説明

プログラム、誤送信防止システム、及び電子メールの送信管理方法

【課題】誤った宛先の受信者に対して送信者が電子メールを送信してしまった場合であっても、その受信者に電子メールが読まれることを回避する。
【解決手段】プログラム15は、管理装置3としてのコンピュータを、送信者が送信した電子メールを受信する電子メール受信部20と、パスワードを記憶する暗号化情報記憶部23と、電子メール受信部20が受信した電子メールを受信者に向けて送信する電子メール送信部24と、受信端末2Bに対して、受信者を識別するための識別情報を確認する識別情報確認部25と、識別情報によって識別される受信者に向けてパスワードを送信することを許可するか否かを送信者に対して確認する送信許否確認部26と、送信者が許可した場合に、暗号化情報記憶部23が記憶しているパスワードを、識別情報によって識別される受信者に向けて送信するパスワード送信部27ととして機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールの送信を管理するためのプログラム、誤送信防止システム、及び電子メールの送信管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電子メールの添付ファイルを暗号化して送信する電子メールシステムが開示されている。添付ファイル暗号化装置は、送信側端末装置から電子メールを受信すると、その電子メールに含まれている添付ファイルを暗号化する。そして、暗号化された添付ファイルを含む電子メールを、受信側端末装置に向けて送信する。電子メールを受信した受信側端末装置は、添付ファイル暗号化装置に対して、暗号パスワードを照会する。添付ファイル暗号化装置は、受信側端末装置から送られてきた照会用パスワードと、添付ファイル暗号化装置に事前に登録されている認証用パスワードとを比較し、両者が一致した場合には認証成功とみなして、暗号パスワードを受信側端末装置に向けて送信する。受信側端末装置は、暗号化された添付ファイルを、受信した暗号パスワードを用いて復号することにより、元の添付ファイルを取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−187280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された電子メールシステムによると、添付ファイル暗号化装置に既に登録されている受信側端末装置に対して送信側端末装置が電子メールを誤って送信した場合には、その既登録の受信側端末装置は添付ファイル暗号化装置から暗号パスワードを取得可能であるため、その受信側端末装置によって添付ファイルが復号されてしまう。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、誤った宛先の受信者に対して送信者が電子メールを送信してしまった場合であっても、その受信者に電子メールが読まれることを回避することが可能な、プログラム、誤送信防止システム、及び電子メールの送信管理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るプログラムは、管理装置と複数の端末装置とを備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理するためのプログラムであって、前記管理装置としてのコンピュータを、送信者が送信した前記電子メールを受信する電子メール受信手段と、前記電子メールを読むために必要な鍵情報を記憶する鍵情報記憶手段と、前記電子メール受信手段が受信した前記電子メールを、前記鍵情報とは別に、前記電子メールの宛先である受信者に向けて送信する電子メール送信手段と、前記受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認する識別情報確認手段と、前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認する送信許否確認手段と、前記送信許否確認手段による確認の結果、前記鍵情報の送信を前記送信者が許可した場合に、前記鍵情報記憶手段が記憶している前記鍵情報を、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信する鍵情報送信手段ととして機能させる第1のコンピュータプロ
グラムを備えることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、「鍵情報」には、電子メールを暗号化する際に使用されたパスワード(つまり、暗号化された電子メールを復号する際に使用するパスワード)や、電子メールを開封するためのパスワード等が含まれる。また、識別情報確認手段による識別情報の確認手法には、受信者に対して当該受信者の電子メールアドレスを受信端末に入力させ、当該電子メールアドレスを受信端末から取得すること等が含まれる。
【0008】
第1の態様に係るプログラムによれば、識別情報確認手段は、受信端末に対して、受信者を識別するための識別情報を確認する。また、送信許否確認手段は、電子メールを特定するための電子メール特定情報と、識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、送信者に向けて送信することにより、識別情報によって識別される受信者に向けて鍵情報を送信することを許可するか否かを、送信者に対して確認する。そして、鍵情報送信手段は、送信許否確認手段による確認の結果、鍵情報の送信を送信者が許可した場合に、鍵情報記憶手段が記憶している鍵情報を、識別情報によって識別される受信者に向けて送信する。従って、宛先を間違えて電子メールを送信した場合であっても、電子メールの送信者は、送信許否確認手段による確認の際にその間違いに気付くことができる。間違いに気付いた場合には鍵情報の送信を許可しないことにより、間違った宛先の受信者に対して鍵情報が送信されることを防止でき、その結果、電子メールが読まれる事態を回避することが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、第1の態様に係るプログラムにおいて特に、前記識別情報は電子メールアドレスを含み、前記識別情報確認手段は、前記受信者に対して、当該受信者の電子メールアドレスを前記受信端末に入力させることを特徴とするものである。
【0010】
第2の態様に係るプログラムによれば、識別情報確認手段は、受信者に対して、当該受信者の電子メールアドレスを受信端末に入力させる。従って、受信者に電子メールアドレスを入力させるという比較的簡便な処理によって、受信者の識別情報を確認することができる。
【0011】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、第1又は第2の態様に係るプログラムにおいて特に、前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、前記送信許否確認手段から前記特定情報を受信する特定情報受信手段と、前記特定情報受信手段が受信した前記特定情報に基づいて、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを確認させるための送信許否確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に表示する表示制御手段ととして機能させる第2のコンピュータプログラムをさらに備え、前記送信許否確認メッセージには、前記受信者特定情報に基づいて生成された、前記識別情報によって識別される前記受信者の電子メールアドレスが含まれることを特徴とするものである。
