説明

プレポリマ組成物、発光デバイスを準備するための方法及び発光デバイス

【課題】ホストマトリックスに埋め込まれた量子ドットの集団、ドットに選択された色の第2の光を放出させる第1の光源から成る電子デバイス、及びそのようなデバイスを提供する。
【課題手段】量子ドットのサイズ分布は、そこから放出されるべき特定の色を可能にするために選択される。デバイスから放出された光は単色又は混合色(多色)のいずれでもよく、ドットから放出された光のみから成るか、又はドットから放出された光、及び第1の光源から放出された光の混合から成る。ドットは、CdSeのようなドーピングされていない半導体から成るのが望ましく、光ルミネセンスを増加させるために任意に被覆できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード中の量子ドットの使用に関する。本発明は更に、注文通りの周波数スペクトルの光を放出する発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、現代のディスプレイ技術で広く普及している。300億個以上のチップが毎年生産され、自動車ライトや交通信号機のような新しい応用が成長を続けている。従来のダイオードは、無機化合物半導体(一般に、AlGaAs(赤色)、AlGaInP(オレンジイエロー色−緑色)、及びAlGaInN(緑色−青色))から作られる。これらのダイオードは、デバイスで使用される化合物半導体のバンドギャップに対応する周波数の単色光を放出する。従って、従来のLEDは、白色光、又は混合周波数から成るどのような「混合された」色の光も全く放出できない。更に、半導体の化学的性質の優れた制御が必要なので、特定の所望する「純粋な」単一周波数色のLED製造でさえ困難である。
【0003】
混合色LED、及び特に白色LEDは、多くの潜在的応用を有する。赤色又は緑色LEDを現在有する多くのディスプレイでは、消費者はむしろ白色光を好む。白色LEDは、フルカラーディスプレイを製造するための、既存のカラーフィルタ技術を有する光源として使用できる。更に、白色LEDの使用は、赤色−緑色−青色LED技術よりも低いコスト及び単純な製造をもたらす。白色LEDを製造するための1つの技術が現在存在し、それは白色光を生成するために青色LEDを黄燐と組み合わせる。しかし、LED及び燐光体の色が変化させられないので、この技術に関して色調節は不十分である。この技術はまた、他の混合色の光を生成するために使用できない。
【0004】
ポリ(フェニレン ビニレン)(PPV)のような光ルミネセンスポリマの誘導体を組み合わせることにより、白色又は着色LEDを製造することも提案された。提案された1つのデバイスはGaN青色LED上のPPVコーティングを含み、LEDからの光がPPVに特有な色を刺激するので、観察された光はLED及びPPVに特有な色の混合から成る。しかし、有機材料は更に広いスペクトルで蛍光を発する傾向があるので、PPVをベースとするデバイスに対する理論的な最大量子効率は25%であり、色調節は不十分なことが多い。更に、PPVは光、酸素、及び水により劣化するので、確実に製造することがより困難である。関連する方法は有機染料の薄膜で被覆されたGaNをベースにした青色LEDを使用するが、効率は低い(例えば、Guha他の「J. Appl Phys. 82(8):4126-4128, Oct. 1997; III-Vs Review 10(1):4, 1997」を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】J. Appl Phys. 82(8):4126-4128, Oct. 1997; III-Vs Review 10(1):4, 1997
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
量子ドットの使用により変色LEDを生産することも提案されてきた。半径がバルク励起子ボーア半径より小さい半導体ナノクリスタリット(量子ドット)は、物質の分子形態とバルク形態の中間の材料のクラスから成る。3次元の電子及びホール双方の量子閉じ込めは、クリスタリットのサイズを伴う材料の有効なバンドギャップの増加を招く。従って、光学吸収及び量子ドットの放出の双方は、ドットのサイズが小さくなるにつれて青色(より高いエネルギー)にシフトする。例えば、CdSe量子ドットは、ドットの特定の色特性がドットのサイズのみに依存するどのような単色の可視色の光でも放出できることがわかっている。
【0007】
量子ドットを取り入れた現在利用可能な発光ダイオード及び関連するデバイスは、半導体層上でエピタキシャルに成長したドットを使用する。この製造技術は赤外線LEDの製造には適切であるが、光エネルギー色のLEDはこの方法では実現されていない。更に、現在利用可能な方法(分子線エピタキシ及び化学蒸着法(CVD))によるエピタキシャルな成長の処理コストが極めて高い。ドットのコロイド的な製造は更に高価なプロセスであるが、これらのドットは一般に低い量子効率を示すことがわかっており、従って、かっては発光ダイオードに取り込むのに適切であるとは考えられなかった。
【0008】
