説明

プログラム、情報記憶媒体、及びゲーム装置

【課題】新しい恋愛ゲームを実現する。
【解決手段】ゲーム開始前に、登場する女子キャラクタ4の中から本命を一人選択する。
本命の女子キャラクタ4(4h)とのイベント3,3sをこなして好感度Pgを上昇させ、告白イベント7(7h)に到達するとグッドエンディングが実行される。本命の女子とのイベントの合間に本命以外の女子との妨害イベント5が強制発動する。本命以外の女子4(4g)も、イベント結果に応じて好感度Pgが上昇し告白イベント7(7g)が発生する。これを「振る」と、本命の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgは大幅上昇されるが、プレーヤキャラクタ2の良心耐久度40が低下。不足すると、本命以外の女子の告白イベントで、強制的に告白受け入れでバッドエンディングが実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、恋愛に係るシミュレーションゲームをコンピュータに実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームの人気ジャンルに「恋愛ゲーム」がある。恋愛ゲームは、疑似恋愛を楽しむことを目的としたゲームである。恋愛のどこにフォーカスを当てたゲーム内容とするかによって様々なタイプに分類できるが、恋愛ゲームのうち恋愛SLG(シミュレーションゲーム)と呼ばれる典型的なタイプでは、プレーヤはプレーヤキャラクタを操り、或いは仮想人物となって様々なイベントをこなし、登場する異性キャラクタに好感を抱かせ(イベント内での行動結果に応じて登場する異性キャラクタの好意に関するパラメータ値を増加させて)、恋愛を成就させることを目的とする(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】コナミ株式会社、『PCエンジンSUPER CD−ROM2(登録商標)』向けゲームソフト「ときめきメモリアル」付属説明書、1994年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ビデオゲームは、常に何らかの新しさと面白さの追加が求められているものであり、恋愛ゲームにおいても同様に、新たなゲームが求められている(第1の課題)。
【0005】
また、第2の課題として例えば次のような課題もあった。
公知の恋愛ゲームでは、とりあえず登場人物の異性の誰でも良いので「告白される」などの形で恋愛成就ができれば疑似恋愛を体感した扱いとなるケースが多い。ところが、実際の恋愛では「誰でも良いからお付き合いができれば良い」というものではなく、やはり「お目当て」「本命」の異性との恋愛成就が最も望ましいものである。その意味で、ゲーム的観点で言うと前者のケースはバッドエンディング、後者の「お目当て」の異性との恋愛成就のみがグッドエンディングと分類することができる。
【0006】
しかし、公知の恋愛ゲームではこの分類が曖昧で、「お目当て」「本命」以外の異性との恋愛成就に至った時のバッドエンディングの感じ、例えば「うれしいけどちょっと残念」といった恋愛にまつわるある種のほろ苦さを体感し難かった。
【0007】
また、実際の恋愛においては必ずしも意中の異性との恋愛成就までの過程では、思わぬ時に他の異性から告白を受けることもしばしばである。
そして、告白に関連して更に言うと、「本当は告白を断るつもりでいたが、ほだされて告白を受け入れてしまった」と言った具合のほろ苦い体験も、恋愛で味わえる重要な要素といえる。
【0008】
また、「告白を断る」つまり「振る」行為は、良心の呵責を感じる恋愛のほろ苦さの重要な要素であり、特に一人の人物に対して複数の異性が好意を抱く一対多の状況では、「振った」「振らない」がライバル関係にあるもの同士の行動に影響を与え、それが恋愛模様を複雑にして恋愛を面白くする要素ともなる。
しかし、公知の恋愛ゲームでは、こうした「告白」にまつわる恋愛のほろ苦い側面も十分に織り込まれているとは言い難かった(第2の課題)。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するための第1の形態は、プレーヤキャラクタ又はプレーヤが扮する仮想人物(以下代表して「仮想人物」という。)と、複数の登場キャラクタそれぞれとの間の恋愛に係るシミュレーションゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
プレーヤが選択肢を選択操作することで進行していくイベントを実行するイベント実行手段(例えば、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、図15のシナリオデータ530、図18のステップS48〜S260)、
前記イベント実行手段によるイベントの実行結果に基づいて前記登場キャラクタに予め定められた前記仮想人物に対する好感度を変更する好感度変更手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、図17の好感度Pg(576c)、図18のステップS54)、
前記好感度が所定の限界条件を満たした登場キャラクタを検出する検出手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図23のステップS162、S170)
前記検出手段の検出に応じて、所定のエンディング演出を実行するエンディング演出実行手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図14の動画データライブラリ568、図23のステップS190〜S194)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
また、別形態として、仮想人物と、複数の登場キャラクタそれぞれとの間の恋愛に係るシミュレーションゲームを実行するゲーム装置であって、
プレーヤが選択肢を選択操作することで進行していくイベントを実行するイベント実行手段(例えば、図1の方向入力キー1402、ボタンスイッチ1404、タッチパネル1407,1409、制御ユニット1450、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、図15のシナリオデータ530、図18のステップS48〜S260)と、
前記イベント実行手段によるイベントの実行結果に基づいて前記登場キャラクタに予め定められた前記仮想人物に対する好感度を変更する好感度変更手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図13の処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、図17の好感度Pg(576c)、図18のステップS54)と、
前記好感度が所定の限界条件を満たした登場キャラクタを検出する検出手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図13の処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図23のステップS162、S170)と、
前記検出手段の検出に応じて、所定のエンディング演出を実行するエンディング演出実行手段(例えば、図1の第1液晶ディスプレイ1406、第2液晶ディスプレイ1408、制御ユニット1450、図13の処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図14の動画データライブラリ568、図23のステップS190〜S194)と、を備えたゲーム装置を構成することができる。
【0011】
ここで言う「限界条件」は、パラメータの数値や、変化などを含めることができる。
また、「好感度」とは、登場キャラクタの精神の有り様を示すパラメータであって、プレーヤキャラクタ又はプレーヤが扮する仮想人物への好意の度合、恋愛感情の高まり具合を表す。
また、「仮想人物」とは、一人称視点的なゲーム画面の構成が採用されるために、ゲーム中にその姿が描かれないと言う意味での「仮想」の人物の意である。
【0012】
第2の形態は、前記登場キャラクタの何れかが登場する複数の前記イベントのうち、プレーヤの選択操作に従ってイベントを選択するイベント選択手段(例えば、図4のホーム画面W4、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、本命選択画面設定データ504、図18のステップS22、S46〜S50)として前記コンピュータを機能させ、
前記イベント実行手段が、前記イベント選択手段により選択されたイベントを実行するように前記コンピュータを機能させる第1の形態のプログラムである。
【0013】
そして、第3の形態は、前記複数の登場キャラクタの中から一のキャラクタを選択するキャラクタ選択手段(例えば、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、本命設定部212、本命選択画面設定データ504、図18のステップS2〜S6)として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記エンディング演出実行手段が、前記検出手段により検出された登場キャラクタが前記希望キャラクタであった場合に所定のグッドエンディング演出を実行するグッドエンディング演出実行手段を有するように前記コンピュータを機能させる、ための第1又は第2の形態のプログラムである。
【0014】
第3の形態によれば、恋愛を題材としたゲームにおいて、例えば、複数の登場キャラクタの中からプレーヤが恋愛成就のお相手として希望キャラクタを一のキャラクタとして選択できる。この場合、希望キャラクタ(一のキャラクタ)の好感度を上手く限界に至らせることができたときにグッドエンディング演出が行われるようにできる。逆説的に説明すると、例えば、希望キャラクタ以外の好感度を限界に至らせ、前述の典型的な恋愛ゲームのタイプで言う所の「告白」に至るような状況を作り出しても、グッドエンディング演出が行われるわけではない。「お目当て」「本命」以外の異性との恋愛成就に至ったってしまって、「うれしいけどちょっと残念」といった恋愛にまつわるある種のほろ苦さを体感できる恋愛ゲームを実現できる。
【0015】
加えて、プレーヤは登場キャラクタが登場するイベントを自由に選択することができる。つまり、プレーヤの好むタイミングで希望するイベントを楽しむことができる。よって、どの登場キャラクタとどういった順番でイベントをこなしていくかが決まっているシナリオ固定の恋愛ゲームにくらべれば、「お目当て」「本命」以外の異性との恋愛成就に至ってしまったなどのバッドエンディングに至った時にも、プレーヤ自身の選択が招いた結果である感じが高まり、より恋愛にまつわるある種のほろ苦さを一層引き立てる。
【0016】
第4の形態は、前記イベント実行手段が、前記登場キャラクタの何れかが登場するイベントを実行し、前記好感度変更手段が、前記イベント実行手段によって、前記一のキャラクタ以外の登場キャラクタが登場するイベントが実行された場合に、当該イベントの実行結果に基づいて、前記一のキャラクタの好感度を変更する、ように前記コンピュータを機能させるための第3の形態のプログラムである。
【0017】
第4の形態によれば、第3の形態のプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、一のキャラクタ以外とのやりとりが、一のキャラクタの好感度に影響を与えるようにできる。よって、恋愛ゲームとしての面白さをより高めることができる。
【0018】
第5の形態は、前記検出手段により検出された登場キャラクタが前記仮想人物に告白し、当該告白に対する応答選択肢を前記プレーヤが選択操作する告白イベントを実行する告白イベント実行手段(例えば、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図23のステップS174、S176)、
前記告白イベントにおいて辞退の旨の応答選択肢を前記プレーヤが選択操作した場合に、前記仮想人物に予め定められた耐久パラメータの値(例えば、図6の良心耐久度40)を低減させる辞退処理手段(例えば、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図23のステップS188)、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記エンディング演出実行手段が、前記耐久パラメータの値が前記辞退処理手段による低減量に満たないときに、前記一のキャラクタ以外の登場キャラクタによる前記告白イベントが前記告白イベント実行手段により実行された場合に、所定のバッドエンディング演出を実行するバッドエンディング演出実行手段(例えば、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図23のステップS178)、を有するように前記コンピュータを機能させるための第3又は第4の形態のプログラムである。
【0019】
第5の形態によれば、第3又は第4の形態のプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、「告白を断る」つまり「振る」行為によってあたかも良心の呵責を感じるかのように仮想人物がダメージを受けるようにできる。
そして、ダメージが大きくなり、次のダメージを許容できない程度に耐久パラメータ値が低い状態で、一のキャラクタ(例えば希望キャラクタ)以外の登場キャラクタから告白を受けるとバッドエンディング演出を実行できる。つまり、本当ならば告白を断りたい状況であるが、告白を断る力が無いために、例えば「なし崩し的に告白を受け入れてしまう」と言ったような望まざるエンディングを実現することで、また別の恋愛のほろ苦い側面を体感できるようになる。
【0020】
第6の形態は、複数の登場キャラクタが前記仮想人物に同時期に告白する同時期告白イベントを実行する同時期告白イベント実行手段(例えば、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、告白実行キャラクタリスト584、図23のステップS170〜S174)を有し、
前記辞退処理手段が、前記告白イベントにおいて辞退の旨の応答選択肢を前記プレーヤが選択操作した場合、及び、前記同時期告白イベントにおいて当該複数の登場キャラクタ総てに対して辞退の旨の応答選択肢を前記プレーヤが選択操作した場合の何れにおいても、所定の低減単位量分(例えば、図6の減算量ΔDc)だけ前記耐久パラメータの値を低減させるように前記コンピュータを機能させるための第5の形態のプログラムである。
【0021】
より好適には、第7の形態として、前記同時期告白イベント実行手段が、前記検出手段により同時期に複数の登場キャラクタが検出された場合に、当該複数の登場キャラクタによる前記同時期告白イベントを実行するように前記コンピュータを機能させるための第6の形態のプログラムを実現すると良い。
【0022】
第6、第7の形態によれば、第5の形態のプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、複数の登場キャラクタを纏めて告白させることができる。その一方で、告白を辞退して受けるダメージを、告白してきた登場キャラクタの数に関わりなく所定の低減単位量分とすることができる。つまり、「お目当て」「本命」以外の登場キャラクタを「振る」ことにより受けるダメージを少なくできる仕組みを組み入れることができる。
【0023】
第8の形態は、前記仮想人物が、プレーヤの操作入力に基づいて、前記一のキャラクタとの間で所与の約束行動を行う約束をする約束イベント(例えば、図6のイベント3s、図15の妨害発生許可イベントリスト532に登録される一部のイベント)を発生させる約束イベント発生手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226)、
前記一のキャラクタ以外の前記登場キャラクタが、前記約束行動の実行を阻害する阻害イベントを発生させる阻害イベント発生手段(例えば、図6の妨害イベント5、図13の処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226)、
