説明

プログラム、情報記憶媒体、ゲーム装置及びゲームサーバ装置

【課題】プレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為が伝わらないようにすること。
【解決手段】携帯型ゲーム装置1400Bでは、不快行為フィルタの設定有無を設定できる。不快行為フィルタの設定が「有」の場合、対戦相手のゲーム装置1400Aから受信した操作入力情報に含まれる不快行為に該当する操作入力情報を、無効化したり不快行為に該当しない動作の操作入力情報に変更し、変更後の操作入力情報に基づいて他キャラクタ2を制御する。自キャラクタ4がダウン中には、他キャラクタ2や自キャラクタ4がゲーム画面に写らないように仮想カメラの設定を変更する。或いは、仮想カメラで撮影した画像に代えて所定の動画を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他コンピュータから受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームにおける人気ジャンルの1つに対戦ゲームがある。例えば、2名のプレーヤが各々格闘家キャラクタを使用して現実では絶対に不可能なストリートファイトを繰り広げ架空の対戦を楽しむものや、仮想3次元空間に形成された戦闘空間(ゲーム空間)内で、各プレーヤが兵士キャラクタを操作してサバイバルゲームを楽しむものが知られている。
【0003】
そして、対戦を盛り上げる要素として、相手をからかったりいらだたせるような動作や発言をすることにより対戦相手に心理的な揺さぶりをかける所謂「挑発」をゲームの仕様として盛り込んだものも知られるところである(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−288245号公報
【特許文献2】特開2000−233073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした対戦ゲームにおける「挑発」は、一部のプレーヤ達には実際のストリートファイトならば交わされるであろう心理的な攻撃を表現するものであってゲーム性を高めるものとして好意的に捉えられている。特に気心知れた友人同士での対戦では、「挑発」その本来の意味合いよりも、友人間で交わされる掛け合いやクールなおふざけ行為としての意味合いが高く、ゲームの盛り上げに大きく寄与している。
【0006】
しかし、その一方でゲームであろうとなかろうと勝負事における挑発的行為のようなゲーム中の特定行為を快く思わないプレーヤが居るのも事実である。彼らは、ゲームの仕様として予め用意されている「挑発」という動作に限らず、ユーザの間で独自に編み出された動作の組み合わせ(例えば、標準的な対戦中の行動としては不自然なほどの高速屈伸運動、一箇所での高速旋回や周回など)についても、挑発的行動と見なし不快と感じる。また、対戦に決着がついて行動不能になっているキャラクタへの追い打ち的な攻撃や、当該キャラクタの回りをぐるぐる回るといった無用な周回行為についても不快と感じる。
【0007】
心配されるのは、「挑発」などの特定行為を好意的に捉えるプレーヤと、不快と考えるプレーヤとが互いにそうとは知らずに対戦した結果、不本意ながら後者のプレーヤを不快たらしめてしまい、彼らを対戦ゲームの楽しみから遠ざけてしまうことである。
【0008】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為について、好意的に捉えるプレーヤが当該特定行為を行っていても、当該特定行為を好意的に捉えないプレーヤには当該特定行為が伝わらないようにすることである。例えば、ゲームを盛り上げ得る挑発的行為をゲーム内で実行可能でありながらも、そうした挑発的行為を不快に思うプレーヤが気分を害さずにゲームを楽しむことが出来るようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するための第1の形態は、コンピュータ(例えば、図3の携帯型ゲーム装置1400B)に、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他コンピュータ(例えば、図3の携帯型ゲーム装置1400A)から受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、不快行為操作入力判定部216、記憶部500、不快行為辞書データ530、図14のステップS62〜S64)、
前記操作入力判定手段により該当判定された場合に、当該操作入力情報を、前記操作条件に該当しない所定の非該当操作入力情報に変更する操作入力情報変更手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、操作入力情報変更部218、図14のステップS68)、
前記操作入力判定手段により該当判定されなかった場合には、前記受信した操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御し、該当判定された場合には、前記操作入力情報変更手段により変更された前記非該当操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、図12のステップS80)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
また、別形態として、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他ゲーム装置から受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行するゲーム装置であって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段と、
前記操作入力判定手段により該当判定された場合に、当該操作入力情報を、前記操作条件に該当しない所定の非該当操作入力情報に変更する操作入力情報変更手段と、
前記操作入力判定手段により該当判定されなかった場合には、前記受信した操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御し、該当判定された場合には、前記操作入力情報変更手段により変更された前記非該当操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段と、を備えるゲーム装置(例えば、図1の携帯型ゲーム装置1400B)として実現することができる。
【0011】
第1の形態によれば、他プレーヤが使用する他ゲーム装置から受信した操作入力情報に、プレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為を他キャラクタにさせる操作入力情報が含まれている場合、これを別の動作(一般的な攻撃や守備動作の他、単なる構えや静止を含む)をさせる非該当操作入力情報に変更することができる。そして、この変更された操作入力情報に従って他キャラクタを制御することができる。
よって、他ゲーム装置では他キャラクタにより、プレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為が実行されて表示制御されているとしても、自ゲーム装置ではその他キャラクタによる行為は実現されない。従って、ある動作を肯定的に捉えるプレーヤと不快に思うプレーヤとが対戦しても、後者は不快な思いをすることなく対戦ゲームを楽しむことができる。
【0012】
第2の形態は、前記操作入力情報変更手段が、前記操作入力判定手段により該当判定された操作入力情報を、当該操作入力情報に従って前記他キャラクタが動作した場合のヒット判定領域のサイズと同等条件を満たす動作制御(例えば、図3の挑発代替動作)をさせるための非該当操作入力情報に変更するように前記コンピュータを機能させるための第1の形態のプログラムである。
【0013】
第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果を奏するとともに、他ゲーム装置では他キャラクタがプレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為をしても、自ゲーム装置の他キャラクタは当該特定行為とは解され難い非該当動作をするように制御できる。この非該当動作は、他キャラクタが特定行為に該当する動作をした場合のヒット判定領域と、大きさやサイズと言った条件がほぼ同じヒット判定領域を有する動作とされる。従って、特定行為中に自キャラクタが他キャラクタを攻撃しても、自ゲーム装置におけるゲーム世界と、他ゲーム装置におけるゲーム世界とでゲームの進行にズレが生じることを防ぎつつ、ゲームを継続させることができる。
【0014】
第3の形態は、コンピュータに、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他コンピュータから受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段、
前記受信される操作入力情報のうち、前記操作入力判定手段により該当判定された操作入力情報を無効とし、該当判定されなかった操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、操作入力情報変更部218、図14のステップS70)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
または、別形態として、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他ゲーム装置から受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行するゲーム装置であって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段と、
前記受信される操作入力情報のうち、前記操作入力判定手段により該当判定された操作入力情報を無効とし、該当判定されなかった操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段とを備えるゲーム装置(例えば、図1の携帯型ゲーム装置1400B)として実現することができる。
【0016】
第3の形態によれば、他プレーヤが使用する他ゲーム装置から受信した操作入力情報に、他キャラクタにプレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為をさせる操作入力情報が含まれている場合、これを無効とし当該操作入力が無かったものとすることができる。
よって、他ゲーム装置では他キャラクタによる特定行為が実行されているとしても、自ゲーム装置では他キャラクタの特定行為は実現されない。従って、例えば挑発動作を肯定的に捉えるプレーヤと不快に思うプレーヤとが対戦しても、後者のプレーヤは不快な思いをすることなく対戦ゲームを楽しむことができる。
【0017】
第4の形態は、前記操作入力判定手段が、不快行為の操作入力として予め定められた不快行為操作条件を前記操作条件として前記判定を行う、ように前記コンピュータを機能させるための第1〜第3の何れかの形態のプログラムである。
【0018】
第4の形態によれば、第1〜第3の形態の何れかのプログラムと同様の効果を奏するとともに、自ゲーム装置では他キャラクタによる不快行為と捉えられ得る行為は実現されない。
【0019】
第5の形態は、前記所定のゲームが、相手のキャラクタの攻撃を受けたダメージが所定量に達した場合にダウン状態となって勝敗を決する対戦ゲームであり、前記操作入力判定手段が、前記自キャラクタが前記ダウン状態となった際に前記受信した操作入力情報が、前記操作条件に該当するか否かを判定するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第4の何れかの形態のプログラムである。
【0020】
第5の形態によれば、第1〜第4の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、例えば、決着がついて自キャラクタが行動不能になっている様子が表示されている間、他キャラクタによるプレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為が実現されないようにできる。よって、負けが決まって行動不能になっている相手へ向けた攻撃などの行為(例えば「死体蹴り」などと呼ばれる行為)の実現を防ぐことができる。
【0021】
第6の形態は、前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する不快行為実行設定手段(例えば、図7の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、不快行為実行設定部212、図10のプレイデータ550、不快行為フィルタ設定552、図12のステップS12)、として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記他キャラクタ制御手段が、前記不快行為の実行の設定が許可である場合には、前記操作入力判定手段により該当判定される操作入力情報についても、当該操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第5の何れかの形態のプログラムである。
