説明

プリント配線板の接続構造、配線板接続体及び電子機器

【課題】接続電極を同じ方向に向けた状態でプリント配線板を接続することができるとともに、プリント配線板同士を配線密度を低下させることなく接続することができるプリント配線体の接続構造を提供する。
【解決手段】少なくとも片面に配線パターン9,10,15,16及び接続電極9a,10a,15a,16aを有する複数のプリント配線板5,11を接続するプリント配線板の接続構造であって、面方向に配置された複数のプリント配線板と、上記複数のプリント配線板に掛け渡すように積層接着されたシート状の接続部材1とを備え、上記接続部材は、所定ピッチで形成された複数の接続配線3aを設けた接続配線層3と、上記接続電極とこれに対応する上記接続配線とを厚み方向に導通させる異方導電性接着剤層4とを備えて構成されているとともに、上記複数のプリント配線板の対応する接続電極が、上記異方導電性接着剤層及び上記接続配線を介して互いに接続されて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、複数のプリント配線板等を接続するためのプリント配線板の接続構造、配線板接続体及び電子機器に関する。詳しくは、複数のプリント配線板を配線の密度を低下させることなく接続できるプリント配線板の接続構造等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器においては、異なるプリント配線板上に設けられた接続電極を電気的に接続することにより、複数のプリント配線板を接続した構造が採用されることが多い。たとえば、電子機器の可動部への配線等の用途にフレキシブルプリント配線板が多用されるが、電子機器の小型化及び高機能化にともなって、上記フレキシブルプリント配線板同士の配線板接続体や、上記フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板との配線板接続体等の多様な配線板接続体が用いられる。特に、プリント配線板はシート状の基材から切り出して形成されるため、同じ基材から形成されるプリント配線板であっても、形態によっては材料の歩留りが悪い場合がある。このような場合、複数のプリント配線板を接続することにより、製造コストを低減させることもできる。
【0003】
上記プリント配線板を接続するのに導電性接着剤が用いられることが多い。導電性接着剤は、絶縁性のある樹脂接着剤に微細な導電性粒子を分散させて構成されている。接続するプリント配線板の対向する接続電極を含む領域に上記導電性接着剤を介在させて、圧力と温度とを加えて挟圧することにより、これらプリント配線板が接着されると同時に、上記導電性粒子が電極間に掛け渡されてこれら接続電極が導通させられる。一方、隣接する接続電極間は電気的に絶縁される。上記導電性接着剤としてフィルム形態の異方導電性接着剤フィルム(Anisotropic Conductive Film、以下ACFという。)が採用されることが多い。
【0004】
上記ACFは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、硬化剤とを含んで構成されている。上記硬化剤は、マイクロカプセルに封入された状態で上記熱硬化性樹脂層中に配合されている。上記導電性接着剤に圧力及び温度を作用させることにより、上記マイクロカプセルが破壊されて上記硬化剤が熱硬化性樹脂中に拡散され、上記導電性粒子を介して上記接続電極間を導通させた状態で上記熱硬化性樹脂が硬化させられ、配線板接続体が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3912244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記ACFを用いた接続は、接続される接続電極を、ACFを介して対向させるとともに、圧力及び温度を作用させることにより行われる。このため、接続されるプリント配線板は、配線及び接続電極を設けた側が向き合うように配置して接続されることになる。
【0007】
ところが、電子機器やプリント配線板の構造によっては、配線及び接続電極を設けた側を向き合わせた状態で接続できない場合がある。したがって、ACFを用いて配線板接続体を構成する場合、配線板接続体や電子機器における設計の自由度が制限されることになる。
【0008】
接続するプリント配線板上にコネクタ等を設けることにより、配線及び接続電極を同じ方向に向けて上記プリント配線板同士を接続することもできるが、接続構造や電子機器の寸法等が増加することが多い。
【0009】
