説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】複数のキャラクタが敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、敵キャラクタを複数のキャラクタの間で移動させることが可能なプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置を提供すること。
【解決手段】プレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3が敵キャラクタECを連続で攻撃する場合に、敵キャラクタECをプレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3の間で移動させる処理を行う。敵キャラクタECがプレーヤキャラクタPCに向けて移動する場合に、操作部への入力に基づきプレーヤキャラクタPCによる敵キャラクタECに対する攻撃が成功したか否かを判断し、成功したと判断された場合に、敵キャラクタECをいずれかの味方キャラクタに向けて移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレーヤが連携して各キャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲーム装置が知られている。このようなゲーム装置では、各キャラクタ毎に操作内容を指定する指定情報を表示部に表示し、表示された指定情報に応じて各プレーヤから入力された操作内容を連続して判定し、判定結果に基づき特殊動作を発動させ敵キャラクタを攻撃するようにしたゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−44396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゲーム装置には、複数のキャラクタが敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、敵キャラクタを複数のキャラクタの間で移動させるようなものはなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のキャラクタが敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、敵キャラクタを複数のキャラクタの間で移動させることが可能なプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るプログラムは、
他のゲーム装置とネットワークを介して接続されたゲーム装置のためのプログラムであって、
前記ゲーム装置のプレーヤに対応するプレーヤキャラクタと、前記他のゲーム装置のプレーヤに対応する少なくとも1つの味方キャラクタと、敵キャラクタとをオブジェクト空間に設定するオブジェクト空間設定部と、
前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、前記敵キャラクタを前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタの間で移動させる処理を行う移動処理部と、
前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタに向けて移動する場合に、操作部への入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断する攻撃判断部と、
前記オブジェクト空間を仮想カメラから見た画像を描画する描画部と、
前記他のゲーム装置とネットワークを介してデータを送受信する通信制御部としてコンピュータを機能させ、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、
前記移動処理部は、
前記敵キャラクタを前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行い、
前記通信制御部は、
前記他のゲーム装置に対して、前記敵キャラクタを移動させる先の前記味方キャラクタを特定するためのデータを送信することを特徴とする。また本発明は、上記各部を含むゲーム装置に関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。
【0007】
本発明によれば、オブジェクト空間において、ゲーム装置のプレーヤに対応するプレーヤキャラクタと他のゲーム装置のプレーヤに対応する味方キャラクタが敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、敵キャラクタをプレーヤキャラクタと味方キャラクタの間で移動させることができる。
【0008】
(2)本発明に係るプログラムは、
ゲーム装置のためのプログラムであって、
プレーヤキャラクタと複数の味方キャラクタと敵キャラクタとをオブジェクト空間に設定するオブジェクト空間設定部と、
前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、前記敵キャラクタを前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタの間で移動させる処理を行う移動処理部と、
前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタに向けて移動する場合に、操作部への入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断する攻撃判断部と、
前記オブジェクト空間を仮想カメラから見た画像を描画する描画部としてコンピュータを機能させ、
前記移動処理部は、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、前記操作部に入力された操作データに基づいて、前記敵キャラクタを複数の前記味方キャラクタのうちいずれの味方キャラクタに向けて移動させるかを決定し、前記敵キャラクタを、決定された前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行うことを特徴とする。また本発明は、上記各部を含むゲーム装置に関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。
【0009】
