説明

プレペーストの製造装置

【課題】均質で高品質なプレペーストを効率良く製造可能なプレペーストの製造装置を提供する。
【解決手段】プレペーストの製造装置としての湿式ジェットミル1は、触媒に対して所定量の水を添加する給水器28を有している。また、湿式ジェットミル1は、第1混合物を粉砕可能な粉砕ユニット9と、粉砕ユニット9まで第1混合物を移送可能な上流流路19と、粉砕ユニットを経た第1混合物を上流流路19まで移送可能な第1、2下流流路20、22と、接続流路23とを有している。さらに、湿式ジェットミル1は、粉砕中の第1粉砕物の粒子径及び粒度分布を検出する粒度分布計24と、粘度を検出する粘度計16と、制御装置5とを有している。制御装置5は、粒度分布計24が検出した値と粘度計16が検出した値とに基づき、第1粉砕物が所定粘度のプレペーストになるまで第1粉砕物を粉砕させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレペーストの製造装置に関する。ここで、プレペーストとは、燃料電池のカソード極やアノード極といった電極を構成する触媒ペーストの調製を行う際、高分子電解質(高分子電解質の溶液)とともに混合されるペーストを指す。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示すような膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)90を用いた燃料電池システムが知られている。このMEA90は、ナフィオン(登録商標、Nafion(Du pont社製))等の固体高分子膜からなる電解質膜91と、この電解質膜91の一面に接合されて空気が供給されるカソード極93と、電解質膜91の他面に接合されて水素等の燃料が供給されるアノード極92とを有している。
【0003】
カソード極93は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等のガス透過性のある基材93bと、この基材93bの一面に形成されたカソード触媒層93aとからなる。カソード極93におけるカソード触媒層93a以外の部分は基材93bによって構成されており、ここは非電解質側でカソード触媒層93aに空気を拡散するカソード拡散層とされている。
【0004】
カソード触媒層93aやアノード触媒層92aは、図8に示すように、カーボンブラックからなる担体81aに白金(Pt)等の触媒金属微粒子81bを担持してなる無数の触媒81と、高分子電解質82とを含むものである。高分子電解質82としては電解質膜91と同様のものが用いられる。
【0005】
上記のカソード触媒層93aやアノード触媒層92aを形成する触媒ペーストは、触媒81と水とが混合されて得られたプレペーストと、高分子電解質82とを混練することにより調製することができる。この触媒ペーストでは、触媒81の周りを覆うように高分子電解質82による層が形成される。また、触媒81と高分子電解質82の層との間には、親水層83が形成される。この触媒ペーストを上記の基材93b、92bの一面に塗布することにより、カソード触媒層93aやアノード触媒層92aが得られている。
【0006】
そして、このMEA90を図示しないセパレータで挟むことにより最小発電単位である燃料電池のセルが構成され、このセルが多数積層されて燃料電池スタックが構成される。カソード触媒層93aには空気供給手段によって空気が供給され、アノード触媒層92aには水素供給手段等によって水素等が供給されるようになっている。こうして燃料電池システムが構成される。
【0007】
このMEA90では、アノード触媒層92aにおける電気化学的反応により、燃料から水素イオン(H+;プロトン)と電子とが生成される。そして、プロトンは水分子を伴ったH3+の形で電解質膜91内をカソード触媒層93aに向かって移動する。この際、プロトンは親水層83を伝って移動する。また、電子は、燃料電池システムに接続された負荷を通り、カソード触媒層93aに流れる。一方、カソード触媒層93aにおいては、空気中に含まれる酸素とプロトンと電子とから水が生成される。このような電気化学的反応が連続して起こることにより、燃料電池システムは起電力を連続して発生することができる。
【0008】
この燃料電池システムの実用化のためには、より広い動作条件下で安定して発電できることが重要であるが、高分子電解質82は加湿された環境下でプロトンの導電性を持つ性質であるため、低湿度環境下ではイオン抵抗が上昇し、性能が低下するという問題点がある。
【0009】
この原因は、プレペーストと高分子電解質82とを混合して触媒ペーストを調製する際、比較的撥水的である触媒81の表面に高分子電解質82の疎水基が配向し易い傾向となり、生成水等の水分を保持する能力が低い電極ができることにある。
【0010】
