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プレキャストコンクリート部材の製造および接合ならびに施工方法
説明

プレキャストコンクリート部材の製造および接合ならびに施工方法

【課題】簡単な作業でモルタル注入路やエア排出路を確実に形成できるモルタル注入路およびエア排出路形成用治具を提供すること。
【解決手段】コンクリート型枠12の内のモルタル充填継手14のモルタル注入用開口14Aとエア排出用開口14Bに治具16をそれぞれ取り付ける。治具16の取り付けは、筒状部材26に筒体28を被せ、ゴムワッシャ24と、筒体28が被せられた筒状部材26に雄ねじ部材3002を挿通し、雄ねじ部材3002の先端にナット3004を螺合した状態で、ナット3004を開口14A、14Bからモルタル充填継手14の内部に挿入すると共にゴムワッシャ24を開口14A、14Bに装着し、雄ねじ部材3002の他端を、コンクリート型枠12の側板1204の孔1206から側板1204の外面に突出させ、側板1204の外面においてナット3006を雄ねじ部材3002に締め付けて行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート部材の製造および接合ならびに施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、プレキャストコンクリート部材(あるいはプレキャストコンクリートブロック)は、建設や土木などの分野において種々の用途に用いられている。
そして、プレキャストコンクリート部材を重ね合わせて用いる場合には、一般に、モルタル充填継手が使用され、一方のプレキャストコンクリート部材の鉄筋を、他方のプレキャストコンクリート部材に埋設されたモルタル充填継手の内部に挿入し、プレキャストコンクリート部材の位置合わせ調節をした後、モルタル充填継手の内部に、エア排出路から内部のエアを排出しつつモルタル注入路からモルタルを充填し、双方のプレキャストコンクリートブロックを一体化するようにしている。
【0003】
モルタル充填継手を備えるプレキャストコンクリート部材の製作は、従来、次のように行なわれている。
コンクリート型枠の内部で、鉄筋やロッド材を用いてモルタル充填継手を固定する。
また、モルタル注入路を形成するため、コンクリート型枠内で、モルタル充填継手のモルタル注入用開口とこの開口に対向するコンクリート型枠箇所との間にわたって塩ビ(塩化ビニル)パイプを、鉄筋やロッド材を用いて固定する。同様に、エア排出路を形成するため、モルタル充填継手のエア排出用開口とこの開口に対向するコンクリート型枠箇所との間にわたって塩ビパイプを、鉄筋やロッド材を用いて固定する。
そして、コンクリート型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートの硬化後、脱型することでプレキャストコンクリート部材を製作している。
【0004】
また、プレキャストコンクリート部材を上下に重ね合わせ、この重ね合わせたものを横方向に並べて構造物を構築する場合、例えば、下水道を構築する際に用いられるボックスカルバートでは、上方に開放されたコ字状の下部プレキャストコンクリート部材の両側に、それぞれ矩形の側壁状の中間プレキャストコンクリート部材を載せ、それら両側の中間プレキャストコンクリート部材の上に、下方に開放されたコ字状の上部プレキャストコンクリート部材を載せ、このように4つのプレキャストコンクリート部材により断面がロ字状のブロックを形成する。
そして、断面がロ字状のブロックを横方向に並べていき、その際、例えば3つのブロック毎に、ブロックの4隅においてPC鋼線による締め付けがなされ、軸方向にプレストレスを与え一体化させるようにしている。
【0005】
プレキャストコンクリート部材どうしの接合には、一般に、モルタル充填継手が用いられており、モルタル充填継手を用いる場合、モルタルの充填作業はPC緊張の後で行われるため、未硬化のモルタルの強度への影響はなかった。
しかし、充填作業性を優先した部材建込み前にモルタルを充填する方法を採る場合、部材接合面の水平方向のせん断変位を防止するための特殊ピン(例えば、特開平11−056665号公報)を設け、モルタル強度に影響を与えないようにする必要がある。
【0006】
また、上述のように、ボックスカルバートでは、上方に開放されたコ字状の下部プレキャストコンクリート部材の両側に、それぞれ矩形の側壁状の中間プレキャストコンクリート部材を載せ、それら両側の中間プレキャストコンクリート部材の上に、下方に開放されたコ字状の上部プレキャストコンクリート部材を載せ、これらプレキャストコンクリート部材間をモルタル充填継手により固定するようにしているが、この場合、下部プレキャストコンクリート部材の両側上で、それぞれ中間プレキャストコンクリート部材を固定する前に、下部プレキャストコンクリート部材に対する中間プレキャストコンクリート部材の鉛直度調節がなされ、仮固定がなされている。
従来、この鉛直度調節および仮固定は、下部プレキャストコンクリート部材の両側部と中間プレキャストコンクリート部材の内側面との間にわたってプレートを取着すると共に、下部プレキャストコンクリート部材の底壁の両側と、中間プレキャストコンクリート部材の内側面との間に長さ調節可能な支保工を掛け渡すことで行なっている。
【0007】
また、プレキャストコンクリート部材をそれらの接合面を合わせて上下に重ね、モルタル充填継手により固定するプレキャストコンクリート部材を接合する場合、モルタル充填継手の内部には相手方のプレキャストコンクリート部材の定着鉄筋が挿入される。
そして、モルタル充填継手にモルタルを充填し、これにより重ね合わされた双方のプレキャストコンクリート部材を接合するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような従来のモルタル充填継手の取り付け方法では、モルタル注入路形成用とエア排出路形成用の塩ビパイプを鉄筋やロッド材を用いてコンクリート型枠内に固定する作業に手間取る不具合があった。
また、コンクリート型枠内にコンクリートを打設した後、強力な振動を与えてコンクリートの締め固めを行う場合も多く、このような場合には、振動により塩ビパイプが外れてしまい、モルタル注入路やエア排出路が形成できない不具合があった。
【0009】
また、上下に重ね合わされたプレキャストコンクリート部材のせん断変位を防止するため特殊ピンを用いる従来の方法では、特殊ピンを結合させるためにプレキャストコンクリート部材に極めて高い精度が要求されると共に、特殊ピン自体の単価も高く、コストダウンを図る上で不利があった。
【0010】
また、ボックスカルバートの製作時に、中間プレキャストコンクリート部材の鉛直度調節および仮固定に支保工を用いる従来の方法では、下部プレキャストコンクリート部材の底壁上からボックスカルバートの内部で斜めに支保工が掛け渡され、仮設材としてモルタル充填継手が所要の強度を発生するまで残置されるため、作業員が出入りしにくく、また、モルタル充填、PC鋼材緊張、目地コーキング、後埋め作業などの作業範囲も狭められる不具合があった。
この不具合は、ボックスカルバートに限らず、その他のプレキャストコンクリート部材を上下に重ね合わせ、鉛直度調節および仮固定を行なう場合に生じており、したがって、従来の鉛直度調節および仮固定方法ではプレキャストコンクリート部材の組立効率を高める上で不利があった。
【0011】
また、モルタル充填継手の内部に相手方のプレキャストコンクリート部材の定着鉄筋を挿入し、モルタル充填継手にモルタルを充填してプレキャストコンクリート部材を接合する場合、従来では、定着鉄筋は平坦な接合面から突出されており、そのため、プレキャストコンクリート部材が重ね合わされ接合された場合でも、それらの接合面の間から水分(水分や酸素)が浸入して定着鉄筋に接触し易く、定着鉄筋の耐久性を高めるため、定着鉄筋に対する止水性の点で何らかの改善が望まれていた。
【0012】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、簡単な作業でモルタル注入路やエア排出路を確実に形成できるモルタル注入路およびエア排出路形成用治具を提供することにある。
また、本発明の目的は、プレキャストコンクリート部材に高い精度を要求することなく簡単な作業により上下に重ね合わされるプレキャストコンクリート部材の水平方向のせん断変位を防止できるプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、プレキャストコンクリート部材を上下に重ね合わせて鉛直度調節、仮固定を行なう場合に、場所を取らずに確実に鉛直度調節、仮固定を行なえるプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具および鉛直精度調節方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、プレキャストコンクリート部材を上下に重ね合わせて仮固定を行なう場合に、簡単な構成で確実に仮固定を行なえるプレキャストコンクリート部材の仮固定方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、簡単な構成により定着鉄筋に対する止水性を高めることができるプレキャストコンクリート部材の接合構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため本発明のモルタル注入路およびエア排出路形成用治具は、モルタル充填継手のモルタル注入用とエア排出用の開口の内周面に装着され該開口の中心軸方向に圧縮されると拡径する環状のゴムワッシャと、前記開口と、この開口に対向するコンクリート型枠箇所との間にわたって配設され剛性を有する材料から形成された筒状部材と、前記開口と前記コンクリート型枠箇所との間にわたって配設され前記筒状部材に被せられる筒体と、前記型枠箇所の外側から前記筒状部材およびゴムワッシャに挿通されこれら筒状部材、ゴムワッシャをモルタル充填継手の内部と前記型枠箇所の間で前記開口の中心軸方向に締め付ける締め付け手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法は、下側に位置するプレキャストコンクリート部材の上向きの接合面に下方に窪む下部コッターを形成すると共に、上側に位置するプレキャストコンクリート部材の下向きの接合面に下方に突出する上部コッターを形成し、さらに、これら下部コッターおよび上部コッターを、双方の接合面を合わせ下部コッターに上部コッターを挿入した際に、下部コッター内で上部コッターの全周に空間ができるように形成しておき、前記下部コッター内に、硬化前で流動性を有する状態の硬化材を注入した後、プレキャストコンクリート部材を上下に重ね合わせ、上部コッターを下部コッター内に挿入して前記硬化材中に浸漬させ、上下のプレキャストコンクリート部材の位置合わせ後、前記硬化材を硬化させ前記硬化材により上下のプレキャストコンクリート部材の水平方向のせん断変位を防止するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具は、下側のプレキャストコンクリート部材の壁面の上部から、上側のプレキャストコンクリート部材の壁面の下部にわたって延在するように配設される矩形状のベースプレートと、前記ベースプレートを下側のプレキャストコンクリート部材の前記壁面の上部に着脱可能に固定する第1仮止めボルトと、前記ベースプレートの上部で左右に間隔をおいた2箇所でそれぞれ上下に延在する長孔と、前記各長孔を通して上側のプレキャストコンクリート部材の下部にそれぞれ取着される第2仮止めボルトと、前記各長孔の下部に臨ませて前記ベースプレートに取着された上下に延在する筒状部材と、前記筒状部材の下部から該筒状部材に挿通され上端が筒状部材の上端から上方に突出して前記第2仮止めボルトに係合する調節ボルトと、前記調節ボルトの筒状部材の上端から上方への突出量を調節する突出量調節手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の鉛直精度調節具は、下側のプレキャストコンクリート部材の壁面の上部から上側のプレキャストコンクリート部材の壁面の下部にわたって延在するように配設される矩形状のベースプレートと、前記ベースプレートを下側のプレキャストコンクリート部材の壁面の上部に着脱可能に固定する第1仮止めボルトと、前記ベースプレートの上部で左右に間隔をおいた2箇所でそれぞれ上下に延在する長孔と、前記各長孔を通して上側のプレキャストコンクリート部材の下部にそれぞれ取着される第2仮止めボルトと、前記ベースプレートの左右に間隔をおいた2箇所にそれぞれ取着された支持片と、前記各支持片の下方から上方に向けて螺合された上下に延在する調節ボルトと、前記各支持片の上方で各調節ボルトの上部に該調節ボルトと一体に上下に移動するように結合されると共に、第2仮止めボルトと一体に上下に移動するように各第2仮止めボルトに結合された調節片とを備えることを特徴とする。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の仮固定方法は、上下に重ねられる上側または下側の一方のプレキャストコンクリート部材のモルタル充填継手の内部に挿入された上側または下側の他方のプレキャストコンクリート部材の鉄筋を、前記一方のプレキャストコンクリート部材において前記鉄筋に対してほぼ直交する方向で互いに180度異なる方向から押圧可能なボルトを設け、前記ボルトにより鉄筋を押圧することで上側のプレキャストコンクリート部材を仮固定するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節方法は、プレキャストコンクリート部材をそれらの接合面を合わせて上下に重ねモルタル充填継手により固定する際の上側のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節方法であって、上側のプレキャストコンクリート部材の互いに反対方向を向いた壁面から、その接合面に対してそれぞれ鋭角をなして該接合面に開口する雌ねじを設け、これら雌ねじにそれぞれ雄ねじを螺合させ、雄ねじにより下側のプレキャストコンクリート部材の接合面を押圧することで上側のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節を行なうようにしたことを特徴とする。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の接合構造は、モルタル充填継手が埋め込まれた第1プレキャストコンクリート部材に、モルタル充填継手の端部から該第1プレキャストコンクリート部材の接合面にわたって延在する空間部を設け、前記第1プレキャストコンクリート部材に接合される第2プレキャストコンクリート部材の接合面に、前記モルタル充填継手の内部に挿入される定着鉄筋を突出させると共にこの定着鉄筋の周りから膨出し前記空間部に挿入可能なコッターを設け、前記モルタル充填継手の内部に前記定着鉄筋を挿入するとともに前記空間部に前記コッターを挿入し、前記第1プレキャストコンクリート部材と第2プレキャストコンクリート部材の双方の接合面を合わせ、前記モルタル充填継手に充填したモルタルにより第1プレキャストコンクリート部材と第2プレキャストコンクリート部材を接合するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のモルタル注入路およびエア排出路形成用治具によれば、従来のように、コンクリート型枠内で鉄筋やロッド材を用いて塩ビパイプを固定する必要はなくなり、ゴムワッシャ、筒状部材、筒体、締め付け手段を用いることで簡単な作業でモルタル注入路やエア排出路を確実に形成できる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法によれば、プレキャストコンクリート部材に高い精度が要求されることはなく、下部コッター、上部コッター、硬化材を用いるといった簡単な構成によりプレキャストコンクリート部材の水平方向のせん断変位を阻止できる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具によれば、調節ボルトの操作によって上側プレキャストコンクリート部材の鉛直度の調節が確実になされ、また、プレキャストコンクリート部材の壁面に鉛直精度調節具が位置するのみであり、長さ調節可能な従来の支保工を取り除くことができるので、プレキャストコンクリート部材の組立効率を格段と高めることが可能となる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の仮固定方法によれば、モルタル充填継手に挿入される定着鉄筋をボルトで押圧するといった簡単な構成により、プレキャストコンクリート部材の位置決めおよび仮固定を確実に行なうことが可能となる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節方法によれば、操作した雄ねじ側のプレキャストコンクリート部材の壁面が上昇するので、雄ねじと雌ねじを用いた簡単な構成によりプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節を確実に行なうことが可能となる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の接合構造によれば、重ね合わされたプレキャストコンクリート部材の接合面間において定着鉄筋がコッターおよびモルタルで覆われ、したがって、水分(水分や酸素)が定着鉄筋に接触することを阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】モルタル注入路およびエア排出路形成用治具の使用状態の説明図である。
【図2】治具の分解斜視図である。
【図3】ゴムワッシャ部分の拡大図である。
【図4】筒状部材の変形例の説明図である。
【図5】ボックスカルバートの斜視図である。
【図6】プレキャストコンクリート部材を重ね合わせる際の説明図である。
【図7】(A)は鉛直精度調節具の側面図、(B)は鉛直精度調節具の正面図である。
【図8】(A)は鉛直精度調節具を用いてボックスカルバートの下部プレキャストコンクリート部材の両側に、それぞれ中間プレキャストコンクリート部材を固定する際の説明図、(B)は両側の中間プレキャストコンクリート部材に上部プレキャストコンクリート部材を固定する際の説明図である。
【図9】(A)、(B)は鉛直精度調節具を用いて擁壁の底壁用プレキャストコンクリート部材に側壁用プレキャストコンクリート部材を固定する際の説明図である。
【図10】(A)は別実施例の鉛直精度調節具組み立て時の正面図、(B)は鉛直精度調節具の各構成部材の説明図である。
【図11】鉛直精度調節具の別実施例の側面図である。
【図12】(A)は仮固定されたプレキャストコンクリート部材の側面図、(B)は仮固定された下側のプレキャストコンクリート部材の平面図、(C)は別の仮固定方法により仮固定されたプレキャストコンクリート部材の側面図、(D)は仮固定された上側と下側双方のプレキャストコンクリート部材の平面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る鉛直度精度調節方法の説明図である。
【図14】(A)乃至(D)はプレキャストコンクリート部材の接合構造の説明図である。
【図15】(A)、(B)はボックスカルバートの施工例の説明図である。
【図16】(A)、(B)は擁壁の施工例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
まず、本発明に係るモルタル注入路およびエア排出路形成用治具について説明する。
図1はモルタル注入路およびエア排出路形成用治具の使用状態の説明図、図2は同治具の分解斜視図、図3はゴムワッシャ部分の拡大図、図4は筒状部材の変形例の説明図を示す。
図1において、符号12はコンクリート型枠、符号14はモルタル充填継手、符号16は本発明に係るモルタル注入路およびエア排出路形成用治具を示しており、モルタル充填継手14は不図示の鉄筋やロッド材を介してコンクリート型枠12内に固定されている。
前記モルタル充填継手14は筒状に形成され、モルタル充填継手14の下部にモルタル注入用開口14Aが設けられ、上部にエア排出用開口14Bが設けられている。そして、モルタル充填継手14の上部から定着鉄筋18がゴムパッキン20を挿通してその内部に挿入され、モルタル充填継手14の下部は、ゴムパッキン22A、雄ねじ部材22B、ナットNを介してコンクリート型枠12の底板1202に取付けられている。