本発明によれば、オブジェクト空間において、プレーヤキャラクタと味方キャラクタが敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、敵キャラクタをプレーヤキャラクタと味方キャラクタの間で移動させることができる。またプレーヤは、敵キャラクタを移動させる先の味方キャラクタを選択することができる。
【0010】
(3)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置では、
前記移動処理部は、
前記敵キャラクタを連続で攻撃した回数に基づいて、前記敵キャラクタを移動させる速度を決定するようにしてもよい。
【0011】
本発明によれば、敵キャラクタを連続で攻撃した回数に応じて操作の難易度を変化させることができる。
【0012】
(4)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置では、
操作部への入力のタイミングを取得する入力タイミング取得部として更にコンピュータを機能させ(入力タイミング取得部モード設定部を更に含み)、
前記攻撃判断部は、
取得した入力タイミングに基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断するようにしてもよい。
【0013】
(5)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置では、
前記攻撃判断部は、
前記プレーヤキャラクタによる攻撃と前記敵キャラクタとのヒットチェック処理を行い、ヒットチェック処理結果に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断するようにしてもよい。
【0014】
(6)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置では、
所定のモード移行条件が満たされた場合に、第1のゲームモードから、前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する第2のゲームモードに移行させるモード設定部として更にコンピュータを機能させ(モード設定部を更に含み)、
前記モード設定部は、
前記プレーヤキャラクタ又は前記味方キャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が失敗したと判断された場合、又は所定の終了条件が満たされた場合に、前記第2のゲームモードを終了するようにしてもよい。
【0015】
(7)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置では、
前記オブジェクト空間設定部は、
前記第2のゲームモードでは、前記プレーヤキャラクタ、前記味方キャラクタ及び前記敵キャラクタを、前記第1のゲームモードでのオブジェクト空間とは異なるオブジェクト空間に配置するようにしてもよい。
【0016】
(8)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置では、
マルチプレーヤゲームにおける自機の役割が子機である場合に、
前記通信制御部は、
前記モード移行条件が満たされた場合に、前記第2のゲームモードの開始を要求するための開始要求データを親機に対して送信し、
前記モード設定部は、
前記開始要求データに応じて親機から送信された、前記第2のゲームモードの開始を通知するための開始通知データを前記通信制御部が受信した場合に、前記第2のゲームモードを開始するようにしてもよい。
【0017】
本発明によれば、複数のゲーム装置が同時に第2のゲームモードの開始を要求した場合の処理上の混乱を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図の一例を示す図。
【図2】第2のゲームモードが開始される場合のタイムチャートを示す図。
【図3】第2のゲームモードについて説明するための図。
【図4】本実施形態のゲーム装置の処理の流れを示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0020】
1.機能ブロック図
図1に本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0021】
操作部160は、プレーヤが操作情報(操作データ)を入力するためのものであり、ユーザの操作情報を処理部100に出力する。操作部160の機能は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル型ディスプレイなどのハードウェアにより実現することができる。
【0022】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部170は、ワーク領域として使用される主記憶部172と、最終的な表示画像等が記憶されるフレームバッファ174と、オブジェクトのモデルデータが記憶されるオブジェクトデータ記憶部176と、各オブジェクトデータ用のテクスチャが記憶されるテクスチャ記憶部178と、オブジェクトの画像の生成処理時にZ値が記憶されるZバッファ179とを含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0023】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0024】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
【0025】
通信部196は他のゲーム装置やサーバとの間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0026】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データ、他のゲーム装置から通信部196を介して受信したデータやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、描画処理などの処理を行う。この処理部100は主記憶部172をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0027】
処理部100は、入力タイミング取得部108、オブジェクト空間設定部110、移動・動作処理部112、攻撃判断部114、モード設定部115、通信制御部116、仮想カメラ制御部118、描画部120、音生成部130を含む。
【0028】
入力タイミング取得部108は、操作部160への入力タイミングを取得する。
【0029】
