説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】プレーヤキャラクタの行動意欲がその先のゲームの展開に反映されている感じを得やすいゲームを実現する。
【解決手段】ゲームプレイはゲーム世界の日毎や週毎といった期間単位のターンで構成される。1ターン内ではイベントプレイ可能であり、イベントの結果に応じてプレーヤキャラクタ2は仮想養分8を獲得する。そして、獲得した仮想養分8を使って仮想植物24を育成し、イベントシード28を獲得することができる。イベントシード28を主要キャラクタ4a〜4dにセットし関連づけすると、次のターンではイベントシード28のセットされた主要キャラクタが登場するイベントが実行可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベント期間を繰り返し設けてゲーム進行するゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
RPG(ロールプレイングゲーム)やAVG(アドベンチャーゲーム)といったカテゴリのビデオゲームでは、主たるゲームストーリに内包されるサブストーリが、ゲーム中の適当なタイミングでイベントとして発生され、プレーヤはイベントをクリアしながらゲームを進めるものが良く知られるところである。こうしたイベントクリア型のゲームでは、イベント内でのプレーヤキャラクタの行動結果に応じたストーリ展開の分岐が用意されており、プレイ結果に応じたゲーム展開が楽しめるように工夫されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、イベントクリア型のゲームでは、イベントをクリアすることによってプレーヤキャラクタ等の内部パラメータ値が変更されるのが一般的である。例えば、剣術攻撃力、魔法攻撃力、射撃攻撃力、走力などといった能力の内部パラメータ値が変更され、それら内部パラメータ値の割合によってプレーヤキャラクタが異なる成長過程を進むゲームも知られるところである。中には、プレーヤキャラクタの成長形態が所定の成長形態基準に達していると発生するが、成長形態基準に満たない場合には発生しないギミックイベントをゲームフィールド上に多数設定し、プレーヤキャラクタの成長形態に応じて異なるゲーム展開となるように工夫されたものもある(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−105959号公報
【特許文献2】特開2006−42879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のRPGやAVGなどで発生するイベントの内容やタイミングは、基本的にプレーヤの希望が介入する余地は少ない。
なお、RPGで勇者が挑戦するダンジョンを1つのイベントと見なせば、どこのダンジョンに挑戦するかの選択に関してプレーヤの介入する余地があるとも言える。しかし、そのダンジョンのイベントプレイで繰り広げられるサブストーリの内容を事前に知ることはできず、実質的にサブストーリの内容に関してプレーヤの希望が介入する余地は無い。
【0006】
一方、近年のRPGやAVGに見られるようにプレーヤキャラクタの成長をテーマとするゲームが人気である。そうしたゲームでは、プレーヤがプレーヤキャラクタになりきる“なりきり感”を楽しむものであるが、前述のように次に発生するであろうイベントのサブストーリの内容に自身の希望が全く反映されない構成のため、実質的には自身の行動意欲がその先の人生の展開(つまりはゲームの展開)に反映されている感じが薄く、所詮は予め定められたゲーム展開の選択にすぎない感じを払拭できなかった。こうした不自由感は、プレーヤキャラクタが他のキャラクタとの様々な関わりを経て人間関係を育て、自身が成長していく過程をテーマとするゲームでは特に顕著である。
【0007】
本発明はこうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレーヤキャラクタの行動意欲がその先のゲームの展開に反映されている感じを得やすいゲームを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための第1の形態は、コンピュータに、イベント期間を繰り返し設けてゲーム進行するゲームを実行させるためのプログラムであって、
イベント期間中に発生したイベントに応じて、所定の数量満足条件を満たした場合にアイテムを発生可能な所定のファクターエレメント(例えば、図2の仮想養分8)を取得するファクターエレメント取得手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、ファクターエレメント取得部216、図17のステップS60〜S64)、
取得された前記ファクターエレメントが前記数量満足条件を満たした場合にアイテム(例えば、図2のイベントシード28)を発生させるアイテム発生手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、アイテム発生部218、図13の収穫済みイベントシードリスト518h、図17のS82〜S88)、
発生された前記アイテムをプレーヤの操作入力に従って複数のNPC(ノン・プレイヤブル・キャラクタ)のうちの何れかに関連付ける関連付け手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、関連付け設定部220、図14のセット済みイベントシードリスト520c、図18のステップS100〜S116)、
前記アイテムが関連付けられたNPCが登場するイベントを前記イベント期間で実行する制御を行うイベント実行制御手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、イベント実行制御部222、記憶部500、イベント担当分けデータ513、図16のステップS26〜図17のステップS48)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、別形態として、イベント期間を繰り返し設けてゲーム進行するゲームを実行するゲーム装置であって、
イベント期間中に発生したイベントに応じて、所定の数量満足条件を満たした場合にアイテムを発生可能な所定のファクターエレメントを取得するファクターエレメント取得手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、ゲーム演算部210、ファクターエレメント取得部216、図17のステップS60〜S64)と、
取得された前記ファクターエレメントが前記数量満足条件を満たした場合にアイテムを発生させるアイテム発生手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図9の処理部200、ゲーム演算部210、アイテム発生部218、図13の収穫済みイベントシードリスト518h、図17のS82〜S88)と、
発生された前記アイテムをプレーヤの操作入力に従って複数のNPCのうちの何れかに関連付ける関連付け手段(例えば、図1の制御ユニット1450、タッチパネル1409、スタイラスペン1416、図9の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、関連付け設定部220、図14のセット済みイベントシードリスト520c、図18のステップS100〜S116)と、
前記アイテムが関連付けられたNPCが登場するイベントを前記イベント期間で実行する制御を行うイベント実行制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、タッチパネル1409、スタイラスペン1416、図9の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、イベント実行制御部222、記憶部500、イベント担当分けデータ513、図16のステップS26〜図17のステップS48)と、
を備えたゲーム装置を実現することができる。
【0010】
第1の形態によれば、プレーヤはイベントプレイの結果に応じて、ゲーム内でアイテムを発生させるための影響因子、ファクターエレメントを獲得できる。そして、獲得したファクターエレメントが所定のアイテム発生条件を満たすとアイテムを発生させ、できたアイテムを複数のNPCの何れかに関連付けることができる。するとアイテムが関連付けられたNPCが登場するイベントが発生されてプレイ可能になる。
つまり、できたアイテムを所望するNPCに関連づける意欲的行動によって、所望するNPCとの関係性がもてるような次のイベントが実行されることとなる。
よって、プレーヤはプレーヤキャラクタの行動意欲がその先のゲームの展開に反映されている感覚を得られ易くなる。また、イベントプレイを行って後にアイテムの関連づけを行うことで、関連づけたNPCの登場する新たなイベントが発生するという1つのサイクルとして俯瞰することができる。このサイクルは、プレーヤにとって、あたかも人生においてこうありたいという願いと、願いを実現するための行為/出来事とが、循環的に次々に現れるかのように作用する。これは、プレーヤキャラクタが他のキャラクタとの様々な関わりを経て人間関係を育て、自身が成長していく過程をテーマとするゲームにおいて、プレーヤの自由度と、なりきり感とを高める観点から大変効果的である。
【0011】
第2の形態は、前記イベントのプレイ結果に応じて、前記NPC別に、当該NPCとプレーヤキャラクタとの関係パラメータ値(例えば、図2の評価パラメータ12)を可変する関係パラメータ値可変手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、パラメータ値変更部214、図10のイベント結果設定データ512f、パラメータ値変更設定512h、図17のステップS46)として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ファクターエレメント取得手段が、前記NPC別の関係パラメータ値に基づいて、取得する前記ファクターエレメントの量及び/又は種類を可変するように前記コンピュータを機能させるための第1の形態のプログラムである。
【0012】
第2の形態によれば、第1の形態のプログラムと同様の効果が得られるとともに、イベントのプレイ結果に応じて、NPC別にプレーヤキャラクタとの関係性の度合いを可変し、関係性の度合いに基づいてファクターエレメントの量及び/又は種類を可変することができる。よって、イベントプレイに伴うプレーヤキャラクタと当該イベントに登場するNPCとの関わりの結果が、次のゲーム展開への関与度合いに影響する構成を実現し、ゲームにより深みを与えることができる。このことは、プレーヤキャラクタが人間関係の経験を経て成長していく過程をテーマとするゲームにおいて、現実の人間界の複雑な人間関係が及ぼす影響を擬似的に実現する意味でも効果的である。
