プレーナ型電磁アクチュエータ
【課題】消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供する。
【解決手段】枠部1aと、枠部1aに対してトーションバー1b,1bにより回動可能に軸支された可動板1cと、可動板1cに敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイル1dとを備えたチップ1と、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置する一対の第1静磁界発生手段2,2とを備えたプレーナ型電磁アクチュエータ10において、一対の第1静磁界発生手段2,2は、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置する構成とする一方、一対の第1静磁界発生手段間に配置され、一対の第1静磁界発生手段間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段4を備えて構成する。
【解決手段】枠部1aと、枠部1aに対してトーションバー1b,1bにより回動可能に軸支された可動板1cと、可動板1cに敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイル1dとを備えたチップ1と、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置する一対の第1静磁界発生手段2,2とを備えたプレーナ型電磁アクチュエータ10において、一対の第1静磁界発生手段2,2は、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置する構成とする一方、一対の第1静磁界発生手段間に配置され、一対の第1静磁界発生手段間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段4を備えて構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローレンツ力を利用するプレーナ型電磁アクチュエータに関し、特に、駆動コイルへ与える静磁界の強度を向上させたプレーナ型電磁アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ローレンツ力を利用したプレーナ型電磁アクチュエータが知られている。この種のプレーナ型電磁アクチュエータとしては、例えば、枠部と、枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、チップを挟むように配置され駆動コイルに静磁界を与える一対の静磁界発生手段とを備え、駆動コイルに電流を供給すると、駆動コイルに発生する磁界と静磁界発生手段の静磁界との相互作用により発生する駆動力(ローレンツ力)が可動板に作用し、可動板をトーションバーの軸回りに回動させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2722314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のプレーナ型電磁アクチュエータに対して、可動板の大振幅化(可動板の振れ角を大きくする)が求められている。しかしながら、従来のプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、大振幅化するために、駆動コイルへ供給する電流値を大きくすると消費電力が高くなってしまうため工夫が求められている。
【0005】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面よるプレーナ型電磁アクチュエータは、枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第1静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、前記一対の第1静磁界発生手段は、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置する構成とする一方、前記一対の第1静磁界発生手段間に配置され、該一対の第1静磁界発生手段間の前記静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段を備えて構成する。
【0007】
また、本発明の別の一側面よるプレーナ型電磁アクチュエータは、枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第4静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、前記一対の第4静磁界発生手段は、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置する構成とする一方、前記チップに対して前記一対の第4静磁界発生手段とは反対側で、前記一対の第4静磁界発生手段と同じ極性の磁極面を、前記一対の第4静磁界発生手段の磁極面と対向させて配置する一対の第5静磁界発生手段を備えて構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によるプレーナ型電磁アクチュエータによれば、互いに異なる極性の磁極面を対向させると共に、駆動コイルにトーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップを枠部の外方から挟むように配置される一対の第1静磁界発生手段間に、該一対の第1静磁界発生手段間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段を配置する構成であるため、一対の第1静磁界発生手段の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と、第2静磁界発生手段の磁極面(N極)からの静磁界を反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。また、第2静磁界発生手段は一対の第1静磁界発生手段の間に配置するため、アクチュエータのサイズが大きくなることはない。
【0009】
また、本発明の別の一側面によるプレーナ型電磁アクチュエータによれば、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置すると共に、駆動コイルにトーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップを枠部の外方から挟むように配置される一対の第4静磁界発生手段と、チップに対して一対の第4静磁界発生手段とは反対側で、一対の第4静磁界発生手段と同じ極性の磁極面を、一対の第4静磁界発生手段の磁極面と対向させて配置する一対の第5磁界発生手段とを備える構成であるため、一対の第4静磁界発生手段の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と一対の第5静磁界発生手段の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界とを反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】上記第1実施形態におけるチップの一構成例を示す図で、チップの上面図である。
【図3】図1のA−A’矢視断面図である。
【図4】図3に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図5】上記第1実施形態における別の構成例を示す図で、図3と同じA−A’矢視断面を示す図である。
【図6】図5に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図7】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7のB−B’矢視断面図である。
【図9】図8に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図10】上記第2実施形態における別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。
【図11】図10に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図12】上記第2実施形態におけるさらに別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。
【図13】図12のC矢視図(上面図)である。
【図14】図12に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図15】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第3実施形態を示す斜視図である。
【図16】図15のD−D’ 及びE−E’矢視断面図である。
【図17】図15のF矢視図(上面図)である。
【図18】上記第3実施形態においけるチップの一構成例を示す図で、チップの斜視図である。
【図19】図15に示すD−D’断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図20】図15に示すE−E’断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による光走査装置の第1実施形態を示す斜視図である。
図1において、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータ10は、チップ1と、一対の第1静磁界発生手段2,2と、第1ヨーク3と、第2静磁界発生手段4とを備えている。
【0012】
前記チップ1は、図2に示すように、枠部1aと、枠部1aに対してトーションバー
1b,1bにより回動可能に軸支された可動板1cと、可動板1cに敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイル1dとを備えて構成された一般的なものである。チップ1は、例えば、半導体基板をエッチングして、枠部1aと、トーションバー1b,1bと、可動板1cとを一体形成されている。チップ1は、図示省略するが、例えば、ベース基板に接着剤等によって固定され、このベース基板を介して第1ヨーク3等に固定されている。前記駆動コイル1d(図の簡略化のために、図中1本線で示す)は、可動板1cの周縁部に敷設されている。駆動コイル1dの両端部は、例えば一対のトーションバー1b,1bの上面を経由して枠部1aの上面に設けられた図示省略の電極端子に接続され、同じく図示省略の外部の駆動回路とワイヤボンディング等の手段で電気的に接続されている。
