説明

プレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法

【課題】 駆動コイル、絶縁膜、及び保護膜の引っ張り応力による可動板の反りを低減し、高品質のプレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法を提供する
【解決手段】 可動板1の表面側周縁部に形成される駆動コイルは第1駆動コイルパターン11と第2駆動コイルパターン12とで構成され、該第1駆動コイルパターン11と該第2駆動コイルパターン12とが交互に隣接配置される構成で、交差部13でのみそれぞれが重なる形態である。前記交差部13付近には絶縁膜17が形成され、該絶縁膜17を介して前記第1駆動コイルと第2駆動コイルが重なり合っている。本構成において、前記絶縁膜17は交差部13付近(図に示す4ヶ所)にのみ形成されるだけなので、従来技術と比較し絶縁膜形成量を削減した構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動板に備えた駆動コイルに発生する電磁力によりトーションバーに軸支された可動板を回動するプレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、光スキャナ等に用いられる偏光器として、シリコン基板等をMEMS(Micro-Electro-Mechanical-Systems)技術を用いて加工し製造されたプレーナ型アクチュエータが知られている。これは、ミラー面を形成した可動板をそれと一体的に形成したトーションバーを軸として回動させるものであり、小型で低消費電力、更には大量生産により製造コストが抑えられる等の特徴を有している。
【0003】
プレーナ型アクチュエータは、その駆動方式により電磁駆動型と静電駆動型に大別され、特に前者の電磁駆動型のプレーナ型アクチュエータは、可動板の周縁部に沿って形成された金属薄膜からなる駆動コイルに静電磁界を発生させ、可動板の周辺に配置された静磁界発生手段(例えば、永久磁石)との磁力的な相互作用により可動板を駆動するように構成されたものである。(例えば特許文献1参照)
【0004】
このように構成したプレーナ型電磁アクチュエータの駆動コイルに電流を供給すると、前記静磁界発生手段により発生する静磁場が、トーションバーの軸方向と平行な可動板の対辺部を流れる駆動コイルの電流に作用して駆動コイルにローレンツ力を発生させ、前記可動板と前記トーションバーを中心に回動させる。この時、前記トーションバーと前記可動板の固有振動数にほぼ等しい周波数の電流が駆動コイルに供給されると、可動板はこの周波数で共振し効率よく回動することになる。
【0005】
図13は従来のプレーナ型電磁アクチュエータを示す図であり、(a)は上面図、(b)はA−A’断面図である。また、図14はその製造工程を示すA−A’断面図である。以下、図13、14を参照して従来のプレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法について説明する。1は平板状の可動板であり、2本のトーションバー2、2を介して枠状のフレーム3に回動可能に軸支されている。可動板1の表面側周縁部には駆動コイル4(1層目コイルパターン4a、2層目コイルパターン4b)が絶縁膜10aを介在し、2層に渡って形成されており、裏面側中央部にはミラー部5(上面図では不図示)が形成されている。プレーナ型電磁アクチュエータを駆動する際には、前記駆動コイル4に通電して静磁界を発生させ、フレーム3上もしくはその周辺部に設けられた磁石6、6との磁力的な相互作用により可動板1を回動させる。
【0006】
前記従来のプレーナ型電磁アクチュエータは、図14に示す工程により製造される。尚、レジスト塗布・除去工程は図示省略としてある。
工程(a):SOI(Silicon‐On‐Insulator)基板7の表裏面を熱酸化してシリコン酸化膜8a、8bを形成する。SOI基板7とは、例えば100μmの厚みを有するシリコン活性層7aと、1μmの厚みを有する中間層7bと、400μmの厚みを有するシリコン支持基板7cとの積層体である。
工程(b):前工程(a)で形成されたシリコン酸化膜8a上面全体にアルミニウム(Al)からなる金属膜9をスパッタリング等により形成する。
工程(c):前工程(b)で形成された金属膜9上面全体にポジ型の感光性レジストをスピンコートにより均一に塗布する。その後、所望のコイルパターン形状で遮光領域を有するフォトマスクを被せて紫外線露光し、露光後、露光(感光)された領域の感光性レジストを現像液を用いて溶解除去する。ポジ型の感光性レジストは紫外線により感光された部分のみが現像液に溶解するため、感光された感光性レジストを当該現像液により現像した際には非感光領域、即ち前記フォトマスクの遮光領域の形状に沿った形状に感光性レジストがパターニングされる。そして、以上の工程により形成されたレジストパターンをマスクとして金属膜9をドライ、若しくはウェットエッチングし、1層目コイルパターン4aを形成する。1層目コイルパターン4a形成後、マスクとして用いた前記レジストパターンを薬液(アセトン等)もしくはO2アッシングにより除去する。
【0007】
工程(d):前工程(c)で形成された1層目コイルパターン4a上にネガ型のポリイミド(以下PIという。)からなる絶縁膜10aを形成する。絶縁膜10aを形成する際には、まずSOI基板7の上面全体にネガ型のPIをスピンコートにより均一に塗布する。塗布後、前記1層目コイルパターン4aの形状に相当する部分が開口したフォトマスクをSOI基板7上に被せ、フォトマスクの上方から紫外線を照射してPIの露光を行う。露光後、露光された領域以外のPIを現像液により除去する。ネガ型のPIは、露光された部分のみが現像液に溶解しない性質を有しており、露光された部分、即ち1層目コイルパターン4a部分のみが現像液に溶解されずに残り、絶縁膜10aとして形成される。