前記治具16は、ゴムワッシャ24と、筒状部材26と、筒体28と、締め付け手段30とにより構成されている。
【0017】
前記ゴムワッシャ24は環状を呈し、図3に示すように、モルタル充填継手14のモルタル注入用開口14Aまたはエア排出用開口14Bの内周面に装着されて用いられる。ゴムワッシャ24は、開口14Aまたは14Bに装着できる寸法で形成されると共に、開口14Aまたは14Bの中心軸方向に圧縮されると拡径して開口14Aまたは14Bに固定されるように形成されている。
【0018】
前記筒状部材26は、モルタル注入用開口14Aまたはエア排出用開口14Bと前記コンクリート型枠12の側板1204の内面箇所との間にわたって延在するように配設される。
前記筒状部材26は、コンクリート型枠12内に打設されたコンクリートCによって変形せず、また、締め付け手段30により開口14A、14Bの中心軸方向に圧縮されても変形しない程度の剛性を有する材料で形成されている。このような材料として、金属材や合成樹脂材を用いることができる。
前記筒状部材26は、図4(A)に示すように、単体で構成してもよく、あるいは、図1、図2、図4(B)、(C)に示すように、その長手方向に分割された複数の分割体26Aで構成してもよい。
【0019】
筒状部材26を複数の分割体26Aで構成すると、モルタル注入用開口14Aまたはエア排出用開口14Bとコンクリート型枠12の側板1204の内面箇所との間に延在させて配置する際、それら開口14A、14Bからコンクリート型枠12の側板1204の内面箇所までの寸法に対して、用いる分割体26Aの数を増減することで長さ調節が簡単になされる。
この場合、図4(B)に示すように、分割体26Aの長手方向の一方の端部に凸部2602を、他方の端部に凹部2604を形成し、これら凸部2602と凹部2604を嵌合させて複数の分割体26Aを組み付けていくと、複数の分割体26Aからなる筒状の形状を凸部2602と凹部2604との嵌合によって保持でき、開口14A、14Bからコンクリート型枠12の側板1204の内面箇所との間に延在させて配置する作業を簡単に行なうことができる。
さらに、図2、図4(C)に示すように、分割体26Aの長手方向の一方の端部に雄ねじ2606を、他方の端部に雌ねじ2608を形成し、これら雄ねじ2606と雌ねじ2608を螺合させて複数の分割体26Aを組み付けていくと、複数の分割体26Aからなる筒状の形状を雄ねじ2606と雌ねじ2608の螺合によってより確実に保持でき、開口14A、14Bからコンクリート型枠12の側板1204の内面箇所との間に延在させて配置する作業を簡単に行なうことができる。
【0020】
前記筒体28は、モルタル注入用開口14Aまたはエア排出用開口14Bの内周面から、この開口14Aまたは14Bに対向するコンクリート型枠12の側板1204の内面箇所との間にわたって延在するように配設され、前記筒状部材26に被せて用いられる。
前記筒体28はコンクリート剥離性を有し、かつ、外力によって該筒体28の半径方向および長手方向に変形し易い材料で形成されている。本実施の形態では筒体28として外力によって変形し易いゴムスリーブが用いられている。
【0021】
前記締め付け手段30は、コンクリート型枠12の側板1204の外側から筒状部材26およびゴムワッシャ24に挿通されこれら筒状部材26、ゴムワッシャ24をモルタル充填継手14の内部とコンクリート型枠12の側板1204との間で前記開口14A、14Bの中心軸方向に締め付けるものである。
本実施の形態では、締め付け手段30は、図2に示すように、コンクリート型枠12の側板1204の外側から側板1204の孔1206を通って筒状部材26およびゴムワッシャ24に挿通される雄ねじ部材3002と、モルタル充填継手14の内部でゴムワッシャ24に臨ませて配設され雄ねじ部材3002に螺合されるナット3004と、コンクリート型枠12の側板1204の外面に配設され雄ねじ部材3002に螺合されるナット3006とで構成され、図2、図4において符号Wはワッシャを示している。なお、雄ねじ部材3002とナット3004が一体化されたボルトや、雄ねじ部材3002とナット3006が一体化されたボルトを使用するなど任意である。
【0022】
次に、治具16の使用方法について説明する。
図1に示すように、コンクリート型枠12の内部にモルタル充填継手14を不図示の鉄筋やロッド材を介して固定し、また、モルタル充填継手14の上部から定着鉄筋18を挿通し、モルタル充填継手14の下部を、ゴムパッキン22A、雄ねじ部材22B、ナットNによりコンクリート型枠12の底板1202に取り付け、モルタル充填継手14のモルタル注入用開口14Aとエア排出用開口14Bに治具16をそれぞれ取り付ける。
【0023】
治具16の取り付けは、雄ねじ部材3002の先端にナット3004を螺合し、このナット3004を開口14A、14Bからにモルタル充填継手14の内部に挿入し、雄ねじ部材3002を挿通させてゴムワッシャ24をそれぞれ開口14A、14Bに装着する。
次に、図1に示すように、筒状部材26を、ゴムワッシャ24とコンクリート型枠12の側板1204との間の距離に対応した長さとして筒体28を被せ、この筒状部材26を雄ねじ部材3002に挿通させ、この雄ねじ部材3002を、コンクリート型枠12の側板1204の孔1206から側板1204の外面に突出させ、側板1204の外面においてナット3006を雄ねじ部材3002に締め付ける。
あるいは、筒状部材26に筒体28を被せ、ゴムワッシャ24と、筒体28が被せられた筒状部材26に雄ねじ部材3002を挿通し、雄ねじ部材3002の先端にナット3004を螺合した状態で、ナット3004を開口14A、14Bからにモルタル充填継手14の内部に挿入すると共にゴムワッシャ24を開口14A、14Bに装着し、雄ねじ部材3002の他端を、コンクリート型枠12の側板1204の孔1206から側板1204の外面に突出させ、側板1204の外面においてナット3006を雄ねじ部材3002に締め付ける。
【0024】
ナット3006の締め付けにより、図3に示すように、ゴムワッシャ24は拡径して開口14A、14Bに固定される。
また、ゴムワッシャ24が開口14A、14Bに固定されることから、開口14A、14Bと、コンクリート型枠12の側板1204との間で筒状部材26は雄ねじ部材3002、ナット3004、3006により強固に締め付け固定される。
このように、コンクリート型枠12の内部でモルタル充填継手14および治具16を固定したならば、コンクリート型枠12内にコンクリートCを打設し、コンクリートCの硬化後、雄ねじ部材3002からナット3006を取り外し、コンクリート型枠12を取り外す。
【0025】
コンクリート型枠12の側板1204を取り外すと、プレキャストコンクリート部材Pの側面が現われ、この側面には雄ねじ部材3002が突出していると共に、筒状部材26や筒体28の端面も臨んでいる。
ここで、筒状部材26をプレキャストコンクリート部材Pの側面から引き抜く。この場合、筒状部材26が図4(A)に示すように単体である場合や、図4(C)に示すように複数の分割体26Aが一体化されている場合には、一度の引き抜きにより作業が終了し、筒状部材26が図4(B)に示す分割体26Aからなる場合には、1つずつ分割体26Aを引き出して行く作業がなされる。
また、雄ねじ部材3002からナット3006を取り外すと、ゴムワッシャ24の締め付けが解除され、ゴムワッシャ24は縮径して当初の状態に復帰しているので、筒状部材26がプレキャストコンクリート部材Pから取り出されてから雄ねじ部材3002を引き出すと、ナット3004を介してゴムワッシャ24も開口14A、14Bから外れプレキャストコンクリート部材Pから取り出される。
【0026】
最後に、プレキャストコンクリート部材Pの側面から筒体28を、その半径方向内方に変形させコンクリートCから剥がすようにしてプレキャストコンクリート部材Pから取り出す。この場合、筒体28を実施の形態のように、コンクリート剥離性を有し、かつ、外力によって該筒体28の半径方向および長手方向に変形し易い材料で形成されていると、取り出しがより簡単になされる。
そして、このように治具16を取り出すと、モルタル注入用開口14Aには、プレキャストコンクリート部材Pの側面に開口するモルタル注入路が接続形成され、エア排出用開口14Bには、プレキャストコンクリート部材Pの側面に開口するエア排出路が接続形成される。
【0027】
本実施の形態によれば、従来のように、コンクリート型枠内で鉄筋やロッド材を用いて塩ビパイプを固定する構造と異なり、開口14A、14Bと、コンクリート型枠12の側板1204との間で筒状部材26を雄ねじ部材3002、ナット3004、3006により締め付け固定する構造であるため、鉄筋やロッド材を用いて塩ビパイプを固定する作業に比べて治具16の取り付けを簡単にしかも確実に行なうことができる。
また、コンクリート型枠12内にコンクリートCを打設した後、強力な振動を与えてコンクリートCの締め固めを行なう場合であっても、筒状部材26が雄ねじ部材3002、ナット3004、3006により強固に締め付け固定されているので、振動によって外れることもなく、モルタル注入路やエア排出路が形成できない不具合を解消することができる。
【0028】
また、治具16を構成する全ての構成部材、すなわち、ゴムワッシャ24、筒状部材26、筒体28、締め付け手段30は全てプレキャストコンクリート部材Pから取り出せるので、転用可能であり、コストの低減化を図る上でも有利となる。
また、従来では、異なる仕様のプレキャストコンクリート部材Pの作製毎に、その寸法に応じて塩ビパイプを切断する手間を要していたが、本実施の形態のように、筒状部材26を複数の分割体26Aで構成しておくと、異なる仕様のプレキャストコンクリート部材Pを作製する際には、用いる分割体26Aの数を増減することで対処でき、したがって、コンクリート型枠12内へのモルタル充填継手14の取り付け作業の効率を高めることができ、また、端材等の廃棄物も発生しない。
【0029】
次に、本発明に係るプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法の実施の形態について説明する。
図5はボックスカルバートの斜視図、図6はプレキャストコンクリート部材を重ね合わせる際の説明図を示す。
