説明

プログラム

【課題】確実かつ即時にユーザに認識されるように情報を提供する。
【解決手段】携帯端末1のアプリ11は、アプリ11が携帯端末1のユーザによって起動指示されていない状態の所定のタイミングで、サーバから送信されてくるメッセージを受信し、受信したメッセージに基づいて、所定の内容を通知するダイアログを表示させる処理を実行する。本発明は、例えば、携帯端末上で実行されるアプリケーションプログラムに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムに関し、特に、確実かつ即時にユーザに認識されるように情報を提供するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンと呼ばれる、携帯電話と携帯情報端末を融合させた高機能の携帯端末が注目されている。スマートフォンでは、アプリケーションプログラム(Application Program)(以下、単にアプリと称する。)を、マーケット等から簡単にインストールして、端末上で実行することができる。アプリには、ゲーム、音楽や映像の視聴に関するもの、辞書、地図、勉強などに関するものなど、様々な種類のものがあり、所望のアプリを利用することがスマートフォンを利用する目的の一つにもなっている。
【0003】
従来、アプリ製作者から、例えば、アプリをインストールしたユーザへ、アプリのバージョンアップ情報などを連絡する方法は、ユーザがアプリ製作者側に登録している電子メールアドレスを用いて、電子メールにより通知するものが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来の電子メールを配信する技術としては、例えば、所定の対象物の利用者の電子メールアドレス等の利用履歴を蓄積し、その対象物に関係する送信相手の電子メールアドレスが不明であっても、蓄積された利用履歴に基づいて、所定条件に合致する利用者を検索し、送信相手の電子メールアドレスを取得して、電子メールを送信する方法がある(例えば、特許文献2参照)。また、電子メールは、一般的には、クライアントであるユーザ端末からのリクエストに応じて、サーバが保持しておいたユーザ宛ての電子メールを送信するものであるが、クライアントの電力消費を抑えつつ、通知のリアルタイム性を向上させた通知方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−342098号公報(特に、0002段落)
【特許文献2】特開2011−108094号公報
【特許文献3】特開2010−141851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子メールによる情報の提供は、ユーザが端末上で電子メールアプリ(メーラ)を起動し、受信したメッセージを開く(閲覧する)まで、提供された情報がユーザに伝わらない。従って、例えば、図1に示すように、友達からのメールではないメッセージは開かれず、送信したメッセージが読まれないということもあった。また、受信したメッセージをユーザが開くまで時間が空いてしまい、有効な期限が過ぎてしまうなど、提供されるメッセージが無意味になってしまうこともあった。即ち、従来の電子メールによる情報の提供は、提供される情報の確実性、即時性に欠けるものであった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、確実かつ即時にユーザに認識されるように情報を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面のプログラムは、携帯端末のコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、前記プログラムが前記携帯端末のユーザによって起動指示されていない状態の所定のタイミングで、所定のサーバから送信されてくるメッセージを受信し、受信した前記メッセージに基づいて、所定の内容を通知するダイアログを表示させる処理を実行させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、確実かつ即時にユーザに認識されるように情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来の問題を説明する図である。
【図2】本発明を適用した通信システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
【図3】プッシュ通知を行う場合の処理全体の流れを示す図である。
【図4】アプリ情報テーブルの例を示す図である。
【図5】行動履歴管理テーブルの例を示す図である。
【図6】プッシュ通知として選択可能な3つのアクションそれぞれの表示例を示す図である。
【図7】プッシュ通知の詳細なフローチャートである。
【図8】アプリの機能的構成例を示すブロック図である。