前記仮想人物が、前記約束イベント発生手段により発生された約束イベントに従った前記約束行動を遂行した場合に、前記一のキャラクタの好感度を上昇させる約束遂行時処理手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、告白制御部226、図30のステップS292)、として前記コンピュータを機能させるための第3〜第7の何れかの形態のプログラムである。
【0024】
第8の形態によれば、第3〜第7の形態の何れかのプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、一のキャラクタ(例えば希望キャラクタ)との間で所与の約束行動(例えば、デートをする、所定日時に所定場所で出会う、モノを貸し出すなど)を行う約束をする約束イベントの後に、一のキャラクタ以外の登場キャラクタによる約束行動を妨害するようなイベントを発生させることができる。
その一方、仮想人物が約束行動を遂行するのに相当する行動をした場合、つまりはプレーヤがそうした選択をした場合には、一のキャラクタの好感度を上昇させるようにできるようになる。
【0025】
第9の形態は、前記阻害イベント発生手段が、前記一のキャラクタの好感度に応じて前記阻害イベントの発生確率を変化させて前記阻害イベントを発生させる、ように前記コンピュータを機能させるための第8の形態のプログラムである。
【0026】
第9の形態によれば、第8の形態のプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、ゲームの進行に変化をもたらすことができる。例えば、好感度が高い程、阻害イベントの発生確率を高くすれば、一のキャラクタとの恋愛成就に近づく程、障害イベントが増えることになるのでゲームの展開が盛り上がる。
【0027】
第10の形態は、前記阻害イベント発生手段により発生された阻害イベントを実行するか否かをプレーヤの操作入力に従って決定する阻害イベント実行決定手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、図30のステップS288)、
前記阻害イベント実行決定手段により実行すると決定された場合に当該阻害イベントを実行する阻害イベント実行手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、図30のステップS290→図18のステップS48)、
前記阻害イベント実行決定手段により実行しないと決定された場合にゲーム進行を変化させる基準の1つとなる所定パラメータ値(例えば、図6の良心耐久度40)を変化させる阻害イベント不実行時処理手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、イベント制御部220、図30のステップS291)、
として前記コンピュータを更に機能させるための第8又は第9の形態のプログラムである。
【0028】
第10の形態によれば、第8又は第9の形態のプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、プレーヤが阻害イベントの実行を選択でき、その結果がゲーム進行を変化させる基準の1つとなる所定パラメータ値を変化させるので、より恋愛SLGとしての展開の多様性を高めるとともに、ゲームを面白くできる。
【0029】
第11の形態は、前記登場キャラクタそれぞれを示すアイコンと前記仮想人物を示すアイコンとを配置した所与の相関図を表示制御する相関図表示制御手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、相関図管理部214、図20のステップS30)、
前記相関図上の前記仮想人物を示すアイコンの位置をプレーヤの操作に従って変更する位置変更手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、相関図管理部214、図20のステップS32〜S34)、として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記好感度変更手段が、前記登場キャラクタの好感度の変更度合いを、前記相関図上の前記仮想人物を示すアイコンと当該登場キャラクタを示すアイコンとの位置関係(例えば、図10の距離L)に基づいて変更する手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、相関図管理部214、図20のステップS36)を有するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第10の何れかの形態のプログラムである。
【0030】
また、第12の形態は、プレーヤの操作入力に基づいて前記仮想人物のプロフィールを設定するプロフィール設定手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、図24のプロフィール設定画面W18)、
前記登場キャラクタそれぞれについて予め設定されたプロフィールと、前記プロフィール設定手段により設定されたプロフィールとに基づいて、前記登場キャラクタそれぞれを示すアイコンと前記仮想人物を示すアイコンとの配置位置を決定した所与の相関図を表示制御する相関図表示制御手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、相関図管理部214、図27の相関データ自動生成処理、図18のステップS24〜S26、図20のステップS30)、として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記好感度変更手段が、前記登場キャラクタの好感度の変更度合いを、前記相関図上の前記仮想人物を示すアイコンと当該登場キャラクタを示すアイコンとの位置関係に基づいて変更する手段を有するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第10の何れかの形態のプログラムである。
【0031】
第11及び第12の形態によれば、第1〜第6の形態の何れかのプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、仮想人物と登場キャラクタ達との相関関係を設定し、これを相関図として表示することができる。そして、相関図においてプレーヤが相関感関係を変更する操作を行った場合には、変更操作に応じて登場キャラクタの好感度の変更度合いを変更させることができる。つまり、人物間の相関関係という要素をゲームに織り込み、相関関係を登場キャラクタの好感度の変更度合いと言う形で反映させることができる。よって、登場キャラクタがどのようにして仮想人物に好意を抱いていくかに多様性をもたらすことができる。そして、相関関係はプレーヤが変更できる余地がありシミュレーション性を高めることができる。
【0032】
そして、第12の形態では、相関図をプレーヤのプロフィールと、登場キャラクタのプロフィールとに基づいて設定することができる。これにより、プレーヤ自身と登場キャラクタとの相関関係がゲームに反映されるので疑似恋愛感がより一層高まる。
【0033】
第13の形態は、前記好感度変更手段により変更された好感度をプレーヤに報知する変更好感度報知手段(例えば、図13の処理部200、音生成部250、画像生成部260、図34のステップS189c)として前記コンピュータを更に機能させるための第1〜第12の何れかの形態のプログラムである。
【0034】
第13の形態によれば、第1〜第12の何れかの形態のプログラムと同様の効果を発揮できるとともに、好感度が変更されたことをプレーヤに通知できる。
【0035】
第14の形態は、第1〜第13の何れかの形態のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。
第14の発明によれば、第1〜第13の何れかの形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第13の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】携帯型ゲーム装置の構成例を示す斜視外観を示す図。
【図2】ゲームに登場する人物設定の概要を説明するための概念図。
【図3】本命選択画面の例を示すゲーム画面図。
【図4】ホーム画面の例を示すゲーム画面図。
【図5】イベントプレイ中におけるゲーム画面であるイベント画面の一例を示すゲーム画面図。
【図6】恋愛SLGの進め方の概要を示す概念図。
【図7】告白画面の例を示すゲーム画面図。
【図8】良心耐久度と告白イベントとエンディングの関連について説明するための概念図。
【図9】好感度Pgの増減に影響するファクタについて説明するための図。
【図10】相関図と好感度Pgの変動率Rとの関連について説明するための図であって、第2のファクタについて説明するための図。
【図11】相関図と好感度Pgの変動率Rとの関連について説明するための図であって、第3のファクタについて説明するための図。
【図12】相関図画面の例を示すゲーム画面図。
【図13】携帯型ゲーム装置の機能構成例を示す機能ブロック図。
【図14】キャラクタ初期設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図15】シナリオデータのデータ構成の一例を示す図。
【図16】相関データのデータ構成の一例を示す図。
【図17】女子ステータスデータのデータ構成の一例を示す図。
【図18】主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図19】図19よりつづくフローチャート。
【図20】相関図変更処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図21】対話相手の好感度変更処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】周りの影響処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図23】告白発生処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図24】第2実施形態におけるプロフィール設定画面の例を示すゲーム画面図。
【図25】第2実施形態におけるプレイデータのデータ構成の一例を示す図。
【図26】第2実施形態におけるキャラクタ初期設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図27】第2実施形態における相関データ自動生成処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図28】第2実施形態において自動生成される相関図の一例を示す図。
【図29】第2実施形態における告白発生処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図30】第2実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャートであって、図19に代替される部分を示す図。
【図31】第3実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図32】好感度変更量基礎値設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図33】告白実行キャラクタ選択条件データのデータ構成の一例を示す図。
【図34】第3実施形態における告白発生処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図35】第4実施形態におけるホーム画面表示処理の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した第1の実施形態として、恋愛SLG(シミュレーションゲーム)を実行する携帯型ゲーム装置について説明する。
【0038】
[携帯型ゲーム装置の構成]
図1は、本実施形態における携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための斜視外観図である。携帯型ゲーム装置1400は、方向入力キー1402と、ボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在な折り畳み型の装置本体1401に備えている。そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示面上には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意位置を接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0039】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440からデータを読み込んだりデータを書き込みできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。その他、装置本体1401には図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0040】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0041】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、制御ユニット1450は、無線LAN規格(例えば、IEEE 802.11シリーズ、Bluetooth(登録商標;IEEE 802.15.1)など)に則った無線通信モジュール1412を備える。更に、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0042】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御する。
【0043】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、制御ユニット1450に搭載されている主要なプログラムやデータをICメモリに予め記憶している構成とすることができる。或いは、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得する構成としても良い。
【0044】
[ゲーム概要の説明]
次に、本実施形態における恋愛SLGの概要について説明する。
図2は、人物設定の概要を説明するための概念図である。本実施形態の恋愛SLGにおけるプレーヤの役どころは、あるグループのメンバーである女子キャラクタ4(4a,4b,…,4h;何れもNPC(ノンプレーヤキャラクタ))の全員から求愛されるプレーヤキャラクタ2である。尚、プレーヤキャラクタ2は、ゲーム内において必ずしもビジュアルとして登場する必要はないが、説明の都合上、男性型のキャラクタとして図示する。ゲーム内にプレーヤキャラクタ2が登場しない一人称的画面でゲームが進行する構成であれば、プレーヤキャラクタ2はプレーヤが扮する仮想人物ということになる。
【0045】
本実施形態におけるグループは、実在する芸能界の女性アイドルグループであり、女子キャラクタ4は実在する女性芸能人をモデルとする。プレーヤキャラクタ2はそのマネージャーや所属プロダクションの社長に相当する。
勿論、グループの定義に応じてプレーヤのポジションも代わる。例えば、グループを仮想のグループとしても良い。グループを女子学生の部活動とすれば、プレーヤキャラクタ2はその監督やマネージャー、ただ一人の男子部員などとすることもできる。プレーヤキャラクタ2と女子キャラクタ4との男女の設定は逆転することとしても良い。
【0046】
さて、プレーヤは、ゲーム開始前にグループの女子キャラクタ4(4a,4b,…,4h)の中から一人だけ恋愛成就を希望する希望キャラクタを一のキャラクタとして「お目当て」或いは「本命」と呼べる女子キャラクタを選択する。
