説明

プリーツ織製品及びその織成方法

【課題】折り目線部の形状の崩れのないプリーツ織製品及びその織成方法を提供すること、熱処理等の工程を不要とすることにより、生産工程を簡略化でき、製品化コストを低減しうるプリーツ織製品及びその織成方法を提供すること。
【解決手段】複数の縦糸と複数の横糸を交差させることにより織り布が織成され、上記縦糸方向に沿って形成された複数の折り目線部と上記複数の折り目線部により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部とを有し、上記折り部を上記複数の折り目線部に沿って厚さ方向に交互に折り曲げることにより形成されたプリーツ織製品であって、上記複数の横糸は、上記折り目線部を形成しうると共に張力により横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させうる横糸を有し、上記横糸の張力により上記複数の縦糸が上記横糸方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部を形成しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリーツ織製品及びその織成方法に係り、特に、折り目線部を織成により形成することにより、折り目線部が崩れ難いプリーツ織製品及びその織成方法に関する。
【0002】
従来より、複数の折り目線部が施されたプリーツ製品において、折り目線部の形状を固定する様々な技術が提案されている。
例えば、熱可塑性を有するポリエステル繊維に熱処理を施すことにより縦方向に折り畳んで形成されたプリーツの折り目線部を固定する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1及び2における技術においては、折り目線部はポリエステル繊維素材により形成されているため、耐久性・取り扱いに優れているが、ポリエステル繊維素材等の熱可塑性繊維に限定され、更に熱処理を施す必要性がある。
また、天然繊維素材等の熱可塑性を有さない素材に関しては、熱を加えるのみでは耐久性のあるプリーツ加工を施すことが困難であることが多いことから、薬剤を使用すると共に熱処理を施すことにより、折り目線部の形状を固定する技術が提案されている(特許文献3、特許文献4)。
即ち、特許文献1〜4に記載されている技術においては、熱処理工程が必要であることから、設備コストが嵩むと共に温度条件の管理が必要であり煩雑である。
また、特許文献1及び2に記載されている技術においては、熱可塑性を有する素材に限定されるため、様々な繊維素材に適用することが困難であると共に、上記熱処理工程の温度以上の温度がプリーツ製品に加えられた場合にはプリーツが消失してしまう場合がある。
また、特許文献3及び4に記載されている薬剤を使用して熱処理工程により折り目線部を固定する場合には、薬品処理工程を必要とするため、設備コストが嵩む可能性がある。また、折り目線部が度重なる着座やクリーニング等で薄れ易いことから、2〜3シーズンで折り目線部の崩れたプリーツ製品となる可能性がある。
従って、折り目線部の形状が崩れ難く、設備コストが低減でき、容易に作製できるプリーツ製品が望まれている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−310246号
【特許文献2】特開2008−7879号
【特許文献3】特開平10−259570号
【特許文献4】特開2003−155659号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明の課題は、折り目線部の形状の崩れのないプリーツ織製品及びその織成方法を提供すること、熱処理等の工程を不要とすることにより、生産工程を簡略化でき、製品化コストを低減しうるプリーツ織製品及びその織成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るプリーツ織製品は、複数の縦糸と複数の横糸を交差させることにより織り布が織成され、上記縦糸方向に沿って形成された複数の折り目線部と上記複数の折り目線部により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部とを有し、上記折り部を上記複数の折り目線部に沿って厚さ方向に交互に折り曲げることにより形成されたプリーツ織製品であって、上記複数の横糸は、上記折り目線部を形成しうると共に張力により横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させうる横糸を有し、上記横糸の張力により上記複数の縦糸が上記横糸方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部を形成しうることを特徴とする。
また、請求項12記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、複数の縦糸を平行に配置する工程と、上記複数の縦糸に対して横糸を交差させて配置する工程とを有し、上記縦糸方向に沿って形成された複数の折り目線部により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部を上記複数の折り目線部に沿って厚さ方向に交互に折り曲げる工程とを有するプリーツ織製品の織成方法であって、上記複数の横糸は、上記折り目線部を形成しうると共に張力により横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させうる横糸を有し、上記横糸の張力により上記縦糸が上記横糸方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部を形成することを特徴とする。
【0006】
従って、請求項1記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項12記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記複数の横糸は、上記折り目線部を形成しうると共に張力により横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させうる横糸を有し、上記横糸の張力により上記複数の縦糸が上記横糸方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部を形成しうることから、折り目線部の形状の崩れを招来しない。
また、複数の縦糸と複数の横糸を交差させることにより織り布が織成され、上記縦糸方向に沿って形成された複数の折り目線部と上記複数の折り目線部により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部とを有し、上記折り部を上記複数の折り目線部に沿って厚さ方向に交互に折り曲げることにより形成されたプリーツ織製品及び織成方法であることから、熱処理工程や薬剤処理工程を必要としない。
また、繊維素材を熱可塑性を有するポリエステル繊維素材等に限定せずに織成することができる。
【0007】
請求項2記載の発明に係るプリーツ織製品は、上記横糸は、上記複数の縦糸に対して交互に交差するように配置された上記横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させない横糸を有し、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記折り目線部が形成される部位において、上記縦糸に交差しない状態で上記織り布の一方の面部に配置され、上記織り布の一方の面部に配置された複数の上記横糸が長さ方向に収縮することにより、交差しない縦糸が上記織り布の他方の面部方向へ突出することによりプリーツが形成されることを特徴とする。
また、請求項13記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記横糸は、上記複数の縦糸に対して交互に交差するように配置された上記横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させない横糸を有し、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記折り目線部が形成される部位において、上記縦糸に交差しない状態で上記織り布の一方の面部に配置され、上記織り布の一方の面部に配置された複数の上記横糸が長さ方向に収縮することにより、交差しない縦糸が上記織り布の他方の面部方向へ突出することによりプリーツを形成することを特徴とする。
【0008】
従って、請求項2記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項13記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記折り目線部が形成される部位において、上記縦糸に交差しない状態で上記織り布の一方の面部に配置され、上記織り布の一方の面部に配置された複数の上記横糸が長さ方向に収縮することにより、交差しない縦糸が上記織り布の他方の面部方向へ突出することによりプリーツが形成されることから、より折り目線部の形状の崩れを招来しない。
