説明

プレガバリンの制御放出医薬組成物

【課題】
【解決手段】有効成分としての治療有効量のプレガバリンまたはその塩と、疎水性放出制御剤と、任意に他の薬学的に許容されるその賦形剤とを含む制御放出医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性速度制御成分を使用する、プレガバリンまたはその塩を含む制御放出医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プレガバリンは、ガンマ−アミノ酪酸(GABA)の類似体である。プレガバリンは、てんかん、ハンチントン舞踏病、脳虚血、パーキンソン病、遅発性ジスキネジー、および痙性などの中枢神経系障害のための抗発作治療剤として有用である。
【0003】
プレガバリン、すなわち(S)−(+)−3−(アミノメチル)−5−メチルヘキサン酸は、カルシウムチャネルのアルファ−2−デルタ(α−δ)サブユニットに結合し、脳神経活性の調節に関与する内因性の抑制性神経伝達物質[γ]アミノ酪酸(GABA)と関連している。プレガバリンは抗発作活性を示し、様々な症状の中でもとりわけ、てんかん、疼痛、そして精神運動興奮、炎症、胃腸損傷、アルコール依存症、不眠症、線維筋痛に伴う生理的状態、ならびに不安、うつ、躁病、および双極性障害を含む様々な精神疾患の治療に有用である。
【0004】
プレガバリンは、糖尿病性末梢性ニューロパシー、ヘルペス後神経痛の治療のための即時放出性の剤形、および成人における部分発作起始の補助療法として2004年12月30日に米国で承認された。
【0005】
プレガバリンは、25、50、75、100、150、200、225、および300mg硬カプセルに入った即時放出性のリリカ(登録商標)として現在利用可能であり、1日に2、3回(BIDまたはTID)患者に投与される。
【0006】
プレガバリンの推奨用量は、糖尿病性末梢性ニューロパシーおよびヘルペス後神経痛に伴う神経障害性疼痛の治療に対し、1日に3回100mg(300mg/日)である。150〜600mg/日の用量のプレガバリンが、部分発作起始を患う成人患者に対する補助療法として推奨されている。
【0007】
適度に安定した血漿濃度を維持するためには、頻繁に投与を行う必要があるが、これは患者にとって面倒なことで、結果的に、処方された投与レジメンがしばしば遵守されなくなる。さらに、薬物の血漿濃度が大きく変動すると、控えめな投与レジメンでは薬物の投与量が治療量を下回ることがあり、積極的な投与レジメンでは特定の患者に対し投与量が過度に多くなることがある。
【0008】
この種の反復投与は、特に長期的な投与において、薬物の血漿濃度の大幅な変動をもたらす。
【0009】
一日に一回の投与という簡便さは、一般に、患者の、特に高齢の患者および複数の薬物治療を受けている患者の服薬遵守を向上させる。また、一日に一回の投与は、最高血中濃度(Cmax)を低下させることにより潜在的に好ましくない用量依存性効果を減少させまたは防止し、かつ最低血漿中濃度(Cmin)を増加させることにより薬効を増強させ得る。
【0010】
しかしながら、プレガバリンは胃腸(Gl)管に一様には吸収されないので、プレガバリンの一日一回の投与には多くの課題がある。プレガバリンは、ヒトの小腸および上行結腸において吸収される。
【0011】
プレガバリンの一日一回の剤形を開発するため、種々の手法が試みられてきた。
【0012】
国際公開第2007/052125A2号は、プレガバリンと、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルピロリドンを含むマトリックス形成剤と、架橋ポリビニルピロリドンを含む膨潤剤とを含む医薬組成物に関連する。この医薬組成物は一日一回の経口投与に適応させてある。
【0013】
米国特許出願公開第2005/0163848A1号は、プレガバリンと硫酸アルキルなどの輸送部分とを含む複合体に関する。この複合体は、胃腸管、特に下部胃腸管において高度に吸収される。この複合体ならびにこの複合体を使用して調製された組成物および剤形は、10〜24時間の期間にわたる身体による薬物の吸収をもたらし、これによりプレガバリンの一日一回の剤形が可能になる。
【0014】
米国特許出願公開第2002/0119197A1号は、制御放出組成物において薬剤を包含する中央コアを含む薬物剤形に関する。前記コアは、2つの露出し対向する端面と前記コアの外縁にあり前記2つの対向する端面間に伸びる周囲面とを有しており、前記周囲面は、拡散を制限するスリーブに囲まれている。前記スリーブは、前記コア内部への液体の拡散を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
プレガバリンは、pKa1が4.2でpKa2が10.6の白色からオフホワイト色の結晶性の固体である。プレガバリンは、水ならびに塩基性および酸性の水溶液に溶けやすい。