また、両面プリント配線板を接続する場合、上記従来の手法では、一方の面の配線に係る接続電極を、スルーホール等を介して他方の面に設ける必要があった。このため、接続部分近傍において配線密度が低下するといった問題が生じる。
【0010】
さらに、ACFを用いて2つの片面プリント配線板を接続する場合、接続されるプリント配線板の間に配置された上記ACFに、両側に配置される上記プリント配線板の外側から圧力及び温度を作用させなければならない。このため、上記プリント配線板には、上記ACFを接続するために必要以上の温度や圧力が作用して、プリント配線板が傷むといった問題も発生しやすい。
【0011】
本願発明は、上記問題を解決するために案出されたものであって、接続電極を同じ方向に向けた状態でプリント配線板を接続することができるとともに、配線密度を低下させることなく接続することができるプリント配線板の接続構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の請求項1に記載した発明は、少なくとも片面に配線及び接続電極を有する複数のプリント配線板を接続するプリント配線板の接続構造であって、面方向に配置された複数のプリント配線板と、上記複数のプリント配線板に掛け渡すように積層接着されたシート状の接続部材とを備え、上記接続部材は、所定ピッチで形成された複数の接続配線を設けた接続配線層と、上記接続電極とこれに対応する上記接続配線とを厚み方向に導通させる異方導電性接着剤層とを備えて構成されているとともに、上記複数のプリント配線板の対応する接続電極が、上記異方導電性接着剤層及び上記接続配線を介して互いに接続されたプリント配線板の接続構造に係るものである。
【0013】
本願発明に係るプリント配線板の接続構造は、種々のプリント配線板に適用することができる。たとえば、フレキシブルプリント配線板同士を接続した接続構造に適用できる。また、フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板とを接続した接続構造に適用できる。
【0014】
たとえば、2つのプリント配線板を接続する場合、端縁又は端縁近傍に設けられた接続電極を同じ方向に向けた状態で、これらプリント配線板の端縁を突き合わせるように配置し、上記2つのプリント配線板に掛け渡すようにして接続部材を積層して加熱・加圧する。これにより、上記2つのプリント配線板の対応する接続電極が、上記異方導電性接着剤及び接続配線を介して互いに導通させられる。また、2つのプリント配線板が、上記異方導電性接着剤層及び接続配線を介して一体的に連結される。なお、接続されるプリント配線板の数は特に限定されることはなく、面方向に配置された3以上のプリント配線板を接続することもできる。
【0015】
本願発明に係るプリント配線板の接続構造においては、各プリント配線板の接続電極を同じ方向に向けた状態で、これらプリント配線板を接続することが可能となる。したがって、配線板接続体や電子機器における設計の自由度が高まる。しかも、本願発明では、上記接続部材の厚さ分のスペースでプリント配線板を接続することが可能となり、配線板接続体や電子機器の寸法が大きくなることもない。また、一枚のシート状基材から形成したのでは、材料の歩留りが悪くなる形態のプリント配線板であっても、歩留りの良い形態の複数のプリント配線板を接続して構成することが可能となり、製造コストを大幅に低減させることもできる。
【0016】
上記異方導電性接着剤として、種々の構成のものを採用できる。たとえば、熱硬化性エポキシ樹脂を主剤とする接着剤成分中に、硬化剤を封止したマイクロカプセルと、導電性粒子とを分散配合して構成したものを採用できる。また、上記接着剤の形態も特に限定されることはなく、ペースト状の異方導電性接着剤を、上記接続配線層に所定厚さで塗着して構成することができる。また、フィルム状に形成された異方導電性接着剤を上記接続配線層に仮接着して接続部材を構成することができる。上記異方導電性接着剤層の厚みも特に限定されることはなく、温度及び圧力を加えて挟圧した場合に、対向する接続電極と接続配線とを導通させると同時に、プリント配線板を一体的に接着できる厚さに設定すればよい。好ましくは、15μm〜50μmの厚みで異方導電性接着剤を塗着等して異方導電性接着剤層を構成することができる。
【0017】
上記異方導電性接着剤を、接続電極と接続配線の間で所定の圧力及び温度で挟圧することにより、対向する上記接続電極と上記接続配線とが上記導電性粒子を介して掛け渡し状に導通させられる。なお、接続配線に対する接続部位は、接続配線の端部や端部近傍である必要はなく、接続配線の中間部において接続部位を設定できる。
【0018】