【0012】
第3の態様に係るプログラムによれば、送信許否確認メッセージには、受信者特定情報に基づいて生成された、識別情報によって識別される受信者の電子メールアドレスが含まれる。従って、電子メールの送信者は、送信許否確認メッセージに含まれている電子メールアドレスを確認することにより、電子メールの宛先を間違えたか否かを容易に判断することが可能となる。
【0013】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、第1〜第3のいずれか一つの態様に係るプログラムにおいて特に、前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、前記送信許否確認手段から前記特定情報を受信する特定情報受信手段と、前記特定
情報受信手段が受信した前記特定情報に基づいて、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを確認させるための送信許否確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に表示する表示制御手段ととして機能させる第2のコンピュータプログラムをさらに備え、前記送信許否確認メッセージには、前記受信者特定情報に基づいて生成された、前記識別情報によって識別される前記受信者の電子メールアドレスに対応する当該受信者の属性情報が含まれることを特徴とするものである。
【0014】
ここで、「属性情報」には、電子メールアドレスをアドレス帳等を用いて変換した、受信者の名前等が含まれる。
【0015】
第4の態様に係るプログラムによれば、送信許否確認メッセージには、受信者特定情報に基づいて生成された、識別情報によって識別される受信者の電子メールアドレスに対応する当該受信者の属性情報が含まれる。従って、電子メールの送信者は、送信許否確認メッセージに含まれている属性情報を確認することにより、電子メールの宛先を間違えたか否かを容易に判断することが可能となる。
【0016】
本発明の第5の態様に係るプログラムは、第1〜第4のいずれか一つの態様に係るプログラムにおいて特に、前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、前記送信許否確認手段から前記特定情報を受信する特定情報受信手段と、前記特定情報受信手段が受信した前記特定情報に基づいて、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを確認させるための送信許否確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に表示する表示制御手段ととして機能させる第2のコンピュータプログラムをさらに備え、前記送信許否確認メッセージには、前記電子メール特定情報に基づいて生成された、前記電子メールの件名に関する情報、前記電子メールの宛先に関する情報、前記電子メールの添付ファイルに関する情報、及び前記電子メールの送信日時に関する情報、のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とするものである。
【0017】
第5の態様に係るプログラムによれば、送信許否確認メッセージには、電子メールの件名に関する情報、宛先に関する情報、添付ファイルに関する情報、及び、送信日時に関する情報のうちの少なくとも一つが含まれる。従って、電子メールの送信者は、送信許否確認メッセージに含まれているこれらの情報を参照することにより、対象の電子メールを容易に特定することが可能となる。
【0018】
本発明の第6の態様に係るプログラムは、第3〜第5のいずれか一つの態様に係るプログラムにおいて特に、前記表示制御手段は、前記送信許否確認メッセージを前記表示画面上に自動表示することを特徴とするものである。
【0019】
自動表示の態様には、例えばポップアップウインドウを用いた自動表示が含まれる。
【0020】
第6の態様に係るプログラムによれば、表示制御手段は、送信許否確認メッセージを表示画面上に自動表示する。送信許否確認メッセージが電子メールとして送信されてくる場合には、他の膨大な数の電子メールに埋もれてその電子メールを見逃してしまう可能性が高い。一方、送信許否確認メッセージを表示画面上に自動表示させることにより、送信許否確認メッセージを画面に表示させるためのユーザの操作負担を軽減できるとともに、電子メールの送信者が送信許否確認メッセージを見逃す可能性を低減することが可能となる。
【0021】
本発明の第7の態様に係るプログラムは、第1〜第6のいずれか一つの態様に係るプロ
グラムにおいて特に、前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、前記送信端末の前記電子メール送信手段が前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する前に、当該電子メールに前記鍵情報を設定するか否かを確認させるための鍵設定確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に自動表示する表示制御手段ととして機能させる第2のコンピュータプログラムをさらに備えることを特徴とするものである。
【0022】
第7の態様に係るプログラムによれば、表示制御手段は、電子メール送信手段が管理装置の電子メール受信手段に向けて電子メールを送信する前に、当該電子メールに鍵情報を設定するか否かを確認させるための鍵設定確認メッセージを、送信端末の表示画面上に自動表示する。鍵設定確認メッセージを表示画面上に自動表示させることにより、鍵設定確認メッセージを画面に表示させるためのユーザの操作負担を軽減することが可能となる。
【0023】
本発明の第8の態様に係るプログラムは、第1〜第7のいずれか一つの態様に係るプログラムにおいて特に、前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、前記送信端末の前記電子メール送信手段が前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する前に、当該電子メールの宛先を確認させるための宛先確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に自動表示する表示制御手段ととして機能させる第2のコンピュータプログラムをさらに備えることを特徴とするものである。
【0024】
第8の態様に係るプログラムによれば、表示制御手段は、電子メール送信手段が管理装置の電子メール受信手段に向けて電子メールを送信する前に、当該電子メールの宛先を確認させるための宛先確認メッセージを、送信端末の表示画面上に自動表示する。これにより、電子メールの送信者は、その電子メールの宛先に間違いがないかを確認することができる。しかも、宛先確認メッセージを表示画面上に自動表示させることにより、宛先確認メッセージを画面に表示させるためのユーザの操作負担を軽減することが可能となる。
【0025】