工程(e):前工程(d)で形成された絶縁膜10aを被うようにSOI基板7の上面全体に工程(b)で形成したものと同様のアルミニウム(Al)からなる金属膜9を形成する。
工程(f):前工程(e)で形成された金属膜9をパターニングして2層目コイルパターン4bを形成する。尚、金属膜9のパターニングは前記工程(c)と同様の方法により行う。
工程(g):前工程(f)で形成された2層目コイルパターン4b上にネガ型のPIからなる保護膜(絶縁膜)10bを前記工程(d)にならい形成する。
工程(h):シリコン酸化膜8aの、可動板形成部、トーションバー形成部、ならびにフレーム形成部を除いた部分をドライエッチングにより除去する。
工程(i):前工程(h)により露出されたシリコン活性層7aを異方性エッチングにより除去し、次いでそれにより露出された中間層7bをドライエッチングにより除去する。
工程(j):SOI基板7下面側に形成されたシリコン酸化膜8bの、フレーム形成部を除いた部分をドライエッチングにより除去する。
工程(k):前工程(j)により露出されたシリコン支持基板7cを異方性エッチングにより除去する。
工程(l):前工程(k)により露出された中間層7b上にミラー膜(ミラー部)5をスパッタリング、又は真空蒸着により形成する。
【特許文献1】特開平7−175005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来構成によるプレーナ型電磁アクチュエータは、SOI基板から成る可動板の表面は熱酸化してシリコン酸化膜が形成され、該可動板周縁部に金属薄膜による駆動コイル、PIからなる絶縁膜および保護膜が形成されてなるものである。前記絶縁膜は、駆動コイルを積層する際上層駆動コイル、下層駆動コイルそれぞれを絶縁するために設けられるもので、コイル面全面に形成されている。該構成による問題点として、前記駆動コイル、絶縁膜及び保護膜は、引っ張り応力を持つため、可動板全体が表面方向凹型に反り、その影響によりミラー部にも反りが生じてしまうということがあった。
【0009】
前記SOI基板表面を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜は、前記引っ張り応力とは逆の圧縮応力を持つが、駆動コイル等、特に絶縁膜、保護膜の引っ張り応力の方が強いため、結果的に可動板表面方向凹型に反りを生じてしまうのである。これにより、例えば、偏光器として機能させる場合にその偏光に支障をきたし、品質の低下を招く原因となってしまう。
【0010】
本発明の目的は、駆動コイル、絶縁膜、及び保護膜の引っ張り応力による可動板の反りを低減し、高品質のプレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1のプレーナ型電磁アクチュエータは、少なくとも、平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、前記可動板の少なくとも一方の面に形成された駆動コイルと、前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段とを有するプレーナ型電磁アクチュエータであって、前記駆動コイルは第1駆動コイルパターンと、第2駆動コイルパターンとで構成され、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンとが交互に隣接配置され、それぞれが部分的に交差して重なり合う交差部を有し、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターン間の前記交差部のみに絶縁膜が形成されて成ることを特徴とする。
【0012】
前記交差部の前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンの間にのみ絶縁膜を形成する構成としたので、絶縁膜の絶対量を削減することができ、前記可動板に生じる反りを低減することができる。
【0013】
本発明の請求項2のプレーナ型電磁アクチュエータは、前記第1駆動コイルパターン上に、補助パターンが積層されて成ることを特徴とする。
【0014】
前記第1駆動コイルパターン上に補助パターンを積層したので、駆動コイルパターンの厚みが増し、抵抗値を低減することができる。
【0015】
本発明の請求項3のプレーナ型電磁アクチュエータは、少なくとも、平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、前記可動板の少なくとも一方の面に形成された駆動コイルと、前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段とを有するプレーナ型電磁アクチュエータであって、前記駆動コイルは、第1駆動コイルパターンと、第2駆動コイルパターンと、第3駆動コイルパターンとで構成され、前記第2駆動コイルパターンは部分的に切断された切断部を有し、該切断部に前記第1駆動コイルパターンの一部が配置され、前記第1駆動コイルパターンと平面的に交差する交差部が構成されており、該交差部上のみに絶縁膜を介して第3駆動コイルパターンが形成されて成ることを特徴とする。
【0016】
前記第2駆動コイルパターンは部分的に切断された切断部を有し、該切断部に前記第1駆動コイルパターンの一部が配置され、前記第1駆動コイルパターンと平面的に交差する交差部が構成されており、前記交差部のみに絶縁膜を形成し、該絶縁膜を介して第3駆動コイルパターンを形成する構成としたので、前記絶縁膜の絶対量を削減でき、前記可動板に生じる反りを低減することができる。
【0017】
本発明の請求項4のプレーナ型電磁アクチュエータは、前記第1駆動コイルパターン及び/又は第2駆動コイルパターン上に補助パターンが積層されて成ることを特徴とする。