オブジェクト空間設定部110は、キャラクタ(プレーヤキャラクタ、味方キャラクタ、敵キャラクタ)、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。例えば、ワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義であり、例えば、ワールド座標系でのX、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0030】
特に本実施形態のオブジェクト空間設定部は、ゲーム装置のプレーヤに対応するプレーヤキャラクタと、ネットワークを介して接続された他のゲーム装置のプレーヤに対応する少なくとも1つの味方キャラクタと、敵キャラクタとをオブジェクト空間に設定する。
【0031】
移動・動作処理部112(移動処理部)は、オブジェクト(キャラクタ等)の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。すなわち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)、物理法則などに基づいて、オブジェクトをオブジェクト空間(ゲーム空間)内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。具体的には、オブジェクトの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(オブジェクトを構成する各パーツの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒又は1/30秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、オブジェクトの移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。また移動・動作処理部112は、他のゲーム装置から通信部196を介して受信したオブジェクト(他のプレーヤに対応する味方キャラクタ)の移動情報や動作情報に基づき当該オブジェクトの移動情報や動作情報を更新する処理を行う。また移動・動作処理部112は、他のゲーム装置から通信部196を介して受信した操作データ等に基づき、当該オブジェクトの移動・動作演算を行うようにしてもよい。
【0032】
特に本実施形態の移動・動作処理部112は、前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、前記敵キャラクタを前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタの間で移動させる処理を行う。
【0033】
また移動・動作処理部112は、前記敵キャラクタを連続で攻撃した回数に基づいて、前記敵キャラクタを移動させる速度を決定するようにしてもよい。
【0034】
攻撃判断部114は、前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタに向けて移動する場合に、操作部160への入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断する。そして移動・動作処理部112は、攻撃判断部114によって前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、前記敵キャラクタを前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行う。また移動・動作処理部112は、攻撃判断部114によって前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、操作部160に入力された操作データに基づいて、前記敵キャラクタを複数の前記味方キャラクタのうちいずれの味方キャラクタに向けて移動させるかを決定し、前記敵キャラクタを、決定された前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行うようにしてもよい。
【0035】
また攻撃判断部114は、入力タイミング取得部108によって取得された入力タイミングに基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断するようにしてもよい。
【0036】
また攻撃判断部114は、前記プレーヤキャラクタによる攻撃と前記敵キャラクタとのヒットチェック処理を行い、ヒットチェック処理結果に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断するようにしてもよい。ここで、前記プレーヤキャラクタによる攻撃と前記敵キャラクタとのヒットチェック処理は、攻撃のための操作時におけるプレーヤキャラクタと敵キャラクタの位置や、プレーヤキャラクタや敵キャラクタに設定されたヒットエリアに基づき行うことができる。
【0037】
モード設定部115は、所定のモード移行条件が満たされた場合に、第1のゲームモードから、前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する第2のゲームモードに移行させる。なお、所定のモード移行条件が満たされたか否かの判断は、所定の操作入力の有無により判断するようにしてもよいし、キャラクタのゲームパラメータ(例えば、体力値や経験値)が所定の条件を満たしたか否かにより判断するようにしてもよいし、他のゲーム装置から通信部196を介して受信したデータに基づき判断するようにしてもよい。
【0038】
またモード設定部115は、攻撃判断部114によって前記プレーヤキャラクタ又は前記味方キャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が失敗したと判断された場合、又は所定の終了条件が満たされた場合に、前記第2のゲームモードを終了する。またモード設定部115は、他のゲーム装置から通信部196を介して受信したデータに基づき第2のゲームモードを終了するようにしてもよい。またオブジェクト空間設定部110は、前記第2のゲームモードでは、前記プレーヤキャラクタ、前記味方キャラクタ及び前記敵キャラクタを、前記第1のゲームモードでのオブジェクト空間とは異なるオブジェクト空間に配置する。
【0039】
通信制御部116は、他のゲーム装置と、通信部196及びネットワークを介してデータを送受信する。また通信制御部116は、攻撃判断部114によって前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、他のゲーム装置に対して、前記敵キャラクタを移動させる先の前記味方キャラクタを特定するためのデータを送信する。
