プリント配線板及びその製造方法
【課題】特殊な材料を用いずに、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できるプリント配線板の製造方法、及び該方法で製造されたプリント配線板の提供。
【解決手段】絶縁基材11上に設けられたシード層12上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターン14を形成し、シード層12上のレジストパターン14が形成されていない部位をめっきして、金属層15を形成した後、レジストパターン14を除去して、回路パターン16を形成して、プリント配線板1とするに際し、レジストパターン14を、その長手方向に対して垂直な断面において、底面14aの幅Waよりも、上面14bの幅Wbを広くする。
【解決手段】絶縁基材11上に設けられたシード層12上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターン14を形成し、シード層12上のレジストパターン14が形成されていない部位をめっきして、金属層15を形成した後、レジストパターン14を除去して、回路パターン16を形成して、プリント配線板1とするに際し、レジストパターン14を、その長手方向に対して垂直な断面において、底面14aの幅Waよりも、上面14bの幅Wbを広くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィにより、微細な回路パターンを高精度に形成できるプリント配線板の製造方法、及び該方法で製造されたプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法としては、図10に示すセミアディティブ法が知られている。
セミアディティブ法では、まず、図10(a)に示すように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設ける。シード層12は、薄い金属層からなり、後述するめっき時の通電層となる。また、フォトレジスト層13は、液状レジスト組成物の塗布、電着、ドライフィルムレジストの貼付等により設けることができ、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いたものが好適である。
次いで、所望のレジストパターンを形成するためのフォトマスクをフォトレジスト層13上に配置し、露光及び現像を行い、図10(b)に示すように、レジストパターン94を形成する。
次いで、図10(c)に示すように、シード層12上のレジストパターン94が形成されていない部位、すなわち、レジストパターン94の開口部940をめっきして、金属層95を形成する。
次いで、図10(d)に示すように、レジストパターン94を除去する。
次いで、図10(e)に示すように、金属層95が形成されずに露出したシード層12を除去する。シード層12は、通常、ウェットエッチングで除去するが、この時同時に、金属層95も表面側から一部が一様に除去されることがあるが、この除去量を見込んでフォトマスク上の回路幅を設定しておく。これにより、回路パターン96が形成されたプリント配線板9が得られる。プリント配線板9は、この後必要に応じて表面に保護層を形成し、端子部のめっき、電子部品の実装が施される。
【0003】
近年、電子機器や電子部品の小型化に伴い、プリント配線板も小型化が必要となり、回路パターンの一層の微細化が求められている。そこで、上記の製造方法においては、レジストパターン94の形成から除去に到る、回路パターン96の形成過程を、より微細に且つ高精度に行うことが必要になってきている。特に、レジストパターン94の除去は重要であり、その除去が不完全であると、シード層12の除去が不完全になって、その結果、得られたプリント配線板は、回路間の絶縁特性や絶縁耐圧特性が劣化したり、回路幅のばらつきによって、回路インピーダンスを精度よく制御することが困難になってしまう。
【0004】
レジストパターン94は、その種類に応じた方法で除去され、例えば、ドライフィルムレジストを用いた場合、図11(a)に示すように、水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液で、矢印Cで示すように膨潤させ、図11(b)に示すように、隣接部との界面において界面剥離を生じさせて、矢印A方向に移動させることで、除去できる。
【0005】
しかし、図10に示す回路ピッチPが、回路パターン96の、その長手方向に対して垂直な断面における高さ(絶縁基材11の表面からの、回路パターン96の上面96bの高さ)の数倍程度にまで微細化された場合、例えば、回路パターン96のアスペクト比([回路(パターン)の高さ]/[回路(パターン)の幅])が1/2以上のような場合には、回路パターン96間に剥離したレジストパターン94が挟まって残存してしまうなど、いずれの方法でもレジストパターン94の完全な除去が困難になり、これはドライフィルムレジストを用いた場合に顕著である。
【0006】
さらに、微細なレジストパターン94が、金属層95の形成過程で剥離するのを防止するために、レジストパターン94(フォトレジスト層13)とシード層12との密着力を高めることが必要であり、この場合、現像後のレジストパターン94は、図12(a)に示すように、底面側の部分が除去されずに残って幅広部(裾引き部99)となった裾引き形状となることが多い。この場合、レジストパターン94は、図12(b)に示すように、剥離液で膨潤させても裾引き部99が金属層95に引っ掛かり、矢印A方向への移動が困難になり、除去が一層困難になってしまう。これは、例えば、回路パターン96の前記高さが10μm程度の場合に、レジストパターン94の幅が30μm以下程度になると顕著である。
【0007】
これに対して、界面活性能だけでなく、レジストパターン94の架橋点に対する破壊能を有する、モノエタノールアミンやトリエタノールアミン等のアミン系剥離剤を用いる方法が開示されている。この方法は、図13(a)に示すように、レジストパターン94の膨潤と分解を並行して行い、図13(b)に示すように、分解片94’を除去するようにすることで、レジストパターン94の除去を容易にするものである。
しかし、アミン系剥離剤を用いた場合でも、図13(c)に示すように、裾引き部99に由来する分解片94’が金属層95に引っ掛かり、その除去が困難になることが多い。
【0008】
このような、レジストパターン94の残存を防止できる手法として、図14(a)及び図15(a)に示すように、レジストパターンを、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広い形状(逆台形状)とする方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法によれば、図14(b)及び図15(b)に示すように、レジストパターン94の剥離方向(図中の矢印Aの方向)に向けて、隣り合う金属層95の間隔が広くなるので、レジストパターン94は裾引き部99の有無によらず、残存部を残すことなく容易に除去できる。これは、アミン系剥離剤を用いた場合も同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−212272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載のような、断面が逆台形状のレジストパターンは、簡便且つ安価に形成することが困難であるという問題点があった。特許文献1で具体的に開示されている方法は、特定の成分からなる複数層のフォトレジスト層を露光及び現像するというものであり、レジスト組成物に汎用性がなく、フォトレジスト層を複数層積層するために、製造工程も複雑であり、高コストであるという問題点があった。このように、従来のプリント配線板の製造方法では、特殊な材料や工程が不要で、レジストパターンの残存を防止できる実用的な方法が無いのが実情であった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、特殊な材料を用いずに、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できるプリント配線板の製造方法、及び該方法で製造されたプリント配線板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、
本発明は、基材上に回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法であって、基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成する工程と、前記基材上の前記レジストパターンが形成されていない部位をめっきして、金属層を形成する工程と、金属層形成後の前記基材上から前記レジストパターンを除去して、回路パターンを形成する工程と、を有し、前記レジストパターンが、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広いことを特徴とするプリント配線板の製造方法を提供する。
かかる製造方法によれば、レジストパターンが前記断面において、底面よりも上面の方が、幅が広いので、裾引き部の有無によらず、レジストパターンを基材上に残存させることなく容易に除去でき、その結果、プリント配線板は、回路パターンが微細であっても、回路間の絶縁特性や絶縁耐圧特性の劣化が防止され、回路幅のばらつきも防止されて、回路インピーダンスを精度よく制御することが容易となる。また、かかる製造方法は、レジストパターンを、特殊な材料を用いずに同じ組成の単一の層からなるものとするので、汎用性が高い。
【0013】
本発明のプリント配線板の製造方法においては、前記レジストパターンを形成する工程において、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を、20mW/cm2以上の光量で露光、及び現像して、前記レジストパターンを形成することが好ましい。
かかる製造方法によれば、前記レジストパターンをより安定して形成できる。
【0014】
本発明のプリント配線板の製造方法においては、前記レジストパターンを形成する工程が、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、前記レジストパターンを形成する工程を有し、前記露光前又は露光後の前記フォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱することが好ましい。
そして、かかる製造方法においては、前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光前に前記異なる温度で加熱することが好ましい。
また、かかる製造方法においては、前記異なる温度で加熱しながら、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像してもよい。
また、かかる製造方法においては、前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光後で且つ現像前に前記異なる温度で加熱してもよい。
かかる製造方法によれば、前記レジストパターンをより安定して形成できる。
【0015】
また、本発明は、基材上に回路パターンを備えたプリント配線板であって、前記回路パターンは、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が狭くされ、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/2以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、1°以上の角度をなしていることを特徴とするプリント配線板を提供する。
かかるプリント配線板は、前記回路パターンの底面及び上面の幅、並びに側面の角度が上記のように設定されていることで、回路パターンが微細であっても、回路間の絶縁特性や絶縁耐圧特性の劣化が防止され、回路幅のばらつきも防止されて、回路インピーダンスを精度よく制御することが容易となる。
そして、かかるプリント配線板においては、前記回路パターンが、前記断面において、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/4以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、2°以上の角度をなしていることが好ましい。