【0018】
前記第1駆動コイルパターン及び/又は第2駆動コイルパターン上に補助パターンを積層したので、駆動コイルパターンの厚みが増し、抵抗値を低減することができる。
【0019】
本発明の請求項5のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法は、少なくとも、平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、前記可動板の少なくとも一方の面に第1駆動コイルパターンと第2駆動コイルパターンが形成され、前記第1駆動コイルパターンと、前記第2駆動コイルパターンとが交互に隣接配置され、それぞれが部分的に交差して重なり合う交差部を有し、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターン間の前記交差部のみに絶縁膜が形成された駆動コイルと、前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段とを有するプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法であって、
少なくとも、
第1駆動コイルパターンを形成する工程と、
前記工程後、前記第1駆動コイルパターン上の一部に絶縁膜を形成する工程と
前記工程後、前記絶縁膜上で、前記第1駆動コイルパターンと部分的に交差するように第2駆動コイルパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0020】
前記製造方法により、本発明の請求項1のプレーナ型電磁アクチュエータが容易に得られる。
【0021】
本発明の請求項6のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法は、前記第2駆動コイルパターン形成と同時に、前記第1駆動コイルパターン上に補助パターンを形成することを特徴とする。
【0022】
前記製造方法により、本発明の請求項2のプレーナ型電磁アクチュエータが容易に得られる。
【0023】
本発明の請求項7のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法は、少なくとも、平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、前記可動板の少なくとも一方の面に第1駆動コイルパターンと第2駆動コイルパターンと第3駆動コイルパターンが形成され、前記第2駆動コイルパターンは部分的に切断された切断部を有し、該切断部に前記第1駆動コイルパターンの一部が配置され、前記第1駆動コイルパターンと平面的に交差する交差部が構成されており、該交差部上に絶縁膜を介して前記第3駆動コイルパターンが形成された駆動コイルと、前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段とを有するプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法であって、
少なくとも、
第1駆動コイルパターンを形成する工程と、
第2駆動コイルパターンを形成する工程と、
前記第1、第2駆動コイルパターンの交差部のみに絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に第3駆動コイルパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0024】
前記製造方法により、本発明の請求項3のプレーナ型電磁アクチュエータが容易に得られる。
【0025】
本発明の請求項8のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法は、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンが同一工程で形成されることを特徴とする。
【0026】
前記製造方法により、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンが同一工程で形成されるので、製造工程を簡略化できる。
【0027】
本発明の請求項9のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法は、前記第3駆動コイルパターン形成時に、前記第1駆動コイルパターン及び/又は前記第2駆動コイルパターン上に補助パターンを形成することを特徴とする。
【0028】
前記製造方法により、本発明の請求項4のプレーナ型電磁アクチュエータが容易に得られる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、駆動コイルパターン上の、特に引っ張り応力の強い絶縁膜の絶対量を大幅に減らすことが可能であり、該絶縁膜の削減により、可動板の反り量を削減することが可能である。よって、高品質のプレーナ型電磁アクチュエータが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
少なくとも平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、前記可動板の少なくとも一方の面に形成された駆動コイルと、前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段とを有するプレーナ型電磁アクチュエータであって、前記駆動コイルは第1駆動コイルパターンと、第2駆動コイルパターンとで構成され、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンとが交差して重なり合う交差部を有し、該交差部の前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンの間には絶縁膜が形成されるプレーナ型電磁アクチュエータとし、前記絶縁膜の絶対量を削減することにより、前記可動板に生じる反りの低減を実現した。
