説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 野球ゲームに代表される移動体の移動制御に係るパラメータを操作入力してプレイするゲームにおいて、タッチパネルを用いてより簡単で直感的な操作入力を実現する。
【解決手段】 タッチパネル1409付きの第2液晶ディスプレイ1408に表示される投球位置マーク12にスタイラスペン1416でタッチし、タッチ位置を保持する時間の長さで球速を入力し、投球方向ガイド14R,14C,14Lの何れかの方向に沿って第1のストローク操作を入力して投球開始のタイミングと投球方向を入力する。投球後のボールのコースを変化させたい場合には、第1ストローク操作に続けて左/右に第2のストローク操作を行って投球後変化方向の入力をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームの人気ジャンルの一つに、プレーヤが自チームを選択してコンピュータ制御の敵チーム或いは他プレーヤの敵チームと対戦する野球ゲームがある。ゲーム画面は、キャッチャー越しにピッチャーマウンド方向を見た構図を有するのが一般的で、プレーヤチームが守備側であれば、ピッチャー及びキャッチャーとしてプレーヤチームの選手キャラクタが配置され、バッターボックスには敵チームの選手キャラクタが立つ。プレーヤチームが攻撃側であればその逆の関係となる。
【0003】
そして、プレーヤチームが守備側であれば、プレーヤはゲームコントローラの方向入力キーやボタンスイッチを操作して投げるボールの球種・球速・投球方向・投球開始タイミングなどの投球操作を入力してプレイする。また、プレーヤチームが攻撃側であれば同じく方向入力キーやボタンスイッチを操作して、敵のピッチャーが投げたボールが飛んでくる画像を見ながら適当なタイミングでヒッティング又はバントの打撃開始タイミング・打撃方向などを入力してプレイする。
【0004】
近年では、タッチパネルを備えたゲーム装置も市販されるようになり、タッチパネルを利用して投球操作を入力する野球ゲームや(例えば、特許文献1を参照)、打撃操作を入力する野球ゲームも知られるようになった(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献1】特許第3866752号
【特許文献2】特許第3822215号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のような従来技術によれば、タッチパネルへのストローク操作による投球操作の入力が可能であり、例えば投げられるボールの球速は予定コースに沿ってストローク操作を入力すればストローク操作の早さに応じて球速が高くなるように設定される。
ところで、1ゲームをプレイしきるには当然多数の投球をこなさなければならい。特許文献1のような従来技術のような操作入力方法では、投球操作の都度ボールの予定コースに沿ってストローク操作をすることは勿論、毎回所望する球速に応じたストロークの早さで操作入力を繰り返す必要があり、やがて操作入力が面倒になることが予想される。また、ゲーム進行がその分遅くなることも危惧されるところである。
【0006】
本発明はこうした事情を鑑みて成されたものであり、その目的とするところは野球ゲームに代表される移動体の移動制御に係るパラメータを操作入力してプレイするゲームにおいて、タッチパネルを用いてより簡単で直感的な操作入力を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する第1の発明は、コンピュータに、移動体を移動制御してゲームを実行させるとともに、タッチパネルへ為されたタッチ操作の位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、ゲーム演算部210、図13のステップS80)、
前記タッチ操作から前記ストローク操作の開始判定までに、タッチ位置の保持に要した連続時間を計時する計時手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、ゲーム演算部210、球速設定カウンタ部217、図13のステップS62〜S64)、
前記計時手段によって計時された連続時間の長さに基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、ゲーム演算部210、図13のステップS84〜S86)、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図2の投球方向ガイド14R,14C,14L、図4の判定領域16R,16C,16L、図9の処理部200、ゲーム演算部210、図13のステップS80〜S82)、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、ゲーム演算部210、図12のステップS28)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、第16の発明は、移動体を移動制御してゲームを実行するとともに、タッチパネルへ為されたタッチ操作の位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段と、
前記タッチ操作から前記ストローク操作の開始判定までに、タッチ位置の保持に要した連続時間を計時する計時手段と、
前記計時手段によって計時された連続時間の長さに基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段と、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段と、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段と、
を備えるゲーム装置である。
【0009】
ここで言う「移動体」とは、例えば野球ゲームやサッカーゲームのボールや、手裏剣、テニスボール、ミサイル、鳥や飛行機が含まれる。
第1又は第10の発明によれば、タッチパネルへタッチしてからストローク操作開始までの時間を計時し、計時された時間で大きさ値を決定するとともに、ストローク操作で方向を決定することができる。そして、その大きさ値と方向に基づいて移動体を移動制御することができる。つまり、タッチして所望する大きさ値と判定されるまでそのままタッチ位置を保持した後、ストローク操作するといったきわめて単純な動作で移動体の移動制御の内容を入力できる。しかも、従来技術のようにストローク操作の速さで球速を決定するといった肉体的な要求が無いので軽い操作で操作入力を実現できる。
尚、タッチ位置の保持は、厳密に最初にタッチした位置から不動であることを意味するのでは無く、適宜人が一定時間タッチ位置を保持するのに普通に生じるであろう揺らぎを許容するものと考えるべきである。
【0010】
より好適には、例えば第2の発明として、前記移動制御手段が、前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値に応じて前記移動体の移動速度を可変に制御するように前記コンピュータを機能させるようなプログラムを構成してもよい。この場合、タッチされてからストローク操作開始までの位置保持時間で、移動体の移動速度を緩急設定できるので、野球ゲームの投球、サッカーゲームのボールの蹴りなどの移動体の発射や打撃を要素とする操作入力により好適となる。
【0011】
また、例えば第3の発明として、前記ストローク開始判定手段が、タッチ位置の変化が所定の許容範囲を超える変化をした場合にストローク操作の開始を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成することとすれば、より好適である。
【0012】
この場合、ある許容範囲を超えるタッチ位置の移動があってストローク操作の開始を判定するので、移動体を付勢する動作を連想させる適当な値を許容範囲に設定することによって、投球時の腕の振りやキックなどと言ったゲーム内でのキャラクタのモーションとの連想度を高めることで、より直感的・体感的な操作入力方法とすることができる。
【0013】
また、例えば第4の発明として、前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置に基づいて第2の方向を決定する第2方向決定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、ゲーム演算部210、図13のステップS94〜S96)、として前記コンピュータを機能させるとともに、前記移動制御手段が、移動開始後の前記移動体の移動方向を、前記第2方向決定手段によって決定された第2の方向へ変化させるように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成するとすれば、より好適である。
【0014】
更には、第5の発明として、前記第2方向決定手段が、前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置の変化方向に基づいて前記第2の方向を決定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成するとしても良い。
【0015】
また更には、第6の発明として、前記第2方向決定手段が、前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置の変化の大きさに応じて前記第2の方向を可変するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成するとしても良い。
【0016】
また更には、第7の発明として、前記第2方向決定手段が、前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置が所定時間略同一位置に位置した場合の当該位置に基づいて前記第2の方向を決定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムとして構成しても良い。
【0017】
この場合、ストローク開始判定手段により開始判定される第1のストローク操作の動作をそのままに、第2のストローク操作をすることで移動開始後の移動体の移動コース変化をタッチ開始から一連の動作として入力することができる。
【0018】
或いは、第8の発明として、前記移動制御手段が、前記移動体の移動方向を前記第2の方向へ変化させる程度を、前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値を用いて決定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成するとしても良い。
【0019】
第8の発明よれば、操作入力の手順を増やさずとも更に移動体の移動方向を第2の方向へ変化させる程度をも一連の動作として入力することが可能になる。
【0020】
また、第9の発明として、前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値を示す大きさ値表示体(例えば、図23のバーグラフ70)を表示制御する大きさ値表示体表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、画像生成部260)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成するとしても良い。
【0021】
この場合、更に操作入力でどれほどの大きさ値が入力できたかをプレーヤに示すことができるので、操作性を向上することができる。
【0022】
また更に、例えば第10の発明として、前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値に基づいて効果音を可変に出力制御する音出力制御手段(例えば、図24の処理部200、音生成部250、投球力レベル音データ519)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成することとすれば、より好適である。
