説明

プログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム

【課題】立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できるプログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム等の提供。
【解決手段】画像生成システムは、移動体の制御を行う移動体制御部と、移動体MOBを用いたタイミング判定処理を行う判定部と、立体視用画像を生成する画像生成部を含む。画像生成部は、タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアARBを移動体MOBが通過する際に移動体MOBの画像の視差が無くなるように、移動体MOBが表示された立体視用画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映画やゲーム等の分野において、より臨場感が溢れる画像を生成するシステムとして、立体視画像の生成システムが脚光を浴びている。例えば立体視画像生成システムの1つである2眼式の立体視画像生成システムでは、左眼用画像と右眼用画像を生成する。そしてプレーヤが立体視用の眼鏡を装着して、左眼は左眼用画像のみを見て、右眼は右眼用画像のみを見るようにすることで、立体視を実現する。このような立体視を実現する画像生成システムの従来技術としては、例えば特許文献1に開示される技術がある。また立体視方式としては、眼鏡式以外にも裸眼式がある。例えば、パララックスバリアによって、画素ごとに、「左眼には見えるが右眼には見えない」、「右眼には見えるが左眼には見えない」という状態を作り出すことで、裸眼の立体視システムを実現できる。また、レンチキュラ等の光学素子による光の屈折等を利用することで、画素ごとに光の方向を制御し、上記と同様の状態を作り出すことでも、裸眼の立体視システムを実現できる。
【0003】
一方、野球ゲームなどの球技ゲームや、音楽ゲームなどでは、ボールや音符(指示マーカ)などの移動体をゲーム画面上で移動させ、この移動体を用いて、プレーヤの入力タイミングが所定の判定基準内にあるか否かのタイミング判定処理を行う。
【0004】
しかしながら、立体視システムにより実現される立体視ゲームにおいて、このようなタイミング判定処理を行う場合に、タイミング判定における移動体の表示状態が適正な表示状態でないと、適切なタイミング判定処理を実現できなくなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−126902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の幾つかの態様によれば、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できるプログラム、情報記憶媒体、画像生成システム及びサーバシステム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、移動体の制御を行う移動体制御部と、前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、立体視用画像を生成する画像生成部とを含み、前記画像生成部は、前記タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成する画像生成システムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0008】
本発明の一態様によれば、移動体制御部により制御される移動体を用いて、タイミング判定処理が行われる。そして移動体制御部により制御される移動体が判定基準エリアを通過する際に、移動体の画像の視差が無くなるように立体視用画像が生成される。このようにすれば、判定基準エリアの通過時に画像の視差が無くなる移動体を用いて、タイミング判定処理が行われるようになるため、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現することが可能になる。
【0009】
また本発明の一態様では、前記判定部は、プレーヤの入力タイミングと前記移動体の前記判定基準エリアの通過タイミングとに基づいて、前記タイミング判定処理を行い、前記画像生成部は、前記判定基準エリアの前記通過タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0010】
このようにすれば、プレーヤの入力タイミングと移動体の通過タイミングとに基づいてタイミング判定処理が行われると共に、通過タイミングにおいて移動体の画像の視差が無くなるように立体視用画像が生成される。従って、例えばプレーヤは、判定基準エリアの通過タイミングにおいて視差が無くなる移動体の画像を見ながら、操作入力を行うことができるため、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できる。
【0011】
また本発明の一態様では、ゲーム演算処理を行うゲーム演算部を含み(ゲーム演算部としてコンピュータを機能させ)、前記判定部は、前記タイミング判定処理として、前記入力タイミングと前記通過タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行い、前記ゲーム演算部は、前記評価処理の結果に基づいて、前記ゲーム演算処理を行ってもよい。
【0012】
このようにすれば、判定基準エリアの通過タイミングにおいて画像の視差が無くなる移動体を用いてタイミング判定処理を実現できると共に、入力タイミングと通過タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理の結果により、ゲーム演算処理を実行できる。従って、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現しながら、そのタイミング判定処理の評価処理の結果をゲーム演算処理に反映させることが可能になる。
【0013】
また本発明の一態様では、前記ゲーム演算部は、前記プレーヤのゲーム成績の演算処理、前記移動体の表示制御処理、及びゲーム演出処理の少なくとも1つを、前記評価処理の結果に基づく前記ゲーム演算処理として行ってもよい。
【0014】
このようにすれば、タイミング判定処理の評価結果を、プレーヤのゲーム成績や移動体の表示制御やゲーム演出処理に反映させることが可能になる。
【0015】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記入力タイミングと前記通過タイミングとのタイミング差に応じて、前記移動体の画像の視差が変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0016】
このようにすれば、入力タイミングと通過タイミングとのタイミング差を、移動体の画像の視差の変化により表すことが可能になり、プレーヤがタイミングを把握しやすいタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0017】
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記タイミング判定処理として、前記判定基準エリアが設定される領域において、ヒット対象物である前記移動体がヒット体によってヒットされるヒット判定処理を行ってもよい。
【0018】
このようにすれば判定基準エリアを有効利用して、移動体がヒット体によってヒットされるヒット判定処理を実現できるようになる。
【0019】
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記判定基準エリアを含むヒット判定ボリュームを設定し、プレーヤの入力タイミングにおいて前記ヒット判定ボリューム内に前記移動体が位置していた場合に、前記ヒット体によって前記移動体がヒットされたと判定してもよい。
【0020】
このようにすれば、判定基準エリアを含むヒット判定ボリュームを設定して、移動体がヒット体によってヒットされたか否かを適切に判定できるようになる。
【0021】
また本発明の一態様では、画像生成部は、前記ヒット判定ボリューム内に前記移動体が位置する場合に、前記移動体の色、形状及び大きさの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0022】
このようにすれば、プレーヤは、移動体の色、形状又は大きさの変化を見ることで、移動体がヒット判定ボリュームに位置していることを認識できるようになり、プレーヤにとって把握しやすいヒット判定処理を実現できる。
【0023】
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記判定基準エリアよりも視点側から見て手前側の第1のヒット判定ボリュームと、視点側から見て奥側の第2のヒット判定ボリュームを設定し、前記プレーヤの入力タイミングにおいて前記移動体が前記第1のヒット判定ボリューム内に位置していた場合には、前記移動体のヒット方向を第1の方向側に設定し、前記プレーヤの前記入力タイミングにおいて前記移動体が前記第2のヒット判定ボリューム内に位置していた場合には、前記移動体の前記ヒット方向を前記第1の方向側とは異なる第2の方向側に設定してもよい。
【0024】
このようにすれば、判定基準エリアを基準として第1、第2のヒット判定ボリュームを設定するだけで、移動体のヒット方向を設定することが可能になり、よりリアルなヒット判定処理等を実現できるようになる。
【0025】
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記判定基準エリアでの前記移動体の通過位置と、前記判定基準エリアでのプレーヤのヒット指示位置との位置関係に応じて、前記ヒット体によるヒット後の前記移動体の状態を決めるヒット結果パラメータを設定してもよい。
【0026】
このように移動体の通過位置とプレーヤのヒット指示位置の位置関係に応じてヒット結果パラメータを設定すれば、よりリアルで適切な移動体のヒット処理等を実現できるようになる。
【0027】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記プレーヤのヒット指示位置を知らせるための指示位置表示用オブジェクトが前記判定基準エリアの位置に表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0028】
このようにすれば、プレーヤは、指示位置表示用オブジェクトを見ることで、自身が指示した判定基準エリア上での指示位置を事後的に確認できるようになる。
【0029】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記プレーヤが前記ヒット指示位置を指示した入力タイミングでの前記移動体の位置を知らせるための移動体位置表示用オブジェクトが表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0030】
このようにすれば、プレーヤは、移動体位置表示用オブジェクトを見ることで、入力タイミングでの移動体の位置を事後的に確認できるようになる。
【0031】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記移動体の前記判定基準エリアの通過タイミングよりも前記入力タイミングの方が遅い場合には、前記判定基準エリアよりも視点側から見て手前側に前記移動体位置表示用オブジェクトが表示され、前記移動体の前記判定基準エリアの通過タイミングよりも前記入力タイミングの方が早い場合には、前記判定基準エリアよりも視点側から見て奧側に前記移動体位置表示用オブジェクトが表示された立体視用画像を生成してもよい。
【0032】
このようにすれば、プレーヤは、移動体位置表示オブジェクトと判定基準エリアとの前後方向での位置関係を見ることで、自身の入力タイミングと通過タイミングの時間的なタイミング関係を容易に把握できるようになる。
【0033】
また本発明の一態様では、前記判定部は、前記判定基準エリアの位置、方向及び形状の少なくとも1つを可変に設定してもよい。
【0034】
このように判定基準エリアの位置や方向や形状を変化させることで、多彩で適切なタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0035】
また本発明の一態様では、前記判定部は、プレーヤが操作するキャラクタの情報に基づいて、前記判定基準エリアの位置、方向及び形状の少なくとも1つを可変に設定してもよい。
【0036】
このようにすれば、例えばキャラクタの位置、方向又はステータスなどのキャラクタ情報に応じて、判定基準エリアの位置や方向や形状が変化するようになり、多彩で適切なタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0037】
また本発明の一態様では、前記移動体は球技ゲームにおけるボールであり、前記判定部は、前記球技ゲームに登場するキャラクタの所持物又は部位により前記ボールがヒットされる領域に、前記判定基準エリアを設定してもよい。
