説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】ゲーム装置間でのNPC(ノンプレーヤキャラクタ)に関するゲームデータのやりとりを利用してゲームの興趣を高める。
【解決手段】ノード(ゲーム装置1500a)にて所定の出現条件をみたすと、特殊敵キャラクタ7をゲーム世界に出現させる。特殊敵キャラクタ7に関するゲーム進行状況が所定のゲーム世界移転条件を満たす場合(例えば、大きなダメージを負った)、当該ノードは他ノード(他ゲーム装置1500b)へ現在の特殊敵キャラクタ7のキャラクタデータを送信し、自ゲーム世界から特殊敵キャラクタ7を消去する。他ノードにおいて出現条件を満たしていれば、そこのゲーム世界において移転前の状態を引き継いだ特殊敵キャラクタ7が出現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置間でゲームデータを交換することでゲームの興趣を高める手法は、良く知られる所である。例えば、特許文献1では、予め交換用のデータを用意・承認しておくことで、プレーヤ同士が口頭で承諾を交わさなくとも自動でゲームデータの交換を可能にする技術が公開されている。また、特許文献2では、他のプレーヤとマルチプレイを希望する側が予めマルチプレイのモードを選択しておくと、選択されたモードでのマルチプレイ要求がゲームサーバを介して同じゲームをプレイしている他プレーヤへ送信され、相手先で承諾されると、選択したモードでのマルチプレイを実現する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4073885号公報
【特許文献2】特開2010−88694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、上述のようなゲーム装置間で行われるゲームデータのやりとりは、主にキャラクタが使用できるアイテムや、マルチプレイをするためのプレーヤキャラクタについてであった。
【0005】
本発明は、ゲーム装置間でのNPC(ノンプレーヤキャラクタ)に関するゲームデータのやりとりを利用してゲームの興趣を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための第1の形態は、ゲームにおいて、NPC(ノン・プレイヤブル・キャラクタ)データを送受してNPCがコンピュータ間を渡り歩くようにコンピュータを制御させるためのプログラムであって、
他コンピュータからNPCデータを受信する受信制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、特殊NPCデータ受信制御部204、通信制御部270、通信部370、図13のステップ14)、
受信した前記NPCデータを用いてNPCを表示制御する表示制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図13のステップS92)、
操作入力に基づいて、前記表示制御手段により表示制御されたNPCと交戦する交戦制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、特殊NPC動作制御部208、図13のステップS130)、
前記交戦制御手段の交戦に応じて前記NPCデータを書き換えるデータ更新手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図13のステップS132)、
前記NPCデータを他コンピュータに送信する送信制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、通信制御部270、通信部370、図14のステップS138〜S140)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また、別形態として、NPCデータを送受してNPCがゲーム装置間を渡り歩くように制御するゲーム装置であって、他コンピュータからNPCデータを受信する受信制御手段と、受信した前記NPCデータを用いてNPCを表示制御する表示制御手段と、操作入力に基づいて、前記表示制御手段により表示制御されたNPCと交戦する交戦制御手段と、前記交戦制御手段の交戦に応じて前記NPCデータを書き換えるデータ更新手段と、前記NPCデータを他コンピュータに送信する送信制御手段と、を備えたゲーム装置を構成することができる。
【0008】
第1の形態によれば、同じゲームを実行しているコンピュータ間で、状態を継承しつつ渡り歩くNPCを実現することができる。つまり、あるコンピュータでプレーヤキャラクタなどと関わり合って状態が変化したら、その変化した状態を保ったまま他のコンピュータに移動し、そこでまた別のプレーヤと関わり合うNPCを実現できる。ゲーム装置間でのNPCに関するゲームデータのやりとりを利用してゲームの興趣を高めることができる。
【0009】
第2の形態は、前記NPCを移転させる条件として定められた前記交戦制御手段の交戦結果に基づく移転条件を満たすか否かを判定する移転判定手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、移転判定部212、図14のステップS138)として前記コンピュータを更に機能させ、前記送信制御手段が、前記移転判定手段により肯定判定された場合に前記NPCデータを送信する、第1の形態のプログラムである。
【0010】
第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果が得られるとともに、NPCの移転が行われる条件を設定することができる。
【0011】
第3の形態は、前記表示制御手段が、前記NPCを出現させる条件として定められたゲームの進行状況に基づく出現条件を満たした場合に、前記NPCをゲーム世界に出現させる出現制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、特殊NPC出現制御部206、図16のステップS102〜S110)を有する、第1又は第2の形態のプログラムである。
【0012】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態と同様の効果が得られるとともに、NPCがゲーム世界に出現する条件を設定することができる。
【0013】
より好適には、第4の形態として、前記送信制御手段は、前記出現条件を満たさない状態が所定時間継続した場合に、前記NPCデータを他コンピュータに送信する通過送信制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、通信制御部270、通信部370、図14のステップS138〜S140)を有する、第3の形態のプログラムである。
【0014】
第4の形態によれば、第3の形態と同様の効果が得られるとともに、NPCが特定のコンピュータにいつまでも止め置かれる状況を回避できる。
【0015】
第5の形態は、他コンピュータと通信し、ゲーム進行状況が自コンピュータと所定の類似条件を満たす他コンピュータを選択する選択手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図17のステップS162)として前記コンピュータを更に機能させ、前記送信制御手段は、前記選択手段により選択された他コンピュータに前記NPCデータを送信する、第1〜第4の何れかの形態のプログラムである。
【0016】
第5の形態によれば、第1〜第4の形態の何れかと同様の効果が得られるとともに、ゲーム進行状況が似た状態の他コンピュータへNPCを移転させることができる。
【0017】
第6の形態によれば、期限(例えば、図11の休眠時間565)が対応づけられた前記NPCデータのクローンデータを他コンピュータから受信するクローンデータ受信制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図13のステップS10〜S12)として前記コンピュータを更に機能させ、前記表示制御手段が、前記クローンデータに対応づけられた期限を満たすまでの間に前記NPCデータが受信されなかった場合、当該クローンデータに基づいてNPCデータを生成してNPCを出現させて表示制御する復元表示制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図15のステップS60〜S62)を有する、第1〜第5の何れかの形態のプログラムである。
【0018】
第6の形態によれば、第1〜第5の形態の何れかと同様の効果が得られるとともに、NPCが移転した先のコンピュータが使用されない状態が続いて、実質的にNPCが封印されてしまうような状況が起きてもNPCを復元することができる。
【0019】
第7の形態は、前記表示制御手段が、前記受信制御手段により受信されたNPCデータが、前記復元表示制御手段によって既に表示制御されたNPCに係るNPCデータである場合に、当該NPCの表示制御を抑止する抑止手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図13のステップS15)を有する、第6の形態のプログラムである。
【0020】
第7の形態によれば、第6の形態と同様の効果が得られるとともに、復元されたNPCと同じNPCが後から移転してきても、当該移転してきたNPCの表示をしないことで、同じキャラクタが複数表示されることを回避できる。
【0021】
第8の形態は、前記NPCデータに基づいてNPCのクローンキャラクタのデータでなるクローンデータを生成するクローンデータ生成手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図17のステップS160、図19のステップS260)、
前記クローンデータ生成手段により生成されたクローンデータを、時限を識別するための情報(例えば、図11の休眠時間565)と対応づけて他コンピュータに送信するクローンデータ送信制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図17のステップS164、図19のステップS264)、
として前記コンピュータを更に機能させるための第1〜第7の何れかの形態のプログラムである。
【0022】
第8の形態によれば、第1〜第7の形態の何れかと同様の効果が得られるとともに、クローンデータに時限を設けることができる。
【0023】
第9の形態は、前記NPCデータには、当該NPCと交戦したプレーヤのコンピュータを識別するための交戦プレーヤ履歴情報(例えば、図10の特殊敵キャラクタデータ530、交戦記録550)が含まれており、
前記交戦の結果が所定の特典付与条件を満たす場合に、所定の特典付与処理を実行するとともに、前記交戦プレーヤ履歴情報に基づいて、当該NPCと交戦したプレーヤのコンピュータに向けて特典付与処理の実行を促す信号を発信する特典付与実行制御手段(例えば、図1の制御基板1550、図9の処理部200、ゲーム演算部202、図14のステップS190〜S192)として前記コンピュータを更に機能させる、第1〜第8の何れかの形態のプログラムである。
【0024】
第9の形態によれば、第1〜第8の形態の何れかと同様の効果が得られるとともに、NPCに関する交戦の結果が所定の特典付与条件を満たす場合に、交戦したプレーヤに特典を付与することができる。
【0025】
第10の形態は、前記NPCデータには、コンピュータ間の移転の上限を示す移転上限データ(例えば、図22の移転許可回数536)が含まれており、前記データ更新手段は、前記交戦制御手段の交戦結果に応じて前記移転上限データを書き換える、第1〜第9の何れかの形態のプログラムである。
【0026】
第10の形態によれば、第1〜第9の形態の何れかと同様の効果が得られるとともに、NPCの移転回数に制限を設けることができ、この制限も交戦結果に応じて変更できる。
【0027】
また、第11の形態として、前記NPCデータには、前記NPCの容姿データが含まれてなり、前記データ更新手段は、前記交戦に応じて前記NPCの容姿データを書き換える、第1〜第10の何れかの形態のプログラムを構成すると良い。
【0028】
第11の形態によれば、第1〜第10の何れかの形態と同様の効果が得られるとともに、NPCがそれまでに移転してきた遍歴を見た目で表現できる。
【0029】
更に、第12の形態として、前記NPCデータには、前記NPCの攻撃特性を示す攻撃特性データ(例えば、図10の現在能力パラメータ値546、現在動作傾向データ549)が含まれてなり、前記データ更新手段は、前記交戦に応じて前記NPCの攻撃特性データを書き換える、第1〜第11の何れかの形態のプログラムを構成すると好適である。
【0030】
第12の形態によれば、第1〜第11の何れかの形態と同様の効果が得られるとともに、凶暴化したり逆に攻撃性を弱めたりといった具合に、移転してきた遍歴によって、NPCの行動パターンに変化をつけることができる。
【0031】
第13の形態は、第1〜第12の何れかの形態のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0032】
ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第13の形態によれば、第1〜第12の形態の何れかのプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第12の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ゲーム装置の構成例を示す(1)正面外観図、(2)背面外観図。
【図2】ゲームプレイ時のネットワーク構成例とゲーム画面例を示す図。
【図3】NPCのゲーム世界移転の原理を説明するための概念図。
【図4】NPCのゲーム世界移転の原理を説明するための概念図。
【図5】特殊キャラクタのデータの転送例を示す概念図。
【図6】特典付与の原理を説明するための概念図。
【図7】特典付与の原理を説明するための概念図。
【図8】特殊キャラクタの封印対策の原理を説明するための概念図。
【図9】機能構成例を示す機能ブロック図。
【図10】特殊敵キャラクタデータのデータ構成例を示す図。
【図11】クローンキャラクタデータのデータ構成例を示す図。
【図12】特典付与リストのデータ構成例を示す図。
【図13】主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図14】図13より続くフローチャート。
【図15】クローン管理処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図16】特殊キャラクタ出現処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図17】ゲーム世界移転処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図18】第2実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図19】クローン送信処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】動作傾向変更処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図21】接続変更処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】特殊敵キャラクタデータのデータ構成の変形例を示す図。
【図23】ゲーム世界移転処理の変形例の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した実施形態としてオンラインシングルプレイ型RPG(ロールプレイング)をP2P(Peer to Peer)ネットワーク接続されたコンピュータを用いて実行する例を挙げて説明する。
【0035】
図1は、本実施形態におけるゲームプレイために使用するコンピュータであるゲーム装置1500の構成例を示す図であって、(1)正面外観図、(2)背面外観図である。
本実施形態におけるゲーム装置1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、タッチパネル1506と、スピーカ1510と、マイク1512と、GPS(Global Positioning System)アンテナ1514と、CCDカメラモジュール1516と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0036】
CCDカメラモジュール1516は、オートフォーカス機構と、CCDイメージセンサと、イメージ信号生成チップとを搭載したモジュールであって、ゲーム装置1500の背面方向を撮影できるように配置されている。尚、イメージセンサ素子はCCDに限らず、CMOSなどその他の方式の素子でも良い。
【0037】
制御基板1550は、CPU(Central Processing Unit)1551やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552を適宜搭載する。
【0038】
そして、制御基板1550には、携帯電話や無線LANなどの無線基地局と無線接続するための無線通信モジュール1553と、GPSモジュール1554と、電子コンパス1555と、3軸ジャイロ1556と、3軸加速度センサ1557とが搭載されている。
【0039】
その他、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びホームキー1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512から入力された音声の信号を生成する入力信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)、が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれバス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0040】
GPSモジュール1554は、GPSアンテナ1514とともにGPSを利用した位置情報を取得する手段を構成する。GPSモジュール1554は、GPSアンテナ1514で受信したGPS衛星3からの信号に基づいて、所定時間毎(例えば、1秒毎)に、位置情報(例えば、緯度・経度)及びその他の情報(絶対時間)を、制御基板1550で演算処理可能なデータとして出力する。尚、測位に利用するシステムはGPSに限らない。その他の衛星測位システムでも良いし、衛星を用いない測位システムを用いることもできる。後者の例としては、例えば、無線通信モジュール1553が無線基地局から当該基地局に予め設定されている位置情報を取得したり、3つの無線基地局からの信号到達時間差を利用した三角測量方式により位置情報を算出するとしても良い。
【0041】
制御基板1550は、ゲーム実行に必要なゲームプログラムやデータをメモリカード1540から読み出してICメモリ1552に一時記憶する。そして、ゲームプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506からの操作入力に応じてゲーム装置1500の各部を制御してビデオゲームを実行する。尚、本実施形態では、ゲーム装置1500は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1540から読み出す構成としているが、サーバ装置等から通信回線1を介してダウンロードする構成としても良い。
【0042】