【0013】
チップ1は、後述するように、トーションバー1b,1bの軸方向と一対の第1静磁界発生手段2,2から発生する静磁界の方向が直交するように配置されており、枠部1aの外方から一対の第1静磁界発生手段2,2に挟まれるように配置されている。チップ1は、図3に示すように、一対の第1静磁界発生手段2,2の上面から、例えば、1mm程度隔てた位置に、該上面とチップ面が平行になるように配置され、これにより、チップ面に沿って静磁界が与えられるようになる。
【0014】
前記一対の第1静磁界発生手段2,2は、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置するとともに、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置するように構成されている。一方の第1静磁界発生手段2は、図1及び図3に示すXYZ座標系において、磁極面からX方向に所定距離隔てて配置される他方の第1静磁界発生手段2と対向して配置されている。一対の第1静磁界発生手段2,2は、例えば、第1ヨーク3に接着剤等で固定されている。一対の第1静磁界発生手段2,2は、互いに異なる極性の磁極面が対向する様に着磁されて静磁界を発生させる一対の永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0015】
前記第1ヨーク3は、漏れ磁場を抑制する一般的なものであり、一対の第1静磁界発生手段2,2の少なくとも対向配置する磁極面とは反対側の各磁極面と当接するように形成されている。第1ヨーク3は、具体的には、例えば、図1に示すように、枠状に形成されており、この枠内面に一対の第1静磁界発生手段2,2の磁極面をそれぞれ当接させて接着剤等で固定している。
【0016】
前記第2静磁界発生手段4は、一対の第1静磁界発生手段2,2間に配置され、一対の第1静磁界発生手段2,2間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する。第2静磁界発生手段4は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。なお、図示省略したが、第2静磁界発生手段4及び第1ヨーク3は、例えば、固定プレート上等に接着固定されている。
【0017】
次に、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータの動作を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0018】
第2静磁界発生手段4から発生する静磁界は、図3に示すように、一対の第1静磁界発生手段2,2から発生する静磁界と反発し、チップ面に静磁界が集中する。これにより、図3に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図4から分かるように、第2静止磁界発生手段4を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度が第2静止磁界発生手段4を設けない場合(破線)よりも全体的に高くなる。ここで、図示省略の前述の外部駆動回路から、駆動コイル1dに電流を供給すると磁界が発生する。この磁界と、一対の第1静磁界発生手段2,2による静磁界及び第2静磁界発生手段4による静磁界の相互作用により、トーションバー1b,1bの軸方向と平行な可動板1cの両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、トーションバー1b,1bを軸中心として可動板1cが回動する。この回動動作に伴ってトーションバー1b,1bが捩られトーションバー1b,1bにばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで可動板1cは回動する。駆動コイル1dに、例えば、交流電流を供給すると、可動板1cは揺動駆動する。
【0019】
上記第1実施形態によるプレーナ型電磁アクチュエータよれば、互いに異なる極性の磁極面を対向させると共に、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置される一対の第1静磁界発生手段2,2間に、該一対の第1静磁界発生手段2,2間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段4を配置する構成であるため、一対の第1静磁界発生手段2,2の対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と、第2静磁界発生手段4の磁極面(N極)からの静磁界を反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。また、第2静磁界発生手段は一対の第1静磁界発生手段の間に配置するため、アクチュエータのサイズが大きくなることはない。
【0020】
なお、本実施形態においては、第1ヨーク3は、図1に示したように、枠状に形成した場合で説明したが、これに限らず、図示省略するが、溝部を設け箱状に形成してもよい。この場合、溝部の底面に一対の第1静磁界発生手段2,2及び第2静磁界発生手段4を載置し、一対の第1静磁界発生手段2,2の磁極面をそれぞれ溝部の側面に当接させて配置するように構成してもよい。また、第1ヨーク3を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第1ヨーク3は設けなくてもよい。
【0021】
図5は、第1実施形態におけるプレーナ型電磁アクチュエータ10の別の構成例を示す図で、図1と同じA−A’矢視断面を示す図である。本構成例は、チップ面に沿う静磁界の磁界強度を補強する手段として、第2静磁界発生手段4及び第1ヨーク3に加えて、一対の第3静磁界発生手段5,5と第2ヨーク6を備える構成である。
【0022】
前記一対の第3静磁界発生手段5,5は、チップ1に対して第2静磁界発生手段4とは反対側で、チップ1の枠部1aの外方から一対の第1発生手段2,2間の静磁界の方向と同じ方向の静磁界を発生するものである。一対の第3静磁界発生手段5,5は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0023】
前記第2ヨーク6は、一対の第3静磁界発生手段5,5用のヨークであり、枠状に形成された一般的なものである。この場合、一対の第3静磁界発生手段5,5の対向配置する磁極面とは反対側の磁極面を、それぞれ第2ヨーク6の枠内面に当接させて接着剤等で固定している。なお、図示省略したが、第2ヨーク6及び第1ヨーク3は、一対の第1静磁界発生手段2,2と一対の第3静磁界発生手段5,5間の距離が一定になるように、例えば、保持具等でそれぞれ固定されている。
【0024】
このように、一対の第3静磁界発生手段5,5を配置することにより、チップ面に沿う静磁界をさらに増強することができる。例えば、図5に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図6から分かるように、一対の第3静止磁界発生手段5,5を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度をさらに増強することができる。
【0025】
なお、本構成例においては、第2ヨーク6を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第2ヨーク6は設けなくてもよい。
【0026】
図7には、本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第2実施形態の斜視図を示す。図7において、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータ10’は、チップ1と、一対の第4静磁界発生手段7,7と、第3ヨーク8と、一対の第5静磁界発生手段9,9と、第4ヨーク11とを備えている。
【0027】
前記チップ1は、図2に示すように、枠部1aと、枠部1aに対してトーションバー
1b,1bにより回動可能に軸支された可動板1cと、可動板1cに敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイル1dとを備えて構成された一般的なものである。チップ1は、例えば、半導体基板をエッチングして、枠部1aと、トーションバー1b,1bと、可動板1cとを一体形成されている。チップ1は、図示省略するが、例えば、ベース基板に接着剤等によって固定され、このベース基板を介して第3ヨーク8等に固定されている。前記駆動コイル1d(図の簡略化のために、図中1本線で示す)は、可動板1cの周縁部に敷設されている。駆動コイル1dの両端部は、例えば一対のトーションバー1b,1bの上面を経由して枠部1aの上面に設けられた図示省略の電極端子に接続され、同じく図示省略の外部の駆動回路とワイヤボンディング等の手段で電気的に接続されている。
【0028】
チップ1は、後述するように、トーションバー1b,1bの軸方向と一対の第1静磁界発生手段2,2から発生する静磁界の方向が直交するように配置されており、枠部1aの外方から一対の第4静磁界発生手段7,7に挟まれるように配置されている。チップ1は、図8に示すように、一対の第4静磁界発生手段7,7の上面(一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面と対向する磁極面)から、例えば、1mm程度隔てた位置に、該上面とチップ面が平行になるように配置され、これにより、チップ面に沿って静磁界が与えられるようになる。
【0029】
前記一対の第4静磁界発生手段7,7は、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置するとともに、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置するように構成されている。一方の第4静磁界発生手段7は、図7及び図8に示すXYZ座標系において、チップ1側の側面からX方向に所定距離隔てて配置される他方の第4静磁界発生手段7と対向して配置されている。一対の第4静磁界発生手段7,7は、例えば、第3ヨーク8に接着剤等で固定されている。一対の第4静磁界発生手段7,7は、一対の永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0030】