【0013】
第3の形態は、前記NPC別の関係パラメータ値に基づいて前記ゲームのエンディング種類を変更して実行するエンディング制御手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、エンディング制御部226、エンディングデータ524、図18のステップS126〜S132)として前記コンピュータを機能させるための第2の形態のプログラムである。
【0014】
第3の形態によれば、第2の形態と同様の効果が得られるとともに、イベントプレイを介して変更を重ねたNPC別の関係パラメータ値を元にゲームのエンディングが選択される。よって、プレーヤキャラクタが人間関係の経験を経て成長していく過程をテーマとするゲームにおいて、最終的に作り上げた関係性に応じたエンディングが選択・実行されることは、ゲームの締めくくりとして好適となる。
【0015】
第4の形態は、所定の選択操作入力に応じてプレーヤキャラクタの行動パラメータ(例えば、図2の「心がけ」の設定、図4及び図8の第1選択欄48、第2選択欄50)を前記イベント期間毎に設定する行動パラメータ設定手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、行動パラメータ設定部212、図12の心がけ選択肢設定データ514、図13の心がけ設定データ518f、図16のステップS16〜S18)、として前記コンピュータを機能させ、
前記イベント実行制御手段が、設定されている前記行動パラメータに予め対応付けられた複数のイベントの中から実行するイベントを選択して実行するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第3の何れかの形態のプログラムである。
【0016】
第4の形態によれば、第1〜第3の何れかの形態のプログラムと同様の効果を得ることができるとともに、プレーヤキャラクタのこれからプレイするイベント期間における行動パラメータを設定可能とし、設定された行動パラメータに対応づけられたイベントを選択実行させることができる。
よって、プレーヤキャラクタの行動の有りように呼応したイベントが発生しプレイ可能になるので、より一層プレーヤはプレーヤキャラクタの行動意欲がその先のゲーム展開に影響を与えている感覚を得られる。
【0017】
第5の形態は、前記行動パラメータ設定手段により設定された行動パラメータに応じて、プレーヤキャラクタの内部パラメータの値を変更する内部パラメータ変更手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210、パラメータ値変更部214、図12のパラメータ値変更量514d、図16のステップS22)、として前記コンピュータを機能させ、前記ファクターエレメント取得手段が、前記内部パラメータの値に基づいて、取得する前記ファクターエレメントの量及び/又は種類を可変する、ように前記コンピュータを機能させるための第4の形態のプログラムである。
【0018】
第5の形態によれば、第4の形態と同様の効果に加えて更に行動パラメータに応じてプレーヤキャラクタの内部パラメータ値を変更し、その内部パラメータ値に基づいてファクターエレメントの獲得を調整できる。つまり、プレーヤキャラクタのこれから行われるイベントへの行動の有り様がアイテムの育成に影響を与える構成とし、よりゲームに深みを与えることができる。
【0019】
第6の形態は、前記イベント実行制御手段が、前記行動パラメータ設定手段により設定されている前記行動パラメータに対応付けられ、且つ、実行可能なイベントが有る場合に当該イベントを実行するように前記コンピュータを機能させ、
前記行動パラメータ設定手段により設定されている前記行動パラメータに基づいて、前記イベント実行制御手段による実行可能なイベントの有無をプレーヤに予告する第1予告手段(例えば、図8のイベントカテゴリ表示82、図9の処理部200,ゲーム演算部210、予告表示制御部224、図11のイベント担当分けデータ513、図16のステップS10、S14)、として前記コンピュータを機能させるための第4又は第5の形態のプログラムである。
【0020】
第6の形態によれば、第4又は第5の形態と同様の効果を得ることができるとともに、行動パラメータの選択・設定状態に対応して実行可能になるイベントの有無を予告することで、プレーヤが行動パラメータの選択の際に所望するイベントの発生が実現できる選択ができるようにサポートすることができる。更には、ゲーム内で行動パラメータの選択が次に起こり得るイベントの選択に影響を与えていることをプレーヤに示すことができる。
【0021】
第7の形態は、前記イベント実行制御手段が、前記関連付け手段により前記アイテムが関連付けられ、且つ、実行可能なイベントが有る場合に当該イベントを実行するように前記コンピュータを機能させ、
前記関連付け手段により関連付けられたアイテムとNPCとに基づいて、前記イベント実行制御手段による実行可能なイベントの有無をプレーヤに予告する第2予告手段(例えば、図7の通知表示67,図8のイベントカテゴリ表示82、図9の処理部200,ゲーム演算部210、予告表示制御部224、図11のイベント担当分けデータ513、図16のステップS10、S14、図18のステップS118)、として前記コンピュータを機能させる第1〜第6の何れかの形態のプログラムである。
【0022】
第7の形態によれば、第1〜第6の何れかの形態と同様の効果を得ることができるとともに、アイテムが関連づけられたことにより実行可能になるイベントの有無をプレーヤに予告することができる。よって、プレーヤが所望するイベントが発生できるように、行動パラメータの選択操作やアイテムの関連づけ操作がし易くなるようにサポートできる。
【0023】
第8の形態は、ゲーム世界の仮想カレンダー中の所定の期間単位を前記イベント期間としてゲームを進行制御するとともに、前記ファクターエレメント取得手段、前記アイテム発生手段、前記関連付け手段及び前記イベント実行制御手段を前記イベント期間毎に機能させるように制御するゲーム進行制御手段(例えば、図9の処理部200、ゲーム演算部210)、として前記コンピュータを機能させるための第1〜第7の何れかの形態のプログラムである。
【0024】
第8の形態によれば、第1〜第7の形態の何れかと同様の効果を得ることができるとともに、イベントプレイ、ファクターエレメントの取得、アイテムの生成、アイテムの関連づけ、アイテムが関連づけられNPCの登場するイベントの選択実行を、1つのイベント期間(1ターン)のプレイフェーズの組とすることができる。それはあたかも、プレーヤキャラクタが、他のキャラクタとの様々な関わりを経て人間関係を育て自身が成長していく過程の一日一日、或いは週毎、月毎と言った期間単位(サイクル)である。人間関係に基づくキャラクタの成長をテーマとするゲームでの趣向を高める上で効果的である。
【0025】
第9の形態は、前記ファクターエレメント取得手段が、仮想的な育成体の育成に必要となる育成用取得物を前記ファクターエレメントとして所得し、
前記アイテム発生手段が、取得された前記ファクターエレメントをプレーヤの操作入力に応じて前記育成体に付与して当該育成体を育成する育成制御手段を有し、前記育成体が所定の成熟条件を満たしたことを、前記数量満足条件を満たしたとして前記アイテムを発生させる、ように前記コンピュータを機能させるための第1〜第8の何れかの形態のプログラムである。
【0026】
第9の形態によれば、アイテムがファクターエレメントによって育成される育成体の成果物と位置づけ、ファクターエレメントを育成体に付与するとその育成体が育成されるように見せることができる。よって、アイテムが生成されるまで後どのくらいかかるかをプレーヤに示すことができる。
【0027】
第10の形態は、前記育成制御手段が、前記育成用摂取物をプレーヤの分配操作入力に応じて複数の前記育成体に付与して各育成体の育成を制御し、
前記アイテム発生手段が、前記複数の育成体のうち、前記所定の成熟条件を満たした育成体の種類に応じた種類のアイテムを発生させ、
前記イベント実行制御手段が、前記NPCに関連づけられたアイテムの種類を用いて、当該NPCが登場する複数のイベントの中から実行するイベントを選択して実行する、
ように前記コンピュータを機能させるための第9の形態のプログラムである。
【0028】
第10の形態によれば、第9の形態のプログラムと同様の効果を得られるとともに、並行して複数の育成体を育成することができる。そして、育成体の成長が進み成熟条件を満たした順に育成体の種類に応じた種類のアイテムが生成される。そして、アイテムがNPCに関連づけられると、そのアイテムの種類に基づいて複数の実行可能な候補イベントの中から実行されるイベントが選択される。つまり、プレーヤは、どの育成体を育て、そして育ったアイテムのうちどの種をどのNPCに関連づけるかによって、多様なイベント発生状態を作り出すことができるようになる。
【0029】
第11の形態は、第1〜第10の何れか形態のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第11の形態によれば、第1〜第10の何れかの形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第10の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】携帯型ゲーム装置のシステム構成例を示す図。
【図2】ゲームの進め方の概要を説明するための概念図。
【図3】ゲームの進め方の概要を説明するための概念図。
【図4】1ターン目における「心がけ」設定時のゲーム画面例を示す図。
【図5】イベントプレイ時のゲーム画面例を示す図。
【図6】イベントシード育成時のゲーム画面例を示す図。
【図7】イベントシード設定時のゲーム画面例を示す図。
【図8】2ターン目以降における「心がけ」設定時のゲーム画面例を示す図。
【図9】機能構成例を示す機能ブロック図。
【図10】イベントデータライブラリのデータ構成例を示す図。
【図11】イベント担当分けデータのデータ構成例を示す図。
【図12】心がけ選択肢設定データのデータ構成例を示す図。
【図13】PC(プレーヤキャラクタ)ステータスデータのデータ構成例を示す図。
【図14】NPCステータスデータのデータ構成例を示す図。
【図15】イベントシード養成部ステータスデータのデータ構成例を示す図。
【図16】処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図17】図16よりつづくフローチャート。
【図18】図17よりつづくフローチャート。
【図19】変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を適用した実施形態として、電子機器の一種である携帯型ゲーム装置においてテキストアドベンチャーゲームを実行する例を説明する。