尚、ゲーム装置1500はコンピュータであるから本明細書で言う「自機」は「自コンピュータ」と読み替えることができる。また、個別のゲーム装置1500に着目する場合には、符号末尾に英小文字を付与する(例えば、ゲーム装置1500a、1500b,…」)。
【0043】
図2に示すように、本実施形態では、ゲーム装置1500aは、インターネットを通じて所定のクライアントサーバ1600に接続し、ユーザ登録とログイン認証を行う。ログインすると、クライアントサーバ1600からスーパーノードのインデックス情報を取得し、何れかのスーパーノードのゲーム装置1500sに接続して、同じゲームをプレイしている他プレーヤのゲーム装置1500b,1500c,…のP2Pネットワークに参加する。
【0044】
[ゲームの概要]
次に、本実施形態におけるゲームの概要を説明する。
本実施形態のゲームは、仮想3次元空間に背景オブジェクトを配置してゲーム空間を形成し、そこにプレーヤキャラクタ10(10a,10b,10c)や敵キャラクタ12を配置し、仮想カメラでゲーム空間の様子を撮影したCG(コンピュータグラフィックス)を生成してゲーム画面を作る。いわゆる3DCGゲームである(図2参照)。
【0045】
各ゲーム装置1500b,1500c,…では、それぞれ仮想3次元空間にゲーム空間が用意される。ゲーム空間の構成すなわちゲーム世界の構造や成り立ちは同じであるが各プレーヤがプレイする世界は別々である。換言すると、各ゲーム装置1500b,1500c,…に存在するゲーム世界はいわゆる「パラレルワールド」の関係にある。基本的には互いのゲーム世界は別々に存在しているので、ゲーム装置1500a,1500b,1500cにてプレーヤキャラクタ10(10a,10b,10c)がそれぞれゲーム世界の同じマップ上に存在するとしても、他プレーヤのプレーヤキャラクタに遭遇することはない。勿論、ゲームの仕様としてそれを可能にする構成であってもよく、本発明には影響しないが、本実施形態ではプレーヤキャラクタ同士は遭遇しないこととする。敵キャラクタ12も、ゲーム世界それぞれで登場し自動制御されるので、ゲーム装置1500a,1500b,1500cにおいてゲーム進行状況は異なる。
【0046】
そんな中、図3に示すように、本実施形態では特別な敵キャラクタとして、並行するゲーム世界間を渡り歩くことのできる特殊敵キャラクタ7が登場する。特殊敵キャラクタ7は、もともとゲームマップ中に仕込まれていて、ゲーム進行状況が所定の出現条件を満たすと自動的に出現する(図3(1))、或いはスーパーノード1500sが所定周期に何れかのノード(1500a,1500b,…)へ特殊敵キャラクタ7の最初のキャラクタデータを送信し、受信したノード(ゲーム装置1500)で所定の出現条件を満たすと出現する。特殊敵キャラクタ7が出現すると、プレーヤキャラクタ10と交戦することができる(図3(2))。
【0047】
出現条件は、ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えば、RPGならばプレーヤキャラクタ10が現在いるゲームマップ中の位置、成長度合、倒した敵の数、プレーヤの技量を示す情報、累積プレイ時間、特定アイテムの所持などが設定可能であり、ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。
【0048】
そして、図4に示すように、所定のゲーム世界移転条件を満たすと(図4(3))、特殊敵キャラクタ7は今いる1500aのゲーム世界から消え、他のノードのゲーム世界へ移動し、そこで出現条件を満たしていれば出現する(図4(4))。つまり、ゲーム世界を渡り歩くことができる。
【0049】
ゲーム世界移転条件は、例えば(1)特殊敵キャラクタ7のHP(ヒットポイント)が所定量或いは所定割合低下した場合、すなわちある程度のダメージが生じた場合や、(2)出現から一定時間経過した場合、(3)プレーヤキャラクタ10が戦闘不能になった場合、(4)特殊敵キャラクタ7が忌避する所定アイテムをプレーヤキャラクタ10が使用した場合、などが設定可能である。ゲームジャンルが異なればゲーム内容に応じて適宜設定すると良い。
【0050】
移転に伴い、特殊敵キャラクタ7のキャラクタデータは転送先に移動される。つまり、移転に伴って、特殊敵キャラクタ7の状態は移転前後で保持され、ゲーム装置1500aでの交戦で受けたダメージやメリットはそのまま引き継がれる。具体的には、例えば、交戦で受けた傷、交戦記録なども引き継がれる。交戦記録は交戦の履歴情報である。交戦が行われたノード(ゲーム装置1500)のインデックス情報(IPアドレス+ポート番号、ユーザ名、MACアドレスなど)と、HPの増減と、交戦で取得したアイテムのリストなどが登録されている。
【0051】
もし、移転先が出現条件を満たしていなければ、図5に示すように、更に別のノードのゲーム世界へ移転する。図5の例では、最初の移転先であるゲーム装置1500bでは、プレーヤキャラクタ10がいるゲームマップが基準を満たさないために出現条件を満たしていないと判断されたので、次の移転先(ゲーム装置1500c)に再移転している。そして、再転送先のノード(ゲーム装置1500c)では出現条件を満たしているので、再移転先のゲーム世界で出現している。
【0052】
そして、図6に示すように、本実施形態では、どこかのゲーム装置1500にて、この特殊敵キャラクタ7がそのどこかのゲーム装置1500のプレーヤキャラクタ10によって倒されたならば、それまでこの特殊敵キャラクタ7と交戦してきたプレーヤに特典が付与される。図6の例では、特典付与の対象としてゲーム装置1500aのみを示しているが、実際には特殊敵キャラクタ7と交戦した他のプレーヤのゲーム装置も含まれ得る。
【0053】
特典内容は適宜設定可能である。例えば、RPGであればプレーヤキャラクタ10のHPの増減、攻撃力・防御力・経験値といった能力パラメータ値の増減、所持金・アイテム・新しいゲームマップへの鍵などのアイテム付与が考えられる。その他、ゲーム内容に応じて適宜設定すると良い。そして、付与される特典は、倒した特殊敵キャラクタ7へどれだけダメージを与えたかに応じて決定される。例えば、与えたダメージ量が多いプレーヤにはよりプレーヤにとってゲームが有利に進行するようにより多くのHP加算が付与される。もし、ゲームジャンルがRPGでなければ、特殊敵キャラクタ7に相当するNPCが特典付与条件を満たすのに、どれだけ各プレーヤが関与したかその係わり合い具合に応じて、特典を設定すると良い。
【0054】
特典の付与は、倒された特殊敵キャラクタ7が携えてきた交戦記録に残されている交戦場所となったノード(ゲーム装置1500)へ、付与された特典内容を指定する情報とともに所定の特典付与リクエスト信号が送信され、これを受信したノード側で付与される。特典が付与されゲームに反映されるとき、特典付与通知14をゲーム画面中に表示すると好適である。
【0055】
さて、P2Pネットワークを利用する場合、各ノード(ゲーム装置1500)がいつネットワークから離脱するかまたいつゲームを終了するかは予測できない。もし、特殊敵キャラクタ7が出現している状態から長い間ゲームプレイがなされない場合には、その特殊敵キャラクタ7はそのノード内に疑似的に封印された状態となる。他のプレーヤに取ってみればいつまでたっても特殊敵キャラクタ7と遭遇し、戦闘することができなくなってしまう。
【0056】
そこで、本実施形態では封印対策として、図7に示すように、移転に伴って特殊敵キャラクタ7のクローンキャラクタデータを移転先とは別のノード(ゲーム装置1500d)に対して送信しておく。
【0057】
このクローンキャラクタデータには、それぞれオリジナルの特殊敵キャラクタ7のキャラクタデータの情報に加えて、識別情報(例えば、固有のキャラクタID)と休眠時間とが加えられている。受信されたクローンキャラクタデータは、受信されてから休眠時間が経過するまで休眠扱いとされる。受信したノードにおいて出現条件を満たしていたとしても、特殊敵キャラクタ7が新たに出現することはない。尚、クローンキャラクタデータの送信先は図の様な3箇所に限らず3未満であってもよいし、4以上であってもよい。
【0058】
休眠時間については、クローンデータの生成順に長くなるように休眠時間が設定される。そして、図8のCASE1に示すように、クローンキャラクタデータを受信したタイミングから休眠時間分の時間が経過する間に、オリジナルの特殊敵キャラクタ7のキャラクタデータを受信したならば、クローンキャラクタデータは消去され、オリジナルのキャラクタデータが残される。一方、図8のCASE2に示すように、クローンキャラクタデータを受信してから休眠時間が経過してもなおオリジナルの特殊敵キャラクタ7が移転して来なければ、当該クローンキャラクタデータの休眠を解除する。つまり、当該クローンキャラクタデータを新たなオリジナルのキャラクタデータとして扱い(オリジナルのキャラクタデータの生成とも言える)、当該ノードにおいて出現条件を満たせば特殊敵キャラクタ7を出現させる。よって、どこかのノードで特殊敵キャラクタ7が封印状態となっていても、代わりの特殊敵キャラクタ7をP2Pネットワークに放つことができる。
【0059】
[機能ブロックの説明]
次に、本実施形態を実現するための機能構成について説明する。
図9は、本実施形態におけるゲーム装置1500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。ゲーム装置1500は、操作入力部100と、撮像部104と、姿勢検出部108と、加速度検出部110と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0060】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボールといった直接プレーヤが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサなど、運動や姿勢を検知する素子などによっても実現できる。図1の方向入力キー1502、ホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。3軸ジャイロ1556、3軸加速度1557の検出値を操作入力に利用する場合には、それらも該当することとなる。
