説明

プレゼンス交換端末、プレゼンス交換方法およびプレゼンス交換プログラム

【課題】情報量が多いマルチメディアのテレプレゼンスにおいて相手や自身の状況に応じてマルチメディアのテレプレゼンスを送信するか否かを詳細に決定できるようにする。
【解決手段】端末装置において、自身の端末の通常の文字列のプレゼンスとテレプレゼンス送信先の通常の文字列のプレゼンスとの対応表を、テレプレゼンスのメディアごとに用意し、その対応表で許可されたメディアを、現時点で送信可能なメディアをとして選択し、さらに相手の端末のアドレスやスピーカかヘッドセットなのかにもとづいて、テレプレゼンスの再度の絞り込みを行うことで、相手の状況と自身の状況に適したテレプレゼンスの送信制御を行う。また、業務によっては機密度を設定することで、相手に送信するテレプレゼンスのメディアをさらに限定することも可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字だけでなく、画像、音声、動画像などのマルチメディアのテレプレゼンスを表示するプレゼンス交換端末、プレゼンス交換方法およびプレゼンス交換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
相手が在席、不在、通話中などの状態(プレゼンス)に基づくコミュニケーションが可能である。しかし、利用者がプレゼンスを正確に入力することは困難である。その解決方法として、特許文献1に記載されているテレプレゼンスを利用する方法がある。特許文献1に記載されている方法は、選択したユーザに対してカメラで撮影された画像を送付することで、実際の映像によってプレゼンスを確認してもらう方法である。相手を限定して画像を送信することで、プライバシーが確保される。
【0003】
【特許文献1】特開2004−214934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9は、特許文献1に記載されている通信システムの構成例を示すブロック図である。通信端末910は、ネットワーク930を介して、プレゼンスサービス提供サーバ920と接続されている。通信端末910は、ネットワーク930への接続を可能とする通信手段911、プログラムや様々な情報の格納が可能な情報格納手段912、情報を表示することが可能な表示手段913、文字を入力することを可能とする文字入力手段914、音声を入力することを可能とする音声入力手段915、音声を出力することを可能とする音声出力手段916、静止画や動画などの映像を撮像することを可能とする撮像手段917、様々な情報処理や動作制御などを行う処理手段918を備えている。また、プレゼンスサービス提供サーバ920は、ネットワーク930への接続を可能とする通信手段921、プレゼンスサービスを利用するユーザに係るユーザ情報などを格納するサーバ側情報格納手段922、様々な情報処理や動作制御などを行う処理手段923を備えている。通信端末910は、静止画、文字列または動画のプレゼンスをプレゼンスサービス提供サーバ920を介して交換する。
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方式では、相手によって、テレプレゼンスを表示するか、表示しないかの制御しかしていない。そのため、相手や自分のプレゼンスの状態や、相手が利用しているデバイスによって、テレプレゼンスの手段や品質を変更することができない。図9に示すように、相手の状況を把握するためには、マルチメディアのテレプレゼンスを元にするしかない。そのため、通常のプレゼンスを元に、相手や自分の作業の状況や相手の装置の状況に応じてテレプレゼンスの品質を調整することはできない。本来、テレプレゼンスと通常のプレゼンスは競合するものではなく、連携できるものである。例えば、設定された双方の通常のプレゼンスが通話中の場合に、動画のテレプレゼンスを通信するべきかどうかについては、相手との関係によって異なるものの、特許文献1に記載された方式では、通常のプレゼンスと連携したテレプレゼンスの細かい制御ができない。また、相手のデバイスによっては、テレプレゼンスの種類を変更する必要がある。例えば、社外からのアクセスである場合には、動画による社内映像の流失やスピーカによる音声の再生によって、情報が漏洩してしまいかねないため、テレプレゼンスの種類を変更する必要がある。
【0006】
よって、従来の手法または手段には、以下のような問題点がある。
【0007】
第1の問題点は、自身と相手の双方の通常のプレゼンスに連動した制御ができないことである。その理由は、送信相手ごとのテレプレゼンスの種類の設定しかできず、自身と相手の双方の通常のプレゼンスにもとづいたテレプレゼンスを詳細に切り替える機能がないからである。
【0008】
第2の問題点は、相手が利用しているデバイスに依存したテレプレゼンスの送信制御ができないことである。その理由は、相手の状況によるテレプレゼンスの制御ができないからである。
【0009】
そこで、本発明は、自身と相手の双方の通常のプレゼンス情報に基づいてテレプレゼンスを詳細に制御することで、相手と自身の状況に合わせた効率がよいマルチメディアのテレプレゼンスを実現することができるプレゼンス交換端末、プレゼンス交換方法およびプレゼンス交換プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
