導体部11と平行に第4導体部14が設けられ、凸型の絶縁基板の底辺部中央と他端部との間で第2導体部12より他端側に第8導体部18が設けられている。
また、第3導体部13に加えて、内層面1bには図2(b)に示すように、底辺部他端側と底辺部中央部との間から底辺部中央部にかけて、基準線Xを跨いで図2(a)に示した第2導体部12および第4導体部14と交差するように第7導体部17が設けられている。
また、第6導体部16に加えて、第2外層面1cには図2(c)に示すように、第3領域3cの近傍に第5導体部15が設けられている。
【0020】
第2導体部12と第3導体部13とは、凸型形状をなす絶縁基板の中央部の他端側において絶縁基板の両面間を挿通して設けられた貫通ビアからなる第1層間接続部21を介して接続されている。
また、第4導体部14と第3導体部13および第5導体部15とは、凸型形状をなす絶縁基板の基準線X近くの他端側で第1層間接続部21よりホール3に近い位置で、絶縁基板の両面間を挿通して設けられた貫通ビアからなる第2層間接続部22を介して接続されている。
また、第1導体部11と第7導体部17とは、凸型形状をなす絶縁基板の底辺部の基準線X近くの一端側で、絶縁基板の両面間を挿通して設けられた貫通ビアからなる第3層間接続部23を介して接続されている。
また、第7導体部17と第8導体部18とは、凸型の絶縁基板の底辺部中央と他端部との間で第2導体部12より他端側で、絶縁基板の両面間を挿通して設けられた貫通ビアからなる第4層間接続部24を介して接続されている。
なお、層間接続部は、貫通ビアを用いるものに限らず、非貫通ビア(IVまたはIVH)を用いてもよい。
【0021】
また、第1外層面1aにおいて、第1導体部11と第2導体部12とが互いに近接して並行に配設された部位には、第1導体部11および第2導体部12にそれぞれ連なる第1および第2選択接続部(パッド)41,42が近接させて設けられている。これらの第1および第2選択接続部41,42は、第1導体部11と第2導体部12との選択的な接続に供されるもので、その接続は、例えば外付けの接続部品である0Ωのチップ抵抗を前記選択接続部41,42間に跨って装着することにより実現される。接続部品は0Ωのチップ抵抗に限らず、例えば選択接続部どうしを直接半田付けなどで電気的に接続する方法であってもよい。
【0022】
第1および第2選択接続部41,42は、基準線Xにて区分される第1外層面1aの一方の領域、具体的には図2(a)において基準線Xの右側の領域に設けられている。そして基準線Xにて区分される第1外層面1aの他方の領域、具体的には図2(a)において基準線Xの左側領域における第1および第2選択接続部41,42の形成領域とは線対称となる領域には、導体の非形成領域としてのホール4が設けられている。
【0023】
このホール4は、後述するように2枚のプリント配線基板1を、その第1外層面1aどうしを当接させて重ね合わせたとき、つまり一方のプリント配線基板1を裏返しに重ね合わせたとき、別のプリント配線基板1における第1および第2選択接続部41,42を別のプリント配線基板の第2外層面1c側に露出させる役割を担う。またこのホール4は、2枚のプリント配線基板を重ね合わせたとき、別のプリント配線基板1の第1および第2選択接続部41,42に装着される前述した接続部品の逃げ領域(非干渉領域)としても機能する。
【0024】
また、第2外層面1cにおいて、第5導体部15と第6導体部16とが互いに近接して配設された部位には、第5導体部15および第6導体部16にそれぞれ連なる第3および第4選択接続部(パッド)43,44が近接させて設けられている。これらの第3および第4選択接続部43,44は、第5導体部15と第6導体部16との選択的な接続に供されるもので、その接続は、例えば外付けの接続部品である0Ωのチップ抵抗を第3および第4選択接続部43,44間に跨って装着することにより実現される。接続部品は0Ωのチップ抵抗に限らず、例えば選択接続部どうしを直接半田付けなどで電気的に接続する方法であっても良い。
【0025】
第3および第4選択接続部43,44は、第1外層面1aの一方の領域に重なる第2外層面1cの一方の領域、具体的には図2(c)において基準線Xの右側の領域に設けられている。そして基準線Xにて区分される第2外層面1cの他方の領域、具体的には図2(c)において基準線Xの左側領域における第3および第4選択接続部43,44の形成領域とは線対称となる領域には、導体の非形成領域としてのホール5が設けられている。
【0026】
