説明

プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置のアライメント方法、及び表示用パネル基板の製造方法

【課題】マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置を迅速に精度良く検出して、マスクと基板との位置合わせを短時間で高精度に行う。
【解決手段】マスク2と基板1とのギャップ合わせを行う間、第1の画像取得装置51の焦点位置をギャップ合わせ後のマスク2の下面の高さへ移動し、第2の画像取得装置52の焦点位置をギャップ合わせ後の基板1の表面の高さへ移動する。第1の画像取得装置51によりマスク2のアライメントマーク2aの画像を取得して、マスク2のアライメントマーク2aの位置を検出し、第2の画像取得装置52により基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの画像を取得して、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、プロキシミティ方式を用いて基板の露光を行うプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置のアライメント方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に係り、特に、CCDカメラ等の画像取得装置により、マスクのアライメントマーク及び基板の下地パターンのアライメントマークの画像を取得し、画像処理により両者の位置を検出して、マスクと基板との位置合わせを行うプロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置のアライメント方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがある。プロキシミティ方式は、プロジェクション方式に比べてパターン解像性能は劣るが、照射光学系の構成が簡単で、かつ処理能力が高く量産用に適している。
【0003】
例えば、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造において、基板上に形成されたブラックマトリクスの上に着色パターンを露光する際の様に、基板に形成された下地パターンの上に新たなパターンを露光する場合、新たに露光するパターンが下地パターンからずれない様に、マスクと基板との位置合わせを精度良く行う必要がある。従来、主に大型の基板の露光に用いられるプロキシミティ露光装置では、マスク及び基板の下地パターンに複数のアライメントマークをそれぞれ設け、CCDカメラ等の画像取得装置によりマスクのアライメントマーク及び基板の下地パターンのアライメントマークの画像を取得し、画像処理により両者の位置を検出して、マスクと基板との位置合わせを行っていた。なお、この様なプロキシミティ露光装置として、特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−256581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロキシミティ露光装置において、マスクと基板とのギャップ合わせを行った後には、アライメントマークが設けられたマスクの下面と、下地パターンのアライメントマークが形成された基板の表面とが、プロキシミティギャップの分だけ数百μm程離れている。これに対し、アライメントマークの画像を取得するCCDカメラ等の画像取得装置の焦点深度は数μm程度であり、マスクのアライメントマークの画像と、基板の下地パターンのアライメントマークの画像を、同時に取得することはできない。そこで、従来は、ボールねじ及びモータ等の移動機構により、画像取得装置を上下に移動して、画像取得装置の焦点を、マスクの下面及び基板の表面に順番に合わせていた。そのため、マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置を検出するのに時間が掛かってマスクと基板との位置合わせに長時間を要し、露光処理のタクトタイムが長くなるという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置を迅速に精度良く検出して、マスクと基板との位置合わせを短時間で高精度に行うことである。また、本発明の課題は、高品質な表示用パネル基板を高いスループットで製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプロキシミティ露光装置は、マスクを保持するマスクホルダと、下地パターンが形成された基板を支持するチャックと、マスクホルダとチャックとを相対的に移動するステージとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、マスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトする複数のZ−チルト機構と、マスクの露光領域外に設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第1の画像取得装置と、第1の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第1の焦点位置移動機構と、マスクの露光領域内に設けられた複数のアライメントマーク又は基板の下地パターンに設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第2の画像取得装置と、第2の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第2の焦点位置移動機構と、第1の画像取得装置及び第2の画像取得装置が出力した画像信号を処理して、アライメントマークの位置を検出する画像処理装置と、複数のZ−チルト機構によりマスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトして、マスクと基板とのギャップ合わせを行う間、第1の焦点位置移動機構を制御して第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後のマスクの下面の高さへ移動させ、第2の焦点位置移動機構を制御して第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後の基板の表面の高さへ移動させ、マスクと基板とのギャップ合わせ後、画像処理装置が検出したマスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置に基づき、ステージによりマスクホルダとチャックとを相対的に移動して、マスクと基板との位置合わせを行う制御手段とを備えたものである。
【0008】
また、本発明のプロキシミティ露光装置のアライメント方法は、マスクを保持するマスクホルダと、下地パターンが形成された基板を支持するチャックと、マスクホルダとチャックとを相対的に移動するステージとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置のアライメント方法であって、マスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトする複数のZ−チルト機構と、マスクの露光領域外に設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第1の画像取得装置と、第1の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第1の焦点位置移動機構と、マスクの露光領域内に設けられた複数のアライメントマーク又は基板の下地パターンに設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第2の画像取得装置と、第2の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第2の焦点位置移動機構と、第1の画像取得装置及び第2の画像取得装置が出力した画像信号を処理して、アライメントマークの位置を検出する画像処理装置とを設け、複数のZ−チルト機構によりマスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトして、マスクと基板とのギャップ合わせを行う間、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後のマスクの下面の高さへ移動し、第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後の基板の表面の高さへ移動し、第1の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、第2の画像取得装置により基板の下地パターンのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置により基板の下地パターンのアライメントマークの位置を検出し、マスクと基板とのギャップ合わせ後、検出したマスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置に基づき、ステージによりマスクホルダとチャックとを相対的に移動して、マスクと基板との位置合わせを行うものである。