【0009】
請求項3記載の発明に係るプリーツ織物品は、上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された上記収縮する張力を発生させない横糸とが所定の本数の組み合わせにより一組の横糸として形成され、上記一組の横糸が上記縦糸の長さ方向全域に亘って連続して配置されることにより形成されることを特徴とする。
また、請求項14記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された上記収縮する張力を発生させない横糸とが所定の本数の組み合わせにより一組の横糸として形成され、上記一組の横糸が上記縦糸の長さ方向全域に亘って連続して配置されることにより形成することを特徴とする。
【0010】
従って、請求項3記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項14記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記一組の横糸が上記縦糸の長さ方向全域に亘って連続して配置されることにより形成されることから、上記縦糸の長さ方向全域に亘ってプリーツを形成することができる。
【0011】
請求項4記載の発明に係るプリーツ織物品は、所定の本数の上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記所定の本数の収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された所定の本数の上記収縮する張力を発生させない横糸との比率において、上記収縮する張力を発生させうる横糸の本数の比率が大きいことを特徴とする。
また、請求項15記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、所定の本数の上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記所定の本数の収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された所定の本数の上記収縮する張力を発生させない横糸との比率において、上記収縮する張力を発生させうる横糸の本数の比率が大きいことを特徴とする。
【0012】
従って、請求項4記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項15記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸の本数の比率が大きいことから、上記収縮する張力を発生させうる横糸により引き寄せられる張力が強く、より互いに引き寄せられて角度の小さいとがった断面形状のプリーツを形成することができる。
【0013】
請求項5記載の発明に係るプリーツ織物品は、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、伸縮しうるストレッチ糸により形成され、上記ストレッチ糸の張力により収縮させうることを特徴とする。
また、請求項16記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、伸縮しうるストレッチ糸により形成され、上記ストレッチ糸の張力により収縮させうることを特徴とする。
【0014】
従って、請求項5記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項16記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、伸縮しうるストレッチ糸により形成され、上記ストレッチ糸の張力により収縮させうることから、上記ストレッチ糸を上記横糸に使用することにより、容易にプリーツを形成することができる。
【0015】
請求項6記載の発明に係るプリーツ織製品は、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記収縮する張力を発生させない横糸より短い長さ寸法により形成されていることを特徴とする。
また、請求項17記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記収縮する張力を発生させない横糸より短い長さ寸法により形成されていることを特徴とする。
【0016】
従って、請求項6記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項17記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記収縮する張力を発生させない横糸より短い長さ寸法により形成されていることから、短い長さ寸法により形成された上記収縮する張力を発生させうる横糸により、容易にプリーツを形成することができる。
【0017】
請求項7記載の発明に係る織物製品は、上記複数の縦糸は、上記複数の縦糸の間隔寸法が近接して配置される部位と上記縦糸が配置されずに所定間隔寸法おいて配置される間隙幅部とを形成し、上記間隙幅部に上記収縮する張力を発生させうる横糸を配置し、上記間隙幅部において上記収縮する張力を発生させうる横糸の張力により上記折り目線部が形成されることを特徴とする。
また、請求項18記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記複数の縦糸は、上記複数の縦糸の間隔寸法が近接して配置される部位と上記縦糸が配置されずに所定間隔寸法おいて配置される間隙幅部とを形成し、上記間隙幅部に上記収縮する張力を発生させうる横糸を配置し、上記間隙幅部において上記収縮する張力を発生させうる横糸の張力により上記折り目線部を形成することを特徴とする。
【0018】
従って、請求項7記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項18記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記間隙幅部に上記複数の縦糸が配置されていないことから、上記間隙幅部において上記間隙幅部の両端に隣接する縦糸が上記収縮する張力を発生させうる横糸の張力により互いに引き寄せられて角度の小さいとがった断面形状のプリーツを形成することができる。
【0019】
請求項8記載の発明に係る織物製品は、多層織りに織成された無縫製かつ無裁断に形成され、互いに対向する一対の織り布の両端部が開放され、一方の織り布は前身頃となると共に他方の織り布は後身頃となり、全体としてスカートを構成しうることを特徴とする。
また、請求項19記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、多層織りに織成された無縫製かつ無裁断に形成され、互いに対向する一対の織り布の両端部が開放され、一方の織り布は前身頃となると共に他方の織り布は後身頃となり、全体としてスカートを構成しうることを特徴とする。
【0020】
従って、請求項8記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項19記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、折り目線部の形状の崩れを招来しないプリーツスカートとして構成することができる。
【0021】
請求項9記載の発明に係る織物製品は、同一の幅寸法に形成された複数の上記折り部を有することを特徴とする。
また、請求項20記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、同一の幅寸法に形成された複数の上記折り部を有することを特徴とする。
【0022】
従って、請求項9記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項20記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、同一の幅寸法に形成された複数の折り部が折り目線部を介して連続して形成される。
【0023】
請求項10記載の発明に係る織物製品は、細幅状の細幅折り部と、上記細幅折り部より幅広状に形成された広幅折り部とを有し、上記細幅折り部は上記折れ目線部を介して上記広幅折り部に連携されて織成されていることを特徴とする。
また、請求項21記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、細幅状の細幅折り部と、上記細幅折り部より幅広状に形成された広幅折り部とを有し、上記細幅折り部は上記折れ目線部を介して上記広幅折り部に連携されて織成することを特徴とする。
【0024】