ここで言う「テキストアドベンチャーゲーム」とは、ユーザであるプレーヤがゲーム画面内に表示された登場人物の台詞や状況説明文等を読み進めながら(或いはそれらを声優が読み上げた音声を聴きながら)、コマンドや行動選択をすることを繰り返して所定のストーリを仮想体験するゲームである。ストーリのテーマとプレーヤの操作内容によって、単にドラマを読ませる形式や、探偵に扮した主人公がナゾを解き明かす形式、コマンドや行動の選択に応じてプレーヤキャラクタの能力値が変動し、それに伴って各種イベントが発生し、イベントにおけるコマンドや行動の選択によってゲームストーリが分岐するシミュレーションゲーム形式(例えば、異性への告白を1つのゴールとする恋愛シミュレーション形式)、育成ゲーム形式など様々な形式を取り得る。
【0032】
[ゲーム装置の構成]
図1は、携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図である。本実施形態における携帯型ゲーム装置1400は、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在な折り畳み型の装置本体1401に備えている。
そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示面上には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意位置を接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0033】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1401には図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0034】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0035】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、制御ユニット1450は、無線通信モジュール1412や、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0036】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御してゲームを実行する。
【0037】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、制御ユニット1450に搭載されている主要なプログラムやデータをICメモリに予め記憶している構成とすることができる。或いは、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得する構成としても良い。
また、液晶ディスプレイの数は2つに限らず3以上でも良い。或いは、1つのディスプレイを仮想的に切り分けて使用することで仮想的な複数ディスプレイとすることもできる。
【0038】
[ゲームの概要]
図2〜図3は、本実施形態におけるゲームの進め方の概要を説明するための概念図である。本実施形態では、ゲーム世界の1日を1ターンとして所定期日まで数々のイベントをクリアしながらプレイするテキストアドベンチャーゲームを実行する。本実施形態のゲームは、主人公であるプレーヤキャラクタが、他の登場人物達と様々な出来事(イベント)を経験するなかで意中の異性キャラクタがプレーヤキャラクタに抱く評価(好感度や興味)を高め、最終日にこの異性キャラクタから告白を受けることを最終目標とする。
【0039】
ゲーム世界でのカレンダーの所定日からゲームはスタートする。
図2に示すように、1日(1ターン)は、(1)一日の活動の準備としてプレーヤキャラクタ2の心がけを設定する事から始まる。ここで言う「心がけ」とは、プレーヤキャラクタ2が1日過ごす上で心に留め置く目標である。本実施形態では、行動目標と思考目標の2つの観点それぞれ1つずつ「心がけ」を設定する。
前者(行動目標)の具体例としては、「笑顔であいさつ」「ゴミを拾う」「お年寄りに親切にする」「積極的に会話」など行動内容に触れた内容が挙げられる。後者(思考目標)の具体例としては、「くよくよしない」「相手の気持ちを考える」「あきらめない」などメンタル面での有り様に触れた内容が挙げられる。図中では、各設定が「心がけα」「心がけβ」が選択されたものとして表記している。
【0040】
「心がけ」を設定すると、設定された心がけに応じて、プレーヤキャラクタ2の内部パラメータである心パラメータ10が変化する。図2の例では、「心がけα」と「心がけβ」を選択したことにより、このまま1日を過ごすと「頑張り」と「優しさ」のパラメータが上昇し、「前向き」のパラメータが下降することを示している。本実施形態では、心パラメータ10として「頑張り」「気配り」「優しさ」「前向き」の4つのパラメータを設定しているが、内容や数は制作者が想定するゲーム内容や難易度に応じて適宜変更可能である。
【0041】
図4は、本実施形態における「心がけ」設定画面の一例を示す図である。第1心がけ設定画面W2及び第2心がけ設定画面W4は、それぞれ第1液晶ディスプレイ1406、第2液晶ディスプレイ1408に表示される。
【0042】
第1心がけ設定画面W2では、上部にタイトル40と、今現在の仮想日付を示す日付表示42と、プレーヤキャラクタ像44と、主要キャラクタ像46a〜46dが表示される。
第2心がけ設定画面W4では、行動の心がけを選択する第1選択欄48と、思考の心がけを選択する第2選択欄50と、現在の心パラメータの各値を示すパラメータ値表示部52と、心がけ設定の終了操作を入力する終了ボタン表示54とを備える。
【0043】
第1選択欄48及び第2選択欄50では、スタイラスペン1416等により該当部をタッチ操作すると選択操作開始と判定され、該当部よりプルダウンメニュー(例えば図4のプルダウンメニュー56)が表示され、複数の選択肢の中から「心がけ」を選択することができる。
【0044】
図2に戻って、「心がけ」の設定が終了すると、いよいよプレーヤキャラクタ2の1日の具体的な行動がゲームプレイ可能になる。1日の行動は発生するイベントの集合で構成される。
図2の例は、ゲーム開始初日に当るので、当日プレイ可能なイベントは強制的に発生するイベントが好適である。
【0045】
各イベントには、ゲームに登場する様々な登場人物が関与するが、本実施形態ではプレーヤキャラクタ2が恋心を抱き得る主要キャラクタ4a〜4dのうち少なくとも何れか一体がイベントに関与するように内容が設定されている。ここで言う「関与」とは、会話、デート、ケンカ、テレビ会議などプレーヤキャラクタ2との直接対面による出来事は勿論、交換日記、手紙、一緒に写った写真や貰ったプレゼントを見て回想する、と言った間接的に相手の存在を認識する出来事も含まれる。また、主要キャラクタ4a〜4dの数も適宜設定可能である。キャラクタは人に限らず、動物や想像上の存在(神や天使)などに設定することもできる。
【0046】
図5は、本実施形態におけるイベントプレイ中のゲーム画面例を示す図である。第1イベント画面W6及び第2イベント画面W8は、それぞれ第1液晶ディスプレイ1406、第2液晶ディスプレイ1408にそれぞれ表示される。
【0047】
図5の例は、登場キャラクタの会話シーンで、プレーヤキャラクタ2が行動選択する場面に相当する。第1イベント画面W6には、プレーヤキャラクタ2が話しかける相手キャラクタ(この例では主要キャラクタ4d)と、当該キャラクタの台詞表示部60とが表示される。第2イベント画面W8には、プレーヤキャラクタ2と、行動選択欄62とが表示される。行動選択欄62には、公知のアドベンチャーゲームのそれと同様にして、複数の行動選択肢が選択可能に表示されるとともに、選択操作と選択の決定操作のガイドが表示される。プレーヤキャラクタ2の台詞が存在する場合には、台詞表示部60と同様の表示部が第2イベント画面W8にも表示されるのは勿論である。プレーヤは会話の台詞を見つつイベントのストーリを楽しみ、所々に用意された行動選択のタイミングで、プレーヤキャラクタ2の行動を選択してイベントをプレイする。
【0048】
こうしたイベントには、一本道のストーリを進む形式や、幾つかのストーリ分岐点でプレーヤがプレーヤキャラクタ2の行動として選択した結果に応じてイベントの終わりが変わるマルチエンディング形式が適宜含まれ、ゲームプレイに多様性がもたらされている。
何れの形式でも、イベントをクリアすることで、プレーヤキャラクタ2の心パラメータの各値が変更され、一日の出来事がプレーヤキャラクタ2の心に変化を与える状態が実現される。
【0049】
また、図2に示すように、主要キャラクタ4a〜4dそれぞれの内部パラメータとして、当該キャラクタとプレーヤキャラクタ2との関係性を示す関係パラメータとして、評価パラメータ12を有する。この評価パラメータ12は、イベントのプレイ結果に応じて変更され、イベントに関与した主要キャラクタ4a〜4dの心もまたプレーヤキャラクタ2との出来事によって関係性や心の状態が変化する様子が実現される。本実施形態での評価パラメータ12は、いわば「恋心」の度合いを示すものであり、好感度・興味など恋愛感情を構成する幾つかの要素を個別のパラメータとして扱う構成でも良い。図2の例では、評価パラメータ12の値を主要キャラクタ4a〜4dの各キャラクタ像の下に並ぶハートマーク(半体含む)で示している。
【0050】
さて、初日に発生するイベントをクリアすると、プレーヤキャラクタ2はイベントクリアに対する報酬として、翌日以降のイベントの発生のキーアイテムとなるイベントシードを育成するための仮想養分8(例えば、水や栄養分の豊富な液肥、エサ、素材などの概念を含む)を獲得する。仮想養分8は、イベントシードを生成するための育成用摂取物の一種であり、アイテムを生成するための影響因子(ファクターエレメント)である。本実施形態では、ジョウロ6に入れられた水のごとき物として表現される。
【0051】
獲得した仮想養分8の量を求めるためには、先ず今日のイベントをクリアした時点での心パラメータ10の各値から所定の関数で基本量20を算出する。例えば、基本量20は、各パラメータ値の合算としても良い。更には、合算前に心パラメータ10の各値の前日からの増減率の中央値や平均値、最大値等を係数として乗算するなどしても良い。
【0052】
基本量20を求めたならば、主要キャラクタ4a〜4dそれぞれの評価パラメータ12の値に基づいて基本量20を増減補正し(図2の増減補正22)、今日獲得した仮想養分8の総量を算出する。具体的には、例えば、評価パラメータ12の値を所定の基準値を元に「大好き」「好き」「興味なし」「嫌い」「大嫌い」の5段階に区分し、「興味なし」は増減補正無しとし、「好き」〜「大好き」は度合いが上がるほど増加補正することとし、「嫌い」〜「大嫌い」は度合いが上がるほど減算補正する。具体的な補正量や補正率の設定は、ゲームバランスを考慮の上で適宜設定することができる。