【0022】
第6の形態によれば、第1〜第5の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、不快行為の実行の許可/不許可を手動或いは自動で選択し、許可設定の場合には不快行為が自ゲーム装置でも実現されるようにもできる。
【0023】
第7の形態は、コンピュータに、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他コンピュータから受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御し、所与の仮想カメラに基づくゲーム空間の画像を生成して、相手のキャラクタの攻撃を受けたダメージが所定量に達した場合にダウン状態となって勝敗を決する対戦ゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する不快行為実行設定手段、
前記自キャラクタが前記ダウン状態となった際、前記不快行為実行設定手段により許可と設定されている場合には前記対戦ゲーム実行中の画像生成処理を継続実行し、不許可と設定されている場合には前記他プレーヤの操作入力情報に従って動作制御される前記他キャラクタの様子を画像内に含めない不快行為回避用の所定の回避画像生成処理に切り換えて実行するダウン時画像生成手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、仮想カメラ設定変更部220、演出動画再生制御部224、画像生成部260、図15のステップS96、S100)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
または、別形態として、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他ゲーム装置から受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御し、所与の仮想カメラに基づくゲーム空間の画像を生成して、相手のキャラクタの攻撃を受けたダメージが所定量に達した場合にダウン状態となって勝敗を決する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する不快行為実行設定手段と、
前記自キャラクタが前記ダウン状態となった際、前記不快行為実行設定手段により許可と設定されている場合には前記対戦ゲーム実行中の画像生成処理を継続実行し、不許可と設定されている場合には前記他プレーヤの操作入力情報に従って動作制御される前記他キャラクタの様子を画像内に含めない不快行為回避用の所定の回避画像生成処理に切り換えて実行するダウン時画像生成手段と、を備えるゲーム装置(例えば、図1の携帯型ゲーム装置1400B)として実現することができる。
【0025】
第7の形態によれば、自キャラクタがダウン状態で、且つ他キャラクタによる不快行為の実行が不許可に設定されている場合、ダウン時に表示される画像として、他キャラクタの様子を画像内に含めない不快行為回避用の画像を生成・表示させることができる。
よって、他キャラクタが如何に不快行為を行っても、その様子が自ゲーム装置のゲーム画面に表示されることは無いので、挑発動作などを不快と思うプレーヤでも不快な思いをすることなく対戦ゲームを楽しめる。
【0026】
第8の形態は、前記ダウン時画像生成手段が、前記自キャラクタを撮影範囲外とするよう前記仮想カメラの位置及び/又は視線方向を制御することで前記回避画像生成処理を実行するように前記コンピュータを機能させるための第7の形態のプログラムである。
【0027】
第8の形態によれば、第7の形態と同様の効果を奏するとともに、ゲーム空間を撮影する仮想カメラで自キャラクタを撮影範囲外として撮影させるように撮影設定を変更するだけで、簡単かつ速やかに不快行為回避用の画像を生成させることができる。
【0028】
第9の形態は、前記ダウン時画像生成手段が、前記自キャラクタを複製した複製自キャラクタを、ダミーのゲーム空間に配置するダミー配置手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、ダミー配置部222、図15のステップS96)を有し、被写体を前記複製自キャラクタとするよう前記仮想カメラを制御することで前記回避画像生成処理を実行するように前記コンピュータを機能させるための第7の形態のプログラムである。
【0029】
第9の形態によれば、第7の形態と同様の効果を奏するとともに、ゲームプレイされていたゲーム空間と切り離された別空間に自キャラクタのダミーを配置し、これを仮想カメラに撮影させて不快行為回避用の画像を生成させることができる。この方法ならば、ゲームプレイされていたゲーム空間で、他キャラクタが自キャラクタに対して又はその周囲でどのような行為をしていても、ゲーム画面に表示される自キャラクタはなんら影響されることがなく、確実に不快行為を自キャラクタのプレーヤに見せずに済む。
【0030】
第10の形態は、前記ダウン時画像生成手段が、所定の動画像を再生することで前記回避画像生成処理(例えば、図15のステップS100)を実行するように前記コンピュータを機能させるための第7の形態のプログラムである。
【0031】
第10の形態によれば、第7の形態と同様の効果を奏するとともに、ゲーム空間に代えて動画を表示できる。よって、他キャラクタがどのような行為をしていてもそれが自ゲーム機のゲーム画面として表示されることは無く、確実に不快行為を自プレーヤに見せずに済む。
【0032】
第11の形態は、前記不快行為実行設定手段が、前記自プレーヤの成績情報に基づいて、前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定するように前記コンピュータを機能させるための第6〜第10の何れかの形態のプログラムである。
【0033】
第11の形態によれば、第6〜第10の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、自プレーヤの成績から不快行為の実行の設定を決定できる。
例えば、成績がある基準より上であれば、他キャラクタの行為如何に影響されることなくプレイできる上級者と見なして「許可」と設定し、基準より下であれば初心者保護の観点から「不許可」と設定するとしても良い。この場合、初心者が無用な不快感を抱いてゲームから遠ざかってしまうのを抑制できる。
【0034】
第12の形態は、前記不快行為実行設定手段が、前記自プレーヤと前記他プレーヤとのプレイ履歴に基づいて、前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定するように前記コンピュータを機能させるための第6〜第11の何れかの形態のプログラムである。
【0035】
第12の形態によれば、第6〜第11の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、自プレーヤと他プレーヤとのプレイ履歴に基づいて不快行為実行の設定を決定できる。例えば、両プレーヤの通算対戦回数がある基準を超えれば、互いに相手のプレイスタイルを許容してきた実績があると見なして「許可」設定とし、基準に満たなければまだお互いに相手を不快にさせる行為を理解していない可能性があるので「不許可」設定としても良い。
【0036】
第13の形態は、前記自プレーヤの操作に従って前記他プレーヤを友好プレーヤに設定する友好プレーヤ設定手段として前記コンピュータを機能させ、前記不快行為実行設定手段が、前記他プレーヤが前記友好プレーヤに設定されているか否かに基づいて、前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定するように前記コンピュータを機能させるための第6〜第12の何れかの形態のプログラムである。
【0037】
第13の形態によれば、第6〜第12の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、プレーヤ自身が友好と認める他プレーヤを登録可能とし、対戦相手が友好プレーヤとして設定されているか否かに応じて不快行為実行の設定を決定できる。例えば、友好プレーヤならば「許可」としても良い。
【0038】
第14の形態は、第1〜第13の何れかの形態のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。またそれらは情報記憶媒体単独な状態に限らず、他電子装置の内部ストレージとして存在し、コンピュータに接続することで当該コンピュータの内部ストレージとして機能するものも含まれる。そして、第14の発明によれば、第1〜第13の何れかの形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、当該コンピュータに第1〜第13の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【0039】
第18の形態は、通信接続された複数のゲーム装置(例えば、図16の業務用ゲーム装置1300(1)〜1300(n))それぞれから操作入力情報を取得する操作入力情報取得手段(例えば、図16の通信装置1312、図17の通信部370、処理部200s、通信制御部270、図21のステップS214)と、
前記取得した操作入力情報の内、所与の操作条件に該当する操作入力情報を検出する操作入力検出手段(例えば、図16の制御ユニット1310、図17の処理部200s、ゲームサーバ演算部211、不快行為操作入力判定部216、不快行為辞書データ530、図21のステップS218)と、
前記操作入力検出手段により検出された操作入力情報を、前記操作条件に該当しない所定の非該当操作入力情報に変更する操作入力情報変更手段(例えば、図16の制御ユニット1310、図17の処理部200s、ゲームサーバ演算部211、不快行為操作入力判定部216、不快行為辞書データ530、図21のステップS218)と、
前記取得した操作入力情報を前記複数のゲーム装置それぞれに配信するとともに、前記操作入力検出手段により検出された操作入力情報については前記操作入力情報変更手段により変更された操作入力情報を送信する操作入力情報配信手段(例えば、図16の通信装置1312、図17の通信部370、処理部200s、通信制御部270、図21のステップS222)と、を備えるゲームサーバ装置である。
【0040】
また、第19の形態は、通信接続された複数のゲーム装置それぞれから操作入力情報を取得する操作入力情報取得手段と、
前記取得した操作入力情報の内、所与の操作条件に該当する操作入力情報を検出する操作入力検出手段と、
前記取得した操作入力情報のうち、前記操作入力検出手段により検出された操作入力情報を無効とし、検出されなかった操作入力情報を前記複数のゲーム装置それぞれに配信する操作入力情報配信手段(例えば、図17の処理部200s、ゲームサーバ演算部211、不快行為操作入力判定部216、不快行為辞書データ530、図21のステップS218、S222)と、を備えるゲームサーバ装置である。
【0041】
第18及び第19の形態によれば、ゲームサーバ装置は、対戦ゲームに参加するために通信接続された複数のゲーム装置から操作入力情報を取得し、取得した操作入力情報に操作条件に該当する操作入力情報を検出して非該当操作入力情報に変更或いは操作入力を無かったことに変更し、変更後の操作入力情報を配信することができる。
つまり、ゲームサーバ装置から受信した操作入力情報にはプレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為を実現するための操作入力情報が含まれていないのでゲーム装置側ではその特定行為は実現されず、当該特定行為を不快と思うプレーヤでも不快な思いをせずに対戦ゲームをプレイできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】携帯型ゲーム装置及びシステムの構成の一例を説明するための図。
【図2】対戦ゲームの概要を説明する為のゲーム画面例。
【図3】戦闘中における不快行為に対する不快行為フィルタの機能を説明する為の概念図。
【図4】ダウン演出中における不快行為に対する不快行為フィルタの機能を説明する為の概念図。
【図5】ダウン演出中における不快行為に対する不快行為フィルタの機能を説明する為の概念図。
【図6】ダウン演出中における不快行為に対する不快行為フィルタの機能を説明する為の概念図。
【図7】第1実施形態における携帯型ゲーム装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図8】キャラクタ初期設定データのデータ構成例を示す図。
【図9】不快行為辞書データのデータ構成例を示す図。
【図10】第1実施形態におけるプレイデータのデータ構成例を示す図。
【図11】第1実施形態におけるプレイ履歴データのデータ構成例を示す図。
【図12】第1実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図13】不快行為フィルタ自動設定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図14】第1不快行為フィルタ処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図15】第2不快行為フィルタ処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図16】業務用ゲーム装置とゲームサーバ装置を用いるシステム構成の一例を示す概念図。