また、相手のデバイス状況によって、マルチメディアのテレプレゼンスの手段や品質をさらに制御することで、情報漏えいを防止するマルチメディアのテレプレゼンスの表示を可能にするプレゼンス交換端末、プレゼンス交換方法およびプレゼンス交換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるプレゼンス交換端末は、マルチメディアのテレプレゼンス交換システムにおけるプレゼンス交換端末であって、通常の文字列のプレゼンス情報を交換するために前記プレゼンス情報を設定する設定手段と、前記プレゼンス情報を取得する取得手段と、静止画、動画もしくは音声のうちのいずれかまたは複数のマルチメディアのテレプレゼンス情報を送信する送信手段と、前記テレプレゼンス情報を受信して再生する再生手段と、当該プレゼンス交換端末自身およびマルチメディアのテレプレゼンス情報の送信相手の通常の文字列のプレゼンス情報の対応関係にもとづいて、送信するマルチメディアのテレプレゼンスを決定する決定手段と、マルチメディアのテレプレゼンス情報を受信する端末の装置を示す情報にもとづいて、送信するマルチメディアのテレプレゼンスを絞り込む絞込手段と、送信相手の通常プレゼンスを格納する格納装置と、送信相手の文字列プレゼンスと当該プレゼンス交換端末自身の文字列プレゼンスとにもとづいて指定のテレプレゼンスがテレプレゼンス情報を送信可能か否かを示す対応表、および送信相手のデバイスの状況によってテレプレゼンスがテレプレゼンス情報を送信可能か否かを示す対応表を記憶する記憶装置とを備えたことを特徴とする。なお、プレゼンス情報を取得するとは、例えば、通常プレゼンスサーバから他の利用者の端末装置のプレゼンス情報を受信することである。
【0012】
さらに機密度の設定を行う機密度設定手段と、機密度にもとづいてマルチメディアのテレプレゼンスのメディアをさらに絞り込む機密度絞込手段とを備えてもよい。
【0013】
取得手段は、送信相手の文字列のプレゼンスを受信し、格納装置は、送信先の通常プレゼンス情報を記憶し、決定手段は、送信先の通常プレゼンス情報か当該プレゼンス交換端末自身の通常プレゼンスの設定のいずれかが変化したら、テレプレゼンスのメディアごとに用意された当該プレゼンス交換端末自身の文字列のプレゼンスと送信相手の文字列のプレゼンスとの2次元の表から、送信可能なメディアかどうかを判定してもよい。
【0014】
決定手段は、テレプレゼンスのメディアごとに用意された当該プレゼンス交換端末自身の文字列のプレゼンスと送信相手の文字列のプレゼンスとの2次元の表の中を複数用意して、送信相手によって適切な表を選択してもよい。
【0015】
絞込手段は、受信した送信相手の通常プレゼンスのアドレス情報および音声デバイスの情報にもとづいて、テレプレゼンスのメディアごとに送信してよいか否かを絞り込んでもよい。
【0016】
絞込手段は、決定手段が当該プレゼンス交換端末自身のテレプレゼンス情報の送信相手の文字列のプレゼンス情報にもとづいてテレプレゼンスを決定した後に、送信相手の装置の情報にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行ってもよい。
【0017】
機密度絞込手段は、決定手段が当該プレゼンス交換端末自身のテレプレゼンス情報の送信相手の文字列のプレゼンス情報にもとづいてテレプレゼンスを決定した後に、送信端末で指定した機密度にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行ってもよい。
【0018】
機密度絞込手段は、絞込手段が送信相手の文字列のプレゼンス情報から導出される装置の情報にもとづいてテレプレゼンスを絞り込んだ後に、送信端末で指定した機密度にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行ってもよい。
【0019】
絞込手段は、決定手段が当該プレゼンス交換端末自身のテレプレゼンス情報の送信相手の文字列のプレゼンス情報にもとづいてテレプレゼンスを決定した後に、送信相手の装置の情報にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行い、
機密度絞込手段は、さらに、送信端末で指定した機密度にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行ってもよい。
【0020】
本発明によるプレゼンス交換方法は、通常プレゼンスを送受信するステップと、プレゼンス交換端末自身およびテレプレゼンス受信端末の通常の文字列のプレゼンスにもとづいてテレプレゼンスを絞り込むステップと、送信相手のデバイスによってテレプレゼンスを絞り込むステップと、送信端末で指定した機密度にもとづいてテレプレゼンスを絞り込み、その後テレプレゼンス情報を送信および受信するステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明によるプレゼンス交換プログラムは、コンピュータに、通常プレゼンスを送受信する処理と、プレゼンス交換端末自身およびテレプレゼンス受信端末の通常の文字列のプレゼンスにもとづいてテレプレゼンスを絞り込む処理と、送信相手のデバイスによってテレプレゼンスを絞り込む処理と、送信端末で指定した機密度にもとづいてテレプレゼンスを絞り込み、その後テレプレゼンス情報を送信および受信する処理とを実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明によるプレゼンス交換端末装置の好ましい一態様は、例えば、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段を備え、テレプレゼンス送信先の通常プレゼンスと自身の端末が設定したプレゼンスを、送信相手対応表によって示された通常プレゼンス対応パタンによって割り出されたテレプレゼンス手段によって、テレプレゼンスを交換することを特徴とする。
【0023】
本発明によるプレゼンス交換端末装置の好ましい他の一態様は、例えば、、相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段を備え、テレプレゼンス送信先の通常プレゼンスと、送信相手対応表によって示された相手デバイス対応パタンによって割り出されたテレプレゼンス手段によって、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質要請手段で割り出されたテレプレゼンス手段をさらに絞り込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、自身と相手の双方の通常のプレゼンスに連動した制御ができるという効果がある。その理由は、本発明によるプレゼンス交換端末装置が、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段を備え、テレプレゼンス送信先の通常プレゼンスと自身の端末が設定したプレゼンスを、送信相手対応表によって示された通常プレゼンス対応パタンによって割り出されたテレプレゼンス手段によって、テレプレゼンスを交換することで、自身と相手の双方の通常のプレゼンスにもとづいたテレプレゼンスを詳細に切り替える機能を有するからである。