図5において符号Kはボックスカルバートを示し、ボックスカルバートKを製作する際に、まず、上方に開放されたコ字状の下部プレキャストコンクリート部材34(底壁部)の両側に、それぞれ矩形の側壁状の中間プレキャストコンクリート部材36(側壁部)を載せて固定する。この固定には、モルタルを充填して硬化させることで上下のプレキャストコンクリート部材を固定するモルタル充填継手が用いられる。
また、下部プレキャストコンクリート部材34に固定された両側の中間プレキャストコンクリート部材36の上に、下方に開放されたコ字状の上部プレキャストコンクリート部材38(上壁部)を載せて固定し、この固定にもモルタル充填継手が用いられる。
そして、このように4つのプレキャストコンクリート部材34、36、36、38が重ねられることで断面がロ字状のブロックが形成され、この断面がロ字状のブロックを横方向に並べていき、例えば、下水道などが構築され、図5において符号39はPC鋼線挿通孔を示す。
【0030】
このように、プレキャストコンクリート部材34、36、36、38を重ね合せ固定していくに際して、本発明では、下部コッター40、上部コッター42、硬化材44が用いられる。
図6において、符号46は下側に位置する下側プレキャストコンクリート部材、符号48は上側に位置する上側プレキャストコンクリート部材を示している。
この場合、ボックスカルバートKの下部プレキャストコンクリート部材34と中間プレキャストコンクリート部材36との関係について見ると、下部プレキャストコンクリート部材34が下側プレキャストコンクリート部材46に対応しており、中間プレキャストコンクリート部材36が上側プレキャストコンクリート部材48に対応している。また、中間プレキャストコンクリート部材36と上部プレキャストコンクリート部材38との関係について見ると、中間プレキャストコンクリート部材36が下側プレキャストコンクリート部材46に対応しており、上部プレキャストコンクリート部材が上側プレキャストコンクリート部材48に対応している。
そして、本実施の形態では、上側プレキャストコンクリート部材48にモルタル充填継手(不図示)が埋設され、上側プレキャストコンクリート部材48が下側プレキャストコンクリート部材46に重ね合わされる際に、上部プレキャストコンクリート部材の鉄筋がモルタル充填継手の内部に挿入され、この状態でモルタル充填継手にモルタルを充填することで双方のプレキャストコンクリート部材46、48は固定される。
【0031】
前記下部コッター(凹部または空間部)40は、下側プレキャストコンクリート部材46の上向きの接合面46Aに下方に窪ませて形成されている。
また、前記上部コッター42は、上側プレキャストコンクリート部材48の下向きの接合面48Aから下方に突出形成されている。
これら下部コッター40および上部コッター42は、双方の接合面46A、48Aを合わせ下部コッター40に上部コッター42を挿入した際に、下部コッター40内で上部コッター42の全周に空間ができ、下側プレキャストコンクリート部材46に対する上側プレキャストコンクリート部材48の位置を、下側プレキャストコンクリート部材46の上で調節できるように形成されている。
前記下部コッター40および上部コッター42の個数は、任意であり、例えば、下部コッター40および上部コッター42の断面積を大きく形成し、用いる個数を単一としてもよく、あるいは、下部コッター40および上部コッター42の断面積を小さく形成し、用いる個数を複数としてもよい。また、下部コッター40および上部コッター42の断面形状は、円形や矩形にするなど任意である。
【0032】
そして、本発明では、モルタル充填継手により下側プレキャストコンクリート部材46と上側プレキャストコンクリート部材48が固定される前に、次の作業がなされる。
まず、下側プレキャストコンクリート部材46の下部コッター40内に、硬化前で流動性を有する状態の硬化材44を注入する。
前記硬化材44には接着性は要求されず、上部コッター42が硬化前で流動性を有する状態の硬化材44中に浸漬された際に、上部コッター42が硬化材44中で水平方向に移動でき、かつ、硬化した際には、水平方向の移動を阻止するような材料が用いられる。このような材料として、無機材料、有機材料双方の硬化材を使用でき、例えば、石膏やエボキシ樹脂などが用いられ、また、硬化速度の速いものが望ましい。
【0033】
ここで、石膏やエポキシ樹脂等は、モルタル充填継手で使用するモルタルよりも硬化が早く、配合により硬化時間が調節可能である。
また、石膏やエポキシ樹脂等などを用いると、硬化後に下部コッター40から容易に撤去でき、したがって、このように硬化後に容易に撤去できる材料を用いると、部材建込みをやり直しする必要が生じた場合であっても簡単に対処することできる。
【0034】
次に、双方の接合面46A、48Aを合わせて下側プレキャストコンクリート部材46の上に上側プレキャストコンクリート部材48を載せて上下に重ね合わせ、上部コッター42を下部コッター40内に挿入して前記硬化材44中に浸漬させる。
そして、下側プレキャストコンクリート部材46に対する上側プレキャストコンクリート部材48の位置を調節する。
そして、硬化材44を硬化させ、硬化材44により上下のプレキャストコンクリート部材46、48の水平方向のずれ(せん断変位)を防止する。
その後、モルタル充填継手にモルタルを充填し、上下のプレキャストコンクリート部材46、48を固定する。
【0035】
本実施の形態によれば、4つのプレキャストコンクリート部材34、36、36、38により断面がロ字状のブロックを形成し、このブロックを横方向に並べていき、例えば3つのブロック毎に、ブロックの4隅においてPC鋼線挿通孔39にそれぞれPC鋼線を挿通して締め付けを行なった場合であっても、中間プレキャストコンクリート部材36は、下部プレキャストコンクリート部材34および上部プレキャストコンクリート部材38に対して下部コッター40、上部コッター42、硬化材44により水平方向の動きが阻止されているのでずれることはなく、水平方向のせん断変位を阻止できる。
そして、プレキャストコンクリート部材に高い精度が要求されることもなく、下部コッター40、上部コッター42、硬化材44を用いるといった簡単な構成によりプレキャストコンクリート部材のせん断変位を阻止できるので、プレキャストコンクリート部材を重ね合わせて下水道などの種々の構造物を構築する際のコストダウンを図る上で極めて有利となる。
また、従来の特殊ピンを用いる方法では、一度設置すると再度抜くことができない不具合があったのに対して、石膏やエポキシ樹脂等などのように硬化後に下部コッター40から容易に撤去できる材料を用いると、部材建込みをやり直しする必要が生じた場合であっても、硬化材44を撤去することで簡単に対処することができる。
【0036】
次に、本発明に係るプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具の実施の形態について説明する。
図7(A)は鉛直精度調節具の側面図、(B)は鉛直精度調節具の正面図、図8(A)は鉛直精度調節具を用いてボックスカルバートの下部プレキャストコンクリート部材の両側に、それぞれ中間プレキャストコンクリート部材を固定する際の説明図、(B)は両側の中間プレキャストコンクリート部材に上部プレキャストコンクリート部材を固定する際の説明図、図9(A)、(B)は鉛直精度調節具を用いて擁壁の底壁用プレキャストコンクリート部材に側壁用プレキャストコンクリート部材を固定する際の説明図を示す。
図7(A)、(B)に示す鉛直精度調節具から説明すると、鉛直精度調節具50は、ベースプレート52と、第1仮止めボルト54と、長孔5202と、第2仮止めボルト56と、筒状部材58と、調節ボルト60と、突出量調節手段62により構成されている。
【0037】
図7において符号46は下側プレキャストコンクリート部材を示し、符号48は上側プレキャストコンクリート部材を示している。
なお、図8において、下部プレキャストコンクリート部材34に中間プレキャストコンクリート部材36を固定する場合には、下部プレキャストコンクリート部材34が下側プレキャストコンクリート部材46に対応し、中間プレキャストコンクリート部材36が上側プレキャストコンクリート部材48に対応しており、中間プレキャストコンクリート部材36に上部プレキャストコンクリート部材38を固定する場合には、中間プレキャストコンクリート部材36が下側プレキャストコンクリート部材46に対応し、上部プレキャストコンクリート部材38が上側プレキャストコンクリート部材48に対応することになる。
また、図9において、擁壁Yの底壁用プレキャストコンクリート部材3902に側壁用プレキャストコンクリート部材3904を固定する場合には、底壁用プレキャストコンクリート部材3902が下側プレキャストコンクリート部材46に対応し、側壁用プレキャストコンクリート部材3904が上側プレキャストコンクリート部材48に対応することになる。
【0038】
前記ベースプレート52は横長の矩形枠状に形成され、中央部を除いた両側に開口が形成されており、下側プレキャストコンクリート部材46の壁面の上部から、上側プレキャストコンクリート部材48の壁面の下部にわたって延在するように配設される。
前記ベースプレート52の両側には、鉛直精度調節具50の持ち運び時や取り扱い時に用いる把持用のハンドル5204が設けられ、前記長孔5202はこれらハンドル5204の内側でベースプレート52のほぼ上半部に、それぞれ上下に延在して形成されている。尚、ハンドル5204はベースプレート52の曲げ剛性を高める部材としても機能している。
【0039】
前記第1仮止めボルト54は、ベースプレート52の両側のボルト挿通孔を通り、下側のプレキャストコンクリート部材46に埋め込まれた雌ねじ部材5206に螺合可能に形成されている。
前記第2仮止めボルト56は、前記各長孔5202を通り、上側のプレキャストコンクリート部材48に埋め込まれた雌ねじ部材5206に螺合可能に形成されている。なお、第2仮止めボルト56の頭部は、長孔5202の幅よりも大きな輪郭で形成されている。
【0040】
前記筒状部材58は、その上端が前記各長孔5202の下部に臨むように上下に延在させてベースプレート52に溶着され、筒状部材58の内部には雌ねじが上下に貫通して形成されている。