かかるプリント配線板は、上記効果により優れたものとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特殊な材料を用いずに、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できるプリント配線板の製造方法、及び該方法で製造されたプリント配線板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る製造方法を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における、レジストパターンが設けられた基材を例示する概略斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における、レジストパターンの側面の他の形状を例示する概略断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態における、アミン系剥離剤によるレジストパターンの除去を模式的に示す概略断面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態における、回路パターンの側面の他の形状を例示する概略断面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態において、裾引き形状のレジストパターンの除去を模式的に例示する概略断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態における、アミン系剥離剤による裾引き形状のレジストパターンの除去を模式的に示す概略断面図である。
【図8】本発明の第二の実施形態における、露光前のフォトレジスト層の加熱方法を模式的に例示する概略断面図である。
【図9】本発明の第二の実施形態における、露光前のフォトレジスト層の他の加熱方法を模式的に例示する概略断面図である。
【図10】従来のセミアディティブ法によるプリント配線板の製造方法を説明する概略断面図である。
【図11】レジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【図12】裾引き形状のレジストパターンを模式的に説明する概略断面図である。
【図13】従来のアミン系剥離剤によるレジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【図14】断面が逆台形状のレジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【図15】断面が逆台形状で裾引き形状のレジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るプリント配線板の製造方法は、基材上に回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法であって、基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」と略記する)と、前記基材上の前記レジストパターンが形成されていない部位をめっきして、金属層を形成する工程(以下、「金属層形成工程」と略記する)と、金属層形成後の前記基材上から前記レジストパターンを除去して、回路パターンを形成する工程(以下、「回路パターン形成工程」と略記する)と、を有し、前記レジストパターンが、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広い(以下、このような形状を、後述する裾引き部を有するものも含めて「逆台形状」と略記する)ことを特徴とする。本発明は、セミアディティブ法の適用に好適である。本発明によれば、特に材料が限定されることなく、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを逆台形状とするので、汎用性が高く、レジストパターンの残存が防止でき、微細な回路パターンを高精度に形成できる。以下、本発明について、工程ごとに詳細に説明する。
【0019】
<第一の実施形態>
図1は、本発明の第一の実施形態に係る製造方法を説明するための概略断面図である。
本実施形態に係る製造方法は、基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、レジストパターンを形成するフォトリソグラフィ工程において、レジスト層の露光時における光量を20mW/cm2以上に限定することで、断面が逆台形状のレジストパターンを形成する工程を有する。
【0020】
[レジストパターン形成工程]
本実施形態では、まず、基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を行う。
レジストパターン形成工程においては、まず、図1(a)に示すように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設ける。この操作は、従来と同様の方法で行うことができる。なお、本明細書において、シード層12が設けられた絶縁基材11を、以下、単に「基材」と言うことがある。
【0021】
絶縁基材11の形状は、フィルム状、シート状又は薄板状であることが好ましい。
絶縁基材11の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。
絶縁基材11を構成する材質は、柔軟性を有するものが好ましく、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であることが好ましく、具体的には、ポリイミド、エポキシ樹脂、液晶ポリマー、ガラスエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等が例示できる。
絶縁基材11を構成する材質は、一種でもよいし、二種以上でもよい。二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に調節できる。
絶縁基材11は、単層でもよいし、二層以上の複数層でもよい。複数層である場合、すべての層が同じでもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同じでもよい。ここで、「層が異なる」とは、層の材質及び厚さの少なくとも一方が、互いに異なることを指す。
【0022】
シード層12は、薄い導電層であり、後述するめっき時の通電層となるものである。
シード層12の材質は、金属等の導電性を有するものであればよく、具体的には、ニッケル、クロム、ニッケル・クロム合金、銅等が例示できる。
シード層12の厚さは、0.2〜3.0μmであることが好ましい。
シード層12は、蒸着法、スパッタリング法、無電解めっき法、またはこれらの方法によって得た薄膜上にめっきを施して厚膜化する方法等、その材質に応じて適した方法で、絶縁基材11上に設ければよい。
シード層12は、単層でもよいし、二層以上の複数層でもよい。複数層である場合、すべての層が同じでもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同じでもよい。ここで、「層が異なる」とは、絶縁基材11の場合と同様である。
【0023】
フォトレジスト層13は、同じ組成の単一の層からなり、公知のものでよく、その構成成分は特に限定されない。そして、ネガ型レジスト及びポジ型レジストのいずれでもよいが、ネガ型レジストであることが好ましい。
フォトレジスト層13の厚さは、後述する所望の厚さの金属層を形成できるように、適宜調節すればよいが、通常は、10〜50μmであることが好ましい。
フォトレジスト層13は、例えば、シード層12上にレジスト組成物を塗布及び乾燥させる方法、電着、ドライフィルムレジストの貼付等により設けることができ、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いたものが好適である。
【0024】
レジストパターン形成工程においては、次いで、目的とする回路パターンに対応した所望のレジストパターンを形成するためのフォトマスクを、フォトレジスト層13上に配置し、前記フォトマスクを介してフォトレジスト層13に対して露光及び現像を行い、図1(b)に示すように、レジストパターン14を形成する。レジストパターン14は、フォトレジスト層13の構成を反映し、同じ組成の単一の層からなる。なお、本発明において「同じ組成」とは、組成に明確な偏りがないことを指す。
【0025】
レジストパターン14は、その長手方向に対して垂直な断面において、底面(絶縁基材11側の、シード層12との接触面)14aよりも上面(絶縁基材11とは反対側の面)14bの方が、幅が広い逆台形状である。ここで、前記断面における底面14aの幅はWa、上面14bの幅はWbであり、Wb>Waである。
なお、レジストパターン14が設けられた基材の概略斜視図を図2に例示する。レジストパターン14の長手方向とは、図2の矢印Bの方向を指し、図1は、この矢印Bの方向に対して垂直な、I−I線における断面図に該当する。
【0026】
レジストパターン14の前記断面における形状として、ここでは、底面14aから上面14bへ向けて、その幅Wが漸次広くなるものを示しているが、本発明においてはこれに限定されず、底面14aから上面14bへ向けて、その幅Wが広くなっていない領域があってもよいが、このような領域はレジストパターン14の高さ方向において50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0027】
また、レジストパターン14の前記断面における形状として、ここでは、レジストパターン14の側面14cが平面状であるものを示しているが、本発明においてはこれに限定されず、図3(a)に示すような、側面14cがレジストパターン14の内側から外側へ向けて膨出する凸面状であるもの、これとは逆の図3(b)に示すような凹面状であるもの、あるいはこれら凸面状又は凹面状を一部に有するものでもよい。
【0028】
レジストパターン14の前記断面においては、レジストパターン14の側面14cと、シード層12(絶縁基材11、基材)の表面に対して垂直な方向とのなす角度(レジストパターンの側面14cの傾斜角)θwが、1°以上であることが好ましく、2°以上であることがより好ましい。このようにすることで、後述するように、レジストパターン14を残存させずに、より容易に除去できる。
【0029】
前記断面形状を有するレジストパターン14は、フォトレジスト層13を、20mW/cm2以上の光量で露光してから現像することで形成できる。その理由は定かではないが、このような光量で露光することにより、フォトレジスト層13は、光源に近い位置にあるその上面13bに近い部位ほど速やかに光化学反応が進行し、それと共に光透過率が低下して、フォトレジスト層13の底面13aに近い部位ほど到達する光量が減少し、光化学反応が進行し難くなるためではないかと推測される。活性光の光量と照射時間との積、すなわち活性光の照射量が同じであっても、光量が20mW/cm2より少なくなると、レジストパターン14の前記断面形状を逆台形状にはできない。
【0030】
露光時に照射する活性光は、200〜410nmの波長域に強いピークを有する紫外光であることが好ましい。
【0031】
現像は、フォトレジスト層13の種類に応じて公知の方法で行えばよく、例えば、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いた場合には、濃度が2〜10重量%で30〜60℃の炭酸ナトリウム水溶液に浸漬し、洗浄する方法が挙げられる。
【0032】
[金属層形成工程]
本実施形態では、次いで、図1(c)に示すように、シード層12(基材)上のレジストパターン14が形成されていない部位、すなわちレジストパターン14の開口部140をめっきして、金属層15を形成する金属層形成工程を行う。
金属層15の材質としては、銅、銅合金が例示できる。
金属層15の厚さは、最終的に得たい回路パターンの高さにもよるが、例えば、シード層12の厚さとの合計値が5〜30μmとなるように調節することが好ましい。
金属層15は、公知のめっき法で形成すればよく、例えば、銅からなる金属層15であれば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき、青化銅めっき等の電解銅めっきが例示でき、これらの中では、環境負荷が小さく特性が良好なめっき層を得られる点から、硫酸銅めっきが好ましい。
【0033】
レジストパターン14の形状を反映して、金属層15は、その長手方向に対して垂直な断面において、底面(絶縁基材11側の、シード層12との接触面)15aよりも上面(絶縁基材11とは反対側の面)15bの方が、幅が狭い順台形状である。ここで、前記断面における底面15aの幅はTa、上面15bの幅はTbであり、Ta>Tbである。
なお、金属層15の長手方向は、レジストパターン14の長手方向と一致するため、金属層15の長手方向に対して垂直な断面は、レジストパターン14の長手方向に対して垂直な断面と平行である。
【0034】
レジストパターン14の除去の容易性の観点からは、前記幅TaとTbとの差は、大きいほど好ましいが、回路パターンの特性を考慮すると、この差は大きくなり過ぎないことが必要である。すなわち、前記幅TaとTbとの差は、前記断面における金属層15及びシード層12の高さの合計値(絶縁基材11の表面からの、金属層15の上面15bの高さ)Htの1/2以下である([Ta−Tb]≦Ht/2)ことが好ましく、1/4以下である([Ta−Tb]≦Ht/4)ことがより好ましい。このようにすることで、次工程においてレジストパターン14を、基材上に残存させることなく、より容易に除去できると共に、後述するように、特性がより良好な回路パターンを形成できる。
【0035】
[回路パターン形成工程]
本実施形態では、次いで、金属層15形成後の前記基材上からレジストパターン14を除去して、回路パターンを形成する回路パターン形成工程を行う。