【0038】
このようにすれば、キャラクタの所持物や部位によりボールをヒットする球技ゲームにおいて、適切なタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0039】
また本発明の一態様では、前記球技ゲームは野球ゲームであり、前記判定部は、前記野球ゲームにおけるホームベース上に前記判定基準エリアを設定してもよい。
【0040】
このようにすれば、ホームベース付近において画像の視差が無くなるボールを用いて、バッティングにおけるタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0041】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記判定基準エリアに対応する位置に設定された基準スクリーンに対して前記移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、前記判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像を生成してもよい。
【0042】
このようにすれば、基準スクリーンへの移動体のオブジェクトの透視投影を行うことで、判定基準エリアを通過する際に視差が無くなるような移動体の画像を生成できるようになる。
【0043】
また本発明の一態様では、前記画像生成部は、前記判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0044】
このようにすれば、判定基準エリアを通過する際の移動体の視認性が向上するようになり、プレーヤが把握しやすいタイミング判定処理等を実現できる。
【0045】
また本発明の一態様では、音を生成する音生成部を含み(音生成部としてコンピュータを機能させ)、前記音生成部は、前記移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成してもよい。
【0046】
このようにすれば、移動体の視差のみならず、移動体の視差に連動する音像定位も利用して、移動体の立体感をプレーヤに感じさせることが可能になる。
【0047】
また本発明の他の態様は、移動体の制御を行う移動体制御部と、前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成する画像生成用データ生成部とを含み、前記画像生成用データ生成部は、前記タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成するサーバシステムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の画像生成システムの構成例。
【図2】立体視におけるオブジェクトの描画位置の説明図。
【図3】図3(A)〜図3(C)は本実施形態の手法の説明図。
【図4】図4(A)、図4(B)は移動体の画像の視差についての説明図。
【図5】図5(A)〜図5(E)は入力タイミングの評価処理についての説明図。
【図6】図6(A)、図6(B)は本実施形態が適用される携帯型ゲーム装置の構成例。
【図7】本実施形態を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図8】本実施形態を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図9】本実施形態を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図10】本実施形態を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図11】本実施形態を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図12】ヒット判定ボリュームを用いたヒット判定手法の説明図。
【図13】図13(A)、図13(B)もヒット判定ボリュームを用いたヒット判定手法の説明図。
【図14】図14(A)、図14(B)は移動体の通過位置とプレーヤの指示位置の位置関係に基づくヒット結果パラメータの設定手法の説明図。
【図15】図15(A)、図15(B)は指示位置表示用オブジェクト、移動体位置表示用オブジェクトの配置手法の説明図。
【図16】キャラクタの情報に基づいて判定基準エリアの位置等を可変に設定する手法の説明図。
【図17】本実施形態を音楽ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図18】本実施形態を音楽ゲームに適用した場合に生成される画像の例。
【図19】図19(A)〜図19(C)は本実施形態を音楽ゲームに適用した場合のタイミング判定手法の説明図。
【図20】図20(A)〜図20(C)は本実施形態を音楽ゲームに適用した場合の入力タイミングの評価手法の説明図。
【図21】図21(A)、図21(B)は判定基準エリアの通過の際に移動体の色、形状又はサイズを変化させる手法の説明図。
【図22】図22(A)、図22(B)はヒット判定ボリュームに位置する場合に移動体の色、形状又はサイズを変化させる手法の説明図。
【図23】移動体の視差に応じて音像定位が変化する音を生成する手法の説明図。
【図24】本実施形態の詳細な処理を説明するフローチャート。
【図25】本実施形態の詳細な処理を説明するフローチャート。
【図26】本実施形態の詳細な処理を説明するフローチャート。
【図27】本実施形態のサーバシステムの構成例。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0050】
1.構成
図1に本実施形態の画像生成システム(ゲームシステム)のブロック図の例を示す。なお、本実施形態の画像生成システムの構成は図1に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0051】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、方向指示キー、操作ボタン、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
【0052】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(DRAM、VRAM)などにより実現できる。そしてゲームプログラムや、ゲームプログラムの実行に必要なゲームデータは、この記憶部170に保持される。
【0053】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0054】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0055】
補助記憶装置194(補助メモリ、2次メモリ)は、記憶部170の容量を補うために使用される記憶装置であり、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどのメモリーカードなどにより実現できる。
【0056】
通信部196は、有線や無線のネットワークを介して外部(例えば他の画像生成システム、サーバ、ホスト装置)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0057】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバ(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170、補助記憶装置194)に配信してもよい。このようなサーバ(ホスト装置)による情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0058】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などを行う。処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0059】
処理部100は、ゲーム演算部102、オブジェクト空間設定部104、移動体制御部106、仮想カメラ制御部108、判定部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0060】
ゲーム演算部102はゲーム演算処理を行う。ここでゲーム演算としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0061】
オブジェクト空間設定部104は、複数のオブジェクトが配置されるオブジェクト空間の設定処理を行う。例えば、キャラクタ(人、動物、ロボット、車、船舶、飛行機等)、ボール、指示マーカ、マップ(地形)、建物、コース(道路)、樹木、壁などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェイスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。具体的には、記憶部170のオブジェクトデータ記憶部172には、オブジェクト(パーツオブジェクト)の位置、回転角度、移動速度、移動方向等のデータであるオブジェクトデータがオブジェクト番号に対応づけて記憶される。オブジェクト空間設定部104は、例えば各フレーム毎にこのオブジェクトデータを更新する処理などを行う。
【0062】
移動体制御部106は、ボール、指示マーカ、キャラクタ等の移動体を移動させるための制御処理を行う。また移動体(移動体オブジェクト)を動作させるための制御処理を行う。即ち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、移動体(オブジェクト、モデルオブジェクト)をオブジェクト空間内で移動させたり、移動体を動作(モーション、アニメーション)させる制御処理を行う。具体的には、移動体の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、移動体の移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0063】
仮想カメラ制御部108は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点、基準仮想カメラ)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置、視線方向あるいは画角を制御する処理)を行う。
【0064】
例えば仮想カメラによりキャラクタを後方から撮影する場合には、キャラクタの位置又は方向の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置(視点位置)や方向(視線方向)を制御する。この場合には、移動体制御部106で得られたキャラクタの位置、方向又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は方向を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。
【0065】
判定部110は各種の判定処理を行う。判定部110が行う判定処理の詳細については後述する。
【0066】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理、シミュレーション処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。具体的には、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、或いは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を、描画バッファ178(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、描画処理は頂点シェーダ処理やピクセルシェーダ処理等により実現することができる。
【0067】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0068】
そして本実施形態では、移動体制御部106が、ボール、指示マーカ(音符)等の移動体の制御を行う。例えば移動体のオブジェクトをオブジェクト空間内で移動させる制御を行う。また判定部110が、移動体を用いたタイミング判定処理を行う。例えばプレーヤの入力タイミングと移動体の位置等に基づいて、野球ゲームや音楽ゲームなどの各種のゲームにおけるタイミング判定処理を行う。
【0069】
そして画像生成部120は立体視用画像を生成する。具体的には画像生成部120は、タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを移動体が通過する際に移動体の画像の視差が無くなるように、移動体が表示された立体視用画像を生成する。
【0070】