【0061】
撮像部104は、撮影対象からの光を受光して電気信号に変換し、デジタル画像データを生成し、処理部200へ出力する。例えば、レンズ、メカシャッター、シャッタードライバ、CCDイメージセンサモジュールやCMOSイメージセンサモジュールといった光電変換素子、光電変換素子から電荷量を読み出し画像データを生成するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ICメモリなどで実現される。図1ではCCDカメラモジュール1516がこれに該当する。
【0062】
加速度検出部110は、ゲーム装置1500に作用している加速度を検出することができる。図1の3軸加速度センサ1557がこれに該当する。
【0063】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現される。処理部200は、各機能部との間でデータの入出力制御を行い、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号等に基づいて各種の演算処理を実行してゲーム装置1500の動作を制御する。図1では制御基板1550がこれに該当する。
そして、処理部200は、ゲーム演算部202と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270と、測位制御部280とを備える。
【0064】
ゲーム演算部202は、本実施形態のゲームを実行するために必要な各種制御を実行する。例えば、(1)仮想3次元空間内に背景オブジェクトを配置してゲーム空間を形成する処理、(2)プレーヤキャラクタ10をゲーム空間中に配置して操作入力部100からの操作入力信号に応じて動作を制御する処理、(3)敵キャラクタ12を出現させ自動制御するいわゆるAI制御処理、(4)プレーヤキャラクタ10とNPCとのエンカウント処理、(5)交戦処理及び交戦結果の反映のためにキャラクタデータやオブジェクトの配置を更新する処理、(6)ゲーム進行状況を記述するプレイデータの管理、などを実行することができる。また、ゲーム演算部202はシステムクロックを用いた制限時間などの計時処理、フラグ管理処理、などを適宜実行することができる。
【0065】
そして、本実施形態のゲーム演算部202は、特殊NPCデータ受信制御部204と、特殊NPC出現制御部206と、特殊NPC動作制御部208と、交戦記録管理部210と、移転判定部212と、移転制御部214と、クローン送信制御部216と、クローン管理制御部218と、特典付与制御部220とを備える。
【0066】
特殊NPCデータ受信制御部204は、ノード間を渡り歩くことのできる特殊NPC(本実施形態で言うところの特殊敵キャラクタ7)のキャラクタデータの受信制御を行う。受信されたデータは記憶部500に記憶される。
【0067】
特殊NPC出現制御部206は、ノード間を渡り歩くことのできる特殊NPCをゲーム世界に出現させる出現条件を満たす状態を検出して、当該特殊NPCを出現させる。本実施形態では、出現時、特殊敵キャラクタ7をプレーヤキャラクタの視界範囲に出現させる処理、特殊敵キャラクタ7の正面をプレーヤキャラクタ10に向ける処理、を実行することができる。
【0068】
特殊NPC動作制御部208は、ノード間を渡り歩くことのできる特殊NPCの自動動作制御いわゆるAI制御を行う。
【0069】
交戦記録管理部210は、特殊敵キャラクタ7とプレーヤキャラクタ10との交戦記録を生成・管理する。つまり、ノード間を渡り歩くことのできる特殊NPCが渡り歩いたゲーム世界での履歴を管理する。
【0070】
移転判定部212は、ゲーム進行状況がゲーム世界の移転条件を満たしているかを判定する。出現条件を満たさない状態が所定時間継続した場合もゲーム世界の移転条件に含まれる。
【0071】
移転制御部214は、特殊キャラクタのゲーム世界の移転に係る制御を行う。具体的には、移転先となるノードをゲーム進行状況が自コンピュータと所定の類似条件を満たす他コンピュータを優先的に選択する処理、移転先ノードへ特殊敵キャラクタ7のキャラクタデータを送信し送信後に消去する処理、を実行することができる。
【0072】
クローン送信制御部216は、特殊NPC(敵キャラクタ7)のキャラクタデータのクローンを生成し、オリジナルの特殊NPC(敵キャラクタ7)のキャラクタデータの送信先とは別のノードへ送信するための制御を行う。生成に当たっては、生成順が遅いほど長くなるように休眠時間を設定することができる。
【0073】
クローン管理制御部218は、クローンキャラクタデータをすでに受信している場合に、クローンキャラクタデータの受信タイミングから休眠時間が経過する間にオリジナルの特殊NPC(敵キャラクタ7)のキャラクタデータを受信した場合に、クローンキャラクタデータを消去する処理、休眠時間が経過するまでの間にオリジナルの特殊NPC(敵キャラクタ7)キャラクタデータが受信されなかった場合に、クローンキャラクタデータからオリジナルの特殊NPC(敵キャラクタ7)のキャラクタデータを生成する処理を実行する。換言すると、クローンをオリジナルに昇格させるオリジナルの復活に関する処理を実行することができる。
【0074】
特典付与制御部220は、ゲーム進行状況、特に特殊NPC(敵キャラクタ7)に関する状況が特典付与条件を満たす場合にプレーヤへ特典を付与するための制御をする。本実施形態では、特殊敵キャラクタ7が倒された時に、当該特殊キャラクタと今まで交戦した経緯のあるプレーヤへの特典付与に関する処理を実行する。例えば、交戦記録を参照して貢献度に応じた特典内容を決定する処理、移転経路上の全てのノード(ゲーム装置1500)へ、設定した特典内容を示す情報とともに特典付与リクエスト信号を送信する処理、特典付与リクエスト信号が受信されなかったノードへ、所定期限内で再送信を試みる処理、逆に他ノード(他ゲーム装置)から特典付与リクエスト信号を受信した場合に自ノード(自ゲーム装置)のプレーヤに特典を付与する処理、を実行することができる。
【0075】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム演算部202による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0076】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM、電話通信音声等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1510がこれに該当する。
【0077】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部202による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0078】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、図1のタッチパネル1506がこれに該当する。
【0079】
通信制御部270は、データ通信のための通信接続及びデータ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。本実施形態では、スーパーノード型ハイブリッドP2Pのネットワークを構成することができる。尚、P2Pのネットワーク構築は、公知技術を適宜利用することができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
これに関連する通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0080】
測位制御部280は、測位信号受信部380を介して測位システムから得られた信号から位置情報を算出するための制御、つまり測位計算とその結果の管理を行う。例えば、図1のGPSモジュール1554がこれに該当する。
これに関連する測位信号受信部380は、GPS等の測位システムから提供される情報、例えばGPS信号を受信することができる。本実施形態では、図1のGPSアンテナ1514がこれに該当するが、測位計算に携帯電話基地局などの無線局の既知の位置情報を利用する場合には、基地局と無線通信するための無線通信モジュール1553も該当することになる。
【0081】
記憶部500は、処理部200にゲーム装置1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。
【0082】
本実施形態の記憶部500は、システムプログラム502と、ゲームプログラム504とを記憶している。
システムプログラム502は、ゲーム装置1500のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム504は、処理部200にゲーム演算部202としての機能を実現させせるためのプログラムである。本実施形態では、メモリカード1540に予め記憶されているものとするが、ゲーム開始前に所定のサーバからダウンロードする構成であっても良い。
【0083】
また、記憶部500には、予め、クライアントサーバアドレス508と、ゲーム空間初期設定データ510と、キャラクタ初期設定データ511とが記憶されている。これらもメモリカード1540に予め記憶されているものとするが、ゲーム開始前に所定のサーバからダウンロードする構成であっても良い。
また、記憶部500には、ゲーム進行に応じて生成され随時更新されるデータとして、プレイデータ520が記憶される。その他、各種処理を実行するにあたり必要となるデータ(例えば、圧縮解凍されたテクスチャデータ、経過時間、各種タイマー値、カウンタ、フラグ)なども適宜記憶されるものとする。