【0009】
マスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトする複数のZ−チルト機構と、マスクの露光領域外に設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第1の画像取得装置と、第1の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第1の焦点位置移動機構と、マスクの露光領域内に設けられた複数のアライメントマーク又は基板の下地パターンに設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第2の画像取得装置と、第2の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第2の焦点位置移動機構と、第1の画像取得装置及び第2の画像取得装置が出力した画像信号を処理して、アライメントマークの位置を検出する画像処理装置とを設け、複数のZ−チルト機構によりマスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトして、マスクと基板とのギャップ合わせを行う間、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後のマスクの下面の高さへ移動し、第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後の基板の表面の高さへ移動するので、従来の様にマスクと基板とのギャップ合わせ後に画像取得装置の焦点をマスクの下面及び基板の表面に順番に合わせる動作が不要となる。そして、第1の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、第2の画像取得装置により基板の下地パターンのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置により基板の下地パターンのアライメントマークの位置を検出し、マスクと基板とのギャップ合わせ後、検出したマスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置に基づき、ステージによりマスクホルダとチャックとを相対的に移動して、マスクと基板との位置合わせを行うので、マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置が迅速に精度良く検出され、マスクと基板との位置合わせが短時間で高精度に行われる。
【0010】
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置は、第2の画像取得装置を露光時の退避位置からマスクの上空へ移動する複数の移動手段を備え、制御手段が、複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する間、第1の焦点位置移動機構を制御して第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動させ、第2の焦点位置移動機構を制御して第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動させ、画像処理装置が第1の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置と、画像処理装置が第2の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置から、第2の画像取得装置の位置ずれを検出し、検出結果に基づき、基板の下地パターンのアライメントマークの位置の検出結果を補正するものである。
【0011】
また、本発明のプロキシミティ露光装置のアライメント方法は、第2の画像取得装置を露光時の退避位置からマスクの上空へ移動し、複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する間、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動し、第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動し、複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動した後、第1の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、第2の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、画像処理装置により第1の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置と、画像処理装置により第2の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置から、第2の画像取得装置の位置ずれを検出し、検出結果に基づき、基板の下地パターンのアライメントマークの位置の検出結果を補正するものである。
【0012】
基板の下地パターンのアライメントマークは、露光光が照射される基板の露光領域内に形成されているので、その画像を取得する第2の画像取得装置は、露光時に露光領域から外れた退避位置へ移動し、次にマスクと基板との位置合わせを行う際に露光時の退避位置からマスクの上空へ移動する必要がある。そして、第2の画像取得装置の移動の際、移動機構の動作のばらつきにより第2の画像取得装置の位置ずれが発生する恐れがあり、第2の画像取得装置の位置ずれが発生すると、基板の下地パターンのアライメントマークの位置の検出結果に、第2の画像取得装置の位置ずれによる誤差が含まれることとなる。
【0013】
そこで、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動し、第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動し、複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動した後、第1の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、第2の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、画像処理装置により第1の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置と、画像処理装置により第2の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置から、第2の画像取得装置の位置ずれを検出し、検出結果に基づき、基板の下地パターンのアライメントマークの位置の検出結果を補正する。第2の画像取得装置の位置ずれが発生しても、マスクと基板との位置合わせが精度良く行われる。そして、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動する動作、及び第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動する動作を、複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する間に行うので、第2の画像取得装置の位置ずれを検出するのに必要な時間が短く済む。
【0014】
本発明の表示用パネル基板の製造方法は、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、上記のいずれかのプロキシミティ露光装置のアライメント方法を用いてマスクと基板との位置合わせを行って、基板の露光を行うものである。マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置が迅速に精度良く検出され、マスクと基板との位置合わせが短時間で高精度に行われるので、高品質な表示用パネル基板が高いスループットで製造される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置のアライメント方法によれば、マスクの露光領域外に設けられた複数のアライメントマークの画像を取得する複数の第1の画像取得装置と、マスクの露光領域内に設けられた複数のアライメントマーク又は基板の下地パターンに設けられた複数のアライメントマークの画像を取得する複数の第2の画像取得装置とを設け、複数のZ−チルト機構によりマスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトして、マスクと基板とのギャップ合わせを行う間、第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後のマスクの下面の高さへ移動し、第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後の基板の表面の高さへ移動することにより、マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置を迅速に精度良く検出して、マスクと基板との位置合わせを短時間で高精度に行うことができる。
