説明

プリント配線板の接続構造及びこれに用いるプリント配線板

【課題】多数の接続配線及び接続パッド部を有する複数のプリント配線板を、小さな接続スペースで確実に接続できるプリント配線板の接続構造を提供する。
【解決手段】第1のプリント配線板15の表面に形成した接続配線21a,21bの第1の接続パッド部19a,19bと、第2のプリント配線板11の表面に形成した接続配線12の第2の接続パッド部31とを接続するプリント配線板の接続構造であって、第1のプリント配線板は、外縁部27の近傍に設けた矩形開口部18と、上記矩形開口部の開口縁部20bに沿って配列形成された上記の第1の接続パッド部と、上記第1のプリント配線板の外縁部27と上記矩形開口部18との間の開口枠部19を回り込んで一部の上記第1の接続パッド部につながるように形成された迂回接続配線21bとを備え、上記第1の接続パッド部と上記第2の接続パッド部とが上記矩形開口部の縁部において対接させられて接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、プリント配線板の接続構造及びこれに用いるプリント配線板に関する。詳しくは、多数の接続配線を備える複数のプリント配線板を互いに接続するプリント配線板の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の接続配線が形成された複数のプリント配線板を、上記接続配線を接続しつつ組み付ける場合がある。近年、電気機器の小型化に伴ってプリント配線板における配線密度も高くなり、小さなスペースに多数の配線が形成されることが多い。
【0003】
たとえば、ハードディスク装置は、情報が記録されるとともにモータで回転可能に保持された磁気ディスクと、この磁気ディスクに対して情報を読み書きするヘッドコアを上記磁気ディスク表面において揺動可能に保持するヘッドスタックアセンブリとを備えて構成される。
【0004】
上記ヘッドスタックアセンブリは、ボイスコイルモータ(VCM)によって軸回りに揺動可能に保持されたキャリッジと、キャリッジのアーム部に設けられたサスペンションとを備え、このサスペンションの先端部分に設けられる磁気ヘッド部に上記ヘッドコアが保持されている。
【0005】
上記ヘッドコアは、上記サスペンションに沿って設けられるサスペンション用プリント配線板に形成された回路に接続されており、この回路を介して情報が読み書きされる。上記サスペンション用プリント配線板は、上記サスペンションの中央部部分をアームの揺動中心に向かって延びるとともに、上記アーム部の中間部において上記キャリッジ側部に引き出される。そして、サスペンション用プリント配線板の基端部が、上記キャリッジの側部に固定されたメインプリント配線板に接続される。
【0006】
従来、上記各ヘッドコアから4ないし6本の信号回路が引き出されるとともに、これに対応する数の接続配線が上記サスペンション配線に形成される。このサスペンション用プリント配線板の上記各接続配線の端部には、導体を所定範囲に露出させて形成された接続パッド部が各々形成されており、上記メインプリント配線板側の接続パッド部と対接させられて、ハンダ付け等によって接続される。
【0007】
【特許文献1】特許第4060810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようなハードディスク装置においては、複数の磁気ディスクを小さな隙間を介して回転可能に配列保持し、各磁気ディスク間の上記隙間に、上記サスペンション用プリント配線板が各々配置されている。このため、上記メインプリント配線板には、上記ディスク間隔と同じ間隔で、上記複数のサスペンション用プリント配線板が接続される。上記のようなプリント配線板の接続構造においては、メインプリント配線板の縁部近傍に多数の櫛歯状の接続配線が形成されている。
【0009】
ところが、上記メインプリント配線板の縁部近傍の配線スペースが限られるため、接続配線の配線ピッチが非常に小さくなる。したがって、プリント配線板上に形成される上記接続配線に非常に高い寸法精度が要求される。また、二つのプリント配線板の上記接続配線を接続するにも高い組み付け精度が要求されることになり、製品の不良率が高まる恐れもある。
【0010】