【0025】
また、本発明によれば、相手が利用しているデバイスに依存したテレプレゼンスの送信制御ができるという効果がある。その理由は、プレゼンス交換端末装置が相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段を備え、テレプレゼンス送信先の通常プレゼンスと、送信相手対応表によって示された相手デバイス対応パタンによって割り出されたテレプレゼンス手段によって、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質要請手段で割り出されたテレプレゼンス手段をさらに絞り込むことで、相手の状況によりテレプレゼンスを制御するからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明によるプレゼンス交換端末装置(端末装置)を備える通信システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す通信システムは、通常プレゼンス交換サーバ1と、複数の端末装置10とを備える。端末装置10は、それぞれテレプレゼンス品質調整手段20を含む。
【0027】
端末装置10は、ネットワークを介して、他の端末装置10および通常プレゼンス交換サーバ1と接続され、通信を行う。
【0028】
通常プレゼンス交換サーバ1は、既存のプレゼンスサーバであり、例えば、利用者の在席、不在、離席、通話中、取込中、会議中などの文字列のプレゼンスを管理している。なお、「プレゼンス」とは、利用者の在席、不在、離席、通話中、取込中、会議中などの利用者の状態のことである。
【0029】
端末装置10は、通常プレゼンス交換サーバ1に、自身の通常プレゼンス情報を登録する。また、端末装置10は、通常プレゼンス交換サーバ1から他の利用者の端末装置10の通常プレゼンス情報を取得(受信)して表示する。
【0030】
テレプレゼンス品質調整手段20は、通常プレゼンスに加えて、動画、音声、静止画などのマルチメディアのテレプレゼンスを、送信側、受信側双方の通常プレゼンス、受信側のデバイス情報および送信側の通話状況に応じて、選択して通信する。なお、「テレプレゼンス」とは、動画、音声、静止画などマルチメディアにおいて用いられる各メディアのことである。
【0031】
次に、図面を参照し、本発明によるプレゼンス交換端末装置の構成について説明する。図2は、本発明によるプレゼンス交換端末装置(端末装置)の構成例を示すブロック図である。図2に示す端末装置は、端末入力出力装置100と、端末処理装置200と、端末記憶装置300とを備え、それぞれが結びついてひとつの端末装置10(図1参照。)を構成する。端末入力出力装置100、端末処理装置200および端末記憶装置300は、それぞれネットワークを介して、他の端末装置および通常プレゼンス交換サーバ1と接続され、通信を行う。
【0032】
端末入力装置100は、通常プレゼンス設定手段101と、機密度設定手段102と、テレプレゼンス入力手段103と、テレプレゼンス出力手段104とを含む。
【0033】
通常プレゼンス設定手段101は、自身の端末装置の文字列のプレゼンスを設定する一般的なプレゼンス設定手段である。通常プレゼンス設定手段101は、通常プレゼンスとして、在席、不在、離席、通話中、取込中、会議中などの文字列情報を設定し、通常プレゼンス交換サーバ1に通知(送信)する。このとき、図3に示すように、自身の端末のIPアドレスと、スピーカかヘッドセットのどちらを使っているかを示す音声出力デバイス情報とを同時に通常プレゼンス交換サーバ1に送付(送信)する。
【0034】
図3は、通常プレゼンス情報の例を示す説明図である。プレゼンス情報は、図3に示すように、通常プレゼンスを示す情報と、IPアドレスを示す情報と、音声出力デバイス情報とを含む情報である。
【0035】
通常プレゼンス設定手段101は、通常プレゼンス情報を通常プレゼンス交換サーバ1に送信する。また、通常プレゼンス設定手段101は、同時に、自身の端末処理装置200内の後述する通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202に、自身の通常プレゼンス情報を通知(送信)する。
【0036】
機密度設定手段102は、通話中の機密度(機密レベル)を設定する。図4は、機密度設定手段102が設定する機密レベルの例を示す説明図である。機密度設定手段102は、機密レベルとして図4に示す数値を設定する。機密レベルは、利用可能なメディアを絞り込むための情報である。例えば、図4に示すように、機密レベル2として、静止画および動画をテレプレゼンスで送信することが可能だが、音声をテレプレゼンスで送信することは不可にする設定ができる。機密レベルを設定することにより、通話の内容に応じて、テレプレゼンスの受信者に聞かせたくない情報、見せたくない情報を遮断することが選択可能となる。ここで設定された利用可能なメディアの絞込み情報(機密レベル)は、端末処理装置200内の後述する通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204に送信される。
【0037】
テレプレゼンス入力手段103は、動画、静止画、音声などのマルチメディア情報(テレプレゼンス情報)を入力するカメラやマイクロフォンなどのデバイスである。入力されたマルチメディア情報は、後述する送信相手ごとのテレプレゼンス送信手段205に送られる。なお、テレプレゼンス情報とは、動画、音声、静止画などのメディアデータのことである。
【0038】