【0023】
この場合、プレーヤ自身がタッチパネルへ為した操作入力の程度が、どれぐらいの大きさ値になるのかをプレーヤ自身が効果音で知ることができる。よって、プレーヤは所望する大きさ値を得るためのストローク操作を簡単に習得でき、また、どの程度の大きさ値を入力したのかを聴覚的に確認できる。
【0024】
第11の発明は、コンピュータに、移動体を移動制御してゲームを実行させるとともに、タッチパネルが画像表示面に設けられた画像表示部にタッチ開始位置指標(例えば、図16の投球位置マーク12B)を表示させるタッチ開始位置指標表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、画像生成部260、図12のステップS8)、
前記タッチ開始位置指標内に於けるタッチ位置の移動軌跡に基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、図17のステップS79a〜S79b)、
前記タッチパネルへのタッチ位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0025】
また、第17の発明は、移動体を移動制御してゲームを実行するとともに、タッチパネルが画像表示面に設けられた画像表示部にタッチ開始位置指標を表示させるタッチ開始位置指標表示制御手段と、
前記タッチ開始位置指標内に於けるタッチ位置の移動軌跡に基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段と、
前記タッチパネルへのタッチ位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段と、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段と、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段と、を備えるゲーム装置である。
【0026】
第11又は第17の発明によれば、タッチパネル越しにタッチ開始位置指標を表示させ、このタッチ開始位置指標内におけるタッチ位置の移動軌跡で操作入力の大きさを判定するとともに、続くストローク操作で方向の入力をすることができる。
つまり、タッチした位置で移動軌跡(例えば、小円)を描いた後、ストローク操作するといったきわめて単純な動作で移動体の移動制御の内容を入力できる。しかも、従来技術のようにストローク操作の速さで球速を決定するといった肉体的な要求が無いので軽い操作で操作入力を実現できる。
【0027】
より好適には、例えば第12の発明として、前記移動軌跡の形状を判定する軌跡形状判定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、図19のステップS77a〜S77b)、として前記コンピュータを機能させるとともに、前記移動制御手段が、前記軌跡形状判定手段によって判定された形状に基づいて複数の移動制御パターンの中から何れかを選択して前記移動体を移動制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成することとしても良い。
【0028】
この場合、タッチ後に描く軌跡の形状だけで移動体の移動制御パターンをも指示入力できるようになるので、より複雑な入力を依然として簡単な操作で実現できる。例えば野球ゲームであれば、移動制御パターンとしては球種や、高め/低めといった投球の上下コース分類を設定すれば効果的である。
【0029】
第13の発明は、前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値に基づいて大きさ指標(例えば、図23のゲージ60、背景の区分62,64,66)を表示制御する大きさ指標表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、画像生成部260)、として前記コンピュータを機能させるための第1〜第12の発明の何れかのプログラムである。
【0030】
第13の発明によれば、第1〜第12の発明と同様の効果を奏するとともに、プレーヤ自身がタッチパネルへ為した操作入力の程度が、どれぐらいの大きさ値になるのかをプレーヤ自身が大きさ指標で知ることができる。よって、プレーヤは所望する大きさ値を得るためのストローク操作を簡単に習得でき、またどの程度の大きさ値を入力したのかを視覚的に確認できる。
【0031】
また、第14の発明として、前記移動制御手段が、前記ストローク操作の大きさに応じて前記移動体の移動方向を可変するように前記コンピュータを機能させるプログラムとして構成することもできる。
【0032】
この場合、ストローク操作の大きさを変えるだけで移動体の移動方向を可変できるので、より操作性を向上することができる。
【0033】
第14の発明は、第1〜第13の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第14の発明によれば、第1〜第13の発明の何れかのプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第13の発明の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、タッチパネルへタッチしてからストローク操作開始までの時間を計時し、計時された時間で大きさ値を決定するとともに、ストローク操作で方向を決定することができる。そして、その大きさ値と方向に基づいて移動体を移動制御することができる。つまり、タッチして所望する大きさ値と判定されるまでそのままタッチ位置を保持した後、ストローク操作するといったきわめて単純な動作で移動体の移動制御の内容を指示入力できる。
【0035】
或いは、タッチパネル越しにタッチ開始位置指標を表示させ、このタッチ開始位置指標内におけるタッチ位置の移動軌跡で操作入力の大きさを判定するとともに、続くストローク操作で方向の入力をすることができる。つまり、タッチした位置で移動軌跡(例えば、小円)を描いた後、ストローク操作するといったきわめて単純な動作で移動体の移動制御の内容を指示入力できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
[第1実施形態]
次に、本発明を適用した第1実施形態として、タッチパネルを備えた携帯ゲーム装置で野球ゲームをプレイする例を挙げて説明する。
【0037】
〔ゲーム装置の構成〕
図1は、携帯ゲーム装置の構成例を説明するための図である。本実施形態における携帯ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、無線通信モジュール1412と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在なフリップフロップ型の装置本体1401と一体に備えている。そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表面には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示範囲内の任意位置を入力することのできるタッチパネル1407、1409が装着されている。
【0038】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440の読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯ゲーム装置1400の制御ユニット1450が各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1401には図示されていない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0039】
制御ユニット1450は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリ、液晶ディスプレイのドライバ回路、音出力用のアンプ回路などを備える。
制御ユニット1450は、読取装置1418により読み出されたメモリカード1440に格納されているプログラムやデータに基づいて種々の演算処理を実行する。そして、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて装置各部を制御する。
【0040】
また、携帯ゲーム装置1400は、マイクロフォン1420と、3軸加速度センサ1422とを備える。
マイクロフォン1420は、プレイ中にプレーヤが立てる音や声を集音し、集音した音の信号を制御ユニット1450へ出力する。同図のように一体型のマイクロフォンに限らず、外部マイクロフォンを接続可能な接続端子を備える構成としても良い。
3軸加速度センサ1422は、携帯ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化を検出するために垂直交差するX軸・Y軸・Z軸の3軸方向の加速度を検出し、検出信号を制御ユニット1450へ出力する。尚、加速度センサの代わり、又は更なる機能追加としてジャイロセンサを備える構成としても良い。或いは地磁気を基準として位置や姿勢変化を検出するならば磁気センサによって置き換えることもできる。
【0041】
尚、本実施形態では、携帯ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データ、並びにコンテンツに係るデータをメモリカード1440から読み出す構成であるが、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1に接続して外部の装置からデータ通信によって取得する構成としても良い。
【0042】
〔投球操作についての説明〕
次に、本実施形態における投球操作の入力方法について説明する。
図2は、本実施形態におけるゲーム画面例を示す図であって、プレーヤが操作するチームが守備側の場合の画面例を示している。同図(a)は第1液晶ディスプレイ1406に表示されるゲーム画面W2、(b)は第2液晶ディスプレイ1408に表示される投球操作入力画面W4に相当する。
【0043】
ゲーム画面W2は、プレーヤが投球操作を入力する際に第1液晶ディスプレイ1406に表示されるゲーム画面であって、キャッチャー2越しにピッチャー4方向をやや俯瞰するように見た場合のグランドの様子を表すゲーム画面である。同図ではプレーヤチームが守備側であるから、キャッチャー2及びピッチャー4はプレーヤチームの選手キャラクタであり、バッターボックス6内に立つバッター8は、敵チームの選手キャラクタ(本実施形態ではNPC(ノンプレーヤキャラクタ;コンピュータ制御キャラクタ))である。
尚、バッター8が打った場合にはグランドを更に広視野角で俯瞰視した所謂守備画面にゲーム画面の構成が変化するのは公知の野球ゲームと同様である。
【0044】
一方、第2液晶ディスプレイ1408に表示される投球操作入力画面W4は、投球操作の指示入力となるタッチ操作のガイドとなる画面である。投球操作入力画面W4は、画面下方向をホームベース側として俯瞰視したピッチャーマウンドの様子を模してデザインされている。画面上部の所定位置にはマウンドプレート10が描かれ、マウンドプレート10に重ねて投球位置を示す投球位置マーク12が表示される。マウンドプレート10に重ねられた投球位置マーク12の位置はピッチャー4の立ち位置に相当し、スタイラスペン1416で投球操作を入力する際の投球開始位置指標となる。そして、投球位置マーク12からは斜め左下方向、斜め右下方向及び中央真下方向の3方向へ伸びる3本の投球方向ガイド14R,14L,14Cが、投球位置マーク12と一体的に表示される。
