説明

プログラム、記憶媒体およびコンピュータ

【課題】3Dアクションゲームにおいて、遊技者が操作する主キャラクタが敵キャラクタを盾にして、他の敵キャラクタからの攻撃を防御できるようにする。
【解決手段】主キャラクタ10は、遊技者の操作に応じて敵キャラクタを捕捉して持ち上げる。持ち上げられた敵キャラクタ(第1敵キャラクタ)20は、他の敵キャラクタ(第2敵キャラクタ)21の攻撃、すなわち敵キャラクタ同士の攻撃が当たるようになり、第2敵キャラクタの攻撃が主キャラクタに到達しないようになる。一方、主キャラクタ10の攻撃は、第1敵キャラクタ20を透過して第2敵キャラクタ21に到達する。また、第1敵キャラクタは、持ち上げられている間、主キャラクタを攻撃しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、3Dアクションゲーム等のビデオゲームにおいて、プレイヤキャラクタが相手からの攻撃に対して行う防御手段の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームの一種である3Dアクションゲームには、ある遊技者(プレイヤ)が操作する第1のキャラクタと、他のプレイヤが操作する又はゲーム空間内で活動している第2のキャラクタとが戦闘するものがある。この種のゲームでは、第1のキャラクタは相手(第2のキャラクタ)の攻撃を防御しながらその相手に攻撃を仕掛け、これを倒すことによってゲームが進行する。キャラクタが相手キャラクタからの攻撃を防御する手段として、従来のゲームにおいても、剣や盾を装備することが可能であった(たとえば特許文献1、非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3485987号公報
【非特許文献1】「モンスターハンター2(ドス)ザ・マスターガイド」株式会社メディアワークス、2008年5月20日、p.133
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のゲームでは、相手キャラクタからの攻撃を防御する手段である盾や剣は、予め与えられているものであり、戦闘の場面でその場で臨機応変に防御手段を得ることができるようになっていなかった。
【0005】
この発明は、3Dアクションゲーム等のビデオゲームにおいて、遊技者が操作するキャラクタに、相手からの攻撃に対する新たな防御方法を提供するプログラムおよび該プログラムを記憶した記憶媒体、該プログラムが実行されるコンピュータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明であるプログラムは、コンピュータを、主キャラクタを生成し、仮想のゲーム空間内で、遊技者の操作に応じた活動をさせる主キャラクタ制御手段、複数の敵キャラクタを生成し、前記ゲーム空間内で、前記主キャラクタに対する攻撃を含む活動をさせる敵キャラクタ制御手段、前記敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したか否かを判定するアタリ判定手段、として機能させ、
前記主キャラクタ制御手段は、前記遊技者の特定操作に応じて、前記敵キャラクタを捕捉するよう主キャラクタを制御し、前記アタリ判定手段は、前記敵キャラクタが捕捉されたとき、他の敵キャラクタである第2の敵キャラクタの攻撃が、前記捕捉された敵キャラクタである第1の敵キャラクタに命中したか否かを判定することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記アタリ判定手段は、前記主キャラクタまたは前記第1の敵キャラクタと、前記第2の敵キャラクタと、の位置が特定の位置関係であったとき、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したと判定することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明であるプログラムは、コンピュータを、主キャラクタを生成し、仮想のゲーム空間内で、遊技者の操作に応じた活動をさせる主キャラクタ制御手段、複数の敵キャラクタを生成し、前記ゲーム空間内で、前記主キャラクタに対する攻撃を含む活動をさせる敵キャラクタ制御手段、前記敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したか否かを判定するアタリ判定手段、として機能させ、
前記主キャラクタ制御手段は、前記遊技者の特定操作に応じて、前記敵キャラクタを捕捉するよう主キャラクタを制御し、前記アタリ判定手段は、前記敵キャラクタが捕捉されたとき、他の敵キャラクタである第2の敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中する範囲を、前記捕捉された敵キャラクタである第1の敵キャラクタの範囲まで拡大し、且つ、第2の敵キャラクタからの攻撃が前記主キャラクタに命中したとき、これを前記第1の敵キャラクタに命中したものと判定することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記アタリ判定手段は、前記主キャラクタまたは前記第1の敵キャラクタと、前記第2の敵キャラクタと、の位置が特定の位置関係であったときのみ、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したと判定することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2、4の発明において、前記アタリ判定手段は、前記特定の位置関係として、前記主キャラクタから前記第1の敵キャラクタへ引いた直線から一定の角度範囲に第2の敵キャラクタが存在したとき、前記主キャラクタ、前記第1の敵キャラクタおよび前記第2の敵キャラクタの位置が特定の位置関係であると判定することを特徴とする。
【0011】
一般的にゲームでは、敵キャラクタの攻撃は敵キャラクタに命中しないように管理されている。多数の敵キャラクタが1人の主キャラクタと戦闘するとき、敵同士で当たるようにすると、敵キャラクタ同士のアタリ判定が必要になったり、隣の敵キャラクタに当たらないように攻撃をくり出すように動作を制御する必要がある等、処理が煩雑になるからである。
【0012】
