説明

プレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法およびその型枠

【課題】梁の部分と柱の部分との境の箇所においてコンクリートの打ち分けを設計どおりにきれいに行なえるプレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】梁部用および柱部用の鉄筋を梁用型枠22、柱用型枠24に組み込む。仕切り板26を梁用第1型枠32と梁用第2型枠34の開放端36A、38Aにそれぞれ配設し、梁部形成用のコンクリート打設空間36、38と柱部形成用のコンクリート打設空間42との間で主筋T1を挿通させた状態でそれら空間を仕切る。そして、梁部形成用のコンクリート打設空間36、38に梁用コンクリートC1を打設し、養生する。次に、仕切り板26を取り外して梁用第1型枠32と梁用第2型枠34の開放端36A、38Aに柱用型枠24を組み付ける。そして、柱用型枠24のコンクリート打設空間42に、柱用コンクリートC2を打設し、養生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法とその型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造の構造物ではその構造物の強度を確保しつつコストダウンを図るため、柱には高強度のコンクリートが用いられ、梁には柱よりも強度の低いコンクリートが用いられる。
一方、上記の構造物では、梁の一部と柱の一部とが一体化されたプレキャストコンクリート梁柱部材が用いられ、梁の部分と柱の部分では、それぞれ梁と柱に要求される強度に応じてコンクリートが打ち分けられる。
【特許文献1】特開平7−034597
【特許文献2】特開平6−299598
【特許文献3】特開平6−185111
【特許文献4】特開平5−295789
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこのコンクリートの打ち分けを、型枠内にそれぞれ梁用の鉄筋と柱用の鉄筋を組み込んだのち、ラス網などで梁部分を柱部分から仕切り、先に梁部分にコンクリートを打設し、その後、柱部分にコンクリートを打設するようにして行なっている。
しかしながら、梁の鉄筋は、主筋に加えスターラップ筋を含むものであるため、スターラップ筋の外側と型枠面との間の狭い隙間にはラス網を入れることができず、梁の部分にコンクリートを打設した際に、梁用のコンクリートが柱の部分に流れでるため、コンクリートの打ち分けを設計どおりにきれいに行なえない不具合があった。
本発明者は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、梁柱部材を製造するに際して、梁の部分と柱の部分との境の箇所においてコンクリートの打ち分けを設計どおりにきれいに行なえるプレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法とその型枠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため本発明は、梁用型枠と柱用型枠を用いて、鉄筋コンクリート製の梁部の長さ方向の端部に、鉄筋コンクリート製の柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材を製造する製造方法であって、前記梁用型枠を、前記梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端となるように構成し、前記柱用型枠を、前記梁用型枠の前記開放端部分に連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成し、前記梁部用の鉄筋および前記柱部用の鉄筋を前記梁用型枠および前記柱用型枠に組み込み、前記梁用型枠の前記開放端に仕切り板を配設して、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で前記鉄筋を挿通させた状態で前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切り、前記梁用型枠のコンクリート打設空間に梁用コンクリートを打設し、養生したのち、前記仕切り板を取り外し、前記梁用型枠のコンクリート打設空間の前記開放端に位置する梁用コンクリートの端面と、前記柱用型枠とで形成される柱部形成用のコンクリート打設空間に柱用コンクリートを打設し、養生するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、梁用型枠と柱用型枠を用いて、鉄筋コンクリート製の梁部の長さ方向の中間部に、鉄筋コンクリート製の柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材を製造する製造方法であって、前記梁用型枠を、前記柱部の一方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端とされた梁用第1型枠と、前記柱部の他方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が前記開放端と向かい合う開放端とされた梁用第2型枠とで構成し、前記柱用型枠を、前記梁用第1型枠の前記開放端部分と前記梁用第2型枠の前記開放端部分とに連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成し、前記梁部用の鉄筋および前記柱部用の鉄筋を前記梁用型枠および前記柱用型枠に組み込み、前記梁用第1型枠と前記梁用第2型枠の開放端に仕切り板をそれぞれ配設して