【0045】
図3及び図4は、本実施形態における投球操作の入力手順を説明するための図である。
プレーヤは先ず、図3に示すようにして投球位置を設定する。具体的には、投球位置マーク12の範囲内にスタイラスペン1416でタッチし(同図(a);投球操作入力画面W6)、所謂「ドラッグ操作」をする要領で投球位置マーク12へのタッチ状態を維持したままマウンドプレート10に沿って左右にスライドさせる。すると、それに伴って投球位置マーク12及び投球方向ガイド14R,14C,14Lが追従移動して表示される(同図(b);投球操作入力画面W8)。そして所望する投球位置までドラッグしたならば、その位置でタッチを止めドラッグをリリースするとピッチャー4の投球位置が当該位置へ変更・設定される。
【0046】
次に、プレーヤは図4に示すように球速入力操作、投球開始入力操作、投球方向入力操作、投球後変化方向入力操作をスタイラスペン1416で一連の動作として入力する。
具体的には、投球位置マーク12の範囲内をタッチし(W10)、その位置を所望する球速に応じた時間だけ保持することで球速入力操作をする。そして、そのままタッチ状態を維持したまま所望する投球方向の投球方向ガイド14R,14C,14Lの何れかに沿って所定の基準速さ以上の速さ(速度)で基準距離以上の長さの画面下方向への第1のストローク操作をする。この第1のストローク操作によって、投球開始入力操作と投球方向入力操作の両方がなされる(W12)。更に第1のストローク操作の動きを引き次いで、投球後にボールを変化させたい方向に第2のストローク操作を入力することで投球後のボールの変化方向の入力操作をする(W14)
【0047】
より具体的には、本実施形態の球速入力操作では、投球位置マーク12内への最初のタッチから第1のストローク操作の開始判定までのタッチ位置の保持時間が、第1の基準時間未満(例えば、1秒未満)ならば「緩い(遅い)」、第1基準時間〜第2基準時間未満(例えば、1秒以上〜3秒未満)ならば「並」、第2基準時間以上(例えば、3秒以上)ならば「速い」と言った具合にタッチ位置保持時間の長さに応じて3段階の球速が設定される。勿論、球速の判定は3段階に限らずもっと多くても少なくても良いし、タッチ位置保持時間の長さに比例して設定されるとしても良い。
尚、最初のタッチ位置から画面上所定距離未満のタッチ位置の変化は、位置が保持された状態と見なされる。ここでの所定距離とは、例えば図4の投球位置マーク12の中央に異なる表示形態で表示された内円部程度とすると、視覚的にも分かりやすくて好ましい。
【0048】
また、本実施形態における投球開始入力操作では、タッチ位置の変化が基準速さ以上で、且つ移動量が基準距離以上である画面下方向への移動に該当する場合に、投球開始の操作入力が為されたと判断する。これが第1のストローク操作である。尚、ここでの基準速さは、スタイラスペン1416をピッチャーの腕の振りをイメージさせる程度に適宜設定すると良い。また基準距離は、例えば投球位置マーク12の直径程度とすると、視覚的にも分かりやすくて好ましい。
【0049】
一方、その時点における投球位置マーク12の中心位置を基準として画面下方向、投球方向ガイド14R,14C,14Lそれぞれに沿った判定領域16R,16C,16L(図4では投球位置マーク12から三方に広がる破線で区切られた略狭扇型の領域)が設定され、投球開始の入力が為されたと判定した時点におけるタッチ位置が何れの判定領域16R,16C,16Lに含まれるかによって、タッチ位置が含まれる判定領域の方向へ投球方向入力操作が為されたと判断する。
【0050】
また、本実施形態における投球後変化方向入力操作では、左右方向への許容値以上のストロークの方向変化が検出された場合に第2のストローク操作の開始と判定し、この開始判定時点におけるタッチ位置の下方に、タッチ位置を中央として左右に変化方向判定領域18R,18L(図4の画面W14における一点鎖線で囲まれた領域)を設定する。そして、第2のストローク操作の終端位置がこの左右の変化方向判定領域18R,18Lの何れに含まれるかによって投球後の球の変化方向を決定する。
勿論、第1のストローク操作から許容値未満のストロークの方向変化しか生じない場合も「投球後の変化無し」の意の操作入力と判断され、投球後の変化はないことになる。これは「ストレート」が投げられたことに相当する。
尚、判定領域18R,18Lの設定は図4の例に限らず、例えば単純に画面の中央から左右に設定しても良いし、画面の左右下部に矩形状の小領域を設定しても良い。
【0051】
従って、本実施形態における投球操作入力の方法によれば、タッチパネル1409をタッチしてある時間その位置を保持した後のタッチ状態を維持したままストロークさせる一連の操作で、球速・投球開始のタイミング・投球方向・投球後の球の変化方向を入力することができる。この一連の操作は、あたかも力を貯めて投げたい方向に腕を振り抜くとともに、投球後に球を曲げたい方向に手首をひねるかのように直感的でスムーズな操作であり、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404を操作する従来の投球操作入力方法に比べて格段に直感的で爽快感ある操作入力を実現する。また、従来技術のように球速入力のためにストロークのスピードを一々変える必要がないので、繰り返し投球操作を行う場合であっても、操作入力の負担・手間が格段に小さくなる。
【0052】
〔打撃操作についての説明〕
次に、打撃操作の入力方法について説明する。
図5は、本実施形態におけるゲーム画面例を示す図であって、プレーヤが操作するチームが攻撃側の場合の画面例を示している。同図(a)は第1液晶ディスプレイ1406に表示されるゲーム画面W20、(b)は第2液晶ディスプレイ1408に表示される打撃操作入力画面W22に相当する。
【0053】
ゲーム画面W20は、基本的に投球操作の入力時に第1液晶ディスプレイ1406に表示されるゲーム画面W2と同様の構成を有するが、攻守が反転しているのでバッター8がプレーヤチームの選手キャラクタであり、キャッチャー2及びピッチャー4は敵チームの選手キャラクタとなる。
【0054】
打撃操作入力画面W22は、画面上方をセンター方向としてホームベース周りを俯瞰した様子をモチーフにデザインされている。画面下部にはホームベース30が表示され、そのホームベース30に重ねて打撃位置マーク32が表示される。打撃位置マーク32は、打撃操作の最初のタッチ位置を案内する打撃開始位置の指標である。この打撃位置マーク32からは斜め右上方向、真上方向、斜め左上方向の3方向それぞれに向けて打撃方向ガイド34R,34C,34Lが打撃位置マーク32と一体に表示される。
【0055】
図6及び図7は、本実施形態における打撃操作の入力手順を説明するための図である。
本実施形態における打撃操作の入力では、プレーヤは先ず図6の打撃操作入力画面W24に示すようにして、打撃位置、即ちバッターボックス6内におけるバッター8の立ち位置入力操作をする。
具体的には、スタイラスペン1416で打撃位置マーク32にタッチし(図6(a))、ドラッグ操作の要領でタッチ状態を維持したままスライドさせてホームベース30上で移動させると、図6(b)の打撃操作入力画面W26に示すように打撃位置マーク32と打撃方向ガイド34R,34C,34Lとがスライド位置に移動表示される。一方、ゲーム画面W20ではバッターボックス6内のバッター8の立ち位置が変更される。
【0056】
より具体的には、ホームベース30を含む矩形領域がバッターボックス6と対応付けて定義されており、矩形領域の前後幅(画面上下方向の長さ)がバッターボックス6の前後幅に対応づけられ、横幅(画面左右方向の長さ)がバッターボックス6の横幅に対応づけられる。そして、所望する位置でドラッグをリリースすると、当該移動後の位置に対応するバッターボックス6内のバッター8の立ち位置が変更・設定される。
【0057】
次に、ヒッティングしようとする場合、プレーヤは図7の打撃操作入力画面W28に示すように、改めてスタイラスペン1416で打撃位置マーク32にタッチして打撃操作入力のタイミングを計る。この時、第1液晶ディスプレイ1406に表示されるゲーム画面では、図5(a)に示すように、公知の野球ゲームと同様にしてピッチャー4が投球し、投げられたボール(球;移動体)がキャッチャー2に向かって移動する様子が表示される。
【0058】
プレーヤは適当なタイミングを見計らって、図7の打撃操作入力画面W30に示すように、所望する打撃方向を指す打撃方向ガイド34R,34C,34Lの何れかに沿ってスタイラスペン1416でタッチ状態のままスライドさせてストローク操作して、打撃開始入力操作と打撃方向入力操作とを一連の動作として入力する。
【0059】
より具体的には、打撃位置マーク32へのタッチが検出された後、基準速度以上で且つ基準距離以上の画面上方向(投球された球の移動方向に対向する方向:順方向)へのストローク操作が検出されたならば打撃開始の入力が為されたと判定する。但し、最初のタッチ位置から所定距離未満の位置変化は、位置が保持された状態と見なされる。ここでの所定距離とは、例えば図7の打撃位置マーク32の中央に異なる表示形態で表示された内円部程度とすると、視覚的にも分かりやすくて好ましい。また、ここでの基準距離は、打撃位置マーク32の直径程度の距離とすると、視覚的にも分かりやすくて好適である。
【0060】
一方、打撃位置マーク32の中心位置を基準として画面下方向、投球方向ガイド34R,34C,34Lそれぞれに沿った判定領域36R,36C,36L(図7では打撃位置マーク32から上三方に広がる破線で区切られた略狭扇型の領域)が設定され、打撃開始入力操作が為されたと判定した時点におけるタッチ位置が何れの判定領域36R,36C,36Lに含まれるかによって、タッチ位置が含まれる判定領域の方向への打撃方向入力操作が為されたと判断する。
【0061】
打撃開始入力操作と打撃方向入力操作とが為されたならば、ボールとバットとの当たり判定(打球の当たり判定)や打球の方向及び飛距離の決定を行うなどしてゲームを進行する。
例えば、打球の当たり判定は、投球開始入力操作から打球開始入力操作までの時間差と、ジャストミートの時間差として定められる基準時間差との差異に基づいて、インフィールド方向へのヒット、左右何れかのアウトフィールド方向へのヒット(つまり、ファールボール)、空振りの何れかの判定を行うとしても良い。
【0062】
インフィールド方向へのヒットと判定された場合には更に、打球の方向及び飛距離を投球位置・投球方向・打撃位置・打撃開始入力操作の入力タイミングの組み合わせから決定するとしても良い。
本実施形態では、インフィールド方向への打球は、先ず打球方向ガイド34R,34C,34Lで示される左右及び中央の何れかを基本方向として抽選で選択する。この時、プレーヤによる打撃方向入力操作で入力された方向については、その他の方向よりも高確率に選択されるように適当に重みづけされて抽選される。そして、基本方向が決定したならば、これにランダムなバラツキ量を与えて打球方向を決定する。また、本実施形態では打撃開始のタイミングが所定のミートタイミングに近い程、打撃後の打球(移動体)の移動方向を高確度に打撃方向とするように演算を行う。
尚、ヒット判定や打球方向の決定や飛距離の決定方法は、これらの方法に限らず公知の野球ゲームで採用されるその他の方法を用いても良いのは勿論である。
【0063】
一方、バントをしようとした場合、プレーヤは図8の打撃操作入力画面W32に示すように、打撃位置マーク32から同マークよりも画面下方(投球された球の移動方向に沿った方向:逆方向)へ向けてストローク操作する。そしてヒッティング時の打撃操作と同様に、基準速さ以上で且つ基準距離以上のストロークが検出されたならばバントによる打撃開始入力操作が為されたと判定する。
尚、本実施形態では、バントの場合打撃方向は自動的にランダムに抽選されて決定されるものとする。
【0064】
〔機能ブロックの説明〕