これらドットのエレクトロルミネセンスをLEDに使用するためにコロイド的に製造された量子ドットを導電層内に埋め込むための提案がいくつかされてきたが、そのようなデバイスはこの方法によりLEDを製造するための利用可能な材料を厳しく制限する透明で導電性のホストマトリックスを必要とする。利用可能なホストマトリックス材料はそれ自体が発光性であることが多く、そのことはこの方法を使用して実現可能な色を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの側面では、本発明は、光源、及びホストマトリックス中に配置された量子ドットの集団を含む電子デバイスから成る。量子ドットは、光源からの光の少なくとも一部のエネルギーよりも小さなバンドギャップにより特徴づけられる。マトリックスは、光源からの光が通過することを可能にする形状で配置される。ホストマトリックスが光源からの光に照射されたとき、その光は量子ドットに第2光ルミネセンス光を発生させる。この光の色は、量子ドットのサイズの関数である。
【0010】
この側面の1実施例では、量子ドットはCdS、CdSe、CdTe、ZnS,又はZnSeから成り、ZnS、ZnSe、CdS、CdSe、CdTe、又はMgSeから成る材料で任意に被覆できる。量子ドットは更に、ホストマトリックスに対する親和性を有する材料で被覆されてもよい。ホストマトリックスはポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、シリカグラス、又はシリカゲルのようなポリマでよい。第1の光源は発光ダイオード、レーザ、又は半導体紫外線源でよい。デバイスの色は量子ドットのサイズ分布により決定され、この分布は1つ又は複数の狭いピークを示す。例えば、量子ドットは、ドットのサイズにおいてせいぜい10%の根平均2乗偏差を有するように選択できる。光は単色、又は純白を含む混合色である。
【0011】
関連する側面では、本発明は上記のように電子デバイスを製造する方法から成る。この方法では、量子ドットの集団が提供され、これらのドットはホストマトリックス中で分散される。次に半導体光源がドットに光を当てるために提供され、それによりそれらサイズ分布の色特性の光ルミネセンス光をドットに発生させる。ドットは(即ち、沈殿及び/又は溶液からの成長により)コロイド的に製造されてもよく、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、又はZnSeから成ってもよい。ドットは更に、ZnS、ZnSe、CdS、CdSe、CdTe、又はMgSeから成る保護膜を含んでもよい。ホストマトリックスは、量子ドットが第1の光源により光を当てられる形状で分散できるどのような材料でもよい。ホストマトリックス材料のいくつかの実施例は、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、シリカグラス、又はシリカゲルのようなポリマである。量子ドットに光ルミネセンスを発生させることができるどのような半導体光源も使用でき、いくつかの実施例は発光ダイオード、半導体レーザ、及び半導体紫外線源である。
【0012】
デバイスにより生成された光の色を調整するために、量子ドットのサイズ分布を調整することが望ましい。1実施例では、ドットは半径においてせいぜい10%の根平均2乗偏差を示す。光は単色(量子ドットの単分散サイズ分布に対応)、又は白色を含む混合色(量子ドットの多分散サイズ分布に対応)でよい。
【0013】
更に他の側面では、本発明は量子ドットコロイドを含み、量子ドットは非導電性ホストマトリックス中に配置される。量子ドットは、ホストマトリックスに対する親和性を有する材料で被覆されてもよい。ドットのバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの第1の光源により光を当てられたとき、量子ドットがそれらのサイズ分布の色特性で光ルミネセンスを発する。
【0014】
1実施例では、ドットはCdS、CdSe、CdTe、ZnS、又はZnSeから成り、ZnS、ZnSe、CdS、CdSe、CdTe、又はMgSeから成る材料で任意に被覆できる。非導電性ホストマトリックスはポリスチレン、ポリイミド、又はエポキシ、シリカグラス、又はシリカゲルのようなポリマでよい。1実施例では、ドットはホストマトリックスのポリマ成分に関連するモノマで被覆される。ドットは、直径において10%以下の根平均2乗偏差を示すサイズ分布を有するように選択でき、この実施例はドットに単色の光ルミネセンスを発生させる。
【0015】
本発明の関連する側面は、プレポリマコロイドを含む。この側面では、本発明は液体又は半固体の前駆物質材料から成り、量子ドットの集団がその中に配置される。コロイドは、固体で透明な非導電性ホストマトリックスを形成するために、例えば重合により反応させることができる。量子ドットは、前駆物質材料に対する親和性を有する材料により被覆されてもよい。前駆物質材料はモノマでよく、モノマはポリマを形成するために反応させることができる。量子ドットはCdS、CdSe、CdTe、ZnS、又はZnSeから成り、ZnS、ZnSe、CdS、CdSe、CdTe、又はMgSeから成る材料で任意に被覆されてもよい。ドットは、直径において10%以下の根平均2乗偏差を示すサイズ分布を有するように選択できる。
【0016】
更に他の側面では、本発明は選択された色の光を生成する方法を含む。本発明の方法は、ホストマトリックス中に配置された量子ドットの集団を提供するステップ、及び量子ドットに光ルミネセンスを発生させるのに十分高いエネルギーを有する半導体光源でホストマトリックスを照射するステップから成る。量子ドットはCdS、CdSe、CdTe、ZnS、又はZnSeから成り、ZnS、ZnSe、CdS、CdSe、CdTe、又はMgSeから成るオーバーコーティングを更に有してもよい。ホストマトリックスは、ポリスチレン、ポリイミド、又はエポキシ、シリカグラス、又はシリカゲルのようなポリマから成ってもよい。