【0016】
上記の特許出願のほとんどは、親水性の重合体マトリクスを利用した制御された送達系を開示している。しかしながら、高溶解性の薬物に関しては、かかるマトリクスは、薬物放出速度の十分な制御をもたらさず、むしろ一次速度式に近似する放出を起こす。
【0017】
したがって、疎水性放出制御剤を使用する一日一回の投与レジメンで完全な薬物放出を提供し安定した血漿濃度をもたらす、安定したプレガバリン制御放出組成物を開発する必要がある。
【0018】
本発明のさらなる態様は、一日一回の経口投与に適応された錠剤、カプセル剤、ペレット剤、顆粒剤、散剤、および微小錠剤(microtablets)などの固体剤形を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のプレガバリンを含む制御放出医薬組成物においては、主剤やあるいは薬学的に許容されるプレガバリンの複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含むプレガバリンの任意の薬学的に許容される形態を使用してもよい。
【0020】
したがって、第一の本発明は、治療有効量のプレガバリンあるいはその薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含む制御放出医薬組成物であって、プレガバリンと、疎水性放出制御剤と、任意に他の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0021】
また別の本発明は、治療有効量のプレガバリンあるいはその薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含む制御放出医薬組成物であって、プレガバリンと、疎水性放出制御剤と、任意に吸い上げ剤(wicking agent)とを含む医薬組成物を提供する。
【0022】
また別の本発明は、治療有効量のプレガバリンあるいはその薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含む制御放出医薬組成物であって、プレガバリンと、疎水性放出制御剤と、任意に吸い上げ剤と、さらに親水性速度制御成分とを含む医薬組成物を提供する。
【0023】
また別の本発明は、プレガバリンあるいはその薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含む制御放出医薬組成物であって、プレガバリンあるいはその薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含むコアと、1つ以上の補助医薬品賦形剤と、疎水性および親水性の速度制御剤を含む1つの被覆層とを含む医薬組成物を提供する。
【0024】
また別の本発明は、治療有効量のプレガバリンあるいはその薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含む制御放出医薬組成物であって、プレガバリンと、その疎水性放出制御剤とを含み、生体外において、12時間後に約75%以上、特に10時間後に約75%以上のプレガバリンの放出を示す医薬組成物を提供する。
【0025】
また別の本発明は、治療有効量のプレガバリンあるいはその薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を含む制御放出医薬組成物であって、プレガバリンと、その疎水性放出制御剤とを含み、生体外において、7時間後に約55%以上のプレガバリンの放出を示す医薬組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、タイプII USP装置、0.1N HClに続いてpH6.8リン酸緩衝液、900ml、および50rpmにおける実施例1のプレガバリン制御放出剤形の放出特性を示す図である。
【図2】図2は、タイプII USP装置、0.1N HClに続いてpH6.8リン酸緩衝液、900ml、および50rpmにおける実施例2のプレガバリン制御放出剤形の放出特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
発明の詳細な説明
本発明の剤形は、典型的には、主剤として25〜900mgのプレガバリンを含む。本発明の剤形は、プレガバリンの薬学的に許容される複合体、塩、多形体、水和物、溶媒和物、鏡像異性体、またはラセミ体を任意に含んでもよい。
【0028】
「医薬組成物」とは、1つ以上の薬剤物質と1つ以上の賦形剤との組み合わせを指す。
【0029】
「製剤」、「医薬剤形」、「剤形」、「最終剤形」などは、治療を必要とする被験者に投与される医薬組成物を指し、一般に、錠剤、カプセル剤、散剤もしくは顆粒剤を含む薬袋、ペレット剤、溶液剤もしくは懸濁液剤、パッチ剤などの形態であってもよい。
【0030】