【実施例1】
【0031】
図1は本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示す図である。(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。ただし、一構成部材である磁石は省略してある。また、従来技術と同様の部分には同一の符号を用いている(以下同様)。以下、本発明の一実施例を図1を参照して説明する。本発明のプレーナ型電磁アクチュエータはその基本構造は従来技術と同様であり、特徴は可動板上に形成された駆動コイル及び絶縁膜形状にある。1は平板状の可動板であり、2本のトーションバー2、2を介して枠状のフレーム3に回動可能に軸支されている。可動板1の表面側周縁部に形成される駆動コイルは第1駆動コイルパターン11と第2駆動コイルパターン12とで構成され、該第1駆動コイルパターン11と該第2駆動コイルパターン12とが交互に隣接配置される構成で、交差部13でのみそれぞれが重なる形態である。前記交差部13付近には絶縁膜17が形成され、該絶縁膜17を介して前記第1駆動コイルと第2駆動コイルが重なり合っている。本図において絶縁膜17はL字型に形成されているが、第1駆動コイルと第2駆動コイルが絶縁されれば良く、その形状はこれに限定されるものではない。本構成において、前記絶縁膜17は交差部13付近(図に示す4ヶ所)にのみ形成されるだけなので、従来技術と比較し絶縁膜形成量を削減した構成となる。これにより、引っ張り応力による可動板1の反りを低減している。また、本構成による駆動コイルは、従来の積層されている駆動コイルと異なり、一平面状に駆動コイルパターンが形成されるため、従来と同様の駆動コイルパターン幅であると、単純にそのターン数は半減するが、該駆動コイルパターン幅を半分にし、ターン数を倍にすることで駆動時に必要なローレンツ力を得ることが可能である。
【0032】
図2は前記した本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図で、図1のA−A’断面部を示す工程毎の図である。尚、工程(g)より後の工程は従来工程と同様のため詳細な説明は省略する。
工程(a):SOI(Silicon‐On‐Insulator)基板7の表裏面を熱酸化してシリコン酸化膜8a、8bを形成する。SOI基板7とは、例えば100μmの厚みを有するシリコン活性層7aと、1μmの厚みを有する中間層7bと、400μmの厚みを有するシリコン支持基板7cとの積層体である。
工程(b):前工程(a)で形成されたシリコン酸化膜8a上面全体にアルミニウム(Al)からなる金属膜9をスパッタリング等により形成する。
工程(c):前工程(b)で形成された金属膜9上面全体にポジ型の感光性レジストをスピンコートにより均一に塗布する。その後、所望のコイルパターン形状で遮光領域を有するフォトマスクを被せて紫外線露光し、露光後、露光(感光)された領域の感光性レジストを現像液を用いて溶解除去する。ポジ型の感光性レジストは紫外線により感光された部分のみが現像液に溶解するため、感光された感光性レジストを当該現像液により現像した際には非感光領域、即ち前記フォトマスクの遮光領域の形状に沿った形状に感光性レジストがパターニングされる。そして、以上の工程により形成されたレジストパターンをマスクとして金属膜9をドライ若しくは、ウェットエッチングし、第1駆動コイルパターン11を形成する。第1駆動コイルパターン11形成後、マスクとして用いた前記レジストパターンを薬液(アセトン等)もしくはO2アッシングにより除去する。
【0033】
工程(d):前工程(c)で形成された第1駆動コイルパターン11上、次工程(e)で形成する第2駆動コイルパターン12と交差する交差部13にネガ型のPIからなる絶縁膜17を形成する。絶縁膜17を形成する際には、まずSOI基板7の上面全体にネガ型のPIをスピンコートにより均一に塗布する。塗布後、前記第1駆動コイルパターン11上、次工程(e)で形成する第2駆動コイルパターン12と交差する交差部13に相当する部分が開口したフォトマスクをSOI基板7上に被せ、フォトマスクの上方から紫外線を照射してPIの露光を行う。露光後、露光された領域以外のPIを現像液により除去する。ネガ型のPIは、露光された部分のみが現像液に溶解しない性質を有しており、露光された部分、即ち第1駆動コイルパターン11上、次工程(e)で形成する第2駆動コイルパターン12と交差する交差部13部分のみが現像液に溶解されずに残り、絶縁膜17として形成される。
工程(e):前工程(d)で形成された絶縁膜17を被うようにSOI基板7の上面全体に工程(b)で形成したものと同様のアルミニウム(Al)からなる金属膜9を形成する。
工程(f):前工程(e)で形成された金属膜9をパターニングして第2駆動コイルパターン12を形成する。尚、金属膜9のパターニングは前記工程(c)と同様の方法により行う。
工程(g):前工程(c)、(f)で形成された第1駆動コイルパターン11、第2駆動コイルパターン12上にネガ型のPIからなる保護膜(絶縁膜)18を前記工程(d)にならい形成する。尚、工程(g)の保護膜(絶縁膜)形成工程は可動板の反り量を調節するために膜厚を薄くしたり省略することも可能である。その場合、SOI基板7上に形成されたシリコン酸化膜7aが可動板に対して及ぼす応力を考慮し適宜決定すればよい。
【実施例2】
【0034】