【図9】携帯端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明を適用した通信システムの構成例]
図2は、本発明を適用した通信システムの一実施の形態の構成例を示している。
【0012】
図2の通信システムは、所定のアプリケーションプログラム(Application Program;以下、単に、アプリという。)をインストールしたユーザの携帯端末1に、そのインストールされたアプリが起動されていない状態でもメッセージ送信を可能としたシステムである。
【0013】
図2の通信システムは、携帯端末1、PC(パーソナルコンピュータ)2、アプリ提供サーバ3、管理サーバ4、及びメッセージ(MSG)サービスサーバ5を有し、それらは、移動体電話通信網やインターネットなどで構成されるネットワーク6に必要に応じて接続され、相互に所定の情報が授受される。
【0014】
携帯端末1は、一般にスマートフォンと呼ばれる、携帯電話と携帯情報端末を融合させた高機能の端末(携帯電話機)であり、所有者であるユーザによって使用される。携帯端末1には、1以上のアプリ10やアプリ11がアプリ提供サーバ3からダウンロードされ、インストールされる。
【0015】
ここで、アプリ10およびアプリ11は、いずれも、携帯端末1上で実行されるアプリケーションプログラムであるが、アプリ10は、ユーザの起動操作によって起動されていない状態におけるメッセージの送受信に非対応のアプリであるのに対して、アプリ11は、ユーザの起動操作によって起動されていない状態でもメッセージの送受信が可能なアプリである。アプリ10は、通常のアプリと同様のものであるため、以下では、アプリ11に注目して説明する。
【0016】
PC2は、アプリ11のアプリ製作者によって使用されるコンピュータである。アプリ11のアプリ製作者によって製作(生成)されたアプリ11は、PC2から、ネットワーク6を介してアプリ提供サーバ3に送信され、アプリ提供サーバ3で保持される。
【0017】
また、アプリ11のアプリ製作者は、PC2から管理サーバ4にアクセスして、アプリ11をインストールしたユーザへのメッセージの送信を、管理サーバ4に依頼することができる。アプリ11をインストールしたユーザへのメッセージの内容としては、例えば、アプリ11のバージョンアップ情報などがある。
【0018】
アプリ提供サーバ3は、ユーザが携帯端末1からマーケットにアクセスし、アプリ11をインストール指示したときにアクセスされるサーバであり、アプリ11のプログラムデータを保持している。ユーザが、携帯端末1でアクセスしたマーケットにおいて、アプリ11のインストールを指示すると、指示されたアプリ11のプログラムデータが、アプリ提供サーバ3から、ユーザの携帯端末1にインストールされる。
【0019】
管理サーバ4は、携帯端末1にインストールされたアプリ11を管理する。即ち、携帯端末1にアプリ11がインストールされた場合に、管理サーバ4は、インストールされたアプリ11のアプリ情報を、携帯端末1から取得して記憶する。具体的には、管理サーバ4は、アプリ11を識別するアプリID、アプリ11のバージョンを示すバージョン情報、アプリ11がインストールされた日付を示す日付情報などを、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて、アプリ情報として記憶する。
【0020】
また、管理サーバ4は、携帯端末1にインストールされたアプリ11の使用状況も解析することができる。アプリ11の使用状況とは、例えば、インストールされたアプリ11が起動されたか否か、起動されたアプリ11においてどのような画面が閲覧されたか、などである。このようなアプリ11の使用状況は、アプリ11に対するユーザの行動履歴であるということができる。管理サーバ4は、ユーザのアプリ11に対する行動履歴(アプリ11の使用状況)を解析し、行動履歴データとして内部に記憶する。このような解析の機能は、アプリ11のアクセス解析の機能であるともいうことができる。
【0021】
管理サーバ4が内部に記憶するアプリ11のアプリ情報およびユーザの行動履歴データは、アプリ11のアプリ製作者からアプリ11のユーザ(使用者)へのメッセージの送信に使用される。即ち、管理サーバ4は、アプリ製作者(のPC2)からのメッセージ送信の要求を受け付け、内部に保持するユーザの行動履歴データおよびアプリ情報に基づいて、アプリ製作者により指定された条件に合致するユーザを検索し、検索の結果得られた通知対象ユーザへのメッセージの送信を、メッセージサービスサーバ5に依頼する。
【0022】
メッセージサービスサーバ5は、アプリ11をインストールしたユーザの携帯端末1に対して、プッシュ型のメッセージ送信を行う。ここで、プッシュ型のメッセージ送信とは、クライアントである携帯端末1から特段のリクエストを必要とせず、所定のタイミングで自発的にメッセージを送信することであり、以下では、プッシュ通知ともいう。