ここで立体視用画像は、2眼分離眼鏡方式等を例にとれば、左眼用画像、右眼用画像である。但し立体視用画像は、2眼分離眼鏡方式の左眼用画像、右眼用画像には限定されず、裸眼方式の立体視用画像であってもかまわない。裸眼方式には、裸眼2眼式のほか、多眼方式や、空間像方式等が含まれる。空間像方式としては、例えば「フラクショナル・ビュー方式」が提案されている。
【0071】
また判定基準エリアは、移動体を用いたタイミング判定処理のために設定されるエリアである。判定基準エリアは、2次元図形のエリアであってもよいし、3次元図形のエリアであってもよい。或いは判定基準エリアは、判定基準となる位置であってもよい。
【0072】
また、移動体の画像の視差が無くなるとは、例えば移動体の画像の視差がゼロになることである。具体的には左眼用画像(広義には第1視点画像)のオブジェクトの基準スクリーン(透視投影面)での描画位置である第1描画位置と、右眼用画像(広義には第2視点画像)の対応するオブジェクトの基準スクリーンでの描画位置である第2描画位置とが一致することである。但し、移動体の画像の視差は完全にゼロである必要はなく、視差の値が所定しきい値以下である場合でもよい。例えば左眼用画像のオブジェクトの第1描画位置と右眼用画像の対応するオブジェクトの第2描画位置のずれ(差)が所定しきい値以下(例えば1ピクセル以下)である場合でもよい。また、この場合の視差(両眼視差)は、左眼(第1視点)と右眼(第2視点)で見る像の位置の差異のことであり、両眼像差(Binocular parallax)と呼ばれるものである。
【0073】
なお画像生成部120は、タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを移動体が通過する際に移動体の画像の視差が所定視差になるように、移動体が表示された立体視用画像を生成するようにしてもよい。ここで、移動体の画像の視差が所定視差になるとは、移動体の画像の視差が、予め想定されている視差になることであり、例えば所定の視差範囲内になることである。具体的には左眼用画像(第1視点画像)のオブジェクトの基準スクリーンでの第1描画位置と、右眼用画像(第2視点画像)の対応するオブジェクトの基準スクリーンでの第2描画位置とのずれ(差)が、所定の基準値になったり、所定の基準範囲内になることである。この所定基準値や所定基準範囲のデータは例えば記憶部170に記憶される。
【0074】
例えば判定部110は、プレーヤの入力タイミングと移動体の判定基準エリアの通過タイミングとに基づいて、タイミング判定処理を行う。そして画像生成部120は、判定基準エリアの通過タイミングにおいて移動体の画像の視差が無くなるように(広義には所定視差になるように)、移動体が表示された立体視用画像(左眼用画像、右眼用画像)を生成する。例えばボールや指示マーカ等の移動体は、移動体制御部106の制御により例えばオブジェクト空間内で移動し、オブジェクト空間に設定された判定基準エリアを通過する。またプレーヤが操作部160を用いてタイミング判定のための操作を行うと、その操作の入力タイミング(操作を入力したフレーム)が取得される。そして判定部110は、プレーヤの入力タイミングと、移動体の判定基準エリアの通過タイミングとの一致判定処理(合致判定処理)を、タイミング判定処理として行う。この場合に画像生成部120は、ボールや指示マーカ等の移動体が、判定基準エリアの通過タイミングにおいてその画像の視差が無くなるように立体視用画像を生成する。例えば左眼用画像での移動体のオブジェクトの第1描画位置と右眼用画像での移動体のオブジェクトの第2描画位置とが、判定基準エリアの通過タイミングにおいて一致(略一致を含む)するように、左眼用画像、右眼用画像を生成する。
【0075】
また判定部110は、タイミング判定処理として、入力タイミングと通過タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行う。例えば入力タイミングと通過タイミングのタイミング差(時間差、フレーム差)に基づく評価処理を行う。するとゲーム演算部102は、評価処理の結果(良い評価か悪い評価か)に基づいて、ゲーム演算処理を行う。具体的には、プレーヤのゲーム成績の演算処理、移動体の表示制御処理、及びゲーム演出処理の少なくとも1つを、評価処理の結果に基づくゲーム演算処理として行う。
【0076】
ここでゲーム成績の演算処理は、タイミング判定処理に基づくゲームにより獲得されたプレーヤの得点やポイントや操作評価の演算処理である。例えば入力タイミングと通過タイミングのタイミング差(時間差)が少ないほど、プレーヤに対して高い得点や高いポイントや高い操作評価が与えられる。また移動体の表示制御処理は、例えば入力タイミングと通過タイミングとに基づく判定処理後における移動体の表示制御処理である。例えば評価結果に基づいて、移動体の移動方向や移動速度や移動加速度や表示態様を変化させる処理である。またゲーム演出処理は、タイミング判定処理の結果を視覚的又は聴覚的に表現するための演出処理であり、評価結果に基づく映像効果やサウンド効果を、ゲーム演出のために発生させる処理である。
【0077】
また画像生成部120は、入力タイミングと通過タイミングとのタイミング差に応じて、移動体の画像の視差が変化する立体視用画像を生成する。例えば入力タイミングと通過タイミングとのタイミング差が大きくなるにつれて、移動体の画像の視差が大きくなったり、小さくなる立体視用画像を生成する。更に具体的には画像生成部120は、入力タイミングと通過タイミングとのタイミング差が大きくなるほど、移動体の画像の視差が大きくなる立体視用画像を生成する。例えば入力タイミングと通過タイミングとのタイミング差が大きい場合には、立体視において基準スクリーンから飛び出したり引っ込んで見えるような立体視用画像を生成する。
【0078】
また判定部110は、タイミング判定処理として、判定基準エリアが設定される領域において、ヒット対象物である移動体がヒット体によってヒットされるヒット判定処理を行ってもよい。球技ゲームを例にとれば、ボール等の移動体が、キャラクタの所持物(バット等)や部位(足、手等)などのヒット体によってヒットされるヒット判定処理を行う。この場合には判定基準エリアは、移動体がヒット体によってヒットされることが想定される場所(例えば野球ゲームにおけるホームベースの位置)に配置設定される。
【0079】
具体的には判定部110は、判定基準エリアを含むヒット判定ボリュームを設定する。例えば判定基準エリアを内包したり、判定基準エリアを中心とするヒット判定ボリュームを設定する。そしてプレーヤの入力タイミングにおいてヒット判定ボリューム内に移動体が位置していた場合に、ヒット体によって移動体がヒットされたと判定する。そして例えばヒット方向に移動体を移動させる処理を行う。
【0080】
この場合に画像生成部120は、ヒット判定ボリューム内に移動体が位置する場合に、移動体の色、形状及び大きさの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。例えば移動体の色、形状又はサイズを、ヒット判定ボリューム内に位置する期間では、ヒット判定ボリュームに位置しない期間とは異なった色、形状又はサイズに設定する。このようにすることで、ヒット判定処理の際の移動体の視認性が高くなり、プレーヤがタイミングを把握しやすいヒット判定処理を実現できる。
【0081】
更に具体的には判定部110は、判定基準エリアよりも視点側(仮想カメラ側)から見て手前側の第1のヒット判定ボリュームと、視点側から見て奥側の第2のヒット判定ボリュームを設定する。そしてプレーヤの入力タイミングにおいて移動体が第1のヒット判定ボリューム内に位置していた場合には、移動体のヒット方向を、第1の方向側に設定する。一方、プレーヤの入力タイミングにおいて移動体が第2のヒット判定ボリューム内に位置していた場合には、移動体のヒット方向を、第1の方向側とは異なる第2の方向側に設定する。例えば第1の方向側が左方向側であれば、第2の方向側は右方向側になり、第1の方向側が右方向側であれば、第2の方向側は左方向側になる。或いは第1の方向側が上方向側であれば、第2の方向側は下方向側になり、第1の方向側が下方向側であれば、第2の方向側は上方向側になる。
【0082】
また判定部110は、判定基準エリアでの移動体の通過位置と、判定基準エリアでのプレーヤのヒット指示位置との位置関係に応じて、ヒット体によるヒット後の移動体の状態を決めるヒット結果パラメータを設定してもよい。ここで、ヒット結果パラメータは、ヒット後の移動体の状態を決めるパラメータであり、ヒットの強さを決めるヒット強さパラメータ、ヒット後の移動体の速度を決めるヒット速度パラメータ、或いはヒット後の移動体の加速を決めるヒット加速度パラメータなどである。例えばヒット結果パラメータがヒット強さパラメータである場合には、移動体の通過位置とプレーヤのヒット指示位置が近い場合には、ヒット強さを強くし、通過位置とヒット指示位置が遠い場合にはヒット強さを弱くする。
【0083】
また画像生成部120は、プレーヤのヒット指示位置をプレーヤに知らせるための指示位置表示用オブジェクトが判定基準エリアの位置に表示された立体視用画像を生成する。例えば指示位置表示用オブジェクトが、判定基準エリアに対応する基準スクリーン(スクリーン面)の位置に配置され、この指示位置表示用オブジェクトの画像を含む立体視用画像(左眼用画像、右眼用画像)が生成される。
【0084】
更に画像生成部120は、プレーヤがヒット指示位置を指示した入力タイミングでの移動体の位置(例えばオブジェクト空間での3次元座標)をプレーヤに知らせるための移動体位置表示用オブジェクトが表示された立体視用画像を生成してもよい。具体的には画像生成部120は、移動体の判定基準エリアの通過タイミングよりも入力タイミングの方が遅い場合には、判定基準エリアよりも視点側(仮想カメラ側)から見て手前側に移動体位置表示用オブジェクトが表示される立体視用画像を生成する。一方、移動体の判定基準エリアの通過タイミングよりも入力タイミングの方が早い場合には、判定基準エリアよりも視点側から見て奧側に移動体位置表示用オブジェクトが表示された立体視用画像を生成する。こうすることで、入力タイミングでの移動体の3次元的な位置をプレーヤに知らせることが可能になる。
【0085】
また判定部110は、判定基準エリアの位置、方向及び形状の少なくとも1つを可変に設定してもよい。例えばオブジェクト空間内での判定基準エリアの配置位置や配置方向や、判定基準エリアの形やサイズ等を可変に設定する。この場合に判定部110は、プレーヤが操作するキャラクタの情報に基づいて、判定基準エリアの位置、方向及び形状の少なくとも1つを可変に設定してもよい。ここでキャラクタの情報は、例えばキャラクタの位置、方向或いはステータス情報などである。例えばキャラクタの位置や方向に追従するように判定基準エリアの位置や方向を設定する。或いはキャラクタのステータス情報に応じて、判定基準エリアの形状(サイズ等)を変化させる。
【0086】
なお、判定部110の判定処理に用いられる移動体は、例えば球技ゲームにおけるボール(ボールを表すオブジェクト)である。そして判定部110は、球技ゲームに登場するキャラクタの所持物(バット、ラケット等)又は部位(足、手、頭等)によりボールがヒットされる領域に、判定基準エリアを設定する。例えば球技ゲームが野球ゲームである場合には、野球ゲームにおけるホームベース上に判定基準エリアを設定する。また球技ゲームがテニスゲームやサッカーゲームである場合には、ラケットの打点位置や足のキック位置に対応する場所に判定基準エリアを設定する。
【0087】
また画像生成部120は、判定基準エリアに対応する位置に設定された基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、判定基準エリアを移動体が通過する際に移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像を生成する。具体的には、基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを、左眼用仮想カメラの視点で透視投影して描画することで、左眼用画像を生成する。また基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを、右眼用仮想カメラの視点で透視投影して描画することで、右眼用画像を生成する。
【0088】
例えば2眼分離眼鏡方式の場合には、画像生成部120は、左眼用画像生成部(広義には第1視点画像生成部)122、右眼用画像生成部(広義には第2視点画像生成部)124を含む。そして左眼用画像生成部122が、左眼用仮想カメラの視点(第1の視点)での画像である左眼用画像(第1視点画像)を生成する。また右眼用画像生成部124が、右眼用仮想カメラの視点(第2の視点)での画像である右眼用画像(第2視点画像)を生成する。
【0089】
なお仮想カメラ制御部108は、例えば左眼用、右眼用仮想カメラを設定するための基準となる基準仮想カメラの制御を行う。そして、得られた基準仮想カメラの位置情報、方向情報と、設定されたカメラ間距離の情報に基づいて、左眼用、右眼用仮想カメラの位置情報(視点位置)、方向情報(視線方向)を求める。なお仮想カメラ制御部108が、左眼用、右眼用仮想カメラを直接制御するようにしてもよい。