この対策として、プレペーストを得る際、十分多量の水を添加するとともに、自転/公転式遠心攪拌機で触媒81と水とを十分混合することにより、水を触媒81の内部に十分行き渡らせる親水化工程が有効である。この対策により、触媒81の表面をより親水的にすることができ、触媒81の表面に高分子電解質82の親水性官能基をより多く配向させることが可能になる。この結果、発電時の生成水等が触媒81に保持され、低加湿環境での乾燥に強い電極を作製することができる(特許文献1、2)。
【0011】
具体的には、これらの製造方法では、第1工程として、チャンバー内に触媒81と水との混合物を収容した後、チャンバーを公転させることによって混合物に遠心力を付与しつつ、チャンバーを自転させることによって混合物を自身の自重で撹拌する。これにより、各触媒81の表面から空気を強制的に追い出し、表面を水で覆われた状態にすることができる。この際、遠心力の付与及び撹拌のためにボール、プロペラ等の異物を用いないことから、触媒81同士の接触は阻害され難い。
【0012】
そして、第2工程として、第1工程で得られたプレペーストに高分子電解質82の溶液を混合して触媒ペーストを得る。この際、各触媒81は水に対する濡れ性を有していることから、触媒ペースト中では各触媒81側に高分子電解質82が有する親水性官能基を配向させる。これにより、互いに接触する各触媒81と高分子電解質82との間に、水によって互いに連続する親水層83が形成された触媒ペーストが得られる。
【0013】
そして、この触媒ペーストを用いてカソード極93やアノード極92を製造すれば、それらのカソード極93やアノード極92は、親水層83によってプロトンが移動し易い。また、高分子電解質82は、その親水層83側に親水性官能基を配向させているため、プロトンの移動に親水層83が有効に活用される。また、高分子電解質82の疎水性部分は空孔側に配向して空孔側が疎水性になるため、水が溜まり難く、フラッディングが防止され、ガス拡散が阻害され難くなる。このため、燃料電池システムは、MEAのアノード極、電解質膜及びカソード極でH3+が良好に移動し、高出力が得られる。
【0014】
また、特許文献3では、触媒81の上記の親水化工程を定量的に規定した。すなわち、触媒金属微粒子81bの担持密度や高分子電解質82の混合量によらず、水の添加量を触媒81の担体81aの重量で一定値とした。具体的には、水倍率=(水の重量)/(触媒金属微粒子81bを除いた担体81aのみの重量)(H2O/C)が16以上27以下、20がその最適値であるとした。これにより、高出力をある程度安定して得られるMEAを得ることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−140061号公報
【特許文献2】特開2006−140062号公報
【特許文献3】特開2009−104905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、触媒の親水化工程において、最適値を含む過去の条件はカーボン担体の種類や粉砕状態によって変化することが判明した。このため、触媒に対する水の量の最適値をより正確に決めることが求められる。
【0017】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、均質で高品質なプレペーストを効率良く製造可能なプレペーストの製造装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のプレペーストの製造装置は、触媒に対し、該触媒と水との混合物が流動限界からスラリー状態までの範囲内のペースト状態になるように所定量の水を添加する水添加手段と、
該混合物を粉砕する粉砕手段と、
該粉砕された該混合物の粉砕状態を検出する手段と、
粉砕中の該混合物の粘度を検出する粘度検出手段と、
該混合物の粉砕状態と該粘度検出手段が検出した値とに基づき、該混合物が所定粘度のプレペーストになるまで該混合物を粉砕させる制御手段とを備えていることを特徴とする(請求項1)。
【0019】
発明者は、上記課題解決のために鋭意研究を行い、より正確に水の添加量の最適値を決定するパラメータとして粘度に着目した。発明者の知見によれば、プレペーストの粘度をモニターし、最適値になった状態は、触媒81と水とが好適に混合されており、プレペースト中において、水の中に触媒81が理想的な状態で分散した状態となっている。このため、このようなプレペーストによって得られた触媒ペーストでは、図1に示すように、高分子電解質82の主鎖100から延びる親水性官能基としての側鎖101が触媒81側に配向し、触媒81と高分子電解質82との間に連続する親水層83が形成される(PFF構造という。)こととなる。このため、このようなPFF構造が形成されたカソード触媒層93aやアノード触媒層92aを有するMEA90では、高出力を安定して得ることが可能となる。これらの知見の下で発明者は鋭意研究を行い、均質で高品質なプレペーストを効率良く得るため、発明者は、プレペーストの製造を機械化して生産性を高める、本発明を完成させるに至った。