【図17】ゲームサーバ装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図18】第2実施形態におけるプレイデータのデータ構成例を示す図。
【図19】業務用ゲーム装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図20】第2実施形態におけるプレイデータのデータ構成例を示す図。
【図21】ゲームサーバ装置における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】業務用ゲーム装置における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0043】
〔第1実施形態〕
次に、本発明を適用した第1実施形態として、2台の携帯型ゲーム装置を通信接続させて一対一の格闘対戦ゲームを実行する例を説明する。
【0044】
図1は、本実施形態において対戦ゲームをプレイするための携帯型ゲーム装置及びシステムの構成例を説明するための図である。本実施形態では、2台の携帯型ゲーム装置1400A及び1400Bを使用する。以下では、何れかの装置を特に指定しない場合、単に携帯型ゲーム装置1400と言う。
【0045】
携帯型ゲーム装置1400は、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在な折り畳み型の装置本体1401に備えている。
そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示面上には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意位置を接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0046】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1401には図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0047】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0048】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、制御ユニット1450は、無線通信モジュール1412や、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0049】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御してゲームを実行する。
【0050】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、制御ユニット1450に搭載されている主要なプログラムやデータをICメモリに予め記憶している構成とすることができる。或いは、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得する構成としても良い。
【0051】
2台の携帯型ゲーム装置1400A及び1400Bは、ゲームプログラムを実行させて相互に通信回線1を介してデータ通信を確立し、ゲーム実行中は常に互いの操作入力情報を交換することで、所謂通信対戦ゲームを実現する。ここでいう通信回線1は、インターネット網や携帯電話網などの公衆通信網の他、無線LANやBluetooth(登録商標)といった直接通信も含む意味である。また、無線通信に限らず有線通信であってもよいのは勿論である。
【0052】
図2は、本実施形態における対戦ゲームの概要を説明する為のゲーム画面例である。
本実施形態のゲームは、他キャラクタ2と自キャラクタ4とが一対一で対戦する1セットマッチの格闘対戦ゲームである。他キャラクタ2は、他プレーヤが使用する携帯型ゲーム装置1400A(以下、他ゲーム装置1400A又は他機と呼称する)での操作入力に応じて動作制御されるキャラクタである。自キャラクタ4は、自プレーヤが使用する携帯型ゲーム装置1400B(以下、自ゲーム装置1400B又は自機と呼称する)での操作入力に応じて動作制御されるキャラクタである。
本実施形態では、1回の対戦の勝敗でゲーム終了となる構成として説明するが、複数回のセットマッチ形式としても良いのは勿論である。
【0053】
ゲームは、ゲームプレイの主たる部分となる「戦闘」(図2(1)のゲーム画面W2参照)、その戦闘の結果に基づく「勝敗決定」(図2(2)のゲーム画面W4参照)、決着がついて負けた側のキャラクタが行動不能となった様子を示す「ダウン演出」(図2(3)のゲーム画面W6参照)、「勝敗宣言」(図2(4)のゲーム画面W8参照)の順に進行する。
【0054】
ゲーム画面W2〜W8は、仮想3次元空間に形成されたゲーム空間内で動作制御される他キャラクタ2や自キャラクタ4のオブジェクトの様子を仮想カメラで撮影してゲーム空間画像を生成し、そのゲーム空間画像に対戦可能な残り時間を示す残時間表示6や、他キャラクタのライフポイントゲージ8、自キャラクタのライフポイントゲージ10などの情報表示を合成して生成される。
【0055】
戦闘中は、攻撃が相手にヒットすれば、相手のライフポイントを削ることができる。そして、ライフポイントが「0」になると行動不能になったと見なされる。つまり、負けとなる。そして、行動不能になったキャラクタに所定のダウン動作(例えば、目を回してクラクラと倒れ込む動作など)をするように自動制御される。これが対戦に決着がついたことを告げるダウン演出となる。
【0056】
ダウン演出に続く勝敗宣言では、勝った側のキャラクタは所定の勝ちポーズ動作をするように自動制御されるとともに、他ゲーム装置1400A及び自ゲーム装置1400Bそれぞれのプレーヤが勝利したか敗退したかを通知する勝敗通知表示12が表示される。
【0057】
本明細書で言うところの「プレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為」には「不快行為」が含まれる。より具体的には、「不快行為」には、戦闘中における所定の「挑発動作」や「挑発発言」と、ダウン演出中におけるダウン動作中のキャラクタへの「追い討ち攻撃」や当該キャラクタへ干渉したり当該キャラクタの周りを周回し続けるなどの特定動作を行うことによる勝敗決定後の挑発行為、所謂「勝ち挑発」と呼ばれる行為が含まれる。
【0058】
「挑発動作」や「挑発発言」は、基本的にはそれぞれがゲーム仕様として予め用意されたキャラクタの行為であり、プレーヤが所定の操作入力により任意に選択して実行させることができる。前者は、身振り手振りなど身体的動作を伴う行為であり、後者はゲーム画面上に所定のテキストを表示させたりスピーカから所定の台詞音声を再生させる行為である。後者は「アピール」と呼称される場合もある。また「挑発動作」については、予め不快行為辞書で定義された連続する複数の動作の組み合わせも含めることができる。例えば、短時間での不自然な速さで繰り返される屈伸や旋回などの動作であり、ゲーム製作者側が適宜設定することができる。
【0059】
「追い討ち攻撃」は、ダウン動作中のキャラクタへのキックやパンチ、切りつけ、射撃など所謂攻撃技全般である。「死体攻撃」「死体蹴り」「死体撃ち」などとも呼ばれる。
「勝ち挑発」は、勝敗が決定して相手が行動不能になった後に行われる、押したり引いたりアイテムを載せるなどのダウン動作中のキャラクタへの何らかの干渉行為、当該キャラクタの周辺で行われる通常の戦闘中では見られない速さで何度も繰り返される屈伸や旋回、ジャンプ、特定動作の組み合わせなどである。
【0060】
本実施形態では、各プレーヤがゲーム開始前に、自ゲーム装置1400Bにてそうした不快行為の実現を許可するか否かを設定することができる。自ゲーム装置1400Bにおける不快行為の実現を回避するための種々の処理を総称して、本明細書では「不快行為フィルタ」と呼ぶ。
【0061】
図3は、戦闘中における不快行為に対する不快行為フィルタの機能を説明する為の概念図である。
戦闘中の不快行為に対しては、自ゲーム装置1400Bは、他ゲーム装置1400Aから送信される操作入力情報を検査し、「挑発発言」の操作入力が検出されたならば、該当操作入力情報を何も操作入力されていない無入力状態に変更して無効化する。
また、検査の結果、所定の「挑発動作」の操作入力情報が検出された場合には、不快行為とは解され難い所定の「挑発代替動作」の操作入力情報に置換する。
【0062】
ここで言う「挑発代替動作」とは、ヒット判定領域22が「挑発動作」のヒット判定領域20とほぼ同じ形状及び大きさでありながら、見かけ上は挑発的内容を伴わない動作であり、挑発動作と対をなして予め用意されている動作である。例えば、挑発動作が手招きするようなモーションであるならば、挑発代替動作は基本的な姿勢は同じであるが手首の手招き動作が省略されたモーションとすることができる。
【0063】
この結果、他ゲーム装置1400Aのゲーム画面W6aでは他キャラクタ2により不快行為が行われていても、自ゲーム装置1400Bのゲーム画面W6bでは不快行為は実現されないことになる。しかも、「挑発代替動作」を、対応づけられる「挑発動作」におけるヒット判定領域20とほぼ同じ形状及び大きさのヒット判定領域22を有する動作とすることで、不快行為中に自キャラクタ4が攻撃をした結果が、他ゲーム装置1400Aの処理でも自ゲーム装置1400Bの処理でも同じ結果となり、二つのゲーム装置間でゲーム世界のズレが生じるのを防ぐことができる。
【0064】
尚、挑発動作のヒット判定領域20と挑発代替動作のヒット判定領域22とは、厳密に同じ形状、同じ大きさに限られるものでは無く、ゲーム進行に違和感が生じない範囲において差異があっても構わない。換言すると、「挑発代替動作」は、操作入力情報に従って他キャラクタ2が動作した場合のヒット判定領域のサイズと同等条件を満たすように設定されていれば良い。極言すれば、挑発動作と挑発代替動作とで見た目のモーションが全く別物でも、ヒット判定領域20及び22とが同等に設定さている構成でも良い。
【0065】
図4は、ダウン演出中における不快行為に対する不快行為フィルタの第1の機能を説明する為の概念図である。
ダウン演出が実行されている間の自ゲーム装置1400Bは、ゲーム空間を撮影する仮想カメラの設定(視線方向、姿勢、撮影画角、ピント位置など)を仮に自キャラクタ4に不快行為が行われてもそれを撮影しないように変更することができる。
【0066】
具体的には、例えば自キャラクタ4と他キャラクタ2を撮影画角範囲内に収める戦闘中の標準的な設定(図中の破線表示された撮影フレームの仮想カメラ30参照)から、ダウンした自キャラクタ4の視線をイメージさせる上空を仰ぎ見る設定(図中、仮想カメラ32参照)に変更し、自ゲーム装置1400Bのゲーム画面W6cに他キャラクタ2の不快行為が映らないようにする。尚、この場合、仮想カメラ32の撮影範囲に他キャラクタ2が入ることがないように、仮想カメラ32の設置位置を十分高くすると好適である。
【0067】
また、自キャラクタ4の顔のアップを撮影するように画角を極端に小さくするように設定を変更するとしても良い(図中、仮想カメラ34参照)。この場合、ゲーム空間中或いはゲーム空間5とは別に設けられた別の仮想3次元空間に形成されたダミーゲーム空間5bに自キャラクタ4のダミー4b(複製自キャラクタ)を配置して、これを被写体とするように設定を変更すると好適である。ダミーゲーム空間5bを設けてそのダミーゲーム空間5b内のダミー4bを被写体とすることで他キャラクタ2がゲーム空間においてどのような行為をしても、その様子が自ゲーム装置1400Bのゲーム画面W6dには映されることはない。換言すると、ゲーム空間画像として、他キャラクタ2の様子を画像内に含めない不快行為回避用の画像を生成するとも言える。
【0068】
図5は、ダウン演出中における不快行為に対する不快行為フィルタの第2の機能を説明する為の概念図である。
ダウン演出が実行されている間の自ゲーム装置1400Bは、ダウン演出中は仮想カメラにより撮影したゲーム空間画像に代えて所定の動画を再生・表示させることで、不快行為が行われても自ゲーム装置1400Bのゲーム画面に映されないようにすることができる。具体的には、例えば自キャラクタ4が行動不能になった旨を通知する内容の動画(ゲーム続行不可通知演出動画)を予め用意しておいて、ダウン演出が実行されている間は、ゲーム空間画像に代えて当該動画の画像に、残時間表示6やライフポイントゲージ8,10等の情報表示を合成してゲーム画面W6eとする。そして、ダウン演出が終了し、勝敗宣言を行う時には、再び仮想カメラによるゲーム画面の表示に戻す。
【0069】
図6は、ダウン演出中における不快行為に対する不快行為フィルタの第3の機能を説明する為の概念図である。
