説明

プレキャストコンクリート柱部材の接合構造、及びプレキャストコンクリート柱部材の接合方法

【課題】プレキャストコンクリート(以降、PCaと記載する)下柱部材上に載置したPCa上柱部材を横方向又は水平に移動させることができるPCa柱部材の接合構造、及びPCa柱部材の接合方法を提供する。
【解決手段】PCaによって形成された下柱部材12に、下柱部材12の上面から側面へ貫通する下孔16が形成され、PCaによって形成された上柱部材14に、上柱部材14の下面から側面へ貫通する上孔18が形成されている。また、接合部材20が下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から下孔16と上孔18とへ挿入され、下柱部材12と上柱部材14とが接合される。よって、下柱部材12上に上柱部材14を載置しても、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から下孔16と上孔18とへ接合部材20を挿入するまでは、下柱部材12上に載置した上柱部材14を横方向又は水平に移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート柱部材同士を接合するプレキャストコンクリート柱部材の接合構造、及びプレキャストコンクリート柱部材の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造建物の施工においては、建設作業員の省人化や施工効率の向上を図るために、プレキャスト化された柱部材や梁部材が盛んに用いられている。特に、超高層建物の建築では、施工の合理化が工期短縮やコスト縮減等のために重要なので、プレキャスト化された柱部材や梁部材を用いた施工が有効となる。
【0003】
例えば、図14に示すような、建物の柱梁接合構造体300が採用されている。柱梁接合構造体300では、プレキャストコンクリート(以降、PCaと記載する)製柱302上に、柱用仕口部304と大梁306とを一体化したPCa製水平構造体308が載置されている。
【0004】
PCa製水平構造体308上に載置されるPCa製柱310の柱脚部には、柱用スリーブ312が埋込まれている。そして、PCa製柱302から上方に突出するようにして設けられた柱用接続鉄筋316を、柱用仕口部304に形成された鉛直の貫通孔314に貫通させる。さらに、柱用接続鉄筋316の端部をPCa製柱310の柱用スリーブ312に挿入して固定することにより、PCa製柱302とPCa製柱310とを柱用仕口部304を介して接合している。
【0005】
対向する大梁306には、大梁306の端部から突出するようにして梁用接続鉄筋320がそれぞれ設けられている。そして、この突出した梁用接続鉄筋320の端部同士を機械式継手318で接続し、大梁306同士の接合部に型枠を設けてコンクリートUを後打ちすることにより、大梁306同士を接合している。
【0006】
また、図15に示すように、特許文献1の建物の柱梁接合構造体322では、PCa製柱324上に、柱用仕口部326と大梁328とを一体化したPCa製水平構造体330が載置されている。
【0007】
PCa製柱324の柱頭部には、柱用スリーブ338が埋込まれている。そして、PCa製水平構造体330上に載置されるPCa製柱336から下方に突出するように設けられた柱用接続鉄筋340を、柱用仕口部326に形成された鉛直の貫通孔342に貫通させる。さらに、柱用接続鉄筋340の端部をPCa製柱324の柱用スリーブ338に挿入して固定することにより、PCa製柱324とPCa製柱336とを柱用仕口部326を介して接合している。
【0008】
ここで、柱梁接合構造体300、322の接合方法を柱用仕口部を介さないPCa柱部材同士の接合に適用しようとした場合、PCa上柱部材(PCa製柱310、336)をPCa下柱部材(PCa製柱302、324)上に載置したときに、PCa上柱部材は柱鉄筋(柱用接続鉄筋316、340)によって水平方向の移動が拘束されてしまうので、建て方精度を向上させるために、このPCa上柱部材を水平方向に移動させて位置調整をすることが難しい。
【特許文献1】特開2004−346587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は係る事実を考慮し、プレキャストコンクリート下柱部材上に載置したプレキャストコンクリート上柱部材を横方向又は水平に移動させることができるプレキャストコンクリート柱部材の接合構造、及びプレキャストコンクリート柱部材の接合方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成され、前記下柱部材上に載置される上柱部材と、前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下孔と、前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上孔と、前記下柱部材の側面又は前記上柱部材の側面から前記下孔と前記上孔とへ挿入されて、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合部材と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明では、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材上に、プレキャストコンクリートによって形成された上柱部材が載置される。
下柱部材には、下柱部材の上面から側面へ貫通する下孔が形成され、上柱部材には、上柱部材の下面から側面へ貫通する上孔が形成されている。
また、接合部材が、下柱部材の側面又は上柱部材の側面から下孔と上孔とへ挿入され、これにより下柱部材と上柱部材とが接合される。
【0012】
よって、下柱部材上に上柱部材を載置しても、下柱部材の側面又は上柱部材の側面から下孔と上孔とへ接合部材を挿入するまでは、下柱部材上に載置した上柱部材を横方向又は水平に移動させることができる。
これにより、下柱部材上に上柱部材を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材の位置調整ができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ直線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明では、下柱部材上に上柱部材を載置したときに、下孔と上孔とによって貫通孔が形成される。そして、この貫通孔は、上柱部材の側面から下柱部材の側面へ直線的に貫通する。
【0015】
よって、接合部材を直線状の棒材とすることが可能なので、簡易な部材で下柱部材と上柱部材とを接合することができ、下柱部材の側面又は上柱部材の側面から容易に接合部材を挿入することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ曲線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明では、下柱部材上に上柱部材を載置したときに、下孔と上孔とによって貫通孔が形成される。そして、この貫通孔は、上柱部材の側面から下柱部材の側面へ曲線的に貫通する。
【0018】