【0053】
今日獲得した仮想養分8の総量を算出したならば、プレーヤはその仮想養分8を使ってイベントシード28の育成をすることができる。
本実施形態でのイベントシード28は、仮想養分8を育成用摂取物とする育成体である仮想植物24の実として表現され、仮想植物24が成熟条件を満たした場合に発生されるアイテムの1つである。ゲーム画面上は、イベントシード養成部26として仮想植物24を育てるための仮想の鉢が表示される。本実施形態のイベントシード養成部26には、プレーヤキャラクタ2の心パラメータの種類「頑張り」「気配り」「優しさ」「前向き」に対応する4種のカテゴリが対応づけられている。図中では三角形、四角形、十字形、ヘキサグラムの各マークでカテゴリを表記している。
【0054】
プレーヤは、所定の分配操作入力によって、仮想養分8をイベントシード養成部26に任意に分配することができる。分配された仮想養分8の量がある規定値に達すると、仮想植物24は成熟条件を満たしたと見なされる。すなわち、充分に育成されてイベントシード28を実らせたものと見なされ、プレーヤキャラクタ2はイベントシード養成部26のカテゴリの属性を有したイベントシード28を獲得することができる。換言すると、仮想養分8と言うファクターエレメントが分配された結果、分配済みの量が所定の数量満足条件を満たした場合に、アイテムであるイベントシード28が生成される。
尚、ここでいう「規定値(数量満足条件)」は、適宜設定可能であるが、1ターンのプレイで獲得できる最少の仮想養分8を全て1つのイベントシード養成部26に与えると到達できる値とすると好ましい。
【0055】
図6は、本実施形態におけるイベントシード育成画面の例を示す図である。第1育成画面W10と第2育成画面W12は、それぞれ第1液晶ディスプレイ1406、第2液晶ディスプレイ1408に表示される。
【0056】
第1育成画面W10には、プレーヤキャラクタ2の心から生じた基本量が、主要キャラクタ4a〜4dの評価パラメータ12に基づく増減補正を経て算出された量の仮想養分8が蛇口61からジョウロ6内に供給されるように、仮想養分8の獲得過程を概念的に示した画面が表示される。また、第1育成画面W10には、育成終了操作を入力するための終了操作ボタン64が表示される。
【0057】
第2育成画面W12には、イベントシード養成部26と、収穫済みイベントシード表示部66とが表示される。各イベントシード養成部26には、各々に対して既に分配された仮想養分量の規定値(=アイテム生成の数量満足条件)に対する割合を異なる成長形態で示される仮想植物24が表示される。
【0058】
仮想養分8の分配は、例えばスタイラスペン1416で所望するイベントシード養成部26をタッチ操作で行われる。タッチ操作している間、当該イベントシード育成部の上方にジョウロ6が表示されるとともに、水が掛けられているかのようなグラフィック表示が行われ、タッチ時間に応じた分だけ仮想養分8が分配される。尚、分配操作により消費された仮想養分8は、第1育成画面W10のジョウロ6内の仮想養分8の残量で通知される構成とすると好適である。
【0059】
図2に戻って、仮想養分8の分配を終了すると、プレーヤは獲得済みのイベントシード28を主要キャラクタ4a〜4dにセットする。イベントシード28を次に発生するイベントに関与する相手先の心に植えるイメージである。本実施形態では、一日のセット操作では、1つのイベントシード28は何れか一体の主要キャラクタ4a〜4dにセット可能であり、セットされると当然そのイベントシード28は消費されることとなる。尚、一日のセット操作でセット可能なイベントシード28の数は、基本的に「1」とするがその数はゲームバランスを考慮の上「2」以上に設定しても構わない。
【0060】
図7は、本実施形態におけるイベントシードセット画面の例を示す図である。第1セット画面W14と第2セット画面W16は、それぞれ第1液晶ディスプレイ1406、第2液晶ディスプレイ1408に表示される。
【0061】
第1セット画面W14には、セット先となる主要キャラクタ4a〜4dが表示される。また、各主要キャラクタ4a〜4dの上方には、セット済みのイベントシードに応じて次に発生し得るイベントの有無を通知する通知表示67が表示される。
第2セット画面W16には、それら主要キャラクタ4a〜4dに対応するセット欄68a〜68dと、収穫済みイベントシード一覧70と、セット終了操作を入力するための終了ボタン表示71とが表示される。セット欄68(68a〜68d)には既に対応する主要キャラクタ4a〜4dにセットされているイベントシード72や、収穫済みイベントシード一覧70からセット操作中のイベントシード74が表示される。
【0062】
イベントシードのセット操作は、プレーヤがスタイラスペン1416で収穫済みイベントシード一覧70内の所望するイベントシードの画像を所望するセット欄68へドラッグ・アンド・ドロップ操作することによってなされる。第1セット画面W14の通知表示67は、セット操作により新たにセットされたイベントシード74に対応して表示が変化するので、プレーヤはこの通知表示67の変化から、所望する主要キャラクタ4a〜4dが関与するイベントを次のターンでプレイできるかどうか、目安を付けることができる。逆に言うと、所望する主要キャラクタ4a〜4dに通知表示67が付くようにイベントシード28をセットする。
【0063】
以上、(1)心がけの設定、(2)強制イベントのプレイ、(3)仮想養分の獲得、(4)仮想養分の分配・イベントシードの育成、(5)イベントシードのセット、の5段階の行動を経てゲーム初日のターンが終了し、ゲーム内の仮想日付は次の設定日(例えば翌日)に変更される。尚、仮想日付の設定は、一日単位に限らず、午前/午後単位や、週単位、月単位、年単位などゲーム内容に応じた時間単位を適宜設定できる。
【0064】
図3は、2ターン目以降におけるゲームプレイの流れを示している。
2ターン目以降でも、先ず一日の活動の準備として「心がけ」設定をする(1)。
「心がけ」の選択肢には、心パラメータ10の種類「頑張り」「気配り」「優しさ」「前向き」への影響度合いに応じて、それらに対応する4種のカテゴリが設定されている。図中では対応するカテゴリを、三角形、四角形、十字形、ペンタグラムの各マークで示している。
【0065】
図8は、2ターン目以降における心がけ設定画面の例を示す図である。基本的には初日(第1ターン)における第1心がけ設定画面W2及び第2心がけ設定画面W4(図4参照)と同様であるが、プレーヤキャラクタ像44の上方に、今現在選択されている行動の「心がけ」及び思考の「心がけ」のカテゴリを示す心がけカテゴリ表示80が表示される。また、主要キャラクタ像46a〜46dの上方には、各主要キャラクタが今ターンで発生させ得るイベントのカテゴリを通知するイベントカテゴリ表示82が表示される。イベントカテゴリ表示82は、それぞれの主要キャラクタにセットされたイベントシードのカテゴリと合致した未実行のイベントが当該主要キャラクタに割り当てられていることを示す。
【0066】
図3に戻って、心がけの設定が終了したならば、今日一日で発生するイベントが選択される(2)。先ず、選択候補となるイベントは、主要キャラクタ4a〜4dにそれぞれ自身が関与する複数のイベントが予め割り振られている。これを担当イベント14とする。担当イベント14に含まれる各イベントには、イベントシード28のカテゴリ属性及び「心がけ」のカテゴリそれぞれに対応する4種のカテゴリが設定されている。図中では、対応する各カテゴリを、イベントシード28のカテゴリ及び「心がけ」のカテゴリ表記と同じ三角形、四角形、十字形、ペンタグラムの各マークで示している。
【0067】
今日発生するイベントは、前日以前にイベントシード28がセットされた主要キャラクタ4a〜4d毎に選択される。選択条件は、条件1:セット済みイベントシード16のカテゴリに対応するイベントであり、且つ、条件2:今日の「心がけ」設定のカテゴリと対応するイベント、から抽選でどれか1つ選択される。ここで選択されたイベントは、イベントシード28が発芽したことに相当し、選択されたイベントに対応するセット済みのイベントシードは消費されることとなる。
尚、ゲーム進行上必要な、特定日時(例えば、クリスマス、学園祭など)に関連性のある自動発生イベント(強制イベント)は、こうして設定された「心がけ」のカテゴリ云々や、イベントシード28のセットの有無や設定云々に関わりなく、強制的に選択される。
【0068】
図8の例で言うと、主要キャラクタ46dには三角形のイベントカテゴリ表示82が付与されており、前日(前ターン)に、三角形のカテゴリ属性を有するイベントシードがセットされ、それに対応する未実行のイベントが存在することが通知されている。プレーヤが、行動の「心がけ」又は思考の「心がけ」の設定で、同じ三角形のカテゴリの心がけ選択肢を選択すれば、今ターンで当該主要キャラクタ4dのイベントが発生することとなる。現在の心がけ設定のカテゴリは、心がけカテゴリ表示80によりプレーヤキャラクタ像44の近傍に提示されている。プレーヤは、この心がけカテゴリ表示80が、プレーヤキャラクタ2の思い人(プレーヤの思い人でもある。)である主要キャラクタ46dのイベントカテゴリ表示82と一致するように「心がけ」を設定すれば良いことになる。図8の例では、主要キャラクタ4dの主要キャラクタ像46dに付与されたイベントカテゴリ表示82とカテゴリ表示80とが共に三角形の表示で一致しているので、主要キャラクタ4dが関与するイベントが発生する状態になっていることを示している。
【0069】
図3に戻って、発生するイベントが選択されたならば、図2で示したのと同様に、イベントプレイが可能になる。イベントの結果に応じてプレーヤキャラクタ2の心パラメータ10の各値が変化し、主要キャラクタ4a〜4dの評価パラメータ12の値も変化する。例えば、図3の例では、図2の初日と同様に同じ主要キャラクタ4dとのイベントを行うことで、当該主要キャラクタ4dの評価パラメータ12(ハートマークで表記)がアップし、恋愛感情がより向上したことを示している。
【0070】
そして、初日と同様に、心パラメータ10及び評価パラメータ12の値に基づいて、今日獲得した仮想養分8が決まり、その仮想養分8で再びイベントシードを育成することができる。上手くイベントシード28を結実させて新たなイベントシードを獲得したり、以前獲得済みのイベントシードがあれば、それらを用いて今日の活動の最後にイベントシードのセットをし、今日のターンを終了する。
【0071】
以下、2ターン目と同様にして所定の最終日までターンが繰り返される。