【0020】
すなわち、本発明のプレペーストの製造装置(以下、単に製造装置という。)では、まず、水添加手段により、触媒81に対して事前に実験により決定した最適量の水が添加される。最適量については後述の実験例で詳細に説明する。
【0021】
そして、粉砕手段がこの混合物を粉砕する。粉砕することにより、水が触媒81の粒子間や細孔に行き渡り、粉砕された混合物の粘度が所定粘度に至るまで、混合物の粉砕が継続されることとなる。こうして、得られたプレペーストでは、流動限界からスラリー状態までの範囲内の水分量とされたペースト状の混合物、すなわち、触媒81と水とが好適に混合され、水の中に触媒81が理想的な状態で分散した状態となっている。また、このようにプレペーストの製造を機械化することで、得られたプレペーストは、個体毎に粘度のばらつきも少なくなっている。
【0022】
触媒81の表面を単純に親水化するという目的であれば、触媒81に対して過剰に水を混合することでもその効果を得ることが可能であると考えられる。しかしながら、触媒81に対して過剰に水を混合した場合には、混合物、ひいてはプレペースト中に余分な水が多くなる。その場合には、触媒ペーストを得る際、余分な水にも高分子電解質82の親水性官能基が配向してしまい、触媒81と高分子電解質82との間に連続する親水層83が形成され難くなる。このため、このような触媒ペーストで得られたカソード触媒層93aやアノード触媒層92aを有するMEA90では、発電時の生成水を触媒近傍に保持する能力が損なわれ、低加湿環境で燃料電池システムの出力が低下し易くなるという逆効果が生じてしまうこととなる。
【0023】
これに対し、触媒81に混合する水の混合量を流動限界スラリー状態までの範囲内とすることで、混合物における水の混合量は、水により触媒81の表面を親水化しつつ、触媒ペーストを得た際、触媒81と高分子電解質82との間に連続する親水層83を形成できる最適な少水分量とすることができる。
【0024】
したがって、本発明の製造装置によれば、均質で高品質なプレペーストを効率良く製造可能である。
【0025】
触媒81等の粒子と水との混合物における、粒子と水との分散状態について、「スラリーの安定化技術と調製事例」(情報機構刊)及び図2を基に説明する。図2中、符号2は粒子を示しており、符号4は水を示している。
【0026】
図2の(A)に示すように、粒子2と水4との混合物において、水4の添加量を多くすれば、粒子2と水4との混合物は塑性限界を超える。この状態はキャピラリ状態と呼ばれる。キャピラリ状態では、各粒子2同士の間隙が水4に満たされた状態となる。すなわち、各粒子2の固相は不連続の状態となり、水4の液相は連続した状態となる。また、このキャピラリ状態では、空気の気相が存在しない。
【0027】
このキャピラリ状態から、さらに水4の添加量を多くすれば、図2の(B)に示すように、各粒子2が水4の中に分散されて流動性を持つようになる。この状態がスラリー状態である。混合物におけるこの粒子2と水4との関係は、上記の触媒81と水との混合物においても同様である。
【0028】
つまり、流動限界とは、混合物がキャピラリ状態からスラリー状態へと変化し、流動し始める水の添加量の限界を指す。そして、流動限界からスラリー状態までの範囲となる水の添加量が触媒81に対する最適な水倍率となる。
【0029】
この水倍率を求める方法は、混合物のせん断速度と粘度との関係において、粘度をせん断速度に対して両対数でプロットしたときの近似直線を求め、この近似直線の傾きを基にする方法が挙げられる。この際、近似直線の傾きが−1となる状態が流動限界であり、近似直線の傾きが−0.8となる状態がスラリー状態である。そして、せん断速度に対する粘度の関係における近似直線の傾きが−1以上となり、近似直線の傾きが緩やかになることで、混合物は流動性が高くなる。つまり、混合物が水を多く含んだ状態となる。上記のように、過剰な水分を含んだ状態はMEA90の性能の低下を招くため、混合物が流動限界からスラリー状態になる際の近似直線の傾きとなる水添加量が最適な水倍率となる。すなわち、この場合、傾き−1〜−0.8の範囲となる水添加量が最適量とすることができる。一方、近似直線の傾きが−1以下となり、近似直線の傾きがきつくなる状態では混合物の流動性が低下する。このため、混合時におけるエネルギーがより必要となり、水と触媒81との混合が不十分となり易い。つまり、混合物中における水の添加量が最適値に至っていないこととなる。
【0030】