具体的には、ゲーム前準備のためのゲーム画面として、例えば、図3に示すような本命選択画面W2が、第1液晶ディスプレイ1406又は第2液晶ディスプレイ1408にて表示される。本命選択画面W2には、「本命」として選択可能な全ての女子キャラクタ4のアイコン6(6a,6b,…,6h)が選択可能に表示されており、プレーヤは、選択マーカ8の位置を方向入力キー1402への操作や、スタイラスペン1416によるタッチ操作で、「本命」としたい女子キャラクタの位置に移動させ、所定の選択決定操作をして決定する。以降、選択された女子キャラクタを『「本命」の女子キャラクタ』と呼称する。図2の例では、女子キャラクタ4(4h)がこれに該当する。
【0047】
本命選択画面W2で選択された女子キャラクタ4(4h)は、種別「本命」として登録され、それ以外の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)は、プレーヤキャラクタ2と「本命」の女子キャラクタ4(4h)との恋愛成就を妨害する「妨害」キャラクタとして登録される。
【0048】
種別「妨害」に設定された女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)は、折りにつれてプレーヤキャラクタ2に様々な機会を見つけて、ときに強引に機会を作り出して誘惑をしてくる。プレーヤは、「本命」以外の女子に心を奪われぬようにして無事「本命」の女子との恋愛を成就しなければならない。
尚、本実施形態における「恋愛の成就」とは、女子キャラクタ4からの告白を受け入れることを言うが、ゲームの内容によっては、交際開始からの期間をゲームプレイの題材とし、結婚を恋愛の成就とするなど適宜設定することができる。
【0049】
ゲームの進行は、プレーヤが選択した女子キャラクタ4とのイベントを繰り返すことを基本とする。本実施形態では、ゲーム開始されると第1液晶ディスプレイ1406又は第2液晶ディスプレイ1408にて、例えば図4のようなホーム画面W4が表示され、当該画面でイベントの相手を選択してイベントプレイを開始する。
【0050】
具体的には、本実施形態のホーム画面W4は、携帯型ゲーム装置1400が仮想携帯電話機であると想定し、仮想の着信履歴が表示されているかのようなレイアウトを有する。仮想の着信履歴表示部10では、何れかの女子キャラクタ4に対応する対話相手選択アイコン12が登場する女子キャラクタ4の数だけ表示される。対話相手選択アイコン12には、プレイ結果に応じて自動算出される仮想直近着信日時13と、仮想コール数15とが合成表示される。
【0051】
そして、複数の対話相手選択アイコン12のうち何れか一つに選択マーカ14が表示されている。プレーヤは、この選択マーカ14を、方向入力キー1402による移動操作、或いはスタイラスペン1416による移動先のタッチ操作によって移動させ、所定の選択決定操作を入力することにより、イベントプレイする相手の女子キャラクタ、すなわちこれから対話する「対話相手の女子キャラクタ」を選択できる。
【0052】
図5は、イベントプレイ中におけるゲーム画面であるイベント画面の一例を示す図である。本実施形態の恋愛SLGは、コマンド選択タイプのイベントプレイを採用する。イベント画面W6,W8には、当該イベント内でプレーヤキャラクタ2と対話する女子キャラクタのキャラクタ画像20と、当該女子キャラクタの台詞や状況説明文、操作ガイド等を表示するテキスト表示部22とを含む。
【0053】
1つのイベントは複数のシーンにより構成されており、イベント内には所々にシナリオの分岐点となるシーンが含まれている。分岐点となったシーンでは、イベント画面W8に示すように、プレーヤキャラクタ2の行動選択入力のコマンドガイド24(24a,24b,24c)が表示される。一つの分岐点では、例えば対話相手である女子キャラクタ4の好意(好感度)が増加するような好意的な内容の選択肢と、好意が低下するような相手を疎遠にする内容の選択肢と、それらの中間の選択肢が用意される。勿論、必ずしも1種類ずつではなく、その数や割合、内容の種類等はゲームバランスを考慮の上、適宜設定できる。
【0054】
図6は、本実施形態における恋愛SLGの進め方の概要を示す概念図である。図では、ゲーム世界でのタイムライン9に沿って並べられた矩形状の帯が個別のイベントプレイを示している。帯のパターン(模様)により、当該イベントに係わる女子キャラクタ4の違いを表している。
【0055】
プレーヤは、「本命」に選択した女子キャラクタ4(4h)との恋愛を成就する為に、いくつものイベント3,3s(図中の白帯)をこなして女子キャラクタ4の好感度Pgを上げていく必要が有る。
【0056】
この「好感度Pg」は、登場する全ての女子キャラクタ4それぞれが固有に備えるパラメータ値であって、各女子キャラクタ4が抱くプレーヤキャラクタ2への愛情の度合、恋愛感情の盛り上がりを示す。図中では、好感度Pgの大小をハートマークのサイズで表している。そして、イベントプレイ中に為されるプレーヤキャラクタ2の行動選択入力は、単に当該イベントにおけるストーリ展開を左右するだけでなく、対話相手としている女子キャラクタ4の好感度Pgを増減させる一因となる。
【0057】
好感度Pgが限界条件である最大値まで達すると、その女子キャラクタ4がプレーヤキャラクタ2に愛の告白をする告白イベント7が発生する。限界条件としては最大値である必要はなく、一定の値に達したことを条件としてもよいことは勿論である。
告白イベント7では、例えば図7に示すような告白画面W10が表示される。告白画面W10では、告白する女子キャラクタ4(図の例では4h)の告白イベント用のキャラクタ画像21が表示されるとともに、テキスト表示部22には告白の台詞が表示される。また、画面内には、告白を受け入れるか断るかの選択入力をする行動選択のコマンドガイド24(24d,24e)が表示される。プレーヤが断る旨の行動選択を入力すれば、告白した女子キャラクタ4(4h)は失恋し、受け入れる旨の行動選択を入力すれば恋愛成就となる。これは、種別「本命」「妨害」に係わらず共通するルールである。
【0058】
ゲームの目的からすると、ホーム画面W4で「本命」の女子キャラクタ4(4h)とのイベントのみを選択すれば容易にクリアできるはずである。しかし、本実施形態の恋愛SLGでは、図6に示すように、「本命」の女子キャラクタ4(4h)とのイベント3をプレイしていると、本命以外の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)とのイベント5が強制的(自動的)に発動されることになる。つまり、本命との恋愛の障害となる妨害イベント5をこなさなければならなくなる。
【0059】
本実施形態では、各女子キャラクタ4にはそれぞれ恋愛を成就するまでの過程を描くシナリオが用意されており、シナリオを構成する複数のイベントの中には、女子キャラクタ4とプレーヤキャラクタ2とが何らかの約束(例えば、買い物、何かを貸す約束)をするイベント3と、その約束を遂行するイベント3sとがセットで挿入されている。
そして、後者は妨害イベントの発生が予め許可されており、約束を取り付けるイベント3と、約束を遂行するイベント3sとの間で妨害イベント5が発生するように制御される。
【0060】
妨害イベント5は、約束行動の実行を阻害する内容であれば良い。例えばプレーヤキャラクタ2と「本命」の女子キャラクタ4(4h)とが一緒にいるところを目撃した他の女子キャラクタ4が「2人でどこへ行ってたんですか?」「私も2人っきりってやってみたーい!!」のような出だしで挿入されるイベントを想像すると良い。そして、そのまま当該目撃した他の女子キャラクタ4とデートする内容となっても良い。或いは、デートに向かうクルマが途中で動かなくなり、それを目撃した他の女子キャラクタが登場するイベントとしても良い。
【0061】
また、強制的に発生する妨害のイベント5の中には、当該イベントに登場する当の女子キャラクタ4にとってみれば普通のイベントに相当するものも含まれる。本命以外の女子キャラクタ4も妨害のイベント5の中でプレーヤキャラクタ2の気を惹くために自分の恋心をぶつけてくる。妨害のイベント5におけるプレーヤキャラクタ2の行動選択入力によって、本命以外の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)もまたその好感度Pgを増減させる。そして、好感度Pgが最大値まで達すると、その女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)による告白イベント7(7g)が発生する。
【0062】
前述のように、本実施形態の恋愛SLGのクリア条件は、「本命」の女子キャラクタ4(4h)との恋愛成就であり、本命以外の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)の告白を受け入れてしまうとクリア失敗、ゲームオーバーとなる。そこで、プレーヤは、本命以外の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)が告白してきてもこれを断らなければならない。すなわちその女子キャラクタを「振る」ことになる。
【0063】
本実施形態の恋愛SLGでは、この「振る」行為が重要なキーとなる。
第1に、本命以外の女子を振ることにより、本命の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgがイベント3を実行した時以上の増加量でアップされる。これにより、本命の女子キャラクタ4(4h)が、自分以外の女の子を選ばなかったプレーヤの誠意の証に好感して、恋心がより一層高まる様子を恋愛SLGにおいて仮想的に実現することになる。
第2に、振られた側の女子キャラクタ4(4g)は、ホーム画面W4で選択できなくなる。また、彼女とのイベント5(妨害イベント相当)の強制発動は起きなくなる。つまり、一度振られた女子キャラクタは、以降のゲームプレイには登場しないことになる。「振る」行為によって本命との恋愛成就の妨害要素を取り除くことができるのである。
【0064】
但し、手当たり次第に本命以外の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)を告白イベントまで持ち込んで振れば良いものではない。ここで、ルール上注意が必要なのは、プレーヤキャラクタ2には、良心耐久度40のパラメータ値が与えられ、告白イベントで「振る」と減算され、ダメージを受ける点である。
【0065】
図8は、本実施形態における良心耐久度と告白イベントとエンディングの関連について説明するための概念図である。
良心耐久度40は、告白を断る良心の呵責に耐える力に相当する。ゲーム開始時点では100%に初期設定されているが(図6参照)、告白イベント7で「振る」と所定の減算量ΔDcだけ減らされる(図8(a)参照)。そして、良心耐久度40の残数が、所定の減算量ΔDcに満たない状態で告白されると、告白を断ることができず、強制的に告白してきた女子キャラクタ4(4a)との恋愛が成就されてしまう。その時の告白人が本命以外の女子キャラクタであればクリア失敗となる(図8(b)参照)。勿論、良心耐久度40の残数が、減算量ΔDcに満たない状態でも、告白人が「本命」の女子キャラクタ4(4h)であれば、結果的にゲームクリアとなり、グッドエンディング演出が行われる(図8(c)参照)。すなわち、良心耐久度40の減少というリスクを冒しつつ、恋愛の障害削除と本命女子の好感度Pgの大幅アップを果たすといった、絶妙な恋愛感覚が要求される従来に無い恋愛SLGとなる。
【0066】
また、本実施形態における「振る」行為は、ゲームクリア時に実行されるグッドエンディングの種類にも影響する。具体的には、「本命」の女子キャラクタ4(4h)の告白に至るまでに振った人数が多いほど、より素晴らしい内容のグッドエンディング演出が選択され実行される。よって、プレーヤは「振る」行為を抑制して安全策でゲームクリアを目指すスタイルでゲームを楽しむもこともできるし、ハイリスク承知で最高のグッドエンディング演出を目指すスタイルでゲームを楽しむこともできる。
【0067】
次に、ゲーム進行に関するより詳細な説明として、好感度Pgの取り扱いについて説明する。図9は、本実施形態における好感度Pgの増減に影響するファクタについて説明するための図である。
【0068】
第1のファクタは、前述したイベントプレイにおけるプレーヤキャラクタ2の行動選択結果であり、これは「本命」「妨害」何れの種別の女子キャラクタ4についても共通して適用される。第1のファクタは、基本的には、対話相手である女子キャラクタ4の好意が増加するような好意的な内容の選択肢(図9の例では「選択○」)が入力されると、当該女子キャラクタ4の好感度Pgは増加し、反対に好意が低下するような相手を疎遠にする内容の選択肢(図の例では「選択□」)が入力されると、好感度Pgは低下する。それらの中間の選択肢(図の例では「選択△」)では、好感度Pgが変化しない、或いは僅かに増加する。
【0069】
第2と第3のファクタは、人物同士の相関関係による影響であり、これも「本命」「妨害」何れの種別の女子キャラクタ4についても共通して適用される。
第2のファクタは、プレーヤキャラクタ2と女子キャラクタ4との近しさや気の合う関係などで言い表される親近感の影響であり、第3のファクタは、仲の良い他の女子キャラクタの好感度Pgの影響である。これらをゲームに反映させるための仕組みとして、本実施形態ではキャラクタの相関図を用いる。
【0070】
図10は、本実施形態におけるキャラクタの相関図と好感度Pgの変動率Rとの関連について説明するための図であって、第2のファクタについて説明するための図である。
本実施形態に登場する女子キャラクタ4は8人、プレーヤキャラクタ2と合わせて合計9人がゲームに登場する。そこで、3マス×3マスのマトリクス状の相関図枠を用意して、各マスに各キャラクタを示すアイコンを一人ずつ配置することで相関図30を構成する。
【0071】
相関図30では、互いの配置されているマスが近いほど親近感が高い関係にあることを示す。つまり、近いほどより気の合う関係であり、プレーヤキャラクタ2の行動に良くも悪くも反応し易いとも言える。そこで、好感度Pgの変動率Rを、プレーヤキャラクタ2の配置位置から対象とする女子キャラクタ4の配置位置までの距離L(マスの数)を変数とする関数fで記述する。
【0072】
変動率Rは、イベント内におけるプレーヤキャラクタ2の行動選択の結果により与えられる好感度Pgの変化量ΔPgの基礎値k0に乗算される値であり、変動率Rが高ければ同じ行動選択であっても好感度Pgの変化が大きくなる。
具体的には、本実施形態では、各女子キャラクタ4(4a,4b,…,4h)には、それぞれ固有の変動率初期値r0が設定されている。そして、変動率Rはこの変動率初期値r0と距離Lとの関数f(r0,L)として記述され、距離Lが近いほど変動率Rが大きくなり、距離Lが大きくなるほど小さくなるように設定される。
【0073】
また、図11は、本実施形態におけるキャラクタの相関図と好感度Pgの変動率Rとの関連について説明するための図であって、第3のファクタについて説明するための図である。ある女子キャラクタ4(図11の例では4h)に着目すると、相関図30において隣接する他の女子キャラクタ4(マスに網掛け)は、グループ内でも特に気心の知れた関係にあると考えられる。彼女らは恋のライバルでもありながら互いの気持ちを察し得る間柄である。そこで、本実施形態では周囲の影響により恋心が更に高まったり、逆に萎縮したりと言った事象を恋愛SLGにおいて仮想的に再現するために、着目する女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgと、隣接する他の女子キャラクタとの好感度Pgとを比較することで変動率Rを補正する。
【0074】
具体的には、着目する女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgと隣接する他の女子キャラクタの好感度Pgとを個別に比較して大小を判定する。そして、隣接する女子キャラクタの数Nに対する自分よりも好感度が大きい隣接する女子キャラクタの数Mの割合を算出する。算出した割合が、女子キャラクタ4(4h)に固有の「周りの影響発生閾値k4」以下であれば、変動率Rを図10で説明したように設定する。反対に、「周りの影響が発生閾値k4」より大きければ、変動率Rをキャラクタ固有の「周りの影響係数k2」だけ加算補正する。
【0075】
「周りの影響係数k2」が正の値に設定されている場合には、補正後は通常よりも変動率Rが高まり、好感度Pgが変化しやすくなる。その場合、この女子キャラクタ4は、仲良しの女子に比べて負けていると感じられる時には負けてなるものかと更に恋に燃える性格付けがなされる。反対に「周りの影響係数k2」が負の値に設定されていれば、変動率Rは通常より下がるように補正される。よって、この女子キャラクタ4は、仲間に譲る気が芽生えてやや恋に消極的になる性格付けとなる。
