説明

プレート式熱交換器

【課題】 熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路を画定するガスケットに対して大きな流体圧が作用したり、伝熱プレートやガスケットが熱膨張したりしても、伝熱プレートに対するガスケットの圧接状態を維持させることができ、伝熱プレート間を良好に封止した状態で維持させることのできるプレート式熱交換器を提供する。
【解決手段】 複数枚の伝熱プレートと、伝熱プレート間に介装されたガスケットとを備え、各伝熱プレートは、凹条及び凸条が交互に形成されるとともに、少なくとも一方の面にガスケットを装着するガスケット装着溝が形成され、伝熱プレート間に熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路が形成され、各伝熱プレートは、隣り合う伝熱プレートに対して支持された位置と異なる位置にあるガスケット装着溝と凹条との間に、ガスケットが変位するのを規制する規制用凸部が形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重ね合わされた複数枚の伝熱プレートのそれぞれを境にして、熱交換媒体を流通させる流路と被熱交換媒体を流通させる流路とを交互に形成したプレート式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、熱交換器には種々タイプのものがあり、その一つとして、重ね合わされた複数枚の伝熱プレートと、伝熱プレート間に介装されたガスケットとを備えたプレート式熱交換器が知られている(図1参照)。
【0003】
かかるプレート式熱交換器には、重ね合わせた伝熱プレート間のそれぞれにガスケットを介装することで、伝熱プレートを境にして熱交換媒体を流通させる流路と被熱交換媒体を流通させる流路とを交互に形成したもの(例えば、特許文献1参照)や、二枚の伝熱プレートを線溶接して該伝熱プレート間に熱交換媒体又は被熱交換媒体の何れか他方を流通させる流路を形成した複数の伝熱カセットを重ね合わせ、該伝熱カセット間にガスケットを介装することで伝熱カセット(伝熱プレート)間に熱交換媒体又は被熱交換媒体の何れか一方を流通させる流路を形成したもの(例えば、特許文献2参照)があり、何れも伝熱プレートを介して熱交換媒体と被熱交換媒体との間で熱交換を行えるようになっている。
【0004】
そして、この種のプレート式熱交換器は、強度の増強や伝熱面積の増大を図るべく、図8(a)に示す如く、伝熱プレート10’の両面に複数の凹条100’及び凸条101’が交互に形成されている。なお、図8(a)には、伝熱プレート10’の一方の面の一部を示しているが、通常、伝熱プレート10’は、金属製のプレートをプレス成形することで製作されるため、一方の面の凹条100’の裏側が他方の面の凸条101’となり、一方の面の凸条101’の裏側が他方の面の凹条100’となっている。また、かかるプレート式熱交換器は、ガスケット20’を適正に配置できるように、各伝熱プレート10’の互いに隣り合う伝熱プレート10’と対向する少なくとも一方の面にガスケット20’を装着するガスケット装着溝102’が形成されている。
【0005】
これにより、上記何れのプレート式熱交換器においても、図8(b)に示す如く、複数枚の伝熱プレート10’を重ね合わせたときに、ガスケット20’が隣り合う二枚の伝熱プレート10’のガスケット装着溝102’に入り込んだ態様(位置決めされた態様)で装着されるようになっており、重ね合わせた伝熱プレート10’を厚み方向に締め付けることで、ガスケット20’が隣り合う二枚の伝熱プレート10’に挟み込まれて伝熱プレート10’間をシール(封止)し、該ガスケット20’の介装された伝熱プレート10’間に熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路Rを形成するようになっている。
【特許文献1】特開2004−125222号公報
【特許文献2】特開2006−343055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記構成のプレート式熱交換器は、伝熱プレート10’間に介装したガスケット20’で熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路Rを画定するように構成されているため、ガスケット装着溝102’は、伝熱プレート10’の面上に流路Rに対応した領域を画定するように環状に形成されている。そのため、ガスケット装着溝102’は、一部又は全体が凹条100’及び凸条101’に対して交差する方向に延びるように形成されることになり、ガスケット装着溝102’に装着されたガスケット20’は、凸条101’と対応した部位がガスケット装着溝102’の延びる方向に対して交差する方向での移動が規制される(位置決めされる)ものの、凹条100’と対応した部位については凹条100’の延びる方向(ガスケット装着溝102’の延びる方向に対して交差する方向)で何ら支持されていない状態になってしまう。
【0007】
また、上記構成のプレート式熱交換器は、伝熱プレート10’間に形成する流路Rの形態や配置によって、裏側が隣り合う伝熱プレート10’に対して直接的又は間接的に支持された部位(隣り合う伝熱プレート10’に線溶接されて直接支持された部位や、ガスケット20’を介して隣り合う伝熱プレート10’に支持された部位)と異なる位置にガスケット装着溝102’の一部又は全体が形成されてしまう。すなわち、上記構成のプレート式熱交換器は、ガスケット装着溝102’の一部又は全体の裏側が隣り合う伝熱プレート10’に支持されず、ガスケット装着溝102’の一部又は全体が伝熱プレート10’の厚み方向に規制されていない状態になってしまう。
【0008】
そのため、上記構成のプレート式熱交換器は、流路R内の流体圧が大きい場合や、伝熱プレート10’に対する熱影響が大きい場合に、ガスケット20’を挟み込んでいた伝熱プレート10’同士が圧力の作用や熱膨張等で互いに離間するように厚み方向に変形し、ガスケット装着溝102’に装着されたガスケット20’が位置ずれし易くなる。その結果、上記構成のプレート式熱交換器は、図8(c)に示す如く、熱交換媒体又は被熱交換媒体の流体圧Pがガスケット20’に作用したときに、ガスケット20’が何ら支持されていない凹条100’側に部分的に変形して位置ずれを起こす場合がある。
【0009】
このようにガスケット20’に位置ずれが起こると、伝熱プレート10’に対するガスケット20’の面圧(圧接力)が低下してしまうため、上記構成のプレート式熱交換器は、流路R内の流体圧Pが大きい場合や、伝熱プレート10’やガスケット20’に対する熱影響が大きい場合に、伝熱プレート10’間のシール性能(液密性又は気密性)が低下してしまい、ガスケット20’で画定された流路R内を流通する熱交換媒体又は被熱交換媒体が外部に漏れ出てしまう虞があった。