事前に実験により水の最適量を決定する際には、回転式粘度計により測定したせん断速度と粘度との関係から求めるが、製造装置において、所定粘度のプレペーストが得られたと制御装置に判断させる方法としては、インラインで粘度測定が可能な粘度検出手段である、振動式粘度計を使用する。しかし、回転式粘度計で測定される粘度と、振動式粘度計で得られた静粘度とで物性値の定義が異なる。事前に、回転式粘度計を用いて目標となる、触媒81と水とが好適に混合され、水の中に触媒81が理想的な状態で分散した状態となっているプレペーストを調製し、その調製されたプレペーストの粘度を振動式粘度計で測定して、回転式粘度計で測定された粘度を静粘度に換算することが可能となる。理想的な状態のプレペーストに至るには粉砕状態も重要であり十分に粉砕され、所定の粒度分布状態を満たした後の粘度を測定する必要がある。なお、目標となるプレペーストの粘度毎に静粘度との換算表(換算テーブル)等を作成することで、目標となる粘度のプレペーストをより効率良く得ることが可能となる。
【0031】
本発明の製造装置において、粉砕手段は、混合物を粉砕可能な粉砕ユニットと、粉砕ユニットまで混合物を移送可能な上流流路と、粉砕ユニットを経た混合物を上流流路まで移送可能な下流流路とを有していることが好ましい(請求項2)。この場合には、所定粘度になるまで混合物を連続的に粉砕できるため、プレペーストの生産効率を高めることが可能となる。なお、このように、粉砕ユニット、上流流路及び下流流路を有し、所定粘度まで混合物を連続的に粉砕し得る粉砕手段としては、例えば湿式ジェットミル等が挙げられる。
【0032】
また、上流流路には混合物を加圧して移送可能な加圧移送装置が設けられ得る。そして、粉砕ユニットは、混合物を移送し、分岐後に合流する内部流路を有していることが好ましい(請求項3)。この場合、分岐後に合流する際、混合物が互いに衝突することでその粉砕が行われることとなる。このように、混合物の粉砕を行う際、ボール、プロペラ等の異物を用いないことから、粉砕された混合物、ひいては、プレペースト中に異物が混入し難くなる。このため、この製造装置では、より品質の高いプレペーストを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】PFF構造を有するカソード触媒層を示す模式拡大断面図である。
【図2】粒子と水との分散状態を示す摸式図である。
【図3】実施例の製造装置を示す模式構造図である。
【図4】実施例の製造装置における、プレペースト及び触媒ペーストの製造フロー図である。
【図5】実験例に係り、混合物のせん断速度と粘度との関係を示すグラフである。
【図6】実験例に係り、水倍率とせん断速度−粘度勾配との関係を示すグラフである。
【図7】従来及び実施例におけるMEAを示す模式断面図である。
【図8】従来及び実施例におけるMEAを示す模式拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を具体化した実施例及び実験例を図面を参照しつつ説明する。
【0035】
(実施例)
実施例の製造装置は、図3に示すように、湿式ジェットミル1と、溶液供給ユニット3と、制御装置5とを備えている。この湿式ジェットミル1は、プレペーストの製造装置として機能するだけでなく、触媒ペーストの製造装置としても機能する。また、制御装置5は制御手段に相当する。
【0036】
湿式ジェットミル1は、原料タンク7と、粉砕ユニット9と、開閉弁11と、第1圧縮ポンプ13と、第1圧力計15と、粘度計16と、第1、2切替弁17、18と、粒度分布計24と、給水器28を有している。開閉弁11、第1圧縮ポンプ13、第1圧力計15、粘度計16、第1、2切替弁17、18及び粒度分布計24にはそれぞれ公知のものが採用されており、第1、2切替弁17、18は分岐弁である。なお、第1圧縮ポンプ13が加圧移送装置に相当し、粘度計16が粘度検出手段に相当する。また、給水器28が水添加手段に相当する。
【0037】
原料タンク7内には、触媒81や後述の第1混合物や第1粉砕物の他、第2混合物を貯留可能になっている。粉砕ユニット9には流入口9aと流出口9bとが形成されている。また、粉砕ユニット9内には第1内部流路9dと第2内部流路9eとが設けられている。
【0038】
原料タンク7と粉砕ユニット9の流入口9aとは上流流路19によって接続されている。この上流流路19には、開閉弁11と、第1圧縮ポンプ13と、第1圧力計15とが設けられている。第1圧力計15は、上流流路19内を流通する第1粉砕物や第2混合物の流通圧力を計測可能になっている。
【0039】
また、粉砕ユニット9の流出口9bと第1切替弁17とは、第1下流流路20によって接続されている。第1下流流路20には、粘度計16が設けられており、第1下流流路20内を流通する第1粉砕物や第2混合物の粘度を計測可能になっている。また、第1切替弁17には、第1枝流路21aの一端側が接続されており、第1枝流路21a他端側は、粒度分布計24に接続されている。粒度分布計24は、第1枝流路21a内を流通する第1粉砕物の触媒81の粒子径及び第1粉砕物中における触媒81の分布を計測可能になっている。
【0040】