よって、下柱部材及び上柱部材の内部における接合部材の定着長を長くすることが可能なので、接合部材と下柱部材及び上柱部材との間でスムーズな応力伝達を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成され、前記下柱部材上に載置される上柱部材と、前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下貫通孔と、前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から内部へ達する下挿入孔と、前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上貫通孔と、前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から内部へ達する上挿入孔と、前記下柱部材の側面から前記下貫通孔と前記上挿入孔とへ、又は前記上柱部材の側面から前記上貫通孔と前記下挿入孔とへ挿入されて、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合部材と、を有することを特徴としている。
【0020】
請求項4に記載の発明では、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材上に、プレキャストコンクリートによって形成された上柱部材が載置される。
下柱部材には、下柱部材の上面から側面へ貫通する下貫通孔と、下柱部材の上面から内部へ達する下挿入孔とが形成されている。
そして、上柱部材には、上柱部材の下面から側面へ貫通する上貫通孔と、上柱部材の下面から内部へ達する上挿入孔とが形成されている。
また、接合部材が、下柱部材の側面から下貫通孔と上挿入孔とへ、又は上柱部材の側面から上貫通孔と下挿入孔とへ挿入され、下柱部材と上柱部材とが接合される。
【0021】
よって、下柱部材上に上柱部材を載置しても、下柱部材の側面から下貫通孔と上挿入孔とへ、又は上柱部材の側面から上貫通孔と下挿入孔とへ接合部材を挿入するまでは、下柱部材上に載置した上柱部材を横方向又は水平に移動させることができる。そして、これにより、下柱部材上に上柱部材を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材の位置調整ができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、前記接合部材によって前記下柱部材と前記上柱部材とが接合された後に、前記接合部材にプレストレスが導入されることを特徴としている。
【0023】
請求項5に記載の発明では、接合部材によって下柱部材と上柱部材とが接合された後に接合部材にプレストレスを導入することにより、下柱部材と上柱部材との接合面に作用する圧縮力が増加し、摩擦によるせん断力伝達を確実に行うことができる。
また、下柱部材と上柱部材との接合部に生じる曲げモーメントに起因して下柱部材及び上柱部材に発生する引張応力を制御することが可能となる。
これにより、下柱部材及び上柱部材に生じるひび割れを防止することができ、下柱部材と上柱部材とを強固に接合することができる。よって、地震時の復元性能を向上させ、損傷低減を図ることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成されて前記下柱部材上に載置される上柱部材とを接合するプレキャストコンクリート柱部材の接合方法において、前記下柱部材の側面又は前記上柱部材の側面から、前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下孔と前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上孔とへ接合部材を挿入して、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合工程を有することを特徴としている。
【0025】
請求項6に記載の発明では、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成されて下柱部材上に載置される上柱部材とを接合するプレキャストコンクリート柱部材の接合方法は、接合工程を有している。
接合工程では、接合部材が、下柱部材の側面又は上柱部材の側面から、下柱部材に形成され下柱部材の上面から側面へ貫通する下孔と、上柱部材に形成され上柱部材の下面から側面へ貫通する上孔とへ挿入され、これにより下柱部材と上柱部材とが接合される。
【0026】
よって、下柱部材上に上柱部材を載置しても、下柱部材の側面又は上柱部材の側面から下孔と上孔とへ接合部材を挿入するまでは、下柱部材上に載置した上柱部材を横方向又は水平に移動させることができる。
これにより、下柱部材上に上柱部材を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材の位置調整ができる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ直線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴としている。
【0028】
請求項7に記載の発明では、下柱部材上に上柱部材を載置したときに、下孔と上孔とによって貫通孔が形成される。そして、この貫通孔は、上柱部材の側面から下柱部材の側面へ直線的に貫通する。
【0029】
よって、接合部材を直線状の棒材とすることが可能なので、簡易な部材で下柱部材と上柱部材とを接合することができ、下柱部材の側面又は上柱部材の側面から容易に接合部材を挿入することができる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ曲線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴としている。
【0031】
請求項8に記載の発明では、下柱部材上に上柱部材を載置したときに、下孔と上孔とによって貫通孔が形成される。そして、この貫通孔は、上柱部材の側面から下柱部材の側面へ曲線的に貫通する。
【0032】
よって、下柱部材及び上柱部材の内部における接合部材の定着長を長くすることが可能なので、接合部材と下柱部材及び上柱部材との間でスムーズな応力伝達を行うことができる。
【0033】
請求項9に記載の発明は、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成されて前記下柱部材上に載置される上柱部材とを接合するプレキャストコンクリート柱部材の接合方法において、前記下柱部材の側面から、前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下貫通孔と前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から内部へ達する上挿入孔とへ、又は前記上柱部材の側面から、前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上貫通孔と前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から内部へ達する下挿入孔とへ接合部材を挿入して、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合工程を有することを特徴としている。
【0034】
請求項9に記載の発明では、プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成されて下柱部材上に載置される上柱部材とを接合するプレキャストコンクリート柱部材の接合方法は、接合工程を有している。
【0035】
接合工程では、接合部材が、下柱部材の側面から、下柱部材に形成され下柱部材の上面から側面へ貫通する下貫通孔と上柱部材に形成され上柱部材の下面から内部へ達する上挿入孔とへ、又は上柱部材の側面から、上柱部材に形成され上柱部材の下面から側面へ貫通する上貫通孔と下柱部材に形成され下柱部材の上面から内部へ達する下挿入孔とへ挿入され、これにより下柱部材と上柱部材とが接合される。