【0010】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路を画定する伝熱プレートやガスケットに対して大きな流体圧が作用したり、伝熱プレートやガスケットが熱膨張したりしても、伝熱プレート間を良好にシールした状態で維持させることのできるプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るプレート式熱交換器は、重ね合わされた複数枚の伝熱プレートと、伝熱プレート間に介装されたガスケットとを備え、各伝熱プレートは、両面に複数の凹条及び凸条が交互に形成されるとともに、互いに隣り合う伝熱プレートと対向する少なくとも一方の面にガスケットを装着するガスケット装着溝が形成され、前記ガスケットは、隣り合う伝熱プレートのガスケット装着溝のそれぞれに装着された状態で伝熱プレート間に介装され、該ガスケットの介装された伝熱プレート間に熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路が形成されたプレート式熱交換器において、各伝熱プレートは、裏側が隣り合う伝熱プレートに対して直接的又は間接的に支持される部位と異なる位置にあるガスケット装着溝と、該ガスケット装着溝に対して交差する方向に延びる凹条との間に、ガスケット装着溝に装着されたガスケットが凹条の延びる方向に変位するのを規制する規制用凸部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記構成のプレート式熱交換器によれば、各伝熱プレートは、裏側が隣り合う伝熱プレートに対して直接的又は間接的に支持された位置と異なる位置(すなわち、裏側が隣り合う伝熱プレートに対して直接的又は間接的に支持された位置からずれた位置)にあるガスケット装着溝と、該ガスケット装着溝に対して交差する方向に延びる凹条との間に、ガスケット装着溝に装着されたガスケットが凹条の延びる方向に変位するのを規制する規制用凸部が形成されているので、裏側が隣り合う伝熱プレートに対して直接的又は間接的に支持された部位と異なる位置にあるガスケット装着溝に添って凸条と規制用凸部とが連なって形成される。
【0013】
従って、熱交換媒体、又は被熱交換媒体の流体圧がガスケットに作用しても、規制用凸部によってガスケットの変位(凹条に対応する部位の凹条側への変位)が規制される結果、ガスケットは、伝熱プレートに対して適正な面圧を作用させた状態で維持することになる。
【0014】
これにより、上記構成のプレート式熱交換器は、熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路を画定するガスケットや伝熱プレートに対して流体圧が作用したり、伝熱プレートが熱膨張したりしても、伝熱プレート間を良好にシールした状態で維持させることができる。
【0015】
本発明の一態様として、各伝熱プレートは、熱交換媒体を流通させる第一開口が少なくとも二つ形成されるとともに、被熱交換媒体を流通させる第二開口が少なくとも二つ形成され、且つ、両面に前記ガスケット装着溝が形成され、伝熱プレートの一方の面に形成されたガスケット装着溝は、装着されたガスケットが第一開口を取り囲んで重ね合わせた伝熱プレートの一方の面間に熱交換媒体を流通させる流路を形成するように構成される一方、伝熱プレートの他方の面に形成されたガスケット装着溝は、装着されたガスケットが第二開口を取り囲んで重ね合わせた伝熱プレートの他方の面間に被熱交換媒体を流通させる流路を形成するように構成され、前記規制用凸部は、熱交換媒体を流通させる流路を形成した伝熱プレートの一方の面の裏側、及び非熱交換媒体を流通させる流路を形成した伝熱プレートの他方の面の裏側の少なくとも何れか一方にあるガスケット装着溝と、該ガスケット装着溝に対して交差する方向に延びる凹条との間に形成されていることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、各伝熱プレート間にガスケットを介装し、伝熱プレートを境にして熱交換媒体を流通させる流路と被熱交換媒体を流通させる流路とを交互に形成するようにしても、熱交換媒体又は被熱交換媒体の流体圧の作用や伝熱プレートやガスケットの熱膨張の作用で伝熱プレートに対するガスケットの面圧が低下してしまうことを防止することができる。
【0017】
本発明の他態様として、ガスケット装着溝は、ガスケットを支持する支持部と、前記凸条の配置に対応して支持部の両側から起立した起立部とによって画定され、前記支持部は、該ガスケット装着溝の形成された面側の凸条の最高位置と凹条の最低位置との間の中間位置でガスケットを支持するように配置され、前記規制用凸部は、最高位置が前記支持部と凸条の最高位置との間又は凸条の最高位置と同位位置に位置するように形成されていることが好ましい。このようにすれば、重ね合わされた伝熱プレート同士(規制用凸部同士)が不必要に干渉することなく、ガスケットを伝熱プレートに対して適正に密接させることができる。
【0018】
さらに、本発明の別の態様として、前記規制用凸部は、ガスケット装着溝の両側に形成されていることが好ましい。このようにすれば、ガスケットの位置ずれの防止(位置規制)を確実に行うことができるため、伝熱プレート間をより良好にシールした状態で維持させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係るプレート式熱交換器によれば、熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路を画定する伝熱プレートやガスケットに対して大きな流体圧が作用したり、伝熱プレートやガスケットが熱膨張したりしても、伝熱プレート間を良好にシールした状態で維持させることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係るプレート式熱交換器について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0021】
本実施形態に係るプレート式熱交換器は、図1及び図2に示す如く、重ね合わされた複数枚の伝熱プレート10…と、伝熱プレート10…間に介装されたガスケット20と、重ね合わせた複数枚の伝熱プレート10…を挟み込む一対のフレーム30a,30bと、ガスケット20を伝熱プレート10…に密接させるべく伝熱プレート10…を挟み込んだ一対のフレーム30a,30bを締め付ける締付手段40とを備えている。
【0022】
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、図2に示す如く、重ね合わされた複数枚の伝熱プレート10…のそれぞれの間にガスケット20が介装されており、伝熱プレート10…を境にして熱交換媒体Aを流通させる流路(以下、第一流路という)Raと、被熱交換媒体Bを流通させる流路(以下、第二流路という)Rbとが交互に形成されている。すなわち、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、第一流路Ra及び第二流路Rbを伝熱プレート10…間に介装されたガスケット20で画定するようになっている。
【0023】
各伝熱プレート10…は、図3(a)及び図3(b)に示す如く、両面に複数の凹条100a…,100b…及び凸条101a…,101b…が交互に形成されるとともに、互いに隣り合う伝熱プレート10…と対向する少なくとも一方の面(本実施形態においては両面)にガスケット20を装着するガスケット装着溝102a,102bが形成されている。なお、図3(a)及び図3(b)において、凸条101a,101bを傾斜した実線で表すとともに、凹条100a,100bを傾斜した実線間(凸条101a,101b間)で表しているが、前記凹条100a…,100b…及び凸条101a…,101b…は、伝熱効率や、熱交換媒体及び被熱交換媒体の種類等に応じて配置や形態が決定されるものであり、図3(a)及び図3(b)に示した態様に限定されるものではない。
【0024】
各伝熱プレート10…は、熱交換媒体Aを流通させる第一開口103a,103bが少なくとも二つ(本実施形態においては二つ)形成されるとともに、被熱交換媒体Bを流通させる第二開口104a,104bが少なくとも二つ(本実施形態においては二つ)形成されている。
【0025】
より具体的に説明すると、各伝熱プレート10…は、チタンやステンレス等の金属製プレートをプレス成形したもので、本実施形態においては、正面視略長方形状に形成されている。
【0026】