前記調節ボルト60は、前記筒状部材58の下部から該筒状部材58の雌ねじに螺合されて配設され、その上端が筒状部材58の上端の上方に突出して前記第2仮止めボルト56の頭部に係合するように配設される。
前記突出量調節手段62は、前記調節ボルト60の筒状部材58の上端から上方への突出量を調節するもので、本実施の形態では、筒状部材58の内部に形成された雌ねじにより構成されている。
【0041】
次に、鉛直精度調節具50の使用方法について説明する。
まず、第1仮止めボルト54をベースプレート52の両側のボルト挿通孔を通して下側のプレキャストコンクリート部材46に埋め込まれた雌ねじ部材5206に締結する。これによりベースプレート52は下側のプレキャストコンクリート部材46の壁面(図8に示すボックスカルバートKにおいては下部プレキャストコンクリート部材34の内側面や中間プレキャストコンクリート部材36の内側面であり、図9に示す擁壁Yにおいては底壁用プレキャストコンクリート部材3902の端壁部の側面である)の上部に着脱可能に固定される。
次に、第2仮止めボルト56を、前記各長孔5202を通して上側のプレキャストコンクリート部材48に埋め込まれた雌ねじ部材5206に螺合し、第2仮止めボルト56を上側プレキャストコンクリート部材48の壁面(図8に示すボックスカルバートKにおいては中間プレキャストコンクリート部材36の内側面や上部プレキャストコンクリート部材38の内側面であり、図9に示す擁壁Yにおいては側壁用プレキャストコンクリート部材3904の内側面である)に結合する。
この状態で、上側プレキャストコンクリート部材48のベースプレート52側への倒れ(図8に示すボックスカルバートKにおいては、中間プレキャストコンクリート部材36の内側への倒れや上部プレキャストコンクリート部材38の倒れであり、図9に示す擁壁Yにおいては、側壁用プレキャストコンクリート部材3904の内側への倒れ)がベースプレート52により阻止される。
次に、調節ボルト60を、筒状部材58の下部から螺合し、その上端を筒状部材58の上端の上方に突出して第2仮止めボルト56の頭部に係合させる。
【0042】
そして、調節ボルト60を操作し、調節ボルト60の筒状部材58の上端から上方への突出量を調節する。
例えば、調節ボルト60の筒状部材58の上端から上方への突出量が大きくなるように調節ボルト60を操作すると、第2仮止めボルト56の頭部が押し上げられ、上側プレキャストコンクリート部材48の内壁面(図8に示すボックスカルバートKにおいては、中間プレキャストコンクリート部材36や上部プレキャストコンクリート部材38の内側面であり、図9に示す擁壁Yにおいては、側壁用プレキャストコンクリート部材3904の内側面である)が、下側プレキャストコンクリート部材46の内壁面(図8に示すボックスカルバートKにおいては、下部プレキャストコンクリート部材34や中間プレキャストコンクリート部材36の内側面であり、図9に示す擁壁Yにおいては、底壁用プレキャストコンクリート部材3902の端壁部の内側面である)に対して持ち上げられる。
また、この状態から調節ボルト60の筒状部材58の上端から上方への突出量が小さくなるように調節ボルト60を操作すると、上側プレキャストコンクリート部材48の自重により第2仮止めボルト56の頭部が調節ボルト60に当たっているので、上側プレキャストコンクリート部材48の内壁面(図8に示すボックスカルバートKにおいては、中間プレキャストコンクリート部材36や上部プレキャストコンクリート部材38の内側面であり、図9に示す擁壁Yにおいては、側壁用プレキャストコンクリート部材3904の内側面である)が、下側プレキャストコンクリート部材46の内壁面(図8に示すボックスカルバートKにおいては、下部プレキャストコンクリート部材34や中間プレキャストコンクリート部材36の内側面であり、図9に示す擁壁Yにおいては、底壁用プレキャストコンクリート部材3902の端壁部の内側面である)に対して下降される。
【0043】
したがって、調節ボルト60の操作によって上側プレキャストコンクリート部材48(図8に示すボックスカルバートKにおいては、中間プレキャストコンクリート部材36や上部プレキャストコンクリート部材38であり、図9に示す擁壁Yにおいては、側壁用プレキャストコンクリート部材3904である)の鉛直度の調節が確実になされる。
また、下側のプレキャストコンクリート部材46の壁面と上側プレキャストコンクリート部材48の内壁面(ボックスカルバートKの場合にはその内側面であり、擁壁Yの場合には底壁に臨む側面である)に鉛直精度調節具50が位置するのみであり、従来のように下部プレキャストコンクリート部材の底壁上からボックスカルバートの内部で斜めに掛け渡される支保工を取り除くことができるので、作業員の出入りも支障なく行なえ、また、作業範囲も狭められる不具合も解消され、図8に示すボックスカルバートKや図9に示す擁壁Yなどのプレキャストコンクリート部材の組立効率を格段と高めることが可能となる。
【0044】
次に、図10を参照して鉛直精度調節具50の別実施例について説明する。
図10(A)は別実施例の鉛直精度調節具の正面図、(B)は鉛直精度調節具の各構成部材の説明図を示す。
この実施例では、ベースプレート52と、第1仮止めボルト54と、長孔5202と、第2仮止めボルト56の構成は前記実施例と同様であるが、筒状部材58と、調節ボルト60と、突出量調節手段62の構成が前記実施例と異なっている。
図10(B)に示すように、前記筒状部材58は筒状の鋼管により構成されており、その内部には雌ねじが形成されていない。
この筒状部材58は、図10(A)に示すように、前記実施例と同様に、前記各長孔5202の下部に臨むように上下に延在させてベースプレート52に溶着されている。
【0045】
前記調節ボルト60は、雄ねじの上端に環状のリング6002が取着されて構成されており、リング6002は第2仮止めボルト56が挿通可能に形成されている。なお、第2仮止めボルト56は、このリング6002および長孔5202を通して上側のプレキャストコンクリート部材48に埋め込まれた雌ねじ部材5206に結合される。
また、前記調節ボルト60に螺合可能なナットNが2つ用いられ、この実施例では、調節ボルト60の筒状部材58の上端から上方への突出量を調節する突出量調節手段62が、調節ボルト60の雄ねじとナットNにより構成されている。
【0046】
このような鉛直精度調節具50によれば、図10(A)に示すように、ナットNを弛緩緊締することで、調節ボルト60の筒状部材58の上端から上方への突出量を調節でき、したがって、前記実施例と同様に、上側プレキャストコンクリート部材48の鉛直度の調節が確実になされ、また、従来のように下部プレキャストコンクリート部材の底壁上からボックスカルバートの内部で斜めに掛け渡される支保工を取り除くことができるので、作業員の出入りも支障なく行なえ、また、作業範囲も狭められる不具合も解消され、プレキャストコンクリート部材(ボックスカルバート)の組立効率を格段と高めることが可能となる。
なお、この実施例では、第2仮止めボルト56をリング6002によって強制的に下降させることができるので、鉛直精度調節具50が配設された側とは反対に位置する上側プレキャストコンクリート部材48の壁面(外壁面)を上昇、下降させる上でも有利となる。
【0047】
次に、図11を参照して鉛直精度調節具50の別実施例について説明する。
図11は鉛直精度調節具の別実施例の側面図を示す。
この実施例では、ベースプレート52と、第1仮止めボルト54と、長孔5202と、第2仮止めボルト56を備えている点は、図7に示す鉛直精度調節具50と同様であるが、その他の点は異なっている。
すなわち、図11に示す鉛直精度調節具50は、前記ベースプレート52、第1仮止めボルト54、長孔5202、第2仮止めボルト56に加え、支持片62と、調節ボルト64と、調節片66とを備えている。
【0048】
前記支持片62として断面L字型の鋼材が用いられ、前記各長孔5202の下方に位置するベースプレート52の前面に溶着され、ベースプレート52の前面から突出するように配設されている。
この支持片62には上下に貫通するボルト挿通孔6202が形成されると共に、このボルト挿通孔6202と同軸上にナットN1が取着されている。
前記調節片66として断面L字型の鋼材が用いられ、互いに直交する鋼材の2片6602、6604のうちの一片6602には、第2仮止めボルト56を挿通させるボルト挿通孔6606が形成され、他方の一片6604には、調節ボルト64を挿通させるボルト挿通孔6608が形成されている。
【0049】
前記調節ボルト64は、支持片62の下方からナットN1に螺合させてボルト挿通孔6202を通し、その上端を調節片66のボルト挿通孔6608を通して調節片66に一片6604の上方に突出させている。
そして、一片6604の上下部に位置する調節ボルト64箇所に、それぞれ該調節ボルト64に螺合させ、かつ、溶着させてナットN2、N3が配設されている。
したがって、調節ボルト64は、支持片62および調節片66から取り外すことができず、ベースプレート52に、支持片62および調節片66ならびに調節ボルト64が取り外し不能に支持されることになる。
【0050】
次に、鉛直精度調節具50の使用方法について説明する。
まず、第1仮止めボルト54をベースプレート52の両側のボルト挿通孔を通して下側のプレキャストコンクリート部材46に埋め込まれた雌ねじ部材5206に締結し、ベースプレート52を下側のプレキャストコンクリート部材46の壁面の上部に着脱可能に固定する。
次に、第2仮止めボルト56を、調節片66の一片6602のボルト挿通孔6606およびベースプレート52の長孔5202を通して上側のプレキャストコンクリート部材48に埋め込まれた雌ねじ部材5206に螺合し、第2仮止めボルト56を上側プレキャストコンクリート部材48の壁面に結合する。
この状態で、上側プレキャストコンクリート部材48のベースプレート52側への倒れ(ボックスカルバートKの中間プレキャストコンクリート部材36の内側面方向への倒れや擁壁Yの側壁用プレキャストコンクリート部材3904の内側への倒れ)がベースプレート52により阻止される。また、この状態で、調節片66は、支持片62の上方で調節ボルト64の上部にナットN2、N3を介して調節ボルト64と一体に上下に移動するように結合されると共に、第2仮止めボルト56と一体に上下に移動するように配設されることになる。
【0051】
