説明

プログラム、情報記憶媒体、及びゲーム装置

【課題】「乗り込んでいく」ような新たなゲームを実現可能とすること。
【解決手段】プレーヤは、城3(3a)と、当該城を操縦する乗員4(4a)の2種類のプレーヤキャラクタを使ってプレイする。自城3(3a)を他プレーヤの城3(3b)に近づける。自城3(3a)が他の城などの他オブジェクトに接近したら、自乗員4(4a)の行動可能範囲に、当該他オブジェクトを追加拡張し、近接した他オブジェクトに乗り込み可能にする。そして、乗り込んだ先から他オブジェクトのカスタムパーツを奪取して、自城に運搬・設置して自城を強化する。そして、他プレーヤの乗員4(4b)と白兵戦をして勝敗を決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに、ゲーム空間内でプレーヤキャラクタを移動制御して所与のゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
データ通信を利用したビデオゲームのジャンルの一つに、マルチプレイ型ゲームがある(マルチプレーヤ型ゲームと呼ばれることもある)。マルチプレイ型ゲームでは、複数のプレーヤが各々のゲーム装置を通信回線を介してデータ通信可能に接続して同時にゲームプレイをする(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−20717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マルチプレイ型ゲームの醍醐味は、友人/知人同士でゲームをプレイするところである。初対面のプレーヤ同士でもプレイ可能であるが、気心の知れた友人同士でプレイするときのその楽しさは、マルチプレイ型の本領を発揮するところである。
中でも対戦型のゲームでは、気心が知れているが故にお互い容赦なく戦うことができるので大変盛り上がる。特に、アイテムやポイントを争奪する争奪・略奪系の対戦ゲームでは「獲った」「獲られた」が更にゲームを盛り上げる要素となる。
【0005】
さて、争奪・略奪の文言から連想されるものとして「海賊」がある。彼らは目標地点に向けて乗り込んでいって奪って逃げる存在であり、争奪・略奪系の対戦ゲームとしては好適なモチーフである。かかるモチーフであれば、マルチプレイは勿論、シングルプレイでも興奮度の高いゲームを実現できる。
【0006】
本発明は、海賊に代表される「乗り込んでいく」ような新たなゲームを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための第1の形態は、コンピュータに、ゲーム空間内でプレーヤキャラクタ(以下「PC」と略する)を移動制御して所与のゲームを実行させるためのプログラムであって、
第1プレーヤキャラクタ(以下「第1PC」と言う;例えば、図6の城3(3a,3b))を前記ゲーム空間内で動作制御する第1PC動作制御手段(例えば、図8の処理部200、ゲーム演算部210、第1PC制御部212、図14のステップS50〜S52)、
前記第1PCの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを、前記第1PCより小さい第2プレーヤキャラクタ(以下「第2PC」と言う;例えば図6の乗員4(4a,4b))の行動範囲として設定し、前記ゲーム空間内に配置された他オブジェクトと前記第1PCとの位置関係が所定の近接条件を満たす場合に、前記他オブジェクトの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを前記第2PCの新たな行動範囲として追加設定する行動範囲設定手段(例えば、図8の処理部200、ゲーム演算部210、行動範囲設定部222、図14のステップS40〜S42)、
前記第2PCを前記行動範囲設定手段により設定された行動範囲内で動作制御する第2PC動作制御手段(例えば、図8の処理部200、ゲーム演算部210、第2PC制御部214、図14のステップS54〜S62)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、別形態として、ゲーム空間内でプレーヤキャラクタを移動制御して所与のゲームを実行するゲーム装置であって、第1PCを前記ゲーム空間内で動作制御する第1PC動作制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、第1PC制御部212、図14のステップS50〜S52)と、
前記第1PCの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを、前記第1PCより小さい第2PCの行動範囲として設定し、前記ゲーム空間内に配置された他オブジェクトと前記第1PCとの位置関係が所定の近接条件を満たす場合に、前記他オブジェクトの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを前記第2PCの新たな行動範囲として追加設定する行動範囲設定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、行動範囲設定部222、図14のステップS40〜S42)と、
前記第2PCを前記行動範囲設定手段により設定された行動範囲内で動作制御する第2PC動作制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、第2PC制御部214、図14のステップS54〜S62)と、
を備えたゲーム装置を構成することができる。
【0009】
ここで言う「行動範囲」とは、プレーヤがプレーヤキャラクタ(PC)を操作することのできる範囲であって、2次元的な範囲であるか、3次元的な範囲であるかは問わない。
第1の形態によれば、プレーヤは第1PCでゲーム空間内に配置された他オブジェクト(他オブジェクトとは、背景オブジェクトは勿論、他プレーヤの第1PC等を含む意である。)に接近させ、当該他オブジェクトを第2PCの新たな行動範囲として拡張することできる。そして、拡張された行動範囲内で第2PCを操作してゲームプレイをすることができる。
つまり、乗り込んで行って行動するタイプのゲームを実現することが可能となる。
【0010】
更に、第1の形態のプログラムであって、前記第2PC動作制御手段が、分離可能に前記他オブジェクトに予め付属していた付属オブジェクト(例えば、図5、図6の砲台52)を、前記他オブジェクトから分離させるように前記第2PCを動作制御する付属オブジェクト分離制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、カスタムパーツ管理部218、図14のステップS56〜S58)と、
前記付属オブジェクト分離制御手段により分離された前記付属オブジェクトを前記第1PCに設置するように前記第2PCを動作制御する付属オブジェクト移設制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、カスタムパーツ管理部218、図14のステップS56〜S58)と、を有するように前記コンピュータを機能させるための第2の形態のプログラムを構成すると好適である。
【0011】
第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果を奏するとともに、他オブジェクトに付属していた付属オブジェクトを第2PCを使って第1PCに持ち帰り、設置することができる。つまり、乗り込んでいって奪う争奪・略奪系のゲームを実現できる。
【0012】
更に、第2の形態のプログラムを元にして、前記付属オブジェクト分離制御手段により前記付属オブジェクトが分離された場合には前記他オブジェクトに定められている能力パラメータの値を低減させ、前記付属オブジェクト移設制御手段により前記付属オブジェクトが設置された場合には前記第1PCに定められている能力パラメータの値を増加させる能力パラメータ値変更手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、城能力変更部220、図14のステップS59)として前記コンピュータを更に機能させるための第3の形態のプログラムを構成すると好適である。
【0013】
第3の形態によれば、第2の形態と同様の効果を奏するとともに、付属オブジェクトの移設にともなって第1PCの能力を可変することができる。よって、獲れば獲っただけ強くなるといった争奪・略奪の醍醐味を付与し、ゲームの興趣を高められる。
【0014】
更に、第2又は第3の形態のプログラムを元に、前記付属オブジェクト移設制御手段が、前記第2PCに前記付属オブジェクトを運搬させるように動作制御するように前記コンピュータを機能させる第4の形態のプログラムを構成すると好適である。
【0015】
この場合、第2又は第3の形態が奏する効果に加え、第2PCがいかにも付属オブジェクトを「お持ち帰り」しているかのように表現できるのでゲームの雰囲気を高めることができる。
【0016】
また更に、第4の形態のプログラムを元にして、前記他オブジェクトに味方するキャラクタであって、前記第2PCによる前記付属オブジェクトの運搬を妨害する妨害キャラクタを動作制御する妨害キャラクタ制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、NPC制御部216、図14のステップS48)、として前記コンピュータを更に機能させる第5の形態のプログラムを構成すると好適である。
【0017】