【0040】
また通信制御部116は、マルチプレーヤゲームにおける自機の役割が子機である場合に、前記モード移行条件が満たされた場合に、前記第2のゲームモードの開始を要求するための開始要求データを親機に対して送信するようにしてもよい。そしてモード設定部115は、前記開始要求データに応じて親機から送信された、前記第2のゲームモードの開始を通知するための開始通知データを通信制御部116が受信した場合に、前記第2のゲームモードを開始する。
【0041】
仮想カメラ制御部118は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、操作部160によりプレーヤが入力した操作データ或いはプログラム(移動・動作アルゴリズム)等に基づいて、ワールド座標系における仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(例えば、X、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)を制御する処理を行う。要するに、視点位置、視線方向、画角を制御する処理を行う。
【0042】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。いわゆる3次元画像を生成する場合には、まずオブジェクトの各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理(頂点シェーダによるシェーディング)が行われる。なお頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0043】
頂点処理では、頂点処理プログラム(頂点シェーダプログラム、第1のシェーダプログラム)に従って、頂点の移動処理や、座標変換、例えばワールド座標変換、視野変換(カメラ座標変換)、クリッピング処理、射影変換(透視変換、投影変換)、ビューポート変換(スクリーン座標変換)、光源計算等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。ジオメトリ処理後のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)は、オブジェクトデータ記憶部176に保存される。
【0044】
そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(ピクセルシェーダによるシェーディング、フラグメント処理)が行われる。
【0045】
ピクセル処理では、ピクセル処理プログラム(ピクセルシェーダプログラム、第2のシェーダプログラム)に従って、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を描画バッファ174(ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0046】
そして描画部120は、オブジェクトを描画する際に、テクスチャマッピング、隠面消去処理等を行う。
【0047】
テクスチャマッピングは、記憶部170のテクスチャ記憶部178に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングするための処理である。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部170のテクスチャ記憶部178からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0048】
隠面消去処理としては、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ179(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行うことができる。すなわちオブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファ179に格納されるZ値を参照する。そして参照されたZバッファ179のZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファ179のZ値を新たなZ値に更新する。
【0049】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0050】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0051】
2−1.概要
本実施形態のゲーム装置では、3台の他のゲーム装置とネットワークを介して通信しマルチプレーヤゲームを行うことができる。ゲームを開始する際にはいずれか1つのゲーム装置が親機となり、それ以外のゲーム装置が子機となる。親機となったゲーム装置は、子機となったゲーム装置から送信されたゲームへの参加要求に基づきゲームへの参加処理を行い、各ゲーム装置は、互いのIPアドレス、MACアドレス、プレーヤ情報、キャラクタ情報等を取得・交換する。
【0052】
各ゲーム装置では、操作部からの操作データや他のゲーム装置から受信した移動情報や動作情報に基づきキャラクタをオブジェクト空間内で移動・動作させ、オブジェクト空間を仮想カメラから見た画像が生成され、ゲーム画像として表示部に表示される。ゲーム画像には、自機のプレーヤに対応するプレーヤキャラクタと、3台の他のゲーム装置のそれぞれのプレーヤに対応する3つの味方キャラクタと、ノンプレーヤキャラクタ(NPC)である複数の敵キャラクタが表示される。各ゲーム装置のプレーヤは、プレーヤキャラクタを移動・動作させて、味方キャラクタと協力しながら敵キャラクタと戦闘するゲームを行うことができる。なおゲームに参加するゲーム装置が4台に満たない場合には、NPCである味方キャラクタが表示される。またNPCである味方キャラクタの移動・動作処理は親機であるゲーム装置が行う。
【0053】
2−2.ゲームモードの移行