前記第3ヨーク8は、漏れ磁場を抑制する一般的なものであり、一対の第4静磁界発生手段7,7の、同一側に配置された互いに異なる極性の磁極面と当接するように形成されている。第3ヨーク8は、具体的には、例えば、図7及び図8に示すように、板状に形成されており、板上面に一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面をそれぞれ当接させて接着剤等で固定している。
【0031】
前記一対の第5静磁界発生手段9,9は、チップ1に対して一対の第4静磁界発生手段7,7とは反対側で、一対の第4静磁界発生手段7,7と同じ極性の磁極面を、一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面と対向させて配置するように構成されている。一対の第5静磁界発生手段9,9は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0032】
前記第4ヨーク11は、一対の第5静磁界発生手段9,9のチップ1とは反対側の磁極面と当接するように、例えば、平板状に形成されたものであり、一対の第5静磁界発生手段9,9を接着剤等で固定している。なお、図示省略したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は、一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面と一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面間の距離が一定になるように、例えば、保持具等でそれぞれ固定されている。
【0033】
次に、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータの動作を、図7〜図9に基づいて説明する。
【0034】
一対の第5静磁界発生手段9,9から発生する静磁界は、図8に示すように、一対の第4静磁界発生手段7,7から発生する静磁界と反発し、チップ面に静磁界が集中する。これにより、図8に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図9から分かるように、一対の第5静磁界発生手段9,9を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度が一対の第5静磁界発生手段9,9を設けない場合(破線)よりも全体的に高くなる。ここで、図示省略の前述の外部駆動回路から、駆動コイル1dに電流を供給すると磁界が発生する。この磁界と、一対の第4静磁界発生手段7,7による静磁界及び一対の第5静磁界発生手段9,9による静磁界の相互作用により、トーションバー1b,1bの軸方向と平行な可動板1cの両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、トーションバー1b,1bを軸中心として可動板1cが回動する。この回動動作に伴ってトーションバー1b,1bが捩られトーションバー1b,1bにばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで可動板1cは回動する。駆動コイル1dに、例えば、交流電流を供給すると、可動板1cは揺動駆動する。
【0035】
上記第2実施形態によるプレーナ型電磁アクチュエータよれば、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置すると共に、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置される一対の第4静磁界発生手段7,7と、チップ1に対して一対の第4静磁界発生手段7,7とは反対側で、一対の第4静磁界発生手段7,7と同じ極性の磁極面を、一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面と対向させて配置する一対の第5磁界発生手段9,9と、を備える構成であるため、一対の第4静磁界発生手段7,7の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と一対の第5静磁界発生手段9.9の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界とを反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、第3ヨーク8及び第4ヨーク11を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は設けなくてもよい。
【0037】
図10は、第2実施形態におけるプレーナ型電磁アクチュエータ10’の別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。本構成例は、一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面の形状を変更した構成である。
【0038】
本構成例において、一対の第5静磁界発生手段9,9のチップ1側の各磁極面は、図10に示すように、チップ1側からチップ1と反対側に向けて、対向する一対の第4静磁界発生手段7,7の各磁極面に近づくように傾斜して形成する。これにより、例えば、図10に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図11から分かるように、一対の第5静止磁界発生手段9,9の磁極面を図10に示すように傾斜させて形成した場合(実線)、チップ1の周縁部側(X=0〜0.4、4.6〜5.0)において、チップ面に沿う静磁界強度を増強することができる。このように磁極面の形状を工夫するだけでも、より効率的に静磁界の強度を向上させることができる。
【0039】
なお、本構成例においては、一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面の傾斜させた場合で説明したが、これに限らず、一対の第4静磁界発生手段7,7のチップ側の各磁極面をチップ側からチップと反対側に向けて、対向する一対の第5静磁界発生手段9,9の各磁極面に近づくように傾斜させる形成する構成であってもよい。また、一方の一対の静磁界発生手段(7,7又は9,9)の磁極面のみを傾斜させる構成に限らず、両方の静磁界発生手段(7,7及び9,9)の磁極面を傾斜させるように形成してもよい。このように、一対の第4静磁界発生手段7,7のチップ側の各磁極面と、一対の第5静磁界発生手段9,9のチップ側の各磁極面の少なくとも一方は、チップ側からチップと反対側に向けて、対向する各磁極面に近づくように傾斜して形成する構成とすることによって、より効率的に静磁界の強度を向上させることができる。なお、本構成例においては、第3ヨーク8及び第4ヨーク11を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は設けなくてもよい。
【0040】
図12は、第2実施形態におけるプレーナ型電磁アクチュエータ10’のさらに別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。図13は、図12のC矢視図(上面図)である。本構成例は、各一対の静磁界発生手段7,7、9,9及び各ヨーク8,11に加えて、一対の第6静磁界発生手段12,12及び一対の第5ヨーク13,13を備えた構成である。
【0041】
前記一対の第6静磁界発生手段12,12は、各静磁界発生手段(7,7、9,9)のチップ1とは反対の側面側から、一対の第4静磁界発生手段7,7及び一対の第5静磁界発生手段9,9を挟んで、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置される。そして、この一対の第6静磁界発生手段12,12は、互いに対向させる磁極面の極性を、隣接して対向配置される一対の第4静磁界発生手段7,7及び一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面の極性と合わせて配置するように構成されている。一対の第6静磁界発生手段12,12は、例えば、各静磁界発生手段(7,7、9,9)のチップ1とは反対の側面と当接して接着剤等で固定されている。一対の第6静磁界発生手段12,12は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0042】
前記一対の第5ヨーク13,13は、一対の第6静磁界発生手段12,12のチップ1とは反対側の側面と当接するように、それぞれ、例えば、平板状に形成されたものであり、一対の第6静磁界発生手段12,12の側面に接着剤等で固定されている。
【0043】
このように、一対の第6静磁界発生手段12,12を配置することにより、チップ面に沿う静磁界をさらに増強することができる。例えば、図12に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図14から分かるように、一対の第6静止磁界発生手段12,12を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度が一対の第6静止磁界発生手段12,12を設けない場合(破線)よりも全体的に高くなり、チップ面に沿う静磁界強度をさらに増強することができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、一対の第5ヨーク13,13を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、一対の第5ヨーク13,13は設けなくてもよい。
【0045】
上述の第2実施形態は1次元駆動型のプレーナ型電磁アクチュエータの例を示したが、2次元駆動型のプレーナ型電磁アクチュエータにも適用できることは言うまでもない。
【0046】
図15は、本発明に係るプレーナ型電磁アクチュエータの第3実施形態を示す斜視図であり、2次元駆動型の実施形態である。図16は、図15のD−D’矢視断面図であるとともにE−E’矢視断面図でもある。図17は、図15のF矢視図(上面図)である。なお、図15においては、図の明瞭化のため第4ヨーク11は図示省略している。以下において、図8の第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第3実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータ10’’において、チップ1は、2次元駆動可能に形成されている。
