説明

プリント配線板

【課題】表面実装部品の電極とプリント配線板上の電極パッドとの間の接続特性の劣化を招くことなく、極性を有する表面実装部品の搭載方向を判別できるようにする。
【解決手段】極性を有する表面実装部品101が実装されるプリント配線板1は、互いに間隔をあけて配置され、部品101の1対の電極がそれぞれ電気的に接続される1対の電極パッド13,14と、1対の電極パッド13,14をそれぞれ部分的に露出させる開口12a,12bを有するカバー層12と、を備える。一方の電極パッド13におけるカバー層12により覆われた部分13bの形状が、他方の電極パッド14におけるカバー層12により覆われた部分14bの形状と異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極性を有する表面実装部品が実装されるプリント配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、コンデンサなどの極性のあるチップ部品を実装するプリント配線板において、チップ部品搭載用パッドの中心部にエッチング抜きして、極性を明示するプリント配線板が、開示されている。
【0003】
この従来のプリント配線板では、パッドの周辺にシルク印刷によって極性を示さなくても、部品をプリント配線板に実装するときに部品の搭載方向を知ることができる。したがって、この従来のプリント配線板によれば、実装密度の高密度化に伴い、プリント配線板上にシルク印刷できるスペースが少なくなり、極性を示すシルクを印刷することができなくなっても、部品の搭載方向を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−84365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のプリント配線板では、チップ部品搭載用パッドの中心部がエッチング抜きされているので、その分だけ、チップ部品の電極とチップ部品搭載用パッドとの間の半田付け面積が小さくなってしまい、これにより、チップ部品の電極とチップ部品搭載用パッドとの間の接続特性が劣化してしまう。すなわち、前記従来のプリント配線板では、チップ部品の電極とチップ部品搭載用パッドとの間の接続強度が低下したり、チップ部品の電極とチップ部品搭載用パッドとの間の電気抵抗が大きくなったりする不都合が生じる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、極性を示すシルクを印刷しなくても、チップ部品等の表面実装部品の電極とプリント配線板上の電極パッドとの間の接続特性の劣化を招くことなく、極性を有する表面実装部品の搭載方向を知ることができるプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様によるプリント配線板は、極性を有する表面実装部品が実装されるプリント配線板であって、互いに間隔をあけて配置され、前記表面実装部品の1対の電極がそれぞれ電気的に接続される1対の電極パッドと、前記1対の電極パッドをそれぞれ部分的に露出させる開口を有するカバー層と、を備え、前記1対の電極パッドのうちの一方の電極パッドにおける前記カバー層により覆われた部分の形状が、前記1対の電極パッドのうちの他方の電極パッドにおける前記カバー層により覆われた部分の形状と異なるものである。
【0008】
第2の態様によるプリント配線板は、前記第1の態様において、前記一方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、所定のパターンで切り込み部が形成され、前記他方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、切り込み部が形成されないかあるいは前記所定のパターンとは異なるパターンで切り込み部が形成されたものである。
【0009】
第3の態様によるプリント配線板は、前記第1の態様において、前記各電極パッドは矩形状に形成され、前記一方の電極パッドにおける前記覆われた部分において、前記一方の電極パッドの少なくとも一辺の側には、所定のパターンで切り込み部が形成され、前記他方の電極パッドにおける前記覆われた部分において、前記他方の電極パッドの少なくとも一辺の側には、前記所定のパターンとは異なるパターンで切り込み部が形成されたものである。
【0010】
第4の態様によるプリント配線板は、前記第2又は第3の態様において、前記パターンは、前記切り込み部の数及び幅の一方又は両方を含むものである。
【0011】
第5の態様によるプリント配線板は、前記第1の態様において、前記一方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、所定のパターンで凸部が形成され、前記他方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、凸部が形成されないかあるいは前記所定のパターンとは異なるパターンで凸部が形成されたものである。
【0012】
第6の態様によるプリント配線板は、前記第2乃至5のいずれかの態様において、前記切り込み部又は前記凸部は、前記表面実装部品によって覆われない位置に配置されたものである。
【0013】
第7の態様によるプリント配線板は、前記第1乃至第6のいずれかの態様において、前記一方の電極パッドにおける前記開口から露出した部分の形状及び大きさは、前記他方の電極パッドにおける前記開口から露出した部分の形状及び大きさとそれぞれ同一であるものである。
【0014】
