説明

プログラム、情報処理装置及び情報処理システム

【課題】指示装置から指示された処理を、出力元装置から出力された処理対象情報に対して実行する場合において、その指示された処理の内容については出力元装置に秘匿した状態で実行する情報処理装置を提供する。
【解決手段】出力先装置4の処理情報記憶部66は、指示装置2から受け付ける指示に基づく処理を示す処理情報を、その指示に応じて生成された識別情報と関連付けて記憶する。出力先装置4の処理対象情報受付部70は、指示装置2から識別情報を取得して、その処理の対象となる処理対象情報と、この識別情報とを、関連付けて出力する出力元装置3から、この処理対象情報とこの識別情報とを受け付ける。出力先装置4の処理実行部72は、処理対象情報に対して、この処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて処理情報記憶部66に記憶されている処理情報が示す処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
出力元装置から出力先装置への情報の出力を指示する指示装置を備える情報処理システムが存在する。特許文献1には、複数のストレージと、これら複数のストレージ間におけるデータ転送を指示するサーバと、を含む情報転送システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−91496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、指示装置から指示された処理を、出力元装置から出力された処理対象情報に対して実行する場合において、その指示された処理の内容については出力元装置に秘匿した状態で実行するプログラム、情報処理装置及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、プログラムであって、指示装置から指示を受け付ける指示受付手段、前記指示に基づく処理を示す処理情報を、当該指示に応じて生成された識別情報と関連付けて処理情報記憶手段に記憶させる手段、前記指示装置から前記識別情報を受信して、前記処理の対象となる処理対象情報と、当該識別情報とを、関連付けて出力する出力元装置から、当該処理対象情報と当該識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段、前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段、としてコンピュータを機能させることとしたものである。
【0005】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプログラムであって、前記指示に応じて識別情報を生成する識別情報生成手段、前記識別情報を前記指示装置に出力する識別情報出力手段、として前記コンピュータをさらに機能させることとしたものである。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプログラムであって、前記出力元装置に対して、当該情報の出力方式を指示する出力方式指示手段、として前記コンピュータをさらに機能させることとしたものである。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラムであって、前記処理情報が、前記処理対象情報を記憶部に格納する処理を示し、前記処理対象情報受付手段が、前記処理対象情報を記憶する前記出力元装置から前記処理対象情報を受け付け、前記処理実行手段が、前記処理対象情報を前記記憶部に格納する処理を実行することとしたものである。
【0008】
請求項5に記載の発明は、情報処理装置であって、前記指示装置から指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示に基づく処理を示す処理情報を、当該指示に応じて生成された識別情報と関連付けて記憶する処理情報記憶手段と、前記指示装置から前記識別情報を受信して、前記処理の対象となる処理対象情報と、当該識別情報とを、関連付けて出力する出力元装置から、当該処理対象情報と当該識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段と、前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段と、を含むこととしたものである。
【0009】