【0090】
また立体方式としては、2眼分離眼鏡方式や、パララックスバリアやレンチキュラや、その他、光線の方向を制御することができる光学素子を用いた裸眼方式などの様々な方式を想定できる。2眼分離眼鏡方式としては、例えば偏光眼鏡方式、継時分離方式、色分離方式などがある。偏光眼鏡方式では、例えば表示部190の奇数ラインと偶数ラインに左眼用画像と右眼用画像を交互に表示し、これを偏光眼鏡(例えば左眼に水平方向の偏光フィルタ、右眼に垂直方向の偏光フィルタを付けた眼鏡)で見ることで立体視を実現する。或いは左眼用画像と右眼用画像を特殊な偏光フィルタを有するプロジェクタで投影し、投影画像を偏光眼鏡で見ることで立体視を実現してもよい。また継時分離方式(ページ・フリップ方式)では、表示部190に左眼用画像、右眼用画像を所定期間毎(例えば1/120秒毎、1/60秒毎)に交互に表示する。そして、この表示の切り替えに連動して液晶シャッター付きの眼鏡の左眼、右眼の液晶シャッターを交互に開閉することで、立体視を実現する。色分離方式では、例えばアナグリフ画像を生成し、赤青眼鏡等で見ることで、立体視を実現する。
【0091】
また左眼用画像と右眼用画像から立体用視画像を生成する機能は、画像生成部120に持たせてもよいし、表示部190(テレビ等)に持たせてもよい。例えば画像生成部120が、サイドバイサイド方式の画像信号を出力する。すると表示部190が、このサイドバイサイドの画像信号に基づいて、奇数ラインと偶数ラインに左眼用画像と右眼用画像が交互に割り当てられるフィールドシーケンシャル方式の画像を表示する。或いは、左眼用画像と右眼用画像が所定期間毎に交互に切り替えられるフレームシーケンシャル方式の画像を表示する。或いは画像生成部120の方が、フィールドシーケンシャル方式やフレームシーケンシャル方式の画像を生成して、表示部190に出力するようにしてもよい。
【0092】
また画像生成部120は、判定基準エリアを移動体が通過する際に移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。例えば移動体の色、形状又はサイズを、判定基準エリアの通過タイミングにおいては、通過タイミング以外のタイミングとは異なった色、形状又はサイズに設定する。このようにすることで、判定基準エリアの通過タイミングでの移動体の視認性が高くなり、プレーヤがタイミングを把握しやすいタイミング判定処理を実現できる。
【0093】
またゲーム音や効果音等の音を生成する音生成部130は、移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成してもよい。即ち移動体の立体視の度合いに応じて、音出力部192から出力される音の音像定位を変化させる。例えば移動体が画面から飛び出して見えるような視差(立体視用画像)の場合には、音の音像定位を画面よりも手前側(プレーヤ側)の位置に設定する。一方、移動体が画面の奥側に引っ込むような視差の場合には、音の音像定位を画面よりも奥側の位置に設定する。このようにすることで、立体視用画像における移動体の立体感と、音の音像定位による立体感とが連動するようになり、プレーヤが感じる立体感を向上できる。
【0094】
なお本実施形態の画像生成システムはサーバシステムにより実現してもよい。図27にサーバシステムにより実現する場合の構成例を示す。
【0095】
サーバシステム500は、端末装置TM1〜TMnとネットワーク510を介して通信接続される。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲームサーバ、通信サーバ、課金サーバ等)により実現できる。ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
【0096】
端末装置TM1〜TMnは、例えば携帯型ゲーム装置、据え置き型の家庭用ゲーム装置、或いは業務用ゲーム装置等により実現される。携帯型ゲーム装置は専用のゲーム装置であってもよいし、携帯電話機や携帯型情報端末などのゲームプログラムの実行が可能な汎用の装置であってもよい。
【0097】
サーバシステム500は、処理部600、記憶部670、情報記憶媒体680、通信部696を含む。処理部600は、ゲーム演算部602、オブジェクト空間設定部604、移動体制御部606、仮想カメラ制御部608、判定部610、画像生成用データ生成部620、音生成用データ生成部630を含む。なおこれらの各部(各ブロック)の機能、動作等は、図1の各部(各ブロック)と同様である。
【0098】
例えばサーバシステム500の移動体制御部606は、移動体の制御を行い、判定部610は、移動体を用いたタイミング判定処理を行う。そして画像生成用データ生成部620は、立体視用画像を生成するための画像生成用データデータを生成する。また音生成用データ生成部630は、音を生成するための音生成用データを生成する。
【0099】
そして本実施形態では画像生成用データ生成部620は、タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを移動体が通過する際に移動体の画像の視差が無くなるように、移動体が表示された立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成する。
【0100】
ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像をTM1〜TMnの各端末装置において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、各端末装置が画像を生成するために使用する各種データ(オブジェクトデータ、制御結果データ、判定結果データ又は表示画面の設定データ等)であってもよい。例えばサーバシステム500が、各端末装置の操作部からの操作情報を取得し、各種の制御処理や各種の判定処理を行い、画像を生成して、TM1〜TMnの各端末装置に配信(ストリーム配信等)する場合には、上述の画像生成用データは画像データそのものになる。一方、サーバシステム500が、各端末装置の操作部からの操作情報を取得し、各種の制御処理や各種の判定処理を行い、その制御結果や判定結果に基づいてTM1〜TMnの各端末装置が画像を生成する場合には、上述の画像生成用データは、制御結果データや判定結果データやオブジェクトデータなどになる。音生成用データ生成部630が生成する音生成用データについても同様である。
【0101】
なおゲーム演算部602、オブジェクト空間設定部604、移動体制御部606、仮想カメラ制御部608、判定部610、画像生成用データ生成部620、記憶部670、情報記憶媒体680、通信部696等の詳細な機能、動作は図1で上述に説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0102】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について具体的に説明する。
【0103】
2.1 判定基準エリアを用いたタイミング判定処理
まず、本実施形態の手法について説明する前に、立体視におけるビューボリュームの設定について説明する。図2に示すように、立体視用画像を生成するためには、所与のカメラ間距離だけ離れた位置に設定される左眼用仮想カメラVCLと右眼用仮想カメラVCRを用いる。
【0104】
そして左眼用仮想カメラVCLに対応して左眼用ビューボリュームVVL(左眼用視錐台)が設定され、右眼用仮想カメラVCRに対応して右眼用ビューボリュームVVR(右眼用視錐台)が設定される。具体的には左眼用、右眼用仮想カメラVCL、VCRの位置や方向に基づいて、左眼用、右眼用ビューボリュームVVL、VVRの位置や方向が設定される。
【0105】
この場合に左眼用仮想カメラVCLから見える画像である左眼用画像は、左眼用ビューボリュームVVL内に存在するオブジェクトをスクリーンSC(基準スクリーン)に透視投影して描画することで生成される。同様に右眼用仮想カメラVCRから見える画像である右眼用画像は、右眼用ビューボリュームVVR内に存在するオブジェクトをスクリーンSCに透視投影して描画することで生成される。
【0106】
この場合、スクリーンSCに透視投影されない位置にあるオブジェクトは、描画対象にはならないため、これらのオブジェクトに対して透視投影変換処理を行うと、処理の無駄となる。このため、各左眼用、右眼用仮想カメラにおいてスクリーンSCに透視投影されない位置にあるオブジェクトがビューボリューム内に入らないように、図2に示すように左眼用、右眼用ビューボリュームVVL、VVRが設定される。なお図2において、CNL、CFLは、各々、左眼用ビューボリュームVVLの前方クリッピング面、後方クリッピング面であり、CNR、CFRは、各々、右眼用ビューボリュームVVRの前方クリッピング面、後方クリッピング面である。
【0107】
以上のように左眼用画像、右眼用画像を生成して立体視を実現する手法では、左眼用画像と右眼用画像の視差により奥行き感を認識させている。
【0108】
例えば図2において、スクリーンSC上の点Aに位置するオブジェクトについての、左眼用画像での描画位置ALと、右眼用画像での描画位置ARは同じ位置になる。
【0109】
これに対して、点Bに位置するオブジェクトは、左眼用画像では点BLの位置に描画され、右眼用画像では点BRの位置に描画される。そして、このように左眼用画像、右眼用画像の描画位置にズレを持たせることで、点Bに位置するオブジェクトが、画面からユーザの方に飛び出して見える立体視表現を実現できる。
【0110】
さて、このような立体視システムにおいて野球ゲームや音楽ゲームなどのタイミング判定処理を行った場合に、何ら工夫を施さないと、プレーヤのタイミングの取り方が難しくなるおそれがあることが判明した。
【0111】
そこで本実施形態では、野球ゲームにおけるボールや音楽ゲームにおける指示マーカ(音符)などの移動体を用いてタイミング判定を行う場合に、タイミング判定の判定基準エリアにおいて移動体の画像の視差が無くなるように立体視用画像を生成する手法を採用している。このようにすることで、判定基準エリアを境にして移動体が飛び出たり引っ込む立体視用画像が生成され、この移動体を用いた判定処理が行われるようになる。従って、例えば判定基準エリアがベストな位置になるようなタイミング判定を実現することができ、立体視システムにおける適切なタイミング判定処理を実現できる。
【0112】
例えば図3(A)では、ボールや指示マーカ等の移動体MOBが移動している。具体的には、例えば判定基準エリアARBに近づくように、オブジェクト空間内において視点側(仮想カメラ側)から見て奥側から手前側に移動体MOBが移動する。この場合に、移動体MOBの画像は視差のある画像になっている。具体的には、例えば判定基準エリアARBよりも奥側に移動体MOBが引っ込んだように見える立体視用画像が生成される。
【0113】
図3(B)では移動体MOBが判定基準エリアARBを通過している。図3(B)では判定基準エリアARBは鉛直方向に沿った2次元の平面(四角形)になっている。後述するように野球ゲームを例にとれば、ホームベース上に判定基準エリアARBが設定される。
【0114】
そして図3(B)のように本実施形態では、タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアARBを移動体MOBが通過する際に移動体の画像の視差が無くなるように、立体視用画像が生成される。
【0115】
その後、図3(C)に示すように、判定基準エリアMOBから遠ざかるように、視点側から見て手前側に移動体MOBは移動する。この場合に、移動体MOBの画像は視差のある画像になっている。具体的には、例えば判定基準エリアARBよりも手前側に移動体MOBが飛び出しているように見える立体視用画像が生成される。
【0116】
そしてプレーヤは、図3(B)のように移動体MOBが判定基準エリアARBを通過するタイミングと、入力タイミングとが一致するように、ゲームの操作入力を行う。野球ゲームを例にとれば、ホームベース上に設定された判定基準エリアARBをボールが通過する際にバットがボールをヒットするような入力タイミングで、ゲームの操作入力を行う。そしてプレーヤの入力タイミングと移動体MOBの判定基準エリアARBの通過タイミングとに基づいて、タイミング判定処理が行われる。この際、移動体MOBは、判定基準エリアARBの通過タイミングにおいて視差の無い画像になる。
【0117】
このようにすれば、プレーヤは、移動体MOBが視差の無い状態で判定基準エリアARBを通過するタイミングに合わせて、操作入力を行うことが可能になる。従って、操作入力のジャストのタイミングが、視差の無い移動体MOBの画像が表示された状態になるため、プレーヤの操作入力を容易化できる。即ち、判定基準エリアARBの場所は、立体視において移動体が飛び出して見えるか引っ込んで見えるかの境目の境界になる。従って、この判定基準エリアARBの位置を、タイミング判定のジャストの位置に設定することで、プレーヤの操作入力が容易化される。野球ゲームを例にとれば、ボールが判定基準エリアARBを通過する際には、視差の無い画像になり、プレーヤは、この視差の無い画像のボールをヒットするようにバッティング操作を行う。従って、プレーヤにとってタイミングのとりやすい野球ゲームを実現できる。なお、入力タイミングは、プレーヤが操作部160を実際に操作するタイミングには限定されず、プレーヤが操作部160を操作することで、タイミング判定処理においてプレーヤの入力タイミングであると見なされるタイミングであってもよい。野球ゲームを例にとれば、プレーヤが操作部160を操作することにより、キャラクタがバットを振る動作を行った場合に、そのバットが判定基準エリアARBを通過するタイミングを、プレーヤの入力タイミングとすることができる。