【0076】
相関図30におけるキャラクタの配置は、本実施形態ではゲーム開始前に自動で行われる。ゲーム開始以降は、ホーム画面W2にて所定の相関図変更操作を入力することによりプレーヤが任意のタイミングで変更することができる。
例えば、相関図変更操作を入力すると、図12に示すような相関図画面W12が、第1液晶ディスプレイ1406又は第2液晶ディスプレイ1408に表示される。相関図画面W12には現在の相関図30が表示されるとともに、プレーヤキャラクタ2の移動先を示す移動先マーカ32が表示されている。プレーヤは、方向入力キー1402による移動操作或いはスタイラスペン1416を使ったタッチ操作により移動先マーカ32の位置を相関図内で移動する。そして、所定の移動実行操作を入力すると、移動先マーカ32の位置に配置されていた女子キャラクタ4とプレーヤキャラクタ2の配置関係が交換される。
【0077】
尚、相関図30のサイズやマスの形態はこれに限らず女子キャラクタ4の数や種類などに応じて適宜設定することができる。四角形マスではなく六角形マスとしても良いし、マスを使用せず直交座標空間へ点として配置する構成としても良い。また、相関図30に係る変動率Rの補正実行開始条件や補正の仕方は、ここで説明した例に限らず適宜設定可能である。
【0078】
[機能ブロックの説明]
次に、本実施形態の機能構成について説明する。
図13は、携帯型ゲーム装置1400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
携帯型ゲーム装置1400は、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0079】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、多軸加速度センサ、傾斜センサ、ジャイロセンサなどによって実現できる。図1の方向入力キー1402や、ボタンスイッチ1404、3軸加速度センサ1422、タッチパネル1407,1409がこれに該当する。
【0080】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1の制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0081】
ゲーム演算部210は、恋愛SLGの実行に関する種々の処理を実行する。
例えば、(1)本命選択画面W2や、ホーム画面W4、イベント画面W6,W8など各種ゲーム画面の表示制御に関する処理、(2)本命とするキャラクタの設定や、相関図の生成に関する処理、(3)イベントプレイに関するシナリオの分岐判定や、行動選択入力に応じた各女子キャラクタ4の好感度Pgの変更、ゲーム世界内での時間経過の管理、タイマー処理、カウント処理、パラメータ値の比較演算、各種フラグの管理、キャラクタ画像20等の画像データのデコードなどに関する処理、(4)エンディング等の演出処理用の動画データのデコードなどを実行する。勿論、仮想3次元空間に背景物等のオブジェクトを配置してゲーム空間を形成する構成の場合にはそのレンダリングに関する処理や、オブジェクトのヒット判定処理、NPCの自動制御処理などを実行することができる。
【0082】
より具体的には、ゲーム演算部210は、本命設定部212と、相関図管理部214と、イベント制御部220と、告白制御部226とを含む。
【0083】
本命設定部212は、ゲーム開始前にゲーム内で恋愛対象になりえる登場人物の中から恋愛成就させたい相手として希望するキャラクタをプレーヤに選択させる。そして、選択操作入力に応じて選択されたキャラクタを、種別「本命」として設定し、その他を種別「妨害」として設定する。
【0084】
相関図管理部214は、ゲーム開始前に恋愛に関連する登場人物間の相関図30を自動生成し、相関図画面W12を表示させる。また、所定の相関図変更操作の入力を検知して、プレーヤの操作入力に応じて相関図30を変更する。
【0085】
イベント制御部220は、プレーヤが対話相手として選択したキャラクタについてのイベントプレイを管理する。本実施形態では、イベント切換部222と、好感度変更部224とを含む。
【0086】
イベント切換部222は、ホーム画面W4における対話相手として選択された女子キャラクタのイベントを実行対象とする。また、特定のキャラクタ(本実施形態では「本命」に選択された女子キャラクタ4(4h))とのイベントが実行される場合に、他のキャラクタ(本実施形態では「妨害」女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g))との妨害イベントを強制発生させる。加えて、妨害イベントの発生確率を、特定のキャラクタの好感度Pgに応じて変化させることができる。また、妨害イベントが発生した場合に、実際にその妨害イベントを実行するか否かをプレーヤが選択できるようにする。そして、実行しないと選択した場合に、ゲーム進行を変化させる基準の1つとなる所定パラメータ値(具体的には、良心耐久度40)を変化させる。
但し、一度告白イベントでプレーヤキャラクタ2にオファー(本実施形態では「愛の告白」)を断られたキャラクタについてはその対象外とする。
【0087】
好感度変更部224は、プレーヤキャラクタ2にオファーするキャラクタ(本実施形態では女子キャラクタ4)それぞれに設定され、最終オファーに相当する告白イベント7の発動の判定条件として参照されるパラメータ値である好感度Pgの管理をする。
【0088】
具体的には、相関図管理部214により設定された相関図30におけるプレーヤキャラクタ2との相対位置関係に基づいて各女子キャラクタ4の好感度Pgの変動率Rを決定する。
また、イベントプレイにおけるプレーヤキャラクタ2の行動選択入力の結果に応じて、決定した変動率Rに基づいて好感度Pgを変更する。
また、相関図30における特定の関連性のあるキャラクタ同士の好感度Pgが、所定の周囲の影響発生条件(例えば、周りの影響発生閾値k4との関係)を満たす場合に、好感度Rを補正する。
また、特定のキャラクタ(「本命」に選択された女子キャラクタ4(4h))については、他のキャラクタの正式オファーが成立しなかった場合(本実施形態における「振られ」相当)に当該特定のキャラクタの好感度Pgにボーナスを付与する。
また、特定のキャラクタについては、他のキャラクタが登場するイベントが実行された場合に、当該イベントの実行結果に基づいて、当該特定のキャラクタの好感度を変更する。また、好感度Pgが変化したことを、映像や音声などを利用してプレーヤに報知させる。
【0089】
告白制御部226は、好感度Pgが所定の限界条件を満たしたキャラクタを判定し、当該キャラクタによる最終オファーとしての告白イベント7を実行管理する。換言すると、好感度Pgが所定の限界値に達したキャラクタを検知し、検知したキャラクタが「本命」であるか否かに応じてグッドエンディング、又はバッドエンディングの演出を選択して実行制御する。
【0090】
具体的には、最終オファーするキャラクタが本命設定部212で「本命」設定されたキャラクタである場合には、それまでに正式オファーが成立しなかった他キャラクタの数(本実施形態におけるそれまでに振られた人数)に応じて、異なる演出レベルのグッドエンディングを選択し、これを実行させる。
【0091】
また、告白制御部226は、最終オファーするキャラクタが「本命」設定されたキャラクタで無く、プレーヤが最終オファーを断る操作入力をした場合に、プレーヤキャラクタ2の良心耐久度40を減らす。但し、最終オファーする資格を有するキャラクタが同時に複数存在する場合には、当該複数のキャラクタによる最終オファーとし、断られる人数が複数でも良心耐久度40の減算量ΔDcは1単位とする。
【0092】
また、告白制御部226は、最終オファーするキャラクタが「本命」設定されたキャラクタで無いにも係わらず、プレーヤが最終オファーを受け入れる操作入力をした場合に、クリア失敗演出としてバッドエンディングを実行させるなど、バッドエンディング演出を管理する。
【0093】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0094】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1のスピーカ1410がこれに該当する。
【0095】
画像生成部260は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0096】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
本実施形態では、図1の第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408がこれに該当する。
【0097】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0098】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。本実施形態では、無線通信可能距離にある他の装置(例えば、他の携帯型ゲーム装置)とアドホックモードによる通信接続できる。
【0099】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームプレイに必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、記憶部500は、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1の制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0100】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、携帯型ゲーム装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0101】
また、記憶部500は、本命選択画面設定データ504と、ホーム画面設定データ506と、相関図画面設定データ508と、キャラクタ初期設定データ510と、バッドエンディング設定データ564とを予め記憶している。また、ゲームの進行とともにプレイデータ570、各種タイマーやカウンタ、フラグなどの情報を一時的に記憶する。
尚、予め記憶すべきデータは、必ずしも固定ではなく、公知のアップデート機能付きのビデオゲームと同様にして、通信回線1を介して所定のサーバ装置に接続し、追加・更新することができるように構成しても良い。
【0102】
本命選択画面設定データ504、ホーム画面設定データ506、相関図画面設定データ508は、それぞれ本命選択画面W2、ホーム画面W4、相関図画面W12を表示させるための基礎となるデータを格納する。例えば、表題テキスト、表示枠、アイコン、相関図の枠などの素材データ、表示位置座標の設定などが格納されている。
【0103】
キャラクタ初期設定データ510は、女子キャラクタ4それぞれに1セットずつ用意され、各女子キャラクタに関連する初期設定値や、当該女子キャラクタとのイベントプレイを実行するためのデータ、エンディング演出を実行するためのデータ等を格納する。
例えば、図14に示すように、一つのキャラクタ初期設定データ510は、キャラクタID512と、キャラクタの名前514と、アイコンデータ516と、種別変動率初期値r0(518)と、周りの影響発生閾値k4(520)と、周りの影響係数k2(522)と、シナリオデータ530と、グッドエンディング選択TBL566と、動画データライブラリ568とを含む。
【0104】
本実施形態は、女子キャラクタ4を実在する芸能人に見立てるので、キャラクタの名前514は、実在する女子芸能人グループのメンバーである実在する女性芸能人の名前、又は当該女性芸能人が扮した所定役の名前とする。
同様の理由から、アイコンデータ516は、その実在する女性芸能人の顔写真、又は所定役に扮した当該女性芸能人の顔写真などを元に作成されている。
【0105】
種別変動率初期値r0(518)は、好感度の変動率Rを算出する基礎となる値を定義する。本実施形態では、対応するキャラクタが種別「本命」に設定された場合に適用される第1の値と、種別「妨害」に設定された場合に適用される第2の値が設定されている。基本的には、第1の値の方が、第2の値よりも小さくなるように設定されている。
尚、種別変動率初期値r0(518)は、プレーヤがゲーム開始前に難易度を選択できる構成の場合には、ゲーム難易度別に設けるとしても良い。
【0106】
周りの影響発生閾値k4(520)は、対応するキャラクタと特定関係の他キャラクタの好感度Pgに基づいて、当該対応するキャラクタの好感度Pgの補正を行うか否かの判定に係る数値を定義する。本実施形態では、相関図30において対応する女子キャラクタ4に隣接配置された他の女子キャラクタを特定関係の他キャラクタとする。また、周りの影響発生閾値k4(520)は、対応する女子キャラクタ4よりも好感度Pgが大きい特定関係の他キャラクタの数と、特定関係の他キャラクタの数との比率を判定する閾値として定義される。
【0107】
そして、周りの影響係数k2(522)は、好感度Pgの補正を行う場合の補正量を定義する。
【0108】
シナリオデータ530は、対応する女子キャラクタ4との恋愛成就に至までの紆余曲折のストーリを複数のイベントのツリー構造(枝分かれ構造)の連続として定義するデータであって、対応する女子キャラクタ4とのイベントプレイを実行する核となるデータである。
【0109】
本実施形態では、例えば図15に示すように、イベント発生順番データ531と、妨害発生許可イベントリスト532と、複数のイベントデータ534と、単独告白イベントデータ560と、合同告白イベントデータ562とを含む。
【0110】
イベント発生順番データ531は、発動するイベントの順番をツリー構造に定義するデータである。
妨害発生許可イベントリスト532は、対応する女子キャラクタ4が「本命」に選択されている場合に参照されるデータであって、イベントが実行される前に種別「妨害」の女子キャラクタによる妨害イベントの発生を許可する特別なイベント(直前のイベントで約束を交わし、その約束を遂行するためのイベントなど;図6のイベント3sに該当)の識別情報を格納する。基本的には、直前のイベントにてプレーヤキャラクタ2と女子キャラクタ4との間で、ゲーム世界時間における時間的な条件を伴う約束をとりつける内容であり、当該リストに登録されるイベントはその約束の内容を描くものである。つまり、絶妙なタイミングで妨害のイベント5(図6参照)が起きるように設定されている。勿論、約束を伴わないイベントを適宜登録しても良い。
【0111】
個別のイベントプレイを実現するためのデータは、告白前のイベントに関する複数のイベントデータ534と、単独告白イベントデータ560及び合同告白イベントデータ562とに分けられる。
【0112】
一つのイベントデータ534は、イベントの識別情報であるイベント番号536と、複数のシーンデータ538を格納する。すなわち、一つのイベントは複数のシーンの分木状の連続として構成されている。
【0113】
本実施形態のイベントは、コマンド選択形式で実現されるので、一つのシーンデータ538は、シーン番号540と、タイムライン設定データ542と、複数のテキストデータ544と、複数のキャラクタ画像データ546とを含む。また、そのシーンがシナリオ分岐点に該当し、プレーヤキャラクタ2の行動選択入力を要する場合には、更に行動選択設定データ550を含む。
【0114】
テキストデータ544は、イベントに登場する女子キャラクタ4の台詞(モノローグ含む)や状況説明文など、テキスト表示部22(図5参照)に表示されるテキストを定義する。キャラクタ画像データ546は、それらテキストと連動して表示される女子キャラクタ4のキャラクタ画像20(図5参照)を定義する。前述のように、本実施形態の女子キャラクタ4には実在する芸能人を見立てるので、キャラクタ画像データ546に格納される画像は、その芸能人の様々な仕草の実写画像を元に作成されている。
【0115】