第8の態様によるプリント配線板は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、当該プリント配線板がフレキシブルプリント配線板であり、前記カバー層がカバーフィルムであるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、極性を示すシルクを印刷しなくても、チップ部品等の表面実装部品の電極とプリント配線板上の電極パッドとの間の接続特性の劣化を招くことなく、極性を有する表面実装部品の搭載方向を知ることができるプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプリント配線板の一部を模式的に示す図である。
【図2】比較例によるプリント配線板の一部を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるプリント配線板の一部を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態によるプリント配線板の一部を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態によるプリント配線板の一部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明によるプリント配線板について、図面を参照して説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態によるプリント配線板1の一部を模式的に示す概略平面図である。図1(b)は、図1(a)に示すプリント配線板1上にタンタルコンデンサ101が実装された状態を模式的に示す概略平面図であり、図1(a)に対応している。図1(c)は、図1(a)中のA−A’線に沿った概略断面図である。
【0019】
本実施の形態によるプリント配線板1は、フレキシブルプリント配線板として構成されている。本実施の形態によるプリント配線板1は、絶縁材料からなる可撓性のベースフィルム11と、ベースフィルム11上に形成された銅箔等の導体パターンと、それらの上を覆う絶縁材料からなるカバー層としてのカバーレイフィルム12とを有している。カバーレイフィルム12は、半透明等の材料で構成され、前記導体パターンにおけるカバーレイフィルム12で覆われた部分の形状を観察し得るようになっている。
【0020】
前記導体パターンの一部によって、1対の電極パッド13,14、電極パッド13に連続する配線パターン15,16、及び、電極パッド14に連続する配線パターン17が、構成されている。理解を容易にするため、図1(a)及び図1(b)では、電極パッド13,14を実線で示す一方で、配線パターン15〜17を点線で示しているが、実際には電極パッドと配線パターンとは一体に連続して形成されている。
【0021】
本実施の形態では、1対の電極パッド13,14は、図1(a)中の左右方向に間隔をあけて配置されている。本実施の形態では、各電極パッド13,14は矩形状に形成されているが、その形状は矩形状に限らない。
【0022】
1対の電極パッド13,14には、図1(b)に示すように、極性を有するチップ部品等の表面実装部品としてのタンタルコンデンサ101の1対の電極(図1(b)中の左側の電極と右側の電極、図示せず)がそれぞれ半田付け等により電気的に接続される。これにより、タンタルコンデンサ101がプリント配線板1に実装される。タンタルコンデンサ101には、その極性を示すマーク101aが付されている。このマーク101aは、タンタルコンデンサ101の図1(b)中の左側に付されており、マーク101aが付された側が+電極側であり、その反対側が−電極側であることを示している。
【0023】
カバーレイフィルム12には、1対の電極パッド13,14をそれぞれ部分的に露出させる開口12a,12bが形成されている。これらの開口12a,12bは矩形に形成されている。各電極パッド13,14は、各開口12a,12bよりもそれぞれ1回り大きく形成されている。電極パッド13は、開口12aから露出した部分13a(以下、露出部分13aという。)と、その周囲のカバーレイフィルム12により覆われた部分13b(以下、被覆部分13bという。)とからなる。同様に、電極パッド14は、開口12bから露出した部分14a(以下、露出部分14aという。)と、その周囲のカバーレイフィルム12により覆われた部分14b(以下、被覆部分14bという。)とからなる。本実施の形態では、露出部分13aの大きさ及び形状は、露出部分14aの大きさ及び形状とそれぞれ同一になっているが、必ずしもこれに限らない。
【0024】
図1(a)中の左側の電極パッド13の被覆部分13bの形状は、図1(a)中の右側の電極パッド14の被覆部分14bの形状と異なっている。具体的には、本実施の形態では、電極パッド13の被覆部分13bには、所定のパターンで、切り込み部13c,13dが形成されている。電極パッド14の被覆部分14bには、前記所定のパターンとは異なるパターンで切り込み部14c,14dが形成されている。切り込み部13c,13d,14c,14dは、実装されるタンタルコンデンサ101によって覆われない位置に配置されている。
【0025】
より具体的には、本実施の形態では、電極パッド13の被覆部分13bにおいて、電極パッド13の上辺側及び下辺側には、それぞれ同一の幅で切り込み部13c,13dが形成されている。電極パッド14の被覆部分14bにおいて、電極パッド14の上辺側及び下辺側には、それぞれ同一の幅で切り込み部14c,14dが形成されている。切り込み部13c,13dの幅は、切り込み部14c,14dの幅よりも広くされ、これにより、極性(本実施の形態では、電極パッド13が+電極で電極パッド14が−電極)を判別することができ、タンタルコンデンサ101の搭載方向を知ることができる。したがって、電極パッド13,14の周辺にシルク印刷によって極性を示さなくても、タンタルコンデンサ101をプリント配線板1に実装するときにその搭載方向を知ることができる。
【0026】