ダウン演出が実行されている間の自ゲーム装置1400Bは、他ゲーム装置1400Aから受信した操作入力情報を変更することができる。より具体的には、(1)受信した操作入力情報を全て何も操作入力されていないように無効化する方法と、(2)受信した操作入力情報を検査して、所定の挑発動作の操作入力情報を検出した場合に、当該操作入力情報を挑発代替動作の操作入力情報に置換する方法と、(3)所定の不快行為辞書で定義された不快行為に該当する動作をするための操作入力が検出された場合に、それ以降の操作入力情報を無効化する方法と、を単独又は組み合わせることができる。
【0070】
第3機能(1)の方法は、実現が最も簡単であるが、他キャラクタ2が自キャラクタ4へ向けた挨拶や敬意を払う動作といった不快行為に該当しない行為すら実行不能にしてしまうので、対戦の楽しさを一部スポイルしてしまう副作用が心配される。第3機能(2)と(3)の方法は、不快行為に該当する操作入力情報を選択的に除外するのでそうした心配はない。何れにせよ、他ゲーム装置1400Aのゲーム画面W6fでは不快行為が行われていても、自ゲーム装置1400Bのゲーム画面W6gでは不快行為は実現されない。
【0071】
このように、本実施形態によれば、他ゲーム装置1400Aのゲーム空間内では他キャラクタ2による挑発的行為や追い討ち攻撃が行われていても、不快行為フィルタを有効にすることで自ゲーム装置1400Bでは不快行為がゲーム画面に表示されるのを回避できる。よって、挑発的行為をゲーム性を高める要素として好意的に考えるプレーヤと、挑発的行為を不快行為と認識するプレーヤとが一緒にゲームしたとしても、後者をいたずらに不快にさせ対戦ゲームの楽しさを奪うことがないように配慮できる。
【0072】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のようなゲームを実現するための機能構成例について説明する。
図7は、本実施形態における携帯型ゲーム装置1400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0073】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1の方向入力キー1402やボタンスイッチ1404はこれに該当する。
【0074】
そして、操作入力部100は、接触位置検出部102を含む。接触位置検出部102は、表示画面への接触位置を検出することのできるデバイスで実現される。図1のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
【0075】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む携帯型ゲーム装置1400の各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0076】
ゲーム演算部210は、通信型対戦ゲームの進行に関する種々の処理を実行する。
具体的には、通信回線1に接続されている他ゲーム装置1400Aを検索して、データ通信を確立する処理、プレーヤと使用するキャラクタの種類の選択・登録処理、仮想3次元空間にゲーム空間を形成して他キャラクタ2及び自キャラクタ4を配置する処理、他ゲーム装置1400Aから受信した操作入力情報に基づいて他キャラクタ2の動作を制御する処理、操作入力部100へ為された操作入力に基づいて自キャラクタ4の動作を制御する処理、ヒット判定処理、ダメージ量の算出処理、ライフポイントの減算処理、ライフポイントが「0」になったキャラクタに所定のダウン動作をさせる処理、勝敗判定、勝敗結果の通知処理、プレイ履歴の保存処理などを実行する。
【0077】
そして、本実施形態におけるゲーム演算部210は、不快行為フィルタの設定に関する処理を実行する不快行為実行設定部212と、自ゲーム装置における不快行為の実行を回避するための各種処理を実行する不快行為フィルタ処理部214とを含む。具体的には、不快行為フィルタ処理部214は、不快行為操作入力判定部216と、操作入力情報変更部218と、仮想カメラ設定変更部220と、ダミー配置部222と、演出動画再生制御部222とを含む。
【0078】
不快行為実行設定部212は、ゲーム開始前に所定の選択画面を表示させて、当該プレーヤの過去のプレイに関する情報に基づいて不快行為フィルタの有り/無しのデフォルト設定を自動的に設定する機能と、そのデフォルト設定に対して今回のゲームプレイにおける不快行為フィルタの有り/無し、つまり自ゲーム装置における不快行為の実行の許可/不許可の設定をプレーヤに選択させる選択機能と、を実現する。
【0079】
不快行為操作入力判定部216は、他ゲーム装置1400Aから受信した操作入力情報が、不快行為の操作入力される不快行為操作条件に該当するか否かを判定する。本実施形態における不快行為操作条件は、記憶部500の不快行為辞書データ530で定義される。
【0080】
操作入力情報変更部218は、他ゲーム装置1400Aから受信した最新の操作入力情報に不快行為の操作入力に該当する情報がある場合に、当該操作入力情報を不快行為が行われないように変更する。具体的には、該当する操作入力情報をもともと操作入力されていないかのように変更し無効化する。または、不快行為とは認識され難い他の動作の操作入力情報(例えば、挑発代替動作の操作入力情報)に変更する。
【0081】
仮想カメラ設定変更部220は、標準時には自キャラクタと他キャラクタとを画角内に写し、且つそれらにピントが合うように撮影位置や、視線方向、画角、ピント位置などの設定が自動設定されるところを一時的に強制変更して、自キャラクタへの不快行為が撮影されないようにする。具体的には、ダウン演出の間、視線方向を自キャラクタ外へ向ける、自キャラクタの特定部位を極端にクローズアップするように画角を変更する、ピント位置を速やかに変更して自キャラクタをピント外にするように設定を変更する、といった仮想カメラの設定変更を行う。
【0082】
ダミー配置部222は、ダウン演出の間の代用被写体としてオリジナルの自キャラクタ4のダミー4bをゲーム空間5、又はゲーム空間5とは切り離されたダミーゲーム空間5bに配置する制御をする。尚、ダミー配置部222によりダミー4bが配置された場合には、仮想カメラ設定変更部220は、ダミー4bを被写体とするように仮想カメラの設定を変更する。
【0083】
演出動画再生制御部224は、ダウン演出の間、所定の演出動画を自画面用の仮想カメラで撮影したゲーム空間画像に代えて再生するように画像生成の制御を切り換える。
【0084】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0085】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1410がこれに該当する。
【0086】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0087】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
本実施形態では、図1の第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408がこれに該当する。
【0088】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0089】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0090】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0091】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、携帯型ゲーム装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0092】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、ステージ初期設定データ504と、キャラクタ初期設定データ506と、不快行為辞書データ530と、演出動画ライブラリ540とが記憶されている。また、ゲームの準備や進行に伴って随時生成や更新が行われるデータとして、プレイデータ550と、プレイ履歴データ580とが記憶される。更に、ゲームの進行に係る処理を実行するにあたり必要となるデータ(例えば、タイマー値やカウンタ)なども適宜記憶されるものとする。
【0093】
ステージ初期設定データ504は、対戦する舞台を表示させるためのデータを格納する。本実施形態では、3DCGでゲーム画像を生成するので、仮想3次元空間にゲーム空間5或いはダミーゲーム空間5bを形成するための各種オブジェクトのモデルデータやテクスチャデータ、配置位置データなどを格納する。
【0094】
キャラクタ初期設定データ506は、対戦ゲームで自キャラクタ4として選択できるキャラクタの各種設定データを格納する。
例えば、図8に示すように、キャラクタ初期設定データ506は、選択できるキャラクタ毎にデータセット508を格納する。一つのデータセット508には、キャラクタID510と、モデルデータ512と、テクスチャデータ514と、モーションデータライブラリ516と、挑発台詞データ518とが含まれる。
【0095】
モーションデータライブラリ516は、当該キャラクタの各種動作のモーションデータを格納する。本実施形態では挑発動作及び挑発発言は予め用意された固有の行為なので、挑発動作の操作入力コマンド(図中の操作入力コマンド103)と対応づけられた挑発モーションと、挑発発言の操作入力コマンドに対応づけられた発言モーションとが含まれる。発言モーションは、例えば体は動かさずに口元だけの動作となる。また、本実施形態のモーションデータライブラリ516には、挑発代替動作の操作入力コマンド(図中の操作入力コマンド105)に対応づけられた挑発代替モーションが用意されている。また、操作入力コマンドとの対応づけは無いが、ダウン動作を実現するダウンモーションが用意されている。
【0096】
挑発台詞データ518は、挑発発言の操作入力コマンドが入力された場合に、画面表示されるテキストや再生される台詞音声データである。
【0097】
不快行為辞書データ530は、不快行為と認識される可能性のある動作及び動作の組み合わせの操作入力情報を定義するデータを格納する。つまり、不快行為操作条件に該当する操作入力情報を定義する。
【0098】
例えば、図9に示すように、不快行為辞書データ530は、プレーヤが選択できるキャラクタ毎に辞書セット536を含む。一つの辞書セット536は、当該辞書セットが適用されるキャラクタを指定する適用キャラクタID538と対応づけて、不快行為と認識される動作及び動作の組み合わせを定義する操作入力情報、つまり時系列に並べられた操作入力コマンド群の情報を複数種類格納する。例えば、一箇所で連続して繰り返される旋回動作や連続して繰り返される屈伸動作などのパターンが定義される。
不快行為辞書データ530は、ゲーム製作者側が予め用意する情報としても良いし、別途専用の編集画面でプレーヤ自身が追加や変更を施す事ができるようにして、プレイ履歴データ580内にプレーヤ個別の辞書データとして格納する構成としても良い。
【0099】
演出動画ライブラリ540は、ゲーム開始前、ゲーム中、ゲーム終了時などに挿入される各種演出用の動画データを格納する。特に本実施形態では、プレーヤが選択できるキャラクタ毎にプレイ続行不可通知演出動画データ542が用意されており、ダウン演出中に不快行為と認識された場合に、当該動画データが読み出されて再生される。
【0100】
プレイデータ550は、今回の対戦を実行する為のデータ及びゲームの進行状態を定義する各種データを格納する。
例えば、図10に示すように、本実施形態のプレイデータ550は、不快行為フィルタ設定552と、自キャラクタID554と、自キャラクタ操作入力ログ556と、自キャラクタ動作制御データ558と、自キャラクタライフポイント560とを格納する。
【0101】
不快行為フィルタ設定552は、不快行為フィルタの設定の有無、すなわち不快行為実行の許可/不許可を示すフラグである。
また、プレーヤがゲーム開始前に自キャラクタとして選択したキャラクタの識別情報が自キャラクタID554に格納され、操作入力部100へ為した操作入力は時系列に自キャラクタ操作入力ログ556として一定時間分常に記憶される。そして、自キャラクタ動作制御データ558は、ゲーム中に自キャラクタ4を動作制御するための各種モーションの制御情報を格納する。
【0102】
また、本実施形態におけるプレイデータ550は、対戦相手となる他キャラクタ2に関する情報として、他ゲーム装置アドレス562と、他キャラクタID564と、他キャラクタ最新操作入力情報566と、他キャラクタ操作入力ログ568と、他キャラクタ動作制御データ570と、他キャラクタライフポイント572とを格納する。
【0103】
他ゲーム装置アドレス562は、他ゲーム装置1400Aを特定するための情報である。例えばIPアドレスなどが格納される。他キャラクタID564は、他キャラクタ2として使用されるキャラクタの識別情報を格納する。他ゲーム装置アドレス562と、他キャラクタID564については、ゲーム開始前のマッチング処理においてゲーム装置同士の通信確立の段階で取得・交換される。
【0104】
他キャラクタ最新操作入力情報566は、他ゲーム装置から受信した最新の操作入力情報を格納する。過去に受信した操作入力情報は、一定時間分他キャラクタ操作入力ログ568として記憶されている。
