説明

プリント配線板用水系洗浄剤組成物およびこれを用いたプリント配線板の洗浄方法

【課題】実装された電子部品やその接合部分に悪影響を与えることなく、プリント配線板の各種電子部品との接合面である銅電極面に形成された有機防錆膜と銅酸化膜を除去し、清浄な銅面に洗浄することができるプリント配線板用の水系洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】グリコールエーテル系化合物(A)、下式で表される非イオン性界面活性剤(B)、および有機酸類(C)を含有することを特徴とする。


(式中、Rは炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基、または炭素数7〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基で置換されたフェニル基を、Rは水素原子またはメチル基を示す、mは2〜20の整数を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の銅面に形成された有機防錆膜の除去に好適な水系洗浄剤組成物およびプリント配線板の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板に電子部品を実装する方法として、プリント配線板の接合面である銅電極面に対し、直接、はんだを薄くメッキ処理した上で、BGAボールなどを用いたはんだ接合を行うプリコート法がある。プリコート法は、銅電極面を、予めニッケルめっきおよび高価な金めっき処理する必要がない点において、従来の表面実装法に比べて優れているが、ソルダーペーストの印刷・リフロー・フラックスの洗浄、といった工程が必要となり、工程面・コスト面でまだ問題点がある。
【0003】
そこで、最近は、プリコート法によらず、はんだ接合する銅電極面に、直接、BGAボール等ではんだボール接合することにより、かかる問題を解消し、さらに低コスト化を図る試みがなされている。しかし、プリント配線板の銅電極面は、通常、表面酸化防止のためにOSP処理(Organic Solderbility Preservative処理)などによって形成された有機防錆膜で保護されている。この有機防錆膜は、はんだ接合の際、多くは加熱により揮発して消滅するが、それらのうちの一部が残存し、はんだ接合を困難化させたり、はんだ接合強度を低下させる要因となるため普及していない。
【0004】
電子部品の洗浄に使用される洗浄剤としては、各種界面活性剤にアルコール系化合物、エステル系化合物、アミン系化合物およびグリコールエーテル系化合物などの各種化合物を組み合わせたものが知られている。本出願人も、はんだフラックスや、電子部品などの洗浄に好適なグリコールエーテル系化合物と界面活性剤を主成分とする水系洗浄剤を提案している(特許文献1)。しかし、これら公知の洗浄剤では、有機防錆膜を十分に除去できず、また除去できた場合でも銅面の酸化膜の除去はできないため、十分なはんだ接合を得ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−97596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、実装された電子部品やその接合部分に悪影響を与えることなく、プリント配線板の銅電極面(接合面)に形成された有機防錆膜および銅酸化膜を除去し、直接はんだ接合可能なプリント配線板の銅電極面を与えることができる水系洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決すべく検討を行ったところ、特定のグリコールエーテル系化合物、特定の非イオン性界面活性剤および有機酸類を含有する水系洗浄剤組成物が有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
一般式(1):
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアセチル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは水素原子またはメチル基、kは1〜4の整数を表す。)で表わされるグリコールエーテル系化合物(A)、
一般式(2):
【化2】