また、高密度化に対応したハードディスク装置においては、ヘッドコアから引き出される配線数が増加している。ところが、上述したように、従来の接続構造では、これ以上配線数を増加させることはできない。上記不都合を回避するため、プリント配線板の両側に接続配線を設けた両面プリント配線板が用いられることもある。ところが、両面プリント配線板を製作するためには、多数の工程を要するため、製造コストが増大するという問題が生じる。
【0011】
本願発明は、上述の課題を解決するために案出されたものであり、多数の接続配線を有する複数のプリント配線板を、小さな接続スペースで確実に接続できるプリント配線板の接続構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載した発明は、第1のプリント配線板の表面に形成した複数の接続配線の第1の接続パッド部と、第2のプリント配線板の表面に形成した複数の接続配線の上記第2の接続パッド部とを接続するプリント配線板の接続構造であって、上記第1のプリント配線板は、外縁部近傍に設けた矩形開口部と、上記矩形開口部の開口縁部に沿って配列形成された上記の第1の接続パッド部と、上記外縁部と上記矩形開口部との間の開口枠部を回り込んで一部の上記第1の接続パッド部につながるように形成された迂回接続配線とを備え、上記第1の接続パッド部と上記第2の接続パッド部とが上記開口縁部において対接させられて接続された構成を備える。
【0013】
上記矩形開口部の形態、配列位置及び数は特に限定されることはない。第2のプリント配線板の数及び各第2のプリント配線板の接続パッド数等に応じて設定することができる。また、上記矩形開口部が近傍に設けられる外縁部も、接続配線の形態等よって選択できる。また、2以上の外縁部の近傍に上記矩形開口部をそれぞれ設けることもできる。
【0014】
本願発明では、上記第1のプリント配線板の外縁部と上記矩形開口部との間の開口枠部を回り込んで一部の上記第1の接続パッド部につながるように形成された迂回接続配線を設けている。上記迂回接続配線を設けることより、接続配線の配線ピッチの密度を増加させたり、第2のプリント配線板の組み付け間隔を増加させることなく、各プリント配線板における接続配線の数を増加させることが可能となる。また、第1のプリント配線板の配線密度を低下させることができるため、確実な接続構造を構成することが可能となり、製品の信頼性も向上する。さらに、プリント配線板の寸法をほとんど増加させることなく、接続できる接続配線数を増加させることが可能となるため、採用される電気機器の小型化を図ることもできる。
【0015】
また、上記構成を採用することにより、両面プリント配線板を採用することなく各プリント配線板の接続配線の数を増加させることが可能となり、製造コストの増加を抑えることも可能となる。
【0016】
上記開口枠部の幅寸法等は特に限定されることはなく、設けられる接続配線の数等に応じて設定すればよい。たとえば、所要の配線を形成できる最小の幅に設定できる。また、上記矩形開口部の形態も限定されることはない。
【0017】
たとえば、請求項2に記載した発明のように、上記外縁部に沿って複数の上記矩形開口部を設け、上記各矩形開口部は、上記外縁部と直交する方向に形成されるとともに、上記第1の接続パッド部が設けられた開口縁部を備え、複数の上記第2のプリント配線板の上記第2の接続パッド部を、上記各開口縁部に形成された上記第1の接続パッド部に各々接続して構成することができる。
【0018】
複数の上記第2のプリント配線板を上記第1のプリント配線板の縁部に配列して接続する場合、上記第2のプリント配線板の配列間隔が小さいと、第1のプリント配線板における上記矩形開口部間の領域も小さくなる。このため、上記矩形開口部間に配置できる配線数も限られる。上記構成を採用することにより、接続パッドから延出する配線の一部を迂回させることができるため、上記領域における接続パッド数及び接続配線を増加させることが可能となる。また、多数の接続配線をもつ複数の第2のプリント配線板を、第1のプリント配線板に対して最小のピッチで接続することも可能となる。
【0019】
また、上記矩形開口部の対向する開口縁部に各々接続パッド部を設けて、一つの矩形開口部において、2つの第2のプリント配線板を接続することもできる。
【0020】