請求項6に記載の発明は、情報処理システムであって、指示装置と、出力元装置と、出力先装置と、を備え、前記指示装置が、前記出力先装置に、処理の実行の指示を行う処理指示手段と、前記出力先装置により生成され、前記出力先装置から受信した識別情報を送信する第1の識別情報送信手段と、を含み、前記出力元装置が、前記指示装置から前記識別情報を受信する識別情報受信手段と、前記識別情報受信手段により受信された識別情報と、前記処理の対象となる処理対象情報とを、関連付けて出力する処理対象情報出力手段と、を含み、前記出力先装置が、前記指示装置から前記指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示に応じて前記識別情報を生成する識別情報生成手段と、前記指示に基づく処理を示す処理情報を、前記識別情報生成手段により生成された識別情報と関連付けて記憶する処理情報記憶手段と、前記識別情報を前記指示装置に送信する第2の識別情報送信手段と、前記出力元装置から、前記処理対象情報と、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段と、前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段と、を含む、こととしたものである。
【0010】
請求項7に記載の発明は、情報処理システムであって、指示装置と、出力元装置と、出力先装置と、を備える情報処理システムであって、前記指示装置が、前記出力先装置に、処理の実行の指示を行う処理指示手段と、前記指示に応じて識別情報を生成する識別情報生成手段と、前記識別情報生成手段により生成された識別情報を送信する識別情報送信手段と、を含み、前記出力元装置が、前記指示装置から前記識別情報を受信する第1の識別情報受信手段と、前記第1の識別情報受信手段により受信された識別情報と、前記処理の対象となる処理対象情報とを、関連付けて出力する処理対象情報出力手段と、を含み、前記出力先装置が、前記指示装置から前記指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示装置から前記識別情報を受信する第2の識別情報受信手段と、前記指示に基づく処理を示す処理情報を、前記第2の識別情報受信手段により受信された識別情報と関連付けて記憶する処理情報記憶手段と、前記出力元装置から、前記処理対象情報と、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段と、前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段と、を含むこととしたものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,5,6,7に記載の発明によれば、指示装置から指示された処理を、出力元装置から出力された処理対象情報に対して実行する場合において、その指示された処理の内容については出力元装置に秘匿した状態で実行することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、識別情報を生成する手段を含んでいない指示装置から処理の実行を指示することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、指示した出力方式により処理対象情報を受け付けることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、出力元装置に記憶されている処理対象情報を記憶部に格納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1のネットワーク構成図に例示するように、本実施形態における情報処理システム1は、指示装置2と、出力元装置3と、出力先装置4と、を含んで構成される。指示装置2と、出力元装置3と、出力先装置4とは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)やインターネットなどのネットワーク5に接続されており、互いに通信されるようになっている。
【0017】
図1に例示するように、指示装置2は、例えば、パーソナルコンピュータなどであり、制御部20、記憶部21、通信部22、ユーザインタフェース(UI)部23、を含んで構成される。制御部20、記憶部21、通信部22、UI部23は、バス24を介して接続される。出力元装置3は、例えば、サーバであり、制御部30、記憶部31、通信部32、を含んで構成される。制御部30、記憶部31、通信部32は、バス34を介して接続される。出力先装置4は、例えば、サーバであり、制御部40、記憶部41、通信部42、を含んで構成される。制御部40、記憶部41、通信部42は、バス44を介して接続される。
【0018】
指示装置2の制御部20、出力元装置3の制御部30、出力先装置4の制御部40は、例えば、CPU等のプログラム制御デバイスである。指示装置2の制御部20、出力元装置3の制御部30、出力先装置4の制御部40は、それぞれ、指示装置2にインストールされるプログラム、出力元装置3にインストールされるプログラム、出力先装置4にインストールされるプログラムに従って動作する。
【0019】