本発明の第9の態様に係るプログラムは、管理装置と複数の端末装置とを備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理するためのプログラムであって、前記管理装置としてのコンピュータを、送信者が送信した前記電子メールを受信する電子メール受信手段と、前記電子メール受信手段が受信した前記電子メールを記憶する電子メール記憶手段と、前記電子メールの宛先である受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認する識別情報確認手段と、前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記電子メールを送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認する送信許否確認手段と、前記送信許否確認手段による確認の結果、前記電子メールの送信を前記送信者が許可した場合に、前記電子メール記憶手段が記憶している前記電子メールを、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信する電子メール送信手段ととして機能させることを特徴とするものである。
【0026】
第9の態様に係るプログラムによれば、識別情報確認手段は、受信端末に対して、受信者を識別するための識別情報を確認する。また、送信許否確認手段は、電子メールを特定するための電子メール特定情報と、識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、送信者に向けて送信することにより、識別情報によって識別される受信者に向けて電子メールを送信することを許可するか否かを、送信者に対して確認する。そして、電子メール送信手段は、送信許否確認手段による確認の結果、
電子メールの送信を送信者が許可した場合に、電子メール記憶手段が記憶している電子メールを、識別情報によって識別される受信者に向けて送信する。従って、宛先を間違えて電子メールを送信した場合であっても、電子メールの送信者は、送信許否確認手段による確認の際にその間違いに気付くことができる。間違いに気付いた場合には電子メールの送信を許可しないことにより、間違った宛先の受信者に対して電子メールが送信されることを防止でき、その結果、電子メールが読まれる事態を回避することが可能となる。
【0027】
本発明の第10の態様に係るプログラムは、複数の端末装置を備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理するためのプログラムであって、前記電子メールの送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記電子メールの宛先である受信者を特定するための受信者特定情報とを、前記電子メール送信手段が前記電子メールを送信した後に、前記送信端末の表示画面上に自動表示する表示制御手段ととして機能させることを特徴とするものである。
【0028】
第10の態様に係るプログラムによれば、表示制御手段は、電子メール送信手段が電子メールを送信した後に、電子メール特定情報と受信者特定情報とを送信端末の表示画面上に自動表示する。従って、宛先を間違えて電子メールを送信した場合であっても、電子メールの送信者は、表示画面上に表示された電子メール特定情報及び受信者特定情報を確認することにより、その間違いに気付くことができる。しかも、電子メール特定情報及び受信者特定情報を表示画面上に自動表示させることにより、これらの情報を画面に表示させるためのユーザの操作負担を軽減することが可能となる。
【0029】
本発明の第11の態様に係る誤送信防止システムは、複数の端末装置間での電子メールの誤送信を防止するための誤送信防止システムであって、送信者が送信した前記電子メールを受信する電子メール受信手段と、前記電子メールを読むために必要な鍵情報を記憶する鍵情報記憶手段と、前記電子メール受信手段が受信した前記電子メールを、前記鍵情報とは別に、前記電子メールの宛先である受信者に向けて送信する電子メール送信手段と、前記受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認する識別情報確認手段と、前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認する送信許否確認手段と、前記送信許否確認手段による確認の結果、前記鍵情報の送信を前記送信者が許可した場合に、前記鍵情報記憶手段が記憶している前記鍵情報を、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信する鍵情報送信手段とを備えることを特徴とするものである。
【0030】
ここで、誤送信防止システムは、単体のコンピュータとして一つの筐体内に構成されていても良いし、複数のコンピュータとして複数の筐体に分かれて構成されていても良い。
【0031】
第11の態様に係る誤送信防止システムによれば、識別情報確認手段は、受信端末に対して、受信者を識別するための識別情報を確認する。また、送信許否確認手段は、電子メールを特定するための電子メール特定情報と、識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、送信者に向けて送信することにより、識別情報によって識別される受信者に向けて鍵情報を送信することを許可するか否かを、送信者に対して確認する。そして、鍵情報送信手段は、送信許否確認手段による確認の結果、鍵情報の送信を送信者が許可した場合に、鍵情報記憶手段が記憶している鍵情報を、識別情報によって識別される受信者に向けて送信する。従って、宛先を間違えて電子メールを送信した場合であっても、電子メールの送信者は、送信許否確認手段による確認の際に
その間違いに気付くことができる。間違いに気付いた場合には鍵情報の送信を許可しないことにより、間違った宛先の受信者に対して鍵情報が送信されることを防止でき、その結果、電子メールが読まれる事態を回避することが可能となる。
【0032】
本発明の第12の態様に係る電子メールの送信管理方法は、複数の端末装置を備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理する方法であって、(A)送信者が送信した前記電子メールを受信するステップと、(B)前記電子メールを読むために必要な鍵情報を記憶するステップと、(C)前記ステップ(A)で受信した前記電子メールを、前記鍵情報とは別に、前記電子メールの宛先である受信者に向けて送信するステップと、(D)前記受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認するステップと、(E)前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認するステップと、(F)前記ステップ(E)における確認の結果、前記鍵情報の送信を前記送信者が許可した場合に、前記ステップ(B)で記憶した前記鍵情報を、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信するステップとを備えることを特徴とするものである。
【0033】