テレプレゼンス出力手段104は、他の端末装置から送られてきたテレプレゼンス情報を出力する。テレプレゼンス出力手段104は、例えば、画面を表示するモニタ等の表示装置やヘッドセット、スピーカによって実現され、テレプレゼンス情報を出力する。
【0039】
次に、端末処理装置200について説明する。端末処理装置200は、通常プレゼンス取得手段201と、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202と、相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203と、通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204と、送信相手ごとのテレプレゼンス送信手段205と、テレプレゼンス通信手段206と、テレプレゼンス受信・合成手段207とを含む。通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202、相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203および通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204は、テレプレゼンス品質調整手段20(図1参照。)に対応する。
【0040】
テレプレゼンス取得手段201は、通常プレゼンス交換サーバ1から、テレプレゼンスの送信相手の通常プレゼンス情報として、相手の通常プレゼンスを示す情報と、IPアドレスを示す情報と、音声出力デバイス情報とを取得し、端末記憶装置300内の後述する送信先の通常プレゼンス情報301として記憶する。
【0041】
通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202は、自身の通常プレゼンスと、テレプレゼンスの送信相手の通常プレゼンスとから、どのメディアがテレプレゼンス情報を送信するのかを絞り込む。
【0042】
通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202は、後述する送信先の通常プレゼンス情報301から取得(抽出)するテレプレゼンス送信先の通常プレゼンス(図3参照。)と、通常プレゼンス設定手段101から受け取る自身の通常プレゼンス(図3参照。)とを元に、後述する送信相手対応表記憶手段304に記憶されている送信相手対応表から、送信相手を示す情報に基づいてプレゼンス対応表の番号を検索する。そして、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202は、該当する対応番号から、後述する通常プレゼンス対応パタン記憶手段303に記憶されている通常プレゼンス対応パタンを取得(抽出)する。また、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202は、抽出した通常プレゼンス対応パタンから、送信するテレプレゼンスのメディアを決定する。図5は、送信相手対応表の例を示す説明図である。また、図6は、通常プレゼンス対応パタンの例を示す説明図である。
【0043】
通常プレゼンス対応パタンには、例えば、音声、動画、静止画等のテレプレゼンスのメディアごとに、自身の端末の通常プレゼンスと、テレプレゼンスの送信相手の端末の通常プレゼンスとの対応表が記載されている。該当メディアのテレプレゼンスを送信しない「×」、テレプレゼンスを送信する「○」、高精細なテレプレゼンスを送信する「◎」などのレベルの表記をすることが可能であり、画像などでは単純な×○◎だけでなく、解像度やフレームレートなどを細かく設定することもできる。
【0044】
図6に示す通常プレゼンス対応パタンで、「○」「◎」などが設定され、送信が許可されたテレプレゼンスのメディアを示す情報は、次に、相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203に送られる。
【0045】
相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203は、相手が利用しているデバイス情報(音声出力デバイス情報)にもとづいて、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202から送られてきたテレプレゼンスのメディアを示す情報の再度の絞込みを行う。
【0046】
相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203は、後述する送信先の通常プレゼンス情報301から取得(抽出)するテレプレゼンス送信先のIPアドレスと音声出力デバイス情報と(図3参照。)を元に、後述する送信相手対応表記憶手段304に記憶されている送信相手対応表(図5参照。)から、送信相手を示す情報に基づいてデバイス対応表の番号を検索する。そして、テレプレゼンス送信端末は、該当する対応番号から、後述する相手デバイス対応パタン記憶手段302に記憶されている相手デバイス対応パタンを取得(抽出)する。
【0047】
図7は、相手デバイス対応パタンの例を示す説明図である。図7に示すように、相手デバイス対応パタンは、再生媒体と、送信相手のパーソナルコンピュータとに対応付けられた、所定のテレプレゼンスのメディアの送信可否を示す情報である。図7に示す相手デバイス対応パタンでは、音声、動画、静止画等のテレプレゼンスのメディアを示す情報に対し、音声について、スピーカかヘッドセットかを示す再生デバイスを示す情報(音声出力デバイス情報)を加え、再生する媒体としている。図7には、音声(スピーカ)、音声(ヘッドセット)、動画、静止画を再生媒体とする場合が例示されている。
【0048】
相手デバイス対応パタンにおける送信相手のパーソナルコンピュータ(例えば、社外PC、居室外PC、居室内PC、在宅PC)は、送信相手のIPアドレスから割り出される。相手デバイス対応パタンは、図7に例示するように、各再生媒体がどのパーソナルコンピュータで再生可能であるかを○や×で示した表(テーブルデータ)である。