「約」は、当業者に理解され、この用語が使用される文脈上ある程度ばらつきがある。この用語が使用される文脈で当業者にとってこの用語の使用が明確でない場合は、「約」は、その特定の用語の前後10%までを意味することになる。
【0031】
本明細書では「制御放出組成物」なる語は、活性薬物を含み、同じ薬物を同じ量で含む対応する即時放出組成物の投与後に通常経験する薬理応答の持続期間よりも長い薬理応答の持続期間を剤形の投与後に提供するように処方される任意の組成物または剤形を指す。制御放出組成物としては、とりわけ、本明細書の他の部分で「持続放出(extended release)」、「遅延放出」、「徐放」、「持効放出」、「計画放出」、「持続放出(time release)」、および/または「速度制御」組成物または剤形として記載の組成物が挙げられる。
【0032】
「吸い上げ剤」なる語は、送達剤形のネットワークへ水を導入する能力を有する任意の物質と定義する。そうすることにより、吸い上げ剤は、大部分が可溶性の形態になった薬剤に増大した流路を提供する。
【0033】
疎水性放出制御剤は、ポリ酢酸ビニル分散液、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース(低、中、または高分子量)、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)、ならびに蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、微晶蝋、およびオゾケライトなどの蝋;セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、およびミリスチルアルコールなどの脂肪族アルコール、ならびにモノステアリン酸グリセリルなどの脂肪酸エステル;モノオレイン酸グリセロール、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、トリパルミチン、セチルエステルワックス、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、ゼイン、および硬化植物油、またはこれらの混合物から選ばれるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
親水性放出制御剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、グアーガム、キトサンおよびその誘導体、カルボマー、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリグリコール化グリセリド、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物から選ばれるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
吸い上げ剤は、親水性であり有機性であり重合性であり可融性である物質または粒子状の可溶性もしくは不溶性の無機材料を含む群から選ばれる。適切な親水性であり有機性であり可融性である吸い上げ剤としては、様々な分子量、例えば、1,000〜20,000、好ましくは4,000〜10,000のポリエチレングリコール(PEG)があげられ、適切な粒子状の無機吸い上げ剤としてはリン酸二カルシウムおよびラクトースが挙げられる。親水性であり可融性であり有機性である重合体を吸い上げ剤として使用することが好ましい。吸い上げ剤の他の例としては、高HLB界面活性剤(例えば、Tween20、Tween60、またはTween80);エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、イオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウムおよびドクサートナトリウム)、非膨潤親水性重合体(セルロースエーテルなど)、錯化剤(ポリビニルピロリドン、シクロデキストリン、および非イオン性界面活性薬剤など);ならびにTween(ポリ(エチレンオキシド)変性ソルビタンモノエステル)、スパン(脂肪酸ソルビタンエステル)、ラウリル硫酸ナトリウム、およびドクサートナトリウムなどの界面活性剤であってもよいミセル形成剤が挙げられる。
【0036】
「制御放出医薬組成物」なる語は、1つ以上の個別の単位を含む医薬組成物を包含する。この単位とは、カプセル剤もしくは錠剤であってもよいし、または顆粒剤、ペレット剤、ミニ錠剤(minitablets)、もしくはビーズ剤の形態であってもよい。
【0037】
本発明の組成物はまた、結合剤、希釈剤、抗粘着剤、流動促進剤、および滑沢剤などの他の物質を含み得る。
【0038】
希釈剤は、例えば、任意の薬学的に許容される非毒性の希釈剤であってもよい。具体例としては、ラクトース、デキストロース、ショ糖、マルトース、微結晶性セルロース、デンプン、リン酸水素カルシウム、マンニトールなどが挙げられる。