上記第1の接続パッド部と上記第2の接続パッド部とを対接させて接続できれば、上記第1のプリント配線板と上記第2のプリント配線板の組み付け形態も限定されることはない。たとえば、両プリント配線板の接続パッドの面を対接させて接続することができる。
【0021】
また、請求項3に記載した発明のように、上記第2のプリント配線板は、上記矩形開口部に延入されるとともに上記第2のパッド部を配列形成した延入部を備え、上記延入部が、上記第1のプリント配線板の板面に直交するように上記開口部に延入されるととともに、対応する上記第1の接続パッド部と上記第2の接続パッド部とが各々接続される形態を採用することができる。
【0022】
上記構成を採用することにより、上記延入部と上記矩形開口部とを、ハンダ付け等する際の位置決め部として利用することが可能となる。また、上記延入部が上記矩形開口部に入り込んで固定されるため、両プリント配線板の機械的組み付け強度も向上する。
【0023】
上記の接続構造においては、上記プリント配線板の配線面が矩形開口部の開口縁部において直交するようにして組み付けられる。このため、上記第1の接続パッド部と上記第2の接続パッド部とを対接させるため、上記第1の接続パッド部を、上記開口縁部の端縁まで延出して設けるのが好ましい。
【0024】
請求項4に記載した発明は、第1のプリント配線板と上記第2のプリント配線板の上記接続配線が、上記各プリント配線板の片面に形成されているものである。
【0025】
本願発明を採用することにより、プリント配線板の片面に多数の接続配線及び接続パッドを設けることが可能となる。このため、接続配線の数が増加した場合でも、両面プリント配線板を採用する必要がなくなる。したがって、製造コストの増加を抑制できる。
【0026】
なお、少なくとも、第1のプリント配線板と上記第2のプリント配線板を接続するための接続配線及び接続パッド部を各プリント配線板の片面に形成すればよく、他の回路部分をプリント配線板の両面に形成することはできる。
【0027】
本願発明が適用されるプリント配線板の種類は特に限定されることはない。リジッドプリント配線板同士を接続することもできるし、フレキシブルプリント配線板同士を接続することもできる。
【0028】
また、請求項5に記載した発明のように、上記第1のプリント配線板と上記第2のプリント配線板の少なくとも一方がフレキシブルプリント配線板である接続構造に本願発明を適用することができる。
【0029】
請求項6に記載した発明は、本願発明をハードディスク装置に適用したものである。この場合、上記第2のプリント配線板を、記憶媒体に対して情報の記録及び再生を行うヘッドに接続されたサスペンション用プリント配線板に適用する一方、上記第1のプリント配線板を、ヘッドスタックアセンブリの側部に保持されるメインプリント配線板に適用することができる。
【0030】
本願発明に係る接続構造は、複数のプリント配線板を接続する場合、小さな領域において多数の接続配線を接続することができる。このため、高密度化に対応したハードディスク装置におけるヘッドスタックアセンブリの接続配線に好適である。また、ハードディスク装置のサスペンション用プリント配線板の端部を、メインプリント配線板の板面に沿って折り曲げる等の必要もなくなり、製造工程を削減できる。
【0031】
請求項7に記載した発明は、上述した第1のプリント配線板に係る発明であり、
複数の接続配線とこれら接続配線の端部に形成されたパッド部とを備え、上記パッド部が、他のプリント配線板の複数の接続配線に設けられたパッド部と接続されるプリント配線板であって、外縁部近傍に設けた矩形開口部と、上記矩形開口部の開口縁部に沿って配列形成された上記パッド部と、上記外縁部と上記矩形開口部との間の開口枠部を回り込んで一部の上記パッド部につながるように形成された迂回接続配線とを備え、上記パッド部と、上記他のプリント配線板のパッド部とを接続するように構成したものである。
【0032】
請求項8に記載した発明は、上述した第2のプリント配線板に係る発明であり、
複数の接続配線とこれら接続配線の端部に形成されたパッド部とを備え、上記パッド部が、他のプリント配線板に形成された矩形開口部の開口縁部に設けられたパッド部に接続されるプリント配線板であって、上記矩形開口部に延入されるとともに、上記開口縁部に設けられたパッド部に対接できる上記パッド部を設けた延入部を備えて構成したものである。また、請求項9に記載した発明のように、請求項7又は請求項8に係るプリント配線板として、フレキシブルプリント配線板を採用できる。