【0017】
量子ドットを含むホストマトリックスは、(例えば、重合により)その中に配置された量子ドットを有する前駆物質材料を反応させることにより形成されてもよい。或いは、2つ又はそれ以上の前駆物質材料が提供されてもよく、各前駆物質材料はその中に配置された量子ドットの異なるサイズ分布を有する。これらの前駆物質はホストマトリックスを形成するために混合及び反応させられてもよく、或いは、異なる層で量子ドットの異なるサイズ分布を有するホストマトリックスを形成するために層状に重ねられてもよい。
【0018】
ここで使用されるように、「コロイド的に成長させられた」量子ドットという表現は、沈殿及び/又は溶液からの成長により製造されたドットを意味する。基質上でエピタキシャルに成長させられたこれらドット及び量子ドットの間の区別は、コロイド的に成長させられたドットは実質的に一様な表面エネルギーを有し、一方、エピタキシャルに成長させられたドットは基質と接触する面上及びドット表面の残りの面上で異なる表面エネルギーを通常は有することである。
【0019】
ここで使用されるように、「純粋な」又は「単色の」色という用語は、単一周波数の光から成る色を意味する。「混合された」又は「多色性の」色は、異なる周波数の混合である光から成る色を意味する。
【0020】
ここで使用されるように、「モノマ」は材料科学の分野で既知の技術により重合できる物質であり、オリゴマをふくんでもよい。ポリマの「関連するモノマ」は、ポリマのモノマ成分、又はポリマ連鎖の主鎖に取り込むことができる化合物である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によるLEDの1実施例を示す図である。
【図2】本発明によるLEDの他の実施例を示す図である。
【図3】ヘキサン中の量子ドットのいくつかのサスペンションのカラー写真であり、本発明の方法により実現できる広い範囲の色を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
人間に可視である殆どの色のLEDは、量子ドットのための単一のドープされていない半導体材料だけを使用して、本発明の技術により生産できる。本発明の実施例が、図1及び2に示されている。基本的に、本発明は、第1の光源10(例えば、LED、半導体レーザ、又は微細加工された紫外線源)を提供することを含む。光源のエネルギースペクトルが所望するLEDの色より高エネルギーの光を含むように第1の光源10が選択されることが望ましい。第1の光源は、量子ドットの集団14を含むホストマトリックス12を照射するために配置される。ホストマトリックス12は、量子ドットが配置できて可視光線に対して少なくとも部分的に透明などのような材料でもよく、適切なホストマトリックスが以下で議論される。ホストマトリックス12は分離された量子ドット14の分散を含むことが望ましく、ドットは所定の色の光を生成するように選択されたサイズである。(例えば、ポリマオーバーコーティングを有する基質上の2次元の層のような)ホストマトリックス中に配置された量子ドットの他の形状もまた、本発明の範囲内で考えられる。選択された色の非常に狭いスペクトル分布内で明るく蛍光を発するドットを生産するための技術が以下で議論され、1997年11月13日に出願された米国特許出願第08/969,302号「Highly Luminescent Color Selective Marerials」でも開示されており、前記出願の技術は本明細書でも参照される。その技術は、最終的なLEDの特に細かい色調節を可能にする。しかし、量子ドットを生産しホストマトリックス中に配置するための他の技術も、本発明の範囲内に含まれる。
【0023】
第1の光源10及び量子ドット12のサイズ分布は、デバイスから放出される発光が所望する色であるような方法で選択される。本発明は多数の量子ドットで構成され、それにより実質的に第1の光源からの全ての光が吸収され、最終的に放出される発光は量子ドットの光ルミネセンスによってのみ生成されるか、本発明は少数の量子ドットで構成され、それによりデバイスから出てくる光は、吸収されていない第1の光及び量子ドットの光ルミネセンスにより生成された第2の光の混合から成る。単色及び混合色双方の非常に広い範囲は、本発明の原理により構成されるデバイスにより生成できる。例えば、セレン化カドミウム量子ドットが生産でき、それは人間に対して可視であるどのような色も放出するので、所望する色の最高周波数より高い周波数源と組み合わせて、これらのドットがどのようなスペクトル分布の可視光線でも生成するように調整できる。図3は、米国特許出願第08/969,302号の方法により作られたCdSe量子ドットのいくつかのサスペンションを示し、これらの材料の光ルミネセンスを使用して実現できる非常に広い範囲の色を図示する。これら溶液中の光ルミネセンスのピークは、(左から右へ)(a)470ナノメートル、(b)480ナノメートル、(c)520ナノメートル、(d)560ナノメートル、(e)594ナノメートル、及び(f)620ナノメートルである。溶液は、356ナノメートルの紫外線光を放出する紫外線ランプにより光を当てられる。