第5の形態によれば、第4の形態と同様の効果を奏するとともに、第2PCによる付属オブジェクトの略奪を妨害する要素をゲーム中に含めることができるので、ゲーム性を高めることができる。尚、ここでいう妨害キャラクタは、妨害行為を専門に行うキャラクタに限らず、平時はコンピュータ制御される仮想プレーヤの第1PCなり第2PCなりも含まれる。また、妨害キャラクタは、人などの生物型に限らず、落とし穴や、床や天井から出現する進入防止冊などのギミックも含む。
【0018】
また、第2〜第5の何れかの形態のプログラムにおいて、前記付属オブジェクト分離制御手段が、前記付属オブジェクトに定められた耐久度合を示すパラメータの値が所定の耐久度合低下条件を満たすか否かに基づいて当該付属オブジェクトの分離可否を判定する分離可否判定手段(例えば、図14のステップS55)を有し、前記分離可否判定手段により分離不可と判定された付属オブジェクトを分離させず、分離可と判定された付属オブジェクトを分離させるように、前記コンピュータを機能させるための第6の形態のプログラムを構成してもよい。
【0019】
そして、第2〜第6の何れかの形態のプログラムにおいて、前記ゲームを、前記第1PCと前記他オブジェクトとの間で戦闘を行うゲームとし、
ゲーム進行に応じて、前記第1PC、前記他オブジェクトおよび前記付属オブジェクトに設定されたヒットポイントを変更するヒットポイント変更手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、図13のステップS90〜S92)、
前記付属オブジェクト分離制御手段による分離、および、前記付属オブジェクト移設制御手段による設置に基づいて、前記付属オブジェクトの付属の親子関係を設定する親子関係設定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、カスタムパーツ管理部218、図14のステップS58)、
前記ヒットポイントが所定の破壊限界条件に達した付属オブジェクトを破壊するとともに、前記親子関係に従って当該付属オブジェクトに付属している付属オブジェクトをも破壊する破壊処理手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、破壊処理部226、図13のステップS100〜S102)、
として前記コンピュータを更に機能させるため第7の形態のプログラムを構成するとより一層好適である。
【0020】
第7の形態によれば、第2〜第6の何れかの形態と同様の効果を奏するのは勿論、争奪・略奪系の対戦ゲームとすることができる。そして、対戦によりある付属オブジェクトのヒットポイントが破壊限界条件に達した場合、当該付属オブジェクトの子にあたる他の付属オブジェクトもろとも破壊するように表現し、戦闘をよりリアル且つダイナミックに表現し、ゲームの興奮を高めることができる。
【0021】
また、行動範囲の設定に関して、第1〜第7の何れかの形態のプログラムにおいて、
前記行動範囲設定手段が、前記第1PCと前記他オブジェクトとの位置関係が前記近接条件を満たした後に所定の離隔条件を満たした場合に、前記第2PCが前記第1PCに係る行動範囲内に位置するときには当該第1PCに係る行動範囲を新たな行動範囲とし、前記他オブジェクトに係る行動範囲内に位置するときには当該他オブジェクトに係る行動範囲を新たな行動範囲として行動範囲を更新する行動範囲更新手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、行動範囲設定部222、図14のステップS43)を有する、ように前記コンピュータを機能させる第8の形態のプログラムを構成すると、より好適である。
【0022】
第8の形態によれば、第1〜第7の何れかの形態と同様の効果を奏するとともに、一旦、第1PCが他オブジェクトと近接した後に離れた場合には、その時第2PCが居る場所のオブジェクトに係わる行動範囲に更新することができる。
【0023】
更に、第9の形態として、前記行動範囲設定手段による行動範囲の設定変更に応じて、マップ表示及び/又はゲーム画面の表示を切り替える表示切換制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図8の処理部200、ゲーム演算部210、表示切換制御部224、図14のステップS44、図12のステップS84、S86)、として前記コンピュータを機能させるための第1〜8の何れかの形態のプログラムを構成することができる。
【0024】
第9の形態によれば、第1〜第8の何れかの形態と同様の効果を奏するとともに、行動範囲の変更に応じて、マップ表示やゲーム画面を切換表示できる。
【0025】
第10の形態は、第1〜第9の何れかの形態のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。
第10の形態によれば、第1〜第9の何れかの形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第9の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】携帯型ゲーム装置の構成例を示す斜視外観図。
【図2】ゲームプレイのスタイルとゲームの概要を説明するための概念図。
【図3】第1プレーヤキャラクタである城の構成例と、乗員の行動範囲の例とを示す概念図。
【図4】ゲーム画面の構成例の一つを示す図。
【図5】ゲームプレイの概要を説明する為の概念図
【図6】ゲームプレイの概要を説明する為の概念図
【図7】乗員を自城の操縦席から降ろして、敵の城に乗り込んで以降のゲーム画面及び操作画面の構成例を示す図。
【図8】携帯型ゲーム装置1400の機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図9】カスタムパーツ初期設定データのデータ構成の一例を示す図。
【図10】自プレーヤデータのデータ構成の一例を示す図。
【図11】城データのデータ構成の一例を示す図。
【図12】主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図13】図12より続くフローチャート。
【図14】プレーヤキャラクタ制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図15】第1プレーヤキャラクタの変形例及び行動範囲の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した第1の実施形態として、複数の携帯型ゲーム装置をアドホック接続して、マルチプレイ型対戦ゲームを実行する例を説明する。
【0028】
[携帯型ゲーム装置の構成]
図1は、本実施形態における携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための斜視外観図である。携帯型ゲーム装置1400は、方向入力キー1402と、プッシュスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在な折り畳み型の装置本体1401に備えている。そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示面上には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意位置を接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0029】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440からデータを読み込んだりデータを書き込みできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。その他、装置本体1401には図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0030】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0031】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、制御ユニット1450は、無線LAN規格(例えば、IEEE 802.11シリーズ、Bluetooth(登録商標;IEEE 802.15.1)など)に則った無線通信モジュール1412を備える。
【0032】
更に、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びプッシュスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。
これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0033】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やプッシュスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御する。
【0034】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、制御ユニット1450に搭載されている主要なプログラムやデータをICメモリに予め記憶している構成とすることができる。或いは、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得する構成としても良い。
【0035】
[ゲーム概要の説明]
図2は、本実施形態におけるゲームプレイのスタイルとゲームの概要を説明するための概念図である。本実施形態では、互いに友人関係にある複数のプレーヤ2(2a〜2c)がそれぞれ携帯型ゲーム装置1400(1400a〜1400c)を使用する。各携帯型ゲーム装置1400(1400a〜1400c)では、同じシステムプログラムとゲームプログラムとが実行されており、無線LANのアドホックモードによりデータ通信可能に接続される。