(式中、Rは炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基、または炭素数7〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されたフェニル基を、Rは水素原子またはメチル基を示す、mは2〜20の整数を表す。)で表される非イオン性界面活性剤(B)、および有機酸類(C)を含有することを特徴とする、有機防錆膜で被覆された銅電極面を有するプリント配線板用水系洗浄剤組成物;プリント配線板の銅電極面を被覆する有機防錆膜がOSP処理により形成されたものである前記水系洗浄剤組成物;前記グリコールエーテル化合物(A)の含有量が0.1〜10重量%であり、非イオン性界面活性剤(B)の含有量が0.1〜10重量%であり、pH2.0〜4.0(25℃)である前記の水系洗浄剤組成物;有機酸類(C)が、カルボン酸類である前記の水系洗浄剤組成物;有機酸類(C)が、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グリコール酸、安息香酸、リンゴ酸、アスコルビン酸からなる群より選らばれる少なくとも1種である前記の水系洗浄剤組成物;銅電極面が有機防錆膜で被覆されたプリント配線板に、前記の水系洗浄剤組成物を接触させ、銅電極面の有機防錆膜および/または銅酸化膜を除去することを特徴とするプリント配線板の銅電極面の洗浄方法、
に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のプリント配線板用水系洗浄剤組成物は、実装された電子部品やその接合部分に悪影響を与えることなく、プリント配線板と電子部品との接合面である銅電極面(銅または銅合金面を含む。以下、同様である。)に形成された有機防錆膜と銅酸化膜を除去し、その接合面を、直接はんだ接合可能な清浄な銅面にすることができる。よって、本水系洗浄剤組成物により銅電極面が洗浄されたプリント配線板は、銅電極面に、直接BGAボール接合を行う実装方法を採用することができるようになり、より低コストな表面実装が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の有機防錆膜を有するプリント配線板用水系洗浄剤組成物(以下、単に、水系洗浄剤組成物という。)は、一般式(1):
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアセチル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは水素原子またはメチル基、kは1〜4の整数を表す。)で表わされるグリコールエーテル系化合物(A)(以下、(A)成分という)を有効成分として含有する。(A)成分は、有機防錆膜の除去、及び接合を阻害するプリント配線板上に付着した親油性の汚染物除去に対して有効であり、特に、後述する非イオン性界面活性剤(B)と併用することで、洗浄性及びすすぎ性が向上する。
【0010】
(A)成分の具体例としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルブチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルブチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のモノエチレングリコールエーテル類;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のトリエチレングリコールエーテル類;テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等のテトラエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールエーテル類;エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールエーテルアセテート類;ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールエーテルアセテート類が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、洗浄性、環境特性、引火性の点から、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルを使用することが好ましい。
【0011】
本発明の水系洗浄剤組成物における(A)成分の含有量は、特に限定されないが、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。(A)成分の含有率が0.1重量%未満の場合には洗浄力が不十分であり、10重量%を越える場合にはすすぎ工程時にすすぎ不良の発生や、廃水量の増大等の問題がある。
【0012】
本発明の水系洗浄剤組成物は、一般式(2):
【化2】