なお、電極パッド13,14の被覆部分13b,14bに形成する切り込み部のパターンは、図2に示す例に限定されるものではなく、形成された切り込み部によって電極パッド13,14の極性を判別できるパターンであればよい。例えば、本実施の形態を次のように変形してもよい。電極パッド13の被覆部分13bにおいて、電極パッド13の左辺側に切り込み部(その幅は例えば切り込み部13c,13dの幅と同一にする。)を追加してもよい。また、電極パッド14の被覆部分14bにおいて、電極パッド14の右辺側に切り込み部(その幅は例えば切り込み部14c,14dの幅と同一にする。)を追加してもよい。さらに、電極パッド13のいずれか1辺側にのみ切り込み部を形成してもよい。さらにまた、電極パッド14のいずれか1辺側にのみ切り込み部を形成してもよい。電極パッド13,14のうちの一方の電極パッドに切り込み部を形成する一方で、他方の電極パッドに切り込み部を形成しなくてもよい。
【0027】
本実施の形態では、配線パターン15は電極パッド13の左辺側と連続し、配線パターン16は電極パッド13の上辺側と連続し、配線パターン17は電極パッド14の下辺側と連続している。もっとも、配線パターンの配置や数などは図1に示す例に限定されるものではない。
【0028】
図2(a)は、比較例によるプリント配線板21の一部を模式的に示す概略平面図である。図2(b)は、図2(a)に示すプリント配線板21上にタンタルコンデンサ101が実装された状態を模式的に示す概略平面図であり、図2(a)に対応している。図2(c)は、図2(a)中のB−B’線に沿った概略断面図である。図2は、図1に対応している。図2において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0029】
この比較例が本実施の形態と異なる所は、電極パッド13,14の被覆部分13b,14bに切り込み部13c,13d,14c,14dが形成されていない点と、電極パッド13の中心部において、電極パッド13が+電極であることを示す「+」をなすエッチング抜き部分13eが形成されている点と、電極パッド14の中心部において、電極パッド14が−電極であることを示す「−」をなすエッチング抜き部分14eが形成されている点である。
【0030】
この比較例によれば、タンタルコンデンサ101を実装するときに、エッチング抜き部分13e,14eによって電極パッド13,14の極性を判別することができ、タンタルコンデンサ101の搭載方向を知ることができる。したがって、電極パッド13,14の周辺にシルク印刷によって極性を示さなくても、タンタルコンデンサ101をプリント配線板1に実装するときにその搭載方向を知ることができる。
【0031】
しかし、この比較例では、電極パッド13,14の中心部にエッチング抜き部分13e,14eが形成されているので、その分だけ、タンタルコンデンサ101の電極と電極パッド13,14との間の半田付け面積が小さくなってしまい、これにより、タンタルコンデンサ101の電極と電極パッド13,14との間の接続特性が劣化してしまう。すなわち、この比較例では、タンタルコンデンサ101の電極と電極パッド13,14との間の接続強度が低下したり、タンタルコンデンサ101の電極と電極パッド13,14との間の電気抵抗が大きくなったりする不都合が生じる。
【0032】
これに対し、本実施の形態では、電極パッド13,14の露出部分13aには、エッチング抜き部分が形成されていないので、タンタルコンデンサ101の電極と電極パッド13,14との間の半田付け面積が小さくならず、タンタルコンデンサ101の電極と電極パッド13,14との間の接続特性の劣化を招くことがない。
【0033】
また、前記比較例では、タンタルコンデンサ101を実装すると、極性表示のエッチング抜き部分13e,14eがタンタルコンデンサ101により覆われてしまうため、電極パッド13,14の極性を確認することができない。したがって、実装されたタンタルコンデンサ101が正しい極性で搭載されているか否かをチェックすることができない。
【0034】
これに対し、本実施の形態では、極性を判別するための切り込み部13c,13d,14c,14dは、実装されるタンタルコンデンサ101によって覆われない位置に配置されているので、切り込み部13c,13d,14c,14dを見て、実装されたタンタルコンデンサ101が正しい極性で搭載されているか否かをチェックすることができる。もっとも、本発明では、必ずしも切り込み部を実装される実装部品によって覆われない位置に配置する必要はない。例えば、切り込み部13c,13d,14c,14dを形成せずに、左側の電極パッド13の右辺側にのみ幅の広い切り込み部を形成するとともに、右側の電極パッド14の左辺側にのみ幅の狭い切り込み部を形成してもよい。
【0035】
[第2の実施の形態]
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態によるプリント配線板31の一部を模式的に示す概略平面図である。図3(b)は、図3(a)に示すプリント配線板31上にタンタルコンデンサ101が実装された状態を模式的に示す概略平面図であり、図3(a)に対応している。図3(c)は、図3(a)中のC−C’線に沿った概略断面図である。図3は、図1に対応している。図3において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0036】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、電極パッド13の被覆部分13bにおいて、電極パッド13の上辺側において1つの切り込み部13cに代えて2つの切り込み部13c1,13c2が形成されている点と、電極パッド13の被覆部分13bにおいて、電極パッド13の下辺側において1つの切り込み部13dに代えて2つの切り込み部13d1,13d2が形成されている点である。本実施の形態では、切り込み部13c1,13c2,13d1,13d2の幅は、切り込み部14c,14dの幅と同一となっているが、切り込み部14c,14dの幅と異なっていてもよい。このように、前記第1の実施の形態では、電極パッド13に形成された切り込み部のパターンと電極パッド14に形成された切り込み部のパターンとが、切り込み部の幅の点で異なっているのに対し、本実施の形態では、切り込み部の数の点で異なっている。