従って、請求項10記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項21記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記折り目線部に沿って折り曲げられることにより上記広幅折り部上に上記細幅折り部を重ねて配置することができる。
【0025】
請求項11記載の発明に係る織物製品は、上記折り目線部が形成される部位における所定の本数の縦糸に任意の色彩が施されていることを特徴とする。
また、請求項22記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記折り目線部が形成される部位における所定の本数の縦糸に任意の色彩を施すことを特徴とする。
【0026】
従って、請求項11記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項22記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記折り目線部が形成される部位における所定の本数の縦糸に任意の色彩が施されていることから、上記折り目線部に沿って折り曲げられた場合に、容易に上記折り目線部に沿って確実に色彩を施すことができる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項12記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記複数の横糸は、上記折り目線部を形成しうると共に張力により横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させうる横糸を有し、上記横糸の張力により上記複数の縦糸が上記横糸方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部を形成しうることから、熱処理工程や薬剤処理工程が不要となり、生産工程を簡略化でき、製品化コストを低減しうるプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
その結果、熱処理工程における加熱温度以上の温度の環境下に置かれた場合であっても、折り目線部の形状の崩れを招来せず、耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
また、繊維素材は、熱可塑性を有するポリエステル繊維素材等に限定されないことから、あらゆる繊維素材に適用できるプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0028】
請求項2記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項13記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記折り目線部が形成される部位において、上記縦糸に交差しない状態で上記織り布の一方の面部に配置され、上記織り布の一方の面部に配置された複数の上記横糸が長さ方向に収縮することにより、交差しない縦糸が上記織り布の他方の面部方向へ突出することによりプリーツが形成されることから、より折り目線部の形状の崩れを招来しないので、より耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0029】
請求項3記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項14記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記縦糸の長さ方向全域に亘ってプリーツを形成することができる耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0030】
請求項4記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項15記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸の本数の比率が大きいことから、上記収縮する張力を発生させうる横糸により引き寄せられる張力が強く、より互いに引き寄せられて角度の小さいとがった断面形状のプリーツを形成することができる耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0031】
請求項5記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項16記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、伸縮しうるストレッチ糸により形成され、上記ストレッチ糸の張力により収縮させうることから、上記ストレッチ糸を上記横糸に使用することにより、簡易な構成によりプリーツを形成することができ、容易に折り目線部の形状の崩れを招来しない耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0032】
請求項6記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項17記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記収縮する張力を発生させない横糸より短い長さ寸法により形成されていることから、短い長さ寸法により形成された上記収縮する張力を発生させうる横糸により、簡易な構成によりプリーツを形成することができ、容易に折り目線部の形状の崩れを招来しない耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0033】
請求項7記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項18記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記複数の縦糸が配置されていない間隙幅部を形成することにより、上記間隙幅部において上記間隙幅部の両端に隣接する縦糸が上記収縮する張力を発生させうる横糸の張力により互いに引き寄せられて角度の小さいとがった断面形状のプリーツを形成することができる耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0034】
請求項8記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項19記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、折り目線部の形状の崩れを招来しない耐久性を有するプリーツスカート及びその織成方法を提供することができる。
【0035】
請求項9記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項20記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、同一の幅寸法に形成された複数の折り部が折り目線部を介して連続して形成されることから、規則正しい等辺の耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0036】
請求項10記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項21記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記折り目線部に沿って折り曲げられることにより上記広幅折り部上に上記細幅折り部を重ねて配置することができることから、例えば、スカートとして構成した場合には、上記広幅折り部上に上記細幅折り部が重って配置されることにより、プリーツを寝かせることができるので、例えば、着座の際に、上記折り目線部の形状の崩れをより低減させることができる耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【0037】
請求項11記載の発明に係るプリーツ織製品及び請求項22記載の発明に係るプリーツ織製品の織成方法にあっては、上記折り目線部が形成される部位における所定の本数の縦糸に任意の色彩が施されていることから簡易な構成であると共に、上記折り目線部に沿って折り曲げられた場合に、容易に上記折り目線部に沿って色彩を施すことにより外観品質に優れ、かつ、耐久性を有するプリーツ織製品及びその織成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るプリーツ織製品10及びその織成方法は、図10に示すように、複数の縦糸11を平行に配置する工程と、上記複数の縦糸11に対して略直角に横糸12,13を配置する工程とを有し、複数の縦糸11と複数の横糸12,13を交差させることにより図1に示すような織り布14が織成され、図1(d)に示すように、上記縦糸11方向に沿って形成された複数の折り目線部15と上記複数の折り目線部15により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部16とを有し、上記折り部16を上記複数の折り目線部15に沿って厚さ方向に交互に折り曲げることにより形成されたプリーツ織製品10である。