【0036】
よって、下柱部材上に上柱部材を載置しても、下柱部材の側面から下貫通孔と上挿入孔とへ、又は上柱部材の側面から上貫通孔と下挿入孔とへ接合部材を挿入するまでは、下柱部材上に載置した上柱部材を横方向又は水平に移動させることができる。そして、これにより、下柱部材上に上柱部材を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材の位置調整ができる。
【0037】
請求項10に記載の発明は、前記接合部材によって前記下柱部材と前記上柱部材とが接合された後に、前記接合部材にプレストレスが導入されることを特徴としている。
【0038】
請求項10に記載の発明では、接合部材によって下柱部材と上柱部材とが接合された後に接合部材にプレストレスを導入することにより、下柱部材と上柱部材との接合面に作用する圧縮力が増加し、摩擦によるせん断力伝達を確実に行うことができる。
また、下柱部材と上柱部材との接合部に生じる曲げモーメントに起因して下柱部材及び上柱部材に発生する引張応力を制御することが可能となる。
これにより、下柱部材及び上柱部材に生じるひび割れを防止することができ、下柱部材と上柱部材とを強固に接合することができる。よって、地震時の復元性能を向上させ、損傷低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明は上記構成としたので、プレキャストコンクリート下柱部材上に載置したプレキャストコンクリート上柱部材を横方向又は水平に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図面を参照しながら、本発明のプレキャストコンクリート柱部材の接合構造、及びプレキャストコンクリート柱部材の接合方法を説明する。なお、本実施形態において、下柱部材及び上柱部材をプレキャストコンクリート(以降、PCaと記載する)によって形成された柱部材としたように、本実施形態は、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート、及びプレストレストコンクリート等のさまざまなPCa製の柱部材に対して適用することができる。
【0041】
まず、本発明の第1の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造について説明する。
【0042】
図1の斜視図、及び図2の正面図に示すように、PCa柱部材の接合構造10では、PCaによって形成された角柱状の下柱部材12上に、PCaによって形成された角柱状の上柱部材14が載置される。上柱部材14の水平断面形状は、下柱部材12の水平断面形状と同じである。
【0043】
図2に示すように、下柱部材12には柱鉄筋28とこの柱鉄筋28を囲むせん断補強筋30が設けられ、上柱部材14には柱鉄筋32とこの柱鉄筋32を囲むせん断補強筋34が設けられている。
【0044】
下柱部材12には、下柱部材12の上面Hから側面へ貫通する下孔16が直線的に複数形成されている。これらの下孔16は、下柱部材12の1つの側面に対して下端部が上下方向に2つ、水平方向に2つ並ぶようにして4つ形成されている。すなわち、下柱部材12には合計16(=4つ×4面)の下孔16が形成されている。下孔16の下端部には、切欠き部24が形成されている。
【0045】
また、上柱部材14には、上柱部材14の下面Sから側面へ貫通する上孔18が直線的に複数形成されている。これらの上孔18は、上柱部材14の1つの側面に対して上端部が上下方向に2つ、水平方向に2つ並ぶようにして4つ形成されている。すなわち、上柱部材14には合計16(=4つ×4面)の上孔18が形成されている。上孔18の上端部には、切欠き部26が形成されている。
【0046】
下柱部材12の上面Hの四隅付近には、雌ネジ(不図示)が形成されており、この雌ネジにねじ込んだボルト(不図示)のねじ込み量によって、上面H上に載置される上柱部材14の設置高さを調整する。
【0047】
下孔16と上孔18の径の大きさは、ほぼ等しい。また、下孔16と上孔18の径の大きさは、後に説明する接合部材としての丸鋼20の挿入が可能であり、かつ出来るだけ小さな径となっている。
【0048】
ここで、下柱部材12上に上柱部材14を載置して、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされたときに、下孔16と上孔18とによって貫通孔22が形成される。そして、この貫通孔22は、上柱部材14の側面から下柱部材12の側面へ直線的に貫通している。
【0049】
次に、本発明の第1の実施形態に係るPCa柱部材の接合方法について説明する。
【0050】
PCa柱部材の接合方法では、まず、図3に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置する。図3では、説明の都合上、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの距離が大きく空いているが、この距離は20mm程度となっている。
【0051】
次に、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされる。このとき、下孔16と上孔18とによって貫通孔22が形成される。そして、この貫通孔22が上柱部材14の側面から下柱部材12の側面へ直線的に貫通するように、下柱部材12の上面Hの四隅付近に設けられたボルトによって上柱部材14の設置高さは事前に調整されている。
【0052】
次に、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から、下孔16と上孔18とへ接合部材としての直線状の丸鋼20が挿入され、これにより下柱部材12と上柱部材14とを接合する(接合工程)。
【0053】
丸鋼20の両端部には雄ネジ36が形成されており、この雄ネジ36にナット38をねじ込んで締め付けることにより、丸鋼20を下柱部材12及び上柱部材14に固定する。この固定状態においてナット38は、切欠き部24又は切欠き部26に収容されている。
【0054】
次に、図2に示すように、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの間の隙間内、下柱部材12に形成された下孔16内、上柱部材14に形成された上孔18内、下柱部材12に形成された切欠き部24内、及び上柱部材14に形成された切欠き部26内に硬化材Wを充填し、この硬化剤Wを硬化させて下柱部材12及び上柱部材14に丸鋼20を定着する。これにより、下柱部材12と上柱部材14とが一体化されて1つの角柱(図1の状態)となる。
【0055】
次に、本発明の第1の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造、及びPCa柱部材の接合方法の作用及び効果について説明する。
【0056】
図1〜3に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置した状態において、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から下孔16と上孔18とへ丸鋼20を挿入するまでは、下柱部材12上に載置した上柱部材14を横方向又は水平に移動させることができる。
【0057】
よって、下柱部材12上に上柱部材14を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材14の位置調整ができる。