最終日までプレイすると、最終的な評価パラメータ12の値がもっとも大きな主要キャラクタが選ばれ、その評価パラメータ12の値が所定のハッピーエンド基準を満たしていれば、当該主要キャラクタがプレーヤキャラクタ2に愛の告白をしに現れるハッピーエンディングとなる。もし、ハッピーエンド基準を満たしていなければ、愛の告白には現れないといったバッドエンディングとなる。
【0072】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のようなゲームを実行するための機能構成例について説明する。
図9は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0073】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1の方向入力キー1402やボタンスイッチ1404はこれに該当する。
【0074】
そして、操作入力部100は、接触位置検出部102を含む。
接触位置検出部102は、表示画面範囲への接触位置を検出することのできるデバイスで実現される。図1のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
【0075】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む携帯型ゲーム装置1400の各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0076】
ゲーム演算部210は、ゲーム世界の仮想カレンダー中の所定の期間単位をイベント期間としてゲームを進行制御する各種処理を実行する。本実施形態では、記憶部500に記憶されているシナリオデータ510に従って大枠のゲームのストーリ展開中にイベント期間を繰り返し設定しゲーム進行を管理する。
【0077】
また、本実施形態のゲーム演算部210は、行動パラメータ設定部212と、パラメータ値変更部214と、ファクターエレメント取得部216と、アイテム発生部218と、関連付け設定部220と、イベント実行制御部222と、予告表示制御部224と、エンディング制御部226とを含む。
【0078】
行動パラメータ設定部212は、ゲーム内に設けられたイベント期間毎(本実施形態の1ターンに相当)に、所定の心がけ設定操作入力に応じてプレーヤキャラクタ2の行動パラメータとして、行動の「心がけ」と、思考の「心がけ」との選択・設定に関する処理を実行する。
【0079】
パラメータ値変更部214は、プレーヤキャラクタ2や主要キャラクタ4a〜4d等の内部パラメータの値をゲーム進行に応じて可変する。具体的には、設定された「心がけ」に応じてプレーヤキャラクタ2の心パラメータ10(図2参照)を変更し、イベントプレイの結果に応じてプレーヤキャラクタ2の心パラメータ10と当該イベントに関与した主要キャラクタ4a〜4dを含むNPC(ノンプレイアブルキャラクタ)等の評価パラメータ12の値を変更する。
【0080】
ファクターエレメント取得部216は、ゲームプレイに応じてアイテム生成の素になるファクターエレメントをプレーヤキャラクタ2に取得させる。具体的には、アイテム生成体に分配可能要素の量及び/又は種類を可変する。本実施形態では、アイテムがイベントシード28、アイテム生成体である育成体が仮想植物24、ファクターエレメントである育成様摂取物が仮想養分8相当する(図2参照)。
【0081】
より具体的には、ファクターエレメント取得部216は、1ターンのイベントプレイ結果が反映された心パラメータ10の各値に基づいて基本量20を算出し、同じくイベントプレイ結果が反映された主要キャラクタ4a〜4dの評価パラメータ12の値に基づいて基本量20を増減補正して、今ターンで分配可能な仮想養分8の量を算出する。
【0082】
尚、本実施形態では仮想養分8を1種類としているが、複数種類を設定する構成としても良い。また基本量20の算出の基礎となるのは、プレーヤキャラクタ2の内部パラメータの値に限らない。イベント内で取得したアイテム(例えば、RPG(ロールプレイングゲーム)において敵がドロップするアイテムなど)の種類や数を基礎としても良い。
【0083】
アイテム発生部218は、所定の分配操作入力に応じて、獲得したファクターエレメントをアイテム生成体に分配する処理と、分配されたファクターエレメントの量に応じてアイテム生成体の表示形態を変化させるように表示制御する処理と、分配済みのファクターエレメントの量が所定の数量満足条件を満たした場合に、分配先のアイテム生成体からアイテムを発生させる処理とを実行する。
【0084】
つまり、取得した育成用摂取物を所定の操作入力に応じて育成体に付与して育成体の育成に関する処理を実行する。より具体的には、例えば、イベントシード育成のゲーム画面(図6参照)において、分配済みの仮想養分8の管理、分配済み仮想養分8の総量に基づく仮想植物24の表示形態の変更、イベントシード28の発生管理を実行する。イベントシード28の発生管理は、分配済み仮想養分8の総量が規定値(成熟条件)に達したイベントシード養成部26を検出して同養成部のカテゴリ属性を有するイベントシード28を発生させる。
【0085】
関連づけ設定部220は、発生済みのイベントシード28をプレーヤの操作入力に従って複数のNPC(ノン・プレイヤブル・キャラクタ)の何れかに関連付けるイベントシードのセットに関する処理を実行する。
【0086】
イベント実行制御部222は、イベント期間毎に発生するイベントの選択と実行に関する処理を実行する。具体的には、所定の自動発生条件を満たす強制イベントの選択、イベントシードがセットされたNPC毎に、当該NPCが関与するイベントの中からセットされたイベントシードに対応づけられたイベントで、且つ設定された「心がけ」に対応するイベントの選択に関する処理を実行する。そして、選択されたイベントをゲーム中で発生させ、プレーヤの操作入力に応じてイベントプレイを実行させる。
【0087】
予告表示制御部224は、実行可能なイベントの有無をプレーヤに予告する。具体的には、心がけ設定のゲーム画面(図8参照)において、心がけカテゴリ表示80とイベントカテゴリ表示82との表示に関する処理と、イベントシードセットのゲーム画面(図7参照)において、通知表示67の表示に関する処理とを実行する。
【0088】
エンディング制御部226は、最終的なNPC別の関係パラメータ値に基づいてゲームのエンディング種類を変更して実行する。具体的には、ゲーム世界の仮想カレンダーにおいて、所定の最終日に達した時点の主要キャラクタ4a〜4dの評価パラメータ12の最大値に応じて、グッドエンディングとバッドエンディングを選択して実行制御する。
【0089】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0090】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1410がこれに該当する。
【0091】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0092】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
本実施形態では、上側表示部362と下側表示部364とを含み、それぞれ図1の第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408が該当する。
【0093】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0094】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0095】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0096】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、携帯型ゲーム装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0097】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、ゲームシナリオデータ510と、イベントデータライブラリ512と、イベント担当分けデータ513と、心がけ選択肢設定データ514と、エンディングデータ524と、予告表示アイコンデータ526とが記憶されている。
更にゲームの準備や進行に伴って随時生成や更新が行われるデータとして、仮想日付516と、PC(プレーヤキャラクタ)ステータスデータ518と、NPCステータスデータ520と、イベントシード養成部ステータスデータ522とが記憶される。
また、ゲームの進行に係る処理を実行するにあたり必要となるデータ(例えば、タイマー値やカウンタ)なども適宜記憶されるものとする。
【0098】
ゲームシナリオデータ510は、個別のイベントを除くゲーム全体の流れを管理・規定するためのデータを格納する。ゲーム進行中にどのタイミングでイベント期間を設定するかは当該データで規定されている。
【0099】
イベントデータライブラリ512は、図10に示すように、イベント期間で実行され得る各イベントを定義するイベントデータ512aを複数格納する。
1つのイベントデータ512aは、当該イベントを識別するためのイベントID512bと、イベントシナリオデータ512cと、イベント結果設定データ512fを含む。
【0100】
イベントシナリオデータ512cは、当該イベントを進行させるための台詞や状況説明のテキストや画像、音声の再生順、分岐の設定などの情報を含む。公知のアドベンチャーゲーム等のイベントに関する小シナリオデータと同様に実現できる。
本実施形態では、図5で示したような、第1イベント画面W6や第2イベント画面W8で表示されるプレーヤキャラクタ2や主要キャラクタ4a〜4dの画像、背景、台詞表示部60に表示されるテキストや、行動選択欄62に表示される選択肢テキスト等もイベントシナリオデータ512cによって時系列に設定されている。
【0101】
イベント結果設定データ512fは、当該イベントのゲーム結果に応じたイベントクリア後の処理が定義されている。例えば、分岐を含むマルチエンディング型のイベントならば、行動選択肢512g毎にパラメータ値変更設定512hを対応づけて格納する。本実施形態では、イベントプレイにともなってプレーヤキャラクタ2の心パラメータ10の値と、関与した主要キャラクタ4a〜4dの評価パラメータ12の値が変更されるので、心パラメータ10のどのパラメータがどれぐらい変更され、どの主要キャラクタ4a〜4dの評価パラメータ12の値がどれくらい変更されるかが規定されている。
【0102】
図9に戻って、イベント担当分けデータ513は、主要キャラクタ4a〜4d毎に設けられ、各主要キャラクタが関与するイベントに関する情報が纏められている。