そして、複数のテキストデータ544及びキャラクタ画像データ546を、どのタイミングで表示し、どのように動かすかと言った見せ方を決める制御情報が、タイムライン設定データ542で定義される。
【0116】
行動選択設定データ550は、プレーヤキャラクタ2の行動選択肢552毎に、選択肢種別554と、基礎値k0(556)と、分岐先558とを指定する。
基礎値k0(556)は、対応する選択肢をプレーヤが選んだ場合に、対話相手の女子キャラクタ4の好感度Pgを変更する量の基礎値である。本実施形態では、基礎値k0に変動率Rを乗算して好感度変更量ΔPgを算出する。
分岐先558は、同じイベント内で次に移動するシーンを指定する。
【0117】
単独告白イベントデータ560は、対応する女子キャラクタ4が一人でプレーヤキャラクタ2に告白するシチュエーションを作り出す専用のイベントデータである。
これに対して、合同告白イベントデータ562は、対応する女子キャラクタが他の女子キャラクタと同時期(同時、又は時間差はあるがほぼ連続的)に告白をするシチュエーションを作り出す専用のイベントデータである。例えば、他の女子キャラクタが告白するのを知って「貴方が告白するなら私も負けられない!」と言った台詞で割り込みをかけてくるシチュエーションでも良いし、他の女子キャラクタが告白した後に電話或いはメールで告白するシチュエーションでも良い。
【0118】
バッドエンディング設定データ564(図13参照)は、ゲームクリアミスしたときに実行される失敗演出を実現するためのデータを格納する。本実施形態では、プレーヤが女子キャラクタ4の中から「本命」を任意に一人選択し、本命以外の女子キャラクタ4の告白を受け入れるとクリアミスとなる。よって、8人の女子キャラクタ4それぞれついて、なし崩し的にプレーヤキャラクタ2とお付き合いを始めるシチュエーションのエンディングを8タイプ用意すると良い。その他、何れの女子キャラクタ4ともお付き合いできなかったシチュエーションや、誤って本命の女子キャラクタ4の告白を断ってしまったシチュエーションなど、ゲーム展開で想定されるクリアミス条件に応じたエンディングを用意すると良い。そして、バッドエンディング演出を実行する際には、その時の条件にあったエンディングが処理部200により選択され実行されるものとする。
【0119】
プレイデータ570は、今回のゲームプレイの進行状況を示す各種データを格納する。例えば、良心耐久度572と、相関図30を定義するための相関データ574と、女子ステータスデータ576と、イベント制御データ578と、振られ発生フラグ580と、振りカウンタ582と、告白実行キャラクタリスト584とを含む。
【0120】
相関データ574は、例えば図16に示すように、相関図30の各マスの位置をXY直交座標で識別し、そこに配置されるキャラクタの識別情報(図16では、キャラクタのアイコンを示している)を対応づけて格納する。
【0121】
女子ステータスデータ576は、各女子キャラクタ4に対応づけられるパラメータ値を格納する。例えば図17に示すように、キャラクタID576aと対応づけて、種別フラグ576b、好感度Pg(576c)、変動率R(576d)、対話相手フラグ576e、振られフラグ576f、シナリオ進度データ576g、傷心度Pb(576h)などを格納する。
【0122】
種別フラグ576bは、「1」が種別「本命」であることを示し、「0」が種別「妨害」すなわち本命以外であることを示す。
【0123】
対話相手フラグ576eは、ゲーム開始当初の初期値は全て「0」である。ホーム画面W4でプレーヤが対話相手として選択したり、妨害のイベント5の強制発生に伴い対話相手が自動的に変更されると、対話相手のキャラクタのフラグが「1」にセットされ、それ以外が「0」にセットされる。
【0124】
振られフラグ576fは、そのキャラクタが告白して振られたかの識別を示す。ゲーム開始当初の初期値は全て「0(未だ振られていない)」で、告白イベントで断られると「1(振られ)」に設定される。
【0125】
シナリオ進度データ576gは、対応するキャラクタにまつわるシナリオがどこまで進んでいるかを示す情報を格納する。例えば、次に実行されるイベントの識別情報を格納する。
【0126】
傷心度576hは、初期値はゲーム開始時に所定範囲(例えば、0〜−15)内からランダムで設定され、イベントにおいてプレーヤが選択肢種別554(図15参照)が「疎遠」に設定された内容が選択される都度、好感度Pgの変更量ΔPgが積算される。
尚、女子ステータスデータ576には、その他、各女子キャラクタ4に対応づけられる固有のパラメータ値を適宜格納することができるものとする。
【0127】
イベント制御データ578は、イベント実行に必要な各種タイマー値、カウント値、フラグ、テクスチャデータ、など様々な情報を格納する。
【0128】
振られ発生フラグ580は、各女子キャラクタについて設定されるフラグであって、実行中のイベントに関連して告白イベントが発動し、告白を断る旨の選択がされたか、つまり女子キャラクタにとって「振られ」が起きたかを示す。イベントプレイの開始時点では初期値「0」、告白イベントで断る旨の行動選択が入力されたら「1」に設定される。
【0129】
振りカウンタ582は、ゲーム開始から現在まで何人の女子を振ったかを示す。ゲーム開始時点の初期値は「0」、告白イベントで断る旨の行動選択が入力されたら、当該告白イベントにおいて告白した人数だけ加算される。つまり、女子キャラクタ4が単独で告白する場合は「1」加算、複数の女子キャラクタ4が同時期に告白する場合はその人数分だけ加算される。
【0130】
告白実行キャラクタリスト584は、告白するキャラクタの識別情報を登録する。
具体的には、イベント開始時に一旦クリアされ、イベントプレイ中に対話相手の女子キャラクタ4の好感度Pgが所定の限界条件を満足したら、当該女子キャラクタ4の識別情報が格納される。また、その時、他の女子キャラクタ4の好感度Pgも所定の限界条件を満足していたら、該当する他の女子キャラクタ4の識別情報も格納される。そして、実行中のイベントに関連して告白イベントが発動すると、告白実行キャラクタリスト584に登録されている女子キャラクタ4が告白人となる。告白実行キャラクタリスト584に登録されているのが単独なら対話相手の女子キャラクタ4の単独告白イベントデータ560に従って告白イベントが実行され、複数なら合同告白イベントデータ562に従って告白イベントが実行されることとなる。
【0131】
[処理の流れの説明]
次に、携帯型ゲーム装置1400の処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理は、処理部200がシステムプログラム501を実行している環境下において、ゲームプログラム502を実行することによって実現される。尚、ゲーム画面の生成と表示制御、ゲーム音声の生成と放音制御については公知のビデオゲームと同様に実現されるものとして詳細な説明は省略する。
【0132】
図18〜図19は、主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず、プレーヤに「本命」とする女子キャラクタ4を選択させるための本命選択画面W2を表示制御する(ステップS2;図3参照)。
【0133】
本命選択画面W2では、プレーヤは選択マーカ8を、恋愛成就の相手として希望する女子キャラクタ4のアイコン6の位置に移動させ所定の選択決定操作を入力する。こうした選択操作入力が検出されると(ステップS4)、処理部200は、当該選択された女子キャラクタの種別を「本命」、他の女子キャラクタの種別を「妨害」とするように、女子ステータスデータ576の種別フラグ576bを設定する(ステップS6;図17参照)。
【0134】
次に、処理部200は相関データ574を自動生成する(ステップS8)。具体的には、3マス×3マスからなる相関図30の何れかのマスに、プレーヤキャラクタ2と8人の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4h)をランダムに配置する。これで今回の恋愛SLGにおけるプレーヤキャラクタ2と8人の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4h)との親近感の初期状態が決定されたことになる。
【0135】
次いで、処理部200は、生成した相関図30に基づいて全ての女子キャラクタ4の変動率Rを算出・決定する(ステップS10)。具体的には、女子キャラクタ4毎に、相関図30において、プレーヤキャラクタ2の配置マスから各女子キャラクタ4の配置マスまでの距離L(単位はマス数)をカウントする。更に、各女子キャラクタ4のキャラクタ初期設定データ510から当該女子キャラクタの今回の種別576bの設定に合致する種別変動率初期値r0(518)を参照し、所定の算出関数f(r0,L)で算出し、女子ステータスデータ576の変動率R(576d)に格納する(図10、図14、図17参照)。
【0136】
ゲームを開始したならば(ステップS20)、処理部200は先ずホーム画面W4を表示する(ステップS22)。ホーム画面W4は、対話相手の選択画面を兼ねる。従って、ホーム画面W4を表示するにあたっては、女子ステータスデータ576の振られフラグ576fを参照し、まだ振られていない女子キャラクタ4の対話相手選択アイコン12のみが表示されるようにする(図4、図17参照)。つまり、一度振られた女子キャラクタは、以降のゲームプレイには登場しないことになる。
【0137】
ホーム画面W4が表示された状態で、相関図の変更操作入力を検知すると(ステップS24のYES)、処理部200は相関図変更処理を実行する(ステップS26)。
【0138】
図20は、本実施形態における相関図変更処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理では、処理部200は先ず相関図画面W12を表示する(ステップS30;図12参照)。相関図画面W12が表示されている状態にて、プレーヤキャラクタのアイコンの移動操作を検知すると(ステップS32のYES)、移動操作に応じてプレーヤキャラクタの配置位置と、移動先に既に配置されている女子キャラクタとを入れ替えるように相関データ574を変更する(ステップS34)。
【0139】
そして、変更された相関図30の状況が各女子キャラクタ4の変動率Rに反映されるようにステップS10と同様にして変動率Rを再設定し(ステップS36)、相関図30の表示を更新する(ステップS38)。相関図画面W12にて、所定のホーム画面W4への復帰操作入力を検知したならば(ステップS40のYES)、処理部200は相関図変更処理を終了して図18のフローチャートに戻り、ステップS22に移行して再びホーム画面W4を表示させる。
【0140】
次に、ホーム画面W4にて対話相手の選択操作入力が為されると(ステップS46)、処理部200は対話相手に選択された女子キャラクタ4のキャラクタ初期設定データ510からシナリオデータ530を読み出し(ステップS48)、女子ステータスデータ576にて対話相手に選択された女子キャラクタのシナリオ進度データ576gで示すポイントからイベントプレイを開始/再開する(ステップS50)。対話相手の女子キャラクタ4と始めて会話するならば最初のイベントから、既に一度でも会話していれば前回のイベントの次に続くイベントからのプレイとなる。
【0141】
シナリオの所々に設けられた分岐点では、プレーヤキャラクタ2(プレーヤ)の行動選択入力が必要になる。イベントプレイが進行し、分岐点となるシーンで行動選択入力が検知されると(ステップS52のYES)、処理部200は対話相手の好感度変更処理を実行する(ステップS54)。
【0142】
図21は、本実施形態における対話相手の好感度変更処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、現在実行中のシーンのシーンデータ538の行動選択設定データ550から(図15参照)、先に検知されたプレーヤキャラクタ2の行動選択入力の種類に対応する基礎値k0(556)を参照する(ステップS110)。
【0143】
次いで、女子ステータスデータ576から対話相手の女子キャラクタの変動率R(576d)を参照し(ステップS112)、所定の算出式に従って好感度変更量ΔPgを算出する(ステップS114)。本実施形態では、好感度変更量ΔPgを基礎値k0と変動率Rの積とするが、その他の関係で算出するとしても良い。
【0144】
そして、好感度変動率ΔPgを算出したならば、次にその値を対話相手の好感度Pgに加算して、対応する女子ステータスデータ576の好感度Pg(576c)を変更する(ステップS116)。
ここでもし算出した好感度変更量ΔPgが負の値であったならば(ステップS118のYES)、処理部200は算出した好感度変更量ΔPgを対応する女子ステータスデータ576の傷心度Pb(576h)に積算・更新し(ステップS120)、対話相手の好感度変更処理を終了する。
【0145】
図18のフローチャートに戻って、処理部200は次に「周りの影響処理」を実行する(ステップS122)。
【0146】
図22は、本実施形態における周りの影響処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理は、対話相手の女子キャラクタ4の好感度Pgが変化したことが他の女子キャラクタ4に影響を及ぼす事象を恋愛SLGにおいて仮想的に再現するための処理である。
【0147】
具体的には、処理部200は先ず、相関図30にて対話相手の女子キャラクタ4に隣接して配置されている他の女子キャラクタ4を影響が及ぶ対象として抽出する(ステップS130)。例えば、図11の例で言うと、女子キャラクタ4(4h)が対話相手ならば、これに隣接する女子キャラクタ4e,4g,4f,4b,4dの4人が抽出されることになる。尚、抽出方法は、これに限らず対話相手以外の全ての女子キャラクタを対象としても良いし、未だ振られていない種別「妨害」の女子キャラクタ全部を抽出するなどとしても良く、ゲーム内容や登場する女子キャラクタの数に応じて適宜設定することができる。
【0148】
影響が及ぶキャラクタが抽出されたならば、抽出された全ての女子キャラクタ4についてループAを実行する(ステップS132〜S144)
【0149】
ループAでは先ず、相関図30においてループAの処理対象とされる女子キャラクタ4と隣接する他の女子キャラクタ4を比較対象として抽出し、抽出数Nを一時的に記憶する(ステップS134)。例えば、図11の例で言うと、対話相手に隣接する女子キャラクタ4e,4g,4f,4b,4dのうち処理対象を女子キャラクタ4bと仮定すると、比較対象は、女子キャラクタ4a,4c,4f,4b,4dとなる。
【0150】
次いで、処理部200は、比較対象として抽出された女子キャラクタの内、処理対象とされる女子キャラクタよりも好感度Pgが大きいキャラクタの数Mをカウントする(ステップS136)。
【0151】
そして、「M/N」の値が、処理対象とされる女子キャラクタ4固有の「周りの影響発生閾値k4(520;図14参照)」を上回る場合(ステップS138のYES)、処理部200は、当該処理対象の女子キャラクタ4は、処理対象とされる女子キャラクタ固有の「周りの影響係数k2(522;図14参照)」が加算されるように変動率R(576d)を更新し(ステップS140)、ループAを終了する(ステップS144)。
つまり、処理対象の女子キャラクタ4にとって、思った以上に仲良しの女子に好感度Pgが負けていることを実感して、恋に望む姿勢を変えると言った事象を恋愛SLGに仮想的に実現することができる。
【0152】
そして、変動率Rを補正するに当って参照される「周りの影響係数k2」は、恋に望む姿勢をどう変えるかを示す。勝ち気な娘ならば正の値、逆に気弱な娘ならば負の値が設定されている。前者の新たな変動率Rは、標準の変動率Rよりも若干大きくなり、後者の場合は標準より若干小さくなる。つまり、同じようにイベント等で好感度Pgが変化する場合でも、前者はより激しく増減しやすく、後者は変化し難くなる。よって、処理対象とされる女子が周りの影響を受け、発奮してよりプレーヤキャラクタに積極的に好意を抱くようになったり、反対に萎縮して気持ちの盛り上がりに欠けるようになるといった様子を仮想的に再現することとなる。
【0153】
一方、「M/N」の値が「周りの影響発生閾値k4」を上回らなければ(ステップS138のNO)、今まで通りの変動率Rとされ(ステップS142)、ループAを終了する(ステップS144)。