図1(b)及び(c)に示すように、上記複数の横糸12,13は、上記複数の縦糸11の長さ方向に沿って交互に配置されている。
上記横糸12は、上記折り目線部15を形成しうると共に張力Tにより横糸12,13の長さ方向に沿って収縮する張力Tを発生させ、上記横糸12の張力Tにより上記複数の縦糸11が上記横糸12方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部15を形成しうるように構成されている。
また、図1(a)〜(c)に示すように、上記横糸13は、上記複数の縦糸11に対して交互に交差するように配置された上記横糸12,13の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させないように形成され、図1(b)〜(d)に示すように、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12は、上記折り目線部15が形成される部位において、上記縦糸11に交差しない状態で上記織り布14の一方の面部17に配置され、上記織り布14の一方の面部17に配置された複数の上記横糸12が長さ方向に収縮することにより、交差しない縦糸11e,11f,11g,11n,11o,11pが上記織り布14の他方の面部18方向へ突出することによりプリーツ19が形成されている。
また、図1及び図2に示すように、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12と、上記収縮する張力を発生させうる横糸12に近接して配置された上記収縮する張力を発生させない横糸13とが所定の本数の組み合わせにより一組の横糸35として形成され、上記一組の横糸35が上記縦糸11の長さ方向全域に亘って連続して配置されることにより形成されている。
また、図1及び図2に示すように、所定の本数の上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12と、上記所定の本数の収縮する張力Tを発生させうる横糸12に近接して配置された所定の本数の上記収縮する張力を発生させない横糸13との比率において、図1に示すような上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12の本数の比率が図2に示す場合に比して大きいように形成されている。
また、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12は、伸縮しうるストレッチ糸により形成されていてもよく、この場合には、上記ストレッチ糸の張力Tにより収縮させうるように構成されている。
【0039】
また、他の実施の形態においては、図3に示すように、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12は、上記収縮する張力を発生させない横糸13より短い長さ寸法により形成されている。
また、図4に示すように、上記複数の縦糸11は、上記複数の縦糸11の間隔寸法が近接して配置される部位20と上記縦糸11が配置されずに所定間隔寸法おいて配置される間隙幅部21とを形成し、上記間隙幅部21に上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12を配置し、上記間隙幅部21において上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12の張力Tにより上記折り目線部15が形成されている。
また、図6(a)〜(d)に示すように、多層織りに織成された無縫製かつ無裁断に形成され、互いに対向する一対の織り布22,23の両端部24,25が開放され、一方の織り布22は前身頃となると共に他方の織り布23は後身頃となり、全体としてスカート26を構成することができる。
また、図7(b)及び図8に示すように、同一の幅寸法に形成された複数の上記折り部16を有している。
また、他の実施の形態においては、図9に示すように、細幅状の細幅折り部27と、上記細幅折り部27より幅広状に形成された広幅折り部28とを有し、上記細幅折り部27は上記折れ目線部15を介して上記広幅折り部28に連携されて織成されている。
また、図5に示すように、上記折り目線部15が形成される部位における所定の本数の縦糸11に任意の色彩が施されている。
【実施例1】
【0040】
以下に、本発明に係るプリーツ織製品10及びその織成方法の実施例1について、図面を用いて詳細を説明する。
本発明に係るプリーツ織製品10は、図10に示すように、複数の縦糸11を平行に配置する工程と、上記複数の縦糸11に対して横糸12,13を交差させて配置する工程とを有し、図1(a)〜(d)に示すように、上記縦糸11方向に沿って形成された複数の折り目線部15により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部16を上記複数の折り目線部15に沿って厚さ方向に交互に折り曲げる工程とを有し、図1(a)に示すように、複数の縦糸11と複数の横糸12,13を交差させることにより織り布14が織成されている。
また、本発明に係る織物製品10を織成する場合には、まず、図10に示すように、複数の縦糸11が巻き付けられたビーム(図示せず)により供給された縦糸11を縦方向に張り渡す。
そして、図10に示すように、縦に張り渡された複数の縦糸11を上下させて、横方向にシャトル29に巻き付けられた横糸12,13を複数の縦糸11に繰り返し通すことにより、複数の縦糸11と複数の横糸12,13とを交差させて本発明に係るプリーツ織製品10を織成する。
また、図1に示すように、上記縦糸11方向に沿って形成された複数の折り目線部15と上記複数の折り目線部15により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部16とを有し、図1(b)及び(c)に示すように、上記横糸12の張力Tにより上記複数の縦糸11が上記横糸12方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部15を形成しうるように構成されている。
また、上記折り部16を上記複数の折り目線部15に沿って厚さ方向に交互に折り曲げることにより図7〜図9に示すような、例えば、プリーツスカート32,34やカーテン33等のプリーツ織製品10が織成される。
また、図1に示すように、上記複数の横糸12,13は、上記折り目線部15を形成しうると共に張力Tにより横糸12,13の長さ方向に沿って収縮する張力Tを発生させうる伸縮しうるストレッチ糸により形成された収縮する張力Tを発生させうる横糸12と、上記複数の縦糸11に対して交互に交差するように配置された上記横糸12,13の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させない横糸13とを有し、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12は、上記折り目線部15が形成される部位において、上記縦糸11に交差しない状態で上記織り布14の一方の面部17に配置されている。
【0041】
具体的には、本発明に係るプリーツ織製品10の組織構造において、例えば、図1(a)に示すプリーツ織製品10の横糸12a方向に沿った断面においては、図1(a)及び(b)に示すように、収縮する張力Tを発生させうる横糸12aは、縦糸11b,11d,11h,11j,11l,11n,11o,11p,11r,11tの上側に配置され、縦糸11a,11c,11e,11f,11g,11i,11k,11m,11q,11sの下側に配置されている。
即ち、収縮する張力Tを発生させうる横糸12aは、縦糸11e,11f,11gに交差せずに下側に配置され、縦糸11n,11o,11pに交差せずに上側に配置され、その他の上記複数の縦糸11に対しては交互に交差して配置されている。
また、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12aに隣接する収縮する張力を発生させない横糸13aは、縦糸11a,11c,11e,11g,11i,11k,11m,11o,11q,11sの上側に配置され、縦糸11b,11d,11f,11h,11j,11l,11n,11p,11r,11tの下側に配置されている。
即ち、上記張力を発生させない横糸13aは、縦糸11と上記隣接する縦糸11との配置関係において、上記複数の縦糸11に対して上下側に交互に交差して配置されている。
