説明

プリーツ型フィルター要素

【課題】フィルター媒体の損傷を防止し、寿命を長くすることのできるフィルター要素を提供する。
【解決手段】フィルター要素10は長手方向に延びる複数のプリーツを備え、プリーツは外方へ放射状の第1プリーツPと内方へ放射状の第2プリーツsとを包含し、少なくとも1個の第2プリーツが2個の隣接した第1プリーツの間に位置している。各第1プリーツPは前もって定められている半径方向高さを持ち、各第2プリーツsは半径方向高さを持ち、高さは各第1プリーツの高さより低くかつ少なくとも他の第2プリーツの半径方向高さとは相違している。フィルター要素10はより大きいフィルター面積と、増加した全体フィルター密度と、フィルター要素外周部におけるより多くの半径方向通路への接近性とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、1999年1月7日に提出された米国特許出願第60/034964号の優先権を主張しており、その開示は全体として本明細書に参照で組み込まれている。
【0002】
(背景技術)
1.開示分野 本発明の開示は、流体ろ過装置に関し、より詳しくは、プリーツ型フィルター要素及びプリーツ型フィルター要素を形成する方法に関する。さらに詳しくは、本発明の開示は、変形Wプリーツ構造を有するプリーツ型フィルター要素及び上記フィルター要素の形成方法に関する。
【0003】
2.関連技術背景 ろ過は、粒子又は汚物を流体から分離する工程であり、流体を通過することを許容しながら、粒子を止めたり又は捕らえる有孔フィルター媒体を通って流体を通過させることで達成される。上記ろ過流体は、ポリマー製品、医療製品の製造、天然冶金工程、石油精製、浄水、排気規制、及び飲料及び食品製造において、大規模に用いられる。
【0004】
もっとも慣用的なフィルター媒体は、2つの大まかなカテゴリーに分類される:表面型ろ過媒体及び深さ型ろ過媒体。その名が示しているように、表面型ろ過媒体は、その表面上で流体の汚物を止める。表面フィルター媒体は、セルロース及び/又は紙、膜、織布スクリーン、及び有孔不織布材料のような、メルトブローされた材料をカレンダーする。それに比べて、深さ型フィルター媒体は、該媒体内の、つまり媒体の上流面と下流面の間の汚物を捕らえる。深さ型フィルター媒体の例は、樹脂積層フィルターである。
【0005】
概ね流体がフィルター媒体を通って押され、ろ過されると、フィルター媒体を横切る圧力低下は、時間を経て徐々に増加する。上記増加は、粒子、又はフィルター媒体上の汚物が収集されるからであり、つまりフィルター媒体は徐々にそこに捕らえられ、或いは止められた汚物で充填される。フィルター媒体を横切る圧力低下は、しかしながら、流体をフィルター媒体に押し通すのに用いられる(ブロワー又はポンプのような)手段上の負荷を増す。更に、フィルターの寿命は、許容可能な最大圧力低下によって概ね限定されるので、圧力低下の緩やかな増加はフィルター寿命を長くすることにつながる。
【0006】
表面型フィルター媒体が用いられると、フィルター媒体を横切る圧力低下を最小にする1つの方法は、フィルター媒体の有効表面積を最大にすることである。表面型フィルターの表面積を増加させるために、プリーツ型フィルター媒体が開発された。プリーツ付き表面型フィルターは、比較的薄いセルロース又は合成フィルター媒体を包含し、該媒体は複数のプリーツを作るためにアコーディオン形状に折られる。各プリーツは、一般的に1対の方形パネルから成り、該パネルを分離する折り線を伴う。
【0007】
円筒形プリーツ型フィルター要素において、プリーツの方形パネルの短い側部は、大抵フィルター要素軸に対して半径方向外側に延び、プリーツの半径方向高さを備える一方、プリーツの方形パネルの長い側部は、フィルター要素の端部間を半径方向に延びる。完全なプリーツの最大数(つまり、フィルター要素の内径と外径の間を延びるプリーツ)は、プリーツの厚さで分割されるフィルター要素の内縁によって決定される。
【0008】
しかしながら、円筒形フィルター要素中の放射状構造によって、プリーツの外側傾斜間の十分な間隔が存在する。プリーツの外側傾斜間の間隔を最小にするために、より大きな内径及びより短いプリーツの高さを有するフィルター要素が用いられた。更に、螺旋状プリーツフィルター及びW−プリーツフィルターは、プリーツの間隔を最小にするとともに、より大きなろ過表面積を提供するために、開発された。
【0009】
W−プリーツフィルター要素は、円筒形態で配置される複数の縦プリーツを包含する点で、標準プリーツ型フィルター要素に匹敵する。しかしながら、W−プリーツフィルター要素は又、標準高さのプリーツ間でフィルターの外縁から半径方向内側に延びる比較的短いプリーツを包含する。短いプリーツは、同じ高さであり、フィルターの円周の周りに均一頻度で現れる、つまり2つの完全な長さのプリーツ毎に短いプリーツがある。W−プリーツフィルターは、ウィックス(Wicks)の米国特許第2627350号(1953)に見られ;ハームス(Harms)の米国特許第3002861号(1962),バックマン(Buckman)ほかの米国特許第3799354号(1974);及びニック(Nick)ほかドイツ特許第3935503号にも見られる。ほとんどのW−プリーツフィルターは、反復する、均一プリーツパターンをもたらすのみであるカム作動プリーツ付け機を用いて作られ、その結果同じ高さの短いプリーツとなり、均一な頻度で、現れる。
【0010】