【0024】
デバイスが混合色の光を放出する傾向があるときは特に、ホストマトリックスの内部で各ドットが分離されることが望ましい。異なるサイズの量子ドットがぴったり接触するとき、(低周波放出特性を有する)より大きいドットは、より小さいドットの放出の大きい部分を吸収する傾向があり、ダイオードの全エネルギー効率は減少し、色は赤色の方向にシフトする。
【0025】
白色LEDの特定の実施例に対して、そのようなLEDは、複数サイズの光ルミネセンス量子ドットと標準的な青色LEDの配合の組合せにより生産できる。図1を参照すると、(例えば、AlGaInN型の)青色LED10は、第1の光を提供するために使用される。この光は1つ又は複数の量子ドット層を貫通し、これらの層は、青色LEDより低いエネルギー範囲で発光するように適合され、一般にポリママトリックスに埋め込まれた量子ドットを含む。図1に示される実施例では、第1の光は、緑色の第2の光を放出するように適合された材料及びサイズの量子ドット18の層16を最初に貫通する。次に、第1の層により吸収されなかった第1の光及び第2の光は、赤色の第2の光を放出するように適合された材料及びサイズの量子ドット22の第2の層20を貫通する。いったん光がこの第2の層を貫通したら、光は吸収されていない青色の第1の光、緑色の第2の光、及び赤色の第2の光の混合から構成され、従って、観測者には白色に見える。所望する色のLEDを生産するために、光の赤色、緑色、及び青色成分の相対的な振幅は、赤色及び緑色層の厚さ及び量子ドット濃度を変化させることにより制御できる。
【0026】
他の好ましい実施例では、図2に示されるように、赤色放出量子ドット22及び緑色放出量子ドット18が、単一層12内部で混合できる。色は、異なるサイズの量子ドットの相対的な濃度、及び層の厚さを変化させることにより制御できる。
【0027】
更に他の実施例では、第1の光源は、半導体レーザ又は微細加工された紫外線源のような半導体紫線源又は紫外線源でもよい。この実施例では、1つまたは複数の量子ドット層は、赤色から紫色に及ぶスペクトル域で放出する量子ドットを含む。量子ドットのサイズ分布を制御することにより、結果として生じる光のスペクトル分布が制御できる。
【0028】
白色LEDではない特定の色のLEDを生産することを所望するとき、これもまた本発明の実施により実現できる。本発明は(従来の方法によっては生産が困難な)多色光(混合色)を生成するLEDの生産に対して特に有用であることを期待されているが、単色光(単色)を生成するLEDもまた本発明の実施により生産できる。単色でも混合色でも、大部分の可視色のLEDを生産するために実質的に同じ設備が必要なので、生産の容易性という目的に対してこのことは望ましい。
【0029】
人間の眼による色の知覚はよくわかっており、所望する混合色を生成するために単色を混合するための決まったやり方は多くのハンドブックで見つけられる。量子ドットの特定のサイズ及び成分により生成された光の色もまた、当業者には明らかな方法により容易に計算又は測定できる。これらの測定が教示する例として、12オングストロームから115オングストロームに及ぶサイズのCdSeの量子ドットに対するバンドギャップがMurray他の「J. Am. Chem. Soc. 115:8706 (1993)」で開示されており、本明細書でも参照される。これらの技術は、所望する色のLEDを生産するためにドットの適切なサイズ分布の容易な計算及び第1の光源の選択を可能にする。
【0030】
白色ダイオードが所望されるとき、量子ドットサイズの適切な混合が使用できる。例えば、スペクトル分布を黒体分布と一致するように調整することにより、観測者に「純粋に」見える白色光が実現できる。
【0031】
上記のAlGaInN青色LEDのような着色LEDが第1の光源として使用されるとき、量子ドットの濃度しだいで、LEDの色は本発明によるデバイスにより生成された最終的なスペクトルに含まれても含まれなくてもよい。もし、十分多くの数の量子ドットが提供されたら、ドットは実質的に第1の光の全てを吸収し、ドットの特有な色の第2の光だけが観測される。もし、更に少ない数の量子ドットが提供されたら、著しい量の第1の光がドットにより放出された第2の光と混合される。
【0032】
ホストマトリックスは一般にポリマ、シリカグラス、又はシリカゲルであるが、少なくともある程度は量子ドットにより放出された光に対して透明で、量子ドットが分散される材料がホストマトリックスとして役に立つ。光ルミネセンスではなく、量子ドットのエレクトロルミネセンスをベースにした発光ダイオードと比較した本発明の利点は、ホストマトリックスが導電性である必要がないことである。エレクトロルミネセンス量子ドットLEDは、ホストマトリックスとして役に立つために透明な導電性材料を必要とする。そのような材料は、本発明で使用するのに利用可能な非常に多くの透明な絶縁材料と比較して稀である。ここで記載されるデバイスに対して適切なホストマトリックス材料は、ポリスチレン、エポキシ、ポリイミド、及びシリカグラスのような安価で一般に利用可能な多くの材料を含む。
【0033】