次に、本実施形態を実現するための機能構成について説明する。
図9は、本実施形態における携帯ゲーム装置1400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。画像表示部360は、第1画像表示部362と、第2画像表示部364を含む。
【0065】
操作入力部100は、プッシュボタンや、レバー、タッチパネル、ダイヤル、キーボード、マウス、各種ポインタ、加速度センサ、傾斜センサなどの入力デバイスやセンサ類によって実現され、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。本実施形態では、操作入力部100はプレーヤによる接触位置を検出する第1接触位置検出部102と第2接触位置検出部104とを含む。
図1の例では、方向入力キー1402とボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409が操作入力部100に該当する。特に、タッチパネル1407は第1接触位置検出部102、タッチパネル1409は第2接触位置検出部104に相当する。
【0066】
処理部200は、例えばマイクロプロセッサやASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、各機能部との間でデータの入出力を行うとともに所定のプログラムやデータ及び操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0067】
ゲーム演算部210は、野球ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば、プレーヤチーム及びコンピュータ制御される敵チームの選手を投球・打撃・守備・走塁させる制御、ボール(移動体)の移動制御、カウントやアウトの判定、チーム得点のカウントなどに係る処理が実行対象に含まれる。
【0068】
また本実施形態では、ゲーム演算部210は、投球操作に係る機能部として投球位置決定部212、投球開始判定部214、球速決定部216、投球方向決定部218、投球後変化方向決定部220を含む。また、打撃操作に係る機能部として打撃位置決定部222、打撃開始判定部224、打撃方向決定部226を含む。
【0069】
投球位置決定部212は、第2接触位置検出部104の検出範囲に予め設定されたマウンドプレート10に相当する所定領域内へのタッチ操作とそれに続くドラッグ操作に基づいて、ピッチャー4のマウンドプレート10に対する立ち位置、即ち投球位置を決定する。
【0070】
投球開始判定部214は、第2接触位置検出部104による接触位置検出に基づいて投球開始の入力タイミングを判定する。具体的には、プレーヤチームが守備側で有る場合にはタッチパネル1409へ為されたタッチ操作の位置の連続変化から、基準速さ以上で且つ基準距離以上の画面下方向への第1のストロークを検出し、検出時点を投球開始のタイミングと判定する。
【0071】
球速決定部216は、第2接触位置検出部104による接触位置検出に基づいてこれから投げる球の球速を決定する。具体的には、タッチ操作から第1ストローク操作の開始判定までにタッチ位置の保持に要した連続時間を計時し、計時した連続時間の長さに応じて投球操作入力の大きさ値、つまり球速を決定する。より具体的には、球速決定部216は、球速設定カウンタ部217を有する。球速設定カウンタ部217は、プレーヤが投球操作する際に投球位置マーク12にタッチしてから投球開始条件を満たすストローク操作が検出され投球開始と判定されるまでの経過時間を計時するためのカウンタ部である。
【0072】
投球方向決定部218は、第2接触位置検出部104による接触位置検出に基づいてこれから投げる球の投球方向を決定する。具体的には、投球開始判定部214で基準以上のストローク操作を検出した時点におけるタッチ位置が、第2接触位置検出部104の検出範囲に予め設定されている判定領域16R,16C,16Lの何れの領域内に存在するかを判定し、判定した領域に対応付けられた方向を投球方向として決定する。
【0073】
投球後変化方向決定部220は、第2接触位置検出部104による接触位置検出に基づいて投球後のボールの移動コースの曲り方向を決定する。具体的には、第1のストロークの移動方向から基準値以上の左右へのストローク方向の変化が検出された場合に、第2のストロークが入力されたと判定する。そして、同判定時におけるタッチ位置より下方の第2接触位置検出部104の検出領域を、判定時におけるタッチ位置を中心に左右の判定領域18R,18Lを設定し、第2のストロークの終端位置が何れの判定領域に含まれるかで第2の方向入力を判定・決定する。本実施形態ではこの第2の方向入力を投球後のボールの移動コースの曲り方向とする。
【0074】
打撃位置決定部222は、第2接触位置検出部104による接触位置検出に基づいてバッター8のバッターボックス6内における立ち位置を決定する。具体的には、打撃位置マーク32のドラッグ操作によって立ち位置を変更する。
【0075】
打撃開始判定部224は、第2接触位置検出部104による接触位置検出に基づいて打撃開始の入力タイミングを判定する。具体的には、プレーヤが守備側の場合にタッチパネル1409へ為されたタッチ操作の位置の連続変化から、基準速さ以上で且つ基準距離以上の画面上方向のストローク操作を検出し、検出時点を打撃開始のタイミングと判定する。
【0076】
打撃方向決定部226は、第2接触位置検出部104による接触位置検出に基づいて打撃方向を決定する。具体的には、打撃開始判定部224によって基準以上のストローク操作を検出した時点における打撃位置マーク32の位置座標を基準にして、画面上方3方向に向けて判定領域36R,36C,36Lを設定し、打撃開始と判定された時点におけるタッチ位置が何れの判定領域に含まれるかで打撃方向を決定する。
【0077】
音生成部250は、例えば音生成LSI、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサやその制御プログラムなどの公知技術によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音などのゲーム音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0078】
音出力部350は、音生成部250から出力された音信号に基づいて効果音やBGM等を放音する装置によって実現される。図1のスピーカ1410がこれに該当する。
【0079】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのLSI、制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等の公知技術によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲーム画面となる画像を生成する。そして、1フレーム時間(例えば1/60秒)間隔で、図2〜図8に示したようなゲーム画像や投球操作入力画面、打撃操作入力画面を生成し、その画像信号を画像表示部360に出力する。
【0080】
画像表示部360は、画像生成部260から出力された画像信号に基づいてゲーム画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態の画像表示部360は、第1画像表示部362と第2画像表示部364を含む。これはそれぞれ図1の第1液晶ディスプレイ1406,第2液晶ディスプレイ1408に該当する。
【0081】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して他の外部装置との間でデータのやりとりを実現する。
【0082】
通信部370は、通信回線と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1では無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0083】
記憶部500は、予め定義されたプログラムやデータを記憶するとともに処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
【0084】
本実施形態における記憶部500は、処理部200に携帯ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラム501や、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム502並びに各種データ等を記憶する。処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって、処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現させることができる。尚、ゲームプログラム502は、敵チームの選手キャラクタであるNPC(ノンプレーヤキャラクタ)の行動を自動制御するためのNPC制御プログラム504を含む。
【0085】
記憶部500には、予め用意されるデータとしてゲーム画面背景データ510と、選手キャラクタ設定データ512と、移動体画像データ514と、投球操作入力画面設定データ516と、打撃操作入力画面設定データ518とを記憶している。
【0086】
本実施形態では、ゲーム画面や守備画面は2次元のビットマップ画像の合成によって生成され、その中で動作する選手キャラクタやボール(移動体)は所定のビットマップ画像を切り換え表示することでアニメーションさせる。
よって、本実施形態におけるゲーム画面背景データ510には、ゲーム画面W2や守備画面などの背景画像データを格納する。また、選手キャラクタ設定データ512には、プレーヤチーム及び敵チームそれぞれの選手キャラクタの投球や守備、打撃時の表示用画像、選手の各種能力パラメータ値などの初期設定データを格納する。移動体画像データ514には、投球されてからのボールの飛翔する様子を表す画像や、打撃後のボールの飛翔する様子を表す画像を格納している。
【0087】
尚、ゲーム画面等を3DCGで生成する場合には、それぞれゲーム画面背景データ510には球場やグランドの3次元モデルデータ、テクスチャデータを格納し、選手キャラクタ設定データ512に各キャラクタの3次元モデルデータ、テクスチャデータ、モーションデータを格納する。同様に移動体画像データ514にはボールの3次元モデルデータ等を格納すれば良い。
【0088】
投球操作入力画面設定データ516は、投球操作入力画面W4におけるマウンドプレート10などが描かれた背景画像や、投球位置マーク12や投球方向ガイド14R,14C,14Lの画像を格納している。
打撃操作入力画面設定データ518は、打撃操作入力画面W22におけるホームベース30や、バッターボックスが描かれた背景画像や、打撃位置マーク32、打撃方向ガイド34R,34C,34Lの画像を格納している。
【0089】
また、記憶部500はゲームの進行に伴って記憶するデータとして、攻撃守備識別フラグ520と、投球パラメータ522と、打撃パラメータ524とを記憶する。
【0090】
攻守識別フラグ520には、プレーヤチームが攻撃側の時に「1」、守備側の時に「0」が格納される。
投球パラメータ522は、例えば図10に示すように、投球開始フラグ532、投球開始時刻534、投球位置座標538、球速データ540、投球方向542、投球開始判定座標544、投球後変化方向546を含んでいる。
【0091】
具体的には、投球開始フラグ532は、プレーヤが投球操作して投球開始の判定がされた場合、及びプレーヤが打撃操作する際に敵チームのピッチャー4が自動制御によって投球を開始した場合に「1」を格納する。
投球開始時刻534は、プレーヤが投球操作して投球開始の判定が為された時点に於けるシステム時刻を格納し、打撃開始判定された時点に於けるシステム時刻との比較で、バットとボールとのヒット判定等に用いられる。