【0016】
さらに、本発明のプロキシミティ露光装置及びプロキシミティ露光装置のアライメント方法によれば、第2の画像取得装置の位置ずれを検出し、検出結果に基づき、基板の下地パターンのアライメントマークの位置の検出結果を補正することにより、第2の画像取得装置の位置ずれが発生しても、マスクと基板との位置合わせを精度良く行うことができる。そして、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動する動作、及び第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動する動作を、複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する間に行うことにより、第2の画像取得装置の位置ずれを検出するのに必要な時間を短くすることができる。
【0017】
本発明の表示用パネル基板の製造方法によれば、マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置を迅速に精度良く検出して、マスクと基板との位置合わせを短時間で高精度に行うことができるので、高品質な表示用パネル基板を高いスループットで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の上面図である。
【図3】チャックを露光位置へ移動した状態を示す側面図である。
【図4】空気圧支持装置及びZ−チルト機構を示す図である。
【図5】図5(a)はZ−チルト機構の正面図、図5(b)はZ−チルト機構の側面図である。
【図6】ギャップセンサーの概略構成を示す図である。
【図7】マスクのアライメントマークの一例を示す図である。
【図8】基板の下地パターンのアライメントマークの一例を示す図である。
【図9】図9(a)は焦点位置移動機構の上面図、図9(b)は同側面図である。
【図10】図10(a)はカメラユニット移動機構及び焦点位置移動機構の上面図、図10(b)は同側面図である。
【図11】画像処理装置のブロック図である。
【図12】露光処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】従来のショットの動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置のアライメント方法を用いたショットの動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置のアライメント方法を説明する図である。
【図16】液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図17】液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す図である。また、図2は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置の上面図である。プロキシミティ露光装置は、ベース3、Xガイド4、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、チャック支持台9、チャック10、マスクホルダ20、空気圧支持装置、Z−チルト機構、ギャップセンサー40、画像処理装置50、カメラユニット51,52、焦点位置移動機構、カメラユニット移動機構、ステージ駆動回路60、Z−チルト機構駆動回路61、及び主制御装置70を含んで構成されている。なお、図1では、空気圧支持装置、Z−チルト機構、焦点位置移動機構、及びカメラユニット移動機構が省略されている。また、図2では、空気圧支持装置、Z−チルト機構、画像処理装置50、焦点位置移動機構、カメラユニット移動機構、ステージ駆動回路60、Z−チルト機構駆動回路61、及び主制御装置70が省略されている。プロキシミティ露光装置は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、露光光を照射する照射光学系、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
【0020】
なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
【0021】
図1及び図2において、チャック10は、基板1のロード及びアンロードを行うロード/アンロード位置にある。ロード/アンロード位置において、図示しない基板搬送ロボットにより、基板1がチャック10へ搬入され、また基板1がチャック10から搬出される。チャック10への基板1のロード及びチャック10からの基板1のアンロードは、チャック10に設けた複数の突き上げピンを用いて行われる。突き上げピンは、チャック10の内部に収納されており、チャック10の内部から上昇して、基板1をチャック10にロードする際、基板搬送ロボットから基板1を受け取り、基板1をチャック10からアンロードする際、基板搬送ロボットへ基板1を受け渡す。チャック10は、基板1の裏面を真空吸着して支持する。基板1の表面には下地パターンが形成され、下地パターンの上にはフォトレジストが塗布されている。
【0022】
図3は、チャックを露光位置へ移動した状態を示す側面図である。なお、図3では、空気圧支持装置、Z−チルト機構、画像処理装置50、焦点位置移動機構、カメラユニット移動機構、ステージ駆動回路60、Z−チルト機構駆動回路61、及び主制御装置70が省略されている。露光位置の上空には、マスク2を保持するマスクホルダ20が設置されている。図2において、マスクホルダ20には、露光光が通過する開口20aが設けられており、マスクホルダ20は、開口20aの周囲に設けられた図示しない吸着溝により、マスク2の周辺部を真空吸着して保持する。マスクホルダ20に保持されたマスク2の上空には、図示しない照射光学系が配置されている。露光時、照射光学系からの露光光がマスク2を透過して基板1へ照射されることにより、マスク2のパターンが基板1の表面に転写され、基板1上にパターンが形成される。
【0023】
図1及び図3において、チャック10は、チャック支持台9を介してθステージ8に搭載されており、θステージ8の下にはYステージ7及びXステージ5が設けられている。Xステージ5は、ベース3に設けられたXガイド4に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向(図1及び図3の図面横方向)へ移動する。Yステージ7は、Xステージ5に設けられたYガイド6に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向(図1及び図3の図面奥行き方向)へ移動する。θステージ8は、Yステージ7に搭載され、θ方向へ回転する。チャック支持台9は、θステージ8に搭載され、チャック10の裏面を複数個所で支持する。Xステージ5、Yステージ7、及びθステージ8には、ボールねじ及びモータや、リニアモータ等の図示しない駆動機構が設けられており、各駆動機構は、図1のステージ駆動回路60により駆動される。
【0024】
Xステージ5のX方向への移動及びYステージ7のY方向への移動により、チャック10は、ロード/アンロード位置と露光位置との間を移動される。ロード/アンロード位置において、Xステージ5のX方向への移動、Yステージ7のY方向への移動、及びθステージ8のθ方向への回転により、チャック10に搭載された基板1のプリアライメントが行われる。露光位置において、Xステージ5のX方向への移動及びYステージ7のY方向への移動により、チャック10に搭載された基板1のXY方向へのステップ移動が行われる。また、後述するZ−チルト機構30により、マスクホルダ20をZ方向(図3の図面上下方向)へ移動及びチルトすることによって、マスク2と基板1とのギャップ合わせが行われる。そして、Xステージ5のX方向への移動、Yステージ7のY方向への移動、及びθステージ8のθ方向への回転により、マスク2と基板1との位置合わせが行われる。図1において、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5のX方向への移動、Yステージ7のY方向への移動、及びθステージ8のθ方向へ回転を行う。
【0025】
なお、本実施の形態では、マスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行っているが、チャック支持台9にZ−チルト機構を設けて、チャック10をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行ってもよい。
【0026】