第12の態様に係る電子メールの送信管理方法によれば、ステップ(D)では、受信端末に対して、受信者を識別するための識別情報を確認する。また、ステップ(E)では、電子メールを特定するための電子メール特定情報と、識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、送信者に向けて送信することにより、識別情報によって識別される受信者に向けて鍵情報を送信することを許可するか否かを、送信者に対して確認する。そして、ステップ(F)では、ステップ(E)での確認の結果、鍵情報の送信を送信者が許可した場合に、ステップ(B)で記憶した鍵情報を、識別情報によって識別される受信者に向けて送信する。従って、宛先を間違えて電子メールを送信した場合であっても、電子メールの送信者は、ステップ(E)における確認の際にその間違いに気付くことができる。間違いに気付いた場合には鍵情報の送信を許可しないことにより、間違った宛先の受信者に対して鍵情報が送信されることを防止でき、その結果、電子メールが読まれる事態を回避することが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、誤った宛先の受信者に対して送信者が電子メールを送信してしまった場合であっても、その受信者に電子メールが読まれることを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】管理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】管理装置の機能構成を示す図である。
【図4】送信端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】送信端末の機能構成を示す図である。
【図6】受信端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】送信者が送信端末を用いて電子メールを送信し、受信者が受信端末を用いて電子メールを受信する場合の処理シーケンスを示す図である。
【図8】送信者が送信端末を用いて電子メールを送信し、受信者が受信端末を用いて電子メールを受信する場合の処理シーケンスを示す図である。
【図9】暗号化選択画面の一例を示す図である。
【図10】アドレス入力画面の一例を示す図である。
【図11】送信許否確認画面の一例を示す図である。
【図12】変形例に係る管理装置の機能構成を示す図である。
【図13】送信者が送信端末を用いて電子メールを送信し、受信者が受信端末を用いて電子メールを受信する場合の処理シーケンスを示す図である。
【図14】送信者が送信端末を用いて電子メールを送信し、受信者が受信端末を用いて電子メールを受信する場合の処理シーケンスを示す図である。
【図15】送信許否確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0037】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システム1の全体構成を概略的に示すブロック図である。端末装置2A、管理装置3、メールサーバ4A、及びファイアウォール5Aは、施設構内等に敷設されたLAN6Aに接続されている。端末装置2B、メールサーバ4B、及びファイアウォール5Bは、他の施設構内等に敷設されたLAN6Bに接続されている。ファイアウォール5A,5Bは、IPネットワーク等の公衆の通信網7に接続されている。なお、メールサーバ4A,4Bは通信網7に接続されていてもよい。以下、端末装置2Aを使用するユーザ(以下「送信者」と称す)から端末装置2Bを使用するユーザ(以下「受信者」と称す)に向けて電子メールを送信する場合を例にとり説明する。つまり、端末装置2Aが電子メールの送信端末(以下「送信端末2A」と称す)であり、端末装置2Bがその電子メールの受信端末(以下「受信端末2B」と称す)である。
【0038】
図2は、管理装置3の構成を概略的に示すブロック図である。CPU10と、RAM等のメモリ11と、ハードディスク等の記憶部12と、通信インタフェース13とが、バス14を介して相互に接続されている。記憶部12には、管理装置用プログラム15が記憶されている。
【0039】
図3は、管理装置3の機能構成を示す図である。管理装置用プログラム15がメモリ11にロードされてCPU10によって実行されることにより、管理装置3は、電子メール受信部20、暗号化情報受信部21、暗号化部22、暗号化情報記憶部23、電子メール送信部24、識別情報確認部25、送信許否確認部26、及びパスワード送信部27として機能する。送信許否確認部26は、特定情報送信部28及び確認結果受信部29を有している。各機能の詳細については後述する。
【0040】
図4は、送信端末2Aの構成を概略的に示すブロック図である。CPU30Aと、RAM等のメモリ31Aと、ハードディスク等の記憶部32Aと、通信インタフェース33Aと、液晶表示装置等の表示部35Aと、マウスやキーボード等の入力部36Aとが、バス34Aを介して相互に接続されている。記憶部32Aには、電子メールソフト37Aとエージェントプログラム38Aとが記憶されている。
【0041】
図5は、送信端末2Aの機能構成を示す図である。エージェントプログラム38Aがメモリ31AにロードされてCPU30Aによって実行されることにより、送信端末2Aは、表示制御部40、暗号化情報送信部41、電子メール送信部42、特定情報受信部43、及び確認結果送信部44として機能する。各機能の詳細については後述する。
【0042】
図6は、受信端末2Bの構成を概略的に示すブロック図である。CPU30Bと、RAM等のメモリ31Bと、ハードディスク等の記憶部32Bと、通信インタフェース33Bと、液晶表示装置等の表示部35Bと、マウスやキーボード等の入力部36Bとが、バス34Bを介して相互に接続されている。記憶部32Bには、電子メールソフト37Bが記
憶されている。
【0043】
図7,8は、送信者が送信端末2Aを用いて電子メールを送信し、受信者が受信端末2Bを用いて電子メールを受信する場合の処理シーケンスを示す図である。まずステップS01において、送信者は、電子メールソフト37Aを用いて電子メールを作成した後に、送信ボタンを押下する。これにより、電子メールの送信要求がCPU30Aに入力される。
【0044】
次にステップS02において、CPU30Aは、記憶部32Aからメモリ31Aにエージェントプログラム38Aをロードすることにより、エージェントプログラム38Aを起動する。但し、CPU30Aに電子メールの送信要求が入力された時にエージェントプログラム38Aを起動させるのではなく、エージェントプログラム38Aをメモリ31Aに常駐させていてもよい。
【0045】
次にステップS03において、表示制御部40は、電子メールの暗号化の処理内容を送信者に選択させるための暗号化選択画面50を、表示部35Aに表示する。ここで、表示制御部40は、暗号化選択画面50をポップアップウインドウとして表示部35Aに自動表示する。つまり、暗号化選択画面50は、送信者がそれを表示させるためのキーボード操作やマウス操作等を行うことなく、表示部35Aに自動的に表示される。
【0046】
次にステップS04において、送信者は、表示部35Aに表示された暗号化選択画面50を用いて、電子メールの暗号化の処理内容を選択する。図9は、暗号化選択画面50の一例を示す図である。暗号化選択画面50の項目501(宛先確認メッセージ)には、対象の電子メールの件名、宛先、CC、及び添付ファイルに関する情報が表示されている。ここで、宛先の欄には、対象の電子メールの宛先を特定するための任意の情報が表示されていれば良い。例えば、宛先である受信者のメールアドレスが表示されていても良いし、当該受信者の名前が表示されていても良い。送信者は、項目501に表示されている情報を参照することによって、対象の電子メールを特定することができ、また、宛先や添付ファイル等に間違いがないかを確認することができる。
【0047】