本発明の更なる利点は、単色光及び混合色光双方を実現するための量子ドットの多くの集団の使用により与えられた生産の柔軟性である。モノマ又は他の前駆物質材料中に浮遊されるドットの異なるサイズの「ストック」溶液が維持されることができ、所望する色の殆どを生成するために変化量で混合される。例えば、スチレンのような液体モノマ中のCdSe量子ドットの3つのサスペンションが生成でき、ドットの第1のサスペンションは直径およそ5.5ナノメートル(赤色で発光する)であり、ドットの第2のサスペンションは直径およそ4.0ナノメートル(緑色で発光する)であり、ドットの第3のサスペンションは直径およそ2.3ナノメートル(青色で発光する)である。これらのサスペンションは、これら3つのサスペンションの変化量を混合して生成された混合物を重合することにより「光ペイント」の一種として機能し、非常に広範囲の色のLEDが、出発原料だけを変化させることと同じ生産技術を使用して生産できる。
【0034】
コロイド的に生産されたドットを、凝縮なしにホストマトリックス中でドットを分散させることを可能にするコーティングで被覆することが必要であることが通常は分かる。重合マトリックス中での分散の場合、(ドットに結合したオリゴマの端部にルイス塩基を有する)ポリマに関連するオリゴマは、ドットを重合のためのモノマ溶液と上手く混合することを可能にすることがわかる。このタイプのコーティングの特定のケースが実施例にある。シリカグラス又はシリカゲル中への分散の場合、一端をドットに結合し、他端がマトリックスに対する親和性を有するどのようなオーバーコーティングでも使用できる。
【0035】
量子ドットを生産する多くの方法が、この技術分野で既知である。所望する色で発光する量子ドットを生産するどのような方法も本発明の実施で使用できるが、米国特許出願第08/969,302号に記載された特定の方法が、優れた輝度調節及び色調節を用いてデバイスを生産できることがわかる。前記出願は、CdS、CdSe、又はZnSを有するCdTe、ZnSe、又はそれらの混合物から成るドットをオーバーコーティングする方法を開示する。オーバーコーティングの前に、量子ドットが実質的に単分散サイズ分布をもたらす方法で準備され、その方法はMurray他の「J. Am. Chem. Soc. 115:8706 (1993)」に記載されている。制御された厚さの保護膜は、コーティング層の成長の持続時間及び温度を制御することにより塗布される。コアドットの単分散はドットが実質的に単色で発光することを保証し、同時に保護膜は大きく改善された量子効率を提供し、ドットがコーティングされていないドットよりも高輝度で発光することを可能にする。
【0036】
上記の方法は量子ドットいくつかの別々の集団を準備するために使用することができ、各集団は異なる単色の光ルミネセンスを示す。そのように準備された集団を混合することにより、(白色を含む)所望する混合色で発光するデバイスが生成される。ドット上のオーバーコーティングは、デバイスがコーティングされていないドットを使用して発生し得る光より高輝度の光を生成することを可能にする。
【0037】
[実施例1−ポリスチレン中の量子ドット]
緑色LEDは、上記本発明の原理により構成されてきた。このダイオードを構成するために使用される量子ドットは、CdSeコア及びZnSシェルから成る。量子ドットの吸収特性及び発光特性は、第1にCdSeコアのサイズにより決定される。ZnSシェルは、電子及びホールをコアの中に閉じ込め、量子ドット表面を電気的かつ化学的に保護するために作用する。コア及びシェル双方は、高温の有機液体に加えられた前駆物質からのCdSe又はZnS生成を含む湿式化学技術を使用して合成される。
【0038】
[CdSeコア合成]
16mLのトリオクチルホスフィン(TOP)、TOP中の4mLの1Mセレン化トリオクチルホスフィン(TOPSe)、及び0.2mLのジメチルカドミウムが、不活性雰囲気(グローブボックスに充填された窒素)中で混合された。30gの酸化トリオクチルホスフィン(TOPO)が180℃の真空のもとで1時間にわたって乾燥され、次に350℃の窒素のもとで加熱される。次に前駆物質溶液がTOPO中に注入される。温度は直ちに約260℃まで下がり、CdSeナノクリスタルが直ちに形成される。注入直後のナノクリスタルの吸収ピークは、約470ナノメートルであることがわかった。温度は約10〜15分の間250〜260℃に保持され、ナノクリスタルが成長することを可能にする。この時間の間、吸収ピークは470ナノメートルから490ナノメートルへシフトする。次にこの温度は80℃まで下がり、窒素のもとで溶液中で保持される。熱は除去され、TOPOが室温まで冷却されたときにTOPOの凝固を防ぐために、約15mLのブタノールが加えられる。このプロセスは、2.7x10-3mol(2.7mmol)のCdSe量子ドットを生成した。
【0039】
CdSeナノクリスタルのUV−Vis吸収スペクトルは、14ナノメートルのピークの赤色側で測定された半値半幅(HWHM)で、486ナノメートルにおいて第1の遷移ピークを示す。この吸収ピークは、13オングストロームのナノクリスタル半径に対応する。実際のサイズ分布は、小さい角度のX線散乱又はTEMによって実験的に決定できる。吸収スペクトルは、サイズ分布の大体の概算を提供する。14ナノメートルのHWHMは、約1オングストロームのサイズのHWHMを提示した。
【0040】
[ZnSシェル合成]