図3は本発明の実施例1の別形態を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。1は平板状の可動板であり、2本のトーションバー2、2を介して枠状のフレーム3に回動可能に軸支されている。可動板1の表面側周縁部に形成される駆動コイルは第1駆動コイルパターン11と第2駆動コイルパターン12とで構成され、該第1駆動コイルパターン11と該第2駆動コイルパターン12は、交互に隣接配置され、交差部13で絶縁膜17を介して交差している。本構成において、前記絶縁膜17は交差部13(図に示す4ヶ所)にのみ形成されるだけなので、従来技術と比較し絶縁膜形成量を削減した構成となる。これにより、引っ張り応力による可動板1の反りを低減している。また、本構成においては、第1駆動コイルパターン上の前記絶縁膜17以外の部位に積層される補助パターン15が形成されている。これにより、該駆動コイルパターンのターン数を倍にし、また抵抗値を低減するために、該駆動コイルパターン厚を増し、該駆動コイルパターンに生じる抵抗値低減、ならびに駆動時のローレンツ力を安定させることができる。
【0035】
図4は前記した本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図で、図3のA−A’断面部を示す工程毎の図である。以下実施例1とは異なる製造工程部分のみ説明する。
工程(a)〜工程(e)までは実施例1と同様である。
工程(f):前工程(e)で形成された金属膜9をパターニングして第2駆動コイルパターン12を形成する。尚、第2駆動コイルパターン12の形成と同時に第1駆動コイルパターン11と同様の補助パターン15を第1駆動コイルパターン11上の絶縁膜17が形成された部位以外に形成する。尚、金属膜9のパターニングは前記工程(c)と同様の方法により行う。
【実施例3】
【0036】
図5は本発明のプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示した図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。以下、本発明の一実施例を図5を参照して説明する。本発明のプレーナ型電磁アクチュエータはその基本構造は従来技術と同様であり、特徴は可動板上に形成された駆動コイル及び絶縁膜形状、ならびにその製造プロセスにある。前記駆動コイルは、第1駆動コイルパターン19と、第2駆動コイルパターン20と、第3駆動コイルパターン21(図では4ヶ所)とで構成され、前記第2駆動コイルパターン20は部分的に切断された切断部20aを有し、該切断部20aに前記第1駆動コイルパターン19の一部が配置され、前記第1駆動コイルパターンと平面的に交差する交差部22が構成されており、該交差部22上に絶縁膜23を介して第3駆動コイルパターン21が形成されている。前記第3駆動コイルパターン21は前記第2駆動コイルパターン20の切断部20a間を電気的に接続するために形成されたものである。
【0037】
本構成において、前記絶縁膜23は交差部22(図に示す4ヶ所)にのみ形成されるだけなので、従来技術と比較し絶縁膜形成量を削減した構成となる。これにより、引っ張り応力による可動板1の反りを低減している。また、本構成による駆動コイルは、従来の積層されている駆動コイルと異なり、一平面状に駆動コイルパターンが形成されるため、従来と同様の駆動コイルパターン幅であると、単純にそのターン数は半減するが、該駆動コイルパターン幅を半分にし、ターン数を倍にすることで駆動時に必要なローレンツ力を得ることが可能である。
【0038】
図6は前記した実施例3の本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図で、図5のA−A’断面部を示す工程毎の図である。尚、工程(g)以降は従来工程と同様のため省略する。
工程(a):SOI(Silicon‐On‐Insulator)基板7の表裏面を熱酸化してシリコン酸化膜8a、8bを形成する。SOI基板7とは、例えば100μmの厚みを有するシリコン活性層7aと、1μmの厚みを有する中間層7bと、400μmの厚みを有するシリコン支持基板7cとの積層体である。
工程(b):前工程(a)で形成されたシリコン酸化膜8a上面全体にアルミニウム(Al)からなる金属膜9をスパッタリング等により形成する。
工程(c):前工程(b)で形成された金属膜9上面全体にポジ型の感光性レジストをスピンコートにより均一に塗布する。その後、所望のコイルパターン形状で遮光領域を有するフォトマスクを被せて紫外線露光し、露光後、露光(感光)された領域の感光性レジストを現像液を用いて溶解除去する。ポジ型の感光性レジストは紫外線により感光された部分のみが現像液に溶解するため、感光された感光性レジストを当該現像液により現像した際には非感光領域、即ち前記フォトマスクの遮光領域の形状に沿った形状に感光性レジストがパターニングされる。そして、以上の工程により形成されたレジストパターンをマスクとして金属膜9をドライ若しくは、ウェットエッチングし、第1駆動コイルパターン19及び第2駆動コイルパターン20を形成する。第1駆動コイルパターン19、第2駆動コイルパターン20形成後、マスクとして用いた前記レジストパターンを薬液(アセトン等)もしくはO2アッシングにより除去する。
【0039】
工程(d):前工程(c)で形成された第1駆動コイルパターン19と第2駆動コイルパターン20が交差する交差部22にネガ型のPIからなる絶縁膜23を形成する。絶縁膜23を形成する際には、まずSOI基板7の上面全体にネガ型のPIをスピンコートにより均一に塗布する。塗布後、前記第1駆動コイルパターン19と第2駆動コイルパターン20が交差する交差部22に相当する部分が開口したフォトマスクをSOI基板7上に被せ、フォトマスクの上方から紫外線を照射してPIの露光を行う。露光後、露光された領域以外のPIを現像液により除去する。ネガ型のPIは、露光された部分のみが現像液に溶解しない性質を有しており、露光された部分、即ち第1駆動コイルパターン19と第2駆動コイルパターン20が交差する交差部22部分のみが現像液に溶解されずに残り、絶縁膜23として形成される。