本実施形態のゲームでは、プレーヤキャラクタと味方キャラクタがそれぞれ個別に複数の敵キャラクタと戦闘を行う第1のゲームモードと、プレーヤキャラクタと味方キャラクタが1つの敵キャラクタを連続で攻撃する第2のゲームモードがある。そして、第1のゲームモードにおいて、所定のモード移行条件が満たされると第2のゲームモードに移行する。本実施形態では、第1のゲームモードにおいて、プレーヤキャラクタ又は味方キャラクタによる敵キャラクタに対する攻撃によって当該敵キャラクタの体力値が所定の値以下となった場合(モード移行条件を満たすための攻撃が成功した場合)に、モード移行条件が満たされたと判断され、当該敵キャラクタを連続攻撃の対象とする第2のゲームモードが開始される。なお、いずれかのゲーム装置において特殊な操作入力(例えば、操作部の所定の2つのボタンを同時に押す操作入力)があった場合に、モード移行条件が満たされたと判断するようにしてもよいし、敵キャラクタが所定の状態(例えば、行動不能状態)になった場合に、モード移行条件が満たされたと判断し、当該敵キャラクタを連続攻撃の対象とする第2のゲームモードを開始するようにしてもよい。また、攻撃を受ける度に値が増加する所定のゲームパラメータ(スタン値)が敵キャラクタに設定され、このスタン値が所定の値以上になることによって所定の状態(スタン状態)になった敵キャラクタに対して特殊攻撃(特殊な操作入力によって行われる攻撃)が行われた場合に、当該敵キャラクタを連続攻撃の対象とする第2のゲームモードを開始するようにしてもよい。
【0054】
図2は、第2のゲームモードが開始される場合のタイムチャートを示す図である。図2に示すように、子機であるゲーム装置のプレーヤに対応するキャラクタによる敵キャラクタに対する攻撃によってモード移行条件が満たされたと判断された場合には、当該子機は第2のゲームモードの開始を要求するための開始要求データを、親機であるゲーム装置に対して送信する。ここで、開始要求データには、開始要求データを送信した子機のプレーヤ(又はキャラクタ)を特定するためのプレーヤIDと、連続攻撃の対象とする敵キャラクタを特定するための敵キャラクタIDが含まれる。
【0055】
親機は、子機から開始要求データを受信した場合、或いは自機(親機)のプレーヤキャラクタによる敵キャラクタに対する攻撃によってモード移行条件が満たされたと判断された場合に、第2のゲームモードへの移行準備を通知するための始動通知データを全ての子機に対して送信して、第2のゲームモードの開始処理(準備処理)を行う。ここで、始動通知データには、モード移行条件を満たすための攻撃を成功させたプレーヤ(開始要求データを送信した子機のプレーヤ、又は親機のプレーヤ)を特定するためのプレーヤIDと、連続攻撃の対象とする敵キャラクタを特定するための敵キャラクタIDが含まれる。また、始動通知データには、複数のゲーム装置間で同期してカウントするカウンタ情報も含まれる。各子機は、複数の開始要求データを同時に受信した場合に、このカウンタ情報に基づいて親機から最先に送信された開始要求データを特定することができる。
【0056】
子機は、始動通知データを受信すると第2のゲームモードの開始処理を行い、始動通知データを受信したことを通知する始動通知応答データを親機に対して送信する。ここで、第2のゲームモードの開始処理としては、第1のゲームモードのゲーム画像をフェードアウトさせる処理と、プレーヤキャラクタ、味方キャラクタ及び連続攻撃の対象となる敵キャラクタを、第2のゲームモード用のオブジェクト空間に配置する処理とが行われる。各ゲーム装置(親機及び子機)は、開始処理が完了した場合に、開始処理が完了したことを通知するための準備完了通知データを全てのゲーム装置に対して送信する。親機は、準備完了通知データを全ての子機から受信した場合、又は準備完了通知データの待ち時間がタイムアウトした場合に、第2のゲームモードの開始を通知するための開始通知データを全ての子機に対して送信し、第2のゲームモードを開始する。子機は開始通知データを受信すると、開始通知データを受信したことを通知する開始通知応答データを親機に対して送信し、第2のゲームモードを開始する。
【0057】
このように、第2のゲームモードの開始を要求するための開始要求データを親機に対して送信し、親機が開始要求データに応じて全ての子機に第2のゲームモードを開始させるようにすることで、複数のゲーム装置が同時に第2のゲームモードの開始を要求した場合の処理上の混乱を回避することができる。
【0058】
2−3.第2のゲームモード
図3は、第2のゲームモードについて説明するための図である。第2のゲームモードでは、プレーヤキャラクタ、味方キャラクタ及び敵キャラクタは、第1のゲームモードでのオブジェクト空間とは異なるオブジェクト空間に配置される。また第2のゲームモードでは、敵キャラクタをプレーヤキャラクタと味方キャラタクタの間で移動させながら、敵キャラクタを連続で攻撃することができる。
【0059】
本実施形態では、図3(A)に示すように、プレーヤキャラクタPC、味方キャラクタAC1、AC2、AC3は、第2のゲームモードのオブジェクト空間において、それぞれ正方形の4つの頂点のいずれかに位置するように配置される。図3(A)は、第2のゲームモード開始時の各キャラクタの配置状況を一例を示す図であり、ここでは、連続攻撃の対象となった敵キャラクタECは、モード移行条件を満たすための攻撃を成功させた他のゲーム装置のプレーヤに対応する味方キャラクタAC1の近傍に位置している。そして、図3(B)に示すように、敵キャラクタECは、味方キャラクタAC1の正面に位置するプレーヤキャラクタPCに向けて移動する。
【0060】
このとき、ゲーム装置のプレーヤは、操作部を操作することにより、プレーヤキャラクタPCに敵キャラクタを攻撃させることができ、攻撃を成功させることによって、敵キャラクタECを移動元の味方キャラクタAC1を除く味方キャラクタAC2、3のいずれかに向けて移動させることができる。ここで、攻撃が成功したか否かは、操作部への入力タイミングと、プレーヤキャラクタPCの攻撃と敵キャラクタとのヒットチェック処理の処理結果とに基づき判断される。すなわち、敵キャラクタECがプレーヤキャラクタの位置に到達するまでの時間内(所定時間内)に攻撃のための操作が行われ、且つ操作時に敵キャラクタECがプレーヤキャラクタPCに設定されるヒットエリアHAに位置する場合に攻撃が成功したと判断される。また、当該所定時間内に攻撃のための操作が行われない場合、又は操作時に敵キャラクタECがヒットエリアHAに位置しない場合には、攻撃が失敗したと判断される。なお、ヒットエリアHAは、キャラクタの種類や属性(例えば、攻撃力や経験値、所持するアイテムなどのゲームパラメータ)に応じた大きさや形状で設定される。
【0061】
ゲーム装置のプレーヤは、敵キャラクタECがプレーヤキャラクタPCに向かって移動してくる場合に、ゲーム画像を見ながら敵キャラクタECがプレーヤキャラクタPCに十分に近づいたタイミングで操作部を操作することにより、敵キャラクタECへの攻撃を成功させて、敵キャラクタECを味方キャラクタに向けて移動させることができる。
【0062】