このホール5は、後述するように2枚のプリント配線基板1を、その第2外層面1cどうしを当接させて重ね合わせたとき、つまり一方のプリント配線基板1を裏返しに重ね合わせたとき、別のプリント配線基板1における第3および第4選択接続部43,44を別のプリント配線基板の第1外層面1a側に露出させる役割を担う。またこのホール5は、2枚のプリント配線基板を重ね合わせたとき、別のプリント配線基板1の第3および第4選択接続部43,44に装着される前述した接続部品の逃げ領域(非干渉領域)としても機能する。
【0027】
一方、プリント配線基板1の第1外層面1aには、第1導体部11に連なって、別のプリント配線基板1における第8導体部18との接続に用いられる第1基板間接続部39および第2基板間接続部40が設けられる。
他方、プリント配線基板1の第2外層面1cには、第6導体部16に連なって、別のプリント配線基板1における第6導体部16との接続に用いられる第3基板間接続部36および第4基板間接続部37が設けられる。
【0028】
第4基板間接続部37は、第6導体部16の一端部に設けられており、更にこの第4基板間接続部37の側部には導体の非形成領域としてのホール6が設けられている。このホール6は、2枚のプリント配線基板1を、その第2外層面1cどうしを当接させて重ね合わせたときに、別のプリント配線基板1における第6導体部16の一部を当該プリント配線基板の第2外層面1c側に露出させる役割を担う。
【0029】
そして基準線Xを中心としてホール6とは線対称となる領域であって、第6導体部16の上述した如くホール6を介して露出される一部の領域は、第6導体部16と別のプリント配線基板1における第6導体部16の第4基板間接続部37との接続に供される第3基板間接続部(パッド)36として設定されている。この第3基板間接続部36は、第4基板間接続部37と対をなす接続領域である。
【0030】
また、第8導体部18の前述した第2基板間接続部40の側部には、導体の非形成領域としての切り欠き7が設けられている。この切り欠き7は、2枚のプリント配線基板1を、その第1外層面1aどうしを当接させて重ね合わせたときに、別のプリント配線基板1における第1導体部11の一部を当該プリント配線基板1の第1外層面1aに露出させる役割を担う。そして基準線Xを中心として切り欠き7と線対称となる領域であって、第1導体部11の上述した如く切り欠き7を介して露出される領域は、2枚のプリント配線基板1における第1導体部11と第8導体部18との接続に供される第1基板間接続部(パッド)39として設定されている。この第1基板間接続部39は、第2基板間接続部40と対をなす接続領域である。
ここで、切り欠き7は、ホールであってもよい。
【0031】
なお、プリント配線基板1の第1外層面1aの底辺部にそれぞれ位置付けられた第1導体部11の両端部、第2導体部12および前記第4導体部14の他端部は、外部配線接続部(パッド)31,32,33,34として設定されている。
また、プリント配線基板1の第2外層面1cの底辺部にそれぞれ位置付けられた第6導体部16の両端部は、外部配線接続部(パッド)35,38として設定されている。
そしてプリント配線基板1の第1外層面1aおよび第2外層面1cは、前述した基板間接続部36,37,39,40および前記外部配線接続部31,32,33,34,35,38を除いて後述するソルダーレジスト26にて被覆され、外部に対して絶縁されている。
【0032】
次に上記構成のプリント配線基板1を用いて実現される平面コイル(プレーナコイル)について説明する。
図3は、1枚のプリント配線基板1を用いて1ターン、2ターンおよび3ターンの平面コイルを形成する導体間接続例を示す図である。なお、図3においては、プリント配線基板1に形成した導体部を、その一面側である第1外層面1aから透視した状態で示している。
【0033】
1ターンの平面コイルを実現する場合、第1および第2選択接続部41,42間を離反させた状態のまま、図3に示すように第1外部配線接続部31から第1導体部11を経て第2外部配線接続部32に至る、図中太実線Aで示す導体路を形成する。すると第1導体部11は、ホール3の周囲を略1周しているだけなので、ここに1ターンの平面コイルが実現される。
【0034】
2ターンの平面コイルを実現する場合、第1および第2選択接続部41,42間に接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着し、第1導体部11と第2導体部12を接続する。