【0047】
本実施形態において、チップ1の可動板1cは、図18に示すように、枠部1aに外側トーションバー1b1を介して回動可能に軸支される枠状の外側可動板1c1と、該外側可動板1c1に外側トーションバー1b1と軸方向が直交する内側トーションバー1b2を介して回動可能に軸支される内側可動板1c2とで構成し、駆動コイル1dは、外側可動板1c1に敷設された外側駆動コイル1d1と内側可動板1c2に敷設された内側駆動コイル1d2とで構成する。
【0048】
本実施形態において、一対の第4静磁界発生手段7,7は、図15及び図17に示したように、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用とを兼ねるL字状の一対の第7静磁界発生手段14,14から成る。同様に、一対の第5静磁界発生手段9,9は、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用とを兼ねるL字状の一対の第8静磁界発生手段15,15から成る。
【0049】
次に、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータの動作を、図15及び16、図19及び20に基づいて説明する。
【0050】
一対の第7静磁界発生手段14,14から発生する静磁界は、図16に示すように、一対の第8静磁界発生手段15,15から発生する静磁界と反発し、チップ面に静磁界が集中する。これにより、図15のD―D’矢視断面の方向(X方向)であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図19や、E―E’矢視断面の方向(Y方向)であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図20から分かるように、チップ面に沿うX方向及びY方向の静磁界の強度をともに高くすることができる。ここで、図示省略の前述の外部駆動回路から、外側駆動コイル1d1に電流を供給すると磁界が発生する。この磁界と、各静磁界発生手段14,14及び15,15による静磁界の相互作用により、外側トーションバー1b1,1b1の軸方向(X軸方向)と平行な外側可動板1c1の両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、外側トーションバー1b1,1b1を軸中心として外側可動板1c1が回動する。この回動動作に伴って外側トーションバー1b1,1b1が捩られてばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで外側可動板1c1は回動する。同様に、外部駆動回路から、内側駆動コイル1d2に電流を供給すると磁界が発生し、この磁界と各静磁界発生手段14,14及び15,15による静磁界の相互作用により、内側トーションバー1b2,1b2の軸方向(Y軸方向)と平行な内側可動板1c2の両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、内側トーションバー1b2,1b2を軸中心として内側可動板1c2が回動する。この回動動作に伴って内側トーションバー1b2,1b2が捩られてばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで内側可動板1c2は回動する。その結果、内側可動板1c2が二次元方向に揺動する。
【0051】
このように、2次元駆動型のプレーナ型電磁アクチュエータであっても、一対の第7静磁界発生手段14,14の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と一対の第8静磁界発生手段15,15の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界とを反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿うX方向及びY方向の静磁界強度を効果的に増強することができる。
【0052】
また、本実施形態のように、各静磁界発生手段7,7、9,9を、それぞれ、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用とを兼ねるL字状に形成して構成することにより、各駆動コイル(1d1、1d2)用の静磁界発生手段を一体的に容易に配置することができる。なお、これに限らず、一対の第4静磁界発生手段7,7及び一対の第5静磁界発生手段9,9は、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用にそれぞれ備えて構成、すなわち、外側駆動コイル1d1用の各静磁界発生手段7,7、9,9と内側駆動コイル1d2用の各静磁界発生手段7,7、9,9を個別に形成してもよい。
【0053】
また、本実施形態においても、一対の第7静磁界発生手段14,14(第4静磁界発生手段7,7)のチップ側の各磁極面と、一対の第8静磁界発生手段15,15(第5静磁界発生手段9,9)のチップ側の各磁極面の少なくとも一方を、チップ側からチップ1と反対側に向けて、対向する各磁極面に近づくように傾斜して形成するようにしてもよい。また、前述の図12及び図13に示した一対の第6静磁界発生手段12,12及び一対の第5ヨーク13,13を、図15のD−D’矢視断面方向及びE−E‘矢視断面方向で各静磁界発生手段(14,14、15,15)を挟むように設けてもよい。
【0054】
また、本実施形態においては、第3ヨーク8及び第4ヨーク11を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は設けなくてもよい。
【0055】
そして、本発明のプレーナ型電磁アクチュエータは、可動板1cに光を反射する反射ミラーを設ければ、光走査用のプレーナ型電磁アクチュエータとして使用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1・・・・・・・・・・・チップ
1a・・・・・・・・・・枠部
1b・・・・・・・・・・トーションバー
1b1・・・・・・・・・外側トーションバー
1b2・・・・・・・・・内側トーションバー
1c・・・・・・・・・・可動板
1c1・・・・・・・・・外側可動板
1c2・・・・・・・・・内側可動板
1d・・・・・・・・・・駆動コイル
1d1・・・・・・・・・外側駆動コイル
1d2・・・・・・・・・内側駆動コイル
2,2・・・・・・・・・一対の第1静磁界発生手段
4・・・・・・・・・・・第2静磁界発生手段
5,5・・・・・・・・・一対の第3静磁界発生手段
7,7・・・・・・・・・一対の第4静磁界発生手段
9,9・・・・・・・・・一対の第5静磁界発生手段
10,10’,10”・・・プレーナ型電磁アクチュエータ
12,12・・・・・・・一対の第6静磁界発生手段
14,14・・・・・・・一対の第7静磁界発生手段
15,15・・・・・・・一対の第8静磁界発生手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローレンツ力を利用するプレーナ型電磁アクチュエータに関し、特に、駆動コイルへ与える静磁界の強度を向上させたプレーナ型電磁アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ローレンツ力を利用したプレーナ型電磁アクチュエータが知られている。この種のプレーナ型電磁アクチュエータとしては、例えば、枠部と、枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、チップを挟むように配置され駆動コイルに静磁界を与える一対の静磁界発生手段とを備え、駆動コイルに電流を供給すると、駆動コイルに発生する磁界と静磁界発生手段の静磁界との相互作用により発生する駆動力(ローレンツ力)が可動板に作用し、可動板をトーションバーの軸回りに回動させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2722314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のプレーナ型電磁アクチュエータに対して、可動板の大振幅化(可動板の振れ角を大きくする)が求められている。しかしながら、従来のプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、大振幅化するために、駆動コイルへ供給する電流値を大きくすると消費電力が高くなってしまうため工夫が求められている。
【0005】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面よるプレーナ型電磁アクチュエータは、枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第1静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、前記一対の第1静磁界発生手段は、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置する構成とする一方、前記一対の第1静磁界発生手段間に配置され、該一対の第1静磁界発生手段間の前記静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段を備えて構成する。
【0007】