例えば、図11に示すように、担当キャラクタID513aと、カテゴリ513bに分けられた複数のイベントID513cに対応づけて発生要件513dの情報が格納されている。
【0103】
本実施形態では、カテゴリ513bは心パラメータ10の4種のパラメータ(「頑張り」「気配り」「優しさ」「前向き」)に対応する4カテゴリが用意されている。これらのカテゴリに属するイベントについての発生要件513dとしては、「同種シード」が設定される。これは、同じカテゴリの属性を有するイベントシード28がセットされていることを、対応するイベントが発生するための条件とすることを意味する。
また「強制」のカテゴリ513bに属するイベントは所謂強制イベントに相当し、発生要件513dとして、ゲーム空間の仮想カレンダーにおける特定期間や特定曜日などの時間指定、特定アイテムの所持(特定の服装の着衣なども含む)や特定パラメータの値や値の範囲と言った要素が指定される。
【0104】
図9に戻って、心がけ選択肢設定データ514は、「心がけ」設定の選択肢に関する情報を格納する。
例えば、図12に示すように、選択肢514a毎に、行動の心がけか思考の心がけかを示す種別514bと、心パラメータ10の4種に対応するカテゴリ514cと、パラメータ値変更量514dとが対応づけて格納されている。パラメータ値変更量514dは、当該選択肢を選択・設定した場合に、心パラメータ10の4種の値のうちどれをどれだけ変更するかを定義する。
【0105】
図9に戻って、仮想日付516は、現時点におけるゲーム世界のカレンダー上の日付や時間の情報を格納する。
【0106】
PCステータスデータ518は、プレーヤキャラクタ2に関する各種パラメータの情報を格納する。
例えば、図13に示すように、PCステータスデータ518は、心パラメータ518aと、心がけ設定データ518fと、分配可能仮想養分量518gと、収穫済みイベントシードリスト518hとを含む。
心パラメータ518aには、頑張りパラメータ値518bと、気配りパラメータ値518cと、優しさパラメータ値518dと、前向きパラメータ値518eとが含まれる。
心がけ設定データ518fには、心がけ設定画面にて選択された心がけ選択肢の種類として、行動の「心がけ」種類と思考の「心がけ」種類の2つの情報が格納されている。
分配可能仮想養分量518gは、イベントシードの育成に使用可能な仮想養分8の量を示すデータを格納する。
収穫済みイベントシードリスト518hには、収穫されたが未セットの状態のイベントシードの情報が、イベントシードのカテゴリ属性別の未セット数の対応づけとして格納される。
【0107】
図9に戻って、NPCステータスデータ520は、ゲームに登場するNPCに関する各種パラメータの情報を格納し、NPC別に用意される。
例えば図14に示すように、1つのNPCステータスデータ520は、当該ステータスデータが対応するキャラクタID520aと、評価パラメータ値520bと、セット済みイベントシードリスト520cと、実行済みイベントIDリスト520fとを含む。
【0108】
セット済みイベントシードリスト520cは、イベントシードのセット操作によりセットされたイベントシードで未だイベントの実行に消費されていない残数520eをカテゴリ520d別に対応づけて格納する。
【0109】
実行済みイベントIDリスト520fは、当該NPCステータスデータ520の対応するキャラクタが主要キャラクタ4a〜4dである場合に生成され、イベント担当分けデータ513(図11参照)で担当分けされたイベントのうち、プレイ済みのイベントID513cを記憶する。なお、担当分けされた全てのイベントIDそれぞれを示すフラグによって管理するとしても良い。
【0110】
図9に戻って、イベントシード養成部ステータスデータ522は、イベントシード養成部26毎の状態を示すデータを格納する。例えば図15に示すように、養成部ID522a毎に、既に分配された仮想養分の合算値を格納する分配済み仮想養分総量522bと、当該イベントシード養成部の属性であるカテゴリ522cとを対応づけて格納する。
【0111】
図9に戻って、エンディングデータ524は、エンディングを実行するための各種データを格納する。強制イベント形式のイベントデータでも良いし、動画でも良い。本実施形態では、主要キャラクタ4a〜4dがプレーヤキャラクタ2へ愛の告白に現れるシーンを描画するグッドエンディングのデータと、誰も愛の告白に表れないバッドエンディングのデータを含む。
【0112】
予告表示アイコンデータ526は、イベントシードのセット画面(図7参照)で表示される通知表示67や、心がけ設定画面(図8参照)において表示される心がけカテゴリ表示80並びにイベントカテゴリ表示82を表示させるためのアイコンのデータを格納する。
【0113】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理の流れは、処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。尚、ゲーム音の出力に関する記述は省略するが、公知のテキストアドベンチャーゲームと同様に適宜ゲーム音を再生制御する構成として良い。
【0114】
図16は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず、初期化作業を実行する(ステップS2)。具体的には、仮想日付516に所定の日付を設定し、PCステータスデータ518の心パラメータ(図13;頑張りパラメータ値518b〜前向きパラメータ値518e)に初期値を格納し、分配可能仮想養分量518g及び収穫済みイベントシードリスト518hを「0」に初期化する。また、主要キャラクタ4a〜4dのNPCステータスデータ520(図14参照)の評価パラメータ値520b及びセット済みイベントシードリスト520cを「0」に設定し初期化する。
【0115】
次に、処理部200は、ゲーム開始処理を実行して(ステップS4)、心がけ設定画面(図4参照)を表示させる(ステップS6)。そして、主要キャラクタ4a〜4dそれぞれのイベント担当分けデータ513を参照して(図11参照)、発生要件513dを満たすカテゴリ「強制」のイベントを抽出し(ステップS8)、抽出されたイベントのイベントカテゴリ表示82を、第1心がけ設定画面W2の担当する主要キャラクタ像46a〜46dの近傍に表示させる(ステップS10)。
更に、処理部200は、主要キャラクタ4a〜4d毎にセット済みのイベントシード28の種類に対応する未発生のイベントを抽出し(ステップS12)、抽出された未発生イベントのイベントカテゴリ表示82を心がけ設定画面の担当する主要キャラクタ像46a〜46dの近傍に表示させる(ステップS14)。
【0116】
ステップS10及びS14におけるイベントカテゴリ表示82の表示制御は、今日一日(つまりは今回のターン)において強制的に発生するイベントと、イベントシード28のセットによって発生されるイベントが、どの主要キャラクタ4a〜4dと関与し、どのカテゴリのイベントであるかをプレーヤに予告通知する機能を果たす。
【0117】
次に、心がけ設定画面表示中に、第2心がけ設定画面W4内の第1選択欄48又は第2選択欄50(図4参照)への所定の選択操作入力を検出したならば(ステップS16)、処理部200は第1選択欄48への選択操作で今日一日のプレーヤキャラクタの行動の「心がけ」を選択し、第2選択欄50への選択操作でプレーヤキャラクタの思考の「心がけ」を選択・設定する(ステップS18)。
具体的には、例えば第1選択欄48又は第2選択欄50へのタッチ操作を検知すると、プルダウンメニュー56によって、心がけ選択肢設定データ514の種別514bと合致する選択肢514aを、選択可能に表示制御する(図12参照)。
【0118】
そして、選択操作によって行動の「心がけ」及び思考の「心がけ」が選択されると、処理部200は選択された選択肢514aに対応づけられたカテゴリに対応する心がけカテゴリ表示80を、第1心がけ設定画面W2中のプレーヤキャラクタ像44の近傍に表示させる(ステップS20)。
【0119】
更に、選択された各選択肢514aに応じたパラメータ値変更量514dを参照して、PCステータスデータ518の「頑張り」「気配り」「優しさ」「前向き」の各心パラメータ値が変更する増減方向を予告表示し、第2心がけ設定画面W4のパラメータ値表示部52の表示を更新する(ステップS22)。
つまり、プレーヤは、第1心がけ設定画面W2の主要キャラクタ像46a〜46dに付属表示されるイベントカテゴリ表示82から今ターンにおいて発生する可能性のあるイベントのカテゴリ属性の情報を得られる。そして、心がけカテゴリ表示80を所望する主要キャラクタ像46a〜46dのイベントカテゴリ表示82と合致させるように心がけを変更・設定し、所望する主要キャラクタ4a〜4dとのイベントが上手く発生するように調整できる。
ステップS16〜S22の処理は、終了ボタン表示54がタッチされるなど、所定の心がけ選択終了操作入力が検出されるまで繰り返される(ステップS24のNO)。
【0120】
心がけ選択終了操作入力が検出されたならば(ステップS24のYES)、処理部200は次に、これから発生される今日一日分のイベントを、主要キャラクタ別に抽出する(ステップS26)。具体的には、主要キャラクタ4a〜4d毎に担当イベントリストデータ513を参照し、発生要件513dを満たすカテゴリ「強制」に属するイベント、並びにカテゴリ「頑張り」「気配り」「優しさ」「前向き」のうち、同カテゴリのイベントシード28がセット済みで登録されているイベントのうちの何れかを抽出し、抽出した中から1日で実行可能な所定イベント上限数(例えば、1〜2イベント)を抽選で選択する。
【0121】
そして、処理部200は今日1日分として抽出された全てのイベントについてループAの処理を実行し、プレーヤキャラクタ2による今日1日のイベントプレイを可能にする(ステップS40〜S48;図17)。
【0122】
ループAの処理では先ず、処理部200は処理対象イベントを開始する(ステップS42)。そして、実行開始したイベントのイベントデータ512aのイベント結果設定データ512f(図10参照)を参照し、イベント中に行われたプレーヤの選択操作結果等のイベントプレイ結果に応じて、プレーヤキャラクタ2の心パラメータ10の各値を変更し(ステップS44;図17)、イベントに関与する主要キャラクタ4a〜4dやイベントには参加していない他のNPC評価パラメータ値520bを変更し(ステップS46)、プレーヤキャラクタ2の行動によって自身の内面状態や周囲の評価といったものが変化する様子をゲーム上で作り出す。
【0123】
ステップS24で抽出されたイベント全てについてループAの処理を実行したならば、処理部200は次に、イベントシード育成のゲーム画面(図6参照)を表示制御する(ステップS60)。
【0124】