この発明では、敵キャラクタが主キャラクタに捕捉されたとき、敵キャラクタの攻撃を受けるようにする。一般的に攻撃は、誰かに当たるとその効果を使い尽くしてしまうため、敵キャラクタに命中した攻撃は、主キャラクタに到達することはない。したがって、主キャラクタは敵キャラクタを捕捉することにより、これを盾として用いることができる。
【0013】
また、主キャラクタが、敵キャラクタを捕捉している間、全ての方向からの攻撃を防御してしまうと、ゲームの難易度が下がりゲームの面白さが損なわれるため、第2の敵キャラクタが主キャラクタまたは捕捉されている第1の敵キャラクタに対して特定の位置関係であったとき(たとえば一定範囲の方向にいたとき)のみ、この第2の敵キャラクタからの攻撃のみ防御を可能にして、ゲームの面白さを維持するとともに、盾の防御機能に似せることによりリアリティを出すようにしている。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5の発明において、前記敵キャラクタ制御手段は、主キャラクタを攻撃しないよう前記第1の敵キャラクタの活動を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1〜6の発明において、前記主キャラクタ制御手段は、主キャラクタに敵キャラクタに対する攻撃を行わせ、前記アタリ判定手段は、この主キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したか否かの判定を行わないことを特徴とする。
【0016】
すなわち、この発明では、主キャラクタの攻撃は、第1の敵キャラクタを通過して第2の敵キャラクタに到達するため、第1の敵キャラクタが主キャラクタの攻撃の妨げになることはない。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1〜7の発明において、コンピュータを、さらに、前記各キャラクタのゲーム内における生存能力を示す値である体力値を管理し、前記敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したとき、前記主キャラクタの体力値を所定値減少させ、前記第2の敵キャラクタの攻撃が、前記第1の敵キャラクタに命中したとき、前記第1の敵キャラクタの体力値を減少させる体力値管理手段、として機能させることを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記体力値管理手段は、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したときの前記主キャラクタの体力値の減少量よりも、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したときの前記第1の敵キャラクタの体力値の減少量を小さく設定することを特徴とする。
【0019】
主キャラクタよりも敵キャラクタのほうが弱い(持っている体力値が小さい)ため、攻撃が命中したとき、その攻撃力分を敵キャラクタの体力値からそのまま減算すると、敵キャラクタはすぐに死んでしまう。そこで、第1敵キャラクタに第2敵キャラクタの攻撃が命中したときは、その攻撃力を小さく変換して減算することにより、第1敵キャラクタのダメージを少なくしている。
【0020】
請求項10の発明は、請求項8、9の発明において、前記敵キャラクタ制御手段は、第1の敵キャラクタの体力値が0になったとき、この第1の敵キャラクタを消滅させ、前記主キャラクタ制御手段は、捕捉している第1の敵キャラクタが消滅したとき、前記敵キャラクタを捕捉して持ち上げる動作を終了することを特徴とする。
【0021】
請求項11の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0022】
請求項12の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のプログラムが実行されるコンピュータである。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、主キャラクタが敵キャラクタを持ち上げて盾のように扱うことができ、主キャラクタ(遊技者)に対して、既存の防御手段ではなく、その場で臨機応変に獲得することができる新たな防御手段を提供することができる。
【0024】
また、盾にしている敵キャラクタ(第1の敵キャラクタ)を操ることにより、他の敵キャラクタ (第2の敵キャラクタ)の攻撃によって倒させるなど、ゲーム内での戦闘に従来にないバリエーションを与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図面を参照してこの発明の実施形態であるゲーム装置およびゲームプログラムについて説明する。この実施形態では、3D(三次元)アクションゲームを例にあげて説明する。この実施形態で例示する3Dアクションゲームは、遊技者が操作する主キャラクタが敵キャラクタと戦闘するゲームであり、主キャラクタが敵キャラクタ(第2敵キャラクタ)からの攻撃に対する防御として、もう一匹の敵キャラクタ(第1敵キャラクタ)を掴みあげて盾として用いる「エネミーブロック」という防御行動を行うことができるものである。
【0026】
なお、3Dアクションゲーム等のビデオゲームは、以下に説明するゲーム装置がゲームプログラムを実行することによってモニタ上に仮想的に実現されるものであるが、以下の説明では、ゲームの進行をゲーム装置の処理ではなく、ゲームに登場する主キャラクタ、敵キャラクタ等の動作として説明する場合がある。
【0027】
≪ゲーム装置の構成≫
図1は、この発明が適用されるゲーム装置の外観を示す図である。
【0028】
このゲーム装置は、ゲーム装置本体500にコントローラ200が接続されて構成されている。コントローラ200は、遊技者によって操作される。遊技者は、このコントローラ200を用いて、ゲーム中に登場する主キャラクタ等を操作する。また、ゲーム装置本体500には、表示装置・オーディオ装置として機能するテレビジョン408が接続される(図2参照)。
【0029】
ゲーム装置本体500には、ゲームプログラムが記録された記録媒体411がセットされるトレイ501を有している。記録媒体411は、たとえばDVD(digital versatile disc)である。ゲーム装置本体500は、この記録媒体411からゲームプログラムを読み取って、このプログラムを実行する。なお、このゲーム装置本体500は、上記ゲームプログラム処理機能のほか、DVDビデオの再生、CDDA(compact disc digital audio)の再生等を実行することもできる。