【0049】
例えば、テレプレセンスのメディアを示す情報が、音声を送信可能であることを示す情報である場合について説明する。相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203は、音声出力デバイス情報からスピーカかヘッドセットかを取得(抽出)して再生媒体を特定する。相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203は、特定した再生媒体を示す情報と、送信相手のパーソナルコンピュータを示す情報を元に、所定の表引き処理(相手デバイス対応パタンの検索)処理を実行する。検索した結果が×ならば、送信するメディアから音声を除外する。なお、スピーカおよびヘッドセットが両方再生可能状態である場合には、「音声(スピーカ)」と「音声(ヘッドセット)」に対応する検索結果のどちらかが×ならば、音声を除外する。
【0050】
相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203が、送信するテレプレゼンスのメディアを絞り込むことにより、例えば、相手のパーソナルコンピュータの存在場所によるきめ細かい送信制御が可能となり、マルチメディアのテレプレゼンス送信による外部への情報漏えいを防止することができる。絞り込まれたテレプレゼンスのメディアを示す情報は、通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204に送られる。
【0051】
通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204は、通話内容に応じてテレプレゼンスを送信している端末のユーザが指定した機密度に基づいて、相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203から送られてきたテレプレゼンスのメディアの再度の絞込みを行う。
【0052】
通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204は、機密度設定手段102が指定した機密度(図4参照。)によって、送信可能なテレプレゼンスのメディアの絞込みを行う。機密度が高いほど、利用可能なメディアは少なくなる。この絞込みを行うことで、通話内容や作業内容に応じて、テレプレゼンスを簡単に絞り込むことが可能となり、常に情報を送信することによる心理的な障壁を低下させることができる。
【0053】
通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段202、相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段203および通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204が行う一連の処理の中で、送信相手ごとに、送信可能なテレプレゼンスのメディアが確定する。通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204は、確定したテレプレゼンスのメディアを示す情報を、送信相手ごとのテレプレゼンス送信手段205に送る。
【0054】
送信相手ごとのテレプレゼンス送信手段205は、テレプレゼンス入力手段103から送られるテレプレゼンスについて、通話機密度によるテレプレゼンス品質調整手段204から送られる送信相手ごとのテレプレゼンスの利用可能なメディアを示す情報を元に、どのメディアデータ(テレプレゼンス情報)を送信するべきかの制御を行う。送信相手ごとのテレプレゼンス送信手段205は、送信可能であるならば、送信相手を示す情報とテレプレゼンス情報とをプレゼンス通信手段206に送る。
【0055】
プレゼンス通信手段206は、送信相手ごとのテレプレゼンス送信手段205から送られた送信相手を示す情報に従って、送信相手が使用する別の端末装置に対してテレプレゼンス情報の送信を行う。
【0056】
逆に、別の端末からテレプレゼンス情報を受信した場合、プレゼンス通信手段206は、受信したテレプレゼンス情報をテレプレゼンス受信・合成手段207へ送る。
【0057】
テレプレゼンス受信・合成手段207は、テレプレゼンス通信手段206から送信元の端末ごとに受け取ったテレプレゼンス情報を合成する。テレプレゼンス受信・合成手段207は、テレプレゼンスが音声であるならばミキシングを行い、動画像、静止画であれば、領域を分割し画面に出力する形式に変換し、テレプレゼンス出力手段104に送る。
【0058】
端末記憶装置300は、送信先の通常プレゼンス情報301を記憶し、相手デバイス対応パタン記憶手段302と、通常プレゼンス対応パタン記憶手段303と、送信相手対応表記憶手段304とを含む。
【0059】
送信先の通常プレゼンス情報301は、通常プレゼンス取得手段201から送られた、通常プレゼンス、IPアドレスおよび音声出力デバイス情報(図3参照。)を含む情報である。送信先の通常プレゼンス情報301は、相手が通常プレゼンス交換サーバ1にログインしプレゼンス情報を登録したときに書き込まれ、ログアウトしたら消去される。
【0060】
相手デバイス対応パタン記憶手段302は、相手デバイス対応パタンを記憶する。相手デバイス対応パタンは、再生媒体ごとに、どの場所のパーソナルコンピュータでテレプレゼンスの送信を許すか、送信させないかを示す情報を記憶している。
【0061】
相手デバイス対応パタン記憶手段302には、例えば、複数の相手デバイス対応パタンが記憶され、それぞれに一意の番号が付与され、管理されている。設定者あるいは端末装置の利用者によって、あらかじめ複数の相手デバイス対応パタンが登録され、端末の起動時に静的に決定される。
【0062】
通常プレゼンス対応パタン記憶手段303は、通常プレゼンス対応パタンを記憶する。通常プレゼンス対応パタンは、音声、動画、静止画等のテレプレゼンスのメディアごとに、自身の通常プレゼンスとテレプレゼンスの送信相手の通常プレゼンスとの2次元の表になっている。