【発明の効果】
【0033】
矩形開口部の縁部に設けた接続パッド部につながる接続配線を、第1のフレキシブル配線板の外縁部と上記矩形開口部との間の開口枠部を回り込んで一部の上記接続パッド部につながる迂回接続配線を設けることにより、接続配線の配線密度を増加させることなく回路数を増加させ、確実な接続構造を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。本実施形態は、本願発明をハードディスク装置1におけるプリント配線板の接続構造に適用したものである。
【0035】
図1は、本願発明が適用されるハードディスク装置1の全体平面図である。ハードディスク装置1は、ケース2内に、情報が記録されるとともにモータで回転可能に保持された複数の磁気ディスク3と、この磁気ディスク3に対して情報を読み書きするヘッドコアを上記磁気ディスク表面において揺動可能に保持するヘッドスタックアセンブリ4とを備えて構成される。
【0036】
図2及び図3に示すように、上記ヘッドスタックアセンブリ4は、基端部に設けられたボイスコイルモータ6によって軸13の回りに揺動可能に保持されたキャリッジ7と、キャリッジ7のアーム部8に設けられたサスペンション9とを備え、このサスペンション9の先端部分に設けられる磁気ヘッド部10に図示しない上記ヘッドコアが保持されている。
【0037】
上記ヘッドコアは、上記サスペンション9に沿って設けられるサスペンション用プリント配線板11に形成された接続配線12に接続されており、この接続配線12を介して情報がやりとりされる。上記サスペンション用プリント配線板11は、上記サスペンション9の中央部分を上記アーム部8の揺動中心13に向かって延びるとともに、上記アーム部8の中間部において上記キャリッジ7の側部に引き出される。そして、このサスペンション用プリント配線板11の基端部が、上記キャリッジ7の側部に固定されたメインプリント配線板15に接続される。
【0038】
図3に示すように、本実施形態では、3枚の両面記録磁気ディスク3を所定の隙間Hを介して回転可能に保持するとともに、両外側部及び上記各隙間Hに上記サスペンション9が設けられる。上記両外側部のサスペンションには、両側の磁気ディスクに対向するヘッド部10を設けたサンペンションプリント配線板が配置される。一方、中間部分の上記隙間Hにも、一対の上記サスペンション9が挿入されているとともに、これらサスペンション9に、両側の磁気ディスク表面に各々対向するヘッド部10を設けたサスペンション用プリント配線板が保持されている。
【0039】
図4に、上記メインプリント配線板15の拡大平面図を示す。本実施形態に係るメインプリント配線板15は、中央部に信号増幅のための増幅集積回路16を備えるとともに、上記サスペンション9側に上記サスペンション用プリント配線板11との接続を行うための接続部17が形成されている。
【0040】
上記接続部17は、4つの矩形開口部18と、この矩形開口部18の長手方向開口縁部20a,20bに沿って形成された複数の接続パッド部19と、一端部がこれら接続パッド部19に各々接続された接続配線21a,21bとを備える。
【0041】
図7に示すように、上記メインプリント配線板15は、樹脂材料で形成された絶縁層22と、この絶縁層22に積層形成された接着剤層23と、この接着剤層23に銅等の導体膜を積層して形成される導体層24と、この導体層24を接着剤層25を介して覆うように接合された被覆絶縁層26とを備えて構成される。上記導体層24をパターン形成することにより、上記各接続配線21a,21b及び上記接続パッド部19が形成されている。なお、図4、図5及び図6には記載していないが、図7に示すように、上記各接続パッド部19を除く接続配線には、接着剤層25を介して被覆絶縁層26が設けられている。
【0042】
本実施形態では、上記矩形開口部18は矩形長穴状に形成されており、長手方向縁部20a,20bがメインプリント配線板15の外縁部27と直交する方向に形成されているとともに、上記各長手方向縁部20a,20bに沿って、各8つの接続パッド部19が所定間隔で形成されている。上記接続パッド部19は、上記長手方向縁部20a,20bの縁部の際まで形成されているとともに、上記接着剤層25及び絶縁被覆層26を除去することにより露出させられている。