また、本発明の別の一側面よるプレーナ型電磁アクチュエータは、枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第4静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、前記一対の第4静磁界発生手段は、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置する構成とする一方、前記チップに対して前記一対の第4静磁界発生手段とは反対側で、前記一対の第4静磁界発生手段と同じ極性の磁極面を、前記一対の第4静磁界発生手段の磁極面と対向させて配置する一対の第5静磁界発生手段を備えて構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によるプレーナ型電磁アクチュエータによれば、互いに異なる極性の磁極面を対向させると共に、駆動コイルにトーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップを枠部の外方から挟むように配置される一対の第1静磁界発生手段間に、該一対の第1静磁界発生手段間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段を配置する構成であるため、一対の第1静磁界発生手段の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と、第2静磁界発生手段の磁極面(N極)からの静磁界を反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。また、第2静磁界発生手段は一対の第1静磁界発生手段の間に配置するため、アクチュエータのサイズが大きくなることはない。
【0009】
また、本発明の別の一側面によるプレーナ型電磁アクチュエータによれば、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置すると共に、駆動コイルにトーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップを枠部の外方から挟むように配置される一対の第4静磁界発生手段と、チップに対して一対の第4静磁界発生手段とは反対側で、一対の第4静磁界発生手段と同じ極性の磁極面を、一対の第4静磁界発生手段の磁極面と対向させて配置する一対の第5磁界発生手段とを備える構成であるため、一対の第4静磁界発生手段の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と一対の第5静磁界発生手段の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界とを反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】上記第1実施形態におけるチップの一構成例を示す図で、チップの上面図である。
【図3】図1のA−A’矢視断面図である。
【図4】図3に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図5】上記第1実施形態における別の構成例を示す図で、図3と同じA−A’矢視断面を示す図である。
【図6】図5に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図7】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7のB−B’矢視断面図である。
【図9】図8に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図10】上記第2実施形態における別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。
【図11】図10に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図12】上記第2実施形態におけるさらに別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。
【図13】図12のC矢視図(上面図)である。
【図14】図12に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図15】本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第3実施形態を示す斜視図である。
【図16】図15のD−D’ 及びE−E’矢視断面図である。
【図17】図15のF矢視図(上面図)である。
【図18】上記第3実施形態においけるチップの一構成例を示す図で、チップの斜視図である。
【図19】図15に示すD−D’断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【図20】図15に示すE−E’断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による光走査装置の第1実施形態を示す斜視図である。
図1において、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータ10は、チップ1と、一対の第1静磁界発生手段2,2と、第1ヨーク3と、第2静磁界発生手段4とを備えている。
【0012】
前記チップ1は、図2に示すように、枠部1aと、枠部1aに対してトーションバー
1b,1bにより回動可能に軸支された可動板1cと、可動板1cに敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイル1dとを備えて構成された一般的なものである。チップ1は、例えば、半導体基板をエッチングして、枠部1aと、トーションバー1b,1bと、可動板1cとを一体形成されている。チップ1は、図示省略するが、例えば、ベース基板に接着剤等によって固定され、このベース基板を介して第1ヨーク3等に固定されている。前記駆動コイル1d(図の簡略化のために、図中1本線で示す)は、可動板1cの周縁部に敷設されている。駆動コイル1dの両端部は、例えば一対のトーションバー1b,1bの上面を経由して枠部1aの上面に設けられた図示省略の電極端子に接続され、同じく図示省略の外部の駆動回路とワイヤボンディング等の手段で電気的に接続されている。
【0013】
チップ1は、後述するように、トーションバー1b,1bの軸方向と一対の第1静磁界発生手段2,2から発生する静磁界の方向が直交するように配置されており、枠部1aの外方から一対の第1静磁界発生手段2,2に挟まれるように配置されている。チップ1は、図3に示すように、一対の第1静磁界発生手段2,2の上面から、例えば、1mm程度隔てた位置に、該上面とチップ面が平行になるように配置され、これにより、チップ面に沿って静磁界が与えられるようになる。
【0014】
前記一対の第1静磁界発生手段2,2は、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置するとともに、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置するように構成されている。一方の第1静磁界発生手段2は、図1及び図3に示すXYZ座標系において、磁極面からX方向に所定距離隔てて配置される他方の第1静磁界発生手段2と対向して配置されている。一対の第1静磁界発生手段2,2は、例えば、第1ヨーク3に接着剤等で固定されている。一対の第1静磁界発生手段2,2は、互いに異なる極性の磁極面が対向する様に着磁されて静磁界を発生させる一対の永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0015】
前記第1ヨーク3は、漏れ磁場を抑制する一般的なものであり、一対の第1静磁界発生手段2,2の少なくとも対向配置する磁極面とは反対側の各磁極面と当接するように形成されている。第1ヨーク3は、具体的には、例えば、図1に示すように、枠状に形成されており、この枠内面に一対の第1静磁界発生手段2,2の磁極面をそれぞれ当接させて接着剤等で固定している。
【0016】
前記第2静磁界発生手段4は、一対の第1静磁界発生手段2,2間に配置され、一対の第1静磁界発生手段2,2間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する。第2静磁界発生手段4は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。なお、図示省略したが、第2静磁界発生手段4及び第1ヨーク3は、例えば、固定プレート上等に接着固定されている。
【0017】
次に、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータの動作を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0018】
第2静磁界発生手段4から発生する静磁界は、図3に示すように、一対の第1静磁界発生手段2,2から発生する静磁界と反発し、チップ面に静磁界が集中する。これにより、図3に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図4から分かるように、第2静止磁界発生手段4を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度が第2静止磁界発生手段4を設けない場合(破線)よりも全体的に高くなる。ここで、図示省略の前述の外部駆動回路から、駆動コイル1dに電流を供給すると磁界が発生する。この磁界と、一対の第1静磁界発生手段2,2による静磁界及び第2静磁界発生手段4による静磁界の相互作用により、トーションバー1b,1bの軸方向と平行な可動板1cの両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、トーションバー1b,1bを軸中心として可動板1cが回動する。この回動動作に伴ってトーションバー1b,1bが捩られトーションバー1b,1bにばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで可動板1cは回動する。駆動コイル1dに、例えば、交流電流を供給すると、可動板1cは揺動駆動する。
【0019】
上記第1実施形態によるプレーナ型電磁アクチュエータよれば、互いに異なる極性の磁極面を対向させると共に、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置される一対の第1静磁界発生手段2,2間に、該一対の第1静磁界発生手段2,2間の静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段4を配置する構成であるため、一対の第1静磁界発生手段2,2の対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と、第2静磁界発生手段4の磁極面(N極)からの静磁界を反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。また、第2静磁界発生手段は一対の第1静磁界発生手段の間に配置するため、アクチュエータのサイズが大きくなることはない。
【0020】