図3に示すように、第1外部配線接続部31から第1導体部11を経て第1選択接続部41に至り、更にチップ抵抗27を介して第2選択接続部42から第2導体部12に至る導体路が形成される。第2導体部12は、第1層間接続部21を介して内層面1bの第3導体部13の一端に接続されている。第3導体部13の他端は、第2層間接続部22を介して第4導電部14と接続され、第4導体部14を経てその端部の第4外部配線接続部34に至る、図中太実線Aおよび太破線Bで示す導体路が形成される。すると第1導体部11はホール3の周囲を略1周しており、第3導体部13は第1導体部11に重なってホール3の周囲を略1周しているので、ここに2ターンの平面コイルが実現される。
【0035】
3ターンの平面コイルを実現する場合、2ターンの平面コイルの構成に加え、第3および第4選択接続部43,44間に接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着し、第5導体部15と第6導体部16を接続する。
第3導体部13の他端は、第2層間接続部22を介して第5導電部15と接続されており、第5導電部15と第6導電部16とがチップ抵抗27によって接続されるので、第6導体部16を経てその端部の第5外部配線接続部35に至る、図中太実線A、太破線Bおよび太1点鎖線Cで示す導体路が形成される。すると第1導体部11はホール3の周囲を略1周しており、第3導体部13は第1導体部11に重なってホール3の周囲を略1周しており、第6導体部16は第1導体部11に重なってホール3の周囲を略1周しているので、ここに3ターンの平面コイルが実現される。
【0036】
一方、4ターン、5ターンおよび6ターンの平面コイルを実現する場合には、上述した3ターンの平面コイルを構築したプリント配線基板P1に加えて、該プリント配線基板P1と同一仕様の別(2枚目)のプリント配線基板P2をプリント配線基板P1に積層して実現する。そして1枚目のプリント配線基板P1については、図3に示した3ターンの平面コイルを形成する接続を行う。
【0037】
図4は、積層した2枚のプリント配線基板を用いて4ターン、5ターンおよび6ターンの平面コイルを形成する導体間接続例を示す図である。
2枚目のプリント配線基板P2ついては、1枚目のプリント配線基板P1に対して裏返しにし、第2外層面1cどうしを当接させて積層する。つまり図4に示すように1枚目のプリント配線基板P1の第2外層面1cに2枚目のプリント配線基板P2の第2外層面1cを重ね合わせる。この際、2枚のプリント配線基板P1,P2における前述したホール3を同軸に位置合わせし、これらの各プリント配線基板P1,P2にそれぞれ設けられた第1導体部11、第3導体部13および第6導体部16が前記ホール3の周囲において互いに重なり合うように配置する。
【0038】
なお、この図4においても各プリント配線基板P1,P2の両面にそれぞれ設けられた導体部については、1枚目のプリント配線基板P1の第1外層面1a側から見た透視パターンとして示してある。そして1枚目のプリント配線基板P1における第3基板間接続部36を、2枚目のプリント配線基板P2における第4基板間接続部37に接続し、これによって両プリント配線基板P1,P2における第6導体部16どうしを接続する。
【0039】
すると、2枚目のプリント配線基板P2における第6導体部16の端部に設けられた第8外部接続部38に至る太1点鎖線Dで示す導体路が形成される。このとき2枚目のプリント配線基板P2における第6導体部16もホール3の周囲を略1周しているので、前述した1枚目のプリント配線基板P1と合わせて4ターンの平面コイルを実現した基板積層体Sが構築される。
【0040】
なお、2枚のプリント配線基板P1,P2の積層と、2枚のプリント配線基板P1,P2間の接続については、図5に、積層した2枚のプリント配線基板間の接続構造例を示す図を示した。
図5(a)にその断面構造を模式的に示すように、半田や異方性導電フィルム等の導電接続部材51を用いて2枚のプリント配線基板P1,P2の導体部間を電気的に接続すれば良い。この際、各プリント配線基板P1,P2の両面にそれぞれ配設された導体部間を相互に接続する貫通ビア25を適宜設けておけば、図5(b)に示すように他のプリント配線基板1の導体部との接続領域を拡大することができ、その接続信頼性を高めることが可能となる。
【0041】
また、5ターンの平面コイルを実現する場合には、2枚目のプリント配線基板P2における第3および第4選択接続部43,44間に接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着し、2枚目のプリント配線基板P2における第5導体部15と第6導体部16を接続する。
すると、2枚目のプリント配線基板P2における第6導体部16の他端は、第2層間接続部22を介して第3導電部13の一端と接続される。プリント配線基板P2における第3導電部13の他端は、第1層間接続部21を介して、第2導体部12に接続され、第2導体部12の端部の第3外部配線接続部33に至る太破線Eで示される導通路が追加形成される。プリント配線基板P2において、第3導電部13はホール3の周囲を略1周しているので、5ターンの平面コイルを実現した基板積層体Sが構築される。