【0036】
本実施形態の対戦ゲームでは、各プレーヤは2種類のプレーヤキャラクタを使ってゲームプレイする。そのため、各プレーヤ2(2a〜2c)は、事前に予め用意されている中から、歩行移動可能な城3(3a〜3c)を第1プレーヤキャラクタとして選択する。また、第1プレーヤキャラクタに搭乗できるより小型なキャラクタである乗員4(4a〜4c)を、第2プレーヤキャラクタとして予め用意されている中から選択する。
尚、城3及び乗員4とするキャラクタは、予め用意されている中から選択するのではなく、あるベースとなるキャラクタを元にその外観や装備をユーザがカスタマイズして設定するとしても良い。
【0037】
[第1プレーヤキャラクタの説明]
図3は、第1プレーヤキャラクタである城3の構成例と、乗員4の行動範囲の例とを示す概念図である。
城3は、メインプレート32の下方に脚部34を備えた移動歩行型の基地であり、ゲーム世界内を旅する船に相当する。その上面及び上方が乗員4の初期状態の行動範囲A1となる。ここで言う「行動範囲」とは、プレーヤがペナルティを受けずに乗員4を操作してプレイすることのできる範囲である。勿論、ゲームルール上は、伸縮自在なワイヤーアイテムなどを駆使して乗員4がメインプレート32にぶら下がりできる構成としても良く、その場合の行動範囲は、城3の上面と、上方及び下方(城3の周囲)と言うことになる。また、城3の内部を行動範囲としてもよい。この場合、城3の上面を城3の内部と解釈してもよいし、城3の上面ではなく城3に設置された建物の内部を城3の内部と解釈してもよい。
【0038】
メインプレート32の上面には操縦席36が設けられている。乗員4を操縦席36に移動させると、プレーヤは城3の各種操作が可能となる。例えば、ゲーム世界内に移動目標を指定して自動運航させたり、あるいは特定の場所に係留させたり、修復させたりといった行動を指定することができる。
【0039】
また、メインプレート32の表面(主に上面)には、他プレーヤの城と戦闘するための様々なカスタムパーツを装備することができる。例えば、遠距離攻撃するための砲台52を設置したり、比較的近距離で直接攻撃するドリル54などを装備することができる。勿論、カスタムパーツの種類はこれらに限らず、ゲームの内容によって適宜設定することができる。
【0040】
また、メインプレート32には、特別なカスタムパーツである拡張プレート50を接合することができる。拡張プレート50はメインプレート32と同様に、その外周に様々なカスタムパーツを設置することができる。この拡張プレート50は、乗員4の行動範囲A2ともなり得る。よって、拡張プレート50をメインプレート32に接合すると、乗員4の行動範囲が拡張されることとなる(拡張後の行動範囲A3=A1+A2)。乗員4は自身の行動範囲内A3において自由に移動し、砲台52などのカスタムパーツの配置位置を移動させることができる。
【0041】
カスタムパーツとなる付属オブジェクトは、城3を基準にして親子関係(従属関係)が設定されて管理される。例えば、図3の例では、城3の本体(メインプレート32、脚部34、操縦席36)を親オブジェクトとして、メインプレート32に装備される砲台52やドリル54、拡張プレート50がその下位階層の子オブジェクトとして登録・管理される。拡張プレート50に装備される砲台52は、子オブジェクトである拡張プレート50の更に下位階層の孫オブジェクトとして登録・管理される。
【0042】
そして、城3の本体及び各カスタムパーツには、それぞれヒットポイント(HP;Hit Point)が設定される。前者を城ヒットポイント(城HP)、後者をローカルヒットポイント(ローカルHP)と呼称する。尚、乗員4それぞれにもヒットポイントが設定されるが、これを乗員ヒットポイント(乗員HP)と呼称する。そして、これらのヒットポイントは、対戦中に他プレーヤキャラクタからの攻撃を受けると減算される。
【0043】
カスタムパーツのローカルヒットポイントが「0」になると当該カスタムパーツは破壊限度条件に達したと見なされ使用不可となり、持ち帰ることも、乗っ取ることもできなくなる。特に、拡張プレート50のローカルヒットポイントが「0」になった場合には、当該拡張プレート50に設置されているカスタムパーツもろとも城3の本体から分離され破壊される。拡張プレート50以外にも、親子関係が設定されているオブジェクトについては、親のオブジェクトのヒットポイントが「0」になった場合には、ヒットポイントの残存に関わらず、その親のオブジェクトに対する子のオブジェクトは、その親のオブジェクトとともに破壊される。
そのため、プレーヤは相手の城に持ち帰りたいカスタムパーツがある場合は、そのカスタムパーツやそのカスタムパーツが設置された拡張プレートなどを破壊しないように注意する必要がある。
【0044】
また、城ヒットポイントが低下すると、城3の能力(例えば、移動力など)が徐々に或いは段階的に低下し、「0」になると少なくとも移動力が「0」になって移動不可能となる。
更に、ボスキャラに相当する乗員4の乗員ヒットポイントが「0」になると、乗員4は行動不能となり当該プレーヤは負けとなる。
【0045】
また、各カスタムパーツには、各々の用途に応じた能力パラメータ(例えば、砲台52ならば攻撃力)が設定されているおり、城3としての攻撃力は、カスタムパーツに依存するとしても良い。
【0046】
[ゲーム概要1:標準のゲーム画面と基本操作]
図4は、本実施形態におけるゲーム画面の構成例の一つを示す図である。第1液晶ディスプレイ1406には、仮想3次元空間に形成されたゲーム空間6を移動する城3の様子を仮想カメラで撮影した3DCGによるゲーム画面W2が表示される。
【0047】
第2液晶ディスプレイ1408には、城3の操作に適当な操作画面W6が表示される。操作画面W6では、ゲーム空間6の全体俯瞰図に当たるワールドマップ10と、ゲーム画面W2を生成するための仮想カメラを設定するカメラアングル指定部12と、城3の動作を指定する複数の操作アイコン14が表示される。
【0048】
ワールドマップ10には、現在、自機のプレーヤが操作する城3の位置を示す城マーカ10aと、移動目標地点を指定する移動目標地点マーカ10bとが表示される。後者は、スタイラスペン1416等でドラッグ・アンド・ドロップ操作することにより、位置を変えることができる。
【0049】
カメラアングル指定部12には、仮想カメラアイコン12aと、城アイコン12bとが表示される。スタイラスペン1416等で仮想カメラアイコン12aを可動範囲内でドラッグ・アンド・ドロップ操作することで、ゲーム画面W2のカメラアングルを好みのアングルに変更することができる。
【0050】
操作画面W6の操作アイコン14には、例えば「目標地点移動」「停止」「攻撃」「離脱」「パーツ移動」「修復」、「操作対象切換」などの各種操作入力が割り当てられている。
【0051】
「目標地点移動」の操作アイコン14をタッチ操作すると、城3はワールドマップ10で設定された移動目標地点に向けて自動航行するように制御される。尚、城3の移動は、第1液晶ディスプレイ1406をスタイラスペン1416等でタッチ操作することにより、より近距離の移動目標地点を直接的に指定することが可能であり、当該操作による移動目標地点の入力はワールドマップ10での指定より優先されるものとする。
【0052】
「攻撃」の操作アイコン14をタッチ操作すると、ゲーム画面W2内に照準カーソル(非図示)が表示され、プレーヤは第1液晶ディスプレイ1406で攻撃目標を指定できるようになる。そして、城3は攻撃目標(他オブジェクト。他プレーヤキャラクタとも言える。)を攻撃用のカスタムパーツで攻撃するように動作制御される。
【0053】
「離脱」の操作アイコン14をタッチ操作すると、城3は最寄りの他プレーヤキャラクタから離れるように移動制御される。
【0054】
「パーツ移動」の操作アイコン14をタッチ操作すると、当該タッチ操作に続いてスタイラスペン1416でタッチして選択したカスタムパーツを乗員4に持たせ、乗員4の移動にともなって移動させることができる。そして、2回連続で乗員4をタッチ操作(ダブルタップ操作)すると当該乗員4の移動先で所持していたカスタムパーツを下ろし設置させることができる。
【0055】
「操作対象切換」の操作アイコン14をタッチ操作すると、プレーヤの操作対象を自分の城3と乗員4とで操作入力の都度切換えることができる。
【0056】
方向入力キー1402は、乗員4及び城3の移動操作に用いられる。
また、複数のボタンスイッチ1404には、選択されている操作入力対象に応じたコマンドが割り当てられる。例えば、操作対象が乗員4に切り換えられている場合には、それぞれ異なる乗員4の操作入力(例えば、他プレーヤの乗員4と白兵戦をするための攻撃、防御、ジャンプなど)が割り当てられる。
【0057】
[ゲーム概要2:カスタムパーツの奪取]
図5〜図6は、本実施形態におけるゲームプレイの概要を説明する為の概念図である。
図5に示すように、ゲーム空間6には、浮島のようにして複数の島8が点在している。島8は、NPC(Non Player Character)の一種であって城3に装備できるカスタムパーツや、燃料、補修用の材料などを備えている。ゲーム開始当初、各プレーヤの城3はゲーム世界6のランダムなポイントに散り散りに初期配置される。各プレーヤの城3は、やがて他プレーヤとの遭遇戦に備えて、島8(他オブジェクトの一種)を探し出し(図5の上段)、カスタムパーツを「奪取」して自分の城3を強化しなければならない(図5の中段)。
【0058】