【0039】
結合剤は、例えば、デンプン、糖、ゴム、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどであってもよい。
【0040】
滑沢剤は、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどであってもよい。
【0041】
抗粘着剤および流動促進剤は、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、タルクなどであってもよい。
【0042】
本発明の固体経口剤形は、任意の従来技術、例えば、乾式造粒法、直接打錠法、湿式造粒法、溶融造粒法、および押出−球状化法によって調製されてもよい。
【実施例】
【0043】
次の実施例は例示することを目的とし、限定するものではない。
実施例1
【0044】
【表1】

【0045】
簡潔な製造手順
1.プレガバリンを微結晶性セルロースと混合し、適切な篩に通して篩過し、混合物をRMGに充填する。
2.適量の水でHPMC E5溶液を調製する。
3.工程2のバインダー液を用いて工程1の混合物を顆粒化させる。
4.押出機を使用して湿塊を1mmの篩に通して押し出し、球状化機を使用して球状化させる。
5.FBD中で適切な温度でペレットを乾燥させ、適切な画分にサイズ分けする。
6.イソプロピルアルコールとジクロロメタンとの溶液にエチルセルロース、HPMC E5、クエン酸トリエチル、およびタルクを分散させる。
7.FBP中において上記被覆用組成物でペレットを被覆し、ほぼ12〜18%の範囲の積層厚にして、所望の縦断面を得る。
8.被覆されたペレットは、カプセルに充填するか、または打錠して錠剤にできる。
実施例2
【0046】
【表2】

【0047】
簡潔な製造手順
1)プレガバリンと硬化植物油とを適温で継続的に撹拌して混合する。
2)溶融物の温度を十分な期間維持する。
3)硬い塊が得られるまで、室温で溶融物を冷却する。
4)適切な篩に通して塊を篩過する。
5)密閉容器に最終的な顆粒を保存する。
6)この顆粒は、カプセルに充填するか、または打錠して錠剤にできる。
実施例3
【0048】
【表3】

【0049】
簡潔な製造手順
1.プレガバリンを適切な混合機中でラクトース一水和物、エチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、およびタルクと混合する。
2.ステアリン酸マグネシウムで混合物を滑沢する。
3.上記の滑沢された混合物を打錠して錠剤にする。
実施例4
【0050】
【表4】

【0051】
1.プレガバリンをラクトース一水和物、デンプンと混合し、混合物をRMGに充填する。
2.適量の水を用いて工程1の粉塊を顆粒化させる。
3.適切な篩に通して上記の顆粒化物を篩過する。
4.適切な乾燥機中で顆粒を乾燥させる。
5.乾燥させた顆粒をアエロジル、タルク、およびステアリン酸マグネシウムで滑沢する。
6.上記混合物を打錠してミニ錠剤または単一の錠剤にする
7.イソプロピルアルコールとジクロロメタンとの溶液にエチルセルロース、HPMC E5、クエン酸トリエチル、およびタルクを分散させる。
8.工程7の溶液で錠剤またはミニ錠剤を被覆し、ほぼ10〜18%の範囲の積層厚にして、所望の縦断面を得る。
9.あるいは、被覆されたミニ錠剤は、適切な大きさのカプセルに充填できる。
実施例5
【0052】
【表5】

【0053】
1.プレガバリンをラクトース一水和物、デンプン、および微結晶性セルロースと混合する。
2.乾燥させた顆粒をアエロジルおよびステアリン酸マグネシウムで滑沢する。
3.上記混合物を打錠してミニ錠剤または単一の錠剤にする。
4.イソプロピルアルコールとジクロロメタンとの溶液にエチルセルロース、HPMC E5、クエン酸トリエチル、およびタルクを分散させる。
5.工程4の被覆溶液で錠剤またはミニ錠剤を被覆し、ほぼ12〜18%の範囲の積層厚にして、所望の縦断面を得る。
6.被覆されたミニ錠剤は、適切な大きさのカプセルに充填できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としての治療有効量のプレガバリンまたはその塩と、疎水性放出制御剤と、任意に他の薬学的に許容されるその賦形剤とを含む制御放出医薬組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の制御放出医薬組成物であって、
有効成分としてのプレガバリンまたはその塩および疎水性放出制御剤を含有するコアと、任意に非機能性被膜とを含む制御放出医薬組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の制御放出医薬組成物であって、
有効成分としてのプレガバリンまたはその塩を含有する即時放出性コアと、前記コアから薬剤を徐放させる疎水性放出制御被覆層とを含む制御放出医薬組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の制御放出医薬組成物であって、