上記接続部材は、種々の形態で構成することができる。たとえば、上記接続配線層を、絶縁性を有するフィルム状基材の片面又は両面に形成し、この接続配線層に上記異方導電性接着剤層を積層形成して上記接続部材を構成することができる。上記フィルム状基材を構成する材料は特に限定されることはなく、たとえば、ポリイミド樹脂から形成されたフィルム等を基材として採用できる。また、上記接続配線は、プリント配線板の配線を形成するのと同様の手法を用いて、上記フィルム状基材の片面又は両面に形成することができる。
【0019】
フィルム状基材に上記接続配線を設けることにより、精度の高い接続配線を形成することができる。このため、接続電極と接続配線とを確実に導通させることができる。また、接続部材自体の強度が高くなるため、2以上のプリント配線板を接続部材を介して接着して一体化することができる。これにより、上記フィルム状基材を、複数のプリント配線板を接続する場合の補強部材として機能させることができる。
【0020】
上記接続配線の形態も特に限定されることはない。たとえば、接続するプリント配線板の接続電極が同じピッチで配置されている場合には、請求項5に記載した発明のように、上記接続配線を、所定のピッチで形成された平行直線状に形成することができる。上記接続配線のピッチは、上記接続電極のピッチの5分の1以下に設定するのが好ましい。また、上記接続配線の幅は、上記接続電極の幅の5分の1以下に設定するのが好ましい。これにより、対応する接続電極を導通させると同時に、隣接する電極間の絶縁を行うことができる。
【0021】
また、一方のプリント配線板の接続電極のピッチと他方のプリント配線板の接続電極のピッチとが異なる場合、接続部材の両側縁部に上記各接続電極のピッチに対応するピッチで端部接続配線部を設けるとともに、中間部に上記異なるピッチの端部接続配線部をつなぐように拡開させられる中間接続配線部を設けて、上記接続配線を構成することができる。これにより、接続電極のピッチが異なるプリント配線板同士を接続することができる。
【0022】
請求項2に記載した発明は、接続されるプリント配線板が、両面に接続電極が設けられた両面プリント配線板であり、各プリント配線板の両面において、上記接続部材をそれぞれ掛け渡し状に積層接着した接続構造に係るものである。
【0023】
請求項2に記載した接続構造に係る上記接続部材は、フィルム状基材の片側に上記接続配線層が設けられているとともに、この接続配線層に導電性接着剤層が積層されて構成されている。また、接続されるプリント配線板の両面に積層接着するために2枚の接続部材が用いられる。
【0024】
請求項2に記載した発明では、接続される両面プリント配線板の両側に上記接続部材を積層接着するだけで、各面に形成された接続電極同士を接続することが可能となる。このため、非常に小さいスペースにおいて、プリント配線板の両面に形成された接続電極同士をそれぞれ接続することが可能となる。また、接続電極を片面に集中させる必要がなくなり、接続部位近傍において配線密度が低下することもない。したがって、配線密度の高い配線板接続体を極めて容易に、かつ安価に形成することが可能になる。
【0025】
一方、請求項3に記載した発明は、上記接続部材が、シート状の絶縁性基材と、この絶縁性基材の両面に形成された接続配線層と、これら接続配線層に各々積層形成された異方導電性接着剤層とを備えて構成されている。そして、上記接続部材の両面において、複数のプリント配線板がそれぞれ積層接着されて接続構造が構成される。
【0026】
請求項3に係る接続構造においては、上記接続部材は、フィルム状基材の両側に上記接続配線層が設けられており、この接続配線層に対して複数の片面プリント配線板を接続することができる。また、上記各プリント配線板は、接続電極を同じ方向に向けて接続することができる。さらに、厚み方向に2枚のプリント配線板を配置して、これらの接続電極を一体的に接続できるため、請求項2に記載した発明と同様に、配線密度の高い接続構造を設けることができる。
【0027】
上記各プリント配線板に設けられる接続電極の位置は特に限定されることはない。たとえば、請求項4に記載した発明のように、プリント配線板の端縁又はその近傍に上記接続電極を設けるとともに、これら端縁を突き合わせるようにして複数のプリント配線板を配置して接続することができる。また、プリント配線板の内側部に、接続電極を設けて接続することもできる。
【0028】
請求項6に記載した発明は、上記接続部材を、所定幅のテープ状に形成するとともに、上記接続配線を幅方向に設けたものである。
【0029】