【0063】
通常プレゼンス対応パタンは、例えば、自身の通常プレゼンスとテレプレゼンスの送信相手の通常プレゼンスとに対応付けられた、各メディアがテレプレゼンス情報を送信可能か否かを示す情報である。なお、通常プレゼンス対応パタンは、例えば、自身の通常プレゼンスとテレプレゼンスの送信相手の通常プレゼンスとに対応付けて、テレプレゼンス情報を送信可能なメディアを示す情報であってもよい。
【0064】
通常プレゼンス対応パタンにおいて、所定のメディアがテレプレゼンス情報を送信可能な場合は○、送信不可能な場合は×、高品質で送信可能な場合は◎が設定される。テレプレゼンスの種類によっては、数値で品質を指定することができる。通常プレゼンス対応パタンにより、例えば、自身が取込中で、相手が在席の場合には、高品質で動画を送信するとの指定ができ、自身が離席で、相手が離席の場合は、静止画しか送らないとの指定もできる。また、親密度の高い相手に対しては、どんな場合でも動画を送信するが、通話中にだけは、動画を送ると重く(処理が遅く)なるので、静止画に切り替えるという指定ができる。
【0065】
通常プレゼンス対応パタンには、例えば、一意の番号が付与されている。設定者あるいは端末装置の利用者によって、あらかじめ複数の通常プレゼンス対応パタンが登録され、端末の起動時に静的に決定される。複数の通常プレゼンス対応パタンが、通常プレゼンス対応パタン記憶手段303に記憶される。
【0066】
送信相手対応表記憶手段304は、送信相手ごとの対応表(送信相手対応表)を格納する。図5に示すように、送信相手対応表には、送信相手に対応付けて通常プレゼンス対応パタンを示す番号が設定された「プレゼンス対応表」と、同様に送信相手に対応付けて相手デバイス対応パタンを示す番号が設定された「デバイス対応表」が格納されている。すなわち、「プレゼンス対応表」には、どのユーザがどの通常プレゼンス対応パタンを利用するかを示す番号が登録される。「デバイス対応表」には、どのユーザがどの相手デバイス対応パタンを利用するかを示す番号が登録される。
【0067】
送信相手対応表は、例えば、端末装置の利用者または設定者によって登録される。相手によって通常プレゼンス対応パタンや相手デバイス対応パタンを設定または変更することが容易であるので、ユーザごとの細かいテレプレゼンスの制御が可能となる。
【0068】
なお、端末装置は、コンピュータで実現可能であり、端末処理装置200を構成する各構成要素は、コンピュータの処理装置(CPU)に上述した機能を実現させるためのプログラムとして実現可能である。
【0069】
次に、図面を参照して本実施の形態の動作について説明する。図8は、本実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0070】
端末装置として、テレプレゼンス送信端末およびテレプレゼンス受信端末が存在することを前提に説明する。テレプレゼンス送信端末およびテレプレゼンス受信端末の構成は、端末装置10の構成と同様である。ステップS101〜S110の処理は、テレプレゼンス送信端末が行う処理である。また、ステップS201〜S205は、テレプレゼンス受信端末が行う処理である。
【0071】
ステップS101において、テレプレゼンス送信端末は、通常プレゼンスの設定を行う。ステップS201において、テレプレゼンス受信端末は、通常プレゼンスの設定を行う。
【0072】
次に、ステップS202において、テレプレゼンス受信端末は、通常プレゼンス、自身のIPアドレスおよび音声出力デバイス情報を、通常プレゼンス交換サーバ1に送信する。
【0073】
テレプレゼンス送信端末は、ステップS202においてテレプレゼンス受信端末が送信した通常プレゼンス情報を、通常プレゼンス交換サーバ1から受信する(ステップS102)。ステップS103において、テレプレゼンス送信端末は、受信した通常プレゼンス情報から、IPアドレスと音声出力デバイス情報とを抽出し、送信先の通常プレゼンス情報301として記憶する。
【0074】
ステップS104において、テレプレゼンス送信端末は、通常プレゼンスによるテレプレゼンスの絞込みを行う。テレプレゼンス送信端末は、自身の通常プレゼンスと、テレプレゼンス情報の送信相手の通常プレゼンスとから、どのメディアがテレプレゼンス情報を送信するのかを絞り込む。
【0075】
テレプレゼンス送信端末は、送信先の通常プレゼンス情報301から取得(抽出)するテレプレゼンス送信先の通常プレゼンス(図3参照。)と、通常プレゼンス設定手段101から受け取る自身の通常プレゼンス(図3参照。)とを元に、送信相手対応表記憶手段304に記憶されている送信相手対応表(図5参照。)から、送信相手を示す情報に基づいてプレゼンス対応表の番号を検索する。そして、テレプレゼンス送信端末は、該当する対応番号から、通常プレゼンス対応パタン記憶手段303に記憶されている通常プレゼンス対応パタン(図6参照。)を取得(抽出)する。また、抽出した通常プレゼンス対応パタンから、テレプレゼンス情報を送信可能なメディアを決定する。
【0076】
通常プレゼンス対応パタンには、例えば、音声、動画、静止画等のテレプレゼンスのメディアごとに、自身の端末の通常プレゼンスと、テレプレゼンスの送信相手の端末の通常プレゼンスとの対応表が記載されている。該当メディアのテレプレゼンスを送信しない「×」、テレプレゼンスを送信する「○」、高精細なテレプレゼンスを送信する「◎」などのレベルの表記をすることが可能であり、画像などでは単純な×○◎だけでなく、解像度やフレームレートなどを細かく設定することもできる。
【0077】
次に、ステップS105において、テレプレゼンス送信端末は、相手の再生デバイスにもとづいてテレプレゼンスの再度の絞込みを行う。
【0078】
テレプレゼンス送信端末は、送信先の通常プレゼンス情報301から取得(抽出)するテレプレゼンス送信先のIPアドレスと音声出力デバイス情報と(図3参照。)を元に、送信相手対応表記憶手段304に記憶されている送信相手対応表(図5参照。)から、送信相手を示す情報に基づいてデバイス対応表の番号を検索する。そして、テレプレゼンス送信端末は、該当する対応番号から、相手デバイス対応パタン記憶手段302に記憶されている相手デバイス対応パタン(図7参照。)を取得(抽出)する。