そして、ステップS130で抽出された全ての女子キャラクタについてループAを実行したならば、周りの影響処理を終了する。
【0154】
図18のフローチャートに戻って、処理部200は次に告白発生処理を実行する(ステップS146)
【0155】
図23は、本実施形態における告白発生処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理は、好感度Pgが限界条件を満たして、つまり気持ちが十分に高ぶった女子キャラクタ4を判定し、告白イベントを実行し、告白の結果に応じたパラメータの変更やエンディングを実行させる処理である。
【0156】
具体的には、同処理において処理部200は先ず、振られ発生フラグ580を「0(発生無し)」に初期化し、告白実行キャラクタリスト584をクリアして登録無しの状態に初期化する(ステップS160;図13参照)。そして、現在対話相手とされている女子キャラクタの好感度Pgが告白発生基準値(限界条件)に当る所定の上限値に到達しているかを判定する(ステップS162)。
【0157】
もし、対話相手の女子キャラクタ4の好感度Pgが上限に達していなければ(ステップS162のNO)、そのまま告白発生処理を終了して、現在実行中のイベントを継続する。
【0158】
もし、対話相手とされている女子キャラクタ4の好感度Pgが上限に到達していて(ステップS162のYES)、且つその対話相手の女子キャラクタ4が「本命」でなければ(ステップS164の「妨害」)、処理部200は対話相手の女子キャラクタ4を告白実行キャラクタリスト584に登録する(ステップS166)。
【0159】
次いで、処理部200はプレーヤキャラクタの良心耐久度572(図11参照)が所定の限界値に達しているかを判定する。本実施形態では、良心耐久度572が「0」である場合、又は良心耐久度572の残値が、後のステップで行われる良心耐久度572の一回当たりの減算量ΔDcに満たない場合に、限界に達したと判定する。
【0160】
もし、限界に達していなければ(ステップS168のNO)、告白を受け、プレーヤ自身で愛の告白への返答をすることができる。
その為には、処理部200は好感度Pgが上限値に到達した本命以外の他の女子キャラクタ4の有無を判定する(ステップS170)。そして、該当者を告白実行キャラクタリスト584に追加登録し(ステップS170のYES→ステップS172)、当該リストに登録されている女子キャラクタによる告白イベントを実行する(ステップS174)。
【0161】
告白イベントを実行する際、告白実行キャラクタリスト584に複数人登録されている場合には、対話相手以外の女子キャラクタについては単独告白イベントデータ560に従ってイベントを実行した後に、他の女子キャラクタの合同告白イベントデータ562に従ってイベントを実行する。後者としては、例えば対話相手の女子キャラクタが告白しようとするところに、その他の女子キャラクタが「貴女がその気ならば私だって!」と、告白に割り込むシチュエーションが例示される。或いは、合同告白イベントデータ562を、複数の女子を前に一括で返答すると言ったシチュエーションのイベントとするとしても良い。
【0162】
そして、告白イベントでは、プレーヤは告白への返答を選択入力する。
返答選択入力の結果が、相手の好意を受け入れる旨である場合(ステップS176の「受け入れ」)、結果的にプレーヤキャラクタ2は、プレーヤがゲーム前に設定した「本命」の女子キャラクタ4(4h)とは別の女子キャラクタの告白を受け入れたことになるので、処理部200はバッドエンディング演出を実行しゲームオーバーとする(ステップS178)。
【0163】
一方、告白への返答選択入力の結果が、辞退する旨に相当する場合(ステップS176の「断る」)、処理部200は、今回告白した全ての女子キャラクタ4について、各々の動画データライブラリ568から告白失敗動画データ569aを読み出し、これを再生し告白失敗の演出とする(ステップS180;図14参照)。
【0164】
告白失敗の演出が終了したならば、処理部200は次に、今回告白した全ての女子キャラクタ4の振られフラグ576fを「1(振られ済)」に設定し(ステップS182;図17参照)、振りカウンタ582に今回告白失敗した女子キャラクタの数を加算する(ステップS184;図13参照)。
【0165】
次いで、処理部200は種別「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgを所定値加算する(ステップS186)。これにより、プレーヤキャラクタ2が本命以外の女子をきちんと振って愛の証を立てたことに「本命」の女子キャラクタ4(4h)が好感し、その想いを更に高める事象を恋愛SLGで仮想的に再現している。
【0166】
そして、処理部200は、良心耐久度572から所定の減算量ΔDcだけ減算し(ステップS188)、告白発生処理を終了する。この良心耐久度572の減算により、告白者が「本命」の女子ではないとは言え、愛の告白を断った事への良心の呵責が生じ、以降の恋愛に影を落とすと言った様子を恋愛SLGで仮想的に再現する。
ここで注目すべきは、今回のイベント実行に関連して告白イベントに登場した女子の人数に係わらず、良心耐久度572が1単位分の減算量ΔDcしか減らされない点である。つまり、複数の本命以外の女子キャラクタ4の好感度Pgを、上手く同じようなタイミングで限界値に達するように、それら本命以外の女子キャラクタ4とのイベントをこなしていけば、ダメージが少なくより効果的に本命との恋愛障害を取り除くことができるのである。
【0167】
さて、もし良心耐久度572が限界に達した状態で告白を受けると(ステップS168のYES)、処理部200はバッドエンディング演出を実行し、ゲームオーバーとする(ステップS178)。
【0168】
具体的には、例えば良心耐久度572が限界に達していない場合の告白イベントと同じように、告白を「受け入れる」「断る」のコマンドガイドをゲーム画面に表示するレイアウトを有するが、「断る」の選択肢をプレーヤが選択操作したとしても、「ああ、もう人を傷つけることはできないよ・・・」などの画面をインサートし、続いて「受け入れる」の選択肢を選択した場合と同じ演出を続けると好適である。或いは、「受け入れる」選択肢を表示しないなど、そもそも「断る」選択肢が選択できないようにレイアウトしても良い。
【0169】
これにより、本当ならば告白してきた相手が「本命」ではないので告白を断りたいところであるが、良心耐久度が限界に達していて、告白を断って相手を傷つけてしまうことに耐えられなくなり、やむなく告白を受け入れてしまうと言った状況を、恋愛SLGで仮想的に再現することができる。
【0170】
一方、好感度Pgが上限値に到達した対話相手とされている女子キャラクタ4が「本命」であれば(ステップS164の「本命」)、処理部200は、「本命」の女子キャラクタ4(4h)による告白イベント(選択肢は告白の受け入れるのみ)を実行する(ステップS190)。
【0171】
そして、当該「本命」の女子キャラクタ4(4h)のキャラクタ初期設定データ510のグッドエンディング選択TBL566を参照し、振りカウンタ582の値に応じてグッドエンディングの種類を選択し(ステップS192;図14参照)、動画データライブラリ568からその選択されたグッドエンディングの動画データを読み出し、ゲームクリア演出としてこれを再生し(ステップS194)、ゲーム終了とする。
【0172】
一方、対話相手の女子キャラクタ4の好感度Pgがそもそも上限に達していない場合などの理由で、告白発生処理でエンディングの実行に至らなければ、図18のフローチャートに戻って、処理部200は実行中のイベントが終了するまで(ステップS260のNO)、ステップS50〜S146を繰り返す。
【0173】
実行中のイベントが終了したならば(ステップS260のYES)、図19のフローチャートに移って、処理部200は、現在対話相手の女子キャラクタ4との未実行のイベントの有無を判定する。そして、未実行のイベントが残っていれば(ステップS262のYES)、処理部200は次に対話相手の女子キャラクタ4の傷心度Pbを参照する。そして、傷心度Pbが所定の限界値に達していなければ(ステップS263のNO)、イベント発生順番データ531(図15参照)で指定されている次イベントの識別情報をシナリオ進度データ576g(図17参照)に格納して更新する(ステップS264)。
【0174】
次いで、処理部200は、今現在対話相手としている女子キャラクタ4の種別を判定する。もし、種別が「妨害」であるならば(ステップS266の「妨害」)、ステップS22に戻る(図18参照)。ステップS22により再びホーム画面W4が表示されるので、プレーヤは「本命」の女子キャラクタ4(4h)とのイベントプレイを選択することもできるし、複数女子による合同告白狙いで、また別の「妨害」の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)とのイベントプレイを選択することもできるようになる。
【0175】
一方、対話相手の種別は「本命」であるが(ステップS266の「本命」)、イベント発生順番データ531で指定されている次イベントが、妨害発生許可イベントリスト562に登録されていない場合も(ステップS268のNO)、ステップS22に戻る。
【0176】
また、次イベントに妨害発生が許可されている場合であっても(ステップS268のYES)、所定の当選確率を実現する抽選処理を実行し、抽選の結果が「発生無し」(ステップS280の「発生無し」)になった場合も同様である。
【0177】
尚、ここでの当選確率は、「本命」の女子キャラクタ4(4h)の現在の好感度Pgが高い程発生確率が高くなるように設定されている。結果、あたかもプレーヤキャラクタ2と「本命」の女子キャラクタ4(4h)との関係が「上手く」言っているような場合には、積極的に妨害のイベント5が発生するようにして、ゲームを盛り上げることができる。勿論、当選確率は、ゲーム内容によってはこの逆関係としても良いし、一定としても良い。
【0178】
もし、次イベントに妨害発生が許可されていて、且つ抽選処理で妨害発生に当選した場合には(ステップS280の「発生」)、処理部200は、更に種別「妨害」で未だ振られていない女子キャラクタ4が存在するかを判定する。
そして、該当する女子キャラクタが存在する場合には(ステップS282のYES)、その種別「妨害」で未だ振られていない女子キャラクタの中から何れか一人を抽選し(ステップS284)、対話相手を当該抽選により選ばれた女子キャラクタに変更して(ステップS290)、ステップS48に移行する(図18参照)。
尚、ステップS284の抽選における当選確率は、相関図30における対話相手の女子キャラクタ4と抽選対象の女子キャラクタとの位置関係に基づいて決定するとしても良い。例えば、相関図30において距離Lが小さい程当選確率を相対的に高くし、離れる程低くなるようにすると好適である。
【0179】
すなわち、ステップS266〜S290により、対話相手の女子キャラクタが「本命」の女子キャラクタ4(4h)で有る場合には、適当な確率で本命以外の女子キャラクタ4(4a,4b,…,4g)とのイベントへ強制的に切り換えられてしまう。つまり、本命女子との恋愛成就の障害イベント5が発生する(図6参照)。
【0180】
一方、ゲームを進めているうちに、ステップS262にて、現在の対話相手となっている女子キャラクタ4について、未実行のイベントがなくなってしまった場合には(ステップS262のNO)、対話相手としている女子キャラクタ4による自発諦め動画データ569b(図14参照)を再生するなどして自発的にプレーヤキャラクタへの恋愛を諦める旨の演出を実行する(ステップS300)。
【0181】
尚、ステップS263にて、対話相手の女子キャラクタ4の傷心度Pbが所定の限界値に達していると判定された場合にも(ステップS263のYES)、同様に自発諦め動画データ569bを再生する。
【0182】
そして、処理部200は、当該女子キャラクタの振られフラグ576fを「1(振られ済)」に変更し(ステップS302)、次いで全ての女子キャラクタを振っているかを判定する。
【0183】
もし、未だ振られていない女子キャラクタ4が残っていれば(ステップS304のYES)、その残った未だ振られていない女子キャラクタ4の中から何れか一人を抽選し(ステップS306)、対話相手を当該抽選により選ばれた女子キャラクタ4に変更して(ステップS308)、ステップS48に移行する。
【0184】
もし、全ての女子キャラクタを振ってしまっている場合には(ステップS304のNO)、恋愛失敗の旨を表示するなどのゲームオーバ処理を実行して(ステップS310)、一連の処理を終了する。
【0185】
以上、本実施形態によれば、「本命」の異性との恋愛成就がグッドエンディングで、本命以外の異性との恋愛成就に至った時はバッドエンディングと明確に分かれるような演出がなされる。よって、例えば「うれしいけどちょっと残念」といった恋愛にまつわるある種のほろ苦さを体感することができる。
【0186】
また、本実施形態では「告白を断る」つまり「振る」行為に伴う良心が受けるダメージを、プレーヤキャラクタ2の良心耐久度40,572の低下で表している。そして、良心耐久度40が次のダメージを受けると「0」になってしまう程低い場合には、本命以外の女子キャラクタでも振ることができずに、告白を受け入れるように構成されている。よって、振ることのリスクと、恋に疲れた結果迎えることとなる、当初の本心とはちょっと違う恋愛成就に感じる恋愛のほろ苦さも体験できる。
【0187】
別の見方をすれば、複数の相手から求愛される恵まれた状況にいるプレーヤキャラクタ2が、本命の相手以外を振って傷つけるリスクを負いながら、本命の相手との恋愛成就を目指す、恋愛の苦しみを仮想的に体感できる新しい恋愛SLGを実現できるとも言える。
【0188】
また、一人の人物に対して複数の異性が好意を抱く一対多の状況では、「振った」「振らない」がライバル関係にあるもの同士の行動に影響を与えるが、本実施形態では、周りの影響に伴う好感度Pgの変動率Rの変動によってそれが実現されている。よって、ハーレム的状況におけるライバル同士の恋愛模様をゲームに盛り込み、よりゲームを面白くしている。
【0189】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様に実現されるが、プレーヤ自身のプロフィールをゲームに反映させる構成が含まれるところが異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略し、ここでは第1実施形態との差異について主に述べるものとする。
【0190】
本実施形態では、処理部200のゲーム演算部210により、ゲーム開始前にプレーヤ自身のリアルなプロフィールを入力するステップが実行され、例えば図24に示すようなプロフィール設定画面W18が本命選択画面W2に前後して表示される。プロフィール設定画面W18には、例えば、プレーヤの出身地入力欄50や、趣味入力欄52、好きな動物入力欄54など、いわゆる男女交際に関連してプロフィールを記載する際に登場する内容の項目を入力する欄が含まれる。
勿論、入力欄で設定する内容はこれ以外にも、好きな音楽の分野であったり、食べ物の好み、などその他の分野の内容を適宜加えたり反対に省略することもできる。
そして、プロフィール設定画面W18で入力した各欄の入力結果は、図25に示すように、プレイデータ570内にプレーヤプロフィールデータ586として記憶される。
【0191】
プロフィール設定画面W18の各種入力欄で入力される内容は、予め全ての女子キャラクタ4についても設定されており、図26に示すように、キャラクタ初期設定データ510に、プロフィール設定データ526として第1実施形態にて同設定データに含まれる種々のデータとともに格納される。
【0192】
そして、本実施形態では、相関データの生成に際して、先ず、プレーヤのプロフィールの設定と、女子キャラクタ4のプロフィールの設定とを比較し、共通点が多いほど高得点となるように女子キャラクタ毎の「お似合い度Ps」を算出する。
算出されたお似合い度は、図25に示すように、プレイデータ570内のお似合い度登録データ588に、女子キャラクタ4のキャラクタIDと対応づけて格納される。
【0193】