【0084】
クライアントサーバアドレス508は、ゲームをプレイするために最初にアクセスするサーバ(図2のクライアントサーバ1600)の通信接続先を示すアドレス情報である。
【0085】
ゲーム空間初期設定データ510は、ゲームの舞台を作るための背景オブジェクトを定義する初期設定データである。背景オブジェクトのモデルデータ、テクスチャデータ、配置位置データなどが含まれる。
【0086】
キャラクタ初期設定データ511は、プレーヤキャラクタ10や、どのゲーム世界でも等しく出現する標準の敵キャラクタ12などのゲームキャラクタの初期設定データを格納する。キャラクタ毎に、モデルデータ、テクスチャデータ、モーションデータ、能力パラメータ(攻撃力、防御力、HPなど)の初期値を対応づけて格納している。
【0087】
プレイデータ520は、ゲームプレイ状況を記述する各種データ、つまりはゲーム世界を記述するデータを格納する。本実施形態では、仮想3次元空間データ522と、プレーヤキャラクタ種類524と、プレーヤキャラクタステータスデータ526と、敵キャラクタステータスデータ528と、特殊敵キャラクタデータ530と、クローンキャラクタデータ560と、特典付与リスト590とが含まれる。
【0088】
仮想3次元空間データ522は、仮想3次元空間に配置されるプレーヤキャラクタ10、敵キャラクタ12、特殊敵キャラクタ7、背景物などの各種オブジェクト、CGの視点となる仮想カメラの情報を格納する。特殊敵キャラクタ7がゲーム空間に出現すると、当該キャラクタのオブジェクトの情報が追加され移転とともに消去される。
【0089】
プレーヤキャラクタ種類524は、プレーヤが自分で使用するプレーヤキャラクタ10として選択したキャラクタの識別情報である。
【0090】
プレーヤキャラクタステータスデータ526は、プレーヤキャラクタ10の現在の状況を記述する情報を格納する。例えば、ゲーム空間における配置座標、姿勢、移動速度、実行中のモーションID、モーション制御データ、HP、各種能力パラメータ値などが含まれる。
敵キャラクタステータスデータ528は、敵キャラクタ12別の現在の状況を記述する情報を格納する。特殊敵キャラクタ7がゲーム空間に出現すると、当該キャラクタに関するデータが追加され移転とともに消去される。
【0091】
特殊敵キャラクタデータ530は、受信済の特殊NPC(特殊敵キャラクタ7)のオリジナルのキャラクタデータである。
例えば、図10に示すように、特殊NPC(特殊敵キャラクタ7)固有の識別情報であるキャラクタID532と、受信日時533と、出現条件534とを含む。出現条件534は、例えば、プレーヤキャラクタ10が現在いるゲームマップの識別情報、マップ中の座標範囲、成長度合、倒した敵の数、などが適宜設定できる。また、特殊敵キャラクタデータ530は、モデルデータ540と、テクスチャデータ541と、モーションデータ542と、最大HP543と、現在HP544と、初期能力パラメータ値545(例えば、経験値、攻撃力、防御力、移動速度など適宜)と、現在能力パラメータ値546と、所持アイテムデータ547と、初期動作傾向データ548と、現在動作傾向データ549と、交戦記録550とを含む。
【0092】
初期動作傾向データ548及び現在動作傾向データ549は、当該特殊敵キャラクタの行動パターンを定義する情報であって、前者が初期状態の行動の傾向を、後者が実際のプレイ時の行動の傾向を示している。本実施形態の初期動作傾向データ548は、行動種類548aとその選択確率548bとを対応付けて格納する。現在動作傾向データ549も同様である。
【0093】
交戦記録550は、交戦順551に対応付けて、交戦したゲーム装置1500のアドレス情報552と、交戦したプレーヤのユーザ名553と、移転するまでの間に受けたダメージ量554と、優勢に戦ったか劣勢であったかを示す交戦傾向556とを格納する。交戦傾向556は、プレーヤキャラクタ10の負ったダメージ量と当該特殊敵キャラクタの負ったダメージ量との比較で決定される。その他、交戦に関する情報を適宜含めることができる。
【0094】
クローンキャラクタデータ560は、受信済のクローンキャラクタデータである。
例えば、図11に示すように、クローンID561と、オリジナルキャラクタID562と、受信日時563と、出現条件564と、休眠時間565と、モデルデータ570と、テクスチャデータ571と、モーションデータ572と、最大HP573と、現在HP574と、初期能力パラメータ値575と、現在能力パラメータ値576と、所持アイテムデータ577と、初期動作傾向データ578と、現在動作傾向データ579と、交戦記録580とを含む。
【0095】
オリジナルキャラクタID562は、オリジナルの特殊敵キャラクタ7のキャラクタID532と同じである。同様に、出現条件564と、モデルデータ570と、テクスチャデータ571と、モーションデータ572と、最大HP573と、現在HP574と、初期能力パラメータ値575と、現在能力パラメータ値576と、所持アイテムデータ577と、初期動作傾向データ578と、現在動作傾向データ549と、交戦記録580は、オリジナルの特殊敵キャラクタ7の同名のパラメータ値のコピーである。
【0096】
特典付与リスト590は、特典付与の付与先と特典内容を登録する。例えば、図12に示すように、付与されるべきプレーヤが使用するノード(ゲーム装置1500)のアドレス情報592と対応づけて、特典内容594と、付与期限596とが格納される。付与期限596は、同リストに登録される日時に所定期限を追加した日時が設定される。同リストには、特殊キャラクタが所定の特典付与条件を満たした場合に登録される。
【0097】
[処理の流れの説明]
次に、図13〜図17を参照しながら、本実施形態における各種処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理は、ゲーム装置1500が、システムプログラム502及びゲームプログラム504や各種設定データを読み出し実行することにより実現される。尚、ゲーム音の生成と出力、並びにゲーム画面の生成と出力に関しては公知のビデオゲームと同様にして実現できるので、ここでの説明は省略する。
【0098】
図13〜図14は、本実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は、先ずクライアントサーバアドレス508を参照して、クライアントサーバ1600にアクセスして、ユーザ登録とログイン認証を受ける(ステップS2)。
【0099】
ログイン認証を受けると、処理部200はクライアントサーバ1600からスーパーノードのインデックス情報を取得し、何れかのスーパーノードにアクセスして、同じゲームタイトルをプレイ中のゲーム装置がノードとなっているP2Pネットワークに接続する(ステップS4)。
【0100】
次に、処理部200は、プレーヤキャラクタ10の選択処理とゲーム空間の初期化処理を行う(ステップS6)。処理部200は、キャラクタ初期設定データ511を参照して選択一覧を表示して、プレーヤにどの種類のキャラクタを使用するかを選択させる。選択結果は、プレイデータ520のプレーヤキャラクタ種類524として記憶部500に記憶する。そして、ゲーム空間初期設定データ510を参照して仮想3次元空間にゲーム空間を作るととともに、ゲーム空間中に仮想カメラとプレーヤキャラクタ10、敵キャラクタ12のオブジェクトを配置する。これに伴い、仮想3次元空間データ522と、プレーヤキャラクタステータスデータ526と、敵キャラクタステータスデータ528とがプレイデータ520内に作成され初期化される。尚、以降では仮想カメラは適当にプレーヤキャラクタ10を写すように自動制御されるものとする。
【0101】
ゲームを開始すると(ステップS8)、処理部200はステップS10〜S240(図14)を、ゲーム終了条件を満たすまで、所定の制御サイクルで繰り返し実行する。
【0102】
1回の制御サイクルにおいて、他ノード(他ゲーム装置)からクローンキャラクタデータ560を受信したならば(ステップS10のYES)、処理部200は受信したデータを記憶部500に記憶させる(ステップS12)。
【0103】
また、他ノードから特殊敵キャラクタデータ530を受信した場合には、(ステップS14のYES)、それがすでに受信済みの特殊敵キャラクタデータ530(これには、クローンキャラクタデータ560を元に復元された特殊敵キャラクタ7の特殊敵キャラクタデータ530も含まれる)と同キャラクタでなければ(ステップS15のYES)、プレイデータ520内に受信したデータを記憶する(ステップS16)。この際、交戦記録550に新しい交戦順551を設定し、これに対応するアドレス情報552とユーザ名553に、それぞれ自機のP2Pアドレス情報及びプレーヤのユーザ名を格納し、ダメージ量554を「0」に初期化する。そして、クローン管理処理を実行する(ステップS30)。
【0104】
図15は、クローン管理処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は、プレイデータ520に既に記憶されているクローンキャラクタデータ560毎にループAを実行する(ステップS50〜S64)。
【0105】
ループAでは、先ず受信済み特殊敵キャラクタデータ530と、ループA処理対象のクローンキャラクタデータ560とが同じキャラクタを記述したデータで有るかを判定する(ステップS52)。例えば、前者のキャラクタID532と、後者のオリジナルキャラクタID562とを比較するとしても良い。更には、前者の現在HP544と後者の現在HP574、及び前者の現在能力パラメータ値546と後者の現在能力パラメータ値576とを照合するとしても良い。
【0106】
もし、同じキャラクタであると判定された場合には(ステップS54のYES)、