なお、本実施形態においては、第1ヨーク3は、図1に示したように、枠状に形成した場合で説明したが、これに限らず、図示省略するが、溝部を設け箱状に形成してもよい。この場合、溝部の底面に一対の第1静磁界発生手段2,2及び第2静磁界発生手段4を載置し、一対の第1静磁界発生手段2,2の磁極面をそれぞれ溝部の側面に当接させて配置するように構成してもよい。また、第1ヨーク3を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第1ヨーク3は設けなくてもよい。
【0021】
図5は、第1実施形態におけるプレーナ型電磁アクチュエータ10の別の構成例を示す図で、図1と同じA−A’矢視断面を示す図である。本構成例は、チップ面に沿う静磁界の磁界強度を補強する手段として、第2静磁界発生手段4及び第1ヨーク3に加えて、一対の第3静磁界発生手段5,5と第2ヨーク6を備える構成である。
【0022】
前記一対の第3静磁界発生手段5,5は、チップ1に対して第2静磁界発生手段4とは反対側で、チップ1の枠部1aの外方から一対の第1発生手段2,2間の静磁界の方向と同じ方向の静磁界を発生するものである。一対の第3静磁界発生手段5,5は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0023】
前記第2ヨーク6は、一対の第3静磁界発生手段5,5用のヨークであり、枠状に形成された一般的なものである。この場合、一対の第3静磁界発生手段5,5の対向配置する磁極面とは反対側の磁極面を、それぞれ第2ヨーク6の枠内面に当接させて接着剤等で固定している。なお、図示省略したが、第2ヨーク6及び第1ヨーク3は、一対の第1静磁界発生手段2,2と一対の第3静磁界発生手段5,5間の距離が一定になるように、例えば、保持具等でそれぞれ固定されている。
【0024】
このように、一対の第3静磁界発生手段5,5を配置することにより、チップ面に沿う静磁界をさらに増強することができる。例えば、図5に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図6から分かるように、一対の第3静止磁界発生手段5,5を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度をさらに増強することができる。
【0025】
なお、本構成例においては、第2ヨーク6を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第2ヨーク6は設けなくてもよい。
【0026】
図7には、本発明によるプレーナ型電磁アクチュエータの第2実施形態の斜視図を示す。図7において、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータ10’は、チップ1と、一対の第4静磁界発生手段7,7と、第3ヨーク8と、一対の第5静磁界発生手段9,9と、第4ヨーク11とを備えている。
【0027】
前記チップ1は、図2に示すように、枠部1aと、枠部1aに対してトーションバー
1b,1bにより回動可能に軸支された可動板1cと、可動板1cに敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイル1dとを備えて構成された一般的なものである。チップ1は、例えば、半導体基板をエッチングして、枠部1aと、トーションバー1b,1bと、可動板1cとを一体形成されている。チップ1は、図示省略するが、例えば、ベース基板に接着剤等によって固定され、このベース基板を介して第3ヨーク8等に固定されている。前記駆動コイル1d(図の簡略化のために、図中1本線で示す)は、可動板1cの周縁部に敷設されている。駆動コイル1dの両端部は、例えば一対のトーションバー1b,1bの上面を経由して枠部1aの上面に設けられた図示省略の電極端子に接続され、同じく図示省略の外部の駆動回路とワイヤボンディング等の手段で電気的に接続されている。
【0028】
チップ1は、後述するように、トーションバー1b,1bの軸方向と一対の第1静磁界発生手段2,2から発生する静磁界の方向が直交するように配置されており、枠部1aの外方から一対の第4静磁界発生手段7,7に挟まれるように配置されている。チップ1は、図8に示すように、一対の第4静磁界発生手段7,7の上面(一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面と対向する磁極面)から、例えば、1mm程度隔てた位置に、該上面とチップ面が平行になるように配置され、これにより、チップ面に沿って静磁界が与えられるようになる。
【0029】
前記一対の第4静磁界発生手段7,7は、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置するとともに、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置するように構成されている。一方の第4静磁界発生手段7は、図7及び図8に示すXYZ座標系において、チップ1側の側面からX方向に所定距離隔てて配置される他方の第4静磁界発生手段7と対向して配置されている。一対の第4静磁界発生手段7,7は、例えば、第3ヨーク8に接着剤等で固定されている。一対の第4静磁界発生手段7,7は、一対の永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0030】
前記第3ヨーク8は、漏れ磁場を抑制する一般的なものであり、一対の第4静磁界発生手段7,7の、同一側に配置された互いに異なる極性の磁極面と当接するように形成されている。第3ヨーク8は、具体的には、例えば、図7及び図8に示すように、板状に形成されており、板上面に一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面をそれぞれ当接させて接着剤等で固定している。
【0031】
前記一対の第5静磁界発生手段9,9は、チップ1に対して一対の第4静磁界発生手段7,7とは反対側で、一対の第4静磁界発生手段7,7と同じ極性の磁極面を、一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面と対向させて配置するように構成されている。一対の第5静磁界発生手段9,9は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0032】
前記第4ヨーク11は、一対の第5静磁界発生手段9,9のチップ1とは反対側の磁極面と当接するように、例えば、平板状に形成されたものであり、一対の第5静磁界発生手段9,9を接着剤等で固定している。なお、図示省略したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は、一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面と一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面間の距離が一定になるように、例えば、保持具等でそれぞれ固定されている。
【0033】
次に、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータの動作を、図7〜図9に基づいて説明する。
【0034】
一対の第5静磁界発生手段9,9から発生する静磁界は、図8に示すように、一対の第4静磁界発生手段7,7から発生する静磁界と反発し、チップ面に静磁界が集中する。これにより、図8に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図9から分かるように、一対の第5静磁界発生手段9,9を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度が一対の第5静磁界発生手段9,9を設けない場合(破線)よりも全体的に高くなる。ここで、図示省略の前述の外部駆動回路から、駆動コイル1dに電流を供給すると磁界が発生する。この磁界と、一対の第4静磁界発生手段7,7による静磁界及び一対の第5静磁界発生手段9,9による静磁界の相互作用により、トーションバー1b,1bの軸方向と平行な可動板1cの両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、トーションバー1b,1bを軸中心として可動板1cが回動する。この回動動作に伴ってトーションバー1b,1bが捩られトーションバー1b,1bにばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで可動板1cは回動する。駆動コイル1dに、例えば、交流電流を供給すると、可動板1cは揺動駆動する。
【0035】
上記第2実施形態によるプレーナ型電磁アクチュエータよれば、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置すると共に、駆動コイル1dにトーションバー1b,1bの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、チップ1を枠部1aの外方から挟むように配置される一対の第4静磁界発生手段7,7と、チップ1に対して一対の第4静磁界発生手段7,7とは反対側で、一対の第4静磁界発生手段7,7と同じ極性の磁極面を、一対の第4静磁界発生手段7,7の磁極面と対向させて配置する一対の第5磁界発生手段9,9と、を備える構成であるため、一対の第4静磁界発生手段7,7の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と一対の第5静磁界発生手段9.9の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界とを反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿う静磁界強度を効果的に増強することができる。このようにして、消費電力を高めることなく静磁界強度を強めることによって、効果的に可動板の大振幅化を図ることが可能なプレーナ型電磁アクチュエータを提供することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、第3ヨーク8及び第4ヨーク11を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は設けなくてもよい。
【0037】