なお、記録媒体411は、DVD以外であってもよく、例えばCD、Blu−ray
Disc、HDなどを用いることができる。
【0030】
また、装置前面には、コントローラ200が接続されるコネクタ510、フラッシュメモリからなるカード型の外部メモリ415(図2参照)がセットされるメモリスロット511が、それぞれ2つずつ設けられている。
【0031】
図2は、ゲーム装置本体500の内部構成を示すブロック図である。
ゲーム装置本体500は、装置全体の動作を制御するCPU401を有している。このCPU401に対してRAM402およびバス403が接続される。RAM402には、ゲームの進行に応じて各種のデータが記憶される。
【0032】
バス403には、グラフィック・プロセッサ・ユニット(GPU)404、インプット・アウトプット (I/O)ポート409が接続される。GPU404には、デジタル映像信号をNTSCテレビ ジョン方式やPALテレビジョン方式に変換するためのデコーダ407を介して、外部機器であるテレビジョン(TV)408が、接続される。
【0033】
I/Oポート409には、光ディスクである記録媒体411に記録されているデータを再生し、デコードするためのドライバ(DRV)410,サウンド・プロセッサ(S・P)412、フラッシュメモリからなる外部メモリ415、コントローラ200およびROM416が接続される。
【0034】
ROM416には、このゲーム装置本体500を起動するとともに基本的な機能を実現するためのシステムプログラムが記憶されている。外部メモリ415には、遊技者の情報や実行しているゲームの途中経過等が記憶される。遊技者は、ゲームプログラムを記憶した記憶媒体411と自己の外部メモリ415をセットすることにより、途中で中断したゲームを、その中断したタイミングから再開することができる。
【0035】
サウンド・プロセッサ412は、増幅器413を介して、外部機器であるスピーカ414に接続される。このスピーカ414は、一般的には、上記テレビジョン408に内蔵されているスピーカである。
【0036】
図3は、コントローラ200の外観を示す平面図である。
コントローラ200は、略コ字形をしており、遊技者が両翼部の201L,201Rを左右両手で把持して操作する。コントローラ200の左右上面には操作ボタン群210、220、アナログスティック212、222が設けられており、コントローラ200の右前面にはR1ボタン211、左前面にはL1ボタン221がそれぞれ設けられている。操作ボタン群210、220は、それぞれ遊技者の右手親指、左手親指で操作される。また、R1ボタン211、L1ボタン221は、それぞれ遊技者の右手人指し指、左手人指し指で操作される。
【0037】
右側の操作ボタン群210は、4個の操作ボタン210A〜210Dを備えている。操作ボタン210A〜210Dには、識別を容易にするために頭部に各々「△」「○」「×」「□」の識別マークが付されている。このゲーム装置で実行されるゲームにおいて、この操作ボタン群210は、主として、ゲーム中に登場する主キャラクタに特定の動作をさせるためのボタンとして設定される。特定の動作とは、たとえば、技をくり出す、ジャンプする等である。
【0038】
また、左側の操作ボタン群220は、前後左右に十字型に組み合わされた4個の操作ボタンを備えている。アナログスティック212、222は、前後左右を含む360度の方向に傾倒可能なスティックを有する操作子である。
【0039】
ゲーム「DEVIL MAY CRY(登録商標)4」では、操作ボタン群210の各ボタン、R1ボタン211、L1ボタン221およびアナログスティック212、222は、主キャラクタに各種の行動を行わせたりカメラ位置を制御したりするための操作子として機能する。
【0040】
ゲーム「DEVIL MAY CRY(登録商標)4」において、遊技者によってアナログスティック212、222が操作されると、その操作による傾倒方向及び傾倒度合いに応じた操作量データがコントローラ200から出力される。前記ゲームにおいて、左アナログスティック222が、主キャラクタの移動動作を制御するための操作子として設定される。遊技者がアナログスティック222を前に倒すと主キャラクタが前に移動する。その倒す角度が大きいほど移動速度が早くなる。すなわち、倒す角度が小さいときは歩きモーションで移動し、倒す角度が大きいときは走りモーションで移動する。アナログスティック222を前以外の方向に倒すと、主キャラクタはその倒した方向に移動する。
【0041】
また、遊技者によって×ボタン210Cがオンされると、前記CPU401の制御により、主キャラクタがジャンプする。また、遊技者によってR1ボタン211がオンされると、CPU401の制御により、ゲーム中の主キャラクタは、武器を構える構えモーションとなる。
【0042】
また、遊技者によって△ボタン210Aや○ボタン210Bがオンされると、前記CPU401の制御により、ゲーム中の主キャラクタは、剣を振ったり相手を投げつける(バスター)等の攻撃技をくり出して敵キャラクタを攻撃する。
【0043】
≪3Dアクションゲームについて≫
ここで、3Dアクションゲームについて概略を説明する。一般的な3Dアクションゲームは、プレイヤによって操作されるキャラクタである主キャラクタ(プレイヤキャラクタ)と敵キャラクタとが戦うことで進行するゲームである。敵キャラクタは、ゲーム空間内に複数存在する。
【0044】
主キャラクタと敵キャラクタとの戦闘は、一方が相手に対して攻撃技をくり出すことによって行われる。攻撃が相手に命中するとその相手はダメージを受ける。すなわち主キャラクタの攻撃が敵キャラクタに命中した場合、敵キャラクタはダメージを受け、敵キャラクタの攻撃が主キャラクタに命中した場合、主キャラクタはダメージを受ける。キャラクタのダメージ処理は、受けた攻撃の攻撃力の値を体力値から減算して体力値を減少させる処理や、攻撃を受けたキャラクタにダメージモーションを行わせる処理として実行される。
【0045】
体力値とは、各キャラクタがゲーム内で生存および活動を可能にするためのパラメータである。体力値が0より大きい場合、そのキャラクタは生存しゲーム空間内で活動しているが、体力値が0になると、そのキャラクタはゲーム空間で活動できなくなり、ゲームから消滅する(死ぬ)。なお、主キャラクタの体力値が0になると、そのゲームはゲームオーバーとなる。