城3が島8に所定の行動範囲拡張可能条件を満たすように近接すると(例えば、1回のジャンプアクションで乗員4が飛び移れる程度の距離に近接すると)、島8及びその島に接合されている拡張プレート50(図示略)の上面及び上方が乗員4の行動範囲に加えられる(拡張後の行動範囲A5=A1+A4)。
プレーヤは、城3を停止させて乗員4を操縦席36から降ろし、島8へ移動させることができる。そして、「パーツ移動」の操作アイコン14をタッチ操作して乗員4をカスタムパーツの運搬モードにし、次いで例えば砲台52をタッチしてこれを持たせる。そして、そのまま自分の城3に戻し、メインプレート32の所望する位置でダブルタップ操作してお持ち帰りしたカスタムパーツをそこへ設定することができる。
【0059】
必要なカスタムパーツを設置・装備すると、城3はその分だけ全体としての能力(例えば、ヒットポイントであったり、攻撃力であったり)が向上する。
欲しいカスタムパーツを奪取できたら、他プレーヤキャラクタとの遭遇戦に臨むべくまた移動することとなる(図5の下段)。
【0060】
[ゲーム概要3:城同士の遭遇戦]
図6に示すように、ゲーム空間6で他プレーヤの城3(3b)(他オブジェクトの一種と言える。)と遭遇すると、互いの存続をかけて対戦が行われる。本実施形態では、砲台52で遠距離攻撃し(図6の上段)、もしドリル54(図3参照)を装備していれば近距離からよりダメージの大きい直接攻撃を仕掛けることもできる。
【0061】
攻撃を受けると、攻撃を受けた箇所のオブジェクトのヒットポイントが減らされる(図6の中段)。例えば、プレート32に設置されている砲台52が被弾すれば、当該砲台52のローカルヒットポイントが減算され、「0」になればその砲台は使用不可となる。拡張プレート50が被弾すれば、拡張プレート50のローカルヒットポイントが減算される。もし、拡張プレート50のローカルヒットポイントが「0」になれば、上位階層のオブジェクトとの接合が解除され、自動的に破壊される。図6の中段の例では、拡張プレート50と親オブジェクトである城3(3b)との親子関係が解除される。このとき、当該拡張プレート50に設置されている砲台52などの孫オブジェクトとの関係は維持されたままとなる。つまり、拡張プレート50は装備されているカスタムパーツもろとも使用不可となる。
【0062】
もし、城3の本体が被弾すれば城ヒットポイントが減算される。この時減算される元の城ヒットポイントは、ノーマルの城(プレート32、脚部34、操縦席36のみでカスタムパーツ無し)の城ヒットポイントにメインプレート32に設定されたカスタムパーツ(例えば、砲台52)のローカルヒットポイントの合算となる。
そして、ノーマルの城ヒットポイントが減るにつれて、本実施形態では城の移動能力が低下し、「0」になるとその城3(3b)は移動不能となる。これで、他プレーヤが操作する二つのプレーヤキャラクタの内、第1プレーヤキャラクタを倒した(撃破した)事になる。尚、城ヒットポイントが「0」になった場合は、カスタムパーツが全て破壊されていることになるので、持ち帰りができなくなってしまう。そのため、完全に相手の城3(3b)を移動不能にするのではなく、殆ど動けなくするのがゲーム戦術上有効である。
【0063】
他プレーヤの第2プレーヤキャラクタである乗員4(4b)は、プレーヤから見るとボスキャラクタに相当する。従って、乗員4(4b)を倒せば、この遭遇戦に勝利できる。
他プレーヤの乗員4(4b)を倒すためには、敵の城3(3b)に乗り込んで、敵の乗員4(4b)を白兵戦で倒す必要がある。
具体的には、図6においては、城3(3a)のプレーヤは、城3(3a)を操作して移動能力が低下して殆ど動けなくなった、更には移動不能になった敵の城3(3b)に寄せる。自プレーヤの城3(3a)と、他プレーヤの城3(3b)の距離が所定の行動範囲拡張可能条件を満たすと、双方のプレーヤの乗員4(4a,4b)の行動範囲が互いの城3の行動範囲A1及びA6を含めるように拡張され、乗員4(4a)を敵の城3(3b)に乗り込ませる事ができるようになる。
【0064】
[ゲーム概要4:白兵戦]
例えば、図7は、乗員4を自城の操縦席36から降ろして、敵の城に乗り込んで以降のゲーム画面W4及び操作画面W8の構成例を示す図である。自プレーヤの城3(3a)と、他プレーヤの城3(3b)の距離が所定の行動範囲拡張可能条件を満たし、乗員4(4a)を自城の操縦席36から降ろすと、第1液晶ディスプレイ1406に表示されるゲーム画面は、城3の移動操作や城同士の遭遇戦に適当なゲーム画面W2から、自プレーヤの乗員4(4a)を主要被写体とし乗員同士の白兵戦に適当なゲーム画面W4に変更される。
【0065】
第2液晶ディスプレイ1408の表示も、これに応じて乗員4の操作に適当な操作画面W8に変更される。具体的には、操作画面W8では、ワールドマップ10に代えてローカルマップ20を表示する。ローカルマップ20は、拡張された行動範囲A1+A6を俯瞰視したマップであり、乗員4(4a)の位置を示す乗員マーカ20aが表示される。敵の乗員4(4b)の位置を示す敵マーカ20bを更に表示させても良い。
【0066】
また、カメラアングル指定部12には、仮想カメラアイコン12aや城アイコン12bに代えて、自プレーヤの乗員4(4a)を移すアングルを選択できるカメラアングルアイコン12cが表示される。本実施形態では、TPS(Third Person Shooting)ゲームのように、乗員4(4a)の斜め後ろから前方又は肩越しに前方を撮影する「肩越アングル」と、自プレーヤの乗員4(4a)を格闘対戦ゲームでよく使われるほぼ真横から撮影する「横アングル」との何れかが選択可能になっている。
【0067】
前者は、自分の城3(3a)内を移動したり、敵の城3(3b)に乗り込んで白兵戦に至るまでが適しているといえる。また、後者の「横アングル」は、敵の乗員4(4b)に遭遇し白兵戦をする場合に適していると言える。図7の例は、後者が選択されている画面に相当する。
【0068】
また、操作アイコン14の表示も変更される。例えば、操作画面W8の操作アイコン14の表示は「アイテム使用」「魔法使用」「必殺技」「離脱」「パーツ移動」などである。「アイテム使用」「魔法使用」「必殺技」「離脱」は、乗員4同士の白兵戦において、ボタンスイッチ1402に割り当てられている標準の攻撃行動や防御行動、回避行動などと併用される。
尚、敵の乗員4(4b)に遭遇するまでに、「パーツ移動」の操作アイコン14をタッチ操作すれば、敵の城3(3b)のカスタムパーツを奪取して自分の城3(3a)に設置することができる(図6の中段)。この場合、奪取されたカスタムパーツのオブジェクトの親子関係は、当然自分の城に関するオブジェクトの階層(親子関係)に設定変更される。
【0069】
白兵戦に於いて攻撃を受けると、攻撃を受けた乗員4の乗員ヒットポイントが減算され、「0」になると行動不能となり、その乗員4を操作するプレーヤが敗者となる(図6の下段)。そして、ゲームに参加している全てのプレーヤ(コンピュータ制御される仮想プレーヤを含む)の中で、最後まで自分のプレーヤキャラクタが生き残った者がゲームの勝者となる。つまり、本実施形態によれば、海賊船の船長になった気分で海賊船をモチーフとしたサバイバルゲームを楽しむことができる。
【0070】
[機能ブロックの説明]
次に、本実施形態の機能構成について説明する。
図8は、携帯型ゲーム装置1400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
携帯型ゲーム装置1400は、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0071】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1の方向入力キー1402や、プッシュスイッチ1404、3軸加速度センサ1422はこれに該当する。
【0072】
そして、操作入力部100は、接触位置検出部104を含む。接触位置検出部104は、表示画面範囲への接触位置を検出することのできるデバイスで実現される。図1のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
【0073】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1の制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0074】
ゲーム演算部210は、マルチプレイ型対戦ゲームの実行に関する処理を実行する。
例えば、(1)仮想3次元空間に背景物となる背景オブジェクトを配置してゲーム空間を形成する処理、(2)ゲーム空間内にプレーヤキャラクタや、NPCなどのキャラクタオブジェクトを配置して動作制御する処理、(3)プレーヤの操作入力に基づく各プレーヤキャラクタの動作制御、(4)NPCの自動制御処理、(5)オブジェクト同士のヒット判定処理、(6)攻撃のヒット判定処理、(7)攻撃ヒット判定の結果に基づくプレーヤキャラクタのヒットポイントの変更やオブジェクトの破壊、行動不能設定処理などの各種ゲーム結果の反映処理、(8)操作入力ログの記憶処理、(9)タイマやカウンタの処理、(10)プレーヤ毎のプレイデータの管理処理、などを実現する。
【0075】
より具体的には、ゲーム演算部210は、第1PC制御部212と、第2PC制御部214と、NPC制御部216と、カスタムパーツ管理部218と、城能力変更部220と、行動範囲設定部222と、表示切換制御部224と、破壊処理部226とを含む。
【0076】
第1PC制御部212は、操作入力部100からの操作入力信号及び他ゲーム装置から受信した操作入力信号に基づいて、自プレーヤ及び他プレーヤそれぞれの第1プレーヤキャラクタ(城3)の動作制御を実行する。