指示装置2の記憶部21、出力元装置3の記憶部31、出力先装置4の記憶部41は、例えば、RAM等の記憶素子やハードディスクなどである。指示装置2の記憶部21、出力元装置3の記憶部31、出力先装置4の記憶部41は、それぞれ、指示装置2の制御部20、出力元装置3の制御部30、出力先装置4の制御部40によって実行されるプログラムなどが記憶される。また、指示装置2の記憶部21、出力元装置3の記憶部31、出力先装置4の記憶部41は、それぞれ、指示装置2の制御部20、出力元装置3の制御部30、出力先装置4の制御部40のワークメモリとしても動作する。
【0020】
指示装置2の通信部22、出力元装置3の通信部32、出力先装置4の通信部42は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)などであり、それぞれ、指示装置2の制御部20、出力元装置3の制御部30、出力先装置4の制御部40から入力される指示に従って、ネットワーク5を介して、指示装置2、出力元装置3、及び、出力先装置4の間で互いに情報を送信する。また、指示装置2の通信部22、出力元装置3の通信部32、出力先装置4の通信部42は、ネットワーク5を介して受信される情報を、それぞれ、指示装置2の制御部20、出力元装置3の制御部30、出力先装置4の制御部40に出力する。
【0021】
指示装置2のUI部23は、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカー、ボタンなどであり、利用者が行った操作の内容や、利用者が入力した音声を指示装置2の制御部20に出力する。また、このUI部23は、指示装置2の制御部20から入力される指示に従って情報を表示出力したり音声出力したりする。
【0022】
図2は、本実施形態に係る情報処理システム1により実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0023】
図2に例示するように、本実施形態に係る情報処理システム1のうち、指示装置2は、機能的には、処理対象特定情報出力部50、処理指示部52、識別情報転送部54、を含むものとして機能する。これらの要素は、指示装置2の制御部20を主として実現される。また、これらの要素は、コンピュータである指示装置2にインストールされたプログラムを、指示装置2のCPU等の制御部20で実行することにより実現されている。
【0024】
また、図2に例示するように、本実施形態に係る情報処理システム1のうち、出力元装置3は、機能的には、処理対象特定情報取得部56、識別情報受信部58、処理対象情報出力部60、を含むものとして機能する。これらの要素は、出力元装置3の制御部30を主として実現される。また、これらの要素は、コンピュータである出力元装置3にインストールされたプログラムを、出力元装置3のCPU等の制御部30で実行することにより実現されている。
【0025】
また、図2に例示するように、本実施形態に係る情報処理システム1のうち、出力先装置4は、機能的には、指示受付部62、識別情報生成部64、処理情報記憶部66、識別情報送信部68、処理対象情報受付部70、処理実行部72、を含むものとして機能する。これらの要素のうち、処理情報記憶部66は出力先装置4の記憶部41を主として実現される。また、これらの要素のうち、指示受付部62、識別情報生成部64、識別情報送信部68、処理対象情報受付部70、処理実行部72、は出力先装置4の制御部40を主として実現される。また、これらの要素は、コンピュータである出力先装置4にインストールされたプログラムを、出力先装置4の制御部40で実行することにより実現されている。
【0026】
なお、上述のプログラムは、例えば、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ可読な情報伝達媒体を介して、あるいは、インターネットなどの通信ネットワークを介して指示装置2や、出力元装置3や、出力先装置4に供給される。
【0027】
指示装置2の処理対象特定情報出力部50が、出力先装置4で実行される処理の対象である、出力元装置3の記憶部31に記憶されている処理対象情報を特定する処理対象特定情報74を出力元装置3に出力する(図3参照)。図3は、処理対象特定情報74のデータ構造の一例を示す図である。処理対象特定情報74のデータ構造の詳細については後述する。処理対象情報は、出力元装置3から出力先装置4へ出力され、後述する出力先装置4の処理実行部72による処理の対象となる情報である。そして、出力元装置3の処理対象特定情報取得部56が、指示装置2の処理対象特定情報出力部50から出力される処理対象特定情報74を取得する。
【0028】
指示装置2の処理指示部52は、出力先装置4に、処理対象情報に対して実行すべき処理の指示を行う。具体的には、例えば、指示装置2の処理指示部52は、処理対象情報に対して実行すべき処理を示す処理情報76を出力先装置4に出力する(図4参照)。図4は、処理情報76のデータ構造の一例を示す図である。処理情報76のデータ構造の詳細については後述する。そして、出力先装置4の指示受付部62は、指示装置2の処理指示部52からの指示を受け付ける。具体的には、例えば、出力先装置4の指示受付部62は、指示装置2から出力される処理情報76を取得する。このように、処理情報76は、例えば、指示装置2から受け付ける指示に基づく処理を示している。