また、接合部材を直線状の棒材(丸鋼20)とすることが可能なので、簡易な部材で下柱部材12と上柱部材14とを接合することができ、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から容易に接合部材(丸鋼20)を挿入することができる。
なお、説明の都合上、図3には、2本の丸鋼20のみが示されているが、丸鋼20は全ての下孔16及び上孔18(貫通孔22)に挿入される。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造について説明する。
【0059】
第2の実施形態は、第1実施形態の貫通孔22を曲線的にしたものである。したがって、第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0060】
図4の斜視図、及び図5の正面図に示すように、PCa柱部材の接合構造40では、PCaによって形成された角柱状の下柱部材12上に、Pcaによって形成された角柱状の上柱部材14が載置される。
下柱部材12には、下柱部材12の上面Hから側面へ貫通する下孔42A、42Bが曲線的に複数形成されている。下孔42Aの曲率は、下孔42Bの曲率よりも大きくなっている。
【0061】
下孔42Aは、下柱部材12の1つの側面に対して下端部が水平方向に2つ並ぶようにして形成されている。また、下孔42Bは、下柱部材12の1つの側面に対して下端部が水平方向に2つ並んで下孔42Aの下端部の上方に位置するように形成されている。すなわち、下柱部材12には合計8つ(=2つ×4面)の下孔42Aと、合計8つ(=2つ×4面)の下孔42Bとが形成されている。下孔42A、42Bの下端部には、それぞれ切欠き部44A、44Bが形成されている。
また、上柱部材14には、上柱部材14の下面Sから側面へ貫通する上孔46A、46Bが曲線的に複数形成されている。上孔46Aの曲率は、上孔46Bの曲率よりも大きくなっている。
【0062】
上孔46Aは、上柱部材14の1つの側面に対して上端部が水平方向に2つ並ぶようにして形成されている。また、上孔46Bは、上柱部材14の1つの側面に対して上端部が水平方向に2つ並んで上孔46Aの上端部の下方に位置するように形成されている。すなわち、上柱部材14には合計8つ(=2つ×4面)の上孔46Aと、合計8つ(=2つ×4面)の上孔46Bとが形成されている。上孔46A、46Bの上端部には、それぞれ切欠き部48A、48Bが形成されている。
【0063】
下柱部材12の上面Hの四隅付近には、雌ネジ(不図示)が形成されており、この雌ネジにねじ込んだボルト(不図示)のねじ込み量によって、上面H上に載置される上柱部材14の設置高さを調整する。
【0064】
下孔42A、42B、及び上孔46A、46Bの径の大きさは、ほぼ等しい。また、下孔42A、42B、及び上孔46A、46Bの径の大きさは、後に説明する接合部材としての丸鋼50A、50Bの挿入が可能であり、かつ出来るだけ小さな径となっている。
【0065】
ここで、下柱部材12上に上柱部材14を載置して、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされたときに、下孔42Aと上孔46A、及び下孔42Bと上孔46Bとによって貫通孔52A、52Bがそれぞれ形成される。そして、この貫通孔52A、52Bは、上柱部材14の側面から下柱部材12の側面へ曲線的に貫通している。また、貫通孔52Aの曲率は、貫通孔52Bの曲率よりも大きくなっている。
【0066】
次に、本発明の第2の実施形態に係るPCa柱部材の接合方法について説明する。
【0067】
PCa柱部材の接合方法では、まず、図6に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置する。図6では、説明の都合上、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの距離が大きく空いているが、この距離は20mm程度となっている。
【0068】
次に、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされる。このとき、下孔42Aと上孔46A、及び下孔42Bと上孔46Bとによって貫通孔52A、52Bがそれぞれ形成される。そして、この貫通孔52A、52Bが上柱部材14の側面から下柱部材12の側面へ曲線的に貫通するように、下柱部材12の上面Hの四隅付近に設けられたボルトによって上柱部材14の設置高さは事前に調整されている。
【0069】
次に、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から、下孔42Aと上孔46A、及び下孔42Bと上孔46Bとへ接合部材としての曲線状の丸鋼50A、50Bが挿入され、これにより下柱部材12と上柱部材14とを接合する(接合工程)。
【0070】
丸鋼50A、50Bの両端部には雄ネジ54が形成されており、この雄ネジ54にナット56をねじ込んで締め付けることにより、丸鋼50A、50Bを下柱部材12及び上柱部材14に固定する。この固定状態においてナット56は、切欠き部44A、44B、48A、48Bに収容されている。
【0071】
次に、図5に示すように、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの間の隙間内、下柱部材12に形成された下孔42A、42B内、上柱部材14に形成された上孔46A、46B内、下柱部材12に形成された切欠き部44A、44B内、及び上柱部材14に形成された切欠き部48A、48B内に硬化材Wを充填し、この硬化剤Wを硬化させて下柱部材12及び上柱部材14に丸鋼50A、50Bを定着する。これにより、下柱部材12と上柱部材14とが一体化されて1つの角柱(図4の状態)となる。
【0072】
次に、本発明の第2の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造、及びPCa柱部材の接合方法の作用及び効果について説明する。
【0073】
図4〜6に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置した状態において、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から下孔42A、42Bと上孔46A、46Bとへ丸鋼50A、50Bを挿入するまでは、下柱部材12上に載置した上柱部材14を横方向又は水平に移動させることができる。
【0074】
よって、下柱部材12上に上柱部材14を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材14の位置調整ができる。
また、接合部材を曲線状の棒材(丸鋼50A、50B)とすることで、下柱部材12及び上柱部材14の内部における接合部材の定着長を長くすることが可能になるので、接合部材と下柱部材12及び上柱部材14との間でスムーズな応力伝達を行うことができる。
【0075】
なお、説明の都合上、図6には、丸鋼50A、50Bが1本ずつ示されているが、丸鋼50A、50Bは下孔42A、上孔46A(貫通孔52A)、又は下孔42B、上孔46B(貫通孔52B)の全てに挿入される。
【0076】
次に、本発明の第3の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造について説明する。
【0077】
第3の実施形態は、第2実施形態の貫通孔52A、52Bの曲率を大きくし、接合部材としての丸鋼50A、50Bの本数を多くしたものである。したがって、第3の実施形態の説明において、第2の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0078】