第1切替弁17と第2切替弁18とは第2下流流路22によって接続されている。第2切替弁18と原料タンク7とは接続流路23によって接続されている。また、第2切替弁18には、抽出口25が接続されており、抽出口25の直下には、ペースト貯留タンク27が設けられている。
【0041】
これらの粉砕ユニット9、上流流路19、第1、2下流流路20、22及び接続流路23が粉砕手段に相当する。
【0042】
給水器28は、原料タンク7の近傍に設けられている。この給水器28は公知の給水ポンプ等で構成され、原料タンク7内の触媒81に対し、給水器28内に貯留された水を添加可能になっている。
【0043】
第1内部流路9d及び第2内部流路9eは、それぞれ粉砕ユニット9内の上流において、上流流路19と接続している。また、第1内部流路9d及び第2内部流路9eは、それぞれ粉砕ユニット9内の下流において、第1下流流路20と接続している。第2内部流路9eには、第3切替弁29が設けられている。第3切替弁29には供給流路31の一端側が接続されている。なお、第3切替弁29は、第1切替弁17と同じ構成である。
【0044】
溶液供給ユニット3は、溶液貯留タンク33と、第2圧縮ポンプ35と第2圧力計37と、上記の供給流路31とで構成されている。溶液貯留タンク33内には、後述の高分子電解質82の溶液が貯留可能となっている。この溶液貯留タンク33は供給流路31の他端側が接続している。供給流路31には、第2圧縮ポンプ35と第2圧力計37とが設けられている。第2圧力計37は、供給流路31内を流通する高分子電解質82の溶液の流通圧力を計測可能になっている。なお、第2圧縮ポンプ35及び第2圧力計37は、それぞれ第1圧縮ポンプ13及び第1圧力計15と同じ構成である。
【0045】
制御装置5には、上記の開閉弁11と、第1、2圧縮ポンプ13、35と、第1、2圧力計15、37と、第1〜3切替弁17、18、29と、粘度計16と、粒度分布計24と、給水器28がそれぞれ回路39〜49を介して電気的に接続されている。制御装置5は、開閉弁11、第1、2圧縮ポンプ13、35及び給水器28の作動制御を行う。
【0046】
また、制御装置5は、図示しない公知のROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成された記憶装置5aを有している。この記憶装置5aには、プレペースト及び触媒ペーストにおける、それぞれの目標粘度が記憶されている。さらに、記憶装置5aには、触媒81に対する水の最適添加量、すなわち、水倍率も記憶されている。
【0047】
この制御装置5は、粘度計16が計測した値を基に第1粉砕物や第2混合物の粘度を計測可能になっていとともに、粒度分布計24が計測した値を基に、第1粉砕物中で10μm以上の粗大粒子となっている触媒81の含有率を計測可能になっている。制御装置5は、記憶装置に記憶された水の添加量に基づき給水器28の作動制御を行う。また、制御装置5は、計測された上流流路19内の流通圧力、第1粉砕物の粘度、第1粉砕物中における粗大粒子の触媒81の含有率及び第2混合物の粘度を基に、第1圧縮ポンプ13の作動量の制御を行う。さらに、制御装置5は、第2圧力計37が計測した供給流路31内の流通圧力を基に第2圧縮ポンプ35の作動量の制御を行う。
【0048】
以上のように構成された製造装置によれば、図4に示す製造フローに従い、プレペースト及び触媒ペーストを得ることが可能となる。
【0049】
〈プレペーストの調製〉
図4中のステップS1に示すように、プレペーストを得るにあたり、まず、第1混合物を用意する。この第1混合物は、触媒81と水とが混合されて得られている。より具体的には、触媒81は、図8に示すように、カーボンブラック(KB600JD、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)からなる担体81aに対し、Pt微粒子からなる触媒金属微粒子81bを担持密度60wt%で担持することで得られている。この触媒81を原料タンク内7に充填する。
【0050】
制御装置5は、記憶装置に記憶された水の最適添加量を基に、給水器28を作動させて、原料タンク7内に水を注入させる。この際、原料タンク7に注入される水の水量は、1gの触媒81に対して8gの割合となる水量である。これにより、水倍率が20となる量の水が触媒81に対して添加される。なお、触媒81に対する水の添加量、すなわち、水倍率については、後述の実験例を基に詳細に説明する。
【0051】
次に、ステップS2において、湿式ジェットミル1により第1混合物を粉砕する。具体的には、制御装置5が開閉弁11の開制御を行うとともに、第1圧縮ポンプ13を作動させる。また、制御装置5は第1切替弁17を作動させ、第1下流流路20と第1枝流路21aとを連通させて、第1下流流路20及び第1枝流路21aと第2下流流路22とを直接的には非連通とさせる。さらに、制御装置5は第2切替弁18を作動させ、第2下流流路22と接続流路23とを連通させて、第2下流流路22及び接続流路23と抽出口25とを非連通とさせる。そして、制御装置5は、第3切替弁29を作動させ、開閉弁11と第2内部流路9eとを連通させて、開閉弁11及び第2内部流路9eと供給流路31とを非連通とさせる。