【0092】
投球位置座標538は、ピッチャー4のマウンドプレート10上の立ち位置を示す第2画像表示部364の検出座標の座標値を格納する。
球速データ540は、投球されるボールの「緩い(遅い)」「並」「速い」の何れかの球速を示す情報を格納する。
投球方向542は、投球される方向を示す情報を格納する。
投球開始判定座標544は、投球開始が入力されたと判定した時点におけるタッチ位置の座標が格納される。
投球後変化方向546は、投げられた後のボールの移動コースの変化方向を示す情報を格納する。
【0093】
また、打撃パラメータ524は、例えば図11に示すように、立ち位置座標550と、打撃開始フラグ552と、打撃開始時刻554と、バントフラグ556と、打撃方向558とを含んでいる。
具体的には、立ち位置座標550は、バッターボックス6内におけるバッター8の立ち位置の座標を格納する。初期化時にはバッターボックス6の中央位置の座標が格納される。
打撃開始フラグ552は、初期化時には「0」を格納し、打撃開始操作が入力されたと判定された場合、つまりバットが振られたと判定された場合に「1」を格納する。
打撃開始時刻554は、打撃開始操作が入力されたと判断された時点のシステム時刻を格納する。
バントフラグ556は、初期化時には「0」を格納し、そのまま「0」であればヒッティングによる打撃であることを示し、所定のバント操作が入力された場合には「1」を格納してバントによる打撃であることを示す。
尚、記憶部500はその他公知の野球ゲームと同様にゲーム進行に必要な各種データを適宜記憶するとして良い。
【0094】
〔処理の流れの説明〕
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理は、処理部200がシステムプログラム501及びゲームプログラム502を記憶部500より読み出して実行することによって実現され、画像表示部360のリフレッシュレートよりも十分に短いサイクルで繰り返される。
尚、ここで説明する処理の前段階として、公知の野球ゲームと同様にプレーヤがチームを選択する処理や対戦チームを選択する処理、先攻後攻を決定する処理などを適宜実行するものとし、以下では試合開始以降の処理動作についてのみ述べることとする。
【0095】
図12は、本実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず投球パラメータ522と打撃パラメータ524とを初期化する(ステップS2)。具体的には、投球パラメータ522の投球開始フラグ532には未入力状態を示す「0」を格納する。また、投球開始時刻534をリセットし、投球位置座標538にはマウンドプレート10の左右中央位置に相当する所定の座標値を格納する。球速データ540は「並」に設定し、投球方向542を「正面」に設定する。投球開始判定座標544には、マウンドプレート10の左右中央位置に相当する所定の座標値を格納し、投球後変化方向546を「正面」に設定して投球後のコース変化が無い状態として初期化する。
【0096】
また、打撃パラメータ524については、立ち位置座標550にはバッターボックス6の中央位置の座標を格納し、打撃開始フラグ552には「0」を格納する。また、打撃開始時刻554をリセットし、バントフラグ556には「0」を格納する。また、打撃方向558には、正面を設定して初期化する。
【0097】
次に、処理部200は攻撃守備識別フラグ520を参照し、プレーヤチームが守備側である場合(ステップS4のYES)、処理部200は第1液晶ディスプレイ1406にプレーヤチームが守備をして敵チームが攻撃をするゲーム画面(図2の画面W2参照)を表示させるとともに(ステップS6)、第2液晶ディスプレイ1408に投球操作入力画面(図2の画面W4参照)を表示させ(ステップS8)、投球操作判定処理を実行する(ステップS10)。
【0098】
図13は、本実施形態における投球操作判定処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は、投球位置マーク12内へのタッチ操作の有無を判定する(ステップS60)。タッチ操作が無ければ(ステップS60のNO)、投球操作判定処理を終了して図12のフローチャートに戻る。
【0099】
一方、タッチ操作が有れば(ステップS60のYES)、処理部200は球速設定カウンタ部217が始動していなければ(ステップS62のNO)、球速設定カウンタ部217に、タッチ操作検出からの経過時間の計時をするカウンタ動作を開始する(ステップS64)。
【0100】
次に、処理部200は投球位置マーク12が左右にドラッグされているか否かを判定する(ステップS66)。タッチ状態が維持されたままマウンドプレート10に沿って左/右にスライド操作されればドラッグ操作有りと判定し(ステップS66のYES)、球速設定カウンタ部217を停止・リセットする(ステップS68)。そして、投球位置座標538に現在のタッチ位置の座標を格納して本投球のパラメータの一つとして設定し(ステップS70)、投球位置マーク12及び投球方向ガイド14R,14C,14Lをドラッグ位置に移動させる(ステップS72)。尚、この時投球位置の可動範囲はマウンドプレート10相当の範囲とする。
【0101】
タッチが解除されてドラッグ操作がリリースされるまでステップS70とS72の処理を繰り返すことで(ステップS74のNO)、プレーヤはスタイラスペン1416によるタッチ操作で簡単勝つ直感的に所望する投球位置を設定できる。ドラッグ操作がリリースされれば(ステップS74のYES)、処理部200は投球判定処理を終了する。
【0102】
一方、ステップS66において、投球位置マーク12内にタッチ操作が為されたがドラッグ操作では無いと判定された場合で(ステップS66のNO)、且つ投球位置マーク12内でタッチが解除された場合には、投球開始入力操作が途中で中断されたと判断して、処理部200は球速設定カウンタ部217を停止・リセットし(ステップS78)、投球操作判定処理を終了する。
【0103】
ステップS66において、投球位置マーク12内にタッチ操作がなされた後、タッチがそのまま解除されなければ(ステップS76のNO)、処理部200は投球位置マーク12よりも画面下方へ基準速さ以上で且つ基準距離以上のストローク操作が為されたか否かを判定する(ステップS80)。ストローク操作の速さや距離の判定は、公知のタッチパネルによる入力技術を流用することができる。
【0104】
ここで、基準速さ以上で且つ基準距離以上となる基準以上のストローク操作が検出されたならば(ステップS80のYES)、処理部200は検出時点におけるタッチ位置の座標が、投球位置マーク12の座標を原点として投球方向ガイド14R,14C,14Lにそれぞれ沿って設定された所定の判定領域16R,16C,16Lの何れに含まれるかを判定して、タッチ位置の座標が含まれる判定領域の方向を本投球の投球方向と決定し、それを示す方向指示情報を記憶部500の投球方向542に格納する(ステップS82)。
【0105】
次いで、処理部200は球速設定カウンタ部217による計時を停止させて(ステップS84)、その時点における球速設定カウンタ部217によるカウンタ値に応じて球速を判定し、球速識別情報を記憶部500の球速データ540に格納する(ステップS86)。
【0106】
次いで、処理部200は球速設定カウンタ部217をリセットして(ステップS88)、投球開始フラグ532に「1」を格納するとともに(ステップS90)、投球開始判定座標544にその時のタッチ位置の座標値を格納する(ステップS92)。つまり、投球位置マーク12へのタッチ操作から投球方向ガイド14R,14C,14Lの何れかに沿ったストローク操作によって投球開始の操作入力が為されたと判定されたことになる。
【0107】
続いて処理部200は、投球開始判定以降のストローク操作において、方向が基準以上左又は右に変化したか否かを判定する(ステップS94)。基準以上のストロークの方向変化が検出された場合には(ステップS94のYES)、第2のストローク操作が入力されたと判定して、投球開始判定座標544を原点にして画面下方の左右に判定領域18R,18Lを設定する。そして、ストロークの終端が位置する判定領域に対応する方向を投球後変化方向と決定し、決定された方向を示す情報を記憶部500の投球後変化方向546に格納し(ステップS96)、投球操作判定処理を終了する。
一方、ステップS94において基準以上のストロークが検出されなければ、投球後変化方向546は初期化されたまま投球操作判定処理を終了するので、実質的には投球後のコース変化の無い「ストレート」となる。
【0108】
よって、本実施形態によれば、プレーヤはスタイラスペン1416で投球位置マーク12へタッチして、ボールを投げる力を貯めるイメージでタッチ位置を保持した後、画面下方へ向けて所望する投球方向を向いた投球方向ガイド14R,14C,14Lの何れかに沿って第1のストローク操作をすれば、球速と投球開始と投球方向とを、あたかもペン先でボールを投げるかのようなワンアクションで入力することができる。
更に、第1のストローク操作の動作に続けて、左右何れかに大きく第2のストローク操作をすれば投球後のボールのコース変更方向を入力して所謂変化球を投げることが可能になる。
【0109】
図12に戻って、投球操作判定処理を実行したならば、処理部200は次に投球開始フラグ532を参照する。投球開始フラグ532が「0」であれば(ステップS12のNO)、未だ投球させる指示入力が為されていないこととなるため、再度投球操作判定処理を実行する。投球開始フラグ532が「1」であれば(ステップS12のYES)、投球されたと判定してピッチャー4の投球モーションの表示が済んだか否かを判定する(ステップS14)。投球モーションの表示が済んでいなければ(ステップS14のNO)、ピッチャー4の投球モーションを表示させる(ステップS16)。
【0110】
ピッチャー4の投球モーションの表示が済んでいる場合(ステップS14のNO)、処理部200は投げられたボールの現在位置を計算する(ステップS18)。この計算には、投球パラメータ522が参照される。
計算した結果、ボールがキャッチャー2に到達していなければ(ステップS20のNO)、公知の野球ゲームと同様にして投げられたボールが敵チームのバッター8に打たれたか否かのボールとバットとのヒット判定処理を実行する(ステップS22)。そして、バットに当たらなかったと判定した場合には(ステップS24のNO)、処理部200は先に算出した位置にボールを移動表示する(ステップS26)。
【0111】
反対にボールがキャッチャー2の所まで到達しておらず、バットに当たったと判定した場合には(ステップS24のYES)、処理部200は公知の野球ゲームと同様にして打球の方向と飛距離を算出することで打球の計算処理を実行し(ステップS28)、次いで守備に係る処理とを実行して(ステップS30)、プレイ結果の判定処理を実行する(ステップS32)。プレイ結果の判定処理では、公知の野球ゲームと同様にしてストライクやボールのカウント、打球の捕球等の判定及びアウトカウントなどを実行する。
【0112】
次いで処理部200は、プレイ結果が所定のゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS34)。ゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS34のNO)、更に攻守交代条件を満たすか否かを判定する(ステップS36)。攻守交代条件を満たしていなければ(ステップS36のNO)、そのままステップS2に戻る。攻守交代条件を満たしていれば(ステップS36のYES)、処理部200は攻撃守備識別フラグ520の設定を反転させてから(ステップS38)、ステップS2に戻る。