図7の斜視図、及び図8の正面図に示すように、PCa柱部材の接合構造58では、PCaによって形成された角柱状の下柱部材12上に、Pcaによって形成された角柱状の上柱部材14が載置される。
下柱部材12には、下柱部材12の上面Hから側面へ貫通する下孔60A、60Bが曲線的に複数形成されている。下孔60Aの曲率は、下孔60Bの曲率よりも大きくなっている。さらに、下孔60A、60Bの曲率は第2の実施形態で示した下孔42A(図5参照のこと)の曲率よりも大きくなっている。
【0079】
下孔60Aは、下柱部材12の1つの側面に対して下端部が水平方向に4つ並ぶようにして形成されている。また、下孔60Bは、下柱部材12の1つの側面に対して下端部が水平方向に4つ並んで下孔60Aの下端部の上方に位置するように形成されている。すなわち、下柱部材12には合計16(=4つ×4面)の下孔60Aと、合計16(=4つ×4面)の下孔60Bとが形成されている。下孔60A、60Bの下端部には、それぞれ切欠き部62A、62Bが形成されている。1つの切欠き部62Aには、2つの下孔60Aの下端部開口が形成され、1つの切欠き部62Bには、2つの下孔60Bの下端部開口が形成されている。
【0080】
また、上柱部材14には、上柱部材14の下面Sから側面へ貫通する上孔64A、64Bが曲線的に複数形成されている。上孔64Aの曲率は、上孔64Bの曲率よりも大きくなっている。さらに、上孔64A、64Bの曲率は第2の実施形態で示した上孔46A(図5参照のこと)の曲率よりも大きくなっている。
【0081】
上孔64Aは、上柱部材14の1つの側面に対して上端部が水平方向に4つ並ぶようにして形成されている。また、上孔64Bは、上柱部材14の1つの側面に対して上端部が水平方向に4つ並んで上孔64Aの上端部の下方に位置するように形成されている。すなわち、上柱部材14には合計16(=4つ×4面)の上孔64Aと、合計16(=4つ×4面)の上孔64Bとが形成されている。上孔64A、64Bの上端部には、それぞれ切欠き部66A、66Bが形成されている。1つの切欠き部66Aには、2つの上孔64Aの上端部開口が形成され、1つの切欠き部66Bには、2つの上孔64Bの上端部開口が形成されている。
【0082】
下柱部材12の上面Hの四隅付近には、雌ネジ(不図示)が形成されており、この雌ネジにねじ込んだボルト(不図示)のねじ込み量によって、上面H上に載置される上柱部材14の設置高さを調整する。
【0083】
下孔60A、60B、及び上孔64A、64Bの径の大きさは、ほぼ等しい。また、下孔60A、60B、及び上孔64A、64Bの径の大きさは、後に説明する接合部材としての丸鋼68A、68Bの挿入が可能であり、かつ出来るだけ小さな径となっている。説明の都合上、図7には、下孔60A、60B、及び上孔64A、64Bと、丸鋼68A、68Bとの間に形成されている隙間は描かれていない。
【0084】
ここで、下柱部材12上に上柱部材14を載置して、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされたときに、下孔60Aと上孔64A、及び下孔60Bと上孔64Bとによって貫通孔70A、70Bがそれぞれ形成される。そして、この貫通孔70A、70Bは、上柱部材14の側面から下柱部材12の側面へ曲線的に貫通している。また、貫通孔70Aの曲率は、貫通孔70Bの曲率よりも大きくなっている。
【0085】
次に、本発明の第3の実施形態に係るPCa柱部材の接合方法について説明する。
【0086】
PCa柱部材の接合方法では、まず、図9に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置する。図9では、説明の都合上、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの距離が大きく空いているが、この距離は20mm程度となっている。
【0087】
次に、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされる。このとき、下孔60Aと上孔64A、及び下孔60Bと上孔64Bとによって貫通孔70A、70Bがそれぞれ形成される。そして、この貫通孔70A、70Bが上柱部材14の側面から下柱部材12の側面へ曲線的に貫通するように、下柱部材12の上面Hの四隅付近に設けられたボルトによって上柱部材14の設置高さは事前に調整されている。
【0088】
次に、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から、下孔60Aと上孔64A、及び下孔60Bと上孔64Bとへ接合部材としての曲線状の丸鋼68A、68Bが挿入され、これにより下柱部材12と上柱部材14とを接合する(接合工程)。
【0089】
丸鋼68A、68Bの両端部には雄ネジ72が形成されており、この雄ネジ72にナット74をねじ込んで締め付けることにより、丸鋼68A、68Bを下柱部材12及び上柱部材14に固定する。この固定状態においてナット74は、切欠き部62A、62B、66A、66Bに収容されている。
【0090】
次に、図8に示すように、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの間の隙間内、下柱部材12に形成された下孔60A、60B内、上柱部材14に形成された上孔64A、64B内、下柱部材12に形成された切欠き部62A、62B内、及び上柱部材14に形成された切欠き部66A、66B内に硬化材Wを充填し、この硬化剤Wを硬化させて下柱部材12及び上柱部材14に丸鋼68A、68Bを定着する。これにより、下柱部材12と上柱部材14とが一体化されて1つの角柱(図7の状態)となる。
【0091】
次に、本発明の第3の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造、及びPCa柱部材の接合方法の作用及び効果について説明する。
【0092】
図7〜9に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置した状態において、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から下孔60Aと上孔64A、及び下孔60Bと上孔64Bとへ丸鋼68A、68Bを挿入するまでは、下柱部材12上に載置した上柱部材14を横方向又は水平に移動させることができる。
【0093】
よって、下柱部材12上に上柱部材14を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材14の位置調整ができる。
また、接合部材を曲線状の棒材(丸鋼68A、68B)とすることで、下柱部材12及び上柱部材14の内部における接合部材の定着長を長くすることが可能になるので、接合部材と下柱部材12及び上柱部材14との間でスムーズな応力伝達を行うことができる。
また、接合部材を曲率の大きな棒材(丸鋼68A、68B)とすることで、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から容易に接合部材(丸鋼68A、68B)を挿入することができる。
【0094】
なお、説明の都合上、図9には、丸鋼68A、68Bが1本ずつ示されているが、丸鋼68A、68Bは下孔60A、上孔64A(貫通孔70A)、又は下孔60B、上孔64B(貫通孔70B)の全てに挿入される。
【0095】
次に、本発明の第4の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造について説明する。