図4は、空気圧支持装置及びZ−チルト機構を示す図である。なお、図4では、画像処理装置50、カメラユニット51,52、焦点位置移動機構、及びカメラユニット移動機構が省略されている。露光位置の上空には、トップフレーム22が設置されている。トップフレーム22は、上方から見て四角形の枠を成す様に構成されているが、図4では、四角形の枠の図面手前側及び図面奥側の部分が省略され、四角形の枠の左右の部分の断面のみが示されている。トップフレーム22には、複数の空気圧支持装置23を介して、ホルダフレーム21が取り付けられている。ホルダフレーム21には、マスクホルダ20が取り付けられている。空気圧支持装置23は、例えばエアクッションで構成され、内部の空気圧により、マスクホルダ20及びホルダフレーム21の荷重を支えている。トップフレーム22とホルダフレーム21と間には、図面手前側1箇所及び図面奥側2箇所の計3箇所に、Z−チルト機構30が取り付けられている。
【0027】
図5(a)はZ−チルト機構の正面図、図5(b)はZ−チルト機構の側面図である。Z−チルト機構30は、ケーシング31、直動ガイド32、可動ブロック33、モータ34、軸継手35、ボールねじ36a、ナット36b、及びボール37を含んで構成されている。図5(b)に示す様に、ケーシング31は、トップフレーム22の側面に取り付けられている。図5(a)に示す様に、ケーシング31の内部には、直動ガイド32が設けられており、直動ガイド32には、可動ブロック33が搭載されている。ケーシング31の上方には、モータ34が設置されており、モータ34の回転軸には、軸継手35を介して、ボールねじ36aが接続されている。可動ブロック33には、ボールねじ36aにより移動されるナット36bが取り付けられており、可動ブロック33は、モータ34の回転により、直動ガイド32に沿って上下に移動する。
【0028】
図5(b)に示す様に、ホルダフレーム21の下面には、チルト用腕24が設けられている。可動ブロック33の下面には、ボール37が取り付けられており、ボール37は、可動ブロック33によりチルト用腕24に押し付けられている。図4において、3つのZ−チルト機構30は、可動ブロック33を上下に移動して、チルト用腕24を押すボール37の高さをそれぞれ変更することにより、空気圧支持装置23により支持されているホルダフレーム21の高さを三箇所で変更して、マスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトする。Z−チルト機構駆動回路61は、主制御装置70の制御により、各Z−チルト機構30のモータ34を駆動する。
【0029】
図2において、マスクホルダ20に保持されたマスク2の上方には、4つのギャップセンサー40が設けられている。マスク2と基板1とのギャップ合わせを行う際、各ギャップセンサー40は、図示しない移動機構により、マスクホルダ20の開口20aの四隅の上方へ移動され、マスク2と基板1とのギャップを、マスク2の四隅で測定する。マスク2と基板1とのギャップ合わせが終了した後、各ギャップセンサー40は、図示しない移動機構により、マスクホルダ20の開口20aの外側へ移動される。
【0030】
図6は、ギャップセンサーの概略構成を示す図である。ギャップセンサー40は、レーザー光源41、コリメーションレンズ群42、投影レンズ43、ミラー44,45、結像レンズ46、及びCCDラインセンサー47を含んで構成されている。レーザー光源41から発生されたレーザー光は、コリメーションレンズ群42及び投影レンズ43を通り、ミラー44からマスク2へ斜めに照射される。マスク2へ照射されたレーザー光は、その一部がマスク2の上面で反射され、一部がマスク2の内部へ透過する。マスク2の内部へ透過したレーザー光は、その一部がマスク2の下面で反射され、一部がマスク2の下面から基板1の表面へ照射される。基板1の表面へ照射されたレーザー光は、その一部が基板1の表面で反射され、一部が基板1の内部へ透過する。マスク2の下面で反射されたレーザー光及び基板1の表面で反射されたレーザー光は、マスクの上面から射出された後、ミラー45で反射され、結像レンズ46を通って、CCDラインセンサー47の受光面に結像する。CCDラインセンサー47は、受光面で受光した光の強度に応じた検出信号を出力する。CCDラインセンサー47のマスク2の下面で反射されたレーザー光の検出信号の位置と、基板1の表面で反射されたレーザー光の検出信号の位置とから、マスク2と基板1とのギャップGが測定される。
【0031】
マスク2及び基板1に形成された下地パターンには、マスク2と基板1との位置合わせを行うための複数のアライメントマークが設けられている。図7は、マスクのアライメントマークの一例を示す図である。図7では、マスクホルダ20の露光光が通過する開口20aに対応する露光領域20bが、破線で示されている。マスク2の基板1と向かい合う面(下面)には、アライメントマーク2aが、露光領域20bの外側に2箇所、露光領域20b内に4箇所設けられている。図8は、基板の下地パターンのアライメントマークの一例を示す図である。図8は、基板1の一面を破線で区分けした4つの露光領域に分けて露光する例を示している。基板1の表面の各露光領域には、下地パターンが形成されている。下地パターンには、マスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの位置に対応する位置に、アライメントマーク1aがそれぞれ設けられている。アライメントマーク1a,2aの位置は、基板1の露光領域の大きさによって異なる。
【0032】
図2において、マスク2の上空には、2つのカメラユニット51と、4つのカメラユニット52が設置されている。各カメラユニット51は、マスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aの上空にそれぞれ設置されている。各カメラユニット52は、後述するカメラユニット移動機構により、マスク2と基板1との位置合わせを行う際、マスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの上空にそれぞれ移動され、基板1の露光を行う際、マスク2の露光領域20bから外れた退避位置へそれぞれ移動される。
【0033】
各カメラユニット51には、各カメラユニット51の焦点位置を移動する焦点位置移動機構がそれぞれ取り付けられている。図9(a)は焦点位置移動機構の上面図、図9(b)は同側面図である。焦点位置移動機構は、リブ58、Zベース90、Zガイド91、Zステージ92、リブ93、取り付けベース94、モータ台95、モータ96a、軸継手97、軸受98、ボールねじ99a、及びナット99bを含んで構成されている。露光位置の上空には、焦点位置移動機構が設置されるフレーム53が設けられている。フレーム53には、リブ58により、Zベース90が取り付けられており、Zベース90は、フレーム53の外側で下方に伸びている。
【0034】
Zベース90には、Zガイド91が設けられており、Zガイド91には、Zステージ92が搭載されている。また、Zベース90に取り付けたモータ台95には、モータ96aが設置されており、モータ96aは、図1の主制御装置70により駆動される。モータ96aの回転軸は、軸継手97によりボールねじ99aに接続されており、ボールねじ99aは軸受98により回転可能に支持されている。Zステージ92には、ボールねじ99aにより移動されるナット99bが取り付けられており、Zステージ92は、モータ96aの回転により、Zガイド91に沿ってZ方向へ移動される。また、Zステージ92には、リブ93により、取り付けベース94が取り付けられており、取り付けベース94には、カメラユニット51が取り付けられている。カメラユニット51は、CCDカメラ51aと、レンズ51bとを含んで構成されている。
【0035】
Zステージ92のZ方向への移動により、カメラユニット51はZ方向へ移動される。図1において、主制御装置70は、モータ96aを制御して、各カメラユニット51の焦点がマスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aに合う様に、各カメラユニット51をZ方向へそれぞれ移動する。
【0036】
一方、各カメラユニット52には、各カメラユニット52を移動するカメラユニット移動機構と、各カメラユニット52の焦点位置を移動する焦点位置移動機構が、それぞれ取り付けられている。図10(a)はカメラユニット移動機構及び焦点位置移動機構の上面図、図10(b)は同側面図である。カメラユニット移動機構は、Yガイド54、Yステージ55、Xガイド56、Xステージ57、リブ58,59、モータ81,86、軸継手82,87、軸受83,88、ボールねじ84a,89a、ナット84b,89b、及びZベース90を含んで構成されている。また、焦点位置移動機構は、Zガイド91、Zステージ92、リブ93、取り付けベース94、モータ台95、モータ96b、軸継手97、軸受98、ボールねじ99a、及びナット99bを含んで構成されている。
【0037】
露光位置の上空には、カメラユニット移動機構が設置されるフレーム53が設けられている。フレーム53の上面には、Yガイド54が設けられており、Yガイド54には、Yステージ55が搭載されている。また、フレーム53の上面には、モータ81が設置されており、モータ81は、図1の主制御装置70により駆動される。モータ81の回転軸は、軸継手82によりボールねじ84aに接続されており、ボールねじ84aは、軸受83により回転可能に支持されている。Yステージ55の下面には、ボールねじ84aにより移動されるナット84bが取り付けられており、Yステージ55は、モータ81の回転により、Yガイド54に沿ってY方向へ移動される。