また本実施形態では、攻撃が成功したと判断された場合には、操作部に入力された操作データに基づいて敵キャラクタECをいずれの味方キャラクタに向けて移動させるかが決定される。例えば、操作部に設けられた4つのボタン162(図3(E)参照)のうち、攻撃のための操作として右側の「○」ボタンが押された場合には、図3(C)に示すように、敵キャラクタECは、プレーヤキャラクタPCから向かって右側に位置する味方キャラクタAC2に向けて移動し、攻撃のための操作として左側の「□」ボタンが押された場合には、敵キャラクタECは、プレーヤキャラクタPCから向かって左側に位置する味方キャラクタAC3に向けて移動する。
【0063】
ここで、ゲーム装置は、プレーヤキャラクタPCによる攻撃が成功したと判断された場合には、攻撃が成功したことを通知する攻撃成功通知データを他の全てのゲーム装置に対して送信する。攻撃成功通知データには、攻撃成功通知データを送信したゲーム装置のプレーヤを特定するためのプレーヤIDと、敵キャラクタECを移動させる先の味方キャラクタを特定するためのキャラクタIDと、攻撃のヒット時における敵キャラクタECの位置座標が含まれる。攻撃成功通知データを受信した他のゲーム装置では、敵キャラクタECをヒット時の位置からキャラクタIDにより特定されるキャラクタに向けて移動させる処理を行うことができる。
【0064】
また、ゲーム装置は、他のゲーム装置から攻撃成功通知データを受信した場合には、敵キャラクタECをヒット時の位置からキャラクタIDにより特定されるキャラクタ(味方キャラクタ又はプレーヤキャラクタPC)に向けて移動させる。例えば、図3(C)に示すように、敵キャラクタECが味方キャラクタAC2に向けて移動する場合に、他のゲーム装置(味方キャラクタAC2に対応するプレーヤのゲーム装置)から攻撃成功通知データを受信し、攻撃成功データに含まれるキャラクタIDにより特定されるキャラクタが味方キャラクタAC3である場合には、図3(D)に示すように、敵キャラクタECをヒット時の位置から味方キャラクタAC3に向けて移動させる。このようにして、ゲーム装置のプレーヤは他のゲーム装置のプレーヤと協力しながら、敵キャラクタECをプレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3間で移動させながら敵キャラクタECを連続で攻撃するゲームプレイを楽しむことができる。
【0065】
また、ゲーム装置は、プレーヤキャラクタPCによる攻撃が失敗したと判断された場合には、攻撃が失敗したことを通知する攻撃失敗通知データを他の全てのゲーム装置に対して送信する。そしてゲーム装置は、プレーヤキャラクタPCによる攻撃が失敗したと判断された場合、或いは他のゲーム装置から攻撃失敗通知データを受信した場合には、攻撃が失敗した場合のゲーム演出を行い、第2のゲームモードを終了する。
【0066】
また、ゲーム装置は、所定の終了条件が満たされたと判断した場合には、連続攻撃を終了することを通知する攻撃終了通知データを他の全てのゲーム装置に対して送信する。例えば、ゲーム装置のプレーヤが攻撃時に図3(E)に示す4つのボタンBTのうち「×」ボタンを押して、攻撃を成功させた場合には、終了条件が満たされた(連続攻撃における最後の攻撃が成功した)と判断する。ここで、第2のゲームモードに参加している全てのキャラクタ(プレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3)がそれぞれ1回以上攻撃を成功させている場合に、「×」ボタンの入力が可能になるようにしてもよい。また、「×」ボタンによる攻撃は他のボタンによる攻撃よりも敵キャラクタECに多くのダメージを与えるようにしてもよい。また、「×」ボタンが入力されるまでに、プレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3がそれぞれ敵キャラクタECを攻撃した回数の総数(連続で攻撃した回数)に基づいて、「×」ボタンによる攻撃の強さ(攻撃によって敵キャラクタECに与えるダメージの大きさ)を決定するようにしてもよい。
【0067】
また、プレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3が敵キャラクタECを連続で攻撃した回数が所定の回数に達した場合に、終了条件が満たされたと判断するようにしてもよい。そしてゲーム装置は、終了条件が満たされたと判断した場合、或いは他のゲーム装置から攻撃終了通知データを受信した場合には、攻撃が終了した場合のゲーム演出を行い、第2のゲームモードを終了する。
【0068】
また本実施形態では、プレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3が敵キャラクタECを連続で攻撃した回数に基づいて、敵キャラクタECをプレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3間で移動させるときの速度を決定している。ここでは、連続で攻撃した回数が多くなるほど、移動時の敵キャラクタECの速度を大きくし、敵キャラクタECがあるキャラクタによって攻撃されてから他のキャラクタの位置に到達するまでの時間が短くなるようにしている。各プレーヤは、敵キャラクタECが他のプレーヤに対応するキャラクタによって攻撃されてから自身のキャラクタの位置に到達するまでの時間(移動時間)内に攻撃のための操作を行わなければないため、このようにすると、敵キャラクタECに対する連続攻撃が長く継続した場合に、攻撃のための操作の難易度を高めることができる。
【0069】
また、第2のゲームモードでは、図3(B)に示すように、仮想カメラVCは、プレーヤキャラクタPCの後方に設定され、その視線方向(又は注視点)が、移動する敵キャラクタECを向くように制御される。また、仮想カメラVCの視線方向を常に敵キャラクタECに向けるようにすると、敵キャラクタECの移動速度が極端に大きくなったときに、ゲーム画像が急激に変化してしまうため、これを防止するために、敵キャラクタECの移動速度が所定の速度以上になった場合には、仮想カメラVCの視線方向を固定するようにしてもよいし、視線方向を緩やかに変化させるようにしてもよい。例えば、敵キャラクタを向く視線方向GV1と、プレーヤキャラクタPCと味方キャラクタAC1〜AC3から等距離にある中心点を向く視線方向GV2とを合成して新たな視線方向GV3を求め、求めた視線方向GV3を仮想カメラVCの視線方向とし、敵キャラクタECの移動速度が大きくなるほど視線方向GV2の合成比率を高くするようにしてもよい。
【0070】
3.処理