、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で前記鉄筋を挿通させた状態で前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切り、前記梁用第1型枠のコンクリート打設空間と前記梁用第2型枠のコンクリート打設空間に梁用コンクリートを打設し、養生したのち、前記仕切り板を取り外し、前記梁用第1型枠のコンクリート打設空間の開放端に位置する梁用コンクリートの端面と、前記梁用第2型枠のコンクリート打設空間の開放端に位置する梁用コンクリートの端面と、前記柱用型枠とで形成される柱部形成用のコンクリート打設空間に柱用コンクリートを打設し、養生するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、梁用コンクリートと鉄筋からなる梁部の長さ方向の端部に、柱用コンクリートと鉄筋からなる柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠であって、梁用型枠と柱用型枠と仕切り板とを備え、前記梁用型枠は、前記梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端とされて構成され、前記柱用型枠は、前記梁用型枠の開放端部分に連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成され、前記仕切り板は、前記梁用型枠の開放端に着脱可能に配設され、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で鉄筋の挿通を可能としかつ前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切るように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、梁用コンクリートと鉄筋からなる梁部の長さ方向の中間部に、柱用コンクリートと鉄筋からなる柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠であって、梁用型枠と柱用型枠と仕切り板とを備え、前記梁用型枠は、前記柱部の一方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端とされた梁用第1型枠と、前記柱部の他方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が前記開放端と向かい合う開放端とされた梁用第2型枠とで構成され、前記柱用型枠は、前記梁用第1型枠の前記開放端部分と前記梁用第2型枠の前記開放端部分とに連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成され、前記仕切り板は、前記梁用第1型枠と前記梁用第2型枠の開放端にそれぞれ着脱可能に配設され、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で鉄筋の挿通を可能としかつ前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切るように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明では、梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間の境の箇所に、鉄筋が挿通される仕切り板を配置してそれら空間を仕切るようにしたので、梁と柱との境においてコンクリートの打ち分けを設計どおりにきれいに行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
まず、製造すべきプレキャストコンクリート梁柱部材から説明する。
図1は製造すべきプレキャストコンクリート梁柱部材10の斜視図を示す。
製造すべきプレキャストコンクリート梁柱部材10は、鉄筋コンクリート製の梁部12の長さ方向の中間部に、鉄筋コンクリート製の柱部14が設けられている。
梁部12は、梁用コンクリートと鉄筋からなり、柱部14は、柱用コンクリートと鉄筋(不図示)からなり、梁部12の長さ方向と直交する面で切った柱部14の断面は、梁部12の長さ方向と直交する面で切った梁部12の断面よりも大きい。
なお、梁部用の鉄筋は主筋T1やスターラップ筋T2を含み、また、柱部用の鉄筋も不図示ではあるが主筋やフープ筋を含んでいる。
【0007】
図2は、柱用型枠24の端面2406を取り外した状態の型枠20の斜視図、図3は、梁部形成用のコンクリート打設空間36の開放端36Aを仕切り板26で仕切った状態の斜視図、図4は、梁部形成用のコンクリート打設空間36の開放端36Aを仕切り板26で仕切った状態をコンクリート打設空間36の内側から見た斜視図、図5は、梁部形成用のコンクリート打設空間38の開放端38Aを仕切り板26で仕切った状態の正面図、図6(A)、(B)、(C)は仕切り板26の説明図、図7(A)乃至(D)は製造工程の説明図を示す。
プレキャストコンクリート梁柱部材10の型枠20は、梁用型枠22と柱用型枠24と仕切り板26とを含んで構成されている。
梁用型枠22は、梁用第1型枠32と梁用第2型枠34とで構成されている。
梁用第1型枠32は、柱部14の一方の側に位置する梁部12の部分の形成用で、梁部形成用のコンクリート打設空間36が水平方向に延在しており、その延在方向の端部が開放端36Aとなっている。
梁用第2型枠34は、柱部14の他方の側に位置する梁部12の部分の形成用で、梁部形成用のコンクリート打設空間38が水平方向に延在しており、その延在方向の端部が開放端36Aと向かい合う開放端38Aとなっている。