次に、調節ボルト64を操作し、調節ボルト60の支持片62上方への突出量を調節する。
例えば、調節ボルト64の突出量が大きくなるように調節ボルト64を操作すると、N2の上面が、調節片66の一片6604の下面に当たり、ナットN2により調節片66が押し上げられ、これにより第2仮止めボルト56も押し上げられ、上側プレキャストコンクリート部材48の内壁面が、下側プレキャストコンクリート部材46の内壁面に対して持ち上げられる。
また、この状態から調節ボルト64の突出量が小さくなるように調節ボルト64を操作すると、上側プレキャストコンクリート部材48の自重により調節片66の一片6604の下面がナットN2の上面に当たっているので、上側プレキャストコンクリート部材48の内壁面が、下側プレキャストコンクリート部材46の内壁面に対して下降される。さらに、調節ボルト64の突出量が小さくなるように調節ボルト64を操作していくと、やがて、ナットN3の下面が調節片66の一片6604の上面に当たり、第2仮止めボルト56を強制的に押し下げ、第2仮止めボルト56をリング6002によって強制的に下降させることができるので、図10に示す実施例の場合と同様に、鉛直精度調節具50が配設された側とは反対に位置する上側プレキャストコンクリート部材48の壁面(外壁面)を上昇、下降させる上でも有利となる。
【0052】
したがって、調節ボルト64の操作によって上側プレキャストコンクリート部材48の鉛直度の調節が確実になされる。
また、下側のプレキャストコンクリート部材46の壁面と上側プレキャストコンクリート部材48の内壁面に鉛直精度調節具50が位置するのみであり、従来の長さ調節可能な支保工を取り除くことができるので、作業員の出入りも支障なく行なえ、また、作業範囲も狭められる不具合も解消され、ボックスカルバートKや擁壁Yなどのようなプレキャストコンクリート部材の組立効率を格段と高めることが可能となる。
【0053】
次に、本発明に係るプレキャストコンクリート部材の仮固定方法の実施の形態について説明する。
図12(A)は仮固定されたプレキャストコンクリート部材の側面図、(B)は仮固定された下側のプレキャストコンクリート部材の平面図、(C)は別の仮固定方法により仮固定されたプレキャストコンクリート部材の側面図、(D)は仮固定された上側と下側双方のプレキャストコンクリート部材の平面図を示す。
まず、図12(A)、(B)に示す仮固定方法から説明する。
本実施の形態に係る仮固定方法は、プレキャストコンクリート部材46、48を上下に重ね合わせ、複数のモルタル充填継手70を用いて固定する際に、モルタル充填継手70に挿入される定着鉄筋72をボルトBで押圧して仮固定するものである。
モルタル充填継手70は下側のプレキャストコンクリート部材46に埋設されており、このモルタル充填継手70内には下方から定着鉄筋74が挿通されている。
モルタル充填継手70は鋼管から構成され、モルタル充填継手70には、前記定着鉄筋74の上方の内部箇所に開口するように雌ねじ部材76が溶着され、さらに、この雌ねじ部材76にボルトBを螺合できるように、雌ねじ部材76と同軸上で下側のプレキャストコンクリート部材46の壁面に開口するボルト挿通孔78が形成されている。そして、ボルト挿通孔78を挿通して各雌ねじ部材76にボルトBが螺合されている。
【0054】
前記雌ねじ部材76およびボルト挿通孔78は、図12(B)に示すように、モルタル充填継手70毎に反対の向きとなるように設けられている。すなわち、モルタル充填継手70毎に、プレキャストコンクリート部材46の一方の面からモルタル充填継手70に対して直交するように、また、他方の面からモルタル充填継手70に対して直交するように設けられている。
なお、このモルタル充填継手70は、充填作業性を優先した部材建込み前にモルタルMを充填する形式のものであるが、本発明の仮固定方法は、部材建込み後にモルタルMを充填する形式のモルタル充填継手70にも無論適用される。
本実施の形態では、各モルタル充填継手70にモルタルMを充填し、上側のプレキャストコンクリート部材48の定着鉄筋72をモルタル充填継手70に挿入してプレキャストコンクリート部材46、48を上下に重ね合わせる。
そして、重ね合わせると同時に、各ボルトBを操作して上側のプレキャストコンクリート部材48の定着鉄筋72を押圧する。
ボルトBにより定着鉄筋72を押圧すると、定着鉄筋72が押圧された方向に上側のプレキャストコンクリート部材48が水平方向に動かされ、各モルタル充填継手70に設けられた全てのボルトBを操作することで、下側のプレキャストコンクリート部材46に対する上側のプレキャストコンクリート部材48の位置決めがなされ、また、上側のプレキャストコンクリート部材48の定着鉄筋72は、180度異なる方向からボルトBにより押圧されるので、位置決めされた状態に仮固定される。
【0055】
したがって、本実施の形態に係るプレキャストコンクリート部材の仮固定方法によれば、モルタル充填継手70に挿入される定着鉄筋72をボルトBで押圧するといった簡単な構成により、プレキャストコンクリート部材の位置決めおよび仮固定を確実に行なうことが可能となる。
なお、本実施の形態では、前記雌ねじ部材76およびボルト挿通孔78を、モルタル充填継手70毎に反対の向きとなるように設けた場合について説明したが、各モルタル充填継手70に、互いに180度向きの異なる雌ねじ部材76およびボルト挿通孔78を2組設けるようにしてもよい。
また、本発明の仮固定方法は、上側のプレキャストコンクリート部材48にモルタル充填継手70が設けられる場合にも無論適用され、この場合には、モルタル充填継手70に挿入される下側のプレキャストコンクリート部材46の定着鉄筋74をボルトBで押圧することで、上側のプレキャストコンクリート部材48がその押圧方向と反対の方向に動かされることになる。
【0056】
次に、図12(C)、(D)に示す仮固定方法について説明する。
図12(C)、(D)に示す仮固定方法では、プレキャストコンクリート部材の一方の側からプレキャストコンクリート部材の位置決めおよび仮固定を行なえる点が図12(A)、(B)に示す仮固定方法と異なっている。
モルタル充填継手70は下側のプレキャストコンクリート部材46と上側のプレキャストコンクリート部材48の双方に埋設されており、下側のプレキャストコンクリート部材46では、前記と同様に、モルタル充填継手70に溶着された雌ねじ部材76にボルト挿通孔78を挿通してボルトB1が螺合され、この場合には、下側のプレキャストコンクリート部材46の各雌ねじ部材76およびボルト挿通孔78は、プレキャストコンクリート部材48の一方の面に開口している。
上側のプレキャストコンクリート部材48では、モルタル充填継手70内に上方から定着鉄筋72が挿通されており、モルタル充填継手70内で定着鉄筋72の下方の内部箇所に開口するように雌ねじ部材76が、モルタル充填継手70に対して直交するように溶着され、この雌ねじ部材76は、前記下側のプレキャストコンクリート部材46と同様にプレキャストコンクリート部材48の一方の面に開口している。
前記雌ねじ部材76に前記一方の面からボルトB2が螺合されている。
【0057】
図12(C)、(D)に示す仮固定方法では、下側のプレキャストコンクリート部材46の各モルタル充填継手70にモルタルMを充填し、上側のプレキャストコンクリート部材48の定着鉄筋72をモルタル充填継手70に挿入し、また、下側のプレキャストコンクリート部材46の定着鉄筋74を上側のプレキャストコンクリート部材48の各モルタル充填継手70に挿入してプレキャストコンクリート部材46、48を上下に重ね合わせる。
そして、重ね合わせると同時に、各ボルトB1、B2を操作して上側のプレキャストコンクリート部材48の定着鉄筋72、および下側のプレキャストコンクリート部材46の定着鉄筋74を押圧する。
ボルトB1により定着鉄筋72を押圧すると、定着鉄筋72が押圧された方向に上側のプレキャストコンクリート部材48が水平方向に動かされる。
また、ボルトB2により定着鉄筋74を押圧すると、押圧された方向とは反対の方向に上側のプレキャストコンクリート部材48が水平方向に動かされる。
したがって、各モルタル充填継手70に設けられた全てのボルトB1、B2を操作することで、下側のプレキャストコンクリート部材46に対する上側のプレキャストコンクリート部材48の位置決めがなされ、また、上側のプレキャストコンクリート部材48は、定着鉄筋72、74を介して180度異なる方向からボルトB1、B2により押圧されるので、位置決めされた状態に仮固定される。
なお、このように仮固定された後、上側のプレキャストコンクリート部材48の各モルタル充填継手70にモルタルMが充填される。
したがって、本実施の形態に係るプレキャストコンクリート部材の仮固定方法によれば、モルタル充填継手70に挿入される定着鉄筋72、74をボルトB1、B2で押圧するといった簡単な構成により、プレキャストコンクリート部材の位置決めおよび仮固定を確実に行なうことが可能となる。
また、以上の位置決め、仮固定をプレキャストコンクリート部材の一方の面から行なえ、作業効率を高める上でも有利となる。
すなわち、プレキャストコンクリート部材を上下に重ね複数のモルタル充填継手を用いて固定する際に、下側のプレキャストコンクリート部材のモルタル充填継手の内部に挿入された上側のプレキャストコンクリート部材の鉄筋を、下側のプレキャストコンクリート部材において前記鉄筋に対してほぼ直交する方向から押圧し、上側のプレキャストコンクリート部材のモルタル充填継手の内部に挿入された下側のプレキャストコンクリート部材の鉄筋を、上側のプレキャストコンクリート部材において前記鉄筋に対してほぼ直交する方向から押圧するようにすると、プレキャストコンクリート部材の一方の面から、プレキャストコンクリート部材の位置決めおよび仮固定を確実に行なえるようになる。
【0058】
次に、図13を参照して本発明の鉛直度精度調節方法の実施の形態について説明する。
図13は本発明の実施の形態に係る鉛直度精度調節方法の説明図を示す。
下側のプレキャストコンクリート部材46に、例えば、図12(B)に示すように、複数のモルタル充填継手70が埋設されており、このモルタル充填継手70内には下方から定着鉄筋74が挿通されている。
プレキャストコンクリート部材46,48を重ね合わせて固定するに際して、各モルタル充填継手70にモルタルを充填し、上側のプレキャストコンクリート部材48の定着鉄筋72をモルタル充填継手70に挿入してプレキャストコンクリート部材46、48を上下に重ね合わせる。