他キャラクタ動作制御データ570は、ゲーム中に他キャラクタ2を動作制御するための各種モーションの制御情報を格納する。
【0105】
また、プレイデータ550は、自画面用の仮想カメラの撮影に関する諸設定値(配置位置座標、視線方向、撮影画角、絞り、ピント位置など)を格納する仮想カメラ設定データ574を含む。
【0106】
プレイ履歴データ580は、プレーヤ別に用意され、プレーヤの個人情報並びに過去のプレイ結果に関する情報を格納する。例えば図11に示すように、プレーヤID582と対応づけて、所属チームID584や、プレーヤの技量を示す一つのパラメータであるランク586、対戦履歴データ588、前回不快行為フィルタ設定590を格納する。プレーヤの個人情報として、年齢、性別なども含めることができる。
【0107】
プレーヤID582は、本実施形態のゲームを初めてプレイする際に、ゲーム開始前に用意される識別情報である。プレーヤ自身が設定するプレーヤ名や、プレーヤの登録を別途ゲーム管理者が管理する場合には、同管理者より与えられる固有の番号がこれに該当する。
所属チームID584は、当該プレーヤが所属する友好関係グループの識別情報である。プレーヤが任意に設定することができる。
ランク586は、プレイ回数や対戦成績などに基づいて自動的に設定されるパラメータであり、プレーヤ技量や戦績を現す公知のランク、階級、プレイレベルなどの情報に相当する。
【0108】
対戦履歴データ588は、過去に対戦した他プレーヤ毎に、他プレーヤに関する情報や、成績情報を格納する。例えば、他プレーヤID588aと対応づけて、当該他プレーヤの所属チームID588bやランク588c、当該他プレーヤとの対戦成績588dなどの情報を格納する。
【0109】
他プレーヤID588a、所属チームID588b、ランク588cは、マッチング処理において取得される。通算対戦成績588dは、勝敗数でも良いし、グランプリの順位履歴や合計獲得ポイント、決め技の履歴等でも良い。
【0110】
尚、公知のオンラインゲームにおける友人登録機能と同様の機能をゲーム演算部210にて実現する場合には、対戦履歴データ588に、フレンドフラグ588eを含めることができる。フレンドフラグ588eは、プレーヤ自身が友好プレーヤと認定した証のフラグであってプレーヤが任意に設定することができる。
【0111】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における携帯ゲーム装置1400の処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理の流れは、処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。尚、ゲーム音の出力に関する記述は省略するが、公知のビデオゲームと同様に適宜ゲーム音を再生制御するものとする。
【0112】
図12は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここでは、1回の戦闘で勝敗が決定しゲームが終了する構成を前提に説明する。
【0113】
処理部200は先ず、プレーヤ登録処理を実行する(ステップS2)。プレーヤ登録処理は、公知の通信対戦ゲームにおけるプレーヤ登録に関する設定処理と同様に実現すると良い。例えば、プレイ履歴データ580が記憶部500に無ければ、所定の入力画面を表示させて、プレーヤにプレーヤIDと所属チームIDとを入力させる。
処理部200は、これらの入力結果に基づいて、記憶部500に新たなプレイ履歴データ580を記憶させる。この際、ランク586は所定の初期ランクとし、前回不快行為フィルタ設定590は後述する自動デフォルト設定により決定される。尚、既存のプレイ履歴データ580が有る場合にはこうした新規登録に関する処理はスキップすることができる。
【0114】
次いで処理部200は、同じゲームプログラムが実行されている対戦相手となる他プレーヤが使用する他ゲーム装置1400Aと無線通信モジュール1412を使用してアドホック接続する(ステップS4)。
そして、相互のアドレスと、プレーヤIDや所属チームID及びランクと言ったプレーヤ情報を交換する(ステップS6)。処理部200は、記憶部500に今回のプレイデータ550を生成し、受信したアドレスを他ゲーム装置アドレス562として登録する。また、ここで取得した他プレーヤのプレーヤIDや所属チームID及びランク等の情報は、プレイ履歴データ580の対戦履歴データ588に重複する登録情報が無ければ、他プレーヤID、所属チームID及びランクを対応づけて新規登録する。
【0115】
次に、処理部200は公知の対戦ゲームにおける使用キャラクタの選択処理と同様にして、自キャラクタ4の選択処理を実行する(ステップS8)。処理部200は記憶部500に今回のプレイデータ550を新たに生成し、選択結果に応じて自キャラクタID554を設定する。そして、他機と相互の自キャラクタIDを交換する(ステップS10)。この際、他機から受信したキャラクタIDは、プレイデータ550の他キャラクタID564として登録される。
そして、処理部200は、不快行為フィルタ自動設定処理を実行する(ステップS12)。
【0116】
図13は、本実施形態における不快行為フィルタ自動設定処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理では先ず、処理部200はプレイデータ550の他キャラクタID564と、プレーヤ履歴データ580の対戦履歴データ588とを参照して、今回対戦する他プレーヤが友好プレーヤとして登録されているかを判定する(ステップS18)。フレンドフラグ588eが「1」に設定されていれば(ステップS18のYES)、他プレーヤは友人と認められるので、処理部200はプレイデータ550の不快行為フィルタ設定552を「無」にデフォルト設定する(ステップS30)。
【0117】
友好プレーヤとして登録されていなければ(ステップS18のNO)、処理部200は次いでプレイ履歴データ580の所属チームID584と、対戦履歴データ588に登録されている今回の対戦相手である他プレーヤの所属チームID588bとを照合し、他プレーヤが自プレーヤと同チームに所属するかを判定する(ステップS20)。
【0118】
同チームに所属していれば(ステップS20のYES)、処理部200は自プレーヤと他プレーヤは友好関係に有り、初対面同士では不快行為と解される可能性のある行為でもゲームを盛り上げる要素の一つと見なされ得ると判断して、プレイデータ550の不快行為フィルタ設定552を「無」に設定する(ステップS30)。
【0119】
もし所属チームが異なれば(ステップS20のNO)、処理部200は更に対戦履歴データ588の対戦成績588dを参照して、自プレーヤと今回対戦する他プレーヤとの対戦回数が所定の基準値以上であるかを判定する(ステップS22)。
対戦回数が基準値以上であれば(ステップS22のYES)、処理部200は自プレーヤと他プレーヤとが互いに異なるチームに属している関係でも、お互いのプレイスタイルを十分知った上で許容し何度もゲームを楽しむ仲であると見なす。そして、初対面同士では不快行為と解される可能性のある行為でもゲームを盛り上げる要素の一つと見なし得ると判断して、今回の不快行為フィルタの設定を「無」にデフォルト設定する(ステップS30)。
【0120】
もし、対戦回数も基準値に満たなければ(ステップS22のNO)、処理部200は次いでプレイ履歴データ580のランク586を参照して、自プレーヤのランクが所定の上級ランクに達しているかを判定する(ステップS24)。
処理部200は、自プレーヤが上級ランクであれば、不快行為と解される可能性のある行為でもゲームを盛り上げる要素の一つとして許容する度量がある可能性が高いと判断して、今回の不快行為フィルタ設定552を「無」に設定する(ステップS30)。
【0121】
もし、自プレーヤのランクが上級ランクに該当しなければ(ステップS24のNO)、処理部200は更にプレイ履歴データ580の前回不快行為フィルタ設定590を参照する(ステップS26)。
そして、前回不快行為フィルタ設定598が「無」ならば(ステップS26のYES)、今回の不快行為フィルタ設定552を同じく「無」に設定する(ステップS30)。もし「有」ならば(ステップS26のNO)、不快行為フィルタ設定552を「有」にデフォルト設定する(ステップS32)。
【0122】
次に、処理部200は今回の不快行為フィルタ設定552の現在の設定(デフォルト設定)を画面表示するとともに、同フィルタの設定をプレーヤがデフォルトのままにするか、設定を変更するかを選択可能に画面表示する(ステップS34)。そして、プレーヤの選択操作に従ってプレイデータ550の不快行為フィルタ設定552の設定を決め(ステップS36)、不快行為フィルタ自動設定処理を終了する。
【0123】
尚、不快行為フィルタ自動設定処理で、設定を決めるためのパラメータはここで説明したフレンドフラグや所属チーム、対戦成績、ランクなどに限らず適宜設定できる。例えば、自プレーヤの年齢が基準値に満たない場合にはデフォルトを「有」とすることができる。また、ペアレンタルコードやペアレンタルロックが設定されている場合に、デフォルトを「有」とし、ステップS34〜S36をスキップする構成としても良い。
【0124】
また、1対多のサバイバル形式や、多対多のチーム対戦形式のゲームの場合には、ステップS18〜S22の判定基準とする他プレーヤの数は適宜設定可能であるが、確実に不快行為を防ぐ観点からすると、全ての他プレーヤがそれら各ステップにおける判定条件を満たす場合にのみ「YES」に分岐して不快行為フィルタを「無」にする構成が望ましい。
【0125】
不快行為フィルタ自動設定処理を終了したならば、図12のフローチャートに戻って、処理部200は次にステージ初期設定データ504を参照して3次元仮想空間内に対戦のステージとなるゲーム空間を形成し、キャラクタ初期設定データ506を参照して自キャラクタと他キャラクタのモデルとを初期位置に配置する(ステップS40)。
そして、自画面用仮想カメラを配置し、自キャラクタが常にゲーム画面内に写るように視線方向及び画角の自動制御を開始する(ステップS42)。これまでの処理で、ゲームを開始するための前作業が終了したことになる。
【0126】
ゲームを開始すると(ステップS44)、処理部200は、自機における操作入力に基づく操作入力情報をプレイデータ550の自キャラクタ操作入力ログ556に一定時間分記憶するとともに、操作入力情報を他機に送信する(ステップS46)。
また、他機から送信された操作入力情報を受信して、プレイデータ550の他キャラクタ最新操作入力情報566に格納するとともに、他キャラクタ操作入力ログ568に追加する(ステップS48)。
【0127】
ここで、自キャラクタがまだ戦闘継続可能な状態であれば(ステップS50のYES)、処理部200は第1不快行為フィルタ処理を実行する(ステップS52)。
【0128】
図14は、本実施形態における第1不快行為フィルタ処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理では、プレイデータ550の不快行為フィルタ設定552が「有」に設定されている場合(ステップS60のYES)、処理部200は他キャラクタ最新操作入力情報566と他キャラクタ操作入力ログ568とを対象に、不快行為辞書データ530に定義されている入力パターンとの照合処理を実行する(ステップS62)。
【0129】
そして、不快行為に該当する操作入力情報が検出され(ステップS64のYES)、且つそれが所定の「挑発動作」に該当する場合には(ステップS66のYES)、処理部200は他キャラクタ最新操作入力情報566及び他キャラクタ操作入力ログ568の該当操作入力情報を、所定の「挑発代替動作」の操作入力情報に置換して(ステップS68)、第1不快行為フィルタ処理を終了する。
【0130】
また、検出された不快行為に該当する操作入力情報が「挑発発言」や、屈伸の繰り返しなど所定の挑発動作以外の単独動作又は組み合わせ動作で有る場合(ステップS66のNO)、他キャラクタ最新操作入力情報566及び他キャラクタ操作入力ログ568の該当操作入力情報を、例えば、何も操作入力されていない状態として無効化し(ステップS70)、第1不快行為フィルタ処理を終了する。
【0131】
尚、そもそも不快行為フィルタ設定552が「無」の場合や(ステップS60のNO)、ステップS64において照合処理の結果、不快行為の操作入力情報が検出されなかった場合には(ステップS64のNO)、受信した操作入力情報の置換や無効化の処理は行わないで、第1不快行為フィルタ処理を終了する。
【0132】
第1不快行為フィルタ処理を終了したならば図12のフローチャートに戻って、処理部200は次に、各キャラクタを動作制御する(ステップS80)。具体的には、自キャラクタについては、自キャラクタ操作入力ログ556に格納された操作入力情報のうち、最新の操作入力情報に基づいて動作制御する。他キャラクタについては、戦闘継続可能であれば他キャラクタ最新操作入力情報566に基づいて動作制御し、他キャラクタライフポイント572が「0」に達し、戦闘継続不可と判断されれば所定のダウン動作をするように動作制御する。