【0029】
本実施形態では、出力元装置3の記憶部31、及び、出力先装置4の記憶部41には、管理情報78が記憶されている(図5参照)。図5は、出力元装置3の記憶部31、及び、出力先装置4の記憶部41に記憶されている管理情報78のデータ構造の一例を示す図である。図5に例示するように、管理情報78は、例えば、データID80、名称情報82、所在情報84を含む。データID80は、出力元装置3の記憶部31に記憶されているファイルやフォルダなどのデータの識別子である。名称情報82は、データID80に対応するデータの名称を示す。所在情報84は、データID80に対応するファイルやフォルダが記憶されている所在(具体的には、例えば、パスやURLなど)を示す。
【0030】
具体的には、例えば、指示装置2の処理対象特定情報出力部50が、出力元装置3から、出力元装置3の記憶部31に記憶されている管理情報78を取得する。そして、例えば、指示装置2の処理対象特定情報出力部50が、図3に例示する処理対象特定情報74を、出力元装置3に送信する。
【0031】
図3に例示するように、本実施形態に係る処理対象特定情報74は、例えば、送信対象データID86と、利用者情報88と、送信付随処理情報90と、を含む。送信対象データID86は、出力元装置3から出力先装置4に送信される処理対象情報(具体的には、例えば、ファイルやフォルダ)に対応するデータID80に対応する。利用者情報88は、例えば、送信を指示する利用者の識別子などである。送信付随処理情報90は、出力元装置3による出力先装置4への送信処理に付随して行う処理を示す。具体的には、例えば、出力元装置3が処理対象情報の送信を行う際に、併せて、出力元装置3の記憶部31からその処理対象情報を削除する場合は「移動」という文字列、削除しない場合は「コピー」という文字列が送信付随処理情報90に示される。なお、送信付随処理情報90は上述の文字列に限定されない。例えば、送信付随処理情報90は、新規バージョンの追加や、プロパティ情報のコピー、アクセス権情報のコピーなど、出力元装置3の記憶部31に記憶されているデータや、送信対象となるデータの付属情報を変更する操作を示していてもよい。なお、処理対象特定情報74には、送信対象データID86の代わりに、出力元装置3から出力先装置4に送信されるファイルやフォルダに対応する名称情報82や所在情報84が含まれていてもよい。また、処理対象特定情報74に、送信対象データID86とともに、名称情報82や所在情報84が含まれていてもよい。
【0032】
そして、出力元装置3の処理対象特定情報取得部56が、この処理対象特定情報74を受信する。
【0033】
そして、例えば、指示装置2の処理指示部52が、出力先装置4から、出力先装置4の記憶部41に記憶されている管理情報78を取得する。そして、例えば、指示装置2の処理指示部52が、図4に例示する処理情報76を、出力先装置4に送信する。図4に例示するように、本実施形態に係る処理情報76は、例えば、処理内容文字列92と、処理付随情報94と、利用者情報88と、を含む。処理内容文字列92には、処理対象情報に対して実行される処理の内容に対応する文字列が示されている。具体的には、例えば、出力元装置3から送信される処理対象情報が出力先装置4の記憶部41に格納される場合は、処理内容文字列92には、「格納」などの文字列が示される。なお、出力先装置4により実行される処理は、格納処理に限定されない。例えば、出力元装置3から送信される情報に対して、出力先装置4が、特殊な計算処理を実行するなどしてもよい。処理付随情報94は、処理内容文字列92が示す処理内容に付随する内容が示されている。例えば、処理内容文字列92が「格納」である場合は、出力元装置3から送信される処理対象情報の格納先のフォルダに対応するデータID80などが示される。利用者情報88は、例えば、処理を指示する利用者の識別子などである。そして、出力先装置4の指示受付部62がこの処理情報76を受信する。
【0034】
出力先装置4の識別情報生成部64は、指示受付部62が受け付ける指示に応じて識別情報96を生成する(図6参照)。出力先装置4の識別情報生成部64は、具体的には、例えば、出力先装置4が取得する処理情報76に基づいて、この処理情報76に対応する識別情報96を生成する(図6参照)。図6は、識別情報96のデータ構造の一例を示す図である。本実施形態では、識別情報96は、例えば、可逆ハッシュアルゴリズムを用いて、処理情報76に基づいて生成されるハッシュ値である一時ID98を含む。この一時ID98は、出力先装置4の識別情報生成部64により、可逆ハッシュアルゴリズムを用いて、処理情報76に基づいて生成される。なお、識別情報96は、処理情報76に対応する情報であればよく、ハッシュ値である必要はない。