そして、本実施形態において、各伝熱プレート10…は、四隅部分に第一開口103a,103b及び第二開口104a,104bが形成されている。すなわち、各伝熱プレート10…は、四隅部分のうち、長手方向と直交する方向(以下、短手方向という)の一端側にある二箇所の隅部に第一開口103a,103bが形成され、四隅部分のうち、短手方向の他端側にある二箇所の隅部に第二開口104a,104bが形成されている。
【0027】
そして、図3(a)に示す如く、各伝熱プレート10…の一方の面上に形成されるガスケット装着溝102aは、一対の第一開口103a,103bを取り囲むように形成されている。すなわち、第一流路Raを画定するガスケット20を装着するためのガスケット装着溝(以下、第一ガスケット装着溝という)102aは、短手方向の他端側にある第二開口104a,104bを躱しつつ一端側にある二つの第一開口103a,103bを取り囲むように形成されている。本実施形態において、第一開口103a,103bのある短手方向の一端側が他端側に比して幅広な領域(台形状の領域)を画定するように形成されている。なお、第一ガスケット装着溝102aの配置を明確にすべく、図3において、第一ガスケット装着溝102a上に太線を描いている。
【0028】
そして、図3(b)に示す如く、各伝熱プレート10…の他方の面上に形成されるガスケット装着溝102bは、一対の第二開口104a,104bを取り囲むように形成されている。すなわち、第二流路Rbを画定するガスケット20を装着するためのガスケット装着溝(以下、第二ガスケット装着溝という)102bは、短手方向の一端側にある第一開口103a,103bを躱しつつ他端側にある二つの第二開口104a,104bを取り囲むように形成されている。本実施形態において、第二ガスケット装着溝102bは、第二開口104a,104bのある短手方向の他端側が一端側に比して幅広な領域(台形状の領域)を画定するように形成されている。なお、第二ガスケット装着溝102bの配置を明確にすべく、図3において、第二ガスケット装着溝102b上に二点鎖線を描いている。
【0029】
そして、図3(a)及び図3(b)に示す如く、第一ガスケット装着溝102aは、短手方向の両端にある長手方向に延びる部分(ストレート部分)が、裏側にある(他方の面上にある)第二ガスケット装着溝102bの短手方向の両端にある長手方向に延びる部分(ストレート部分)に対して重なった配置になっている。すなわち、第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bは、長手方向の延びるストレート部分が表裏で一致した配置になるように形成されている。
【0030】
これにより、第一ガスケット装着溝102a(ガスケット20)によって画定される領域と、第二ガスケット装着溝102b(ガスケット20)によって画定される領域とが、伝熱プレート10の表裏で重複するようになっている。すなわち、第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bは、第一流路Ra及び第二流路Rbが伝熱プレート10を介して重複した配置になるように形成されている。
【0031】
そして、第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bは、何れも台形状の領域を画定しているため、伝熱プレート10…の長手方向の両端側において、第一ガスケット装着溝102aの傾斜した部分(伝熱プレート10の短手方向の一端側から他端側に向けて延びる部分)と、第二ガスケット装着溝102bの傾斜した部分(伝熱プレート10の短手方向の他端側から一端側に向けて延びる部分)とが、伝熱プレート10の表裏で交差した態様となっている。従って、第一ガスケット装着溝102aの傾斜した部分であって、伝熱プレート10の短手方向の他端側にある部分が、伝熱プレート10の裏側で第二流路Rbが形成される領域内に位置し、第二ガスケット装着溝102bの傾斜した部分であって、伝熱プレート10の短手方向の一端側にある部分が、伝熱プレート10の裏側で第一流路Raが形成される領域内に位置している。
【0032】
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、複数枚の伝熱プレート10…の何れもが同じ形態に形成されており、これらを重ね合わす際に一つおきに伝熱プレート10の短手方向に延びる所定の軸線CL1を中心にして180°反転させるようになっている。すなわち、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、伝熱プレート10を交互に反転させることで、伝熱プレート10の一方の面が第一流路Raを画定する一方の面と第二流路Rbを画定する他方の面とに切り替わり、また、伝熱プレート10の他方の面が第二流路Rbを画定する他方の面と第一流路Raを画定する一方の面とに切り替わるようになっている。
【0033】
そのため、各伝熱プレート10…は、両面のそれぞれに対し、第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bが形成されている。すなわち、伝熱プレート10は、一方の面上に形成される第一ガスケット装着溝102aに対して伝熱プレート10の表裏で配置が一致するように、他方の面上にも第一ガスケット装着溝102aが形成され、他方の面上に形成される第二ガスケット装着溝102bに対して伝熱プレート10の表裏で配置が一致するように、一方の面上にも第二ガスケット装着溝102bが形成されている。
【0034】
そのため、伝熱プレート10の一方の面上に形成される第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bは、伝熱プレート10の長手方向に延びる互いのストレート部分が重複するように形成され、伝熱プレート10の他方の面上に形成される第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bは、伝熱プレート10の長手方向に延びる互いのストレート部分が重複するように形成されている。すなわち、伝熱プレート10の両面において、第一ガスケット装着溝102aと第二ガスケット装着溝102bとは、伝熱プレート10の長手方向に延びる中心線CL2を基準にして鏡像関係になるように配置されている。
【0035】
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、図2に示す如く、伝熱プレート10…の一方の面間に第二開口104a,104b回りを封止するための環状のリングガスケット50を介装するとともに、伝熱プレート10…の他方の面間に第一開口103a,103b回りを封止するための環状のリングガスケット50を介装するようにもなっている。
【0036】
そのため、各伝熱プレート10…は、図3(a)及び図3(b)に示す如く、一方の面の第二開口104a,104b回りにリングガスケット装着溝105a,105bが形成され、他方の面の第一開口103a,103b回りにリングガスケット装着溝106a,106bが形成される。本実施形態においては、上述の如く、伝熱プレート10を交互に反転させて配置するようにしているため、他方の面の第二開口104a,104b回りにもリングガスケット装着溝105a,105bが形成され、一方の面の第一開口103a,103b回りにもリングガスケット装着溝106a,106bが形成されている。
【0037】