【0046】
キャラクタの体力値は、相手キャラクタからの攻撃が命中したとき、その攻撃力により減少する。そこで、ゲームにおいて主キャラクタは、相手(敵キャラクタ)の攻撃を防御しつつ、相手に対する攻撃を命中させる必要がある。
【0047】
主キャラクタが相手の攻撃を防ぐ手段として、一般的には盾や剣が用意されているが、この実施形態のゲームでは、これに加えて敵キャラクタを捕らえて持ち上げ、この敵キャラクタを盾にして他の敵キャラクタからの攻撃を防ぐエネミーブロックという防御手段が用意されている。
【0048】
≪バスターおよびエネミーブロックの説明≫
図4、図5、図6および図7を参照して、ゲーム「DEVIL MAY CRY(登録商標)4」の主キャラクタの投げ技であるバスターおよび上述のエネミーブロックについて説明する。図4は、エネミーブロックの進行および特徴をブロックダイヤグラム化した図である。遊技者が操作する主キャラクタが適当な距離で敵キャラクタと対峙しているとき、遊技者がコントローラ200の○ボタン210Bをオンすると、図5に示すように、主キャラクタ10は、第3の腕である悪魔の右腕11をくり出して敵キャラクタ20を掴んで持ち上げる。そして、遊技者が○ボタン210Bを放すと、主キャラクタ10は、図6に示すように、持ち上げた敵キャラクタ20を地面に叩きつける。これにより、敵キャラクタは大きなダメージを受ける。一方、○ボタン210Bがオンされることにより、図5に示すように、主キャラクタ10が敵キャラクタ20を持ち上げたのち、遊技者が○ボタン210Bをオンしたままにすると、図7に示すように、主キャラクタ10は、敵キャラクタ(第1敵キャラクタ)20を盾のように前に掲げて持ち上げ続ける。この状態(またはこの行動)をエネミーブロックと呼ぶ。主キャラクタは、持ち上げている第1敵キャラクタ20を盾として用いて、他の敵キャラクタ(第2敵キャラクタ)21の攻撃を防ぐことができる。
【0049】
また、エネミーブロックには以下のような特徴がある。
特徴1:主キャラクタのバスターという投げ技の途中からエネミーブロックに移行する。
特徴2:主キャラクタは悪魔の右腕と呼ばれる第3の腕で敵キャラクタ(第1敵キャラクタ)を持ち上げる。
特徴3:主キャラクタが向きを変えると、若干の時間差で悪魔の右腕および第1敵キャラクタも追従する。
特徴4:主キャラクタから第1敵キャラクタへ引いた直線から一定の角度範囲からの攻撃は防御される。なお、ゲームにおいて、敵キャラクタの攻撃の発生位置は、そのキャラクタの体の存在位置であると処理される(武器を所持している腕の先の位置ではない)。
【0050】
特徴5:第1敵キャラクタに命中した他の敵キャラクタ(第2敵キャラクタ)の攻撃によるダメージは、第1敵キャラクタに与えられる。
特徴6:第1敵キャラクタに与えられるダメージは、主キャラクタに与えられるダメージよりも小さく変換されて与えられる。
特徴7:主キャラクタの攻撃は、持ち上げられている第1敵キャラクタに当たらない。すなわち、主キャラクタの攻撃は、第1敵キャラクタを通過して第2敵キャラクタに命中する。
特徴8:第1敵キャラクタは、持ち上げられている間攻撃技をくり出すことができない。
【0051】
特徴9:エネミーブロックの状態の間、主キャラクタは、持ち技のうち一部の技を発動することができない。
特徴10:主キャラクタが、エネミーブロックを解除すると(遊技者が○ボタン210Bをオフすると)、バスターに戻り、敵キャラクタを投げつける。ただし、他の技の発動中などバスターを行うことができないタイミングで○ボタン210Bがオフされた場合には、バスターを行わないで第1敵キャラクタを放す。
特徴11:第1敵キャラクタは体力値が0になると消滅し、エネミーブロックも終了する。
特徴12:主キャラクタが攻撃を受けてダメージを受けると、第1敵キャラクタを放してしまい、エネミーブロックが終了する。
【0052】
図面を参照してエネミーブロックの上記特徴について詳細に説明する。
図5、図6、図7を参照して特徴1、2を説明する。上述したように、遊技者によって○ボタン210Bがオンされると、悪魔の右腕11が現れて、敵キャラクタを掴んで持ち上げる(図5)。そして○ボタン210Bがオフされると、この敵キャラクタ20を地面に投げつける(図6)が、○ボタン210Bがオンされたままであると、図7のように、主キャラクタ10は敵キャラクタ20を盾のように持ち上げて、エネミーブロックの状態に入る。
【0053】
図8を参照して特徴3を説明する。図8は、主キャラクタ10が敵キャラクタ20を掴んで持ち上げている状態を、上から見た図である。主キャラクタ10は、敵キャラクタ20を悪魔の右腕11という第3の腕で持ち上げる(図8(A))。主キャラクタ10が向きを変えた場合(図8(B))、悪魔の右腕11および持ち上げられている敵キャラクタ20は、若干の時間遅れで主キャラクタ10の向きに追随して移動する(図8(C))。
【0054】
図9、図10を参照して特徴4、5、6を説明する。図9は、エネミーブロックにより防御可能な角度範囲を説明する図である。エネミーブロックでは、主キャラクタ10から持ち上げられている第1敵キャラクタ20の方向に引いた直線に対して、左右θ0の角度範囲(−θ0≦θ≦θ0)からの攻 撃がブロック可能である。すなわち、この角度範囲からの攻撃は、第1キャラクタ20に命中して主キャラクタ10には当たらない。ただし、これ以外の角度からの攻撃は主キャラクタ10に命中する。この図においては、第2敵キャラクタE1の攻撃はブロックすることができるが、第2敵キャラクタE2の攻撃は主キャラクタ10に命中する。
【0055】
なお、この実施形態では、エネミーブロックで防御可能な範囲を、水平方向(左右方向)の角度範囲で制限しているが、さらに、垂直方向(上下方向)の角度範囲や高度差で制限するようにしてもよい。
【0056】
また、この実施形態では、エネミーブロックによる防御可能範囲を、所定の方向(角度範囲)に限定しているが、防御可能範囲の限定は角度範囲に限定されず、主キャラクタおよび/または第1の敵キャラクタに対する第2の敵キャラクタの位置関係(相対座標など)で限定してもよい。たとえば、第2の敵キャラクタが主キャラクタの正面方向に存在する場合(捕捉された第1の敵キャラクタの位置を考慮することなく)、第2の敵キャラクタからの攻撃をエネミーブロックにより防御可能としてもよい。