【0079】
図7に示す相手デバイス対応パタンでは、音声、動画、静止画等のテレプレゼンスのメディアを示す情報に対し、音声について、スピーカかヘッドセットかを示す再生デバイスを示す情報(音声出力デバイス情報)を加え、再生する媒体としている。図7には、音声(スピーカ)、音声(ヘッドセット)、動画、静止画を再生媒体とする場合が例示されている。
【0080】
相手デバイス対応パタンにおける送信相手のパーソナルコンピュータ(例えば、社外PC、居室外PC、居室内PC、在宅PC)は、送信相手のIPアドレスから割り出される。相手デバイス対応パタンは、図7に例示するように、各再生媒体がどのパーソナルコンピュータで再生可能であるかを○や×で示した表(テーブルデータ)である。
【0081】
例えば、テレプレセンスのメディアデータを示す情報が、音声を送信可能であることを示す情報である場合について説明する。テレプレゼンス送信端末は、音声出力デバイス情報からスピーカかヘッドセットかを取得(抽出)して再生媒体を特定する。テレプレゼンス送信端末は、特定した再生媒体を示す情報と、送信相手のパーソナルコンピュータを示す情報を元に、所定の表引き処理(相手デバイス対応パタンの検索)処理を実行する。検索した結果が×ならば、送信するメディアから音声を除外する。なお、スピーカおよびヘッドセットが両方再生可能状態である場合には、「音声(スピーカ)」と「音声(ヘッドセット)」に対応する検索結果のどちらかが×ならば、音声を除外する。
【0082】
テレプレゼンス送信端末が、送信するテレプレゼンスのメディアを絞り込むことにより、例えば、相手のパーソナルコンピュータの存在場所によるきめ細かい送信制御が可能となる。
【0083】
次に、ステップS106において、テレプレゼンス送信端末は、機密度の設定によるテレプレゼンスの再々度の絞込みを行う。テレプレゼンス情報の送信端末の機密度の設定によって、利用可能なメディアの絞り込みを行う。通話内容や作業内容が、通常プレゼンス対応パタンと相手デバイス対応パタンの設定を越えて送信を抑えたい内容である場合に、機密度を上げることで、精細なテレプレゼンス情報の送信を行わないようにすることが可能となる。
【0084】
次に、ステップS107において、テレプレゼンス送信端末は、テレプレゼンスの取得を行う。ステップS108において、テレプレゼンス送信端末は、送信相手ごとに指定したテレプレゼンスのメディアデータ(テレプレゼンス情報)の送信を開始する。
【0085】
同時に、テレプレゼンス受信端末は、ステップS203において、テレプレゼンスの受信を開始する。ステップS204において、テレプレゼンス受信端末は、テレプレゼンスの再生・表示によって、テレプレゼンス情報の出力を開始する。
【0086】
ステップS109において、機密の変更が行われた場合、テレプレゼンス送信端末は、ステップS106に制御を移し、再度機密度の設定によるテレプレゼンスの絞込みを行う。
【0087】
ステップS110およびステップS205において通常プレゼンスの変更が行われた場合、ステップS101およびステップS201に制御を移し、最初から処理を再現する。ステップS110において、テレプレゼンス送信端末の通常プレゼンスを変更した場合、ステップS101から処理が開始される。ステップS205において、テレプレゼンス受信端末の通常プレゼンスを変更した場合、ステップS201およびステップS202を通じて、ステップS102からテレプレゼンス送信端末の処理が開始される。
【0088】
次に、本実施の形態の効果について説明する。本実施の形態では、端末装置が、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段を備え、テレプレゼンス情報送信先の通常プレゼンスと自身の端末が設定したプレゼンスを、送信相手対応表によって示された通常プレゼンス対応パタンによって割り出されたテレプレゼンス手段(メディア)によって、テレプレゼンス情報を交換する。そのため、自身と相手の双方の通常のプレゼンスにもとづいたテレプレゼンスを詳細に切り替える機能を有することにより、自身と相手の双方の通常のプレゼンスに連動した制御ができる。
【0089】
本発明の形態では、さらに、端末装置が、相手デバイスによるテレプレゼンス品質調整手段を備え、テレプレゼンス送信先の通常プレゼンスと、送信相手対応表が示す相手デバイス対応パタンによって割り出されたテレプレゼンス手段(メディア)によって、通常プレゼンスによるテレプレゼンス品質調整手段で割り出されたテレプレゼンス手段をさらに絞り込む。そのため、相手の状況に応じてテレプレゼンスを制御することにより、相手が利用しているデバイスに依存したテレプレゼンス情報の送信制御ができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、IP電話やWeb会議などのコミュニケーションシステムにおいて、過不足なく適切にプレゼンスを伝えることで、相手の状況通知と状況把握を行うために効果的に適用できる。相手のプレゼンスをマルチメディアのテレプレゼンスによって詳細に確認でき、その送信範囲を自身と相手の通常の文字列のプレゼンスや、相手の出力デバイスによって絞込みができるので、豊富なプレゼンス情報による機密情報の漏洩の危険を防止し、相手と自分の状況、相手の場所によってマルチメディアの自動的に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明によるプレゼンス交換端末装置(端末装置)を備える通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるプレゼンス交換端末装置(端末装置)の構成例を示すブロック図である。
【図3】通常プレゼンス情報の例を示す説明図である。
【図4】機密レベルの例を示す説明図である。
【図5】送信相手対応表の例を示す説明図である。