そして、処理部200は動作制御に基づくダメージ処理を実行する(ステップS82)。ダメージ処理では、ヒット判定とダメージ量の算出、ダメージを受けるキャラクタのライフポイントからのダメージ量の減算処理が行われる。
【0133】
そして、処理部200はゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS124)。本実施形態では、自キャラクタ4と他キャラクタ2との一対一の対戦ゲームであるので、何れかライフポイントが「0」になったキャラクタが負けと見なされ、且つ当該キャラクタのダウン動作が終了したならばゲーム終了条件を満たすと判定する。
【0134】
少なくとも何れのキャラクタもライフポイントが「0」になっていなければ、ゲーム終了条件は満たさず(ステップS124のNO)、ステップS46に移行する。
【0135】
ゲームが進行してダメージが発生し、自キャラクタライフポイント560が「0」になり戦闘継続不可の状態に至った場合には(ステップS50のNO)、処理部200は第2不快行為フィルタ処理を実行する(ステップS84)。
【0136】
図15は、本実施形態における第2不快行為フィルタ処理の流れを説明するためのフローチャートである。この処理では、不快行為フィルタ設定552がフィルタ「有」に設定されている場合(ステップS90のYES)、処理部200は先ず乱数を用いた公知のランダム抽選により第1〜第4の何れかのフィルタタイプを選択する(ステップS92)。ここで言うフィルタタイプとは、第1タイプが図4で説明した不快行為フィルタの機能に該当し、第2タイプが図5で説明した不快行為フィルタの機能に該当する。そして、第3と第4タイプが図6で説明した機能該当する。
【0137】
第1タイプが選択された場合には(ステップS94のYES)、処理部200は、自画面用仮想カメラの撮影位置や撮影画角などの標準設定を、自キャラクタに対して他キャラクタが不快行為を行ってもその様子がゲーム画面に写らない設定に変更する(ステップS96)。より具体的には、(1)同じゲーム空間内で自キャラクタ4も他キャラクタ2も写らない方向に仮想カメラの視線方向を変更する、(2)別のダミー空間に自キャラクタ4のダミー4bを配置してダウン動作させるとともに、当該ダミーを撮影するように仮想カメラを変更する、(3)自キャラクタ4及び他キャラクタ2の様子が分からないようにピント位置を変更する、の何れかをランダムに選択して実行する。
尚、変更後の視線方向は、自キャラクタ4に対して他キャラクタ2が不快行為を行ってもその様子がゲーム画面に写らなければ自キャラクタ4の一部を視界に含めるように設定することもできる。例えば、自キャラクタ4の顔のアップを写すように視界方向及び画角を設定する事ができる。或いは、ピントを速やかにずらして不快行為が行われていてもそれが認識できないようにぼかすように設定することもできる。
【0138】
第2タイプが選択された場合には(ステップS98のYES)、処理部200は、自画面用仮想カメラで撮影したゲーム空間画像に代えて、ゲーム続行不可通知演出動画データ542を再生・表示させ(ステップS100)、第2不快行為フィルタ処理を終了する。
【0139】
第3タイプが選択された場合には(ステップS102のYES)、処理部200は、他キャラクタ最新操作入力情報566に格納されている操作入力情報を何も操作入力されていない値に変更し受信した操作入力情報を無効化する(ステップS104)。
【0140】
また、第4タイプが選択された場合には(ステップS106のYES)、処理部200は他キャラクタ最新操作入力情報566と他キャラクタ操作入力ログ568とを対象に、不快行為辞書データ530に定義されている入力パターンとの照合処理を実行する(ステップS108)。そして、不快行為に該当する操作入力情報が検出され(ステップS110のYES)、且つそれが所定の「挑発動作」に該当する場合には(ステップS112のYES)、処理部200は他キャラクタ最新操作入力情報566及び他キャラクタ操作入力ログ568の該当操作入力情報を、所定の「挑発代替動作」の操作入力情報に置換して(ステップS114)、第2不快行為フィルタ処理を終了する。
【0141】
また、検出された不快行為に該当する操作入力情報が「挑発発言」や、屈伸の繰り返しなど所定の「挑発動作」以外の単独動作又は組み合わせ動作の場合(ステップS112のNO)、他キャラクタ最新操作入力情報566に格納されている操作入力情報を、自キャラクタのダウン動作終了まで無効化して(ステップS116)、第2不快行為フィルタ処理を終了する。
【0142】
一方、そもそも不快行為フィルタ設定552が「無」の場合や(ステップS90のNO)、ステップS110において照合処理の結果、不快行為に該当する操作入力が検出されなかった場合には(ステップS110のNO)、受信した操作入力情報の置換や無効化の処理は行わないで、第2不快行為フィルタ処理を終了する。
【0143】
尚、第2不快行為フィルタ処理において選択可能なフィルタタイプは、前述の4タイプに限らず適宜追加、或いは省略することができる。例えば、第1〜第4タイプの何れかのみとしても良い。
【0144】
第2不快行為フィルタ処理を終了したならば、図12のフローチャートに戻って、処理部200は第2不快行為フィルタ処理により無効化や置換された他キャラクタ2を他キャラクタ最新操作入力情報566に応じて他キャラク2タの動作を制御する(ステップS120)。第2不快行為フィルタ処理において、第2タイプが選択されている場合には、自画面用仮想カメラで撮影したゲーム空間画像に代えて所定の動画が自キャラクタ4のダウン動作所要時間と同時間だけ再生処理される。一方、自キャラクタ4については、ライフポイントが「0」になって戦闘不能になる所定のダウン動作をするように動作制御する(ステップS122)。
【0145】
次いで、処理部200はゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS124)。自キャラクタ4のダウン動作が終了すれば本実施形態ではゲーム終了条件を満たすと判定し(ステップS124のYES)、自キャラクタ4の勝敗に応じてゲーム画面に勝利又は敗退を告げるテキストを表示させるなどして勝敗宣言処理を実行する(ステップS126)。
そして、処理部200はプレイ履歴データ580を更新し(ステップS128)、一連の処理を終了する。プレイ履歴データ580の更新に際しては、プレイ結果に応じて公知の対戦ゲームと同様にプレーヤの技量を示すランク586が自動設定・変更設定される。また、対戦履歴データ588が更新される。
【0146】
以上、本実施形態によれば、プレーヤがゲーム開始前に自身が不快行為フィルタの設定を「有」にすれば、ゲームの仕様として用意されている「挑発動作」や「挑発発言」を行う旨の操作入力を他プレーヤが他ゲーム装置1400Aで入力したとしても、自ゲーム装置1400Bでは実行されないようにできる。よって、挑発動作や挑発発言を不快に思うプレーヤと、対戦ゲームを盛り上げる要素として肯定的にとらえるプレーヤとが対戦プレイしても、お互いに不快な思いをすることなく対戦ゲームを楽しむ事ができるようになる。
【0147】
しかも、不快行為フィルタが設定「有」の場合、「挑発動作」はヒット判定領域の形状や大きさがほぼ同じように調整された「挑発代替動作」に置き換えられるので、他ゲーム装置1400Aで「挑発動作」、自ゲーム装置1400Bで「挑発代替動作」がそれぞれ行われている間の攻撃も双方同じヒット判定結果となるので、双方でゲーム世界のズレが生じる事は無い。
【0148】
また、勝敗決定後の行動不能になったキャラクタへの追い撃ち攻撃や、当該キャラクタへの干渉、当該キャラクタ周辺でのアピール行為についても、不快行為フィルタの設定を「有」にすることにより同様に自機のゲーム画面としては表示されないことになる。
【0149】
尚、本実施形態では、ゲーム装置とするコンピュータの例として携帯型ゲーム装置を挙げたが、据置型家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置、ゲームプログラムをアプリケーションとして実行可能な携帯電話やパソコン、カーナビ、シリコンオーディオプレーヤなどであっても良い。
【0150】
例えば、図16に示すように、ゲームセンターなどに設置された複数の業務用ゲーム装置1300(1300(1)〜1300(n):nは自然数で台数を示す)が、店舗内ローカルネットワーク等の通信回線1を介してゲームサーバ装置1100に接続されていて、対戦希望者を店舗内や他店の同型機同士でマッチングさせて対戦ゲームを実行させるシステム構成とすることができる。
【0151】
業務用ゲーム装置1300は、ゲーム装置本体1301に、(1)プレーヤが各種操作入力をするためのジョイスティック1306や複数のプッシュスイッチ1308といった入力デバイスが設けられた操作台1304と、(2)ゲーム画像を表示させるための液晶パネルディスプレイやCRTといった画像表示装置1322と、(3)スピーカ1324と、携行型の情報記憶媒体であるゲームカード1360からのデータ読み出しや書き込みをするゲームカードリーダライター1330と、(4)コインカウンタ1340と、(5)制御ユニット1310と、図示されない電源装置とを備えて構成される。
【0152】
制御ユニット1310は、第1実施形態の制御ユニット1450に相当し、通信回線1と有線又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信を実現する通信装置1312を備える。そして、制御ユニット1310は、搭載されているICメモリなどの記憶装置に記憶されているシステムプログラムやゲームプログラムを読み出して演算処理して業務用ゲーム装置1300の各部を制御する。
【0153】
業務用ゲーム装置1300で対戦ゲームをプレイするためには、プレーヤは公知の通信対戦型の業務用ゲーム装置と同様に、事前にプレーヤ登録してプレーヤ情報(例えば、ハンドルネームなどのプレーヤIDや、使用するキャラクタの種類など)を記憶したゲームカード1360を入手する構成とすることができる。ゲームプレイに際しては、業務用ゲーム装置1300のゲームカードリーダライター1330にこれを差し込み、記憶されているプレーヤ情報を読み取らせる必要がある。プレーヤ登録及びゲームカード1360の発行は、公知のように別途専用の登録装置を設けて行うとしても良いし、業務用ゲーム装置1300が行うとしても良い。尚、プレーヤ登録情報は、ゲームサーバ装置1100にて記憶・管理される。
【0154】
こうしたシステム構成においては、業務用ゲーム装置1300を携帯型ゲーム装置1400と同様に機能させることで本発明を適用することができる。その際、プレイ履歴データ580をゲームサーバ装置1100で一元的に記憶・管理処理させる構成としても良いし、ゲームカード1360に記憶させる構成とすることもできる。
【0155】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態として、不快行為に該当する操作入力情報の変更に関する処理の実行主体をプレーヤが使用するゲーム装置外のコンピュータとする例について説明する。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与してその詳細な説明は省略し、主に第1実施形態との差異について説明するものとする。
【0156】
本実施形態は、図16で示したのと同様のシステム構成を有する。ゲームサーバ装置1100は、基本的なハードウェア構成及びシステムプログラムの構成は、公知のサーバ装置と同様に実現される。そして、ゲームサーバ装置1100は、マッチング処理と、マッチングさせた業務用ゲーム装置1300それぞれから一端操作入力情報を受信し、不快行為フィルタの設定を「有」にした装置へは受信した操作入力信号に対して不快行為フィルタ処理を実行してから配信し、不快行為フィルタの設定を「無」にした装置へは受信した操作入力信号をそのまま配信する。つまり、不快行為に該当する操作入力情報の変更に関する処理の実行主体はゲームサーバ装置1100とされる。
【0157】
図17は、本実施形態におけるゲームサーバ装置1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。ゲームサーバ装置1100は、操作入力部100と、処理部200sと、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0158】
処理部200sは、第1実施形態の処理部200に相当する。例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む業務用ゲーム装置1300の各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、ゲームサーバ装置1100の動作を制御する。
【0159】
そして、処理部200sは、所謂ゲームサーバ装置としてユーザ登録機能やマッチング処理、各種操作入力情報の送受信に関する各種処理を実行するゲームサーバ演算部211を含む。具体的には、ゲームサーバ演算部211は、マッチング処理部202と、不快行為実行設定管理部213と、不快行為フィルタ処理部214と、配信用操作入力情報生成部230と、サーバのオペレーション用の各種画像を生成し画像表示部360に表示させる画像生成部260と、通信部370を介して業務用ゲーム装置1300とデータ通信を実現するための処理を実行する通信制御部270とを含む。