しかしながら、W−プリーツ構造に関する1つの問題は、最適なプリーツ密度よりも低く、フィルターの軸に向って短縮プリーツの移動があることである。上記移動は、結合、封鎖、フィルターを横切る圧力の増加及びフィルター寿命の短縮、及びフィルター媒体の損傷の原因となるので、望ましくない。
【0011】
螺旋状プリーツフィルター要素は、円筒形状に配置された複数の縦プリーツを包含する点で、標準プリーツ型フィルターに匹敵する。しかしながら螺旋状プリーツ型フィルターにおいて、プリーツの端部は、フィルター要素の外径に近い周縁プリーツ面の間の間隔を最小にするために、巻かれ、より大きなフィルター表面積が等しい直径のフィルター中に備えられ得る。螺旋状プリーツ型フィルターの例は、ブリッジス(Briggs)の米国特許第2395449号、2401222号及び2420414号(1946)に見られ;バウアースの米国特許第2801001号(1957);及びストイエルほか(Stoyell)の米国特許第5543047号(1996)及び第5690765号(1997)にも見られる。
【0012】
螺旋状プリーツとW−プリーツの両方の設計は、増大したフィルター表面積を有する表面型フィルターを備える一方、螺旋状プリーツの設計はW−プリーツ設計に関するプリーツが移動する問題を有していない。しかしながらW−プリーツフィルターと比較すると、螺旋状プリーツ型フィルターの巻かれたプリーツは、フィルターの外径の近くの放射状流通路にアクセスすることが困難となり、フィルターを横切る圧力低下が増すことに繋がる。更に、螺旋状プリーツ型フィルターの巻かれたプリーツは、より長い流体通路を提供するため、高い積載又は大きな粒子からなる汚水を適用すると封鎖される可能性がより高くなる。
【0013】
更に、螺旋状プリーツ型フィルターは、巻かれたプリーツがケージに挿入される前にまっすぐに延ばされる傾向があるため、フィルター要素を組み込むカートリッジアッセンブリの円筒形ケージ中に軸方向に挿入することがより困難になる。ケージ内に螺旋状プリーツ型フィルター要素を挿入することは、足手まといを生じ、フィルター媒体への損傷の原因にもなるとともに、実際問題として、螺旋状プリーツ型フィルター要素を組み込むフィルターカートリッジの軸方向の長さを制限し得る。
【0014】
従って、なお必要とされることは、螺旋状プリーツ型フィルターに匹敵するフィルター表面積を増大させ、フィルターの外径で放射状流通路が拡大し、伸長円筒形ケージに挿入されるのに対して伝導性があるフィルター要素である。プリーツが移動することを防ぐプリーツ型フィルター設計の必要性も存在する。
【0015】
(発明の開示)
本発明の開示により構成されたフィルター要素は、外側に向く放射状第1プリーツと内側に向く放射状第2プリーツとを有する、縦方向に延びる複数のプリーツを備え、少なくとも1個の第2プリーツは、2個の隣接した第1プリーツの間に配置される。各第1プリーツは、予め決められた半径方向高さを有し、各第2プリーツは、各第1プリーツの半径方向高さより低く、かつ少なくとも他の第2プリーツの半径方向高さと異なる半径方向高さを有する。
【0016】
本発明の開示によるフィルター要素は、フィルター面積を増大させ、フィルター要素の内周と外周との間の全フィルター密度をより高くし、フィルターの外周で利用可能な放射状流路の数を増加させることが見出された。本発明の開示によるフィルター要素は又プリーツの移動及び拘束の可能性を低下させるために、中間プリーツ支持力を改良した。
【0017】
本発明の開示の別の態様によると、フィルター要素は、好ましくは、ろ材と、少なくとも1個の上流拡散ろ材及び下流拡散ろ材とを備えるプリーツ複合体である。拡散ろ材は、ろ材に支持力を与え、効率よく流体を分配することを助長するとともに、プリーツ間及びプリーツ内に形成された流動域が確実に汚水で充満せず、あるいは詰まらない。本発明の開示の更に別の態様によれば、フィルター要素のプリーツ複合体は、プリーツの移動及び拘束の可能性を更に低下させるためにヒートセットされる。
【0018】
本発明の開示は、又円筒状ケージと、円筒状ケージ内に同芯に配置された円筒状コアと、コアとケージとの間に同芯に配置された、上述したような、円筒状フィルター要素とを有するカートリッジ・アッセンブリを提供する。フィルター要素の各第1プリーツは、コアの外側半径とケージの内側半径との差に略等しい予め決められた半径方向高さを有する。
【0019】
本発明の開示によるフィルター要素を形成する方法は、第1プリーツ及び第2プリーツを有する、縦方向に延びる複数のプリーツを形成するようにろ材をプリーツ加工することを含み、少なくとも1個の第2プリーツは、2個の隣接した第1プリーツの間に配置され、各第1プリーツは予め決められた高さを有し、各第2プリーツは各第1プリーツの高さよりも低く、かつ少なくとも1個の第2プリーツの高さと異なる半径方向高さを有する。一態様によれば、この方法は更に、プリーツ加工したろ材を所望の長さに切断し、切断された長さのプリーツろ材を第1プリーツが半径方向外側へ延び、かつ第2プリーツが半径方向内側へ延びるように円筒状に形成することを含む。
【0020】
本主題の開示の上記態様及び他の態様は、図面と合わせて好ましい実施例についての以下の詳細な開示から当業者には容易に明らかになる。
【0021】
(発明を実施するための最良の形態)
図2及び図3を参照すると、同様の参照数字は、本発明の開示における類似した構造的要素を明示し、本発明の開示に基づいて構成されるプリーツ型フィルター要素10を含む、円筒形カートリッジ要素8が図示されている。円筒形プリーツ型フィルター要素10に加えて、カートリッジアッセンブリ8は、フィルター要素内に同軸上に配置される円筒形内部貫通コア12、及びフィルター要素上に同軸上に配置される円筒形外部多孔ケージ14を包含する。