また、暗号化選択画面50には、暗号化の処理内容に関する複数の項目(鍵設定確認メッセージ)が、チェックボックス502〜505とともに表示されている。送信者は任意のチェックボックス502〜505にチェックを入れることにより、暗号化の処理内容を選択することができる。具体的に、電子メールの本文を暗号化したい場合には、「本文を暗号化する」と表示された項目のチェックボックス502にチェックを入れる。また、添付ファイルを暗号化したい場合には、「添付ファイルを暗号化する」と表示された項目のチェックボックス503にチェックを入れる。チェックボックス502,503のいずれか又は双方にチェックを入れた場合において、暗号化のパスワードを自ら設定したい場合には、「パスワードを手動で設定する」と表示された項目のチェックボックス504にチェックを入れるとともに、「パスワード」と表示された項目506に所望のパスワードを入力する。一方、暗号化のパスワードを自動で設定したい場合には、「パスワードを自動で設定する」と表示された項目のチェックボックス505にチェックを入れる。
【0048】
暗号化の処理内容の選択が終了して送信者がOKボタン507を押下することにより、暗号化の処理内容が確定する。なお、送信者がキャンセルボタン508を押下すると、電子メールの送信処理が中止される。
【0049】
次にステップS05において暗号化情報送信部41は、確定した暗号化の処理内容に関する情報(以下「暗号化情報」と称す)を、管理装置3に向けて送信する。また、これとともに電子メール送信部42は、対象の電子メール(この時点では暗号化されていない)
を管理装置3に向けて送信する。
【0050】
次にステップS06において暗号化情報受信部21は、暗号化情報送信部41から送信された暗号化情報を受信する。また、電子メール受信部20は、電子メール送信部42から送信された電子メールを受信する。
【0051】
次にステップS07において、暗号化情報が対象の電子メールに関連付けられて暗号化情報記憶部23に登録される。例えば、送信者によって設定されたパスワードと、予め設定されている送信端末2Aのエージェントプログラム38AのID(又は送信端末2Aの端末ID、又は送信者のメールアドレス)と、対象の電子メールの件名、宛先、CC、添付ファイル、及び送信日時に関する情報とが、互いに関連付けられて暗号化情報記憶部23に登録される。ここで、暗号化情報にパスワードが含まれていない場合(つまりチェックボックス505にチェックが入れられた場合)は、管理装置3が自らパスワードを設定して、そのパスワードを暗号化情報記憶部23に登録する。なお、電子メールを暗号化する必要がない場合(つまりチェックボックス502,503にチェックが入れられなかった場合)は、暗号化情報記憶部23への暗号化情報の登録は省略される。
【0052】
次にステップS08において暗号化部22は、送信者によって設定されたパスワード又は管理装置3が自ら設定したパスワードを、暗号化のための鍵として用いて、電子メールを暗号化することにより、暗号化された電子メール(以下「暗号化メール」と称す)を作成する。つまり、パスワードは、電子メールを暗号化するための、及び暗号化された電子メールを復号するための鍵情報である。暗号化のアルゴリズムとしては、任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、パスワードは、ロックが掛けられた電子メールを開封するための鍵情報として使用することもできる。
【0053】
次にステップS09において電子メール送信部24は、パスワードを送信することなく、暗号化メールを受信端末2B(厳密には受信者のメールアドレス)に向けて送信する。その際、電子メール送信部24は、パスワードの照会先として所定のURLを暗号化メールに含めて送信する。このURLは、例えば、管理装置3のアドレスと、送信端末2Aのエージェントプログラム38AのID(又は送信端末2Aの端末ID、又は送信者のメールアドレス)と、受信者のメールアドレス(又は受信端末2BのエージェントプログラムのID、又は受信端末2Bの端末ID)と、電子メールの送信日時との組合せによって構成されている。URLに受信者のメールアドレス(又は受信端末2BのエージェントプログラムのID、又は受信端末2Bの端末ID)が含まれるため、電子メールの宛先が複数の場合であっても、受信者ごと(又はエージェントプログラムごと、又は受信端末ごと)に異なるURLが設定されることとなる。なお、このURLに関する情報は暗号化されずに送信される。
【0054】
次にステップS10において受信端末2Bは、管理装置3から送信された暗号化メールを受信する。次にステップS11において受信端末2Bは、受信者の操作によって、暗号化メールに含まれている指定のURL(管理装置3)にアクセスする。管理装置3が受信端末2Bからアクセスを受けると、次にステップS12において識別情報確認部25は、受信者を識別(認証)するための識別情報をその受信端末2Bから取得すべく、アドレス入力画面51の画像情報を受信端末2Bに向けて送信する。
【0055】
次にステップS13において受信端末2Bは、識別情報確認部25から送信されたアドレス入力画面51の画像情報を受信する。そして、その画像情報に基づいてアドレス入力画面51を作成し、表示部35Bに表示する。図10は、アドレス入力画面51の一例を示す図である。アドレス入力画面51には、メールアドレスを入力するための項目511が表示されている。
【0056】
次にステップS14において受信者は、暗号化メールを復号するパスワード(つまり暗号化情報記憶部23に記憶されているパスワード)を受信するためのメールアドレスを、項目511に入力する。通常は、暗号化メールを受信したメールアドレスと同一のメールアドレスが、項目511に入力されると考えられる。メールアドレスの入力が終了して受信者が送信ボタン512を押下することにより、そのメールアドレスが受信端末2Bから管理装置3に向けて送信される。なお、受信者がキャンセルボタン513を押下した場合には、パスワードの取得処理が中止される。
【0057】
次にステップS15において識別情報確認部25は、受信端末2Bから送信されたメールアドレスを受信する。これにより識別情報確認部25は、自身のURLにアクセスしてきた受信者を識別するための識別情報(この例の場合は受信端末2Bを使用する受信者のメールアドレス)を取得することができる。
【0058】
次にステップS16において送信許否確認部26の特定情報送信部28は、対象の電子メールを特定するための情報(以下「電子メール特定情報」と称す)と、アクセスしてきた受信者を特定するための情報(以下「受信者特定情報」と称す)とを、送信端末2Aに向けて送信する。電子メール特定情報としては、暗号化情報記憶部23に記憶されている、対象の電子メールの件名、宛先、CC、添付ファイル、及び送信日時に関する情報等を用いることができる。また、受信者特定情報としては、ステップS15で受信した受信者のメールアドレス等を用いることができる。
【0059】
次にステップS17において特定情報受信部43は、特定情報送信部28から送信された電子メール特定情報及び受信者特定情報を受信する。
【0060】
次にステップS18において表示制御部40は、管理装置3にアクセスしてきた受信者に対してパスワードを送信してよいか否かを送信者に確認させるための送信許否確認画面52(送信許否確認メッセージ)を、表示部35Aに表示する。ここで、表示制御部40は、送信許否確認画面52をポップアップウインドウとして表示部35Aに自動表示する。つまり、送信許否確認画面52は、送信者がそれを表示させるためのキーボード操作やマウス操作等を行うことなく、表示部35Aに自動的に表示される。
【0061】