【0035】
出力先装置4の処理情報記憶部66は、処理情報76を、指示受付部62が受け付ける指示に応じて生成される識別情報96と関連付けて記憶する。例えば、処理情報記憶部66は、処理情報76を、この処理情報76に基づいて生成される識別情報96と関連付けて記憶する。
【0036】
出力先装置4の識別情報送信部68は、識別情報96を、出力先装置4を特定する出力先装置特定情報100に関連付けて送信する(図7参照)。図7は、出力先装置特定情報100のデータ構造の一例を示す図である。出力先装置特定情報100は、本実施形態では、例えば、接続プロトコル情報102、出力先装置IPアドレス104、接続先ポート番号106、補足情報108を含む。接続プロトコル情報102は、例えば、出力元装置3が出力先装置4に処理対象情報を送信する際に用いるべきプロトコル(具体的には、例えば、「HTTP」、「HTTPS」、「RMI」、「RMI over SSL」、「ファイルシステム」など)を示す。出力先装置IPアドレス104は、例えば、出力先装置4のIPアドレスを示す。接続先ポート番号106は、出力元装置3が出力先装置4に処理対象情報を送信する際に接続すべきポート番号(例えば、「80」、「440」など)を示す。補足情報108は、出力先装置特定情報100を補足する情報である。具体的には、例えば、ファイルシステム経由で出力元装置3から出力先装置4へ処理対象情報が送信される場合は、補足情報108にはそのファイルシステムのパスやURLなどが示される。
【0037】
なお、出力先装置4の識別情報送信部68は、指示装置2に応じて(例えば、指示装置2のIPアドレスなどに応じて)決定される出力先装置特定情報100(具体的には、接続プロトコル情報102など)を出力するようにしてもよい。
【0038】
指示装置2の識別情報転送部54は、識別情報96を転送する。指示装置2の識別情報転送部54は、具体的には、例えば、出力先装置4の識別情報送信部68から送信される識別情報96を、出力先装置特定情報100と関連付けて出力元装置3に送信する。
【0039】
出力元装置3の識別情報受信部58は、識別情報96を受信する。具体的には、例えば、出力元装置3の識別情報受信部58は、指示装置2の識別情報転送部54から転送される、出力先装置特定情報100と関連付けられる識別情報96を受信する。
【0040】
出力元装置3の処理対象情報出力部60は、出力先装置特定情報100に基づいて特定された出力先装置4に、出力元装置3の識別情報受信部58が受信した識別情報96と、処理対象特定情報74に基づいて特定される処理対象情報と、を関連付けて出力する。そして、出力先装置4の処理対象情報受付部70は、この識別情報96と処理対象情報とを受け付ける。
【0041】
具体的には、例えば、出力元装置3の処理対象情報出力部60は、出力先装置4に対して、出力元装置3の処理対象特定情報取得部56が取得した処理対象特定情報74に含まれる送信対象データID86に対応する処理対象情報を、出力元装置3の識別情報受信部58が取得した識別情報96に関連付けて送信する。そして、出力先装置4の処理対象情報受付部70は、この処理対象情報を受け付ける。出力先装置4の処理対象情報受付部70が受け付ける処理対象情報には、識別情報96が関連付けられている。なお、出力元装置3の処理対象情報出力部60は、出力先装置特定情報100が示す出力方式に従って処理対象情報を出力先装置4に出力してもよい。このように、出力先装置4が出力元装置3に対して処理対象情報を出力する方式を指示してもよい。
【0042】
出力先装置4の処理実行部72は、処理対象情報に対して、処理対象情報に関連付けられている識別情報96に対応する識別情報96に関連付けされて処理情報記憶部66に記憶されている処理情報76が示す処理を実行する。具体的には、例えば、出力先装置4の処理実行部72は、出力先装置4の処理対象情報受付部70が受け付けた処理対象情報に関連付けられている識別情報96と同じ識別情報96に関連付けされて出力先装置4の記憶部41に記憶されている処理情報76に含まれる処理付随情報94が示すデータID80に対応するフォルダに、処理対象情報受付部70が受け付けた処理対象情報を格納する。なお、出力先装置4の処理実行部72は、可逆ハッシュアルゴリズムを用いて識別情報96に基づいて処理情報76を生成(復号)して、この処理情報76が示す処理を実行してもよい。
【0043】
なお、処理実行部72は、出力先装置4の処理対象情報受付部70が受け付けた処理対象情報に関連付けられている識別情報96に基づいて生成される処理情報76に含まれる利用者情報88と、この識別情報96に関連付けて出力先装置4の記憶部41に記憶されている処理情報76に含まれる利用者情報88と、を照合して、利用者認証を行っても構わない。なお、ここで、出力先装置4の処理実行部72が、出力先装置4の記憶部41に記憶されている、この処理情報76を、この処理情報76に関連付けられている識別情報96とともに削除してもよい。