回路パターン形成工程においては、まず、レジストパターン14を除去するが、除去方法は公知の方法でよく、レジストパターン14の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いた場合には、濃度が1〜5重量%で40〜65℃の水酸化ナトリウム水溶液を剥離液として用い、図1(d)に示すように、レジストパターン14を膨潤させ、レジストパターン14と、隣接部との界面において界面剥離を生じさせることで、図1(e)に示すように、レジストパターン14を除去する方法が挙げられる。図1(c)に示すように、金属層15は、レジストパターン14の形状を反映して順台形状であり、レジストパターン14の剥離方向(図中の矢印Aの方向)に向けて、隣り合う金属層15の間隔が広くなるので、矢印Cで示すように、レジストパターン14が膨潤すると、その応力によって、レジストパターン14は金属層15の側面15cに沿って容易に動き、矢印Aの方向に移動して極めて容易に剥離する。その結果、基材上にはレジストパターン14が残存することが無い。
【0036】
なお、ここでは、剥離液として水酸化ナトリウム水溶液を用いて、レジストパターンを除去する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、その他の除去方法でも同様に、基材上にはレジストパターン14が残存することが無い。例えば、アミン系剥離剤を用いた場合では、図4(a)に示すように、レジストパターン14の膨潤と分解が並行して進行し、図4(b)に示すように、分解片14’が容易に除去されて、基材上にはレジストパターン14が残存することが無い。なお、図4(a)においては、レジストパターン14の分解を亀裂として記載している。これは、以降の図面においても同様である。
【0037】
回路パターン形成工程においては、次いで、金属層15が形成されずに露出したシード層12を除去する。
シード層12は、ウェットエッチング等、公知の方法で除去すればよい。ウェットエッチングとしては、0.5〜15重量%の硫酸と、0.1〜3重量%の過酸化水素水とを混合した硫酸−過酸化水素系エッチング液;0.3〜10重量%の硝酸と、0.1〜3重量%の過酸化水素水とを混合した硝酸−過酸化水素系エッチング液等を用いたものが例示できる。シード層12の除去では、同時に金属層15も表面側から一部が一様に除去されることがあるが、必要に応じて、この除去量を見込んでフォトマスク上の回路幅を設定しておけばよい。
【0038】
このように余分なシード層12を除去することで、図1(f)に示すように、回路パターン16が形成されたプリント配線板1が得られる。プリント配線板1は、この後必要に応じて表面に保護層を形成し、端子部のめっき、電子部品の実装が施される。
【0039】
金属層15(レジストパターン14)の形状を反映して、回路パターン16は、その長手方向に対して垂直な断面において、底面(絶縁基材11との接触面)16aよりも上面(絶縁基材11とは反対側の面)16bの方が、幅が狭い順台形状である。ここで、前記断面における底面16aの幅はLa、上面14bの幅はLbであり、La>Lbである。
なお、回路パターン16の長手方向は、金属層15の長手方向と一致する。
【0040】
前記幅LaとLbとの差は、回路パターン16の前記断面における高さ(絶縁基材11の表面からの、回路パターン16の上面16bの高さ)Hlの1/2以下である([La−Lb]≦Hl/2)ことが好ましく、1/4以下である([La−Lb]≦Hl/4)ことがより好ましい。このようにすることで、回路パターンをより容易に微細化できる。また、回路幅がより均一になるので、回路インピーダンスを精度よく制御することが容易となる。さらに、回路間のギャップが狭くなり過ぎず、回路間の絶縁特性及び絶縁耐圧特性がより向上する。このような形状の回路パターン16は、上記の好ましい形状の金属層15から得られる。
【0041】
回路パターン16の前記断面においては、回路パターン16の側面16cと、絶縁基材11(シード層12、基材)の表面に対して垂直な方向とのなす角度(回路パターンの側面16cの傾斜角)θlが、1°以上であることが好ましく、2°以上であることがより好ましい。このような形状の回路パターン16は、上記の好ましい形状のレジストパターン14(金属層15)から得られる。なお、「[La−Lb]=Hl/2」、「[La−Lb]=Hl/4」である場合のθlは、それぞれ14.0°、7.1°である。
【0042】
回路パターン16の前記断面における形状として、ここでは、底面16aから上面16bへ向けて、その幅Lが漸次狭くなるものを示しているが、これは、レジストパターン14の前記断面の形状を反映するからである。したがって、レジストパターン14の場合と同様に、回路パターン16の前記断面における形状は、底面16aから上面16bへ向けて、その幅Lが狭くなっていない領域があってもよいが、このような領域は、回路パターン16の高さ方向において50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0043】
また、回路パターン16の前記断面における形状として、ここでは、回路パターン16の側面16cが平面状であるものを示しているが、レジストパターン14の場合と同様に、図5(b)に示すような、側面16cが回路パターン16の内側から外側へ向けて膨出する凸面状であるもの、これとは逆の図5(a)に示すような凹面状であるもの、あるいはこれら凸面状又は凹面状を一部に有するものでもよい。ただし、このような側面形状の領域は、回路パターン16の高さ方向において50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0044】
本実施形態においては、例えば、レジストパターン14が、前記断面において、底面14a側の部分が除去されずに残って裾引き部となった裾引き形状であっても、同様の効果を奏する。図6は、このような裾引き形状のレジストパターンが形成された場合の、回路パターン形成工程におけるレジストパターンの除去を模式的に示す概略断面図である。
図6(a)に示すように、裾引き部29が形成されたレジストパターン24は、上記のレジストパターン14と同様に、前記断面において逆台形状であると言えるので、裾引き部29の存在にも関わらず、図6(b)に示すように、容易に矢印A方向に移動して除去される。その結果、図6(c)に示すように、基材上にはレジストパターン24が残存することが無い。
これは、その他の除去方法でも同様であり、例えば、アミン系剥離剤を用いた場合でも、図7(a)に示すように、レジストパターン24の膨潤と分解が並行して進行し、図7(b)に示すように、分解片24’が容易に除去されて、図7(c)に示すように、基材上にはレジストパターン24が残存することが無い。
【0045】
本実施形態においては、フォトレジスト層を、20mW/cm2以上の光量で露光すること以外は、従来と同様の方法でプリント配線板を製造できる。したがって、特殊な材料を用いずに、フォトレジスト層を同じ組成の単一の層から構成するなど、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できる。
【0046】
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態に係る製造方法は、基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、レジストパターンを形成するフォトリソグラフィ工程において、露光前又は露光後のフォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱することで、断面が逆台形状のレジストパターンを形成する工程を有する。すなわち、本実施形態は、フォトレジスト層の露光時における活性光の光量を20mW/cm2以上に限定するのに代えて、活性光の光量を限定せずに、露光前又は露光後のフォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱する点以外は、第一の実施形態と同様である。
ここで、「フォトレジスト層を基材側から加熱する」とは、フォトレジスト層を基材が配置されている側から加熱することを指し、「フォトレジスト層を基材とは反対側から加熱する」とは、上記とは反対に、フォトレジスト層を基材が配置されていない側から加熱することを指す。
【0047】
上記のように異なる温度でフォトレジスト層を加熱することで、断面が逆台形状のレジストパターンを形成できる理由は定かではないが、加熱温度が異なることで、この加熱によってフォトレジスト層で生じる架橋反応の程度に差が生じ、その結果、露光時の光透過率にも差が生じて、架橋反応がより進行していた部位ほど光化学反応が進行し難くなり、フォトレジスト層の厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じるためではないかと推測される。
【0048】
[形成済みフォトレジスト層の露光前の加熱]
本実施形態において、露光前のフォトレジスト層を上記のように異なる温度で加熱する場合には、例えば、第一の実施形態で、図1(a)を参照して説明したように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設けた後、このフォトレジスト層13を、絶縁基材11側及び絶縁基材11とは反対側の両側から異なる温度で加熱すればよい。図8は、この時の加熱方法を模式的に示す概略断面図であり、フォトレジスト層13を、絶縁基材11側から温度Taで、絶縁基材11とは反対側から温度Tbで、それぞれ加熱する場合を示している。フォトレジスト層13がネガ型であり、露光時の活性光の照射を絶縁基材11とは反対側(フォトレジスト層13側)から行う場合には、Tb>Taとする。このように露光前に加熱することで、フォトレジスト層13は、露光前の段階ですでに架橋度に差が生じ、その結果、厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じると推測される。この方法は、プリベーク(ポストアプライベーク(PAB))の変形例と言える。
【0049】
フォトレジスト層13は、いずれの温度においても、熱源を接触させて直接的に加熱してもよいし、熱源を接触させずに間接的に加熱してもよい。直接的に加熱する方法としては、加熱ロールを用いる方法が例示できる。
【0050】
なお、ここでは、絶縁基材11を温度Taで加熱している様子を示しているが、絶縁基材11が薄ければ、通常は絶縁基材11を温度Taで加熱すれば、フォトレジスト層13も絶縁基材11側から温度Taで加熱される。フォトレジスト層13の加熱温度が絶縁基材11の加熱温度と同じにならない場合には、その場合のフォトレジスト層13の加熱温度Ta’が、Tb>Ta’となるように調節すればよい。
【0051】
上記のように加熱した後は、フォトレジスト層の露光時の光量を20mW/cm2以上に限定しないこと以外は、第一の実施形態と同様の方法でレジストパターン形成工程を行い、図1(b)に示すものと同様のレジストパターン14を形成する。そして、以降は、第一の実施形態と同様の方法で金属層形成工程及び回路パターン形成工程を行い、図1(f)に示すものと同様の回路パターン16が形成されたプリント配線板1を得る。
【0052】
[フォトレジスト層形成時の加熱]
本実施形態においては、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱しながら、基材上にフォトレジスト層を形成してもよい。この方法は、例えば、ドライフィルムレジストを用いてフォトレジスト層を形成する場合に好適である。図9は、この時の加熱方法を模式的に示す概略断面図であり、一対の第一の加熱ロール81及び第二の加熱ロール82を備えたロール式ラミネータ8を用いた加熱方法を説明するものである。
【0053】
ここでは、絶縁基材11に設けられたシード層12上にドライフィルムレジスト13’を配置し、これらを一体に、第一の加熱ロール81及び第二の加熱ロール82間を通過させて、矢印D方向に移動させる。これにより、絶縁基材11とは反対側から第二の加熱ロール82により温度Tbで加熱することで、ドライフィルムレジスト13’をシード層12上にラミネートすると同時に、形成されたフォトレジスト層13を温度Tbで加熱する。さらにこの時、フォトレジスト層13を、絶縁基材11側から第一の加熱ロール81により温度Taで加熱する。これにより、異なる温度Ta及びTbで加熱しながら、基材上にフォトレジスト層13を形成できる。ここでTa及びTbは、図8の場合と同様である。このように露光前に加熱することで、図8の場合と同様に、フォトレジスト層13は、露光前の段階ですでに架橋度に差が生じ、その結果、厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じると推測される。この方法も、プリベーク(ポストアプライベーク(PAB))の変形例と言える。
【0054】
上記のように加熱した後は、フォトレジスト層の露光時の光量を20mW/cm2以上に限定しないこと以外は、第一の実施形態と同様の方法でレジストパターン形成工程を行い、図1(b)に示すものと同様のレジストパターン14を形成する。そして、以降は、第一の実施形態と同様の方法で金属層形成工程及び回路パターン形成工程を行い、図1(f)に示すものと同様の回路パターン16が形成されたプリント配線板1を得る。
【0055】
[フォトレジスト層の露光後の加熱]