【0160】
マッチング処理部202は、一つの対戦ゲームに同時参加する業務用ゲーム装置1300同士を組み合わせる所謂マッチングに関する処理を実行する。
【0161】
不快行為実行設定管理部213は、ゲーム開始前に各業務用ゲーム装置1300から不快行為フィルタの設定結果情報を受信し、記憶部500にてゲーム毎に用意されるプレイデータ600に格納する。
【0162】
本実施形態ではゲームサーバ装置1100が操作入力情報の変更の主体となるので、不快行為フィルタ処理部214は、不快行為操作入力判定部216と、操作入力情報変更部218とを含む。但し、本実施形態の不快行為操作入力判定部216及び操作入力情報変更部218は、処理対象をマッチングされた業務用ゲーム装置1300から受信した操作入力情報とする。
【0163】
配信用操作入力情報生成部230は、対戦それぞれにおいてマッチングされた全業務用ゲーム装置1300における操作入力情報を含んだ配信用情報として、フィルタ処理無しの配信用操作入力情報と、フィルタ処理有りの配信用操作入力情報とを生成する。これらは、記憶部500のプレイデータ600内に一時的に生成され、配信に供される。
【0164】
また、ゲームサーバ装置1100の記憶部500には、サーバシステムプログラム503とゲームサーバプログラム505と、不快行為辞書データ530と、プレイデータ600と、プレイ履歴データ580とが記憶される。
【0165】
サーバシステムプログラム503は、処理部200にサーバ装置としての基本的な入出力及び演算処理機能を実現させるためのプログラムである。ゲームサーバプログラム505は、処理部200にゲームサーバ演算部211としての機能を実現させる為のプログラムである。
【0166】
ゲームサーバ装置1100におけるプレイデータ600は、マッチングされて実行されている対戦毎に用意され、それぞれの対戦に参加する業務用ゲーム装置1300に関する情報や、それらから受信したり反対に配信する操作入力情報を格納する。
例えば、図18に示すように、プレイデータ600は、マッチングデータ602と、受信操作入力情報604と、フィルタ処理無し配信用操作入力情報606と、フィルタ処理有り配信用操作入力情報608とを格納する。
【0167】
マッチングデータ602は、マッチングされた業務用ゲーム装置1300毎のアドレス602aと対応づけて、プレーヤID602bと、ゲームで使用されるキャラクタのキャラクタID602cと、不快行為フィルタ設定602dとを格納する。
【0168】
受信操作入力情報604は、マッチングされた業務用ゲーム装置1300毎のアドレス604aと対応づけて、最新操作入力情報604bと、過去所定時間分の操作入力の履歴に当たる操作入力ログ604cとを格納する。
【0169】
フィルタ処理無し配信用操作入力情報606と、フィルタ処理有り配信用操作入力情報608は、共に最新操作入力情報604bに基づいて生成された配信用の操作入力情報のセットである。前者は、最新操作入力情報604bそのままが組み合わされて生成されているが、後者は不快行為フィルタ処理され不快行為の操作入力に該当する操作入力情報が無効化や他動作の操作入力情報へ置換された結果の操作入力情報が生成されている。
【0170】
図19は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。業務用ゲーム装置1300の処理部200は、第1実施形態のゲーム演算部210に相当するゲーム演算部210Cに、不快行為実行設定部212Cを備える。
【0171】
不快行為実行設定部212Cは、第1実施形態の不快行為実行設定部212に相当し、ゲーム開始前に所定の選択画面を表示させて今回のゲームプレイにおける不快行為フィルタの設定をプレーヤに入力させる。選択結果は、記憶部500のプレイデータ550Cに格納させるとともに、通信制御部270及び通信部370を介してゲームサーバ装置1100へ送信させる。
【0172】
また、業務用ゲーム装置1300の不快行為フィルタ処理部214は、操作入力情報の変更処理に係る機能部は省略され、仮想カメラ設定変更部220と、ダミー配置部222と、演出動画再生制御部224とが含まれている。
【0173】
業務用ゲーム装置1300の記憶部500には、システムプログラム501と、処理部200をゲーム演算部210Cとして機能させるためのゲームプログラム502Cと、ステージ初期設定データ504と、キャラクタ初期設定データ506と、演出動画ライブラリ540とを予め記憶し、ゲーム開始とともにプレイデータ550Cを生成し一時的に記憶する。
【0174】
プレイデータ550Cは、例えば図20に示すように、基本的には第1実施形態におけるプレイデータ550と同様の情報を格納するが、第1実施形態の他キャラクタ最新操作入力情報566に代えて、ゲームサーバ装置1100から送信された最新の操作入力情報を格納する最新受信操作入力情報561を格納する。尚、他キャラクタが複数の場合には、他キャラクタ毎に他キャラクタ制御データセット563を構成すると良い。
【0175】
図21は、本実施形態におけるゲームサーバ装置1100における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ゲームサーバ装置1100は、先ず公知のオンラインゲームと同様にして、対戦ゲームに参加するプレーヤの受付とマッチング処理を実行する(ステップS202)。マッチング処理では、記憶部500にプレイデータ600を生成し、マッチングデータ602に業務用ゲーム装置1300のアドレス602aとプレーヤID602b等の情報を登録する。
【0176】
次に、ゲームサーバ装置1100は各業務用ゲーム装置1300で選択された使用キャラクタの選択結果を受信してプレイデータ600のキャラクタID602cに登録するとともに、全業務用ゲーム装置1300へ選択結果を配信する(ステップS204)。
更に、各プレーヤが選択した不快行為フィルタの設定結果を受信し、不快行為フィルタ設定602dとして登録する(ステップS206)。
【0177】
そして、マッチングさせた全業務用ゲーム装置1300へ、参加する全プレーヤのプレーヤID、所属チームID、ランクなどの情報と、各プレーヤが使用するキャラクタIDなどの設定情報を配信する(ステップS208)。
【0178】
ゲームを開始したならば(ステップS212)、ゲームサーバ装置1100は各業務用ゲーム装置1300から操作入力情報を受信し、プレイデータ600の受信操作入力情報604にそれぞれの最新操作入力情報604bとして格納するとともに、操作入力ログ604cに追加して更新する(ステップS214)。そして、それら最新操作入力情報604bを元にフィルタ無し配信用操作入力情報606を生成する(ステップS216)。
【0179】
次いで、ゲームサーバ装置1100はプレイデータ600の全ての最新操作入力情報604bを不快行為辞書データ530に基づいて検査し、第1実施形態と同様にして不快行為の操作入力情報に該当する最新操作入力情報604bを無効化又は不快行為に該当しない操作入力情報に置換処理する(ステップS218)。そして、無効化や置換により変更された最新操作入力情報604bを元にフィルタ有り配信用操作入力情報608を生成する(ステップS220)。
【0180】
次いで、ゲームサーバ装置1100は、ステップS206で受信した各業務用ゲーム装置1300における不快行為フィルタ設定に応じて、生成したフィルタ無し配信用操作入力情報606又はフィルタ有り配信用操作入力情報608を個別配信する(ステップS222)。
【0181】
ゲームサーバ装置1100は、ここでゲーム終了条件を満たすか否かを判定する。一対一の対戦ゲームならば、第1実施形態と同様に判定すれば良い。もし、チーム対戦形式の対戦ゲームならば、何れかのチームのキャラクタが全員行動不能になった場合や、チーム旗が奪取された場合、チーム拠点が破壊された場合等のゲーム終了条件を満たす状況となった場合にゲーム終了と判定する。
【0182】
そして、ゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS224のNO)、ステップS214に移行する。もし、ゲーム終了条件を満たしていれば(ステップS224のYES)、勝敗の結果を配信し(ステップS226)、本対戦ゲームに参加した全プレーヤのプレイ履歴データ580を更新し(ステップS228)、本対戦ゲームのプレイに関する処理を終了する。
【0183】
図22は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
業務用ゲーム装置1300は、先ずゲームサーバ装置1100にアクセスするとともにプレーヤIDを入力させ、公知のオンラインゲームの参加受付と同様にして参加受付処理をし、ゲームサーバ装置1100によるマッチングを受ける(ステップS302)。
次いで、業務用ゲーム装置1300は、所定のキャラクタ選択画面を表示させて、プレーヤにゲームで使用するキャラクタの選択をさせ、その結果をゲームサーバ装置1100へ送信する(ステップS304)。更に、所定の選択画面を表示させて、プレーヤに不快行為フィルタ設定の有無を選択させ、選択結果をゲームサーバ装置1100へ送信する(ステップS306)。尚、選択されたキャラクタのIDは自キャラクタID554として、不快行為フィルタ設定は、プレイデータ550Cの不快行為フィルタ設定552として格納される。また、ステップS306では、第1実施形態の不快行為フィルタ自動設定処理に置き換える構成としても良い。その場合ステップS18〜S22の判定に必要な情報は別途ゲームサーバ装置1100より取得するものとする。
【0184】
次に、業務用ゲーム装置1300は、ゲームサーバ装置1100から他プレーヤが使用するキャラクタのIDを受信し、プレイデータ550Cの他キャラクタID564として格納する(ステップS308)。これで他キャラクタ2の種類が判明したので、業務用ゲーム装置1300は、仮想3次元空間にステージ初期設定データ504に従ってゲーム空間を形成して自キャラクタ4及び他キャラクタ2を配置し(ステップS310)、自画面用仮想カメラを配置して自キャラクタ4の1人称視点或いは3人称視点として撮影するように自動制御を開始する(ステップS312)。
【0185】
ゲームが開始されたならば(ステップS314)、業務用ゲーム装置1300は自機における新しい操作入力情報を、自キャラクタ操作入力ログ566に追加し更新するとともに、当該最新の操作入力情報をゲームサーバ装置1100へ送信する(ステップS316)。その一方で、フィルタ無し配信用操作入力情報606又はフィルタ有り配信用操作入力情報608を受信し、プレイデータ550Cの最新受信操作入力情報561として格納する(ステップS318)。
【0186】
そして、自キャラクタ4のライフポイントを参照して戦闘継続可能か否かを判定する。戦闘継続可能ならば(ステップS320のYES)、業務用ゲーム装置1300は最新の各操作入力情報に基づいて自キャラクタ4及び他キャラクタ2の動作を制御し(ステップS322)、その動作制御の結果に基づいて各キャラクタについてダメージ処理を実行する(ステップS324)。
【0187】
ステップS318で受信され最新受信操作入力情報561に格納されている他の業務用ゲーム装置1300における操作入力情報は、ゲームサーバ装置1100のステップS222にて、当該業務用ゲーム装置1300における不快行為フィルタ設定に応じてフィルタ無し又はフィルタ有りの配信用操作入力情報が選択されている。よって、不快行為フィルタ設定を「有」にしていれば、当然、受信した操作入力情報には不快行為の操作入力情報は含まれていないことになるので、戦闘中の不快行為は当該業務用ゲーム装置1300では実行されないことになる。
ここで、ゲームの終了条件を満たしていなければ(ステップS340のNO)、ステップS316に移行する。
【0188】
ゲームが進行し、自キャラクタ4が戦闘継続不能になっている場合には(ステップS320のNO)、不快行為フィルタ設定552を参照する。もし不快行為フィルタ設定552が「有」ならば、第1実施形態と同様にして第2不快行為フィルタ処理を実行する(ステップS322)。但し、ここでの第2不快行為フィルタ処理では第3タイプと第4タイプのフィルタタイプは選択対象から除外されるものとする。これにより、仮想カメラの設定が変更するか、所定の動画を仮想カメラが撮影したゲーム空間画像に代えて表示するかして、ダウン演出中における不快行為が表示されるのを回避する。
【0189】
そして、業務用ゲーム装置1300は自キャラクタ4についてダウン動作が実行されていなければ(ステップS334のYES)、自キャラクタ4をダウン動作制御するとともに、他キャラクタ2を最新受信操作入力情報に基づいて動作制御する(ステップS336)。
【0190】
ここでゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS340のNO)、ステップS316に移行する。もし、ゲーム終了条件を満たしていれば(ステップS340のYES)、業務用ゲーム装置1300は、ゲームサーバ装置1100から勝敗結果を受信し(ステップS342)、勝敗宣言処理を実行して(ステップS344)、一連の処理を終了する。
【0191】
[変形例]