図10は、第2実施形態におけるプレーナ型電磁アクチュエータ10’の別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。本構成例は、一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面の形状を変更した構成である。
【0038】
本構成例において、一対の第5静磁界発生手段9,9のチップ1側の各磁極面は、図10に示すように、チップ1側からチップ1と反対側に向けて、対向する一対の第4静磁界発生手段7,7の各磁極面に近づくように傾斜して形成する。これにより、例えば、図10に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図11から分かるように、一対の第5静止磁界発生手段9,9の磁極面を図10に示すように傾斜させて形成した場合(実線)、チップ1の周縁部側(X=0〜0.4、4.6〜5.0)において、チップ面に沿う静磁界強度を増強することができる。このように磁極面の形状を工夫するだけでも、より効率的に静磁界の強度を向上させることができる。
【0039】
なお、本構成例においては、一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面の傾斜させた場合で説明したが、これに限らず、一対の第4静磁界発生手段7,7のチップ側の各磁極面をチップ側からチップと反対側に向けて、対向する一対の第5静磁界発生手段9,9の各磁極面に近づくように傾斜させる形成する構成であってもよい。また、一方の一対の静磁界発生手段(7,7又は9,9)の磁極面のみを傾斜させる構成に限らず、両方の静磁界発生手段(7,7及び9,9)の磁極面を傾斜させるように形成してもよい。このように、一対の第4静磁界発生手段7,7のチップ側の各磁極面と、一対の第5静磁界発生手段9,9のチップ側の各磁極面の少なくとも一方は、チップ側からチップと反対側に向けて、対向する各磁極面に近づくように傾斜して形成する構成とすることによって、より効率的に静磁界の強度を向上させることができる。なお、本構成例においては、第3ヨーク8及び第4ヨーク11を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は設けなくてもよい。
【0040】
図12は、第2実施形態におけるプレーナ型電磁アクチュエータ10’のさらに別の構成例を示す図で、図8と同じB−B’矢視断面を示す図である。図13は、図12のC矢視図(上面図)である。本構成例は、各一対の静磁界発生手段7,7、9,9及び各ヨーク8,11に加えて、一対の第6静磁界発生手段12,12及び一対の第5ヨーク13,13を備えた構成である。
【0041】
前記一対の第6静磁界発生手段12,12は、各静磁界発生手段(7,7、9,9)のチップ1とは反対の側面側から、一対の第4静磁界発生手段7,7及び一対の第5静磁界発生手段9,9を挟んで、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置される。そして、この一対の第6静磁界発生手段12,12は、互いに対向させる磁極面の極性を、隣接して対向配置される一対の第4静磁界発生手段7,7及び一対の第5静磁界発生手段9,9の磁極面の極性と合わせて配置するように構成されている。一対の第6静磁界発生手段12,12は、例えば、各静磁界発生手段(7,7、9,9)のチップ1とは反対の側面と当接して接着剤等で固定されている。一対の第6静磁界発生手段12,12は、永久磁石でもよく、電磁石を用いることも可能である。
【0042】
前記一対の第5ヨーク13,13は、一対の第6静磁界発生手段12,12のチップ1とは反対側の側面と当接するように、それぞれ、例えば、平板状に形成されたものであり、一対の第6静磁界発生手段12,12の側面に接着剤等で固定されている。
【0043】
このように、一対の第6静磁界発生手段12,12を配置することにより、チップ面に沿う静磁界をさらに増強することができる。例えば、図12に示す断面方向であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図14から分かるように、一対の第6静止磁界発生手段12,12を設けた場合(実線)、チップ面に沿う静磁界強度が一対の第6静止磁界発生手段12,12を設けない場合(破線)よりも全体的に高くなり、チップ面に沿う静磁界強度をさらに増強することができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、一対の第5ヨーク13,13を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、一対の第5ヨーク13,13は設けなくてもよい。
【0045】
上述の第2実施形態は1次元駆動型のプレーナ型電磁アクチュエータの例を示したが、2次元駆動型のプレーナ型電磁アクチュエータにも適用できることは言うまでもない。
【0046】
図15は、本発明に係るプレーナ型電磁アクチュエータの第3実施形態を示す斜視図であり、2次元駆動型の実施形態である。図16は、図15のD−D’矢視断面図であるとともにE−E’矢視断面図でもある。図17は、図15のF矢視図(上面図)である。なお、図15においては、図の明瞭化のため第4ヨーク11は図示省略している。以下において、図8の第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第3実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータ10’’において、チップ1は、2次元駆動可能に形成されている。
【0047】
本実施形態において、チップ1の可動板1cは、図18に示すように、枠部1aに外側トーションバー1b1を介して回動可能に軸支される枠状の外側可動板1c1と、該外側可動板1c1に外側トーションバー1b1と軸方向が直交する内側トーションバー1b2を介して回動可能に軸支される内側可動板1c2とで構成し、駆動コイル1dは、外側可動板1c1に敷設された外側駆動コイル1d1と内側可動板1c2に敷設された内側駆動コイル1d2とで構成する。
【0048】
本実施形態において、一対の第4静磁界発生手段7,7は、図15及び図17に示したように、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用とを兼ねるL字状の一対の第7静磁界発生手段14,14から成る。同様に、一対の第5静磁界発生手段9,9は、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用とを兼ねるL字状の一対の第8静磁界発生手段15,15から成る。
【0049】
次に、本実施形態のプレーナ型電磁アクチュエータの動作を、図15及び16、図19及び20に基づいて説明する。
【0050】
一対の第7静磁界発生手段14,14から発生する静磁界は、図16に示すように、一対の第8静磁界発生手段15,15から発生する静磁界と反発し、チップ面に静磁界が集中する。これにより、図15のD―D’矢視断面の方向(X方向)であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図19や、E―E’矢視断面の方向(Y方向)であって、チップ面に沿う静磁界強度の分布を示す図20から分かるように、チップ面に沿うX方向及びY方向の静磁界の強度をともに高くすることができる。ここで、図示省略の前述の外部駆動回路から、外側駆動コイル1d1に電流を供給すると磁界が発生する。この磁界と、各静磁界発生手段14,14及び15,15による静磁界の相互作用により、外側トーションバー1b1,1b1の軸方向(X軸方向)と平行な外側可動板1c1の両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、外側トーションバー1b1,1b1を軸中心として外側可動板1c1が回動する。この回動動作に伴って外側トーションバー1b1,1b1が捩られてばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで外側可動板1c1は回動する。同様に、外部駆動回路から、内側駆動コイル1d2に電流を供給すると磁界が発生し、この磁界と各静磁界発生手段14,14及び15,15による静磁界の相互作用により、内側トーションバー1b2,1b2の軸方向(Y軸方向)と平行な内側可動板1c2の両端縁部に互いに逆方向の駆動力(ローレンツ力)が発生し、内側トーションバー1b2,1b2を軸中心として内側可動板1c2が回動する。この回動動作に伴って内側トーションバー1b2,1b2が捩られてばね力が発生し、このばね力と発生した駆動力とが釣合う位置まで内側可動板1c2は回動する。その結果、内側可動板1c2が二次元方向に揺動する。
【0051】
このように、2次元駆動型のプレーナ型電磁アクチュエータであっても、一対の第7静磁界発生手段14,14の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界と一対の第8静磁界発生手段15,15の上記対向配置する磁極面(N極)からの静磁界とを反発させてはみ出させた静磁界を、チップ面に集中させることができる。これにより、チップ面に沿うX方向及びY方向の静磁界強度を効果的に増強することができる。
【0052】
また、本実施形態のように、各静磁界発生手段7,7、9,9を、それぞれ、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用とを兼ねるL字状に形成して構成することにより、各駆動コイル(1d1、1d2)用の静磁界発生手段を一体的に容易に配置することができる。なお、これに限らず、一対の第4静磁界発生手段7,7及び一対の第5静磁界発生手段9,9は、外側駆動コイル1d1用と内側駆動コイル1d2用にそれぞれ備えて構成、すなわち、外側駆動コイル1d1用の各静磁界発生手段7,7、9,9と内側駆動コイル1d2用の各静磁界発生手段7,7、9,9を個別に形成してもよい。
【0053】
また、本実施形態においても、一対の第7静磁界発生手段14,14(第4静磁界発生手段7,7)のチップ側の各磁極面と、一対の第8静磁界発生手段15,15(第5静磁界発生手段9,9)のチップ側の各磁極面の少なくとも一方を、チップ側からチップ1と反対側に向けて、対向する各磁極面に近づくように傾斜して形成するようにしてもよい。また、前述の図12及び図13に示した一対の第6静磁界発生手段12,12及び一対の第5ヨーク13,13を、図15のD−D’矢視断面方向及びE−E‘矢視断面方向で各静磁界発生手段(14,14、15,15)を挟むように設けてもよい。