本実施形態においては、上述の如く、伝熱プレート10の両面のそれぞれに第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bが形成されているため、第一開口103a,103b回りのリングガスケット装着溝106a,106bは、第一ガスケット装着溝102aの一部を兼用するように形成され、第二開口104a,104b回りのリングガスケット装着溝105a,105bは、第二ガスケット装着溝102bの一部を兼用するように形成されている。すなわち、第一ガスケット装着溝102aは、長手方向に延びる短手方向の一端側にあるストレート部と傾斜した部分との境界が円弧状に形成されており、第一開口103a,103b回りに形成されるリングガスケット装着溝106a,106bは、第一ガスケット装着溝102aの円弧状の部分と重複するように形成されている。また、第二ガスケット装着溝102bは、長手方向に延びる短手方向の他端側にあるストレート部と傾斜した部分との境界が円弧状に形成されており、第二開口104a,104b回りに形成されるリングガスケット装着溝105a,105bは、第二ガスケット装着溝102bの円弧状の部分と重複するように形成されている。
【0038】
第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bは、図4(a)及び図4(b)に示す如く、ガスケット20を支持する支持部110と、前記凸条101a…,101b…の配置に対応して支持部110の両側から起立した起立部111a,111bとによって画定されている。そして、第一ガスケット装着溝102aの支持部110は、当該第一ガスケット装着溝102aの形成された面(一方の面)側の凸条101a…,の最高位置(頂部)と凹条100a…の最低位置(底部)との間でガスケット20を支持するように配置されている。これに対し、第二ガスケット装着溝102bの支持部110は、当該第二ガスケット装着溝102bの形成された面(他方の面)側の凸条101b…の最高位置(頂部)と凹条100b…の最低位置(底部)との間でガスケット20を支持するように配置されている。そして、前記第一ガスケット装着溝102a,及び第二ガスケット装着溝102bは、何れもガスケット20を装着した(嵌合させた)ときに、該ガスケット20の厚み方向の半分以上が外側に位置するように深さ設定されている。これにより、ガスケット20を挟み込むようにして伝熱プレート10を重ね合わせたとき(ガスケット20を伝熱プレート10,10間に介装するとき)に、ガスケット20の厚み方向の両側が対向する伝熱プレート10のそれぞれの第一ガスケット装着溝102a又は第二ガスケット装着溝102bに嵌り込んだ状態になり、且つガスケット20が支持部110や起立部111a,111bに密接した状態になるように構成されている。
【0039】
本実施形態に係る伝熱プレート10…は、凸条101a…,101b…の突出量が支持部110を基準にして一方の面側及び他方の面側が同等になるように形成されている。すなわち、支持部110は、一方の面側の凸条101a…の最高位置と他方の面側の凸条101b…の最高位置との間の中間位置に形成されている。なお、上述の如く、リングガスケット装着溝105a,105b,106a,106bは、第一ガスケット装着溝102aや第二ガスケット装着溝102bと連続して形成されているため、リングガスケット装着溝105a,105b,106a,106bについても第一ガスケット装着溝102aや第二ガスケット装着溝102bと同様の態様で形成されている。
【0040】
そして、伝熱プレート10…は、裏側が隣り合う伝熱プレート10に対して直接的又は間接的に支持される部位と異なる位置(裏側が隣り合う伝熱プレート10に対して直接的又は間接的に支持される部位からずれた位置)にあるガスケット装着溝102a,102bと該ガスケット装着溝102a,102bに対して交差する方向に延びる凹条100a,100bとの間に、ガスケット装着溝102a,102bに装着されたガスケット20が凹条100a,100bの延びる方向に変位するのを規制する規制用凸部112a,112bが形成されている。
【0041】
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、上述の如く、第一ガスケット装着溝102aのストレート部分が裏側にある第二ガスケット装着溝102bに装着されたガスケット20を介して隣り合う伝熱プレート10(第二流路Rbを画定する伝熱プレート10)に対して支持されるのに対し、第一ガスケット装着溝102aの傾斜した部分が、伝熱プレート10の裏側に第二流路Rbが形成される領域内に位置し、隣り合う伝熱プレート10(第二流路Rbを画定する伝熱プレート10)に対して支持されていないため、該第一ガスケット装着溝102aの傾斜した部分と、当該部分に対して交差する方向に延びる凹条100aとの間に規制用凸部(以下、第一規制用凸部という)112aが形成されている。
【0042】
第一規制用凸部112aは、第一ガスケット装着溝102aに添うように凹条100a,100bの両側にある凸条101a,101bの端部(起立部111a,111b)と連続して形成されている。
【0043】
第一規制用凸部112aは、伝熱プレート10をプレス成形する際に併せて成形されたもので、第一ガスケット装着溝102aと凹条100a,100bとの間で山折状に形成されている。すなわち、第一規制用凸部112aは、第一ガスケット装着溝112aの支持部110の端から凹条100a,100b側に上り勾配で形成された第一の傾斜部113aと、凹条100a,100bの底から第一ガスケット装着溝112a側に上り勾配で形成された第二の傾斜部114aとを備え、これら傾斜部113a,114aの上端同士が直接又は間接的に接続されることで、山折り状に形成されている。これにより、第一規制用凸部112aは、第一の傾斜部113aが第一ガスケット装着溝112aの起立部111a,111bと一列に並ぶ(同一面上に位置する)ように形成されている。
【0044】
第一規制用凸部112aは、最高位置(第一の傾斜部113aの上端と第二の傾斜部114aの上端を接続した位置)が同じ面上にある前記支持部110と凸条101a…,101b…の最高位置(頂部)との間又は凸条101a…,101b…の最高位置と同位位置に位置するように形成される。本実施形態に係る第一規制用凸部112aは、最高位置が凸条101a…,101b…の最高位置と支持部110との間に位置するように形成されている。これにより、伝熱プレート10…を重ね合わせた際に、対向する伝熱プレート10…の凸条101a,101b又は第一規制用凸部112aと干渉することがないように形成されている。
【0045】
そして、本実施形態において、前記第一規制用凸部112aは、第一ガスケット装着溝102aの両側に形成されている。すなわち、第一規制用凸部112aは、第一ガスケット装着溝102aと第一流路Ra側にある凹条100a,100bとの間、及び第一ガスケット装着溝102aと外側(第二開口104a,104b側)にある凹条100aとの間に形成されている。このように、凹条100a…,100b…と第一ガスケット装着溝102aとの間に第一規制用凸部112aを形成することで、ガスケット20が凸条101a…,101b…の端部(起立部111a,111b)と第一規制用凸部112とによって両側が挟み込まれた状態になり、当該ガスケット20(第一ガスケット装着溝102a)の伸長方向に対して交差する方向(凹条100a,100bの延びる方向)への移動を規制するようになっている。
【0046】
また、第二ガスケット装着溝102bのストレート部分が裏側にある第一ガスケット装着溝102aに装着されたガスケット20を介して隣り合う伝熱プレート10(第二流路Rbを画定する伝熱プレート10)に対して支持されるのに対し、第二ガスケット装着溝102bの傾斜した部分が、伝熱プレート10の裏側に第一流路Raが形成される領域内に位置し、隣り合う伝熱プレート10(第一流路Raを画定する伝熱プレート10)に対して支持されていないため、該第二ガスケット装着溝102bの傾斜した部分と、当該部分に対して交差する方向に延びる凹条100bとの間にも規制用凸部(以下、第二規制用凸部という)112bが形成されている。
【0047】