次いで、処理部200は、現在の心パラメータ10の各値に基づいて、例えば、パラメータ値を合算するなどして仮想養分8の基本量20を算出し(ステップS62)、主要キャラクタ4a〜4dの評価パラメータ値520bに基づいて増減補正し、今ターンで獲得した仮想養分8の量を算出し、PCステータスデータ518の分配可能仮想養分量518gに加算する(ステップS64)。
基本量の補正は、適宜設定可能である。例えば所定の換算テーブルに従って主要キャラクタ4a〜4d毎に評価パラメータ値520bに応じた補正係数(例えば、0.6〜1.4)を算出し、先に算出された基本量に補正係数を乗算するとしても良い。そして、今回獲得した仮想養分8の量を算出できたら、これを分配可能仮想養分量518gに加算し、今現在の分配可能仮想養分量518gを第1育成画面W10内でジョウロ6に入った水量としてグラフィック表示し、プレーヤに通知する(ステップS66)。
尚、基本量の算出の仕方や補正の仕方は上記に限らず、心パラメータの数、評価パラメータの種類、主要キャラクタの数、総ターン数など各種ゲーム設定を考慮の上、所望するゲームバランスを成すように適宜設定可能である。
【0125】
そして、画面中の何れかのイベントシード養成部26を0.3秒以上タッチし続ける操作を当該養成部への分配操作入力として検出し(ステップS68のYES)、処理部200は当該分配操作入力(例えば、タッチ持続時間)に応じて、タッチ操作されたイベントシード養成部26への分配済み仮想養分総量522bを増加させ(図15参照;ステップS70)、増加後の分配済み仮想養分量522aに応じて、仮想植物24が成長するようにグラフィック表示を変更する(ステップS72)。勿論、分配操作に応じて、分配可能仮想養分量518gは分配された分だけ減算されるものとする。
これらステップS70〜S72によって、プレーヤはイベントをクリアすることによって取得した特典で次に発生させたいと願う種類のイベントシード28を育成することができる。
【0126】
所定の分配終了操作入力を検出した場合、又は分配可能仮想養分量518gが「0」に至った場合、処理部200は、分配終了条件を満たすと判定して(ステップS74のYES)、分配済み仮想養分総量522bが数量満足条件である所定の育成完了条件を満たすイベントシード養成部26を抽出する(ステップS82)。つまり、アイテム生成条件が満たされたもの、育成体で言うところの所定の成熟条件や結実条件を満たしたものを抽出する。
【0127】
そして、抽出されたイベントシード養成部26の分配済み仮想養分総量522bに「0」を設定してリセットするとともに(ステップS84)、当該イベントシード養成部26の仮想植物24の表示形態を更新する(ステップS86)。例えば、植物が実りの時を迎えて枯れて鉢が空になる表示などが好適である。
更に、処理部200は、当該抽出されたイベントシード養成部26のカテゴリ属性の新たなイベントシード28を収穫済みイベントシードリスト518hに登録する(図13参照;ステップS88)。これによって、イベントシード28が収穫できたことになる。
【0128】
次に、処理部200は、イベントシードセット画面を表示制御し(図7参照;ステップS100)、所定のイベントシードのセット操作の入力を検出する(ステップS102)。具体的には、第2セット画面W14下部に表示される収穫済みイベントシード一覧70内のイベントシード像から、何れかのセット欄68a〜68dへドラック・アンド・ドロップする操作の検出をもって、セット操作入力が検出されたと判定する。
【0129】
そして、処理部200は、セット操作されたイベントシード28を、セット先となったセット欄68a〜68dに対応する主要キャラクタ4a〜4dのセット済みイベントシードリスト520cに登録し(図14参照;ステップS104)、反対にPCステータスデータ518の収穫済みイベントシードリスト518hから当該イベントシードの登録を抹消する(図13参照;ステップS106)。更に、第2セット画面W14中のセット先となった何れかのセット欄68a〜68dへ、セットされたイベントシード28のアイコンを移動表示する(ステップS108)。
【0130】
一方、既にセット欄68a〜68d内に表示されているイベントシード28のアイコンを欄外にドラッグ・アンド・ドロップするなどの所定のイベントシードのセット解除操作入力を検出したならば(ステップS110のYES)、処理部200は、解除操作対象のイベントシード28を収穫済みイベントシードリスト518hへ登録し(ステップS112)、当該イベントシードを解除操作されたセット欄68a〜68dに対応する主要キャラクタ4a〜4dのセット済みイベントシードリスト520cから登録抹消する(ステップ114)。そして、解除操作されたイベントシード28のアイコンを消去する(ステップS116)。これで、一旦セットしたイベントシードを解除することができたことになる。
【0131】
次いで、処理部200は通知表示67(図7参照)の表示を更新する(ステップS118)。具体的には、イベント担当分けデータ513と、NPCステータスデータ520のセット済みイベントシードリスト520c及び実行済みイベントIDリスト520fとを参照して、主要キャラクタ4a〜4d別にセット済みのイベントシードと同カテゴリで未実行のイベントの有無を判定し、該当イベントが有る場合に、第1セット画面W14の主要キャラクタ4a〜4dの像の近傍に通知表示67を表示させる。
【0132】
所定のイベントシードのセット終了操作入力を検出したら(ステップS120のYES)、処理部200は次に現在の仮想日付516が所定の期限日つまりは最終日に到達したか否かを判定する(ステップS122)。到達していなければ(ステップS122のNO)、仮想日付516を規定量だけ進めて(ステップS124)、ステップS6に移行する。本実施形態では、仮想日付516を1日分進めるものとするが、1ターンとする期間はゲーム内容に応じて適宜設定可能なので、仮想日付516の進める幅も1ターンとする期間に合わせるものとする。
【0133】
もし、期限日に到達していればイベント期間が終了したと判断して(ステップS122のYES)、処理部200は現時点において評価パラメータ値520bが最も高い何れかの主要キャラクタ4a〜4dを選出し(ステップS126)、その評価パラメータ値520bが所定のクリア条件を満たしているかを判定する(ステップS128)。
【0134】
クリア条件を満たしていなければ(ステップS128のNO)、処理部200はバッドエンディングとして、例えばプレーヤキャラクタに誰も愛の告白をしに現れないゲーム画面を表示制御し(ステップS130)、一連の処理を終了する。
一方、クリア条件を満たしている場合には(ステップS128のYES)、グッドエンディングとして、主要キャラクタ4a〜4dのうちの最高の評価パラメータ値520bを有する主要キャラクタがプレーヤキャラクタ2に愛の告白をしに現れるといったゲーム画面を表示制御して(ステップS132)、一連の処理を終了する。
【0135】
このように、本実施形態によれば、イベントプレイの結果に応じて獲得した仮想養分8を配分して育成したイベントシード28を、所望するイベント関与先(主要キャラクタ4a〜4d)にセットすることよって次のイベントの発生タイミングと発生先とをプレーヤがコントロールすることができる新しいゲームを実現できる。
【0136】
更に、イベントシード28には、イベントの内容に基づく複数のカテゴリ(種類)が用意されており、次のイベントは発生先(主要キャラクタ4a〜4d)が関与する内容であって、イベントシード28のカテゴリに対応した内容が選択される。よって、プレーヤはどういった内容のイベントを発生させるかまで有る程度コントロールすることができる。
【0137】
また更に、イベントシード28のカテゴリはプレーヤキャラクタ2の「心がけ」設定のカテゴリとも対応づけがされている。そして、次のイベントの発生には、イベントシードのセットと、プレーヤキャラクタ2の設定された「心がけ」のカテゴリとのマッチングも必要とされる。
つまり、イベントシード28の育成や、イベント発生のためのカテゴリのマッチング要件などを総合すると、心がけをもって一日を過ごし(「心がけ」設定+イベントプレイ)、特定人物との関係性の向上に願いをかけ(イベントシードの育成+イベントシードのセット)、上手く心がけが願いとマッチングすれば(前日のイベントシードのセット+翌日の心がけ設定のカテゴリのマッチング)、望む特定人物と関係を深める出来事が起き、願いが少しずつ実現してゆくサクセスストーリをゲーム上で擬似的に実現することができる。
【0138】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の適用可能な実施形態が上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜、構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0139】
例えば、上記実施形態ではアドベンチャーゲームを例に挙げて説明したがアドベンチャーゲームに限らない。上記実施形態の1ターンに相当する繰り返されるイベント期間が設定されるならば、例えば、RPGは勿論、シミュレーションゲームやシューティングゲームに挿入されるイベント部分の構成にも適用可能である。
【0140】
また、上記実施形態ではイベントシード28と言うアイテムを生成するための育成体として仮想植物24を設定したが、アイテム生成体は成長する植物に限らず、段階的或いは連続的な変化の過程のある何らかの対象であれば適宜設定可能である。また、アイテム生成体の数も適宜設定可能である。 また、アイテム生成に要するファクターエレメントとして育成用摂取物として1種類の仮想養分8だけをゲーム中に登場させているが、ファクターエレメントを複数種類登場させることも可能である。
【0141】
例えば、仮想養分8に代えて、或いは仮想養分8に加えて、ステップS62〜S66に前後して、心パラメータ10の「頑張り」「気配り」「優しさ」「前向き」の4カテゴリそれぞれのパラメータ値に対応する異なる4種類の仮想肥料の量を算出するとしても良い。そして、各種の仮想肥料には育成を加速する異なるレベルを設定し、仮想養分8の分配と同様にして仮想植物24に仮想肥料を与えることで、任意のイベントシード養成部26の仮想植物24を優先的に育成する(成長速度を可変する)ことを可能としても良い。
或いは、イベントシード養成部26にはもともとカテゴリの設定が無く、ステップS70〜S72に前後して、既に与えられた仮想肥料の割合によって当該イベントシード養成部26の仮想植物24のカテゴリを決定するステップを設け、一度に4つのイベントシード養成部26で同種のイベントシードを養成することが可能となる構成としても良い。
【0142】
また例えば、図19は、プレーヤキャラクタ2がRPG的世界で一人前の戦士として成長する過程を楽しむゲームにおけるファクターエレメント、アイテム、アイテム生成体の例を示す概念図である。プレーヤキャラクタ2は主要キャラクタ4a〜4dの少なくとも何れかとチームを組み、RPG的世界の様々な場所で様々なクエスト(ミッションに同義)を一種のイベントとしてプレイする。