図27は、本実施形態における相関データの自動生成処理の流れを説明するためのフローチャートであって、第1実施形態のステップS8に代わって実行される。
同処理において、処理部200は先ず、女子キャラクタ4毎に「お似合い度Ps」を算出し、お似合い度登録データ588として登録する(ステップS330)。
【0194】
具体的には、例えば、プレーヤのプロフィールと、算出対象の女子キャラクタ4のプロフィールの設定項目のうち、趣味の項目を比較し合致数t1を算出する。そして、合致数t1が大きい程算出値が大きくなる関数g(t1)で基礎値を求める。これに、出身地が同じ場合に、異なる場合より大きく設定される係数t2と、好きな動物が一致すると高く異なると低く設定される係数t3とを乗算して、お似合い度Psを算出する。要するに、プロフィールの項目で共通する数が多いほど、高い値となる。なお、これ以外の算出式を用いても構わないのは勿論である。
【0195】
次に、処理部200は、算出された全ての女子キャラクタ4のお似合い度Psから所定の統計値(例えば、平均値や、最大値、中央値など適宜選択可)を算出し、これに基づいてプレーヤの相関図30における配置位置を決定する(ステップS332)。
【0196】
具体的には、例えば、お似合い度Psが低いと見なされる閾値t4と、高いと見なされる閾値t5を予め設定しておく。そして、(1)算出された全ての女子キャラクタ4のお似合い度Psのうちの最大値Psmaxが閾値t4以下であれば、相関図30の四隅の何れかに配置し、(2)最大値Psmaxが閾値t4〜閾値t5の間ならば外縁の真ん中の何れか、(3)最大値Psmaxが閾値t5以上ならば中央、に配置する。
【0197】
次に、処理部200は、算出したそれぞれのお似合い度Psの高い順に女子キャラクタ4を順位付けし(ステップS334)、高順位ほどプレーヤの配置位置に近くなるように各女子キャラクタ4の相関図30における配置位置を決定する(ステップS336)。
【0198】
具体的には、例えば図28(a)に示すような順位であった場合には、1位から順にプレーヤキャラクタ2の配置マスからの距離L(移動に要するマス数)の少ない配置マスに順次配置する。例えば図28(b)のように配置する。このようにして相関図30を生成することにより、プレーヤと各女子キャラクタ4の好みが似ているほど、互いにより近接して配置され、それが変動率Rの設定を介してゲーム進行に影響を与える。
【0199】
また、本実施形態では、図29のフローチャートに示すように、第1実施形態の告白発生処理(図23)のステップS188に代えて、プレーヤキャラクタ2の良心耐久度40の減算を行う際、告白を断った女子キャラクタ4のお似合い度Psが大きい程高い値となるように減算量ΔDcを算出するステップと(ステップS187a)、算出された減算量ΔDcを良心耐久度40から減算するステップ(ステップS187b)に置き換える。
【0200】
良心耐久度40を振った女の子のお似合い度Psに応じた量だけ下げる構成とすることで、振ってみて良心耐久度40の減り具合から、振った女子とのお似合い度Psがどれぐらいであったかを概ね感じることができる。
結果、プレーヤは、良心耐久度40の減りが大きいのを目の当たりにして「彼女を本命にしておけばよかったのかな・・・」と後悔してみたり、減りが少ないので「よし!彼女を本命にしなくて正解だった」と自信を深めてみたり、と言った具合に、ハーレム状態のなかから本命を選択するシチュエーションにぴったりのさまざまな感情を恋愛SLGで仮想的に楽しめるようになる。
【0201】
これに関してより望ましくは、告白失敗動画データ569a(図26参照)を、お似合い度Psの大きさに応じて複数種類用意しておいて、ステップS180で再生する動画データを、告白した女子キャラクタのお似合い度Psに応じて選択すると良い。
例えば、お似合い度Psが低い場合に選択される動画では「やっぱり、好みが違いすぎたかなぁ・・・」とこぼすシーンを描き、お似合い度Psが高い場合に選択される動画には「相性ぴったりだと思ってたのに。神様は残酷だよ・・・」と残念がるシーンを描くようにする。すると、上述のようなさまざまな感情を、良心耐久度40の減り具合から推察するのではなく、告白失敗動画を見て簡単に感じることができるようになるので、ゲームの興趣を高めることができる。
【0202】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1又は第2実施形態と同様に実現されるが、告白を実行する女子キャラクタの選択方法と、告白イベントで「妨害」の女子キャラクタを「振った」場合の「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgの変更方法とが、異なる。尚、第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略し、ここでは第1実施形態をベースとして、第1実施形態との差異について主に述べるものとする。
【0203】
図31は、本実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の記憶部500は、キャラクタ初期設定データ510の好感度変更量基礎値設定データ524を含む。また、告白実行キャラクタ選択条件データ565を含み、プレイデータ570内にゲーム世界における日時を記憶するゲーム世界時間(ゲーム世界日時)587を含む。
【0204】
好感度変更量基礎値設定データ524は、当該キャラクタが種別「本命」である場合に適用されるデータであって、当該キャラクタ以外の女子キャラクタとのイベントにおける行動選択の結果に応じて、当該「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgを変更する変更量ΔPgを算出するための特別な基礎値k5を定義する。
例えば、図32に示すように、行動選択設定データ550(図15参照)の行動選択肢種別554の種類に対応する選択肢種別524a毎に基礎値k5(524b)を格納する。基礎値k5は、当該女子キャラクタの好感度Pgが所定の閾値Lに達している場合と、達している場合とに分けて、設定されている。この閾値Lは、プレーヤキャラクタ2の行動結果に恋心が揺らされる程にプレーヤキャラクタ2に恋をしているかの閾値に相当する。よって、本実施形態では、前者が後者よりも値が小さくなるように設定されている。
【0205】
告白実行キャラクタ選択条件データ565は、告白処理において告白実行キャラクタを選択するための条件を定義する。
例えば、図33に示すように、適用条件565aと対応づけてキャラクタ選択条件565bを格納する。例えば、「常時」は、第1実施形態と同様に、好感度Pgが所定の限界値Pgmax以上の未だ振られていない女子キャラクタ4を選択するが、更に、ゲーム世界内の時間条件として、「指定日D1」では、限界値Pgmaxより低い特定閾値P1以上であれば告白実行キャラクタとして選択するようにしている。「指定日D2」及び「ゲーム世界日時で開始から15日経過」では、好感度Pgに係わらず、未だ振られていない女子キャラクタ4の中から、ランダム抽選により指定数を選択する。尚、ここで言う「指定日D1」や「指定日D2」には、クリスマスや、バレンタインデー、お正月、ハロウィンなど現実の日時は勿論、ゲーム世界内における卒業式の日、女子キャラクタの誕生日、なんらかの記念日など、恋愛感情が盛り上がり易いとされる日であったり、節目とし易い日が適宜設定される。
【0206】
図34は、本実施形態における告白発生処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、基本的には第1実施形態の告白発生処理と同様の流れを有するが、第1実施形態のステップS162がステップS163a及びS163bに置き換えられ、ステップS166とS170が省略される。また、第1実施形態のステップS188に代えてステップS189a〜S189cが実行される。
【0207】
具体的には、ステップS162に代えて、処理部200は告白実行キャラクタ選択条件データ565を参照して、選択条件565bに該当する未だ振られていない女子キャラクタを抽出する。もし、該当する女子キャラクタ4があれば(ステップS163aのYES)、抽出された女子キャラクタの中に、現在の対話相手が含まれるかを判定する(ステップS163b)。そして、もし含まれるならばステップS164に進む。もし含まれていなければ(ステップS163bのNO)、ステップS172へ移行する。
【0208】
また、振りカウンタ582をアップした後、処理部200は好感度変更量基礎値設定データ524と、今回のイベントにおける直近の行動選択の結果とから、基礎値k5(524b)を参照し、好感度の変更量ΔPg(=k5・R)で算出し(ステップS189a)、「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgに算出した変更量ΔPgを加算し更新する(ステップS189b)。
【0209】
そして、好感度Pgが変更されたことをプレーヤに通知するための処理を実行する(ステップS189c)。例えば、ゲーム画面内に、好感度Pgのゲージを表示しておいて、そのゲージの増減により通知する方法や、矢印マークや本命女子の表情アイコン(増加した場合の喜び顔のアイコンと、減少した場合の哀しみ顔のアイコンなど)を表示させる方法、画面枠の明滅や、背景の色の変更、所定の効果音の再生などでも良い。或いは、携帯型ゲーム装置1400がバイブレータを搭載している場合には、増加時と減少時とが区別可能に振動パターンを変更して振動を発生させて通知するとしても良い。
【0210】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が発揮できるとともに、告白する女子キャラクタを、好感度Pg以外のパラメータを利用して選択することができる。尚、ゲーム内でアイテムを取得できる構成の場合には、適用条件565aやキャラクタ選択条件565bに特定のアイテムの所持などを適宜加えることができる。
【0211】
また、「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgを、本命以外の女子キャラクタとのイベントにおけるプレーヤキャラクタ2の行動選択に応じて変更できる。よって、同じグループ内のキャラクタが恋のライバル関係にあって、他の子のイベントで何があったかの噂を聞きつけて本命の子の心が揺れる要素を恋愛SLGに取り入れることができる。
【0212】
加えて、「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgの変更量ΔPgをその時の好感度Pgの値に応じて可変できるので、相手の誠意を感じる程プレーヤキャラクタ2に恋心を抱いているか否かで、「振り」の影響が異なるようにできる。よって、より恋愛SLGとしての奥深さ、リアリティを増すことができる。
【0213】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1〜第3実施形態の何れかと同様に実現されるが、ホーム画面W4の表示内容を女子キャラクタの状態に応じて変更する点が異なる。尚、第1〜第3実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略し、ここでは第1実施形態をベースとして、第1実施形態との差異について主に述べるものとする。
【0214】
図35は、ホーム画面表示処理の流れを説明するためのフローチャートであって、第1実施形態のステップS22に代えて実行される。同処理では先ず、処理部200は振られフラグ576fを参照して未だ振られていない女子キャラクタ4を抽出し(ステップS360)、抽出された女子キャラクタ4それぞれについてループBを実行する(ステップS362〜S368)。
【0215】
ループBでは、処理対象とされる女子キャラクタの好感度Pgが大きい程、現在のゲーム世界内時間に近くなるように仮想直近着信日時を算出し、女子ステータスデータ576に格納する(ステップS364)。次いで、傷心度Pbが大きい程多くなるように仮想コール数を算出して、女子ステータスデータ576に格納する(ステップS366)。
【0216】
S360で抽出された全ての女子キャラクタについてループBを実行したならば、処理部200は、抽出された女子キャラクタの対話選択アイコン12をホーム画面W4を所定位置に上から順に配列表示し(ステップS370)、各々に算出された仮想直近着信日時13と、仮想コール数15を合成表示する(ステップS372)。
【0217】
この様に、仮想直近着信日時13と、仮想コール数15を各女子キャラクタ4の内部パラメータの値に基づいて決定し表示することで、着信履歴から相手の恋心の状態を推測できる要素とすることができるので、よりリアルな恋愛SLGとすることができる。
【0218】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の形態はこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0219】
[その1]
例えば、上記実施形態ではゲーム装置として携帯型ゲーム装置1400を例示したが、据え置き型の家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置として実現しても良い。
更にはゲーム装置とする電子機器は、“ゲーム装置”として販売される電子機器に限らず、アプリケーションソフトが実行可能な携帯電話機(いわゆるスマートフォンも含む)やコンパクトデジタルカメラ、音楽プレーヤ、パソコン、カーナビと言った電子機器も、プログラムを実行可能なコンピュータを内蔵している、或いはコンピュータそのものと言えるため、本発明を実現するゲーム装置の一形態とすることができる。
また、ゲーム装置は、スタンドアローンで機能するに限らず、ネットワークゲームをプレイするためのクライアント端末装置(操作端末装置)であっても良い。その場合は、ホーム画面W4のレイアウトも、操作端末風にすると好適である。
【0220】
[その2]
また、男性のプレーヤキャラクタ2と複数の女子キャラクタ4と言うキャスティングとしたが、これに限らず、男女を逆にしても良い。
【0221】
[その3]
また、上記実施形態では、ゲームジャンルを恋愛SLGとしたが、ゲームの題材は、恋愛に限らない。つまり、プレーヤキャラクタにオファーをする側のキャラクタが複数で、イベントをこなすことでオファーする側のキャラクタの内部パラメータ値が変化し、内部パラメータ値がある限界条件に達すると最終オファーをプレーヤキャラクタに行い、ただ一人だけ最終オファーを受けて貰えるシチュエーションであれば、その他の題材を用いることができる。例えば、共同事業者の選定を題材としても良いし、複数の候補野良猫からプレーヤキャラクタが一匹だけ飼い猫を選択する物語を題材としても良い。
【0222】
[その4]
また、「本命」の女子キャラクタ4(4h)とのイベントをプレイしていて強制的に挿入された他の女子キャラクタ4との妨害イベント5(図6参照)は、必ずしも強制とせず、プレーヤが当該他の女子キャラクタ4との妨害イベントを受けるか/受けないかの選択ができる構成としても良い。
【0223】
具体的には、例えば図30に示すように、次イベントに妨害発生が許可されていて、且つ抽選処理で妨害発生に当選した場合には(ステップS280の「発生」)、処理部200は、更に種別「妨害」で未だ振られていない女子キャラクタ4が存在するかを判定する。
【0224】
そして、該当する女子キャラクタが存在する場合には(ステップS282のYES)、その種別「妨害」で未だ振られていない女子キャラクタの中から何れか一人を抽選し(ステップS284)、当該抽選された女子キャラクタからのお誘いがあった旨の通知と、そのお誘いを受けるか受けないかを選択する選択入力画面を表示させる(ステップS286)。
【0225】
ここで、誘いを受け入れる操作入力を検知した場合には(ステップS288のYES)、第1実施形態と同様にして、対話相手を当該抽選により選ばれた女子キャラクタに変更して(ステップS290)、ステップS38に移行する(図18参照)。
【0226】
しかし、誘いを受けない操作入力を検知した場合には(ステップS288のNO)、処理部200は、プレーヤキャラクタ2は「本命」の女子キャラクタ4(4h)とのイベントを遂行するための行動を採択したとみなす。そして、良心耐久度572を所定値(「振った」場合よりは少ない値)だけ減算し(ステップS291)、「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgに所定値を加算して高める(ステップS292)ようにする。