【0038】
Yステージ55の上面には、Xガイド56が設けられており、Xガイド56には、Xステージ57が搭載されている。また、Yステージ55の上面には、モータ86が設置されており、モータ86は、図1の主制御装置70により駆動される。モータ86の回転軸は、軸継手87によりボールねじ89aに接続されており、ボールねじ89aは、軸受88により回転可能に支持されている。Xステージ57の下面には、ボールねじ89aにより移動されるナット89bが取り付けられており、Xステージ57は、モータ86の回転により、Xガイド56に沿ってX方向へ移動される。Xステージ57の側面には、リブ58,59によりZベース90が取り付けられており、Zベース90は、フレーム53の外側で下方に伸びている。
【0039】
Zベース90には、Zガイド91が設けられており、Zガイド91には、Zステージ92が搭載されている。また、Zベース90に取り付けたモータ台95には、モータ96bが設置されており、モータ96bは、図1の主制御装置70により駆動される。モータ96bの回転軸は、軸継手97によりボールねじ99aに接続されており、ボールねじ99aは軸受98により回転可能に支持されている。Zステージ92には、ボールねじ99aにより移動されるナット99bが取り付けられており、Zステージ92は、モータ96bの回転により、Zガイド91に沿ってZ方向へ移動される。また、Zステージ92には、リブ93により、取り付けベース94が取り付けられており、取り付けベース94には、カメラユニット52が取り付けられている。カメラユニット52は、CCDカメラ52aと、レンズ52bとを含んで構成されている。
【0040】
Xステージ57のX方向への移動及びYステージ55のY方向への移動により、カメラユニット52はXY方向へ移動される。図1の主制御装置70は、モータ81,86を制御して、マスク2と基板1との位置合わせを行う際、各カメラユニット52をマスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの上空へそれぞれ移動し、基板1の露光を行う際、各カメラユニット52をマスク2の露光領域20bから外れた退避位置へそれぞれ移動する。また、Zステージ92のZ方向への移動により、カメラユニット52はZ方向へ移動される。主制御装置70は、モータ96bを制御して、各カメラユニット52の焦点がマスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2a及び基板1の下地パターンのアライメントマーク1aに合う様に、各カメラユニット52をZ方向へそれぞれ移動する。
【0041】
図11は、画像処理装置のブロック図である。画像処理装置50は、制御部50a、演算処理部50b、画像メモリ50c、及び演算メモリ50dを含んで構成されている。演算メモリ50dには、画像認識の際の基準となるアライメントマーク1a,2aの画像が予め登録されている。画像メモリ50cは、各カメラユニット51,52のCCDカメラ51a,52aが出力した画像信号を記憶する。演算処理部50bは、画像メモリ50cに記憶された画像信号を処理し、各カメラユニット51,52のCCDカメラ51a,52aにより取得されたアライメントマーク1a,2aの画像と、演算メモリ50dに登録されたアライメントマーク1a,2aの画像とを比較して画像認識を行い、アライメントマーク1a,2aの位置を検出する。制御部50aは、演算処理部50bが画像認識を行う際の判定条件を設定する。
【0042】
以下、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置のアライメント方法について説明する。図11において、主制御装置70は、焦点位置移動機構及びカメラユニット移動機構を制御するカメラユニット制御部70aと、ステージ駆動回路60及びZ−チルト機構駆動回路61を制御するステージ制御部70bと、メモリ70cとを含んで構成されている。カメラユニット制御部70aは、露光処理を開始する前、または1枚目の基板を露光する際に、各ショットについて、予め、各カメラユニット51,52の焦点をマスク2と基板1とのギャップ合わせ開始時のマスク2の下面に合わせて、ギャップ合わせ開始時の各カメラユニット51,52の焦点位置を決定する。カメラユニット制御部70aは、決定したギャップ合わせ開始時の各カメラユニット51,52の焦点位置を、メモリ70cに登録する。
【0043】
また、カメラユニット制御部70aは、露光処理を開始する前、または1枚目の基板を露光する際に、各ショットについて、予め、各カメラユニット51の焦点をマスク2と基板1とのギャップ合わせ後のマスク2の下面に合わせて、ギャップ合わせ後の各カメラユニット51の焦点位置を決定し、各カメラユニット52の焦点をマスク2と基板1とのギャップ合わせ後の基板1の表面に合わせて、ギャップ合わせ後の各カメラユニット52の焦点位置を決定する。カメラユニット制御部70aは、決定したギャップ合わせ後の各カメラユニット51,52の焦点位置を、メモリ70cに登録する。なお、ギャップ合わせ後の各カメラユニット52の焦点位置の決定は、基板1の厚さのばらつきを考慮して、基板の製造ロット毎又は所定枚数の基板毎に行ってもよい。
【0044】
図12は、露光処理の動作を示すフローチャートである。まず、ロード/アンロード位置において、チャック10への基板1のロードが行われる(ステップ301)。主制御装置70は、ステージ駆動回路60によりXステージ5、Yステージ7及びθステージ8を駆動し、ロード/アンロード位置においてチャック10をXY方向へ移動及びθ方向へ回転して、基板1のプリアライメントを行う(ステップ302)。次に、主制御装置70は、ステージ駆動回路60によりXステージ5及びYステージ7を駆動して、チャック10を露光位置へ移動し、基板1を露光位置の1回目のショットを行う位置へ移動する(ステップ303)。
【0045】
続いて、露光位置において1回目のショットが行われる(ステップ304)。各回のショットを行った後、主制御装置70は、全ショットが終了したか否かを判断する(ステップ305)。全ショットが終了していない場合、主制御装置70は、Z−チルト機構駆動回路61により各Z−チルト機構30を駆動して、マスク2と基板1とのギャップを広げる(ステップ306)。続いて、主制御装置70は、ステージ駆動回路60によりXステージ5及びYステージ7を駆動して、基板1のXY方向へのステップ移動を行い(ステップ307)、基板1を次のショットを行う位置へ移動する。そして、ステップ304へ戻り、全ショットが終了するまで、ステップ304〜307を繰り返す。
【0046】
全ショットが終了した場合、主制御装置70は、Z−チルト機構駆動回路61により各Z−チルト機構30を駆動して、マスク2と基板1とのギャップを広げた後(ステップ308)、ステージ駆動回路60によりXステージ5及びYステージ7を駆動して、チャック10をロード/アンロード位置へ移動する(ステップ309)。そして、ロード/アンロード位置において、チャック10からの基板1のアンロードが行われる(ステップ310)。
【0047】
図13は、従来のショットの動作を示すフローチャートである。まず、各Z−チルト機構30が、マスク2と基板1とのギャップ合わせを開始する位置へ移動される(ステップ501)。次に、各Z−チルト機構30によりマスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトして、マスク2と基板1とのギャップ合わせが行われる(ステップ502)。
【0048】
マスク2と基板1とのギャップ合わせが終了した後、各カメラユニット52の焦点位置が、マスク2の下面の高さへそれぞれ移動される(ステップ503)。各カメラユニット52のCCDカメラ52aは、マスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの画像を取得し、画像処理装置50は、各カメラユニット52のCCDカメラ52aが出力した画像信号を処理して、マスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの位置を検出する(ステップ504)。
【0049】
続いて、各カメラユニット52の焦点位置が、基板1の表面の高さへそれぞれ移動される(ステップ505)。各カメラユニット52のCCDカメラ52aは、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの画像を取得し、画像処理装置50は、各カメラユニット52のCCDカメラ52aが出力した画像信号を処理して、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置を検出する(ステップ506)。
【0050】
そして、画像処理装置50が検出したマスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの位置及び基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置に基づき、マスク2と基板1との位置合わせが行われ(ステップ507)、各回のショットの露光が行われる(ステップ508)。