本実施形態において、露光後のフォトレジスト層を上記のように異なる温度で加熱する場合には、例えば、第一の実施形態で、図1(a)を参照して説明したように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設けた後、光量を20mW/cm2以上に限定しないこと以外は、第一の実施形態と同様の方法でフォトレジスト層13に対して露光を行い、この露光後のフォトレジスト層13を、絶縁基材11側及び絶縁基材11とは反対側の両側から異なる温度で加熱すればよい。この時の加熱方法は、加熱に供するものが露光前のフォトレジスト層ではなく露光後のフォトレジスト層である点を除けば、図8を参照して説明した方法と同様である。このように露光後に加熱することで、フォトレジスト層13は、露光直後の段階で架橋度に差が生じていなくても、この加熱によって架橋度に差が生じ、その結果、厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じると推測される。この方法は、ポストエクスポージャーベーク(PEB)の変形例と言える。
【0056】
上記のように加熱した後は、第一の実施形態と同様の方法でレジストパターン形成工程を行い、図1(b)に示すものと同様のレジストパターン14を形成する。そして、以降は、第一の実施形態と同様の方法で金属層形成工程及び回路パターン形成工程を行い、図1(f)に示すものと同様の回路パターン16が形成されたプリント配線板1を得る。
【0057】
本実施形態は、第一の実施形態と同様の効果を奏するものであり、露光前又は露光後のフォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱すること以外は、従来と同様の方法でプリント配線板を製造でき、特殊な材料を用いずに、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できる。
【実施例】
【0058】
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
【0059】
[実施例1]
第一の実施形態で図1を参照して説明した方法により、プリント配線板を製造した。
絶縁基材としてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトンEN」、厚さ25μm)を用い、その上に、シード層として厚さ0.2μmのニッケル薄膜及び厚さ2μmの銅薄膜をこの順にスパッタリング法で成膜した。
次いで、図9に示したものと同様のロール式ラミネータを用い、絶縁基材側に配置された第一の加熱ロール、及び絶縁基材とは反対側に配置された第二の加熱ロールの温度をいずれも110℃とし、これら加熱ロールの送り速度を1.0m/分として、アクリル系ネガドライフィルムレジスト(旭化成社製「SUNFORT UFG−252」)を前記銅薄膜上にラミネートすることで、フォトレジスト層を設けた。
次いで、回路の幅が20μ、回路間のスペースが20μm、回路のピッチが40μmである回路パターンを形成するためのフォトマスクを介して、活性光の光量を21.0mW/cm2、活性光の照射時間を5.0秒とした条件で露光を行い、さらに現像を行い、厚さ(高さ)25μmのレジストパターンを形成した。
なお、ここで照射した活性光は、超高圧水銀ランプから得られたものであり、その光源光のスペクトルは365nm、すなわち水銀(Hg)のi線近傍に強いピークを有し、さらに365nmを含む広帯域に渡ってブロードな発光特性を有するものである。
次いで、電解銅めっき浴(メルテックス社製「CLX」)を用いて硫酸銅めっきを行うことで、金属層として銅層を形成し、シード層及び金属層の合計の厚さ(高さ)を20μmとした。
次いで、得られたものに、濃度が3.0重量%で温度が50℃の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして、レジストパターンを剥離させ、除去した。
次いで、硫酸−過酸化水素系の銅ソフトエッチング液を用いて、回路間で露出しているシード層である銅薄膜を除去した後、硝酸−過酸化水素系のニッケルエッチング液を用いて、シード層であるニッケル薄膜を除去することで、回路パターンを形成し、プリント配線板を得た。
次いで、形成した回路パターンをエポキシ系樹脂に埋没させ、この樹脂を硬化させた後、回路パターンの長手方向に対して垂直な断面における回路パターンの形状を観察したい部位において、プリント配線板を切断し、露出した断面を研磨した後、回路パターンの前記断面における形状を、光学顕微鏡を用いて観察した。回路パターンの前記断面における底面の幅(La)、上面の幅(Lb)及び高さ(Hl)の測定値を表1に示す。また、これら測定値から算出した、回路パターンの前記断面における側面の傾斜角(θl)を表1に示す。
【0060】
[実施例2〜3、比較例1]
表1に示すように、活性光の照射量が実施例1の105.0mJ/cm2か又はその近傍の値となるように、活性光の光量及び照射時間を変更したこと以外は、実施例1と同様にプリント配線板を製造した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
実施例1〜3では、前記断面において、いずれも裾引き部の無い順台形状の回路パターンを形成でき、レジストパターンの残存が認められなかった。これに対し、比較例1では、裾引き部が無かったものの、レジストパターンの残存が一部で認められた。表1から明らかなように、実施例1〜3の回路パターンでは、側面の傾斜角が2°以上となっており、断面が好ましい形状であったのに対し、比較例1の回路パターンでは、側面の傾斜角が0.6°となっており、断面を順台形状とする効果が不十分であった。
このように、露光時の活性光の照射量が同じであっても、光量を調節することで、レジストパターン及び回路パターンの断面形状を順台形状に調節できること、レジストパターンを残存させずに、容易に除去できるように調節できることが確認できた。
【0063】
[実施例4]
第二の実施形態で図1を参照して説明した方法により、プリント配線板を製造した。
絶縁基材としてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトンEN」、厚さ25μm)を用い、その上に、シード層として厚さ0.2μmのニッケル薄膜及び厚さ2μmの銅薄膜をこの順にスパッタリング法で成膜した。
次いで、図9に示したものと同様のロール式ラミネータを用い、絶縁基材側に配置された第一の加熱ロールの温度Taを110℃、絶縁基材とは反対側に配置された第二の加熱ロールの温度Tbを125℃とし、これら加熱ロールの送り速度を1.0m/分として、アクリル系ネガドライフィルムレジスト(旭化成社製「SUNFORT UFG−252」)を前記銅薄膜上にラミネートすることで、異なる温度で加熱しながら、フォトレジスト層を設けた。
次いで、回路の幅が20μ、回路間のスペースが20μm、回路のピッチが40μmである回路パターンを形成するためのフォトマスクを介して、活性光の光量を10.1mW/cm2、活性光の照射時間を10.4秒(すなわち、活性光の照射量を105.0mJ/cm2)とした条件で露光を行い、さらに現像を行い、厚さ(高さ)25μmのレジストパターンを形成した。
次いで、電解銅めっき浴(メルテックス社製「CLX」)を用いて硫酸銅めっきを行うことで、金属層として銅層を形成し、シード層及び金属層の合計の厚さ(高さ)を20μmとした。
次いで、得られたものに、濃度が3.0重量%で温度が50℃の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして、レジストパターンを剥離させ、除去した。
次いで、硫酸−過酸化水素水系の銅ソフトエッチング液を用いて、回路間で露出しているシード層である銅薄膜及びニッケル薄膜を除去し、回路パターンを形成し、プリント配線板を得た。
次いで、形成した回路パターンをエポキシ系樹脂に埋没させ、この樹脂を硬化させた後、回路パターンの長手方向に対して垂直な断面における回路パターンの形状を観察したい部位において、プリント配線板を切断し、露出した断面を研磨した後、回路パターンの前記断面における形状を、光学顕微鏡を用いて観察した。回路パターンの前記断面における底面の幅(La)、上面の幅(Lb)及び高さ(Hl)の測定値を表2に示す。また、これら測定値から算出した、回路パターンの前記断面における側面の傾斜角(θl)を表2に示す。
【0064】
[実施例5〜6、実験例1]
表2に示すように、絶縁基材側に配置された第一の加熱ロールの温度Ta、及び絶縁基材とは反対側に配置された第二の加熱ロールの温度Tbを変更したこと以外は、実施例4と同様にプリント配線板を製造した。結果を表2に示す。表2には、比較例1の結果もあわせて記載している。
【0065】
【表2】
【0066】
実施例4〜6では、前記断面において、いずれも裾引き部の無い順台形状の回路パターンを形成でき、レジストパターンの残存が認められなかった。表2から明らかなように、実施例4〜6の回路パターンでは、側面の傾斜角が2°以上となっており、断面が好ましい形状であった。これに対し、上記のように比較例1では、裾引き部が無かったものの、レジストパターンの残存が一部で認められ、回路パターンの側面の傾斜角が0.6°となっており、断面を順台形状とする効果が不十分であった。実験例1では、アクリル系ネガドライフィルムレジストの前記銅薄膜上への密着不良が発生し、回路パターンを形成できなかった。
このように、露光時の活性光の照射量が同じであっても、フォトレジスト層の加熱方法を調節することで、レジストパターン及び回路パターンの断面形状を順台形状に調節できること、レジストパターンを残存させずに、容易に除去できるように調節できることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、電子機器及び電子部品、特に小型のプリント配線板を備えた電子機器及び電子部品の製造に利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・プリント配線板、11・・・絶縁基材、12・・・シード層、13・・・フォトレジスト層、14,24・・・レジストパターン、14a・・・レジストパターンの底面、14b・・・レジストパターンの上面、140・・・レジストパターンの開口部、15・・・金属層、16・・・回路パターン、16a・・・回路パターンの底面、16b・・・回路パターンの上面、16c・・・回路パターンの側面、Wa・・・レジストパターンの底面の幅、Wb・・・レジストパターンの上面の幅、La・・・回路パターンの底面の幅、Lb・・・回路パターンの上面の幅、Hl・・・回路パターンの高さ、θl・・・回路パターンの側面と絶縁基材の表面に対して垂直な方向とのなす角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィにより、微細な回路パターンを高精度に形成できるプリント配線板の製造方法、及び該方法で製造されたプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法としては、図10に示すセミアディティブ法が知られている。
セミアディティブ法では、まず、図10(a)に示すように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設ける。シード層12は、薄い金属層からなり、後述するめっき時の通電層となる。また、フォトレジスト層13は、液状レジスト組成物の塗布、電着、ドライフィルムレジストの貼付等により設けることができ、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いたものが好適である。
次いで、所望のレジストパターンを形成するためのフォトマスクをフォトレジスト層13上に配置し、露光及び現像を行い、図10(b)に示すように、レジストパターン94を形成する。
次いで、図10(c)に示すように、シード層12上のレジストパターン94が形成されていない部位、すなわち、レジストパターン94の開口部940をめっきして、金属層95を形成する。
次いで、図10(d)に示すように、レジストパターン94を除去する。
次いで、図10(e)に示すように、金属層95が形成されずに露出したシード層12を除去する。シード層12は、通常、ウェットエッチングで除去するが、この時同時に、金属層95も表面側から一部が一様に除去されることがあるが、この除去量を見込んでフォトマスク上の回路幅を設定しておく。これにより、回路パターン96が形成されたプリント配線板9が得られる。プリント配線板9は、この後必要に応じて表面に保護層を形成し、端子部のめっき、電子部品の実装が施される。
【0003】
近年、電子機器や電子部品の小型化に伴い、プリント配線板も小型化が必要となり、回路パターンの一層の微細化が求められている。そこで、上記の製造方法においては、レジストパターン94の形成から除去に到る、回路パターン96の形成過程を、より微細に且つ高精度に行うことが必要になってきている。特に、レジストパターン94の除去は重要であり、その除去が不完全であると、シード層12の除去が不完全になって、その結果、得られたプリント配線板は、回路間の絶縁特性や絶縁耐圧特性が劣化したり、回路幅のばらつきによって、回路インピーダンスを精度よく制御することが困難になってしまう。
【0004】