工程(e):前工程(d)で形成された絶縁膜23を被うようにSOI基板7の上面全体に工程(b)で形成したものと同様のアルミニウム(Al)からなる金属膜9を形成する。
工程(f):前工程(e)で形成された金属膜9をパターニングして第3駆動コイルパターン21を形成する。尚、金属膜9のパターニングは前記工程(c)と同様の方法により行う。
工程(g):前工程(c)、(f)で形成された第1駆動コイルパターン19、第2駆動コイルパターン20、第3駆動コイルパターン21上にネガ型のPIからなる保護膜(絶縁膜)23を前記工程(d)にならい形成する。尚、工程(g)の保護膜(絶縁膜)形成工程は可動板の反り量を調節するために膜厚を薄くしたり省略することも可能である。その場合、SOI基板7上に形成されたシリコン酸化膜7aが可動板に対して及ぼす応力を考慮し適宜決定すればよい。
【実施例4】
【0040】
図7は本発明の実施例3の別形態を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。本実施例は、第1駆動コイルパターン19、第2駆動コイルパターン20上に、第1駆動コイルパターン19、第2駆動コイルパターン20同様の補助パターン24を積層した構成である。これにより、駆動コイルパターンの厚みが増すので、駆動コイルの抵抗値を低減させることができる。前記補助パターンは、第1駆動コイルパターン19若しくは第2駆動コイルパターンのいずれか一方にのみ形成する構成でも良い。
【0041】
図8は前記実施例4の本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図で、図7のA−A’断面部を示す工程毎の図である。以下実施例3とは異なる製造工程の部分のみ説明する
工程(a)〜工程(e)までは実施例3の製造工程と同様である。
工程(f):前工程(e)で形成された金属膜9をパターニングして第3駆動コイルパターン21を形成する。尚、第3駆動コイルパターン21形成と同時に第1駆動コイルパターン19、第2駆動コイルパターン20と同様の補助パターン24を第1駆動コイルパターン19及び第2駆動コイルパターン20上に形成する。尚、金属膜9のパターニングは前記工程(c)と同様の方法により行う。
【実施例5】
【0042】
図9は本発明の一実施例を示した図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。以下、本発明の一実施例を図9を参照して説明する。本発明のプレーナ型電磁アクチュエータはその基本構造は従来技術と同様であり、特徴は可動板上に形成された駆動コイル及び絶縁膜形状、ならびにその製造プロセスにある。該駆動コイルは第1駆動コイルパターン25と第2駆動コイルパターン26とで構成され、該第1駆動コイルパターン25と該第2駆動コイルパターン26とが交差する交差部27に絶縁膜28が介在している。本実施例では該第1駆動コイルパターン25において該駆動コイルパターン部分の大半を形成し、該第2駆動コイルパターン26は引き出し部のみとする構成である。本構成においても、前記絶縁膜28は交差部27にのみ形成されるだけなので、従来技術と比較し絶縁膜形成量を削減した構成となる。これにより、引っ張り応力による可動板1の反りを低減している。また、本構成による駆動コイルは、従来の積層されている駆動コイルと異なり、一平面状に駆動コイルパターンが形成されるため、従来と同様の駆動コイルパターン幅であると、単純にそのターン数は半減するが、該駆動コイルパターン幅を半分にし、ターン数を倍にすることで駆動時に必要なローレンツ力を得ることが可能である。
【0043】
図10は前記した実施例5の本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図で、図9のA−A’断面部を示す工程毎の図である。尚、工程(g)より後の工程は従来工程と同様のため省略する。
工程(a):SOI(Silicon‐On‐Insulator)基板7の表裏面を熱酸化してシリコン酸化膜8a、8bを形成する。SOI基板7とは、例えば100μmの厚みを有するシリコン活性層7aと、1μmの厚みを有する中間層7bと、400μmの厚みを有するシリコン支持基板7cとの積層体である。
工程(b):前工程(a)で形成されたシリコン酸化膜8a上面全体にアルミニウム(Al)からなる金属膜9をスパッタリング等により形成する。
工程(c):前工程(b)で形成された金属膜9上面全体にポジ型の感光性レジストをスピンコートにより均一に塗布する。その後、所望のコイルパターン形状で遮光領域を有するフォトマスクを被せて紫外線露光し、露光後、露光(感光)された領域の感光性レジストを現像液を用いて溶解除去する。ポジ型の感光性レジストは紫外線により感光された部分のみが現像液に溶解するため、感光された感光性レジストを当該現像液により現像した際には非感光領域、即ち前記フォトマスクの遮光領域の形状に沿った形状に感光性レジストがパターニングされる。そして、以上の工程により形成されたレジストパターンをマスクとして金属膜9をドライ若しくは、ウェットエッチングし、第1駆動コイルパターン25を形成する。第1駆動コイルパターン25形成後、マスクとして用いた前記レジストパターンを薬液(アセトン等)もしくはO2アッシングにより除去する。
【0044】