5分の1(0.5mmol)のCdSeコア成長溶液(15mL)が、被覆された量子ドットの生成に使用された。40〜50mLのメタノールをゆっくり加えることにより、ナノクリスタルが溶液の外部に析出した。次に析出はヘキサン中で再分散され、0.2マイクロメートルのフィルタ紙で濾過される。40gのTOPOは上記のように乾燥され、次に80℃まで冷却される。ヘキサン中のナノクリスタルはTOPO中に注入され、ヘキサンが2時間にわたって真空のもとで蒸発させられた。次に、4mLのTOPを混合することにより、ZnS前駆物質溶液が不活性雰囲気中で準備された。0.28mLのジエチル亜鉛、及び0.56mLのビス−トリメチルシリルが、(TMS)2Sを硫化する。前駆物質の量は厚さ約9オングストロームのZnSシェルを生成するように選択され、9オングストロームは2.3オングストローム/単分子層での4単分子層に対応する。次に、ナノクリスタル/TOPO溶液は140℃まで加熱され、前駆物質溶液は4分間にわたってゆっくりと滴り落ちた。次に温度が100℃まで下がり、少なくとも2時間にわたって保持された。熱が除去され、TOPOの凝固を防ぐためにブタノールが加えられた。
【0041】
被覆された量子ドットのUV−Vis吸収スペクトルは、20ナノメートルのピークの赤色側で測定されたHWHMで、504ナノメートルにおける第1の遷移ピークを示した。光ルミネセンスピークは、550ナノメートルであった。
【0042】
[ポリマ中での量子ドットの分散]
次に、これらの量子ドットは、ポリ(スチレン)中で分散する。上記のように生成されたTOPO溶液中の5分の1(0.1mmolのCdSe)の量子ドットが取り出された。量子ドットは析出させられ、次に上記のようにヘキサン中で分散した。次にヘキサン溶液中の5分の1(0.02mmolのCdSe)の量子ドットが取り出され、真空の元でヘキサンが蒸発した。量子ドットが0.1mLのトルエン中で再分散された。0.05gのN官能化アミン末端ポリスチレン(分子量=2600)が、0.2mLのトルエン中で溶解された。量子ドット(0.01mmolのCdSe)及び0.05mLの官能化されたポリスチレンをトルエン(約0.01g)中に含む0.05mLのトルエン溶液が混合され、約10分にわたって超音波処理された。1mLのトルエン中に1gのポリスチレン(分子量=45,000)の溶液が準備された。0.1mLのこの濃縮されたポリスチレン溶液(約0.05gのポリスチレン)が、量子ドット/官能化されたポリスチレン溶液に加えられた。ドット及びポリスチレンを徹底的に混合するために、結果として生成した溶液が2分間にわたって超音波処理された。
【0043】
[ダイオードの製作]
第1の光源として使用される青色ダイオードはGaNをベースにしており、450ナノメートルにおいて発光ピークを有した。ガラスキャップは短くされた、壁厚が薄いNMRチューブ(外径=5mm、内径=4.3mm、長さ=3/16インチ)であった。ガラスキャップはドット/ポリマ溶液で充填され、2時間以上にわたって流体窒素のもとで乾燥されることを可能にする。必要なときにより多くのドット/ポリマ溶液を加えて乾燥できるが、このダイオードには1つの充填及び乾燥のステップだけが必要であった。乾燥したとき、ポリマはキャップのベースにボイド(void)を残した。青色ダイオードの放出部分は、キャップのベースにおけるこのボイドに配置される。ポリマ自体は、ダイオードと接触しなかった。緑色光はGaNをベースにしたダイオードからの青色光が量子ドットを含むポリマを貫通したときに生成され、量子ドットを550ナノメートルで発光させた。550ナノメートルの光は、ダイオードを緑色に見えさせた。
【0044】
[実施例2−エポキシ中の量子ドット]
14オングストロームのコア半径を有するCdSe/ZnS量子ドットが、実施例1で記載したように準備された。TOPO溶液中の2.5x10-3mmolのドットが取り出され、ドットは析出し、メタノールで2回洗浄された。次にドットは、0.27mL(2mmol)のキャッピングモノマ(6−メルカプトヘキサノール)中で再分散した。キャッピングモノマ中で量子ドットを効率的に分散させるために、溶液は最初に約10分間超音波処理され、次に50〜60℃で2分間かき混ぜられた。
【0045】
次に、量子ドット溶液は、エポキシドモノマと更に反応した。0.56mL(2mmol)のポリ[{フェニル グリシジルエーテル)−コ−ホルムアルデヒド](数平均分子量=345)及び0.08mL(0.8mmol)のジエチルトリアミンが6−メルカプトヘキサノール溶液に加えられた。結果として生成した混合物は徹底的に混合され、外径6mm、長さ50mmを有するガラス管の中に配置された。混合の間に形成された泡が、10分間の超音波処理により除去された。次に、モノマ混合物を含むガラス管が、2時間にわたって油槽中で70℃まで加熱され、その中に供給された量子ドットで高分子エポキシを形成した。この形成された成分は、緑色LEDを作るために、第1の光源を用いて、実施例1に記載したように使用できる。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施例について図示し記載したが、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変形および変更がなし得ることは、当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0047】
10 光源
12 ホストマトリックス
14、18、22 量子ドット
16、20 層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過させるホストマトリクスを形成するために反応できる前駆材料と、