【0057】
また、エネミーブロックによる防御可能範囲を限定せずに全方向からの攻撃を防御可能にしてもよい。
【0058】
第2敵キャラクタからの攻撃がエネミーブロックによりブロックされると、この攻撃のダメージは、持ち上げられている第1敵キャラクタに与えられる。このダメージは、第1敵キャラクタの体力値の減算、および、第1敵キャラクタが行うダメージモーションとして処理される。
【0059】
第1敵キャラクタの体力値の減算値は、敵キャラクタの攻撃が主キャラクタに命中した場合に主キャラクタの体力値から減算される値である攻撃力の値よりも小さく(たとえば1/10程度に)変換される。これは、主キャラクタに比べて敵キャラクタの持つ体力値は小さいため、敵キャラクタの攻撃の攻撃力をそのまま敵キャラクタの体力値から減算すると、敵キャラクタがすぐに死んでしまうためである。
【0060】
図10は、第2敵キャラクタ21の攻撃が持ち上げられている第1敵キャラクタ20に命中した場面を示す図である。第1敵キャラクタ20は攻撃の命中によりダメージモーションを行っているが、主キャラクタ10は全く変化なく、通常どおりの攻撃等の行動が可能である。
【0061】
図11を参照して特徴7、8を説明する。図11では、主キャラクタ10は、第1敵キャラクタ20を持ち上げてエネミーブロックの状態になっているが、右手で剣12を振る攻撃を開始している。本来、この剣12は第1敵キャラクタ20に当たってしまうが、ここでは、剣12は第1敵キャラクタ20を通過して、第2敵キャラクタ21に命中する。なお、持ち上げられている第1敵キャラクタ20は、攻撃をくり出すことができない状態にされており、持ち上げられている位置から主キャラクタ10を攻撃することはできない。
【0062】
図12、図13、図14を参照して特徴10を説明する。遊技者が○ボタン210Bを放すとエネミーブロックの状態からバスターにもどり、主キャラクタ10は、図12に示すように持ち上げていた第1敵キャラクタ20を地面に叩きつける。これにより、この敵キャラクタの体力値を大きく減らすことができる。また、遊技者は、コントローラ200の操作により、主キャラクタ10に「第1敵キャラクタ20を持ち上げて一旦エネミーブロックの状態になり、この状態でジャンプし、空中でバスターにもどり、空中から第1キャラクタを地面に叩きつける。」という動作をさせることも可能である。
【0063】
なお、他の攻撃をくり出している途中で敵キャラクタを放す(遊技者が○ボタン210Bをオフする)と、図13、図14のように敵キャラクタを(バスターではなく)放り出して攻撃を継続する。
【0064】
図15を参照して特徴12を説明する。この図は、主キャラクタ10に第2敵キャラクタ21からの攻撃が命中した場面を示す図である。主キャラクタ10は、それまでエネミーブロックの状態であったが、攻撃を受けた瞬間に悪魔の右腕が消滅し、持ち上げられていた第1敵キャラクタ20は、バスターでなく空中に放り出されている。この第1敵キャラクタはダメージなく地面に落下する。
【0065】
次にフローチャートを参照して上記エネミーブロック時の主キャラクタ、敵キャラクタの制御処理動作について説明する。
図16は、エネミーブロックの状態になるまでの主キャラクタの攻撃制御動作を示すフローチャートである。S1は待機動作であり、遊技者によって○ボタン210Bが押されるまで待機する。遊技者によって○ボタン210Bが押されると(S1でYES)、主キャラクタの動作10の動作を図5に示したような、悪魔の右腕をくり出して敵キャラクタを掴むバスターのモーションに切り換える (S2)。そして、この悪魔の右腕で敵キャラクタを捕えることができたかをS3で判断する。敵キャラクタを捕えることができなかった場合には(S3でNO)、バスターのモーションを終了して (S50)、待機動作(S1)にもどる。
【0066】
悪魔の右腕で敵キャラクタを捕えることができた(敵キャラクタに命中した)場合には(S3でYES)、その敵キャラクタが掴んで持ち上げられるキャラクタであり(S4でYES)、且つ、遊技者によって○ボタン210Bが押され続けている(S5でYES)ことを条件に、エネミーブロックの処理(S7)に移行する。一方、捕えた敵キャラクタが掴んで持ち上げることのできないキャラクタであった場合(S4でNO)、または、遊技者が直ぐに(例えば、命中してから8/60秒以内に)○ボタン210Bをオフした場合(S5でNO)には、バスターのモーションを継続し、敵キャラクタを地面に投げつける処理を行う(S6)。こののち待機動作(S1)にもどる。
【0067】
図17は、エネミーブロックの状態になるまでの敵キャラクタのダメージ制御動作を示すフローチャートである。S8は待機動作であり、主キャラクタの攻撃が命中するまで待機する。主キャラクタの攻撃がこの敵キャラクタに命中すると(S8でYES)、この攻撃がバスターであり(S9でYES)、且つ、遊技者によって○ボタン210Bが押され続けている(S10でYES)ことを条件に、エネミーブロックの処理(S13)に移行する。
【0068】
一方、主キャラクタの攻撃がバスターでない場合(S9でNO)には、命中した攻撃のダメージ処理を行う(S11)。また、主キャラクタの攻撃がバスターであり(S9でYES)、遊技者により○ボタン210Bが直ぐにオフされた場合には(S10でNO)、バスターのダメージ処理を行う (S12)。ダメージ処理とは、この敵キャラクタに攻撃によってダメージをうけたことを表すモーション(ダメージモーション)を行わせるとともに、この敵キャラクタの体力値から受けた攻撃に対応する値を減算する処理である。この体力値の減算処理は、体力値を管理する別ルーチン(体力値管理手段)によって処理される。
【0069】
こののち、この敵キャラクタの体力値が0以下になっていないかを判断する(S14)。0より大きければ(S14でNO)、S8の待機動作にもどる。0以下であれば、この敵キャラクタはゲーム上死んだことになるため死亡処理を行って(S15)、この敵キャラクタに対するダメージ制御動作を終了する。ここで、死亡処理とは、敵キャラクタに死亡のモーションを行わせたのちこの敵キャラクタをゲーム空間から消去する処理である。
【0070】