【0054】
また、本実施形態においては、第3ヨーク8及び第4ヨーク11を設け、外部への漏れ磁場を抑制した構成で説明したが、第3ヨーク8及び第4ヨーク11は設けなくてもよい。
【0055】
そして、本発明のプレーナ型電磁アクチュエータは、可動板1cに光を反射する反射ミラーを設ければ、光走査用のプレーナ型電磁アクチュエータとして使用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1・・・・・・・・・・・チップ
1a・・・・・・・・・・枠部
1b・・・・・・・・・・トーションバー
1b1・・・・・・・・・外側トーションバー
1b2・・・・・・・・・内側トーションバー
1c・・・・・・・・・・可動板
1c1・・・・・・・・・外側可動板
1c2・・・・・・・・・内側可動板
1d・・・・・・・・・・駆動コイル
1d1・・・・・・・・・外側駆動コイル
1d2・・・・・・・・・内側駆動コイル
2,2・・・・・・・・・一対の第1静磁界発生手段
4・・・・・・・・・・・第2静磁界発生手段
5,5・・・・・・・・・一対の第3静磁界発生手段
7,7・・・・・・・・・一対の第4静磁界発生手段
9,9・・・・・・・・・一対の第5静磁界発生手段
10,10’,10”・・・プレーナ型電磁アクチュエータ
12,12・・・・・・・一対の第6静磁界発生手段
14,14・・・・・・・一対の第7静磁界発生手段
15,15・・・・・・・一対の第8静磁界発生手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第1静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、
前記一対の第1静磁界発生手段は、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置する構成とする一方、
前記一対の第1静磁界発生手段間に配置され、該一対の第1静磁界発生手段間の前記静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段を備えて構成することを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記チップに対して前記第2静磁界発生手段とは反対側で、前記チップの枠部の外方から前記一対の第1発生手段間の静磁界の方向と同じ方向の静磁界を発生する一対の第3静磁界発生手段を備えて構成することを特徴とする請求項1に記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項3】
枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第4静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、
前記一対の第4静磁界発生手段は、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置する構成とする一方、
前記チップに対して前記一対の第4静磁界発生手段とは反対側で、前記一対の第4静磁界発生手段と同じ極性の磁極面を、前記一対の第4静磁界発生手段の磁極面と対向させて配置する一対の第5静磁界発生手段を備えて構成することを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記チップの前記可動板を、前記枠部に外側トーションバーを介して回動可能に軸支される枠状の外側可動板と、該外側可動板に前記外側トーションバーと軸方向が直交する内側トーションバーを介して回動可能に軸支される内側可動板とで構成し、
前記駆動コイルを、前記外側可動板に敷設された外側駆動コイルと前記内側可動板に敷設された内側駆動コイルとで構成し、
前記一対の第4静磁界発生手段及び前記一対の第5静磁界発生手段を、前記外側駆動コイル用と前記内側駆動コイル用にそれぞれ備えて構成することを特徴とする請求項3に記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項5】
前記一対の第4静磁界発生手段は、前記外側駆動コイル用と前記内側駆動コイル用とを兼ねるL字状の一対の第6静磁界発生手段から成り、
前記一対の第5静磁界発生手段は、前記外側駆動コイル用と前記内側駆動コイル用とを兼ねるL字状の一対の第7静磁界発生手段から成ることを特徴とする請求項4に記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項6】
前記一対の第4静磁界発生手段の前記チップ側の各磁極面と、前記一対の第5静磁界発生手段の前記チップ側の各磁極面の少なくとも一方は、前記チップ側から前記チップと反対側に向けて、対向する各磁極面に近づくように傾斜して形成することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項7】
各静磁界発生手段の前記チップとは反対の側面側から、前記一対の第4静磁界発生手段及び前記一対の第5静磁界発生手段を挟んで、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置される一対の第8静磁界発生手段を備え、前記一対の第8静磁界発生手段は、互いに対向させる磁極面の極性を、隣接して対向配置される前記一対の第4静磁界発生手段及び前記一対の第5静磁界発生手段の磁極面の極性と合わせて配置することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項1】
枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第1静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、
前記一対の第1静磁界発生手段は、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置する構成とする一方、
前記一対の第1静磁界発生手段間に配置され、該一対の第1静磁界発生手段間の前記静磁界の方向と反対方向の静磁界を発生する第2静磁界発生手段を備えて構成することを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記チップに対して前記第2静磁界発生手段とは反対側で、前記チップの枠部の外方から前記一対の第1発生手段間の静磁界の方向と同じ方向の静磁界を発生する一対の第3静磁界発生手段を備えて構成することを特徴とする請求項1に記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項3】
枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動板と、該可動板に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルとを備えたチップと、前記駆動コイルに前記トーションバーの軸方向と直交する方向から静磁界を与えるように、前記チップを前記枠部の外方から挟むように配置する一対の第4静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、
前記一対の第4静磁界発生手段は、各磁極面をチップ面と略平行に配置し、互いに異なる極性の磁極面を同一側に配置する構成とする一方、
前記チップに対して前記一対の第4静磁界発生手段とは反対側で、前記一対の第4静磁界発生手段と同じ極性の磁極面を、前記一対の第4静磁界発生手段の磁極面と対向させて配置する一対の第5静磁界発生手段を備えて構成することを特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記チップの前記可動板を、前記枠部に外側トーションバーを介して回動可能に軸支される枠状の外側可動板と、該外側可動板に前記外側トーションバーと軸方向が直交する内側トーションバーを介して回動可能に軸支される内側可動板とで構成し、
前記駆動コイルを、前記外側可動板に敷設された外側駆動コイルと前記内側可動板に敷設された内側駆動コイルとで構成し、
前記一対の第4静磁界発生手段及び前記一対の第5静磁界発生手段を、前記外側駆動コイル用と前記内側駆動コイル用にそれぞれ備えて構成することを特徴とする請求項3に記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項5】
前記一対の第4静磁界発生手段は、前記外側駆動コイル用と前記内側駆動コイル用とを兼ねるL字状の一対の第6静磁界発生手段から成り、
前記一対の第5静磁界発生手段は、前記外側駆動コイル用と前記内側駆動コイル用とを兼ねるL字状の一対の第7静磁界発生手段から成ることを特徴とする請求項4に記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項6】
前記一対の第4静磁界発生手段の前記チップ側の各磁極面と、前記一対の第5静磁界発生手段の前記チップ側の各磁極面の少なくとも一方は、前記チップ側から前記チップと反対側に向けて、対向する各磁極面に近づくように傾斜して形成することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【請求項7】
各静磁界発生手段の前記チップとは反対の側面側から、前記一対の第4静磁界発生手段及び前記一対の第5静磁界発生手段を挟んで、互いに異なる極性の磁極面を対向させて配置される一対の第8静磁界発生手段を備え、前記一対の第8静磁界発生手段は、互いに対向させる磁極面の極性を、隣接して対向配置される前記一対の第4静磁界発生手段及び前記一対の第5静磁界発生手段の磁極面の極性と合わせて配置することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載のプレーナ型電磁アクチュエータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−102600(P2013−102600A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244428(P2011−244428)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
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