たとえば、同じピッチで接続電極が形成された2枚のプリント配線板を接続する場合には、上記接続配線を上記接続電極のピッチより小さい一定のピッチで平行状に形成しておき、接続されるプリント配線板の接続領域の大きさに合わせてテープ状の接続部材から必要な長さを切り取って用いることができる。また、接続する2つのプリント配線板の接続電極のピッチが異なる場合、接続部材の一方の側縁部から他方の側縁部に向けて拡開するパターンの接続配線をテープの長手方向に複数形成しておき、接続作業を行う際に切り取って用いることができる。
【0030】
本願発明に係る接続部材を用いて種々の配線板接続体を構成できる。たとえば、請求項7に記載した発明のように、少なくとも一つのプリント配線板がフレキシブルプリント配線板である配線板接続体に本願発明を適用できる。すなわち、フレキシブルプリント配線板同士を接続して構成される配線板接続体や、フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板とを接続して構成される配線板接続体に本願発明に係る接続部材を適用できる。
【0031】
請求項8に記載した発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載した接続構造を備える配線板接続体に係るものである。
【0032】
また、請求項9に記載した発明のように、本願発明に係る配線板接続体を種々の電気機器に適用することができる。
【発明の効果】
【0033】
接続電極を同じ方向に向けた状態で、配線密度を低下させることなく複数のプリント配線板を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願発明に係る接続構造に用いられる接続部材の一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1に示す接続部材を用いて両面プリント配線板同士を接続する場合の各部材の形態を示す分解斜視図である。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図3に示す部材から構成される配線板接続体の外観斜視図である。
【図6】図5に示す配線板接続体のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5に示す配線板接続体のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本願発明の第2の実施形態に係る配線板接続体の各部材の形態を示す分解斜視図である。
【図9】図8におけるIX−IXに沿う断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る配線板接続体の外観斜視図である。
【図11】図10におけるXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図10におけるXII−XII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。図1に本願発明の第1の実施形態に係るプリント配線板の接続構造に用いる接続部材1の外観形態を示す。また、図2に、図1に示す接続部材のII−II線に沿う断面を示す。
【0036】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る接続部材1は、絶縁性樹脂から形成されたフィルム状基材2と、このフィルム状基材2の片面に設けられた接続配線層3と、この接続配線3を被覆するように積層された異方導電性接着剤層4とを備えて構成される。本実施形態では、上記フィルム状基材2は、所定幅のテープ状に形成されており、ロール状に巻いて保存できるとともに、必要な長さを繰り出し、切断して用いることができるように構成されている。
【0037】
上記フィルム状基材2として、種々の絶縁性樹脂フィルムを採用することができる。たとえば、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等から形成された樹脂フィルムを採用することができる。上記フィルム状基材2の厚みも特に限定されることはなく12.5μm〜125μmの厚さの樹脂フィルムを採用できる。
【0038】
上記接続配線層3は、上記フィルム状基材2の表面に所定パターンの接続配線3aを設けて構成される。本実施形態では、厚み18μm、幅25μmの直線状の接続配線3aを50μmのピッチで、フィルム状基材2の幅方向に形成することにより上記接続配線層3が設けられている。上記接続配線3aの形態及び寸法は特に限定されることはない。好ましくは、接続するプリント配線板の接続電極の幅より小さい幅を備えるとともに、上記接続配線のピッチより小さいピッチで形成された接続電極を設けるのが好ましい。上記接続配線層3は、種々の手法によって形成することができる。たとえば、プリント配線板の配線パターンを形成するのと同様の手法によって形成することができる。また、所定パターンの銅箔を図示しない接着剤を介して上記フィルム状基材2の表面に貼着して構成できる。