第二規制用凸部112bは、第二ガスケット装着溝102bに添うように凹条100a,100bの両側にある凸条101a,101bの端部(起立部111a,111b)と連続して形成されている。
【0048】
第二規制用凸部112bは、伝熱プレート10をプレス成形する際に併せて成形されたもので、第二ガスケット装着溝102bと凹条100a,100bとの間で山折状に形成されている。すなわち、第二規制用凸部112bは、第二ガスケット装着溝112bの支持部110の端から凹条100a,100b側に上り勾配で形成された第一の傾斜部113bと、凹条100a,100bの底から第二ガスケット装着溝112b側に上り勾配で形成された第二の傾斜部114bとを備え、これら傾斜部113b,114bの上端同士が直接又は間接的に接続されることで、山折り状に形成されている。これにより、第二規制用凸部112bは、第一の傾斜部113bが第二ガスケット装着溝112bの起立部111a,111bと一列に並ぶ(同一面上に位置する)ように形成されている。
【0049】
第二規制用凸部112bは、最高位置(第一の傾斜部113bの上端と第二の傾斜部114bの上端を接続した位置)が同じ面上にある前記支持部110と凸条101a…,101b…の最高位置(頂部)との間又は凸条101a…,101b…の最高位置と同位位置に位置するように形成される。本実施形態に係る第二規制用凸部112bは、最高位置が凸条101a…,101b…の最高位置と支持部110との間に位置するように形成されている。これにより、伝熱プレート10…を重ね合わせた際に、対向する伝熱プレート10…の凸条101a,101b又は第二規制用凸部112bと干渉することがないように形成されている。
【0050】
そして、本実施形態において、前記第二規制用凸部112bは、第二ガスケット装着溝102bの両側に形成されている。すなわち、第二規制用凸部112bは、第二ガスケット装着溝102bと第二流路Rb側にある凹条100a,100bとの間、及び第二ガスケット装着溝102bと外側(第一開口103a,103b側)にある凹条100a,100bとの間に形成されている。このように、凹条100a…,100b…と第二ガスケット装着溝102bとの間に第二規制用凸部112bを形成することで、ガスケット20が凸条101a…,101b…の端部(起立部111a,111b)と第二規制用凸部112bとによって両側が挟み込まれた状態になり、当該ガスケット10(第二ガスケット装着溝102b)の伸長方向に対して交差する方向(凹条100a,100bの延びる方向)への移動を規制するようになっている。
【0051】
本実施形態においては、上述の如く、伝熱プレート10の両面に第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bが形成されているため、各面上にある第一ガスケット装着溝102aの傾斜した部分と、第二ガスケット装着溝102bの傾斜した部分を対象に規制用凸部112a,112b(第一規制用凸部112a及び第二規制用凸部112b)が形成されている。
【0052】
本実施形態において、複数の伝熱プレート10…の長手方向の両端部には、各伝熱プレート10…をスライド(隣り合う伝熱プレート10…同士を離間させる)際に用いられるレールLが挿通されている。これにより、伝熱プレート10…の両面をクリーニングしたり、第一流路Raや第二流路Rbの詰まりを解消(クリーニング)したりできるようになっている。
【0053】
本実施形態に係るガスケット20は、弾性変形可能な合成ゴム又は樹脂を成形したもので、図5(a)及び図5(b)に示す如く、第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bの形態に対応して略台形の環状に形成されている。そして、該ガスケット20は、ガスケット装着溝102a,102bの深さの概ね二倍以上の厚みに設定されている。すなわち、ガスケット20は、隣り合う伝熱プレート10のそれぞれのガスケット装着溝102a,102bに装着する(嵌め込む)ための装着代と、伝熱プレート10,10を締め付けたときの撓み代とを合わせた厚みに設定されている。
【0054】
そして、ガスケット20は、断面において厚み方向の一方側及び他方側がガスケット装着溝102a,102bの断面形状(支持部110及び起立部111a,111bで画定される領域の形状)と対応するように形成されている。本実施形態においては、ガスケット装着溝102a,102bが支持部110と一対の起立部111a,111bとによって画定されているため、ガスケット20の厚み方向の一方側が断面台形状をなすとともに他方側が断面台形状をなしており、ガスケット20全体の縦断面形状が略八角形をなしている。なお、本実施形態において、第一ガスケット装着溝102aと第二ガスケット装着溝102bとが鏡像状態にあるため、上記構成のガスケット20は、左右反転させることで、第一ガスケット装着溝102a及び第二ガスケット装着溝102bの何れにも装着できる(第一流路Ra及び第二流路Rbの何れも形成できる)ようになっている。
【0055】
本実施形態においては、ガスケット20に対して前記リングガスケット50が一体的に成形されている。すなわち、ガスケット20とリングガスケット50とは、接続ガスケット51を介して接続されている。前記接続ガスケット51は、ガスケット20を第一ガスケット装着溝102aに装着した状態で、第二開口104a,104b回りに形成されたリングガスケット装着溝105a,105bと連続する第二ガスケット装着溝102bの一部(ストレート部分の一部と傾斜した部分の一部)に装着され、ガスケット20を第二ガスケット装着溝102bに装着した状態で、第一開口103a,103b回りに形成されたリングガスケット装着溝106a,106bと連続する第一ガスケット装着溝102aの一部(ストレート部分の一部と傾斜した部分の一部)に装着されるようになっている。なお、上述の如く、一対の接続ガスケット51でガスケット20とリングガスケット50とを接続すると、これらで包囲された内側領域が密閉状態になることから、本実施形態においては、熱交換媒体Aや被熱交換媒体Bの排出性を考慮して、接続ガスケット51に内側領域と外側を連通させるためのスリット(図示しない)が形成されている。
【0056】
これにより、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、図2に示す如く、隣り合う二枚の伝熱プレート10の第一ガスケット装着溝102aにガスケット20を装着することで、該ガスケット20の介装された伝熱プレート10,10間に第一流路Raが形成され、また、第二開口104a,104b回りのリングガスケット装着溝105a,105bにリングガスケット50を装着することで、重ね合わされた伝熱プレート10の第二開口104a,104bが連なって第二流路Rbに繋がる流路が形成されている。また、隣り合う二枚の伝熱プレート10,10の対向面であって、ガスケット20を装着した第一ガスケット装着溝102aのある面とは反対側の面にある第二ガスケット装着溝102bにガスケット20を装着することで、該ガスケット20の介装された伝熱プレート10,10間に第二流路Rbが形成され、また、該第二ガスケット装着溝102bと同じ面にある第一開口103a,103b回りのリングガスケット装着溝106a,106bにリングガスケット50を装着することで、重ね合わされた伝熱プレート10の第一開口103a,103bが連なって第一流路Raに繋がる流路が形成されている。
【0057】