【0044】
次に、本実施形態に係る情報処理システム1において、出力元装置3が備える記憶部31に記憶されている送信対象ファイルが出力先装置4に送信されて出力先装置4が備える記憶部41に格納される際の処理の流れの一例を、図8に例示するフロー図を参照しながら説明する。
【0045】
まず、指示装置2の処理対象特定情報出力部50が、出力元装置3の記憶部31に記憶されている管理情報78を取得する(S101)。そして、指示装置2の処理指示部52が、出力先装置4の記憶部41に記憶されている管理情報78を取得する(S102)。
【0046】
そして、指示装置2の制御部20が、指示装置2が備えるディスプレイなどのUI部23に、図9に例示する受付画面110を出力する(S103)。図9は、受付画面110の一例を示す図である。図9に例示するように、受付画面110は、管理情報表示部112と、送信元データID入力フィールド114と、送信先データID入力フィールド116と、実行ボタン118と、を含む。管理情報表示部112には、S101及びS102に例示する処理で取得する管理情報78が表示されている。そして、利用者が、送信先データID入力フィールド116に、送信対象ファイルに対応するデータID80を送信元データID入力フィールド114に入力し、送信先データID入力フィールド116に、送信対象ファイルの格納先フォルダのデータID80を入力して、実行ボタン118を押下すると、指示装置2の制御部20が、送信先データID入力フィールド116に入力されている文字列と、送信先データID入力フィールド116に入力されている文字列を受け付ける(S104)。
【0047】
そして、指示装置2の処理対象特定情報出力部50が、S104に例示する処理で受け付ける、送信先データID入力フィールド116に入力されている文字列に対応する送信対象データID86が含まれる処理対象特定情報74を出力元装置3に送信して、出力元装置3の処理対象特定情報取得部56が、この処理対象特定情報74を取得する(S105)。また、指示装置2の処理指示部52が、「格納」という文字列が示される処理内容文字列92と、送信先データID入力フィールド116に入力されている文字列に対応する格納先フォルダを示す処理付随情報94と、が含まれる処理情報76を送信して、出力先装置4の指示受付部62がこの処理情報76を取得する(S106)。
【0048】
そして、出力先装置4の識別情報生成部64が、可逆ハッシュアルゴリズムを用いて、S106に例示する処理で出力先装置4の指示受付部62が取得する処理情報76に基づいて、そのハッシュ値である一時ID98を生成する(S107)。そして、出力先装置4の識別情報生成部64が、S106に例示する処理により取得される処理情報76をS107に例示する処理により生成される一時ID98に関連付けて出力先装置4の処理情報記憶部66に書き込む(S108)。
【0049】
そして、出力先装置4の識別情報送信部68は、S107に例示する処理で生成される一時ID98を出力先装置4のIPアドレスを含む出力先装置特定情報100に関連付けて指示装置2に送信して、指示装置2の識別情報転送部54がこの一時ID98を受信する(S109)。そして、指示装置2の識別情報転送部54は、この一時ID98を出力元装置3に転送して、出力元装置3の識別情報受信部58は、この一時ID98を受信する(S110)。
【0050】
そして、出力元装置3の処理対象情報出力部60が、送信対象ファイルをS110に例示する処理で受信した一時ID98に関連付けて、S110に例示する処理で受信する一時ID98に関連付けられている出力先装置特定情報100により特定される出力先装置4に送信して、出力先装置4の処理対象情報受付部70がこの送信対象ファイルを受信する(S111)。
【0051】
そして、出力先装置4の処理実行部72が、S111に例示する処理で受信する一時ID98に関連付けて出力先装置4の記憶部41に記憶されている処理情報76を取得する(S112)。そして、出力先装置4の処理実行部72が、S112に例示する処理で取得される処理情報76に対応する、出力先装置4の記憶部41に記憶されている処理情報76と、この処理情報76に関連付けて出力先装置4の記憶部41に記憶されている一時ID98と、を削除する(S113)。
【0052】
そして、出力先装置4の処理実行部72が、S112に例示する処理で取得する処理情報76に含まれるデータID80に対応するフォルダに送信対象ファイルを格納する(S114)。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0054】