工程(d):前工程(c)で形成された第1駆動コイルパターン25上、次工程(e)で形成する第2駆動コイルパターン26と交差する交差部27にネガ型のPIからなる絶縁膜28を形成する。絶縁膜28を形成する際には、まずSOI基板7の上面全体にネガ型のPIをスピンコートにより均一に塗布する。塗布後、前記第1駆動コイルパターン25上、次工程(e)で形成する第2駆動コイルパターン26と交差する交差部27に相当する部分が開口したフォトマスクをSOI基板7上に被せ、フォトマスクの上方から紫外線を照射してPIの露光を行う。露光後、露光された領域以外のPIを現像液により除去する。ネガ型のPIは、露光された部分のみが現像液に溶解しない性質を有しており、露光された部分、即ち第1駆動コイルパターン25上、次工程(e)で形成する第2駆動コイルパターン26と交差する交差部27部分のみが現像液に溶解されずに残り、絶縁膜28として形成される。
工程(e):前工程(d)で形成された絶縁膜28を被うようにSOI基板7の上面全体に工程(b)で形成したものと同様のアルミニウム(Al)からなる金属膜9を形成する。
工程(f):前工程(e)で形成された金属膜9をパターニングして第2駆動コイルパターン26を形成する。尚、金属膜9のパターニングは前記工程(c)と同様の方法により行う。
工程(g):前工程(c)、(f)で形成された第1駆動コイルパターン25、第2駆動コイルパターン26上にネガ型のPIからなる保護膜(絶縁膜)23を前記工程(d)にならい形成する。尚、工程(g)の保護膜(絶縁膜)形成工程は可動板の反り量を調節するために膜厚を薄くしたり省略することも可能である。その場合、SOI基板7上に形成されたシリコン酸化膜7aが可動板に対して及ぼす応力を考慮し適宜決定すればよい。
【実施例6】
【0045】
図11は本発明の実施例5の別形態を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。第1駆動コイルパターン25上の、第2駆動コイルパターン26との交差部27以外の部位に補助パターン29を積層した構成である。これにより、駆動コイルパターンの厚みが増すので、駆動コイルの抵抗値を低減させることができる。
【0046】
図12は前記実施例6の本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図で、図11のA−A’断面部を示す工程毎の図である。以下実施例5とは異なる製造工程の部分のみ説明する
工程(a)〜工程(e)までは実施例5の製造工程と同様である。
工程(f):前工程(e)で形成された金属膜9をパターニングして第2駆動コイルパターン26を形成する。尚、第2駆動コイルパターン26形成と同時に第1駆動コイルパターン25上の、第2駆動コイルパターン26との交差部27以外の部位に補助パターン29を形成する。尚、金属膜9のパターニングは前記工程(c)と同様の方法により行う。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図(実施例1)
【図2】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図
【図3】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図(実施例2)
【図4】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図
【図5】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図(実施例3)
【図6】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図
【図7】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図(実施例4)
【図8】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図
【図9】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図(実施例5)
【図10】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図
【図11】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの一実施例を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図(実施例6)
【図12】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法を示す図
【図13】従来のプレーナ型電磁アクチュエータを示す図で、(a)は上面図、(b)はA−A’断面図
【図14】従来のプレーナ型電磁アクチュエータの製造工程を示す図
【符号の説明】
【0048】
1 可動板
2 トーションバー
3 フレーム
4 駆動コイル
4a 1層目コイル
4b 2層目コイル
5 ミラー部
6 磁石
7 SOI基板
7a シリコン活性層
7b 中間層
7c シリコン支持基板
8a シリコン酸化膜
8b シリコン酸化膜
9 金属薄膜
10a 絶縁膜
10b 絶縁膜
11 第1駆動コイルパターン
12 第2駆動コイルパターン
13 交差部
14 第3駆動コイルパターン
15 補助パターン
16 補助パターン
17 絶縁膜
18 保護膜
19 第1駆動コイルパターン
20 第2駆動コイルパターン
21 第3駆動コイルパターン
22 交差部
23 絶縁膜
24 補助パターン
25 第1駆動コイルパターン
26 第2駆動コイルパターン
27 交差部
28 絶縁膜