【0042】
また、6ターンの平面コイルを実現する場合には、2枚目のプリント配線基板P2における選択接続部41,42間に接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着し、2枚目のプリント配線基板P2における第2導体部12と第1導体部11を接続する。
すると、2枚目のプリント配線基板P2における第3導体部13の端は第1層間接続部21および第2導体部12を介して第1導体部11に接続され、第1導体部11の端部の第1外部配線接続部31に至る太実線Fで示す導通路が追加形成される。プリント配線基板P2において、第1導電部11はホール3の周囲を略1周しているので、6ターンの平面コイルを実現した基板積層体Sが構築される。
【0043】
また、7ターン、8ターンおよび9ターンの平面コイルを実現する場合には、前述した6ターンの平面コイルを構築した2枚のプリント配線基板P1,P2の基板積層体Sに加えて、更に上記各プリント配線基板P1,P2と同一仕様の3枚目のプリント配線基板P3を積層する。
【0044】
図6は、積層した3枚のプリント配線基板を用いて7ターン、8ターンおよび9ターンの平面コイルを形成する導体間接続例を示す図である。
この3枚目のプリント配線基板P3ついては1枚目のプリント配線基板P1に積層した2枚目のプリント配線基板P2に対して裏返しにして積層する。この際、3枚のプリント配線基板P1,P2,P3における各ホール3を互いに同軸に位置合わせし、これらのプリント配線基板P1,P2,P3にそれぞれ設けられた第1導体部11、第3導体部13および第6導体部16がホール3の周囲において互いに重なり合うように配置することは言うまでもない。
【0045】
具体的には、1枚目および2枚目のプリント配線基板P1,P2については、前述した図4に示すように6ターンの平面コイルを形成する接続を行い、図6に示すように2枚目のプリント配線基板P2の第1外層面1aに3枚目のプリント配線基板P3の第1外層面1aを当接させてこれらを重ね合わせる。なお、この図6においても前述した図2、図3および図4と同様に各プリント配線基板P1,P2,P3の両面にそれぞれ設けた導体部については、1枚目のプリント配線基板P1の第1外層面1a側から見た透視パターンとして示してある。そして2枚目のプリント配線基板P2における第1基板間接続部39を3枚目のプリント配線基板P3における第2基板間接続部40に接続し、これによって2枚目のプリント配線基板P2における第1導体部11と3枚目のプリント配線基板P3における第8導体部18とを接続する。
【0046】
すると、第8導体部18は、前述したように第4層間接続部24を介して第7導体部17に接続され、第7導体部17は第3層間接続部23を介して第1導体部11に接続され、第1導体部11の端部の第1外部配線接続部31に至る太実線Gで示す導通路が追加形成される。3枚目のプリント配線基板P3において、第1導体部11はホール3の周囲を略1周しているので、7ターンの平面コイルを実現した基板積層体Sが構築される。
【0047】
そして、この3枚目のプリント配線基板P3についても、その第1および第2選択接続部41,42間に接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着すれば、第1導体部11と第2導体部12とが接続される。
すると、この第2導体部12は第1層間接続部21を介して内層面1bの第3導体部13の一端に接続される。第3導体部13の他端は第2層間接続部22を介して第4導体部14の一端に接続され、第4導体部14の一端の第4外部配線接続部34に至る太破線Hで示す導通路が追加形成される。3枚目のプリント配線基板P3において、第3導体部13はホール3の周囲を略1周しているので、8ターンの平面コイルを実現した基板積層体Sが構築される。
【0048】
すると、この第2導体部12は第1層間接続部21を介して内層面1bの第3導体部13の一端に接続される。第3導体部13の他端は第2層間接続部22を介して第4導体部14の一端に接続され、第4導体部14の一端の第4外部配線接続部34に至る太破線Fで示す導通路が追加形成される。3枚目のプリント配線基板P3において、第3導体部13はホール3の周囲を略1周しているので、8ターンの平面コイルを実現した基板積層体Sが構築される。