【0059】
そして、重ね合わせると同時に、本発明の実施の形態に係る鉛直度精度調節方法により鉛直度精度が調節され、この鉛直度精度調節方法ではボルトB(雄ねじ)と雌ねじ80が用いられる。
前記雌ねじ80は、上側のプレキャストコンクリート部材48の互いに反対方向を向いた壁面48A、48Bから、その接合面48Cに対してそれぞれ鋭角をなして該接合面48Cに斜めに開口するように設けられている。本実施の形態では、これら雌ねじ80の上部は、ボルトBの頭部の挿通を可能としたボルト挿通孔8002に形成されている。
前記ボルトBは、これら上側のプレキャストコンクリート部材48の雌ねじ80にそれぞれ螺合され、したがって、接合面48Cに対して鋭角をなして斜めに配設されている。
【0060】
各モルタル充填継手70にモルタルMを充填し、プレキャストコンクリート部材46,48を重ね合わせたならば、ボルトBを操作し、その先端で下側のプレキャストコンクリート部材46の接合面46Cを押圧すると、この操作したボルトBが位置する上側のプレキャストコンクリート部材48の壁面48Aまたは壁面48Bが上昇する。
したがって、上側のプレキャストコンクリート部材48の少なくとも一方の壁面48Aまたは48Bに位置するボルトBを操作することで、上側のプレキャストコンクリート部材48の鉛直精度調節を行なえ、ボルトBと雌ねじ80を用いた極めて簡単な構成により上記の効果を達成できる。
【0061】
次に、本発明に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の実施の形態について説明する。
図14(A)乃至(D)はプレキャストコンクリート部材の接合構造の説明図を示す。
図14(A)に示すように、下側のプレキャストコンクリート部材46に鋼管からなるモルタル充填継手70が埋め込まれ、モルタル充填継手70内でその下部から定着鉄筋74が突出してる。なお、本実施の形態では、モルタル充填継手70は、充填作業性を優先した部材建込み前にモルタルMを充填する形式のものである。
このプレキャストコンクリート部材46の上向きの接合面46Cとモルタル充填継手70の上端との間に、接合面46Cに至るにつれて次第に断面積が大きくなる空間部84が設けられている。
図14(C)に示すように、上側のプレキャストコンクリート部材48の下向きの接合面48Cには、前記モルタル充填継手70に挿入される定着鉄筋72が下方に突出され、また、この定着鉄筋72の周りから膨出し前記空間部84に挿入可能なコッター86が設けられており、このコッター86はせん断コッターとして機能するように形成されている。
前記コッター86の形状は、円形、矩形、溝状などいずれの場合も適用可能であるが、コッター86が空間部84に挿入された際に、空間部84内でコッター86の周りにモルタルMの充填を妨げない程度のわずかな隙間を有するように形成されることが好ましい。
【0062】
プレキャストコンクリート部材46、48を重ね合わせモルタル充填継手70により接合するに際して、まず、図14(B)に示すように、モルタル充填継手70にモルタルMが充填されると共に空間部84にもモルタルMが充填される。この場合、空間部84にコッター86が挿入される関係上、空間部84にはその半分程度のモルタルMが充填される。
次に、図14(C)に示すように、上側のプレキャストコンクリート部材48が下側のプレキャストコンクリート部材46上に吊り降ろされ、定着鉄筋72がモルタル充填継手70に挿入され、モルタルM中に浸漬される。
また、コッター86が空間部74に挿入され、モルタルM中に浸漬される。
そして、図14(D)に示すように、双方の接合面46C、48Cが合わされ、モルタルの硬化により上下に重ね合わされたプレキャストコンクリート部材46、48が接合される。
【0063】
本実施の形態の接合構造によれば、重ね合わされたプレキャストコンクリート部材46、48の接合面46C、48C間において定着鉄筋72がコッター86およびモルタルMで覆われ、露出していない。
また、空間部84内でコッター86の周りの隙間にモルタルMが広がり充填されるので、モルタル充填継手70の上方の接合面46C、48C間箇所に空隙も生じることはなく、コッター86が余分のモルタルMを押し出すことで、鉄筋目地の防錆機能も確保される。
したがって、接合面46C、48C間から浸入した水分(水分や酸素)が定着鉄筋72に接触することを阻止できる。すなわち、本実施の形態によれば、定着鉄筋72に対する止水性を高め、定着鉄筋72の耐久性を格段と高めることが可能となる。
【0064】
また、空間部84を設けてこの空間部84にモルタルMを充填するものの、この空間部84のモルタルMにはコッター86が浸漬されるので、モルタルMの使用量も最小限で済み、コストの低減化を図る上でも有利となる。
また、本実施の形態によれば、モルタル充填継手70の上部スペースを利用してコッター86を配置し、このコッター86により定着鉄筋72に対する止水性を高め、定着鉄筋72の耐久性を格段と高めると同時に、コッター86をせん断コッターとして機能させることができるので、せん断キー機能と鉄筋の保護機能が同時に奏され、せん断コッターのレイアウト上も有利となる。
【0065】
なお、本発明に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造は、部材建込み後にモルタルMを充填する形式のモルタル充填継手70を用いた接合構造にも無論適用される。
また、上側のプレキャストコンクリート部材48にモルタル充填継手70が埋め込まれた場合にも適用され、この場合には、上側のプレキャストコンクリート部材48に空間部84が形成され、コッター86が下側のプレキャストコンクリート部材46に形成されることになる。
【0066】
なお、以上説明した本発明の各種の実施の形態はそれらの複数を同時に併用可能である。
例えば、図15(A)、(B)に示すボックスカルバートの施工例では、図5に示すボックスカルバートKを組み立てるに際して、下部プレキャストコンクリート部材34の両側部に、図6に示す下部コッター40を複数形成する。
また、下部プレキャストコンクリート部材34の両側部に埋め込まれた複数のモルタル充填継手70の上部に、図14に示す空間部84をそれぞれ形成する。
そして、下部コッター40に、硬化前で流動性を有する状態の硬化材44を注入し、空間部84にモルタルMを充填する。
そして、中間プレキャストコンクリート部材36を下部プレキャストコンクリート部材34の両側部に重ね、下部コッター40に上部コッター42を浸漬させ、空間部にコッター86を挿入し、上部コッター42と硬化材44により中間プレキャストコンクリート部材36の水平方向のせん断変位を阻止し、また、空間部84とコッター86により定着鉄筋72に対する止水性を高め、定着鉄筋72の耐久性を高めるようにしてもよい。
【0067】
また、図16(A)、(B)に示す擁壁の施工例では、図9に示す擁壁Yを組み立てるに際して、底壁用プレキャストコンクリート部材3902の端壁部に、図6に示す下部コッター40を複数形成する。
また、底壁用プレキャストコンクリート部材3902の端壁部に埋め込まれた複数のモルタル充填継手70の上部に、図14に示す空間部84をそれぞれ形成する。
そして、下部コッター40に、硬化前で流動性を有する状態の硬化材44を注入し、空間部84にモルタルMを充填する。
そして、側壁用プレキャストコンクリート部材3904を底壁用プレキャストコンクリート部材3902の端壁部に重ね、下部コッター40に上部コッター42を浸漬させ、空間部にコッター86を挿入し、上部コッター42と硬化材44により側壁用プレキャストコンクリート部材3904の水平方向のせん断変位を阻止し、また、空間部84とコッター86により定着鉄筋72に対する止水性を高め、定着鉄筋72の耐久性を高めるようにしてもよい。
【0068】
以上の説明で明らかなように、本発明のモルタル注入路およびエア排出路形成用治具によれば、モルタル充填継手が埋め込まれたプレキャストコンクリート部材に、簡単な作業でモルタル注入路やエア排出路を確実に形成することが可能となる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法によれば、プレキャストコンクリート部材に高い精度を要求することなく簡単な作業により上下に重ね合わされたプレキャストコンクリート部材のせん断変位を防止できる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具によれば、上側プレキャストコンクリート部材の鉛直度の調節が確実になされ、また、従来用いられている支保工を取り除くことができるので、プレキャストコンクリート部材の組立効率を格段と高めることが可能となる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の仮固定方法によれば、モルタル充填継手に挿入される定着鉄筋をボルトで押圧するといった簡単な構成により、プレキャストコンクリート部材の位置決めおよび仮固定を確実に行なうことが可能となる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節方法によれば、雄ねじと雌ねじを用いた簡単な構成によりプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節を確実に行なうことが可能となる。
また、本発明のプレキャストコンクリート部材の接合構造によれば、重ね合わされたプレキャストコンクリート部材の接合面間において定着鉄筋がコッターおよびモルタルで覆われ、したがって、水分(水分や酸素)が定着鉄筋に接触することを阻止でき、定着鉄筋の耐久性を格段と高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0069】
16 治具
24 ゴムワッシャ
26 筒状部材
28 筒体
30 締め付け手段
34、36、36、38 プレキャストコンクリート部材
40 下部コッター
42 上部コッター
44 硬化材
50 鉛直精度調節具
52 ベースプレート
54 第1仮止めボルト
56 第2仮止めボルト
60、64 調節ボルト
70 モルタル充填継手
76 雌ねじ部材
80 雌ねじ
B ボルト