第2PC制御部214は、操作入力部100からの操作入力信号及び他ゲーム装置から受信した操作入力信号に基づいて、自プレーヤ及び他プレーヤそれぞれの第2プレーヤキャラクタ(乗員4)の動作制御を実行する。
【0077】
NPC制御部216は、NPCの動作を自動制御する。例えば、島8の各オブジェクト(住人や外部進入を防止する障害物など)の他、コンピュータ制御の仮想プレーヤが参加する構成ではその仮想プレーヤの城3や乗員4の動作を制御する。島8の住人や障害物などについては、カスタムパーツが奪取されないように抵抗する動作をする妨害キャラクタとして動作制御する。また、仮想プレーヤの城3及び乗員4については、他の城を攻撃する行動、乗員4が他の城からカスタムパーツを奪取する行動、他の乗員が自城のカスタムパーツを奪取するのを妨害する行動を含むように制御する。また、プレーヤが乗員4(4a)を他プレーヤの城に乗り込ませた後のプレーヤの城3(3a)を自動制御、いわゆるAI制御する。具体的には、乗員4(4a)の周囲、或いは前方に自動的に攻撃を行い、乗員4(4a)が乗り込んだ他プレーヤの城3(3b)との距離を維持するように自動移動制御や自動姿勢制御する(図6参照)。
【0078】
カスタムパーツ管理部218は、第1プレーヤキャラクタに分離可能に付属する付属オブジェクトを、第2プレーヤキャラクタによる付属オブジェクトの移動動作制御に伴って分離させ、第2プレーヤキャラクタの移動先に設置するための処理を実行する。すなわち、カスタムパーツの移動に伴い、移動されたカスタムパーツのオブジェクトの親子関係の設定を管理する。より具体的には、移動元における親子関係を解除して、移動先のオブジェクト階層構造に加える処理を実行する。
【0079】
城能力変更部220は、ヒットポイントの状態やカスタムパーツの移動に伴う城3の各種能力の変更処理を実行する。具体的には、城ヒットポイントが最大値から減るにつれて、移動能力(時間当たりの移動距離や移動速度)を低下させ、城ヒットポイントが「0」になったら、実質的な移動不能とする。また、攻撃や防御に関するカスタムパーツが増設された場合には攻撃能力或いは防御能力を高め、取り外されたら低下させるといった処理を実行する。
【0080】
行動範囲設定部222は、第2プレーヤキャラクタの行動範囲の設定に関する処理を実行する。具体的には、ゲーム開始当初の初期状態では、第1プレーヤキャラクタの周囲、表面及び内部の内少なくとも一つ(本実施形態では上面及び上方)を行動範囲として設定する。行動範囲の拡張が許される付属オブジェクト(例えば、拡張プレート50)が設置されると、当該付属オブジェクトの周囲、表面及び内部の内少なくとも一つを行動範囲に追加する。
【0081】
また、行動範囲設定部222は、ゲーム進行に応じて、第1プレーヤキャラクタが他オブジェクト(例えば、他プレーヤの城3、仮想プレーヤの城3や島8などのNPC)との位置関係が所定の近接条件を満たす場合に、他オブジェクト及びこれに付属するオブジェクトの周囲、表面、および内部のうち少なくとも一つ(本実施形態では上面及び上方)を第2プレーヤキャラクタの新たな行動範囲として追加設定する。
反対に、第1プレーヤキャラクタと他オブジェクトとの位置関係が近接条件を満たした後に所定の離隔条件を満たすように離れた場合には、第2プレーヤキャラクタが現在居るオブジェクトに係わる行動範囲に更新する。つまり、第2プレーヤキャラクタが第1プレーヤキャラクタに係る行動範囲内に位置するときには第1プレーヤキャラクタに係る行動範囲を新たな行動範囲(自分の城に戻ったことになる)とし、他オブジェクトに係る行動範囲内に位置するときには当該他オブジェクトに係る行動範囲を新たな行動範囲(他オブジェクトに残ったことになる)として行動範囲を更新する。
【0082】
表示切換制御部224は、プレーヤの操作入力の対象が第1プレーヤキャラクタであるか第2プレーヤキャラクタであるかによって、操作行動範囲設定手段による行動範囲の設定変更に応じて、マップ表示及び/又はゲーム画面の表示を切り換えるゲーム画面及び操作画面の表示切換制御を行う。当然、操作画面の切換に伴ってワールドマップ10はローカルマップ20へ、又はその逆に表示が切換制御される。
【0083】
破壊処理部226は、ゲーム進行に応じてローカルヒットポイントが所定の破壊限界条件に達したカスタムパーツ(付属オブジェクト)を破壊する。また、オブジェクトの階層関係(親子関係)に従って、破壊限界条件に達したオブジェクト(例えばカスタムパーツ)に付属している付属オブジェクト、つまり更に下位階層のオブジェクトもろとも使用不可能、すなわち破壊する処理を実行する。
【0084】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0085】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1のスピーカ1410がこれに該当する。
【0086】
画像生成部260は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0087】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
本実施形態では、図1の第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408がこれに該当する。
【0088】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0089】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。本実施形態では、無線通信可能距離にある他の装置(例えば、他の携帯型ゲーム装置)とアドホックモードによる通信接続を行う。
【0090】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームプレイに必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、記憶部500は、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1の制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0091】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、携帯型ゲーム装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0092】
また、記憶部500は、ゲーム空間設定データ510と、キャラクタ初期設定データ512と、カスタムパーツ初期設定データ514とを予め記憶している。また、プレイデータ540をゲームプレイに応じて生成・記憶する。その他、ゲーム実行に必要なタイマ値やカウント値、各種フラグなどの情報を適宜記憶する。
【0093】
ゲーム空間設定データ510は、仮想3次元空間にゲーム空間6を形成する為の背景オブジェクトのモデルデータやテクスチャデータ、配置位置データ、モーションデータ、照明設定データなどを格納する。
【0094】
キャラクタ初期設定データ512は、城3や乗員4といったプレーヤキャラクタを表示させ、動作制御するための各種情報を格納する。本実施形態では、複数種類の城3、乗員4毎に、キャラクタオブジェクトのモデルデータ、テクスチャデータ、ゲーム中での動作制御に必要なモーションデータ、能力パラメータの初期設定値、などを格納する。その他、島8などのNPCについても同様のデータ、及びゲーム空間内における初期配置位置座標などの情報を格納する。
【0095】
カスタムパーツ初期設定データ514は、城3や島8に装備・設置できるカスタムパーツの設定データを格納する。例えば、図9に示すように、カスタムパーツID516と対応づけて、ローカルHP(ローカルヒットポイント)518、パーツ種類520、能力設定情報522、行動範囲拡張設定524を格納する。
【0096】
能力設定情報522には、攻撃関連のカスタムパーツであれば攻撃力や射程、影響範囲などの情報を格納し、防御関連のカスタムパーツであれば攻撃力の相殺ができる魔法や攻撃の種類などの情報が格納される。
【0097】
行動範囲拡張設定524は、当該カスタムパーツが装備された城3の乗員4の行動範囲の拡張に寄与するか否かを定義する。例えば、拡張プレート50(図3参照;図9ではカスタムパーツID516が「CST104」のカスタムパーツ)は、行動範囲拡張設定524が「あり」なので、当該パーツを城3に装備すると行動範囲が拡張されることとなる。
【0098】
プレイデータ540は、今回プレイされるゲームの進行状況を示す各種データを記憶する。本実施形態では、自プレーヤデータ542と、他プレーヤデータ594と、NPCデータ595と、仮想カメラ設定データ596と、マップ表示データ597とを格納する。
【0099】
図10は、自プレーヤデータ542のデータ構成の一例を示す図である。自プレーヤデータ542は、自機を操作するプレーヤのゲーム進行状況を示す各種データ、城3及び乗員4の状況を示すデータを格納する。
具体的には、アカウント544、当該プレーヤが使用する装置を特定するための機器識別情報546(例えば、IPアドレス、ESS−ID(Extended Service Set Identifier)、MACアドレス(Media Access Control address)など)、城データ550、乗員データ570、行動範囲該当オブジェクトリスト580を備える。
【0100】