(式中、Rは炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基、または炭素数7〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されたフェニル基を、Rは水素原子またはメチル基を示す、mは2〜20の整数を表す。)で表される非イオン性界面活性剤(B)(以下、(B)成分という。)を有効成分として含有する。(B)成分は、汚染物の除去に加え、すすぎ工程でのすすぎ性の向上に効果があり、特に、Rは炭素数8〜16のアルキル基であり、mは3〜16の整数のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0013】
(B)成分の具体例としては、ポリオキシアルキレンモノアルキル(アルキル基の炭素数6以上)エーテル、ポリオキシアルキレンモノフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンのアルキルフェノールモノエーテルなどのポリアルキレングリコールエーテル型非イオン性界面活性剤などが挙げられる。これらのなかでも特にRは炭素数8〜16のアルキル基であり、mは3〜16の整数のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが好ましい。
【0014】
本発明の水系洗浄剤組成物における(B)成分の含有量は、特に限定されないが、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。(B)成分の含有率が0.1重量%未満の場合には洗浄力、すすぎ性が不十分であり、10重量%を越える場合にはすすぎ工程時にすすぎ不良の発生や、すすぎ液廃水量の増大等の問題がある。
【0015】
本発明の水系洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない程度において、(B)成分以外の非イオン性界面活性剤を使用してもよい。(B)成分以外の非イオン性界面活性剤の具体例としては、(B)成分以外のポリオキシアルキレンアルキル(アルキル基の炭素数6以上)エーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテルなどのポリアルキレングリコールエーテル型非イオン性界面活性剤;ポリアルキレングリコールモノエステル、ポリアルキレングリコールジエステルなどのポリアルキレングリコールエステル型非イオン性界面活性剤;脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物;ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの多価アルコール型非イオン性界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミンなどをあげることができる。これら非イオン性界面活性剤は1種を単独でまたは2種以上を適宜に選択して組み合わせて使用できる。なお、前記アルキレンとは、エチレン、プロピレンまたはブチレンをいい、ポリオキシアルキレンとはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンまたはこれらが共重合したものをいう。
【0016】
本発明の水系洗浄剤組成物は、有機酸類(C)(以下、(C)成分という。)を有効成分として含有する。(C)成分としては、特に限定されないが、通常、炭素数が1〜12程度の有機酸が溶解性、安全性等の面で好ましい。(C)成分の具体例としては、クエン酸、ギ酸、プロパン酸、ブタン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グリコール酸、安息香酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、オクチル酸などの1価または多価のカルボン酸類が挙げられる。
【0017】
(C)成分の含有量としては、特に限定されないが、得られる水系洗浄剤組成物のpH(25℃)を酸性に、好ましくは、pH(25℃)を2.0〜4.0となる量とすればよい。
【0018】
さらに本発明の水系洗浄剤組成物には、必要により、消泡剤、防錆剤、酸化防止剤などの添加剤を含有させることもできる。該添加剤の使用量はその添加剤の効果を発揮し、洗浄液に完全に溶解する量であれば、特に使用量は制限されないが、洗浄剤組成物に対して1重量%程度以下であることが好ましい。
【0019】
本発明の水系洗浄剤組成物の製造方法としては、特に限定されず、(A)〜(C)成分、必要に応じてその他の添加剤をそれぞれ前記のとおりに水に混合して調製すればよい。また、水系洗浄剤組成物を濃厚溶液として製造し、これを原液として、使用時に水で適宜希釈して各成分が上記の含有量となるようにしてもよい。
【0020】
プリント配線板の電極面である銅面(銅合金面を含む。)は、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾイミダゾール系化合物を主成分とする処理剤によりOSP処理などが行われ有機防錆膜が形成されているが、本発明の水系洗浄剤組成物は、これらの有機防錆膜を除去と銅面に形成された酸化膜の除去に好適である。
【0021】
本発明の水系洗浄剤組成物を用いた洗浄方法としては、各種の洗浄方法を採用することができる。具体的には、水系洗浄剤に被洗浄物品を直接浸漬して洗浄する方法、機械的手段によりブラッシングする方法、超音波洗浄方法、液中ジェット洗浄方法、揺動方法、直通式洗浄法(たとえば、直通式洗浄装置「ダイレクトパス」、荒川化学工業(株)製を用いる方法)などの各種方法を適宜に選択して採用することができる。
【0022】
本発明の水系洗浄剤組成物の使用条件(洗浄条件)は特に限定されるものではないが、洗浄対象となるプリント配線板の接合面(銅面)に形成された有機防錆膜と銅酸化膜を除去し、清浄な銅面を露出させることができるような洗浄条件を設定すればよい。具体的には、洗浄時の温度は、通常、40〜80℃程度であり、洗浄温度が高い程短時間で有機防錆膜と銅酸化膜を除去出来るが、高すぎると洗浄液中の水分が蒸発するため、60〜70℃とすることが好ましい。また、プリント配線板と接触させる時間(洗浄時間)は、例えば、直接浸漬して洗浄する方法を採用する場合、60℃にて、10分間程度浸漬することで良好な洗浄性を得ることができる。
【0023】
本発明の水系洗浄剤組成物により洗浄処理されたプリント配線板は、水(イオン交換水、または純水)、またはエタノールやイソプロピルアルコールなどの有機溶剤ですすぎ洗浄を行い、必要により乾燥させた後、直ちに、BGAボール等はんだボール接合による表面実装に使用することができる。
【実施例】
【0024】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「%」および「部」は特に断りのない限り「重量%」、「重量部」を意味する。
【0025】
[洗浄剤の調製]
表1に示す各成分を混合し(重量部基準)、実施例1〜10および比較例1〜4の洗浄剤組成物を調製した。
【0026】
[評価方法]
OSP処理した銅試験板を、200mlビーカーに入れ、当該容器を超音波洗浄装置(28kHz,600W)に設置し、実施例1〜10の洗浄剤組成物および比較例1〜4の洗浄剤組成物を用いて、60℃で10分間洗浄した後、水により10分間すすぎ処理を行い、80℃で10分間熱風乾燥させ、以下の方法により評価を行った。
JIS Z 3284に倣い、洗浄後の銅試験板はハンダの濡れ広がり試験を実施し、下記基準に従い、試験板上のハンダの濡れ広がり度合いを目視で評価した。各評価の中間の状態については、0.5を加えた値とする。なお、評価に使用したソルダーペーストは荒川化学工業(株)製LF−219−1を用いた。
<評価基準>
1:ソルダーペーストから溶解したハンダが、試験板を濡らし、該ペーストを塗布した面積以上に広がった状態。
2:ソルダーペーストを塗布した面積はすべて、ハンダで濡れた状態。
3:ソルダーペーストを塗布した面積の75%以上、100%未満が、ハンダで濡れた状態。
4:ソルダーペーストを塗布した面積の75%未満がハンダで濡れた状態。
【0027】
【表1】