【0043】
本実施形態に係る上記接続配線は、上記接続パッド部19aから上記矩形開口部18の間の領域を通って上記集積回路16に接続される内側接続配線21aと、一部の上記接続パッド部19bから、上記メインプリント配線板の15の外縁部27と上記矩形開口部18の内縁部18aとの間に設けられた開口枠部29、及びメインプリント配線板15の側方外縁部近傍を回り込んで設けられる迂回接続配線21bとを備えて構成される。本実施形態では、上記内縁部18aから2つめまでの接続パッド部19b、19bが上記迂回接続配線21bに接続されている。一方、他の6つのパッド部19aは、上記内側接続配線21aを介して上記集積回路16に接続されている。
【0044】
上記迂回接続配線21bを設けることにより、上記矩形開口部間の領域における配線密度を増加させることなく接続パッド数及び接続配線数を増加させることができる。したがって、入出力配線の多い高性能のヘッドコアを採用したハードディスク装置等に適用することが可能となる。また、同一数の接続配線を備えるメインプリント配線板においては、上記内側接続配線21aの数を上記迂回接続配線の分減少させることが可能となる。このため、上記内側接続配線21aの配線密度を低下させて各接続配線間の短絡等を防止することもできる。
【0045】
図5に示すように、上記各サスペンション用プリント配線板11は、上記磁気ヘッド部10から延出する8本の接続配線12と、これら接続配線12の端部に形成された8つの接続パッド部31とを備えて形成されている。
【0046】
上記接続パッド部31は、上記サスペンション用プリント配線板11の基端部に設けられた延入部32に形成されている。上記延入部32は、上記メインプリント配線板15の矩形開口部18の長手方向縁部20a,20bの長さに対応した寸法で、上記サスペンション用プリント配線板11の幅寸法を一側に突出させた形態を備えている。上記延入部32の長手方向に、上記接続パッド部31が上記メインプリント配線板の接続パッド部19と同一の間隔で配列形成されている。上記各接続配線12は、上記延入部32において90度屈曲させられて、上記各接続パッド部31に接続されている。
【0047】
図7に示すように、本実施形態に係る上記サスペンション用プリント配線板11は、樹脂材料で形成された絶縁層33と、この絶縁層33に積層形成された接着剤層34と、この接着剤層34に銅等の導体膜を積層して形成される導体層35と、この導体層35を接着剤層36を介して覆うように接合された被覆絶縁層37とを備えたフレキシブルプリント配線板が採用されている。上記導体層35をパターン形成することにより、上記各接続配線12及び上記接続パッド部31が形成されている。上記延入部32の上記接続パッド部31を形成した部分は、上記絶縁被覆層37が除去されて、上記接続パッド部31が露出させられている。なお、図5及び図6には記載していないが、図7に示すように、上記サスペンション用プリント配線板11においても、上記接続パッド部31を除く接続配線には、接着剤層36を介して覆うように接続された被覆絶縁層37が設けられている。
【0048】
次に、上記サスペンション用プリント配線板11と、上記メインプリント配線板15の接続方法を図5ないし図8に基づいて説明する。
【0049】
上記サスペンション用プリント配線板11は、磁気ディスクの記録面に沿って、上記アーム部8まで延出している。一方、上記メインプリント配線板15は、上記キャリッジ7の側面に固定されている。このため、本実施形態では、上記サスペンション用プリント配線板11と上記メインプリント配線板15は、90度の角度で互いに組み付けられるように構成している。
【0050】
上記延入部32の長手方向寸法と、上記矩形開口部18の長手方向寸法は同一に設定されている。このため、図5に示すように、上記サスペンション用プリント配線板11と上記メインプリント配線板15とを90度の角度をもたせて、上記延入部32を上記矩形開口部18に延入させることができる。しかも、上記延入部32の前後縁部32a、32bを上記矩形開口部18の内縁部18a,18bに案内させるようにして延入させることができる。このため、サスペンション用プリント配線板11の各接続パッド部31とこれに対応する上記メインプリント配線板15の各接続パッド部19の位置決めを極めて容易に行うことができる。