図18は、主キャラクタのエネミーブロック処理を示すフローチャートである。この処理動作は、図16のS7で実行される処理である。エネミーブロック処理では、まず主キャラクタに掴んだ敵キャラクタを盾のように持ち上げを持ち上げる処理を行わせ、敵キャラクタが完全に持ち上げられると悪魔の右腕を光った状態に表示する(S16)。これにより、この敵キャラクタ(第1敵キャラクタ)は、悪魔の右腕により持ち上げられた状態で保持される。そして、第2敵キャラクタからの攻撃がこの第1敵キャラクタにも命中するように、主キャラクタのアタリを第1敵キャラクタを包含する領域まで拡大する(S17)。以上のS16とS17の処理により、主キャラクタはエネミーブロック状態となる。
【0071】
ここで、アタリとは、ゲームプログラムが、キャラクタに攻撃が命中したか否かを判定するために用いる点、線、面、立体などの形状および座標情報である。このアタリは、ほぼキャラクタの形状に一致し、実際のキャラクタの形状を簡略化したものであり、攻撃がこのアタリを通過したかまたは攻撃の効果の範囲にこのアタリが含まれるかを判定(アタリ判定)することにより、そのキャラクタに攻撃が命中したか否かを判定する。アタリは、ゲーム画面上のキャラクタとは別のデータであるため、アタリを大きくしたり小さくしたりして命中の可能性を変化させることができ、また、他のキャラクタからの攻撃に対してアタリ判定を行うか行わないかの属性を個別に設定することができるため、特定のキャラクタからの攻撃に対して無反応にすることができる。
【0072】
エネミーブロック状態では、他の敵キャラクタ(第2敵キャラクタ)の攻撃が拡大した主キャラクタのアタリに当たったか(S18)、第1敵キャラクタが脱出したか(S19)、遊技者が○ボタン210Bをオフしたか(S20)、主キャラクタが他の部屋に移動したか(S21)を常時判定している。
【0073】
第2敵キャラクタの攻撃が主キャラクタのアタリに命中した場合(S18でYES)には、この攻撃が図9に示す−θ0≦θ≦θ0の角度範囲からのものであるかを判定する(S22)。この角度範囲からの攻撃であれば(S22でYES)、この攻撃は持ち上げられている第1敵キャラクタに命中しているため、主キャラクタには何も行わせずこの攻撃の命中によって第1敵キャラクタが死亡したか否かを判定する(S23)。第1敵キャラクタが死亡した場合には(S23でYES)、S25以下の処理を実行し、第1敵キャラクタが死亡していない場合には(S23でNO)、S18〜S21の待機ルーチンにもどる。
【0074】
S25以下は、エネミーブロック状態を解除するための処理である。まず、主キャラクタに敵キャラクタを放す動作を行わせ(S25)、主キャラクタのアタリを元の大きさ(主キャラクタのみを包含する範囲)に戻し(S26)、悪魔の右腕を消滅させて(S27)、このルーチンを終了する。ルーチンが終了すると、図16のS1の待機動作にもどる。
【0075】
一方、主キャラクタのアタリに命中した第2敵キャラクタの攻撃が−θ0≦θ≦θ0の角度範囲以外からのものであった場合には(S22でNO)、この攻撃は主キャラクタに命中しているため、主キャラクタに対するダメージ処理を行う(S24)。このダメージ処理は、主キャラクタのダメージモーションおよび主キャラクタの体力値の減算を含む。こののち、S25に進む。
【0076】
第1敵キャラクタが自力で脱出した場合には(S19でYES)、これによってエネミーブロックが終了するため、処理をS25に進める。
【0077】
一方、遊技者が○ボタン210Bをオフした場合には(S20でYES)、主キャラクタがバスターを再開可能な状態であるか(バスターを再開不可能な状態でないか)を判定する(S28)。バスターを再開不可能な状態とは現在他の攻撃技をくり出している途中でバスターをすることができない場合等である。バスターを再開可能な状態であれば(S28でYES)バスター処理を行い(S29)、こののちS26に進む。一方、バスターを再開不可能な状態であればバスターを行わないで敵キャラクタを離すため、処理をS25に進める。
【0078】
また、主キャラクタが別の部屋(ステージ)に移動した場合には(S21でYES)、敵キャラクタは部屋を跨いで移動できないためエネミーブロックを終了する。このため、処理をS25に進める。
【0079】
図19は、第1敵キャラクタのエネミーブロック処理を示すフローチャートである。この処理は図17のS13で実行される処理である。図18の主キャラクタのエネミーブロック処理によりエネミーブロック処理に入ったことに対応して、第1敵キャラクタを主キャラクタに持ち上げられている状態(モーション)にする(S31)。そして、主キャラクタの攻撃が第1キャラクタを通過するようにアタリ判定を行わないように切り換える(S32)。以上のS31およびS32の処理により、第1敵キャラクタもエネミーブロック状態となる。
【0080】
エネミーブロック状態では、主キャラクタのガードとなった、すなわち、主キャラクタに対する攻撃が、図9に示す−θ0≦θ≦θ0の角度範囲からのものであり、第1敵キャラクタに命中したか(S33)、遊技者が○ボタン210Bをオフしたか(S34)、掴み持たれている状態から脱出に成功したか(S35)、主キャラクタがダメージを受けたか(S36)、あるいは主キャラクタが他の部屋に移動したか(S37)を常時判定している。
【0081】
第1敵キャラクタが主キャラクタのガードとなった場合、すなわち、第2敵キャラクタからの攻撃が第1敵キャラクタに命中した場合には(S33でYES)、第1敵キャラクタのダメージ処理を行う(S38)。ダメージ処理は、第1敵キャラクタにダメージモーションをさせるとともに、第1敵キャラクタの体力値を第2敵キャラクタからの攻撃の攻撃力の1/10だけ減算する処理である。この減算処理は、体力値を管理する別ルーチン(体力値管理手段)によって処理される。減算値を攻撃力の1/10にするのは、敵キャラクタは主キャラクタよりも体力値が小さいため、主キャラクタに対する減算値である攻撃力をそのまま減算すると敵キャラクタは直ぐに死亡してしまうためである。この体力値の減算の結果、体力値が0以下になった場合には(S39でYES)、この敵キャラクタを消滅させる死亡処理を行った(S40)のち、このエネミーブロック処理を終了する。ここで、死亡処理とは、敵キャラクタに死亡のモーションを行わせたのちこの敵キャラクタをゲーム空間から消去する処理である。また、体力値が減算されても0以上であった場合には(S39でNO)、S33〜S37の待機ルーチンにもどる。
【0082】