【0023】
具体的には、メッセージサービスサーバ5は、携帯端末1に固有の端末IDと、アプリ11ごとに発行される登録IDとを携帯端末1ごとに保有し、どの携帯端末1に何のアプリ11がインストールされているかを把握している。メッセージサービスサーバ5は、管理サーバ4から、メッセージの送信要求を受信する。メッセージの送信要求には、登録IDと、送信すべきメッセージの内容とが含まれる。メッセージサービスサーバ5は、登録IDに基づいて、送信すべき携帯端末1を特定し、特定した携帯端末1の、登録IDに対応するアプリ11に、管理サーバ4から依頼されたメッセージの内容を送信する。
【0024】
なお、本実施の形態において、アプリ提供サーバ3、管理サーバ4、及びメッセージサービスサーバ5それぞれが実現する機能を1つまたは2つのサーバに集約し、1つまたは2つのサーバで実現してもよい。
【0025】
[プッシュ通知の処理全体の概要]
図3は、所定のアプリ11をインストールしたユーザの携帯端末1にプッシュ通知を行う場合の処理全体の流れを示す図である。
【0026】
プッシュ通知を行う場合の処理フローは、大きくは4つのステップにより実行される。以下の第1ないし第4のステップは、図3の(1)ないし(4)の表示に対応する。
【0027】
第1のステップは、メッセージサービスサーバ5および管理サーバ4が、プッシュ通知のための情報を取得するステップである。
【0028】
アプリ11が携帯端末1にインストールされると、アプリ11は、メッセージサービスサーバ5と通信を行う。メッセージサービスサーバ5は、アプリ11が携帯端末1にインストールされたタイミングでアプリ11と通信を行い、携帯端末1にアプリ11がインストールされたことを認識するとともに、携帯端末1にインストールされたアプリ11を一意に識別可能な登録IDを発行し、携帯端末1に送信する。
【0029】
携帯端末1のアプリ11は、登録IDをメッセージサービスサーバ5から取得した後で、管理サーバ4と通信を行い、自身(アプリ11)のアプリ情報を送信する。管理サーバ4は、携帯端末1のアプリ11から取得したアプリ情報をアプリ情報テーブルに記憶する。
【0030】
[アプリ情報テーブルの例]
図4は、管理サーバ4内のアプリ情報テーブルの例を示している。
【0031】
アプリ情報テーブルでは、ユーザを識別するユーザID、携帯端末1のアプリ11に対してメッセージサービスサーバ5により付与された登録ID、アプリ11を示すアプリID、アプリ11のバージョン情報、及び、アプリ11が携帯端末1にインストールされた日付を示す日付情報が、対応付けて記憶されている。なお、ユーザを識別するユーザIDには、携帯端末1に固有の端末IDや、管理サーバ4の運営業者や通信サービス事業者が割り当てた携帯端末1に固有の識別情報を採用することができる。
【0032】
アプリ情報テーブルにおいて、ユーザID、バージョン情報、および日付情報は、インストールされた日付やバージョン等によってプッシュ通知の対象ユーザを絞るためのものであり、全ユーザを通知対象とする場合には、登録IDとアプリIDのみがあればよい。即ち、ユーザID、バージョン情報、および日付情報は、省略することができる。
【0033】
以上の第1のステップは、アプリ11が携帯端末1にインストールされると、アプリ11がユーザによって起動されない場合であっても、バックグラウンドで実行される。
【0034】
第2のステップは、管理サーバ4が、アプリ11に対するユーザの行動履歴を取得するステップである。
【0035】
管理サーバ4は、ユーザがアプリ11を起動実行中で、かつ、所定のアクションを行ったとき、そのユーザが行ったアクションを示すアクションIDを、ユーザID、アプリIDとともに携帯端末1のアプリ11から取得する。ここでアプリ11から送信されるアクションID、ユーザID、及びアプリIDが、上述した行動履歴データに相当する。携帯端末1のアプリ11から送信されてきた行動履歴データは、管理サーバ4内の行動履歴管理テーブルに格納される。
【0036】
ユーザがアプリ11に対してどのようなアクションを行ったときに、換言すれば、アプリ11でどのようなアクションが発生したときに、行動履歴データを管理サーバ4に送信するかは、アプリ11内で予めプログラミングされている。
【0037】
[行動履歴管理テーブルの例]
図5は、管理サーバ4内の行動履歴管理テーブルの例を示している。
【0038】
行動履歴管理テーブルでは、通知されたアクションごとに、ユーザID、アプリID、アクションID、およびアクション発生日時が、対応付けて記憶されている。なお、アクションIDのみで、どのアプリ11のアクションであるかが識別可能である場合には、アプリIDは省略することができる。
【0039】
第3のステップは、管理サーバ4が、アプリ製作者のPC2から、プッシュ通知の依頼を受け付けるステップである。
【0040】