【0052】
これにより第1混合物は、上流流路19内、第1下流流路20内、第1枝流路21a内、粒度分布計24内、粘度計16内、第2下流流路22内及び接続流路23内の順で流通する(図3中の実線矢印参照)。この際、第1圧縮ポンプ13により、第1混合物は加圧され、高速で上流流路19内、第1下流流路20内、第1枝流路21a内、粒度分布計24内、粘度計16内、第2下流流路22内及び接続流路23内を流通する。そして、上流流路19内を流通して粉砕ユニット9内に至った第1混合物は、第1内部流路9dと第2内部流路9eとに分岐して粉砕ユニット9内を流通する。第1、2内部流路9d、9eをそれぞれ流通した第1混合物は、粉砕ユニット9内の下流において合流する。この際、第1、2内部流路9d、9eをそれぞれ流通してきた第1混合物が互いに衝突する。これにより、第1混合物の粉砕が行われ、第1粉砕物が得られる。
【0053】
ステップ3において、この第1粉砕物は、第1下流流路20等を経て、粒度分布計24に至る。この際、第1混合物の粘度と、第1粉砕物中において10μm以上の粗大粒子となっている触媒81の含有率とが計測され、第1粉砕物の粒度分布が所定の範囲内あるか否かを判断する。この結果、第1粉砕物の粒度分布が所定範囲外である場合(ステップS3:NO)は引き続いてステップ2の湿式ジェットミル1による粉砕が行われる。なお、原料タンク7と粉砕ユニット9との間を循環する過程において、第1混合物や第1粉砕物は同時に撹拌も行われることとなる。
【0054】
そして、粒度分布計24による計測で第1粉砕物の粒度分布が所定の範囲内にあった場合(ステップS3:YES)には、ステップS4において、粘度計16において粘度計測され、制御装置5は粘度計16が計測した第1粉砕物の粘度と、記憶手段に記憶されたプレペーストの目標粘度との比較を行い、第1粉砕物の粘度が所定粘度の範囲内あるか否かを判断する。この際、制御装置5は、記憶装置5aに記憶された目標となるプレペーストの粘度の値と、粘度計16検出した第1粉砕物の粘度との比較を行い、第1粉砕物の粘度が所定の範囲内あるか否かを判断する。この結果、第1粉砕物の粘度が所定粘度の範囲外である場合(ステップS4:NO)には、引き続き、ステップS2における湿式ジェットミル1による第1粉砕物の粉砕が行われる。
【0055】
一方、第1粉砕物の粘度が所定粘度の範囲内となった場合(ステップS4:YES)には、制御装置5は、第1圧縮ポンプ13等の作動を停止させる。こうして、所定粘度のプレペーストを得ることができる(ステップS5)。
【0056】
〈触媒ペーストの調製〉
ステップS6では、上記のステップS5で得られたプレペーストに対し、高分子電解質82の溶液の添加を行う。具体的には、制御装置5が、第3切替弁29を作動させ、供給流路31と第2内部流路9eとを連通させて、供給流路31及び第2内部流路9eと開閉弁11とを非連通とさせる。そして、制御装置5は、第1圧縮ポンプ15及び第2圧縮ポンプ35を作動させる。この際、制御装置5は第2圧力計が計測した供給流路31内の流通圧力を基に第2圧縮ポンプ35の作動量を調整する。こうして、第1粉砕物中における触媒81と高分子電解質82の溶液中の高分子電解質82とが重量比で1:1となるように、高分子電解質82の溶液の添加を行う。なお、この状態において、制御装置5は、第1切替弁17を作動させて、第1下流流路20と第2下流流路22とを連通させて、第1下流流路20及び第2下流流路22と第1枝流路21aとを直接的には非連通とさせても良い。
【0057】
これにより、溶液貯留タンク33内に貯留された高分子電解質82の溶液と、第1内部流路9d内を流通してきたプレペーストとが粉砕ユニット9内の下流において合流し、混練される(ステップS6)。こうして、第2混合物が得られる。なお、所定量の高分子電解質82の溶液の添加が終了した後は、制御装置5が再度、第3切替弁29を作動させ、開閉弁11と第2内部流路9eとを連通させて、開閉弁11及び第2内部流路9eと供給流路31とを非連通とさせる。また同時に、制御装置5は第2圧縮ポンプ35の作動を停止させる。
【0058】
そして、ステップS8において、制御装置5は、記憶装置5aに記憶された目標となる触媒ペーストの粘度の値と、粘度計16検出した第2混合物の粘度との比較を行い、第2混合物の粘度が所定の範囲内あるか否かを判断する。この結果、第2混合物の粘度が所定粘度の範囲外である場合(ステップS8:NO)には、引き続き、ステップS7における湿式ジェットミル1による第2混合物の混練が行われる。
【0059】