レジストパターン94は、その種類に応じた方法で除去され、例えば、ドライフィルムレジストを用いた場合、図11(a)に示すように、水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液で、矢印Cで示すように膨潤させ、図11(b)に示すように、隣接部との界面において界面剥離を生じさせて、矢印A方向に移動させることで、除去できる。
【0005】
しかし、図10に示す回路ピッチPが、回路パターン96の、その長手方向に対して垂直な断面における高さ(絶縁基材11の表面からの、回路パターン96の上面96bの高さ)の数倍程度にまで微細化された場合、例えば、回路パターン96のアスペクト比([回路(パターン)の高さ]/[回路(パターン)の幅])が1/2以上のような場合には、回路パターン96間に剥離したレジストパターン94が挟まって残存してしまうなど、いずれの方法でもレジストパターン94の完全な除去が困難になり、これはドライフィルムレジストを用いた場合に顕著である。
【0006】
さらに、微細なレジストパターン94が、金属層95の形成過程で剥離するのを防止するために、レジストパターン94(フォトレジスト層13)とシード層12との密着力を高めることが必要であり、この場合、現像後のレジストパターン94は、図12(a)に示すように、底面側の部分が除去されずに残って幅広部(裾引き部99)となった裾引き形状となることが多い。この場合、レジストパターン94は、図12(b)に示すように、剥離液で膨潤させても裾引き部99が金属層95に引っ掛かり、矢印A方向への移動が困難になり、除去が一層困難になってしまう。これは、例えば、回路パターン96の前記高さが10μm程度の場合に、レジストパターン94の幅が30μm以下程度になると顕著である。
【0007】
これに対して、界面活性能だけでなく、レジストパターン94の架橋点に対する破壊能を有する、モノエタノールアミンやトリエタノールアミン等のアミン系剥離剤を用いる方法が開示されている。この方法は、図13(a)に示すように、レジストパターン94の膨潤と分解を並行して行い、図13(b)に示すように、分解片94’を除去するようにすることで、レジストパターン94の除去を容易にするものである。
しかし、アミン系剥離剤を用いた場合でも、図13(c)に示すように、裾引き部99に由来する分解片94’が金属層95に引っ掛かり、その除去が困難になることが多い。
【0008】
このような、レジストパターン94の残存を防止できる手法として、図14(a)及び図15(a)に示すように、レジストパターンを、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広い形状(逆台形状)とする方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法によれば、図14(b)及び図15(b)に示すように、レジストパターン94の剥離方向(図中の矢印Aの方向)に向けて、隣り合う金属層95の間隔が広くなるので、レジストパターン94は裾引き部99の有無によらず、残存部を残すことなく容易に除去できる。これは、アミン系剥離剤を用いた場合も同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−212272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載のような、断面が逆台形状のレジストパターンは、簡便且つ安価に形成することが困難であるという問題点があった。特許文献1で具体的に開示されている方法は、特定の成分からなる複数層のフォトレジスト層を露光及び現像するというものであり、レジスト組成物に汎用性がなく、フォトレジスト層を複数層積層するために、製造工程も複雑であり、高コストであるという問題点があった。このように、従来のプリント配線板の製造方法では、特殊な材料や工程が不要で、レジストパターンの残存を防止できる実用的な方法が無いのが実情であった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、特殊な材料を用いずに、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できるプリント配線板の製造方法、及び該方法で製造されたプリント配線板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、
本発明は、基材上に回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法であって、基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成する工程と、前記基材上の前記レジストパターンが形成されていない部位をめっきして、金属層を形成する工程と、金属層形成後の前記基材上から前記レジストパターンを除去して、回路パターンを形成する工程と、を有し、前記レジストパターンが、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広いことを特徴とするプリント配線板の製造方法を提供する。
かかる製造方法によれば、レジストパターンが前記断面において、底面よりも上面の方が、幅が広いので、裾引き部の有無によらず、レジストパターンを基材上に残存させることなく容易に除去でき、その結果、プリント配線板は、回路パターンが微細であっても、回路間の絶縁特性や絶縁耐圧特性の劣化が防止され、回路幅のばらつきも防止されて、回路インピーダンスを精度よく制御することが容易となる。また、かかる製造方法は、レジストパターンを、特殊な材料を用いずに同じ組成の単一の層からなるものとするので、汎用性が高い。
【0013】
本発明のプリント配線板の製造方法においては、前記レジストパターンを形成する工程において、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を、20mW/cm2以上の光量で露光、及び現像して、前記レジストパターンを形成することが好ましい。
かかる製造方法によれば、前記レジストパターンをより安定して形成できる。
【0014】
本発明のプリント配線板の製造方法においては、前記レジストパターンを形成する工程が、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、前記レジストパターンを形成する工程を有し、前記露光前又は露光後の前記フォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱することが好ましい。
そして、かかる製造方法においては、前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光前に前記異なる温度で加熱することが好ましい。
また、かかる製造方法においては、前記異なる温度で加熱しながら、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像してもよい。
また、かかる製造方法においては、前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光後で且つ現像前に前記異なる温度で加熱してもよい。
かかる製造方法によれば、前記レジストパターンをより安定して形成できる。
【0015】
また、本発明は、基材上に回路パターンを備えたプリント配線板であって、前記回路パターンは、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が狭くされ、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/2以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、1°以上の角度をなしていることを特徴とするプリント配線板を提供する。
かかるプリント配線板は、前記回路パターンの底面及び上面の幅、並びに側面の角度が上記のように設定されていることで、回路パターンが微細であっても、回路間の絶縁特性や絶縁耐圧特性の劣化が防止され、回路幅のばらつきも防止されて、回路インピーダンスを精度よく制御することが容易となる。
そして、かかるプリント配線板においては、前記回路パターンが、前記断面において、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/4以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、2°以上の角度をなしていることが好ましい。
かかるプリント配線板は、上記効果により優れたものとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特殊な材料を用いずに、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できるプリント配線板の製造方法、及び該方法で製造されたプリント配線板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る製造方法を説明するための概略断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における、レジストパターンが設けられた基材を例示する概略斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における、レジストパターンの側面の他の形状を例示する概略断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態における、アミン系剥離剤によるレジストパターンの除去を模式的に示す概略断面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態における、回路パターンの側面の他の形状を例示する概略断面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態において、裾引き形状のレジストパターンの除去を模式的に例示する概略断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態における、アミン系剥離剤による裾引き形状のレジストパターンの除去を模式的に示す概略断面図である。
【図8】本発明の第二の実施形態における、露光前のフォトレジスト層の加熱方法を模式的に例示する概略断面図である。
【図9】本発明の第二の実施形態における、露光前のフォトレジスト層の他の加熱方法を模式的に例示する概略断面図である。
【図10】従来のセミアディティブ法によるプリント配線板の製造方法を説明する概略断面図である。
【図11】レジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【図12】裾引き形状のレジストパターンを模式的に説明する概略断面図である。
【図13】従来のアミン系剥離剤によるレジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【図14】断面が逆台形状のレジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【図15】断面が逆台形状で裾引き形状のレジストパターンの除去を模式的に説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るプリント配線板の製造方法は、基材上に回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法であって、基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」と略記する)と、前記基材上の前記レジストパターンが形成されていない部位をめっきして、金属層を形成する工程(以下、「金属層形成工程」と略記する)と、金属層形成後の前記基材上から前記レジストパターンを除去して、回路パターンを形成する工程(以下、「回路パターン形成工程」と略記する)と、を有し、前記レジストパターンが、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広い(以下、このような形状を、後述する裾引き部を有するものも含めて「逆台形状」と略記する)ことを特徴とする。本発明は、セミアディティブ法の適用に好適である。本発明によれば、特に材料が限定されることなく、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを逆台形状とするので、汎用性が高く、レジストパターンの残存が防止でき、微細な回路パターンを高精度に形成できる。以下、本発明について、工程ごとに詳細に説明する。
【0019】
<第一の実施形態>
図1は、本発明の第一の実施形態に係る製造方法を説明するための概略断面図である。
本実施形態に係る製造方法は、基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、レジストパターンを形成するフォトリソグラフィ工程において、レジスト層の露光時における光量を20mW/cm2以上に限定することで、断面が逆台形状のレジストパターンを形成する工程を有する。
【0020】
[レジストパターン形成工程]
本実施形態では、まず、基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を行う。