【0022】
図1を参照すると、フィルター要素10は、本明細書では、"変形"Wプリーツ構造を有しており、該構造は以下にさらに詳細記載される。上記フィルター要素10は、螺旋状のプリーツ型フィルターに典型的なフィルター領域増大をもたらすとともに、外部ケージ14の有用半径流通路の数の増加をもたらすことが発見された。更に、上記フィルター要素10は、内部コア12と外部ケージ14の間の全体フィルター密度が高められるとともに、プリーツの移動及び結合の可能性を減じるための中間プリーツ支持力を改良する、より大きなフィルター密度をもたらす。
【0023】
変形W−プリーツ構造
図1から図3までを参照すると、本発明の開示によるフィルター要素10は、複数の長手方向に延びるプリーツ"P"及び"s"を包含し、該プリーツの各々は、互いに接続する1対のプリーツ脚部を有する。上記プリーツには、第1プリーツ"P"を外側に広げるとともに、第2プリーツ"s1、s2、s3、…sα"を内側に広げることを含み、該"α"は第2プリーツの実際の数であり、少なくとも1つの第2プリーツは、2つの周縁の第1プリーツの間に位置付けされる。図1及び図3において、"P"及び"s"は、それらの図が実際よりも図示目的のために、離れて示されている。本発明に基づいて構成された実際のフィルター要素において、プリーツは互いにより接近しており、そのため周縁プリーツがコア12近くで接触し、その結果より多いフィルターがコア12とケージ14の間に適合される。
【0024】
図3を特に参照すると、各第1プリーツ"P"は、予め決められた高さ"H"まで延び、第2プリーツ"s1、s2、s3、…sα"は各々、高さ"h1、h2、h3、…hα"で備えられ、該高さは夫々予め決められた高さ"H"よりも低い。言い換えれば、各内側放射第2プリーツ"s"の脚部は、周縁第1プリーツ"P"の頂部と基底の間に位置する根底で接続される。各第2プリーツ"s1、s2、s3、…sα"も又、少なくとも1つの他の第2プリーツの半径高と異なる半径高"h1、h2、h3、…hα"を有する。
【0025】
本発明の開示に基づいて構成されたフィルター要素10の特別な実施例において、各第2プリーツ"s1、s2、s3、…sα"は更に、他の第2プリーツの半径高と異なる半径方向高さ"h1、h2、h3、…hα"を有する。しかしながら、本発明の開示に基づいて構成されたフィルター要素は、それに代えて、第2プリーツを備えており、第2プリーツ"s1、s2、s3、…sα"のいくつかは、等しい高さを有している。とにかく、本発明の開示に基づいて構成されたフィルター要素10は、第1プリーツ"P"の基底高さ"H"より低く、少なくとも1つの他の第2プリーツの半径方向高さと異なる高さ"h1、h2、h3、…hα"で備えられた第2プリーツ"s1、s2、s3、…sα"を包含する。
【0026】
第1プリーツ"P"の理論上の予め決められた高さは、フィルター要素10の内径と外径との差異の半分に等しい。好ましくは、フィルター要素10、内部コア12及び外部ケージ14は、フィルター要素の内径がコア12の外径"dcore"に略等しく、フィルター要素の外径がケージ14の内径"dcage"に略等しい大きさである。従って、第1プリーツ"P"の理論上の予め決められた高さは、コアの外径"dcore"とケージの内径"dcage"との差異の半分に等しい。
【0027】
第2プリーツ高さ
本明細書に開示された変形W−プリーツ設計は、コアの外径"dcore"とケージの内径"dcage"との間の一貫した最適フィルター密度を提供する。概ね、第2プリーツ"s1、s2、s3、…sβ"の理論上の数"β"及びそれら個々の高さ"h1、h2、h3、…hβ"は、プリーツの厚さ"t"、コアの外径"dcore"及びケージの内径"dcage"に基づいて計算される。
【0028】
まず第1に第1プリーツ"P"のみが外部ケージ14から内部コア12まで延びるので、第1プリーツ"P"の理論上の数"n"は概ね以下の等式によって決定される。
【0029】
【数14】

【0030】
その後、第2プリーツ"s"はコアの外径"dcore"とケージの内径"dcage"の間の直径"Δd"の変化は、1つのプリーツの厚みで円周の増加に必要とされる直径の変化として定義されるとともに、以下の等式によって概ね決定される。
【0031】
【数15】

【0032】
各第2プリーツ"s1、s2、s3、…sβ"の高さ"s1、s2、s3、…sβ"は各々、以下の等式によって決定される。
【0033】
【数16】

【0034】
従って、理論上最長の第2プリーツ"s1"は、高さ"h1"を有する一方、理論上最短の第2プリーツ"sβ"は高さ"hβ"を有する。第2プリーツ"s"の理論上の全数は以下の等式によって計算される:
【0035】
【数17】

【0036】
例として、本発明の開示に基づいてプリーツ型フィルター要素10の第2プリーツ高さ"h"は、以下の表1に記載されている。表1に記載されたプリーツ型フィルター要素10は、約33.32mm(1.312インチ)の外径"dcore"を有する内部コア12と約62.35mm(2.455インチ)の内径"dcage"を有する外部ケージ14との間に配置される。要素10のプリーツ型フィルター要素10は、プリーツ"P"及び"s"を包含し、該プリーツは略1.52mm(0.060インチ)の平均プリーツ厚さ"t"を有している。