一方、第2混合物の粘度が所定粘度の範囲内となった場合(ステップS8:YES)には、触媒ペーストが完成する(ステップS9)。触媒ペーストが完成することにより、制御装置5は、第2切替弁18を作動させる。これにより、第2下流流路22と抽出口25とが連通され、第2下流流路22及び抽出口25と接続流路23とが非連通とされる。こうして触媒ペーストが抽出口25から抽出され、ペースト貯留タンク27内に貯留される。
【0060】
〈MEAの製造〉
こうして得られた触媒ペーストを図7に示す基材93bに塗布し、カソード触媒層93aを形成した。基材93bは、PTFEで撥水処理を行ったカーボンブラックと、電子伝導性を有するカーボンクロスとを積層することで得られている。なお、カーボンペーパー等の上に、カーボンブラックとPTFEとの混合物からなる撥水層を設けて基材93bを構成することもできる。また、上記の触媒ペーストを基材93bへ塗布する方法としては、スクリーン印刷、スプレー法、インクジェット法等の手段を採用することができる。
【0061】
そして、触媒ペーストが塗布された基材93bを乾燥させてカソード極93を得た。また、アノード極92も同様の工程によって製造した。
【0062】
そして、アノード極92、電解質膜(ナフィオン膜:NR211)91及びカソード極93の順でこれらを積層し、140°C、加圧力40kgf/cm2でホットプレスして接合した。こうしてMEA90を製造した。
【0063】
さらにこのMEA90を複数用意し、公知の方法によってこれらのMEA90積層させることにより燃料電池スタックを構成し、燃料電池システムを完成させた。
【0064】
以上のように、この製造装置では、給水器28によって、触媒81に対して所定量の水3が添加され、第1混合物を得ることができる。
【0065】
そして、湿式ジェットミル1、より具体的には粉砕ユニット9がこの第1混合物を粉砕する。この際、粉砕された第1混合物の粒度分布が所定粒度分布に至るまで、その粉砕が継続されることとなる。こうして、得られたプレペーストでは、10μm以上の粗大粒子となっている触媒81の含有率が0.5%以下となっている。さらに第1粉砕物の粘度が所定の粘度にいたるまで粉砕されることにより、触媒81と水とが好適に混合され、水の中に触媒81が理想的な状態で分散した状態となっている。また、このようにプレペーストの製造を機械化することで、得られたプレペーストは、個体毎に粘度や触媒81の粒子径のばらつきも少なくなっている。
【0066】
このため、上記のプレペーストを基にこの製造装置で得られた触媒ペースト、ひいては、この触媒ペーストで形成されたカソード触媒層93a及びアノード触媒層92a中では、触媒81と高分子電解質81の層とが共に好適な状態で存在し易くなる。また、この場合も、得られた触媒ペーストについて個体差が生じ難くなっていることから、MEA90自体の個体差も少なくなる。
【0067】
したがって、本発明の製造装置によれば、均質で高品質なプレペーストをより効率良く製造可能であるとともに、高品質な触媒ペーストを効率良く製造できる。
【0068】
特に、この製造装置では、制御装置5が第2混合物の粘度も調整するため、得られたプレペーストの粘度だけでなく、触媒ペーストの粘度も好適な状態となる。このため、この触媒ペーストで形成されたカソード触媒層93a中では、図1に示すように、高分子電解質82の側鎖101が触媒81に配向し、カソード触媒層93a中で親水層83が連続して形成され易くなる。つまり、PFF構造を有するカソード触媒層93aを得ることができる。このため、この触媒ペーストで形成されたカソード触媒層93aでは、電気化学反応時において、連続した親水層83を伝うことで、プロトンがより移動し易く、電気化学的反応が円滑に行われることとなる。アノード触媒層92aも同様である。
【0069】
また、この製造装置では、粉砕手段が第1、2混合物を粉砕可能な粉砕ユニット9と、粉砕ユニット9まで第1、2混合物を移送可能な上流流路19と、粉砕ユニット9を経た第1、2混合物を原料タンク7を経由しつつ、上流流路19まで移送可能な第1、2下流流路20、22及び接続流路23とを有している。このため、この製造装置では、所定粘度になるまで第1混合物や第2混合物を連続的に粉砕又は混練でき、プレペーストや触媒ペーストの生産効率を高めることが可能となっている。
【0070】
また、上流流路19には第1、2混合物を加圧して移送可能な第1圧縮ポンプ13が設けられている。そして、粉砕ユニット9は、第1、2混合物を移送し、分岐後に合流する第1、2内部流路9d、9eを有している。このため、この製造装置では、分岐後に合流する際、第1混合物や第2混合物が互いに衝突することでその粉砕が行われることとなる。このように、第1、2混合物の粉砕を行う際、ボール、プロペラ等の異物を用いないことから、粉砕された第1混合物や第2混合物、ひいては、プレペーストや触媒ペースト中に異物が混入し難くなる。このため、この製造装置では、より品質の高いプレペーストや触媒ペーストを得ることが可能になっている。
【0071】
(実験例)