【0051】
この様に、従来は、マスク2と基板1とのギャップ合わせ(ステップ502)が終了した後に、カメラユニット52の焦点を、マスク2の下面及び基板1の表面に順番に合わせて(ステップ503,505)、マスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの画像と、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの画像を、同じカメラユニット52を用いて順番に取得していた。そのため、マスク2のアライメントマーク2aの位置及び基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置を検出するのに時間が掛かってマスク2と基板1との位置合わせに長時間を要し、露光処理のタクトタイムが長くなるという問題があった。
【0052】
図14は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置のアライメント方法を用いたショットの動作を示すフローチャートである。また、図15は、本発明の一実施の形態によるプロキシミティ露光装置のアライメント方法を説明する図である。図14において、まず、主制御装置70のステージ制御部70bは、Z−チルト機構駆動回路61を制御して、各Z−チルト機構30を、マスク2と基板1とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する(ステップ401)。これと並行して、主制御装置70のカメラユニット制御部70aは、焦点位置移動機構のモータ96aを駆動して、各カメラユニット51の焦点位置を、メモリ70cに登録されたギャップ合わせ開始時の各カメラユニット51の焦点位置(ギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さ)へそれぞれ移動し(ステップ402)、また、焦点位置移動機構のモータ96bを制御して、各カメラユニット52の焦点位置を、メモリ70cに登録されたギャップ合わせ開始時の各カメラユニット52の焦点位置(ギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さ)へそれぞれ移動する(ステップ403)。図15(a)は、カメラユニット51,52の焦点位置を、ギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さへ移動した状態を示している。
【0053】
図14において、各Z−チルト機構30をマスク2と基板1とのギャップ合わせを開始する位置へ移動(ステップ401)した後、各カメラユニット51のCCDカメラ51aは、マスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aの画像を取得して、画像信号を画像メモリ50cへ出力し、各カメラユニット52のCCDカメラ52aは、マスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの画像を取得して、画像信号を画像処理装置50へ出力する。画像処理装置50の画像メモリ50cは、各カメラユニット51のCCDカメラ51a及び各カメラユニット52のCCDカメラ52aが出力した画像信号を記憶する。
【0054】
画像処理装置50の演算処理部50bは、画像メモリ50cに記憶された画像信号を処理し、各カメラユニット51のCCDカメラ51aにより取得されたアライメントマーク2aの画像と、演算メモリ50dに登録されたアライメントマーク2aの画像とを比較して画像認識を行い、マスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aの位置を検出する(ステップ404)。また、演算処理部50bは、画像メモリ50cに記憶された画像信号を処理し、各カメラユニット52のCCDカメラ52aにより取得されたマスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの画像と、演算メモリ50dに登録されたアライメントマーク2aの画像とを比較して画像認識を行い、マスク2の露光領域20b内に設けられたアライメントマーク2aの位置を検出する(ステップ405)。
【0055】
各カメラユニット52は、露光時に露光領域から外れた退避位置へそれぞれ移動され、次にマスク2と基板1との位置合わせを行う際に露光時の退避位置からマスク2の上空へそれぞれ移動される。各カメラユニット52の移動の際、カメラユニット移動機構の動作のばらつきにより、各カメラユニット52の位置ずれが発生する恐れがある。主制御装置70のカメラユニット制御部70aは、画像処理装置50がカメラユニット51のCCDカメラ51aの画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスク2のアライメントマーク2aの位置と、画像処理装置50がカメラユニット52のCCDカメラ52aの画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスク2のアライメントマーク2aの位置から、カメラユニット52の位置ずれを検出する(ステップ406)。
【0056】
続いて、主制御装置70のステージ制御部70bは、4つのギャップセンサー40の測定結果に基づき、Z−チルト機構駆動回路61により各Z−チルト機構30を駆動して、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行う(ステップ407)。これと並行して、主制御装置70のカメラユニット制御部70aは、焦点位置移動機構のモータ96aを制御して、各カメラユニット51の焦点位置を、メモリ70cに登録されたギャップ合わせ後の各カメラユニット51の焦点位置(ギャップ合わせ後のマスク2の下面の高さ)へそれぞれ移動し(ステップ408)、また、焦点位置移動機構のモータ96bを制御して、各カメラユニット52の焦点位置を、メモリ70cに登録されたギャップ合わせ後の各カメラユニット52の焦点位置(ギャップ合わせ後の基板1の表面の高さ)へそれぞれ移動する(ステップ409)。図15(b)は、カメラユニット51の焦点位置をギャップ合わせ後のマスク2の下面の高さへ移動し、カメラユニット52の焦点位置をギャップ合わせ後の基板1の表面の高さへ移動した状態を示し、図15(c)は、その後にマスク2と基板1とのギャップ合わせが終了した状態を示している。
【0057】
図14のマスク2と基板1とのギャップ合わせ(ステップ407)において、マスク2の表面の高さが、各カメラユニット51のCCDカメラ51aがマスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aの画像を取得できる範囲内に達すると、各カメラユニット51のCCDカメラ51aは、マスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aの画像を取得して、画像信号を画像メモリ50cへ出力する。一方、各カメラユニット52のCCDカメラ52aは、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの画像を取得して、画像信号を画像処理装置50へ出力する。画像処理装置50の画像メモリ50cは、各カメラユニット51のCCDカメラ51a及び各カメラユニット52のCCDカメラ52aが出力した画像信号を記憶する。
【0058】
画像処理装置50の演算処理部50bは、画像メモリ50cに記憶された画像信号を処理し、各カメラユニット51のCCDカメラ51aにより取得されたアライメントマーク2aの画像と、演算メモリ50dに登録されたアライメントマーク2aの画像とを比較して画像認識を行い、マスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aの位置を検出する(ステップ410)。また、演算処理部50bは、画像メモリ50cに記憶された画像信号を処理し、各カメラユニット52のCCDカメラ52aにより取得された基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの画像と、演算メモリ50dに登録されたアライメントマーク1aの画像とを比較して画像認識を行い、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置を検出する(ステップ411)。
【0059】
主制御装置70のカメラユニット制御部70aは、ステップ406で検出したカメラユニット52の位置ずれに基づき、演算処理部50bが検出した基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置の検出結果を補正する(ステップ412)。そして、主制御装置70のステージ制御部70bは、マスク2と基板1とのギャップ合わせ(ステップ407)が終了した後、画像処理装置50が検出したマスク2の露光領域20bの外側に設けられたアライメントマーク2aの位置、及び補正した基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置に基づき、ステージ駆動回路60を制御し、Xステージ5、Yステージ7及びθステージ8によりチャック10をXY方向へ移動及びθ方向へ回転して、マスク2と基板1との位置合わせを行う(ステップ413)。そして、各回のショットの露光が行われる(ステップ414)。