プッシュ通知のアクション(表示形態)としては、(a)ダイアログ表示、(b)ステータスバー表示、(c)アプリ11の自動起動(強制起動)の3つのうちのいずれかを指定することができる。
【0041】
[プッシュ通知の表示例]
図6は、プッシュ通知として指定可能な3つのアクションそれぞれの表示例を示している。図6では、アプリ11のアプリ名が「ABアプリ」である。
【0042】
図6Aは、プッシュ通知のアクションとして(a)ダイアログ表示が指定された場合の表示例を示している。
【0043】
図6Aに示されるダイアログ21には、タイトルとして「ABアプリからのお知らせ」が表示されている。そして、携帯端末1においてアプリ11がインストールされてはいるが、ユーザにより未だ1度も起動されていないユーザに対するメッセージとして、「ABアプリを使うと商品を50%〜90%割引で購入することができます! ぜひ使ってみませんか?」の内容が表示されている。このダイアログ21は、アプリ11が(1回も)起動されていない状態でも、携帯端末1にインストールがされてさえいれば、表示することができる。このダイアログ21は、アプリ11の一画面を所定の画面サイズに小さくリサイズして作成される。
【0044】
図6Bは、プッシュ通知のアクションとして(b)ステータスバー表示が指定された場合の表示例を示している。
【0045】
携帯端末1のディスプレイには、携帯端末1の状態(例えば、電波の受信状態や充電状態)を表示したり、不在着信やメール着信をユーザに知らせるステータスバー22aが常時表示されている。管理サーバ4は、このステータスバー22aに、指定されたメッセージを表示させることができる。
【0046】
また、ステータスバー22aに対して、ユーザによる画面下方向のドラッグまたはフリック操作が検出されると、携帯端末1は、ステータスバー22aの詳細画面22bを表示することができる。図6Bは、ステータスバー22aの詳細画面22bに、「ABアプリ」からのメッセージであることを示す「ABアプリ」のタイトルと、最新バージョンがリリースされたことをお知らせする「最新バージョンが公開されています。」の内容を表示した例を示している。
【0047】
図6Cは、プッシュ通知のアクションとして(c)アプリ11の自動起動が指定された場合の表示例を示している。
【0048】
図6Cの携帯端末1のディスプレイには、「ABアプリ」の起動画面23が表示されている。
【0049】
図3の第4のステップは、上述した第3のステップによる、アプリ製作者からのプッシュ通知の依頼内容に基づいて、管理サーバ4が、プッシュ通知を実行するステップである。
【0050】
具体的には、管理サーバ4は、プッシュ通知の依頼内容に基づいて、図4のアプリ情報テーブルと、必要に応じて図5の行動履歴管理テーブルも検索し、該当するユーザを検索する。
【0051】
そして、管理サーバ4は、プッシュ通知の対象者であるユーザの登録IDと、プッシュ通知のメッセージ内容を、メッセージサービスサーバ5に送信する。メッセージサービスサーバ5は、登録IDに基づいて、送信すべき携帯端末1とアプリ11を特定し、特定した携帯端末1のアプリ11にメッセージ内容を送信する。
【0052】
[プッシュ通知の詳細処理フロー]
次に、図7のフローチャート(シーケンス図)を参照して、図2の通信システムの各装置の処理の詳細について説明する。
【0053】
初めに、ステップS1において、携帯端末1は、ユーザの操作に基づいて、マーケットに対応するアプリ提供サーバ3からアプリ11をインストールする。
【0054】
ステップS2において、携帯端末1にインストールされたアプリ11は、インストールが終了すると、常駐モードで自動起動する。アプリ11には、ユーザによって起動指示された場合の実行モードである本起動モードの他に、バックグラウンドで動作する常駐モードによる実行モードがある。アプリ11は、携帯端末1の電源がオンされていて、本起動モードによる実行中以外は、携帯端末1から削除されない限り、常駐モードで実行されている。
【0055】
常駐モードのアプリ11は、ステップS3において、携帯端末1(のユーザ)を識別するための情報であるユーザIDとともに、登録IDのリクエストを、メッセージサービスサーバ5に送信し、メッセージサービスサーバ5は、それを受信する。
【0056】
メッセージサービスサーバ5は、ステップS4において、登録IDのリクエストに応じて、携帯端末1のアプリ11に割り当てる登録IDを発行する。そして、メッセージサービスサーバ5は、発行した登録IDを、携帯端末1のアプリ11に送信し、常駐モードのアプリ11は、それを受信する。
【0057】
ステップS5において、常駐モードのアプリ11は、受信した登録IDを、ユーザID、アプリ11を示すアプリID、及びアプリ11のバージョン情報とともに、管理サーバ4に送信し、管理サーバ4は、それを受信する。
【0058】
ステップS6において、管理サーバ4は、受信した、登録ID、ユーザID、アプリID、及びバージョン情報を、受信した日付の情報である日付情報とともに、アプリ情報として、アプリ情報テーブル(図4)に記憶する。なお、日付情報についても、携帯端末1のアプリ11が送信するようにしてもよい。