城データ550は、当該プレーヤの城3の状況を示す情報を格納する。例えば図11に示すように、城3のキャラクタの種類を特定する城キャラクタID552、ゲーム空間6内における位置座標554、歩行などのモーションを制御するための城動作制御データ556、城ヒットポイント557、能力パラメータ値558、装備データ562を格納する。勿論、その他の各種フラグ、タイマ値などを格納することができる。
【0101】
能力パラメータ値558には、防御力や、移動力などの各種パラメータの値が格納される。攻撃力は、装備しているカスタムパーツ52の能力設定情報522(図9参照)に依存する。つまり、装備しているカスタムパーツ52の攻撃が相手にヒットすれば、当該カスタムパーツの攻撃力に基づいて被弾した相手はダメージをうける。勿論、装備しているカスタムパーツ52の能力設定に基づいて、城としての攻撃力を設定する構成としても良く、その場合は設定された攻撃力のパラメータ値を、当該能力パラメータ値558に含めると良い。
【0102】
装備データ562は、城3に追加されたカスタムパーツ(付属オブジェクト)などの装備に関する設定情報を格納する。例えば、自動付与される固有値である装備ID562aと対応づけて、装着された付属オブジェクトのIDを示すカスタムパーツID562b、オブジェクト階層における当該付属オブジェクトの上位オブジェクトを示す上位オブジェクトID562c、その上位オブジェクトの何処に配置されたかを示す配置座標562d、当該付属オブジェクトの動作を制御する為の情報である動作制御データ562e、ローカルヒットポイント562f、などを格納する。
【0103】
図10に戻って、乗員データ570は、当該プレーヤの第2プレーヤキャラクタである乗員4の状況を示す情報を格納する。例えば、乗員4のキャラクタモデルの種類を特定する乗員キャラクタID572と、位置座標574と、攻撃や防御などの各種モーションを制御するための乗員動作制御データ575と、乗員ヒットポイント576と、能力パラメータ値578とを含む。その他、保有するアイテムの種類と数、使用できる魔法の種類など、ゲーム内容に応じて適宜データを含める事ができる。
【0104】
行動範囲該当オブジェクトリスト580は、当該プレーヤの乗員4の行動範囲に含まれるオブジェクトのIDを格納する。初期状態は、当該プレーヤの初期の城3本体(メインプレート52、脚部54、操縦席56)のみとされ、ゲームが進み拡張プレート50のように行動範囲拡張設定524(図9参照)の設定が有るカスタムパーツを増設すると、当該カスタムパーツのID(例えば、装備データ562の装備ID562a)が追加登録され、外されたり分離されると登録抹消される。また、島8に城3が近接すると島8の地面に該当するオブジェクトのIDが登録される。敵の城3(3b)に近接した場合には、当該敵の城の行動範囲該当オブジェクトリストのうち、城の本体とカスタムパーツについての情報がコピーされ追加登録され、その敵を倒すと登録抹消される。
【0105】
図8に戻って、他プレーヤデータ594は、他プレーヤの城3及び乗員4の状況を示すデータを格納する。データ構成は、基本的に自プレーヤデータ552と同様である。
NPCデータ595は、島8や、コンピュータ制御の仮想プレーヤが参加している場合にはその城3及び乗員4の状況を示すデータを格納する。データ構成は、基本的に自プレーヤデータ552における「城」に関するデータを「島」に読み替えれば同様に実現される。
【0106】
仮想カメラ設定データ596は、ゲーム画面W2やW4を表示されるための仮想カメラのアングルを決める情報(位置、姿勢、画角などの情報)を格納する(図4及び図7参照)。具体的には、操作画面W6が表示されているときのカメラアングル指定部12での設定内容を、操作入力の対象が城3である場合の第1のカメラアングル設定とし、操作画面W8が表示されているときのカメラアングル指定部12での設定内容を、操作入力の対象が乗員4である場合の第2のカメラアングル設定として格納する。
【0107】
マップ表示データ597は、ワールドマップ10やローカルマップ20を表示する為の情報を格納する。各種マップの表示方法及び表示に必要な情報は、公知のRPG(ロールプレイングゲーム)等におけるマップ表示と同様にして実現できる。
【0108】
[処理の流れの説明]
次に、携帯型ゲーム装置1400の処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理は、処理部200がシステムプログラム501を実行している環境下において、ゲームプログラム502を実行することによって実現される。
【0109】
尚、各プレーヤは、予め各々にアカウント登録し、プレーヤキャラクタを選択・設定しているものとする。その設定データは各々のゲーム装置の記憶部500にプレイデータ540内の自プレーヤデータ552に格納される。
また、ゲーム画面の生成と表示制御、ゲーム音声の生成と放音制御については公知のビデオゲームと同様に実現されるものとして説明を省略する。本実施形態では特に、自プレーヤの城3(3a)と、他プレーヤの城3(3b)の距離が近接し、自プレーヤの乗員4(4a)を自城の操縦席36から降ろすと、ゲーム画面W2をゲーム画面W4へ、操作画面W6を操作画面W8へ切り換える処理が実行される。
【0110】
図12〜図13は、主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は、先ずアドホック接続処理を実行し、他の携帯型ゲーム装置とアドホックモードによるデータ通信を確立し(ステップS2)、互いの自プレーヤデータ552を交換する(ステップS4)。他ゲーム装置から受信したデータは、プレイデータ540に他プレーヤデータ594として記憶される。
【0111】
次に、処理部200は、ゲーム空間設定データ510を参照して仮想3次元空間内に背景となるオブジェクトを配置してゲーム空間6を形成する(ステップS6)。
そして、キャラクタ初期設定データ510を参照して、形成されたゲーム空間6のランダム位置へ、自プレーヤのプレーヤキャラクタ(城3(3a)と乗務員4(4a))と、アドホック接続している他ゲーム装置を使う他プレーヤのプレーヤキャラクタ(城3(3b)、乗務員4(4b)、…)と、島8や仮想プレーヤのプレーヤキャラクタなどのNPCを配置する(ステップS8)。
【0112】
次いで、処理部200は各プレーヤの乗員4の行動範囲を初期化する(ステップS10)。本実施形態では、各乗員4が城3や島8から落ちるとゲームオーバの扱いとなるので、初期状態の行動範囲は、各乗員の城3の上面及び上方に設定される。よって、自プレーヤデータ542及び他プレーヤデータ594の行動範囲該当オブジェクトリスト580に各プレーヤの城3の識別情報のみを格納する。
【0113】
そして、ゲーム画面を生成するための仮想カメラを配置し、カメラアングル指定部12(図4、図7参照)における設定に従ったアングルで主要被写体となる自プレーヤの城3や乗員4を自動的に追従し撮影する制御を開始する(ステップS12)。尚、操作画面W6及びW8のカメラアングル指定部12にてアングルの設定変更操作が為された場合には、当該操作に応じて仮想カメラ設定データ596を変更するものとする。
【0114】
ゲームを開始したならば(ステップS14)、処理部200は先ず島8の自動制御を開始する(ステップS20)。島8に居る住人や進入防止装置などをいわゆるAI制御で制御する。島8の住人などのNPCについては、乗り移ってきた乗員4が島8のカスタムパーツを奪取するのを妨害する行動を含むように選択される。
【0115】
次いで、自機における操作入力情報をアドホック接続している他ゲーム装置へ送信する制御を開始し(ステップS22)、他ゲーム装置からの操作入力情報の受信制御を開始する(ステップS24)。
【0116】
そして、ステップS30〜S110の処理を画像表示部360のリフレッシュレート以上となる所定の制御サイクル(例えば1/60秒)で繰り返し実行する。
具体的には、処理部200は全プレーヤについてループAの処理を実行する(ステップS30〜S34)。ここで言う、全プレーヤとは、自機を操作する自プレーヤと、アドホック接続している他ゲーム装置を使う他プレーヤと、コンピュータ制御する仮想プレーヤを含む意味である。ループAでは、処理部200は処理対象プレーヤについてプレーヤキャラクタ制御処理を実行する(ステップS32)。
【0117】
図14は、本実施形態におけるプレーヤキャラクタ制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理では、先ず、他プレーヤの城3、島8、仮想プレーヤの城3の中から、処理対象プレーヤの城3との間で、所定の行動範囲拡張可能条件を満たして近接しているものが有るかを判定する(ステップS40)。
【0118】
そして、肯定の場合には(ステップS40のYES)、該当する他プレーヤの城3、島8、仮想プレーヤの島3に係る行動範囲(本実施形態では、該当するオブジェクトの上面及び上方、並びに該当するオブジェクトに接合された拡張プレート50の上面及び上方)を処理対象プレーヤの乗員4の新たな行動範囲に追加設定する(ステップS42)。
具体的には、処理対象プレーヤが自プレーヤと仮定すると、図5の上段の例で言えば、島8を自プレーヤデータ552の行動範囲該当オブジェクトリスト580へ追加登録する。図6の上段の例で言えば、他プレーヤの城3(3b)を行動範囲該当オブジェクトリスト580に追加登録する。
【0119】
ステップS40において、処理対象プレーヤの城3に近接する他の城や島8などの他オブジェクトが存在しない場合には(ステップS42のNO)、処理対象プレーヤの乗員4が今現在居るオブジェクトに係る行動範囲を、最新の行動範囲とするように変更する(ステップS43)。一旦、近接した後に離隔した場合には、この処理が実行される。