一方、ゲーム終了条件を満たしている場合には(ステップS34のYES)、処理部200はエンディング画面を表示するなど所定のゲーム終了処理を実行して(ステップS40)、一連のゲーム処理を終了する。
【0113】
次にプレーヤチームが攻撃をする場合の流れについて説明する。
ステップS4において攻撃守備識別フラグ520を参照した結果、プレーヤチームが攻撃側である場合(ステップS4のNO)、図14のフローチャートに移行して、処理部200は第1液晶ディスプレイ1406にプレーヤチームが攻撃をして敵チームが守備をするゲーム画面(図5の画面W20参照)を表示させるとともに、第2液晶ディスプレイ1408に打撃操作入力画面W22を表示させる(ステップS100)。
【0114】
次いで、敵ピッチャーの投球開始処理を実行し、球速・投球開始タイミング・投球方向・投球後変化方向を自動決定する(ステップS102)。
敵ピッチャーの投球モーションが表示済でなければ(ステップS104のNO)、処理部200は敵ピッチャーの投球モーションをゲーム画面中に表示させる(ステップS106)。
【0115】
次に処理部200は、公知の野球ゲームと同様にして投げられたボールの現在位置(より正確には移動軌道)を計算する(ステップS108)。次いで、プレーヤによる打撃操作を検出するために打撃操作判定処理を実行する(ステップS112)。
【0116】
図15は、本実施形態における打撃操作判定処理の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態における打撃操作判定処理では、処理部200は先ず打撃位置マーク32内をタッチ操作されているか否かを判定する。タッチされていれば(ステップS140のYES)、基準速さ以上で且つ基準距離以上のストローク操作の有無を判定する(ステップS142)。
【0117】
ストローク操作が有っても基準速さ未満であったり、移動距離が小さい場合には(ステップS142のNO)、更にホームベース30内で打撃位置マーク32がドラッグ操作されているか否かを判定する(ステップS144)。
そして、ホームペース30内でドラッグ操作があると判断した場合には(ステップS144のYES)、処理部200は記憶部500の立ち位置座標550に格納されている座標をドラッグ操作に応じて変更して、バッターボックス6内のバッター8の立ち位置を変更するとともに(ステップS146)、打撃位置マーク32と打撃方向ガイド34R,34C,34Lを一体的にドラッグ位置に移動させる(ステップS148)。
タッチが解除されドラッグがリリースされるまでステップS146〜S148の処理が繰り返され、リリースされると(ステップS150のYES)、処理部200は打撃操作判定処理を終了する。
【0118】
一方、打撃位置マーク32へのタッチ以降、基準以上のストローク操作が有った場合には(ステップS142のYES)、処理部200は打撃開始操作が入力された、つまりバットが振られたと判断して打撃開始フラグ552に「1」を格納するとともに、打撃開始時刻554にその時点のシステム時刻を格納する(ステップS152)。
そして、基準以上のストローク操作の移動方向が移動体の移動表示方向に沿った方向(逆方向)である場合、つまり打撃位置マーク32より画面下方向である場合には(ステップS154のYES)、本打撃をバントと判定しバントフラグ556に「1」を格納して(ステップS156)、打撃操作判定処理を終了する。
【0119】
反対に、打撃位置マーク32よりも画面上方向(順方向)にストローク操作された場合には(ステップS154のNO)、処理部200は本打撃をヒッティングと判断し、バントフラグ556に「0」を格納するとともに、打撃位置マーク32を基準にして画面上方に判定領域36R,36C,36L(図7参照)を設定し、現在のタッチ位置が含まれる判定領域に対応する方向を打撃方向と決定し、打撃方向データ558に決定した打撃方向の識別情報を格納し(ステップS158)、打撃操作判定処理を終了する。
【0120】
さて、打撃操作判定処理を終了したならば、図14のフローチャートに戻って、処理部200は打撃開始フラグ552を参照する。打撃開始フラグ552が「1」でバットが振られたと判断されたならば(ステップS114のYES)、バットに当たったか否かの判定をする(ステップS116)。例えば、投球開始時刻534と打撃開始時刻554との時間差と、ジャストミートの時間として定められた基準時間差との差異が、当たったと判定される範囲内であればバットに当たったと判定するとしても良い。
【0121】
打撃開始フラグ552が「0」のままである場合(ステップS114のNO)及びバットを振ったが当たらなかったと判定した場合には(ステップS116のNO)、ボールの移動表示を行い(ステップS118)、ボールがキャッチャーに到達したか否かを判定する(ステップS119)。到達していない場合には(ステップS119のNO)、ステップS112に移行して再度打撃操作判定処理を実行する。到達した場合には(ステップS119のYES)、図12のステップS32へ処理を移行する。
【0122】
一方、ボールがバットに当たったと判定した場合には(ステップS116のYES)、打球計算処理を実行して打球の方向・飛距離の算出を行い(ステップS120)、また公知の野球ゲームと同様に守備処理を実行する(ステップS122)。この時、打撃パラメータ524が参照される。バントフラグ556に「1」が格納されていれば、バントヒットとしての打球の方向・飛距離が算出される。
そして、図12のフローチャートに戻ってプレイ結果の判定処理を実行する(ステップS32)。
【0123】
よって、本実施形態の打撃操作判定処理によれば、スタイラスペン1416をホームベース30の表示範囲内で打撃位置マーク32にタッチさせてドラッグするだけで、バッター8の打撃位置を直感的な操作で容易に変更・設定することができる。また、打撃位置マーク32にスタイラスペン1416をタッチさせて、所望するタイミングで打撃方向ガイド36R,36C,36Lの何れかの方向にストローク操作すれば、打撃開始操作と打撃方向入力操作とを一連の動作で入力することができる。つまり、あたかもスタイラスペン1416のペン先をバットに見立てて振るかのような直感的な操作を実現することができる。
【0124】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様の構成を有するが、投球操作における球速入力操作の方法が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与し説明は省略する。
【0125】
図16は、本実施形態における球速入力方法を説明する為の概念図である。同図(a)の投球操作入力画面W40に示すように、本実施形態の投球位置マーク12Bは、同心の小円部42、中円部44、大円部46を有する。
【0126】
本実施形態で球速「緩い(遅い)」を入力するには、同図(b)に示すように、投球位置マーク12Bの小円部42にスタイラスペン1416をタッチさせて小円部42内で小さな円軌跡を描いた後、第1実施形態と同様にして所望する投球方向の投球ガイド14R,14C,14Lの何れかに沿って第1のストローク操作をすることで投球開始入力操作をし、希望に応じて更に第2のストローク操作をして投球後変化方向入力操作をする。処理部200は、投球位置マーク12Bへのタッチ検出から第1のストローク操作を検出するまでの間の円軌跡の大きさを判定し、小円部42の直径以下の円軌跡が描かれた場合には球速「緩い(遅い)」が入力されたと判断する。
尚、ここで言う円軌跡は、幾何的な真円で有ることに限定するものではなく、図形の分類として円と見ることができればよく、歪んでいたり完全な閉曲線を為していなくとも良い意味である。
【0127】
同様にして、球速「並」を入力するためには、同図(c)に示すように、投球位置マーク12Bへスタイラスペン1416をタッチさせた後、小円部42よりも大きい中円部44内で小円部42より大きく中円部44の大きさ以下の円軌跡を描くようにして第1のストローク操作をする。また、球速「速い」を入力するためには、同図(d)に示すように投球位置マーク12Bへスタイラスペン1416をタッチさせたのち、中円部44よりも大きい大円部46内で中円部44より大きく大円部44の大きさ以下の円軌跡を描くようにして第1のストローク操作をする。
尚、タッチパネル1409での軌跡の形状や軌跡の大きさの判定は、公知のタッチパネルを用いた図形入力技術や文字入力に関する識別技術等を利用することができる。
【0128】
図17は、本実施形態における投球操作判定処理Bの流れを説明するためのフローチャートである。基本的には第1実施形態の同処理と同じ流れを有するが、球速設定カウンタ部217に係る処理が省略され、代わりにステップS80の前にステップS79a、S79bを実行する。すなわち、投球位置マーク12B内で描かれた円軌跡の大きさを判定し(ステップS79a)、判定した円軌跡の大きさに応じて球速を決定する(ステップS79b)。
【0129】
よって本実施形態によれば、投球位置マーク12Bにタッチした後に一筆書きで描く図形の大きさで、球速を入力できるのでより直感的な操作入力を実現することができる。従来技術のように、球速に応じた早さでストローク操作をする必要が無いので投球操作を繰り返しても操作にかかる手の負荷が格段に小さい。
【0130】
[第3実施形態]
尚、第2実施形態では球速入力に係り投球位置マークで描く軌跡を円としたがこれに限るものではなく、また複数種類を混在させることもできる。
例えば、第3実施形態として図18(a)の球操作入力画面W42に示すように、投球位置マーク12Cを矩形領域とし、同領域下側中央に書き出し位置ガイド48を表示させる。書き出し位置ガイド48は、投球操作のタッチ開始に適した書き出しの指標である。また、投球位置ガイド12Cには、矩形領域いっぱいに複数種類の軌跡のガイド50、52が描かれる。同図の例では、ガイド50は円軌跡のガイド、ガイド52は下向き三角形軌跡のガイドを表している。
【0131】
そして、同図(b)に示すように、投球位置マーク12C内で円軌跡がガイド50と同程度に描かれた場合には、投球上下コースが「高め」で球速が「速い」の入力が為されたと判定する。また同図(c)に示すように、円軌跡の大きさが中程度であれば同じ円軌跡でも投球上下コースが「高め」で球速が「並」の入力が為されたと判定する。図示されていないが、円軌跡の大きさが更に小さい小程度であれば、投球上下コースが「高め」で球速が「緩い(遅い)」の入力が為されたと判定するのは勿論である。
【0132】
投球位置マーク12C内で描かれる軌跡が下向き三角形状の場合には、投球上下コースが「低め」とされ、軌跡の大きさによって球速が判定されるのは同様である。
すなわち、同図(d)に示すように、投球位置マーク12C内で下向き三角の軌跡がガイド52と同程度に描かれた場合には、投球上下コースが「低め」で球速が「速い」の入力が為されたと判定する。同図(e)に示すように、下向き三角の軌跡の大きさが小程度であれば同じ軌跡種類であっても球速が「緩い(遅い)」の入力が為されたと判定する。図示されていないが、下向き三角の軌跡の大きさが中程度であれば、投球上下コースが「低め」で球速が「並」の入力が為されたと判定するのは勿論である。
【0133】
この例の場合、第3実施形態における投球判定処理Cの流れは例えば図19の様になる。すなわち第2実施形態における投球判定処理のステップS79aの前処理として、投球位置マーク12C内に描かれた軌跡の種類を判定する処理(ステップS77a)と、続く判定した軌跡種類に応じて球種(この場合、投球上下コースの種類に相当)を決定する処理(ステップS77b)とを実行すれば良い。また、第2実施形態における投球判定処理のステップS79a及びS79bの処理は、軌跡の大きさを判定し(ステップS78a)、軌跡の大きさに応じて球速を決定する(ステップS78b)処理とすれば良い。
尚、投球位置マーク内で描かれる軌跡の種類に応じて設定される移動制御のパターンは、投球コースの高/低に限らず、適宜設定可能で有るのは勿論である。