84 空間部
86 コッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート型枠内に、モルタル注入用とエア排出用の開口をそれぞれ備えるモルタル充填継手を固定した後、コンクリートを打設してプレキャストコンクリート部材を製作するに際に用いられるモルタル注入路およびエア排出路形成用治具であって、
前記開口の内周面に装着され該開口の中心軸方向に圧縮されると拡径する環状のゴムワッシャと、
前記開口と、この開口に対向するコンクリート型枠箇所との間にわたって配設され剛性を有する材料から形成された筒状部材と、
前記開口と前記コンクリート型枠箇所との間にわたって配設され前記筒状部材に被せられる筒体と、
前記型枠箇所の外側から前記筒状部材およびゴムワッシャに挿通されこれら筒状部材、ゴムワッシャをモルタル充填継手の内部と前記型枠箇所の間で前記開口の中心軸方向に締め付ける締め付け手段と、
を備えることを特徴とするモルタル注入路およびエア排出路形成用治具。
【請求項2】
前記筒体はコンクリート剥離性を有し、かつ、外力によって該筒体の半径方向および長手方向に変形し易い材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のモルタル注入路およびエア排出路形成用治具。
【請求項3】
前記筒状部材は、その長手方向に分割された複数の分割体で構成されていることを特徴とする請求項1記載のモルタル注入路およびエア排出路形成用治具。
【請求項4】
前記締め付け手段は、前記型枠箇所の外側から前記筒状部材およびゴムワッシャに挿通される雄ねじ部材と、モルタル充填継手の内部で前記ゴムワッシャに臨ませて配設され前記雄ねじ部材に螺合されるナットと、前記型枠箇所の外面に配設され前記雄ねじ部材に螺合されるナットとで構成されていることを特徴とする請求項1記載のモルタル注入路およびエア排出路形成用治具。
【請求項5】
プレキャストコンクリート部材を上下に重ね合わせるに際して、
下側に位置するプレキャストコンクリート部材の上向きの接合面に下方に窪む下部コッターを形成すると共に、上側に位置するプレキャストコンクリート部材の下向きの接合面に下方に突出する上部コッターを形成し、さらに、これら下部コッターおよび上部コッターを、双方の接合面を合わせ下部コッターに上部コッターを挿入した際に、下部コッター内で上部コッターの全周に空間ができるように形成しておき、
前記下部コッター内に、硬化前で流動性を有する状態の硬化材を注入した後、プレキャストコンクリート部材を上下に重ね合わせ、上部コッターを下部コッター内に挿入して前記硬化材中に浸漬させ、
上下のプレキャストコンクリート部材の位置合わせ後、前記硬化材を硬化させ前記硬化材により上下のプレキャストコンクリート部材の水平方向のせん断変位を防止するようにした、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法。
【請求項6】
モルタルを充填して硬化させることで上下のプレキャストコンクリート部材を固定するモルタル充填継手が設けられ、前記硬化材を硬化させた後、モルタル充填継手にモルタルを充填して上下のプレキャストコンクリート部材を固定するようにしたことを特徴とする請求項5記載のプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法。
【請求項7】
前記硬化材は、モルタル充填継手で使用するモルタルよりも硬化が早くかつ、硬化後に下部コッターから容易に撤去できる材料で形成されていることを特徴とする請求項6記載のプレキャストコンクリート部材の重ね合わせ方法。
【請求項8】
プレキャストコンクリート部材を上下に重ねて固定する際の上側のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具であって、
下側のプレキャストコンクリート部材の壁面の上部から、上側のプレキャストコンクリート部材の壁面の下部にわたって延在するように配設される矩形状のベースプレートと、
前記ベースプレートを下側のプレキャストコンクリート部材の前記壁面の上部に着脱可能に固定する第1仮止めボルトと、
前記ベースプレートの上部で左右に間隔をおいた2箇所でそれぞれ上下に延在する長孔と、
前記各長孔を通して上側のプレキャストコンクリート部材の下部にそれぞれ取着される第2仮止めボルトと、
前記各長孔の下部に臨ませて前記ベースプレートに取着された上下に延在する筒状部材と、
前記筒状部材の下部から該筒状部材に挿通され上端が筒状部材の上端から上方に突出して前記第2仮止めボルトに係合する調節ボルトと、
前記調節ボルトの筒状部材の上端から上方への突出量を調節する突出量調節手段と、
を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具。
【請求項9】
プレキャストコンクリート部材を上下に重ねて固定する際の上側のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具であって、
下側のプレキャストコンクリート部材の壁面の上部から上側のプレキャストコンクリート部材の壁面の下部にわたって延在するように配設される矩形状のベースプレートと、
前記ベースプレートを下側のプレキャストコンクリート部材の壁面の上部に着脱可能に固定する第1仮止めボルトと、
前記ベースプレートの上部で左右に間隔をおいた2箇所でそれぞれ上下に延在する長孔と、
前記各長孔を通して上側のプレキャストコンクリート部材の下部にそれぞれ取着される第2仮止めボルトと、
前記ベースプレートの左右に間隔をおいた2箇所にそれぞれ取着された支持片と、
前記各支持片の下方から上方に向けて螺合された上下に延在する調節ボルトと、
前記各支持片の上方で各調節ボルトの上部に該調節ボルトと一体に上下に移動するように結合されると共に、第2仮止めボルトと一体に上下に移動するように各第2仮止めボルトに結合された調節片と、
を備えることを特徴とするプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節具。
【請求項10】
プレキャストコンクリート部材を上下に重ね複数のモルタル充填継手を用いて固定する際の上側のプレキャストコンクリート部材の仮固定方法であって、
上側または下側の一方のプレキャストコンクリート部材のモルタル充填継手の内部に挿入された上側または下側の他方のプレキャストコンクリート部材の鉄筋を、前記一方のプレキャストコンクリート部材において前記鉄筋に対してほぼ直交する方向で互いに180度異なる方向から押圧可能なボルトを設け、
前記ボルトにより鉄筋を押圧することで上側のプレキャストコンクリート部材を仮固定するようにした、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材の仮固定方法。
【請求項11】
プレキャストコンクリート部材をそれらの接合面を合わせて上下に重ねモルタル充填継手により固定する際の上側のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節方法であって、
上側のプレキャストコンクリート部材の互いに反対方向を向いた壁面から、その接合面に対してそれぞれ鋭角をなして該接合面に開口する雌ねじを設け、
これら雌ねじにそれぞれ雄ねじを螺合させ、雄ねじにより下側のプレキャストコンクリート部材の接合面を押圧することで上側のプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節を行なうようにした、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材の鉛直精度調節方法。
【請求項12】
プレキャストコンクリート部材をそれらの接合面を合わせて上下に重ね、モルタル充填継手により固定するプレキャストコンクリート部材の接合構造であって、
前記モルタル充填継手が埋め込まれた第1プレキャストコンクリート部材に、モルタル充填継手の端部から該第1プレキャストコンクリート部材の接合面にわたって延在する空間部を設け、
前記第1プレキャストコンクリート部材に接合される第2プレキャストコンクリート部材の接合面に、前記モルタル充填継手の内部に挿入される定着鉄筋を突出させると共にこの定着鉄筋の周りから膨出し前記空間部に挿入可能なコッターを設け、
前記モルタル充填継手の内部に前記定着鉄筋を挿入するとともに前記空間部に前記コッターを挿入し、前記第1プレキャストコンクリート部材と第2プレキャストコンクリート部材の双方の接合面を合わせ、前記モルタル充填継手に充填したモルタルにより第1プレキャストコンクリート部材と第2プレキャストコンクリート部材を接合するようにした、
ことを特徴とするプレキャストコンクリート部材の接合構造。
【請求項13】
前記空間部は、前記モルタル充填継手の端部から第1プレキャストコンクリート部材の接合面にわたり断面積が次第に大きくなるように形成され、前記コッターはせん断コッターとして機能するように構成されていることを特徴とする請求項12記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
【請求項14】
前記空間部に前記コッターを挿入した際に、前記空間部内で前記コッターの周りにモルタルの充填を妨げない程度の隙間が確保されていることを特徴とする請求項12記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−252379(P2011−252379A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155319(P2011−155319)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【分割の表示】特願2001−300908(P2001−300908)の分割
【原出願日】平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【出願人】(000211237)ランデス株式会社 (35)
【出願人】(390026723)東京鐵鋼株式会社 (37)
【出願人】(594074805)東栄コンクリート工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】