【0037】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0038】
[第3の実施の形態]
図4(a)は、本発明の第3の実施の形態によるプリント配線板41の一部を模式的に示す概略平面図である。図4(b)は、図4(a)に示すプリント配線板41上に表面実装部品としてのLED102が実装された状態を模式的に示す概略平面図であり、図4(a)に対応している。図4(c)は、図4(a)中のD−D’線に沿った概略断面図である。図4は、図1に対応している。図4において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0039】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、極性を有するチップ部品等の表面実装部品としてタンタルコンデンサ101に代えてLED102が実装される点と、電極パッド13には、LED102のアノード側の電極が半田付け等により電気的に接続されるようになっている点と、電極パッド14には、LED102のカソード側の電極が半田付け等により電気的に接続されるようになっている点と、カバーレイフィルム12には、電極パッド13,14にそれぞれ対応した2つの開口12a,12bに代えて、それらを連続させたような1つの開口12cが形成されている点と、配線パターン16が除去されている点と、電極パッド14の右辺側と連続した配線パターン18が追加されている点である。
【0040】
LED102には、そのカソード側を示すマーク102aが付されている。このマーク102aは、LED102の図4(b)中の右側に付されており、右側がカソード側であり、左側がアノード側であることを示している。
【0041】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0042】
なお、前記第1の実施の形態の変形例と同様の変形や、前記第1の実施の形態を変形して前記第2の実施の形態を得たのと同様の変形を、本実施の形態に適用してもよい。
【0043】
[第4の実施の形態]
図5(a)は、本発明の第4の実施の形態によるプリント配線板51の一部を模式的に示す概略平面図である。図5(b)は、図5(a)に示すプリント配線板51上に表面実装部品としてのダイオード103が実装された状態を模式的に示す概略平面図であり、図5(a)に対応している。図5(c)は、図5(a)中のE−E’線に沿った概略断面図である。図5は、図1に対応している。図5において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0044】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。本実施の形態では、極性を有するチップ部品等の表面実装部品として、タンタルコンデンサ101に代えてダイオード103が実装される。また、本実施の形態では、左側の電極パッド13には、ダイオード103のアノード側の電極が半田付け等により電気的に接続されるようになっている。本実施の形態では、右側の電極パッド14には、ダイオード103のカソード側の電極が半田付け等により電気的に接続されるようになっている。
【0045】
さらに、本実施の形態では、カバーレイフィルム12の開口12aが上下方向に電極パッド13を越えるように形成されて、電極パッド13の被覆部分13bが電極パッド13の露出部分13aの左右にのみ存在している。同様に、カバーレイフィルム12の開口12bが上下方向に電極パッド14を越えるように形成されて、電極パッド14の被覆部分14bが、電極パッド14の露出部分13aの上下には存在せずに、電極パッド14の露出部分13aの左右にのみ存在している。
【0046】
そして、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様に、左側の電極パッド13の被覆部分13bの形状は、右側の電極パッド14の被覆部分14bの形状と異なっている。しかし、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と異なり、電極パッド13の被覆部分13b及び電極パッド14の被覆部分14bには、切り込み部13c,13d,14c,14dが形成されていない。その代わりに、本実施の形態では、電極パッド13の被覆部分13bには所定のパターンで凸部13f,13gが形成される一方で、電極パッド14の被覆部分14bには凸部が形成されていないことによって、被覆部分13bの形状が被覆部分14bの形状と異なっている。したがって、本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様に、電極パッド13,14の周辺にシルク印刷によって極性を示さなくても、ダイオード103をプリント配線板1に実装するときにその搭載方向を知ることができる。
【0047】
具体的には、本実施の形態では、凸部13f,13gは、実装されるダイオード103によって覆われない位置に配置されており、左側の電極パッド13の被覆部分13bの左側部分の上辺及び下辺にそれぞれ配置されている。もっとも、凸部の配置はこのような配置に限定されるものではない。また、凸部13f,13gのうちの一方のみを形成してもよいし、凸部13f,13gのパターン(凸部の数や幅など)は図示の例に限定されるものではない。さらに、被覆部分14bにも、被覆部分13bの凸部13f,13gのパターンと異なるパターンで凸部を形成してもよい。