【0227】
こうすることで、例えば、「本命」の女子キャラクタ4(4h)と何らかの約束をするイベントと、その約束を遂行する次のイベントとの間に、妨害イベント5が挿入されるかをプレーヤに選択させることができるとともに、その選択結果を「本命」の女子キャラクタ4(4h)の好感度Pgの変化として反映させることができる。
【0228】
尚、ステップS291で扱うパラメータは、良心耐久度572に限らず、別途設けたパラメータを対象としても良い。例えば、運勢パラメータ値や、仕事や運動などのパラメータ値などとしても良い。そして、この別途設けたパラメータの値に基づいて、プレーヤが有利或いは不利になる特別なイベントを選択するステップと、選択された特別なイベントを実行させるステップとを、適宜挿入すると好適である。こうしたパラメータがあることで、プレーヤは本命の好感度を上げようとむやみに妨害イベントを断ることができず、ゲーム性を高める効果が得られる。
【0229】
[その5]
また、上記実施形態では、イベントをコマンド選択型として説明しているが、ミニゲームを実行する形式とし、行動選択がそのミニゲームの結果に応じて自動的に決定される構成としても良い。
【0230】
[その6]
また、上記実施形態では、ゲーム開始前に「本命」のキャラクタを選択する構成としたが、ゲーム開始以降の所定タイミング(例えば、ゲーム世界で15日経過時点など)、又は任意のタイミングでプレーヤが選択する構成としても良い。その場合、選択した時点で「本命」キャラクタの好感度Pgを変更するとしても良い。例えば、好感度Pgを高める(例えば1.2倍にしたり、所定数加算する)ように補正して、ゲームクリアし易いようにしても良い。
【0231】
[その7]
また、上記実施形態では、女子キャラクタ4がホーム画面W4で選択できなくなる条件を、女子キャラクタ4との未実行のイベントが無くなった場合や、傷心度Pbが限界値に達した場合に、女子キャラクタ4が自発的に恋愛を諦める流れとしたが、ゲーム内容によってはこれ以外の構成をとることもできる。例えば、告白発生処理の後に、女子ステータスデータ576に今回イベントプレイしたゲーム世界内日時の履歴を格納するステップを挿入する。そして、何れかに、この履歴に格納されている日時が前回から所定日数(例えば、20日)経過した女子キャラクタを抽出するステップと、抽出された女子キャラクタの振られフラグ576fを「1」に強制的に変更するステップとを挿入する構成とすることができる。この場合、「相手にされていない」「疎遠にされている」と女子キャラクタ4が感じて、自発的に諦めたかのような表現が可能となる。
【0232】
[その8]
また、上記実施形態では、一度振られたキャラクタは以降、対話相手として選択不可となる構成であるが、振られたキャラクタから振られたことをキャンセル扱いするキャラクタを選択する機会を設けても良い。いわゆる、敗者復活に相当する。
具体的には、敗者復活以降のストーリが展開されるイベントデータを各女子キャラクタに用意しておく。そして、対話相手の女子キャラクタが変更された後など適当なタイミングで、既に振られている女子キャラクタ4の総数が、全体の所定割合(例えば、80%)に達した事を検知して、既に振られている女子キャラクタ4の中から所定数を選択するステップと、当該選択されたキャラクタの振られフラグ576fを「0」に戻し、シナリオ進度データ576gに復活以降向けのイベントを設定するステップとを実行する。
復活以降向けのイベントとしては、例えば「もう一度だけ、あって貰えるかな?」などの出だしで、電子メールが届いたり電話がかかってきたりといったイベントを想定すると良い。
【0233】
[その9]
また、上記実施形態では、妨害イベント5の発生タイミングを、「本命」の女子キャラクタ4(4h)とのイベント3、3sの合間に発生する構成としたが、その他のタイミングでも良い。
【0234】
例えば、ホーム画面W4の表示中に発生させるとしても良い。本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400を仮想の携帯電話機とする設定なので、このように発生されるイベントの冒頭は、イベント画面W6から表示させるのではなく、所定の通話画面(仮想携帯電話における着信→通話中に表示される画面のこと)への切換表示と「もしもし・・・」といった出だしの音声出力としても良い。こうすると、あたかも仮想電話機に妨害の女子キャラクタから電話が直接かかってきたかのようにしてプレーヤを驚かせると言った演出が可能となる。
【0235】
そして、当該イベントでの行動選択肢は冒頭に用意され、例えば「コールに出る」「コール終了まで報知」「コール中に切る」を用意することができる。これらの選択肢種別554(図15参照)は、それぞれ順次「好意的」「中間」「疎遠」に該当するものとして、基礎値k0(556)を設定すると良い。傷心度Pbを設ける構成ならば、行動選択の結果により傷心度Pbが変化することとなる。特に、「コール中に切る」に対応する基礎値k0(556)を、一度の補正で傷心度PbがステップS263(図19参照)にて限界値に達したと判断される程に特にマイナス値を大きくすると好適である。
また更には、この様にホーム画面W4の表示中に発生させる妨害イベントに登場する女子キャラクタ4を各々の傷心度Pbに基づく選択確率で選択するとしても良い。具体的には、ステップS284にて女子キャラクタを選択する抽選において、傷心度Pbが高いほど高確率で選択されるように抽選すると好適である。
尚、妨害イベント5の発生タイミングは、ホーム画面W4以外のタイミングでも良い。例えば、ゲーム内容にプレーヤキャラクタ2などのマップ移動画面があれば、同画面の表示中にこうした妨害イベント5をランダム発生させても良い。
【0236】
[その10]
一のキャラクタの一例として、「本命」のキャラクタ(希望キャラクタ)を選択する旨の実施形態を説明したが、一のキャラクタとして希望キャラクタ以外のキャラクタを選択してもよい。例えば、親友となりたいキャラクタを一のキャラクタとして選択するゲームとしてもよい。
【符号の説明】
【0237】
2 プレーヤキャラクタ
3 イベント
4 女子キャラクタ
5 妨害のイベント
7 告白イベント
20 キャラクタ画像
22 テキスト表示部
24 コマンドガイド
30 相関図
40 良心耐久度
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 本命設定部
214 相関図管理部
220 イベント制御部
222 イベント切換分
226 告白制御部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
510 キャラクタ初期設定データ
518 種別変動率初期値r0
520 周りの影響発生閾値k4
522 周りの影響係数k2
530 シナリオデータ
532 妨害発生許可イベントリスト
534 イベントデータ
550 行動選択設定データ
556 基礎値k0
566 グッドエンディング選択TBL
570 プレイデータ
572 良心耐久度
574 相関データ
576 女子ステータスデータ
576b 種別フラグ
576c 好感度Pg
576d 変動率R
576e 対話相手フラグ
576f 振られフラグ
580 振られ発生フラグ
582 振りカウンタ
584 告白実行キャラクタリスト
Pg 好感度
R 変動率
ΔDc 減算量
W2 本命選択画面
W4 ホーム画面
W6 イベント画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤキャラクタ又はプレーヤが扮する仮想人物(以下代表して「仮想人物」という。)と、複数の登場キャラクタそれぞれとの間の恋愛に係るシミュレーションゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
プレーヤが選択肢を選択操作することで進行していくイベントを実行するイベント実行手段、
前記イベント実行手段によるイベントの実行結果に基づいて前記登場キャラクタに予め定められた前記仮想人物に対する好感度を変更する好感度変更手段、
前記好感度が所定の限界条件を満たした登場キャラクタを検出する検出手段、
前記検出手段の検出に応じて、所定のエンディング演出を実行するエンディング演出実行手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記登場キャラクタの何れかが登場する複数の前記イベントのうち、プレーヤの選択操作に従ってイベントを選択するイベント選択手段として前記コンピュータを機能させ、
前記イベント実行手段が、前記イベント選択手段により選択されたイベントを実行するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記複数の登場キャラクタの中から一のキャラクタを選択するキャラクタ選択手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記エンディング演出実行手段が、前記検出手段により検出された登場キャラクタが前記一のキャラクタであった場合に所定のグッドエンディング演出を実行するグッドエンディング演出実行手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記イベント実行手段が、前記登場キャラクタの何れかが登場するイベントを実行し、
前記好感度変更手段が、前記イベント実行手段によって、前記一のキャラクタ以外の登場キャラクタが登場するイベントが実行された場合に、当該イベントの実行結果に基づいて、前記一のキャラクタの好感度を変更する、ように前記コンピュータを機能させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記検出手段により検出された登場キャラクタが前記仮想人物に告白し、当該告白に対する応答選択肢を前記プレーヤが選択操作する告白イベントを実行する告白イベント実行手段、
前記告白イベントにおいて辞退の旨の応答選択肢を前記プレーヤが選択操作した場合に、前記仮想人物に予め定められた耐久パラメータの値を低減させる辞退処理手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記エンディング演出実行手段が、前記耐久パラメータの値が前記辞退処理手段による低減量に満たないときに、前記一のキャラクタ以外の登場キャラクタによる前記告白イベントが前記告白イベント実行手段により実行された場合に、所定のバッドエンディング演出を実行するバッドエンディング演出実行手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項3又は4に記載のプログラム。
【請求項6】
複数の登場キャラクタが前記仮想人物に同時期に告白する同時期告白イベントを実行する同時期告白イベント実行手段を有し、
前記辞退処理手段が、前記告白イベントにおいて辞退の旨の応答選択肢を前記プレーヤが選択操作した場合、及び、前記同時期告白イベントにおいて当該複数の登場キャラクタ総てに対して辞退の旨の応答選択肢を前記プレーヤが選択操作した場合の何れにおいても、所定の低減単位量分だけ前記耐久パラメータの値を低減させる、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記同時期告白イベント実行手段が、前記検出手段により同時期に複数の登場キャラクタが検出された場合に、当該複数の登場キャラクタによる前記同時期告白イベントを実行するように前記コンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記仮想人物が、プレーヤの操作入力に基づいて、前記一のキャラクタとの間で所与の約束行動を行う約束をする約束イベントを発生させる約束イベント発生手段、
前記一のキャラクタ以外の前記登場キャラクタが、前記約束行動の実行を阻害する阻害イベントを発生させる阻害イベント発生手段、
前記仮想人物が、前記約束イベント発生手段により発生された約束イベントに従った前記約束行動を遂行した場合に、前記一のキャラクタの好感度を上昇させる約束遂行時処理手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項3〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記阻害イベント発生手段が、前記一のキャラクタの好感度に応じて前記阻害イベントの発生確率を変化させて前記阻害イベントを発生させる、ように前記コンピュータを機能させるための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記阻害イベント発生手段により発生された阻害イベントを実行するか否かをプレーヤの操作入力に従って決定する阻害イベント実行決定手段、
前記阻害イベント実行決定手段により実行すると決定された場合に当該阻害イベントを実行する阻害イベント実行手段、
前記阻害イベント実行決定手段により実行しないと決定された場合にゲーム進行を変化させる基準の1つとなる所定パラメータ値を変化させる阻害イベント不実行時処理手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記登場キャラクタそれぞれを示すアイコンと前記仮想人物を示すアイコンとを配置した所与の相関図を表示制御する相関図表示制御手段、
前記相関図上の前記仮想人物を示すアイコンの位置をプレーヤの操作に従って変更する位置変更手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記好感度変更手段が、前記登場キャラクタの好感度の変更度合いを、前記相関図上の前記仮想人物を示すアイコンと当該登場キャラクタを示すアイコンとの位置関係に基づいて変更する手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
プレーヤの操作入力に基づいて前記仮想人物のプロフィールを設定するプロフィール設定手段、
前記登場キャラクタそれぞれについて予め設定されたプロフィールと、前記プロフィール設定手段により設定されたプロフィールとに基づいて、前記登場キャラクタそれぞれを示すアイコンと前記仮想人物を示すアイコンとの配置位置を決定した所与の相関図を表示制御する相関図表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記好感度変更手段が、前記登場キャラクタの好感度の変更度合いを、前記相関図上の前記仮想人物を示すアイコンと当該登場キャラクタを示すアイコンとの位置関係に基づいて変更する手段を有するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記好感度変更手段により変更された好感度をプレーヤに報知する変更好感度報知手段として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体。
【請求項15】
仮想人物と、複数の登場キャラクタそれぞれとの間の恋愛に係るシミュレーションゲームを実行するゲーム装置であって、
プレーヤが選択肢を選択操作することで進行していくイベントを実行するイベント実行手段と、
前記イベント実行手段によるイベントの実行結果に基づいて、前記登場キャラクタに予め定められた前記仮想人物に対する好感度を変更する好感度変更手段と、
前記好感度が所定の限界条件を満たした登場キャラクタを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出に応じて、所定のエンディング演出を実行するグッドエンディング演出実行手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2012−55644(P2012−55644A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204907(P2010−204907)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【出願人】(510246378)株式会社秋元康事務所 (1)
【Fターム(参考)】