処理部200は処理対象のクローンキャラクタデータ560を消去して(ステップS56)、ループAを終える。もし、異なるキャラクタのデータであると判定された場合には(ステップS54のNO)、処理部200は受信日時563からの経過時間が休眠時間565を超えているかを判定する(ステップS60)。そして、休眠時間565を超えていれば(ステップS60のYES)、処理部200は処理対象のクローンキャラクタデータ560から特殊敵キャラクタデータ530を複製生成してプレイデータ520内に格納し(ステップS62)、ループAを終了する。
【0107】
具体的には、生成する特殊敵キャラクタデータ530のキャラクタID532には、オリジナルキャラクタ562をコピーする。受信日時533には現在日時を格納する。出現条件534、モデルデータ540、テクスチャデータ541、最大HP543、現在HP544、初期能力パラメータ値545、現在能力パラメータ値546、所持アイテムデータ547、初期動作傾向データ548、現在動作傾向データ549、交戦記録550については、処理対象クローンキャラクタデータ560の同名のパラメータ値をコピーする。よって、複製生成された特殊敵キャラクタデータ530は、休眠していたクローンが休眠解除された状態を示していることになる。
【0108】
受信日時563からの経過時間が休眠時間565を超えていない場合には(ステップS60のNO)、こうした複製生成に関する処理はスキップする。
そして、全てのクローンキャラクタデータ560についてループAを実行したならばクローン管理処理を終了する。
【0109】
図13のフローチャートに戻って、次いで処理部200は、プレイデータ520内に特殊敵キャラクタデータ530が有れば(ステップS90のYES)、特殊敵キャラクタ出現処理を実行し、当該データの示す特殊敵キャラクタ7をゲーム空間内に登場させる(ステップS92)。
【0110】
図16は、特殊キャラクタ出現処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200はプレイデータ520内に格納されている特殊敵キャラクタデータ530毎にループBを実行する(ステップS100〜S112)。
【0111】
ループBでは、処理部200は、処理対象とする特殊敵キャラクタデータ530の出現条件564を参照して、現在のゲーム進行状況が指定された出現条件を満たすかを判定する。もし、満たしている場合には(ステップS102のYES)、処理部200は出現位置をプレーヤキャラクタ10を基準とする所定の範囲内に設定し(ステップS104)、出現する特殊敵キャラクタ7の正面方向をプレーヤキャラクタ10に設定する(ステップS106)。
【0112】
そして、プレーヤキャラクタ10が他の敵キャラクタ12と戦闘中でなければ(ステップS108のNO)、特殊敵キャラクタ7を出現させる(ステップS110)。
具体的には、ゲーム空間内にモデルデータ540やテクスチャデータ541に従ったモデルを配置し、敵キャラクタステータスデータ528に特殊敵キャラクタ7のステータス情報を登録する。特殊敵キャラクタ7を関節構造を有するモデルとして構築するならば、交戦により片手や片腕が消失するといった表現も、モデルデータ540を書き換えることで可能である。この際、交戦記録550を参照し、交戦順551が1回目の場合には最大HP543及び初期能力パラメータ値545を登録する。もし、2回目以降ならば、現在HP544、現在能力パラメータ値546、所持アイテムデータ547を登録する。特殊敵キャラクタ7の正面は、先に求めた方向とする。これに伴い、仮想3次元空間データ522に当該特殊敵キャラクタ7のオブジェクトの情報が加えられる。そして、キャラクタを出現させたならばループBを終了する(ステップS112)。
【0113】
もし、出現条件を見たしていない場合(ステップS102のNO)、及び出現条件を満たしているがプレーヤキャラクタ10が戦闘中の場合には(ステップS108のYES)、処理部200は、特殊敵キャラクタ7は出現させずにループBを終了する(ステップS112)。そして、全ての特殊敵キャラクタデータ530についてループBを実行したならば、特殊敵キャラクタ出現処理を終了する。
【0114】
図13のフローチャートに戻って、処理部200は次に、操作入力に応じてプレーヤキャラクタ10の動作を制御し(ステップS126)、敵キャラクタ12(ゲームマップにもともと設定されている標準の敵キャラクタ)の動作を自動制御する(ステップS128)。更に、処理部200は、配置済の特殊敵キャラクタ7の自動制御を行う(ステップS130)。これらの制御に伴って、仮想3次元空間データ522や、プレーヤキャラクタステータスデータ526、敵キャラクタステータスデータ528が適宜更新される。
【0115】
ここまでのステップによって、プレーヤキャラクタ10の行動と、もとからゲームマップ内に仕込まれている標準の敵キャラクタ12の行動と、特殊敵キャラクタ7の行動とが決定・進められたことになるので、処理部200は交戦結果の判定と反映を行う(ステップS132)。例えば、プレーヤキャラクタ10と、敵キャラクタ12や特殊敵キャラクタ7の遭遇判定、攻撃の当たり判定、攻撃によるダメージ判定とダメージによるHPの減算、ダメージに応じた傷・変形・変色などの見かけ上の変化をキャラクタのテクスチャに適用する処理などを実行する。これにより、プレーヤキャラクタステータスデータ526と、敵キャラクタステータスデータ528とが更新される。
【0116】
交戦結果の反映に関して、特殊敵キャラクタ7については特殊敵キャラクタデータ530の更新も行う。すなわち、処理部200は交戦結果により特殊敵キャラクタ7が受けたダメージ量を交戦記録550のダメージ量554に加算する。また、敵キャラクタステータスデータ528のうち特殊敵キャラクタ7の現在のHPや現在能力パラメータ値を、特殊敵キャラクタデータ530の現在HP544及び現在能力パラメータ値546にコピーする。また、交戦開始からのプレーヤキャラクタ10に生じたダメージ量と特殊敵キャラクタ7に生じたダメージ量とを比較して交戦傾向556を更新する。また、交戦結果に応じてテクスチャデータ541を書き換えて交戦による“傷”を表現したり、モデルデータ540を書き換えて特殊敵キャラクタ7の部位(例えば片腕)やパーツを、交戦により消失させたりする。
【0117】
図14のフローチャートに移って、処理部200はプレイデータ520に格納されている全ての特殊敵キャラクタデータ530についてループCを実行する(ステップS136〜S194)。
【0118】
ループCでは先ず、処理対象の特殊敵キャラクタデータ530について、ゲーム世界の移転条件を満たしたかを判定する。ゲーム世界の移転条件としては、例えば、(1)特殊敵キャラクタ7のHP(ヒットポイント)が所定量或いは所定割合低下した場合、すなわちある程度のダメージが生じた場合や、(2)出現から一定時間が経過した場合、(3)プレーヤキャラクタ10が戦闘不能になった場合、(4)特殊敵キャラクタ7が忌避する所定アイテムをプレーヤキャラクタ10が使用した場合、(5)出現条件を満たさない状態が所定時間継続した場合が含まれる。そして、もしゲーム世界の移転条件を満たしていれば(ステップS138のYES)、処理部200はゲーム世界移転処理を実行する(ステップS140)。
【0119】
図17は、本実施形態におけるゲーム世界移転処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、処理対象としている特殊敵キャラクタデータ530から送信用のクローンキャラクタデータ560を生成する(ステップS160)。尚、クローンID561はユニークに設定し、休眠時間565を生成するデータ別に揺らぎが生じるように、例えば生成順が遅いほど長くなるように設定する。
【0120】
次に、処理部200はP2P接続している他のノード(他のゲーム装置)の中から、移転先のノードを一つ選択する(ステップS162)。
具体的には、自機におけるゲーム進行状況に類似するゲーム世界を有するノード順にソートして最も類似するノードを選択する。より具体的には、例えば、接続中の他ノードからプレーヤキャラクタステータスデータ526を参照し、自機におけるプレーヤキャラクタ10とのゲーム世界(ゲーム空間)における距離(位置の差)や能力パラメータ値が近い順にソートして選択すると良い。
【0121】
そして、移転先のノードへ、ループCの処理対象としている特殊敵キャラクタデータ530を送信し(ステップS164)、同データを消去し、ゲーム世界からも消去する(ステップS166)。これに伴い、姿が徐々に消えて行くような演出表示をすると好適である。
次いで、ソート結果の2番目以降のノードに、ステップS160にて生成したクローンキャラクタデータ560を順次送信し(ステップS168)、送信用に生成したクローンキャラクタデータ560は送信後適宜消去する(ステップS170)。そして、ゲーム世界移転処理を終了する。
【0122】
図14のフローチャートに移って、処理部200は次に、ループCの処理対象としている特殊敵キャラクタデータ530の特殊敵キャラクタ7の現在HP544が「0」であれば、当該特殊敵キャラクタはプレーヤキャラクタ10に倒されたと判断して(ステップS190のYES)、処理部200は、当該特殊敵キャラクタ7と交戦してきたプレーヤ別の特典内容を決定し、特典付与リスト590に登録する(ステップS192)。具体的には、ループCの処理対象としている特殊敵キャラクタデータ530の交戦記録550を参照して、ダメージ量554に応じた特典を設定し、設定した特典内容情報とアドレス情報552とを対応づけて特典付与予定リスト590に登録する。
【0123】
次いで、処理部200はループCで処理対象としている特殊敵キャラクタデータ530に対応する特殊敵キャラクタ7をゲーム世界から消去する(ステップS194)。そして、処理対象の特殊敵キャラクタデータ530を記憶部500から消去して(ステップS196)、ループCを終了する(ステップS198)。
【0124】