第3導体部13は、第2層間接続部22を介して第5導体部15に接続されているので、プリント配線基板P3の第3および第4選択接続部43,44間に接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着すれば、第5導体部15と第6導体部16とが接続され、第6導体部16の一端の第5外部配線接続部35に至る太1点鎖線Iで示す導通路が追加形成される。3枚目のプリント配線基板P3において、第6導体部16はホール3の周囲を略1周しているので、9ターンの平面コイルを実現した基板積層体Sが構築される。
【0049】
ちなみに上述した如くして3枚のプリント配線基板P1,P2,P3を積層して基板積層体Sを構成するに際しては、例えば図7に示すようなE字形のクランプ部材61を用いて各プリント配線基板P1,P2,P3のホール3を設けた凸部側をクランプすることができる。この際、クランプ部材の中央突部を前記各プリント配線基板P1,P2,P3のホール3にそれぞれ挿通させることで各プリント配線基板P1,P2,P3を位置合わせする。この際、インダクタンス値を増加させたり洩れ磁束を低減させたりするために、該クランプ部材として平面コイルのコア体となる部材を用いることが好ましい。このようなクランプ部材(コア体)を用いれば、複数の平面コイルを磁気結合させて平面トランスを実現する場合にも好都合である。
【0050】
上述した構成のプリント配線基板1によれば、同一仕様の複数枚のプリント配線基板1を交互に裏返し、その第1外層面1aどうしを、或いは第2外層面1cどうしを当接させて順次重ね合わせて基板積層体Sを構築し、第1および第2選択接続部41,42間、第3および第4選択接続部43、44間に適宜接続部品である0Ωのチップ抵抗27を装着すると共に、これらのプリント配線基板Pにおける第1導体部11間を、また第6導体部16間を順に接続していくことで、簡易に所望とするターン数の平面コイルを実現することができる。
【0051】
しかも前述した第2導体部12と第4導体部14と第5導体部15と第7導体部17と第8導体部18とを利用し、隣り合って積層されるプリント配線基板1の導体部間を接続するだけなので、前述した特許文献1,2等に紹介される従来技術と異なって、プリント配線基板毎にコイル部をなす導体パターンや、その接続部の位置等を変える必要がない。換言すれば形状や大きさ、更には導体パターン等を統一した同一仕様のプリント配線基板1を1枚または複数枚積層して用いることで、所望とするターン数の平面コイルや平面トランス等の誘導素子を自由に設計することができ、その設計自由度が高い。また同一仕様のプリント配線基板1を統一的に用いるだけなので、基となるプリント配線基板1の設計工数の低減ができるとともに、平面コイルや平面トランス等の誘導素子を構成する上での製造コストを低減でき、製造品質の向上を図ることも可能となる。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、プリント配線基板1の形状や第1外層面および第2外層面に印刷配線により形成される導体部などの構成要素の形状やその配置などは、実施形態以外にも選択可能である。
【0053】
また、ホール3を囲んでその周囲に設ける第1導体部11、第3導体部13および第6導体部16については、予めその周回数(ターン数)を任意に設定しておけば良い。また第1、第3および第6導体部11,13,16間を接続するための第2導体部12、第4導体部14、第5導体部15、第7導体部17および第8導体部18の導体パターンや面間接続部の位置等については、第1導体部11、第3導体部13および第6導体部16が同じ向きの周回パターンをなすように定めることは勿論のことである。
【0054】
さらに、第1外層面1a、内層面1bおよび第2外層面1cにおける第1領域3aと第2領域3bと第1領域3cとをそれぞれ規定する上で、必ずしも絶縁基板にホール3を設ける必要がないことも勿論のことであり、要は第1、第3および第6導体部11,13,16による導体ループ(平面コイル)の形成位置を規定する領域を設定すれば十分である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【符号の説明】
【0055】