次にステップS19において送信者は、表示部35Aに表示された送信許否確認画面52を用いて、パスワードの送信を許可するか否かを選択する。図11は、送信許否確認画面52の一例を示す図である。送信許否確認画面52の項目521には、対象の電子メールの件名、宛先、CC、添付ファイル、送信日時、及びパスワードに関する情報が表示されている。また、送信許否確認画面52の項目522には、パスワードを送信しようとしている受信者のメールアドレスが表示されている。項目521,522に表示されているこれらの情報は、ステップS17で受信した電子メール特定情報及び受信者特定情報に基づいて作成することができる。また、項目522には、メールアドレスに対応する受信者の属性情報が表示されている。図11に示した例では、属性情報として、そのメールアドレスに基づいてアドレス帳等から割り出した受信者の名前が表示されている。
【0062】
次にステップS20において送信者は、項目521に表示されている情報を参照することによって、対象の電子メールを特定し、また、項目522に表示されている情報を参照することによって、パスワードを送信しようとしている送信先に誤りがないかを確認する。そして、その送信先へのパスワードの送信を許可する場合には、「パスワードを送信する」と表示された項目のチェックボックス523にチェックを入れた後、OKボタン524を押下する。一方、電子メールの宛先の間違いに気付かずにその電子メールを誤送信してしまい、送信許否確認画面52の確認によってその誤送信に気付いた場合等のように、
送信先へのパスワードの送信を許可しない場合には、チェックボックス523にチェックを入れずにキャンセルボタン525を押下する。
【0063】
送信者によってOKボタン524が押下された場合には、次にステップS21において確認結果送信部44は、送信者による送信許否の確認結果(送信OK)を、管理装置3に向けて送信する。次にステップS22において送信許否確認部26の確認結果受信部29は、確認結果送信部44から送信された確認結果を受信する。なお、送信者によってキャンセルボタン525が押下された場合には、確認結果送信部44は管理装置3に向けて確認結果を送信しない。
【0064】
次にステップS23においてパスワード送信部27は、暗号化情報記憶部23に記憶されているパスワードを、受信端末2B(図10の項目511に入力されたメールアドレス)に向けて送信する。次にステップS24において受信端末2Bは、パスワード送信部27から送信されたパスワードを受信する。そして、ステップS10で受信した暗号化メールを、その受信したパスワードを用いて復号することにより、受信者は、暗号化される前の元の電子メールを読むことが可能となる。
【0065】
このように本実施の形態によれば、識別情報確認部25は、受信端末2Bに対して、受信者を識別するための識別情報(上記の例ではメールアドレス)を確認する。また、送信許否確認部26は、対象の電子メールを特定するための電子メール特定情報と、識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報(上記の例ではメールアドレス)とを、送信端末2Aに向けて送信することにより、識別情報によって識別される受信者に向けてパスワードを送信することを許可するか否かを、送信者に対して確認する。そして、パスワード送信部27は、送信許否確認部26による確認の結果、パスワードの送信を送信者が許可した場合に、暗号化情報記憶部23が記憶しているパスワードを、識別情報によって識別される受信者に向けて送信する。従って、送信者が宛先を間違えて電子メールを送信した場合であっても、電子メールの送信者は、送信許否確認部26による確認の際にその間違いに気付くことができる。間違いに気付いた場合にはパスワードの送信を許可しないことにより、間違った宛先の受信者に対してパスワードが送信されることを防止でき、その結果、電子メールが読まれる事態を回避することが可能となる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、識別情報確認部25は、受信者に対して、当該受信者のメールアドレスを受信端末2Bに入力させる。従って、受信者にメールアドレスを入力させるという比較的簡便な処理によって、受信者の識別情報を確認することができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、送信許否確認画面52(図11参照)には、識別情報によって識別される受信者の電子メールアドレス(項目522の「メールアドレス」)が含まれる。従って、電子メールの送信者は、送信許否確認画面52に含まれているこの電子メールアドレスを確認することにより、電子メールの宛先を間違えたか否かを容易に判断することが可能となる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、送信許否確認画面52には、識別情報によって識別される受信者の属性情報(項目522の「名前」)が含まれる。従って、電子メールの送信者は、送信許否確認画面52に含まれているこの属性情報を確認することにより、電子メールの宛先を間違えたか否かを容易に判断することが可能となる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、送信許否確認画面52には、電子メールの件名、宛先、添付ファイル、及び、送信日時に関する情報のうちの少なくとも一つが含まれる(項目521)。従って、電子メールの送信者は、送信許否確認画面52に含まれているこれらの情報を参照することにより、対象の電子メールを容易に特定することが可能となる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、表示制御部40は、送信許否確認画面52を表示部35Aの表示画面上に自動表示する。送信許否確認画面52が電子メールとして送信されてくる場合には、他の膨大な数の電子メールに埋もれてその電子メールを見逃してしまう可能性が高い。一方、送信許否確認画面52を表示画面上に自動表示させることにより、送信許否確認画面52を表示させるためのユーザの操作負担を軽減できるとともに、電子メールの送信者が送信許否確認画面52を見逃す可能性を低減することが可能となる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、表示制御部40は、電子メール送信部42が管理装置3に向けて電子メールを送信する前に、当該電子メールを暗号化するか否かを送信者に確認させるための暗号化選択画面50を、表示部35Aの表示画面上に自動表示する。暗号化選択画面50を表示画面上に自動表示させることにより、暗号化選択画面50を表示させるためのユーザの操作負担を軽減することが可能となる。
【0072】
また、本実施の形態によれば、表示制御部40は、電子メール送信部42が管理装置3に向けて電子メールを送信する前に、当該電子メールの宛先を送信者に確認させるための暗号化選択画面50(項目501)を、表示部35Aの表示画面上に自動表示する。これにより、電子メールの送信者は、その電子メールの宛先に間違いがないかを確認することができる。しかも、暗号化選択画面50を表示画面上に自動表示させることにより、暗号化選択画面50を表示させるためのユーザの操作負担を軽減することが可能となる。
<変形例>
【0073】
図12は、変形例に係る管理装置3の機能構成を示す図である。図3に示した機能構成に対して、電子メール記憶部60及び電子メール着信通知部61が追加されている。
【0074】