なお、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、最も外側に位置する二枚の伝熱プレート10、10のうち、一方の伝熱プレート10(後述する他方のフレーム30bと隣り合う伝熱プレート10については、プレス加工の関係上、両面に第一ガスケット装着溝102a、第二ガスケット装着溝102b、及びリングガスケット装着溝105a,105bが形成されているが、第一開口103a,103b及び第二開口104a,104bが形成されておらず、最も外側に位置する他方の伝熱プレート10(後述する一方のフレーム30aと隣り合う伝熱プレート10)側から流入してきた熱交換媒体A又は被熱交換媒体B(図においては、熱交換媒体A)を該他方の伝熱プレート10側に戻すようになっている。
【0058】
図1及び図2に戻り、前記一対のフレーム30a,30bは、何れも厚板で構成されている。そして、一方のフレーム30aは、伝熱プレート10…の第一開口103a,103b及び第二開口104a,104bの配置に対応した開口が形成されており、各開口に対応させて配管に取り付けられたフランジをボルト締結できるようになっている。これに対し、他方のフレーム30bは、非貫通状態にある板材で構成されている。そして、一対のフレーム30a,30bは、それぞれ締付手段40を取り付けるための切欠部(採番しない)が幅方向(長手方向と直交する短手方向に相当する方向)の両端部に設けられている。該切欠部は、長手方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0059】
本実施形態に係る締付手段40は、ボルトとナットとで構成されており、ボルトの軸部を一対のフレーム30a,30bの切欠部に配置した上でボルトに対してナットを締め付けることで、一対のフレーム30a,30bを介して重ね合わせた複数枚の伝熱プレート10…に締め付け力が作用するようになっている。
【0060】
本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、以上の構成からなり、次に、かかるプレート式熱交換器1の作用について説明することとする。
【0061】
まず、一列に連なった一方の第一開口103a,103bに対応するフレーム30aの開口(図1及び図2においては、長手方向の一端(上端)側にある開口)から熱交換媒体Aを流入させる。そうすると、熱交換媒体Aは、伝熱プレート10…を重ね合わせることで連なった一方の第一開口103a,103bを通って各第一流路Raに流れ込み、図6(a)に示す如く、他方の第一開口103a,103bに向けて流れることになる。
【0062】
本実施形態において、ガスケット20(第一ガスケット装着溝102a)が台形状の領域を画定するように形成されているため、熱交換媒体Aは各第一流路Ra内で台形状の流れを形成して他方の第一開口103a,103bに向けて流れることになる。そして、第一流路Raを流れた熱交換媒体Aは、連なった他方の第一開口103bを通り、フレーム30aの開口(図1及び図2においては、長手方向の他端(下端)側にある開口)から外部(配管)に排出されることになる。
【0063】
これに併せて、一列に連なった一方の第二開口104a,104bに対応するフレーム30aの開口(図1及び図2においては、長手方向の他端(下端)側にある開口)から被熱交換媒体Bを流入させる。そうすると、被熱交換媒体Bは、伝熱プレート10…を重ね合わせることで連なった一方の第二開口104a,104bを通って各第二流路Rbに流れ込み、図6(b)に示す如く、他方の第二開口104a,104bに向けて流れることになる。
【0064】
本実施形態において、ガスケット20(第二ガスケット装着溝102b)が台形状の領域を画定するように形成されているため、被熱交換媒体Bは各第二流路Rb内で台形状の流れを形成して他方の第二開口104a,104bに向けて流れることになる。そして、第二流路Rbを流れた被熱交換媒体Bは、連なった他方の第二開口104a,104bを通り、フレーム30aの開口(図1及び図2においては、長手方向の一端(上端)側にある開口)から外部(配管)に排出されることになる。
【0065】
これにより、上記構成のプレート式熱交換器1は、熱交換媒体Aと被熱交換媒体Bとが逆向きに流れつつ伝熱プレート10…を介して熱交換を行うようになっている。
【0066】
そして、熱交換媒体Aの設定流体圧によっては、熱交換媒体Aの流体圧がガスケット20に作用し、該ガスケット20を外側に押し出そうとする(第一ガスケット装着溝102aと交差する方向に延びる凹条100a…,100b…側に変形(或いは変位)させようとする)が、各伝熱プレート10…は、図7に示す如く、裏側が隣り合う伝熱プレート10…に対してガスケット20を介して間接的に支持された部位と異なる位置(第二流路Rbの形成された領域と対応する位置)にある第一ガスケット装着溝102aと、該第一ガスケット装着溝102aに対して交差する方向に延びる凹条100a…,100b…との間に、ガスケット20が凹条100a…,100b…の延びる方向に変位するのを規制する第一規制用凸部112aが形成されているため、伝熱プレート10に対して熱交換媒体Aの流体圧の作用や熱交換に伴う熱の影響(熱膨張)が生じた状態で、ガスケット20に熱交換媒体Aの流体圧が作用しても、ガスケット20の凹条100a…,100b…と対応する部分が第一ガスケット装着溝102aの延びる方向に対して交差する方向(凹条100a,100bの延びる方向)に変位するのを第一規制用凸部112a(第一の傾斜部113a)が規制する。その結果、第一流路Raを画定するガスケット20は、伝熱プレート10…に対して適正な面圧を作用させた状態で維持することになる。
【0067】
また、被熱交換媒体Bの設定流体圧によっては、被熱交換媒体Bの流体圧がガスケット20に作用し、該ガスケット20を外側に押し出そうとする(第二ガスケット装着溝102bと交差する方向に延びる凹条100a…,100b…側に変形(或いは変位)させようとする)が、上述の如く、各伝熱プレート10…は、裏側が隣り合う伝熱プレート10…に対してガスケット20を介して間接的に支持された部位と異なる位置(第一流路Raの形成された領域と対応する位置)にある第二ガスケット装着溝102bと、該第二ガスケット装着溝102bに対して交差する方向に延びる凹条100a…,100b…との間に、ガスケット20が凹条100a…,100b…の延びる方向に変位するのを規制する第二規制用凸部112bが形成されているため、伝熱プレート10に対して被熱交換媒体Bの流体圧の作用や熱交換に伴う熱の影響(熱膨張)が生じた状態で、ガスケット20に被熱交換媒体Bの流体圧が作用しても、ガスケット20の凹条100a…,100b…と対応する部分が第二ガスケット装着溝102bの延びる方向に対して交差する方向(凹条100a,100bの延びる方向)に変位するのを第二規制用凸部112b(第一の傾斜部113b)が規制する。その結果、第二流路Rbを画定するガスケット20は、伝熱プレート10…に対して適正な面圧を作用させた状態で維持することになる。
【0068】
これにより、上記構成のプレート式熱交換器1は、熱交換媒体A又は被熱交換媒体Bを流通させる流路Ra,Rbを画定するガスケット20に対して流体圧が作用しても、伝熱プレート10…に対するガスケット20の圧接状態を維持させることができ、伝熱プレート10…間を良好に封止した状態で維持させることができる。
【0069】
特に、本実施形態において、第一規制用凸部112aは、第一ガスケット装着溝102aの両側に形成され、第二規制用凸部112bは、第二ガスケット装着溝102bの両側に形成されているため、第一流路Ra及び第二流路Rbを画定する各ガスケット20の位置ずれ防止が確実となり、伝熱プレート10…間のシール性の維持がより確実になる。
【0070】