レジストパターン形成工程においては、まず、図1(a)に示すように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設ける。この操作は、従来と同様の方法で行うことができる。なお、本明細書において、シード層12が設けられた絶縁基材11を、以下、単に「基材」と言うことがある。
【0021】
絶縁基材11の形状は、フィルム状、シート状又は薄板状であることが好ましい。
絶縁基材11の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。
絶縁基材11を構成する材質は、柔軟性を有するものが好ましく、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であることが好ましく、具体的には、ポリイミド、エポキシ樹脂、液晶ポリマー、ガラスエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等が例示できる。
絶縁基材11を構成する材質は、一種でもよいし、二種以上でもよい。二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に調節できる。
絶縁基材11は、単層でもよいし、二層以上の複数層でもよい。複数層である場合、すべての層が同じでもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同じでもよい。ここで、「層が異なる」とは、層の材質及び厚さの少なくとも一方が、互いに異なることを指す。
【0022】
シード層12は、薄い導電層であり、後述するめっき時の通電層となるものである。
シード層12の材質は、金属等の導電性を有するものであればよく、具体的には、ニッケル、クロム、ニッケル・クロム合金、銅等が例示できる。
シード層12の厚さは、0.2〜3.0μmであることが好ましい。
シード層12は、蒸着法、スパッタリング法、無電解めっき法、またはこれらの方法によって得た薄膜上にめっきを施して厚膜化する方法等、その材質に応じて適した方法で、絶縁基材11上に設ければよい。
シード層12は、単層でもよいし、二層以上の複数層でもよい。複数層である場合、すべての層が同じでもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同じでもよい。ここで、「層が異なる」とは、絶縁基材11の場合と同様である。
【0023】
フォトレジスト層13は、同じ組成の単一の層からなり、公知のものでよく、その構成成分は特に限定されない。そして、ネガ型レジスト及びポジ型レジストのいずれでもよいが、ネガ型レジストであることが好ましい。
フォトレジスト層13の厚さは、後述する所望の厚さの金属層を形成できるように、適宜調節すればよいが、通常は、10〜50μmであることが好ましい。
フォトレジスト層13は、例えば、シード層12上にレジスト組成物を塗布及び乾燥させる方法、電着、ドライフィルムレジストの貼付等により設けることができ、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いたものが好適である。
【0024】
レジストパターン形成工程においては、次いで、目的とする回路パターンに対応した所望のレジストパターンを形成するためのフォトマスクを、フォトレジスト層13上に配置し、前記フォトマスクを介してフォトレジスト層13に対して露光及び現像を行い、図1(b)に示すように、レジストパターン14を形成する。レジストパターン14は、フォトレジスト層13の構成を反映し、同じ組成の単一の層からなる。なお、本発明において「同じ組成」とは、組成に明確な偏りがないことを指す。
【0025】
レジストパターン14は、その長手方向に対して垂直な断面において、底面(絶縁基材11側の、シード層12との接触面)14aよりも上面(絶縁基材11とは反対側の面)14bの方が、幅が広い逆台形状である。ここで、前記断面における底面14aの幅はWa、上面14bの幅はWbであり、Wb>Waである。
なお、レジストパターン14が設けられた基材の概略斜視図を図2に例示する。レジストパターン14の長手方向とは、図2の矢印Bの方向を指し、図1は、この矢印Bの方向に対して垂直な、I−I線における断面図に該当する。
【0026】
レジストパターン14の前記断面における形状として、ここでは、底面14aから上面14bへ向けて、その幅Wが漸次広くなるものを示しているが、本発明においてはこれに限定されず、底面14aから上面14bへ向けて、その幅Wが広くなっていない領域があってもよいが、このような領域はレジストパターン14の高さ方向において50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0027】
また、レジストパターン14の前記断面における形状として、ここでは、レジストパターン14の側面14cが平面状であるものを示しているが、本発明においてはこれに限定されず、図3(a)に示すような、側面14cがレジストパターン14の内側から外側へ向けて膨出する凸面状であるもの、これとは逆の図3(b)に示すような凹面状であるもの、あるいはこれら凸面状又は凹面状を一部に有するものでもよい。
【0028】
レジストパターン14の前記断面においては、レジストパターン14の側面14cと、シード層12(絶縁基材11、基材)の表面に対して垂直な方向とのなす角度(レジストパターンの側面14cの傾斜角)θwが、1°以上であることが好ましく、2°以上であることがより好ましい。このようにすることで、後述するように、レジストパターン14を残存させずに、より容易に除去できる。
【0029】
前記断面形状を有するレジストパターン14は、フォトレジスト層13を、20mW/cm2以上の光量で露光してから現像することで形成できる。その理由は定かではないが、このような光量で露光することにより、フォトレジスト層13は、光源に近い位置にあるその上面13bに近い部位ほど速やかに光化学反応が進行し、それと共に光透過率が低下して、フォトレジスト層13の底面13aに近い部位ほど到達する光量が減少し、光化学反応が進行し難くなるためではないかと推測される。活性光の光量と照射時間との積、すなわち活性光の照射量が同じであっても、光量が20mW/cm2より少なくなると、レジストパターン14の前記断面形状を逆台形状にはできない。
【0030】
露光時に照射する活性光は、200〜410nmの波長域に強いピークを有する紫外光であることが好ましい。
【0031】
現像は、フォトレジスト層13の種類に応じて公知の方法で行えばよく、例えば、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いた場合には、濃度が2〜10重量%で30〜60℃の炭酸ナトリウム水溶液に浸漬し、洗浄する方法が挙げられる。
【0032】
[金属層形成工程]
本実施形態では、次いで、図1(c)に示すように、シード層12(基材)上のレジストパターン14が形成されていない部位、すなわちレジストパターン14の開口部140をめっきして、金属層15を形成する金属層形成工程を行う。
金属層15の材質としては、銅、銅合金が例示できる。
金属層15の厚さは、最終的に得たい回路パターンの高さにもよるが、例えば、シード層12の厚さとの合計値が5〜30μmとなるように調節することが好ましい。
金属層15は、公知のめっき法で形成すればよく、例えば、銅からなる金属層15であれば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき、青化銅めっき等の電解銅めっきが例示でき、これらの中では、環境負荷が小さく特性が良好なめっき層を得られる点から、硫酸銅めっきが好ましい。
【0033】
レジストパターン14の形状を反映して、金属層15は、その長手方向に対して垂直な断面において、底面(絶縁基材11側の、シード層12との接触面)15aよりも上面(絶縁基材11とは反対側の面)15bの方が、幅が狭い順台形状である。ここで、前記断面における底面15aの幅はTa、上面15bの幅はTbであり、Ta>Tbである。
なお、金属層15の長手方向は、レジストパターン14の長手方向と一致するため、金属層15の長手方向に対して垂直な断面は、レジストパターン14の長手方向に対して垂直な断面と平行である。
【0034】
レジストパターン14の除去の容易性の観点からは、前記幅TaとTbとの差は、大きいほど好ましいが、回路パターンの特性を考慮すると、この差は大きくなり過ぎないことが必要である。すなわち、前記幅TaとTbとの差は、前記断面における金属層15及びシード層12の高さの合計値(絶縁基材11の表面からの、金属層15の上面15bの高さ)Htの1/2以下である([Ta−Tb]≦Ht/2)ことが好ましく、1/4以下である([Ta−Tb]≦Ht/4)ことがより好ましい。このようにすることで、次工程においてレジストパターン14を、基材上に残存させることなく、より容易に除去できると共に、後述するように、特性がより良好な回路パターンを形成できる。
【0035】
[回路パターン形成工程]
本実施形態では、次いで、金属層15形成後の前記基材上からレジストパターン14を除去して、回路パターンを形成する回路パターン形成工程を行う。
回路パターン形成工程においては、まず、レジストパターン14を除去するが、除去方法は公知の方法でよく、レジストパターン14の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、アルカリ可溶型のドライフィルムレジストを用いた場合には、濃度が1〜5重量%で40〜65℃の水酸化ナトリウム水溶液を剥離液として用い、図1(d)に示すように、レジストパターン14を膨潤させ、レジストパターン14と、隣接部との界面において界面剥離を生じさせることで、図1(e)に示すように、レジストパターン14を除去する方法が挙げられる。図1(c)に示すように、金属層15は、レジストパターン14の形状を反映して順台形状であり、レジストパターン14の剥離方向(図中の矢印Aの方向)に向けて、隣り合う金属層15の間隔が広くなるので、矢印Cで示すように、レジストパターン14が膨潤すると、その応力によって、レジストパターン14は金属層15の側面15cに沿って容易に動き、矢印Aの方向に移動して極めて容易に剥離する。その結果、基材上にはレジストパターン14が残存することが無い。
【0036】
なお、ここでは、剥離液として水酸化ナトリウム水溶液を用いて、レジストパターンを除去する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、その他の除去方法でも同様に、基材上にはレジストパターン14が残存することが無い。例えば、アミン系剥離剤を用いた場合では、図4(a)に示すように、レジストパターン14の膨潤と分解が並行して進行し、図4(b)に示すように、分解片14’が容易に除去されて、基材上にはレジストパターン14が残存することが無い。なお、図4(a)においては、レジストパターン14の分解を亀裂として記載している。これは、以降の図面においても同様である。
【0037】
回路パターン形成工程においては、次いで、金属層15が形成されずに露出したシード層12を除去する。
シード層12は、ウェットエッチング等、公知の方法で除去すればよい。ウェットエッチングとしては、0.5〜15重量%の硫酸と、0.1〜3重量%の過酸化水素水とを混合した硫酸−過酸化水素系エッチング液;0.3〜10重量%の硝酸と、0.1〜3重量%の過酸化水素水とを混合した硝酸−過酸化水素系エッチング液等を用いたものが例示できる。シード層12の除去では、同時に金属層15も表面側から一部が一様に除去されることがあるが、必要に応じて、この除去量を見込んでフォトマスク上の回路幅を設定しておけばよい。
【0038】
このように余分なシード層12を除去することで、図1(f)に示すように、回路パターン16が形成されたプリント配線板1が得られる。プリント配線板1は、この後必要に応じて表面に保護層を形成し、端子部のめっき、電子部品の実装が施される。
【0039】
金属層15(レジストパターン14)の形状を反映して、回路パターン16は、その長手方向に対して垂直な断面において、底面(絶縁基材11との接触面)16aよりも上面(絶縁基材11とは反対側の面)16bの方が、幅が狭い順台形状である。ここで、前記断面における底面16aの幅はLa、上面14bの幅はLbであり、La>Lbである。
なお、回路パターン16の長手方向は、金属層15の長手方向と一致する。
【0040】
前記幅LaとLbとの差は、回路パターン16の前記断面における高さ(絶縁基材11の表面からの、回路パターン16の上面16bの高さ)Hlの1/2以下である([La−Lb]≦Hl/2)ことが好ましく、1/4以下である([La−Lb]≦Hl/4)ことがより好ましい。このようにすることで、回路パターンをより容易に微細化できる。また、回路幅がより均一になるので、回路インピーダンスを精度よく制御することが容易となる。さらに、回路間のギャップが狭くなり過ぎず、回路間の絶縁特性及び絶縁耐圧特性がより向上する。このような形状の回路パターン16は、上記の好ましい形状の金属層15から得られる。
【0041】