このような縦糸11と横糸12a,13aとの配置が、図1(a)に示すように、1本の横糸12aと1本の横糸13aの組み合わせにより一組の横糸35aとして形成され、上記一組の横糸35aが縦糸11の長さ方向全域に亘って繰り返し形成されることにより、複数の縦糸11と複数の横糸12,13とが交差して織り布14が織成されている。
また、本実施例1においては、縦糸11f,11oにおける横糸13d,13eの配置関係において、縦糸11fの上側に横糸13d,13eが配置され、縦糸11oの下側に横糸13d,13eが配置され、上記横糸13d,13eが上記縦糸11f,11oに交差することにより、上記縦糸11f,11oが解れないように配置されている。
また、他の実施例においては、図2(a)に示すように、縦糸11と横糸12a,13a,13b,13cとの配置が、図1(a)に示すように、1本の横糸12aと3本の横糸13a、13b,13cの組み合わせにより一組の横糸35bとして形成され、上記一組の横糸35bが縦糸11の長さ方向全域に亘って繰り返し配置されることにより、複数の縦糸11と複数の横糸12,13とが交差して織り布14を織成することもできる。
また、本他の実施例においても上記実施例1と同様に、縦糸11f,11oにおける横糸13f,13g,13hの配置関係において、縦糸11fの上側に横糸13f,13g,13hが配置され、縦糸11oの下側に横糸13f,13g,13hが配置され、上記横糸13f,13g,13hが上記縦糸11f,11oに交差することにより、上記縦糸11f,11oが解れないように配置されている。
このように上記縦糸11と上記横糸12,13とが交差して配置された場合には、図1(b)に示すように、上記横糸12が上記縦糸11に上下方向において交差せずに配置されている部位においては、上記横糸12の互いに対向して収縮する方向に発生する張力Tが上記縦糸11の径方向に対して作用しうることから、上記織り布14の一方の面部17に配置された複数の上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12が、上記ストレッチ糸の張力Tにより、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12における上記縦糸11に交差せずに配置された部位の中央部に配置される縦糸11f,11o方向に収縮し、図1(c)に示すように、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12に交差しない縦糸11e,11f,11g,11n,11o,11pが上記織り布14の他方の面部18方向へ突出することによりプリーツ19が形成される。
なお、本実施例1及び本他の実施例においては、縦糸11f,11oの任意の箇所に横糸13を交差させて、縦糸11f,11oが解れないように上記横糸13を配置しているが、上記織り布14全体として形成された場合に、縦糸11f,11oに交差させている横糸13には長さ方向に沿って収縮する張力が発生せず、かつ、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12の張力Tを上記織り布14全体として形成された場合に減衰させない程度の距離寸法をおいて配置しているため、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12に交差しない縦糸11e,11f,11g,11n,11o,11pが上記織り布14の他方の面部18方向へ突出してプリーツ19が形成されるという作用は失われない。
【0042】
この場合、収縮する張力Tを発生させうる横糸12の張力Tにより上記複数の縦糸11が上記横糸12方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部15が形成されることから、簡易な手法により折り目線部15の形状の崩れを招来しない耐久性を有するプリーツ織製品10及びその織成方法を提供することができる。
また、従来のように熱可塑性を有するポリエステル繊維素材等に熱処理工程を施すことにより折り目線部を形成する方法ではないため、繊維素材を限定することなく、あらゆる繊維に適用することができる。
また、従来のプリーツ製品のような熱処理工程や薬剤処理工程を不要とすることから、生産工程を簡略化でき、製品化コストを低減できるプリーツ織製品10及びその織成方法を提供することができる。
【0043】
また、図1及び図2に示すように、所定の本数の上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12と、上記所定の本数の収縮する張力を発生させうる横糸12に近接して配置された所定の本数の上記収縮する張力を発生させない横糸13との比率において、図2(a)に示すような1本の横糸12aと3本の横糸13a,13b,13cにより構成される一組の横糸35bにより形成された場合と比して、図1(a)に示すような1本の横糸12aと1本の横糸13aにより構成される一組の横糸35aにより形成される場合の収縮する張力Tを発生させうる横糸12aの比率が大きいことから、図1に示すような1本の横糸12aと1本の横糸13aにより構成される一組の横糸35aにより形成された場合、図2に示すような1本の横糸12aと3本の横糸13aにより構成される一組の横糸35bにより形成される場合と比して、収縮する張力Tを発生させうる横糸12の互いに対向する張力が強いため、図1(c)に示すように、角度のとがった断面形状のシャープなプリーツ19を形成することができる。
【0044】
ここで、一組の横糸35を構成する上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12と収縮する張力を発生させない横糸13との本数に関する比率について考察する。
上記横糸12,13が全て収縮する張力Tを発生させうるように形成されている場合には、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12が上記縦糸11に上下方向において交差せずに配置されている部位において、上記縦糸11に交差して配置されている横糸13に対しても互いに対向して収縮する方向に張力が発生することから、折り目線部15を良好に形成することができない。
従って、一組の横糸35を構成する上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12と収縮する張力を発生させない横糸13との配置本数に関しては適宜調整する必要がある。
本実施例1においては、図1に示すように、1本の横糸12aと1本の横糸13aにより構成される一組の横糸35aの繰り返しにより形成されている。また、図2に示すように、1本の横糸12aと3本の横糸13a,13b,13cにより構成される一組の横糸35bの繰り返しにより形成することもでき、また、本実施例1に限定されることなく、例えば、1本の横糸12と2本の横糸13の繰り返しにより形成することもでき、この比率はプリーツ19の形成状態により適宜調整できる。
ここで、プリーツ19を構成する折り目線部15の形状という観点から考察した場合、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12の本数の比率が大きい場合には、収縮する張力Tを発生させうる横糸12の互いに対向する張力が強いため、角度の小さいとがった断面形状のシャープなプリーツ19を形成することができる。
【0045】
また、本実施例1に係るプリーツ織製品10は、図7(b)及び図8に示すように、同一の幅寸法に形成された複数の上記折り部16により形成されている。
上記複数の折り部16を同一の幅寸法に形成する場合には、図1に示すような複数の縦糸11と複数の収縮する張力Tを発生させうる横糸12との配置関係において、上記折り目線部15を介して両側に配置される上記折り部16が幅寸法が同一になるように、複数の縦糸11と複数の収縮Tする張力Tを発生させうる横糸12とを配置して上記折り目線部15を形成する。
この場合、図7及び図8に示すように、同一の幅寸法に形成された複数の折り部16が上記折り目線部15を介して連続して形成されることから、規則正しい等辺に形成された耐久性を有するプリーツ織製品10及びその織成方法を提供することができる。
【実施例2】
【0046】
また、他の実施例として、本発明に係るプリーツ織製品10の実施例2について、上記実施例1と異なる点について図面を用いて説明する。
本実施例2に係るプリーツ織製品10は、図3(a)に示すように、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12は、上記収縮する張力を発生させない横糸13より短い長さ寸法により形成されている。
この場合、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12は、ストレッチ糸により形成されていないため、収縮する張力Tを発生させるものではないが、上記収縮する張力を発生させない横糸13より短い長さ寸法により形成されていることから、上記複数の縦糸11に交差させて配置させた場合に、上記収縮する張力を発生させない横糸13と上記収縮させうる張力Tを発生させうる横糸12の長さ寸法の差により、上記複数の縦糸11を上記横糸12,13方向に沿う方向であって互いに対向して収縮する方向に張力Tを発生させて図3(b)に示すような折り目線部15を形成することができる。