次に、本実施形態のゲーム装置の処理の一例について図4のフローチャートを用いて説明する。ここでは、第2のゲームモードにおける処理の一例について説明する。
【0071】
まず、他のゲーム装置から攻撃成功通知データを受信したか否かを判断し(ステップS10)、受信したと判断された場合には、敵キャラクタECを連続で攻撃した回数のカウント値を1だけ増加させる(ステップS11)。
【0072】
次に、受信した攻撃成功通知データに含まれるキャラクタIDにより特定されるキャラクタ(移動先のキャラクタ)がプレーヤキャラクタPCであるか否かを判断する(ステップS12)。プレーヤキャラクタPCでないと判断された場合には、敵キャラクタを連続で攻撃した回数のカウント値に基づき敵キャラクタECの移動速度を求め、求めた移動速度で、敵キャラクタECをキャラクタIDに特定される味方キャラクタに向けて移動させ(ステップS14)、ステップS10の処理に進む。
【0073】
ステップS12の処理において、移動先のキャラクタがプレーヤキャラクタPCであると判断された場合には、敵キャラクタを連続で攻撃した回数のカウント値に基づき敵キャラクタECの移動速度を求め、求めた移動速度に基づき1フレーム分の移動距離を求め、求めた移動距離だけ敵キャラクタECをプレーヤキャラクタPCに向けて移動させる(ステップS16)。なお、敵キャラクタECの移動に先立ち、敵キャラクタECの移動速度に基づき敵キャラクタの移動時間(敵キャラクタECが味方キャラクタに攻撃されてからプレーヤキャラクタPCの位置に到達するまでの時間)を求め、移動時間のカウントを開始する。
【0074】
次に、攻撃のための操作入力があったか否かを判断し(ステップS18)、操作入力がないと判断された場合には、移動時間が経過したか否かを判断し(ステップS20)、経過していないと判断された場合には、ステップS16の処理に進む。
【0075】
ステップS18の処理において、攻撃のための操作入力があったと判断された場合には、敵キャラクタECの位置と、プレーヤキャラクタPCに設定されたヒットエリアに基づき、プレーヤキャラクタPCの攻撃が敵キャラクタECにヒットしたか否かを判断し(ステップS22)、ヒットしたと判断された場合には、所定の終了条件が満たされたか否かを判断し(ステップS24)、満たされていないと判断された場合には、入力された操作データに基づき敵キャラクタECを移動させる先の味方キャラクタを決定する(ステップS26)。
【0076】
次に、決定された味方キャラクタを特定するためのキャラクタIDとヒット時の敵キャラクタECの位置座標を含む攻撃成功通知データを、他のゲーム装置に対して送信し(ステップS28)、敵キャラクタECを連続で攻撃した回数のカウント値を1だけ増加させる。次に、敵キャラクタを連続で攻撃した回数のカウント値に基づき敵キャラクタECの移動速度を求め、求めた移動速度で、敵キャラクタECを決定された味方キャラクタに向けて移動させる(ステップS30)。
【0077】
ステップS20の処理において移動時間が経過したと判断された場合、及びステップS22の処理において、攻撃がヒットしなかったと判断された場合には、他のゲーム装置に対して攻撃失敗通知データを送信し(ステップS32)、ゲーム演出を行って第2のゲームモードを終了する(ステップS34)。
【0078】
また、ステップS24の処理において、終了条件が満たされたと判断された場合には、他のゲーム装置に対して攻撃終了通知データを送信し(ステップS36)、ステップS34の処理に進む。
【0079】
また、ステップS10の処理において、攻撃成功通知データを受信していないと判断された場合には、他のゲーム装置から攻撃失敗通知データ、又は攻撃終了通知データを受信したか否かを判断し(ステップS38)、いずれかのデータを受信したと判断された場合には、ステップS34の処理に進む。
【0080】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0081】
100 処理部、108 入力タイミング取得部、110 オブジェクト空間設定部、112 移動・動作処理部(移動処理部)、114 攻撃判断部、115 モード設定部、116 通信制御部、118 仮想カメラ制御部、120 描画部、160 操作部、170 記憶部、180 情報記憶媒体、190 表示部、192 音出力部、196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のゲーム装置とネットワークを介して接続されたゲーム装置のためのプログラムであって、
前記ゲーム装置のプレーヤに対応するプレーヤキャラクタと、前記他のゲーム装置のプレーヤに対応する少なくとも1つの味方キャラクタと、敵キャラクタとをオブジェクト空間に設定するオブジェクト空間設定部と、
前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、前記敵キャラクタを前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタの間で移動させる処理を行う移動処理部と、
前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタに向けて移動する場合に、操作部への入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断する攻撃判断部と、
前記オブジェクト空間を仮想カメラから見た画像を描画する描画部と、
前記他のゲーム装置とネットワークを介してデータを送受信する通信制御部としてコンピュータを機能させ、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、
前記移動処理部は、
前記敵キャラクタを前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行い、
前記通信制御部は、
前記他のゲーム装置に対して、前記敵キャラクタを移動させる先の前記味方キャラクタを特定するためのデータを送信することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
ゲーム装置のためのプログラムであって、
プレーヤキャラクタと複数の味方キャラクタと敵キャラクタとをオブジェクト空間に設定するオブジェクト空間設定部と、
前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、前記敵キャラクタを前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタの間で移動させる処理を行う移動処理部と、