回路パターン16の前記断面においては、回路パターン16の側面16cと、絶縁基材11(シード層12、基材)の表面に対して垂直な方向とのなす角度(回路パターンの側面16cの傾斜角)θlが、1°以上であることが好ましく、2°以上であることがより好ましい。このような形状の回路パターン16は、上記の好ましい形状のレジストパターン14(金属層15)から得られる。なお、「[La−Lb]=Hl/2」、「[La−Lb]=Hl/4」である場合のθlは、それぞれ14.0°、7.1°である。
【0042】
回路パターン16の前記断面における形状として、ここでは、底面16aから上面16bへ向けて、その幅Lが漸次狭くなるものを示しているが、これは、レジストパターン14の前記断面の形状を反映するからである。したがって、レジストパターン14の場合と同様に、回路パターン16の前記断面における形状は、底面16aから上面16bへ向けて、その幅Lが狭くなっていない領域があってもよいが、このような領域は、回路パターン16の高さ方向において50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0043】
また、回路パターン16の前記断面における形状として、ここでは、回路パターン16の側面16cが平面状であるものを示しているが、レジストパターン14の場合と同様に、図5(b)に示すような、側面16cが回路パターン16の内側から外側へ向けて膨出する凸面状であるもの、これとは逆の図5(a)に示すような凹面状であるもの、あるいはこれら凸面状又は凹面状を一部に有するものでもよい。ただし、このような側面形状の領域は、回路パターン16の高さ方向において50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0044】
本実施形態においては、例えば、レジストパターン14が、前記断面において、底面14a側の部分が除去されずに残って裾引き部となった裾引き形状であっても、同様の効果を奏する。図6は、このような裾引き形状のレジストパターンが形成された場合の、回路パターン形成工程におけるレジストパターンの除去を模式的に示す概略断面図である。
図6(a)に示すように、裾引き部29が形成されたレジストパターン24は、上記のレジストパターン14と同様に、前記断面において逆台形状であると言えるので、裾引き部29の存在にも関わらず、図6(b)に示すように、容易に矢印A方向に移動して除去される。その結果、図6(c)に示すように、基材上にはレジストパターン24が残存することが無い。
これは、その他の除去方法でも同様であり、例えば、アミン系剥離剤を用いた場合でも、図7(a)に示すように、レジストパターン24の膨潤と分解が並行して進行し、図7(b)に示すように、分解片24’が容易に除去されて、図7(c)に示すように、基材上にはレジストパターン24が残存することが無い。
【0045】
本実施形態においては、フォトレジスト層を、20mW/cm2以上の光量で露光すること以外は、従来と同様の方法でプリント配線板を製造できる。したがって、特殊な材料を用いずに、フォトレジスト層を同じ組成の単一の層から構成するなど、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できる。
【0046】
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態に係る製造方法は、基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、レジストパターンを形成するフォトリソグラフィ工程において、露光前又は露光後のフォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱することで、断面が逆台形状のレジストパターンを形成する工程を有する。すなわち、本実施形態は、フォトレジスト層の露光時における活性光の光量を20mW/cm2以上に限定するのに代えて、活性光の光量を限定せずに、露光前又は露光後のフォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱する点以外は、第一の実施形態と同様である。
ここで、「フォトレジスト層を基材側から加熱する」とは、フォトレジスト層を基材が配置されている側から加熱することを指し、「フォトレジスト層を基材とは反対側から加熱する」とは、上記とは反対に、フォトレジスト層を基材が配置されていない側から加熱することを指す。
【0047】
上記のように異なる温度でフォトレジスト層を加熱することで、断面が逆台形状のレジストパターンを形成できる理由は定かではないが、加熱温度が異なることで、この加熱によってフォトレジスト層で生じる架橋反応の程度に差が生じ、その結果、露光時の光透過率にも差が生じて、架橋反応がより進行していた部位ほど光化学反応が進行し難くなり、フォトレジスト層の厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じるためではないかと推測される。
【0048】
[形成済みフォトレジスト層の露光前の加熱]
本実施形態において、露光前のフォトレジスト層を上記のように異なる温度で加熱する場合には、例えば、第一の実施形態で、図1(a)を参照して説明したように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設けた後、このフォトレジスト層13を、絶縁基材11側及び絶縁基材11とは反対側の両側から異なる温度で加熱すればよい。図8は、この時の加熱方法を模式的に示す概略断面図であり、フォトレジスト層13を、絶縁基材11側から温度Taで、絶縁基材11とは反対側から温度Tbで、それぞれ加熱する場合を示している。フォトレジスト層13がネガ型であり、露光時の活性光の照射を絶縁基材11とは反対側(フォトレジスト層13側)から行う場合には、Tb>Taとする。このように露光前に加熱することで、フォトレジスト層13は、露光前の段階ですでに架橋度に差が生じ、その結果、厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じると推測される。この方法は、プリベーク(ポストアプライベーク(PAB))の変形例と言える。
【0049】
フォトレジスト層13は、いずれの温度においても、熱源を接触させて直接的に加熱してもよいし、熱源を接触させずに間接的に加熱してもよい。直接的に加熱する方法としては、加熱ロールを用いる方法が例示できる。
【0050】
なお、ここでは、絶縁基材11を温度Taで加熱している様子を示しているが、絶縁基材11が薄ければ、通常は絶縁基材11を温度Taで加熱すれば、フォトレジスト層13も絶縁基材11側から温度Taで加熱される。フォトレジスト層13の加熱温度が絶縁基材11の加熱温度と同じにならない場合には、その場合のフォトレジスト層13の加熱温度Ta’が、Tb>Ta’となるように調節すればよい。
【0051】
上記のように加熱した後は、フォトレジスト層の露光時の光量を20mW/cm2以上に限定しないこと以外は、第一の実施形態と同様の方法でレジストパターン形成工程を行い、図1(b)に示すものと同様のレジストパターン14を形成する。そして、以降は、第一の実施形態と同様の方法で金属層形成工程及び回路パターン形成工程を行い、図1(f)に示すものと同様の回路パターン16が形成されたプリント配線板1を得る。
【0052】
[フォトレジスト層形成時の加熱]
本実施形態においては、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱しながら、基材上にフォトレジスト層を形成してもよい。この方法は、例えば、ドライフィルムレジストを用いてフォトレジスト層を形成する場合に好適である。図9は、この時の加熱方法を模式的に示す概略断面図であり、一対の第一の加熱ロール81及び第二の加熱ロール82を備えたロール式ラミネータ8を用いた加熱方法を説明するものである。
【0053】
ここでは、絶縁基材11に設けられたシード層12上にドライフィルムレジスト13’を配置し、これらを一体に、第一の加熱ロール81及び第二の加熱ロール82間を通過させて、矢印D方向に移動させる。これにより、絶縁基材11とは反対側から第二の加熱ロール82により温度Tbで加熱することで、ドライフィルムレジスト13’をシード層12上にラミネートすると同時に、形成されたフォトレジスト層13を温度Tbで加熱する。さらにこの時、フォトレジスト層13を、絶縁基材11側から第一の加熱ロール81により温度Taで加熱する。これにより、異なる温度Ta及びTbで加熱しながら、基材上にフォトレジスト層13を形成できる。ここでTa及びTbは、図8の場合と同様である。このように露光前に加熱することで、図8の場合と同様に、フォトレジスト層13は、露光前の段階ですでに架橋度に差が生じ、その結果、厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じると推測される。この方法も、プリベーク(ポストアプライベーク(PAB))の変形例と言える。
【0054】
上記のように加熱した後は、フォトレジスト層の露光時の光量を20mW/cm2以上に限定しないこと以外は、第一の実施形態と同様の方法でレジストパターン形成工程を行い、図1(b)に示すものと同様のレジストパターン14を形成する。そして、以降は、第一の実施形態と同様の方法で金属層形成工程及び回路パターン形成工程を行い、図1(f)に示すものと同様の回路パターン16が形成されたプリント配線板1を得る。
【0055】
[フォトレジスト層の露光後の加熱]
本実施形態において、露光後のフォトレジスト層を上記のように異なる温度で加熱する場合には、例えば、第一の実施形態で、図1(a)を参照して説明したように、絶縁基材11上にシード層12を設け、シード層12上にフォトレジスト層13を設けた後、光量を20mW/cm2以上に限定しないこと以外は、第一の実施形態と同様の方法でフォトレジスト層13に対して露光を行い、この露光後のフォトレジスト層13を、絶縁基材11側及び絶縁基材11とは反対側の両側から異なる温度で加熱すればよい。この時の加熱方法は、加熱に供するものが露光前のフォトレジスト層ではなく露光後のフォトレジスト層である点を除けば、図8を参照して説明した方法と同様である。このように露光後に加熱することで、フォトレジスト層13は、露光直後の段階で架橋度に差が生じていなくても、この加熱によって架橋度に差が生じ、その結果、厚さ方向において、現像前の光化学反応の程度に差が生じると推測される。この方法は、ポストエクスポージャーベーク(PEB)の変形例と言える。
【0056】
上記のように加熱した後は、第一の実施形態と同様の方法でレジストパターン形成工程を行い、図1(b)に示すものと同様のレジストパターン14を形成する。そして、以降は、第一の実施形態と同様の方法で金属層形成工程及び回路パターン形成工程を行い、図1(f)に示すものと同様の回路パターン16が形成されたプリント配線板1を得る。
【0057】
本実施形態は、第一の実施形態と同様の効果を奏するものであり、露光前又は露光後のフォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱すること以外は、従来と同様の方法でプリント配線板を製造でき、特殊な材料を用いずに、汎用性が高い方法で、レジストパターンの残存を防止しながら、微細な回路パターンを高精度に形成できる。
【実施例】
【0058】
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
【0059】
[実施例1]
第一の実施形態で図1を参照して説明した方法により、プリント配線板を製造した。
絶縁基材としてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトンEN」、厚さ25μm)を用い、その上に、シード層として厚さ0.2μmのニッケル薄膜及び厚さ2μmの銅薄膜をこの順にスパッタリング法で成膜した。
次いで、図9に示したものと同様のロール式ラミネータを用い、絶縁基材側に配置された第一の加熱ロール、及び絶縁基材とは反対側に配置された第二の加熱ロールの温度をいずれも110℃とし、これら加熱ロールの送り速度を1.0m/分として、アクリル系ネガドライフィルムレジスト(旭化成社製「SUNFORT UFG−252」)を前記銅薄膜上にラミネートすることで、フォトレジスト層を設けた。
次いで、回路の幅が20μ、回路間のスペースが20μm、回路のピッチが40μmである回路パターンを形成するためのフォトマスクを介して、活性光の光量を21.0mW/cm2、活性光の照射時間を5.0秒とした条件で露光を行い、さらに現像を行い、厚さ(高さ)25μmのレジストパターンを形成した。
なお、ここで照射した活性光は、超高圧水銀ランプから得られたものであり、その光源光のスペクトルは365nm、すなわち水銀(Hg)のi線近傍に強いピークを有し、さらに365nmを含む広帯域に渡ってブロードな発光特性を有するものである。
次いで、電解銅めっき浴(メルテックス社製「CLX」)を用いて硫酸銅めっきを行うことで、金属層として銅層を形成し、シード層及び金属層の合計の厚さ(高さ)を20μmとした。
次いで、得られたものに、濃度が3.0重量%で温度が50℃の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして、レジストパターンを剥離させ、除去した。