具体的には、図3(a)に示すような収縮する張力を発生させない横糸13と、上記収縮する張力を発生させない横糸13より短い長さ寸法に形成された収縮する張力Tを発生させうる横糸12とを、上記実施例1の場合と同様に、複数の縦糸11と複数の横糸12,13とを交差させて配置することにより織成する。
そして、上記織成の完了時において、図3(b)に示すように、上記収縮させない横糸13と上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12の長さ寸法の差により、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12には、上記横糸12,13方向に沿う方向に上記複数の縦糸11を引き寄せる張力Tが発生するので、上記実施例1の場合と同様に、折り目線部15が形成される。
従って、収縮する張力Tを発生させうる横糸12がストレッチ糸により形成されていない場合であっても、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12が簡易な構成からなる収縮する張力を発生させない横糸13より短い長さ寸法により形成されることにより、簡易な構成により容易に折り目線部15の形状の崩れを招来しない耐久性を有するプリーツ織製品10及びその織成方法を提供することができる。
【実施例3】
【0047】
また、他の実施例として、本発明に係るプリーツ織製品10の実施例3について、上記実施例1及び2と異なる点について図面を用いて説明する。
本実施例3に係るプリーツ織製品10は、図4(a)〜(c)に示すように、上記複数の縦糸11は、上記複数の縦糸11の間隔寸法が近接して配置される部位20と上記縦糸11が配置されずに所定間隔寸法おいて配置される間隙幅部21とを有し、上記間隙幅部21に上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12を配置し、上記間隙幅部21において上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12の張力Tにより上記折り目線部15が形成されている。
本実施例3に係るプリーツ織製品10は、従来から伝統的に利用されている「空羽(あきは)」という技法を用いて織成されている。
「空羽」とは、2〜数ミリ位の間隔で縦糸を通さない箇所を設け、縦糸方向に細かい透き間・筋を形成し、清涼感・透き間模様のある織物製品を織成する技法である。
本実施例3に係るプリーツ織製品10は、図4に示すように、「空羽」に用いられる縦糸を通さない箇所21に、ストレッチ糸や低伸度の糸により形成された収縮する張力Tを発生させうる横糸12を織り込むことにより、縦糸の設けられていない箇所21が上記横糸12の張力Tにより収縮して引き寄せられて折り目線部15が形成されるように構成されている。
【0048】
具体的には、本実施例3に係るプリーツ織製品10の組織構造において、例えば、図4(a)に示すように、縦糸を通さない箇所(11e),(11f),(11o),(11p)を設けることにより、間隙幅部21が形成されている。
この状態において、図4(a)に示すプリーツ織製品10の収縮する張力Tを発生させうる横糸12a方向に沿った断面においては、図1(a)及び(b)に示すように、収縮する張力Tを発生させうる横糸12aは、縦糸11a,11c,11h,11j,11l,11n,11q,11sの上側に配置され、縦糸11b,11d,11g,11i,11k,11m,11r,11tの下側に配置されている。
また、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12aに隣接する収縮する張力Tを発生させない横糸13aは、縦糸11b,11d,11g,11i,11k,11m,11r,11tの上側に配置され、縦糸11a,11c,11h,11j,11l,11n,11q,11sの下側に配置されている。
このような縦糸11と横糸12,13との配置が、図4(a)に示すように、縦糸11の長さ方向全域に亘って繰り返し形成されることにより、複数の縦糸11と複数の横糸とが交差して織り布14が織成されている。
このように上記縦糸11と上記横糸12,13とが配置されることにより、上記織り布14の一方の面部17に配置された複数の上記横糸12が上記ストレッチ糸の張力Tにより長さ方向に収縮することにより、上記間隙幅部21において、上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12の張力Tにより、間隙幅部21の両端に隣接する縦糸11d及び11g、11n及び11qが互いに引き寄せられて、図4(c)に示すように、折り目線部15が形成され、交差しない縦糸11が上記織り布14の他方の面部18方向へ突出することによりプリーツ19が形成される。
この場合、間隙幅部21に縦糸11が配置されていないことから、上記折り目線部15において、より上記縦糸11d及び11g,11n及び11qは上記横糸12の張力Tにより引き寄せられ易く、図12に示すように、よりシャープな折り目線部15を形成することができる。
また、本実施例3において織成されたプリーツ製品10は、縦糸11が配置されていない間隙幅部21が形成されていることから、図12に示すように、折り目線部15において、上記間隙幅部21に配置された収縮する張力を発生させない横糸13が織り部14の他方の面部18から突出されて形成されている。
【実施例4】
【0049】
また、他の実施例として、本発明に係るプリーツ織製品10の実施例4について、上記実施例1〜3と異なる点について図面を用いて説明する。
本実施例4に係るプリーツ織製品10は、図6(d)に示すように、多層織りに織成された無縫製かつ無裁断に形成され、互いに対向する一対の織り布22,23の両端部24,25が開放され、一方の織り布22は前身頃となると共に他方の織り布23は後身頃となり、全体としてスカート26を構成することができる。
本実施例4においては、図6に示すようなスカート26に図7(b)に示すような折り目線部15を形成することにより、図7(a)に示すような折り目線部15が形成されたプリーツスカート32として構成することができる。
ここで、上記実施例1〜3において折り目線部15に関する技術については説明していることから、本実施例4においては、多重織りに織成された無縫製かつ無裁断に形成されたスカート26の構成について説明する。
図6(a)及び(b)に示すように、本実施例に係るスカート26は、複数の縦糸11と複数の横糸12を交差させることにより二重織に織成された無縫製かつ無裁断の平面方形状に形成されている。
二重織とは、従来から存する織機を用いた織成技術に関するものであり、縦糸に表に出るものと裏に出るものとの二種を用い、また、横糸も表の縦糸と組織させるものと裏の縦糸と組織させるものとの二種を用いて、表裏二重の組織に形成された織物である。
即ち、図6に示すように、織機(図示せず)にて織成された織り布22,23は、一方の織り布22は前身頃となると共に、他方の織り布23は後身頃となるように、表裏二重の組織からなる二重織に織成されている。
また、織機により織成された平面方形状のスカート26は、互いに対向する一対の織り布22,23の長さ方向両端部24,25が開放されると共に幅方向両端部30,31が結合されていることにより、両端部24,25が環状に開放された場合には、図6(d)に示すように、全体として筒状のスカート26を構成することができる。
このように構成されたスカート26に上記折り目線部15を形成することにより、本実施例4に係る図7に示すようなプリーツスカート32及びその織成方法は、耐久性を有する上記折り目線部15が形成されていると共に二重織により形成されていることから、図7(a)に示すように、織り上がり段階で製品化しうる互いに対向する一対の織り布22,23の長さ方向両端部24,25が開放された筒状の無縫製かつ無裁断のプリーツスカート32を構成することにより、裁断工程を不要として、裁断屑の発生を防止することができると共に、折り目線部15の形状の崩れを招来しないプリーツスカート32及びその織成方法を提供することができる。
また、プリーツスカート32の生産工程において、裁断工程、縫製工程、熱処理工程、薬剤処理工程等が不要となるため、生産工程を簡略化することができるプリーツスカート32及びその織成方法を提供することができる。
また、裁断屑の発生を防止できると共に生産工程を簡略化できることから、生産コスト及び廃棄物の発生量を低減化でき、省資源化及び省エネルギー化に寄与しうるプリーツスカート32及びその織成方法を提供することができる。
【実施例5】
【0050】
また、他の実施例として、本発明に係るプリーツ織製品10の実施例5について、上記実施例1〜4と異なる点について図面を用いて説明する。