遊技者が○ボタン210Bをオフした場合には(S34でYES)、主キャラクタがバスターを再開可能な状態であるか(バスターを再開不可能な状態でないか)を判定する(S41)。バスターを再開不可能な状態とは現在他の攻撃技をくり出している途中でバスターをすることができない場合等である。バスターを再開可能な状態であれば(S41でYES)バスター処理を行う(S42)。ここで、S42のバスター処理とは、第1敵キャラクタに地面に投げつけられるモーションを行わせるとともに、このバスターの攻撃力分だけ第1キャラクタの体力値を減算する処理である。この体力値の減算の結果、体力値が0以下になった場合には(S43でYES)、この敵キャラクタを消滅させる死亡処理を行った(S40)のち、このエネミーブロック処理を終了する。体力値を減算しても0以上であった場合には(S43でNO)、この敵キャラクタを主キャラクタと戦うキャラクタとして復帰させるため、主キャラクタからのアタリ判定を行うように切り換えたのち(S45)、図17のS8の待機動作にもどる。
【0083】
一方、主キャラクタが、バスターを再開不可能な状態であればバスターを行わないで敵キャラクタを離すため、バスターではなく主キャラクタから離れるモーションを第1敵キャラクタに行わせたのち(S44)、S45で主キャラクタからのアタリ判定を行うように切り換え、図17のS8の待機動作にもどる。
【0084】
また、第1敵キャラクタが自力で脱出に成功した場合(S35)、または主キャラクタが他の敵キャラクタからの攻撃でダメージを受けた場合には(S36)、上述のS44、S45の処理で第1敵キャラクタを通常の敵キャラクタに復帰させたのち、図5のS8にもどる。また、主キャラクタが他の部屋(ステージ)に移動した場合には(S37)、その移動先の部屋にこの第1敵キャラクタを入れることができないため、この第1敵キャラクタを消滅させる処理(S46)を行ったのち、このエネミーブロック処理を終了する。
【0085】
≪エネミーブロック処理の他の実施形態≫
図18、図19のエネミーブロック処理では、エネミーブロック状態に入ったとき、主キャラクタのアタリを持ち上げられた第1敵キャラクタの範囲まで拡大しているが、主キャラクタおよび第1敵キャラクタのアタリの範囲はそのまま維持し、第1敵キャラクタのアタリの属性を主キャラクタからの攻撃に対するアタリ判定を行わず、敵キャラクタからの攻撃に対するアタリ判定を行うように変更することでも、エネミーブロック処理を実現することができる。図20、図21は、この第1敵キャラクタのアタリの属性を変更する方式のエネミーブロック処理を示すフローチャートである。
【0086】
図20は、主キャラクタのエネミーブロック処理を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、図18に示したフローチャートと異なる点は、主キャラクタのアタリの領域の拡大処理(S17)、この拡大したアタリ領域を元に戻す処理(S26)を行わない点である。
【0087】
図21は、敵キャラクタのエネミーブロック処理を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、図19に示したフローチャートと異なる点は、第1敵キャラクタをエネミーブロック状態にするとき、他の敵キャラクタ(第2敵キャラクタ)からの攻撃に対して当たり判定を行うようにアタリ処理を切り換える処理(S47)、および、エネミーブロック状態から抜けるとき、他の敵キャラクタからの攻撃に対するアタリ判定を行わないようにアタリ処理を切り換える処理(S48)を行う点である。
図20、図21のフローチャートとも、上記相違点以外は図18、図19のフローチャートと同様であるため、各ステップの説明は省略する。
【0088】
以上の実施形態は、遊技者が操作する主キャラクタが敵キャラクタと戦闘する3Dアクションゲームについて説明したが、本発明の適用範囲はこの形態のゲームに限定されるものではない。たとえば、複数の遊技者がそれぞれ別々のキャラクタを操作して互いに対戦する対戦型のアクションゲームにも適用することができる。
【0089】
なお、この実施形態では、敵キャラクタを「持ち上げる」ことにより、エネミーブロックが発動するようにしているが、持ち上げなくても敵を捕捉した状態でエネミーブロックを発動させるようにしてもよい。また、この実施形態では、他の技(バスター)の途中でエネミーブロックに移行するようになっているが、他の技から独立してエネミーブロックが発動するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】この発明が適用されるゲーム装置の外観図
【図2】ゲーム装置本体の内部構成を示すブロック図
【図3】ゲーム装置のコントローラの構造を示す平面図
【図4】この発明が適用されるゲームにおけるエネミーブロックの進行および特徴を示すブロックダイヤグラム
【図5】主キャラクタが投げ技であるバスターをくり出す瞬間を示す図
【図6】主キャラクタがバスターで敵キャラクタを地面に投げつけた状態を示す図
【図7】主キャラクタの動作がバスターからエネミーブロックに移行した状態を示す図
【図8】主キャラクタの向きに対する持ち上げられた敵キャラクタ(第1敵キャラクタ)の追従の形態を説明する図
【図9】エネミーブロック(第1敵キャラクタ)により、他の敵キャラクタ(第2敵キャラクタ)からの攻撃がブロックされる角度範囲を説明する図
【図10】第2敵キャラクタの攻撃が第1敵キャラクタに命中した瞬間を示す図
【図11】主キャラクタがエネミーブロックの状態のまま攻撃をくり出している状態を示す図
【図12】主キャラクタがエネミーブロックを解除してバスターに戻り、第1敵キャラクタを地面に投げつけた状態を示す図
【図13】主キャラクタが剣による攻撃中にエネミーブロックを解除した状態を示す図
【図14】主キャラクタが剣による攻撃中にエネミーブロックを解除した状態を示す図
【図15】主キャラクタがエネミーブロックのときに他の敵キャラクタから攻撃をうけた状態を示す図
【図16】前記ゲームの主キャラクタのエネミーブロックの状態になるまでの攻撃制御動作を示すフローチャート
【図17】前記ゲームの第1敵キャラクタのエネミーブロックの状態になるまでのダメージ制御動作を示すフローチャート
【図18】前記ゲームの主キャラクタのエネミーブロック処理動作を示すフローチャート
【図19】前記ゲームの第1敵キャラクタのエネミーブロック処理動作を示すフローチャート