【0096】
第4の実施形態は、第1実施形態の貫通孔22に挿入した丸鋼20を下柱部材12又は上柱部材14に埋設された鉄筋棒に接続したものである。したがって、第4の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0097】
図10の斜視図、図11の正面図、及び図12の斜視図に示すように、PCa柱部材の接合構造76では、PCaによって形成された角柱状の下柱部材12上に、Pcaによって形成された角柱状の上柱部材14が載置される。
下柱部材12には、下柱部材12の上面Hから側面へ貫通する下貫通孔78が直線的に複数形成されている(説明の都合上、図12には、下貫通孔78が一部省略されている)。
【0098】
下貫通孔78は、下柱部材12の1つの側面に対して下端部が水平方向に2つ並ぶようにして形成されている。すなわち、下柱部材12には合計8つ(=2つ×4面)の下貫通孔78が形成されている。下貫通孔78の下端部には、切欠き部80が形成されている。
また、下柱部材12には、下柱部材12の上面Hから内部へ達する下挿入孔82が直線的に複数形成されている(説明の都合上、図12には、下挿入孔82が一部省略されている)。
【0099】
下挿入孔82の下端部には、この下挿入孔82と連通する中空の鋼管84が埋設されている。さらに、下柱部材12に埋設された鉄筋棒86の上端部が鋼管84に固定されている。鉄筋棒86は鋼管84付近で曲がっていて、この曲がった箇所から下方に位置する鉄筋棒86が柱鉄筋28と略平行になるように配置されている。また、鋼管84の内側には雌ネジが形成されている。
【0100】
上柱部材14には、上柱部材14の下面Sから側面へ貫通する上貫通孔88が直線的に複数形成されている(説明の都合上、図12には、上貫通孔88が一部省略されている)。
【0101】
上貫通孔88は、上柱部材14の1つの側面に対して上端部が水平方向に2つ並ぶようにして形成されている。すなわち、上柱部材14には合計8つ(=2つ×4面)の上貫通孔88が形成されている。上貫通孔88の上端部には、切欠き部90が形成されている。
また、上柱部材14には、上柱部材14の下面Sから内部へ達する上挿入孔92が直線的に複数形成されている(説明の都合上、図12には、上挿入孔92が一部省略されている)。
【0102】
上挿入孔92の上端部には、この上挿入孔92と連通する中空の鋼管94が埋設されている。さらに、上柱部材14に埋設された鉄筋棒96の下端部が鋼管94に固定されている。鉄筋棒96は鋼管94付近で曲がっていて、この曲がった箇所から上方に位置する鉄筋棒96が柱鉄筋32と略平行になるように配置されている。また、鋼管94の内側には雌ネジが形成されている。
【0103】
下柱部材12の上面Hの四隅付近には、雌ネジ(不図示)が形成されており、この雌ネジにねじ込んだボルト(不図示)のねじ込み量によって、上面H上に載置される上柱部材14の設置高さを調整する。
【0104】
下貫通孔78、下挿入孔82、上貫通孔88、及び上挿入孔92の径の大きさは、ほぼ等しい。また、下貫通孔78、下挿入孔82、上貫通孔88、及び上挿入孔92の径の大きさは、後に説明する接合部材としての丸鋼98の挿入が可能であり、かつ出来るだけ小さな径となっている。
【0105】
ここで、下柱部材12上に上柱部材14を載置して、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされたときに、下貫通孔78と上挿入孔92、及び上貫通孔88と下挿入孔82とによって連結孔100、102がそれぞれ直線的に形成される。
【0106】
なお、図11で示した鉄筋棒86、96の長さは、鉄筋棒86、96と柱鉄筋28、32とが重なり合う長さが、鉄筋棒86、96と柱鉄筋28、32の径の小さい方の40倍程度以上となるようにするのが、十分な接合強度を確保する上で好ましい。
【0107】
次に、本発明の第4の実施形態に係るPCa柱部材の接合方法について説明する。
【0108】
PCa柱部材の接合方法では、まず、図12に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置する。図12では、説明の都合上、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの距離が大きく空いているが、この距離は20mm程度となっている。
【0109】
次に、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとが平面視にて一致するように上柱部材14が位置決めされる。このとき、下貫通孔78と上挿入孔92、及び上貫通孔88と下挿入孔82とによって連結孔100、102がそれぞれ形成される。そして、この連結孔100、102が直線的に形成されるように、下柱部材12の上面Hの四隅付近に設けられたボルトによって上柱部材14の設置高さは事前に調整されている。
【0110】
次に、下柱部材12の側面から下貫通孔78と上挿入孔92とへ、又は上柱部材14の側面から上貫通孔88と下挿入孔82とへ、接合部材としての直線状の丸鋼98が挿入され、これにより下柱部材12と上柱部材14とを接合する(接合工程)。
【0111】
丸鋼98の両端部には雄ネジ104が形成されており、丸鋼98の一方の端部に形成された雄ネジ104を下柱部材12に埋設された鋼管84、又は上柱部材14に埋設された鋼管94にねじ込んで丸鋼98を下柱部材12又は上柱部材14に固定し、丸鋼98の他方の端部に形成された雄ネジ104にナット106をねじ込んで締め付けることにより、丸鋼98を上柱部材14又は下柱部材12に固定する。この固定状態においてナット106は、切欠き部80又は90に収容されている。
【0112】
次に、図11に示すように、下柱部材12の上面Hと上柱部材14の下面Sとの間の隙間内、下柱部材12に形成された下貫通孔78内、下柱部材12に形成された下挿入孔82内、上柱部材14に形成された上貫通孔88内、上柱部材14に形成された上挿入孔92内、下柱部材12に形成された切欠き部80内、及び上柱部材14に形成された切欠き部90内に硬化材Wを充填し、この硬化剤Wを硬化させて下柱部材12及び上柱部材14に丸鋼98を定着する。これにより、下柱部材12と上柱部材14とが一体化されて1つの角柱(図10の状態)となる。
【0113】
次に、本発明の第4の実施形態に係るPCa柱部材の接合構造、及びPCa柱部材の接合方法の作用及び効果について説明する。
【0114】
図10〜12に示すように、下柱部材12上に上柱部材14を載置した状態において、下柱部材12上に上柱部材14を載置しても、下柱部材12の側面から下貫通孔78と上挿入孔92とへ、又は上柱部材14の側面から上貫通孔88と下挿入孔82とへ接合部材としての丸鋼98を挿入するまでは、下柱部材12上に載置した上柱部材14を横方向又は水平に移動させることができる。
【0115】
よって、下柱部材12上に上柱部材14を載置した後、建て方精度を向上させるために上柱部材14の位置調整ができる。
また、接合部材を直線状の棒材(丸鋼98)とすることが可能なので、簡易な部材で下柱部材12と上柱部材14とを接合することができ、下柱部材12の側面又は上柱部材14の側面から容易に接合部材(丸鋼98)を挿入することができる。
【0116】
図12には、説明の都合上、2本の丸鋼98のみが示されているが、丸鋼98は、下貫通孔78、上挿入孔92(連結孔100)、又は上貫通孔88、下挿入孔82(連結孔102)の全てに挿入される。
【0117】