【0037】
このように、第1プリーツ"P"は、約14.52mm(0.572インチ)に等しい理論上の予め決められた高さを有しており、第1プリーツ"P"の理論上の数は約69に等しく、直径"Δd"の変化は略0.48mm(0.0191インチ)に等しい。第2プリーツ"s"の結果的な高さ"h"、及び第2プリーツ"s"の理論上の数"β"は以下のようにもたらされる:
【0038】
【表1】

【0039】
それ故、計算され、表1に記載されるプリーツ型フィルター要素10は、理論上全体として106のプリーツを有する:69の第1プリーツ"P"及び37の第2プリーツ"s"。表1に記載されるプリーツ型フィルター要素10の局面は、例としてのみ考慮されるべきであり、本発明の開示を制限するものではないことに留意されるべきである。
【0040】
図示されてはいないが、5.05mm(0.199インチ)と0.20mm(0.008インチ)の間の減少する高さ"h"の20以上の第2プリーツは表1に含まれる。しかしながら、最小高さ以下の実際の高さ"h"を有する第2プリーツ"s"は、フィルター要素中に包含されない。プリーツの実際の最小の高さは、例えば、フィルター要素にプリーツをつけるために用いられるプリーツ型機構の性能、プリーツの厚さ、及びフィルター材料にも依存する。表1のプリーツ型フィルター要素の特別な例において、実際の最小高さは、約5.08mm(0.200インチ)であると考えられる。従って、5.08mm(0.200インチ)より小さい実際の高さ"h"を有する第2プリーツ"s"は、フィルター要素に含まれると考えられていない。
【0041】
プリーツ付け方法
本発明の開示のプリーツ型フィルター要素10は、種々の技術によって製造される。しかしながら、概ね、フィルター及びプリーツ付けされる拡散媒体は、別個のロールに保管されると同時に、プリーツ加工機に送り込まれ、層がプリーツ付けされると、複合体に形成される。フィルター複合体が本発明の開示に基づいてプリーツ付けされた後、該フィルター複合体が加熱され、その結果、フィルター複合体、特に、拡散媒体22、24は熱セットされる。
【0042】
図示されていないが、プリーツ型、熱セットされたフィルター複合体は、プリーツ加工機から現れ、フィルター要素10の所望な直径によって決定されると、プリーツの予め決められた長さ又は予め決められた数に切断される。プリーツ型フィルター複合体の長さは、その後、円筒形に形成されるとともに、プリーツ型フィルター複合体の縦端部は、超音波溶接のような、従来型手段によって合わせ目に沿って互いに密閉され、円筒形態のプリーツ型フィルター複合体を保持する。円筒形内部コア12は、その後、円筒形フィルター要素10に軸方向に挿入され、フィルター要素及びコアは、円筒形外部ケージ14に軸方向に挿入され、端部キャップ30は、図1に示されるように、完成されたカートリッジアッセンブリ8を形成するために、フィルター要素の端部に取付けられている。
【0043】
半径高"h"を変化させる第2プリーツ"s"を有する、本発明の開示に基づくフィルター要素10を提供するために、個々に作動するプリーツ付けブレードを有するプリーツ加工機が用いられ得る。例えば、ドイツ、ベルリンのカールラボフスキーGmbH (Karl Rabofsky GmbH)は、サーボ作動プリーツ加工機を提供し、該機構は、本発明の開示のフィルター要素を作るのに適している。米国特許第4465213号及び米国特許第4465214号の双方は本明細書に全体的に参照として組み込まれおり、例示的なサーボ作動プリーツ加工機を開示している。しかしながら、特に、ロボフスキー(Robofsky)R178PCプリーツ加工機は、本発明の開示によるプリーツ型フィルター要素を提供するために用いられてきた。
【0044】
ロボフスキーF178PCプリーツ加工機に表1に例示されたフィルター要素を作るように指示するために用いられるプログラムは、表2に示される。
【0045】
【表2】

【表3】

【表4】

【0046】
表2に示されるように、プログラムは上方ブレード及び下方ブレードの動きに第1プリーツ"P"及び本明細書に開示されるようにフィルター要素10の第2プリーツ"s1、s2、s3、…sα"を作るように指示する。図示されるように、表1に算出されるように、第2プリーツ"s"の順序は、表2の加工機の指示を製作するために混合されていた。第2プリーツ"s"の混合は、第1プリーツ及び第2プリーツ"P"の最大数が、表1に理論上算出されるように、円筒形フィルター要素10の予め決められた直径に、実際確実に適合し得る。
【0047】
表1に記載されるプリーツ型フィルター要素の第1プリーツ"P"の各々は、第1プリーツ"P"の理論上の高さより小さい実際の高さ"H"を備え、カートリッジアッセンブリ8を形成するためのコア12とケージ14の間の得られるフィルター要素10を軸方向に挿入することが容易になることに留意されるべきである。それ故、表2の加工機の指示において、第1プリーツ"P"の実際の高さ"H"は14.52mm(0.572インチ)の理論上の高さより0.25mm(0.01インチ)小さい。更に、実際、第1プリーツ"P"のいくつかは、フィルター要素10から除かれ、フィルター要素10はコア12とケージ14の間に適合する。従って、5つの第1プリーツ"P"は、表2の加工機の指示から除かれ、第1プリーツ"P"の実際の数は、理論上の数"N"マイナス5に等しい。
【0048】