1,P1,P2,P3:プリント配線基板、S:基板積層体、1a:第1外層面、1b:内層面、1c:第2外層面、3(3a,3b,3c):ホール(第1、第2および第3領域)、4,5,6:ホール(導体の非形成領域)、7:切り欠き(導体の非形成領域)、11:第1導体部、12:第2導体部、13:第3導体部、14:第4導体部、15:第5導体部、16:第6導体部、17:第7導体部、18:第8導体部、21,22,23,24:第1、第2、第3および第4層間接続部(貫通ビア)、37:第3基板間接続部(パッド)、38:第4基板間接続部(パッド)、39:第1基板間接続部(パッド)、40:第2基板間接続部(パッド)、41:第1選択接続部(パッド)、42:第2選択接続部(パッド)、43:第3選択接続部(パッド)、44:第4選択接続部(パッド)、31,32,33,34,35,38:外部配線接続部(パッド)、26:ソルダーレジスト、27:チップ抵抗、51:導電接続部材、61:クランプ部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絶縁基板を積層した積層基板の両面をなす第1外層面および第2外層面と、前記絶縁基板どうしが当接する内層面とにそれぞれ導体部を備え、且つ複数枚積層して形成される基板積層体の構成要素をなすことのできるプリント配線基板であって、
前記第1外層面の予め定めた第1領域を囲むループを形成して前記第1外層面に設けた第1導体部と、
前記第1領域に重ねて前記内層面に定めた第2領域を囲むループを形成して前記内層面に設けた第3導体部と、
前記第1領域に重ねて前記第2外層面に定めた第3領域を囲むループを形成して前記第2外層面に設けた第6導体部と、
前記第1導体部から離反して前記第1外層面に設けた第2、第4および第8導体部と、前記第3導体部から離反して前記内層面に設けた第7導体部と、
前記第6導体部から離反して前記第2外層面に設けた第5導体部と、
前記絶縁基板の両外層面および内層面間に跨って設けられて、前記第2導体部と前記第3導体部とを接続した第1層間接続部と、
前記第4導体部と前記第3導体部および前記第5導体部とを接続した第2層間接続部と、
前記第1導体部と前記第7導体部とを接続した第3層間接続部と、
前記第7導体部と前記第8導体部とを接続した第4層間接続部と、
前記第1領域を通る基準線を中心として区分される前記第1外層面の一側の領域において前記第1導体部および前記第2導体部にそれぞれ連なって設けられて前記第1導体部と前記第2導体部との選択接続に供される第1および第2選択接続部と、
前記第1外層面の一側の領域に重なる前記第2外層面の一側の領域において前記第5導体部および前記第6導体部にそれぞれ連なって設けられて前記第5導体部と前記第6導体部との選択接続に供される第3および第4選択接続部と、
前記基準線を中心として区分される前記第1外層面の他側の領域において前記第1および第2選択接続部の形成領域と線対称となる領域と前記第1外層面の他側の領域に重なる前記第3外層面の他側の領域において前記第3および第4選択接続部の形成領域と線対称となる領域とを導体部の非形成領域とした
ことを特徴とするプリント配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線基板において、
前記第1導体部に連なって前記第1外層面に設けられて、別のプリント配線基板における前記第8導体部との接続に用いられる第1および第2基板間接続部と、
前記第6導体部に連なって前記第2外層面に設けられて別のプリント配線基板における第6導体部との接続に用いられる第3および第4基板間接続部とを備える
ことを特徴とするプリント配線基板。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプリント配線基板において、
複数の前記絶縁基板どうしが当接し、前記導体部を有する内層面を複数備える
ことを特徴とするプリント配線基板。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の同一仕様の複数枚のプリント配線基板を積層した基板積層体であって、
前記複数枚のプリント配線基板は、前記第1外層面どうしを、または前記第2外層面どうしを当接させ、且つ前記第1領域、第2および第3領域を相互に重ね合わせて積層し、前記第1および第2基板間接続部または前記第3および第4基板間接続部を介して基板間接続した
ことを特徴とする基板積層体。
【請求項5】
請求項1乃至3に記載のプリント配線基板、若しくは請求項4に記載の基板積層体を備えた
ことを特徴とする平面コイル。
【請求項6】
請求項4に記載の複数の基板積層体を備え、該複数の基板積層体がそれぞれ備える平面コイルを互いに電磁結合させて積層した
ことを特徴とする平面トランス。

【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−73956(P2013−73956A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209708(P2011−209708)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】