【0060】
複数のZ−チルト機構30によりマスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトして、マスク2と基板1とのギャップ合わせ(ステップ407)を行う間、焦点位置移動機構によりカメラユニット51の焦点位置をギャップ合わせ後のマスク2の下面の高さへ移動し(ステップ408)、焦点位置移動機構によりカメラユニット52の焦点位置をギャップ合わせ後の基板1の表面の高さへ移動する(ステップ409)ので、従来の様にマスク2と基板1とのギャップ合わせ後にカメラユニット52の焦点をマスク2の下面及び基板1の表面に順番に合わせる動作が不要となる。そして、カメラユニット51によりマスク2のアライメントマーク2aの画像を取得して、画像処理装置50によりマスク2のアライメントマーク2aの位置を検出し(ステップ410)、カメラユニット52により基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの画像を取得して、画像処理装置50により基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置を検出し(ステップ411)、マスク2と基板1とのギャップ合わせ後、検出したマスク2のアライメントマーク2aの位置及び基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置に基づき、Xステージ5、Yステージ7及びθステージ8によりチャック10をXY方向へ移動及びθ方向へ回転して、マスク2と基板1との位置合わせ(ステップ413)を行うので、マスク2のアライメントマーク2aの位置及び基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置が迅速に精度良く検出され、マスク2と基板1との位置合わせが短時間で高精度に行われる。
【0061】
また、焦点位置移動機構によりカメラユニット51の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さへ移動し(ステップ402)、焦点位置移動機構によりカメラユニット52の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さへ移動し(ステップ403)、複数のZ−チルト機構30をマスク2と基板1とのギャップ合わせを開始する位置へ移動した後、カメラユニット51によりマスク2のアライメントマーク2aの画像を取得して、画像処理装置50によりマスク2のアライメントマーク2aの位置を検出し(ステップ404)、カメラユニット52によりマスク2のアライメントマーク2aの画像を取得して、画像処理装置50によりマスク2のアライメントマーク2aの位置を検出し(ステップ405)、画像処理装置50によりカメラユニット51の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスク2のアライメントマーク2aの位置と、画像処理装置50によりカメラユニット52の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスク2のアライメントマーク2aの位置から、カメラユニット52の位置ずれを検出し(ステップ406)、検出結果に基づき、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置の検出結果を補正する(ステップ412)ので、カメラユニット52の位置ずれが発生しても、マスク1と基板1との位置合わせが精度良く行われる。そして、焦点位置移動機構によりカメラユニット51の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さへ移動する動作(ステップ402)、及び焦点位置移動機構によりカメラユニット52の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さへ移動する動作(ステップ403)を、複数のZ−チルト機構30をマスク2と基板1とのギャップ合わせを開始する位置へ移動(ステップ401)する間に行うので、カメラユニット52の位置ずれを検出するのに必要な時間が短く済む。
【0062】
以上説明した実施の形態によれば、マスク2の露光領域20b外に設けられた複数のアライメントマーク2aの画像を取得する複数のカメラユニット51と、マスク2の露光領域20b内に設けられた複数のアライメントマーク2a又は基板1の下地パターンに設けられた複数のアライメントマーク1aの画像を取得する複数のカメラユニット52とを設け、複数のZ−チルト機構30によりマスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトして、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行う間、カメラユニット51の焦点位置をギャップ合わせ後のマスク2の下面の高さへ移動し、カメラユニット52の焦点位置をギャップ合わせ後の基板1の表面の高さへ移動することにより、マスク2のアライメントマーク2aの位置及び基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置を迅速に精度良く検出して、マスク2と基板1との位置合わせを短時間で高精度に行うことができる。
【0063】
さらに、カメラユニット52の位置ずれを検出し、検出結果に基づき、基板1の下地パターンのアライメントマーク1aの位置の検出結果を補正することにより、カメラユニット52の位置ずれが発生しても、マスク2と基板1との位置合わせを精度良く行うことができる。そして、焦点位置移動機構によりカメラユニット51の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さへ移動する動作、及び焦点位置移動機構によりカメラユニット52の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスク2の下面の高さへ移動する動作を、複数のZ−チルト機構30をマスク2と基板1とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する間に行うことにより、カメラユニット52の位置ずれを検出するのに必要な時間を短くすることができる。
【0064】
本発明のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行い、あるいは、本発明のプロキシミティ露光装置のアライメント方法を用いてマスクと基板との位置合わせを行って、基板の露光を行うことにより、マスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置を迅速に精度良く検出して、マスクと基板との位置合わせを短時間で高精度に行うことができるので、高品質な表示用パネル基板を高いスループットで製造することができる。
【0065】
例えば、図16は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等により感光樹脂材料(フォトレジスト)を塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、プロキシミティ露光装置や投影露光装置等を用いて、マスクのパターンをフォトレジスト膜に転写する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
【0066】
また、図17は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
【0067】
図16に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図17に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、着色パターン形成工程(ステップ202)の露光処理において、本発明のプロキシミティ露光装置又は本発明のプロキシミティ露光装置のアライメント方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 基板
1a,2a アライメントマーク
2 マスク
3 ベース
4 Xガイド
5 Xステージ
6 Yガイド
7 Yステージ
8 θステージ
9 チャック支持台
10 チャック
20 マスクホルダ
21 ホルダフレーム
22 トップフレーム
23 空気圧支持装置
24 チルト用腕
30 Z−チルト機構
31 ケーシング
32 直動ガイド
33 可動ブロック
34 モータ
35 軸継手
36a ボールねじ
36b ナット
37 ボール
40 ギャップセンサー