表1に記載されるプリーツ型フィルター要素10の第2プリーツ"s"の各々は、理論上の高さ"h"より小さい実際の高さを備えている。それ故、表2の加工機指示において、第2プリーツ"s"の各々の実際の高さ"h"は表1に示された理論上の高さ"h"より0.25mm(0.01インチ)小さい。更に、最長の第2プリーツ"s"のいくつかは、フィルター要素10から除かれ、フィルター要素10がコア12とケージ14の間に確実に適合する。従って、6つの第2プリーツ"s1、s2、…s6"は表2の加工機指示から除かれる。第2プリーツ"s6"は、約12.8mm(0.504インチ)に等しい実際の高さ"h6"を有するので、予め決められた最大第2プリーツの高さ"hmax"は、実験に基づいて、この場合、約12.8mm(0.504インチ)であると発見された。
【0049】
それ故、フィルター要素10は、理論上の数"β"マイナス第2プリーツの数"y"に等しい第2プリーツ"s"の実際の数"α"を含むようにプリーツ付けされ、該第2プリーツの数は、約12.8mm(0.504インチ)の予め決められた最大第2プリーツの高さ"hmax"より大きく、約5.08mm(0.200インチ)の実際の最小プリーツの高さより小さい。フィルター要素が外部ケージ14内に確実に適合するように、フィルター要素10から第1及び第2プリーツを除く代替として、より少ないプリーツを提供するように、プリーツを算出すると、プリーツの厚さ"t"は、わずかに増大し得る。
【0050】
更に、第2プリーツ"s"の高さ"h"は、好ましくは、好ましい最小の第2プリーツの高さ"hmin"より下回ることがないことが発見され、より短い第2プリーツは、確実に、プリーツ付きの形を保持し、フィルター要素10から半径方向外側に広がらない。従って、"h"は、"hmin"より大きいか又はそれに等しく、"hmax"より小さい。最小の第2プリーツの高さ"hmin"は、概ね、プリーツの厚さ及びプリーツ加工機の性能に依るとともに、フィルター要素中に組み込まれた特定のフィルター及び拡散媒体にも依る。
【0051】
表1に記載されたプリーツ型フィルター要素において、好ましい最小の第2プリーツの高さ"hmin"は、6.35mm(0.250インチ)であることが発見された。"hmin"よりも小さく算出された(しかし5.08mm(0.200インチ)の実際に最小プリーツの高さよりも大きい)高さ"h"を有するすべての第2プリーツ"s"は、"hmin"に等しい実際の高さでもたらされる。第2プリーツ"s33、s34、s35、s36、及びs37"は例えば、実際の高さ"h33、h34、h35、h36、及びh37"を有し、夫々、6.35mm(0.250インチ)の"hmin"より小さく、表2の15、27、39、53及び63行目に示されるように、プリーツ型フィルター10を製造中、"hmin"に等しい高さを型与される。
【0052】
表2を参照すると、表1に算出されるように、残存する第2プリーツ"s7、s8、…s32"は、順番に混合され、各々が第1プリーツ"P"の周縁対の間に位置付けされる。第2プリーツ"s"は、ランダムに又は均一に第1プリーツ"P"の間に分配され、第1プリーツ及び第2プリーツの最大総数を得る。表2に示される例において、第2プリーツ"s"は、ランダムに混合される。それに代わって、第2プリーツ"s"は、均一に、第1プリーツの間に分配されるため、その結果第2プリーツの高さ"h"の類似分布がフィルター要素10の各90度、例えば又は各45度で繰り返される。
【0053】
第1プリーツ"P"に対する第2プリーツ"s"の分布及び配置を種々に変化させることは、本明細書に開示されたフィルター要素10の概念及び範囲から逸れることがなければ可能である。例えば、図3aに示されるように、本発明の開示によるフィルター要素110は、第1プリーツ"P"の周縁対の間に2つの第2プリーツ"s"を包含し、本発明の開示によるフィルター要素210は、図3bに示されるように、2つの周縁第1プリーツ"P"の間に2つの第2プリーツ"s"を包含し;本発明の開示によるフィルター要素310は、図3cに示されるよに、2つの周縁第1プリーツ"P"の間に第2プリーツ"s"を包含し得る。更に、図示されていないが、本発明の開示によるフィルター要素は、周縁第1プリーツ"P"の間に第2プリーツ"s"の変数を有し得る。又、第1プリーツ"P"に対する第2プリーツ"s"の分布及び配置を種々に変化させることは、本明細書に開示されたフィルター要素10の概念及び範囲から逸れることがなければ可能である。
【0054】
再び表2を参照すると、余分のプリーツは、加工機指示の始め、つまり1行目、及び加工機指示の最後、つまり65行目に作られるので、プリーツ型フィルター複合体の長さは、余分のプリーツで切断され、その後円筒形に形成される。その後切断された余分のプリーツは、円筒形態でプリーツ型フィルター複合体を保持するために、従来型手段によって合わせ目に沿って互いに密閉される。
【0055】
本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素の利点
本発明の開示によってプリーツ付けされたフィルター要素は、従来型放射状プリーツ型フィルター要素よりも、大きなろ過に有効な表面積を有していることが発見され、該要素はコネティカット州、メリデンのキューノ・インコーポレイデッドによって製造されるベータファインディーフィルター(BetaFine D)のような同一内径及び外径を有する。概ね、本発明に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素10は、従来型直線放射状プリーツ型フィルター要素よりも約30%大きな表面積を有することが発見された。比較すると、従来型Wプリーツ型フィルター要素は従来型直線放射状プリーツ型フィルター要素よりわずかに20%だけ大きな表面積を有する。