29 補助パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、前記可動板の少なくとも一方の面に形成された駆動コイルと、前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段とを有するプレーナ型電磁アクチュエータであって、前記駆動コイルは第1駆動コイルパターンと、第2駆動コイルパターンとで構成され、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンとが交互に隣接配置され、それぞれが部分的に交差して重なり合う交差部を有し、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターン間の前記交差部のみに絶縁膜が形成されて成ることを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1駆動コイルパターン上に、補助パターンが積層されて成ることを特徴とする請求項1記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項3】
少なくとも、平板状の可動板と、該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、前記可動板の少なくとも一方の面に形成された駆動コイルと、前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段とを有するプレーナ型電磁アクチュエータであって、前記駆動コイルは、第1駆動コイルパターンと、第2駆動コイルパターンと、第3駆動コイルパターンとで構成され、前記第2駆動コイルパターンは部分的に切断された切断部を有し、該切断部に前記第1駆動コイルパターンの一部が配置され、前記第1駆動コイルパターンと平面的に交差する交差部が構成されており、該交差部上のみに絶縁膜を介して第3駆動コイルパターンが形成されて成ることを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1駆動コイルパターン及び/又は第2駆動コイルパターン上に補助パターンが積層されて成ることを特徴とする請求項3記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項5】
少なくとも、
平板状の可動板と、
該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、
前記可動板の少なくとも一方の面に第1駆動コイルパターンと第2駆動コイルパターンが形成され、前記第1駆動コイルパターンと、前記第2駆動コイルパターンとが交互に隣接配置され、それぞれが部分的に交差して重なり合う交差部を有し、前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターン間の前記交差部のみに絶縁膜が形成された駆動コイルと、
前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段と、
を有するプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法であって、
少なくとも、
第1駆動コイルパターンを形成する工程と、
前記工程後、前記第1駆動コイルパターン上の一部に絶縁膜を形成する工程と
前記工程後、前記絶縁膜上で、前記第1駆動コイルパターンと部分的に交差するように第2駆動コイルパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法。
【請求項6】
前記第2駆動コイルパターン形成と同時に、前記第1駆動コイルパターン上に補助パターンを形成することを特徴とする請求項5記載のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法。
【請求項7】
少なくとも、
平板状の可動板と、
該可動板を回動可能に軸支する一対のトーションバーと、
前記可動板の少なくとも一方の面に第1駆動コイルパターンと第2駆動コイルパターンと第3駆動コイルパターンが形成され、前記第2駆動コイルパターンは部分的に切断された切断部を有し、該切断部に前記第1駆動コイルパターンの一部が配置され、前記第1駆動コイルパターンと平面的に交差する交差部が構成されており、該交差部上に絶縁膜を介して前記第3駆動コイルパターンが形成された駆動コイルと、
前記可動板の外方部位に配置された一対の静磁界発生手段と、
を有するプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法であって、
少なくとも、
第1駆動コイルパターンを形成する工程と、
第2駆動コイルパターンを形成する工程と、
前記第1、第2駆動コイルパターンの交差部のみに絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に第3駆動コイルパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法。
【請求項8】
前記第1駆動コイルパターンと前記第2駆動コイルパターンが同一工程で形成されることを特徴とする請求項7記載のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法。
【請求項9】
前記第3駆動コイルパターン形成時に、前記第1駆動コイルパターン及び/又は前記第2駆動コイルパターン上に補助パターンを形成することことを特徴とする請求項7又は8記載のプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−42487(P2006−42487A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218042(P2004−218042)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000166948)シチズンミヨタ株式会社 (438)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】