【0059】
以上のステップS1乃至S6までの処理が、図3で説明した第1のステップに対応する。
【0060】
次に、携帯端末1において、ユーザによりアプリ11を起動する操作が行われると、ステップS7において、携帯端末1のアプリ11は、本起動モードで起動する。
【0061】
ステップS8において、本起動モードのアプリ11は、管理サーバ4に通知すべき所定のアクションが発生したか否かを判定し、所定のアクションが発生したと判定されるまで待機する。
【0062】
そして、ステップS8で、管理サーバ4に通知すべき所定のアクションが発生したと判定された場合、処理はステップS9に進み、本起動モードのアプリ11は、発生したアクションを示すアクションIDを、ユーザIDおよびアプリIDとともに管理サーバ4に送信し、管理サーバ4は、それを受信する。
【0063】
ステップS10において、管理サーバ4は、受信したアクションID、ユーザID、及びアプリIDを、アクション発生日時としての受信した日時情報とともに、行動履歴データとして、行動履歴管理テーブルに記憶する。
【0064】
ステップS8乃至S10の一連の処理は、アプリ11が本起動で実行され、かつ、管理サーバ4に通知すべき所定のアクションが発生する度に、繰り返し実行される。そして、ユーザによりアプリ11を終了する操作が行われると、ステップS11において、アプリ11は、本起動モードを終了し、常駐モードに戻る。
【0065】
以上のステップS7乃至S11までの処理が、図3で説明した第2のステップに対応する。
【0066】
アプリ11のアプリ製作者のPC2は、ステップS12において、アプリ製作者の操作に基づいて、管理サーバ4にログインし、プッシュ通知を設定する設定画面(不図示)のページデータを要求する。
【0067】
ステップS13において、管理サーバ4は、PC2からのプッシュ通知の設定画面のページデータの要求に基づいて、プッシュ通知の設定画面のページデータをPC2に送信し、PC2は、それを受信する。
【0068】
ステップS14において、PC2は、受信したページデータに基づいて、プッシュ通知の設定画面をディスプレイに表示し、アプリ製作者による設定画面内の各項目への入力を受け付ける。
【0069】
ここで、プッシュ通知の設定画面で入力可能な項目について説明する。
【0070】
プッシュ通知の設定画面では、まず、プッシュ通知を行うアプリ11を指定することができる。ここで指定されたアプリ11を、以下では、指定アプリ11という。
【0071】
設定画面では、指定アプリ11に対して、大きく、「1.アクション選択」、「2.時刻設定」、「3.対象ユーザ」、「4.通知内容」の4つの項目が設定される。
【0072】
「1.アクション選択」の項目では、プッシュ通知のアクションを指定することができる。すなわち、「1.アクション選択」の項目では、図6を参照して説明した「ダイアログ表示」、「ステータスバー表示」、「アプリ自動起動」のいずれかのアクション(表示形態)が指定される。
【0073】
「2.時刻設定」の項目では、プッシュ通知を行う時刻が指定される。具体的には、設定画面の入力を終えた時点で即座にプッシュ通知を行う「即時」か、または、入力指定された日時にプッシュ通知を行う「日時指定」のいずれかを指定することができる。
【0074】
「3.対象ユーザ」の項目では、指定アプリ11が携帯端末1にインストールされているユーザのなかでも、特に、どのようなユーザにプッシュ通知を行うかを指定することができる。
【0075】
具体的には、指定アプリ11がインストールされている全ユーザ、指定アプリ11を起動したことが[ある]または[ない]ユーザ、所定のバージョンの指定アプリ11を利用しているユーザ、などのユーザ指定が可能である。なお、ユーザID(端末ID)等により直接、ユーザを指定することもできる。
【0076】
「4.通知内容」の項目では、プッシュ通知において表示されるメッセージの内容を入力することができる。なお、「4.通知内容」の項目は、「1.アクション選択」の項目において「アプリ自動起動」が指定された場合には省略される。
【0077】
上述したような設定画面によるプッシュ通知の設定条件の入力(指定)が終了すると、ステップS15において、PC2は、入力されたプッシュ通知の設定条件を管理サーバ4に送信し、管理サーバ4はそれを受信する。
【0078】
以上のステップS12乃至S15までの処理が、図3で説明した第3のステップに対応する。
【0079】
ステップS16において、管理サーバ4は、ステップS15で受信したプッシュ通知の設定条件で指定された時刻となったか否かを判定し、指定された時刻となるまで待機する。具体的には、上述した設定画面において「即時」が指定された場合は、ステップS15の処理後、すぐのステップS16の処理において、指定された時刻となったと判定される。一方、設定画面において「日時指定」が指定された場合には、指定された日時となったときのステップS16の処理において、指定された時刻となったと判定される。