【0118】
図4(A)、図4(B)は、立体視における画像の視差について説明する図である。図4(A)に示すように視差のある画像では、左眼用画像でのオブジェクトMOBLの描画位置と、右眼用画像でのオブジェクトMOBRの描画位置がずれている。例えば図2の点Bの位置にあるオブジェクトは、左眼用画像ではスクリーンSCの点BLの位置に描画され、右眼用画像ではスクリーンSC上の点BRの位置に描画されるからである。
【0119】
一方、図4(B)に示すように視差の無い画像では、左眼用画像でのオブジェクトMOBLの描画位置と、右眼用画像でのオブジェクトMOBRの描画位置は一致している。例えば図2の点Aの位置にあるオブジェクトは、左眼用画像でも右眼用画像でもスクリーンSC上の点Aの位置に描画されるからである。
【0120】
次に本実施形態のタイミング判定処理の詳細について説明する。本実施形態では、タイミング判定処理として、プレーヤの入力タイミングと、判定基準エリアの移動体の通過タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行っている。
【0121】
例えば図5(A)では、プレーヤの入力タイミングと、判定基準エリアの移動体の通過タイミングは一致している。例えば図3(B)において、判定基準エリアARBを移動体MOBが通過するタイミングで、プレーヤが操作入力を行っており、通過タイミングと入力タイミングとが一致したと判定されている。そして、このタイミングでは、移動体MOBの画像は視差が無い画像になっている。
【0122】
そして本実施形態では、この入力タイミングと通過タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理が行われ、評価処理の結果に基づいて、プレーヤのゲーム成績の演算処理、移動体の表示制御処理 或いはゲーム演出処理などのゲーム演算処理が行われる。
【0123】
例えば図5(A)では、プレーヤの入力タイミングと移動体の通過タイミングが一致したと評価されているため、プレーヤのゲーム成績(得点、ポイント)は高いゲーム成績となる。また、野球ゲームを例にとれば、移動体であるボールの移動方向が、真っ直ぐな方向であるセンター方向に設定される。また、プレーヤの入力操作の成功を表すようなゲーム演出処理が行われる。
【0124】
一方、図5(B)、図5(C)では、プレーヤの入力タイミングと移動体の通過タイミングは一致しておらず、図5(B)では入力タイミングの方が通過タイミングよりも早くなっており、図5(C)では入力タイミングの方が通過タイミングよりも遅くなっている。この場合にも入力タイミングが、通過タイミングを基準(中心)に設定された許容期間TR内に収まっている。従って、プレーヤの入力操作は成功であると判断されて、プレーヤの入力操作に対する評価処理が行われる。そしてこの評価処理は、入力タイミングと通過タイミングのタイミング差や前後関係などのタイミング関係に基づいて行われる。
【0125】
例えば入力タイミングと通過タイミングのタイミング差(時間差)が短くなるほど、プレーヤの入力操作に対する評価は高くなり、プレーヤに与えられるゲーム成績が高くなる。即ち図5(A)のようにタイミングが一致すると、図5(B)、図5(C)に比べてプレーヤの得点、ポイント等のゲーム成績は高くなる。またタイミング差が短くなるほど、ヒット後の移動体の速度や加速度が高くなるという移動体の表示制御を行ってもよい。或いはタイミング差が短くなるほど、ゲーム演出効果を高くするようにしてもよい。例えば図5(A)のように入力タイミングが通過タイミングに対してジャストタイミングである場合には、タイミング判定における高いゲーム演出効果の画像や音が出力される。一方、図5(B)、(C)のように入力タイミングと通過タイミングの間にずれがあると、図5(A)に比べて、ゲーム演出用表示物やゲーム演出音などで実現されるゲーム演出効果が低くなる。
【0126】
またタイミング差ではなく、入力タイミングと通過タイミングの前後関係を評価してもよい。例えば図5(B)のように入力タイミングの方が通過タイミングよりも早い場合と図5(C)のように入力タイミングの方が通過タイミングよりも遅い場合とで、プレーヤに与えるゲーム成績を異ならせたり、ヒット後の移動体の移動方向を変化させる。或いは、入力タイミングが通過タイミングよりも早い場合と遅い場合とで、ゲーム演出用表示物やゲーム演出音などで実現されるゲーム演出効果を変化させてもよい。
【0127】
また本実施形態では、プレーヤの入力タイミングと移動体の通過タイミングとのタイミング差に応じて、移動体の画像の視差が変化する立体視用画像が生成される。具体的には、例えばプレーヤの入力タイミングと移動体の通過タイミングとのタイミング差が大きくなるほど、移動体の画像の視差が大きくなる立体視用画像が生成される。例えば図5(D)に比べて図5(E)の方が、入力タイミングと通過タイミングのタイミング差は大きくなっているため、図5(D)よりも図5(E)の方が移動体の画像の視差が大きくなる。
【0128】
例えば図3(B)のように移動体MOBが判定基準エリアARBを通過するタイミングで、プレーヤが操作入力を行った場合には、移動体MOBの画像の視差はゼロになる。そして図3(C)のように、移動体MOBの判定基準エリアARBの通過タイミングから、時間的に遅れてプレーヤが操作入力を行った場合には、移動体MOBの画像の視差は大きくなる。即ち、移動体MOBの通過タイミングと入力タイミングのタイミング差が大きくなると、それにつれて移動体MOBの画像の視差が大きくなる。
【0129】
このようにすれば移動体の画像の視差が無い状態のタイミングで、プレーヤが操作入力を行った場合には、プレーヤの操作に対して与えられる評価等が高くなり、移動体の画像の視差が大きくなった状態のタイミングで、プレーヤが操作入力を行った場合には、プレーヤの操作に対して与えられる評価等が低くなる。従って、移動体の画像の視差と、プレーヤの操作に対して与えられる評価の大小が連動するようになり、プレーヤにとって分かりやすく、立体視システムに好適な入力タイミングの評価処理を実現できるようになる。
【0130】
2.2 野球ゲームへの適用例
次に各種ゲームへの本実施形態の手法の適用例について説明する。まず、本実施形態が適用される携帯型ゲーム装置の構成例について、図6(A)、図6(B)を用いて説明する。
【0131】
この携帯型ゲーム装置は、メイン表示部190Mとサブ表示部190Sを有する。サブ表示部190Sは、例えばタッチパネル方式の液晶ディスプレイにより実現され、ゲーム装置の筐体10に設けられる。メイン表示部190Mは、サブ表示部190Sよりも例えば画素数が多いディスプレイとなっており、例えば液晶ディスプレイなどにより実現される。なお、メイン表示部190Mは、例えば裸眼の立体視画像を表示できるディスプレイになっており、ゲーム画像が立体視で表示される。
【0132】
携帯型ゲーム装置の筐体10と筐体20は回動自在に設けられており、筐体10には、方向指示キー12、アナログスティック(ジョイスティック)14、操作ボタン16が設けられている。また図6(B)に示すように、筐体20の背面側(メイン表示部190Mの反対側)には第1、第2のカメラCM1、CM2が設けられている。これらの第1、第2のカメラCM1、CM2を用いて被写体を撮影することで、視差のある左眼用画像と右眼用画像を得ることが可能になり、立体視表示が可能になる。
【0133】
更に携帯型ゲーム装置には図示しないモーションセンサ(6軸センサ)が内蔵されている。そして、プレーヤが携帯型ゲーム装置を手に持って動かした場合に、このモーションセンサを用いることで、図6(A)のX軸、Y軸、Z軸方向での加速度や、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りでの角速度を検出できる。
【0134】
図7〜図11は本実施形態の手法を野球ゲームに適用した場合に生成される画像の例である。図7、図8では、メイン表示部190Mには、投手キャラクタCHPが打者キャラクタCHBに対してボールBL(広義には移動体)を投げる場面の画像が表示されている。またメイン表示部190Mには、判定基準エリアARBも表示されており、サブ表示部190Sには、判定基準エリアARBに対応する操作入力エリアARIが表示されている。プレーヤは、この操作入力エリアARIのうち、ボールBLが飛んで来ると予想したコースの位置を、タッチペン30(広義にはポインティングデバイス)でタッチすることで、ボールBLを打つバッティング操作を行う。
【0135】
判定基準エリアARBは例えばホームベース上に設定されており、タッチペン30によりポインティングされる操作入力エリアARIの各ポインティング位置は、判定基準エリアARBの各位置に対応している。例えば操作入力エリアARIの右上位置をタッチすると、判定基準エリアARBの右上位置が指示され、操作入力エリアARIの左下位置をタッチすると、判定基準エリアARBの左下位置が指示される。
【0136】
そして図8のようにボールBLが判定基準エリアARBを通過する際に、ボールBLの画像は視差がゼロの画像になっている。このため、プレーヤの眼には、判定基準エリアARBを境として、ボールBLが、スクリーンの奥側に引っ込んでいる状態からスクリーンの手前側に飛び出して来るように見える。従って、プレーヤは、ボールBLの画像の視差の無い状態がジャストタイミングであることを認識することができ、ボールBLを打つタイミングを容易に把握することが可能になる。これにより、プレーヤの操作インターフェース環境を向上できる。
【0137】
なお図7、図8では判定基準エリアARBと操作入力エリアARIはほぼ同じサイズになっているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば操作入力エリアARIのサイズを変化させることで、プレーヤの操作入力の難易度の設定を行ってもよい。例えば操作入力エリアARIのサイズを判定基準エリアARBよりも小さくすることで、プレーヤの操作入力の難易度が高難易度に設定されるようにする。
【0138】
図9ではプレーヤは、ボールBLのコースが内角高めであると予想して、A1に示すように、タッチペン30(或いは指)を用いて、サブ表示部190Sの操作入力エリアARIの右上の位置をタッチしている。また図9では、メイン表示部190MにはボールBLの通過後の画像が表示されており、プレーヤの指示位置表示用オブジェクトDOBと、ボール位置表示用オブジェクトPOBが表示されている。
【0139】
指示位置表示用オブジェクトDOBは、プレーヤのヒット指示位置を知らせるためのオブジェクトであり、判定基準エリアARBの位置に表示される。即ち指示位置表示用オブジェクトDOBは、判定基準エリアARBと同じ奥行き位置(同じZ値)に配置されて表示される。そして図9ではプレーヤは、タッチペン30により、サブ表示部190Sの操作入力エリアARIの右上の位置をタッチしている。従って、メイン表示部190Mでは、判定基準エリアARBの右上の位置に指示位置表示用オブジェクトDOBが配置されて表示される。これによりプレーヤは、ボールBLの通過時に自分がどのコースをタッチしたのかを、指示位置表示用オブジェクトDOBを見ることで、事後的に確認できるようになる。
【0140】
またボール位置表示用オブジェクトPOB(広義には移動体位置表示用オブジェクト)は、プレーヤがヒット指示位置を指示した入力タイミングでのボールBLの位置をプレーヤに知らせるためのオブジェクトである。例えばボール位置表示用オブジェクトPOBは、プレーヤの入力タイミングでのボールBLの位置に配置されて表示される。
【0141】
そして図9では、プレーヤがタッチペン30でヒット指示位置を指示した入力タイミングにおいて、ボールBLのコースは真ん中であり、判定基準エリアARBの真ん中付近をボールBLが通過している。従って、ボール位置表示用オブジェクトPOBは真ん中付近に配置されて表示される。これによりプレーヤは、自分が操作入力を行いバットを振ったタイミングでのボールBLの位置を、事後的に確認することが可能になる。
【0142】
そしてプレーヤは、指示位置表示用オブジェクトDOBとボール位置表示用オブジェクトPOBの位置関係を見ることで、入力タイミングでのヒット位置とボール位置のズレを確認できる。例えば図9では、指示位置表示用オブジェクトDOBとボール位置表示用オブジェクトPOBの位置のずれは比較的大きい。これに対して図10では、タッチペン30によりA2に示す位置がタッチされており、指示位置表示用オブジェクトDOBは判定基準エリアARBの真ん中付近に表示され、指示位置表示用オブジェクトDOBとボール位置表示用オブジェクトPOBの位置のずれは小さい。従って、プレーヤは、図10では図9に比べて、自身の指示位置がボールBLのコースと合っていたことを事後的に確認することが可能になる。これにより、野球ゲームに好適なインターフェース環境をプレーヤに提供できる。