カプセル剤、錠剤、多層錠剤、および多重被覆錠剤から選ばれる剤形である制御放出医薬組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の制御放出医薬組成物であって、
i)水膨潤性または非水溶性の不活性コアと、ii)任意にシールコートと、iii)有効成分としての治療有効量のプレガバリンまたはその塩、薬学的に許容される賦形剤、および任意に吸い上げ剤からなる層と、iv)任意にシールコートと、v)疎水性放出制御剤を含む放出制御層とを含む制御放出医薬組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の制御放出医薬組成物であって、
前記疎水性放出制御剤が、メタクリル酸アンモニオ(ammonio methacrylate)共重合体、メタクリル酸共重合体、ポリアクリル酸分散液、ポリ酢酸ビニル分散液、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース(低、中、または高分子量)、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)、ならびに蜜蝋、カルナウバ蝋、微晶蝋、およびオゾケライトなどの蝋;セトステアリルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール;セチルアルコールおよびミリスチルアルコール;ならびにモノステアリン酸グリセリルなどの脂肪酸エステル;モノオレイン酸グリセロール、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、トリパルミチン、セチルエステルワックス、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、ゼイン、硬化ヒマシ油、あるいはこれらの混合物を含む群から選ばれるがこれらに限定されるものではない、制御放出医薬組成物。
【請求項7】
有効成分としての治療有効量のプレガバリンまたはその塩と、疎水性放出制御剤としての硬化植物油とを含む制御放出医薬組成物。
【請求項8】
有効成分としての治療有効量のプレガバリンまたはその塩と、疎水性放出制御剤とを含む制御放出医薬組成物であって、
親水性であり有機性であり重合性であり可融性である物質または粒子状の可溶性もしくは不溶性の無機材料を含む群から選ばれる吸い上げ剤をさらに含有する制御放出医薬組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の制御放出医薬組成物であって、
親水性であり有機性であり重合性であり可融性である吸い上げ剤が、1,000〜20,000、好ましくは4,000〜10,000の様々な分子量のポリエチレングリコール(PEG)を含む制御放出医薬組成物。
【請求項10】
請求項8に記載の制御放出医薬組成物であって、
適切な粒子状の無機吸い上げ剤が、リン酸二カルシウムおよびラクトースを含む制御放出医薬組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の制御放出医薬組成物であって、
親水性速度制御剤をさらに含有する制御放出医薬組成物。
【請求項12】
治療有効量のプレガバリンまたはその塩と、その疎水性放出制御剤とを含む制御放出医薬組成物であって、
生体外において、4時間後に約30%以上のプレガバリンの放出を示す制御放出医薬組成物。
【請求項13】
治療有効量のプレガバリンまたはその塩と、その疎水性放出制御剤とを含む制御放出医薬組成物であって、
生体外において、7時間後に約55%以上のプレガバリンの放出を示す制御放出医薬組成物。
【請求項14】
治療有効量のプレガバリンまたはその塩と、その疎水性放出制御剤とを含む制御放出医薬組成物であって、
生体外において、9時間後に約75%以上のプレガバリンの放出を示す制御放出医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−504491(P2011−504491A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534599(P2010−534599)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【国際出願番号】PCT/IN2008/000770
【国際公開番号】WO2009/066325
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(502425916)ルピン・リミテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】LUPIN LIMITED
【Fターム(参考)】