以上のように、本実施形態に係るプレート式熱交換器1によれば、各伝熱プレート10…は、裏側が隣り合う伝熱プレート10…に対して直接的又は間接的に支持された部位と異なる位置(裏側が隣り合う伝熱プレート10…に対して直接的又は間接的に支持された部位から外れた位置)にあるガスケット装着溝102a,102bと、該ガスケット装着溝102a,102bに対して交差する方向に延びる凹条100a…,100b…との間に、ガスケット装着溝102a,102bに装着されたガスケット20が凹条100a…,100b…の延びる方向に変位するのを規制する規制用凸部112a,112bが形成されているので、裏側が空間(流路Ra,Rb)を画定している位置にあるガスケット装着溝102a,102bに添って凸条101a…,101b…と規制用凸部112a,112bとが連なって形成される。これにより、熱交換媒体A或いは被熱交換媒体Bの流体圧がガスケット20に作用したり、伝熱プレート10…が熱膨張したりしても、該ガスケット20の凹条100a…,100b…と対応する部分が規制用凸部112a,112bによってガスケット装着溝102a,102bの延びる方向に対して交差する方向での変位が規制される結果、ガスケット20は、伝熱プレート10…に対して適正な面圧を作用させた状態で維持し、伝熱プレート10…間を良好に封止した状態で維持させることができる。
【0071】
特に、本実施形態においては、各伝熱プレート10…は、熱交換媒体Aを流通させる第一開口103a,103bが二つ形成されるとともに、被熱交換媒体Bを流通させる第二開口104a,104bが二つ形成され、両面にガスケット装着溝102aが形成され、伝熱プレート10の一方の面に形成されたガスケット装着溝102aは、装着されたガスケット20が第一開口103a,103bを取り囲んで重ね合わせた伝熱プレート10の一方の面間に熱交換媒体Aを流通させる流路Raを形成するように構成される一方、伝熱プレート10の他方の面に形成されたガスケット装着溝102bは、装着されたガスケット20が第二開口104a,104bを取り囲んで重ね合わせた伝熱プレート10の他方の面間に被熱交換媒体Bを流通させる流路Rbを形成するように構成され、規制用凸部112a,112bは、熱交換媒体Aを流通させる流路Raを形成した伝熱プレート10…の一方の面の裏側、及び被熱交換媒体Bを流通させる流路Rbを形成した伝熱プレート10…の他方の面の裏側にあるガスケット装着溝102a,102bと、該ガスケット装着溝102a,102bに対して交差する方向に延びる凹条100a…,100b…との間に形成されているので、各伝熱プレート10…間にガスケット20を介装し、伝熱プレート10…を境にして熱交換媒体Aを流通させる流路Raと被熱交換媒体Bを流通させる流路Rbとを交互に形成するようにしても、熱交換媒体A及び被熱交換媒体Bの流体圧の作用や伝熱プレート10…の熱膨張の作用で伝熱プレート10…に対するガスケット20の面圧が低下することを防止することができる。
【0072】
また、ガスケット装着溝102a,102bは、ガスケット20を支持する支持部110と、前記凸条101a…,101b…の配置に対応して支持部110の両側から起立した起立部111a,111bとによって画定され、前記支持部110は、該ガスケット装着溝102a,102bの形成された面側の凸条101a…,101b…の最高位置と凹条100a…,100b…の最低位置との間の中間位置でガスケット20を支持するように配置され、規制用凸部112a,112bは、最高位置が前記支持部110と凸条101a…,101b…の最高位置との間に位置するように形成されているので、重ね合わされた伝熱プレート10…(規制用凸部112a,112b)同士が不必要に干渉することなく、ガスケット20を伝熱プレート10…に対して適正に密接させることができる。また、対向する規制用凸部112a,112b間に隙間を形成することができ、伝熱プレート10,10に対する締め付けによってガスケット20が弾性変形したときに、規制用凸部112a,112b間の隙間でガスケット20の変形を逃がすことができる。
【0073】
さらに、規制用凸部112a,112bは、ガスケット装着溝102a,102bの両側に形成されているので、ガスケット20の位置規制を確実に行うことができるため、伝熱プレート10…間のシール性の維持をより確実にすることができる。
【0074】
尚、本発明のプレート式熱交換器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0075】
上記実施形態において、複数枚の伝熱プレート10…をそれぞれ独立して構成し、重ね合わせた伝熱プレート10…のそれぞれの間にガスケット20を介装することで、各伝熱プレート10…を境にして第一流路Ra及び第二流路Rbを形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、二枚の伝熱プレート10…を線溶接して伝熱プレート10…間に熱交換媒体A又は被熱交換媒体Bを流通させる流路Ra,Rbを形成した伝熱カセットを構築し、この伝熱カセットを複数重ね合わせるとともに伝熱カセット間にガスケット20を介装して伝熱カセット(伝熱プレート10…)間に熱交換媒体A又は被熱交換媒体Bの何れか他方を流通させる流路Ra,Rbを形成したプレート式熱交換器1であってもよい。この場合、伝熱カセットの外面となる伝熱プレート10の一方の面上にガスケット装着溝102a,102bが形成されることになるため、このような場合には、ガスケット装着溝102a,102bが伝熱プレート10…同士を線溶接した部分(一方の伝熱プレート10…が他方の伝熱プレート10…に直接的に支持された部分)よりも内側(流路Ra,Rb側)又は外側(開放側)にガスケット装着溝102a,102bが形成されるような場合に、その部分(ガスケット装着溝102a,102b)とこれに対して交差する方向に延びる凹条100a…,100b…との間に規制用凸部112a,112bを設けることで、ガスケット20の位置ずれを防止することができ、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0076】
上記実施形態において、ガスケット装着溝102a,102bの両側に規制用凸部112a,112bを設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、ガスケット装着溝102a,102bの両側のうちの一方側に規制用凸部112a,112bを設けるようにしてもよい。但し、規制用凸部112a,112bは、熱交換媒体A又は被熱交換媒体Bの流体圧がガスケット20に作用したときに、ガスケット20を支えることのできる位置に設けることは言うまでもない。
【0077】
上記実施形態において、伝熱プレート10の両面に形成されたガスケット装着溝102a,102bの一部同士が重なり合った配置になることを前提に、裏面側に第一流路Raが形成される位置(領域内)にあるガスケット装着溝102bと凹条100a…,100b…との間に規制用凸部112bを形成するとともに、裏面側に第二流路Rbが形成される位置(領域内)にあるガスケット装着溝102aと凹条100a…,100b…との間にも規制用凸部112aを形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、一方の面上にあるガスケット装着溝102a,102bと、他方の面上にあるガスケット装着溝102a,102bとが重なり合った配置にならない場合には、各ガスケット装着溝102a,102bの反対側(裏面側)が隣り合う伝熱プレート10…に対してガスケット20を介して間接的に支持された状態とならないため、ガスケット装着溝102a,102bの全長又は一部とこれに対して交差する方向に延びる凹条100a…,100b…との間に規制用凸部112a,112bを設けるようにすればよい。
【0078】