前記前駆材料中に凝集せずに分散した量子ドットの集団であって、各量子ドットが、選択されたサイズ及び組成のコアを備え、前記集団が量子ドットの選択されたサイズ分布を備える
ことを特徴とするプレポリマ組成物。
【請求項2】
前記前駆材料が、ポリマを形成するために反応できるモノマである請求項1に記載のプレポリマ組成物。
【請求項3】
前記前駆材料が、エポキシド、スチレン、アミンからなる群から選択されるモノマを含む請求項2に記載のプレポリマ組成物。
【請求項4】
前記コアが、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載のプレポリマ組成物。
【請求項5】
前記量子ドットが、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、及びZnSe及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む少なくとも1のコアオーバーコートを更に備え、好ましくは前記量子ドットはCdSeを備えるコアとZnSを備える少なくとも1のシェルを備える請求項4に記載のプレポリマ組成物。
【請求項6】
前記量子ドットが、前記前駆材料に対して親和性を有する材料を含む外部コートを備える請求項1に記載のプレポリマ組成物。
【請求項7】
前記外部コートが、前記前駆材料のモノマを含む請求項6に記載のプレポリマ組成物。
【請求項8】
前記量子ドットの集団が、前記コアの直径において10%以下の根平均二乗偏差を示すサイズ分布を有する請求項1に記載のプレポリマ組成物。
【請求項9】
前記ホストマトリックスが、エポキシポリマ、シリカポリマ、ポリスチレン及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも1のポリマを含み、好ましくは、前記ホストマトリクスがポリスチレンを含み、より好ましくは前記ホストマトリクスがアミン基と官能基化するポリスチレンを含み、最も好ましくは前記ホストマトリクスがアミンを末端基とするポリスチレンを含む請求項1に記載のプレポリマ組成物。
【請求項10】
(a)プレポリマ組成物を準備することであって、前記プレポリマ組成物が、
(i)光を透過させるホストマトリクスを形成するために反応できる前駆材料と、
(ii)前記前駆材料中に凝集せずに分散した量子ドットの集団であって、各量子ドットが、選択されたサイズ及び組成のコアを備え、前記集団が量子ドットの選択されたサイズ分布を備え、
(b)内部に分散した量子ドットの集団を有する固体のホストマトリクスを形成するために前記前駆材料を反応させることと、
(c)内部に分散した量子ドットの集団を有する前記ホストマトリクスを照射するように配置された第1の光源を設けること
を含む発光デバイスを準備するための方法。
【請求項11】
前記ステップ(a)が、
少なくとも2つの前駆材料を提供することであって、各前駆材料が選択されたサイズ、サイズ分布、組成又はその組み合わせを有する量子ドットの集団をその中に配置しており、他のどの前駆材料中の量子ドットの集団とのそれと異なるように選択され、
前記ステップ(b)が、
内部に配置された量子ドットの集団を有する第1のホストマトリクス層を形成するように前記前駆材料を反応させることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも第2のホストマトリクス層を形成するために、ステップ(b)において形成された第1のホストマトリクス層上でステップ(a)及び(b)を繰り返すことを更に含む請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記前駆材料がエポキシド、スチレン、アミンからなる群の中から選択されるモノマを含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ホストマトリックスが、エポキシポリマ、シリカポリマ、ポリスチレン及びポリイミドからなる群の中から選択される少なくとも1のポリマを含み、好ましくは、前記ホストマトリクスがポリスチレンを含み、より好ましくは前記ホストマトリクスがアミン基と官能基化するポリスチレンを含み、最も好ましくは前記ホストマトリクスがアミンを末端基とするポリスチレンを含む請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記量子ドットが、前記ホストマトリクスに対して親和性を有する外部コートを備え、これにより前記ホストマトリクス中で前記量子ドットが凝集せずに分散することを可能にし、好ましくは前記外部コートが、前記ホストマトリクスのポリマに関連するモノマを含む請求項10に記載の方法。
【請求項16】
第1の光源として機能するデバイスと、
ホストマトリクス中に分散した光輝性の量子ドットの集団であって、前記ホストマトリクスが第1の層を備え、
前記量子ドットの少なくとも一部が、前記光源によって生成される光の少なくとも一部のエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有し、前記ホストマトリクスが前記光源からの光を透過させ、これにより、前記量子ドットにそのサイズの色特性の光ルミネセンス光を生成させることを特徴とする発光デバイス。
【請求項17】
前記集団の各量子ドットが、選択されたサイズ及び組成のコアを備え、前記集団が量子ドットの選択されたサイズ分布を備える請求項16に記載の発光デバイス。