【0051】
上記メインプリント配線板15の接続パッド部19は、これらが形成された上記開口縁部20a,20bの際まで形成されているとともに、被覆絶縁層26が除去されている。また、上記サスペンション用プリント配線板11の接続パッド部31の絶縁被覆層36も除去されている。このため、図7に示すように、上記メインプリント配線板15の接続パッド部19と、上記サスペンション用プリント配線板11の接続パッド部31とを直交して対接させることができる。
【0052】
上記姿勢を保持するとともに、上記接続パッド部19と上記接続パッド部31との間に掛け渡し状にハンダ38を肉盛りして接合が行われ、図6及び図8に示すように、上記サスペンション用プリント配線板11と上記メインプリント配線板15とが、上記パッド部19,31を電気的に接続した状態で組み付けられる。
【0053】
本実施形態では、上記迂回接続配線21bを設けることにより、片面に多数の接続配線及び接続パッドを設けたプリント配線板同士を、小さな接続スペースを介して接続することが可能となる。また、接続されるプリント配線板の位置決めを容易に行うことができる。しかも、上記矩形開口部18に上記延入部32を嵌め合わせるようにして、2つのプリント配線板11.15を組み付けることができるため、これら2つのプリント配線板の機械的接合強度を高めることもできる。
【0054】
なお、本実施形態では、上記矩形開口部18を、一の外縁部27の近傍に設けた例を示したが、矩形開口部をプリント配線板のより内側部に設けることができる。この場合、上記矩形開口部間の領域に設けられる配線の一部を上記領域の一方の側から引き出して迂回接続配線とするとともに、他の配線を他方の側から引き出すように構成することができる。これにより、上記実施形態と同様に、配線間のピッチを狭めることなく、上記領域間に設けられる配線数を増加させることができる。また、開口枠部の幅が大きくなるため、開口枠部上に半導体チップ等を配置することも可能となる。
【0055】
本願発明は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上記説明した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本願発明係るプリント配線板の接続構造を採用することにより、両面に接続配線を設けた両面プリント配線板を用いることなく、多数の接続配線及び接続パッドを設けたプリント配線板同士を、狭い接続スペースを介して接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本願発明に係るプリント配線板の接続構造が適用されるハードディスクの内部構造を示す平面図である。
【図2】図1に示すハードディスクのヘッドスタックアセンブリの平面図である。
【図3】図2に示すヘッドスタックアセンブリの右側面図である。
【図4】メインプリント配線板(第1のプリント配線板)の拡大平面図である。
【図5】メインプリント配線板(第1のプリント配線板)とサスペンション用プリント配線板(第2のプリント配線板)の接続方法を示す一部拡大斜視図である。
【図6】メインプリント配線板(第1のプリント配線板)とサスペンション用プリント配線板(第2のプリント配線板)の接続構造を示す一部拡大斜視図である。
【図7】本実施形態に係る接続構造の要部断面を示す図であり、図6に示すVII−VII線に沿う要部拡大断面図である。
【図8】メインプリント配線板(第1のプリント配線板)とサスペンション用プリント配線板(第2のプリント配線板)の接続構造を示す全体斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
15 メインプリント配線板(第1のプリント配線板)
19 メインプリント配線板の接続パッド部(第1の接続パッド部)
20a 開口縁部
20b 開口縁部
21a 接続配線
21b 迂回接続配線
11 サスペンション用プリント配線板(第2のプリント配線板)
12 接続配線