上記実施形態において、伝熱プレート10…の両面側に規制用凸部112a,112bを設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、伝熱プレート10…の何れか一方の面上に規制用凸部112a,112bを設けるようにしてもよい。すなわち、熱交換媒体Aの流体圧及び被熱交換媒体Bの流体圧は、熱交換媒体Aや被熱交換媒体Bの種類や、熱交換に関する条件等で適宜設定されるため、熱交換媒体A及び被熱交換媒体Bの少なくとも何れか一方の流体圧がガスケット20をガスケット装着溝102a,102bから押し出そうとする大きな圧力である場合に、その熱交換媒体Aを流通させる第一流路Raを画定する伝熱プレート10…の一方の面及び被熱交換媒体Bを流通させる第二流路Rbを画定する伝熱プレート10…の他方の面の少なくとも何れか一方の面に規制用凸部112a,112bを形成すればよい。
【0079】
上記実施形態において、最高位置が支持部110と凸条101a…,101b…の最高位置との間に位置するように規制用凸部112a,112bを形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、規制用凸部112a,112bの最高位置が凸条101a…,101b…の最高位置と同位になるように形成するようにしてもよい。但し、このようにすると、複数の伝熱プレート10…を重ね合わせ、伝熱プレート10…を締め付けが強いときに、規制用凸部112a,112bが対向する凸条101a…,101b…又は規制用凸部112a,112bと接触し、伝熱プレート10…に対する締め付けでガスケット20が変形しようとしても、その変形を逃がす部分(伝熱プレート10…間に隙間)が形成されないため、伝熱プレート10…に対する締め付け等を考慮すれば、上記実施形態のように、規制用凸部112a,112bは、最高位置が支持部110と凸条101a…,101b…の最高位置との間に位置するように形成することが好ましい。
【0080】
上記実施形態において、ガスケット20に対してリングガスケット50を一体的に成形したが、これに限定されるものではなく、ガスケット20とリングガスケット50とを別体で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係るプレート式熱交換器の全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係るプレート式熱交換器の分解斜視図であって、レール及び締付手段を省略した分解斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係るプレート式熱交換器の伝熱プレートの説明図であって、(a)は、一方の面側から見た正面図を示し、(b)は、他方の面側から見た背面図を示す。
【図4】同実施形態に係るプレート式熱交換器の伝熱プレートの部分拡大図であって、(a)は、図3(a)のX部拡大図を示し、(b)は、隣り合う伝熱プレートを二点鎖線で示した(a)のI−I断面を示す。
【図5】同実施形態に係るプレート式熱交換器のガスケットの説明図であって、(a)は、正面図を示し、(b)は、背面図を示す。
【図6】同実施形態に係るプレート式熱交換器の流路の説明図であって、(a)は、第一流路内での熱交換媒体の流れを示し、(b)は、第二流路内での被熱交換媒体の流れを示す。
【図7】同実施形態に係るプレート式熱交換器の部分拡大断面図であって、伝熱プレート間にガスケットを介装した状態におけるガスケット装着溝の裏面が隣り合う伝熱プレートに支持されていない部分(図3(a)のX部に対応する部分)の拡大断面図を示す。
【図8】従来のプレート式熱交換器の説明図であって、(a)は、伝熱プレートの部分拡大正面図を示し、(b)は、伝熱プレート間にガスケットを介装した通常の状態を示し、(c)は、ガスケットに熱交換媒体又は被熱交換媒体の流体圧が作用してガスケットが変位した状態を示す。
【符号の説明】
【0082】
1…プレート式熱交換器、10…伝熱プレート、20…ガスケット、30a,30b…フレーム、40…締付手段、50…リングガスケット、51…接続ガスケット、100a,100b…凹条、101a,101b…凸条、102a…第一ガスケット装着溝(ガスケット装着溝)、102b…第二ガスケット装着溝(ガスケット装着溝)、103a,103b…第一開口(開口)、104a,104b…第二開口(開口)、105a,105b,106a,106b…リングガスケット装着溝、110…支持部、111a,111b…起立部、112a…第一規制用凸部(規制用凸部)、112b…第二規制用凸部(規制用凸部)、113a,113b,114a,114b…傾斜部、A…熱交換媒体、B…被熱交換媒体、CL1…軸線、CL2…中心線、L…レール、Ra…各第一流路、Ra…第一流路(流路)、Rb…第二流路(流路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わされた複数枚の伝熱プレートと、伝熱プレート間に介装されたガスケットとを備え、各伝熱プレートは、両面に複数の凹条及び凸条が交互に形成されるとともに、互いに隣り合う伝熱プレートと対向する少なくとも一方の面にガスケットを装着するガスケット装着溝が形成され、前記ガスケットは、隣り合う伝熱プレートのガスケット装着溝のそれぞれに装着された状態で伝熱プレート間に介装され、該ガスケットの介装された伝熱プレート間に熱交換媒体又は被熱交換媒体を流通させる流路が形成されたプレート式熱交換器において、各伝熱プレートは、裏側が隣り合う伝熱プレートに対して直接的又は間接的に支持される部位と異なる位置にあるガスケット装着溝と、該ガスケット装着溝に対して交差する方向に延びる凹条との間に、ガスケット装着溝に装着されたガスケットが凹条の延びる方向に変位するのを規制する規制用凸部が形成されていることを特徴とするプレート式熱交換器。
【請求項2】
各伝熱プレートは、熱交換媒体を流通させる第一開口が少なくとも二つ形成されるとともに、被熱交換媒体を流通させる第二開口が少なくとも二つ形成され、且つ、両面に前記ガスケット装着溝が形成され、伝熱プレートの一方の面に形成されたガスケット装着溝は、装着されたガスケットが第一開口を取り囲んで重ね合わせた伝熱プレートの一方の面間に熱交換媒体を流通させる流路を形成するように構成される一方、伝熱プレートの他方の面に形成されたガスケット装着溝は、装着されたガスケットが第二開口を取り囲んで重ね合わせた伝熱プレートの他方の面間に被熱交換媒体を流通させる流路を形成するように構成され、前記規制用凸部は、熱交換媒体を流通させる流路を形成した伝熱プレートの一方の面の裏側、及び非熱交換媒体を流通させる流路を形成した伝熱プレートの他方の面の裏側の少なくとも何れか一方にあるガスケット装着溝と、該ガスケット装着溝に対して交差する方向に延びる凹条との間に形成されている請求項1記載のプレート式熱交換器。
【請求項3】
ガスケット装着溝は、ガスケットを支持する支持部と、前記凸条の配置に対応して支持部の両側から起立した起立部とによって画定され、前記支持部は、該ガスケット装着溝の形成された面側の凸条の最高位置と凹条の最低位置との間の中間位置でガスケットを支持するように配置され、前記規制用凸部は、最高位置が前記支持部と凸条の最高位置との間又は凸条の最高位置と同位位置に位置するように形成されている請求項1又は2記載のプレート式熱交換器。
【請求項4】
前記規制用凸部は、ガスケット装着溝の両側に形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のプレート式熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−127599(P2010−127599A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306384(P2008−306384)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】