図13のPCa柱部材の接合構造108は、PCa柱部材の接合構造76の変形例を示したものである。このように、折り曲げられた中空の鋼管110を、下挿入孔82と連通するように下挿入孔82の下端部に設け、柱鉄筋28と略平行に配置された直線状の鉄筋棒112の上端部をこの鋼管110に固定してもよい。また、折り曲げられた中空の鋼管114を、上挿入孔92と連通するように上挿入孔92の上端部に設け、柱鉄筋32と略平行に配置された直線状の鉄筋棒116の下端部をこの鋼管114に固定してもよい。
【0118】
なお、第1〜第4の実施形態では、接合部材を、丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98としたが、下柱部材12と上柱部材14とを確実に連結できるものであればよい。例えば、接合部材をPC鋼材(PC鋼棒、PC鋼線)、ねじ節鉄筋、異形鉄筋、ボルト等としてもよい。接合部材をねじ節鉄筋や異形鉄筋とすれば、硬化材Wを充填したときの付着面積が大きくなるので好ましい。
また、丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98の径の大きさは、必要とする接合強度等に応じて適宜決めればよい。
【0119】
また、第1〜第4の実施形態では、ナット38、56、74、106で接合部材としての丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98を固定した例を示したが、他の機械式定着具等の定着具を用いて丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98を固定してもよい。
【0120】
また、ナット38、56、74、106等の定着具を用いずに、丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98の周囲に充填した硬化材Wのみによって丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98を下柱部材12及び上柱部材14に定着させてもよい。
【0121】
また、第4の実施形態では、鋼管84、94の内側に雌ネジを形成し、この雌ネジに丸鋼98端部の雄ネジをねじ込んだ例を示したが、鋼管84、94に雌ネジを形成せずに、鋼管84、94に丸鋼98端部を挿入して硬化材により定着させてもよい。
【0122】
また、第1〜第4の実施形態で示した丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98にナット38、56、74、106をねじ込んで締め付けて下柱部材12と上柱部材14とを接合した後に、丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98にプレストレスを導入してもよい。例えば、接合部材にPC鋼材を用いた場合には、油圧ジャッキを用いて通常のポストテンション方式によってPC鋼材にプレストレスを導入すればよい。
接合部材によって下柱部材12と上柱部材14とが接合された後に接合部材にプレストレスを導入すれば、下柱部材12と上柱部材14との接合面に作用する圧縮力が増加し、摩擦によるせん断力伝達を確実に行うことができる。
また、下柱部材12と上柱部材14との接合部に生じる曲げモーメントに起因して下柱部材12及び上柱部材14に発生する引張応力を制御することが可能となる。
これにより、下柱部材12及び上柱部材14に生じるひび割れを防止することができ、下柱部材12と上柱部材14とを強固に接合することができる。よって、地震時の復元性能を向上させ、損傷低減を図ることができる。
この場合、アンボンドとしてもよいが、接合部材の周囲に硬化材Wを充填する方が防錆効果があり、一体化強度が向上するので好ましい。
【0123】
また、第1〜第4の実施形態で示した下孔16、42A、42B、60A、60B、上孔18、46A、46B、64A、64B、下貫通孔78、下挿入孔82、上貫通孔88、上挿入孔92は、丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98が挿入できる孔が形成されればよく、シース管等の管材を埋設して形成してもよいし、孔を形成する位置に円柱状の部材を配置しておき、コンクリートが硬化した後にこの円柱状の部材を取り除くことによって孔を形成してもよい。また、穿孔により孔を形成してもよい。
【0124】
また、第1〜第4の実施形態では、下柱部材12の上面Hに上柱部材14の設置高さを調整するボルトを設けた例を示したが、これに限らずに、下柱部材12上に載置する上柱部材14の設置高さを調整できるものであればよい。また、このボルトをなくして、下柱部材12と上柱部材14との端面同士が密着するようにしてもよい。施工上、接合される部材の端面間に20mm程度の隙間を設けるのが好ましい。
【0125】
また、第1〜第4の実施形態で示した下柱部材12の上面H、及び上柱部材14の下面Sの少なくとも一方にコッターを設ければ、上面Hと下面Sの間に硬化材Wを充填した後に、下柱部材12と上柱部材14との接合強度が増すので好ましい。
【0126】
また、第1〜第4の実施形態では、下柱部材12と上柱部材14の水平断面形状を同じにした例を示したが、下柱部材12と上柱部材14の水平断面形状は異なっていてもよい。例えば、水平断面形状が下柱部材12の水平断面形状よりも小さい上柱部材14を下柱部材12上に載置してもよい。
【0127】
また、第1〜第4の実施形態で示した丸鋼20、50A、50B、68A、68B、98、下孔16、42A、42B、60A、60B、上孔18、46A、46B、64A、64B、下貫通孔78、下挿入孔82、上貫通孔88、及び上挿入孔92の配置、本数は、必要とする接合強度等に応じて適宜決めればよい。
【0128】
また、第1〜第4の実施形態で示された硬化材Wには、一般に用いられているグラウト材を用いればよく、モルタル、エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0129】
また、第1〜第4の実施形態で示した柱鉄筋28、32、せん断補強筋30、34の配置や形状等は、下柱部材12や上柱部材14に求められる強度に応じて適宜決めればよい。
【0130】
また、第1〜第4の実施形態のPCa柱部材の接合構造10、40、58、76、108は、曲げモーメントが小さい柱の反曲点における接合に用いることが好ましい。
【0131】
また、PCa柱部材の接合構造10、40、58、76、108は、建物の一部に用いてもよいし、全てに用いてもよい。これらのPCa部材の接合構造を用いて建物を施工することにより、施工品質が向上した建物を構築することができる。
【0132】
これまで述べたように、第1〜第4の実施形態で示したPCa柱部材の接合構造10、40、58、76、108は、PCa製の下柱部材12上に載置したPCa製の上柱部材14を横方向又は水平に移動させることができる。
また、下柱部材上に載置されるPCa柱部材と、PCa梁部材とが一体化した2つの柱梁構造体を隣り合わせて配置し、柱梁構造体のPCa梁部材同士を接合する場合、下柱部材と柱梁構造体のPCa柱部材との接合構造にPCa柱部材の接合構造10、40、58、76、108を適用すれば、柱梁構造体を上下方向、横方向、又は水平に移動させて柱梁構造体のPCa梁部材同士を接合するさまざまな梁部材の接合方法を用いることができる。
【0133】
PCa柱部材の接合構造10、40、58、76、108は、柱梁構造体のPCa柱部材を下柱部材上に載置するとき、及び柱梁構造体のPCa柱部材を下柱部材上に載置した後に、柱梁構造体(柱梁構造体のPCa柱部材)の水平移動が可能であるので、柱梁構造体を横方向又は水平に移動させて柱梁構造体のPCa梁部材同士を接合する場合に特に有効となる。