特殊敵キャラクタデータ530の全てにループCを実行したならば、処理部200は特典付与予定リスト590を参照し、同リストに登録されているアドレス情報592のノードへ特典付与リクエストと特典内容を示す情報とを送信する(ステップS210;図12参照)。
【0125】
そして、リクエストが無事受信された登録ノードを同リストから消去し(ステップS212)、また付与期限596が過ぎている登録ノードを同リストから消去する(ステップS214)。
【0126】
次に、他ノードから特典付与リクエストを受信した場合(ステップS220のYES)、処理部200は受信したリクエストとともに受信した特典内容情報に従って特典を付与する(ステップS222)。
【0127】
そして、処理部200はゲーム終了条件を満たしているかを判定する。本実施形態では、プレーヤキャラクタ10のHPが「0」になった場合、ゲーム終了条件を満たすと判定するが、その他適宜設定可能である。
もし、ゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS240のNO)、ステップ10に移行し、次の制御サイクルにおける処理を開始する。
もし、ゲーム終了条件を満たしていれば(ステップS240のYES)、処理部200はエンディング画面を表示するなどのゲーム終了処理を実行して(ステップS242)、一連の処理を終了する。
【0128】
以上、本実施形態によれば、ノード(ゲーム装置)毎に存在するパラレルワールド(ゲーム世界)を渡り歩く特殊NPC(特殊敵キャラクタ7)を実現し、ゲームの興趣を高めることができる。
【0129】
この特殊NPC(特殊敵キャラクタ7)が移転先で所定の条件を満たすと、それまでの移転に係わり合ったプレーヤに特典を与えることができる。本実施形態はRPGなので、該当するNPCは特殊敵キャラクタ7とされ、当該キャラクタが倒されるとそれまでダメージを与えたプレーヤに特典を付与することができる。
【0130】
また、NPCの移転に伴って、クローンを他ノードに用意させることができる。このクローンは、休眠時間が経過するまでの間にオリジナルの特殊NPC(特殊敵キャラクタ7)が移転して来なければ、休眠を解かれてオリジナルの特殊NPC(特殊敵キャラクタ7)に昇格する。よって、P2Pネットワークでの使用を想定しているので、NPCの移転先のゲーム装置がP2Pから切り離されて、特殊NPC(特殊敵キャラクタ7)がそのノード(ゲーム装置)から他のノード(他ゲーム装置)へ再移転できないケースが生じても、「渡り歩くNPC」を復元することができる。
【0131】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、追加機能として(1)P2P接続するノードの繋ぎ換えを行う機能と、(2)特殊キャラクタの到来予告をする機能と、(3)特殊敵キャラクタ7の動作パターンを移転に応じて可変する機能と、を備える。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して詳細な説明は省略し、主に第1実施形態との差異について述べることとする。
【0132】
図18は、本実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態では、ゲーム演算部202に接続変更制御部222と、予告制御部224と、動作傾向変更部226と、を含んでいる。
【0133】
接続変更制御部222は、P2P接続されているノードについて、相手先ノードにおけるプレイデータの少なくとも一部を取得して、自ゲーム世界の進行状況と相手先ノードにおけるゲーム世界の進行情報との類似度合を算出する。この類似度が、接続変更優先順位に相当する。
【0134】
予告制御部224は、クローンキャラクタデータ560の受信を条件に、プレーヤに特殊敵キャラクタ7の到来を予告する制御をする。これに伴い、本実施形態のクローン送信制御部216は、他ノードから特殊敵キャラクタデータ530を受信したタイミングで、クローンキャラクタデータ560を生成して他ノードへ送信させる。
【0135】
動作傾向変更部226は、出現した特殊キャラクタ7の動作傾向を移転回数に応じて変更する。いわゆるAI制御のパターンを調整する。本実施形態では、ゲーム世界の移転回数が増すほど、あたかも凶暴化してゆくかのように変更する。
【0136】
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。基本的には第1実施形態と同様であるが、特殊敵キャラクタ7の到来の予告に関して、処理部200は、ステップS16に次いで、クローン送信処理を実行する。
【0137】
図19は、クローン送信処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理では、処理部200は先ず、受信した特殊敵キャラクタデータ530に基づいてクローンキャラクタデータ560を生成する(ステップS260)。次いで、現在P2P接続しているノードからプレイデータ520を参照して、ノード別の類似度を算出する(ステップS262)。そして、類似度合の上位から送信先ノードを選択して、クローンキャラクタデータ560を送信し(ステップS264)、送信済のクローンキャラクタデータ560を消去して(ステップS266)、クローン送信処理を終了する。
尚、クローン送信処理にてクローンキャラクタデータ560の生成と送信を行うので、本実施形態のゲーム世界の移転処理ではクローンキャラクタデータ560に係わるステップ(図17のステップS160、S168、S170)は省略される。
【0138】
そして、処理部200は、クローン送信処理に次いで所定の予告(例えば「特殊キャラクタが近くを徘徊しているらしいとの情報を得た。備えよ。」といった具合のテキスト)を表示するステップを実行する。こうした予告は、プレーヤに特殊敵キャラクタ7がいつ来るかをドキドキしながら待つ楽しみを提供することになる。
【0139】
また、動作傾向の変更に関して、処理部200はステップS128とステップS130の間に、出現済の全ての特殊敵キャラクタ7について動作傾向変更処理を実行する。
具体的には、図20に示すように、処理部200は、交戦記録550の交戦傾向556を参照して、優勢と劣勢それぞれの回数をカウントする(ステップS290)。
そして、優勢回数が多い場合及び同数の場合には(ステップS292のYES)、処理部200は移転回数が大きいほど攻撃関連の動作の選択確率が初期状態よりも高くなるように特殊敵キャラクタデータ530の現在動作傾向データ549(図10参照)を変更する(ステップS294)。より望ましくは、同じ攻撃関連行動でもより攻撃力が高い種類(図10の例では「特別攻撃」)の選択確率が高くなるように変更する。更に、処理部200は、現在能力パラメータ値546のうち攻撃力や移動力などを上げる(ステップS296)。反対に、劣勢回数が多ければ(ステップS292のNO)、処理部200は移転回数が大きいほど防御や回避関連の動作の選択確率が初期状態よりも高くなるように特殊敵キャラクタデータ530の現在動作傾向データ549を変更し(ステップS298)、更に現在能力パラメータ値546のうち攻撃力や防御力を下げ、移動力を上げる(ステップS300)。
【0140】
こうした動作傾向の変更を行うことで、あたかも移転過程で遭遇したプレーヤキャラク10との交戦で傷を負った「手負いの獣」のように凶暴化している或いは弱っているかのように行動させることができる。
【0141】
また、接続変更に関して、処理部200は、ステップS10〜S222の間の適当なタイミングで接続変更処理を実行する。つまり周期的に接続変更処理を実行する。
具体的には、図21に示すように、同処理において処理部200は先ず、現在P2P接続しているノード別に類似度を算出し(ステップS320)、類似度の下位から幾つかのノードの接続を解除して新たなノードとの接続を確立する(ステップS322)。そして、新たに接続したノードの類似度合を算出して(ステップS324)、解除されずに残したノードの類似度合とともにソートし(ステップS326)、ソート結果を用いて再び類似度合の下位から幾つかの接続を解除して、新たなノードとの接続を確立する(ステップS328)。尚、接続変更処理の実行周期は、ステップS10〜S222の間に限らずインターバルに適宜実行する構成でも良い。
【0142】
接続変更処理の実行によって、自ゲーム世界と類似しているゲーム世界に自機に存在していた特殊敵キャラクタ7を移転させることができる。移転先でも出現条件を満たす可能性は高く、移転先のプレーヤキャラクタとの交戦が起きやすくなる。よって、比較的早い段階で特殊敵キャラクタ7が倒されて、対戦したプレーヤに特典が付与されるやすくなる。特殊敵キャラクタとの交戦の記憶がまだ比較的新しいうちに、その後の様子(倒されたこと)が交戦経験のあるプレーヤのところで通知されるとともに特典が付与されることで、特殊キャラクタの存在を効果的に利用することができる。
【0143】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の形態がこれに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更などを施すことができる。
【0144】
ゲーム装置1500とすることのできるコンピュータは、商品カテゴリから言うところの、ゲーム装置(携帯型ゲーム装置、据置型ゲーム装置、業務用ゲーム装置を含む)に限らない。例えば、パソコン、スマートフォン、タブレット型情報端末装置、携帯電話、デジタル音楽プレーヤ、デジタルカメラなどでも良い。
【0145】
また、上記実施形態では、ネットワークの形態をスーパーノード型ハイブリッドP2Pとして説明したが、コンピュータ間の直接接続を利用する形態であれば、その他の形態でもかまわない。直接接続においては、いわゆる「すれ違い通信」を可能な構成としてもよい。また、GPSを利用した擬似的な「すれ違い通信」を実現可能な構成としてもよい。例えば、各プレーヤのゲーム装置1500の位置を管理する位置管理サーバを設け、各ゲーム装置1500は、測位制御部280で測位された位置情報とその日時の情報とを位置管理サーバに随時送信する。位置管理サーバは、所定の時間間隔の間に、互いに所定距離以内に接近したゲーム装置1500同士を抽出し、この抽出したゲーム装置1500同士で「すれ違い」が成立したと判定し、抽出したゲーム装置1500間で通信接続させる。