【0048】
ダイオード103には、そのカソード側を示すマーク103aが付されている。このマーク103aは、ダイオード103の図5(b)中の右側に付されており、右側がカソード側であり、左側がアノード側であることを示している。
【0049】
なお、本実施の形態では、配線パターン16,17が除去され、電極パッド14の右辺側と連続した配線パターン19が追加されている。もっとも、配線パターンの配置や数などは図5に示す例に限定されるものではない。本実施の形態では、配線パターン15,19の上下方向の幅は、電極パッド13の被覆部分13bの右側部分の上下方向の幅及び電極パッド14の被覆部分14bの上下方向の幅よりも若干狭くなっているが、被覆部分13bの右側部分の上下方向の幅や被覆部分14bの上下方向の幅と同一にしてもよい。
【0050】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0051】
以上、本発明の各実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
例えば、極性を有する表面実装部品は、前述した例に限定されるものではない。
【0053】
また、前記各実施の形態は、本発明をフレキシブルプリント配線板に適用した例であったが、本発明は、リジッドプリント配線板にも適用することができる。この場合、例えば、カバー層として、カバーレイフィルム12に代えてレジスト層が用いられる。
【0054】
さらに、図1に示す構成、図3に示す構成、図4に示す構成及び図5に示す構成のうちの任意の2つ以上の構成を同一のプリント配線板に搭載してもよいことは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1,31,41,51 プリント配線板
12 カバーレイフィルム(カバー層)
12a,12b,12c 開口
13,14 電極パッド
13c,13c1,13c2,13d,14c,14d 切り込み部
101 タンタルコンデンサ
102 LED
103 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性を有する表面実装部品が実装されるプリント配線板であって、
互いに間隔をあけて配置され、前記表面実装部品の1対の電極がそれぞれ電気的に接続される1対の電極パッドと、
前記1対の電極パッドをそれぞれ部分的に露出させる開口を有するカバー層と、
を備え、
前記1対の電極パッドのうちの一方の電極パッドにおける前記カバー層により覆われた部分の形状が、前記1対の電極パッドのうちの他方の電極パッドにおける前記カバー層により覆われた部分の形状と異なることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
前記一方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、所定のパターンで切り込み部が形成され、
前記他方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、切り込み部が形成されないかあるいは前記所定のパターンとは異なるパターンで切り込み部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記各電極パッドは矩形状に形成され、
前記一方の電極パッドにおける前記覆われた部分において、前記一方の電極パッドの少なくとも一辺の側には、所定のパターンで切り込み部が形成され、
前記他方の電極パッドにおける前記覆われた部分において、前記他方の電極パッドの少なくとも一辺の側には、前記所定のパターンとは異なるパターンで切り込み部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項4】
前記パターンは、前記切り込み部の数及び幅の一方又は両方を含むことを特徴とする請求項2又は3記載のプリント配線板。
【請求項5】
前記一方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、所定のパターンで凸部が形成され、
前記他方の電極パッドにおける前記覆われた部分には、凸部が形成されないかあるいは前記所定のパターンとは異なるパターンで凸部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のプリント配線板。
【請求項6】
前記切り込み部又は前記凸部は、前記表面実装部品によって覆われない位置に配置されたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項7】
前記一方の電極パッドにおける前記開口から露出した部分の形状及び大きさは、前記他方の電極パッドにおける前記開口から露出した部分の形状及び大きさとそれぞれ同一であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項8】
当該プリント配線板がフレキシブルプリント配線板であり、前記カバー層がカバーフィルムであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−105860(P2013−105860A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248134(P2011−248134)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】