例えば、識別情報96が出力先装置4で生成される必要はなく、指示装置2で生成されても構わない。そして、指示装置2が、処理情報76に、この処理情報76に基づいて生成される識別情報96を関連付けて出力先装置4に出力するようにしてもよい。あるいは、指示装置2が、処理情報76に、この処理情報76に基づいて生成される識別情報96を復号するアルゴリズムやプログラムを示す情報を関連付けて出力先装置4に出力するようにしてもよい。
【0055】
また、指示装置2と出力先装置4とで、識別情報96を生成するアルゴリズムやプログラムを示す情報を予め共有しておき、指示装置2が、処理情報76に基づいて識別情報96を生成し、出力先装置4でも、指示装置2から出力される処理情報76に基づいて識別情報96を生成し、出力先装置4が、出力元装置3から出力される処理対象情報に関連付けられている識別情報96と、出力先装置4が生成する識別情報96と、を照合して、この処理対象情報に対して実行すべき処理の内容を示す処理情報76を特定するようにしてもよい。
【0056】
また、例えば、出力先装置4は、出力先装置特定情報100を、指示装置2を経由せずに出力元装置3に直接出力し、出力元装置3が、この出力先装置特定情報100を取得するようにしてもよい。
【0057】
また、情報処理システム1は、例えば、指示装置2が処理対象特定情報出力部50を含まず、出力元装置3が処理対象特定情報取得部56を含まない構成であってもよい。このとき、出力元装置3の処理対象情報出力部60が、例えば、予め定められた処理対象情報を識別情報96に関連付けて出力先装置4に出力するようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、各種情報のデータ構造は表形式により表現しているが、この表現はあくまでも一例であり、他のデータ構造により実装してももちろん構わない。
【0059】
また、指示装置2、出力元装置3、出力先装置4のそれぞれは、一つの筐体により構成されていても、複数の筐体により構成されていてもよい。また、指示装置2、出力元装置3、及び、出力先装置4のうちのいくつかが1つの筐体により構成されていてもよい。
【0060】
なお、本明細書中に記載された具体的な数値や文字列は例示であり、これらの数値や文字列に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】処理対象特定情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】処理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】識別情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】出力先装置特定情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る情報処理システムで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【図9】受付画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 情報処理システム、2 指示装置、3 出力元装置、4 出力先装置、5 ネットワーク、20 制御部、21 記憶部、22 通信部、23 ユーザインタフェース(UI)部、24 バス、30 制御部、31 記憶部、32 通信部、34 バス、40 制御部、41 記憶部、42 通信部、44 バス、50 処理対象特定情報出力部、52 処理指示部、54 識別情報転送部、56 処理対象特定情報取得部、58 識別情報受信部、60 処理対象情報出力部、62 指示受付部、64 識別情報生成部、66 処理情報記憶部、68 識別情報送信部、70 処理対象情報受付部、72 処理実行部、74 処理対象特定情報、76 処理情報、78 管理情報、80 データID、82 名称情報、84 所在情報、86 送信対象データID、88 利用者情報、90 送信付随処理情報、92 処理内容文字列、94 処理付随情報、96 識別情報、98 一時ID、100 出力先装置特定情報、102 接続プロトコル情報、104 出力先装置IPアドレス、106 接続先ポート番号、108 補足情報、110 受付画面、112 管理情報表示部、114 送信元データID入力フィールド、116 送信先データID入力フィールド、118 実行ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示装置から指示を受け付ける指示受付手段、
前記指示に基づく処理を示す処理情報を、当該指示に応じて生成された識別情報と関連付けて処理情報記憶手段に記憶させる手段、
前記指示装置から前記識別情報を受信して、前記処理の対象となる処理対象情報と、当該識別情報とを、関連付けて出力する出力元装置から、当該処理対象情報と当該識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段、
前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段、
としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記指示に応じて識別情報を生成する識別情報生成手段、
前記識別情報を前記指示装置に出力する識別情報出力手段、
として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記出力元装置に対して、当該情報の出力方式を指示する出力方式指示手段、
として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記処理情報が、前記処理対象情報を記憶部に格納する処理を示し、
前記処理対象情報受付手段が、前記処理対象情報を記憶する前記出力元装置から前記処理対象情報を受け付け、
前記処理実行手段が、前記処理対象情報を前記記憶部に格納する処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記指示装置から指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示に基づく処理を示す処理情報を、当該指示に応じて生成された識別情報と関連付けて記憶する処理情報記憶手段と、
前記指示装置から前記識別情報を受信して、前記処理の対象となる処理対象情報と、当該識別情報とを、関連付けて出力する出力元装置から、当該処理対象情報と当該識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段と、
前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
指示装置と、出力元装置と、出力先装置と、を備える情報処理システムであって、
前記指示装置が、
前記出力先装置に、処理の実行の指示を行う処理指示手段と、
前記出力先装置により生成され、前記出力先装置から受信した識別情報を送信する第1の識別情報送信手段と、
を含み、
前記出力元装置が、
前記指示装置から前記識別情報を受信する識別情報受信手段と、
前記識別情報受信手段により受信された識別情報と、前記処理の対象となる処理対象情報とを、関連付けて出力する処理対象情報出力手段と、
を含み、
前記出力先装置が、
前記指示装置から前記指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示に応じて前記識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記指示に基づく処理を示す処理情報を、前記識別情報生成手段により生成された識別情報と関連付けて記憶する処理情報記憶手段と、
前記識別情報を前記指示装置に送信する第2の識別情報送信手段と、
前記出力元装置から、前記処理対象情報と、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段と、
前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段と、
を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
指示装置と、出力元装置と、出力先装置と、を備える情報処理システムであって、
前記指示装置が、
前記出力先装置に、処理の実行の指示を行う処理指示手段と、
前記指示に応じて識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記識別情報生成手段により生成された識別情報を送信する識別情報送信手段と、
を含み、
前記出力元装置が、
前記指示装置から前記識別情報を受信する第1の識別情報受信手段と、
前記第1の識別情報受信手段により受信された識別情報と、前記処理の対象となる処理対象情報とを、関連付けて出力する処理対象情報出力手段と、
を含み、
前記出力先装置が、
前記指示装置から前記指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示装置から前記識別情報を受信する第2の識別情報受信手段と、
前記指示に基づく処理を示す処理情報を、前記第2の識別情報受信手段により受信された識別情報と関連付けて記憶する処理情報記憶手段と、
前記出力元装置から、前記処理対象情報と、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報とを受け付ける処理対象情報受付手段と、
前記処理対象情報受付手段により受け付けられた処理対象情報に対して、当該処理対象情報に関連付けされた識別情報に対応する識別情報に関連付けされて前記処理情報記憶手段に記憶されている処理情報が示す処理を実行する処理実行手段と、
を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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