【0146】
また、上記実施形態ではゲームジャンルをRPGとしたので、特殊キャラクタを敵NPCとしたがこれに限らない。ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えば、救出アクションゲームならば救出対象のNPCとすることができる。その他、ジャンルを問わずに、遭遇するとスペシャルアイテムがもらえる幸運のNPCや反対に不幸をもたらす不幸のNPCなどでもよい。また、NPCは人や動物、ロボット、仮想生命に限らず、特別なアイテムとしても良い。
【0147】
また、上記実施形態では、特殊敵キャラクタ7はHPが「0」になるまで、いくらでもゲーム世界を移転することが可能であるが、移転回数に制限を設けることも可能である。
例えば、第1実施形態をベースとするならば、図22に示すように、特殊敵キャラクタデータ530に、移転許可回数536を含める。尚、クローンキャラクタデータ560にも同様のデータを含めるとする。移転許可回数536の初期値は適宜設定することができる。この初期値が、当該特殊敵キャラクタ7が移転できる最新の上限回数を示す。一方、交戦記録550の交戦順551は、これまでの移転回数を示していることになる。
【0148】
そして、図23に示すように、ゲーム世界移転処理において、クローンキャラクタデータ560の生成前に、交戦記録550の今回の交戦における交戦傾向556が優勢である場合には(ステップS150のYES)、ループC処理対象の特殊敵キャラクタデータ530の移転許可回数536を「1」加算し(ステップS152)、交戦傾向556が劣勢又は引き分けであれば(ステップS150のNO)、処理部200は移転許可回数536を「1」減算する(ステップS154)。但し、移転許可回数536それ自体の最小値は「0」とする。
そして、移転許可回数536が「0」の場合には、(ステップS156のYES)、移転もクローンキャラクタデータの送信も行わないで、ゲーム世界移転処理を終了する。移転許可回数536が「0」でなければ(ステップS156のNO)、移転とクローンキャラクタデータの送信を行う(ステップS160〜S170)。
【符号の説明】
【0149】
7…特殊敵キャラクタ
10…プレーヤキャラクタ
12…敵キャラクタ
14…特典付与通知
200…処理部
202…ゲーム演算部
204…特殊NPCデータ受信制御部
206…特殊NPC出現制御部、
208…特殊NPC動作制御部
210…交戦記録管理部
212…移転判定部
214…移転制御部
216…クローン送信制御部
218…クローン管理制御部
220…特典付与制御部
222…接続変更制御部
224…予告制御部
226…動作傾向変更部
500…記憶部
504…ゲームプログラム
520…プレイデータ
526…プレーヤキャラクタステータスデータ
528…敵キャラクタステータスデータ
530…特殊敵キャラクタデータ
533…受信日時
534…出現条件
536…移転許可回数
545…初期能力パラメータ値
546…現在能力パラメータ値
548…初期動作傾向データ
549…現在動作傾向データ
550…交戦記録
551…交戦順
552…アドレス情報
554…ダメージ量
556…交戦傾向
560…クローンキャラクタデータ、
561…クローンID
565…休眠時間
590…特典付与リスト
594…特典内容
596…付与期限
1500…ゲーム装置
1506…タッチパネル
1542…メモリカード読取装置
1550…制御基板、
1552…ICメモリ
1553…無線通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにおいて、NPC(ノン・プレイヤブル・キャラクタ)データを送受してNPCがコンピュータ間を渡り歩くようにコンピュータを制御させるためのプログラムであって、
他コンピュータからNPCデータを受信する受信制御手段、
受信した前記NPCデータを用いてNPCを表示制御する表示制御手段、
操作入力に基づいて、前記表示制御手段により表示制御されたNPCと交戦する交戦制御手段、
前記交戦制御手段の交戦に応じて前記NPCデータを書き換えるデータ更新手段、
前記NPCデータを他コンピュータに送信する送信制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記NPCを移転させる条件として定められた前記交戦制御手段の交戦結果に基づく移転条件を満たすか否かを判定する移転判定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記送信制御手段は、前記移転判定手段により肯定判定された場合に、前記NPCデータを送信する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記NPCを出現させる条件として定められたゲームの進行状況に基づく出現条件を満たした場合に、前記NPCをゲーム世界に出現させる出現制御手段を有する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記送信制御手段は、前記出現条件を満たさない状態が所定時間継続した場合に、前記NPCデータを他コンピュータに送信する通過送信制御手段を有する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
他コンピュータと通信し、ゲーム進行状況が自コンピュータと所定の類似条件を満たす他コンピュータを選択する選択手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記送信制御手段は、前記選択手段により選択された他コンピュータに前記NPCデータを送信する、
請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
期限が対応づけられた前記NPCデータのクローンデータを他コンピュータから受信するクローンデータ受信制御手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記表示制御手段は、前記クローンデータに対応づけられた期限を満たすまでの間に前記NPCデータが受信されなかった場合、当該クローンデータに基づいてNPCデータを生成してNPCを出現させて表示制御する復元表示制御手段を有する、
請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記受信制御手段により受信されたNPCデータが、前記復元表示制御手段によって既に表示制御されたNPCに係るNPCデータである場合に、当該NPCの表示制御を抑止する抑止手段を有する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記NPCデータに基づいてNPCのクローンキャラクタのデータでなるクローンデータを生成するクローンデータ生成手段、
前記クローンデータ生成手段により生成されたクローンデータを、時限を識別するための情報と対応づけて他コンピュータに送信するクローンデータ送信制御手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記NPCデータには、当該NPCと交戦したプレーヤのコンピュータを識別するための交戦プレーヤ履歴情報が含まれており、
前記交戦の結果が所定の特典付与条件を満たす場合に、所定の特典付与処理を実行するとともに、前記交戦プレーヤ履歴情報に基づいて、当該NPCと交戦したプレーヤのコンピュータに向けて特典付与処理の実行を促す信号を発信する特典付与実行制御手段として前記コンピュータを更に機能させる、
ための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記NPCデータには、コンピュータ間の移転の上限を示す移転上限データが含まれており、
前記データ更新手段は、前記交戦制御手段の交戦結果に応じて前記移転上限データを書き換える、
請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記NPCデータには、前記NPCの容姿データが含まれてなり、
前記データ更新手段は、前記交戦に応じて前記NPCの容姿データを書き換える、
請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記NPCデータには、前記NPCの攻撃特性を示す攻撃特性データが含まれてなり、
前記データ更新手段は、前記交戦に応じて前記NPCの攻撃特性データを書き換える、
請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項14】
NPCデータを送受してNPCがゲーム装置間を渡り歩くように制御するゲーム装置であって、
他コンピュータからNPCデータを受信する受信制御手段と、
受信した前記NPCデータを用いてNPCを表示制御する表示制御手段と、
操作入力に基づいて、前記表示制御手段により表示制御されたNPCと交戦する交戦制御手段と、
前記交戦制御手段の交戦に応じて前記NPCデータを書き換えるデータ更新手段と、
前記NPCデータを他コンピュータに送信する送信制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−59540(P2013−59540A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200793(P2011−200793)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】