より詳細に説明すると、各コンクリート打設空間36、38は、上部が開放されており、梁部12の4つの側面のうちの3つの側面を形成する3つの型面と、梁部12の延在方向の端面を形成する型面を備えている。
3つの型面のうちの1つの型面は上方を向いた底面であり、他の2つの型面は底面の両側から起立し互いに対向する一対の側面である。
梁部12の延在方向の端面を形成する型面は、底面の延在方向の端部から起立している。
【0008】
柱用型枠24は、梁用第1型枠32の開放端36A部分と梁用第2型枠34の開放端38A部分とに連結されて梁部形成用のコンクリート打設空間36、38に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間42を形成するものである。
より詳細には、柱用型枠24は、梁用第1型枠32の開放端36Aに位置する梁部12の端面(コンクリート打設空間36に打設された梁用コンクリートC1の端面)と、梁用第2型枠34の開放端38Aに位置する梁部12の端面(コンクリート打設空間38に打設された梁用コンクリートC1の端面)と協働して柱部形成用のコンクリート打設空間42を形成するものである。
柱用型枠24は、コンクリート打設空間42の底部を仕切る底面2402と、コンクリート打設空間36、38を仕切る一対の側面の開放端36A、38Aから外側に突出する互いに対向する一対の側面2404と、一対の側面2404の先端を接続する端面2406とを有している。
なお、柱部14は、梁部12の長さ方向と直交する面で切った断面が梁部12よりも大きいため、梁部12の長さ方向と直交する面で切った柱部形成用のコンクリート打設空間42の面積は、梁部12の長さ方向と直交する面で切った梁部形成用のコンクリート打設空間36、38の面積よりも大きい。
【0009】
仕切り板26は、梁用第1型枠32と梁用第2型枠34の開放端36A、38Aにそれぞれ着脱可能に配設されるように一対設けられている。
各仕切り板26は、梁部形成用のコンクリート打設空間36、38と柱部形成用のコンクリート打設空間42との間で梁部12の主筋T1の挿通を可能としかつ梁部形成用のコンクリート打設空間36、38と柱部形成用のコンクリート打設空間42とを仕切るように構成されている。
各仕切り板26は、梁部12の主筋T1が挿通されるように欠部を有する鋼板と欠部を有さない鋼板とが上下に複数並べて構成されている。
【0010】
本実施の形態では、各仕切り板26は、上から順に第1鋼板50と、第2鋼板52と、第3鋼板54と、第4鋼板56との4枚の鋼板で構成され、第1鋼板50と第3鋼板54にそれぞれ複数の欠部5002、5402が設けられている。
第1鋼板50は、梁用第1型枠32の開放端36Aの上部と、梁用第2型枠34の開放端38Aの上部に配置され、従って、第1鋼板50よりも下方に開放端36A、38Aが形成されていることになる。
なお、図6において符号57は、ボルト挿通孔を示す。
本実施の形態では、柱部14は、梁部12の長さ方向と直交する面で切った断面が梁部12よりも大きく、梁部12の長さ方向と直交する面で切った柱部形成用のコンクリート打設空間42の面積は、梁部12の長さ方向と直交する面で切った梁部形成用のコンクリート打設空間36、38の面積よりも大きいため、第1鋼板50は、梁部形成用のコンクリート打設空間36、38と柱部形成用のコンクリート打設空間42との境に配設されそれら空間を仕切る仕切り板26として機能すると共に、柱用コンクリートC2の打設時に取り外されずに柱用型枠24としても機能しており、第1鋼板50は、梁用コンクリートC1の打設時および柱用コンクリートC2の打設時を問わず梁用第1、第2型枠32、34に取着されたままである。
なお、柱部14が、梁部12の長さ方向と直交する面で切った断面が梁部12と等しい場合、梁部12の長さ方向と直交する面で切った柱部形成用のコンクリート打設空間42の面積と、梁部12の長さ方向と直交する面で切った梁部形成用のコンクリート打設空間36、38の面積とが等しくなり、この場合には、柱部形成用のコンクリート打設空間42への柱用コンクリートC2の打設時に全ての鋼板(仕切り板)は取り外されることになる。
【0011】
次に、プレキャストコンクリート梁柱部材10の製造方法について説明する。
図2、図7(A)に示すように、仕切り板26および柱用型枠24の端面2406を取り外した状態で、他の場所で組み付けた梁部用の鉄筋および柱部用の鉄筋を、梁用型枠22、柱用型枠24に組み込む。
なお、梁部用の鉄筋および柱部用の鉄筋を梁用型枠22、柱用型枠24に組み込み時に、上述のように柱用型枠24の一部(端面2406)を取り外すようにしておくと、梁部用の鉄筋および柱部用の鉄筋を簡単に組み込む上で有利となり、また、後述する仕切り板26の取り付け、取り外しを簡単に行う上で有利となる。
【0012】
次に、図3乃至図5、図7(B)に示すように、一対の仕切り板26(より詳細には、第1乃至第4鋼板50、52、54、56)を梁用第1型枠32と梁用第2型枠34の開放端36A、38Aにそれぞれ配設し、梁部形成用のコンクリート打設空間36、38と柱部形成用のコンクリート打設空間42との間で主筋T1を挿通させた状態で梁部形成用のコンクリート打設空間36、38と柱部形成用のコンクリート打設空間42とを仕切る。
そして、図7(C)に示すように、梁部形成用のコンクリート打設空間36、38に梁用コンクリートC1を打設し、養生する。
【0013】
次に、図7(D)に示すように、仕切り板26を取り外して(より詳細には、第1鋼板50のみを残し、残りの第2乃至4鋼板52、54、56を取り外して)梁用第1型枠32と梁用第2型枠34の開放端36A、38Aに柱用型枠24を組み付ける。