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の実施形態はこれに限るものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を加えることができる。
【0192】
例えば、本実施形態では対戦ゲームの例として一対一の格闘ゲームを例にして説明したが、本発明が適用できるゲームのジャンルや参加人数の設定は本実施形態に限る物では無く、適宜設定可能ある。
【0193】
より具体的には、銃撃を攻撃の主体としたFPSやTPSなどのシューティングゲームでも同様に適用できる。この場合、第2不快行為フィルタ処理における視線方向の変更や演出動画の再生による不快行為回避画像の生成は、ダウン状態のキャラクタへ遠方から追い討ち的な銃撃が行われても自ゲーム装置ではその様子が映されないようにできるので好適である。
【0194】
また、本発明が適用可能なゲームは、対戦ゲームとして販売・頒布されている形態に限らず、例えば多人数同時参加型オンラインゲームの一機能としてゲーム内の訓練やトーナメント、ミニゲームとして対戦ゲームが可能な構成であれば、その部分的な対戦ゲームに本発明を適用することができる。
【0195】
また、ゲームへの参加人数については、複数のキャラクタが一つのゲーム空間で1対多で対戦するサバイバルゲームや、複数のキャラクタでチームを形成して対戦するチーム対戦のゲームでも良い。
【0196】
また、上記実施形態では「プレーヤによって捉え方が異なり得る特定行為」として、戦闘中における所定の「挑発動作」や「挑発発言」、ダウン動作中のキャラクタへの「追い討ち攻撃」、勝敗決定後の挑発行為所謂「勝ち挑発」、を例に挙げて説明したが、その他の動作や行為を特定行為として設定することができる。例えば、プレーヤによっては自傷行為や過度に卑屈な行為、セクシャルハラスメント、宗教的観点から避けられるべき行為などに捉えられる動作を適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0197】
2 他キャラクタ
4 自キャラクタ
4b (自キャラクタの)ダミー
30、32、34 仮想カメラ
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 不快行為実行設定部
214 不快行為フィルタ処理部
216 不快行為操作入力判定部
218 操作入力情報変更部
220 仮想カメラ設定変更部
222 ダミー配置部
224 演出動画再生制御部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
530 不快行為辞書データ
542 ゲーム続行不可通知演出動画データ
550 プレイデータ
552 不快行為フィルタ設定
580 プレイ履歴データ
1100 ゲームサーバ装置
1400 携帯型ゲーム装置
1410 制御ユニット
1300 業務用ゲーム装置
1310 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他コンピュータから受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段、
前記操作入力判定手段により該当判定された場合に、当該操作入力情報を、前記操作条件に該当しない所定の非該当操作入力情報に変更する操作入力情報変更手段、
前記操作入力判定手段により該当判定されなかった場合には、前記受信した操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御し、該当判定された場合には、前記操作入力情報変更手段により変更された前記非該当操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記操作入力情報変更手段が、前記操作入力判定手段により該当判定された操作入力情報を、当該操作入力情報に従って前記他キャラクタが動作した場合のヒット判定領域のサイズと同等条件を満たす動作制御をさせるための非該当操作入力情報に変更する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
コンピュータに、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他コンピュータから受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段、
前記受信される操作入力情報のうち、前記操作入力判定手段により該当判定された操作入力情報を無効とし、該当判定されなかった操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項4】
前記操作入力判定手段が、不快行為の操作入力として予め定められた不快行為操作条件を前記操作条件として前記判定を行う、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定のゲームは、相手のキャラクタの攻撃を受けたダメージが所定量に達した場合にダウン状態となって勝敗を決する対戦ゲームであり、
前記操作入力判定手段が、前記自キャラクタが前記ダウン状態となった際に前記受信した操作入力情報が、前記操作条件に該当するか否かを判定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する不快行為実行設定手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記他キャラクタ制御手段が、前記不快行為の実行の設定が許可である場合には、前記操作入力判定手段により該当判定される操作入力情報についても、当該操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する、
ように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
コンピュータに、自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他コンピュータから受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御し、所与の仮想カメラに基づくゲーム空間の画像を生成して、相手のキャラクタの攻撃を受けたダメージが所定量に達した場合にダウン状態となって勝敗を決する対戦ゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する不快行為実行設定手段、
前記自キャラクタが前記ダウン状態となった際、前記不快行為実行設定手段により許可と設定されている場合には前記対戦ゲーム実行中の画像生成処理を継続実行し、不許可と設定されている場合には前記他プレーヤの操作入力情報に従って動作制御される前記他キャラクタの様子を画像内に含めない不快行為回避用の所定の回避画像生成処理に切り換えて実行するダウン時画像生成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
前記ダウン時画像生成手段が、前記自キャラクタを撮影範囲外とするよう前記仮想カメラの位置及び/又は視線方向を制御することで前記回避画像生成処理を実行する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記ダウン時画像生成手段が、前記自キャラクタを複製した複製自キャラクタを、ダミーのゲーム空間に配置するダミー配置手段を有し、被写体を前記複製自キャラクタとするよう前記仮想カメラを制御することで前記回避画像生成処理を実行する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記ダウン時画像生成手段が、所定の動画像を再生することで前記回避画像生成処理を実行する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項11】
前記不快行為実行設定手段が、前記自プレーヤの成績情報に基づいて、前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項6〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記不快行為実行設定手段が、前記自プレーヤと前記他プレーヤとのプレイ履歴に基づいて、前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項6〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記自プレーヤの操作に従って前記他プレーヤを友好プレーヤに設定する友好プレーヤ設定手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記不快行為実行設定手段が、前記他プレーヤが前記友好プレーヤに設定されているか否かに基づいて、前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項6〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な情報記憶媒体。
【請求項15】
自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他ゲーム装置から受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行するゲーム装置であって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段と、
前記操作入力判定手段により該当判定された場合に、当該操作入力情報を、前記操作条件に該当しない所定の非該当操作入力情報に変更する操作入力情報変更手段と、
前記操作入力判定手段により該当判定されなかった場合には、前記受信した操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御し、該当判定された場合には、前記操作入力情報変更手段により変更された前記非該当操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項16】
自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他ゲーム装置から受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御して所定のゲームを実行するゲーム装置であって、
前記受信した操作入力情報が、所与の操作条件に該当するか否かを判定する操作入力判定手段と、
前記受信される操作入力情報のうち、前記操作入力判定手段により該当判定された操作入力情報を無効とし、該当判定されなかった操作入力情報に従って前記他キャラクタを制御する他キャラクタ制御手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項17】
自プレーヤの操作入力に従って自キャラクタを制御するとともに、他ゲーム装置から受信した他プレーヤの操作入力情報に基づいて他キャラクタを制御し、所与の仮想カメラに基づくゲーム空間の画像を生成して、相手のキャラクタの攻撃を受けたダメージが所定量に達した場合にダウン状態となって勝敗を決する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記他キャラクタによる不快行為の実行の許可/不許可を設定する不快行為実行設定手段と、
前記自キャラクタが前記ダウン状態となった際、前記不快行為実行設定手段により許可と設定されている場合には前記対戦ゲーム実行中の画像生成処理を継続実行し、不許可と設定されている場合には前記他プレーヤの操作入力情報に従って動作制御される前記他キャラクタの様子を画像内に含めない不快行為回避用の所定の回避画像生成処理に切り換えて実行するダウン時画像生成手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項18】
通信接続された複数のゲーム装置それぞれから操作入力情報を取得する操作入力情報取得手段と、
前記取得した操作入力情報の内、所与の操作条件に該当する操作入力情報を検出する操作入力検出手段と、
前記操作入力検出手段により検出された操作入力情報を、前記操作条件に該当しない所定の非該当操作入力情報に変更する操作入力情報変更手段と、
前記取得した操作入力情報を前記複数のゲーム装置それぞれに配信するとともに、前記操作入力検出手段により検出された操作入力情報については前記操作入力情報変更手段により変更された操作入力情報を送信する操作入力情報配信手段と、
を備えるゲームサーバ装置。
【請求項19】
通信接続された複数のゲーム装置それぞれから操作入力情報を取得する操作入力情報取得手段と、
前記取得した操作入力情報の内、所与の操作条件に該当する操作入力情報を検出する操作入力検出手段と、
前記取得した操作入力情報のうち、前記操作入力検出手段により検出された操作入力情報を無効とし、検出されなかった操作入力情報を前記複数のゲーム装置それぞれに配信する操作入力情報配信手段と、
を備えるゲームサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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