【0056】
更に、本発明の開示に基づいて構成されたフィルター要素10も又、内部コア12とカートリッジアッセンブリ8の外部ケージ14の間で、従来型Wプリーツ型フィルター(2対の全プリーツの間で1.5プリーツパターンを均一に繰り返す)か或いは、表3に明示されるように、従来型直線放射状プリーツ型フィルターよりも、より大きく、より一貫したフィルター密度を提供することが発見された。
【0057】
【表5】

【0058】
表3において、所定のプリーツの厚さ"t"での理論上プリーツ密度、コアの外部直径"dcore"及びケージの内部直径"dcage"は、算出されるとともに、従来型直線プリーツ型フィルター、従来型Wプリーツ型フィルター、及び本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素10で比較されている。理論上のプリーツ密度は、各直径間隔"D"で与えられ得る、理論上プリーツの最大数によって割られた各フィルターで備えられた実際のプリーツの数に等しく、"D"は、10で割った"dcage"及び"dcore"の差異である。理論上のプリーツの最大数は、αを掛けるとともに、プリーツの厚さ"t"で割った各間隔における直径に等しい。図示されるように、本発明の開示に基づいて構成されたフィルター要素10は、従来型直線放射状プリーツ型フィルターと、従来型Wプリーツ型フィルターとで比較すると、内部コア12と外部ケージ14の間のより大きく、より一貫したプリーツ密度を提供する。
【0059】
本明細書に開示されたフィルター要素10のより大きく、より一貫したフィルター密度によって、中間支持力が改良され、さらに多い負荷の分布がフィルター要素に適用される。それ故、より大きく、より一貫したフィルター密度は、プリーツの移動及び結合を最小にするとともに、脈動流システム中に粒子を保持するためのプリーツの性能を向上する。
【0060】
本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素は、ベータファインディーフィルター(BetaFine-D)のような、従来型直線プリーツ型フィルター要素よりもフィルター寿命が長い。更に、本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素は、コネティカット州、メリデンのキューノ・インコーポレイデッドによって製造されるポリプロエックスエル(PolyPro XL)のような、螺旋状プリーツ型フィルター要素よりも利点を有することが発見された。特に、本発明のフィルター要素10は、螺旋状プリーツ型フィルター要素と類似したフィルター領域及びフィルター密度増加をもたらすだけでなく、フィルター要素10を含むカートリッジアッセンブリ8の外部ケージ14で有用なフィルターの放射状流通路の数も増加する。更に、本発明のフィルター要素10は、プリーツがケージに挿入される前に回転されるか又は螺旋形にされなければならない、螺旋状プリーツ型フィルター要素よりもケージ14内に容易に挿入される。
【0061】
複合体構成
好ましくは、本発明の開示のフィルター要素10は、図1に最も示されるように、フィルター媒体20及び上流拡散媒体22のうち少なくとも1つ及び下流拡散媒体24を包含するプリーツ型複合体を含む。ここでの上流及び下流とは、フィルター要素が半径方向外側の流体流を受けているとき、フィルター要素10の外側面及び内側面を示す。
【0062】
拡散媒体22、24は、フィルター媒体に支持力を提供するとともに、流体が均一にフィルター媒体20の表面の実質的にあらゆる部分から又はまで流れることを可能にするので、フィルター媒体の全領域は、ろ過に効率的に用いられ得る。好ましくは、フィルター要素10は、フィルター媒体20、上流拡散媒体22及び下流拡散媒体24の両方から成る3層の複合体から構成されている。
【0063】
本フィルター要素10に用いられ得るフィルター媒体20の型には特別な制限はなく、フィルター媒体はろ過されるべき流体及び所望なろ過特性に応じて、選択され得る。フィルター媒体20は、液体、気体又はそれらの混合物のような流体をろ過するのに用いられ、有孔フィルム又は繊維シート又は塊、又はそれらの混合から構成され得る;均一な、又は勾配された孔構造及び適切で且つ、効率的な孔サイズを有する;単一又は多層を含み;天然材料、人口ポリマー、ガラス、又は金属のような適切な材料から形成される。
【0064】
本発明の開示の好ましい実施例によれば、フィルター媒体は不織布熱可塑性ミクロ繊維からなる1又はそれより多いシートから構成される。不織布熱可塑性ミクロ繊維は、例えば、メルトブロー、スパンボンド、けばだたせるか又は水流絡合され得る。更に、フィルター要素はカレンダーされるか又は圧縮され、更に、孔を変化させる。より低温(つまり82.2°C(180°F)より下)でのろ過適用のため、熱可塑性材料は例えばポリプロピレンを含む一方、高温での適用(つまり82.2°C(180°F)より高い)又は他の流体と化学的に融和させるために、熱可塑性材料はナイロン、ポリエステルまたは溶解加工可能なフッ素重合体を含む。
【0065】