本実施例5に係るプリーツ織製品10は、図9に示すように、細幅状の細幅折り部27と、上記細幅折り部27より幅広状に形成された広幅折り部28とを有し、上記細幅折り部27は上記折れ目線部15を介して上記広幅折り部28に連携されて織成されることによりプリーツ19が形成されている。
ここで、細幅状の細幅折り部27と、上記細幅折り部27より幅広状に形成された広幅折り部28とを形成する場合には、図1に示すような複数の縦糸11と複数の収縮する張力Tを発生させうる横糸12との配置関係において、複数の折り目線部15の間隔寸法が細幅寸法及び広幅寸法になるように上記複数の縦糸11と上記複数の収縮する張力Tを発生させうる横糸12とを配置する。上記折り目線部15の形成方法は、実施例1と同様である。
例えば、折り目線部15を介して、一方側に図9に示すような細幅折り部27を形成しうる複数の縦糸11を配置すると共に、他方側に上記細幅折り部27を形成しうる複数の縦糸11より多い本数の上記広幅折り部28を形成しうる複数の縦糸11を配置するように上記収縮する張力Tを発生させうる横糸12を配置して上記折り目線部15を形成する。
そして、図9(a)に示すように、上記細幅折り部27と上記太幅折り部28により形成されたプリーツ19を幅方向に沿って複数配置して環状に形成することにより、図8(c)に示すような、細幅状の細幅折り部27と、上記細幅折り部27より幅広状に形成された広幅折り部28とにより形成されたプリーツ19を有するプリーツスカート34を形成することができる。
この場合、図9(b)に示すように、上記折り目線部15に沿って折り曲げられることにより上記広幅折り部28上に上記細幅折り部27を重ねて配置することができることから、例えば、図9(c)に示すように、プリーツスカート34として構成した場合には、着座の際に、上記広幅折り部28上に上記細幅折り部27が重って配置されることにより、プリーツ19を寝かせることができるので、上記折り目線部15の形状の崩れをより低減させることができる耐久性を有するプリーツスカート34及びその織成方法を提供することができる。
【実施例6】
【0051】
また、他の実施例として、本発明に係るプリーツ織製品10の実施例6について、上記実施例1〜5と異なる点について図面を用いて説明する。
本実施例6に係るプリーツ織製品10は、図5(c)に示すように、上記折り目線部15が形成される部位における所定の本数の縦糸11に任意の色彩が施されている。
具体的には、図9に示すように、縦糸11e,11f,11g,11n,11o,11pには同一色からなる任意の色彩が施され、他の縦糸11a,11b,11c,11d,11h,11i,11j,11k,11l,11m,11q,11r,11s,11tには他の同一色からなる任意の色彩が施されている。
この場合、横糸12の長さ方向に沿って収縮する張力Tを発生させうる横糸12aの張力Tにより任意の色彩が施された上記複数の縦糸11e,11f,11g,11n,11o,11pが上記横糸12方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部15を形成することから、簡易な構成により、図11に示すように、折り目線部15に任意の色彩を施すことができる。
また、織成される前の縦糸11に任意の色彩を施すことにより、折り目線部15に任意の色彩を施すことができることから、布製品として完成後に色彩を施す場合に比して、折り目線部15に任意の色彩を施すことができる。
従って、このように構成されたプリーツ織製品10にあっては、例えば、カーテン等に適用した場合には、プリーツの頂部が異なった色彩を有する外観品質に優れたプリーツカーテンを提供することができる。
【0052】
なお、上記実施例においては記載していないが、上記折り目線部15により形成されたプリーツにおけるプリーツ角度の調整やプリーツ形状の安定性は、図4に示すような上記複数の縦糸11が配置されていない間隙幅部21の配置や、収縮する張力Tを発生させうる横糸12のテンションや織り密度や太さ寸法等により、適宜調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は本発明はプリーツ織製品及びその織成方法に係り、特に、折り目線部を織成により形成することにより、折り目線部が崩れ難いプリーツ織製品及びその織成方法に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)及び(d)は折り目線部が形成された場合の断面図である。
【図2】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)及び(d)は折り目線部が形成された場合の断面図である。
【図3】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、(a)は断面図、(b)及び(c)は折り目線部が形成された場合の断面図である。
【図4】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)及び(d)は折り目線部が形成された場合の断面図である。
【図5】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、折り目線部に色彩が施された場合を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は折り目線部が形成された場合の断面図である。
【図6】二重織りにより織成されたスカートの一実施の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)及び(c)は断面図、(d)はスカートとして織成された図である。
【図7】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、(a)はプリーツスカートとして織成された場合を示す図、(b)はプリーツの詳細を示した図である。
【図8】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、カーテンとして織成された場合を示す図である。
【図9】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す図であり、(a)及び(b)は断面図、(c)はプリーツスカートとして織成された場合を示す図である。
【図10】本発明に係るプリーツ織製品の織成方法の一実施の形態を示す概念図である。
【図11】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す撮影した端部斜視図である。
【図12】本発明に係るプリーツ織製品の一実施の形態を示す撮影した斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
10 プリーツ織製品
11 縦糸
11a 縦糸
11b 縦糸
11c 縦糸
11d 縦糸
11e 縦糸
11f 縦糸
11g 縦糸
11h 縦糸
11i 縦糸
11j 縦糸
11k 縦糸
11l 縦糸
11m 縦糸
11n 縦糸
11o 縦糸
11p 縦糸
11q 縦糸
11r 縦糸
11s 縦糸
11t 縦糸
12 収縮する張力を発生させうる横糸
12a 収縮する張力を発生させうる横糸
13 収縮する張力を発生させない横糸
13a 収縮する張力を発生させない横糸
13b 収縮する張力を発生させない横糸
13c 収縮する張力を発生させない横糸
13d 収縮する張力を発生させない横糸
13e 収縮する張力を発生させない横糸
13f 収縮する張力を発生させない横糸
13g 収縮する張力を発生させない横糸
13h 収縮する張力を発生させない横糸
14 織り布
15 折り目線部
16 折り部
17 織り布の一方の面部
18 織り布の他方の面部
19 プリーツ
20 複数の縦糸の間隔寸法が近接して配置される部位
21 間隙幅部
22 一方の織り布
23 他方の織り布
24 端部
25 端部
26 スカート
27 細幅折り部
28 広幅折り部
29 シャトル
30 幅方向端部
31 幅方向端部
32 プリーツスカート
33 カーテン
34 プリーツスカート
35 一組の横糸
35a 一組の横糸
35b 一組の横糸
T 張力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の縦糸と複数の横糸を交差させることにより織り布が織成され、上記縦糸方向に沿って形成された複数の折り目線部と上記複数の折り目線部により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部とを有し、上記折り部を上記複数の折り目線部に沿って厚さ方向に交互に折り曲げることにより形成されたプリーツ織製品であって、