【図20】前記ゲームの主キャラクタのエネミーブロック処理動作の他の形態を示すフローチャート
【図21】前記ゲームの第1敵キャラクタのエネミーブロック処理動作の他の形態を示すフローチャート
【符号の説明】
【0091】
10…主キャラクタ
11…悪魔の右腕
12…剣
20…(第1)敵キャラクタ
21…(第2)敵キャラクタ
200…コントローラ
210B…○ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
主キャラクタを生成し、仮想のゲーム空間内で、遊技者の操作に応じた活動をさせる主キャラクタ制御手段、
複数の敵キャラクタを生成し、前記ゲーム空間内で、前記主キャラクタに対する攻撃を含む活動をさせる敵キャラクタ制御手段、
前記敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したか否かを判定するアタリ判定手段、
として機能させ、
前記主キャラクタ制御手段は、前記遊技者の特定操作に応じて、前記敵キャラクタを捕捉するよう主キャラクタを制御し、
前記アタリ判定手段は、前記敵キャラクタが捕捉されたとき、他の敵キャラクタである第2の敵キャラクタの攻撃が、前記捕捉された敵キャラクタである第1の敵キャラクタに命中したか否かを判定する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記アタリ判定手段は、前記主キャラクタまたは前記第1の敵キャラクタと、前記第2の敵キャラクタと、の位置が特定の位置関係であったとき、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したと判定する請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
主キャラクタを生成し、仮想のゲーム空間内で、遊技者の操作に応じた活動をさせる主キャラクタ制御手段、
複数の敵キャラクタを生成し、前記ゲーム空間内で、前記主キャラクタに対する攻撃を含む活動をさせる敵キャラクタ制御手段、
前記敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したか否かを判定するアタリ判定手段、
として機能させ、
前記主キャラクタ制御手段は、前記遊技者の特定操作に応じて、前記敵キャラクタを捕捉するよう主キャラクタを制御し、
前記アタリ判定手段は、前記敵キャラクタが捕捉されたとき、他の敵キャラクタである第2の敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中する範囲を、前記捕捉された敵キャラクタである第1の敵キャラクタの範囲まで拡大し、且つ、第2の敵キャラクタからの攻撃が前記主キャラクタに命中したとき、これを前記第1の敵キャラクタに命中したものと判定する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
前記アタリ判定手段は、前記主キャラクタまたは前記第1の敵キャラクタと、前記第2の敵キャラクタと、の位置が特定の位置関係であったときのみ、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したと判定する請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記アタリ判定手段は、前記特定の位置関係として、前記主キャラクタから前記第1の敵キャラクタへ引いた直線から一定の角度範囲に第2の敵キャラクタが存在したとき、前記主キャラクタ、前記第1の敵キャラクタおよび前記第2の敵キャラクタの位置が特定の位置関係であると判定する請求項2または請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記敵キャラクタ制御手段は、主キャラクタを攻撃しないよう前記第1の敵キャラクタの活動を制御する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記主キャラクタ制御手段は、主キャラクタに敵キャラクタに対する攻撃を行わせ、
前記アタリ判定手段は、この主キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したか否かの判定を行わない請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、さらに、前記各キャラクタのゲーム内における生存能力を示す値である体力値を管理し、前記敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したとき、前記主キャラクタの体力値を所定値減少させ、前記第2の敵キャラクタの攻撃が、前記第1の敵キャラクタに命中したとき、前記第1の敵キャラクタの体力値を減少させる体力値管理手段、として機能させることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記体力値管理手段は、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記主キャラクタに命中したときの前記主キャラクタの体力値の減少量よりも、前記第2の敵キャラクタの攻撃が前記第1の敵キャラクタに命中したときの前記第1の敵キャラクタの体力値の減少量を小さく設定する請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記敵キャラクタ制御手段は、第1の敵キャラクタの体力値が0になったとき、この第1の敵キャラクタを消滅させ、
前記主キャラクタ制御手段は、捕捉している第1の敵キャラクタが消滅したとき、前記敵キャラクタを捕捉する動作を終了する
請求項8または請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のプログラムが実行されるコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−153559(P2009−153559A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331808(P2007−331808)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】