なお、表中、各成分の数値は、重量部であり、表中の記号および略号は、それぞれ以下のとおりである。
BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
HeDG:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
BTG:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
ソフタノール70:市販のポリオキシアルキレントリデシルエーテル((株)日本触媒「ソフタノール」(登録商標)70)、一般式(2)におけるR炭素数=13、m=7)
ソフタノール90:市販のポリオキシアルキレントリデシルエーテル((株)日本触媒「ソフタノール」(登録商標)90、一般式(2)におけるR炭素数=13、m=9)
ソフタノール150:市販のポリオキシアルキレントリデシルエーテル((株)日本触媒「ソフタノール」(登録商標)150、一般式(2)におけるR炭素数=13、m=15)
ノイゲンSD−70:市販のポリオキシアルキレンイソデシルエーテル(第一工業製薬(株)
「ノイゲン」(登録商標)SD−70、一般式(2)におけるR炭素数=10、m=7)
「ノイゲン」(登録商標)SD−150、一般式(2)におけるR炭素数=10、m=15)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアセチル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは水素原子またはメチル基、kは1〜4の整数を表す。)で表わされるグリコールエーテル系化合物(A)、
一般式(2):
【化2】

(式中、Rは炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基、または炭素数7〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されたフェニル基を、Rは水素原子またはメチル基を示す、mは2〜20の整数を表す。)で表される非イオン性界面活性剤(B)、および有機酸類(C)を含有することを特徴とする、有機防錆膜で被覆された銅電極面を有するプリント配線板用水系洗浄剤組成物。
【請求項2】
プリント配線板の銅電極面を被覆する有機防錆膜がOSP処理により形成されたものである請求項1記載の水系洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記グリコールエーテル化合物(A)の含有量が0.1〜10重量%であり、非イオン性界面活性剤(B)の含有量が0.1〜10重量%であり、pH2.0〜4.0(25℃)である請求項1または2に記載の水系洗浄剤組成物。
【請求項4】
有機酸類(C)が、カルボン酸類である請求項1〜3のいずれかに記載の水系洗浄剤組成物。
【請求項5】
有機酸類(C)が、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グリコール酸、安息香酸、リンゴ酸、アスコルビン酸からなる群より選らばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の水系洗浄剤組成物。
【請求項6】
銅電極面が有機防錆膜で被覆されたプリント配線板に、請求項1〜5の水系洗浄剤組成物を接触させ、銅電極面の有機防錆膜および/または銅酸化膜を除去することを特徴とするプリント配線板の銅電極面の洗浄方法。


【公開番号】特開2012−184329(P2012−184329A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48434(P2011−48434)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】