【0039】
本実施形態では、上記異方導電性接着剤層4は、ペースト状の異方導電性接着剤を上記フィルム状基材2及び接続配線層3に所定の厚みで塗着して構成されている。上記異方導電性接着剤は、熱硬化性エポキシ樹脂を主剤とする接着成分中に、硬化剤を封止したマイクロカプセルと、導電性粒子とを分散配合して構成することができる。上記異方導電性接着剤は、所定温度で加熱及び加圧することにより、上記マイクロカプセルが破壊されて、上記熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させるように構成されている。なお、上記異方導電性接着剤層4は、フィルム状の異方導電性接着剤を、上記接続配線層3を覆うように接着して構成することもできる。
【0040】
図3に、上記接続部材1を用いた配線板接続体100の組立前の分解斜視図を示す。また、図4に図3におけるIV−IV線に沿う断面図を示す。また、図5に図3に示す各部材を組み付けた後の配線板接続体100の外観斜視図を、図6に図5におけるVI−VI線に沿う断面図を、図7に図5におけるVII−VII線に沿う断面図を示す。
【0041】
本実施形態に係る配線板接続体100は、上述した2枚の接続部材1,1と、第1のフレキシブルプリント配線板5と、第2のフレキシブルプリント配線板11とを接続して構成される。
【0042】
図3及び図4に示すように、上記第1のフレキシブルプリント配線板5及び第2のフレキシブルプリント配線板11は、フィルム状基材6,12と、このフィルム状基材6,12の表裏両面に形成された配線パターン9,10,15,16と、これら配線パターンを覆うように積層されたカバー層7,8,13,14とをそれぞれ備えて構成された両面プリント配線板が採用されている。上記フィルム状基材6,12は、種々の絶縁性樹脂フィルムから構成することができる。たとえば、ポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等から形成された樹脂フィルムを採用できる。
【0043】
上記配線パターン9,10,15,16の形態は特に限定されることはない。本実施形態では、所定幅及び所定ピッチで形成された平行配線から上記配線パターン9,10,15,16が形成されている。上記配線パターン9,10,15,16は、各フレキシブルプリント配線板5,11の接続端縁5a,11aに対して直交する形態に形成されている。また、上記配線パターン9,10,15,16を覆うカバー層7,8,13,14が設けられており、上記接続端縁5a,11aの近傍の上記カバー層7,8,13,14を所定幅で除去することにより、上記配線パターン9,10,15,16を露出させて、接続電極9a,10a,15a,16aが形成されている。
【0044】
上記第1のフレキシブルプリント配線板5と上記第2のフレキシブルプリント配線板11とは、上記接続電極9a,10a,15a,16aを設けた接続端縁5a,11aを突き合わせるようにして位置決めされるとともに、電極形成部に掛け渡すようにして、上下から上記接続部材1,1で挟むようにして接続される。なお、フレキシブルプリント配線板5,11において、導通させる各接続電極は同じピッチで形成されている。
【0045】
図4に示すように、接続部材1,1の異方導電性接着剤層4を上記接続電極9a,10a,15a,16aを含む領域に掛け渡し状に重ね合わせた後、上記第1のフレキシブルプリント配線板5及び第2のフレキシブルプリント配線板11と、上記接続部材1とを、所定の温度及び圧力で挟圧する。これにより、上記異方導電性接着剤層4を構成する異方導電性接着剤が流動させられて、上記接続電極9a,10a,15a,16aの間に充填され、上記接続部材1,1と第1及び第2のフレキシブルプリント配線板5,11が接着される。また、同時に、図示しない導電性粒子が対向する上記接続配線3aと、上記接続電極9a,10a,15a,16a間に噛み込まれ、各接続配線と各接続電極とが、厚み方向に導通させられる。これにより、図5に示すように、上記第1のフレキシブルプリント配線板5及び第2のフレキシブルプリント配線板11の対応する接続電極9a,10a,15a,16a同士が、上記異方導電性接着剤層4及び接続配線3aによって導通させられた配線板接続体100が形成される。
【0046】