前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタに向けて移動する場合に、操作部への入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断する攻撃判断部と、
前記オブジェクト空間を仮想カメラから見た画像を描画する描画部としてコンピュータを機能させ、
前記移動処理部は、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、前記操作部に入力された操作データに基づいて、前記敵キャラクタを複数の前記味方キャラクタのうちいずれの味方キャラクタに向けて移動させるかを決定し、前記敵キャラクタを、決定された前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記移動処理部は、
前記敵キャラクタを連続で攻撃した回数に基づいて、前記敵キャラクタを移動させる速度を決定することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
操作部への入力のタイミングを取得する入力タイミング取得部として更にコンピュータを機能させ、
前記攻撃判断部は、
取得した入力タイミングに基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記攻撃判断部は、
前記プレーヤキャラクタによる攻撃と前記敵キャラクタとのヒットチェック処理を行い、ヒットチェック処理結果に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
所定のモード移行条件が満たされた場合に、第1のゲームモードから、前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する第2のゲームモードに移行させるモード設定部として更にコンピュータを機能させ、
前記モード設定部は、
前記プレーヤキャラクタ又は前記味方キャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が失敗したと判断された場合、又は所定の終了条件が満たされた場合に、前記第2のゲームモードを終了することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記オブジェクト空間設定部は、
前記第2のゲームモードでは、前記プレーヤキャラクタ、前記味方キャラクタ及び前記敵キャラクタを、前記第1のゲームモードでのオブジェクト空間とは異なるオブジェクト空間に配置することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1に従属する請求項6において、
マルチプレーヤゲームにおける自機の役割が子機である場合に、
前記通信制御部は、
前記モード移行条件が満たされた場合に、前記第2のゲームモードの開始を要求するための開始要求データを親機に対して送信し、
前記モード設定部は、
前記開始要求データに応じて親機から送信された、前記第2のゲームモードの開始を通知するための開始通知データを前記通信制御部が受信した場合に、前記第2のゲームモードを開始することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至8のいずれかに記載のプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項10】
他のゲーム装置とネットワークを介して接続されたゲーム装置であって、
前記ゲーム装置のプレーヤに対応するプレーヤキャラクタと、前記他のゲーム装置のプレーヤに対応する少なくとも1つの味方キャラクタと、敵キャラクタとをオブジェクト空間に設定するオブジェクト空間設定部と、
前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、前記敵キャラクタを前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタの間で移動させる処理を行う移動処理部と、
前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタに向けて移動する場合に、操作部への入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断する攻撃判断部と、
前記オブジェクト空間を仮想カメラから見た画像を描画する描画部と、
前記他のゲーム装置とネットワークを介してデータを送受信する通信制御部とを含み、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、
前記移動処理部は、
前記敵キャラクタを前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行い、
前記通信制御部は、
前記他のゲーム装置に対して、前記敵キャラクタを移動させる先の前記味方キャラクタを特定するためのデータを送信することを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
プレーヤキャラクタと複数の味方キャラクタと敵キャラクタとをオブジェクト空間に設定するオブジェクト空間設定部と、
前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタが前記敵キャラクタを連続で攻撃する場合に、前記敵キャラクタを前記プレーヤキャラクタと前記味方キャラクタの間で移動させる処理を行う移動処理部と、
前記敵キャラクタが前記プレーヤキャラクタに向けて移動する場合に、操作部への入力に基づいて、前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したか否かを判断する攻撃判断部と、
前記オブジェクト空間を仮想カメラから見た画像を描画する描画部とを含み、
前記移動処理部は、
前記プレーヤキャラクタによる前記敵キャラクタに対する攻撃が成功したと判断された場合に、前記操作部に入力された操作データに基づいて、前記敵キャラクタを複数の前記味方キャラクタのうちいずれの味方キャラクタに向けて移動させるかを決定し、前記敵キャラクタを、決定された前記味方キャラクタに向けて移動させる処理を行うことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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