31 サスペンション用プリント配線板の接続パッド部(第2の接続パッド部)
18 矩形開口部
27 外縁部
28 内縁部
29 開口枠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプリント配線板の表面に形成した複数の接続配線の第1の接続パッド部と、第2のプリント配線板の表面に形成した複数の接続配線の第2の接続パッド部とを接続するプリント配線板の接続構造であって、
上記第1のプリント配線板は、
外縁部近傍に設けた矩形開口部と、
上記矩形開口部の開口縁部に沿って配列形成された上記第1の接続パッド部と、
上記外縁部と上記矩形開口部との間の開口枠部を回り込んで一部の上記第1の接続パッド部につながるように形成された迂回接続配線とを備え、
上記第1の接続パッド部と上記第2の接続パッド部とが上記開口縁部において対接させられて接続されている、プリント配線板の接続構造。
【請求項2】
上記外縁部に沿って複数の上記矩形開口部を設け、
上記各矩形開口部は、上記外縁部と直交する方向に形成されるとともに、上記第1の接続パッド部が設けられた開口縁部を備え、
複数の上記第2のプリント配線板の上記第2の接続パッド部を、上記各開口縁部に形成された上記第1の接続パッド部に各々接続して構成される、請求項1に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項3】
上記第2のプリント配線板は、上記第2のパッド部を配列形成した延入部を備え、
上記延入部が、上記第1のプリント配線板の板面に直交するように上記開口部に延入されるととともに、対応する上記第1の接続パッド部と上記第2の接続パッド部とが各々接続されている、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項4】
上記接続配線が、上記各プリント配線板の片面に形成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項5】
上記第1のプリント配線板と上記第2のプリント配線板の少なくとも一方がフレキシブルプリント配線板である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプリント配線板の接続構造。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載したプリント配線板の接続構造を備えるハードディスク装置であって、
上記第1のプリント配線板が、ヘッドスタックアセンブリの側部に保持されるメインプリント配線板であり、
上記第2のプリント配線板が、記憶媒体に対して情報の記録及び再生を行うヘッド部に接続されたサスペンション用プリント配線板である、ハードディスク装置。
【請求項7】
複数の接続配線とこれら接続配線の端部に形成されたパッド部とを備え、上記パッド部が、他のプリント配線板の複数の接続配線に設けられたパッド部と接続されるプリント配線板であって、
外縁部近傍に設けた矩形開口部と、
上記矩形開口部の開口縁部に沿って配列形成された上記パッド部と、
上記外縁部と上記矩形開口部との間の開口枠部を回り込んで一部の上記パッド部につながるように形成された迂回接続配線とを備え、
上記パッド部と、上記他のプリント配線板のパッド部とを接続するように構成した、プリント配線板。
【請求項8】
複数の接続配線とこれら接続配線の端部に形成されたパッド部とを備え、上記パッド部が、他のプリント配線板に形成された矩形開口部の開口縁部に設けられたパッド部に接続されるプリント配線板であって、
上記矩形開口部に延入されるとともに、上記開口縁部に設けられたパッド部に対接できる上記パッド部を設けた延入部を備える、プリント配線板。
【請求項9】
上記プリント配線板がフレキシブルプリント配線板である、請求項7又は請求項8のいずれかに記載のプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−56262(P2010−56262A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219048(P2008−219048)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】