図5〜図7に示すように、本実施形態に係るプリント配線板の接続構造では、第1のフレキシブルプリント配線板5と第2のフレキシブルプリント配線板11の両側に上記接続部材1を積層接着するだけで、両面フレキシブルプリント配線板5,11の各面に形成された対応する接続電極9a,15a、及び10a,16a同士を接続することが可能となる。このため、非常に小さいスペースにおいて、複数のプリント配線板の両面に形成された接続電極同士をそれぞれ接続することが可能となる。また、接続配線を片面に集中させる必要がなくり、接続部位近傍において配線密度が低下することもない。したがって、配線密度の高い配線板接続体100を極めて容易に、かつ安価に形成することが可能になる。
【0047】
図8〜図12に本願発明の第2の実施形態に係る接続構造を示す。
【0048】
図8に示すように、第2の実施形態に係る接続構造に用いられる接続部材201は、フィルム状基材202の両面に接続配線層203,213を設け、この接続配線層203,213を覆うように、異方導電性接着剤層204,214が設けられている。上記接続配線層203には、上記第1の実施形態と同様に、所定のピッチで平行に形成された複数の接続配線203a,213aが設けられている。なお、上記各層を構成する部材は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0049】
本実施形態では、上記接続部材の一方の側において、第1のフレキシブルプリント配線板221と第2のフレキシブルプリント配線板222とが接続されるとともに、上記接続部材の他方の側において、第3のフレキシブルプリント配線板223と第4のフレキシブルプリント配線板224とが接続される。上記各フレキシブルプリント配線板221,222,223,224は、絶縁性のフィルム状基材231,241,251,261と、各フィルム状基材231,241,251,261の片面に形成された配線パターン232,242,252,262と、上記配線を覆うように積層形成されたカバー層233,243,253,263とを備えて構成されている。
【0050】
上記各配線パターン232,242,252,262は、接続端縁221a,222a,223a,224aに直角に形成されている。上記カバー層233,243,253,263を、各接続端縁221a,222a,223a,224aから所定幅で除去することにより接続電極232a,242a,252a,262aがそれぞれ設けられている。なお、上記プリント配線板を形成する手法も、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0051】
本実施形態に係るプリント配線板の接続構造は、図8及び図9に示すように、両面に接続配線層203,213を設けた上記接続部材201を、両側から挟むようにして、4枚のフレキシブルプリント配線板221,222,223,224が接続される。
【0052】
図8及び図9において、紙面上方に積層されるフレキシブルプリント配線板221,222、及び下方に積層されるフレキシブルプリント配線板223,224は、それぞれの接続端縁を突き合わすようにして位置決めされるとともに、上記接続部材201の両面に重ね合わされる。そして、図示しない加熱プレス装置によって所定の温度及び圧力で一体的に加熱加圧される。これにより、上記異方導電性接着剤層204,214を構成する異方導電性接着剤が流動させられて、上記接続電極232a,242a,252a,262a間に充填され、上記接続部材201を介して4枚のフレキシブルプリント配線板が一体的に連結される。また、同時に、図示しない導電性粒子が各接続配線203a,213aとこれに対向する上記接続電極232a,242a,252a,262a間に噛み込まれ、対向する各接続配線と各接続電極とが、厚み方向に導通させられる。これにより、上記第1のフレキシブルプリント配線板221と第2のフレキシブルプリント配線板222の対応する接続電極232a,242a同士が、上記異方導電性接着剤層214及び接続配線213aによって導通させられる。また、同様に、上記第3のフレキシブルプリント配線板223と第4のフレキシブルプリント配線板224の対応する接続電極252a,262a同士が、上記異方導電性接着剤層204及び接続配線203aによって導通させられる。
【0053】
上記構成を採用することにより、接続部材201の両側に配置した4枚のフレキシブルプリント配線板221,222,223,224を一体化して接続することができる。このため、第1の実施形態と同様に、配線密度の高い配線板接続体を構成できる。
【0054】
また、上記接続部材201の上面に接続されるフレキシブルプリント配線板221,222、及び下面に接続されるフレキシブルプリント配線板223,224は、各接続電極を同じ側に向けて接続されている。このため、配線板接続体やこれを用いた電子機器における配線の自由度が高まる。
【0055】