【請求項18】
前記光輝性の量子ドットの集団が、前記第1の光源から照射されるときに赤色の第2の光を発光するように選択された量子ドットの第1のサブセットと、前記第1の光源から照射されるときに緑色の第2の光を発光するように選択された量子ドットの第2のサブセットとを備える請求項16に記載の発光デバイス。
【請求項19】
前記量子ドットの前記第1のサブセットと前記第2のサブセットとの両方が、前記ホストマトリクス中の第1の層中に分散され、これにより前記ホストマトリクスが、赤色の第2の光を発光するように選択された量子ドットの第1のサブセットと、同じ層に分散した緑色の第2の光を発光するように選択された量子ドットの第2のサブセットと備え、好ましくは前記デバイスが白色発光デバイスであり、前記白色が、赤色の第2の光、緑色の第2の光、及び前記第1の光源から発光される青色の光を備える請求項18に記載の発光デバイス。
【請求項20】
赤色の第2の光を発光するように選択された量子ドットの前記第1のサブセットが、前記ホストマトリクスの第1の層中に分散され、前記ホストマトリクスが、内部に分散して緑色の第2の光を発光するように選択された量子ドットの第2のサブセットを備える第2の層を更に備え、好ましくは前記デバイスが白色発光デバイスであって、前記白色が、赤色の第2の光、緑色の第2の光、及び前記第一の光源から発光される青色の光を備える請求項18に記載の発光デバイス。
【請求項21】
前記第1の層と前記第2の層とが互いに隣接している請求項20に記載の発光デバイス。
【請求項22】
前記第1の層は、第2の層からの緑色の第2の光が通過できるように配置されている請求項20に記載の発光デバイス。
【請求項23】
前記第2の層は、前記第1の層からの赤色の第2の光が通過できるように配置されている請求項20に記載の発光デバイス。
【請求項24】
前記光輝性の量子ドットの集団が、前記第1の光源から照射されるときに青色の第2の光を発光するように選択された量子ドットの第3のサブセットを更に備える請求項18〜20のいずれか1項に記載の発光デバイス。
【請求項25】
前記発光デバイスが、照射により量子ドットの第1のサブセットにより発光した赤色の第2の光、照射により量子ドットの集団の第2のサブセットにより発光した緑色の第2の光、照射により量子ドットの集団の第3のサブセットにより発光した青色の第3の光、及び前記第1の光源により発光した光からなる群の中から選択される2以上の光要素を備える混合色を発光し、好ましくは前記発光デバイスが赤色の第2の光、緑色の第2の光及び青色の光を含み、前記青色の光が前記第1の光源から発光される青色の第2の光及び/又は青色の光である請求項16に記載の発光デバイス。
【請求項26】
各サブセットの量子ドットが、コアの直径において10%以下の根平均二乗偏差を示すサイズ分布を有する請求項18〜20のいずれか1項に記載の発光デバイス。
【請求項27】
前記第1の光源が固体状態の光源であり、好ましくは前記第1の光源が発光ダイオード、レーザ、紫外線源、青色光源からなる群の中から選択される固体状態の光源であり、より好ましくは前記第1の光源が青色発光ダイオードである請求項16に記載の発光デバイス。
【請求項28】
前記ホストマトリクスが、液体、ポリマ、エポキシ、シリカガラス及びシリカジェルからなる群の中から選択される少なくとも1の材料を備え、好ましくは前記ホストマトリクスがポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、シリカガラス及びシリカジェルからなる群の中から選択される少なくとも1のポリマを備え、より好ましくは前記ホストマトリクスがポリスチレンを備え、より好ましくは前記ホストマトリクスがアミノ基と官能基化するポリスチレンを備え、最も好ましくは前記ホストマトリクスがアミンを末端基とするポリスチレンを含む請求項16に記載の発光デバイス。
【請求項29】
前記量子ドットの集団が、混合色の光を発光するように選択された多分散系のサイズ分布を有し、好ましくは前記デバイスが量子ドットの多分散系の集団と前記第1の光源から発光する光との組み合わせを更に含む混合色の光を発光する請求項16に記載の発光デバイス。
【請求項30】
前記量子ドットの集団が、前記ホストマトリクスに対して親和性を有する外部コートを備え、これにより前記ホストマトリクス中に前記量子ドットが凝集せずに分散し、好ましくは前記ホストマトリクスがポリマと関連するモノマを備える外部コートとを備え、より好ましくは前記外部コートがエポキシド、スチレン及びアミンからなる群の中から選択されるモノマを備える請求項16に記載の発光デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−142336(P2011−142336A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42580(P2011−42580)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【分割の表示】特願2000−541740(P2000−541740)の分割
【原出願日】平成11年4月1日(1999.4.1)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (233)
【出願人】(500458332)ヒューレットパッカード カンパニー (1)
【Fターム(参考)】