【0080】
ステップS16で、指定された時刻となったと判定された場合、処理はステップS17に進み、管理サーバ4は、設定画面で指定された各種の条件に基づいて、行動履歴管理テーブル及びアプリ情報テーブルのデータを検索し、通知対象のユーザを特定する。例えば、アプリ情報テーブルに基づいて、指定アプリ11がインストールされている携帯端末1であって、指定アプリ11のバージョンが所定のバージョンより古いバージョンであるなどの条件に該当するユーザが特定される。あるいはまた、ユーザの所定の行動履歴が条件となっている場合には、行動履歴管理テーブルが参照され、例えば、一回も起動していないユーザなどが、通知対象のユーザとして特定される。
【0081】
そして、ステップS18において、管理サーバ4は、設定画面で指定された各種の条件に基づいて、通知の内容を決定する。即ち、管理サーバ4は、設定画面の「1.アクション選択」の項目に基づいて、ダイアログ表示、ステータスバー表示、または、アプリ自動起動のいずれかのアクションを決定する。また、管理サーバ4は、設定画面の「4.通知内容」の項目に基づいて、表示させるメッセージを決定する。
【0082】
ステップS19において、管理サーバ4は、ステップS17で特定されたユーザの登録IDと、ステップS18で決定された通知内容を、メッセージサービスサーバ5に送信し、メッセージサービスサーバ5はそれを受信する。
【0083】
ステップS20において、メッセージサービスサーバ5は、受信した登録IDに基づいて、携帯端末1の指定アプリ11に対して、管理サーバ4から受信した通知内容を送信し、携帯端末1の常駐モードのアプリ11は、それを受信する。
【0084】
ステップS21において、常駐モードのアプリ11は、受信した通知内容を解析し、通知内容で指定されているアクションを実行する。
【0085】
具体的には、通知内容で指定されているアクションがダイアログ表示である場合、常駐モードのアプリ11は、設定画面の「4.通知内容」の項目で入力されたメッセージを取得し、ダイアログを模した画面に表示させる。
【0086】
通知内容で指定されているアクションがステータスバー表示である場合、常駐モードのアプリ11は、設定画面の「4.通知内容」の項目で入力されたメッセージをステータスバー22aに表示させる。
【0087】
通知内容で指定されているアクションがアプリ自動起動である場合、常駐モードのアプリ11は、本起動モードで実行する。
【0088】
以上のステップS16乃至S21までの処理が、図3で説明した第4のステップに対応する。
【0089】
以上説明した処理により、指定アプリ11がインストールされた携帯端末1において、仮に、指定アプリ11がインストール後、一度も起動されていなかったとしても、プッシュ通知が可能となる。
【0090】
[アプリ11の機能構成ブロック図]
図8は、上述したプッシュ通知機能に関するアプリ11の機能的構成例を示すブロック図である。
【0091】
アプリ11は、常駐モード実行部31と本起動モード実行部32とを備える。常駐モードでは、常駐モード実行部31のみが実行され、本起動モードでは、常駐モード実行部31と本起動モード実行部32の両方が実行される。
【0092】
常駐モード実行部31は、メッセージ送受信制御部41、登録ID制御部42、通知内容解析部43、および通知内容表示制御部44を有する。
【0093】
メッセージ送受信制御部41は、常駐モードにおける、管理サーバ4およびメッセージサービスサーバ5とのメッセージの送受信を制御する。
【0094】
登録ID制御部42は、図3で説明した第1のステップにおける処理、即ち、登録IDをメッセージサービスサーバ5にリクエストして取得し、取得した登録IDを、ユーザIDやアプリIDとともに管理サーバ4に通知するための処理を制御する。
【0095】
通知内容解析部43は、図3で説明した第4のステップにおいて、メッセージサービスサーバ5を介して管理サーバ4から送信されてくる通知内容を解析する処理を行う。
【0096】
通知内容表示制御部44は、通知内容解析部43による解析結果に基づいて、ダイアログ表示、メッセージ表示、および本起動の制御を行う。
【0097】
本起動モード実行部32は、行動履歴制御部51とメッセージ送受信制御部52を有する。
【0098】
行動履歴制御部51は、本起動モードにおいて、プログラミング時に予め決定されている所定のアクションが発生したか否かを判定し、所定のアクションが発生したときに、行動履歴データ(ユーザID、アプリID、及びアクションID)を生成する。
【0099】
メッセージ送受信制御部52は、行動履歴制御部51が生成した行動履歴データを管理サーバ4に送信する制御を行う。メッセージ送受信制御部41とメッセージ送受信制御部52は、モジュールとしては同一であってもよい。