このような、PCa柱部材を横移動又は水平移動してPCa梁部材同士を接合する方法では、梁部材の端面同士を密着させる(図15を参照のこと)か、又は梁部材の端面同士の間に小さな隙間を形成することができる。
すなわち、PCa梁部材同士の接合部にコンクリートを後打ちする作業(図14を参照のこと)を無くすことが可能となり、施工性の向上を図ることができる。
【0134】
以上、本発明の第1〜第4の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1〜第4の実施形態の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す正面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す正面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造を示す斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係るプレキャストコンクリート柱部材の接合構造の変形例を示す正面図である。
【図14】従来の建物の柱梁接合構造体を示す説明図である。
【図15】従来の建物の柱梁接合構造体を示す説明図である。
【符号の説明】
【0136】
10、40、58、76、108 プレキャストコンクリート柱部材の接合構造
12 下柱部材
14 上柱部材
16 下孔
18 上孔
20、50A、50B、68A、68B、98 丸鋼(接合部材)
22、52A、52B、70A、70B 貫通孔
42A、42B、60A、60B 下孔
46A、46B、64A、64B 上孔
78 下貫通孔
82 下挿入孔
88 上貫通孔
92 上挿入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、
プレキャストコンクリートによって形成され、前記下柱部材上に載置される上柱部材と、
前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下孔と、
前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上孔と、
前記下柱部材の側面又は前記上柱部材の側面から前記下孔と前記上孔とへ挿入されて、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合部材と、
を有することを特徴とするプレキャストコンクリート柱部材の接合構造。
【請求項2】
前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ直線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート柱部材の接合構造。
【請求項3】
前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ曲線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート柱部材の接合構造。
【請求項4】
プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、
プレキャストコンクリートによって形成され、前記下柱部材上に載置される上柱部材と、
前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下貫通孔と、
前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から内部へ達する下挿入孔と、
前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上貫通孔と、
前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から内部へ達する上挿入孔と、
前記下柱部材の側面から前記下貫通孔と前記上挿入孔とへ、又は前記上柱部材の側面から前記上貫通孔と前記下挿入孔とへ挿入されて、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合部材と、
を有することを特徴とするプレキャストコンクリート柱部材の接合構造。
【請求項5】
前記接合部材によって前記下柱部材と前記上柱部材とが接合された後に、前記接合部材にプレストレスが導入されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート柱部材の接合構造。
【請求項6】
プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成されて前記下柱部材上に載置される上柱部材とを接合するプレキャストコンクリート柱部材の接合方法において、
前記下柱部材の側面又は前記上柱部材の側面から、前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下孔と前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上孔とへ接合部材を挿入して、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合工程を有することを特徴とするプレキャストコンクリート柱部材の接合方法。
【請求項7】
前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ直線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする請求項6に記載のプレキャストコンクリート柱部材の接合方法。
【請求項8】
前記下柱部材上に前記上柱部材を載置したときに、前記下孔と前記上孔とによって前記上柱部材の側面から前記下柱部材の側面へ曲線的に貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする請求項6に記載のプレキャストコンクリート柱部材の接合方法。
【請求項9】
プレキャストコンクリートによって形成された下柱部材と、プレキャストコンクリートによって形成されて前記下柱部材上に載置される上柱部材とを接合するプレキャストコンクリート柱部材の接合方法において、
前記下柱部材の側面から、前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から側面へ貫通する下貫通孔と前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から内部へ達する上挿入孔とへ、又は前記上柱部材の側面から、前記上柱部材に形成され前記上柱部材の下面から側面へ貫通する上貫通孔と前記下柱部材に形成され前記下柱部材の上面から内部へ達する下挿入孔とへ接合部材を挿入して、前記下柱部材と前記上柱部材とを接合する接合工程を有することを特徴とするプレキャストコンクリート柱部材の接合方法。
【請求項10】
前記接合部材によって前記下柱部材と前記上柱部材とが接合された後に、前記接合部材にプレストレスが導入されることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート柱部材の接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−114756(P2009−114756A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−289705(P2007−289705)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】