次いで、硫酸−過酸化水素系の銅ソフトエッチング液を用いて、回路間で露出しているシード層である銅薄膜を除去した後、硝酸−過酸化水素系のニッケルエッチング液を用いて、シード層であるニッケル薄膜を除去することで、回路パターンを形成し、プリント配線板を得た。
次いで、形成した回路パターンをエポキシ系樹脂に埋没させ、この樹脂を硬化させた後、回路パターンの長手方向に対して垂直な断面における回路パターンの形状を観察したい部位において、プリント配線板を切断し、露出した断面を研磨した後、回路パターンの前記断面における形状を、光学顕微鏡を用いて観察した。回路パターンの前記断面における底面の幅(La)、上面の幅(Lb)及び高さ(Hl)の測定値を表1に示す。また、これら測定値から算出した、回路パターンの前記断面における側面の傾斜角(θl)を表1に示す。
【0060】
[実施例2〜3、比較例1]
表1に示すように、活性光の照射量が実施例1の105.0mJ/cm2か又はその近傍の値となるように、活性光の光量及び照射時間を変更したこと以外は、実施例1と同様にプリント配線板を製造した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
実施例1〜3では、前記断面において、いずれも裾引き部の無い順台形状の回路パターンを形成でき、レジストパターンの残存が認められなかった。これに対し、比較例1では、裾引き部が無かったものの、レジストパターンの残存が一部で認められた。表1から明らかなように、実施例1〜3の回路パターンでは、側面の傾斜角が2°以上となっており、断面が好ましい形状であったのに対し、比較例1の回路パターンでは、側面の傾斜角が0.6°となっており、断面を順台形状とする効果が不十分であった。
このように、露光時の活性光の照射量が同じであっても、光量を調節することで、レジストパターン及び回路パターンの断面形状を順台形状に調節できること、レジストパターンを残存させずに、容易に除去できるように調節できることが確認できた。
【0063】
[実施例4]
第二の実施形態で図1を参照して説明した方法により、プリント配線板を製造した。
絶縁基材としてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトンEN」、厚さ25μm)を用い、その上に、シード層として厚さ0.2μmのニッケル薄膜及び厚さ2μmの銅薄膜をこの順にスパッタリング法で成膜した。
次いで、図9に示したものと同様のロール式ラミネータを用い、絶縁基材側に配置された第一の加熱ロールの温度Taを110℃、絶縁基材とは反対側に配置された第二の加熱ロールの温度Tbを125℃とし、これら加熱ロールの送り速度を1.0m/分として、アクリル系ネガドライフィルムレジスト(旭化成社製「SUNFORT UFG−252」)を前記銅薄膜上にラミネートすることで、異なる温度で加熱しながら、フォトレジスト層を設けた。
次いで、回路の幅が20μ、回路間のスペースが20μm、回路のピッチが40μmである回路パターンを形成するためのフォトマスクを介して、活性光の光量を10.1mW/cm2、活性光の照射時間を10.4秒(すなわち、活性光の照射量を105.0mJ/cm2)とした条件で露光を行い、さらに現像を行い、厚さ(高さ)25μmのレジストパターンを形成した。
次いで、電解銅めっき浴(メルテックス社製「CLX」)を用いて硫酸銅めっきを行うことで、金属層として銅層を形成し、シード層及び金属層の合計の厚さ(高さ)を20μmとした。
次いで、得られたものに、濃度が3.0重量%で温度が50℃の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして、レジストパターンを剥離させ、除去した。
次いで、硫酸−過酸化水素水系の銅ソフトエッチング液を用いて、回路間で露出しているシード層である銅薄膜及びニッケル薄膜を除去し、回路パターンを形成し、プリント配線板を得た。
次いで、形成した回路パターンをエポキシ系樹脂に埋没させ、この樹脂を硬化させた後、回路パターンの長手方向に対して垂直な断面における回路パターンの形状を観察したい部位において、プリント配線板を切断し、露出した断面を研磨した後、回路パターンの前記断面における形状を、光学顕微鏡を用いて観察した。回路パターンの前記断面における底面の幅(La)、上面の幅(Lb)及び高さ(Hl)の測定値を表2に示す。また、これら測定値から算出した、回路パターンの前記断面における側面の傾斜角(θl)を表2に示す。
【0064】
[実施例5〜6、実験例1]
表2に示すように、絶縁基材側に配置された第一の加熱ロールの温度Ta、及び絶縁基材とは反対側に配置された第二の加熱ロールの温度Tbを変更したこと以外は、実施例4と同様にプリント配線板を製造した。結果を表2に示す。表2には、比較例1の結果もあわせて記載している。
【0065】
【表2】
【0066】
実施例4〜6では、前記断面において、いずれも裾引き部の無い順台形状の回路パターンを形成でき、レジストパターンの残存が認められなかった。表2から明らかなように、実施例4〜6の回路パターンでは、側面の傾斜角が2°以上となっており、断面が好ましい形状であった。これに対し、上記のように比較例1では、裾引き部が無かったものの、レジストパターンの残存が一部で認められ、回路パターンの側面の傾斜角が0.6°となっており、断面を順台形状とする効果が不十分であった。実験例1では、アクリル系ネガドライフィルムレジストの前記銅薄膜上への密着不良が発生し、回路パターンを形成できなかった。
このように、露光時の活性光の照射量が同じであっても、フォトレジスト層の加熱方法を調節することで、レジストパターン及び回路パターンの断面形状を順台形状に調節できること、レジストパターンを残存させずに、容易に除去できるように調節できることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、電子機器及び電子部品、特に小型のプリント配線板を備えた電子機器及び電子部品の製造に利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・プリント配線板、11・・・絶縁基材、12・・・シード層、13・・・フォトレジスト層、14,24・・・レジストパターン、14a・・・レジストパターンの底面、14b・・・レジストパターンの上面、140・・・レジストパターンの開口部、15・・・金属層、16・・・回路パターン、16a・・・回路パターンの底面、16b・・・回路パターンの上面、16c・・・回路パターンの側面、Wa・・・レジストパターンの底面の幅、Wb・・・レジストパターンの上面の幅、La・・・回路パターンの底面の幅、Lb・・・回路パターンの上面の幅、Hl・・・回路パターンの高さ、θl・・・回路パターンの側面と絶縁基材の表面に対して垂直な方向とのなす角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法であって、
基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成する工程と、
前記基材上の前記レジストパターンが形成されていない部位をめっきして、金属層を形成する工程と、
金属層形成後の前記基材上から前記レジストパターンを除去して、回路パターンを形成する工程と、を有し、
前記レジストパターンが、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広いことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
前記レジストパターンを形成する工程において、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を、20mW/cm2以上の光量で露光、及び現像して、前記レジストパターンを形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
前記レジストパターンを形成する工程が、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、前記レジストパターンを形成する工程を有し、前記露光前又は露光後の前記フォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光前に前記異なる温度で加熱することを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
前記異なる温度で加熱しながら、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像することを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光後で且つ現像前に前記異なる温度で加熱することを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
基材上に回路パターンを備えたプリント配線板であって、
前記回路パターンは、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が狭くされ、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/2以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、1°以上の角度をなしていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項8】
前記回路パターンが、前記断面において、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/4以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、2°以上の角度をなしていることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
【請求項1】
基材上に回路パターンを備えたプリント配線板の製造方法であって、
基材上に、同じ組成の単一の層からなるレジストパターンを形成する工程と、
前記基材上の前記レジストパターンが形成されていない部位をめっきして、金属層を形成する工程と、
金属層形成後の前記基材上から前記レジストパターンを除去して、回路パターンを形成する工程と、を有し、
前記レジストパターンが、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が広いことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
前記レジストパターンを形成する工程において、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を、20mW/cm2以上の光量で露光、及び現像して、前記レジストパターンを形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
前記レジストパターンを形成する工程が、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像して、前記レジストパターンを形成する工程を有し、前記露光前又は露光後の前記フォトレジスト層を、基材側及び基材とは反対側の両側から異なる温度で加熱することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光前に前記異なる温度で加熱することを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
前記異なる温度で加熱しながら、前記基材上にフォトレジスト層を形成し、該フォトレジスト層を露光及び現像することを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
前記基材上に形成されたフォトレジスト層を、露光後で且つ現像前に前記異なる温度で加熱することを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
基材上に回路パターンを備えたプリント配線板であって、
前記回路パターンは、その長手方向に対して垂直な断面において、底面よりも上面の方が、幅が狭くされ、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/2以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、1°以上の角度をなしていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項8】
前記回路パターンが、前記断面において、上面の幅と底面の幅との差が、高さの1/4以下であり、且つ前記回路パターンの側面が、前記基材の表面に対して垂直な方向と、2°以上の角度をなしていることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−98424(P2013−98424A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241404(P2011−241404)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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