上記の製造装置における触媒81に添加する水の添加量の最適値について、以下の検証実験を行った。実験例では、触媒81に添加する水の添加量の最適値を決定するパラメータとして、触媒81と水とを含む混合物の粘度に着目し、その粘度測定を行った。なお、この実験で用いた混合物が実施例1における第1混合物に相当する。また、この実験では、東機産業製RB80型粘度測定機(回転式粘度計)を用いて混合物の粘度を測定した。
【0072】
この実験では、触媒81に添加する水の量を変化させて、それぞれの混合物の粘度を測定した。この実験で用いた触媒81は、実施例における触媒81と同一である。この触媒81に添加される水の量、すなわち、水倍率は、触媒81中からPt微粒子81bを取り除き、担体81aの重量に対する水の重量の比(H2O/C)で規定される。実験結果を図5及び図6に示す。
【0073】
図5は、横軸xにせん断速度(log(D[1/秒]))を示し、縦軸yに粘度(log(η[Pa・秒]))を示している。それぞれの水量における直線の関数式は以下のとおりである。
【0074】
2O/C=19:y=−1.0934x+0.7264
2O/C=20:y=−0.9226x+0.7341
2O/C=22:y=−0.8156x+0.5516
2O/C=26:y=−0.7314x+0.369
2O/C=38:y=−0.7418x−0.0975
【0075】
このように、触媒81に添加される水の量が少なくなると、混合物の粘度が増加するとともに、直線の傾きが−1に近づくことが分かる。これは、水量が少なくなると、担体81a同士の凝集が進むことで、混合物の粘度が増大し、これにより直線の傾きがきつくなるためである。また、触媒81に添加される水量が多くなり、直線の傾きが−1より大きくなった混合物は流動限界を超えてスラリー状態となる。
【0076】
図6は、H2O/C=19の水分量のプレペーストにおける水倍率(H2O/C)[g/g−C]とせん断速度−粘度勾配d(logη)/d(logD)との関係を示している。同図では、せん断速度−粘度勾配が−1を超えれば、流動限界であり、混合物が流動限界を超えたことを示しており、この実験では水倍率が20の近傍で勾配が−1となっている。
【0077】
この実験により、触媒81では、水倍率が20となる水の添加量が、触媒81に対する水の最適添加量となる。つまり、触媒81に対して水倍率が20となる水量の水を添加することで、触媒81と水との第1混合物は、流動限界からスラリー状態までの範囲内の水分量のペースト状態となる。
【0078】
以上において、本発明を実施例及び実験例に即して説明したが、本発明は上記実施例及び実験例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、電気自動車等の移動用電源、あるいは据え置き用電源に利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
81…触媒
28…給水器(水添加手段)
9、19、20 22、23…粉砕手段(9…粉砕ユニット、19…上流流路、20…第1下流流路、22…第2下流流路、23…接続流路)
16…粘度計(粘度検出手段)
5…制御装置(制御手段)
1…湿式ジェットミル(製造装置)
15…第1圧縮ポンプ(加圧移送装置)
9d、9e…内部流路(9d…第1内部流路、9e…第2内部流路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒に対し、該触媒と水との混合物が流動限界からスラリー状態までの範囲内のペースト状態になるように所定量の水を添加する水添加手段と、
該混合物を粉砕する粉砕手段と、
該粉砕された該混合物の粉砕状態を検出する手段と、
粉砕中の該混合物の粘度を検出する粘度検出手段と、
該混合物の粉砕状態と該粘度検出手段が検出した値とに基づき、該混合物が所定粘度のプレペーストになるまで該混合物を粉砕させる制御手段とを備えていることを特徴とするプレペーストの製造装置。
【請求項2】
前記粉砕手段は、前記混合物を粉砕可能な粉砕ユニットと、該粉砕ユニットまで該混合物を移送可能な上流流路と、該粉砕ユニットを経た該混合物を該上流流路まで移送可能な下流流路とを有している請求項1記載のプレペーストの製造装置。
【請求項3】
前記上流流路には前記混合物を加圧して移送可能な加圧移送装置が設けられ、
前記粉砕ユニットは、該混合物を移送し、分岐後に合流する内部流路を有している請求項2記載のプレペーストの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−174660(P2012−174660A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38787(P2011−38787)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】