また、図10に示すように、本願発明に係る接続構造を採用した配線板接続体200では、接続される各フレキシブルプリント配線板の合計厚みとほぼ同様の厚みで接続構造を構成することができる。このため、電子装置の小型軽量化を図ることができる。
【0056】
なお、上述した実施形態では、接続電極が同一ピッチで形成された平行線状の接続電極を備えるフレキシブルプリント配線板を採用したが、異なるピッチで形成されたフレキシブルプリント配線板を接続することもできる。この場合、接続部材の両側端縁部に、上記ピッチに対応したピッチで端部接続配線部を設けるとともに、中間部に異なるピッチの上記端部接続配線部をつなぐように拡開させられる中間接続配線部を設けて異なるピッチの接続電極に対応することができる。これにより、配線ピッチが異なる接続電極を備えるプリント配線板を接続することも可能となる。
【0057】
また、上述した実施形態では、フレキシブルプリント配線板を接続して構成される配線板接続体に、本願発明に係る接続構造を適用したが、フレキシブルプリント配線板とリジッドプリント配線板とを接続した配線板接続体に本願発明に係る接続構造を適用することができる。
【0058】
本願発明の範囲は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものでないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
複数のプリント配線板を配線密度を低下させることなく接続することができるとともに、設計の自由度の高い接続構造を構成できる。
【符号の説明】
【0060】
100 配線板接続体
5 フレキシブルプリント配線板
11 フレキシブルプリント配線板
9 配線パターン
9a 接続電極
10 配線パターン
10a 接続電極
15 配線パターン
15a 接続電極
16 配線パターン
16a 接続電極
1 接続部材
3 接続配線層
3a 接続配線
4 異方導電性接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片面に配線及び接続電極を有する複数のプリント配線板を接続するプリント配線板の接続構造であって、
面方向に配置された複数のプリント配線板と、上記複数のプリント配線板に掛け渡すように積層接着されたシート状の接続部材とを備え、
上記接続部材は、所定ピッチで形成された複数の接続配線を設けた接続配線層と、上記接続電極とこれに対応する上記接続配線とを厚み方向に導通させる異方導電性接着剤層とを備えて構成されているとともに、
上記複数のプリント配線板の対応する接続電極が、上記異方導電性接着剤層及び上記接続配線を介して互いに接続されている、プリント配線板の接続構造。
【請求項2】
上記プリント配線板が、両面に接続電極が設けられた両面プリント配線板であり、
各プリント配線板の両面において、上記接続部材がそれぞれ掛け渡し状に積層接着されている、請求項1に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項3】
上記接続部材が、シート状の絶縁性基材と、この絶縁性基材の両面に形成された接続配線層と、これら接続配線層に各々積層形成された異方導電性接着剤層とを備えて構成されており、
上記接続部材の両面において、複数のプリント配線板がそれぞれ積層接着されて接続されている、請求項1に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項4】
プリント配線板の端縁又はその近傍に上記接続電極を設けるとともに、これら端縁を突き合わせるようにして複数のプリント配線板が配置されて接続されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項5】
上記接続配線が所定ピッチで形成された平行直線状である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項6】
上記接続部材は、所定幅のテープ状に形成されているとともに、上記接続配線が幅方向に設けられている、請求項5に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項7】
少なくとも一つのプリント配線板がフレキシブルプリント配線板である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載した接続構造を備える、配線板接続体。
【請求項9】
請求項8に記載した配線板接続体を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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