【0143】
また図9、図10では、判定基準エリアARBを含むヒット判定ボリュームHVが設定されている。そしてプレーヤがタッチペン30で操作入力エリアARIをタッチした入力タイミングにおいて、ヒット判定ボリュームHV内にボールBLが位置していた場合には、バッティングに成功してバットにボールが当たったと判定される。そして入力タイミングにおけるボールBLの位置や、操作入力エリアARIでのタッチ位置とボールBLの通過位置との関係に基づいて、ボールBLのヒット強さやヒット方向などが設定される。
【0144】
そして例えば野球のバッティング練習のゲームである場合には、図11に示すようにプレーヤのバッティング成績が表示される。例えばプレーヤの指示位置とボールBLの通過位置が図10のようにほぼ一致していた場合には、ホームラン等であると判定される。一方、プレーヤの指示位置とボールBLの通過位置が図9のようにあまり一致していない場合には、シングルベース等であると判定される。このようにして、プレーヤの指示位置とボールBLの通過位置の関係等に基づいてプレーヤのバッティング成績が演算されて、図11に示すようにメイン表示部190Mに表示されるようになる。
【0145】
2.3 ヒット判定処理
次に図7〜図11で説明した野球ゲームのタイミング判定処理の詳細について説明する。本実施形態では、タイミング判定処理として、判定基準エリアARBが設定される領域において、ヒット対象物であるボールBL等の移動体が、バット等のヒット体によってヒットされるヒット判定処理を行っている。
【0146】
具体的には図12に示すように、判定基準エリアARBを含むヒット判定ボリュームHVが設定される。即ち判定基準エリアARBを基準としてヒット判定ボリュームHVが設定される。図12では判定基準エリアARBが真ん中の位置に設けられた、直方体形状のヒット判定ボリュームHVが設定されている。
【0147】
そして、プレーヤの入力タイミング(タッチペンのタッチタイミング)において、図12に示すようにヒット判定ボリュームHV内にボールBLが位置していた場合には、ヒット体であるバットによって移動体であるボールBLがヒットされたと判定する。そしてヒット強さやヒット方向などのヒット結果パラメータにより設定される強さやヒット方向で、ボールBLがバットにより打ち返されて移動する処理を行う。
【0148】
このようにすれば、判定基準エリアARBを中心としたヒット判定ボリュームHVを設定して、ボールBLがヒットされたか否かを適切に判定できるようになる。
【0149】
更に具体的には本実施形態では図13(A)、図13(B)に示すように第1のヒット判定ボリュームHV1と第2のヒット判定ボリュームHV2を設定する。第1のヒット判定ボリュームHV1は、判定基準エリアARBよりも視点側から見て手前側に配置設定され、第2のヒット判定ボリュームHV2は、判定基準エリアARBよりも視点側から見て奥側に配置設定される。
【0150】
そして図13(A)に示すように、プレーヤの入力タイミング(タッチタイミング)において、ボールBLが第1のヒット判定ボリュームHV1内に位置していた場合には、ボールBLのヒット方向を、第1の方向DR1側に設定する。これにより例えば図9、図10のように打者キャラクタCHBが左打ちである場合には、振り遅れであると判断されて、ボールBLのヒット方向は左方向側(広義には第1の方向DR1側)に設定される。即ちボールBLが左方向側に打ち返される。なお打者キャラクタCHBが右打ちである場合には、ボールBLは右方向側に打ち返される。
【0151】
一方、図13(B)に示すように、プレーヤの入力タイミングにおいて、ボールBLが第2のヒット判定ボリュームHV2内に位置していた場合には、ボールBLのヒット方向を、第1の方向DR1とは異なる第2の方向DR2側に設定する。これにより打者キャラクタCHBが左打ちである場合には、早振りであると判断されて、ボールBLのヒット方向は右方向側(広義には第2の方向DR2側)に設定される。即ちボールBLが右方向側に打ち返される。なお打者キャラクタCHBが右打ちである場合には、ボールBLは左方向側に打ち返される。
【0152】
このようにすれば、判定基準エリアARBを中心に第1、第2のヒット判定ボリュームHV1、HV2を設定するだけで、振り遅れや早振りを判断することが可能になり、よりリアルなヒット判定処理を実現できる。
【0153】
また本実施形態では判定基準エリアARBでのボールBLの通過位置と、判定基準エリアARBでのプレーヤのヒット指示位置との位置関係に応じて、ヒット体によるヒット後のボールBLの移動状態等を決定している。
【0154】
例えば図14(A)では、判定基準エリアARBでのボールBLの通過位置PPと、判定基準エリアARBでのプレーヤのヒット指示位置PDとは、近い位置関係になっている。従って、この場合にはヒット結果パラメータであるヒット強さパラメータが大きな値に設定されて、例えばホームラン等であると判定される。
【0155】
一方、図14(B)では、ボールBLの通過位置PPとプレーヤのヒット指示位置PDとは、図14(A)に比べて遠い位置関係になっている。従って、この場合にはヒット結果パラメータであるヒット強さパラメータが小さな値に設定されて、例えばツーベースヒット等であると判定される。
【0156】
このようにボールBLの通過位置PPとプレーヤのヒット指示位置PDの位置関係に応じて、ヒット強さパラメータ等のヒット結果パラメータを設定して、ヒット後のボール等の移動体の移動を制御すれば、よりリアルで適切な移動体のヒット処理を実現できるようになる。
【0157】
なお図14(A)、図14(B)では、プレーヤの指示位置表示用オブジェクトDOBの同心円において、最も半径の小さな第1の円(半径=r1)の内側にボールBLの通過位置PPがある場合には、ホームランであると判定される。また第1の円の外側であり、且つ、第2の円(半径=r2>r1)の内側に通過位置PPがある場合には、スリーベースヒットであると判定される。また第2の円の外側であり、且つ、第3の円(半径=r3>r2)の内側に通過位置PPがある場合には、ツーベースヒットであると判定される。またヒットタイミングにおいてボールBLがヒット判定ボリュームHV内に位置するときに、指示位置表示用オブジェクトDOBの外側に通過位置PPがある場合には、シングルヒットであると判定される。
【0158】
図15(A)、図15(B)は、指示位置表示用オブジェクトDOBとボール位置表示用オブジェクトPOBの配置手法を説明する図である。
【0159】
図15(A)、図15(B)に示すように本実施形態では、プレーヤのヒット指示位置を知らせるための指示位置表示用オブジェクトDOBは、判定基準エリアARBの位置に配置されて表示される。またプレーヤの入力タイミングでのボールBLの位置を知らせるためのボール位置表示用オブジェクトPOBがヒット判定ボリュームエリアHV内に配置されて表示される。
【0160】
具体的には図15(A)に示すように、ボールBLの判定基準エリアARBの通過タイミングよりも入力タイミングの方が遅い場合には、判定基準エリアARBよりも手前側にボール位置表示用オブジェクトPOBが配置されて表示される。
【0161】
一方、図15(B)に示すように、ボールBLの判定基準エリアARBの通過タイミングよりも入力タイミングの方が早い場合には、判定基準エリアARBよりも奧側にボール位置表示用オブジェクトPOBが配置されて表示される。
【0162】
このようにすれば、通過タイミングよりも入力タイミングが遅い場合には、図15(A)に示すように判定基準エリアARBよりも手前側にボール位置表示用オブジェクトPOBが表示されることで、プレーヤは、自身のバッティングが振り遅れであったことを容易に認識できる。この場合にボール位置表示用オブジェクトPOBは、立体視において判定基準エリアARBよりも手前側に飛び出して見えるため、プレーヤは、判定基準エリアARBの手前側にボール位置表示用オブジェクトPOBが位置することを容易に把握できるようになる。
【0163】
また、通過タイミングよりも入力タイミングが早い場合には、図15(B)に示すように判定基準エリアARBよりも奥側にボール位置表示用オブジェクトPOBが表示されることで、プレーヤは、自身のバッティングが早振りであったことを容易に認識できる。この場合にボール位置表示用オブジェクトPOBは、立体視において判定基準エリアARBよりも奥側に引っ込んで見えるため、プレーヤは、判定基準エリアARBの奧側にボール位置表示用オブジェクトPOBが位置することを容易に把握できるようになる。
【0164】
なお、以上では判定基準エリアARBの位置や方向や形状が固定される場合について説明したが、判定基準エリアARBの位置、方向及び形状の少なくとも1つが可変になるようにしてもよい。
【0165】
例えば図16はテニスゲームへの本実施形態の手法の適用例であり、プレーヤはキャラクタCHを操作してテニスゲームを楽しむ。この場合に表示部190には、例えばプレーヤの一人称視点でのゲーム画像が表示される。
【0166】
そして図16では、プレーヤが操作するキャラクタCHの位置、方向又はステータス等の情報に基づいて、判定基準エリアARBの位置、方向及び形状の少なくとも1つが可変に設定される。例えばキャラクタCHが移動すると、その移動に追従するように判定基準エリアARBも移動する。具体的には、キャラクタCHが移動した場合にも、キャラクタCHの打点位置に対応する場所に判定基準エリアARBが常に配置される。またキャラクタCHの向く方向が変化すると、その方向の変化に追従するように判定基準エリアARBの方向も変化する。具体的には、例えばボールの打球方向に判定基準エリアARBの面がほぼ直交するように、判定基準エリアARBの方向が設定される。
【0167】
そして、ボールの画像の視差は判定基準エリアARBにおいてゼロになる。こうすることでキャラクタCHが移動した場合にも、画像の視差がゼロになる場所がボールの打点位置になるため、プレーヤにとって分かりやすいゲーム操作を実現できる。
【0168】
或いは、キャラクタCHのステータス情報(体力、能力等のパラメータ)に基づいて、判定基準エリアARBの形状を変化させてもよい。例えばキャラクタCHの体力や能力が高い場合には、判定基準エリアARBのサイズが大きくなり、体力や能力が低い場合には、判定基準エリアARBのサイズが小さくなる。或いはキャラクタCHのタイプ等に応じて、判定基準エリアARBの図形的な形状を変化させてもよい。例えば第1のタイプのキャラクタCHについては、判定基準エリアARBの形状を第1の形状に設定し、第2のタイプのキャラクタCHについては、判定基準エリアARBの形状を第2の形状に設定する。
【0169】
このようにすれば、キャラクタCHのステータスやタイプに応じて判定基準エリアARBのサイズや図形的な形状が変化するようになるため、より多様なタイミング判定処理を実現できるようになる。
【0170】
2.4 音楽ゲームへの適用例
次に音楽ゲームへの本実施形態の手法の適用例について説明する。図17、図18は本実施形態の手法を音楽ゲームに適用した場合に生成される画像の例である。なお、以下では音楽ゲームとして太鼓の演奏ゲームを例にとり説明するが、本実施形態の手法を適用できる音楽ゲームの分野はこれに限定されない。
【0171】
図17、図18では、メイン表示部190Mには、指示マーカMK1〜MK5、判定基準エリアARB、太鼓のキャラクタCHT、評価表示用オブジェクトSOB、ゲージGOBが表示されている。サブ表示部190Sには、プレーヤが叩く太鼓TOBの画像が表示されている。
【0172】
指示マーカMK1〜MK5(広義には移動体)は、例えば視点側(仮想カメラ側)から見て奥側から手前側に移動して、判定基準エリアARBを通過する。プレーヤは、MK1〜MK5の各指示マーカが判定基準エリアARBを通過するタイミングで、サブ表示部190Sの画面を、タッチペン30(ポインティングデバイス)でタッチする。
【0173】
具体的には、「ドン」の操作を指示する指示マーカMK1が判定基準エリアARBを通過するタイミングでは、図17のB1に示すように、サブ表示部190Sの画面のうち、太鼓TOBの画像の部分をタッチペン30でタッチする。これにより、太鼓の真ん中部分を叩いて「ドン」という音を出す太鼓の演奏を、プレーヤに疑似体験させることができる。
【0174】
一方、「カツ」と表示される指示マーカMK2が判定基準エリアARBを通過するタイミングでは、図18のB2に示すように、サブ表示部190Sの画面のうち、太鼓TOBの画像以外の部分をタッチペン30でタッチする。これにより、太鼓の枠の部分を叩いて「カツ」という音を出す太鼓の演奏を、プレーヤに疑似体験させることができる。そして、プレーヤの太鼓を叩く操作が成功する毎に、ゲージGOBで表されるプレーヤの獲得ポイントが高くなって行く。
【0175】