【0134】
[変形例]
以上、本発明を適用した第1〜第3実施形態について説明したが、本発明の適用形態がこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更をすることができる。例えば、上記実施形態では野球ゲームを実行する場合を例としたが、移動体の移動制御に係り大きさと方向の入力を要するゲームや移動体を打撃するゲームについては同様に適用することができる。例えば、テニスゲーム、ホッケーゲーム、サッカーゲームのペナルティキックのシークエンス、ゴルフゲームに適用できる。勿論これらに類似する要素を含んだRPGにも適用できる。
【0135】
また、上記実施形態の打撃操作方法でバントを入力する方法は、スタイラスペン1416でホームベース30から下向きのストローク操作を入力する方法に限らない。
例えば、図20の打撃操作入力画面W44に示すように、打撃方向ガイド34R,34C,34Lの何れかに沿って第1のストローク操作をする途中で、ストローク方向を反転して第2のストローク操作が入力された場合に、バントによる打撃開始が入力されたと判断する構成としても良い。この場合、第1ストローク操作による打撃開始入力の判定時に、同時に打撃方向を判定できるのでバントであっても打撃方向を入力することが可能になる。
【0136】
具体的には、図21の打撃操作判定処理Bのフローチャートに示すように、第1実施形態のステップS154に代えて、ストロークの方向の反転検出処理を実行し(ステップS155)、反転が検出された場合には(ステップS155のYES)、バントによる打撃と判断する(ステップS156)。
【0137】
更には、第1ストローク操作と逆向きの第2ストローク操作の検出を利用して打撃開始のキャンセルをかける構成とすることもできる。
具体的には、図22の打撃操作判定処理Cのフローチャートに示すように、処理部200が第1のストローク操作の後にそれとは反対方向に連続して第2のストローク操作がなされたことを検出した場合に(ステップS155のYES)、スイングが止められたと判断して、打撃開始フラグ556を「0」に戻して打撃開始をキャンセルし(ステップS158)、打球の移動制御を無効としてピッチャーからキャッチャーへ向けて移動中のボール(移動体)の移動表示を継続させる構成としても良い。
【0138】
また、上記実施形態の球速入力操作時に、図23の投球操作入力画面W46に示すように、タッチパネル1409へのタッチ操作によって入力された投球する力の大きさとしてゲージ60や、第1のストローク操作で入力されたストローク長を示すバーグラフ70を表示するとしても良い。
【0139】
例えば、第1実施形態であれば、投球判定処理内において球速設定カウンタ部217のカウンタ値に応じてゲージ60を伸ばすように表示制御するステップを追加して、今現在入力されている投球する力を示す。ゲージ60の背景は始点(同図では左端)からの距離に応じて球速「緩」「並」「速」の3区画62,64,66に色分けされており、ゲージの長さがどの区画まで伸びているかで今現在の入力状態でどの球速を選択できるかが視覚的に明らかとなる。第2及び第3実施形態であれば、投球判定処理内において球速が判定された時点で判定された球速に該当する何れかの区画の明度を上げて表示したり明滅表示する構成としても良い。
【0140】
更に、投球判定処理内において、操作位置マーク12から現在のタッチ位置までの距離を算出する処理と、算出した長さに応じたバーグラフ70を表示する処理とを追加して、今現在どれだけのストロークを入力したかが分かるようにする。バーグラフ70の伸び方向には、投球開始入力操作の判定基準となる基準距離に相当する位置に到達目標ライン72を表示するとより好適である。尚、バーグラフ70は、同図の例では黒棒が白枠に沿って下方に向けて延びるように表示されるものとする。
【0141】
更には、投球する力を、効果音で出力することもできる。
例えば、図24に示すように記憶部500に投球力レベル音データ519を予め記憶させておく。投球力レベル音データ519には、球速に応じて音程やテンポの異なる効果音、或いは投球時の効果音と言った複数種類の音源データが対応付けて格納されている。そして、音生成部250が、投球判定処理内において球速が判定された時点で判定された球速に対応する音源データを読み出してこれを再生して音信号を生成し、音出力部350に出力する。すると、スピーカ1410から投球力、即ち球速に応じた音が放音されることとなり、今回の投球操作入力でどの程度の球速と判定されたかを聴覚的に認識することができるので操作感が向上する。
【0142】
また、上記実施形態では複数の画像表示装置(液晶ディスプレイ)を用いる構成とし、ゲーム画面と、投球操作入力画面及び打撃操作入力画面とを異なる画像表示装置に表示する構成としたがこれに限らず、一つの液晶ディスプレイに合わせて表示するとしても良い。
例えば、図25に示すように、タッチパネル1409が一体に設けられた単独の画像表示装置1302を有する業務用ゲーム装置1300を用いることとしてもよい。業務用ゲーム装置1300は、画像表示部360に相当する画像表示装置1302と、音出力部350に相当するスピーカ1304と、操作入力部100に相当するジョイスティック1306及びボタンスイッチ1308、画像表示装置1302の画像表示面に設けられたタッチパネル1409とその入力用のスタイラスペン1416を備える。
【0143】
また、筐体内には第1実施形態における制御ユニット1450に相当する制御基板1320を搭載する。制御基板1320は、ゲーム演算などを実行するCPUや音声生成LSI、GPU等のLSIや、RAMやROMと言ったICメモリを搭載し、業務用ゲーム装置1300全体の動作を制御する手段であり、処理部200及び記憶部500に相当する。システムプログラムやゲームプログラム、及び各種データは予めICメモリに記憶させておく構成としても良いし、第1実施形態と同様に通信部370に相当する無線通信モジュールを搭載して、通信回線を介して外部装置からダウンロードして使用する構成でも良い。
【0144】
そして、プレーヤは、画像表示装置1302に表示されたゲーム画像を見、スピーカ1304から放音される効果音などを聞きつつ、ジョイスティック1306やボタンスイッチ1308に加えて、スタイラスペン1416で画面にタッチ操作して各種操作入力してゲームを楽しむ。
【0145】
そしてゲーム画面は、例えばプレーヤチームが守備側で有る場合には、図26に示すように第1実施形態におけるゲーム画面W2(図2参照)のピッチャー4の付近に投球位置マーク12及び投球方向ガイド14R,14C,14Lを表示する構成とすると良い。プレーヤチームが攻撃側で有る場合には、同様にしてゲーム画面W20(図5参照)のホームベース付近に打撃位置マーク32と打撃方向ガイド34R,34C,34Lを表示する構成とすると良い。
【0146】
また、ゲーム実行のハードウェアは、その他タッチパネルを備えた構成であれば家庭用ゲーム装置や、パソコン、携帯電話機、PDAなどを用いる構成としても良いのは勿論である。
【0147】
或いは、ボールの移動制御方法に投球操作における諸量を反映させる構成とすることもできる。
具体的には、選手キャラクタ設定データ512には、公知の野球ゲームと同様に各選手の能力値として、投球のコントロールに係る能力として投球力値と、制球能力値と、変化球能力値と、が設定されているものとする。
投球力値は、ボールを投げる最大力に相当する。例えば、最大球速で設定しても良い。
制球能力値は、値が小さいほどコントロールが乱れ易く、大きいほどコントロールが正確であることを意味する。
変化球能力値は、値が大きいほど変化球がより曲がる、つまり投球後のボールのコース変化量が大きくなりやすいことを意味する。
【0148】
そして、第1実施形態のステップS18(図12参照)を、図27の投球ボール位置算出処理の流れを説明するためのフローチャートに示すように実行する。すなわち、投球ボール位置算出処理では先ず、処理部200は選手キャラクタ設定データ512を参照して現在ピッチャーに設定されている選手キャラクタの投球に係る能力値を参照する(ステップS200)。
【0149】
そして、球速データ540に格納されている球速を示す情報と投球能力値とに基づいてボールの投球速度を決定する(ステップS202)。例えば、球速が「緩い」の場合には投球能力値に応じた最大球速の30%の速度、球速が「並」の場合には50%の速度、球速が「速い」の場合には80%の速度を基準速度として算出する。次いで、制球能力値に応じて同値が大きいほど変動値幅を設定し、同変動値幅内の適用変動値を乱数によって決定し、決定した適用変動値を基準速度に加算或いは減算して投球速度を決定するとしても良い。
【0150】
次に、処理部200は球速データ540に格納されている球速を示す情報と、投球方向542(図10参照)に格納されている投球方向を示す情報と、制球能力値とに基づいてボールの投球方向を決定する(ステップS204)。
例えば、投球方向542の情報で基本方向を決定する。次いで、投球方向の変動角度幅を、球速データ540の球速が大きいほど大きくなるように、且つ制球能力値が大きいほど大きくなるように設定し、同変動角度幅内の適用変動角度を乱数によって決定し、決定した適用変動角度を基準方向に加算或いは減算して投球方向を決定するとしても良い。
【0151】
次に、処理部200は球速データ540に格納されている球速を示す情報と、投球後変化方向546(図10参照)に格納されている投球後のボールのコース変化方向を示す情報と、制球能力値と、変化球能力値とに基づいてボールの投球方向を決定する(ステップS206)。
例えば、投球後変化方向546の情報で基本変化量を決定する。次いで、変化量幅を、ピッチャーの変化球能力値が大きいほど大きくなるように、且つ制球能力値が小さいほど小さくなるように設定し、同変動量幅内の適用変動量を乱数によって決定し、決定した適用変動量を基準変化量に加算或いは減算して実際に適用される投球後の変化量を決定するとしても良い。
【0152】
そして、処理部200は投球開始時刻534から現在時刻との差から投球後の経過時間を算出し(ステップS208)、公知の野球ゲームと同様に同経過時間後のボールの位置座標・速度をステップS202〜S206で決定した球速・投球方向・投球後変化量を元に算出し(ステップS210)、投球ボール位置算出処理を終了する。尚、ここで言う演算式は物理演算を用いるとしても良いし、適宜作成した簡易式であっても良い。
【0153】
尚、球速や投球方向の決定に際しては、球速データ540を参照するのではなく、第1ストローク操作の移動速や移動量に基づいて決定する構成としても良い。
具体的には、投球操作判定処理内で、ステップS80〜ステップS94の間に、第1ストローク移動速度(最大速度でも平均値でも良い。)を算出し、投球パラメータ522の一要素として記憶部500に記憶させるステップや、ステップS94の直後に第1ストロークの終端位置座標を投球パラメータ522の一要素として記憶部500に記憶させるステップを追加する。この第1ストロークの終端位置座標と投球開始判定座標544(図10参照)との距離が移動量となる。そして、上記のステップS202及びS204において、球速データ540の参照に代えて或いは追加して、第1ストロークの移動速、移動量が大きいほど球速の変更値幅や投球方向の変動角度幅が大きくなるように設定することで実現できる。
【0154】
また同様にして、球速データ540を参照するのではなく、第2ストローク操作の移動速や移動量に基づいて決定する構成としても良い。この場合には、投球操作判定処理内で、ステップS94の直後に第2ストローク移動速度(最大速度でも平均値でも良い。)を算出し、投球パラメータ522の一要素として記憶部500に記憶させるステップや、ステップS96の直後に第2ストロークの終端位置座標を投球パラメータ522の一要素として記憶部500に記憶させるステップを追加する。この第2ストロークの終端位置座標と投球開始判定座標544との距離が移動量となる。そして、上記のステップS202及びS204において、球速データ540の参照に代えて或いは追加して、第2ストロークの移動速、移動量が大きいほど球速の変更値幅や投球方向の変動角度幅が大きくなるように設定することで実現できる。