【0100】
[携帯端末1の構成ブロック図]
図9は、携帯端末1のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0101】
図9において、CPU(Central Processing Unit)71は、各種の処理を実行する演算処理部である。CPU71は、アプリ10やアプリ11等も実行する。CPU71は、バス75を介してROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)73、およびNVRAM(Non Volatile RAM)74と相互に接続される。このバス75にはまた、入出力インタフェース76も接続され、入出力インタフェース76には、記憶部77およびドライブ78が接続される。
【0102】
ROM72には予めOS(Operating System)などの基本プログラムやデータが格納される。RAM73およびNVRAM74には、ROM72や記憶部77に格納されているアプリケーションプログラムやデータがロードされる。RAM73およびNVRAM74にはまた、CPU71が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。記憶部77は、フラッシュメモリなどにより構成され、アプリ11を少なくとも記憶する。
【0103】
ドライブ78は、必要に応じて装着される、半導体メモリなどのリムーバブルメディア79からのデータを読み出し、入出力インタフェース76等を介してCPU71に供給したり、CPU71から供給されるデータをリムーバブルメディア79に書き込む。読み書きされるデータには、インストールされるアプリケーションプログラムのデータが含まれていてもよい。
【0104】
入出力インタフェース76には、入力部80、音声入出力部71、タッチスクリーン82、無線通信部83、電話回線網通信部84、および撮影部85が接続される。
【0105】
入力部80は、キーボード、操作ボタン等により構成され、ユーザの操作による入力を受け付けて、CPU71等に供給する。音声入出力部81は、スピーカ、マイクロホン等により構成され、通話のための音声を入出力する。
【0106】
タッチスクリーン82は、表示部82Aと位置検出部82Bとを有し、各種の表示と、指等を近接、又は、接触(タッチ)することによる操作入力とが可能になっている。
【0107】
表示部82Aは、液晶パネル等のデバイス(表示装置)で構成され、入出力インタフェース86を介して供給されるデータに応じて、画像を表示する。
【0108】
位置検出部82Bは、例えば、静電式等のタッチパネル等の、外部からの入力(近接・接触)を受け付ける(検知する)機能を有するデバイスで構成される。
【0109】
タッチスクリーン82は、以上のような表示部82Aと位置検出部82Bとが一体的になっており、表示部82Aにおいて画像を表示し、位置検出部82Bにおいて、表示部82Aに表示された画像に対する外部からの操作入力(タッチや近接)を受け付けることができる。
【0110】
位置検出部82Bが出力する位置信号は、入出力インタフェース86を介して、CPU71に供給され、CPU71では、位置検出部82Bからの位置信号に基づき、どのような操作入力があったかが認識され、その操作入力に応じて、各種の処理が行われる。
【0111】
無線通信部83は、WiFi方式等による無線通信を行う。電話回線網通信部84は、移動体電話通信網を介して他の装置と音声通信、または、パケット通信を行う。撮影部85は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)センサ等の撮影素子などにより構成される。撮影部85は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを、入出力インタフェース76を介してCPU71等に供給する。
【0112】
以上のように構成される携帯端末1において、コンピュータ(CPU71)に、アプリ11が携帯端末1のユーザによって起動指示されていない状態の所定のタイミングで、アプリ11が、サーバから送信されてくるメッセージ(プッシュ通知)を受信し、受信したメッセージに基づいて、所定の内容を通知するダイアログを表示させる処理を実行させるようにした。これにより、確実かつ即時にユーザに認識されるように情報(メッセージ)を提供することができる。
【0113】
なお、携帯端末1には、数cm程度の近接距離で電磁誘導を利用した非接触通信を行う非接触通信部、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))方式による無線通信部、赤外線による通信を行う赤外線通信部などの、その他の構成をさらに備えるようにしてもよい。
【0114】