図13,14は、送信者が送信端末2Aを用いて電子メールを送信し、受信者が受信端末2Bを用いて電子メールを受信する場合の処理シーケンスを示す図である。ステップS31〜S37の処理は、図7に示したステップS01〜S07の処理と同様である。
【0075】
ステップS37に続いて、ステップS38において暗号化部22は、パスワードを暗号化のための鍵として用いて電子メールを暗号化することにより、暗号化メールを作成する。作成された暗号化メールは、電子メール記憶部60に記憶される。
【0076】
次にステップS39において電子メール着信通知部61は、パスワード及び暗号化メールを送信することなく、送信端末2A(厳密には送信者)からの電子メールの着信を通知するための着信通知メールを、受信端末2B(厳密には宛先のメールアドレス)に向けて送信する。その際、電子メール着信通知部61は、パスワードの照会先として所定のURLを着信通知メールに含めて送信する。
【0077】
次にステップS40において受信端末2Bは、管理装置3から送信された着信通知メールを受信する。ステップS41〜S52の処理は、図8に示したステップS11〜S22の処理と同様である。但し、送信許否確認画面52では、パスワードの送信の許否のほか、電子メールの送信の許否も確認される。図15は、送信許否確認画面52の一例を示す図である。項目522には、パスワード及び電子メールを送信しようとしている受信者のメールアドレス及び名前が表示されている。
【0078】
ステップS52に続いて、ステップS53においてパスワード送信部27は、暗号化情報記憶部23に記憶されているパスワードを、受信端末2B(ステップS45で受信したメールアドレス)に向けて送信する。また、電子メール送信部24は、電子メール記憶部60に記憶されている暗号化メールを、受信端末2B(ステップS45で受信したメール
アドレス)に向けて送信する。なお、安全性を確保すべく、パスワードと暗号化メールとは別便の電子メールとして送信することが望ましい。
【0079】
次にステップS54において受信端末2Bは、パスワード送信部27から送信されたパスワードを受信する。また、電子メール送信部24から送信された暗号化メールを受信する。そして、受信した暗号化メールを、受信したパスワードを用いて復号することにより、受信者は、暗号化される前の元の電子メールを読むことが可能となる。
【0080】
なお、本変形例においては、必ずしも電子メールを暗号化する必要はない。電子メールを暗号化しない場合には、管理装置3から受信端末2Bへのパスワードの送信も不要である。
【0081】
本変形例によれば、送信許否確認部26は、識別情報によって識別される受信者に向けて電子メールを送信することを許可するか否かを、送信者に対して確認する。そして、電子メール送信手段は、送信許否確認手段による確認の結果、電子メールの送信を送信者が許可した場合に、電子メール記憶手段が記憶している電子メールを、識別情報によって識別される受信者に向けて送信する。従って、宛先を間違えて電子メールを送信した場合であっても、電子メールの送信者は、送信許否確認手段による確認の際にその間違いに気付くことができる。間違いに気付いた場合には電子メールの送信を許可しないことにより、間違った宛先の受信者に対して電子メールが送信されることを防止でき、その結果、電子メールが読まれる事態を回避することが可能となる。
【0082】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
1 通信システム
2A 端末装置(送信端末)
2B 端末装置(受信端末)
3 管理装置
15 管理装置用プログラム
20 電子メール受信部
21 暗号化情報受信部
22 暗号化部
23 暗号化情報記憶部
24 電子メール送信部
25 識別情報確認部
26 送信許否確認部
27 パスワード送信部
28 特定情報送信部
29 確認結果受信部
35A 表示部
38A エージェントプログラム
40 表示制御部
41 暗号化情報送信部
42 電子メール送信部
43 特定情報受信部
44 確認結果送信部
50 暗号化選択画面
51 アドレス入力画面
52 送信許否確認画面
60 電子メール記憶部
61 電子メール着信通知部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と複数の端末装置とを備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理するためのプログラムであって、
前記管理装置としてのコンピュータを、
送信者が送信した前記電子メールを受信する電子メール受信手段と、
前記電子メールを読むために必要な鍵情報を記憶する鍵情報記憶手段と、
前記電子メール受信手段が受信した前記電子メールを、前記鍵情報とは別に、前記電子メールの宛先である受信者に向けて送信する電子メール送信手段と、
前記受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認する識別情報確認手段と、
前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認する送信許否確認手段と、
前記送信許否確認手段による確認の結果、前記鍵情報の送信を前記送信者が許可した場合に、前記鍵情報記憶手段が記憶している前記鍵情報を、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信する鍵情報送信手段と
として機能させる第1のコンピュータプログラム
を備えるプログラム。
【請求項2】
前記識別情報は電子メールアドレスを含み、
前記識別情報確認手段は、前記受信者に対して、当該受信者の電子メールアドレスを前記受信端末に入力させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、
前記送信許否確認手段から前記特定情報を受信する特定情報受信手段と、
前記特定情報受信手段が受信した前記特定情報に基づいて、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを確認させるための送信許否確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に表示する表示制御手段と
として機能させる第2のコンピュータプログラム
をさらに備え、
前記送信許否確認メッセージには、前記受信者特定情報に基づいて生成された、前記識別情報によって識別される前記受信者の電子メールアドレスが含まれる、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、
前記送信許否確認手段から前記特定情報を受信する特定情報受信手段と、
前記特定情報受信手段が受信した前記特定情報に基づいて、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを確認させるための送信許否確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に表示する表示制御手段と
として機能させる第2のコンピュータプログラム
をさらに備え、
前記送信許否確認メッセージには、前記受信者特定情報に基づいて生成された、前記識別情報によって識別される前記受信者の電子メールアドレスに対応する当該受信者の属性情報が含まれる、請求項1〜3のいずれか一つに記載のプログラム。
【請求項5】
前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、