フィルター媒体20は、単一層又は多層を含み得る。更に、フィルター媒体20は、異なるろ過特性(例えば第2層のための予備フィルターとして作用する1層)を有する2又はそれより多い層を含むことが可能である。フィルター媒体は、好ましくは、例えば拡散媒体上に直接メルトブローされるのに対して、シート状で備えられ、該シートはフィルター中に組み込まれる前に検査される。深さフィルター媒体の分離シートを用いることで、フィルター媒体の品質制御検査を単純化するとともに、各フィルターカートリッジの物理的特性を一貫することが発見された。フィルター媒体の物理的特性の一貫性を制御することは、除去効率及び得られるフィルターカートリッジの不潔物容量において、鮮明な、明確に限定された、最適な制御が可能である。
【0066】
拡散媒体22、24は、好ましくは、フィルター媒体20と異なる。上流拡散及び下流拡散媒体22、24は、メッシュ、スクリーン、又は有孔織布又は不織布シートのような材料から作られる。
【0067】
メッシュ及びスクリーン(ネットとも呼ぶ)は種々の形態になる。高温適用のために、金属性メッシュ又はスクリーンが用いられ、一方、低温適用のために、重合メッシュが特に適している。重合メッシュは織布メッシュ及び射出メッシュの形状になり、どちらかの形状が用いられ得る。適切な押出成形重合メッシュの特別な例は、ナルテックス(登録商標)(Naltex)、ジコット(登録商標)(Zicot)及びウルトラフロ(登録商標)(Ultraflo)の商標名でテキサス州、オースチン、ネイルプラスチックで入手可能である。適切な押出成形重合メッシュの他の例は、デルネット(登録商標)(Delnet)押出成形ポリプロピレンメッシュの名で、デラウェア州ミドルタウンのアプライド・エクストルージョン・テクノロジーで入手可能であり、該メッシュは種々のストランド配向において、押出成形される。
【0068】
フィルター媒体20が繊維レイドダウン媒体であるとき、メシュは、拡散媒体24、24として特に適切である。ダイアモンドネット、例えばナルテックスエルダブリューエス(登録商標)(Naltex LWS)は、プリーツ型フィルター適用には特に適している、というのは、短いプリーツ高さでたやすくプリーツ付けされ、加熱された後、セット固定するとともによい流体分布特性を有するからである。
【0069】
フィルター媒体20が膜であるとき、織布又は不織布の繊維シートは、繊維が大抵、メッシュよりも滑らかであるとともに、フィルター複合体の隣接層の剥離がより少なく生じるため、拡散媒体22、24として用いられるのにより適している。拡散媒体として用いられるのに適切な不織布繊維の例は、テネシー州、オールドヒコリーのリーメイインクによって商標指定されているリーメイ2011で市販されているポリエステル不織布である。
【0070】
上流及び下流拡散媒体22、24は、同一又は異なる構造から成るり得る。それに代わって、上流及び下流拡散媒体22、24は、異なる特徴を有し、それらの特徴は所望な効果をもたらすように変化し得る。例えば、フィルター複合体の全厚さが固定された場合、上流拡散媒体22の厚さは、下流拡散媒体24の厚さよりも大きく作られ得る。
【0071】
本発明の開示に基づいて構成されるプリーツ型フィルター要素10の例は、デルネット(登録商標)(Delnet)押出成形ポリプロピレンメッシュの上流拡散媒体、及び不織布ポリプロピレンである、タイパーティー−135(登録商標)(Typar T-135)のスパンボンドの下流拡散媒体24を含む
【0072】
全フィルター領域及び上流拡散媒体の最適な組合せ
本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素10は、必ずしも、カートリッジアッセンブリのコアとケージの間に適合する最大フィルター領域を有しているとは限らないということが発見された。表4を参照すると、例えば本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素10用の全フィルター領域及び上流拡散媒体22の最適な組合せは、ろ過されるべき汚物の特定型及び大きさに依るということが発見された。
【0073】
【表6】

【0074】
表4は、本発明の開示に基づいてプリーツ付けされた種々のフィルター要素に画一通過テストの結果を示す。各画一通過テストは毎分11.34l(3ガロン)の流量で行われ、水3.78l(1ガロン)当たり約0.39グラム−約1.0グラムの間の汚物を含む水を用いた。2つの基準汚物が用いられた:0−150ミクロン汚物(ミネソタ州、バーンズビルのパウダーテクノロジーインクで入手可能なISO COARSE, A.T.D. 12103-1, A4);及び0−10ミクロンの汚物(パウダーテクノロジーインクで入手可能なA.T.D.名目上0−10ミクロン)
【0075】
テストされるすべてのフィルター要素は、本発明の開示に基づいてプリーツ付けされ、不織布熱可塑性ミクロ繊維のフィルター媒体20、タイパーティー−135(登録商標)(Typar T-135)スパンボンドの下流拡散媒体24、不織布ポリプロピレン、約63.5mm(2.5インチ)の外径及び約254mm(10インチ)の長さが含まれている。表4に示されるテストの目的のフィルター寿命は、テストされるフィルター中に填充する汚物のため、1379hPa(20psid)増加するためのフィルターを横切る圧力低下を調べる汚物量として定義される。
【0076】