そして、図7(E)に示すように、梁用第1型枠32の開放端36Aに位置する梁用コンクリートC1の端面と、梁用第2型枠34の開放端38Aに位置する梁用コンクリートC1の端面と、一対の側面2404と、一対の端面2606と、第1鋼板50とで形成される柱部形成用のコンクリート打設空間42に、梁用コンクリートC1よりも強度の大きい柱用コンクリートC2を打設し、養生する。
【0014】
本実施の形態では、梁部形成用のコンクリート打設空間36、38と柱部形成用のコンクリート打設空間42の境の箇所に、梁部12の主筋T1が挿通される仕切り板26を配置してそれら空間36、38,42を仕切るようにしたので、梁12と柱14との境においてコンクリートの打ち分けを設計どおりにきれいに行なうことが可能となる。
【0015】
なお、本実施の形態では、鉄筋コンクリート製の梁部12の長さ方向の中間部に、鉄筋コンクリート製の柱部14が設けられプレキャストコンクリート梁柱部材10の場合について説明したが、本発明は、鉄筋コンクリート製の梁部12の長さ方向の端部に、鉄筋コンクリート製の柱部14が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材10にも無論適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】製造すべきプレキャストコンクリート梁柱部材10の斜視図である。
【図2】柱用型枠24の端面2406を取り外した状態の型枠20の斜視図である。
【図3】梁部形成用のコンクリート打設空間36の開放端36Aを仕切り板26で仕切った状態の斜視図である。
【図4】梁部形成用のコンクリート打設空間36の開放端36Aを仕切り板26で仕切った状態をコンクリート打設空間36の内側から見た斜視図である。
【図5】梁部形成用のコンクリート打設空間38の開放端38Aを仕切り板26で仕切った状態の正面図である。
【図6】(A)、(B)、(C)は仕切り板26の説明図である。
【図7】(A)乃至(D)は製造工程の説明図である。
【符号の説明】
【0017】
10……プレキャストコンクリート梁柱部材、12……梁部、14……柱部、20……型枠、22……梁用型枠、24……柱用型枠、26……仕切り板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁用型枠と柱用型枠を用いて、鉄筋コンクリート製の梁部の長さ方向の端部に、鉄筋コンクリート製の柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材を製造する製造方法であって、
前記梁用型枠を、前記梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端となるように構成し、
前記柱用型枠を、前記梁用型枠の前記開放端部分に連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成し、
前記梁部用の鉄筋および前記柱部用の鉄筋を前記梁用型枠および前記柱用型枠に組み込み、
前記梁用型枠の前記開放端に仕切り板を配設して、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で前記鉄筋を挿通させた状態で前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切り、
前記梁用型枠のコンクリート打設空間に梁用コンクリートを打設し、養生したのち、前記仕切り板を取り外し、
前記梁用型枠のコンクリート打設空間の前記開放端に位置する梁用コンクリートの端面と、前記柱用型枠とで形成される柱部形成用のコンクリート打設空間に柱用コンクリートを打設し、養生するようにした、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法。
【請求項2】
梁用型枠と柱用型枠を用いて、鉄筋コンクリート製の梁部の長さ方向の中間部に、鉄筋コンクリート製の柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材を製造する製造方法であって、
前記梁用型枠を、前記柱部の一方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端とされた梁用第1型枠と、前記柱部の他方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が前記開放端と向かい合う開放端とされた梁用第2型枠とで構成し、
前記柱用型枠を、前記梁用第1型枠の前記開放端部分と前記梁用第2型枠の前記開放端部分とに連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成し、
前記梁部用の鉄筋および前記柱部用の鉄筋を前記梁用型枠および前記柱用型枠に組み込み、
前記梁用第1型枠と前記梁用第2型枠の開放端に仕切り板をそれぞれ配設して、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で前記鉄筋を挿通させた状態で前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切り、
前記梁用第1型枠のコンクリート打設空間と前記梁用第2型枠のコンクリート打設空間に梁用コンクリートを打設し、養生したのち、前記仕切り板を取り外し、