前記送信許否確認手段から前記特定情報を受信する特定情報受信手段と、
前記特定情報受信手段が受信した前記特定情報に基づいて、前記識別情報によって識別
される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを確認させるための送信許否確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に表示する表示制御手段と
として機能させる第2のコンピュータプログラム
をさらに備え、
前記送信許否確認メッセージには、前記電子メール特定情報に基づいて生成された、
前記電子メールの件名に関する情報、
前記電子メールの宛先に関する情報、
前記電子メールの添付ファイルに関する情報、及び
前記電子メールの送信日時に関する情報、
のうちの少なくとも一つが含まれる、請求項1〜4のいずれか一つに記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記送信許否確認メッセージを前記表示画面上に自動表示する、請求項3〜5のいずれか一つに記載のプログラム。
【請求項7】
前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、
前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、
前記送信端末の前記電子メール送信手段が前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する前に、当該電子メールに前記鍵情報を設定するか否かを確認させるための鍵設定確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に自動表示する表示制御手段と
として機能させる第2のコンピュータプログラム
をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一つに記載のプログラム。
【請求項8】
前記送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、
前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、
前記送信端末の前記電子メール送信手段が前記管理装置の前記電子メール受信手段に向けて前記電子メールを送信する前に、当該電子メールの宛先を確認させるための宛先確認メッセージを、前記送信端末の表示画面上に自動表示する表示制御手段と
として機能させる第2のコンピュータプログラム
をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一つに記載のプログラム。
【請求項9】
管理装置と複数の端末装置とを備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理するためのプログラムであって、
前記管理装置としてのコンピュータを、
送信者が送信した前記電子メールを受信する電子メール受信手段と、
前記電子メール受信手段が受信した前記電子メールを記憶する電子メール記憶手段と、
前記電子メールの宛先である受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認する識別情報確認手段と、
前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記電子メールを送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認する送信許否確認手段と、
前記送信許否確認手段による確認の結果、前記電子メールの送信を前記送信者が許可した場合に、前記電子メール記憶手段が記憶している前記電子メールを、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信する電子メール送信手段と
として機能させるプログラム。
【請求項10】
複数の端末装置を備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理するためのプロ
グラムであって、
前記電子メールの送信者が使用する端末装置である送信端末としてのコンピュータを、
前記電子メールを送信する電子メール送信手段と、
前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記電子メールの宛先である受信者を特定するための受信者特定情報とを、前記電子メール送信手段が前記電子メールを送信した後に、前記送信端末の表示画面上に自動表示する表示制御手段と
として機能させるプログラム。
【請求項11】
複数の端末装置間での電子メールの誤送信を防止するための誤送信防止システムであって、
送信者が送信した前記電子メールを受信する電子メール受信手段と、
前記電子メールを読むために必要な鍵情報を記憶する鍵情報記憶手段と、
前記電子メール受信手段が受信した前記電子メールを、前記鍵情報とは別に、前記電子メールの宛先である受信者に向けて送信する電子メール送信手段と、
前記受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認する識別情報確認手段と、
前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認する送信許否確認手段と、
前記送信許否確認手段による確認の結果、前記鍵情報の送信を前記送信者が許可した場合に、前記鍵情報記憶手段が記憶している前記鍵情報を、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信する鍵情報送信手段と
を備える誤送信防止システム。
【請求項12】
複数の端末装置を備える通信システムにおいて電子メールの送信を管理する方法であって、
(A)送信者が送信した前記電子メールを受信するステップと、
(B)前記電子メールを読むために必要な鍵情報を記憶するステップと、
(C)前記ステップ(A)で受信した前記電子メールを、前記鍵情報とは別に、前記電子メールの宛先である受信者に向けて送信するステップと、
(D)前記受信者が使用する端末装置である受信端末に対して、当該受信者を識別するための識別情報を確認するステップと、
(E)前記電子メールを特定するための電子メール特定情報と、前記識別情報によって識別される受信者を特定するための受信者特定情報とを含む特定情報を、前記送信者に向けて送信することにより、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて前記鍵情報を送信することを許可するか否かを、前記送信者に対して確認するステップと、
(F)前記ステップ(E)における確認の結果、前記鍵情報の送信を前記送信者が許可した場合に、前記ステップ(B)で記憶した前記鍵情報を、前記識別情報によって識別される前記受信者に向けて送信するステップと
を備える、電子メールの送信管理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−212828(P2010−212828A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54477(P2009−54477)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(504126112)住友電工システムソリューション株式会社 (78)
【Fターム(参考)】