そして、変更された行動範囲が反映されるようにマップ表示データ597を更新する(ステップS44)
【0120】
次に、処理部200は処理対象プレーヤが実プレーヤであるか仮想プレーヤであるかを判定する(ステップS46)。そして、仮想プレーヤである場合には(ステップS46のYES)、いわゆるAI制御により、処理対象プレーヤによる仮想の操作入力を決定する(ステップS48)。仮想の操作入力は、城3の操作や、他プレーヤの城3を攻撃する操作、仮想プレーヤの乗員が他プレーヤの城3からカスタムパーツを奪取する操作、他の乗員4が仮想プレーヤの城のカスタムパーツを奪取するのを妨害する操作を含むように選択される。
【0121】
そして、処理対象プレーヤによる操作入力が、当該プレーヤの城3を操作する操作入力であれば(ステップS50のYES)、処理部200は当該操作入力に応じて処理対象プレーヤの城3の動作制御をする(ステップS52)。
【0122】
もし、処理対象プレーヤによる操作入力が、当該プレーヤの乗員4にカスタムパーツを移動させる運搬操作入力であって(ステップS54のYES)、移動対象とされるカスタムパーツのローカルヒットポイント(当該カスタムパーツに設定された耐久度のパラメータの一種)が「0」でなければ(ステップS85のYES)、当該操作入力に応じて処理対象プレーヤの乗員4が選択したカスタムパーツを移動するように動作制御し(ステップS56)、移動されたカスタムパーツの親子関係の設定を変更する(ステップS58)。更に、処理部200はその移動されたカスタムパーツに応じて移動元と移動先の城3のそれぞれの能力パラメータ値558を変更する(ステップS59)。例えば、攻撃関連のカスタムパーツであれば、当該カスタムパーツの攻撃能力分だけ、移動元の城3の攻撃力を下げ、移動先の城3の攻撃力を上げる。また、防御関連カスタムパーツであれば、当該カスタムパーツの防御能力分だけ、移動元の城3の防御力を下げ、移動先の城3の防御力を上げる。このように、カスタムパーツの用途や能力に応じて適宜能力パラメータ値を変更する。
【0123】
もし、処理対象プレーヤによる操作入力が、当該プレーヤの乗員4によるカスタムパーツの移動以外の操作をさせる操作入力であれば(ステップS60のYES)、処理部200は当該操作入力に応じて処理対象プレーヤの乗員を動作制御し(ステップS62)、プレーヤキャラクタ制御処理を終了する。
【0124】
図12のフローチャートに戻って、全プレーヤについてループAを実行したならば、次に処理部200は、ループAの結果、自プレーヤの城3(3a)が他プレーヤの城3に近接し且つ、自プレーヤの乗員4が操縦席36から降りたかを判定する。
もし、肯定の場合、(ステップS80のYES→ステップS82のYES)、処理部200は城3を自動制御に切換える(ステップS83)。いわゆるAI制御とする。具体的には、乗員4(4a)の周囲、或いは前方に自動的に攻撃を行う、乗員4(4a)が乗り込んだ他プレーヤの城3(3b)との距離を維持するように自動移動制御や自動姿勢制御する(図6参照)。
【0125】
そして、ゲーム画面及び操作画面を、乗員4による白兵戦に適当なゲーム画面W4及び操作画面W8となるように表示を切換制御する(ステップS84)。つまり、仮想カメラを、操作画面W8のカメラアングル設定部12で設定された第2のカメラアングル設定に従うように制御して、ゲーム画面W4を表示させ、ワールドマップ10をローカルマップ20の表示に変更するなどして操作画面W8を表示させる。
反対に、否定の場合には(ステップS80のNO又はS82のNO)、処理部200は城3の制御が自動制御になっていれば手動制御に切り換える(ステップS85)。そして、城3の移動操作や城同士の遭遇戦に適当なゲーム画面W2及び操作画面W6となるように表示制御する(ステップS86)。
【0126】
次に、処理部200は攻撃判定処理を行い(ステップS90;図13)、プレーヤキャラクタ間の攻撃がどのオブジェクトにヒットしたかを判定する。そして、ヒット判定の結果に応じて各プレーヤキャラクタやNPCのヒットポイントを変更する(ステップS92)。勿論、先のプレーヤキャラクタ制御処理で何れのプレーヤキャラクタも攻撃動作していなければ、攻撃判定では攻撃が当たったとする判定もなされず、各プレーヤキャラクタやNPCのヒットポイントも変更されない。また、ヒットポイントを変更する量、つまりダメージ量は、攻撃側の城が装備しているカスタムパーツ52の能力設定情報522(図9参照)と、被弾側の城の守備力などに基づいて決定される。ダメージの算出方法は、公知のゲームを適宜流用できる。勿論、装備しているカスタムパーツ52の能力設定に基づいて城としての攻撃力(総合火力に相当)を設定する構成としている場合には、設定された城としての攻撃力のパラメータ値に基づいてダメージを決定すれば良い。
【0127】
そして、処理部200は各城3の残りの城ヒットポイント557に応じて各々の能力パラメータ値558のうち城の移動能力のパラメータ値を当該ポイントが最大値からどれだけ低下しているかに応じて移動能力が下がるように変更する(ステップS94)。
【0128】
次に、処理部200はローカルヒットポイントが破壊限界条件値に達した、具体的には「0」になったカスタムパーツの有無を判定する(ステップS100)。もし、該当するカスタムパーツがあれば、(ステップS100のYES)、当該カスタムパーツとその下位階層のオブジェクトとなる他のカスタムパーツともども使用不可能にする(ステップS102)。
より具体的には、該当するカスタムパーツが砲台52やドリル54であれば、下位階層の付属オブジェクトが無いので、単独で爆発したりして破損するように表示制御し、拡張プレート50のように下位階層の付属オブジェクトが存在し得るカスタムパーツであれば、上部に設置されている砲台52等もろともその上位階層の付属オブジェクト(図6の中段の例では、メインプレート)から分離・落下して破壊するように表示制御する。
【0129】
次に、処理部200は、ヒットポイントが基準値以下、具体的には「0」になった乗員4が有る場合(ステップS104のYES)、又は現在位置がそれぞれの行動範囲を逸脱した乗員4が有る場合(ステップS106のYES)、該当する乗員4のプレーヤの全プレーヤキャラクタを行動不能に変更する(ステップS108)。つまり、該当するプレーヤを敗者とする。
【0130】
尚、ここで言う「行動範囲を逸脱」とは、乗員4が行動を許される範囲から外れた事を意味する。本実施形態では城3や島8から落下したことに該当する。具体的には、乗員4のオブジェクトが行動範囲該当オブジェクトリスト580に登録されているオブジェクトに基づいて逸脱の判定がなされる。
【0131】
尚、乗員4がワイヤーなどでメインプレート32や拡張プレート50、島8の下方にぶら下がることが可能なゲームルールや、イモリやヤモリのようにメインプレート32や拡張プレート50の裏面にくっついて歩けるゲームルール、乗員4が城3からある一定距離までは飛行できるゲームルールとする場合では、行動範囲該当オブジェクトリスト580に登録されているオブジェクトから所定の距離以上離れた場合に「逸脱した」と判定するものとすれば良い。
【0132】
次に、処理部200はゲーム空間6内に行動可能な乗員4の数を判定する。もし、まだ2体以上行動可能な乗員4が存在すれば(ステップS110のNO)、ステップS30に戻る。もし、1体のみであれば(ステップS110のYES)、当該1体のみの乗員4を操作するプレーヤを勝者としてアドホック接続している全ゲーム装置へ通知して、ゲームを終了する(ステップS112)。
【0133】
以上、本実施形態によれば、プレーヤが第1プレーヤキャラクタと、それより小さい第2プレーヤキャラクタを使い、第2プレーヤキャラクタを第1プレーヤキャラクタが接近した他オブジェクトに乗り込ませ、略奪して第1プレーヤキャラクタを強化しつつ対戦する争奪・略奪系の対戦ゲームを実現できる。
【0134】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の形態はこれに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0135】
例えば、上記実施形態ではゲーム装置として携帯型ゲーム装置1400を例示したが、据え置き型の家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置として実現しても良い。
更にはゲーム装置とする電子機器は、“ゲーム装置”として販売される電子機器に限らず、アプリケーションソフトが実行可能な携帯電話機やコンパクトデジタルカメラ、音楽プレーヤ、パソコン、カーナビといった電子機器も、プログラムを実行可能なコンピュータを内蔵している、或いはコンピュータそのものと言えるため、本発明を実現するゲーム装置の一形態とすることができる。
【0136】
また、上記実施形態ではゲームプレイ中の通信接続形態を携帯型ゲーム装置1400同士のアドホック通信としたが、これに限らない。例えば、プレーヤがそれぞれ用いるゲーム装置で所定のサーバ装置を介して接続する形態など、公知のマルチプレイ型ゲームにおける通信接続形態に変更することができる。
【0137】
また、上記実施形態では、ゲームジャンルをマルチプレイ型対戦ゲームとしたが、シングルプレイのゲーム(つまり、プレーヤ以外、全部仮想のプレーヤ)にも同様に適用できる。また、対戦ゲームに限らず、RPGや、シューティング、育成ゲーム、シミュレーションゲームなどのジャンルでも同様に適用できる。
【0138】