前記梁用第1型枠のコンクリート打設空間の開放端に位置する梁用コンクリートの端面と、前記梁用第2型枠のコンクリート打設空間の開放端に位置する梁用コンクリートの端面と、前記柱用型枠とで形成される柱部形成用のコンクリート打設空間に柱用コンクリートを打設し、養生するようにした、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法。
【請求項3】
前記梁部用の鉄筋および前記柱部用の鉄筋の前記梁用型枠および前記柱用型枠への組み込み時に、前記柱用型枠の一部の部分が取り外される、
ことを特徴とする請求項1または2記載のプレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法。
【請求項4】
前記柱部は、前記梁部の長さ方向と直交する面で切った断面が前記梁部よりも大きく、
前記梁部の長さ方向と直交する面で切った前記柱部形成用のコンクリート打設空間の面積は、前記梁部の長さ方向と直交する面で切った前記梁部形成用のコンクリート打設空間の面積よりも大きく、
前記仕切り板は、前記鉄筋が挿通されるように欠部を有する鋼板と欠部を有さない鋼板とが上下に複数並べられて構成され、
最も上位に位置する鋼板は、前記梁用第1型枠のコンクリート打設空間の開放端の上部と、前記梁用第2型枠のコンクリート打設空間の開放端の上部に設けられ、柱部形成用のコンクリート打設空間への柱用コンクリートの打設時に取り外されず、前記柱用型枠の型面として機能する、
ことを特徴とする請求項2記載のプレキャストコンクリート梁柱部材の製造方法。
【請求項5】
梁用コンクリートと鉄筋からなる梁部の長さ方向の端部に、柱用コンクリートと鉄筋からなる柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠であって、
梁用型枠と柱用型枠と仕切り板とを備え、
前記梁用型枠は、前記梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端とされて構成され、
前記柱用型枠は、前記梁用型枠の開放端部分に連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成され、
前記仕切り板は、前記梁用型枠の開放端に着脱可能に配設され、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で鉄筋の挿通を可能としかつ前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切るように構成されている、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠。
【請求項6】
梁用コンクリートと鉄筋からなる梁部の長さ方向の中間部に、柱用コンクリートと鉄筋からなる柱部が設けられたプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠であって、
梁用型枠と柱用型枠と仕切り板とを備え、
前記梁用型枠は、前記柱部の一方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が開放端とされた梁用第1型枠と、前記柱部の他方の側に位置する前記梁部の部分の梁部形成用のコンクリート打設空間が水平方向に延在しその延在方向の端部が前記開放端と向かい合う開放端とされた梁用第2型枠とで構成され、
前記柱用型枠は、前記梁用第1型枠の前記開放端部分と前記梁用第2型枠の前記開放端部分とに連結されて前記梁部形成用のコンクリート打設空間に連通する柱部形成用のコンクリート打設空間を形成するように構成され、
前記仕切り板は、前記梁用第1型枠と前記梁用第2型枠の開放端にそれぞれ着脱可能に配設され、前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間との間で鉄筋の挿通を可能としかつ前記梁部形成用のコンクリート打設空間と柱部形成用のコンクリート打設空間とを仕切るように構成されている、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠。
【請求項7】
前記仕切り板は、前記鉄筋が挿通されるように欠部を有する鋼板と欠部を有さない鋼板とが上下に複数並べられて構成されている、
ことを特徴とする請求項5または6記載のプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠。
【請求項8】
前記柱部は、前記梁部の長さ方向と直交する面で切った断面が前記梁部よりも大きく、
前記梁部の長さ方向と直交する面で切った前記柱部形成用のコンクリート打設空間の面積は、前記梁部の長さ方向と直交する面で切った前記梁部形成用のコンクリート打設空間の面積よりも大きく、
前記仕切り板は、前記鉄筋が挿通されるように欠部を有する鋼板と欠部を有さない鋼板とが上下に複数並べられて構成され、
最も上位に位置する鋼板は、前記梁用第1型枠のコンクリート打設空間の開放端の上部と、前記梁用第2型枠のコンクリート打設空間の開放端の上部に設けられ、それぞれ下方に開放状の欠部が複数形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載のプレキャストコンクリート梁柱部材製造用の型枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−41275(P2009−41275A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208074(P2007−208074)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(507270252)株式会社テクノマテリアル (4)
【Fターム(参考)】