例えば表4に示される結果に基づくと、本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素10は、0.2ミクロンの等級を有し、0−10ミクロンの汚物をろ過するためであり、好ましくは、少なくとも273.32cm(9.0フィート)のフィルター複合長さ及び127μm(5ミル)デルネット(登録商標)(Delnet)の上流拡散層22を有する。しかしながら、本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素10は、0.5、1.0及び2.5ミクロンの等級を有し、0−150ミクロンの汚物をろ過するためであり、好ましくは、大きくても約222.50cm(7.3フィ−ト)のフィルター複合体の長さ及び508μm(20ミル)のネイルエルダブリューエス(登録商標)(Nalle LWS)の上流拡散層22を有する。更に、本発明の開示に基づいてプリーツ付けされたフィルター要素10は、5.0、10.0、20.0及び40.0の等級を有し、0−150ミクロンの汚物をろ過するためであり、好ましくは、大きくても237.74cm(7.8フィート)のフィルター複合体の長さ及び508μm(20ミル)ネイルエルダブリューエスの上流拡散層22を有する。
【0077】
カートリッジアッセンブリ
カートリッジアッセンブリ8の円筒形コア12は、半径方向の力に対してフィルター要素10の内周縁を支持するとともに、フィルター要素に軸方向の力及び曲げに対する剛性を付与する。コア12は、従来型設計で構成され、十分な力を有する材料から成り、ろ過されている流体と適合する。開口26はコアの外側と中央の間を流体が通過することを許容するために、コアを通って形成される。代替するコアはスプライン軸、又は製造中に除去され得るコアを含む。カートリッジアッセンブリ8の外部ケージ14は、流体の通路用に形成される開口を伴って設計されている。代替ケージは、膨張可能なメッシュスリーブ、有孔射出成形チューブ又はコードを包含するラップ、織布又は不織布材料を包含する。ケージ14が作られる材料は、ろ過される流体及びろ過条件に基づいて選択され得る。
【0078】
大抵、本発明によるカートリッジアッセンブリ8は、片方又は両端部で端部キャップ30を具備する。端部キャップ30は、ブランド又は開放端部キャップであり、それら端部キャップが形成される材料は、ろ過条件及び端部キャップが接続される部材の材料に応じて選択され得る。好ましくは、端部キャップ30は、フィルター要素10に取付られるが、ケージ14上のコア12にも取付られる。従来技術では、エポキシを用いたり、熱接着又はスピン溶接などによって、カートリッジアッセンブリ8に端部キャップ30を取りつけるために用いらる。
【0079】
ここに開示されたフィルター要素10は、好ましい実施例に関して記載され、図示されているが、以下の請求の範囲に定義されるように開示されたフィルター要素の概念及び範囲から逸れることがなければ、修正及び変更がなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の開示によるプリーツ型フィルター要素の斜視図である。
【図2】カートリッジアッセンブリの内部コア及び外部ケージの間に含まれる図1のプリーツ型フィルター要素を包含する、カートリッジアッセンブリの部分的に切断された、斜視図であり、該フィルター要素の1部がケージ内から開けられて示される。
【図3】図2のカートリッジアッセンブリの拡大断面図である。
【図3a】本発明の開示によるプリーツ型フィルター要素の他の実施例を包含する、カートリッジアッセンブリの断面図である。
【図3b】本発明の開示によるプリーツ型フィルター要素の他の実施例を包含する、カートリッジアッセンブリの断面図である。
【図3c】本発明の開示によるプリーツ型フィルター要素の他の実施例を包含する、カートリッジアッセンブリの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状フィルター要素であって、縦方向に延びる複数のプリーツを備え、前記プリーツは外側に向く放射状第1プリーツと、内側に向く放射状第2プリーツとを有し、少なくとも1個の第2プリーツが2個の隣接した第1プリーツの間に配置されており、各第1プリーツが予め決められた半径方向高さを有し、各第2プリーツが各第1プリーツの高さより低く、かつ、少なくとも他の第2プリーツの半径方向高さと異なる半径方向高さを有する、円筒状フィルター要素。
【請求項2】
前記第1プリーツの理論上の数が
【数1】

と等しい、請求項1に記載のフィルター要素。
ここで、“dinner”はフィルター要素の内径に等しく、“t”はプリーツの厚さに等しい。
【請求項3】
第2プリーツの理論上の数“β”が
【数2】

と等しい、請求項1に記載のフィルター要素。
ここで、“dinner”はフィルター要素の内径に等しく、“douter”はフィルター要素の外径に等しく、 “t”はプリーツの厚さに等しい。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公開番号】特開2010−110760(P2010−110760A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6704(P2010−6704)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【分割の表示】特願2000−592066(P2000−592066)の分割
【原出願日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願人】(506067903)スリーエム イノベーティブ プロパティーズ カンパニー (23)
【Fターム(参考)】