上記複数の横糸は、上記折り目線部を形成しうると共に張力により横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させうる横糸を有し、上記横糸の張力により上記複数の縦糸が上記横糸方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部を形成しうることを特徴とするプリーツ織製品。
【請求項2】
上記横糸は、上記複数の縦糸に対して交互に交差するように配置された上記横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させない横糸を有し、
上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記折り目線部が形成される部位において、上記縦糸に交差しない状態で上記織り布の一方の面部に配置され、
上記織り布の一方の面部に配置された複数の上記横糸が長さ方向に収縮することにより、交差しない縦糸が上記織り布の他方の面部方向へ突出することによりプリーツが形成されることを特徴とする請求項1記載のプリーツ織製品。
【請求項3】
上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された上記収縮する張力を発生させない横糸とが所定の本数の組み合わせにより一組の横糸として形成され、上記一組の横糸が上記縦糸の長さ方向全域に亘って連続して配置されることにより形成されることを特徴とする請求項2記載のプリーツ織製品。
【請求項4】
所定の本数の上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記所定の本数の収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された所定の本数の上記収縮する張力を発生させない横糸との比率において、上記収縮する張力を発生させうる横糸の本数の比率が大きいことを特徴とする請求項3記載のプリーツ織製品。
【請求項5】
上記収縮する張力を発生させうる横糸は、伸縮しうるストレッチ糸により形成され、上記ストレッチ糸の張力により収縮させうることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリーツ織製品。
【請求項6】
上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記収縮する張力を発生させない横糸より短い長さ寸法により形成されていることを特徴とする請求項2記載のプリーツ織製品。
【請求項7】
上記複数の縦糸は、上記複数の縦糸の間隔寸法が近接して配置される部位と上記縦糸が配置されずに所定間隔寸法おいて配置される間隙幅部とを形成し、上記間隙幅部に上記収縮する張力を発生させうる横糸を配置し、上記間隙幅部において上記収縮する張力を発生させうる横糸の張力により上記折り目線部が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリーツ織製品。
【請求項8】
多層織りに織成された無縫製かつ無裁断に形成され、
互いに対向する一対の織り布の両端部が開放され、一方の織り布は前身頃となると共に他方の織り布は後身頃となり、全体としてスカートを構成しうることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリーツ織製品。
【請求項9】
同一の幅寸法に形成された複数の上記折り部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプリーツ織製品。
【請求項10】
細幅状の細幅折り部と、上記細幅折り部より幅広状に形成された広幅折り部とを有し、上記細幅折り部は上記折れ目線部を介して上記広幅折り部に連携されて織成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプリーツ織製品。
【請求項11】
上記折り目線部が形成される部位における所定の本数の縦糸に任意の色彩が施されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプリーツ織製品。
【請求項12】
複数の縦糸を平行に配置する工程と、上記複数の縦糸に対して横糸を交差させて配置する工程とを有し、上記縦糸方向に沿って形成された複数の折り目線部により区分けされた所定の幅寸法を有する複数の折り部を上記複数の折り目線部に沿って厚さ方向に交互に折り曲げる工程とを有するプリーツ織製品の織成方法であって、
上記複数の横糸は、上記折り目線部を形成しうると共に張力により横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させうる横糸を有し、上記横糸の張力により上記縦糸が上記横糸方向に沿う方向に引き寄せられて上記折り目線部を形成することを特徴とするプリーツ織製品の織成方法。
【請求項13】
上記横糸は、上記複数の縦糸に対して交互に交差するように配置された上記横糸の長さ方向に沿って収縮する張力を発生させない横糸を有し、
上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記折り目線部が形成される部位において、上記縦糸に交差しない状態で上記織り布の一方の面部に配置され、
上記織り布の一方の面部に配置された複数の上記横糸が長さ方向に収縮することにより、交差しない縦糸が上記織り布の他方の面部方向へ突出することによりプリーツを形成することを特徴とする請求項12記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項14】
上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された上記収縮する張力を発生させない横糸とが所定の本数の組み合わせにより一組の横糸として形成され、上記一組の横糸が上記縦糸の長さ方向全域に亘って連続して配置されることにより形成することを特徴とする請求項13記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項15】
所定の本数の上記収縮する張力を発生させうる横糸と、上記所定の本数の収縮する張力を発生させうる横糸に近接して配置された所定の本数の上記収縮する張力を発生させない横糸との比率において、上記収縮する張力を発生させうる横糸の本数の比率が大きいことを特徴とする請求項14記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項16】
上記収縮する張力を発生させうる横糸は、伸縮しうるストレッチ糸により形成され、上記ストレッチ糸の張力により収縮させうることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項17】
上記収縮する張力を発生させうる横糸は、上記収縮する張力を発生させない横糸より短い長さ寸法により形成されていることを特徴とする請求項13記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項18】
上記複数の縦糸は、上記複数の縦糸の間隔寸法が近接して配置される部位と上記縦糸が配置されずに所定間隔寸法おいて配置される間隙幅部とを形成し、上記間隙幅部に上記収縮する張力を発生させうる横糸を配置し、上記間隙幅部において上記収縮する張力を発生させうる横糸の張力により上記折り目線部を形成することを特徴とする請求項12〜17記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項19】
多層織りに織成された無縫製かつ無裁断に形成され、
互いに対向する一対の織り布の両端部が開放され、一方の織り布は前身頃となると共に他方の織り布は後身頃となり、全体としてスカートを構成しうることを特徴とする請求項12〜18記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項20】
同一の幅寸法に形成された複数の上記折り部を有することを特徴とする請求項12〜19のいずれか1項に記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項21】
細幅状の細幅折り部と、上記細幅折り部より幅広状に形成された広幅折り部とを有し、上記細幅折り部は上記折れ目線部を介して上記広幅折り部に連携されて織成することを特徴とする請求項12〜19のいずれか1項に記載のプリーツ織製品の織成方法。
【請求項22】
上記折り目線部が形成される部位における所定の本数の縦糸に任意の色彩を施すことを特徴とする請求項12〜21記載のプリーツ織製品の織成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−106386(P2010−106386A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278143(P2008−278143)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(393030903)学校法人文化学園 (7)
【Fターム(参考)】