【0143】
イベント(クエスト)をプレイすると、ファクターエレメントとして武器製造に必要な複数種類の素材7を獲得することができる。獲得した素材7をアイテム生成体である武器製造容器27に投入すると、投入された素材7の種類や数量に応じて、アイテムである様々な種類の武器25が魔法によって段階的な生成過程を経て生成される。生成過程は、例えば図中の成長過程のアイテム表示25a→25b→25cのように画面表示される。そして、各種武器に定められた所定の数量満足条件を満たすと武器製造容器27から新たな武器25が生成され、プレーヤキャラクタ2は生成済みの武器25を主要キャラクタ4a〜4dに与えて関連づけし、次のイベント(つまりクエスト)の発生をきっかけづけする。
【0144】
アイテムである武器25には、イベントシード28に属性カテゴリが付与されたのと同じように所定の武器属性が付与される。また、主要キャラクタ4a〜4dには武器属性に対応する複数種のクエスト(図中の「攻撃クエスト」「防衛クエスト」「救護クエスト」など)が割り当てされている。また、プレーヤキャラクタ2はターン開始の準備として武器属性に対応する属性を有する装備を選択する。
【0145】
この様な設定で上記実施形態と同様に処理すると、主要キャラクタ4a〜4dに割り当てられているクエストの中から、主要キャラクタ4a〜4dにセットされた武器25の武器属性に対応し、且つプレーヤキャラクタ2の装備の属性と対応する種類のクエストが選択・発生制御されプレイ可能となる。
そして、上記実施形態に於いてイベントプレイ結果に応じて仮想養分8の量が変化したのと同様に、発生したクエストをプレイした結果が当該ターンにおいて獲得される素材7の種類や数量に影響する。
【0146】
図19の例以外にも、アイテムとしては、動物、式神や召還獣などの仮想生物、成長する魔法道具、梯子やロープといった一部の長さや大きさを変えるこことで用途が増減する道具、等々を設定可能である。また、それらを生成或いは育成するためのファクターエレメントとして、木、金属、ICチップ、呪文書、お金などといった素材やパーツ、育成用摂取物としてのエサ(食物)や電力、水、液肥などを適宜設定可能である。アイテムを生成するための場所に該当するアイテム生成体はアイテムに応じて、容器や工場、檻、牧場、畑、水槽、アイテムを作る職人などを適宜設定すると良い。
【0147】
また、上記実施形態ではゲーム装置として携帯型ゲーム装置1400を例示したが、据え置き型の家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置などを用いることもできる。
更にはゲームを実行する電子機器は、“ゲーム装置”として販売される電子機器に限らず、アプリケーションソフトが実行可能な携帯電話機やコンパクトデジタルカメラ、音楽プレーヤ、パソコンと言った電子機器も、プログラムを実行可能なコンピュータを内蔵している、或いはコンピュータそのものと言えるため、本発明を実現する電子機器とすることができる。
【符号の説明】
【0148】
2 プレーヤキャラクタ
4a〜4d 主要キャラクタ
8 仮想養分
10 心パラメータ
12 評価パラメータ
24 仮想植物
26 イベントシード養成部
28 イベントシード
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 行動パラメータ設定部
214 パラメータ値変更部
216 ファクターエレメント取得部
218 アイテム発生部
220 関連付け設定部
222 イベント実行制御部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
510 ゲームシナリオデータ
512 イベントデータライブラリ
512f イベント結果設定データ
513 イベント担当分けデータ
514 心がけ選択肢設定データ
516 仮想日付
518 PC(プレーヤキャラクタ)ステータスデータ
518a 心パラメータ
518f 心がけ設定データ
518g 分配可能仮想養分量
518h 収穫済みイベントシードリスト
520 NPC(ノンプレイアブルキャラクタ)ステータスデータ
520b 評価パラメータ値
520c セット済みイベントシードリスト
522 イベントシード養成部ステータスデータ
1400 携帯型ゲーム装置
1401 装置本体
1404 ボタンスイッチ
1406 第1液晶ディスプレイ
1407 タッチパネル
1408 第2液晶ディスプレイ
1409 タッチパネル
1450 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、イベント期間を繰り返し設けてゲーム進行するゲームを実行させるためのプログラムであって、
イベント期間中に発生したイベントに応じて、所定の数量満足条件を満たした場合にアイテムを発生可能な所定のファクターエレメントを取得するファクターエレメント取得手段、
取得された前記ファクターエレメントが前記数量満足条件を満たした場合にアイテムを発生させるアイテム発生手段、
発生された前記アイテムをプレーヤの操作入力に従って複数のNPC(ノン・プレイヤブル・キャラクタ)のうちの何れかに関連付ける関連付け手段、
前記アイテムが関連付けられたNPCが登場するイベントを前記イベント期間で実行する制御を行うイベント実行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記イベントのプレイ結果に応じて、前記NPC別に、当該NPCとプレーヤキャラクタとの関係パラメータ値を可変する関係パラメータ値可変手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ファクターエレメント取得手段が、前記NPC別の関係パラメータ値に基づいて、取得する前記ファクターエレメントの量及び/又は種類を可変するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記NPC別の関係パラメータ値に基づいて前記ゲームのエンディング種類を変更して実行するエンディング制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
所定の選択操作入力に応じてプレーヤキャラクタの行動パラメータを前記イベント期間毎に設定する行動パラメータ設定手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記イベント実行制御手段が、設定されている前記行動パラメータに予め対応付けられた複数のイベントの中から実行するイベントを選択して実行する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記行動パラメータ設定手段により設定された行動パラメータに応じて、プレーヤキャラクタの内部パラメータの値を変更する内部パラメータ変更手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記ファクターエレメント取得手段が、前記内部パラメータの値に基づいて、取得する前記ファクターエレメントの量及び/又は種類を可変する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記イベント実行制御手段が、前記行動パラメータ設定手段により設定されている前記行動パラメータに対応付けられ、且つ、実行可能なイベントが有る場合に当該イベントを実行する、
ように前記コンピュータを機能させ、
前記行動パラメータ設定手段により設定されている前記行動パラメータに基づいて、前記イベント実行制御手段による実行可能なイベントの有無をプレーヤに予告する第1予告手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記イベント実行制御手段が、前記関連付け手段により前記アイテムが関連付けられ、且つ、実行可能なイベントが有る場合に当該イベントを実行する、
ように前記コンピュータを機能させ、
前記関連付け手段により関連付けられたアイテムとNPCとに基づいて、前記イベント実行制御手段による実行可能なイベントの有無をプレーヤに予告する第2予告手段、
として前記コンピュータを機能させる請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
ゲーム世界の仮想カレンダー中の所定の期間単位を前記イベント期間としてゲームを進行制御するとともに、前記ファクターエレメント取得手段、前記アイテム発生手段、前記関連付け手段及び前記イベント実行制御手段を前記イベント期間毎に機能させるように制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記ファクターエレメント取得手段が、仮想的な育成体の育成に必要となる育成用取得物を前記ファクターエレメントとして所得し、
前記アイテム発生手段が、取得された前記ファクターエレメントをプレーヤの操作入力に応じて前記育成体に付与して当該育成体を育成する育成制御手段を有し、前記育成体が所定の成熟条件を満たしたことを、前記数量満足条件を満たしたとして前記アイテムを発生させる、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記育成制御手段が、前記育成用摂取物をプレーヤの分配操作入力に応じて複数の前記育成体に付与して各育成体の育成を制御し、
前記アイテム発生手段が、前記複数の育成体のうち、前記所定の成熟条件を満たした育成体の種類に応じた種類のアイテムを発生させ、
前記イベント実行制御手段が、前記NPCに関連づけられたアイテムの種類を用いて、当該NPCが登場する複数のイベントの中から実行するイベントを選択して実行する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項12】
イベント期間を繰り返し設けてゲーム進行するゲームを実行するゲーム装置であって、
イベント期間中に発生したイベントに応じて、所定の数量満足条件を満たした場合にアイテムを発生可能な所定のファクターエレメントを取得するファクターエレメント取得手段と、
取得された前記ファクターエレメントが前記数量満足条件を満たした場合にアイテムを発生させるアイテム発生手段と、
発生された前記アイテムをプレーヤの操作入力に従って複数のNPCのうちの何れかに関連付ける関連付け手段と、
前記アイテムが関連付けられたNPCが登場するイベントを前記イベント期間で実行する制御を行うイベント実行制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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