41 レーザー光源
42 コリメーションレンズ群
43 投影レンズ
44,45 ミラー
46 結像レンズ
47 CCDラインセンサー
50 画像処理装置
50a 制御部
50b 演算処理部
50c 画像メモリ
50d 演算メモリ
51,52 カメラユニット
51a,52a CCDカメラ
51b,52b レンズ
53 フレーム
54 Yガイド
55 Yステージ
56 Xガイド
57 Xステージ
58,59 リブ
60 ステージ駆動回路
61 Z−チルト機構駆動回路
70 主制御装置
70a カメラユニット制御部
70b ステージ制御部
70c メモリ
81,86,96a,96b モータ
82,87,97 軸継手
83,88,98 軸受
84a,89a,99a ボールねじ
84b,89b,99b ナット
90 Zベース
91 Zガイド
92 Zステージ
93 リブ
94 取り付けベース
95 モータ台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを保持するマスクホルダと、下地パターンが形成された基板を支持するチャックと、前記マスクホルダと前記チャックとを相対的に移動するステージとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、
前記マスクホルダと前記チャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトする複数のZ−チルト機構と、
マスクの露光領域外に設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第1の画像取得装置と、
前記第1の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第1の焦点位置移動機構と、
マスクの露光領域内に設けられた複数のアライメントマーク又は基板の下地パターンに設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第2の画像取得装置と、
前記第2の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第2の焦点位置移動機構と、
前記第1の画像取得装置及び前記第2の画像取得装置が出力した画像信号を処理して、アライメントマークの位置を検出する画像処理装置と、
前記複数のZ−チルト機構により前記マスクホルダと前記チャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトして、マスクと基板とのギャップ合わせを行う間、前記第1の焦点位置移動機構を制御して前記第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後のマスクの下面の高さへ移動させ、前記第2の焦点位置移動機構を制御して前記第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後の基板の表面の高さへ移動させ、マスクと基板とのギャップ合わせ後、前記画像処理装置が検出したマスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置に基づき、前記ステージにより前記マスクホルダと前記チャックとを相対的に移動して、マスクと基板との位置合わせを行う制御手段とを備えたことを特徴とするプロキシミティ露光装置。
【請求項2】
前記第2の画像取得装置を露光時の退避位置からマスクの上空へ移動する複数の移動手段を備え、
前記制御手段は、前記複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する間、前記第1の焦点位置移動機構を制御して前記第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動させ、前記第2の焦点位置移動機構を制御して前記第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動させ、前記画像処理装置が第1の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置と、前記画像処理装置が第2の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置から、前記第2の画像取得装置の位置ずれを検出し、検出結果に基づき、基板の下地パターンのアライメントマークの位置の検出結果を補正することを特徴とする請求項1に記載のプロキシミティ露光装置。
【請求項3】
マスクを保持するマスクホルダと、下地パターンが形成された基板を支持するチャックと、マスクホルダとチャックとを相対的に移動するステージとを備え、マスクと基板との間に微小なギャップを設けて、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置のアライメント方法であって、
マスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトする複数のZ−チルト機構と、マスクの露光領域外に設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第1の画像取得装置と、第1の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第1の焦点位置移動機構と、マスクの露光領域内に設けられた複数のアライメントマーク又は基板の下地パターンに設けられた複数のアライメントマークの画像を取得して、画像信号を出力する複数の第2の画像取得装置と、第2の画像取得装置の焦点位置を移動する複数の第2の焦点位置移動機構と、第1の画像取得装置及び第2の画像取得装置が出力した画像信号を処理して、アライメントマークの位置を検出する画像処理装置とを設け、
複数のZ−チルト機構によりマスクホルダとチャックとを相対的にZ方向へ移動及びチルトして、マスクと基板とのギャップ合わせを行う間、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後のマスクの下面の高さへ移動し、第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ後の基板の表面の高さへ移動し、
第1の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、第2の画像取得装置により基板の下地パターンのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置により基板の下地パターンのアライメントマークの位置を検出し、
マスクと基板とのギャップ合わせ後、検出したマスクのアライメントマークの位置及び基板の下地パターンのアライメントマークの位置に基づき、ステージによりマスクホルダとチャックとを相対的に移動して、マスクと基板との位置合わせを行うことを特徴とするプロキシミティ露光装置のアライメント方法。
【請求項4】
第2の画像取得装置を露光時の退避位置からマスクの上空へ移動し、
複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動する間、第1の焦点位置移動機構により第1の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動し、第2の焦点位置移動機構により第2の画像取得装置の焦点位置をギャップ合わせ開始時のマスクの下面の高さへ移動し、
複数のZ−チルト機構をマスクと基板とのギャップ合わせを開始する位置へ移動した後、第1の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、第2の画像取得装置によりマスクのアライメントマークの画像を取得して、画像処理装置によりマスクのアライメントマークの位置を検出し、
画像処理装置により第1の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置と、画像処理装置により第2の画像取得装置の画像信号を処理して検出したギャップ合わせ開始時のマスクのアライメントマークの位置から、第2の画像取得装置の位置ずれを検出し、
検出結果に基づき、基板の下地パターンのアライメントマークの位置の検出結果を補正することを特徴とする請求項3に記載のプロキシミティ露光装置のアライメント方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のプロキシミティ露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載のプロキシミティ露光装置のアライメント方法を用いてマスクと基板との位置合わせを行って、基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−68434(P2012−68434A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213211(P2010−213211)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】