図19(A)〜図19(C)に示すように、例えばMK1〜MK3の各指示マーカが判定基準エリアARBを通過する際には、各指示マーカの画像は視差が無い画像になっている。
【0176】
例えば図19(A)では、指示マーカMK1〜MK3のいずれもが、判定基準エリアARBの奥側に位置するため、MK1〜MK3は視差のある画像になっている。
【0177】
一方、図19(B)では、指示マーカMK1が判定基準エリアARBを通過しており、MK1の画像は視差が無い画像になっている。この時、指示マーカMK2、MK3は、判定基準エリアARBの奥側に位置するため、視差のある画像になっている。
【0178】
また図19(C)では、指示マーカMK2が判定基準エリアARBを通過しており、MK2の画像は視差が無い画像になっている。この時、指示マーカMK1は判定基準エリアARBの手前側に位置し、指示マーカMK3はARBの奥側に位置するため、MK1、MK3は視差のある画像になっている。具体的には指示マーカMK1は立体視において判定基準エリアARBから飛び出して見える画像になり、指示マーカMK3は判定基準エリアARBから引っ込んで見える画像になる。
【0179】
以上のようにすることで、プレーヤの眼には、判定基準エリアARBを境として、各指示マーカが、スクリーンの奥側に引っ込んでいる状態からスクリーンの手前側に飛び出して来るように見える。従って、プレーヤは、指示マーカの画像の視差の無い状態がジャストタイミングであることを認識することができ、指示マーカにより指示される操作(「ドン」、「カツ」の操作)を行うタイミングを容易に把握することが可能になる。これにより、プレーヤの操作インターフェース環境を向上できる。
【0180】
なお図17、図18では判定基準エリアARBは2次元の四角形状になっているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば判定基準エリアARBは四角形状以外の形状であってもよいし、立体形状であってもよい。
【0181】
次に図17〜図19(C)の音楽ゲームへの適用例におけるタイミング判定処理の詳細について説明する。
【0182】
図20(A)ではプレーヤの入力タイミングと、指示マーカMKの判定基準エリアARBの通過タイミングとが一致している。例えば図17において「ドン」の操作を指示する指示マーカMK(MK1)が判定基準エリアARBを通過するタイミングと同じタイミングで、プレーヤが、タッチペン30でサブ表示部190Sの太鼓TOBの画像をタッチしている。そして、このタイミングでは、指示マーカMKの画像は視差が無い画像になっている。
【0183】
このようにプレーヤの入力タイミングと指示マーカの通過タイミングが一致していると判断されると、プレーヤの入力操作に対して非常に高い評価が与えられ、入力操作の評価が「良」であることを知らせる評価表示用オブジェクトSOBが表示される。
【0184】
例えば図20(B)、図20(C)ではプレーヤの入力タイミングと、指示マーカMKの判定基準エリアARBの通過タイミングは一致しておらず、図20(B)では入力タイミングの方が通過タイミングよりも早くなっており、図20(C)では入力タイミングの方が通過タイミングよりも遅くなっている。この場合にも入力タイミングは、通過タイミングを基準(中心)に設定された許容期間TR内に収まっている。従って、プレーヤの入力操作はある程度成功していると判断されて、入力操作の評価が「可」であることを知らせる評価表示用オブジェクトSOBが表示される。
【0185】
以上のようにすることで、音楽ゲームにおいて、入力タイミングと指示マーカの通過タイミングのタイミング関係に応じた適正な評価を、プレーヤに対して与えることが可能になる。そして本実施形態では図20(A)のように指示マーカMKが判定基準エリアARBを通過するタイミングでプレーヤが操作入力を行った場合に、プレーヤに対して高い評価が与えられ、この時の指示マーカMKの画像は視差の無い画像になる。従って、プレーヤは、指示マーカMKの画像の視差が無くなるタイミングを判断して、操作入力を行えばよくなるため、プレーヤが直感的に把握しやすい操作インターフェース環境を提供できるようになる。
【0186】
2.5 変形例
次に本実施形態の種々の変形例について説明する。
【0187】
例えば本実施形態では、判定基準エリアを移動体が通過する際に指示マーカ等の移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0188】
例えば図21(A)では、指示マーカMKが判定基準エリアARBに向かって移動している。そして図21(B)のように、判定基準エリアARBの通過タイミングにおいて、指示マーカMKの色、形状又はサイズ等が変化している。即ち、図21(B)では、指示マーカMKの色、形状又はサイズ等が、図21(A)とは異なった色、形状又はサイズになっている。
【0189】
このようにすれば、例えばタイミング判定処理のジャストタイミングである指示マーカMKの通過タイミングにおいて、指示マーカMKの色、形状又はサイズ等が変化することで、指示マーカMKの視認性が高まる。これにより、プレーヤは、図21(B)のタイミングが指示マーカMKの通過タイミングであることを、指示マーカMKの視差の状態(視差の無い状態、所定視差の状態)のみならず、色、形状又はサイズの変化によっても、把握できるようになる。従って、プレーヤにとってタイミングを把握しやすいタイミング判定処理を実現できる。
【0190】
なお、指示マーカMK(移動体)の画像の変化は、その通過タイミングの視認性を高めることができるものであれば、色、形状、サイズの変化以外の表示態様の変化であってもよい。
【0191】
また本実施形態では、ヒット判定ボリューム内に移動体が位置する場合に、移動体の色、形状及び大きさの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成してもよい。
【0192】
例えば図22(A)ではヒット判定ボリュームHVの外側に、移動体であるボールBLが位置している。この場合にはボールBLの色、形状又はサイズ等は変化しない。
【0193】
一方、図22(B)ではヒット判定ボリュームHV内にボールBLが位置している。このようにボールBLがヒット判定ボリュームHV内に位置する場合には、図12〜図13(B)等で説明したヒット判定処理が行われる。そして、このようにボールBLがヒット判定ボリュームHV内に位置する場合には、ボールBLの色、形状又はサイズが変化する。これにより、プレーヤは、ボールBLがヒット判定ボリュームHV内に位置して、ヒット判定期間に入ったことを、ボールBLの色、形状、サイズ等の変化を見ることで、容易に確認できるようになる。
【0194】
なお、ボールBL(移動体)の画像の変化は、そのヒットボリュームHVに位置する際の視認性を高めることができるものであれば、色、形状、サイズの変化以外の表示態様の変化であってもよい。
【0195】
またボールBLがヒット判定ボリュームHV内に入った後、判定基準エリアARBに近づくにつれて、ボールBLの色、形状又はサイズの変化量を増やすようにしてもよい。そして例えばボールBLが判定基準エリアARBを通過するタイミングで、色、形状又はサイズの変化量が最大値になるように制御する。
【0196】
このようにすることで、プレーヤは、ボールBLの色、形状又はサイズが変化するタイミングを、ボールBLがヒット判定ボリュームHV内に入ったタイミングであると認識できる共に、その変化量が最大値になったタイミングを、判定基準エリアARBの通過タイミングであると認識できるようになる。従って、プレーヤにとって把握しやすいヒット判定処理のインターフェース環境を実現できる。
【0197】
また本実施形態では、移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成してもよい。即ち立体音響の音出力が、立体視の位置に合うような音を生成する。
【0198】
例えば図23では、図6(A)の携帯型ゲーム装置の筺体20のメイン表示部190M側に、音出力部SP1、SP2(スピーカ)が設けられている。またメイン表示部190M(広義には表示部)の表示画面側空間には、指示マーカMK(移動体)に対応する仮想指示マーカMKV(広義には仮想移動体)が立体視表示されている。この仮想指示マーカMKVは、表示画面側空間に実在するものではなく、指示マーカMKの立体視用画像(左眼用画像、右眼用画像)に基づいて、プレーヤが、その位置に存在するかのように認識する仮想表示物である。
【0199】
そして、音出力部SP1、SP2からは、仮想指示マーカMKVの表示位置(仮想表示位置)に連動するような音像定位の音(ステレオ音)が出力される。例えば指示マーカMKの視差が、メイン表示部190Mの画面の手前側になるような視差であり、仮想指示マーカMKVが画面の手前側に仮想表示される場合には、音出力部SP1、SP2からの音により形成される音像定位も、画面の手前側の位置に設定される。
【0200】
一方、指示マーカMKの視差が画面の奧側になるような視差であり、仮想指示マーカMKVが画面の奧側に仮想表示される場合には、音出力部SP1、SP2からの音により形成される音像定位も、画面の奥側の位置に設定される。
【0201】
このようにすれば、例えば指示マーカ(仮想指示マーカ)が画面から手前側に飛び出して見えるような状況においては、音像の定位も画面から手前側に飛び出してくるように聞こえる定位になる。一方、指示マーカが画面から奥側に引っ込んで見えるような状況においては、音像の定位も画面から奥側に引っ込んでいるように聞こえる定位になる。これにより、立体視の効果を、より強調することが可能になり、ゲーム演出効果等を向上できる。
【0202】
なお、音の音像定位の設定手法としては、公知の種々の手法を採用できる。例えば音量差、時間差、周波数特性の変化、位相の変化、或いは残響の変化などによって、音像定位等の立体音響の制御が可能である。音量差を用いる場合には、例えば距離による音量の減衰や両耳間強度差により、音の音像定位を制御する。時間差を用いる場合には、音波が到達する時間差により、音の音像定位を制御すればよい。周波数特性の変化を用いる場合には、音波の伝達や遮断による周波数特性の変化により、音の音像定位を制御すればよい。位相の変化を用いる場合には、音波の伝達や遮断による位相の変化により、音の音像定位を制御すればよい。残響の変化を用いる場合には、残響特性により周辺環境の音場を再現することで、音の音像定位を制御すればよい。
【0203】
2.6 詳細な処理例
次に本実施形態の詳細な処理例について図24〜図26のフローチャートを用いて説明する。
【0204】
図24は、本実施形態の全体的な処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0205】
まず、プレーヤの入力タイミングTMIを取得する(ステップS1)。図9等を例にとれば、プレーヤがタッチペン30や指でサブ表示部190Sをタッチしたタイミングを取得する。またボール、指示マーカ等の移動体の移動処理を行う(ステップS2)。例えば視点側から見て奥側から手前側に移動体を移動させる処理を行う。
【0206】
次に、移動体が判定基準エリアを通過したか否かを判断し(ステップS3)、通過した場合には判定基準エリアの通過タイミングTMPを取得する(ステップS4)。そして、TD=|TMP−TMI|≦TR/2であるか否かを判断する(ステップS5)。即ち図5(A)〜図5(C)等で説明したように、入力タイミングTMIが許容期間TR内に収まっているか否かを判断する。そして、TD=|TMP−TMI|≦TR/2である場合には、入力タイミングTMIが許容期間TR内に収まっていると判断して、入力成功と判定し、ゲーム成績演算処理、移動体の表示制御処理、ゲーム演出処理などのゲーム演算処理を実行する(ステップS6)。
【0207】
次に、判断基準エリアに対応する基準スクリーンにオブジェクトを透視投影して描画することで、左眼用仮想カメラから見える左眼用画像を生成する(ステップS7)。また、判断基準エリアに対応する基準スクリーンにオブジェクトを透視投影して描画することで、右眼用仮想カメラから見える右眼用画像を生成する(ステップS8)。これにより、立体視用画像である左目用画像、右目用画像が生成される。このように判定基準エリアに対応する位置に設定された基準スクリーンに対して移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、判定基準エリアを移動体が通過する際に移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像が生成されるようになる。
【0208】
図25、図26は、本実施形態の手法を野球ゲームに適用した場合の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0209】
まず、入力タイミング及びプレーヤの指示位置を取得する(ステップS11)。またボールの移動処理を行う(ステップS12)。例えば視点側から見て奥側である投手キャラクタの位置から手前側のホームベース付近に向かってボールを移動させる処理を行う。
【0210】