【0155】
また、投球操作判定処理において、投球後変化方向の決定に際しては、第1ストロークからストローク方向が左右に基準以上変化したことを利用しているとした(例えば、図12のステップS94)が、投球開始判定された後にタッチ位置が所定時間略同一位置に保持された場合に、そのタッチ位置が判定領域18R,18Lの何れにあったかで決定する構成とすることもできる。
より具体的には、ステップS94に代えて、投球開始判定以降において前回投球操作判定処理が実行されてから今回実行されるまでのタッチ位置の移動量を算出する処理と、算出した移動量が位置保持状態と判断できる基準移動量以下である場合にタッチ状態が解除されるまで時間を計時する処理とを実行する。そして、計時された時間が所定基準時間以上(例えば、1秒以上)である場合に、ステップS96に進む構成とすると実現できる。
つまり、第1ストロークの終端で一旦スタイラスペン1416の動きを止め、その後判定領域18R,18Lの何れかにタッチ位置をずらすだけで、投球後変化方向を入力できるようになる。この方法では、第1ストロークを振りぬくようにして行うと、タッチ位置が保持されなくなるため、ステップS96の処理は実行されないので投球変化後方向546(図10参照)に格納される情報は初期化された状態である「変化方向無し」に相当することとなるので、結果として「ストレート」が投げられることとなる。
また更に、判定領域18R,18Lの設定位置を、投球位置マーク12をセンターとして当該マーク下方の左右の領域に設定すると判定領域の境が分かりやすく好適である。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】携帯ゲーム装置の構成例を示す図。
【図2】プレーヤチームが守備側である場合のゲーム画面と投球操作入力画面の例を示す図。
【図3】投球操作の入力手順を説明するための図。
【図4】投球操作の入力手順を説明するための図。
【図5】プレーヤチームが攻撃側である場合のゲーム画面と打撃操作入力画面の例を示す図。
【図6】打撃操作の入力手順を説明するための図。
【図7】打撃操作の入力手順を説明するための図。
【図8】バントによる打撃操作の入力方法を説明するための図。
【図9】第1実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図10】投球パラメータのデータ構成例を示す図。
【図11】打撃パラメータのデータ構成例を示す図。
【図12】第1実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図13】第1実施形態における投球操作判定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図14】図12から続くフローチャート。
【図15】第1実施形態における打撃操作判定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図16】第2実施形態における投球操作の方法を説明するための図。
【図17】第2実施形態における投球判定処理Bの流れを説明するためのフローチャート。
【図18】第3実施形態における投球操作の方法を説明するための図。
【図19】第3実施形態における投球判定処理Cの流れを説明するためのフローチャート。
【図20】バントの操作入力方法の変形例を説明するための図。
【図21】打撃操作判定処理Bの流れを説明するためのフローチャート。
【図22】打撃操作判定処理Cの流れを説明するためのフローチャート。
【図23】タッチパネルへの操作入力に基づいて判定された大きさ値を表示した画面例。
【図24】タッチパネルへの操作入力に基づいて判定された大きさ値に基づいて音出力することのできる機能構成例を示す機能ブロック図。
【図25】タッチパネルを備えた業務用ゲーム装置の構成例を示す斜視外観図。
【図26】ゲーム画面に投球操作入力画面を合わせて表示する場合の表示例を示す図。
【図27】投球ボール位置算出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0157】
12 投球位置マーク
14R,14C,14L 投球方向ガイド
16R,16C,16L 判定領域
18R,18L 判定領域
32 打撃位置マーク
34R,34C,34L 打撃方向ガイド
36R,36C,36L 判定領域
60 ゲージ
100 操作入力部
102 第1接触位置検出部
104 第2接触位置検出部
200 処理部
210 ゲーム演算部
250 音生成部
260 画像生成部
360 画像表示部
362 第1画像表示部
364 第2画像表示部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
522 投球パラメータ
524 打撃パラメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、移動体を移動制御してゲームを実行させるためのプログラムであって、
タッチパネルへ為されたタッチ操作の位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段、
前記タッチ操作から前記ストローク操作の開始判定までに、タッチ位置の保持に要した連続時間を計時する計時手段、
前記計時手段によって計時された連続時間の長さに基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記移動制御手段が、前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値に応じて前記移動体の移動速度を可変に制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ストローク開始判定手段が、タッチ位置の変化が所定の許容範囲を超える変化をした場合にストローク操作の開始を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置に基づいて第2の方向を決定する第2方向決定手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記移動制御手段が、移動開始後の前記移動体の移動方向を、前記第2方向決定手段によって決定された第2の方向へ変化させる
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2方向決定手段が、前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置の変化方向に基づいて前記第2の方向を決定するように前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2方向決定手段が、前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置の変化の大きさに応じて前記第2の方向を可変するように前記コンピュータを機能させるための請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2方向決定手段が、前記ストローク開始判定手段による開始判定後のタッチ位置が所定時間略同一位置に位置した場合の当該位置に基づいて前記第2の方向を決定するように前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
前記移動制御手段が、前記移動体の移動方向を前記第2の方向へ変化させる程度を、前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値を用いて決定するように前記コンピュータを機能させるための請求項4〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値を示す大きさ値表示体を表示制御する大きさ値表示体表示制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値に基づいて効果音を可変に出力制御する音出力制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、移動体を移動制御してゲームを実行させるためのプログラムであって、
タッチパネルが画像表示面に設けられた画像表示部にタッチ開始位置指標を表示させるタッチ開始位置指標表示制御手段、
前記タッチ開始位置指標内に於けるタッチ位置の移動軌跡に基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段、
前記タッチパネルへのタッチ位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
前記移動軌跡の形状を判定する軌跡形状判定手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記移動制御手段が、前記軌跡形状判定手段によって判定された形状に基づいて複数の移動制御パターンの中から何れかを選択して前記移動体を移動制御する
ように前記コンピュータを機能させるための請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値に基づいて大きさ指標を表示制御する大きさ指標表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記移動制御手段が、前記ストローク操作の大きさに応じて前記移動体の移動方向を可変するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項16】
移動体を移動制御してゲームを実行させるためのゲーム装置であって、
タッチパネルへ為されたタッチ操作の位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段と、
前記タッチ操作から前記ストローク操作の開始判定までに、タッチ位置の保持に要した連続時間を計時する計時手段と、
前記計時手段によって計時された連続時間の長さに基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段と、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段と、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項17】
移動体を移動制御してゲームを実行するためのゲーム装置であって、
タッチパネルが画像表示面に設けられた画像表示部にタッチ開始位置指標を表示させるタッチ開始位置指標表示制御手段と、
前記タッチ開始位置指標内に於けるタッチ位置の移動軌跡に基づいて操作入力の大きさ値を決定する大きさ値決定手段と、
前記タッチパネルへのタッチ位置の連続変化から、ストローク操作の開始を判定するストローク開始判定手段と、
前記ストローク操作に基づいて方向を決定する方向決定手段と、
前記大きさ値決定手段によって決定された大きさ値及び前記方向決定手段によって決定された方向を用いて前記移動体を移動制御する移動制御手段と、
を備えるゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−142510(P2009−142510A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324087(P2007−324087)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】