また、上述した実施形態では、携帯端末1がスマートフォンであるとして説明したが、携帯端末1は、スマートフォンに限らず、PND(Portable Navigation Device)、電子書籍リーダーなどのタブレット端末でもよく、アプリケーションプログラムをダウンロードして実行可能な携帯型の情報処理端末であればよい。
【0115】
アプリ提供サーバ3、管理サーバ4、およびメッセージサービスサーバ5それぞれのハードウェア構成の図示は省略するが、それらの各サーバは、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶部を有している。そして、各サーバは、記憶部またはROM等に記憶されているプログラムからRAMにロードされたプログラムに従って、上述した一連の処理を含む各種の処理を実行することができる。また、各サーバは、LANやインターネット等に接続してデータ通信を行う通信部、キーボード、マウスなどよりなる入力部、スピーカ、ディスプレイなどよりなる出力部も備える。
【0116】
上述した実施の形態では、アプリ製作者がプッシュ通知を利用して、アプリ11をインストールしたユーザに対して所定のメッセージを発信する例について説明した。しかし、プッシュ通知の利用者は、上述したようなアプリ製作者に限られない。
【0117】
例えば、アプリ11のアクセス解析などを行う管理サーバ4の運営業者が、アプリ製作者などの依頼に応じて、プッシュ通知実行の設定を行うことも可能である。あるいは、管理サーバ4のプッシュ通知実行プログラムに、例えば、「月の最初の日曜日に送信する」などのように定期的または不定期にプッシュ通知が自動的に実行されるように組み込んでおいてもよい。このような場合、アプリ製作者のPC2は不要となる。
【0118】
また例えば、友達どうしなどで、互いに、アプリ11をインストールしていること、及び、相手のユーザIDなどの情報が既知である場合に、友達Aが管理サーバ4にアクセスして、プッシュ通知を利用して友達Bに所定のメッセージを送信する、などのコミュニケーションツールとして利用することも可能である。この場合、アプリ11自身が、確実性および即時性を備えたコミュニケーションアプリであると捉えることもできる。
【0119】
本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる場合はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで実行されてもよい。
【0120】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0121】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 携帯端末
3 アプリ提供サーバ
4 管理サーバ
5 メッセージ(MSG)サービスサーバ
11 アプリケーションプログラム(アプリ)
31 常駐モード実行部
32 本起動モード実行部
41 メッセージ送受信制御部
42 登録ID制御部
43 通知内容解析部
44 通知内容表示制御部
51 行動履歴制御部
52 メッセージ送受信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末のコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、
前記プログラムが前記携帯端末のユーザによって起動指示されていない状態の所定のタイミングで、所定のサーバから送信されてくるメッセージを受信し、
受信した前記メッセージに基づいて、所定の内容を通知するダイアログを表示させる
処理を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記携帯端末にインストールされたタイミングで、前記プログラムを常駐モードで起動して前記サーバと通信し、前記サーバから、前記プログラムを識別するプログラム識別情報を取得し、
前記メッセージは、前記プログラム識別情報に基づいて前記携帯端末が特定されて、前記サーバから送信される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムが前記ユーザによって起動指示された実行状態において、前記プログラムに対する前記ユーザの行動履歴データを前記サーバに送信し、
前記メッセージは、前記プログラムから送信された前記行動履歴データに基づいて、前記携帯端末が特定されて、前記サーバから送信される
請求項1または2に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−30865(P2013−30865A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163926(P2011−163926)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(506225813)イクス株式会社 (12)
【Fターム(参考)】