次に、入力タイミングにおいてボールがヒット判定ボリューム内に位置するか否かを判断する(ステップS13)。そして図12で説明したようにボールがヒット判定ボリューム内に位置する場合には、ボールがバットによりヒットされたと判定する(ステップS14)。次に、入力タイミングにおいてボールが手前側の第1のヒット判定ボリューム内に位置するか否かを判断する(ステップS15)。そして第1のヒット判定ボリューム内に位置する場合には、図13(A)で説明したようにボールのヒット方向を第1の方向側に設定する(ステップS16)。一方、第1のヒット判定ボリューム内に位置しない場合には、ボールが第2のヒット判定ボリュームに位置すると判定して、図13(B)で説明したようにボールのヒット方向を第2の方向側に設定する(ステップS17)。
【0211】
次に、判定基準エリアでのボールの通過位置を求める(ステップS18)。そして図14(A)、図14(B)で説明したように、判定基準エリアでのボールの通過位置とプレーヤの指示位置の位置関係に基づいて、ボールのヒット強さパラメータを設定する(ステップS19)。
【0212】
次に、判定基準エリアでのプレーヤの指示位置に指示位置表示用オブジェクトを配置する(ステップS20)。そしてボールの通過タイミングよりもプレーヤの入力タイミングの方が遅いか否かを判断し(ステップS21)、遅い場合には図15(A)で説明したように、判定基準エリアよりも手前側にボール位置表示用オブジェクトを配置する(ステップS22)。一方、通過タイミングよりもプレーヤの入力タイミングの方が早い場合には、図15(B)で説明したように、判定基準エリアよりも、奥側にボール位置表示用オブジェクトを配置する(ステップS23)。
【0213】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(第1視点画像、第2視点画像、移動体、所定視差の画像等)と共に記載された用語(左眼用画像、右眼用画像、ボール・指示マーカ、視差の無い画像等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、タイミング判定手法、ヒット判定手法、立体視用画像の生成手法、移動体の移動制御手法等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。また本発明は種々のゲームに適用できる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々の画像生成システムに適用できる。
【符号の説明】
【0214】
ARB 判定基準エリア、MOB 移動体、ARI 操作入力エリア、
CHP 投手キャラクタ、CHB 打者キャラクタ、BL ボール、
DOB 指示位置表示用オブジェクト、POB ボール位置表示用オブジェクト、
HV ヒット判定ボリューム、HV1、HV2 第1、第2のヒット判定ボリューム、
DR1 第1の方向、DR2 第2の方向、MK、MK1〜MK5 指示マーカ、
SOB 評価表示用オブジェクト、GOB ゲージ CHT 太鼓キャラクタ、
TOB 太鼓、VCL 左眼用仮想カメラ、VCR 右眼用仮想カメラ、
SC スクリーン(基準スクリーン)、VVL 左眼用ビューボリューム、
VVR 右眼用ビューボリューム、CNL、CNR、CFL、CFR クリッピング面、
CM1、CM2 カメラ、
MKV 仮想指示マーカ、PL、プレーヤ、SP1、SP2 音出力部、
10 筺体、12 方向指示キー、14 アナログスティック、16 操作ボタン、
20 筺体、30 タッチペン、190M メイン表示部、190S サブ表示部、
100 処理部、102 ゲーム演算部、104 オブジェクト空間設定部、
106 移動体制御部、108 仮想カメラ制御部、110 判定部、
120 画像生成部、122 左眼用画像生成部、124 右眼用画像生成部、
170 記憶部、172 オブジェクトデータ記憶部、
178 描画バッファ、180 情報記憶媒体、190 表示部、192 音出力部、
194 補助記憶装置、196 通信部、
500 サーバシステム、510 ネットワーク、TM1〜TMn 端末装置、
600 処理部、602 ゲーム演算部、604 オブジェクト空間設定部、
606 移動体制御部、608 仮想カメラ制御部、610 判定部、
620 画像生成用データ生成部、630 音生成用データ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の制御を行う移動体制御部と、
前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、
立体視用画像を生成する画像生成部として、
コンピュータを機能させ、
前記画像生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記判定部は、
プレーヤの入力タイミングと前記移動体の前記判定基準エリアの通過タイミングとに基づいて、前記タイミング判定処理を行い、
前記画像生成部は、
前記判定基準エリアの前記通過タイミングにおいて前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
ゲーム演算処理を行うゲーム演算部として、
コンピュータを機能させ、
前記判定部は、
前記タイミング判定処理として、前記入力タイミングと前記通過タイミングとのタイミング関係に基づく評価処理を行い、
前記ゲーム演算部は、
前記評価処理の結果に基づいて、前記ゲーム演算処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項3において、
前記ゲーム演算部は、
前記プレーヤのゲーム成績の演算処理、前記移動体の表示制御処理、及びゲーム演出処理の少なくとも1つを、前記評価処理の結果に基づく前記ゲーム演算処理として行うことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記画像生成部は、
前記入力タイミングと前記通過タイミングとのタイミング差に応じて、前記移動体の画像の視差が変化する立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記判定部は、
前記タイミング判定処理として、前記判定基準エリアが設定される領域において、ヒット対象物である前記移動体がヒット体によってヒットされるヒット判定処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記判定部は、
前記判定基準エリアを含むヒット判定ボリュームを設定し、プレーヤの入力タイミングにおいて前記ヒット判定ボリューム内に前記移動体が位置していた場合に、前記ヒット体によって前記移動体がヒットされたと判定することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7において、
前記画像生成部は、
前記ヒット判定ボリューム内に前記移動体が位置する場合に、前記移動体の色、形状及び大きさの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記判定部は、
前記判定基準エリアよりも視点側から見て手前側の第1のヒット判定ボリュームと、視点側から見て奥側の第2のヒット判定ボリュームを設定し、
前記プレーヤの入力タイミングにおいて前記移動体が前記第1のヒット判定ボリューム内に位置していた場合には、前記移動体のヒット方向を第1の方向側に設定し、
前記プレーヤの前記入力タイミングにおいて前記移動体が前記第2のヒット判定ボリューム内に位置していた場合には、前記移動体の前記ヒット方向を前記第1の方向側とは異なる第2の方向側に設定することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかにおいて、
前記判定部は、
前記判定基準エリアでの前記移動体の通過位置と、前記判定基準エリアでのプレーヤのヒット指示位置との位置関係に応じて、前記ヒット体によるヒット後の前記移動体の状態を決めるヒット結果パラメータを設定することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記プレーヤのヒット指示位置を知らせるための指示位置表示用オブジェクトが前記判定基準エリアの位置に表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項6乃至11のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記プレーヤが前記ヒット指示位置を指示した入力タイミングでの前記移動体の位置を知らせるための移動体位置表示用オブジェクトが表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12において、
前記画像生成部は、
前記移動体の前記判定基準エリアの通過タイミングよりも前記入力タイミングの方が遅い場合には、前記判定基準エリアよりも視点側から見て手前側に前記移動体位置表示用オブジェクトが表示され、前記移動体の前記判定基準エリアの通過タイミングよりも前記入力タイミングの方が早い場合には、前記判定基準エリアよりも視点側から見て奧側に前記移動体位置表示用オブジェクトが表示された立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかにおいて、
前記判定部は、
前記判定基準エリアの位置、方向及び形状の少なくとも1つを可変に設定することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項14において、
前記判定部は、
プレーヤが操作するキャラクタの情報に基づいて、前記判定基準エリアの位置、方向及び形状の少なくとも1つを可変に設定することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかにおいて、
前記移動体は球技ゲームにおけるボールであり、
前記判定部は、
前記球技ゲームに登場するキャラクタの所持物又は部位により前記ボールがヒットされる領域に、前記判定基準エリアを設定することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
請求項16において、
前記球技ゲームは野球ゲームであり、
前記判定部は、
前記野球ゲームにおけるホームベース上に前記判定基準エリアを設定することを特徴とするプログラム。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記判定基準エリアに対応する位置に設定された基準スクリーンに対して前記移動体のオブジェクトを透視投影して描画することで、前記判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の画像の視差が無くなる立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれかにおいて、
前記画像生成部は、
前記判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の色、形状及びサイズの少なくとも1つが変化する立体視用画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれかにおいて、
音を生成する音生成部として、
コンピュータを機能させ、
前記音生成部は、
前記移動体の視差に応じて、音像定位が変化する音を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項21】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至20のいずれかに記載のプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項22】
移動体の制御を行う移動体制御部と、
前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、
立体視用画像を生成する画像生成部と、
を含み、
前記画像生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成することを特徴とする画像生成システム。
【請求項23】
移動体の制御を行う移動体制御部と、
前記移動体を用いたタイミング判定処理を行う判定部と、
立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成する画像生成用データ生成部と、
を含み、
前記画像生成用データ生成部は、
前記タイミング判定処理に用いられる判定基準エリアを前記移動体が通過する際に前記移動体の画像の視差が無くなるように、前記移動体が表示された立体視用画像を生成するための画像生成用データを生成することを特徴とするサーバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−141820(P2012−141820A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294472(P2010−294472)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】