また、上記実施形態では、第1プレーヤキャラクタを歩行移動型の城3としたが、ゲームの内容によっては、例えば図15に示すように、ゲームの舞台が海洋ならば船38とすることができるし、宇宙を舞台とするゲームならば宇宙船や人口の星としても良い。また、ファンタジックなゲーム世界ならば、山のような大きな巨人や、巨大ロボットといった架空の生物や魔物やロボットなどとすることもできる。そして、第2プレーヤキャラクタ(乗員4)の行動範囲は、第1プレーヤキャラクタの表面に限らず、第1プレーヤキャラクタの設定に応じてその内部や周囲、を行動範囲とすることができる。
【0139】
また、上記実施形態では、カスタムパーツは上位階層のオブジェクトに設置されることとして説明したが、図15の移動砲台58の様に上位階層のオブジェクト(この場合、船70)の周囲を移動可能なものと設定することもできる。
【0140】
また、カスタムパーツは攻撃や防御に関するものに限らず、仮想の住人が生活する住居60や、カスタムパーツを生産する工場62、燃料タンク64、ランプドア66などその他のものも適宜設定する事ができる。
【0141】
また、ゲーム画面の生成は3DCGに限らず2DCGでも良いのは勿論である。
【0142】
また、上記実施形態では、乗員4を操縦席36に居させると城3を操縦できる構成としたがこれに限らず、乗員4が操縦席36に位置しなくとも城3を操作可能とすることができる。例えば、プレーヤが、操作対象の切り替え操作を入力する都度、操作対象を乗員4と城3との間で切換え処理することで実現される。この場合、ゲームの進行状況に応じて、適宜城3の位置を変更することができる。例えば、乗員4を自分の城3から相手の城へ移動させようとした時に、相手の城が逃げて自分の城との間に距離が開いてしまうと乗員4は相手の城へ移動できない。その場合は、操作対象を自分の城に一旦切り替えて、相手の城を追いかけ、接近してから再度移動を試みるといったことが可能になる。
【0143】
また、上記実施形態では、第2プレーヤキャラクタを乗員4のみ挙げて説明してきたが、第2プレーヤキャラクタとして複数の乗員を設ける構成としても良い。例えば、乗員4をボスとして、そのサポートをするNPCであるサブ乗員を設定し、サブ乗員向けのコマンドを用意しておいて、プレーヤがゲーム中にサブ乗員に行動命令を与えられるようにすると好適である。
【0144】
また、上記実施形態では、カスタムパーツ52は、城同士の対戦により破壊される説明をしたが、乗員4が乗り込んだ後に乗員4の攻撃により破壊可能な構成としても良い。
【符号の説明】
【0145】
2(2a,2b,2c) プレーヤ
3(3a,3b,3c) 城
4(4a,4b,4c) 乗員
10 ワールドマップ
20 ローカルマップ
32 メインプレート
36 操縦席
50 拡張プレート
52 砲台
54 ドリル
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 第1PC制御部
214 第2PC制御部
216 NPC制御部
218 カスタムパーツ管理部
220 城能力変更部
222 行動範囲設定部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
514 カスタムパーツ初期設定データ
540 プレイデータ
552 自プレーヤデータ
550 城データ
570 乗員データ
594 他プレーヤデータ
1400(1400a、1400b,1400c) 携帯型ゲーム装置
1406 第1液晶ディスプレイ
1408 第2液晶ディスプレイ
1412 無線通信モジュール
1450 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、ゲーム空間内でプレーヤキャラクタ(以下「PC」と略する)を移動制御して所与のゲームを実行させるためのプログラムであって、
第1プレーヤキャラクタ(以下「第1PC」と言う)を前記ゲーム空間内で動作制御する第1PC動作制御手段、
前記第1PCの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを、前記第1PCより小さい第2プレーヤキャラクタ(以下「第2PC」と言う)の行動範囲として設定し、前記ゲーム空間内に配置された他オブジェクトと前記第1PCとの位置関係が所定の近接条件を満たす場合に、前記他オブジェクトの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを前記第2PCの新たな行動範囲として追加設定する行動範囲設定手段、
前記第2PCを前記行動範囲設定手段により設定された行動範囲内で動作制御する第2PC動作制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記第2PC動作制御手段が、
分離可能に前記他オブジェクトに予め付属していた付属オブジェクトを、前記他オブジェクトから分離させるように前記第2PCを動作制御する付属オブジェクト分離制御手段と、
前記付属オブジェクト分離制御手段により分離された前記付属オブジェクトを前記第1PCに設置するように前記第2PCを動作制御する付属オブジェクト移設制御手段と、
を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記付属オブジェクト分離制御手段により前記付属オブジェクトが分離された場合には前記他オブジェクトに定められている能力パラメータの値を低減させ、前記付属オブジェクト移設制御手段により前記付属オブジェクトが設置された場合には前記第1PCに定められている能力パラメータの値を増加させる能力パラメータ値変更手段として前記コンピュータを更に機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記付属オブジェクト移設制御手段が、前記第2PCに前記付属オブジェクトを運搬させるように動作制御する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記他オブジェクトに味方するキャラクタであって、前記第2PCによる前記付属オブジェクトの運搬を妨害する妨害キャラクタを動作制御する妨害キャラクタ制御手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記付属オブジェクト分離制御手段が、前記付属オブジェクトに定められた耐久度合を示すパラメータの値が所定の耐久度合低下条件を満たすか否かに基づいて当該付属オブジェクトの分離可否を判定する分離可否判定手段を有し、前記分離可否判定手段により分離不可と判定された付属オブジェクトを分離させず、分離可と判定された付属オブジェクトを分離させるように、前記コンピュータを機能させるための請求項2〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ゲームは、前記第1PCと前記他オブジェクトとの間で戦闘を行うゲームであり、
ゲーム進行に応じて、前記第1PC、前記他オブジェクトおよび前記付属オブジェクトに設定されたヒットポイントを変更するヒットポイント変更手段、
前記付属オブジェクト分離制御手段による分離、および、前記付属オブジェクト移設制御手段による設置に基づいて、前記付属オブジェクトの付属の親子関係を設定する親子関係設定手段、
前記ヒットポイントが所定の破壊限界条件に達した付属オブジェクトを破壊するとともに、前記親子関係に従って当該付属オブジェクトに付属している付属オブジェクトをも破壊する破壊処理手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項2〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記行動範囲設定手段が、前記第1PCと前記他オブジェクトとの位置関係が前記近接条件を満たした後に所定の離隔条件を満たした場合に、前記第2PCが前記第1PCに係る行動範囲内に位置するときには当該第1PCに係る行動範囲を新たな行動範囲とし、前記他オブジェクトに係る行動範囲内に位置するときには当該他オブジェクトに係る行動範囲を新たな行動範囲として行動範囲を更新する行動範囲更新手段を有する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記行動範囲設定手段による行動範囲の設定変更に応じて、マップ表示及び/又はゲーム画面の表示を切り替える表示切換制御手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な情報記憶媒体。
【請求項11】
ゲーム空間内でプレーヤキャラクタを移動制御して所与のゲームを実行するゲーム装置であって、
第1PCを前記ゲーム空間内で動作制御する第1PC動作制御手段と、
前記第1PCの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを、前記第1PCより小さい第2PCの行動範囲として設定し、前記ゲーム空間内に配置された他オブジェクトと前記第1PCとの位置関係が所定の近接条件を満たす場合に、前記他オブジェクトの周囲、表面および内部のうち少なくとも一つを前記第2PCの新たな行動範囲として追加設定する行動範囲設定手段と、
前記第2PCを前記行動範囲設定手段により設定された行動範囲内で動作制御する第2PC動作制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−85736(P2012−85736A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233632(P2010−233632)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】