【図6】通常プレゼンス対応パタンの例を示す説明図である。
【図7】相手デバイス対応パタンの例を示す説明図である。
【図8】本実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】従来の通信システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0092】
1 通常プレゼンス交換サーバ
10 端末装置
20 テレプレゼンス品質調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディアのテレプレゼンス交換システムにおけるプレゼンス交換端末であって、
通常の文字列のプレゼンス情報を交換するために前記プレゼンス情報を設定する設定手段と、
前記プレゼンス情報を取得する取得手段と、
静止画、動画もしくは音声のうちのいずれかまたは複数のマルチメディアのテレプレゼンス情報を送信する送信手段と、
前記テレプレゼンス情報を受信して再生する再生手段と、
当該プレゼンス交換端末自身およびマルチメディアのテレプレゼンス情報の送信相手の通常の文字列のプレゼンス情報の対応関係にもとづいて、送信するマルチメディアのテレプレゼンスを決定する決定手段と、
マルチメディアのテレプレゼンス情報を受信する端末の装置を示す情報にもとづいて、送信するマルチメディアのテレプレゼンスを絞り込む絞込手段と、
送信相手の通常プレゼンスを格納する格納装置と、
送信相手の文字列プレゼンスと当該プレゼンス交換端末自身の文字列プレゼンスとにもとづいて指定のテレプレゼンスがテレプレゼンス情報を送信可能か否かを示す対応表、および送信相手のデバイスの状況によってテレプレゼンスがテレプレゼンス情報を送信可能か否かを示す対応表を記憶する記憶装置と
を備えたことを特徴とするプレゼンス交換端末。
【請求項2】
さらに機密度の設定を行う機密度設定手段と、
機密度にもとづいてマルチメディアのテレプレゼンスのメディアをさらに絞り込む機密度絞込手段と
を備えた請求項1記載のプレゼンス交換端末。
【請求項3】
取得手段は、送信相手の文字列のプレゼンスを受信し、
格納装置は、送信先の通常プレゼンス情報を記憶し、
決定手段は、送信先の通常プレゼンス情報か当該プレゼンス交換端末自身の通常プレゼンスの設定のいずれかが変化したら、テレプレゼンスのメディアごとに用意された当該プレゼンス交換端末自身の文字列のプレゼンスと送信相手の文字列のプレゼンスとの2次元の表から、送信可能なメディアかどうかを判定する
請求項1または請求項2記載のプレゼンス交換端末。
【請求項4】
決定手段は、テレプレゼンスのメディアごとに用意された当該プレゼンス交換端末自身の文字列のプレゼンスと送信相手の文字列のプレゼンスとの2次元の表の中を複数用意して、送信相手によって適切な表を選択する
請求項3記載のプレゼンス交換端末。
【請求項5】
絞込手段は、受信した送信相手の通常プレゼンスのアドレス情報および音声デバイスの情報にもとづいて、テレプレゼンスのメディアごとに送信してよいか否かを絞り込む
請求項1記載のプレゼンス交換端末。
【請求項6】
絞込手段は、決定手段が当該プレゼンス交換端末自身のテレプレゼンス情報の送信相手の文字列のプレゼンス情報にもとづいてテレプレゼンスを決定した後に、送信相手の装置の情報にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行う
請求項1記載のプレゼンス交換端末。
【請求項7】
機密度絞込手段は、決定手段が当該プレゼンス交換端末自身のテレプレゼンス情報の送信相手の文字列のプレゼンス情報にもとづいてテレプレゼンスを決定した後に、送信端末で指定した機密度にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行う
請求項2記載のプレゼンス交換端末。
【請求項8】
機密度絞込手段は、絞込手段が送信相手の文字列のプレゼンス情報から導出される装置の情報にもとづいてテレプレゼンスを絞り込んだ後に、送信端末で指定した機密度にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行う
請求項2記載のプレゼンス交換端末。
【請求項9】
絞込手段は、決定手段が当該プレゼンス交換端末自身のテレプレゼンス情報の送信相手の文字列のプレゼンス情報にもとづいてテレプレゼンスを決定した後に、送信相手の装置の情報にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行い、
機密度絞込手段は、さらに、送信端末で指定した機密度にもとづいてさらにテレプレゼンスの絞込みを行う
請求項2記載のプレゼンス交換端末。
【請求項10】
通常プレゼンスを送受信するステップと、
プレゼンス交換端末自身およびテレプレゼンス受信端末の通常の文字列のプレゼンスにもとづいてテレプレゼンスを絞り込むステップと、
送信相手のデバイスによってテレプレゼンスを絞り込むステップと、
送信端末で指定した機密度にもとづいてテレプレゼンスを絞り込み、その後テレプレゼンス情報を送信および受信するステップと
を含むプレゼンス交換方法。
【請求項11】
コンピュータに、
通常プレゼンスを送受信する処理と、
プレゼンス交換端末自身およびテレプレゼンス受信端末の通常の文字列のプレゼンスにもとづいてテレプレゼンスを絞り込む処理と、
送信相手のデバイスによってテレプレゼンスを絞り込む処理と、
送信端末で指定した機密度にもとづいてテレプレゼンスを絞り込み、その後テレプレゼンス情報を送信および受信する処理と
を実行させるためのプレゼンス交換プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−294564(P2008−294564A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135700(P2007−135700)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】